第2次とりまとめ概要(日本語版)

ISS・国際宇宙探査小委員会 第2次とりまとめ 概要

1.背景

○ 米国・ロシア・カナダは2024年までISS運用延長
○ 月・火星探査は宇宙先進国のみならず多くの国が計画を推進(米、露、欧、中、印 等)
○ 民間企業による活動の活発化(地球低軌道、月探査)
○ 国際宇宙探査協働グループによる検討(国際協働による有人火星探査を目標)
  ※ ISSから始まり月、そして火星を目指す国際協働による活動を「国際宇宙探査」と呼ぶ

2.我が国として国際宇宙探査に取り組む意義

○ 外交・安全保障への貢献

  • 国際宇宙探査を通じて、我が国の宇宙開発能力の高さを示し、科学的・技術的な知見や実績に基づく発言力を有することで、国際的なルール形成の議論の主導権を確保

○ 産業の振興

  • 国際宇宙探査の競争下における最先端技術開発や革新的材料開発等は、我が国の宇宙産業基盤を強化無人探査機のロボティクス、エネルギー技術等は、我が国の基幹産業とも関連し、産業競争力を強化

○ 科学技術イノベーションの推進

  • 国際宇宙探査を通じて得られる科学的知見や宇宙技術は、人類共通の財産。我が国が先導的かつ主体的な役割を担い、世界に貢献することは、科学技術イノベーション立国であるための重要な試金石

3.我が国として取り組む国際宇宙探査

○ ISSから月・火星へと、ステップ・バイ・ステップ・アプローチによる着実な推進

  • ISSへ引き続き参加し、成果の最大化に努める
  • 月・火星探査への主体的な取組を推進
  • 月を対象にしたピンポイント着陸技術実証(2019年度)及び月南極探査(2020年代初頭)
  • 「はやぶさ」の知見・技術を生かした火星衛星サンプルリターン(2020年代前半)

○ 重点化技術(重力天体着陸・探査技術、深宇宙補給技術、有人宇宙滞在技術)を特定し、我が国独自の技術、知見を蓄積することにより、我が国の技術的優位性、発言権を確保

4.推進方策

○ JAXAを中心としたAll-Japan体制を構築。海外から優れた研究者を招へいし、アジアにおける宇宙探査研究の中核を目指す
○ 次回ISEF(2016年もしくは2017年に日本開催)は、我が国が議長国として、国際的な枠組み作りでリーダーシップを取る貴重な機会であり、産官学を挙げて積極的に関与

5.今後のISS計画における我が国の取組

○ 研究開発プラットフォームとしての「きぼう」利用の成果最大化に向けた方策

  • 新たな日米宇宙協力に対応した取組や国際連合、アジア諸国等との協力による国際的な利用を推進
  • 超小型衛星放出機会の拡充や「きぼう」船外実験設備を用いた宇宙技術実証の場(オープンプラットフォーム)として、幅広い宇宙開発利用の発展と産業競争力の強化へ貢献
  • 革新的な新薬創製、加齢性疾患対策、再生医療、新機能材料創出等の国の科学技術戦略・施策へ貢献

○ 費用対効果向上のためのコスト負担の方策(改良型HTVの活用)

  • HTVを改良したHTV-X(仮称)を開発、将来の様々なミッションへの波及性と運用コスト低減を実現

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課