原子力科学技術委員会(第31回) 議事録

1.日時

令和4年11月1日(火曜日) 13時30分~15時00分

2.場所

新型コロナウィルス感染症の拡大防止の観点からオンライン開催

3.議題

  1. 原子力科学技術を取り巻く最近の状況について
  2. 「もんじゅ」サイトにおける新たな試験研究炉の検討状況について
  3. 分野別研究開発プログラム評価について
  4. その他

4.議事録

【竹之内課長補佐】  定刻となりましたので、ただいまより第31回原子力科学技術委員会を開催いたします。本日はお忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございます。今回は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点からオンラインにて開催しており、これに関連した確認事項などもありますので、議事に入る前まで事務局にて進めさせていただきます。まず、オンライン開催に際しての留意事項をご説明いたします。委員の皆様におかれましては、現在、遠隔会議システム(Webex)上で、映像及び音声が送受信できる状態となっております。ご発言を予定される場合は「挙手」ボタンを押していただくと、画面の左上に「挙手」マークが表示されますので、順番に主査よりご指名をいただきます。もう一度ボタンを押すと「挙手」マークが消えますので、ご発言をいただいた後は、「挙手」ボタンを押して、手を降ろしてください。会議中に、ビデオ映像及び音声が途切れている場合、その時間帯はご退席されているものとみなします。遠隔会議システムの接続の不具合等が生じた際は、随時、事務局あてにお電話にてお知らせください。傍聴される方におかれましては、ビデオ映像及び音声をオフとしてください。議事進行の妨げとなる行為を確認した場合は、遠隔会議システムからご退席いただきます。議事録につきましては、事務局にて会議を録音し、後日、文字起こしをいたします。事務局以外の方の会議の録画及び録音はお控えください。以上が本日の進行にあたっての留意事項となります。続いて、本日の配付資料の確認をさせていただきます。今回は、委員の皆様及び傍聴の登録をされた方宛てに事前に配付資料をお送りさせていただいております。会議中、遠隔会議システム上においても資料を表示する予定でございます。
 お手元に議事次第を配付しておりますが、本日は議題が4点ございます。1点目が原子力科学技術を取り巻く最近の状況について、2点目が「もんじゅ」サイトにおける新たな試験研究炉の検討状況について、3点目が分野別研究開発プログラム評価について、最後4点目がその他となっております。
 それから、配付資料といたしましては、資料五つと参考資料を三つ御準備しております。それぞれ議事次第に書かれているとおりですが、お手元に資料がもしございませんでしたら事務局までお知らせいただければと思います。また何かありましたら随時お申しつけください。
 本日の議題は今申し上げましたとおり、時間は3時ちょうどまでを予定しております。
 委員の皆様方の御出席状況については、開始前に事務局にて確認させていただいております。本日は委員11名全員に御出席いただいております。運営規則の第3条に規定されております定足数である過半数を満たしておりますので御報告いたします。
 続きまして、事務局の参加者について御連絡いたします。文部科学省からは、研究開発局長の千原、原子力課長の新井、それから私、原子力課課長補佐の竹之内が出席しております。
 初めに、千原研究開発局長より御挨拶をさせていただきます。よろしくお願いします。
【千原研究開発局長】  研究開発局長の千原でございます。委員の先生方におかれましては、本日御多忙の中御出席を賜りまして誠にありがとうございます。原子力科学技術委員会の開催に当たり、一言御挨拶をさせていただきます。
 先生方御承知のとおりではございますけれども、原子力につきまして、昨今のエネルギー価格の高騰ですとか、あるいは国際情勢の不安定化など、取り巻く状況が一層複雑化する中、2050年カーボンニュートラルや脱炭素社会の実現、エネルギー安全保障の確保に対する期待、さらには医療用RI等の非エネルギー分野への貢献など、多様な社会的課題解決への貢献が期待されてございます。
 昨年10月に閣議決定されました第6次エネルギー基本計画や、本年6月に決定されました経済財政運営と改革の基本方針等におきましても、政府として原子力利用の安全性、信頼性、効率性の一層の向上に取り組むとされております。また、この7月に総理の下で立ち上げられましたGX実行会議等におきまして、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発、建設についての検討を加速する議論が進められてございます。
 次世代革新炉につきましては、文部科学省や原子力機構に対して、今後の開発に必要な基盤的な研究開発あるいは人材育成の推進について強い期待が寄せられているところでございます。
 このような状況を踏まえて、文部科学省といたしましても、本委員会や作業部会において原子力科学技術分野の推進について幅広く御議論いただき、適切に施策に反映していきたいと考えております。
 委員の先生方におかれましては、闊達な御議論いただければと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
【竹之内課長補佐】  それでは、これから議事に入らせていただきますが、運営規則第5条に基づきまして本会議は公開とさせていただきます。また、第6条に基づきまして、本日の議事録につきましてはホームページに掲載をいたします。
 事務局からは以上となります。
 ここからは出光主査に議事の進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【出光主査】  それでは、議事引き継ぎまして出光のほうが司会させていただきます。皆様、御協力よろしくお願いいたします。
 本日、3時までの予定となっておりますが、議題は四つございます。
 まず、第1の議題から進めたいと思います。最初の議題、原子力科学技術を取り巻く最近の状況についてに入ります。まず事務局のほうから説明のほうお願いいたします。
【新井原子力課長】  文科省の原子力課長の新井でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 資料1に基づきまして、原子力科学技術を取り巻く最近の状況ということで御説明したいと思います。
 まず1ページ目、2ページ目でございますけれども、こちらは原子力関係の政府決定文書でございます。1ページ目につきましては今年の文書なんですけれども、2ページ目の文書は昨年出た第6次のエネルギー基本計画であります。ちょっとそちらのほうから先に行きたいと思います。
 こちら、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、エネルギーの政策についての基本方針を定め閣議決定したものであります。
 こちらで原子力についての位置づけは、左上の赤で囲ってあるところに総括して書いてございます。原子力について国民からの信頼確保に努め、安全性の確保を大前提に必要な規模を持続的に活用していくと、それから、一つ飛びまして、安全性の確保を大前提に長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である、こういったことが書かれているといったところでございます。
 あとは研究開発関係がいろいろありますけれども、右下の研究開発の方向性といったところで、水素製造を含めた多様な産業利用が見込まれ、固有の安全性を有する高温ガス炉をはじめ、安全性等に優れた炉の追求など、将来に向けた原子力利用の安全性、信頼性、効率性を抜本的に高める新技術の開発や人材育成を進める、こういったことが記載をされているといったことでございます。
 ページ戻っていただいて、今年6月付近に、概算要求に向けて様々な政府文書が出ております。
 一つ目、トップに書いてあるのが、経済財政運営と改革の基本方針ということで、いわゆる骨太の方針と言われているものであります。原子力について、再生可能エネルギーと並びでエネルギー安全保障の確保といったところに貢献する脱炭素電源ということで、原子力についても最大限活用していくといったことが骨太の方針にも記載をされ、研究開発、人材育成関係でも、革新原子炉、核融合などあらゆる選択肢を追求した研究開発、人材育成、産業基盤強化等を進めるといった事柄が書かれて、革新原子炉、革新原子力、こういった言葉が、この夏の骨太の方針、それからその下に新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画、いわゆる成長戦略でございますけれども、こちらにも記載をされていたということであります。
 それから、骨太のところの小さい字で書いてあるんですが、医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランに基づく取組を推進するといったことも書かれております。
 この関係少し、一番下ですが、統合イノベーション戦略、これの一番下にあるんですが、このアクションプランに基づいて、医療用等のラジオアイソトープについて経済安全保障の観点から、JRR-3や「常陽」といった試験研究炉等を用いた製造に関わる研究開発から実用化、普及に至るまでの取組を一体的に推進、こういった事柄もイノベーション戦略に書かれたということで、エネルギー分野での活用、そして非エネルギー分野での原子力の貢献、こういったものは両面のところから、今年の政策文書には種々記載されております。
 それから、3ページ目ですけれども、今申し上げた医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプラン、これは原子力委員会でこの5月に取りまとめたものです。
 医療用RIですね、QOLが高いがん診断、治療に役立つということでありますけれども、今その医療用RI、国内の需要といったところに比してほぼ全量を海外から輸入をしているといった状況があるということで、この真ん中のピンクの矢印のところに少し記載があるんですけれども、医療サービスの観点から経済安全保障の確保にも寄与すべく、国産ラジオアイソトープを患者の下に届けるためのアクションプランが作成されたところであります。
 目標が書いてありますけれども、モリブデン-99、テクネチウム-99mの一部国産化を目指していくといった話、あるいは、国産ラジオアイソトープによる核医学治療の患者への提供、こういったことが書かれているということで、(1)のところに、JRR-3、加速器を用いたモリブデン-99、テクネチウム-99mの安定供給ということで可能な限り2027年度末に国内需要の約3割を製造するといったこと、そして、その下は「常陽」、加速器を用いたアクチニウム-225の大量製造のための研究開発強化といったところで、「常陽」において2026年までに製造実証、こういったことがアクションプランに書かれているところでございます。
 次のページですが、7月になりますと、GX実行会議というものが総理の下立ち上がっております。
 これ、参考というところでいろいろ書いてありますが、骨太の方針でも日本のエネルギーの安定供給再構築というところで、脱炭素に向けた経済・社会、産業構造変革へ今後10年間のロードマップを本年中に取りまとめていくということを目標に、総理官邸にGX実行会議が設置されたということであります。骨太に基づいて立ち上がった会議ということであります。
 次のページお願いします。このGX実行会議におきましても、原子力は様々なエネルギー源の一つということであるわけですけれども、原子力についてもこれを政策として進めていく際の政治決断が必要な事柄について、それを取り上げるようにということで総理からのどういった項目があるのかという指示の下、第2回の実行会議では原子力についても四つのテーマが掲げられたということであります。
 一つが既設原発の再稼働への関係者の総力の結集と、もう一つが既設の原発の安全確保を大前提とした運転期間の延長の関係と、それから三つ目が新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発、建設と、四つ目が再処理、廃炉等環境整備の関係、この四つの事柄についてが、政治決断が必要な事項ということで掲げられたということであります。
 次のページは、今の四つのテーマについてちょっとポンチ絵的になっていますのでこの説明は割愛させていただきます。
 次のページが第2回のGX実行会議での総理の御発言ということで、今申し上げましたような、赤のところですけれども、次世代革新炉の開発・建設といった今後の政治判断を必要とする項目が提示されたということで、あらゆる方策について年末に具体的な結論を出せるよう検討を加速してくださいと、こういった指示が出されているという状況であります。
 次のページ。文科省はこのGX実行会議自体のメンバーにはなっておらないんですけれども、こういった政府の動きの下で、原子力関係でも文科省として次世代革新炉に向けて、いろんな基盤的な研究開発の必要性、それからそれを行う上での基盤的なインフラ、どういったものが必要なのかというものを今の段階で整理しておく必要があるだろうということで、研究開発局長の千原の下に検討会を、省内検討会ということで設けて集中的に議論をしているところです。
 左下に三角形のピラミッドみたいなのがありますけれども、次世代革新炉の開発、こちらは、水色の三角形のところ、これは民間主体の取組になるかと思いますが、それを支える基盤的研究開発、基盤インフラというものが必要ではないかという問題意識の下で検討を行っているということです。
 右側、検討のポイントでありますけれども、具体的には、その必要な研究というものを議論する中で、研究開発用の原子炉あるいは燃料製造、それからバックエンドといったサイクル関係のいろんな論点というものを踏まえた上で、今後10年以内に着手すべき事項がどうなのかといったことを検討いただいているところであります。それから、人材育成、それからオールジャパンとしての知を集約するという意味で原子力機構が果たすべき役割もあるのではないかといったことで、こういったことも議論をしているところであります。
 第1回の会合を10月17日に始めたところでありますけど、年内に四、五回開催をして論点を整理していく予定であります。それから、この論点整理の状況については、本委員会や作業部会にも報告をして、さらに御意見等いただければと思っているところであります。
 次のページは、ちょっと前後しますけれども、8月の末に来年度の概算要求ということで文科省から出しているものであります。
 右肩に要求額があります。今年度の予算1,470億円原子力分野の予算であったというところに対して、来年度令和5年度の要求・要望額で1,826億円の要求になっております。この1,826億円の要求のうち大部分は原子力機構の運営費交付金関係ということで、1,646億円は原子力機構向け交付金の要求額ということになっております。
 概要については、下に細かい字で書いてあるとおりなんですけれども、左上の囲みですね、革新原子力といったところのキーワードが骨太にも出てきたということで、そういった記載を踏まえて革新原子炉関係の要求を大きく要求しているといったところです。高温工学試験研究炉(HTTR)の関係での要求、それから高速実験炉「常陽」の運転再開に向けた準備等でございます。
 その下が非エネルギーも含めた、医療用RIも含む多様な研究開発の推進ということで、RI、それから、後ほど議題で出てきます「もんじゅ」サイトの試験研究炉の設計、それから人材育成の関係の要求といったものを盛り込んでいるところです。
 その下が福島第一の廃止措置等の研究開発の加速プランの実現といった取組、それから右側に行きますと、バックエンド対策関係ということでもんじゅ、ふげん、東海再処理施設関係の要求をしているといったところです。
 その下の原子力の安全性向上に向けた研究ということで、規制庁とも連携しての取組というところの要求もしているところです。
 私からの説明は以上です。
【出光主査】  はい、御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまから意見のある委員の皆様、あるいは質問等ございましたら、オンラインシステムの挙手ボタンのほう押していただければ私のほうから指名させていただきます。どなたかございますでしょうか。皆様よろしいでしょうか。
 中島先生、よろしくお願いします。
【中島主査代理】  京大、中島でございます。説明ありがとうございました。
 質問というわけではないのですが、次世代の革新炉開発ではやはり最後は人の育成が大事だと思います。今度の文科省さんの検討会の中でも人材育成というキーワードも出ておりまして、その中で原子力機構が果たすべき役割等についても検討するとなっています。大学としては、自分たちの施設を維持管理するのが非常に難しくなってきている中で、なおかつ現場体験を踏まえた実験的な教育というのをやる必要性はあると思っておりますので、できるだけ機構さんの施設を大学が自由に教育としても使えるような場を提供していただければ、非常にありがたいと思っております。
 それともう1点は、大学としても最低限というかミニマムな実験研究施設を維持管理していく必要はあると思っておりまして、その辺につきましてもやはり文科省さんからのサポートが必要だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 それでは次に、遠藤さん、はい、どうぞ。
【遠藤委員】  はい、ありがとうございます。
 原子力の会議体幾つもある中で、まず、文科省のほうにお願いをしたい点が幾つかありますのでそれをちょっと申し上げたいと思います。
 まず、原子力の価値というものがこの間改めて安全保障の観点から安定供給の観点から見直されているわけなんですが、その原子力の価値を利用の観点からしっかりと原子力基本法に落としていく作業を、文科省のほうにリードをしていただきたいと思っています。これは原子力委員会でも経産省のほうの原子力小委員会のほうでも議論になったテーマなんですが、その価値を改めて法律に書き込むということがまず基本的に一番重要なことではないかと思っております。
 それと2点目は、JAEAの件なんですけれども、JAEAもちろん基礎研究のリーダーシップを発揮していただくということに加えて、今回ポーランドなどでの高温ガス炉の話が出てきておりますが、革新炉についてまず国内の中で建設をしていくというステージに入るまでにかなりの時間がかかるので、これは国際的な視点でぜひ、ビジネスを展開するという前提で、研究開発を共に海外とやっていくそのリーダーシップ機関になっていただきたいと思っております。
 3点目、原子力委員会なんですけれども、原子力委員会はこの間規制庁との議論もまた上坂委員長の下で行われましたが、内容を大体報道ベースでしか存じませんが、拝聴しておりますとかなりまだ双方向で認識の違いがあるように思っております。そこを何とか議論を重ねて、共通の国民のこういう観点から議論を重ねていっていただくことが非常に重要だと思っておりますので、その辺りもぜひ文科省にリードをしていただきたいと思っております。
 ありがとうございました。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 この件に関しまして、事務局のほうから何か回答ございますでしょうか。
【新井原子力課長】  はい、ありがとうございます。
 まず中島委員に御指摘いただいた人材育成の関係の御指摘ですけれども、大学あるいはJAEAも入って人材の育成のイニシアティブ事業ということでネットワークを組んで、相補的に連携していく取組は引き続き進めていきたいと思います。
 その上で、大学の特徴、それからJAEAの特徴、役割、こういったものをもう一度見た上で、どういったさらに役割分担、役割を強調しての全体の底上げというのができるかというものをしっかりと我々の中で議論をしていきたいと考えているところであります。
 それから、遠藤委員から御指摘の件でございますけれども、原子力については御指摘のとおり内閣府、経産省、文科省、規制庁などの省庁が関係しているところです。原子力基本法のお話も今出ましたけれども、我々としても関係省庁と連携してどういった法律の建て付けが今後あり得るのかとか、そういったことについて必要に応じて積極的に議論していきたいなと思っております。
 それから、JAEAがリーダーシップをといったところでありますけれども、革新炉の研究開発というものを進めていく上で、その先には実証炉、それから商用化というものを見据えて進めていかなければならないといったところで、ちょうど国際的にも革新炉の動きがあるということで、今ポーランドの高温ガス炉の話題についておっしゃっていましたけれども、ポーランドとの協力、またイギリスとの連携なども進みつつあるところと思います。研究面、実証炉環境など様々な面で、我々がウィン・ウィンで国際協力をできるところを見つけてしっかり進めていくのだろうと思っております。
 それから、原子力委員会、それから規制委員会との関係のご指摘については、JAEAは原子力安全、それから規制に必要な研究への協力、それから次世代革新炉のような推進の研究と、推進と規制の両方役割を果たしてきているということかと思います。その意味では、原子力委員会、規制委員会と我々は非常に密接な関係があるとも言えますので、その関係性を踏まえてうまく進めていければいいなと思っております。
 以上でございます。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 中島委員、遠藤委員、よろしいでしょうか。
 そうしましたら、竹内委員からも手が挙がっております。よろしくお願いします。
【竹内委員】  竹内でございます。声は届いておりますでしょうか。
【出光主査】  聞こえております。
【竹内委員】  はい、ありがとうございます。
 御説明いただきましてありがとうございました。
 今の遠藤委員の御指摘と、それに関します御回答にもちょっと関連するんですけれども、私GX実行会議の中にも参加をさせていただいておりまして、そこでやっぱり議論が必要だなと思ったところを踏まえまして今の点に関連して申し上げさせていただきたいと思います。
 GX実行会議、これは産業界あるいは労働者あるいは消費者、いろんな団体の代表の方もお出になって、あらゆるお立場の委員がおられるわけですけれども、基本的に今のエネルギー安全保障、そしてエネルギー安定供給といったようなところを全部踏まえますと、原子力が必要であるといったようなところについてはほとんどの委員が同意をされたところだと思います。先ほど岸田首相のコメントは御紹介ございましたけれども、ある意味そういった岸田首相の判断につながるような、各委員の要請というんでしょうかコメントというのがあったというような、そういった議論があったというようなところを踏まえての首相の御発言だと理解をしております。
 ただ、必要性というようなところは多く議論をされたわけでございますけれども、じゃあどうやってこれを技術を高め、安全に使うのかといったようなところ、どうやって使うのかといったようなところは、やはりこうした各関係省庁の皆さんの会議体の中で議論を深めていただく必要があるわけですけれども、その中で特に文科省さんにお願いをしたい点といたしましては、大学の研究炉等が非常に今難しい状況に置かれていると、規制委員会の規制も大学の研究炉というものに対する規制として本当に適切なものなのかといったようなところ、これは各大学、各教育関係者が対応するというような範疇を超えた話になっているのではないかと思います。
 こういったところについて、ぜひ文科省さんのほうから、本来の考え方といったようなところを議論していただくというところも含めまして、研究開発、人材育成というようなところが活発に進むようにということで御支援をいただければ非常にありがたいと思います。
 ちょっとこの点だけ補足をさせていただければと思いました。以上でございます。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 事務局のほうから何か、この御意見に対しまして御回答ございますでしょうか。
【新井原子力課長】  すいません、原子力課の新井です。ありがとうございます。
 特に規制庁、規制委員会との関係、大学の研究炉、それから、JAEAのほうでも「もんじゅ」サイトの試験研究炉の設計が進んでいるといった状況で、商用炉の規制とはまた別に試験研究炉の規制というのは今もあるわけで、それに沿ってどういった形で規制委員会での議論が効率的に進められるかといったところは我々も関心を持っているところであります。
 今の規則というのが、非常に精緻にいろいろ書いてあるわけじゃないといったことも承知をしているところでありまして、我々としても情報収集しながら、どういった形で規制委員会と対話できるかといったことを検討していきたいなと思います。
 以上です。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 それでは、時間も押してまいりましたので次の議題の「もんじゅ」サイトの新しい試験研究炉の検討状況についてに移りたいと思います。
 では、資料2に基づきまして、JAEAの峯尾様に御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【峯尾室長(JAEA)】  私、JAEA新試験研究炉準備室の峯尾と申します。声届いていますでしょうか。
【出光主査】  はい、聞こえております。
【峯尾室長(JAEA)】  では、この炉の検討状況についてお話ししたいと思います。
 資料2でございます。
 めくっていただきまして、「もんじゅ」サイトの試験研究炉の設置についてというところの、1ページ目でございますが、この炉自身は、御案内のように平成28年12月にもんじゅが廃止措置になったというところと同時に、将来このサイトに新たな炉を設置するということで決まったものでございます。
 それで、左がそれ以降試験研究炉の役割が増してきているという話でございます。カーボンニュートラル実現といったものの取組が世界規模でやられているというところで、エネルギー安全保障の確保に対する期待もあり、原子力の安定的な平和利用、この辺の推進が見直されてきて、それからもう一つ原子力につきましては廃止措置も着実に進めなければいけないということで、このためにどうしても高度な人材が必要だということになりまして、この人材を確保、育成できるところが試験研究炉という場であるということで重要さは増してきております。
 それから中性子利用技術というのが学術だけでなくて産業利用でもかなり発展してきているということで、この需要に対応した基盤としての試験研究炉、これも重要であるというところです。
 しかしながら、右側の下に示しましたが、試験研究炉の我が国の状況というのは、高経年化、あるいは新規制基準、これへの対応で廃止方針になっているものが多くて、一時期20基ほど動いていたものが現在運転再開できたのは6基で、2基ほどあと申請中でございますが、いずれにしても基盤としても脆弱化している状況があります。
 したがいましてこのもんじゅの新たな試験研究炉、出来上がるのは少し先ですけれども、これをやっていくというのは非常に貴重な機会でしかも重要であると私ども考えています。
 この炉につきましては、下のほうに書きましたが、おととしの9月ですが文科省のほうで検討が行われて、その結果、この2点の視点、我が国の研究開発や人材育成を支える西日本における中核的拠点としての機能実現、これができるか、それから地元振興への貢献ができるかと、こういう観点で中性子ビームを利用すると、それを主目的として、出力としては10メガワット未満の中出力、これに絞り込まれたというところでございます。これを受けて、令和2年度から概念設計、運営の在り方の検討を開始しているというところでございます。
 次のページ、スケジュールを示してございます。
 今、上に示した概念設計の段階でございますが、この後基本設計を含む詳細設計で設置許可をいただいた後設工認をもらって、その後、製作、据付け、あるいは建設工事、それに対する検査、これを受けて、その後は運転開始ということになります。
 現状は今、令和2年度から4年度の間の概念設計の段階で、委託事業で文科省から進めているというところです。この概念設計は、概念設計そのものと、あとは並行して地質調査、それから運営の在り方の検討、これを進めてきているところです。それで、今年度、令和4年度までですが、その後の基本設計を含む詳細設計の方に向けて取り組んでいるところでございます。
 一方、この体制でございますけれども、次のページにございます。
 この概念設計と、それから運営の在り方の検討、これを行っている主体というのが下に示しています中核的機関でございまして、私ども原子力機構、それから京大、福井大と3者でございまして、原子力機構はこの概念設計と地質調査を担当しております。京大は運営の在り方の検討のうち利用運営の在り方で、これは京大炉を持って運営しているというノウハウ等も基にして検討を行っています。福井大学は地元ということで、地元との関係機関との連携構築に向けた制度を検討しております。
 この中核的機関に加えて学術界、産業界、それから地元関係機関から成るコンソーシアム、これを構築しまして、いろいろ幅広い意見をいただきながらこの概念設計等々進めているというところであります。試験研究炉を造っていく中でこういったコンソーシアムでいろいろ意見いただきながら進めるというのはユニークな取組だと思っております。
 以降は令和3年度までの取組状況、これについてお話ししたいと思います。次のページです。
 概念設計では、炉心構成で、まず炉心を決めるということで、設計目標に合うような炉心の構成を絞り込むと。それから設備・レイアウトは、特にニーズをいろいろいただいて実験装置群についての構成案、これを検討しております。それから地質調査としてはボーリング調査を行っています。それから運営の在り方の検討としては、運営体制の検討課題を抽出してきております。それから、地元関係機関との連携構築につきましては、ちょうど御説明しましたが伴走型連携というのをどう進めるかという、その検討。それから、中性子の利用人材を育成していくという観点でセミナーあるいは講習会等を開催しています。
 まずこのうち概念設計、炉心の検討について少しお話ししたいと思います。次のページ、5ページをお願いいたします。
 令和2年度からまず目標を定めて、このような順番で進めています。炉心構成を決めて、その成立性を検証する。さらに今年度に入っては、炉を制御する、要は安全に運転するというための手法についての検討ということをやってきています。それから、ニーズ調査を行ってそれを基に、その下にございますけれども、利用設備の検討ですとか附属施設の検討、これも併せて行っている状況でございます。
 次のページ、まずこの炉心のお話でございますが、炉心ではその基本方針として、設計目標、これを設定していて、これをできるだけ定量的な目標に落とし込むということで、それを計算によって検討するということであります。
 基本方針としてはここにあるように高い安全性と高度なビーム利用、高稼働率、経済性、将来性で、例えば高度なビーム利用で、下に示していますが定量的な目標としては熱中性子束、これが一つ大きな目安になるわけですが、10の14乗以上というところが目標でございます。これは10メガワット未満の試験研究炉ということですが、一番右側に20メガワットのJRR-3の参考値を示しています。1~2の10の14乗以上というぐらいで、目標としましてはこのJRR-3に匹敵するような目標を掲げて、今のところ計算でしかないですが、そういったところで近いところまで行けるんじゃないかと、そういう見込みを得ているところでございます。
 この炉をどんな形にするのかと、そういう絞り込みを計算でやっていきますので、次のページがその炉心の具体的な形についての話ですが、炉心というのは燃料要素の集合体みたいなものですが、これがいろいろな配置をしたものを考えてそれぞれの特性を計算したということで、上の図は熱中性子束がどれだけ発生するかというものを横軸に距離を取って示してございます。このピンクの色が1掛け10の14乗、目標値ですね。設計した炉心大体全てにおいてそれをクリアできたというところであります。
 また、燃料がどれだけ燃えているかで、先ほどの表で後で御覧いただければと思いますが、運転持続日数というものでございますけれども、これが400日以上もつということが要求としてございまして、これを満足できる炉心というのがce20というものと、その右側の紫色をしていますが、これが5掛け5、25体。20体の集合体と25体の集合体による炉心ですね、これがその目標を満足できるということで、5掛け5のものは25体ございますが、その四隅と、それから真ん中の一つを除いたものが、この図に描いてはございますがce20ということになります。
 中性子ビームを利用するだけではなくてやはり照射領域も確保したいということで、このce20は四隅と真ん中というのが照射領域にできるということで、この炉心でいこうと決めまして、これをベースに制御棒や反射体の配置を今検討しているところです。
 それから、次が概念設計のうちの設備・レイアウトの検討でございます。これは京大の方で中心となって行っております。
 重要なことは幅広いコミュニティーの方々と意見交換をして、いろいろニーズを整理するというところでございます。ここから魅力的な実験装置群の構成案を検討したというところで、その中の意見で、やはり世界に誇れるビーム利用には熱中性子だけではなくて冷中性子も必要ということで、これも設置するということで検討を進めています。それからビーム実験装置設備としては、議論の結果、汎用性、利用頻度が高い装置で最優先で設置すべきものを特定いたしまして、ここにあります四つ、小角散乱、イメージング、回折、反射率、これを特定できたところです。
 次のページは照射実験装置について等書いてございますが、中性子ビームが主目的ですけれども照射実験装置として検討すべきものとして、微量分析が可能な放射化分析、これは必ず必要になってきます。これ以外に、検討対象としましてはRI製造あるいは材料照射といったものが出ています。
 また、次には利用者にとって利便性が高い設備とか環境、これを検討したい。それから、照射実験特に必要になってきますけれども、ホットラボラトリーですね、これのどんなスペック、どんなものが必要か、その検討を行っております。
 以上が概念設計のところでございます。
 次は地質調査でございますが、地質調査の目的は、設置が支障を受けるようなそういった地下構造があるかないか、まずそこを見ようということで行ってございます。地質調査の内容は、先ほど申し上げましたがボーリング調査で、100メートル、200メートル1本ずつ掘っております。
 結果は、このボーリングのコアを観察した結果等から、ここにございます200メートル掘った、まだ1本しか掘っていませんが、この範囲におきましては小規模な破砕帯は分布するものの、大規模な破砕帯や滑り面になるような脆弱な部分は確認されていないというところです。それから三つ目の丸に書いてございますが、ここは24メートルぐらい掘ると硬い岩盤が出てくる、花崗岩が出てきます。この岩盤は構造物の支持地盤になり得る性能(硬さ)を有している可能性が高いという結果も出ております。
 こういった調査は、機構の地層の専門家が進めておりますけれども、加えて外部の先生方にも技術的なレビューをいただいているところで、そこで御意見としていただいたのが、この地形が、土石流が発生しやすい地形でもあるので、そのためにリスク評価、これが必要だというふうに言っていただいておりまして、4年度以降の課題としてこれを抽出して対応したいということです。
 次のページは写真ですね、ボーリング調査の状況。それから右側の絵が、地図で、候補地の位置です。もんじゅの南東、大体300メートルから400メートルぐらいのところにございます。それから左下のこれが、海側からその土地を見たところですね。山のほう、130メートルぐらいの標高のところにございます。これ、それから右側は得られたボーリングコアであります。
 以上が地質調査の状況です。
 それから、12ページ、次のページですが、運営の在り方の検討ということで、これは課題を抽出したというところですけれども、組織運営では今後効率的な運営を実現できるようなそういう体制ですね、コンソーシアム体制の検討が必要である。あるいは利用設備としては、実験環境に余裕あるのがよいと、あるいはDXですね。利用制度としてはユーザーフレンドリーな環境であって、安全優先ではあってもそれが成立するようなものであってほしいとか、あるいはユーザーサービスとしては、もんじゅのサイトに造りますので駅からは遠いということでその交通の話や、あるいは駅の近くにオフサイト拠点とかあったらどうかと、いろんな御意見等踏まえて検討している。それから運用開始まで準備活動として、人材育成、あるいはトライアルユースのような一般活用、そういった検討が課題として示されているというところでございます。
 次のページは四つ目の地元関係機関の連携構築に向けた検討ということで、伴走型連携。
 伴走型連携というのは、一番下にちょっと米印をつけましたけれども、単に実験装置をお貸しするのではなく一緒に要望踏まえて、実験を進めて解析まで行うような、そういった支援を行う連携ということを考えています。
 これをうまく動かしていくために、まず、福井県中心として考えると、中性子の利用について、これはまだ経験が浅いというところもございますので、産業利用としてどんなものがあるのかといった、そういった検討ですね。まず我々が意見を聞いたり、茨城県の中性子産業利用取組の聴取も行っております。
 その次は地元の企業と交流。要は対話を行って、中性子利用の情報の提供や利用可能性についてお話をして、あるいはそれに対応して企業からいろいろ御意見、サポート体制だとかトライアルユース制度を充実してほしいといった、そういった御意見をいただいているところでございます。
 それからもう一つは、地元企業がどう連携していくかというところで、一番注目されたところはこの伴走型連携をトライアルユース検討を通じて進めていくというところが、検討のポイントになってきているというところでございます。
 それから、ちょっと時間が過ぎてございますが、14ページはセミナーですね。中性子利用人材を育成していくためにセミナー等行ってきているというところです。一つは大学、それから福井県との共催。
 もう一つ、福井県は嶺南Eコースト計画をお持ちになっていて、そこで試験研究炉についてプロジェクトの一つに挙げていただいているというところで、いろいろ取組をされているんですが、そちらとも連携をさせていただいているということでございます。
 4年度は、概念設計で、15ページでございますが、炉心の検討、制御要素の検討、それからレイアウトの検討。それから地質調査につきましては先ほど申し上げた土石流に関してのリスク評価、これを先行して進めております。それから、運営の在り方についてはまだ検討中でございますが、地元関係機関との連携構築に向けた検討では、先ほど申し上げたトライアルユースですね、これを促進する制度についてさらに検討を深めているというようなところです。
 先日10月26日、16ページでございますが最後でございますけれども、令和5年度以降私ども機構が実施主体となって京都大学、福井大学の協力を得ながら計画を進めていくことが重要という、そんな議論を作業部会でしていただいたとお聞きしております。しっかりこれを心に銘じて、引き続き今年度中に詳細設計、これを開始するべく懸命に取組を進めているところでございます。
 大分時間を超過してしまいましたが以上でございます。よろしくお願いいたします。
【出光主査】  はい、御説明ありがとうございました。
 それでは先ほどと同様、御質問、御意見ある方は挙手ボタンでお知らせください。どなたかございませんでしょうか。
 じゃあ中島先生、同じ委員に入られていると思いますが、どうぞ。
【中島主査代理】  ほかの委員から特になかったようですので、少しだけ補足します。
 今説明いただきましたように、これはJAEAさんが主体で京都大学、我々の複合原子力科学研究所、が一緒にやっているということ、あと福井大学さんにも入ってもらっているということで、我々は利用の立場で、KUR等の経験を生かして、いかに使いやすい研究炉を造って皆さんに使ってもらえるかと、そういった運営の仕方あるいは利用の仕方を含めてどんな実験装置を入れるかということを今検討しているところでございます。
 これは今は夢がある話でどんどんいろんなアイデアをもらうのですけれども、これから詳細設計に入ると今度は切り詰めていかなくてはいけなくて、そこのところは多分今後、非常に難しい選択になるのかと思っております。
 そういった中で、先ほどもあったのですが、原子力の人材育成に関してですが、この炉が動くまでの間まだ少し審査等でも時間がかかるとなると、それまでは既設の炉を使ってトライアルユースとかいろいろな人材育成を今後進めていく必要があると考えています。我々の実験装置であるとか、あるいはJAEAさんの3号炉などを使わせてもらって、そういった人材育成を今後も進めていきたいと思っておりますので、またそのようなことに関しましても皆様方の御協力等お願いできればと思います。
 以上でございます。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 ではほか、御意見……。
 小栗委員、よろしくお願いします。
【小栗委員】  今拝見、お聞きしたんですが、基本的には、非常に大ざっぱに言いますと、JRR-3に近いようなものが、新しいものができるというふうに理解いたしました。
 ただ、これ、地元の振興ですとか国内の産業ということで、どちらかといいますと国際的な何か共同利用で非常にとがった性能のものというよりも、汎用性とか使いやすさとかそういったものを重視したプロジェクトなのかなと理解いたしました。
 それで一つお聞きしたいのは、地元振興の視点で言いますと既に福井県とかあの辺ですと福井県が若狭湾エネルギー研究センターとか、あるいは福井県の国際人材育成センターでしたかね、そういったものでかなりやられていると思います。それで、伴走型連携などという非常にすばらしいアイデアもお持ちだと思うんですが、その辺のところと、今走っている福井県などの取組との協調といいますか、あるいはすみ分けといいますか、その辺のところはどのように進められるのかなということが一つお聞きしたいところです。
 それからあと、ユーザーインターフェースの分もかなり念入りに検討されていまして、大変結構だと思うんですが、先ほどの中島先生の御指摘にもつながるんですが、非常にすばらしいものを造っていて、ある意味、例えば大学の立場で言いますと、大学でもそれにちょっと近いようなことができていて、それが今度できる炉に行くとさらにすばらしいことができるというようなシステムになっていれば、非常にスムーズに人材育成も進んでいくと思うんですね。
 ですのでそういう意味では、ちょっと話が別の方向に行きますが、こういったものも大事なんですが、大学のほうの非常に小ぢんまりした放射線取扱いの施設ですとか、そういったものの整備も並行して必要なのかなと考えております。
 以上です。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 この件に関しまして何か御回答等ございますでしょうか。
【峯尾室長(JAEA)】  はい。では峯尾でございます。ありがとうございます。
 まず1件目、若狭湾のエネルギー研究センターとの関係でございますけれども、どちらかといいますとセンターのほうは加速器を用いていろいろ加速器の利用というところをやってらっしゃるというところかと思います。
 この試験研究炉は、現在エネルギー研究センターの方でやられているものと異なる中性子利用ということになりますので、完全に並べて考えるのがどうかというのは一つございますけれども、一つは加速器と中性子の利用というところですみ分けがあるということと、あと、もちろんこの検討にはエネ研の方にも少しオブザーバーで入っていただいたりして、こちらの活動が伝わるようにしているところでございます。
 それから2点目は、例えば、先ほど四つほど小角散乱とか中性子イメージング等の汎用性の高いもの、使いやすいものというものをまずは優先して設置すると申し上げて、そういうふうに絞り込んだところを申し上げたんですが、ただ、炉が動くときというのはやはりある程度時間がたちますので、今あるものというのが要は陳腐化してしまう可能性があるというところでございます。
 したがって、これは今後、特に京都大学あたりと私ども協力して、この実験装置についてどんな中性子利用の装置を使うかといったところを、大きくは決めたところではありますけれども、それについて連携して将来的に開発を進めていきます。動く段に最新のものがそこに設置できるように、そういう開発をしていきたいと考えております。
 その途中にはいろいろな炉で、実証を行っていくこともあるかもしれませんが、そういったことを経て使えるものをちゃんと使えるものとして新しい研究炉に設置していくというようなことを考えていけば、スムーズに入っていけるのかなとも思いますし、その間に若い研究者なり、あるいは使いたい人材ですね、そういった人間を一緒に開発に加えたり利用することで育成することもできるだろうと考えております。
 御質問に答えているかどうかちょっと分かりませんが、私どもそういうふうに考えております。
 以上でございます。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 小栗委員、よろしいでしょうか。
【中島主査代理】  中島ですが、ちょっとよろしいでしょうか。
【峯尾室長(JAEA)】  すいません。
【出光主査】  中島委員、どうぞ。
【中島主査代理】  すいません。
 まず、県との関係はこの中にもありましたけど非常に密接に一緒にやっており、県側もやはりこれによる人材育成あるいは地元振興に大きな期待を寄せているということで、そこは十分な意思疎通はできていると考えております。
 また、研究炉としての性能ですけれども、出力は3号炉の半分なんですが、研究者側としては、全ての面ではいかないにしても部分的なところでは、世界最先端の性能を目指して今設計を行っているところでございます。
 以上です。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 あとほか、御意見、コメント等ございますでしょうか。
 もう少し先の話にはなりますが、原子炉設置ということで規制の話もありますので、規制対応が難しくなるような新規のものはなかなか入れづらいと、そういう事情もありますが、安全性向上に資するものであれば積極的に入れていただいて、あとは中性子利用の分についてはフレキシビリティーがあるような設計に努めていただければと思います。
 ほか御意見ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。なければ、3番目の議題のほうに移りたいと思います。
【峯尾室長(JAEA)】  ありがとうございました。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 それでは3番目の議題、分野別研究開発プログラム評価についてです。これにつきましては事務局のほうから説明お願いいたします。
【新井原子力課長】  文科省の原子力課でございます。
 資料3-1を御覧いただければと思います。
 原子力科学技術分野の研究開発プログラム評価の試行についてということであります。
 詳細は割愛しますけれども参考資料の3に、プログラム評価の試行についてという文書もついております。それを踏まえて少し今回の検討事項について簡単に記したものが、この資料3-1といったことになります。
 この委員会の親分科会ですけれども研評分科会では、このプログラム評価というものを研究開発の評価指針を踏まえて試行的に実施することとしておるということで、原子力分野だけではなくて各分野別委員会で、その試行的な評価の議論の結果を分科会に報告をするということになっております。
 1ページおめくりいただきまして、参考でありますけれども、そもそも研究開発プログラム評価とは何かという話ですけれども、これは評価の指針の抜粋です。
 プログラムというのは、研究開発課題の評価というものがあるのですけれども、その課題を、細かい課題なので、それの施策ベースあるいは制度ベース、この特定の目的や目標の実現を目指しているものといった体系があるだろうということで、そういったものを体系的に推進しているもの、これをプログラムと呼んでおるといったところです。
 プログラム評価というのはまさに体系的に、大くくりしたプログラムというものをプログラムごとに評価を実施ということができるのかどうかと、これをやっていこうではないかといった話であります。
 1ページに戻っていただきまして、評価の進め方についてでありますけれども、最新の分野別研究開発プランにおいて定められた研究開発プログラムごとに、政策評価における測定指標であるとか、プログラムに含めた達成目標を構成する事業ですね、それぞれ行政事業レビューというそれぞれの項目でやっているレビューがありますけど、そこでの成果指標、活動指標を活用と、それから、その他適切と思われる指標というのが設定をされているといったところを踏まえて、プログラム全体の状況のモニタリングをするといった、そういったことになっております。
 3ページ目に、この8月に、最新の研究開発プランに沿ってということですけれども、原子力科学技術については、この3ページ目以降にまとめてあるものが最新の評価のプランということになっております。
 大目標、これは法の下で原子力関係のプログラムというのはぶら下がっている形になっております。大目標のところは国家戦略上重要な基幹技術の推進ということで、これ原子力だけではなくて宇宙・航空、海洋・極域、原子力等ということで、非常にいわゆるビッグサイエンスと呼ばれるようなものがこの施策目標の下にぶら下がっているということです。
 二つ原子力関係はありまして、一つは2-1でありますけれども、福島第一の廃炉あるいはエネルギーの安定供給、それから安全性向上、先端技術の発展といったところのくくりであります。2は、基盤的なところということで研究、開発、利用の基盤整備を図ると、そういったくくりになっております。
 次のページがそれを模式化したものでありまして、2-2というところが基盤のところになります。基盤なので人材関係、それから、核拡散・核セキュリティ関連業務、これについても、人材育成あるいは基盤的な技術開発をしているという原子力の基盤を支えるものということでこれが2-2で。
 その上に、原子力の利用、先端的なところを目指すものとか廃炉とか、そういった様々な分野の研究を進める事業ということで、原子力システム研究開発事業、それから、福島関係の英知を結集した原子力科学技術事業等が2-1に該当する事業として位置付けられます。
 原子力の研究開発は、独立研究開発法人のJAEAが運営費交付金で担っている部分もあるんですけれども、そちらは別途法人評価の体系があるということで、この原子力のプログラム評価については、内局の事業、委託費とか補助金とかですね、そういったもので進めているものだけを取り出して評価の試行を行っていくと、そういった建てつけで進めているということであります。
 最初のページへ戻っていただきまして、今申し上げたことのやや繰り返しになりますが、2ポツですけれども、プログラム全体の状況を把握、モニタリングするということとして、原子力関係では二つのプログラムというものがあるということで、先ほどのプランの関係でいうと2-1、2-2に当たるところですね、その二つの大くくりについてまとめたものを見てみようじゃないかといったことでございます。
 それで、具体的なプログラムの評価のちょっと議論するため整理したもの、細かいものが、資料の3-2と3-3についております。
 まず3-1ですけれども、これが達成目標8関係ですけれども、2ポツにプログラムの概要が書いてあります。廃炉とか安定供給、安全性向上、先端技術といったところあります。
 3ポツ以降にちょっと細かいことが書いてあるんですけれども、3ポツの(1)がプログラム全体を見るための指標とかその状況について整理をしたものです。アウトプットで2種類、アウトカム2種類あります。アウトプットの指標としては査読付論文の公開数と、それから、報道等での発表件数というのがアウトプット。
 アウトカムについては、備考のところにちょっとあるんですけれども、本来アウトカムということで取組のまさにアウトカム的な、定性的になってしまうんですが、廃炉とか除染とかの取組の進捗状況とか、あるいは福島第一原発の事故を踏まえた安全性向上のための研究開発全般にどうなっているのかとか、研究成果創出状況というのあるんですが、ここは定量的な指標というところで、こうするとなかなかどうするのかというところは工夫が必要なところで、今アウトカム指標のところでは、当該年度の事業の評価の評価指標、S、A、B、C、DでA以上の評価というものを書いているということ、それが何%あるかといったところを書いております。
 この(2)以降は、ぶら下がっている事業についてブレークダウンしたものになっているということで、ここはちょっと省略をさせていただきます。
 それから、二つ目の固まり、2-2に当たるところで資料は3-3ですけれども。
 こちらは固まりとして、研究開発上の基盤整備といったところであります。人材の事業、あるいは核セキュリティ関係の人材育成が入っているといったところで、これもつくりとしては3の(1)のところで、プログラム全体に係るものというところになりまして、アウトプットが、先ほど同様ですけれども、論文の公開数と、それから、もう一つは、研究成果の報道等の発表件数ということになっております。
 それからアウトカムも、先ほどもちょっと備考から御説明しましたけれども、ここでもアウトカム指標を、放射性廃棄物減容化研究の進捗状況と、施設の新規制基準対応、安全確保対策等の取組の進捗状況、それから、丁寧な対話、社会理解度の状況ということで置いておるんですけれども、これを定量的に見るとすると、事業評価のS、A、B、C、Dのところで見るということで、一定の評価以上の課題の件数ということで書いているといった状況で整理をしているといった状況であります。
 こういった形で、(2)以降は、先ほどと同じでそれにぶら下がっている事業のものを書いているんですけれども、定量的にどうやって見るかといったときになかなか個別の事業のところの、ちょっとそれを積み重ねたようなものをプログラムの評価の指標として置いているというような状況ですけれども、さらにちょっと工夫が必要なのかとか、そういった点含めて御議論、御審議いただければと思っております。
 説明のほうは以上です。よろしくお願いします。
【出光主査】  はい、御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの評価関係につきまして、御質問、御意見等ございましたらまた挙手ボタンでお知らせください。
 はい、早田委員、よろしくお願いします。
【早田委員】  電事連の早田です。私からは資料3-2について2点質問でございます。
 3ポツの(1)の表を見ていただきますと、アウトプット指標の一つ目と二つ目、これ論文の公開数と報道等の発表件数なんですけれども、いずれも2020年の数字がほかの年度に比べて少し少ないんですけど、これやっぱりコロナ禍の影響で活動が十分にできなかったとか、何かそういう制約があったという理解でよろしいでしょうかというのが1点目と、その下のアウトカム指標の上段なんですけど、ここで英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業のA評価以上の件数の割合というのが表記されていますけど、これが年々割合が下がってきていまして、これに対する評価をどういうふうにされているのかというのと、その評価結果に基づいて、今年度も含みなんでしょうけど、次のアクションどうお考えなのか、もし何か現時点で教えていただけるものがありましたらお願いしたいと思います。
 以上です。
【出光主査】  はい、どうぞ。
【新井原子力課長】   一つ目の御質問ですけれども、2020年は論文公開数が非常にそこだけ少なくなっていると。御想像のとおりでコロナの関係で、共同研究数が大分減ったということで、論文の公開数もこういったちょっと少ない数になっているということであります。
 それから、この下のアウトカム指標のところで、だんだん下がってきているということでありますけれども、実は、これは公募採択の事業なんですけれども、採択する事業をよりちょっと増やしてきているというような状況があります。
 ということで少し広めに取ってきているといったこともありまして、他方で評価軸のほうがそれに合わせて広がってきているということでもなくて、なので評価軸との関係で見たときに、必ずしもその評価軸で評価されたものがどうなったかというと少し少なくなってきているといったところがあるので、この評価軸というのはどんどん変えるわけにはいかないと思うんですけれども、あるタイミングで少し見直しなども必要ではないか考えております。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 早田委員、よろしい?
【早田委員】  はい。承知いたしました。ありがとうございました。
【出光主査】  そうしましたら、新井委員、よろしくお願いします。
【新井委員】  原産協会の新井です。
 すいません、ちょっと根本的なことが分かってないのかもしれませんけれども、これ、こういうプログラム評価をして、例えば予算がだんだん足りなくなってくると評価が悪いものは切られていくというか、この評価した結果はどんなふうに最終的に使われてしまうのか、あるいは、今は試行段階なので取りあえずモニタリングをしてこういう具体的な数値で成果を表して見てみましょうということなのかという点をお聞きします。
 それなぜかというと、例えばアウトカム指標で、資料3-2ではA評価以上とかとなっていたんですけど資料3-3のほうはB評価以上とかとなっていて、これプログラムごとに適切な定義をして使っているんでしょうけれども、何かそれぞれ高めの基準か低めの基準かということになるとなかなか数値もいろいろプログラム間でばらけてしまうかなとかいうのがあって、そこ難しいところだとは思うんですけど、最終的にはどんなふうに使われていくんだろうかというのが1点目です。
 それと、先ほどの御回答の中で、事業が広がってきているというお話があったんですけれども、それは、感覚的なもので結構なんですけれども、人材育成事業なんかは、提案する事業の数といいますか、提案する数が多くて採用する数をすごく絞らなければいけないとか、毎年そういう傾向にはなくて、提案されたものはなるべく採用している方向でやっているとか、件数が多くなっているという方向なのかどうかというのを、伺いたいと思いました。
 すいません、2点お願いいたします。
【出光主査】  それでは、事務局のほうから回答お願いいたします。
【新井原子力課長】  はい、ありがとうございます。
 まずプログラム評価の性質ということなんでありますけれども、政策評価あるいは法人評価とかいろいろ評価の体系というのは、これ省庁再編以降、行政改革ということで政策評価の体系が開始された後は不断の見直しをするということでずっと改善がされている取組を続けている、これは評価部局のほうの取組としてなされていると考えております。
 プログラム評価についても、やや野心的というか、概念的には課題の評価、それは政策課題であって、その上に施策があってその上に政策があるといった体系の中で、なるべく個別だけではなくて大くくり化した単位でも評価をするということが必要ではないかという議論の中で、どういった形であればそれができるのかというのをまさに試行しているという状況ですので、今のこのまとめているものの評価結果が直ちに何かにつながるかということではないと考えております。
 ただ評価ということ自体が実はPDCAサイクルを回していくということでありますので、チェックの後はアクションということで、そこは予算の配分のところが適切なのかどうかというのは、施行の際の論点として一つとして挙がらないかというとそれは挙がるのかなとは思います。ただ、その結果を見てさらに事業をよくしていくという形で我々の施策を立案をしていくという中で、しっかり活用していく必要があると思っております。
 それから、アウトカムでA評価以上となっている、B評価以上になっているものというとちょっと揺らぎがあることについて、そこで横串で見るとどうなのかということでありますけれども、もうちょっと、基本的には、S、A、B、Cということで、計画どおりの成果が上げられるもの以上というものを取り上げるということにしております。
 1でBになっているものについては、研究開発法人のほうの運営費交付金でやっている取組と内局事業でやっている取組とをマッチさせてやっているような事業というのが、核セキュリティの関係の事業なんかでいうとございます。ということで、核拡散・核セキュリティの事業については、法人評価のほうではB評価以上というのが見込まれる成果を上げられたもの以上ということになっている関係上、こちらはB評価以上獲得ということでしてありますけれども、イメージとしては、目標以上というものがどれだけだったのかというのを見るようにしているということであります。
 それから、事業の広がりについて、これ、3-2というところでありますけれども、これ実は、「人材育成事業」というふうに書いてあるの、これ「英知を結集した」ということで福島の対応の廃炉の関係の人材育成事業であります。こちらについては、いろいろ提案出てきているので広がりが出てきているということであります。
 他方で、原子力の人材育成を一般的により効率的に効果的に連携を進めていくという人材育成の事業そのものは、別の、3-2ではなく3-3のほうのくくりの中に入っています。こちらは、今ANECという人材育成の取組をみんなでやっていくというのが、令和2年から7年間のプロジェクトということで始まっております。今そういった意味では、初年度の公募に比べると大分充足してきているということで、競争率といいますか、公募をしておりますけれども公募に対して応じる案件がどんどん増えてきているかというと、そこは減ってきているという状況はあるかなと思っております。
 以上です。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 五十嵐委員からも手が挙がっております。よろしくお願いします。
【五十嵐委員】  ありがとうございます。五十嵐です。
 今御説明があったように分野別の研究開発プログラムと、またそれの評価というのが新しく始まってトライアルということで、事務局で大変よくおまとめいただいたかと思います。
 今後これをしっかり活用していく必要があると考えますが、今日の最初の議題にもなりましたように、原子力の研究開発をめぐる環境が大きく変わってきていて、この分野別プログラムというのも年度ごとに見直していくことになると思いますが、そうした中で、事業そのものも変わっていくし、評価軸も変わっていくという理解でよろしいんでしょうか。
 特にアウトカム指標というのは、先ほど評価軸の見直しが必要だというような御意見もあったと思うんですけれども、そうしたところはどこで検討していくのか、それが気になりました。
 研究基盤、人材育成、それぞれがよりきちっと進んでいくようなプログラムと、また、評価の仕組みができればと思っています。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 事務局から何か回答はありますか。
【新井原子力課長】  はい。五十嵐委員、ありがとうございます。
 確かに、原子力を取り巻く状況というのは、昨年と今年でも大分違うということであるかと思います。
 そういった状況を評価にすぐに反映するかということでありますけれども、事業は事業としてあって、その事業の最初と最後に目標があって、そこに向けてきちんと進んでいるのかというのをはかるというのが教科書的な評価の考え方だということからすると、やみくもにどんどん評価軸を変えていくというわけにはいかないということが前提かとは思います。ただ、この評価の一番下敷きになっているのが、行政事業レビューという予算要求を毎年するときに役所のほうで自己評価をしているシートが下敷きになっているということで、そういった意味では、まず、下敷きになる自己評価の際において、世の中の状況の変化とかも見ながら、評価軸を変えるということになるのか、または何か注釈みたいなものをつけて新たな軸みたいなのを加えていくとか、そういったことというのはしっかり行っていった上で、委員会のほうで評価をいただくのがいいのかなと思っております。
【出光主査】  はい、ありがとうございます。
 ちょっと私のほうからも追加いたしますが、この件、親委員会のほうに私のほうでも説明しておりまして、最初にこれ決めるときに、原子力のほうからはもう少しフレキシビリティーのある評価軸があったほうがいいのではないかという意見申し上げましたが、結論としては今出ているようなアウトプット指標、アウトカム指標にしまして、ただ、追加でよりいいようなものが出た場合にはこの指標に書かれてないようなものは追加でちゃんと言うことができると、そういうような形で説明をいたしまして、そのように受け入れられていると理解しております。
 以上、追加でございました。よろしゅうございますでしょうか。
【五十嵐委員】  ありがとうございます。
 最初の議題での議論にもありましたように、原子力でやはり、根本となる研究と、あとその人材育成を担っているのは文科省だと思いますので、そこへの期待が高まっている中で、これまでの事業をより慎重にきちっと進めていただければと思っています。よろしくお願いいたします。
【出光主査】  はい、ありがとうございます。
 教育ですので、すぐに効果が出てくるというか、その方々が社会に出てどれだけ活躍されるかというそこまで指標が取れればいいんでしょうけれどもなかなかそこまでは難しいので、現在の指標でいきながら、また何か追加のものがあれば追加していくという形でいかがでしょうかということでございます。
 はい、ありがとうございました。
 中島委員からも手が挙がっております。よろしくお願いします。
【中島主査代理】  ありがとうございます。
 今まさに出光主査がおっしゃられたように、人材育成の評価の在り方は非常に難しいなと思っております。やはりたくさん教育して全部こなしましたというので100点取るというのでは駄目で、その教育を受けた人が将来どうなっているかというところは本当は評価として見るべきであって、そこは何かとにかく試行錯誤しながら考えていく必要があると思っております。
 あともう一つ、この人材育成イニシアティブでは、先ほどもありましたけれども、ANECという枠組みをつくって全体としてうまく動くような形で今、私は非常によい動きになっているものと思っております。
 ただこういった個別の事業ごとに評価ではなくて、その全体、イニシアティブ全体としての整合性というか、一つひとつの個別の大学とかを見るんじゃなくて全体としてのイニシアティブ事業がうまくいっているかどうかというような、何かそういった見方の指標もあってもいいのではないかと思いました。
 以上です。
【出光主査】  はい、中島先生、御意見ありがとうございました。
 そうしましたら、八木委員からも手が挙がっております。八木委員、お願いします。
【八木委員】  時間もないのでちょっと手短にと思うんですけれども、1点は、先ほども議論になっていましたけれども、やっぱりこの評価、今お示しいただいているものに対して異議を唱えるものではないんですけれども、ともすると今もうどこもここも評価をし合っている状況が山のように続いていて、今度それ評価のための評価になっているものが非常にたくさんあるので、文科省単体で何かができるものだとは思わないんですけれども、それをよしとするのではなくてちょっと在り方を見直す時期には本当に来ているなというふうに感じているというのがコメントとして1点目です。
 もう一つは人材育成のところでコメントしようと思っていたんですけれども、先ほど中島委員のほうからもお話があったように、やっぱり人材育成は何を施して結果が先々どうなったかまで追わないといけないと思うんですけれども、昔は「難しいね」で済んでいた議論が、今はいろんなデータの利活用の話の中で、まず各大学の中でも学生の履修状況とか到達状況とかそれをその先どうするかということをちゃんと一元化しようということが結構なされつつあるんだと思います、教育分野では。
 そういうことを考えると、これもちょっとすごく大きな話になってしまって恐縮なんですけれども、前から気になっているのが、この原子力の議論をするときは、研究開発局ですかね、局の中で多分いろんなやり取りはされていると思うんですけれども、例えば科政局の中で人材育成をやっている部門があったり、大学の中でいくと大学の教育は基本的に高等局からいろんなものが下りてくるんですけど、文科省の中で縦割りに教育の部分がなっていて、やはりその高等局と研究開発局でちゃんと議論をしていただいて、大学教育の中にも原子力の人材育成をどう盛り込んでいくかという議論を考えないと、多分局内だけでは閉じない話というのがたくさんあり得るというのともったいなさを感じているので、これは先々の議論になってくださって結構なんですけれどもやっぱりちょっと考えていただきたいと思っている点になります。
 もう1点は、ちょっと今日の議論から離れるようなんですけど一言申し上げておきたいことがあってなんですが、人材育成というときに、要る人を育てるというモデルで語られることがあるんですけれども、今研究分野は多様な魅力的な分野があって、特に学生今コロナの影響もあって、場所に縛られない仕事の仕方ということをすごく志向しているので、単純に言うと要はテレワークができるかどうかとか、いろんなところでワーケーション的なものができるのかみたいなことを志向している学生たちがたくさんいるときに、端的に言って原子力の現場はその比較でいくと不利にどうしてもなってしまうんですよね。
 特に原子力発電所の運転員の方々も含めて、今かなり要は外とのコミュニケーションを限られたり行動が制約される状況にあるということを学生たちも知っているので、なので人材育成でするときにそもそも多様な学生に対してこの分野がいかに魅力的であるかということを伝えられないと、いい学生が入ってこないことにはそこで頑張って教育してもそこが大変になるだけなので、そういうふうな、なかなか現実として難しいのは理解しているんですけれども、そういう観点もやっぱり文部科学省としては考えていただきたいなというふうに感じております。
 以上です。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 文科省のほうから何かありますでしょうか。
【新井原子力課長】  はい、ありがとうございます。
 中島委員のほうから、個別でなくて全体としての整合性、人材育成事業をネットワークでやっているのを見られたらよりいいのではないかという御指摘でございました。
 我々としても、そういうふうにするためにどういう支障があるかなということで、今採用しているものにつきましても、3-3の3ポツの(2)とかに書いてあるんですけれども、機関横断的に人材育成事業をしている件数はどうだったかというようなアウトプット指標を置いたり、アウトカムにつきましては事業全体の評価ということで、グッドプラクティスとか全体像を見た上で評価するというふうにしているところですけれども、ここに表れないような、例えばいろんなイベントをしたときのアンケートをANECの事務局のほうでやったりそういったものもありますので、多様なものをちょっと組み合わせていい評価ができるといいかなと思っております。
 それから、八木委員の御指摘については、評価については不断の検討、改善が行われてきているという話をしましたけれども、我々どちらかというと評価部局ではないので、評価疲れとか、より効率的な評価とかそこは試行しているというような状況でありますので、これはちょっと内部のやり取りになる部分もあるかもしれませんけれども、御指摘の点踏まえて対応していきたいなと思います。
 それから人材育成については、実は高等局、科政局、研究開発局、関係している局がまたがっているといったところであります。どちらかというと高等局、科政局は制度とか科学技術人材を全体的に見たときの予算とか生活環境改善などを担当していて、研究開発局、あと一部研究振興局もあるかもしれませんけど、縦のところですね、分野ごとのということで、それぞれ目標が違うので、政策評価体系としてある程度縦割りでやるところの必要性というのはあるのかなとは思っております。だからこそ、この評価のやり方で今試行しているところです。
 ただ、お互い縦割りで知らないということはよくないとは思いますので、どういった制度でどういった評価されているのかとか、そういったものも連絡しながら進めていけるといいかなと思っております。
 最後、人材育成の関係の御意見をいただきました。
 原子力は非常に現場に即したということであるかと思いますけれども、今回の予算要求、それから原子力機構の取組でもDXを取り入れた研究開発ということで、必ずしも場所に縛られないような分野、よりそういったものも入れた研究というところも試行しているところであります。
 それに加えて、実は現場実習とかそういったものをこの人材の事業でやると、学生さんがそれに参加して現場を見られてよかったというような学生さんもいるということで、やはりこの両面ですね、偏らないようにやる必要というのはあるのかなと思っているところです。
 以上です。
【出光主査】  はい、ありがとうございました。
 そうしましたら、時間も押しておりますので、皆様の意見、問題意識を持ちながらこの評価も進めていきたいと思います。ありがとうございました。
 そうしましたら、もうほかございませんようでしたら、その他の議題何かございますでしょうか。特にございませんでしたら、事務局のほうから連絡事項いただきまして終了にしたいと思いますが、よろしくお願いします。
【竹之内課長補佐】  ありがとうございます。
 本日の議事録につきましては、準備が整い次第、委員の皆様にメールにて御案内、御確認をいただきました後、ホームページにて掲載をさせていただきます。
 事務局からは以上でございます。
【出光主査】  では本日、時間超過しまして申し訳ございませんでした。以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
【新井原子力課長】  すいません、出光主査、一言補足させていただきます。今、最後の評価の議題でありますけれども、我々事務局としての理解としては、本日の御議論踏まえて少し整理させていただいて、それを分科会の事務局のほうに提出するという理解でおります。主査のほうにまたそれ御相談をして、提出したいと思いますのでよろしくお願いいたします。
【出光主査】  ありがとうございました。それでは皆様お疲れさまでございました。
 
―― 了 ――

お問合せ先

研究開発局 原子力課

電話番号:03-6734-4160
メールアドレス:genshi@mext.go.jp