資料2-2 第4期科学技術基本計画(抜粋)

5.社会とともに創り進める政策の展開

3.実効性のある科学技術イノベーション政策の推進

(4)科学技術イノベーション政策におけるPDCAサイクルの確立

[1]PDCAサイクルの実効性の確保
 科学技術イノベーション政策を効果的、効率的に推進するためには、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを確立し、政策、施策等の達成目標、実施体制などを明確に設定した上で、その推進を図るとともに、進捗状況について、適時、適切にフォローアップを行い、実績を踏まえた政策等の見直しや資源配分、さらには新たな政策等の企画立案を行う必要がある。このため、国として、PDCAサイクルの実効性のある取組を進める。

<推進方策>

  • 国は、政策、施策、プログラム又は制度、個別研究開発課題という研究開発システムの階層毎に、目的、達成目標、達成時期、実施主体等の可能な限りの明確化を図る。その上で、これらに基づく評価の実施を徹底するとともに、評価結果を政策等の見直しや新たな政策等の企画立案、資源配分の重点化、効率化等に適切に反映する。

[2]研究開発評価システムの改善及び充実
 研究開発の実施段階における評価は、研究開発の質を高め、PDCAサイクルを確立する上で重要な役割を担っている。一方で、研究開発の高度化と複雑化に伴い、評価に求められる視点も多様化し、これも一因となって、評価の重複や過剰な負担の問題が指摘されている。このため、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成20年10月31日内閣総理大臣決定)に沿って研究開発評価システムの一層の改善と充実を図り、優れた研究開発活動の推進や人材養成、効果的、効率的な資金配分、説明責任の強化等への評価結果の活用を促進する。

<推進方策>

  • 国は、研究開発の各階層(政策、施策、プログラム又は制度、研究開発課題)を踏まえた研究開発評価システムの構築も含め、科学技術イノベーションを促進する観点から、研究開発評価システムの在り方について幅広く検討を行い、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」について必要な見直しを行う。
  • 国及び資金配分機関は、ハイリスク研究や新興・融合領域の研究が積極的に評価されるよう、多様な評価基準や項目を設定する。研究開発課題の評価においては、研究開発活動に加えて、人材養成や科学技術コミュニケーション活動等を評価基準や評価項目として設定することを進める。また、それが有効と判断される場合には、世界的なベンチマークの適用や海外で活躍する研究者等の評価者としての登用を促進する。
  • 国及び資金配分機関は、優れた研究開発成果を切れ目無く次につなげていくため、研究開発が終了する前の適切な時期に評価を行う取組を促進する。
  • 国及び資金配分機関は、評価の重複や過剰な負担を避けるため、他の評価結果の活用を通じて、研究開発評価の合理化、効率化を進める。
  • 国は、評価に関する専門的知見や経験を有する人材の養成と確保を進める。国は、大学及び公的研究機関が、業務運営のための情報システムを研究開発評価にも活用できるようにするなど、評価を効果的、効率的に行う事務体制を整備するとともに、これに携わる人材の養成やキャリアパスの確保を進めることを期待する。

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科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(調査・評価担当)

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(調査・評価担当))