資料2-3 総合科学技術会議評価専門調査会ワーキンググループにおける研究開発評価システムの充実に向けた検討項目及び論点について(案)

(※本資料は、評価専門調査会ワーキンググループ資料を基に作成)

検討の基本的スタンス

  • 第4期科学技術基本計画の基本的な方向である、科学技術イノベーション政策の一体的な展開やPDCAサイクルの構築に対応した研究開発評価システムのあり方を検討
  • 「国の研究開発評価に関する大綱的指針」を前提に、どういった点を新たに検討すべきか、課題や見直すべき点があるかといった観点に立って検討
  • 大綱的指針で示された評価対象(研究開発課題、研究者等の業績、研究開発機関等、研究開発施策)のうち、政策体系に直結する研究開発施策及び研究開発課題に焦点をあてて検討

1 .政策体系に対応した体系的・効率的な評価システム

(1)政策体系各階層の整合性のとれた評価指標(評価項目・基準等)の設定

  • 政策―施策―プログラム・制度―研究開発課題といった政策体系の関係(位置付け)を明確化するとともに、各階層間で整合性のとれた評価指標を設定することにより、体系的・効率的な評価システムを構築する必要があるのではないか。

(2)プログラム評価の拡大

  • 政策体系の中で、施策の実施に当たっては、プログラム化を進めることにより、より目標を明確化するとともに、目標達成期限(マイルストーン)を明確に定め、その達成状況を確認することにより、PDCAをきちんと回していく必要があるのではないか。
  • プログラムの設計とそれに基づく事前評価(アセスメント)においては、研究開発テーマについての選択と集中という観点のほかに、多様な研究開発のアプローチも可能となる指標を設定する必要があるのではないか。

2.連続性・一貫性のある評価プロセス(事前評価-中間評価-終了時評価-追跡評価)

(1)事前評価の強化とこれをベースとした一連の評価の実施

  • 技術は一流だが事業化に結びついていないというこれまでの反省を踏まえ、事前評価(アセスメント)の段階から、例えば、普及技術を目指すのか、トップ技術を目指すのかといった目標レベルを明確にするとともに、特に、応用・開発研究については、技術の実用化・普及までを念頭に置いた出口戦略を明確にしておく必要があるのではないか。
  • プログラム等に対応した事前評価(アセスメント)から中間評価(モニタリング)、終了時評価(エバリュエーション)までの一連の評価過程と方法をあらかじめ公表し、それをプログラム等を推進する側、研究開発を実施する側、研究開発成果を受け取る側で共有しておくことが重要ではないか。
  • 事前評価(アセスメント)の段階で、プロジェクトやプログラム・制度における推進主体及び研究開発実施主体間の責任と権限について明確にしておき、これに基づいてその後の評価を実施する必要があるのではないか。また併せて、計画の見直し等軌道修正への対応のためのプロセスや権限についても明確にしておく必要があるのではないか。

(2)評価の質を高め評価を前向きにとらえるための指標の設定

  • 研究開発の性格に応じた評価指標を明確化していくことと併せて、イノベーションの推進という観点から、ハイリスク研究や学際・分野融合研究など新たな領域を開拓する研究を促す評価指標を設定する必要があるのではないか。
  • 研究開発の意義を多角的にとらえるために、研究開発成果以外の、国民に夢を与える、人材育成、アウトリーチ活動など、より多様な評価指標を設定することも必要なのではないか。
  • アウトカムを重視していく必要があるが、これに係る指標を設定することは困難であることから、目標とするアウトカムとそれに向けたマイルストーンやロードマップについての実現可能性や達成状況を確認していくことで対応していく必要があるのではないか。

(3)追跡評価のあり方

  • 出口戦略を検証(達成状況を確認)していく上でも、追跡評価の位置付けなり、役割が今後重要となることから、追跡評価の対象についてどう考えるか、追跡調査の位置付けや追跡評価との役割分担をどう考えるかなどの点について検討する必要があるのではないか。
  • 基礎研究、応用・開発研究など研究のフェーズに対応した追跡評価の実施方法等を検討していく必要があるのではないか。
  • 追跡評価の実施に当たっては、製品化などの研究成果の波及効果や副次的効果を把握する視点だけではなく、なぜそうした効果が発揮できなかったかという技術やコスト等の問題について分析を行う視点も重要ではないか。

3.評価結果を次の行動に生かす仕組み

  • PDCAサイクルの実効性の確保に向け、評価結果の活用方法と活用に当たっての責任主体を明確化し、関係者に周知した上で評価を実施していくシステムを再構築していく必要があるのではないか。その際、例えば、プログラム等の推進主体と研究実施主体の各々が評価結果の活用について自己検証を行い、その結果を関係者間で共有する取組みを行っていくことも必要ではないか。
  • 終了時評価については、評価結果のフィードバックという観点よりも、研究開発成果等のPRに重点が置かれている面があることから、次につなげるための終了前評価を実施する上での課題を含め、終了時評価の意義や評価結果のフィードバック方法等について改めて検討する必要があるのではないか。

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科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(調査・評価担当)

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(調査・評価担当))