令和7年7月1日(火曜日)10時00分~12時00分
文部科学省内会議室とオンラインのハイブリッド開催
【有林課長(事務局)】 それでは、定刻となりましたので、ただ今より第38回原子力科学技術委員会を開催いたします。本日はお忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございます。
今回は、対面とオンラインのハイブリッドにて開催しております。これに関連した確認事項などもありますので、議事に入る前に私のほうから進めさせていただきます。
まず、オンラインにてご出席いただいている方への留意事項をご説明させていただきます。委員の皆さまにおかれましては、現在遠隔会議システム。本日はWebexを使っておりますけれども、この遠隔会議システム上で映像および音声が送受信できる状態となっております。ご発言を予定される場合は、挙手ボタンを押していただくと画面の左上に挙手マークが表示されますので、順番に主査よりご指名をいただきます。もう一度押すと挙手マークが消えますので、ご発言をいただいた後は挙手ボタンを押して手を下ろしていただくようお願いいたします。
それから、会議中にビデオ映像および音声がいずれも途切れている場合、その時間帯はご退席をされているものとみなします。遠隔会議システムの接続の不具合等が生じた場合は、随時事務局宛てにお電話にてお知らせくださいますようよろしくお願いいいたします。
また、傍聴されている方々におかれましては、ビデオ映像と音声をオフとしてください。議事進行の妨げとなる行為を確認した場合は、遠隔会議システムからご退席いただきますのでご承知置きください。
記事録につきましては、事務局にて会議を録音し、後日文字起こしをいたします。事務局以外の方の会議の録音、録画はお控えください。
以上が、本日の進行に当たっての留意事項となります。
続きまして、本日の配布資料の確認をさせていただきます。委員の皆さまおよび傍聴の登録をされた方宛てに、メールにて事前に配布資料をお送りさせていただいております。また、対面でご参加の皆さまには、お手元に資料をご用意させていただいております。会議中、遠隔会議システム上においても資料を表示する予定がございます。
お手元に議事次第を配布しておりますが、本日は議題が3つございます。まず議題の1つ目でございますけれども、第13期原子力科学技術委員会について。2つ目の議題が、最近の原子力科学技術に関する動向および第13期の調査事項について。そして、最後がその他でございます。
配布資料は、それぞれ記事次第に書かれているとおりです。お手元に資料がないようでしたら、事務局までお知らせいただければと思います。また、その他にも何かございましたら、随時お申し付けください。
委員の皆さま方の出席状況については、開始前に事務局にて確認をさせていただいております。本日は、委員12名のうち8名に出席をいただいております。運営規則第3条に規定されております定足数の過半数を満たしておりますので、報告させていただきます。
続きまして、事務局参加者についてご連絡いたします。文科省からは、研究開発局長の堀内、大臣官房審議官の清浦、研究開発戦略官の水野、そして私、原子力課長の有林が出席しております。よろしくお願いいたします。
会議に先立ちまして、文部科学省を代表しまして研究開発局長の堀内より一言ごあいさつさせていただきます。堀内局長、よろしくお願いします。
【堀内局長】 研究開発局長をしております、堀内です。よろしくお願いいたします。
13期の最初となる原子力科学技術委員会の開催でありますので、最初にまず、委員をお引き受けいただきまして、皆さま、本当にありがとうございます。これから、しっかり議論ができればというふうに思っております。
それから2番目なんですけれども、今年2月に7次のエネルギー基本計画が策定されました。原子力を、脱炭素電源として最大限活用していくということであります。現職に就いて、これほど前の計画と新しい計画に差があるというか、大きく流れが変わったというのも珍しいのかなと思いながら、その状況について責任感を持ってというふうに思っております。文科省の関係でも、次世代革新炉の研究開発や人材の維持・強化というものが論点になってくるのかなと思っております。
そんな中で、この13期におきましては、特に後半なんですけれども、いろいろ成果が上がる中で論点となるものがあります。例えば、「常陽」の再稼働を控えております。高速実験炉ですけれども、それからガス炉、HTTRの水素製造試験への準備というのがだいぶ進んできます。東海再処理施設のガラス固化、これが再開するというような準備が今進められておりまして、所掌の範囲外ではありますけれども関連のものとしましてフュージョン炉、核融合炉のJT-60SAの稼働も今控えているということであります。
成果が、いろいろ今まで頑張ってきたものが表に出てくるということでありますけれども、それぞれ、その後をどう進めていくかという論点を抱えたものばかりでありまして、そういったものをここでいろいろその方向性、在り方についてご議論をいただくことになるんではないかと思っておりますし、後半ということで今そういうものを申し上げましたけれども、その先には高レベル放射性廃棄物研究開発の在り方をどうするかというようなことであるとか、また新試験研究炉、福井に今計画中のものでありますけれども、そういったものをどのように進めていったらいいかというような課題も控えております。今の、令和7年度の状況について、いろいろ準備をしながら後半にそういったものが起こるということなので、今期13期も話題豊富になるのではないかと思っているところであります。
人材育成におきましても、令和3年度にスタートした産学官のコンソーシアムでありますANEC、これが新たなフェーズへ展開します。こういうような状況を踏まえて、文部科学省としても基礎基盤的な研究開発、原子力分野の人材育成に係る検討をしっかり進めて、いろいろなものに対応する足固めをしていかないといけないのかなと。そういった、どういうふうに備えていったらいいかということを、やはりこの場でご議論、ご意見を賜りたいと。
13期におきましても、本委員会におきます先生方のご指導、ご助言が頼りであります。よろしくお願いいたします。
【有林課長(事務局)】 ありがとうございました。
続きまして、本日は今期の最初の会合ですので、委員の皆さまをご紹介いたします。すいません、中嶋委員と絹谷委員におかれましては映像をオンにしていただいてもよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。
それでは、資料の1-1、原子力科学技術委員会の構成員に関する資料をご覧ください。第13期の原子力科学技術委員会の委員としましてご就任いただきました皆さまを、表の上から順に簡単にご紹介をさせていただきます。
まず主査についてですが、当委員会の親委員会に当たります研究計画評価分科会の会長から、名古屋大学教授の山本委員に対して主査の指名を既に受けております。また、運営規則にのっとり、あらかじめ山本主査より東京大学工学系研究科教授の石川委員が主査代理に指名されております。なお、石川委員につきましては本日ご欠席となっております。
次に、東海大学工学部准教授の浅沼委員です。浅沼委員も本日ご欠席でございます。
次に、長岡技術科学大学准教授の大場委員でございます。
次に、フリージャーナリストの葛西委員でございます。
次に、金沢大学医薬保健研究域教授の絹谷委員でございます。
次に、京都大学複合原子力科学研究所教授の黒﨑委員でございます。
次に、NPO法人国際環境経済研究所理事の竹内委員でございますが、本日ご欠席でございます。
次に、名古屋大学核燃料管理施設教授の吉橋委員でございますが、吉橋委員も本日ご欠席でございます。
次に、日本電機工業会専務理事の中嶋委員でございます。
【中嶋委員】 よろしくお願いいたします。
【有林課長(事務局)】 次に、電気事業連合会専務理事の中西委員でございます。
【中西委員】 中西でございます。よろしくお願いいたします。
【有林課長(事務局)】 最後に、日本原子力産業協会理事長の増井委員でございます。
【増井委員】 増井です。よろしくお願いいたします。
【有林課長(事務局)】 今期はこれら計12名の方に委員をお務めいただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、主査として新たに委員にご就任いただきました山本委員より、一言ごあいさつをお願いいたします。
【山本主査】 ご紹介いただきましてありがとうございます。私、今回からこの原子力科学技術委員会の主査を拝命いたしました、名古屋大学の山本と申します。
さて、この委員会は原子力科学技術について議論するということでありますけれども、12期で今後の原子力科学技術に関する政策の方向性ということで中間まとめを出されてまして、これ非常によくまとまった文書だと私は感じております。要約しますと、この福島第1の事故の後、基本的にはなかなか投資なり何なりが難しい状態で、技術や人材の基盤というのがだんだん劣化してきてると。そういう状態で、一方、先ほど堀内局長のほうからお話ありましたように、第7次のエネ基というのが出てきて、相当方向転換があるという状況であると思うんです。つまりは、基盤が弱体化してる中で、これから新しいことをやっていかないといけないと。そういう、ちょっとこれまでと違ったフェーズに入ってきているという風に理解しております。まぁちょっとこれは言い換えると少ないリソースでいろんなことをやらないといけないということで、ここしばらくはかなり厳しいというか難しい局面が続くのかなというふうに思っておりますし、そういう何か、この委員会で議論するっていうのは非常に重要なところになるだろうと感じているところであります。
とはいえ、国の、行政のリソースというのは当然ながら限られているところもありますので、そのリソースを使ってしっかりこの政策を前に進めていく。そのためには、実現性の高い、効果の高い政策が行われてるかどうか、それを議論した上でそれをしっかりモニターしていくというのが要点なのかなというふうに考えているところであります。
そういう形でこの13期、皆さんの力をお借りしながら進めることができればなというふうに考えておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
以上です。
【有林課長(事務局)】 山本主査、どうもありがとうございました。
続いて、その他今期より委員にご就任をいただきました絹谷委員および中西委員から、順に、一言ずつごあいさつをいただきたいと思います。
まず、絹谷委員、よろしくお願いいたします。
【絹谷委員】 皆さん、おはようございます。金沢大学の絹谷と申します。今、名簿を拝見しながら、私だけ少し毛色の変わった人間として参加させていただいています。私、医学系の人間です。皆さんに関係ある点を少しだけ申し上げるならば、今、JRR-3とか「常陽」で医学用の放射性核種の合成ってものの議論を皆さんしていただいてると思いますけれども、そのユーザー側の立場の人間です。
われわれのほうから皆さんに考えていただきたいことを少しお伝えするような場面もあるかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。
【有林課長(事務局)】 お願いいたします。ありがとうございました。
次に、中西委員、お願いいたします。
【中西委員】 電気事業連合会専務理事の中西でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は4月に、この電気事業連合会の専務理事の職に就任いたしました。出身の電力会社は中部電力でございます。私ども、事業者の代表ということでこの場に置いていただいているというふうに思っております。震災以降、原子力の関係では皆さまにも大変ご支援をいただきながらここまで来たということかと思います。
先ほどお話も少しございましたけれども、第7次エネ基でも原子力の位置付けがかなり変わってきたということで、私ども事業者においても、しっかりと進めるべきことを進めていきたいという、そんな決意でおります。
この場は非常に幅広く原子力の研究全般について取り扱うと伺っておりますけれども、事業者からの立場としても、ぜひ皆さまと一緒になって進めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【有林課長(事務局)】 ありがとうございました。
それでは、これから議事に入らせていただきますが、運営規則第5条に基づき、本会議は公開とさせていただきます。また第6条に基づき、本日の議事録につきましては後日ホームページにて掲載をさせていただきます。
それでは、ここからの議事につきましては、山本主査に進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【山本主査】 はい、山本です。それでは、議事を進めてまいります。
まず、議事次第をご覧いただけますでしょうか。今日は2つ議題がありまして、メインイベントは2番目のほうかなと思います。
それでは、まず一番最初の議題の、13期の原子力科学技術委員会についてということで、これは運用規則の確認に近いと思いますけれども、事務局さんからご説明よろしくお願いいたします。
【有林課長(事務局)】 それでは、資料1-2および資料1-3に基づきまして説明をさせていただきます。
まず、資料1-2をご覧ください。こちらは当科学技術委員会の運営規則を定めたものでございます。案となっておりまして、本日この委員会の場において決定をいただくものになってございます。
まず、1番目の趣旨は、ご覧いただくと分かるとおりこの委員会の設置のところでございますけれども、第2条のほうに作業部会ということで、この委員会の下に作業部会を置くことができると定められております。また、作業部会のメンバー等につきましては、第2条の2項にありますけれども、委員会の主査が指名するというような形で作業部会を置かせていただきます。後になりますが、資料1-3に基づきまして、この委員会の下に3つの作業部会を置かせていただく予定でございます。
また先ほど、第3条のほうをご覧になっていただきますと、冒頭の説明でも引用させていただきましたが、議事につきましては、委員会に属する議事に関係する委員等の過半数が出席しなければ会議を開くことができないとされております。また、第2項のほうになりますけれども、委員会の主査が定める指針に従いまして、情報通信機器等を利用して会議に出席できるということで、これは遠隔会議システムでの会議の参加が可能ということでなってございます。
こちらに記載のございます委員会の主査が定める指針でございますけれども、そちらが3ページ目に掲載をさせていただいておりますけれども、こちらのほうですが先ほどの、冒頭の説明でもさせていただきましたが、2つ目のところにございますように会議システム利用の場合につきましては、映像および音声のいずれもが送受信できるというようなことが必要になってございますので、ご協力のほうよろしくお願いいたします。
また戻りまして、2ページ目でございますけれども、第4条は書面による審議ということで、委員会の主査がやむを得ない理由で会議が開くことができない場合については、書面による審議を行うことができることになってございます。また、第5条は会議の公開でございますが、先ほど申し上げましたとおり、特別な場合を除き会議については公開ということになっておりますし、第6条でございますが、こちらは議事録の作成でございますけれども、委員会の会議の議事録を作成し、所属の委員等に諮った上でこれを公表するというふうになってございます。
運営規則につきましては、以上でございます。
また、資料の1-3をご覧ください。こちらが、先ほど申し上げました運営規則の第2条第1項に基づきまして、この原子力科学技術委員会の下に以下の3つの作業部会を設置したいと考えております。
1つ目が原子力研究開発・基盤・人材作業部会ということで、調査検討事項につきましては、原子力分野における研究開発、基盤、人材育成に関する課題や在り方等について、一体的・総合的に調査を行うことを求めるものでございます。
また、2つ目が原子力バックエンド作業部会ということで、こちらは廃止措置に移行する原子力施設が増加する中で、研究機関等が保有する原子力施設の廃止措置等について、安全を確保しつつ、廃止措置や放射性廃棄物の処理・処分等を着実に行うための方策について調査検討を行うことをお願いしたいと考えております。
また、3つ目が核不拡散・核セキュリティ作業部会でございますが、こちらは核セキュリティ体制強化に向けた世界的な流れが加速していく中で、わが国における核不拡散・核セキュリティ体制強化に必要な研究開発課題や人材育成手法、その他諸課題について調査検討を行うことを依頼したいと思っております。
事務局からの説明は、以上でございます。
【山本主査】 ご説明いただきましてありがとうございました。
運営規則と作業部会について、ただ今ご説明いただきました。それでは、何かご質問やご意見がありましたら、よろしくお願いいたします。
特にご発言はない、オンラインの方も含めてないですかね。それでは、特にご意見ないということでありまして、今ご説明いただいた形で正式なものにさせていただくということで進めたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、これで議題1は終了になりまして、2つ目ですね。最近の原子力科学技術に関する動向および13期の調査事項についてということで、これもまず、ちょっと資料が多いんですけれども、事務局さんからご説明いただきまして、その後で皆さんからご意見をいただくという形で進めたいと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
【有林課長(事務局)】 それでは、引き続き資料の2に基づきまして、最近の原子力科学技術に関する動向につきまして説明をさせていただき、最後に第13期の調査事項についてこちらのほうから事務局の案を提示させていただきたいと考えております。
まず、こちらの資料の構成でございますけれども、去年8月に原子力科学技術委員会におきまして中間取りまとめというものを取りまとめていただきましたけれども、それをベースにこの1年間の動きを踏まえまして、今後2年間どのようなことを検討していくのかというところにつきまして、事務局として考えていることをご提案させていただきまして、それに対する委員からのご意見もいただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
それでは、まず資料の2をめくっていただきまして、1ページ目でございますけれども、まずは最近の原子力科学技術に関する動向というところでございます。
まず、2ページ目をご覧ください。2ページ目でございますけれども、第7次基本計画のポイントとしまして、原子力関連のところでございますけれども、この第7次エネルギー基本計画のまさに1番のポイントとしまして、原子力につきましては再生可能エネルギーか原子力かという2項対立の議論ではなくて、脱炭素電源として共に最大限活用していくということがうたわれたところでございます。
また、2040年の電源構成の見通しにつきましては、原子力は2割程度、こちらの前の第6期と変わりませんが、一方で米印で書いておりますけれども、さっきの第6次計画のほうにつきましては再生可能エネルギーを拡大する中で、可能な限り原子力依存度を低減するという文言がございましたけれども、こちらについては削除されているという状況でございます。
また、(3)としまして、同じ電力会社であれば廃止を決定した原子力発電所とは別の原子力発電所サイト内でも建て替えを行うというようなことが認められているところでございます。
また最後、4つ目でございますけれども、次世代革新炉としまして革新軽水炉、小型軽水炉、高速炉、高温ガス炉、そしてフュージョンエネルギーの研究開発等を進めるとともに、サプライチェーン・人材の維持・強化に取り組むというところが記載されてございます。
次の3ページ目のところが、この中でも特に文科省の関連の記載でございますけれども、大きく3つございまして、1つ目が高速炉ということで、こちらは「もんじゅ」の廃止措置を着実に進めるとともに、「もんじゅ」や「常陽」の運転から得られました知見・技術等を実証炉開発へ活用していくということが記載されてございます。
また、高温ガス炉につきましては、HTTRを活用しました水素製造試験を実施するとともに、英国などの国際連携も活用しました実証炉開発を産学官で推進するということが記載されてございます。
また、3つ目、フュージョンでございますけれども、こちらのほうにつきましては記載ございますように、ITERやJT-60など、また官民の動きなどございますけれども、フュージョンエネルギーにつきましては原子力科学技術委員会とは別に核融合科学技術委員会が設置されておりまして、そちらのほうで議論をしておりますので、本原子力科学技術委員会の所掌の範囲外とさせていただいているところでございますので、参考までに共有をさせていただきます。
次に、4ページ目をご覧ください。こちら、原子力発電所の現状でございますけれども、昨年末に東北電力の女川原子力発電所2号機、そして中国電力の島根原子力発電所2号機がそれぞれBWRで運転再開をいたしまして、今、再稼働が14基、設置変更許可が3基というような状況になってございます。
次、5ページ目をご覧ください。こちらのほうも経済産業省の資料で紹介されているところでございますけれども、こちらはグラフご覧いただきますと、青いところが原発を40年運転した場合の設備容量の推移を表しております。緑のほうが60年運転、今許可されているもののみを加えた場合、そして斜線が入っております緑が全ての60年運転が許可された場合という仮定でございますけれども、このグラフのポイントとしましては、今現在というところで2024年のところに点線が引かれておりますけれども、そこと同じ設備容量というものが、仮に60年運転が適用されたとしても2040年代半ばにはその設備容量よりも減ってしまうというようなところが現状としてございます。
一方で、建設のリードタイム、原発を建てる場合にやはり20年近くかかってしまうということを念頭に置きますと、やはり今の時点において次世代の革新炉の開発、設置に取り組む必要があるだろうというようなところが、問題が提起されているところでございます。
そちらを受けまして、次の6ページでございますけれども、エネルギー基本計画におきましても次世代の革新炉ということで以下の5炉型が提示をされておりまして、先ほど申し上げましたが革新軽水炉、そして小型モジュール炉、高速炉、高温ガス炉、フュージョンエネルギーというような5つの炉型が掲示されております。
次に、7ページ目でございますけれども、こちらのほうが昨年8月に取りまとめさせていただきました、まさにこのエネルギー基本計画を受ける形で、科学技術という観点からどのような分野に力を入れていくべきかというところで、5つの柱を立てさせていただいたところでございます。
中段にございますけれども、1つ目の柱が新試験研究炉の開発・整備ということで、1つ目が「もんじゅ」サイトを活用しました新しい研究炉を開発・整備していくということ。そして2つ目が、既に動いておりますJRR-3を安定的に運転して、そして活用していくということ。
2つ目の柱が次世代革新路ということで、先ほど5つの炉型がございましたけれども、その中でも特に高速炉でありますが、「常陽」の運転再開を推進していくということ、そして高温ガス炉のほうも安定運転をするとともに研究開発を推進していくということがうたわれております。
また、3本目の柱でございますけれども、こちらのほうはバックエンドということで、1つ目は、バックエンドのほうでは2つ目にございますように、「もんじゅ」、「ふげん」、東海再処理という主要施設の廃止措置が進んでおりますけれども、この主要3施設以外の廃止措置につきましてもしっかりと取り組んでいくべきだというところが提起されているところでございます。
また、4つ目の柱でございますが、こちらのほうは研究と人材基盤の強化ということで、1つ目のかっこでは原子力科学技術・イノベーションの推進、そして2つ目では人材育成機能の強化というところが記載されてございます。
そして最後、5つ目でございますけれども、1つ目のかっこでは廃止措置等の研究開発を推進するとともに、2つ目は原賠制度を、しっかりと取り組みを推進するということが記載されてございます。
こちらが去年の8月に取りまとめられた5つの柱でございますけれども、この5つの柱個々につきまして、この1年間にどのような動きがあったかというところをちょっと簡単に、かいつまんで説明をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
まず、8ページ目でございますけれども、新試験研究炉の開発・整備の推進というところでございます。
ページをめくっていただきまして、9ページ目でございます。この新試験研究炉のところでは2つございましたが、そのうちの1つ目では「もんじゅ」サイトを活用しました新試験研究炉の開発・整備でございます。こちらは去年の8月に取りまとめたものでございますけれども、今回初めて参加される方もいらっしゃいますので、ちょっと簡単に概要を説明させていただきます。
概要の1つ目の丸にございますけれども、平成28年12月に「もんじゅ」を廃止措置することに伴いまして、そのサイトに新たな試験研究炉を造ると、設置するということが原子力閣僚会議で決定されたところでございます。これを受けまして、左下の経緯と実績になりますけれども、令和2年から4年度にかけましてJAEAと京都大学、福井大学を中核としまして概念設計が進められました。また、その後、令和5年の3月にはこのJAEAを新しい研究炉の開発の実施主体と決定するとともに、その仕様につきましても10メガワット級の中出力炉ということで、京大炉が5メガ、そしてJRR-3が20メガですので、ちょうどその間に位置するような中出力炉の中性子ビーム炉を建設するということが決められたところでございます。
その後、令和5年の5月にJAEA、京都大学、福井大学の3機関で協力協定が結ばれまして、11月には三菱重工を、この原子炉を設置していく上での主契約企業として選択・決定をしたところでございます。
右のほうに今後の基本方針がございますけれども、昨年末の時点では、1つ目の丸にございますけれども、令和6年中に設置許可申請の見込み時期および「もんじゅ」サイト内のどこに建てるかというところを公表する予定でございました。
次のページ、10ページ目に、ご覧ください。今申し上げましたように、当初の予定では昨年12月に「もんじゅ」サイトの中のどこに建てるかというような、場所を決める予定でございましたが、これまでの経緯にございますけれども、10月の29日に国土地理院から、「もんじゅ」の敷地内に地形的な特徴から活断層の存在が推定されるが現時点では明確に特定できない、そして、かつ位置も不明瞭という推定活断層がある可能性があるということが、活断層がある可能性があるということが公表されました。
右のほうに図がございますけれども、緑の四角で地点A、A’、Bというふうに書いてございますが、これが「もんじゅ」の跡地に新たな試験研究炉を建てる候補地となっているところでございます。このうちのどこに建てるかというところを12月に発表する予定だったんですけども、黒い点線がサイトの中を横切るように引かれてございますけれども、こちらが国土地理院が発表した推定活断層でございまして、ただ、こちらにつきましては本当に地形的な特徴から活断層の存在が推定されるということで、要は実際に地質調査をやったわけではなくて、あくまでも地形判読などから導き出されたような結論でございます。
ただ、一方で、左のほうの経緯に戻りますが、原子力規制庁からはこの推定活断層の発表を受けまして、「もんじゅ」のサイト内に新たな原子炉を建てるのであれば、客観的なデータ等の必要なエビデンスを用意して審査基準への適合性を示す必要があるとの見解が示されたところでございます。
このような状況を踏まえまして、昨年12月にどこの場所に建てるかという建設予定地を公表する予定でしたけども、安全を最優先するということで公表を延期したところでございます。現状につきましては、補正予算なども活用しながら、今年度、まさに推定活断層ということが、線が引かれるに至った、この右側のところで言いますと青い楕円とピンクの楕円がございますけれども、まさにこれが活断層の線が引かれる原因になった地形的な場所でございますので、そこを中心に左側のほうの①~⑥にございますように、まさに地理院が行ったような地形判読を行うとともに、それ以上に地質を確認するために踏査をしたり、電気探査や剥ぎ取り調査、場合によってはピット、ボーリング調査なども実施することを予定しているところでございます。
次に、11ページ目、JRR-3のほうでございますけれども、こちらにつきましては新規制基準の審査を経まして、概要の2つ目の丸になりますけれども令和3年の2月に運転再開をしまして、中性子ビーム実験や中性子照射に利用されているところでございます。左下に経緯と実績ございますけれども、令和5年度実績で2万人ということで、これは震災前まで戻っているという状況でございます。
今後の方針のほうに移りまして、JRR-3を安定に運転するとともに、医療用のRIの製造にしっかりと役立てていくというところが基本方針として明示されているところでございます。
このRIの製造に関しまして、12ページ目になりますけれども、このJRR-3を使いまして、診断薬として使われておりますテクネチウム-99を製造する検討を行っております。実際に、令和6年度の実績としましては2つ行っておりまして、まずはJRR-3を使って天然のモリブデンからテクネチウムにつながっていくための照射実験というものを行いました。加えまして、原子炉で照射しましたモリブデン-99からテクネチウムを分離するというような試験を同時に行っているところでございます。
その結果としまして、中段の下のほうになりますけれども、JRR-3を用いました照射試験の結果、ある程度JRR-3で作れる製造能力ということが分かってきました。それが、下の青い表で示したものになってございます。
メーカーからの希望というところが、国内に製造メーカー2社ございますけれども、一応今100%海外からの輸入に依存しているところでございますが、一方で原子力委員会からは海外の原子炉が止まった場合に国内への供給が止まってしまうというような事態が過去ございましたので、そういった事態を避けるために3割は何とか国産化を目指すというような目標が立てられておりまして、その3割に当たるというのが、ここで記載してございます1週間に660キュリーというような値になってございます。
それに対しまして、原子力機構のほうでは水力照射と垂直照射の2種類で製造することができますけれども、前者の場合は1週間に約100キュリー、そして後者の場合は量は1,000キュリーと多いんですけれども、ただし1カ月に1回しか照射できないということで、この数字だけを見ますとやはり製薬メーカーの希望にこのJRR-3だけで、単独で供給するというところが問題がございまして、そこにつきましては加速器などの併用などでさまざまなことを検討していく必要があるかと思っております。
次に、13ページ目、ご覧ください。次は次世代のほうの革新炉でございますけれども、14ページ目のほうに移らさせていただいて、こちら、まず「常陽」のほうでございますが、概要の1つ目、2つ目にありますが、「常陽」はわが国の初の高速炉でございます。そして平成19年に、一部トラブルが発生しまして運転を中断いたしました。その後、3.11の後の新規制基準に基づく安全審査が進められまして、令和5年の7月に許可を取得したところでございます。そして今、新規制基準に基づく工事を進めているところでございます。
右のほうの、今後の基本方針をご覧ください。「常陽」につきましては、冒頭の局長のあいさつにもございましたけれども、令和8年度の半ばに運転再開を目指すべく今作業を行っているところでございます。また、2つ目、3つ目、4つ目にございますけれども、「常陽」の活用としましては医療用のRIの製造実証、そして実証炉開発への貢献、そして課題としまして「常陽」への新燃料の確保・供給というところも課題として記載されているところでございます。
このような状況に対しまして、15ページ目でございますけれども、昨年度からの動きとしまして、黒丸で5つ書いてございますけれども、特に4つ目でございますが、令和5年に規制庁の許可を取りましたが、昨年9月に運転再開に向けました地元の了解も取得することができまして、まさに今、令和8年度半ばに向けた、運転再開に向けて令和6年度の補正予算で200億弱の予算を確保しまして、最終的な工事の詰めを行っているというところでございます。下にございますが、令和8年度の半ばに運転再開をしまして、高速実証炉のスケジュールが書いてございますけれども、そこにしっかりと貢献していくようなタイムスケジュールを想定しているところでございます。
次、16ページ目、ご覧ください。こちら、高温ガス炉のほうでございます。高温ガス炉でございますが、概要の1つ目にございますように固有の安全性を持っておりまして、普通の電力だけを出します原子力発電所と異なりまして、高温の熱供給が可能でありまして、その熱を利用しまして水素製造や多様な熱利用が可能な次世代の革新炉として定義されてございます。
こちらのHTTRでございますけれども、2つ目の丸ですが、平成10年の11月に初臨界を達成しましたわが国初かつ唯一の高温ガス炉でございます。3.11後は、令和3年7月に運転を再開しているところでございます。
今後の方針のほうに移りまして、3つ丸がございますけれども、特に1つ目、2つ目が重要でございまして、まず1つ目がHTTRを利用しました熱利用施設との接続ということで、こちらは水素製造がしっかりとできるということを実証するために、HTTRの隣に水素製造装置、施設の建設を進めているところでございます。また、2つ目の丸にありますように、実証炉の開発にしっかりと貢献していくということもミッションになってございます。
次に、17ページ目をご覧ください。こちら、熱利用試験の概要でございますけれども、この1年の進展としましては3つ目の黒丸でございますが、今年の3月に原子力規制委員会のほうに、このHTTRの隣に水素製造施設を造りますけれども、こちらに関しましての原子炉設置の変更許可申請を行ったところでございまして、今、原子力規制委員会において審査が行われております。下のタイムスケジュールにございますけれども、令和10年、2028年の半ばの水素製造試験の実施というところを目指し、作業を進めているところでございます。
次に、18ページ目をご覧ください。廃止措置を含むバックエンド対策でございますけれども、次の19ページ目、ご覧ください。先ほど、冒頭申しましたように、原子力機構の主要施設、「もんじゅ」、「ふげん」、東海再処理施設でございますけれども、予算的に、毎年の予算のうち、やはり廃止措置といいますとその主要3施設のほうに予算がどうしても取られてしまい、これまでの現状で申しますとその3施設以外の施設として36施設がございますけれども、そちらに措置できる予算というのは大体年間7億円ぐらいしか措置できていない状況でございました。
そちらが左下にございますけれども、この主要の3施設以外の36施設を廃止措置するために約1,500億の予算が必要と見積もられておりますけれども、今、現状7億円しか措置できていない状況だとしますと、右のほうに黄色と青のグラフがございますけれども、こちらで示します黄色のグラフのように、なかなか毎年7億円では廃止措置がうまく進まずに、その間ずっと維持管理費が発生してしまう状況になります。その結果としまして、表にございますように、2,600億円以上の維持費がかかるというようなことが計算されてございます。
このため、このような高額な維持管理費を削減するために、上のグラフにございますが集中的に36施設に資金を投じることで、右側のグラフでいう青いシナリオを考えておりまして、これによって約1,600億を超える維持管理費の削減に取り組みたいと考えております。こちらに関しまして、この8月の中間取りまとめのほうでは、右側の今後の基本方針にありますけれども、新たな資金的な枠組みを確保する必要があるだろうということが提案されているところでございます。
それを受けまして、20ページ目でございますけれども、こちらのほうは今申しました36施設専用の廃止措置の補助金というものを創設しまして、約9億円を1年目の予算として措置をしているところでございます。こちらの金額をどんどん別枠として確保していくことで、先ほど申し上げました維持管理費の縮減に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
次、21ページ目、ご覧ください。こちらは主要3施設のほうの廃止措置でございますけれども、「もんじゅ」、「ふげん」、東海再処理とも計画通りに進んでおりまして、「もんじゅ」については令和13年度まで廃止措置の第2段階ということで、遮蔽(しゃへい)体の取り出しなどを行っております。また、同時にナトリウムの英国への搬出に向けた準備も実施しております。
「ふげん」につきましては、令和11年度までに原子炉周辺の設備解体撤去期間と定めておりまして、現在、同時で使用済燃料のフランスでの再処理に向けた契約等の準備をしているところでございます。
最後に、東海再処理のところでございますけれども、こちら冒頭の局長のあいさつでもございましたが、最もリスクの高い放射性廃液のガラス固化というものを最優先に進めておりまして、こちら令和20年度までに処理を完了すべく、また新たな溶融炉の更新作業というところに今取りかかっているところでございます。
次、22ページ目が4つ目の柱、科学技術研究と人材育成のほうでございますけれども、23ページ目をご覧ください。こちら、研究開発のほうでございますが、今後の基本方針にございますけれども、原子力システム研究開発事業という国が実施しています公募事業と、2つ目にありますJAEAのほうで基礎研究を実施しているところでございます。
次の、24ページをご覧ください。こちら国の公募事業のほうでございますけれども、今年度、大きな改革を行わせていただきました。
まず1つ目は、これまで公募を行う際にそれぞれテーマを決めて実施をしておりました。例えば、最近、情報技術の発達によってAIだとかさまざまな技術が発展していますけれども、そういったものとリンク付けるようなテーマ設定などしておりましたけれども、やはり研究コミュニティーのほうから幅広い課題を募ってほしいというような要望もございまして、今回につきましてはテーマの絞り込みは行わないということで公募を実施してございます。
また、柱としまして、大規模チーム研究、異分野連携、そして若手というふうに分かれておりますけれども、若手につきましてはこれまで45歳とされていたところを40歳と年齢を5歳下げまして、いわゆる准教授ではなくて助教やポスドクというような、真に若い方に応募をしていただくように範囲を狭めたところでございます。
また、実施の仕方ですけれども、大規模チームにつきましては元々1億円ぐらいの規模で実施することを念頭に置いておりましたけども、そこを予算的に2段階的な設定をしまして、まずは基本となります5,000万円を第1条件の提案として募集をかけ、それに加えまして最大でプラス5,000万円の上乗せができるという条件で、なんで基本的な5,000万円に対する提案とプラスの最大5,000万円に対する2階建てのプロポーザルを出していただくというような提案を行いまして、その結果として、やはり大規模なプロジェクトを実施するに当たって、本当に、真に適切な金額で、予算規模で実施できるというような審査を実施していただいたところでございます。
また、異分野連携、若手に関しましても、経費につきましては今申し上げたように2階建てにして、できるだけ多くの課題を採択できるようにしておりますし、また研究期間につきましてもまずは3年やっていただいて、課題が良ければプラス2年、アドオンで延長できるというような2段階の期間設定をしているところでございます。
次に、25ページ、ご覧ください。こちらは原子力機構における基礎研究の取り組みでございますけれども、原子力機構におきましては一番上にございますように放射性廃棄物を資源に変える取り組みというものを理事長のイニシアチブで実施しているところでございます。
その中でも特に2つ大きな動きがございましたので、紹介をさせていただきますと、まず左に関しましては劣化ウランを活用しました蓄電池の開発ということで、こちらは下のほうにございますけれども、3月の13日に世界で初めてこのウランを使った蓄電池で電気をともすということに成功したところでございます。
また、2つ目のほうでございますけれども、こちらにつきましてはまさに使用済燃料の中にさまざまな利用価値の高い有価元素が含まれているということで、これを分離して活用していくというような取り組みをしております。その中でも、この下の表にございますが、プルトニウムの中に混ざっておりますアメリシウムというものを取り出すことに成功しまして、こちらも3月の末にプレスリリースをしております。
このアメリシウムというものを使うことによって、100年以上メンテナンスフリーの小型電源の開発が可能になるということで、今、JAXAとも連携をしまして、そういった宇宙環境など過酷環境における電源確保というところを目指しつつ研究開発を進めているところでございます。
次に、26ページ目、ご覧ください。こちらは人材育成の取り組みですけれども、人材育成の取り組みとしましては概要の2つ丸がございますけれども、1つ目は国が主導する形で全国の大学がお互いに連携することで、1つの大学で全てを教えるということがなかなか大学の体力的に難しくなっておりますので、個々の大学が連携をし合いながら体系的な原子力教育を行うシステムを国のほうで整えておりまして、令和3年にANECと呼ばれるコンソーシアムを立ち上げたところでございます。
また、JAEAにおきましては、2つ目の丸になりますけれども、7つの大学と個別に協定を結びまして、こちらのほうは単位認定を前提とするような共同カリキュラムの教育を実施しているところでございます。
こちらのほうにつきましては、この1年の動きでございますけれども、27ページ目のほうに移っていただきまして、1つ目の国がやってましたANECのほうのコンソーシアムの取り組みでございますけれども、こちらにつきましては下のほうにございますが、このプログラム自体、令和8年度までの実施となっておりまして、令和9年度以降、次期ポストANECをどのように進めていくのかというところを検討しなければいけないタイミングに来ております。この表をご覧いただきますとおり、令和9年度から次期事業を実施するに当たっては、令和8年度の予算要求に乗せなければいけないので、その意味ではまさにこの令和7年というところが、これまでの成果を取りまとめるとともに、これからのポストANECをどうしていくかというところについて議論を始めなければいけないという時期になってございますので、この委員会の場においても先生方から、委員の方々からご意見賜れればと思います。よろしくお願いいたします。
最後ですが、28ページ目、東電の事故後の対応でございますけれども、29ページ目に移りまして、東電の事故後ですが、JAEAのほうにおいて廃炉の研究をするためのCLADSという組織を福島に設置をいたしました。そちらのほうにおいては、概要の2つ目の丸にございますけれども、廃棄物や燃料デブリなどの廃炉につながる基礎研究というものを実施しております。またそれとは別に、3つ目の丸ですけれども、JAEAは福島県や国立環境研究所と連携をしまして、環境動態、まさに環境に飛び散ってしまった放射性物質がどのように影響を与えるかというところの環境動態研究を実施しているところでございます。
こちらの動きでございますが、30ページ目に移っていただきまして、これまで原子力機構のほうで実施している研究の中で、今申し上げた放射性物質の環境動態に関する研究がございましたけれども、こちらにつきましては今年度からF-REIと呼ばれます福島国際研究教育機構という組織が出来上がったことを受けまして、そちらに業務を移管するということで人も研究も移しているところでございます。
以上が、この5つの柱に基づくこの1年間の動きでございますけれども、32ページ目に移っていただきまして、まさに今ご説明を受けましてこれからの13期の2年間、この委員会においてどのようなご議論をいただくかというところで、われわれとしましては昨年取りまとめました5つの柱をベースに、さらにどういった点を今後引き続き検討していかなければいけないか、または新たに検討していかなければいけないかっていうところにつきましてご意見をいただきたいと考えております。
32ページ目の資料につきましては、委員にご意見をいただく前に、事務局としましてこの5つの柱について、こういった課題が今後検討すべきではないかということで提案をさせていただいております。
ちょっと、簡単に説明をさせていただきます。
まず、1つ目の新試験研究炉のところでございますけれども、まず「もんじゅ」跡地に造ります新試験研究炉につきましては、先ほども申し上げましたように推定活断層の影響がございまして、なかなか長期的なスケジュールが読めないところになってございます。そのような影響ですので、可能な限り、今後のロードマップというところを具体化する必要があるのではないかと考えておりますし、またJRR-3のほうでは先ほど医療用RIの現状を説明させていただきましたけれども、やはり医療用RIを製造していく中で加速器や原子炉等を使っていきますけれども、その中で原子炉として求められる役割というところも整理していく必要があるかと考えております。
また、2つ目の柱でございますけれども、次世代の革新炉につきましては、「常陽」やHTTRが運転再開または運転再開に向けた取り組みをしておりますけれども、そういう中で、一方で次世代の革新炉として実証炉の開発が進められております。その実証炉の開発に不可欠な研究開発や基盤インフラがどのようなものなのかというところについて、ご意見賜れればと思っておりますし、またその他核不拡散・核セキュリティの問題や、先ほどのJRR-3とかぶりますけれども、「常陽」を使いました医療用のRIの製造実証についてもご意見賜れればと思っております。
また、3つ目のバックエンドのほうでございますけれども、先ほど申し上げたように施設の維持管理費の低減に向けた取り組みを実施しておりますけれども、それだけではなく、やはり効率的な廃止措置を進めていくというような観点で、どのような計画を策定していかなければいけないかというところにつきましてご意見をいただきたいと思いますし、また、原子力施設または埋設処分業務を円滑に実施していくためのご意見なども承れるかと思っております。
4つ目の研究・人材基盤でございますけれども、こちらにつきましてはまさに先ほどJAEAや国の公募の研究体制を説明させていただきましたけども、まさにそういった国の、これからエネルギー基本計画で言われました強化が図られる中で、まさに科学技術としての水準を維持するためにどのような事業推進体制が必要かというところにつきましてご意見をいただければと思いますし、また人材育成の件につきましては、先ほどポストANECのスケジュールを説明させていただきましたが、国に求められる人材育成の在り方についてもご意見賜れればと思います。
また、それ以外に、原子力機構が今、施設、設備などさまざま保有しておりますけれども、それを、やはり研究だけではなくて教育機会にどのように活用していくのかというところにつきましても、ご意見をいただきたいと思っております。
また、最後に、原子力関係の大学や大学院に入学する学生の人数を今公表しておりますけれども、その内容が、なかなか今、原子力という名前の大学や大学院が減っている状況で、正確な数字が補足しにくくなっておりますので、そういったところ、やはりこれから原子力を支える人材を、できるだけ正確な数字を対外的にメッセージとして出すためにはどのような取り組みが必要かというところにつきましても、ご意見をいただければと思っております。
また、最後、東電の福島のほうにつきましても、先ほど申し上げました1F廃炉に向けた研究開発、人材につきましても、何かご意見あればいただければと思います。
最後、すいません、最後のスライドですが、33ページ目になりますけれども、本日、この原子力科学技術委員会におきまして、さまざまこれからご意見をいただきたいと考えておりますけれども、いただいたご意見を踏まえまして、この後でございますが、冒頭3つの作業部会をこの委員会の下に設置させていただきましたけれども、本日委員の方々からいただきました意見を踏まえて、この作業部会のほうでさらに深掘りをしていただくというようなことを想定しておりまして、左側にスケジュールが記載してございますが、本日7月の1日の委員会でございますけれども、その後に人材作業部会や核不拡散・核セキュリティ作業部会、バックエンド作業部会などを随時開催し、その結果をもう一度、夏から秋ごろにかけましてこの委員会のほうにフィードバックさせていただきまして、最終的な取りまとめというところを実施させていただきたいと考えております。
以上、すみません、長くなりましたが事務局からの説明、以上でございます。よろしくお願いいたします。
【山本主査】 ご説明、どうもありがとうございました。
それでは、皆さんからご意見、アドバイスをいただきたいと思うんですけど、32ページにあります5つの柱ということで、結構これ内容が広いので、全般的にお話をいただくと若干議論が発散する可能性があるので、ちょっと分けて議論したいと思います。
具体的には、1番目の試験研究炉あるいは次世代革新炉、この辺に関する話と、あとはバックエンド対策関係の話と、3つ目が4番、5番で研究・人材育成の話ですね。5番はちょっとバックエンド関係に見えるんですけど、中身は人材と研究基盤関係の話なので、その1番、2番がひとくくりで、3番がひとくくりで、4番、5番がひとくくりになります。こんな感じで、ちょっと議論してみたいと思います。
ということで、もちろんこの5つに限らず、他の大所高所からのご意見ももちろん歓迎でありまして。じゃあ、まず一番最初の1番、2番に関係するところで、ご意見やご質問、アドバイス、ありましたらお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。オンラインの方は、ご発言いただいても、挙手機能で挙手していただいても、どちらでもOKです。
いかがでしょうか。誰か、口火切りませんか。
じゃあ、まず大場先生からお願いします。
【大場委員】 ご指名ありがとうございます。また、ご説明ありがとうございました。
意見の前に質問をしたいんですけれども、この2番のところの核不拡散・核セキュリティ分野における技術開発方針について、あまりご説明がなかったように思ったんですけれども、ここの説明をいただけますか。
【有林課長(事務局)】 はい、ご質問ありがとうございます。
こちらについてですけれども、実際こちらの2つ目の柱の中で、元々原子力科学技術委員会の下に3つの作業部会を設ける予定でございますけれども、この中の核不拡散・核セキュリティ作業部会においては、やはり核不拡散・核セキュリティの政策とともに、それに必要となる技術開発として、どのような技術が必要かというところにつきましても検討して方針を定めたいと考えております。
今、原子力機構のほうにおいて、例えば非破壊で内容を確認をする技術であったりだとか、さまざまな開発をしておりますけれども、やはりこういった日本がリードする核不拡散・セキュリティの分野において、こういったところが必要だというところにつきまして、特に作業部会においてそういった専門家の方々からさまざまなご意見をいただければと考えているところでございます。
すみません、ちょっと雑ぱくな回答で申し訳ありません。
【大場委員】ありがとうございます。
委員会としての役割は分かるんですけれども、要は委員会としてこの部会のほうにこういうことを検討してほしいというものを、今日の会議の結果として出さないといけないんだと私は認識していて、そう考えると、今のご説明ですと要は作業部会として必要だと思っていることを着々とやってくださいねということが、委員会としてのメッセージになるんですが、委員会として、もし作業部会としてなさっていることはもちろんなんだけれども、もっとこういうことの視野の中で新たなこういう取り組みを検討いただけないかという意見を出すのであれば、違う情報を頂かないと私としてはちょっと意見が言えないなと思ったんですけれども。
その辺りというのは、どういうことになっておりますでしょうか。
【山本主査】 大場先生が今おっしゃった、違う情報というのは具体的にどういうイメージですか。
【大場委員】 この核不拡散・核セキュリティ分野において、新たにこういう問題が起きそうであるだとか、今部会で検討されていること以外のこういうことも必要であるということに関わるような情報というのが、全体を通してあまりなかったように感じていて、他の部会に対してというのは、この委員会でのいろいろな議論の中で、きっとお願いすることというか検討してくださいねという項目が出てくるように思ったんですが、この核不拡散・核セキュリティ作業部会に対して委員会として出すメッセージ的なものになるような議論をするのに必要な情報が、あまりなかったと思ったというのが意見です。であり、お伺いです。
【有林課長(事務局)】 ご指摘ありがとうございます。
ちょっとすみません、補足資料のほうの、今日の説明の中では核不拡散・セキュリティに関する、今大場委員からご指摘のありましたところについての詳細な説明がちょっと欠けていた点についてはおわび申し上げます。今、こちらのほうに、核不拡散・セキュリティの分野の技術開発の方針というところで述べさせていただいておりますけども、参考資料の2のところに、昨年夏の中間取りまとめでまとめていただきました資料がございますけれども、そちらの29ページ目になります。
こちらが、昨年取りまとめた中間取りまとめの2つ目の革新炉のところで、今日説明させていただいたのは、「常陽」とHTTRのところを中心に説明させていただいたんですけども、3つ目としまして安全研究の推進というようなところが、2つ目の柱の、項目3つ目として入っているところでございます。
こちらは、安全規制行政への貢献というところもあるんですけれども、それに加えまして核不拡散・核セキュリティというところの技術開発というようなところにつきまして、右のところに今後の基本方針というところがございますけれども、今原子力機構におきまして、先ほども申し上げましたように非破壊のものであったり、さまざまな技術を実施しておりますけれども、それをどのように社会実装につなげていくのかというところについて、さらなる取り組みを原子力機構に必要ということで求めているところでございます。
ちょっと、具体的な技術というところにつきましては、ちょっとすみません、本日の研究資料の中には含まれておりませんので、ちょっとそこのところにつきましては口頭での補足になってあれなんですけども、先ほども申し上げましたような非破壊技術であったりだとかそういったものを、原子力機構でやっているものを、やはり世界的な核不拡散・セキュリティの動向にいかに反映していくのかというところにつきまして、日々原子力機構は取り組んでいるところでございますけれども、そちらに関しまして有識者の方々からどういったところに留意すべきかというところの意見をいただければと考えているということで、こちらの夏の報告書をまとめさせていただきました。
本日の議論にちょっと詳細な説明がなかったところなんですけれども、こちらのほうにつきましては、この1年間に特に大きな動きがあったかというところにつきましては、われわれのほうでも確認をさせていただいたんですけれどもそれほど大きな動きはなく、まさに原子力機構においてこの技術開発が着実に進められているというような状況でございます。
すいません、以上、分かりにくい説明で申し訳ありませんでした。
【大場委員】 ごめんなさい、大場です、ありがとうございました。
ということは、これ2の中に入っているんですが、要は2の中で議論する核不拡散・核セキュリティ分野におけるというところが気になったんですけれども、今お話しいただいたということはどちらかというと4に入るような感じのイメージで大丈夫ですか。
要は、この部会に対しての作業という、部会に対する意見というのが2の中で出てくるのか、4的な、全体に関わるようなことで出てくるのかの違いだったんですけれど。
【有林課長(事務局)】 ありがとうございました。その意味ではおっしゃるとおり、実は2番目の柱というのが、今ちょっと私が次世代革新炉というものを強調し過ぎてしまったんですけれども、こちらのほうが次世代革新炉の開発と併せまして安全性向上に資する技術基盤の整備強化という、この2つを2つ目の柱として位置付けているところでございます。
このうち、「常陽」だとかHTTRというのがいわゆる次世代の革新炉の開発というものになるんですけれども、それ以外に安全研究的なものというのがまさに革新炉の開発を進める安全性向上の技術開発というところで、限りなく内容は4のほうの研究開発には近いんですけれども、革新炉の開発に貢献するということで、2つ目の柱にグルーピングさせていただいているところでございます。
ただ、すいません、大場先生おっしゃられましたように、今後作業部会で検討するに当たりましては、この2ポツのほうも4ポツのほうも、両方とも同じ1つの作業部会で議論していく形になりますので、そこが2に入るのか4に入るのかっていう多少分かりにくいところがありますけれども、そこはしっかりと、技術的な面と応用的な面というところでうまく分けて議論が進められるように、われわれも留意して対応したいと思います。
よろしくお願いいたします。
【大場委員】 すいません、ありがとうございます。
【山本主査】 よろしかったですかね。
それでは、中嶋委員、手を挙げておられましたか。どうぞ。
【中嶋委員】 日本電機工業会の中嶋でございます。本日は、大変多岐にわたる内容を分かりやすくまとめてご説明いただいて、ありがとうございます。
冒頭ご説明いただきましたが、7次基本エネルギー計画との関連部分で、特に次世代革新炉の開発連携については、この委員会で集中的に議論すべきことと改めて認識をさせていただいた次第です。
ご説明いただいた5つの柱はそれぞれ重要だと考えていますが、重要なのは当事者が主体的に推進することと、文科省さんのほうでしっかりグリップいただくべきことにめりはりを付けていただくことが、実行面において重要になってくるんじゃないかなと考えているところです。
例えば、高速炉は燃料製造と高速炉サイクルの推進、高温ガス炉に関してはHTTRの運転データ取得や水素製造に関わる審査の範囲等が社会実装において大きく影響するものと思われますので、今後の部会での議論の対象にしていただければと思います。
まずは、私からの意見になります。
【山本主査】 ありがとうございました。今いただいたご意見は、私が最初に申し上げた実効性に関わる非常に重要なご意見かなと思いまして承りました。ありがとうございます。
はい、他の委員の方、じゃあ黒﨑委員、どうぞ。
【黒﨑委員】 ありがとうございます。
まず、1つ目の新試験研究炉の開発のところですけれども、例えば、今日本の大学で研究炉を有しているのは京都大学と近畿大学だけでして、京都大学に2基、近畿大学に1基あります。そのうち京都大学の2基のうちの1つ、KURですけれども、こちら新試験研究炉とよく似た、同じような用途の研究用原子炉ですけれども、来年で運転を停止するということが決まっています。もちろん、運転停止するとその後は廃止措置に入っていくんですけれども、そこのKURで今まで研究をやられていたユーザーの方々がしばらく行き場を失うというような状況になって、非常に大きな損失になるわけです。
そこで新試験研究炉が出てくるわけですけれども、そうは言ってもまだこれ、運転できるのは随分先になりまして、要はKUR運転停止してから新試験研究炉が使えるようになるまで、残念ながら空白の期間が発生してしまうというのはもう事実だと思っています。
なので、この空白期間をいかにうまく使うかといいますか、本当の空白にしないことが大事だと思っていまして、JRR-3等々を使いながら、連携しながら、本当の空白にしないということもぜひ考えていただければと思っています。
これが、1つ目に対する意見です。
2つ目に対する意見ですけれども、こちらは、確かに核不拡散・核セキュリティがここにあるのは私も何でかなと思ってて、大場先生のお話を聞いてそうだなと思って聞いていましたが、課長のお話でもよく分かりました。
2番については、「常陽」とかHTTRを研究開発で使って、出口としては実証炉への貢献というところをおっしゃられていまして、まさにそうだなと思っています。この実証炉のほうはまだこれから造っていくもので、経産省のほうで作っているロードマップにのっとった形で開発実証炉していくわけですけれども、あちらのロードマップのほうも状況に応じてどんどん変わっていくものだと思っていますので、そういった最新の情報を常にウオッチしながら、こちらでやるべきことをやっていくというのが大事なんじゃないかなというふうに思って聞いていました。
以上です。
【山本主査】 ありがとうございます。
今2つのことをおっしゃっていただいたんですけど、いずれも組織間の連携をしっかりしてくださいという話で、試験研究炉のほうについては、いわゆる試験研究炉ユーザーが路頭に迷わないようなことを考えてくださいということで、「常陽」のほうはいわゆる実証炉との接続の話ですね。ここをしっかり考えてくださいという話かなと思います。
ちょっと私から補足すると、さっきの核不拡散の話なんですけど、私自身はちょっとこのJAEAの活動が核不拡散・核セキュリティに若干閉じ過ぎている印象があって、これ元々3Sっていう考え方、セーフティーとの連携が非常に重要なので、それも含めてこの安全性向上のカテゴリーに入っているのは私は悪いことじゃないと思うんですね。
なので、ちょっとそういうところも検討をいただいたらいいかなと思います。
じゃあ、大場先生、どうぞ。
【大場委員】 ありがとうございます。
2番のところが、多分、次世代革新炉の開発および安全性なのか、次世代革新炉の開発および安全性向上なのかの読み方にもよるのかなと今思ってお聞きしました。
それはいいんですけれども、先ほど黒﨑委員のおっしゃった1点目のところなんですが、本当に切実だと思っていておっしゃるとおりだと思います。うちの学生たちも、やはり京大や近大炉に行ける学生も人数が限られている中で、やはり行った学生というのは非常に高い、いろいろなものを得てきています。
そうした中で、JRR-3を使う等々ということで、ここでJAEAというものがまた大きな意義を持ってくるところになるかなと思っているんですが、JAEAも例えばJRR-3であればJRR-3のほうで、いろいろなものだったり新しいことをしていこうということが求められる中で、学生を受け入れるということをするというのは、やはりかなり負荷になりますので、既に施設があるというだけではなくて、そういうところに人的だったりなものをちゃんと付けるということもしていただく中で人材育成というものを考えていただきたいと思います。
以上です。
【山本主査】 ありがとうございました。4番にも関わるご意見をいただいたかなと思います。承りました、ありがとうございます。
他はいかがでしょうか、1番、2番に関係して。はい、中西委員。
【中西委員】 電気事業連合会の中西でございます。ご説明ありがとうございました。非常に幅広いテーマだということを、改めて実感させていただきました。
私からは、この1番、2番という点について、事業者の視点ということで恐縮ですけどもお願いが1点だけあります。特に2番の次世代革新炉、高速炉「常陽」のお話をいただきました。この14ページ、15ページのところかと思いますけれども、私も先日JAEAさんの「常陽」を現場で見させていただいて、運転再開に向けて準備をしっかりとされているということを勉強させていただくことができました。本当にありがとうございます。
それで15ページにも書いてあるとおり、この「常陽」の運転再開は実証炉の開発、私どもからすると、やはり実証炉開発に向けての高性能化・高燃焼度化、それから長寿命の新材料の開発等ということでありますけども、このための照射試験等の推進につながるということで、今後の実証炉の開発運転に向けて、非常にこの「常陽」に対する期待が高いというふうに考えております。
そんな中で、特にここで出ておりますけれども、「常陽」への新燃料の確保・供給というところについて、今後この実証炉の燃料選定をやっていくということの中においては色んなシナリオが考えられると思っているのですが、やはりそういう点で、実証炉と連動して検討が必要な場合も今後あり得るとも思っていますので、その点もぜひ少し念頭に置いていただきながら、お進めいただけるとありがたいかなと思っています。
以上でございます。
【山本主査】 はい、何かレスポンスは。
【水野研究開発戦略官(事務局)】 研究開発戦略官で、核燃料サイクルを担当しています水野です。「常陽」を担当しておりますので、私のほうからレスポンスといいますかコメントさせていただきます。
今ご指摘いただいた燃料の話、実証炉の燃料をどうするかについて、まさに今経産省中心に検討が進められていますけれども、来年度には一応見通しというか付くということかなと思っております。
他方、この委員会、あるいはその下の作業部会でもご議論いただいた「常陽」の燃料をどうするかについて、これも検討しなければならず、同じ高速炉ということで、どのようにやっていくかよく考えていかなければならないと思います。
いろいろな方法はあると思います。一体的に1つの施設でやるというやり方もあれば、海外から調達するという、いろんなやり方がある中で、どういった方策を取っていくべきかというのは、政府のほうでも検討はしていますけれども、専門的な知見からもご指摘をいただければというふうに思っております。
【山本主査】 ぜひ、現実性のあるシナリオを追求していただければと思います。
他はいかがですか。じゃあ、次のバックエンド、3番のバックエンド対策の抜本的強化、この関連につきまして何かご意見がありましたらお願いいたします。
どうぞ、増井委員。
【増井委員】 ちょっと教えていただきことがあります。まず、32ページ目の3ポツのところに、廃止措置や埋設処分業務を円滑に実施するための方策と書いてありますがこれは具体的にどのようなことを想定されているのでしょうか?
【有林課長(事務局)】 では、こちらのほうから。事務局の有林ですけれども、こちらのほうですが廃止措置や埋設処分事業をどのようにやっていくかというところでありますけども、まず、実際には原子力機構のほうでトータル持っている施設の約半分を廃止措置をしていくというような形で計画を立てておりますけれども、やはりそれをいかに計画どおり円滑にしていくのかというところが大変重要かと思っておりまして、これがさまざまな研究の進展というものを、実際に、例えば民間の企業であればやはり企業間で連携をしてお互いに共通部分として開発していくもの、それを逆に言うと現場に展開をしていくというような、同じ発電炉であるが故に連携できる部分があると思っておりますけれども、原子力機構においてもやはりそれと同じようにさまざま廃止措置を進めていく上で、単に計画だけではなく、そこからどのような工夫をしていく、そこからさらに新たなビジネスを生み出すなどさまざまな取り組みがあると思いますので、そういったところは産業界における動きなども注視しながら、やはり研究開発施設ではあるんですけれども、いかに効率的に廃止措置を進めていくのかというような方法があるのであれば、そういったところも民間などの動きを視野に入れながら検討していただきたいというふうに思っておりますし、また埋設処分事業につきましても、こちら研究施設から出てくる廃棄物につきましては原子力機構が一括して処分場を探すということになっておりますけれども、そちらのほうにつきましても平成20年にそういった枠組みが決められておりますけれども、まさに今原子力機構においてどのような施設基準にするかというような検討が行っておりますけれども、やはりこちらにつきましても1日も早い、そういった問題解決に向けるような、動きとしてどのように進めていくのが望ましいかというところにつきましても、やはりさまざま検討をしていきたいというふうに考えております。
【増井委員】 ありがとうございます。
廃止措置でどこまで含めるかですが、どちらかというと解体するところまでは、割と力業で、できてしまう気がしています。それ以降、3つのステップがあると思っております。それは解体したものをどうやってパッケージにして廃棄体にしていくか、第2ステップとして、廃棄体にしたものの放射能をどうやって計測・評価をするか。3つ目は、それを処分場に送った時にどのような振る舞いを示すかということです。解体以降の技術開発要素がものすごく多いなと思っていまして、しかも今回対象になっているものが割と種々雑多な設備、高速炉もあり新型転換炉もあり、あとは再処理施設もあり、いろいろな照射施設もあるということで、それぞれの特性が相当変わっているので、相当大きな研究開発要素があるのではないかと思います。それを示しているわけではないのでしょうか。そういう理解で良いでしょうか。
【有林課長(事務局)】 当然、廃止措置ですので、そういった最後の埋設まで含めた作業というのは当然念頭に置いているんですけれども、今はどちらかといいますとそこの前のフェーズのところがどちらかというと今着実に、その計画どおりに、まずは管理区域の解除に向けた取り組みを計画どおりに進めていくということで今進めておりますけども、今、増井委員からご指摘がありましたように、それを進めるに当たって出てきたものを最後どういうふうに処分していくのかというところも念頭に置いた上で日々の取り組みをしていかないと、結局廃棄物が出てきたけどもそれをどうやって処分すればいいんだっていうとこに、その時になって悩むことのないように、しっかりと今の段階から、特に電力と違いましてさまざまなご指摘がありましたように雑多なものが混じり合うような形になりますので、レベルは低いかもしれないんですけれども、やはりそういったものに対してどのように対応していくのかというところは、処分事業を進める上でも処分事業のスペックとも関わってきますので、うまく連動させながら取り組んでいくようにちょっと検討したいというふうに思います。
【増井委員】 解体後のステップも検討したほうが良いのではというのが私の意見ですが、それは今回入れないということで良いでしょうか。
【有林課長(事務局)】 解体後につきましても当然同時並行で進んでおりまして、解体後につきましてはどちらかといいますと埋設処分をする中で処分所を選定するということと、その中にどういった廃棄体としてのドラム缶を保管していくのかというところでつながってきますので、今はどちらかというとどういう処分場になった時にどういった基準レベルの、最後その廃棄体として作っていくかというところを埋設のほうで検討させていただいているんですけれども、それと今ご指摘のあった廃棄措置の現場というのをうまくリンクをさせていくということが重要かというふうに認識をしましたので、ちょっとそこはしっかりと担当部局のほうにお伝えさせていただければと思います。
【増井委員】 分かりました、ありがとうございます。
【山本主査】 少し補足しますと、多分、中間まとめの報告書があるんですけど、これの21ページの下のところに今の話に関係するところが載ってまして、今ご質問いただいた円滑に実施するための話というのは、多分、もっとスコープが限定されたところの話なのかなとは思います。
一方で、今ご質問いただいた廃棄体の安定化の話とか、あとは検認の話とか、これ非常に重要で、安定化の話については32ページのバックエンド対策の一番下のところに核燃料物質の安定化の話があって、これ実際今からやろうとしているところではあるんですね。その話があるのと、あとは作った廃棄体の中の放射性物質の量とかについては、一番最後の5番の福島第一の事故の対応で、あそこは本当に雑多な廃棄体が出てくるので、それで技術開発なんかやってるので、そういうところと多分連携は考えないといけないかなとは思うんですね。
ありがとうございました。
じゃあ、大場委員、お願いいたします。
【大場委員】 ありがとうございます。
繰り返しになる部分もあるのかもしれないんですが、19ページの図を見させていただいて、集中投資シナリオと200年シナリオというのが書かれておりましたけれども、多分、その中間というのもあるのだろうと思います。
予算というものは、特別であろうが何だろうが、他のところに使えるものを取ってしまうということになりますので、それだけの社会的な説明が必要ですし、一方で基本的にJAEAがこれを担当するということになると、文科省が考えること、こうあればいいと思うことと、JAEA側ができること、それは人だとかいろいろなものの手当ても含めてですけれども、というのの違いがあるという。
そこでギャップが出てきてしまうと、そこがまた、私のような専門家から言うと、社会から原子力がん?って言われてしまうところの原因になってしまいますよねというところになるかなと思いながら伺いました。
ので、文科省といたしましては、私としては集中投資シナリオのほうがより良いのではないかとは思いますけれども、これをすることでどうなるのか、そうなった時、先ほど言った、ご指摘のあったとおり、やっぱり解体後どうなるのかっていうところも含めた国民への説明というものは必ず必要になると思います。なぜこうしたいのかって、単にお金が得だよねっていうだけでは十分な説明とは全く言えなくて、こうすることでどういういいことがあるのかという、どういう世界を求めているのか、何ができるのかというところの夢は文科省のほうできちんと考えていただきたいと思いますし、より現実的にきちんと廃炉が行えるように、計画どおりに進むようなシナリオ作りというのを文科省とJAEAのほうできちんと連携を取って進めていただくということが必要だと思いながら伺いました。
以上です。
【山本主査】 ありがとうございます。
大場委員にはもう少し私から伺いたいんですけど、今おっしゃっていただいた点は非常に重要であって、いわゆる社会への説明という言葉を多分使われたと思うんですけど、それを具現化する方法ってどういうやり方があると思いますか。
【大場委員】 具現化する方法ですけど、私はこういう中でやはり人材育成のところにも関わってくると思いますし、直接社会に発信する媒体であるマスコミという方々に対しての原子力教育みたいな、まあリスキリング教育とかいろいろ言ったりしますけれども、ただ学生だけではなくて、より多くの社会に適切に伝わるようにするための努力ということはもっとしていくべきかなと感じます。
なので、教育といってしまうとちょっと硬くなるかもしれないんですけれども、理解していただいて、そこで質問をいただいたりすることで、自分たちのシナリオも見直すんだっていう形の教育ですね。お互いがブラッシュアップできる、改善の姿勢のある教育の場というものをつくっていくことが大切だと思っています。
以上です。
【山本主査】 ありがとうございます。
省庁にとっては不得意なところなんですけど。有林課長、何かレスポンスを。
【有林課長(事務局)】 ご指摘ありがとうございました。
今、大場委員ご指摘ありましたように、お金というのはあくまでも計画ですので、このとおり措置できない可能性も十分にあると考えております。
われわれのほうも今、原子力機構との間でも、やはり今、これは計画としてありはするんですけれども、さまざまなパターンといってどうなった場合にどういったことをしていくのかというところありますし、今ご指摘のあった解体後どうするのかっていうところで、要は全てが全て同時並行で進まなくても、これについては除染した後で使用する目的があるというような、そういった解体後こういうふうに使いたいんですよっていうものをある意味優先的に取り組んでいくというような、優先順位付けをして効率的にやっていくというようなさまざまな方向もあるかと考えておりますので、ちょっとそこはこれからの議論を行う上で、原子力機構のほうにもいただいたご意見を踏まえしっかりと対応するように申し伝えたいと思いますし、また最後にご指摘いただきましたように、インタラクティブなやりとりを、こちらから一方的に説明するだけではなくて、いただいたコメントをしっかりと生かしていくというようなところの姿勢も重要だと認識させていただきましたので、そちらも併せて伝えさせていただければと思います。
ありがとうございます。
【山本主査】 では、他の方、いかがでしょうか。
では、黒﨑委員。
【黒﨑委員】 ありがとうございます。
廃止措置に関しては、まず利用実態がないものを単に管理だけしていくというのはあまりよろしくないと思ってまして、やはりそういうようなものはきちんと後片付けをしていくというのが必然なのかなと思っています。そうすることによって、例えば原子力施設とか放射線施設、核燃料施設みたいな、ある種そういう厄介な施設で利用実態がない状態でものを置いとくよりは、片付けるほうがリスクが減っていくという話もあります。
そういった観点からも廃止措置というのは進めていくべきだというふうに思っていまして、まずそれが第一なんですけれども、ただもちろんそれ、お金がかかる話ですので、どういうふうに効率的にやっていくかというところは非常に大事なポイントだと思っています。
その意味で、お金のかけるタイミングを変えるとこれぐらい効果があるっていうお話、今日出ましたけれども、私はそういう、非常に良い話なのかなと思って聞いていました。
同じ話が、これも自分のとこで恐縮なんですが、KURも来年に運転を停止してまさに利用実態がない状態になります。そうなると当然廃止措置に入っていくんですけれども、この廃止措置をどう進めていくんだというところを所内でもたくさん議論しています。その時に出てくるのが、廃止措置っていうのは単に片付けるだけで、後片付け、壊すだけでしょっていうようなそういう話になりがちなんですけれども、そうではなくて、研究開発要素っていうのもあるんですとか、あるいは若い人にとって魅力のある、そういう分野なんだというのをいかにして出していくかっていうところが非常に重要なポイントになっています。
今日は、さっきも課長のほうから、うまく効率的にやるためにはまだまだやるべきことはあるというような、そういう話もありましたので、ぜひそういったところをもう少し具体的に、こんなテーマがあるとか、そういったところまで踏み込んで議論できればなと思っています。
以上です。
【山本主査】 ありがとうございました。
何かレスポンスありますか。
【有林課長(事務局)】 はい。いただいたところはごもっともだと思いますので、われわれのほうもさまざまなアイデアですね、ちょっと具体的なアイデアとして提示、こんな方法がありますよということを提示できるように、一度作業部会でも議論を深めていっていただくようにお願いしたいと思います。
ありがとうございます。
【山本主査】 確かに、黒﨑先生おっしゃったように、この委員会で対象とするような施設って動力炉みたいなものじゃないやつがかなり含まれてるので、画一的なアプローチを取るってあんまり特策じゃないですね。いわゆるグレーデッドアプローチみたいなのが必ず必要なんですけれども、そういうことをちゃんとやろうとすると多分規制との兼ね合いが出てくるので、そこも含めてよく考える必要があるかなとは思いますね。
じゃあ、他の方、いかがですか。
【中西委員】 電気事業連合会の中西です。私のほうから、また同じように事業者の立場から1点だけ。私ども事業者も、ご存じのとおり商業炉の廃炉がかなり進んでいくというふうに思っています。私の出身である中部電力では浜岡の1、2号機、廃炉という意味では順調に進めさせていただいております。第3段階という、今、圧力容器の解体に入っているというところであります。
それで、先ほどお話もありましたけれど、これから「もんじゅ」、「ふげん」といった廃止措置を進めていかれる中で、色んな知見、それから課題みたいなのが出てくると思います。これから私ども商業炉を色々と廃炉を進めていく中においても、共通する知見が多分あると思いますので、ぜひとも、その辺りを安全面もそうでしょうし、先ほどの効率面もそうだと思いますので、そういう知見の共有をぜひお願いできればというお願いでございます。
以上です。
【山本主査】 ありがとうございます。
そういう横の連携は非常に重要だと思います。ありがとうございました。
それでは、他の委員の方、いかがですか。特になければ、最後の4、5についてご意見をいただければと思います。研究・人材基盤、あるいは福島第1事故への対応、この辺を含めてご意見いただければと思います。
どうぞ、増井委員。
【増井委員】 4ポツに書かれている4点を見ると、もう既に今原子力をやっている人たちを強化していこうというふうに見えます。そもそも、原子力を志す人たちを増やす試みが重要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。ぜひ、そういうのを入れていただきたいと思います。
【有林課長(事務局)】 ご指摘ありがとうございます。おっしゃるように、今、ここのところは、今委員にご指摘いただいたようにANECの中で行ってますが、まずはその原子力に関わるような原子力学科や専攻などが中心に行っておりますけども、今われわれとしてポストANECの中で考えておりますのが、やはり、例えば産業界の需要だけ考えても原子力学科を出た学生だけではなくて、機械工学や電気・電子、情報など、さまざまな分野から、総合科学技術であるが故にそういったさまざまな分野からの出身者が必要だということも伺っておりますので。
ですからそういったところを、これまで特化してたところをより裾野を広げていくような取り組みも重要かというふうに思っていますので、そういったところはこのポストANECの在り方を検討する中において検討したいと思っておりますし、また、この原子力機構が保有する教育の機会提供というところですけれども、やはりそういった他分野の方がいろいろと原子力に興味を持ってもらうためには、やはり実機に触れていただく機会というのも大変重要になるかと思っておりますので、まさにそういった他分野の方の教育の中に、どのように魅力的に原子力に関して学ぶ機会または触れる機会というのを提供していくかというところについては、柔軟に、さまざまなご意見を踏まえながら対応していきたいと考えております。
よろしくお願いいたします。
【増井委員】 ありがとうございます。
少し、原産協会で取り組んでいる中身について、簡単にご紹介させていただきたいと思います。われわれ、出前講座という制度を持っております。3人の専業の講師がいまして、大学や高専に出かけていって、1コマ授業を頂けませんかというお願いをしています。大体、最大90分ぐらいです。原産協会がやっているからといって、原子力のことだけを訴求するのではなくて、エネルギー問題全般を自分の頭で考えようというコンセプトになっておりまして、現在、年間2,000人ぐらいをカバーしております。
ただ、これは学生の1%にも満たないような、非常に少数の学生さんしかカバーできておりません。これを1回受けていただくと、エネルギー問題だけではなくて原子力の必要性に関する認知がとても上がって大変効果が高いものだと思っています。
先ほど2,000人と言いましたけど、ボトルネックは何かというと、大学や高専にご相談をしても、授業の1コマを渡すわけにはいかない、やることがたくさんありますということになっています。なので、有林課長には別の場でお願いしたこともありますが、文科省のほうから大学や高専、こういった教育機関に、エネルギーの教育をしっかりと導入してくれと、こういう呼びかけをしていただくだけでも随分変わるのかなと思っておりますので、これもご検討いただければと思っています。
私からは以上です。
【山本主査】 ありがとうございました。
少し私から補足いたしますと、今おっしゃっていただいたことは、例えばANECの中でも非常に重要なポイントとして認識、もう十分に共有されているというふうに思います。
今、他分野の学生さんに対する教育の話、講義の話が出てきて、原産協会さんがそういう取り組みをやられてきて、非常に素晴らしいと思います。
私も大学の人間なので、現実的にそういうことをどういう形で導入するかっていうのはいろんなやり方があるんですけれども、今おっしゃったように後から行って1コマ下さいってのはなかなか難しいところですね。
なので、例えば、工学研究科に共通で開講されてる項目っていうのがあって、その一部を例えば原子力関係の先生が担当している場合っていうのがあるんですね。そういうところでお話しいただくとか、そういうやり方が現実的かなというふうに考えておりまして、そういうことも含めて今後議論できればいいなということと、あとはこの人材の話は多分大学だけでは閉じなくて、産業界との連携が私は非常に重要になると思ってまして、引き続きご協力いただければと私からもお願いいたします。
【増井委員】 ありがとうございます。
われわれだけではなくて、例えば電事連や、今日ご出席いただいている電工会も、似たような試みをやっておりまして、これをある程度共通化して質の向上を高めたいということも考えておりますので、ぜひご協力いただければと思います。
以上です。
【山本主査】 ありがとうございます。
それでは、中嶋委員、お願いいたします。
【中嶋委員】 今、ご説明もあったので重複しますけども、まさにわれわれ電工会でもさまざまな大学の電気・電子工学科の学生と定期的に交流会みたいなものを主催してやっているんですけども、そこで気付かされるのは、今の大学生の皆さんが本当に原子力のことを知らないという現状があります。その辺りの現状も踏まえて、産学の連携を強化するっていう必要性を強く感じているところです。増井委員からもお話ありましたけども、それぞれの団体で積極的にそういう活動を、連携を踏まえつつやっていければなと思っております。
また原子力の裾野の分野にも、研究職系のみならず技能職系人材の育成っていうことについても、ぜひ議論して関与していただければと思っております。
以上になります。
【山本主査】 ありがとうございました。
では、ちょっと有林課長からレスポンスを。
【有林課長(事務局)】 ご指摘ありがとうございます。
まさに原子力を知らないと、他分野の学生につきましては。われわれのほうもANECの中でさまざまな取り組みをさせていただいてますけども、やはり産業界との連携の中では、参加者の3分の1が他分野からの学生が参加するというようなプログラムもございまして、まさにどういった仕組みを使えば他分野の方々に原子力を学ぶ機会が提供できる、それだけ興味を持っていただけるかというところは、これまで5年間やってきた中でさまざま分析できるような情報が出てきていると思いますので、そういったところを生かしながら裾野の拡大というのは努めていきたいと思ってますし、また最後にございました技能者のほう、今はどちらかと申しますと技術者のほうの育成をしておりますけれども、やはり今ご指摘いただきました技能者のほうにつきましても、こちらも今、経済産業省などと連携をしながら、まさにどのように、炉を造るというふうになった時に、本当に造る人というのをどのように生かしていくのかというところで、やはり一昔前と、企業における技能者を育成する仕組みというのが、やはり時代とともに大きな課題に直面していると認識しておりますので、まさにそういったところで経済産業省と文科省と省庁横断的に連携をするとともに、そこにいかに産業界と連携をして、やはり若い人たちに技能者として入ってきてもらう。これも技能者としての魅力というものを発信していく必要がありますので、そういったところをまさに産業界とも連携しながら取り組んでいければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
【山本主査】 それでは、大場委員、お願いいたします。
【大場委員】 ありがとうございます。
今、原産の方も含めて、高専や大学の話も出たんですけれども、私の例で申し訳ないんですけれど、私、大学で社会工学研究室というのを持っているんですが、実験器具とかも何もない研究室なんですが、一応中学生が大学調べとか職業調べをする中で、研究室を選ぶというのに研究室を紹介してもいいですかというので、どうせ来ないだろうと思って出したら、結構中学生が原子力で社会って何ですかって言って訪問してくれるんですね。
で、来るんだと思って私最初すごく驚いたんですけれども、結構来てくれて、一般の人に分かりやすいようなこんな映像を作ったりしてるよとか、防災のことでこんなことやってるんだよみたいなことをお話をすると面白がってくれるということで、やはり思うんですが、小学生に対しても放射線教育を、実機持ってった、ベータちゃんだ持って行ってやっていますが、やはり小学生は総合という科目がありますし、中学生は夏休みの宿題だったりいろいろな中で職業調べ、大学調べというものが課されます。そうしたところに、もっと突っ込んでいくというようなやり方があるのかなと思っています。
また大学の教育なんですけれども、今、大学教育に関してもいろいろ、それこそ文科省さんからも言われていて、1コマを譲るということは難しいんですけれども、私は散りばめるということはできると思っていて。
例えば、法律の専門家の先生方に除去土壌の問題、30年で中間貯蔵施設の最終処分を県外でやるって言ってるけど、これどうするって法律の学生たちに議論してもらうと、技術屋は安全性のことばっかり話をしてしまうんですけど、彼らに話をさせると人権問題とかの話になるんですね。全然違う視点でこの問題を議論してもらえる、扱ってもらえるというのは、原子力屋にとっても何を考えなくちゃいけないのかということの理解にもつながりますし、その1コマもらうというやり方ではなくて散りばめてもらえるようなやり方、これ経済の科目でも何でもできると思うんですが、そうしたところに少し力点を置くというようなことをぜひ進めていただきたいと考えております。
以上です。
【山本主査】 具体的なご提案いただきまして、ありがとうございます。今、話していただいたようなやり方も含めて、検証したいと思います。ありがとうございます。
さて、それでは、そろそろ時間が来てるんですけれども、ご発言されていない葛西委員と絹谷委員も、もしも何かご意見、ご発言ありましたらいかがでしょう。全体通じてでも結構です。
【絹谷委員】 絹谷です。私にとっては専門外で畑違いの会話が皆さん方なされてるので、議論の入りようもなかったっていうのが正直なところです。恐らく、今日は初めての会で、これからいろんなことが議論されていく中で、私が期待されてるようなというか、私が土壌に引っ張り出された意義が出てくるんだと思います。
今日はこれで、静かに口をつぐんでおります。どうもありがとうございます。
【山本主査】 ありがとうございます。ぜひ、次回以降、いろいろRIの製造とかでお気付きの点についてまたコメントいただければと思いますし、少し第三者的な観点からわれわれの議論に違和感があるところがないか、もう突っ込んでいただいて結構かと思いますので、それもよろしくお願いいたします。
葛西委員、いかがですか。
【葛西委員】 葛西でございます。たくさんご説明いただき、ありがとうございました。
私からは、先ほど大場先生からお話があった核不拡散・核セキュリティの話の例といいますか、実は私、こちらのほうの作業部会の委員をさせていただいておりまして、JAEAさんが核セキュリティ対策で、放射線が出されているものを、マッピングというんでしょうか、ドライブレコーダーのように画像に出てどこに何があるっていうのを開発したりとかいろいろやっておられまして、それを今どうやって社会実装に、有林課長からもお話がありましたけれども、どうやって今社会実装に向けていくかというのと、それから今、世の中が混沌(こんとん)と、世界が平和ではない方向で混沌としている段階で、どうやってテロとか、核テロのない世界に日本が貢献できるのかっていう技術を今開発中でして、その辺りが今、技術開発の方針に関係するのかなという具体例を、先ほど伺いながらお話ししたいなと思っておりました。
こういった日本しかできない、日本が持っている独自のより細やかな技術っていうのは世界からも評価されているところですので、ぜひその辺りに予算を取ってもっと伸ばしていっていただければなと思っています。
それから、同じく2のところの医療用のRI製造も、やっぱり海外に100%っていうのは非常に、このような混沌とした世の中では大変な状況になった時に、前回はコロナ禍で大変な思いをしたというふうに伺っておりますので、その辺りもやっぱり、「常陽」が持っているところっていうのは非常に大きな希望ですので、その辺りも頑張っていただければと思います。
それから、先ほど大場先生から、バックエンド対策の時に社会への説明を具現化する方法とか、国民への説明を国民に理解できる形で説明できる能力をやっぱり高めなければならないというふうにお話があったかと思うんですが、その辺り、マスコミへのリスキリング教育というふうに大場先生ご指摘されておられましたけれども、福島の事故の前、古い話ですが、2000年代後半の頃に高レベル放射性廃棄物の処分場をどこに造るかというので、日本全国を回ってキャラバンのような形をするのに、各地方局のマスコミを勉強会という形で呼んで、それでその記事を作ってもらおうというふうな形の事業がございまして。
そうすると、やっぱりそれぞれ皆さん記事を書く上で実際に記者さんが勉強をされて、今の状況はどうだとかっていうのを考えながら、それぞれの新聞社さんたちが自主的にそれぞれの地域で座談会ですとかいろんなものを開いてくださったり、しながらして社会のいろんな情勢とかを話をしてくれて、その当時は随分、国民への説明っていうのが楽になった、一瞬ですけれども楽になったんですが、2011年以降また遠のいたという形がございました。
ですので、やっぱりマスコミの皆さんに何か自主的に記事を書いてもらえるだけの勉強の場っていうのがあれば、こちらから情報を投げやすいのかなと。その辺りの、記者さんに勉強してもらうにはどうしたらいいかっていうのも、やっぱり考えていければ、広報の形がもうちょっとスムーズにいくのかなとお話を伺いながら考えておりました。
以上です。
【山本主査】 どうもありがとうございました。セキュリティの話と、あと、後段はコミュニケーションの話で非常に有益なご意見いただいたかなと思います。どうもありがとうございました。
それでは、全体を通じまして何かご発言ありますでしょうか。
【清浦審議官】 文科省の審議官の清浦です。先生方、さまざまな意見をいただきましてありがとうございました。
冒頭、局長からも話ありましたけれども、やはり原子力の個々の研究開発、人材育成に向けて、少しフェーズが変わっている中でどう取り組むかっていうところが全体を通じた大きな課題だと思っておりますし、今まで以上に産業界とアカデミアの連携、研究機関も含めた連携、省庁レベルだと経産省と文科省の連携、フェーズを実装に向けてトランジションしていくという中での研究開発の在り方とか人材育成の在り方っていったところも、従来にはないところの視点も加えていくっていうことが大事かなと思っておりますので、また分科会の議論を持ち帰ってご議論を引き続き行っていければと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
【山本主査】 ありがとうございました。
それでは、事務局さんから連絡事項は。
【水野研究開発戦略官(事務局)】 主査、私もいいですか。
【山本主査】 どうぞ、お願いいたします。
【水野研究開発戦略官(事務局)】 「常陽」を念頭に発言させていただきます。先ほど燃料の話をしましたけれども、医療用RI製造のお話もいただきました。
「常陽」については、今、来年度の運転再開に向けて、安全対策工事等々を進めているところです。運転再開に当たっては、本当にいろいろな期待があり、中西委員から御指摘いただいたように、実証炉に向けての研究開発ですとか知見の共有ですとか、そういったことも期待されています。また、医療用RIの製造に向けた取組も期待をされております。
他方、山本主査が最初のごあいさつの中にあって、本当にそうだなと思ったのは、いろいろ期待もあるんですけれども、長らく高速炉が動いてなかった中、サプライチェーンが細くなってきて人もいないという問題がある中、リソースをどのように割くか、少ないリソースの中で、どういった期待に応えて実現をさせていくのかというのは課題だと思ってまして、作業部会などでもご議論をいただきたいと思っています。
リソースといいますと、お金の話もあるでしょうし、人の話、長らく高速炉が動いてなかったということもあって、分かる人、経験のある人が少なくなっているので、どう確保していくのかは非常に重要な課題です。
今、審議官からもありましたけど、産業界の連携は非常に重要で、実証炉でしたら電力、医療用RIでしたら医療現場、絹谷先生のような現場に近い方からご指摘いただきながら、「常陽」でどこまでできるのか検討したいと思っています。医療用RIの製造についてはいろいろな議論があって、「常陽」で作ろうとするアクチニウムについては、加速器ですとかいろいろな確保の仕方があり得ると聞おりますので、どういった確保の仕方というのが、限られたリソースの中で現実的なのか、あるいは効果的なのか、ご知見を伺いながら政府として検討を進めていきたいと思います。
引き続きご議論いただければと思いますので、よろしくお願いします。
【山本主査】 ありがとうございました。
では、連絡事項を。
【有林課長(事務局)】 事務局でございますが、本日の議事録につきましては議事録案ができ次第、委員の皆さまにメールにてご確認をいただきました後、ホームページに掲載をさせていただきますのでご了承ください。
事務局からの連絡は以上でございます。
【山本主査】 どうもありがとうございました。
それでは、これで委員会を終了いたします。どうもお疲れさまでした。
【一同】 ありがとうございました。
―― 了 ――
研究開発局 原子力課
メールアドレス:genshi@mext.go.jp