原子力科学技術委員会 研究施設等廃棄物作業部会(第14回) 議事録

1.日時

平成29年12月18日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省5階 5F3会議室

3.議題

  1. 原子力機構の取組状況について
  2. 埋設処分業務の実施に関する計画の変更について
  3. RI廃棄物の現状について
  4. その他

4.出席者

委員

出光主査、内田委員、葛西委員、鬼沢委員、重光委員、澁谷委員、多田委員、徳増委員、伴委員、藤本委員、古川委員、横山委員

文部科学省

増子研究開発局審議官、西條原子力課長、嶋崎廃炉技術開発企画官、三野原子力課課長補佐、上田原子力課課長補佐、宮原放射性廃棄物企画室室長補佐

オブザーバー

北嶋日本原子力研究開発機構バックエンド研究開発部門埋設事業センター長、坂本日本原子力研究開発機構バックエンド研究開発部門埋設事業センター副センター長、林日本アイソトープ協会環境整備部部長

5.議事録

(出光主査) 定刻になりましたので、第14回の研究施設等廃棄物作業部会を開催いたします。
 本日は、第9期科学技術・学術審議会が設置され最初の研究施設等廃棄物作業部会の開催となります。
 まず、作業部会を始めるに当たりまして、原子力課の西條課長よりご挨拶いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(西條課長) 皆様、おはようございます。原子力課長の西條でございます。私、本年1月に着任しておりまして、1月ということなのでもう1年たつのでございますけれども、本日は、年末の非常にお忙しい中、委員の先生方にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。
本日の作業部会につきましては、平成27年7月以来、この作業部会は2年と半年ぶりの開催となります。
 前回の作業部会では、原子力研究開発や放射線利用に伴って発生いたします低レベルの放射性廃棄物であります研究施設等廃棄物の埋設処分事業を実施するに当たりまして、原子力機構が作成する実施計画に立地の手順、及び基準等を定めるためのご審議をいただいたところでございます。原子力機構におきましては、現在、この実施計画に基づきまして、埋設処分の実施に向けた取組を進めているところでございます。
 皆様、ご存じのとおり、原子力の研究開発をめぐりましては、昨今、さまざまな状況の変化が起こっております。特に原子力機構におきましては、昨年の10月にまずドラフトを公表させていただいて、今年の4月には機構が所有している施設に関しまして施設中長期計画を策定いたしまして、保有する原子力施設の選別を行いまして、89施設のうち44施設を廃止するという計画を発表しているところでございます。
 また、平成29年6月には、原子力機構東海再処理施設の廃止措置計画の認可申請が行われておりますし、皆さんご存じのとおり、今月、もんじゅに関しましての地元のご了解も得られたということで、廃止措置計画の認可申請が行われているといった形で、廃止措置完了までの工程をおのおのの施設が示すとともに、そういった手続が進められているところでございます。
 すなわち、原子力施設についてはかなり廃止措置に向かっていくというようなものが多数出てきているという状況になっておりまして、そういった意味におきましては、この研究施設等廃棄物の扱いをどうしていくのかというのが非常に重要な問題となってきていると、我々もしっかりと認識しているところでございます。
 原子力機構では、こういった状況を踏まえまして、実施計画の変更を予定しておりまして、本日の部会におきましては、原子力機構、またRI協会さんから、研究施設等廃棄物埋設事業の現状とRI廃棄物の現状についてそれぞれご説明をいただくとともに、実施計画の変更案についてご議論いただき、ご意見をいただければと考えております。
 本日は、研究施設等廃棄物の埋設処分の着実な実施に向けまして、委員の皆様の忌憚のないご意見を伺えればと思っておりますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
(出光主査) ありがとうございました。
 続きまして、原子力課の嶋崎廃炉技術開発企画官よりご挨拶いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(嶋崎企画官) おはようございます。7月に廃炉技術開発企画官として着任いたしました嶋崎と申します。本作業部会の担当をさせていただいております。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 今日は、先ほど課長の西條より説明があったとおり、JAEAにおけます埋設事業に関する実施計画の改定について主に議論をいただくことにしておりますけれども、JAEAにおける最近の埋設処分事業に関する取組、あるいは、RI協会さんにおけるRI廃棄物の処理・処分に関する取組についても、2年半以上開いてしまったということもありますので、現状をご報告していただきたいと思っております。少し丁寧に説明をしていただいて、もう一度状況を各委員の方々で共有していただいて、今後の議論にまたつなげていただければと思います。
 今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。
(出光主査) ありがとうございました。
 それでは、資料14-1に名簿がございますので、ご覧ください。2つほどめくっていただくとあるかと思います。前回開催いたしました作業部会からもう2年半たっておりまして、新たに委員となった方が8名ございます。というか、残っているのが5名ということで、大半が入れかわってしまったという状況でございますので、新しい方も含めまして、後ほど皆さんに自己紹介を行っていただきますが、まず、新しい方の紹介を事務局のほうからお願いいたします。
(宮原補佐) それでは、新たに委員にご就任いただきました8名の方々をご紹介させていただきます。
 名簿の上のほうからでございますけれども、まず、電気事業連合会原子力部長でいらっしゃいます渥美法雄委員。本日はご欠席のご連絡を受けております
 それから、フリージャーナリスト・キャスターでいらっしゃいます葛西賀子委員。
 日本原燃株式会社埋設事業部長でいらっしゃいます重光雄二委員。
 日本電機工業会原子力部長でいらっしゃいます多田伸雄委員。
 日本立地センター参与でいらっしゃいます徳増秀博委員。
 高エネルギー加速器研究機構放射線科学センター研究員でいらっしゃいます伴秀一委員。
 有限責任監査法人トーマツパートナーでいらっしゃいます藤本貴子委員。
 日本アイソトープ協会専任理事でいらっしゃいます古川修委員。
 以上でございます。
(出光主査) ありがとうございました。
 次に、参考資料で原子力科学技術委員会運営規則というのがございます。一番後ろかと思います。この規則の第2条第7項の規定に基づきまして、徳増委員に主査代理をお務めいただくことになっておりますので、よろしくお願いいたします。
(徳増委員) よろしくお願いいたします。
(出光主査) 前回の作業部会から2年半ということで、先ほど申し上げましたが、委員の構成が大分変わっておりますので、継続委員の方も含めて、委員の皆様から一言ずつご挨拶いただきたいと思います。
 まずは私のほうからご挨拶申し上げます。着席で失礼いたします。
九州大学の出光でございます。
 元動燃事業団に昔勤めておりましたが、平成元年から九州大学に来ております。かれこれ廃棄物関係で30年ほど研究を続けておりますので、そろそろ先に進めたいというふうに思っておりますので、皆様、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
 続きまして、名前の順に各委員からご挨拶いただきたいと思いますので、まず、内田委員のほうからお願いいたします。
(内田委員) 量研機構放射線医学総合研究所の内田です。
 2年前にJAEAの高崎研・那珂研等と放医研が1つになりまして、新たに発足した研究機構でありますけれども、その中で廃棄物関係、主に環境中の放射性物質の動態をやっております。よろしくお願いいたします。
(葛西委員) このたび新しく委員になりました葛西でございます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 私は青森出身でして、今日も青森から参りましたが、青森放送というところのアナウンサー・キャスターがメーンで、そのときに経済とかエネルギーの記者も兼務してこの業界を取材させていただいたというきっかけで、バックエンドの部門ですとか、原子力とか、原子燃料サイクルといったものの取材、それから、番組等を担当させていただいております。もうかれこれ30年ぐらいになります。最近は、福島第一原発の事故で避難された皆さんが、今、帰還されておりますので、そういった方々の対話集会のコーディネーターという形で、浜通り方面に4年ぐらい前から、年に十数回、飯舘村とか川俣町、浪江町、大熊町などに伺っております。
 この作業部会の関連では、今から7~8年前ですけれども、JAEAさんがこの部会の前の計画段階で、埋設施設設置に関する技術専門委員会というものを立ち上げた際の立地基準とか立地手順をどうするかという、一番最初のワーキングチームに参加させていただいておりました。どうぞ、よろしくお願いいたします。
(鬼沢委員) 持続可能な社会を作る元気ネットというNPOの事務局長をしております鬼沢です。よろしくお願いいたします。
 もともと一般廃棄物等の最終処分場がなくなるというときに、各地でリサイクル活動が始まったのをきっかけに、廃棄物をテーマに活動してまいりましたけれども、10年前から資源エネルギー庁の高レベル放射性廃棄物の理解促進活動にもかかわらせていただきまして、ちょうどそれが10年を過ぎました。それもようやくマップが提示されて一歩前に進んだかなという感じがしておりますので、これからもぜひ、この問題にもかかわらせていただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。
(重光委員) おはようございます。日本原燃の埋設事業部長をしております重光といいます。前任小栗からこの7月に交代いたしまして、7月から埋設事業部長をしております。
 ご承知のとおり、日本原燃におきましては、原子力発電所の運転に伴って発生する低レベルの放射性廃棄物の埋設事業を進めてございます。開始いたしましてから四半世紀がたったところでございます。なかなか順調にとはいかないところもあるんですけれども、鋭意進めているところでございますけれども、皆様のご支援等をいただきながら進めているところでございます。よろしくお願いいたします。
(澁谷委員) 公益財団法人原子力バックエンド推進センターの専務理事を務めています澁谷と申します。通称RANDECと呼んでおりますので、RANDECと言っていただければおわかりになると思います。
 研究施設等廃棄物の中では、RANDECは大学・民間の研究所からの廃棄物を処理するという形でこの事業にかかわっております。ただ、RI協会さんと違いまして、まだソフト段階の計画でありまして、ハード、いわゆる、装置・設備等を持ってございませんので、これから本格的に動き出すとともに、我々のほうも活躍の場が出てくるのではないかと期待しています。
 私自身は、原子力機構に30年ほど勤めていまして、原子力発電所、新型転換炉ふげん発電所、福井県の敦賀市にありますけれども、既に25年運転いたしまして、十数年前から廃止措置に入っています。現在、廃止措置の段階にあるところで、私は廃止措置に入るときの計画を作る中で責任者を務めておりました。ということで、6年前からRANDECに勤めさせていただいています。どうぞ、よろしくお願いいたします。
(多田委員) 日本電機工業会、多田でございます。よろしくお願いいたします。
 皆さん余りご存じないかもしれませんが、電機産業界も若干ながら放射性の廃棄物を持っておりまして、それの処理の話もあるということですので、そういったところからも、こちらの委員会で勉強も兼ねながら意見を言わせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
(徳増委員) 日本立地センターの徳増でございます。前任の五味が長くこの会議に参加させていただいておりまして、そのかわりで私が委員ということで参加をさせていただいております。
 私は、長い間、地域振興ということをずっとやってきております。特に農村地域といいましょうか、過疎地域のいろんな振興を含め都市部の復興の問題もいろいろやってきておりますけれども、昨年は青森県の東通の振興ということで、2年間、東通に入ったりしております。また、もう一つは原子力の地域の産業復興ということで、いろいろな基金管理を、私のほうでいろいろな形で補助金管理の関係もやっております。そういう面では、地域のいろいろな問題について、私ども何か参考になるではないかなと思っていますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
(伴委員) 高エ研の伴です。加速器の放射線防護をやっております。
 高エネルギーになりますと、加速器は本体にも放射能ができるんですが、周りの鉄とかコンクリートの遮蔽にも、濃度はごく低いんですが、放射能を帯びますので、そういった関係で放射化物の管理を行ってまいった関係で、ここに参加させていただきました。どうぞ、よろしくお願いします。
(藤本委員) 有限責任監査法人トーマツの藤本と申します。
 私は、会計監査が主たる業務ということになりますけれども、主に一般事業会社であるとか、その中でもインフラ事業を行っている会社の会計監査を主としてやってまいりました。本年度に入りましてから、同じ技術委員会の中の原子力施設廃止措置等作業部会にも今年度から参加させていただいておりまして、会計の専門家という立場でお話をさせていただく機会もあり、ぜひ、皆様方にも技術的ないろいろなことを教えていただきながら、委員として務めさせていただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。
(古川委員) 公益社団法人日本アイソトープ協会の古川でございます。前回のこれを見ると、私、13回に説明員で来ておりまして、今回、委員ということですけれども、何を説明したか忘れているぐらいの者でございます。
 私は、協会に入りましてからほぼ30年以上、低レベル放射性廃棄物、特にRI廃棄物の処理・処分、専門は何かと言われれば、プラントだとか施設設計とか、そういうことをずっとやってまいりました。協会は我が国で唯一のアイソトープの廃棄物を集荷している団体でございまして、料金が高いとか、いろいろ言われます。でも、何とか昭和41年から継続してこういう事業をやっているということで、この作業部会も将来の処分に向けて進んでいただくことを、我々、協力していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(横山委員) 東京大学の横山と申します。
 私の専門は、現代科学論で、科学と社会の構造的な問題やコミュニケーション研究に取り組んでおります。大学院まで物理学を修めたことから物理系のフィールドに関心があります。原子力に関してはそれほど詳しくないということから、外からの目線というのも大事にしてお役に立てたらと願っております。どうぞ、よろしくお願いいたします。
(出光主査) 皆様、どうも、ありがとうございました。
かなり入れかわってしまったということで、また気分一新で議論いただければと思います。
 報道関係の方はいらしてますでしょうか。撮影等ございましたら、ここで最後となりますので、よろしゅうございますでしょうか。
 では、これから議事に入らせていただきます。
 本日の議事については、お手元の議事次第に書かれておりますとおり、「原子力機構の取組状況について」、それから第2議題として、「埋設処分業務の実施に関する計画の変更について」、それから3番目としまして、「RI廃棄物の現状について」、4番目、「その他」という形で行っていきます。
 議事に入ります前に、本日は発表者として原子力機構バックエンド研究開発部門埋設事業センターの北嶋センター長、それから、同じくバックエンド研究開発部門の埋設事業センター、坂本副センター長、それから、日本アイソトープ協会の環境整備部の林部長、このお3名にもご出席いただいております。
 会議は12時まで時間をとっておりますが、議論がスムーズに進みました場合は、早目に散会させていただきます。
 それでは、事務局のほうから、出欠と配付資料の確認をお願いいたします。
(宮原補佐) 本日は13名の委員中12名の委員にご出席いただいておりますので、定足数である過半数は満たしております。
 続いて、本日の配付資料の確認をさせていただきます。議事次第をご覧いただければと思います。
 まず資料14-1、本作業部会の構成員の名簿をお配りしております。資料14-2、研究施設等廃棄物埋設事業の現状について、それから、14-3-1、埋設処分業務の実施に関する計画の変更について、14-3-2、埋設処分業務の実施に関する計画の新旧対照表をお配りしております。また、資料14-4、RI廃棄物の現状について。
 以上、資料5点お配りしてございます。このほかに参考資料といたしまして、原子力科学技術委員会の運営規則をお配りさせていただいております。
 資料の欠落等ございましたら、事務局までお知らせください。また、議事の途中でもお気づきの点等ございましたら、お申しつけいただければと思います。
 資料の確認は以上でございます。
(出光主査) 過不足等ございませんでしょうか。もし何かありましたら、後ほどでも過不足分、出させていただきたいと思います。
 そうしましたら、議事のほうに入っていきたいと思います。
 それでは、議題の1になりますが、「原子力機構の取組状況について」に入ります。
まずは原子力機構のほうから資料の説明をお願いいたします。その後、皆様に質問、ご意見等をいただきたいと思います。かなり委員がかわっておりますので、丁寧に説明をよろしくお願いいたします。
(坂本副センター長) 原子力機構の坂本と申します。資料14-2につきまして、説明させていただきます。タイトルは「研究施設等廃棄物埋設事業の現状」ということでご説明させていただきます。
 めくっていただきまして、目次でございます。まず1.ということですが、委員の方がかなり代わられているということで、全体概要と、これまでの経緯につきまして、簡単にまとめたものでございます。3.以降につきましては、前回の作業部会からの進捗状況的なところを、1、2、3、4という形でまとめております。
 それでは、右下のページ1ページのところから説明させていただきます。まず、研究施設等廃棄物の概要ということで、資料のほうでございますが、我が国では研究機関、まさに原子力機構などの研究機関とか、それ以外の独法関係のところ、または大学、あと医療機関とか民間企業におきまして、放射性同位元素や放射線発生装置、いわゆる加速器とか、こういったものを設置、または核燃料物質の使用が行われておりまして、こういった研究活動や技術開発等、こういったところからいろいろな種類の入っている放射性廃棄物が発生しております。こういったものを称しまして「研究施設等廃棄物」と呼んでおります。
 こういった廃棄物は、全体的には放射濃度が低いものが多いという形になっておりますが、ものによっては高いものもございます。現状といたしましては、全く処分がなされておらず、各事業者におきまして長期にわたって保管されているという状況でございまして、近い将来、こういった研究開発に支障を来す懸念もあるというところでございます。
 具体的な施設のイメージといたしまして、下のほうに写真等出ておりますが、例えば研究炉、これは原子力機構の研究炉の写真でございますが、こういったもの。あと、照射後試験施設と言いまして、使用済み燃料を破壊して研究を行うような、こういった施設、また、核融合等の大きな加速器施設とか、がんの検査とか、こういったものから放射性廃棄物が発生するという状況でございます。
 また、原子力施設の廃止措置という形で、当然ながら、施設の運転だけでなく、施設を廃止することによって放射性廃棄物が発生します。こういったものにつきましては、右の写真にございますように、ドラム缶とか角型容器とか、放射能のレベルが高いものにつきましては、遮蔽を有します容器に保管しているといったところがなされているという現状でございます。こういった施設の廃止措置を含めまして、廃棄物の処理・処分が必要な状況という状況でございます。
 めくっていただきまして、2ページ目でございます。具体的にどのような廃棄物が発生するかという写真をお示ししたものでございます。左側には、先ほど言いましたような施設の運転・解体、同じような写真が載っておりますが、こういった、いろいろな施設や細かい実験作業、こういったところから放射性廃棄物が発生するといったところでございます。
 主に固体廃棄物に関しましては、例えばフィルタ類とか手袋類といった、いわゆる、放射性物質を使うことによって発生するものとか、ビニール、プラスチックとか、通常の活動とか研究でも発生するものが大半でございまして、こういったものに若干の放射性物質がついているといった形で発生するものでございます。
 また、液体に関しましては、基本的にはきちっと濃度をはかって放流ということもございますが、当然、基準を超えたものにつきましては、適切な処理を行って保管されている、最終的には固型化処理等が行われるという状況になっております。
 3ページでございます。こういった廃棄物の流れにつきまして、ざっとまとめたものでございます。左から廃棄物の発生、操業とか廃止措置ということに伴いまして発生いたしますが、こういった廃棄物に関しましては、処理前に一時的な保管がなされる。あと、焼却とか、液体関係ですと蒸発とか、金属とか固体関係ですと圧縮処理、こういったものを伴いまして、中間的な保管が行われるという形でございます。最終的な後処分におきましては、こういった廃棄物をセメント等で固型化等を行うことによりまして、最終処分ができる形態に処理がなされて保管され、処分場へ輸送がなされていく、こういった流れになっております。
 それぞれに必要な活動につきましては、色分けした形で下に示しております。例えば、中間処理段階ですと、分別とか、具体的な廃棄体につきましては分類方法の検討、こういったものが必要になってまいります。廃棄体の処理に伴いましては、具体的な手法の検討とか、例えば中にはどれぐらい放射性物質が入っているかということもかなり重要な情報になってまいりますので、そういった放射能の評価手法の検討といったものを行いまして、具体的にそれぞれ廃棄する、それにどれぐらい放射能が入っているかというような確認を行って、処分地へ持っていくという手続がなされるものでございます。
 また、処分場におきましては、立地推進と書いておりますが、具体的には場所を決めて、それに対しまして必要な事業を行っていくことでそのための資金計画、また処分を行うために必要な規制制度の構築、こういったものが全て連携して繋がってくるものでございます。
 また、緑の線で処分と廃棄体化とをつなげておりますが、例えば、埋設事業の設計等を反映いたしまして、具体的な廃棄体の作成・搬入していくというような形で、両者、連携して行われるものでございます。
 次のページをめくっていただきたまして、4ページ目でございます。これからは若干の経緯的なところでございます。原子力機構法は平成20年に改正が行われまして、原子力機構が研究施設等廃棄物の埋設処分事業の実施主体として位置づけられたものでございます。
 この原子力機構法に基づきまして、文部科学大臣、経済産業大臣が定めました「埋設処分業務の実施に関する基本方針」が平成20年12月25日に策定されております。これに即しまして、原子力機構といたしましては、「埋設処分業務の実施に関する計画」を策定。一番最初は平成21年11月13日でございます。ここで認可をいただきまして、その後、3回の変更認可を経て現在に至っているという状況でございます。
 あと、施設のイメージ的なものといたしましては、実施計画におきましては、平成60年度までに発生が見込まれる放射性廃棄物といたしまして、3ページにありました廃棄体化処理という形で、例えばセメント固化とかいった最終処分ができる形態で、200Lドラム缶換算で60万本という数値を掲げまして、これを対象にピット処分とかトレンチ処分を行う計画にしております。内訳といたしましては、ピット処分22万本、トレンチ処分で38万本を想定しているところでございます。
 下のほうにポンチ絵的なものを描いております。極めて理想的に用地が確保できれば、100haぐらいのところにコンクリートピットとかトレンチといった埋設施設を設置するということを想定しております。
 コンクリートピットの施設に関しましては、先行事例でございます日本原燃さんとほぼ同様な施設で、この中にドラム缶とか角形容器を処分するという形でございます。
 また、トレンチ処分に関しましては、右の図にございますが、今のところ2種類を想定しております。1つは安定型と言いまして、いわゆる、遮水シートといった類いではないものでございます。対象といたしましては、金属とかコンクリート、主に解体で発生するようなものでございますけれども、産廃でいうところの安定5品目といったものを対象にしたものでございます。例えばフレキシブルコンテナとか角形容器みたいなものを処分する形態を想定しております。
 また、下のほうに付加機能型と書いておりますが、ここでは上部とか側面、底部に遮水工、遮水シートなどを想定しておりますが、そういったものを設定いたしまして処分を行うということで、放射能レベルは両者、同程度のものを想定しておりますが、埋めるものといたしまして、付加機能型ではドラム缶のような形できっちり処理をしたものを対象にするということを想定しているものでございます。
 上の本文のほうに戻っていただきまして、こういった施設、あと、いろいろなところから出てくる関係上、関係する法律はかなり多岐にわたっております。この辺はご存じだと思いますが、原子炉等規制法、いわゆる、原子炉とか核燃料物質の使用施設を規制する法律でございます。あと、放射線障害防止法、いわゆる、RI廃棄物の発生を規制する法律でございます。
 それ以外にも医療法とか薬事法と言いまして、下に書いておりますが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、いわゆる昔の薬事法と言いまして、放射性医薬品を製造する施設等を規制する法律でございます。あと、臨床技師等法及び獣医療法、こういった種類にわたる法律で規制される施設になる予定でございます。
 5ページでございます。これまでの経緯ということで、先ほどありました、平成20年、機構法の改正が行われたところでございます。基本方針が同年の終わりぐらいに策定されまして、実施計画の認可が翌21年11月でございます。それ以降、埋設施設の概念設計等を踏まえまして、平成23年、実施計画変更認可とありますが、必要な事業経費の見積もり等を行ったものでございます。
 その後、「埋設施設設置に関する技術専門委員会」とございますが、こういったところで立地基準・手順の検討策を進めてきたものでございます。これは前回で反映させていただいているところでございます。
 その他、立地環境調査計画の策定、埋設施設の施工調査、予備評価というところで、技術的な検討を進めてきているところでございます。
 現在、平成29年度ということで、具体的な立地活動に入ってきているという状況でございます。
 6ページでございます。全体のスケジュールと言いますか、大きな流れという形で見ますと、下の図にあるような形でございます。立地が決まった以降、初期建設期間を8年と設定しております。その後、50年間の操業、年間、大体1万本前後の廃棄物を処分するということを想定しております。その後、覆土を経まして、閉鎖後管理が300年ということで、全部足しますと、三百数十年ぐらいの計画になるといった形を取っております。
 7ページでございます。先ほど機構法に基づきまして基本方針の策定といったことがございました。また、それを受けまして機構では実施計画を策定しております。実際の資料につきましては、お手元に参考資料が配付されていると思いますので、そちらをご覧いただきたいと思いますが、ポイントだけこちらに記載しております。
 基本方針ですと、対象となります種類ということで、機構及び機構外部から委託を受けた廃棄物ということで、平成60年度まで発生が見込まれる廃棄物であって、ピット処分、トレンチ処分ができるものが対象だといった形になっております。
 これを受けまして、実施計画では、対象は同様でございますが、施設規模として60万本を想定しているということ、ピット処分としては22万本、トレンチ処分で38万を想定しているという形で、具体的な数字を入れた計画にしております。
 また、その下は立地に関する話でございますが、国は原子力機構と一体となった立地活動に取り組むなど、積極的に機構を支援する。それから、処分地の選定ということに関しましては、透明性の確保、公正な選定という形で、実施計画におきまして、選定手順及び選定基準を明確化するという形になっております。これを受けまして、実施計画におきましては、立地手順と立地基準を記載しております。これについては、あとで、別のページで説明させていただきます。
 あと、資金計画の策定と適切な管理ということで、具体的な数字を入れた計画を実施計画で策定しているといったところでございます。
 めくっていただきまして、8ページ目でございます。これは、平成21年に新規に策定いたしまして、3回変更を行ってきておりますので、その経緯を書いております。
 平成24年3月に1回改定をいたしておりますが、このときは埋設の概念設計ができましたので、それに基づいて具体の総費用の積算を行ったという形でございます。約2,002億円と積算をしております。
 平成26年3月に変えておりますが、消費税率の変更ということで、どうしても若干お金が増えてしまうということで、2,029億円に資金計画を変更したといったところでございます。
 その前の変更は平成28年3月でございまして、先ほど言いましたように、手順・基準を策定して、これを入れ込んだということと、ちょっと変な話ですが、量子科学技術研究開発機構が発足いたしまして、同時に、那珂研と高崎研が機構の拠点ですが、いわゆるQSTのほうへ移管いたしまして、対象となる物量が機構の分と持ち分が変わりましたので、そういった物量の変更といったことも反映したものでございます。そして、今回、後で説明させていただきますように、若干の記載の変更を依頼したいといったところでございます。
 9ページ以降でございますが、主要な実施状況ということで、まずは立地推進に向けた取組ということで、立地手順と立地基準の策定ということでございます。
 あと、基本設計に向けた技術的検討ということで、当然ながら、具体的にどのような処分ができるかということで、そういう検討を進めているところでございます。
 また、輸送・処理への体系的な対応ということで、関係機関との情報交換を進めているところでございます
 あと、情報発信ということで、若干ですけれども、Webサイト等を設置して対応を進めていったところでございます。
 めくっていただきまして、10ページ、11ページ、12ページとしまして、立地手順及び立地基準の策定ということでございます。これは前回、約2年半前の作業部会でお示しさせていただきまして、その後、機構の中でも若干の検討等を踏まえて、最終的に実施計画に反映したものでございます。基本は変わっていないところでございます。
 まず、具体的な中身といたしましては、立地の選定に係る手順といたしましては、埋設事業の適切な運営が可能と考えられる地点の属する地方自治体の協力要請方式ということで、括弧書きをしておりますが、埋設施設を設置する地点の選定に係る基準を考慮して候補地を検討し、候補地の属する地方自治体に申し入れを行い、地方自治体の了解を得るということを主体にしております。
 また、協力要請方式による地点の選定の状況を踏まえまして、必要に応じて事業に関心を有する基礎自治体の募集も行うということで、これを絵にしたものが下の図でございます。大きく、手順ということで、AとB、2つ書いておりますが、基本といたしましては、協力要請方式ということで、機構のほうで地点を選定して、候補地を検討いたしまして、当方から申し入れを行うといった形を想定しております。それによりまして自治体のご了解を得た後、具体的な事業申請を行うという流れにしております。
 また、11ページは基準のほうでございます。適合性評価項目と比較評価項目ということで分けておりますが、適合性評価項目というのは、当然ながら、これはマストな条件という形で挙げたものでございます。いわゆる、安全性と環境保全、その他ということで、事業用地面積という形にしております。
 安全性といたしましては、普通考えられます「火山」、「津波」、こういった条件につきまして、候補地が安全上支障がないことを確認するという形をとっております。
 また、環境保全に関しましては、「土地利用に関する規制・計画」、「文化財の保護」という、いわゆる、法的な要件で土地利用が限定される場合に、機構としては土地の取得はなかなか難しいということがございますので、こういった点を考慮するという形にしております。
 また、「事業用地面積」に関しましては、当然ながら、一定の面積がないと具体的な事業ができませんので、こういったことを確認するといった形にしております。
 また、比較評価項目という形で、事業用地の確保の容易さとか、廃棄体の輸送の利便性等を確認するということで、万一ですが、複数の候補地が出てきたときにこういった比較評価項目で評価を行うといった形をしております。
 矢印が2本出ておりまして、右のほうに書いておりますが、適合性評価項目のうち事業用地面積、比較評価項目につきましては、機構が別途定めるという形で、実施計画は記載しております。
 これの具体的な中身につきましては、次の12ページに記載しております。実施計画におきましては、平成28年6月に原子力機構において公開しております。
 適合性評価項目に対しまして事業用地面積といたしましては、地形とか埋設施設の配置を考慮するとともに、先ほど言いました60万本、こういったものができる広さといった形を一つの指標といたしますということにしております。ただし、地方自治体との協議により、対象とする放射線の量と種類に応じた事業用地面積となる場合には柔軟に用地面積を考慮するということで、ある程度柔軟性を持たせるという形にしております。
 また、比較評価項目といたしましては、経済性・利便性ということで、「事業用地」、「輸送の利便性」、「事業の効率性」を考慮するという形にしております。
 「事業用地」につきましては、用地の取得の容易性とか造成工事の費用、こういったものの評価という形にしております。
 また、「輸送の利便性」につきましては、利用可能な港湾とか幹線道路からのアクセスといったことで輸送費用がかなりきいてきますので、こういったことを評価するという形にしております。
 「事業の効率性」につきましては、業務運営に係る費用対効果の観点から「候補地」の立地条件を評価するという形にしております。
 社会的要件ということで、「用地取得の容易性」につきましては、土地利用の規制解除とか地権者との交渉が容易に進められる見込みがあるということと、「地域社会の受容性」につきましては、自然環境への影響度合い、こういったことについて評価を行うという形にしております。
 13ページでございます。次に技術的な検討ということで、13ページは廃棄体の受入基準の検討という形にしております。当然ながら、埋設施設を作った時に何でもかんでも受け入れられるというわけではありませんので、規制法その他に則りまして、具体的にきちっと処理されていることを確認してまいります。そのため、現在、当方でも受入基準を検討しているところでございます。
 その細かいところは省きますけれども、左にございます均質・均一固化体、充填固化体ということで、例えばセメントなら固型化をしたものと、コンクリート等廃棄物ということで、例えば解体等でできたようなコンクリートとか金属をトレンチ処分を行う場合といった形にしております。
 細かい話になりますが、14ページに表の形にまとめでまとめております。色分けしている上側がピットまたはトレンチということで、先ほどありましたような充填固化体とか均質固化体ということで、いわゆる、固型化をするような廃棄体の場合でございます。受入基準はいろいろ項目ございますけれども、例えば、照合措置とか固型化材料の仕様、こういったものは今の法律等を踏まえてほぼ決まっているものでございます。
 あと、廃棄体との一体的な充填ということ、例えば充填固化体ですと、きちっと中は充填されているということが必要になってきますし、圧縮強度という均質・均一固化体ですと、そういったものが対象になってくるといったような形になっております。
 あと、健全性を損なう物質ということで、ここでは化学的に有害な物質を検討しております。×になっておりますが、そういったもの、例えば廃掃法で言いますような有害物質の扱いとか、あと、環境基準で出てくるような物質がどこまで処分できるかとか、こういったことに関しまして、ある程度、具体の処分場が見えてこないと、なかなか数量的なところが検討できないということがございまして、×にしているところでございます。
 あと、有害な空げきというのは、例えばドラム缶の中にきっちり上までセメントを詰めることは難しいですので、どこまで対応可能かということで検討を進めているところでございます。
 あと、最大放射能濃度に関しましては、ある程度、具体の場所が決まった後、そこでの安全評価結果から最大放射能濃度を決めてまいりますので、これも最終的な場所により決めるといった形を検討しております。
 今述べました詳細につきましては、15ページ、16ページにまとめたものがございます
 参考といたしまして、一番最後の24ページは1枚紙で全体をまとめた資料にしております。左側は、先ほどありました絵のところで、どういった基準があるかということと、それの規定・基準類を右に示しております。
 ちょっと印刷が悪くて消えているんですが。15ページに戻っていただきまして、脚注のところにJAEA-Technologyと書いておりまして、15ページとか16ページに幾つか書いておりますけれども、こういった具体的な検討結果につきましては機構のレポートにまとめておりまして、既にWebページで公開しておりますので、ご参考にしていただければと思っております。
 こういったものをまとめますと、17ページになります。廃棄体要件の検討ということで、例えば模擬廃棄体を準備して実証試験を行って「耐埋設荷重」を検討とか、2つ目のところでございますが、充填剤の配合といったことに関しましても、実際に試験を行いまして検討を進めている。これもレポートにまとめているところでございます。
 さらに、金属廃棄物の、例えば、トレンチ処分の場合だと砂の充填性能等が想定されますけれども、どういった条件できっちり充填ができるかといったことも、実際に試験を行って規定・基準をまとめるといった形をとっております。
 また、放射能評価手法の検討ということで、具体的にどういった放射性廃棄物がどれだけ入っているかという評価が必要ですので、当方としては試験研究炉とか照射後試験施設とか、いろいろな種類に関しまして廃棄体中の放射能評価手法の検討を進めているところでございます。
 また、埋設施設の安全性ということに関しましても、それぞれの遮水構造とかいったことにつきまして、シミュレーションでの検討を行いまして、実際の評価を進めているといったところでございます。
 次に18ページ、19ページ、20ページでございます。まず、技術的検討というところでありますけれども、この中で安全規制の整備状況をまとめたものが18ページでございます。法律がかなり多岐にわたっているところで、左のほうで原子炉等規制法、障害防止法、医療法等ということで、先ほど4ページにありましたような、それぞれの法律に対応して表にまとめたものでございます。
 一番上は地層処分ですが、飛ばさせていただきまして、原子炉等規制法で言いますと、処分区分のピット処分、トレンチ処分というところを見ていただきますと、廃棄物の発生する施設といたしましては、原子炉施設とか再処理施設とか、廃棄物管理施設として廃棄処理をしている施設とか、こういったいろいろな施設がございます。
 整備・検討状況のところを見ていただきますと、実際に具体的な基準が整備されているのは原子炉施設だけでございまして、それ以外の施設につきましてはまだ整備がされていないという状況でございます。これに関しましては、現在、原子力規制委員会でこれらの施設から発生する廃棄物が対象となるよう検討がされているところでございます。
 ただ、【今後検討】というところで、加工施設、核燃料物質使用施設(ウラン使用)と書いておりますが、いわゆる、ウラン廃棄物につきましてはまだ、今後、検討とされているところでございます。
 あと、放射線障害防止法につきましては、法律と規則が既に整備されておりますが、管理期間終了後の線量基準とか濃度上限値はまだ未整備の状況でございます。ただ一方で、今年この放射線障害防止法の改正が行われまして、この法律が出てきた背景に関しましては、原子炉等規制法へ廃棄を委託できるという形の法改正がなされていまして、実質的には全て炉規法で処分ができるという法的な枠組みができたところでございます。
 医療関係の法律に関しましては、まだ具体的な規制整備が未整備でございまして、今後、規制の整備をお願いするというところでございます。
 19ページに関しましては、こういった規制庁さんでの委員会での整備に対しまして、当方からもいろいろなデータの提供等、検討に対応しているということの説明でございます。
 左側は許可区分の拡大ということで、具体的には、例えば廃炉等に伴う放射性廃棄物に対する検討チームが規制庁さんで設置されておりまして、こういったところで、ここの図にありますような、いろいろな施設からの廃棄物をまとめまして、どういったインベントリになるかというものを説明させていただいているところでございます。
 19ページの右側に関しましては、先ほど放射線障害防止法におきまして炉規法の施設で処分ができると法律が改正されたことで、真ん中に括弧書きで書いているところが当該条文でございます。赤字のところを読んでいただきますとわかりやすいんですが、許可届出使用者及び許可廃棄事業者というのは原子炉規制法での事業者になります。こちらに廃棄を委託した放射性同位元素または放射性汚染物は、核燃料物質または核燃料物質によって汚染された物とみなすという形で、炉規法の廃棄物とみなすことができるという形で法改正がなされたものでございます。
 20ページでございます。今言ったことの繰り返しになりますが、こういった規制制度に関しましては、当方からも対象廃棄物の拡大ということで、規制庁さんの検討チームで説明等を行ってきたところでございます。
 また、トレンチ埋設の廃棄体処分等の技術基準の検討ということで、これに関しましては、先ほどの検討チームの中で、現在、検討されています事業規則等の改定骨子案の中でそれに対応するということが述べられているところでございまして、今後、改正が行われる見込みとなっているところでございます。
 3.はウラン廃棄物でございます。
 4.の有害物質を含む廃棄の取り扱いということに関しましても、当方から先ほどの検討チームに説明させていただいたところでございます。
 21ページでございますが、ウラン廃棄物が取り残されているという状況がございますので、これに関しましても、関係者でいろいろな検討を進めているといったことを説明しているものでございます。例えば、日本原子力学会特別専門委員会というものを設置させていただきまして、ウランの扱いをどうすればいいかということを、種々、検討を進めていただいたところでございまして、現状といたしましても、原子力安全研究協会さんが主催いたします検討会で検討を進めているといったところでございます。
 また、原子力機構といたしましても、右の図にございますように、実際どれぐらいの被ばく線量になっているかといったことの試算を進めているところで、また、検討もさせていただいているところでございます。
 22ページでございますが、輸送・処理への体系的な対応ということで、当方ではRI協会さん、RANDECさんとの3つの者での協定がございまして、この中で研究施設等廃棄物連絡協議会を設置しております。こういったところでいろいろな意見交換をさせていただいているところでございます。
 23ページ、最後でございますが、情報発信というところでございます。ここでは、原子力機構のホームページの中に埋設事業のホームページを設置いたしまして、今回のような各種の資料の公開とか、事業に関する問い合わせサイトということで、関係者、どなたでも大丈夫なんですが、問い合わせいただける窓口を開いて、お問い合わせがくればご返答させていただいているということでございます。
 大分時間をオーバーしまして恐縮ですが、以上でございます。
(出光主査) ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に対しまして、ご質問、あるいはご意見等ございましたら、お願いいたします。
初めての方でわかりにくいところとかありましたら、何なりとご質問いただければと思います。
どなたかございますでしょうか。
(徳増委員) 何点かご質問で、初歩的な質問で申しわけございません。今現在、放射線は各排出者が保管をしているということになるんですよね、病院とか大学とか。それについての届け出の法律、それから、どういう保管をしているか、処理をしているか。立入検査とかいうものが本当にあるのかどうかのを一点教えていただきたい。
 それから、埋設をするときはわかるんですけれども、多分、輸送をしなきゃいけないだろうということがあって、交通の安全基準というか、道路交通法という関係ではどういう位置づけになっているのかな、議論されているのかなというところが少しわかりづらかったなと思っています。それが一点。
 それからもう一つ、先ほど5ページのスケジュールにあって、最終的に地元自治体への立地アクションみたいなものが、少し活動が行われるというのが29年度の最後にありますけれども、これは協力要請方式ということなんですけれども、今までの経緯・経過の中で何かアクションを起こしたということがあるのかどうか。
 それから、自治体に対するメリットというか、要するに、どこでもそうなんですけれども、廃棄物を受け入れるということは、政治的な問題も含めて相当大変な問題があるので、そこら辺の、ある程度のメリットというようなものは、現実にメニュー的には何かあるのかどうかというところを教えていただければと思います。
 以上です。
(坂本副センター長) まず最初のご質問は、検査とかそういった事柄かと思うんですが、当方はあくまでも処分を行う事業者ですので、規制庁さんのほうから、例えば障防法とか炉規法といった規制法に則りまして対応されていくという形になります。当方からそういったことを行うというのは、そういった権限はありませんので、あくまでも規制を行っている規制当局さんと事業者さんの関係になるかと考えております。
(徳増委員) どっちかというと、排出者に対しての勝手に……勝手にじゃないけれども、お任せしているという、そういう概念でよろしいですかね。
(坂本副センター長) そうですね、当方はあくまでも、例えば資料の3ページの処分のところだけの事業を行うという形にしておりますが、途中段階に関しては各発生者さんの責任の下にやっていただくという形でございます。現状に対して当方が把握する権限はございませんので、そこについては対応は難しいところでございます。
(徳増委員) わかりました。
(坂本副センター長) あと、輸送の話でございますが、当然ながら、放射性物質の輸送というのは日常的にやられておりますので、その中の一つとして扱う形になっております。先行事例として、電力さんは各発電所から青森県六ヶ所村の日本原燃さんの処分施設に廃棄体を既に輸送しておりますので、その例に習いながら対応していく形かと思います。
 あと、3つ目のご質問ですけれども、5ページのところ、どのような活動かというところで、なかなか難しいところもございますけれども、現状といたしまして、先ほどありましたような、立地等の基準に従いまして、具体的にどういう形で申し入れができるかということ、まだ内部検討でございますけれども、そういったことを踏まえて対応を進めていきたいと思っております。相手もある話ですので、なかなかすぐできる話ではないところがございます。
 あと、処分場の立地というか、設置したときのメリットというか、インセンティブかと思うんですが、これもなかなか難しいところがあるんですが、地域振興等も具体的に今後考えていかなければいけないだろうというところでございます。
 ただ、いろいろなメニューを用意するという手もあるかと思うんですが、相手の自治体によりましてかなり幅がございますので、ある程度、向こうの方と具体的な話ができる中で当方が対応できるものということを考えていきたいと思っております。特に、原子力機構はあくまでも研究開発機関ですので、何でもかんでもというわけにはいきませんので、そういった中である程度対応できるなということを、相手の自治体において、また、国のご指導も得ながら、検討を行っていきたいと考えております。
(徳増委員) ありがとうございました。
(出光主査) ありがとうございます。
 ほか、ございますでしょうか。
(鬼沢委員) 今、最後のご質問の内容と関係するところなのでお願いしたいんですが。10ページのところに立地手順として基礎自治体の募集も行うとありますが、なるべく協力要請方式でというお話がありましたが、これは1カ所でお願いてしてだめなら次を探すというような形なんですか。それとも、最初から何か所かに協力要請をするということなんでしょうか。
 それと、今お答えいただいたように、あくまでも研究機関でこういう施設をつくりたいという要請をされるんだと思うのですが、考える自治体としては、それをすることによって地域がどうなるかということのほうに非常に関心があって、最終的な決断をするところに関係すると思うので、要請のときにそういったことをあわせてお話ししたほうがいいんじゃないかと思いますけれども、そのあたりの何かご検討はされているんでしょうか。
(坂本副センター長) まず最初のご質問ですけれども、基本的にはこの事業自体、効率的に行うという観点から、できれば1カ所で申し入れを行っていきたいという形を考えております。ただ、複数、例えば10万本を6カ所つくりますというとかなり効率の悪い事業になってしまいますので、最終的にはお金を負担しなきゃいけないということもございます。なので、1カ所できっちり事業ができるように対応を進めていきたいと考えております。
(鬼沢委員) いえ、そういう意味ではなくて、2カ所作るという意味じゃないです。同時に2カ所に要請して、1カ所がだめな場合ゼロからスタートにならないように、1カ所がだめなら次に要請するという対策は考えていますか。
(坂本副センター長) 基本的には1カ所に要請をしたいと考えております。
 あと、2つ目のご質問の地域振興、先ほどのご質問とも重なりますけれども、確かに、相手方に何らかのメリット、例えば地場産業の技術的な支援とか、そういった形を通じたようなことが少しでもできないかなとは思っております。ただ、全てが全て対応できるというのは難しいところがありますけれども、そういった形で少しでも地元の方のお役に立つようなことができないかということを考えております。
 若干、この一部ですけれども、過去の検討事例に関しましては、当方のWebページとかで、僅かですけれども、そういったことを少し出した結果を公表しております。ただ、直ぐにどうのこうのという具体的なところは難しいところがございますので、最終的には相手の方とも協議しながら対応していきたいと考えております。
(出光主査) よろしいでしょうか。
 ほか、ございますでしょうか。
(内田委員) どうもありがとうございました。私もちょっと初歩的な質問ですけれども、最初に4ページのほうで60万本という数字が出ている。これは埋設する放射性廃棄物の総量と考えてよろしいですか。
(坂本副センター長) そういうことでございます。埋設する放射性廃棄物量の調査結果に対して、若干の余裕も含めて施設規模として60万本を想定しているものでございます。
(内田委員) そうすると、例えばドラム缶だけじゃなしに、角形の容器とか、そういった形でも処分をされると思うんですけれども、そういったものがどれぐらいあるかというような数字はまだ具体的には出てないと考えていいですか。
(坂本副センター長) 4ページの絵にございますように、これは概念設計という形で簡単な設計をしたものでございますけれども、この時に解体で出てくるようなコンクリートはドラム缶に詰めるよりも、右上の写真にございますように、いわゆる、フレコンバックとかいったものに詰めると。あるいは、金属容器ですと、細かく裁断してドラム缶に詰めるよりも、角形容器に詰めて処分を行ったほうが効率的ですので、そういったものも含めて設計をしております。
 あくまで200Lドラム缶換算としてありますのは、こういった物理的な大きさを本数に換算して書いているものでございますので、実際はフレコンバックといったものに入ってくるものもございます。施設の概念設計の前提といたしまして、ある程度の数量は設定しております。ちょっと具体の数量は持っていないんですけれども、概念設計のレポートはそういう公開しておりまして、この中に全て記載はしているものでございます。
(内田委員) ありがとうございます。数字はとりあえずは手元にあるということですよね。
(坂本副センター長) そういうことでございます。当然ながら、廃棄体の具体的なものは、解体のやり方とか、廃棄体の処理で最終的には変わってきますけれども、そういったことを見ながら施設のほうで対応していきたいと思っております。
(内田委員) もう一つは、7ページのところに余裕深度処分対象の廃棄物があるということを書かれているんですけれども、高レベル廃棄物として廃棄するというものは出てくるのかこないのかということを教えてください。
(坂本副センター長) ここに書いている以外の地層処分対象もあるかどうかということでございますか。原子力機構自体は再処理からいろいろなものを持っていますので、当然、ございます。NUMOに拠出金も払っておりますので、当然ございます。
あと、それ以外の他者さんにおきましては、直接、うちが把握するというところは、事業の対象外なのでしていないところでございますが、極めて濃度が高い、例えば、ウランそのものとか、こういったものは余裕深度処分でできるのか、地層処分でできるのかといったところはまだ明確ではないところがございますので、そういったものもいずれ出てくる可能性はあるかと思います。
(内田委員) あと一つ、輸送のことで最初に質問があったと思うんですけれども、高レベル廃棄物などは陸上輸送はかなり制約を受けるということになっていると思うんですが、この低レベルに関しては、ここで書いてある経済的な利便性というようなことで議論が進むということで、つまり陸上輸送に関しては安全性ということでは制約を受けない、というふうに理解してよろしいでしょうか。
(坂本副センター長) 安全性という観点からは、申しているとおりで、そういうことでございます。ただ、物量的な面がかなり大きいですので、一部、船舶輸送ということも想定した形はとっております。
(出光主査) よろしゅうございますか。
 ほか、ございますでしょうか。
(葛西委員) 今の質問に関して伺いたいんですが、4ページなんですけれども、実施計画では平成60年度までに発生が見込まれる60万本が対象になっているんですけれども、冒頭で西條課長さんから「今年度以降、かなり施設が廃止になったり、また、廃棄物が多数出る見込みだ」というお話がありました。そういったものも全て換算してこの中に入っているというふうに考えてよろしいんでしょうか。
(坂本副センター長) はい、基本的には物量として、当時見積もったときに原子炉機構は施設の廃止措置まで含めた想定量は一応把握しております。そういった意味で、次の資料になるんですけれども、発生時期の問題はあるにしても、量としては把握しているという形になっております。
(出光主査) ほか、ございますでしょうか。
(鬼沢委員) これはむしろ事務局への質問になるんじゃないかと思いますが、18ページの一番下に「医療法等のところがまだ未整備」とあるんですけれども、むしろ、医療系の廃棄物は今後当然ふえてくるものじゃないかと思いますが、ここの量が把握されてなくて、結果的にまた総量がふえてくるということになるんじゃないかと思います。そうしましたら、厚生労働省等も早急に、今後、こういった廃棄物をどうするかという検討をしていかないと、結局、廃棄物の総量はいつまでたっても決まらないんじゃないかな、特に医療系のものは将来に向かって増えていくような気がするんですけれども、そこはどういうふうに考えたらよろしいんでしょうか。
(嶋崎企画官) ありがとうございます。医療系の廃棄物につきましては、この資料にありますとおり、厚労省のほうで検討を進めていただいているんですけれども、規模といたしましては、原子力研究開発機構の持っている施設から出てくるもののほうが、例えばこの60万本ですと、物量で言いますと大体8割ぐらい想定をしてございます。残りの2割のうち、ほかの研究施設等から出る炉規法に基づくものが残り1割ぐらいで、RI法とか医療法に基づくものは残り1割ぐらいですので、この規模観の中でご指摘のとおり、今後とも継続的な活動によってふえてくるものでございますので、量としては全体に比べれば大きくはないんですが、ふえていくことは間違いございませんので、最終的な処分をどうするのかということにつきましても、しっかり省庁間で連携をとって。規制の話でありますので、こちらからすぐにどうこうということにはなかなかならないんですけれども、技術的な検討等が進むよう連携をとっていきたいと思います。
(出光主査) よろしゅうございますでしょうか。
 ほか、ございますでしょうか。
(古川委員) アイソトープ協会の古川です。何点か聞きたいんですけれども、まず、4ページなんですけれども、先ほど処分の形態で2つあって、トレンチのが2つありますね。先ほど、坂本さんが付加機能型にはドラム缶で処理したものを埋めますよと言っているんですけれども、具体的にはどういうものを想定なさっているんですかというのが一点。
 2つ目は……。一つずつお願いできますか。
(坂本副センター長) 具体的なものということで、例えば、13ページを開けていただきますと、左側に均質固化体、均一固化体と書いております。放射能濃度としては非常に低いけれども、現状でもまだピット処分がなされてきております。こういったものも具体的にはトレンチ処分で対応していきたいと考えております。ただ、いわゆる、コンクリートがらとか金属くず、そういったものとは違いますので、4ページにありますようなものに関しましては、付加機能型と言いまして遮水工を設置したもの、こういったところで処分するということを想定しているものでございます。
(古川委員) ありがとうございました。
 2つ目は、8ページに原子力機構からQSTに移管した組織があるということで、本数が変わってきているということなんですけれども、具体的にはそんなに大きく変わるんですか。
(坂本副センター長) これについては現状の保管量だけではなく将来の解体まで含んでいますので。そういった意味で数万本ほど若干動いたという形になっております。具体的には核融合炉とかの那珂研の解体まで入っていますので、その物量の当時の見込量が丸ごとQSTさんのほうに移ったという形になっています。
(古川委員) もう一点なんですけれども、13ページから17ページまで廃棄体の要件がいっぱい書かれているんですけれども、具体的なハードのほうの進捗状況というのは、検討状況というのは。廃棄体の技術的ないろいろな、強度とかいうことが13ページからずっと書いてありますよね、要件が。具体的な検討状況というのはどうなっていますか。
(坂本副センター長) まだまとまった形になっていないのですが、例えば15ページ、16ページといったところで、それぞれの検討は進めております。先ほどありましたように、下の注釈に細かい字で書いておりますけれども、それぞれ、このレポートという形で、検討や計算とか具体的な試験等を行った形でまとめたものでございますが、これだけだと非常にわかりにくいので、ある程度まとまりましたら、それも受入基準という形で公開していきたいと考えております。
それなりに検討を進めているところでございます。
(古川委員) ありがとうございました。
(出光主査) それでは、伴委員。
(伴委員) 今後、医療用のPETとか、いっぱい出てくると思うんですが、もちろん、その標的、ターゲットの部分は取り外して容器に納められるとしても、PET本体は容器に納められるようなものではないですし、今のRI法の放射化物の保管でも、もともと不燃なものは保管容器に納めないでも、そのまま保管する、入れられるということになっているので、もともと不燃なものはこういう容器に入れないで、そのまま保管できるということがあってもいいように思うんです。
(坂本副センター長) そうです、先ほどのトレンチ処分ですと、実は非常に小さな処分場を原子力機構は持っておりまして、これはJPDRの原子炉を解体したときに出てきたコンクリートを廃棄処分しているんですが、これをフレコンバックに詰めているのと、大きなコンクリートは簡単な梱包をして処分しているということも行っておりますので、実際に規制庁さんとのお話になりますので、すぐお約束できるわけではないにしても、そういった形での対応も将来的には考えていくこともあるかなと思っております。例えば、なるべく大きな容器に入れるとか、固型化という形でなくて充填とか、あと、輸送の問題もございまして、そっちの対応も必要ですので、そういったことも全体を含めて対応は考えていきたいと思います。
(出光主査) よろしゅうございますでしょうか。
 ほかございますでしょうか。多田委員。
(多田委員) 一つだけ。これは埋設施設の検討ということなんですけれども、入れるための例えば均質固化体とか充填固化体を作るのは、各発生元がやらなければいけないという理解でよろしいんですか。
(坂本副センター長) そのとおりでございます。
(出光主査) よろしゅうございますか。
 澁谷委員。
(澁谷委員) 先ほどの質問とちょっと関連するんですけれども、例えば、容器等です、いわゆる処分体の容器ではなくて、例えばタンクとか。あまり多くないものであれば有姿の状態で処分できるということも検討されていますでしょうか。
(坂本副センター長) はい、実際、具体的にどういったものが出るかということも踏まえた上で、一応、そういったことも想定はしております。ただ、例えば、中にどうやって砂とか充填できるかとか、放射能の評価とか、そういったかなり技術的な問題もございますので、そういうものも実際に、具体的に見ながら最終的に対応を進めていただくことを考えております。
(出光主査) よろしゅうございますでしょうか。
 横山委員。
(横山委員) 立地場所について伺わせていただきます。現在、原子力研究機関発構内の土地は検討されていますでしょうか。機構は40カ所位以上の廃止措置施設をお持ちであり、土地の面積はかなり保有していると拝見しています。こうした土地の問題はどうしてもNIMBY(Not in my backyard)問題がございますので、新たな土地を取得するというのは非常に難しい、それならばご自身の土地で何とかならないのか。もちろん自治体は一緒に議論しなければいけませんが、人さまの土地を考えるよりも、まず自分たちの土地を考えるような案はないのかどうか。素人目線のコメントで恐縮ですが、思いましたので、よろしくお願いいたします。
(坂本副センター長) 処分場の立地に関しましては、当然、当方の敷地内を否定はしないんですけれども、あくまでも全国のどこかの場所にお願いしたいと考えておりまして、優先的にどこか機構の中の土地をお願いするということは今のところ想定しておりません。あくまでもそこは同一条件ということで考えているところでございます。
(横山委員) ありがとうございます。ただ、国のためとは言え、8割方を原研が出しており使っている事業体がはっきりしているものですから、国民的にも納得のいくような立地の選定という意味においては、恐らくその第一の候補に入れていただいてよろしいのではないかなというのが率直な感想でございます。
 あと、次の議論で恐らく出てくるのだと思いますが、年限があると思います。目標年限があるにかかわることは、やはりそれなりの戦略を持ってやっていく必要がありますので、漠然とどこがいかがですかという話ではなく、妥当性のあるところをあらかじめ選んで進めていただくように、強く要請したいと思います。
 以上です。
(坂本副センター長) ありがとうございました。
立地の進め方はなかなか難しいところもございます。今いただきました意見を踏まえながら、具体的なところも対応させていただきたいと考えております。
(出光主査) ありがとうございます。
 ほか、ございますでしょうか。
 私のほうから一点。昨今、高レベルのほうで特性マップが出てまいりましたが、あれは実際考える廃棄の対象が大分違いますので。片や数万年以上、片や300年ぐらいなので、違うと思いますが、そういったものを少しは活用されるようなことを考えられていますでしょうか。
(坂本副センター長) 今ご指摘ありましたように、地層処分と浅地中処分ですと全く条件が違いますので、直接それを活用というのはなかなか難しいかと思っております。先ほどありましたような、立地の基準を踏まえた形での対応と考えております。
(出光主査) ありがとうございました。
 大体、皆様、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、時間も押しておりますので、次の議題のほうに移りたいと思います。
続きまして、第2の議題ですが、「埋設処分業務の実施に関する計画の変更について」に入ります。
 まず、事務局のほうから議題の趣旨について、説明をお願いいたします。
(宮原補佐) ただいまの原子力機構からの説明の中にもございましたけれども、原子力機構は、原子力機構法に基づきまして、国が定めた基本方針に即して埋設処分業務の実施に関する計画を作成し、文部科学大臣及び経済産業大臣の認可を受けなければならないこととされております。
 次の議題2では、原子力機構が埋設処分業務の実施に関する計画の変更を現在検討しておりますので、その案文をご提示させていただいて、文部科学大臣及び経済産業大臣の変更認可を受けることに先立って、委員の皆様にご議論いただきたいというものでございます。よろしくお願いいたします。
(坂本副センター長) それでは、お手元資料14-3-1に基づきまして、説明させていただきたいと思います。また、14-3-2もありますので、こちらも同じものでございますので、両方見ていただきながら聞いていただければと思います。
 まず14-3-1でございます。めくっていただきまして、目次ということで、埋設事業を取り巻く状況、事業工程、資金計画の策定、それから、ケーススタディ、対応した資金計画の反映ということと、廃棄物の範囲といった形で、最後は変更の概要ということでございます。
 時間が大分押してしまいましたので、早目にさせていただきます。
 まず1ページ目でございます。上の四角でございますけれども、原子力機構法が平成20年に改正され、これに基づきまして当方が実施主体として位置づけられたところでございます。
 その下の四角でございますが、現状といたしまして、もともとの計画といたしまして、平成20年代後半に用地を取得して処分を行うということで、いろいろな、ほかの計画も立てていたところでございますが、平成29年度現在、それに至っていないという状況でございます。
 一方、平成26年度、独立行政法人でございますので、評価委員会というところで公式に指摘を受けているところでございまして、これに基づきまして原子力機構の中長期目標が定められております。これも当然公開されているものでございますが、この中で、「機構が実施することになっている研究開発等から発生する低レベル放射性廃棄物の埋設事業においては、社会情勢等を考慮した上で、可能な限り早期に具体的な工程等を策定し、それに沿って着実に実施する」とされております。これは中期目標ですので、独法で守らなきゃいけませんので、事業工程を策定し資金計画ということを検討したものでございます。
 めくっていただきまして、2ページ目でございます。また、廃棄物の話でございますけれども、先ほどありましたように、当方の対象になるものは平成60年度までに発生が見込まれる廃棄物としております。一方で、原子力機構が今年の4月に公表いたしました施設中長期計画とか、東海にあります再処理施設の廃止措置計画に基づきますと、平成60年度を越えても廃棄物の発生が継続される見込まれる状況でございます。
 また、2つ目のところでございますが、機構も含めて原子炉等規制法に基づきますと、事業の廃止に伴う廃止措置を実施するための方針を廃止措置方針と呼んでおりますが、こういったものを策定して、31年1月までに公表するということで、この中に施設の解体物量も公表するという形になっております。そこで、こういった現在の基本方針、実施計画に基づきまして、対象廃棄物を再度整理したというのが今回の趣旨でございます。
 3ページでございます。事業工程でございます。これも先ほどありましたように、これまでの計画では平成20年代後半に用地を取得いたしまして、建設、操業という計画にしていたところでございますが、なかなかそのとおりいかないということで、改めて事業工程を策定し直したといったところでございます。といっても、立地の状況はそんなに簡単ではございませんので、第3期、現状の中長期計画を見ながら、平成33年度、これが最終年度でございますので、これに用地取得を設定した場合の工期を策定したというものでございます。大きく区切りますと、下にありますように、第3期、第4期、第5期の中長期計画で立地の活用、初期建設、操業といった形にしたものでございます。
 4ページは活動ですので、省略させていただきます。
 5ページにおきまして、現在の第3期中長期計画が平成33年度までということになっておりますので、これまでで立地に向けた対応を行うということをひとつ大きな目標としたものでございます。
 第4期中長期計画以降は、先ほどの14-2の資料にございますように、8年間程度で処分場の建設を進めるということで、次の第5期中長期計画の開始時期の前後当たりで操業に向けた対応を進めるといった形になってまいります。
 下の主要項目とか廃棄体情報、受託契約と書いておりますが、こういった工程を作りますと、自動的にそれぞれの計画、具体的な活動が入ってくるという形になったものでございます。これは一つの大きなメルクマールとして策定したものでございます。
 また、これに伴いまして資金計画がどうなっているかということが、以下の説明でございます。6ページでございますけれども、現在の資金計画が右の図のような形になっております。ちょっとわかりにくいところがございますけれども、下に事業年度を書いております。棒グラフで下のほうに青色で出てきているのが、当方の事業として支出する各年度ごとの支出の総額を表しております。
 一方、グラフの0から上にいく方向に関しましては、赤色で書いてあるのが収入と書いていますが、これは原子力機構としての収入でございます。それ以外に、黄色で書いたのが他者と書いておりますけれども、機構以外の発生者から受託処分を受けて、それに伴って受託収入を生みますので、その受託収入を書いております。あと、若干その上に乗っているのが運用益で、いわゆる利息等の収入でございます。一応これで両方がバランスするように資金計画を立てているところでございます。
 ただ、ここの図にありますように、「過去分の繰入見合わせ(平成24~29年度)」と書いております。具体的には、もともとの計画では、毎年、大体40億円ほどを原子力機構の廃棄物の処分見合いとして、一般会計、特別会計からの繰り入れが終わるという形にしておりました。ただ、ご存じのように、震災を踏まえまして、1Fの事故等もございましたので、こういったことへの対応に係る費用が必要だということで、平成24年度より繰り入れを見合わせているという形になっております。
 ちょっとわかりにくいので、19ページを開けていただきますと、全体の仕組みを書いているものでございます。原子力機構の廃棄物の処分に必要な費用につきましては、一般勘定と電源利用勘定、こういったところが廃棄物の量に応じた処分費用をもらうという形になっております。つまり、真ん中に埋設処分業務勘定とあるんですが、ここには直接、国のお金が入ってこないということで、発生者責任という考え方の下、一般勘定という廃棄物を発生している人、電源利用勘定という電源特会のところから出てくる廃棄物に関しまして、それに見合う費用をいただくといった形で、毎年、一定額を繰り入れるという制度をとっております。
 戻っていただきまして、6ページでございます。ちょっとわかりにくいんですが、平成46年から機構分の収入ががくっと減っておりますが、平成45年までは原子力機構法ができる前に発生した廃棄物見合い分の処分費用を20年かけて繰り入れるという予定をしておりました。平成60年度まで発生廃棄物ということですので、平成20年以降発生する廃棄物に関しましては、平成60年まで分割して繰り入れるという、ちょっと異形な形の資金を繰り入れるといった形をとっておりましたが、震災以降の対応ということで、平成29年度までは過去分の繰り入れをずっと遅らせている、0円にして先送りしているという状況が続いているところでございます。
 それをより具体的にしたのが7ページでございまして、今の図を大きくしたものが7ページの上の図でございます。そういった状況が続いてきておりますが、先ほどありましたのは全体的な工程を再度見直したということと、機構の予算がなかなか厳しいことを踏まえまして、資金の繰入計画を見直そうということで、下の図にありますように、平成60年度まで過去分、将来分も踏まえて、大体30億円ぐらいなんですが、一定額で一般会計と電源利用会計からお金を埋設管理に入れるといった形に資金計画を見直すといったことを今回の実施計画に反映してきているというのが今回の趣旨でございます。
 あわせまして、先ほどの工程にありましたように延長して平成33年度までに用地を取得するという計画を立てましたので、それに見合った支出計画で変更といったことで、全体の資金計画は見直しましたというのが今回の趣旨でございます。
 8ページ以降でございますけれども、8ページはなるべく早期にこういった措置が必要だということを一つの説明資料といたしまして、平成60年度までの資金を組み立てる計画になっております。そうしますと、過去分の繰り入れを遅らせれば遅らせるほど、後から必要な額がどんどん増えていくということで、極端な例ですと、平成60年度にこれまでの過去分の見合わせた分を繰り入れるとしますと、大体400億円ぐらい必要になってくる。でも、機構の総予算からはみ出してしまうような形になってしまいますので、なるべく早期にこの対応を戻したいといった形を考えております。
 9ページから13ページまででございますけれども、今回、こういった形で資金計画を見直したときにきちっと対応できるかどうかというのを検討したものでございます。
 細かいところは飛ばさせていただきまして、11ページでございます。11ページは現状の資金計画等を見たものでございます。左側は受入廃棄体量の年度展開を絵にしたもので、右の上の図は先ほどの6ページ、7ページと同じものでございまして、11ページの下の図の緑の△で書いたものが各年度での期末の残高で、要はこれが赤字になっているのは事業として破綻するといった形になるものでございます。
 11ページは現状の計画になるだろうという形にしたものでございますが、極端な事例を考えたのが12ページ、13ページでございます。先ほど施設中長期計画での廃止措置を終了するとされておりまして、当初、第3期中長期の期間で多くの施設の解体が今後見込まれてくるということも想定いたしますと、特に施設の解体ではトレンチ処分の対象物がかなりふえてくるということで、例えば12ページの左側の図の濃い目の青い線がいわゆる機構のトレンチ処分でございますが、こういったものが当初、多く処分されるということを想定したときに資金計画がどうなるかというのが、12ページの右のグラフでございます。これとあわせて、施設の建設計画等、全て変えた場合でも、当然、支出はふえてくるんですが、一応問題ないだろうということが12ページの下の期末残高で一応確認できているということでございます。
 さらに、13ページでございますが、同様のケースで、右上のグラフは、他者からの収入をかなり期待しておりまして、こういったものが極端に遅れた場合にも問題ないかどうかということを確認したケースでございます。例えば、平成55年から他者が受託を始めるという、ちょっと極端なケースですけれども、こういったことを想定しても、右下のグラフにありますように、期末残高は十分な量を確保しており、事業としては成立することを確認したというシミュレーションを行ったものでございます。
 14ページでございますが、今言いましたような形で機構の資金計画の変更を想定いたしましても、今後、十分対応できるということを確認いたしましたので、先ほどありました、機構の実施計画に反映していきたいといったものでございます。具体的に、14-3-2の資料を見ていただきますと、資金計画の反映で、先ほどの事業工程ではコメントが一つも出てこないところがございまして、実際に反映するのは14-3-2の資料の10ページ、11ページでございます。
 6.2というところで収支計画や資金計画を記載することになっております。左側が現状の計画でございますけれども、先ほど言いましたように、資金の流れを変えますと、右にあるようなお金の、実際に出てくるのは数値だけですので、これを見てどうだこうだと言われても困ると思うんですけれども、一応、こういった形で資金計画に反映されていくといった形になるというものでございます。
 14-3-1に戻っていただきまして、15ページでございます。対象とする範囲でございます。第一期ということで、真ん中の四角に「基本方針」の現状の記載内容が赤字で書いておりますが、平成60年度までに発生が見込まれる廃棄物である。現在の基本方針でございます。当方の実施計画もこの記載を受けまして、平成60年度までに発生が見込まれる放射性廃棄物といった形になっておりますが、先ほど説明させていただきましたように、原子力機構の施設中長期計画とか、再処理施設の今後の廃止措置計画を見ますと、平成60年度を大幅に超えて廃棄物が発生する状況があるといったことがございます。
 こういったことを見回しまして、16ページですが、これへの対応が必要だということでございます。ただ、16ページ真ん中の青字で書いておりますように、現行の施設規模は全体の資金計画、または他者さんの計画が全て影響いたしますので、この施設規模を変更しない範囲で事業を実施できるような記載の変更をしたいというのが趣旨でございます。
 17ページですけれども、上の四角の中にありますように、もともと平成60年度まで発生が見込まれるとしていたものに関してましては、先ほど基本方針策定時において平成60年度まで発生が見込まれていた放射性廃棄であってという形で、当初計画を全て対象にしますというような言い方はにするのが今回の趣旨でございます。
 具体的な反映先というのは、14-3-2の資料の4ページの左下のほうの2.2という項目で、「第一期事業計画において埋設処分業務の対象とする放射性廃棄物」という小節がございまして、ここで先ほど言ったような内容がございます。変更案といたしまして、右にありますように、「基本方針策定時において平成60年度までに発生が見込まれていたものであって」という形で対応したいと考えているものでございます。
 大分駆け足になって申しわけないんですが、以上でございます。
(出光主査) ありがとうございました。
 ということで、二点、スケジュールの変更と資金管理についてご説明いただきましたが、これに関しまして、ご意見、コメント等、ございますでしょうか。
(徳増委員) 資金のほうについては、JAEAさんのあれですから、これは私どもも全然問題ないなと思っています。ただ、スケジュールとの関係が非常に、お金との関係も出てくると思うんですよね。特に、この中でスケジュールのあれがありましたね、7ページを見ますと、用地取得が33年ということで、これがかなり大きな支出になるだろうということなんですけれども、33年だと、もう30年ですよね、あと3年しかない。その金額のスケジュールなんですけれども。そうしますと、用地取得がどういうことになるかということにかなり左右されてくるな。
 ましてや、地権者が100haだと100人単位になるだろうということになると、これは不可能に近くなるなという予想がつくんですけれども、そうなるとどこかまとまったところだよねというような考えができてくるんですけれども、ここのところがキーポイントになってくるんじゃないかと思っておりますので、その点、スケジュール感のところで教えていただければと思っています。
(坂本副センター長) まず地権者のところなんですが、当方もそこは具体的に検討していきたいと思っております。先ほどの、一つ前の資料の14-2の12ページの下のほうで、地権者との交渉が円滑かつ迅速に進められる場所を想定したいという形がございまして、なるべくなら地権者が少ないところを想定していきたいなとは思っております。ただ、相手がある話ですので、100%そうだとは言い切れないところがございますけれども、なるべく、そういったところで制約のないような場所を考えていきたいと思っております。
 スケジュール的なところは、確かに、あと3年程度でできるかというところはございますけれども、これに関しましては一つ大きな目標として、こういった形を設定させていただいた。あと10年ぐらい先延ばししますかといってもなかなかそうはいかないところがございますので、なるべく、ここ数年で話ができるように持っていきたいと思っております。
(徳増委員) ありがとうございます。
決意がよくわかりました。
(出光主査) よろしゅうございますでしょうか。
 ほか、ございますでしょうか。
(藤本委員) この資金計画での質問ですが、6ページ目のところで、過去分の繰り入れを、震災もあって、一部見合わせされていたと思いますが、将来の繰り入れについて、要は不足の部分が出てきてしまっており、そこの補填をどのようなタイミングでやるかというものを、そのときどう議論されたのかというのをひとつお聞かせいただければと思います。
 それから、今のこちらの計画ですと、7ページ目の下の段のような形で計画されるということなのかと理解をしましたが、そういう認識でよいのかどうかということです。
 それから、できる限り早目に繰り入れをしていったほうが望ましいということはよくご承知かと思います。平成60年度までに全部繰り入れをするということに関しては、非常によい計画になっていると認識しておりますが、でき得る限り早くの繰り入れをしていく必要が本来的にあるかなと思っています。
 それから、最後もう一つ、質問ですが、他者分の収入が見込まれておりますが、この収入は大体これぐらいでよいのかどうかを、どのように検証されているのかということをお伺いしたくて質問させていただきました。
 以上でございます。
(出光主査) ご回答は。まず、坂本副センター長から。
(嶋崎企画官) 1番目の質問は私からでよろしいでしょうか。
 予算措置に関して補足をさせていただきます。機構から出てきた実施計画では、当然、この40億ずつ繰り入れるということになったんですけれども、24年度以降、過去分については毎年度、過去分の繰り入れをゼロにするという措置を継続的にとってございまして、ゼロにした場合は1年延ばす形です。過去分については20年間で全体の繰り入れが終わるはずだったところが、あいた分は後ろになっているので、合計26年間、20年度から比べると26年間で繰り入れが完了するということになっております。補填ということでご質問でしたので、1年ずらせて繰り入れる計画に毎年度変更してきて、今に至っているということでございます。
(坂本副センター長) 引き続きまして、補足させていただきますと、8ページの図になりますが、当然、遅れた分は遅れて必要な分は後から少しずつ回収していくという形で、どんどん遅れていくとその分毎年の繰入額が増えていくという形なので、最終的には回収するといった形になっております。
 あと、7ページの下の図にあるように、このような均等な形で過去分も将来分も繰り入れという形で資金調達するという形でございます。なるべく早くということは確かにあるんですが、一方で、真ん中に二重括弧で書いてありますように、機構全体の予算の中でのバランス等もございまして、うちだけ非常に突出するということはなかなか難しいところもございます。例えば廃棄体化処理とかの処分とセットとなる機能の施設とか、そういった設備を作るようになりますので、予算確保等も併せながら必要な資金計画に持ってくるといったところでございます。
 あと、他者分ですけれども、物量を想定しておりまして、この資金計画から各処分区分に応じた単価を出しておりますので、それに応じた費用になっております。そういった意味で、これを増やすも減らすもなかなかできることではなくて、ある意味、自動的に決まっているという形になっております。ただ、では、いつ具体的に廃棄体を持ってこれるかというのはなかなか難しいところがございますので、資金計画としてはここは一定の割合で来るということを前提の形にしているというものでございます。
(出光主査) ありがとうございます。
 よろしゅうございますでしょうか。大体、時間がきておりますので。
 それでは、事務局のほうから、本件に関しまして、今後の手続等について、ご説明をお願いいたします。
(宮原補佐) ありがとうございました。
本実施計画案につきましては、この後、原子力機構のほうから国に対しまして変更申請が行われる予定でございます。申請後、所管省庁のほうで所要の手続をさせていただいた後、認可を行わせていただきます。よろしくお願いいたします。
(出光主査) ありがとうございました。
 それでは、時間は押しておりますが、議題の3のほうに移らせていただきます。
「RI廃棄物の現状について」ということで、RI協会の林部長のほうから説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
(林部長) RI協会の林でございます。当協会の環境整備事業の現状ということで、RI廃棄物の現状に説明させていただきたいと思います。
 1枚めくっていただきまして、目次でございます。RI廃棄物の発生状況、それから、RI廃棄物に含まれる主な核種と放射能について、それから、今後のRI廃棄物の処理・廃棄体化計画についてということでご説明させていただきます。
 1枚めくっていただきまして、3ページ目でございます。放射性廃棄物を規制する法律につきましてはさまざまな法律がございますが、当協会が事業を実施しております法規制につきましてご説明させていただきます。
 真ん中の黄色のところの「放射線同位元素等による放射線障害防止に関する法律」、これはいわゆる「障害防止法」と言われますけれども、これらに基づきまして当協会では廃棄物の集荷を行っております。
 それから、厚生労働省関係につきましては、病院関係を規制する医療法、それから、臨床検査会社さんのほうの規制が係ります臨床検査技師等の法律、それから、それら病院や医療機関で使われます放射性の薬剤を製造いたします製造所につきましては、薬事法によって規制されております。
 それから、当協会では集荷をまだ実施しておりませんけれども、コンパニオンアニマルですとか、そういった家畜に対する獣医療ということで、農林水産省所管の獣医療のほうからも放射性廃棄物は発生しております。
 ことしにつきましては、原子炉等規制法によりまして、放射線障害防止法の廃棄物がRI廃棄物とみなして廃棄を委託できる規定が整備されましたので、今後、スムーズに処分が進むのではないかと期待しております。一方、厚生労働省所管、あるいは農水省の所管につきましては、処分に関する規定は、先ほど坂本説明員からもご説明がありましたように、まだ整備がされていない状況にございます。
 1ページめくっていただきまして、RIの供給から廃棄物処理までということで、当協会の事業のイメージでございます。真ん中にアイソトープ協会がございます。右側に各種教育機関・研究機関、民間企業、それから、挟んで反対側に医療機関ということで、当協会はこれら機関からの注文を受けまして納品、あるいは、メーカー・代理店のほうに連絡いたしまして納品という形で、RIの供給を行っております。一方、それら機関から発生しました廃棄物につきましては、当協会の貯蔵施設で集荷後回収して、貯蔵するといった形をとっておりまして、それらはにつきましては当協会で処理ということになっております。
 1ページめくっていただきまして、どれぐらいの機関が実際にあるかという話でございますけれども、黄色の欄は、放射線障害防止法で規制されている事業所、大体760事業所、それから、病院・診療所等につきましては約1,200、衛生検査所も約10、それから、それら薬剤を製造している製造メーカーさんが約10事業所ということで、これらが廃棄物の発生事業所としてございます。
 1ページめくっていただきまして、RIの利用とRI廃棄物の発生という関係でございますけれども、水色のRI、主に利用方法といたしましては、密封利用と非密封利用ということで、密封利用につきましては、線源という形で照射線源、あるいは、医療機器として利用されています。これら線源につきましては、海外返却という形で製造元のメーカーさんに海外返却されているのが実情でございます。一方、非密封につきましては、標識化合物とか放射性医薬品として使われております。これらから放射性同位元素によって汚染される汚染物という形でRI廃棄物が発生いたします。
 それから、先ほど伴委員からもお話がございましたように、放射性発生装置につきましては、サイクロトロンとか直線加速器、いわゆる、リニアック等でよく使われている技術ですけれども、これらにつきましては、放射化して放射化物として廃棄物が発生するという状況がございます。
 めくっていただきまして、非密封RIの利用方法で、どういった廃棄物が発生するかということですけれども、放射線障害防止法ではほとんどがトレーサー実験ですね、化学分析とか生体機能の研究とかいう領域で主に使われていることが多い。
 それから、病院とか医療関係につきましては、生体内検査ということで、体内に放射性医薬品を投与いたしまして、がんとか血流などの画像診断に利用する方法がある。それから、最近、治療という形では体内に放射性医薬品を投与してがんなどの治療に使われる、これは最近多くなってきたということでございます。
 それから、臨床検査所で使われております生体外検査ということで、人体から採取した検体とか微量成分をRIを使って検査をするといったようなことがございます。
 それから、先ほど申しましたように、これらの製造ということで、薬機法があるということでございます。
 1ページめくっていただきまして、8ページ目でございます。先ほどPET施設というお話が委員のほうからございましたが、小型のサイクロトロンを用いてPET、Positron Emission Tomographyといって、放射線も診療の一つなんですけれども、そういった薬剤を院内で合成するといったことがございます。これらにつきましては、小型のサイクロトロンを利用いたしますので、これらが廃棄物として発生するということであります。
 1ページめくっていただきまして、同様に、医療用の直線加速器、がんの治療とかに使用されます直線加速器ですが、これらにつきましても、ターゲット等の一部が放射化するということがございますので、これらにつきましても廃棄物として回収する必要がございます。
 10ページ目でございますけれども、どのぐらいの事業所があるかということで、医療機関におけるサイクロトロンですけれども、3段目、サイクロトロンが医療機関では155施設、結構たくさんのサイクロトロンが各医療機関にあるといったところでございます。それから、直線加速器につきましては、医療機関で約1,107事業所ということで、1,000台以上の発生装置が使用されているといったところでございます。これら全てが放射化物として集荷されないので、放射化されないものもございますが、約1,000台ぐらいあるということでございます。
 1ページめくっていただきまして、どういったものが廃棄物なのかということですけれども、これは実例の写真でございます。例えばプラスチック製の試験管、これはディスポタイプの試験管、それから、機材としてガラス瓶、ガラスバイアル等、それから、紙などの可燃物、それから、マイクロプレートとかピペットとかのチップ類、こういったものは難燃物、それから、ガラスバイアルもいろいろな薬剤が使われておりますので、薬剤の返品、それから、フィルタというのはRI施設の空気を浄化するために使用されていたフィルタで、これらがRI廃棄物として発生いたします。
 それから、14ページにいきまして、当協会の事業についてですけれども、集荷作業ということで、当協会の職員が全ての集荷作業について立ち会いを実施しています。それから、線量測定、外観検査などを全数実施して、記録票の内容物を確認いたしまして、授受の記録を作成して、取引するといったようなことでございます。
 15ページ目でございますけれども、輸送という観点では、主に小型車と大型車、両方組み合わせて使っておりますけれども、その輸送に際しましては、放射性同位元素等車両運搬規則というのがありますので、これに従って輸送します。RI廃棄物は輸送物としてL形、これは線量が低く放射能も低いもの、それから、5μSvを超えるものについてはIP-2形といった、ちょっと規格が変わりまして、これらの輸送物として集荷をしています。車両につきましては、全てチャーター便としていまして、車をチャーターいたしまして、専用積載で運んでいるといったことで、一般の貨物との混載はございません。RI廃棄物のみ積載するといったようなことになっております。
 16ページですけれども、当協会は日本全国、津々浦々集荷しております。最初に静岡のほうを4月に始めまして、1年間かけて各地区を回りまして、最後、関東地区、関西地区で終了するといったような状況で、各事業所、要望がございましたらば、少なくとも2回以上集荷を実施するというような状況でございます。
 1ページめくっていただきまして、都道府県別のRI廃棄物の集荷本数ですけれども、基本的にはグラフのように、関東圏、近畿圏が比較的多いといったところでございます。事業所もそちらのほうに集中しておりまして、逆に地方につきましては、事業所も少なく、集荷の回収も大変、効率が悪い集荷になってしまうということがございます。
 廃棄物をどれぐらい集荷しているかということでございますが、18ページに紫色の線で集荷本数の合計というのがございます。近年、廃棄物は少なくなってきておりまして、現在、7,000本台半ばといったことで少なくなってきてる状況でございます。一方、集荷事業所数、グレーの破線でございますけれども、1,500事業所前後といったところで、廃棄物は少なくなってきているけれども、集荷事業所は変わらないというような事情になっております。
 1枚めくっていただきまして、RI廃棄物の集荷割合ですけれども、放射線障害防止法から発生する研究RI廃棄物は約5,000本弱、それから、医療関係につきましては3,000本ちょっとといったところで、基本的にはその廃棄物の7割、8割方が可燃性の廃棄物といったところで、特徴といたしましては燃えるものが多いという特徴がございます。これによって処理の方法が変わってくるということでございます。
 めくっていただきまして、協会は一体どれぐらい廃棄物を持っているのかということでございますけれども、左側が障害防止法関係で約12万6,700本ということで、燃えるものが半分である。これは、医療関係につきましては約2万6,000本で、可燃性の廃棄物が3割前後ということで、処理済み固化体を含んでおりますけれども、未処理のものにつきましては、研究RI廃棄物のほうがまだ多いという状況ではございます。
 2枚めくっていただきまして、RI廃棄物に含まれる主な核種と半減期ということで使われ方が全く違いますので、核種の特徴が異なるという状況になっております。一番左側の研究RI廃棄物につきましては、トリチウム、カーボン、P-32、S-35、プロメ147ということで、β核種が多いという特徴がございます。プロメの147につきましては、昔使用されておりました夜光塗料に含まれるプロメチウムということでございます。
 真ん中の医療RI廃棄物につきましては、人体に投与されるということもありまして、比較的半減期が短い、非常に半減期が短いものが多いという特徴がございます。
 それから、右側の放射化物ですが、これは放射化される材料に依存するといったところで、金属類につきましてはコバルト60とか、コンクリートについては152ユウロピウムなどが発生いたします。といったように、さまざまな核種が使われているといったような特徴がございます。
 しかしながら、半減期が短いものが多いので、23ページでございますけれども、研究RI廃棄物に含まれる核種の放射能割合といたしましては、処分に際して少なくても1年以上につきましては評価は要らないのではないかと考えますと、トリチウムとカーボンが支配的になるといったようなことでございます。この中でも、特に炭素14につきましては、半減期が5000年以上となっており、処分に際して非常に重要な核種となるということが予想されております。
 24ページ目を飛ばしまして、25ページですけれども、RI廃棄物の処理ということで、当協会が行っております処理の目的でございますけれども、減溶という観点で容積を小さくする、それから、安定化、中には動物等もございますし、またカメ類等もありますので、なるべくでしたらば腐敗しないよう、焼却等の安定化を図るべきだといったようなことがございます。
 それから、最終的には処分に適した状態にということで、廃棄体とさせていただきたいということでございます。これにつきましては、当然ながら、有害物質の溶出抑制も図りたいということで、対象物の材質や処理の目的に応じて処理方法を選択していく。
 26ページにプラントの写真がございます。焼却処理、それから、先ほど申しました有機液体、これは液体シンチレータに使われております有機液体です、トルエンやキシレン等。それから、動物などの焼却分が真ん中でございます。それから、仮焼と申しまして、不燃物中にも燃える成分が大分入っておりますので、低い温度で焼却いたしまして、廃棄体化の前段階として仮焼させていただいているという状況がございます。
 これらの処理から処分までの流れといたしまして、27ページでございます。可燃性固体廃棄物、不燃性廃棄物、それから、液体につきましては、減溶・安定化ということで、仮焼や焼却処理を行って、残渣として保管しているのが現状でございます。
 一方、解体等に伴って発生するコンクリートや金属も、実際には回収しております。これら、破線のうちですけれども、将来計画といたしましては、コンクリート固化、溶融処理等を行って、コンクリートピット処分、あるいは、トレンチ処分といったようなこと、あるいは、クリアランスもできれば実施したいということがございます。それから、コンクリートや金属等につきましては、フレキシブルコンテナ等に封入して、最終的にはトレンチ処分をしたいということがございます。といったようなところが将来計画でございます。
 それから、廃棄体に際してということで、28ページですが、これは、これまで行ってきたテストプラントにおける模擬試験等でございます。写真にございますように、最終的にドロドロに溶かして、1,500℃ぐらいで加熱いたしまして、溶融廃棄体をつくって処分したいというのがございまして、右側の写真ですけれども、溶融スラグとして、水砕スラグとして、こちらでは模擬廃棄物を加熱した後、水の中に落としまして、水砕スラグとして廃棄体とさせていただきたいということで、これらにつきまして、廃棄体の技術基準からいたしますれば、廃棄体とさせていただきたいと考えております。
 最後でございますが、RI廃棄物におけ処理・処分の課題といたしまして、今後ですけれども、放射線発生装置から発生するということで、大規模な加速器もございますので、大量の放射化物に対する対応が必要になるだろうと認識しております。
 それから、埋設に係る廃棄体の技術基準の整備ということで、これがうまく定まらないと廃棄体化は進まないということがございます。
 それから、同様に、廃棄体の放射能確認とか、どんな確認方法についても確立する必要があるということでございます。
 それから、炉規法や障害防止法以外に、法令によって規制される廃棄物の埋設に係る規定がまだ整備されていない状況がございますので、医療関係につきましても、今後、整備を図っていただきたいという要望がございます。
 当協会の説明につきましては、以上でございます。
(出光主査) 林部長、ありがとうございました。
 ちょっと時間が押しておりますので、もしどうしても聞きたいということがございましたら、お願いいたします。
 葛西さん、どうぞ。
(葛西委員) 一つだけ伺いたいんですが、27ページの減溶・安定化処理で、残渣として保管されているということだったんですが、先ほど、JAEAさんの計画だと、3年後ぐらいまでには用地を取得されますけれども、今、残渣で持っているのは大体どれぐらいで、どれぐらいまでだったら耐えられるというようなものはありますか、容量で。
(林部長) まず容量ですけれども、結構な本数ございまして。先ほどの20ページに当協会の貯蔵数量というのがございますけれども、こちらのほうに貯蔵能力の合計というのがございまして、現在、15万3,000本ぐらい貯蔵されているということですけれども、貯蔵能力として22万本まで貯蔵されております。
 可燃性廃棄物等につきましては、大体、40分の1から100部の1ぐらいに減容されるということでございますので、15万のうち、まだまだ減容されて最終的には数万本に落ちるということがありますので、貯蔵能力につきましてはまだまだ余裕がある状況ということになっております。
(葛西委員) ありがとうございました。
(出光主査) ありがとうございました。
 それでは、時間が超過しておりますので、最後になりますが、その他は特にございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、本日予定しておりました議事は、以上で終了いたします。
 最後に、増子審議官がいらっしゃいましたので、一言、ご挨拶いただきたいと思います。
(増子審議官) すみません、既に時間も超過しておりますので、簡単にご挨拶させていただきます。別の会議と重なっておりましたので、途中から参加させていただきました。
 非常に活発なご議論をしていただき、まことにありがとうございました。
委員の先生、既にご案内のとおり、これまでの原子力研究開発、それから、放射線の利用ということで、非常に多くの、多種多様な廃棄物がたまってきているということはご理解いただけたと思っております。そういう中で、埋設の処分場の立地の問題というのはもう待ったなしと考えております。事業主体の原子力機構でこれまでもいろいろな取組をしておりましたが、時間もだんだんなくなってきているし、予算の確保という面もありますので、これからは文科省も所管省庁としてしっかりと取り組んでいきたいと思っておりますので、引き続き先生方のご意見を賜る機会も非常に貴重でございますので、今後とも、ご指摘、ご鞭撻のほどお願いしたいと思います。
本日はどうも、ありがとうございました。
(出光主査) 増子審議官、どうも、ありがとうございました。
 それでは、事務局から事務連絡等をお願いいたします。
(宮原補佐) 次回の作業部会の日時等につきましては、日程調整の上、改めてご連絡をさせていただきたいと思います。
 また、本日の議事録につきましては、でき次第、メールでのご確認をお願いさせていただきます。
 以上でございます。
ありがとうございました。
(出光主査) それでは、これで第14回の作業部会を終わらせていただきます。
主査の不手際で10分ほどオーバーいたしました。申しわけございませんでした。また、引き続き、よろしくお願いいたします。

お問合せ先

研究開発局 原子力課 放射性廃棄物企画室

(研究開発局 原子力課 放射性廃棄物企画室)