ライフサイエンス委員会(第117回)議事録

1.日時

令和7年1月17日(金曜日)16時00分~18時01分

2.場所

WEB会議

3.出席者

委員

宮園主査、畠主査代理、有田委員、大津委員、大曲委員、岡田委員、加藤委員、金倉委員、金田委員、鎌谷委員、上村委員、木下委員、熊ノ郷委員、桜井委員、澤田委員、鹿野委員、杉本委員、鈴木委員、辻委員、豊島委員、西田委員、坂内委員、宮田委員、山本委員

文部科学省

塩見研究振興局長、釜井ライフサイエンス課長、廣瀨ライフサイエンス課課長補佐、西山生命科学専門官、尾西研究振興戦略官付専門官、飯塚参事官(国際戦略担当)付参事官補佐、深澤戦略研究推進室室長補佐、俵医学教育課長

4.議事録

【廣瀨ライフサイエンス課課長補佐】  それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第117回ライフサイエンス委員会を開会いたします。
 本日は、Web会議システムによる開催とさせていただいております。本審議会は、報道関係者と一般の方にも傍聴いただいております。
 本日は、武部委員より御欠席、大曲委員より途中退出の連絡をいただいておりますが、出席委員数が総委員数25名の過半数13名に達しており、定足数を満たしていることを御報告いたします。
 また、議事に先立ちまして、事務局より1点、不手際をおわびいたします。今回、資料の送付が前日になってしまい、さらに、暫定版資料を最終版資料の前にお送りできておらず、審議会に先立って資料をお読みいただく時間が短くなったことに関しまして、深くおわび申し上げます。また、本日昼頃に、次世代がん事業に関しまして修正版をお送りしたかと思いますが、そういった不手際があったことについてもおわび申し上げます。もし、資料の内容に関して疑問等ございましたら、何なりとお問い合わせいただければというふうに思います。
 それでは、続けさせていただきます。会議の円滑な運営のため、ZoomによるWeb会議システムで御参加いただいている皆様にお願いしたいことがございます。委員の先生方、傍聴の皆様におかれましては、表示名は、本名、日本語表記、フルネームとしていただきますよう、お願いします。傍聴の皆様は、表示名冒頭に「傍聴」と御入力ください。傍聴の皆様におかれては、マイクとビデオを常にオフにしてください。委員の先生方におかれましては、回線への負荷軽減のため、通常はマイクとビデオをオフにしていただき、御発言を希望する場合はビデオをオンにしてください。また、発言される際のみマイクをオンにしてくださいますよう、お願いいたします。発言が終わられましたら、両方を再度オフにしてください。そのほか、システムの不備等が発生しましたら、随時お知らせいただきますよう、よろしくお願いいたします。Web会議システムの音声が切れてしまった場合には、事務局より事前にいただいておりますお電話番号に御連絡させていただきます。表示名や音声・映像については、事務局により操作させていただく場合がありますこと、御承知おきください。御不便をおかけすることがあるかもしれませんが、何とぞ御理解いただけますと幸いでございます。
 それでは、以降の進行は宮園主査にお願いいたします。
【宮園主査】  では、以降の進行を宮園が務めさせさせていただきます。
 本日の議事と配付資料について、事務局から確認をお願いいたします。
【廣瀨ライフサイエンス課課長補佐】  事務局でございます。議事次第を御覧ください。ただいま画面にも投影しております。
 本日の議題は、4点ございます。議題(1)では、「ライフサイエンス分野研究開発プラン」の改訂について、御審議をお願いします。文科省として分野ごとのまとまりで実施する推進方策を「分野別研究開発プラン」としてまとめる必要がございまして、ライフサイエンス委員会では「ライフサイエンス分野研究開発プラン」を取りまとめております。当該プランには各研究開発課題の評価実施時期等を記載しておりますが、今回、「医学系研究支援プログラム」の創設等に伴い、所要の変更を行う必要があり、皆様に御審議いただけますと幸いでございます。
 議題(2)は、研究開発課題の中間評価についてです。研究開発課題5件の中間評価をお願いいたします。議事次第に記載しております5事業の中間評価案につきまして、御意見をいただければというふうに思います。
 議題(3)は、令和6年度補正予算に計上された「医学系研究支援プログラム」についてでございます。夏に事前評価を御議論いただきましたが、本日は改めて議論の内容及び今後の予定について御説明し、御議論いただきます。
 議題(4)は、その他としておりますが、ライフサイエンス関係事業の令和6年度補正予算及び令和7年度当初予算案の内容につきまして、事務局より簡単に御説明申し上げます。
 配付資料は、議事次第に記載されているとおりです。委員の皆様には事前にメールにてお送りさせていただいております。資料番号は議事に対応しております。不足等ございましたら、議事の途中でも構いませんので、事務局にお声がけください。
 事務局からの説明は、以上でございます。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、これより議題に入ります。一つ目の議題は、「ライフサイエンス分野研究開発プラン」の改訂についてです。まず、事務局から資料について説明していただきまして、その後、皆様から御意見をいただきたいと思います。
 それでは、事務局より、お願いいたします。
【廣瀨ライフサイエンス課課長補佐】  事務局でございます。「ライフサイエンス分野研究開発プラン」の変更につきまして、御説明いたします。資料は、資料1-1及び1-2でございます。
 今、画面に投影されておりますとおり、プランについて、4点、変更がございます。どれも非常に形式的なものでございますので、簡単に説明させていただけばというふうに思います。
 1点目は、「医学系研究支援プログラム」の創設に伴う記載の整備でございまして、夏に事前評価をいただいた「医学系研究支援プログラム」につきまして、令和6年度補正予算において、3年間の基金の事業として、補正予算として認められております。そちらにつきまして、期間、事業の内容、また、「仮称」が取れたといった変更がございまして、また、中間評価、事後評価の時期に関しましても、記載しております。
 2点目、3点目の修正でございますけれども、「医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業」「革新的先端研究開発支援事業」、こちらは両事業とも終期がなく、中間評価を繰り返していく事業であり、今回、この後、中間評価をしていただきますけども、その中で、その次の中間評価の時期を定めておりますので、次の中間評価の時期、一番右側にある白抜きの「中」でございますが、こちらの時期を記載させいただきました。こちらも形式的な修正でございます。
 また、もう1点修正がございまして、バイオリソース・データベース関係でございます。これまでJSTにおいて実施してきたデータベースに関する事業に関しまして、令和6年度補正予算、令和7年度当初予算案から、一部を文部科学省の補助金事業で実施することになってございます。その関係で、これまでも走ってきたバイオリソースプロジェクトと、データベースのプロジェクトを統合しまして、一体的に一つの事業としてやっていくことになっておりまして、「ライフサイエンス研究基盤整備事業」という、名称としては新しい事業を、今回、創設しております。それに伴いまして、プログラム自体の名称でございますとか、この線表の中身、また、アウトプット指標、アウトカム指標につきまして、所要の修正を行っております。加えて、1ページ目のほうに記載しておりますが、とはいえ、実際にこの事業をJSTの予算ではなくて補助金事業でやっていくというのは、令和6年度補正予算から、まさに今からというところでございますので、今回の中間評価につきましては、ナショナルバイオリソースプロジェクトについてのみ行うこととしております。そういった形で今回プランの変更というものを御審議いただきまして、承認いただきましたら、それに基づく中間評価を行うとともに、今後、研究計画・評価分科会のほうにお諮りして、プランの変更自体を決定していきたいというふうに思っております。
 事務局の説明は、以上でございます。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明ですけれども、御質問やコメントがありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 こちらのほうは、特によろしいでしょうか。「ライフサイエンス分野研究開発プラン」において4点の変更をお願いしたいということですけれども、特に御意見がございませんでしたら、今後、本案につきましては研究計画・評価分科会に諮りまして決定されることとなりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議題(1)につきましては以上で、次の議題に移らせていただきます。
 次の議題は、研究開発課題の中間評価についてです。評価対象は5件でして、課題ごとに、まず事務局から説明していただきまして、その後、委員の皆様から御意見をいただくということで進めていきたいと思います。
 最初に、「生命科学・創薬研究支援基盤事業(BINDS)」の案について、事務局より御説明をお願いいたします。
 なお、上村委員、木下委員におかれましては、この事業の利害関係者に当たられますので、私、宮園の許可を得て事実関係についてお答えいただく場合等を除きまして、審議に関する御発言はお控えいただくようにお願いいたします。
 では、生命科学・創薬研究支援基盤事業(BINDS)の案について、事務局より御説明をお願いいたします。
【西山生命科学専門官】  私、生命科学専門官の西山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、資料2-1を御覧になっていただけますでしょうか。こちらの3ページ目から、御説明させてきいただけたらます。
 本事業は、「分野別研究開発プラン」のライフサイエンス分野の医薬品・医療機器・ヘルスケアプログラムに位置づけられ、「健康・医療戦略」等に基づいて令和4年度から令和8年度の5年事業として実施しておりまして、令和6年度は、当初予算36.3億円、補正予算12.4億円の、合わせて48.8億円で実施されております。
 続いて、資料の6ページ目は、BINDSのポンチ絵、事業概要です。そして、7ページ目は事業参画機関の配置地図、8ページ目、9ページ目は補助事業課題の一覧、10ページ目はユーザー満足度調査の結果というところで、資料のほうをつけております。
 続いて、11ページ目以降の中間評価票に沿って、御説明させていただきます。本事業は、創薬等に資するクライオ電子顕微鏡等の高度研究機器等と、それを扱う研究者・技術者による技術開発・運用がセットとなる共用の高度研究支援技術基盤を整備しまして、研究者に提供する事業となっております。
 そして、12ページ目ですが、九つのプログラムにおきまして全部で56の課題を採択しており、支援実績が開始から2年半の時点で前事業の5年間の実績を既に上回っているということと、あと、AMEDのほうで実施した中間評価、これは13ページ目のほうに書いているものなんですが、全部の56課題を中間評価していただいて、76.8%の43課題が10点満点で7点以上の「優れている」以上の評価を得ていることからも、本事業の進捗状況は順調であると、評価のほうをしているところでございます。
 続いて、(2)以降の各観点の再評価というところで、各観点について御説明させていただきます。
 必要性についてですが、これは13ページ目以降になりますが、こちらのほうについては、本事業による研究支援実施件数は、令和4年8月からBINDS IIは始まっておりますけれど、そこから令和6年9月末までの2年2か月の間で2, 752件と、前事業の5年間の支援実施件数である2,742件を既に上回っていることからも、本事業は、我が国のライフサイエンス・創薬研究環境の構築に貢献しており、必要性は高いと評価しております。いろいろ書いておりますが、時間の都合上、簡単に御説明させていただきます。
 続いて、14ページ目の有効性について御説明しますと、本事業の支援による有効性を測る指標として、特許出願件数や論文発表数について、開始から2年2か月の時点で既に前事業の3年間の実績を上回る成果が出ております。また、新たな指標である講習会等実施回数では、専門性を有する人材の育成に向けて、408回の講習会等を開催しております。さらに、本事業の有効性を測定するために実施したアンケートでは、支援内容について、97%が大変もしくは概ね満足していると回答していることからも、本事業の有効性は高いと評価しています。ちなみに、このアンケートのほうは、先ほど資料で御説明しました10ページ目の部分が、まさにそのアンケートの結果ということになります。
 続きまして、効率性の部分の説明をさせていただきます。15ページ目以降になりますが、本事業では、個別の研究機関・研究者では実施困難な高度な実験・解析に対し、先端研究機器等の利用技術支援が一体となった、効率性の高い支援を綿密なコンサルティングを行った上で実施しております。さらに、創薬シーズの導出や新興感染症発生時に即時対応できる体制として、ワクチン・新規モダリティ研究開発事業などのAMEDのほかの事業とも連携体制をしっかり築いておりまして、まさに2022年のサル痘の流行時には抗原・抗体解析の迅速な支援を実現しておりますので、本事業の効率性は高いと評価をしております。
 そして、17ページ目以降になりますが、事前評価時の指摘事項とその対応状況ということで、事前評価時の指摘事項については、研究基盤のDXの推進や、産学連携、感染症関連研究支援の体制構築、支援によって生じたデータの利活用などに継続して取り組む対応をしているということで、事前にいただいた指摘には十分対応しております。
 続いて、18ページ目の(5)今後の研究開発の方向性になりますが、こちらは、各評価を見ますと、事業の進捗は順調であるということと、必要性、有効性、効率性のいずれも高いということで、「本事業は「継続」すべき」という判断をしております。
 ライフサイエンス委員会の皆様からいただいた指摘を記載することになりますが、案として我々が事業を実施していく中で先生方から伺っております、支援件数の増加、光熱水費・人件費高騰に伴う経費、運営コストの増大に対応する支援費用負担の在り方について検討を進めることや、最新研究動向に対応した先端研究機器の迅速かつ継続的な導入が必須であることを記載しているところでございます。
 本事業についての説明は、以上となります。よろしくお願いいたします。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明内容について、御質問やコメントがありましたら、よろしくお願いいたします。おおむね、全般において非常に成果が上がっているという御発表だったかと思います。いかがでしょうか。何かございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
 私から確認ですが、特許の件数についてのみ、ちょっと目標より遅れているという話がありましたが、これについてもう少し詳しく御説明いただけますでしょうか。
【西山生命科学専門官】  企業の導出のところでしょうか。
【宮園主査】  企業の導出ですね。失礼しました。
【西山生命科学専門官】  こちらのほうは、数字の測り方の問題がありまして、事業を始めてすぐに導出ができるということではありません。これから成果のほうが上がってのいくんですけれど、事業を始めて2年半というところで、導出の実績のほうは、今のところはまだ数字のほうが出ておりません。ただ、こちらのほうは今後増えていくということが今の時点である程度目星がついておりますので、最終的な事後評価のところではある程度の数字が上がってくるということになろうかと思います。
 以上でございます。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、澤田委員、お願いいたします。
【澤田委員】  本当にすばらしい成果で、ありがとうございます。ただ、クライオ電顕は、今、企業なども自社で研究所に導入をどんどん進めようとしている中で、本当に人材に関して皆さんが困っているという状況でございますので、指摘のところにもありますように、実際に分析できる人を今後どのように育成していくかということが非常に重要になってくるという観点から、もう少しそこについての補足の御説明をいただけたらありがたいなというふうに思います。よろしくお願いいたします。
【西山生命科学専門官】  先生、その御指摘は大変重要な御指摘だと思います。我々も、人材育成については、この事業の中でも新たにお金のほうをつけて何とかできないかというふうに考えておりますので、そちらのほうはもうちょっとしっかり書かせていただけたらと思います。
 先生、ありがとうございます。
【澤田委員】  よろしくお願いいたします。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。私があまり発言してはいけませんが、クライオ電子顕微鏡は、AMEDがスタートした当初、日本は周回遅れと言われて、なかなか、機器もありませんし、人材も少なかったんですけれども、AMEDのほうで機器を導入するなど、日本全国、いろんなところに広がったと同時に、研究者の間でもいろいろな形でコミュニティが進んでいると思いますが、今、澤田委員からも御指摘ありました人材の育成ということで、今後も必要となると思いますので、事務局におかれましては、ぜひ、今後もよろしくお願いいたしたいと思います。どうもありがとうございます。
【西山生命科学専門官】  ありがとうございます。
【宮園主査】  ほかに、皆様、御意見等ございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。このライフサイエンス委員会でも、CMM(Curiosity、Methodology、Mission)で、まさに研究基盤の充実が非常に重要であるということで、そういう意味でも、BINDS事業がこれだけ順調に進んでいるということは、日本の生命科学の研究を支援する研究基盤も非常にすばらしいことだと思いますので、もし御意見がございませんでしたら、中間評価の案につきましては、このような形で、今後、本案を研究計画・評価分科会に諮りまして決定されることとなりますが、進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました(※全ての中間評価案の議論の終了後、事務局から発言があり、宮園主査の了解の下、必要な修正を行うこととした。)。
 では、次の課題の中間評価案についてですが、こちらの進行は畠主査代理にお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【畠主査代理】  ありがとうございます。
 次世代がん医療加速化研究事業の中間評価の案について、まず事務局から御説明いただきたいのですが、先ほどおっしゃいましたように、宮園委員、岡田委員におかれましては、この事業の利害関係者に当たりますので、私、畠の許可を得て事実関係についてお答えいただく場合を除いて、審議に関する御発言はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 では、次世代がん医療加速化研究事業の中間評価の案につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【尾西研究振興戦略官付専門官】  ありがとうございます。研究振興戦略官付の尾西でございます。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、次世代がん医療加速化研究事業の中間評価の案について、御説明させていただきます。
 まずそれに先立ちまして、本日になり会議資料の差替えで、先生方に大変御迷惑をおかけいたしました。改めて、お詫び申し上げます。修正箇所につきましては、資料2-2の5ページでございますけれども、予算額・執行額の変遷の令和6年度の調整費のところです。秋の調整費が計上されておりませんでしたので、これを適正に追加しました。大変申し訳ございませんでした。
 改めまして、資料を御説明させていただければと思います。まず最初に、資料の3ページ目になりますけれども、本事業の実施時期といたしましては、令和4年度から令和10年度の7年間の事業となっており、本年度が中間評価の令和6年度でございます。
 本事業の目的は、「次世代がん医療の創生に向けて、出口を意識した国際的にも質の高い研究を支援し、がんの本態解明等の基礎的研究から見出される新たなシーズを企業やAMEDの他事業へ導出する」というものです。
 概要につきましては、6ページのポンチ絵を御覧いただければと思いますが、現状・課題としましては、先生方は御承知かと思いますが、がんは我が国の死亡原因の第1位でございまして、2人に1人が罹患すると推計されていて、依然として我が国の皆様方の生命及び健康にとって重大な問題でございます。そのため、がんの基礎的研究の推進は、多くの成果を創出し、我が国のがん医療の進展に大きく貢献してきました。しかし、依然として有効な診断・治療法が実用化に至っていないがんも少なくございません。また、近年の新たながん治療法の開発におきましては、従来の学問領域に加え、異分野の知識や技術を組み合わせたものも数多くございまして、従来では考えられなかった効果を持つような革新的ながん治療の実用化や、がん医療を一変させるような創薬につながる、アカデミア発の基礎的な発見が相次いでいます。こういったことを踏まえ、本事業の内容としましては、「健康・医療戦略」や、「がん研究10か年戦略」等を踏まえ、希少がん、難治性がん等を含めた創薬シーズの探索や、有望な基礎研究を応用研究以降のフェーズに引き上げ、加速化させるため専門的支援体制の整備・充実を通じまして、企業やAMEDの他事業への確実かつ迅速な成果の導出と、臨床現場を大きく変革するような新たながん治療・診断医薬品の早期社会実装を目指すという形で行っております。
 大きな事業の枠組みとしましては、その下の図を御覧いただければと思いますけれども、探索研究フェーズ、これは2年間でやっているものでございます。こちらにつきましては、有用性の高いがん治療薬や早期診断法の開発につながるシーズを取得することを目的としています。また、その右側にございます応用研究につきましては、3年の期間で、実用化に向けまして、企業導出や非臨床試験など、次のステージに研究開発を進めることを目的としています。各々のフェーズにつきまして、研究領域として5つの領域を設け、研究課題を採択して実施しています。また、戦略的研究というものを新たに導入いたしまして、医療用ラジオアイソトープ研究や、革新的基礎研究などを設置しています。これらの研究課題を下支えするものとしまして専門的支援体制というものを設けておりまして、こちらはがん研究会を中心に行っており、技術的支援、創薬コンサルテーション、検体の提供、臨床とのマッチング等を行っているというのが、この事業の全体像でございます。
 こういう形で実施しているところ、その次のページに、PS・POの先生方の一覧を示しておりますが、宮園先生におかれましては本事業のPSをお務めいただいており、本日は利害関係者ということで御発言は難しい承知しておりますところ。また、領域ごとにPOの先生方を配置させていただきまして、専門の先生方に見ていただけるというような体制でございます。
 その次は、各課題を評価するに当たっての評価実施体制という形で、数多くの先生方に御参画・ご評価いただいています。
 その次、11ページ以降になりますけれども、研究課題一覧というところで多くの採択課題が掲載されており、この進捗については、後ほど中間評価票のところで御説明させてきいただければます。
 中間評価票に移ります。こちらは18ページ以降のところですが、時間の関係もありますので、評価結果のほうから御説明させていただきます。進捗状況につきましては、先ほど申し上げましたように数多くの課題を採択させていただきましたが、一方で応募数に対する採択数というのは依然と少ない状況でございます。採択率につきましては平均19%にとどまっていて、落ちてしまった次点の課題におきましても評価点が7点台の課題も多くあることから、本事業が目指している研究の質の高さというところがうかがえるのではないかと考えております。また、次世代の研究者の育成を目的にしました次世代PI育成枠の公募を実施しておりまして、積極的に育成支援も実施しています。さらに、令和5年度からは、先ほどポンチ絵のほうで御説明しましたけれども、戦略的研究枠を設定いたしまして、領域横断的な新たな研究テーマを公募することで先端的な科学技術の活用や異分野融合を積極的に支援・推進しています。本事業は、革新的ながん医療の実用化を目指す起点となるものと考えておりまして、シーズ探索等につながる基礎的研究としての領域を拡大していくことも重要であると考えております。こういった中で、継続的な革新的基礎研究枠での支援により、アンメットメディカルニーズに資する有望な革新的シーズの発掘が期待されているというふうに考えているところでございます。
 以上が進捗状況でございまして、具体的に数値目標として設定しているところが最後のパラグラフになりますが、5つの研究領域で設定しました3年度目終了時までの中間目標値として計21件の非臨床POCの取得を掲げていますが、これを令和5年度、つまり2年度目までに、既に目標値を達成していまして、順調に事業は展開されていると考えております。また、事業最終年度までの全体目標に設定している、21件の企業導出や、AMEDの他事業への導出というところに関しましては既に達成しており、本事業を通じた研究開発のさらなる充実と発展が期待できると考えています。
 その次につきましては、事前評価で御審議いただきました各観点の再評価という形で、必要性、有効性、効率性の3つの観点から、簡単に御説明させてきいただければます。
 必要性につきましては、評価項目として、科学的・技術意義、社会的・経済的意義、国費を用いた研究開発の意義というところを挙げておりまして、がん対策基本法に基づき、がん対策を総合的・計画的に推進するため、「がん対策推進基本計画」が閣議決定されております。同計画に基づき「がん研究10か年戦略」が策定しており、この中で、「今後も有望なシーズを見出し、着実に育て、実用化まで切れ目のない支援をしていくべき」と、必要性が指摘されています。また、「健康・医療戦略」や「医療分野研究開発推進計画」におきましても統合プロジェクトが設定されていいますが、その中の「医薬品プロジェクト」におきまして、本事業はがん研究の初期フェーズに位置づけられており、アカデミア等の有望なシーズを画期的な治療法や診断法の実用化への導出に貢献をしてきしたでございます。特に、がんの生物学的本態解明に迫る研究開発や、患者のがんゲノム情報等の臨床データを用いた研究開発等の基礎的な研究に立脚した創薬シーズの導出において重要な役割を果たしていることから、必要不可欠であると考えています。以上より、本事業の必要性は高いと考えております。
 次に、有効性につきましては、評価項目として、新しい知の導出でや、研究開発の質の向上への貢献、実用化・事業化や社会実装に至る全段階を通じた取組、人材養成となっております。本事業の実績といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、既に中間目標値や最終目標値を達成していることから、高く評価できると考えております。これらの研究シーズの技術的育成支援に関しましては研究推進サポート機関が多くを担っていますけれども、新たなモダリティの支援への対応を求められている中で、研究推進サポート機関は、各研究課題に対する必要な支援のみならず、研究課題の創薬の方向性を吟味・検討する重要な機能も有していると考えており、これは本事業の大きな特長であると思っており、高く評価できると考えております。また、若手育成に対する有効性の観点につきましても、本事業は事業開始年度から若手の研究者を対象とした次世代PI育成枠の公募を毎年度実施しており、PS・POの先生方、研究開発代表者、技術支援ユニットのマッチング会議の場は特に若手研究者の先生方におかれては創薬を考える上での非常に貴重なディスカッションの機会となっていると考えております。以上より、本事業の有効性も高いと評価できると考えます。
 最後に、効率性につきましては、評価項目として、計画・実施体制の妥当性、目標・達成管理の向上方策の妥当性、研究開発の手段・アプローチの妥当性となっております。本事業につきましては、標的探索研究から応用研究まで一貫した支援を実施することにより、研究成果をより円滑に実用化に結びつけるとともに、標的探索研究から応用研究に進む際には、創薬標的としての妥当性について、専門家の先生方の参画の下に適切に目利き・見極めということを行いまして、次のステップに進むべきシーズを絞り込むことで、効果的な研究推進が図られていると評価できます。また、がん研究の専門家からなる11名のPS・POの先生の方によって運営されていて、研究開発の進捗状況につきましては研究推進サポート機関が運営しております研究進捗管理システムを用いてリアルタイムに把握できるという形で、効率的な研究推進を図っています。このような中で、専門的な技術支援の是非につきましては、先ほど御説明しました技術支援のためのマッチング会議を開催しており、効率的な支援ができると判断しており、効果的かつ効率的な成果創出ができていると評価できると考えております。以上の観点から、本事業の効率性も高いと評価できると考えております。
 最後に、まとめになりますけれども、今後の研究開発の方向性につきましては、本事業は、先ほど御説明しましたとおり、必要性、有効性、効率性の観点のいずれも高く評価できると考えており、特に有効性の観点につきましては、成果目標を既に達成している観点からも特に高く評価できると考えていることから、本事業は継続すべきと考えています。
 一方で、本事業をさらによりよく運営していくための課題といたしまして指摘事項を2点ほど書かせていただいておりますけれども、1点目に関しましては、新規採択応用研究フェーズの研究期間の延長というものです。現在、応用研究につきましては2年間の研究期間となっていますけれども、人材確保・育成を含めた国際競争力強化の観点では、研究期間を短く区切ってしまうと研究規模が小さくなって思い切った研究できないという御指摘もあることから、標的探索研究フェーズからステージアップ審査を経て採択されたものを除く、新規で採択された応用研究につきましては、研究期間を3年間とすることを検討すべきと書かせていただいておりございます。
 2点目につきましては、事業間連携の推進ということでして、本事業で支援する応用研究はアカデミアシーズであることから、その出口となる成果として非臨床POCの取得ということを掲げておりますけれども、一方で、その後継事業であります革新がん事業としては企業での創薬開発基準を入口としておりますため、どうしてもそこに生じるギャップがございます。これを解消するための取組を行うことによって、創薬開発をより潤滑化できる可能性があると考えています。これを実現するために、本事業と革新がん事業とが連携した新たながん研究のテーマや、具体的なアクションプランを検討すべきと書かせていただいております。以上の2点を指摘事項として挙げさせていただいておりございます。
 簡単でございますが、御説明は以上でなります。先生方の御審議を、どうぞよろしくお願いします。
【畠主査代理】  御説明、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明内容につきまして、御質問、コメントがありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 本事業、先ほども御説明ありましたように、採択時で評価が7点でも次点になってしまうという、研究のニーズ、それから、実際の技術シーズ等々、大変重要なポイントかというふうに思っております。いかがでしょう。
 熊ノ郷委員、お願いします。
【熊ノ郷委員】  先ほど御指摘あったように、採択率が低いというところは、本当に重要な領域ですので、できるだけ採択率を。本当に有望なシーズがそろっていると思うので、その辺り、継続してやっていただけたらいいなというふうに思っております。
 それと、令和6年度から始まった戦略的な研究枠、革新的基礎研究の公募枠が設定されて、見させていただきますと、非常に期待できる有望な方々が入っておられるので、ぜひ継続して、この枠の拡充も考えながらやっていただけたらと思います。
 以上です。
【畠主査代理】  ありがとうございました。
 そうしましたら、木下委員、お願いできますか。
【木下委員】  大変順調に進捗しているというふうに思いましたし、すばらしい事業ですし、今後も頑張っていただければなと思います。
 採択率が19%ということで、シニアの先生にはそれでもコンペティティブでいいのかなと思うんですけど、若手も19%だったりするんですかねというのがちょっと気になりました。というのは、若手の場合は、いろんな方を採って、その中から大化けするのがあってもいいのかなあと思うので、ある程度、採択率が高いほうがいろんなバラエティーが採れていいのかなあと思うので、その辺、範囲では書いてなかったようですので、もし若手の採択率が低いようであれば、何か対応を考えていただければなあというふうに思いました。
 以上です。
【畠主査代理】  ありがとうございます。
 事務局、いかがですか。若手も採択率は19%というところになるという理解でよかったんでしたっけ?
【尾西研究振興戦略官付専門官】  事務局でございます。先生、御質問ありがとうございます。これに関しましては、全ての平均が19%ですので、特に若手に関しては次世代PI育成枠を専用に設けておりまして、その中で課題を採択するという形になっています。年度にややよりましてばらつきはありますが、先生の御指摘を踏まえ、なるべく多く採択できるような形で運営できればとの御意見として、承知いたしました。
【畠主査代理】  木下委員、ありがとうございます。そういうことを念頭に置いて今後運営していってほしいということを何らかの形で反映できればと……。
【木下委員】  ありがとうございます。
【畠主査代理】  山本委員、いかがですか。
【山本委員】  ありがとうございます。この事業自体は、非常によい進捗で、すばらしい成果が上げられていると思います。特に次世代PI育成枠というのに興味があったんですけど、これ、がんだけじゃなくて、ほかの領域でもこういうのを展開していただけると。これだと、がん領域だけPIが育ってしまうという感じになるので、そこはまた、文科省の方々、考えていただけるといいかなと思いました。ちょっとコメントだけです。
【畠主査代理】  ありがとうございます。この次世代PIは大変重要だと思いますので、いろんな形で展開できるように、また、この経験を踏まえて広げるような報告ができればと。ありがとうございます。
 鈴木委員、お願いできますか。
【鈴木委員】  大変重要な事業だというふうに思っております。特に難治性がん・希少がん、この辺りというのは引き続き力を入れていくという理解でよろしいでしょうか。
 もう一つは、最近、AI創薬というのが注目されていますけれども、そこも今後カバーしていくという理解でよろしいでしょうか。
【畠主査代理】  これ、事務局のほうに伺っていいですか。
【尾西研究振興戦略官付専門官】  はい。事務局から、お答えさせていただきます。
 鈴木先生、2点の御質問、ありがとうございます。まず、1点目の難治性がん・希少がんの方につきましては、最初の事業の目標に書かれておりございましたとおり、本事業の肝であると考えておりますので、この部分に関しましても引き続き取り組んでまいりたいと考えています。
 また、2点目の、AI等とか、そういったものを活用した創薬という点ところでございますけれども、こちらのほうにつきましても、まさに令和6年度から設けました戦略的推進枠のところで、6ページのポンチ絵のほうとかも見ていただくと分かりやすいかと思いますが、御説明をはしょってしまって恐縮なんですけれども、免疫学や遺伝子工学、核医学、データサイエンス学(AI等)などの様々な分野の先端技術を融合させることを目的として、革新的基礎研究というところを設けてございます。これにつきましては、まだ始まったばかりでございますけれども、先ほど先生からも御指摘ありましたとおり、しっかり拡充していきたいというふうに考えておりますので、その部分に関しましては、今後、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。ありがとうございます。
【鈴木委員】  ありがとうございます。
【畠主査代理】  ありがとうございました。
 大津委員、お願いできますか。
【大津委員】  ありがとうございます。この事業自体の有効性は、今御指摘の部分も含めて、全く異論はございません。非常に全体のレベルが上がってきていて、実用化というのが見えている状況になっているかと思います。
 2点、お願いがありまして、1点目は、新規バイオ、特に新しいバイオの医薬品のモダリティというのが急速にがんの領域は進んできていまして、そういう中で戦略的な研究ということでRIの部分が新しくスタートしたのは本当に評価できることだと思っておりますが、それ以外に関しても、今、中分子創薬、それから、二重鎖抗体はじめ多数の新しい開発プラットフォームというのが企業も含めて国全体で徐々にという格好でできてはいると思いますので、この次世代がんの戦略、事業の支援機関として非常に精力的に活動されてアカデミアのトップセンターとの連携を深めておりますけれども、さらにバイオ等の新しいネットワークというのを構築されることを期待しております。それが1点目。
 それから、もう1点に関しては、指摘事項にも挙げられていますけれども、次世代がんと革新がんの事業間連携モデルとしていち早く構築することというのがAMED全体でも挙がっていたかと思いますが、革新がんの場合、どうしても企業目線での入り口になっていまして、今、次世代がんの出口のほうとの連携、そこの基準の目線合わせということがこれからスタートするところになるかと思いますけれども、ぜひ、こういった事業間連携を進めることによって、シーズ自体が迅速に、がんの領域はいろんなシーズの開発が世界レベルで急速に進んでいますので、それに負けないような競争力を持って進むことを期待しております。どうぞよろしくお願いいたします。
【畠主査代理】  大津委員、ありがとうございました。
 そうしましたら、時間も限られておりますので、これで一旦、次世代がん医療加速化研究事業の中間評価の案につきまして、今いただいた御意見、必要な文言の調整を行った上で、今後、本案を研究計画・評価分科会に諮り、決定したいと思います。よろしゅうございますか。
 よろしいですね。ありがとうございました。
 それでは、次の課題の中間評価につきましての進行は、宮園主査にお返しいたします。お願いいたします。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業の案につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【飯塚参事官(国際戦略担当)付参事官補佐】  事務局より、医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業について、御説明させていただきます。事務局、科政局国際参事官付の飯塚と言います。よろしくお願いいたします。
 お手元、資料2-3を御覧ください。まず、3ページ目から、簡単に本事業の概要を御説明させていただきます。本事業につきましては、医療分野における国際共同研究を戦略的に推進し、イノベーション創出や科学技術外交の強化を目的とする事業として、実施してきております。本事業、大きくは5つのプログラムから構成されておりまして、具体的には、政府開発援助(ODA)と連携いたしまして、感染症分野などの課題解決を目指すSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)と、相手国とのイコールパートナーシップに基づいて国際共同研究を実施いたします。SICORP(戦略的国際共同研究プログラム)と、3点目は、NTDs(アフリカにおける顧みられない熱帯病)の対策に着目した国際共同研究、4点目は、若手研究者を対象にして国際的・学際的チームの形成を支援・指導する、Interstellar Initiative、5点目は先端分野において欧米等先進国との国際共同研究を通じた国際頭脳循環を促進するASPIREプログラム、この5つに大きく分かれているところです。こういった様々な枠組みで、相手国のニーズも踏まえつつ、戦略的な国際連携を進めているところでございます。この後、7ページから9ページにこの事業の主な進捗を掲載させていただいておりますが、今回、時間の関係で省略させていただきます。
 続きまして、評価結果について、観点別に御説明させていただければと思います。
 10ページ目を御覧ください。必要性につきましては、こちらにありますとおり、科学的・技術的意義などを含めた、4項目から今回評価させていただいております。ポイントだけ簡単に御説明させていただきますが、必要性の観点としては、先進国やグローバルサウス諸国等の政策上重要な国々と連携し、持続可能な発展や国際的な信頼関係の構築に、本事業を通じて貢献していると。また、外交的な側面だけではなく、過去3年間で科学誌に約100件の論文を掲載するなど、科学的な成果も一応着実に上げているというふうに、我々としては考えております。また、前回の中間評価(令和2年)以降、新たな取組といたしまして、我が国が抱える課題等も踏まえて、大型の国際共同研究を通じた頭脳循環を促進するASPIR事業を新規に取り組んでいるところです。こうした点から、本事業の必要性は、我々としては高いというふうに考えさせていただき、そのような形で評価書の必要性のところをまとめさせていただいております。
 続きまして、12ページの有効性について、御説明させていただきます。有効性については、研究開発の質の向上への貢献や科学技術外交における貢献など、3項目より評価いたしました。ここもポイントを説明させていただきますと、SATREPS採択課題におけるエボラ出血熱の迅速診断キットの使用許可を取得したことをはじめ、相手国の課題解決に資する成果を創出し、実用化に結びつける例が幾つか出てきておりまして、そういった観点からも本事業の有効性は高いというふうに評価させていただいております。
 続きまして、効率性の観点ですが、最後に13ページ目を御覧ください。効率性については、計画・実施体制の妥当性など、2項目より評価いたしました。本事業では、他のAMEDの事業と一緒なんですけれども、PS・POによる適切なプロジェクトマネジメントが実施されていると。加えて、調整費を活用して研究開発の前倒しや研究内容の充実も図ってきているので、そういった観点からも事業の効率性は高いというふうに評価しているところです。
 評価の観点に関しては、以上です。
 続きまして、前回の中間評価結果時の指摘事項とその対応状況について、簡単に御説明させていただきます。14ページ目、15ページ目を御覧ください。
 14ページ目、前回は令和2年度に中間評価を実施しているんですけども、その際には、3点、御指摘をいただいているところです。1点目は、国際共同研究をしっかり強化すべきだと。我が国が世界の研究ネットワークの主要な一角に位置づけられるよう、しっかり国際共同研究プログラムを拡充していく必要があるだろうといったような御指摘を当時受けておりました。こういった御指摘を受けまして、我々としては令和4年度補正予算によってASPIRE事業を創設しているところです。これに関しては、令和4年度に立ち上げたところで、成果というのは今後出てくるものかと思いますが、しっかり着実に推進していければというふうに考えているところです。
 2点目の指摘としては、特にODAと連携した事業のSATREPSに関する指摘を受けているんですが、社会実装をする上でステークホルダーとの間にギャップが存在するとか、しっかりとした出口につなげる取組を強化していく必要があるといったような指摘を受けております。この点に関しては、ワークショップを開催して多様なステークホルダーをつなげていく取組をするなど、事業内で工夫をしているところです。そういったこともあって、今回、実用化まで結びついた迅速診断キットの例ですけれども、そういった例も出てきているというふうに考えているところです。
 そして、3点目として、Interstellar Initiativeに対しても、個別の指摘を受けていたところです。こちらに関しては、これは単年度の支援ということもあって、構築した研究ネットワークを継続的に支援していく必要があると、そういった指摘を受けていたところです。これも踏まえまして、Interstellar Initiativeの参加者を対象として、研究者のネットワークの強化だったり、研究構想の完成度を高めたりというような、後継の事業も令和4年度から開始しているところです。
 最後に、今後の研究開発の方向性を御説明させていただきます。本事業としては、医療分野における政策上重要な国との国際共同研究を戦略的に推進し、地球規模課題への対応や科学技術外交に貢献していく上で重要な事業であると。また、運営体制の整備など、円滑な事業運営が認められるというふうに我々としては考えていることから、最終的に継続する方向でまとめさせていただいているところです。
 また、指摘事項としては、ASPIREにおいて、国際頭脳循環の推進と長期的な連携ネットワークの構築に向け、評価の在り方を検討する必要がある旨を指摘案としてまとめさせていただいております。ASPIREに関しては、国際頭脳循環、人的交流に着目した事業で、割と普通の研究開発事業とは異なる事業ということもありますので、こういった評価体制というのをしっかり事業としてつくっていく必要があるだろうというふうに考えておりまして、最後、こういった指摘というのを考えさせていただいております。
 事務局からの説明は、以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 令和2年度の中間評価の際の指摘に対応いたしましてASPIREがスタートしたということで、ASPIREの評価については、これからまた検討する必要があるということであります。そのほかはおおむね順調に進んでいるのではないかと思いますが、委員の先生方から、御意見、御質問等ありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 大曲委員、お願いいたします。
【大曲委員】  宮園先生、ありがとうございます。国際医療研究センターの大曲です。成果を聞かせていただきまして、ありがとうございました。
 ちょっと一般的なコメントになってしまうのですが、所感を申し上げますと、非常に大事な事業ばかりだと思います。特に、SATREPSの話を伺っていて、非常にいい成果が出ていると思いました。私の身近にも以前主宰されている先生方がいらっしゃいましたし、先方の課題に応えるような技術的な知見もしっかり得られて、非常に大事だと思っています。ただ、そこで思ったのは、そこでよく見えてくるのは、例えば、その地域なり国における感染症の課題等がよりはっきりはっきり見えてくるというところがあるわけなんですが、そこで止まってしまうのが非常に多いなと思って見ておりました。例えば、コレラの問題を例として取り上げると、国としても長期的に対策を打っていかなければ現実的には問題は解決していかないわけなんですけども、そこになかなかつながっていかないというところがあると思って見ています。これは研究者だけではなかなかできないところなんですね。ですので、実際、ここに書かれているところなんですけども、ODA等での事業につなげていく。例えば、JICAで国のキャパシティービルディングを行うような事業をザンビアでも展開されていますよね。ちょっと外務省の話にもなってきますけれども、そういったところに見つかった課題をしっかりとつないでいただいて、長期的に対相手国のキャパシティービルディングにつながるような対策につながっていくというところがあるといいと思いましたし、むしろそこは、ザンビアの方、昨日も来られたので話をしておりましたが、望まれているところだと思いました。
 もうちょっと言いますと、これも非常に漠然な言い方になると思うんですが、研究成果が出て課題が明らかになったところで、例えば、自分の国の中でもうちょっと研究開発を進めていきたいという話も出てきます。そうすると、困るのはパートナー探しだということを非常におっしゃっていました。それは民間企業も含めてなんですね。ですので、そこにつなげられるように、ぼんやりとした言い方で大変申し訳ないんですが、少なくとも先方にニーズがあるところに関してはフィードバックをしておきたいですし、こうした非常に重要な事業でできた成果がそういったほうにつながっていくといいと思っております。
 以上でございます。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 事務局から、今の大曲委員からの御発言に何かありますでしょうか。
【飯塚参事官(国際戦略担当)付参事官補佐】  御指摘、我々も常々考えている課題で、ごもっともなので、今後、事業等の運営の中で、あるいは、本件もODAと連携してなので、外務省、JICAと連携している事業なので、何らかできないかというのは、考えさせていただければと思います。ありがとうございました。
【宮園主査】  ありがとうございます。
 ほかに、御意見、御質問、ございますでしょうか。
 ほかはよろしいでしょうか。
 それでは、特にございませんでしたら、医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業の中間評価の案につきましては、今後、本案を研究計画・評価分科会に諮りまして、決定されることとなります。どうぞよろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
【飯塚参事官(国際戦略担当)付参事官補佐】  ありがとうございました。
【宮園主査】  それでは、続きまして、革新的先端研究開発支援事業の案につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
 なお、有田委員、岡田委員、鎌谷議員、上村委員、木下委員、熊ノ郷委員、鹿野委員、鈴木委員、武部委員、西田委員、坂内委員におかれましては、この事業の利害関係者に当たられますので、私の許可を得て事実関係についてお答えいただく場合等を除きまして、審議に関する御発言はお控えいただきますよう、お願いいたします。
 では、事務局より御説明をお願いいたします。
【深澤戦略研究推進室室長補佐】  戦略研究推進室の深澤と申します。どうぞよろしくお願いします。
 資料2-4の5ページ目を御覧ください。最初に、革新的先端研究開発支援事業に関しまして、概略について説明させていただければと思います。本事業は、国が定めた研究開発目標の下、組織の枠を超えた時限的な研究体制を構築して、革新的な医薬品や医療機器、医療技術等につながる、画期的なシーズの創出・育成を目指すものでございます。一つの研究開発目標に対して研究領域を設定いたしまして、PS、PO、アドバイザーが一体となって研究開発をサポートいたしまして、ユニットタイプのCREST、ソロタイプのPRIMEといったプログラムを行っています。これらCRESTとPRIMEから得られた成果を展開するFORCE、また、企業導出を目指すLEAPというプログラムがございます。
 6ページ目から8ページ目に関しましては以上の四つのメニューに関する説明になりますけれども、全体といたしましては、CRESTとPRIMEに関しましては、一つの研究領域で研究開発目標の達成を目指しまして、そこから得られた成果に関しまして、FORCEであるとかLEAPといったものに関して展開して、社会実装、企業導出を目指すというような流れになっております。
 続いて、9ページ目でございますけれども、こちらは研究開発領域の近年の一覧になります。おおむね1年に1領域設定して、研究開発を行っているところでございます。
 続いて、10ページ目、11ページ目は、LEAP、FORCEの近年の採択課題になっております。
 続いて、12ページ目、13ページ目は本事業における研究成果の事例でございますけれども、例えば、13ページ目の下にあります名古屋大学の阿部先生の事例でございますが、こちらはLEAP発の成果といたしまして、免疫刺激性の低いmRNAのワクチンの製造技術に関して、2022年にベンチャー企業を設立して、社会実装を目指しているところになっております。
 続いて、14ページに関しましては、施策の成果でございます。まず、1つ目は論文の成果がございます。本事業は日本全体の競争的研究費総額の1%程度を頂いて実行しているものでございますけれども、『Cell』『Nature』『Science』といった論文に投稿された国内論文のうち、4%程度は本事業によるものということで、投稿論文においても高いインパクトを出しているものでございます。
 また、応用研究フェーズ・企業への成果展開という観点でございますけれども、令和元年から令和4年度の間に140件の特許登録を行っていまして、また、ほかのプロジェクト、企業導出に関しましても、45件という実績がございます。
 ここからは、中間評価票の中身について、説明させていただければと思います。16ページの評価結果、課題の進捗状況について、説明させていただければと思います。事業の概要、運営体制に関しましては、先ほど説明のとおりでございます。進捗状況に関しましては、本事業では平成26年度から現在までに20研究開発領域を設けて研究開発を推進しておりますけれども、現在までにこれら四つのメニューにおきまして569課題を支援しているところでございます。また、成果におきましても、インパクトの高い雑誌に令和元年から令和4年度の間に1,050報掲載される等、実績を残しているところでございます。また、企業への導出件数や特許登録に関しましては、先ほど説明したとおりでございます。
 ここからは、各観点の再評価ということで、三つの観点で本事業の評価をいただくことになります。まず、一つ目が必要性ということで、こちらは、国費を用いる必要性、社会的・経済的要請の適合性に関するものでございます。本事業は、学術研究から生まれた優れた成果をベースに、将来の医療・創薬のありようを変えるような革新的なシーズを創出することを目的とした事業であります。このような学術研究から生まれた成果を医療や創薬につなげるような研究は、市場原理に委ねるのみでは十分に取り込まれないことからも、国が取り組むべき必要性は高いと考えております。加えまして、本事業は、国が毎年定めます研究開発目標の下で、その時々の社会的・経済的な要請を踏まえて、柔軟的・機動的にライフサイエンス分野の研究開発を戦略的に行う、非常にユニークなものになっております。こういった観点からも、必要性は高いと考えております。
 最後に、近年、分野横断、分野融合といった観点が非常に重要だということがいろいろなところで示されておりますけれども、研究開発目標により分野融合を促進するというのは本事業の非常に大事な役割でございますので、こういった観点からも必要性は高いと考えている次第でございます。
 続いて、有効性に関しましてですけれども、こちらは、科学的・学術的な価値の創出、社会的・経済的な価値の創出への貢献という観点でございます。論文等へのインパクトという話に関しては先ほど申し上げたとおりでございますけれども、具体例に関しましても、本事業の複数の領域において、将来のがんに関する医療や創薬に革新をもたらし得るような、優れた成果を輩出しているところでございます。また、本事業のLEAPからは、ほかの事業につながるような成果が出ているとともに、ワクチンに関するバイオベンチャーが設立されるなど、社会実装に向けたインパクトも十分残しているものと考えまして、こういった観点からも有効性が高いものと評価されると考えています。
 最後の評価として、効率性がございます。こちらは、事業の制度設計や運営体制の効率性・妥当性に関するものでございます。本事業は、文科省が定める研究開発目標の下で研究開発領域を設定して、その中で、PS、PO、アドバイザーが一体となって、それぞれの研究開発をサポートいただいています。それによって先端的な研究開発を推進しているものでございます。こういった制度設計に加えまして、近年、令和3年度、4年度に関しましては、AMEDとJST共通の研究開発目標を設定いたしまして、その中で連携領域を立ち上げて、組織・分野の枠を超えてそれぞれ一体的な領域体制を構築した上で、医工連携であるとか、異分野融合に取り組んでいる次第でございます。これらCRESTとPRIME以外にも、FORCE、LEAPといった事業に関しましては、それぞれの事業の特色に応じた成果が出ていることから、こういった観点でも効率性は非常に高いと考えております。
 (4)を御覧ください。こちらは、前回の中間評価時の留意事項として、JSTの戦略的創造研究推進事業に関しまして、その充実・強化の提言が示されて、その上で、本事業、革新的先端研究開発支援事業におきましても、その特性に応じて事業運営の改善を行うべきであるというようなことを留意事項として示されたところでございます。これに関しまして、この事業といたしましては、先ほどの説明にありましたように、例えば、異分野融合を促すような研究開発目標の設定であるとか、研究開発の進捗に応じて機動的で柔軟な資金配分をPSによって行うであるとか、AMEDとJSTのファンディングエージェンシーを超えたところで連携領域を設定する等、事業運営の改善に向けて適時・適切に工夫を続けていると思っておりまして、今後も引き続き充実・強化に向けて取り組んでいく次第でございます。
 最後、(5)の部分でございますけれども、今まで説明させていただいたとおり、必要性、有効性、効率性、いずれも高いものと考えておりまして、今後も研究の成果を多数輩出することが見込まれることからも、本事業は継続して実施させていただければと考えている次第でございます。
 以上で、事務局からの説明を終わります。ありがとうございます。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 ただいま事務局から御説明いただきましたけれども、ただいまの説明内容について、質問とコメントがありましたら、お願いいたします。
 加藤委員、お願いいたします。
【加藤委員】  加藤です。コメントが三つあるので、申し上げます。
 一つ目ですけれども、FORCEとLEAPというのはCRESTのような大きな研究費を獲得した研究者だけが申請できるというもので、研究者の貧富の差を拡大するものになりかねないんじゃないかと。昨年、研究者コミュニティから科研費増額の要望書が出ましたけれども、その中でも過度の選択と集中が学術をゆがめている可能性ということが指摘されていると思います。CRESTの成果を基にヒトサンプルで研究を進めるというのがFORCEのコンセプトで、それ自体は非常に意義があると思うんですけれども、CRESTであろうが、科研費であろうが、どういうシーズであっても同じ土俵でAMEDの研究費で勝負すればいいので、CREST研究者だけにシード権を与えるような研究費というのは、公平性という点で少し疑問があるというふうに思いました。
 二つ目ですけれども、事業評価の中で『Nature』『Science』『Cell』といった雑誌への掲載論文数ということが評価として挙げられていたのですが、これはぜひやめていただきたいというふうに思います。研究評価に関するサンフランシスコ宣言でDORA(Declaration of Research Assessment)というのがありますけれども、これには例えばJSTも署名しているわけですが、DORAの中では、研究評価というのは発表される雑誌をベースにするのではなくて、研究自体の価値に基づいて行うべきであるというふうに明記されておりまして、助成機関も雑誌をベースにした評価というのはやめるべきだというふうにDORAの中でも指摘されておりますので、こういう公的な文書にこういう記載が残るのは少々恥ずかしいことではないかというふうに思います。
 三つ目なんですけれども、先ほど申し上げた科研費増額の要望書の中でもトップダウンの研究費とボトムアップの研究費のバランスを取るというようなことが明記されているのですが、CRESTというのは、トップダウンとボトムアップの中間的な、昔、戦略的基礎研究と呼ばれたものかと思うんですけれども、その位置づけ自体を含めた評価というのが必要なんじゃないかなというふうに感じています。現在のCRESTというのは、CRDSが戦略目標を定めて(※実際にはCRDSの戦略プロポーザル等を活用しつつ、文部科学省が戦略目標を決定) 、その領域の研究を推進しているということなんだと思うんですけれども、この戦略目標の決め方とか、実際に決まった戦略目標が、振り返ってそれでよかったのかと、こういった観点を含めて評価しないと、CRESTなどの評価というのはできないんじゃないかと。先ほどの要望書の中でも、戦略目標を定めて、それに関して公募を行うと言っている間に、もう既にその研究は遅れてしまっているんじゃないかというようなことが指摘されております。先ほど言いました『Nature』『Science』『Cell』の論文が多いというアウトカムですけれども、これは既に流行が始まっている研究に投資して流行の振幅を大きくしたというような結果になってしまっている可能性もあるんじゃないかというふうに感じます。アメリカなんかもそういう流行に乗るというような傾向が非常にあると思うんですけれども、アメリカと同じ戦略を取っても勝てないと思いますので、日本というのは、地道な研究を長く続けることで成果に至るような、息の長い研究を支援するというようなことのほうが重要なのではないかというふうに、個人的には思います。
 以上です。
【宮園主査】  事務局から、ただいまの御意見に対してコメントございましたら、よろしくお願いいたします。
【深澤戦略研究推進室室長補佐】  加藤先生、3点、ありがとうございます。
 1点目に関しましては、御指摘のとおり、FORCEとLEAPというのは、JSTの戦略的創造研究推進事業であったり、AMEDの革新的先端研究開発支援事業から上がってきたものに関して、さらに発展させる際に使われるメニューでございます。ただ、件数としては、CRESTとPRIMEも採択率がそれぞれ10%という非常に狭き門の中を突破した中でさらに選別をしたものに関してFORCEとLEAPをさせていただいていますので、この中で、同じような形態でやるかどうかはこれからもきちんと整理させていただきますけれども、FORCEとLEAPがあることによって、革新的先端研究開発支援事業から今後の社会実装につながるような一定の成果は出しているものかなと考えております。
 二つ目に関しましては、論文のNSC(『Nature』『Science』『Cell』)に掲載して、それを成果とするということに関しましては、再度検討させていただきます。現在、「医療分野研究開発推進計画」の中でも、こういった基礎研究のところをどういうふうに客観的に評価するかというのは議論されているものと思いますので、そういったものと併せて、この事業はいいものですということをどういうふうに表していくかということは、また考えていきたいと思っています。
 最後の点、戦略目標自体の評価、戦略的創造研究推進事業自体の評価ということになりますけれども、御指摘ありがとうございます。我々も、今現在の時流に沿って、この戦略的創造研究推進事業、また、革新的先端研究開発支援事業、研究開発目標、戦略目標を設定する事業でございますけれども、その設定の仕方・在り方みたいなところが、これで正しいかということを、今現在、省内等で検討しているところでございます。近年におきましても、今まで少し狭かった研究開発目標等を大くくり化したり、また、有識者の意見を取り入れて、できるだけ先端的な研究開発の流れに沿ったようなものにしたりということは取り組んでいるところでございますけれども、今後も、いろいろな意見をいただきながら、こういった革新的先端研究開発支援事業に関しましても、よりよいものになっていくように考えていきたいと思っています。御意見、ありがとうございます。
【加藤委員】  どうもありがとうございました。
【宮園主査】  それでは、桜井委員、お願いいたします。
【桜井委員】  よろしくお願いします。
 19ページ目の令和元年7月31日の検討の整理のところで、「さきがけにおいて多様な分野の研究者が集い、研究領域内で効果的なインタラクションが形成されるような配慮」というふうに書かれています。その結果、次のページ下のほうの本課題の改善に向けた指摘事項のところで「トップサイエンティストを核とするコミュニティが形成されつつある」って書かれているんですが、この辺りは特に意識されて、この活動を行っている中で、コミュニティというか、横連携とか、サイエンティスト同士のコミュニティが活発になったという理解でよろしいでしょうか。
【深澤戦略研究推進室室長補佐】  そのとおりでございます。特にAMEDの研究開発領域の場合は、AMEDのCRESTとPRIMEの研究者が一体になって領域を形成していますので、そういった領域の中の話もそうですし、先ほどJSTとの連携の話も言及させていただきましたけれども、領域外の、ファンディングエージェンシーを超えた形であるとか、また、いろいろな、ほかの領域とのインタラクションも進んでいますので、こういったことで記載させていただいている次第でございます。
【桜井委員】  承知しました。本当にイノベーションを生む構造というのは異文化コミュニケーションだと思いますので、ぜひ、引き続き、よろしくお願いいたします。
【深澤戦略研究推進室室長補佐】  ありがとうございます。
【宮園主査】  ありがとうございます。
 それでは、金田委員、お願いいたします。
【金田委員】  私はこれのPDで全体を見させていただいているんですけれども、JSTのCRESTとAMEDのCRESTとの違いというのは、JSTのほうはより学理を深めていくということで、AMEDのほうは、将来、これが実用化されるというテーマに近いものを選ばれていると思います。テーマの設定が、かつては疾患ベースのものがあったと思うんですけれども、最近はどちらかというと健康の維持・増進といったところで、広く生命現象を追求して、そして、それが疾患の予知や予防というところに、平たく言えば未病ということになるかもしれませんが、そういうところにつながるようなテーマが選ばれているということで、この方向性は非常にいいのではないかなと私は思います。ただ、AMEDとはいえ、CRESTやPRIMEでいきなり実用化を目指してくださいと言うべきじゃないと私は考えていまして、ここはしっかり基礎研究をしていただく。一方で、AMED全体としては、その成果を事業間で共有して、そして、AMED全体として実用化につなげていくというような、そういう方向性が必要ではないかなと思っています。
 もう一つ、LEAPに行けば社会実装ということを見据えてやってもらうということが必要で、個々の成果について、例えばライセンス契約を取っていくというような、そういう指導、あるいは研究者の意識というのが乏しいのではないかと思っています。そこを解決するに当たって、加藤先生が言われたような、CRESTからFORCEに行って、その人たちだけがLEAPにということではない、より社会実装を目指しているような人たちも入れるような、そういう仕組みも必要なんじゃないかなと思いますけれども、もう一つ、LEAPの指導体制というのも見直していく必要があるのではないかなと考えております。
 以上です。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 事務局から、いかがでしょうか。
【深澤戦略研究推進室室長補佐】  先生、ありがとうございます。1点目のことに関しましては、先生が御指摘いただいたように、近年の研究開発目標においては、最終的に医療の研究を患者さんや家族のもとにいち早く届けるというAMEDの理念を達成するためにも、バイオや医薬だけでは達成できないような、医工連携であるとか、ほかの分野も交えたもので研究開発目標を設定して、よりよい研究開発を進めていただきたいと考えているところでございます。コメントいただき、ありがとうございます。
 2点目のLEAPに関しましては、近年、POの方に、特に民間の方に入っていただいて、そういった実装のところ、研究から起業化するところに関して断絶が起きないように、どういうところにフォーカスして研究開発すればいいのかといったところに関して助言をいただきながら行っているものと思いますので、こういった体制がさらにいいものになるように今後とも考えていきたいと思います。コメント、どうもありがとうございます。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 ほか、よろしいでしょうか。
 それでは、今日、幾つか重要な御意見いただきました。この点につきましては、修正が必要な部分は修正を加えながら、皆様にも最終的にお諮りすることがあるかもしれませんが、修正・加筆した上で研究計画・評価分科会に諮り、決定させていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、次の課題の中間評価案についての進行は、畠主査代理にお願いいたします。
 どうぞよろしくお願いします。
【畠主査代理】  ありがとうございます。
 それでは、引き続きまして、ナショナルバイオリソースプロジェクトの中間評価の案について、事務局より御説明いただきたいんですが、宮園委員におかれましては、この事業の利害関係者に当たりますので、私の許可を得て事実関係についてお答えいただく場合を除いて、審議に関する御発言はお控えいただきますよう、お願いいたします。
 それでは、ナショナルバイオリソースプロジェクトの中間評価の案につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【西山生命科学専門官】  御説明いたします。資料2-5の3ページ目を御覧ください。本プロジェクトは、「分野別研究開発プラン」のライフサイエンス分野のバイオリソース整備プログラムに位置づけられており、「健康・医療戦略」等に基づいて令和4年度から令和8年度の5年事業として研究開発が行われております。本事業は、研究開発に使用する、動物・植物・微生物や細胞等のバイオリソースについて、体系的な収集・保存・提供等の体制を整備し、質の高いバイオリソースを大学・研究機関等に提供することにより、我が国のライフサイエンス研究の発展に貢献することを目的としております。この目的を達成するために、イネや線虫等のバイオリソースごとに33の中核拠点を整備するとともに、バイオリソースの情報整備基盤・発信等を集約しまして実施する情報センターを2拠点整備しているほか、ゲノム情報や保存技術等の開発整備を支援して、事業の質的向上に取り組んでおります。
 4ページ目を御覧にください。予算の変遷が書かれているところですが、本事業の令和6年度予算は、当初予算12.9億円、補正予算2.9億円の合計15.7億円で事業を実施しております。
 続いて、5ページは事業概要のポンチ絵になっております。
 そして、6ページ目は、先ほど御説明しました拠点の具体的なリソースの内容ということになります。
 7ページ目は、後ほど出てきますが、この個別のリソースを中間評価していただいた、課題評価委員会の先生方の名簿ということになります。
 それでは、中間評価票に沿って、御説明のほうをさせていただきます。9ページ目の下のほうを御覧になっていただけますでしょうか。表になっておりますが、課題評価委員会において各拠点・課題の中間評価を行いましたところ、全体として58拠点・課題のうち91.4%が「順調に推移している」と評価される「A+」「A」「A-」のいずれかの評価となっていることからも、本事業全体の進捗状況は順調であると、判断のほうをしております。
 続いて、各観点の再評価について、御説明します。10ページ目を御覧にください。まず必要性についてでございます。バイオリソースの集約・管理・提供体制の整備と併せまして、ゲノム情報等の解析や凍結保存等の技術開発によるバイオリソースの質的向上やバイオリソース・データベースの利便性向上を図ることで、バイオリソースの提供数は第4期と同水準の毎年度約2万5,000件で推移しておりまして、データベースのアクセス件数も毎年度100万件を超えるなどの実績が上がっていることからも、本事業の必要性は高いと評価しております。
 続いて、11ページ目の有効性についてでございます。本事業によりバイオリソースの価値や有用性を高める取組を集約して行うことで、研究者により再現性・信頼性の高い研究の実施を可能にしております。また、各バイオリソースのゲノム情報等を情報センターに集約しまして公開する体制を併せて整備しております。これらにより、本事業により提供されたバイオリソースを用いた論文数は第4期の年間平均である2,690件と同水準の水準を維持していること、本事業で整備したショウジョウバエやゼブラフィッシュ、線虫等が世界的な研究コミュニティのハブとして機能していることからも、本事業の有用性は高いと評価しているところでございます。
 続きまして、12ページ目の効率性になります。個々の研究者がバイオリソースを個別に管理するよりも、本事業のように一体的に集約・管理するほうが効率的でして、さらに、本事業ではバイオリソースの集約・管理と情報の集約・公開等を、専門性に考慮した役割分担により、効率的に運営を行っております。そして、この効率的な運営によって、令和4年度以降は第4期の年間平均である2万728件を超えた水準でバイオリソースの収集が行われており、令和5年度末時点で全部で464万4,081件のバイオリソースが収集・保存されていることからも、本事業の効率性は高いと評価しているところでございます。
 続いて、13ページ目に参りまして、事前評価時の指摘事項とその対応状況になります。ここでは、導入・更新により管理・運営の遠隔化や自動化を実現する機器等を限りある予算を活用して措置しているほか、名古屋議定書に基づく海外遺伝資源の取得時に必要な知識・手続等の普及啓発や、動物実験の外部検証をする人材育成を推進しているというところで、指摘事項には十分沿った対応を行っております。
 そして、最後、14ページ目になるんですけれど、今後の研究開発の方向性になりますが、各評価を踏まえた今後の研究開発の方向性については、必要性、有効性、効率性のいずれも認められ、課題評価委員会の中間評価において、個別評価として58拠点・課題の91.4%が「順調に進捗している」と評価されていることからも、本事業は継続すべきであるとしております。
 私どもがいろいろな先生方から伺っております指摘事項をこのライフサイエンス委員会の指摘事項の案として記載させていただいております。この事業は、開始から20年以上が経過しまして、バイオリソースの集約・維持・提供の目的が多様化していることに伴って、新たな評価指標の検討が必要ではないかというような指摘とか、老朽化した設備備品の計画的な更新が必要であるということとか、遺伝資源の国際的取決めの厳格化に伴いバイオリソースの国際流通が滞る中で、国は引き続きバイオリソースの安定的な集約・維持・提供を推進すべきである等の指摘もいただいているところでございます。
 以上で、説明は終わります。よろしくお願いいたします。
【畠主査代理】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明内容につきまして、御質問、コメントがありましたら、お願いいたします。
 杉本委員、お願いできますか。
【杉本委員】  東北大学の杉本です。最後のページのところですけれども、コメントを2点させていただきます。
 1点目は、既に御説明の中にもありましたが、現在、各国でバイオリソースの送付や受領についての規制が非常に厳しくなってきておりますので、国内でバイオリソースを収集・維持するということが今まで以上に重要になってきていると思っております。ですので、これは必要性が非常に高くなっているということが1点目です。
 2点目は、少し言及ありましたけれども、NBRPでは対象としているバイオリソースが、今、拠点が35でほぼ固定されている状況だと理解しておりますが、実際に研究に使われている生物種というのは時代によって大きく変化しておりまして、特に近年のトレンドでは、以前から使われているモデル生物であっても、その種内のバリアントとか近縁種を使った比較研究というのが増えていますので、古典的なモデル生物であってもバイオリソースの役割が変わってきているということがあります。また、非常にユニークな性質を持つ生物を新しく見つけて、それをリソース化するということも近年非常に活発に行われていますので、今までの幾つか代表的なものを維持するというだけではバイオリソースとして対応できなくなっていると感じておりますので、その辺りはNBRPの仕組みも見直すべき部分があるのではないかというふうに感じております。
 以上です。
【畠主査代理】  ありがとうございました。
 事務局から、何かコメントありますか。
【西山生命科学専門官】  今、御指摘いただきましたところはおっしゃるとおりだと認識しておりまして、特にバイオリソースの拠点が固定化しているという御指摘は非常に重く受け止めております。科学技術の進展を踏まえた新たなバイオリソースを発掘するという観点が大事だと思っておりますので、我々も、事業を展開するに当たって、その観点を重要視しながら進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
【畠主査代理】  ありがとうございました。
 それでは、坂内委員、お願いできますか。
【坂内委員】  ありがとうございます。バイオリソースというのは本当に研究の生命線であり、また、国際的にも、我が国の持っているバイオリソースというのは、多分、今まで以上に価値があるのではないかというふうに思います。
 あと、先ほど「ライフサイエンス分野研究開発プラン」の変更のところにあった、データサイエンスとカップルするというところは非常にいい試みだと考えております。といいますのも、バイオリソースにまつわるメタデータというか、ゲノム配列や、細胞のクオリティーを担保した、ちゃんとデータがあるというような状況は、バイオリソースの価値を、ちゃんと品質を保証するというふうな意味でとても大事になっていますし、また、多様な、杉本委員もおっしゃいましたけど、これから多様なモデルとかを作っていくとしても、そのゲノム情報などがちゃんと一緒に整備されているということは大事なので、ぜひ、この新しい枠組みでデータと一緒にバイオリソースを整備していただくように、強く希望いたします。
【畠主査代理】  ありがとうございました。
 事務局、コメントはいかがでしょうか。
【西山生命科学専門官】  先生、御指摘ありがとうございます。我々が考えていることが間違ってなかったということが、先生の御指摘で非常に心強く思えたところでございます。我々としましても、御意見を踏まえながら、しっかり推進していきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【畠主査代理】  ありがとうございました。
 続きまして、有田委員、お願いできますか。
【有田委員】  遺伝研の有田です。僕自身はバイオリソースの拠点の一つである遺伝研なんですけれども、バイオリソースの維持管理というのは非常に大変なんですね。単に近郊系を作ることも難しいですし、それから、同じクオリティーを維持するというところは非常に技術を要するわけです。今後、日本は研究者の数が減って、論文の数も研究者の数に比例しますから自動的に減っていく国なわけですけれども、それに対して近隣アジア諸国というのは、これからどんどん基礎研究にも入ってきて、自国のバイオリソースを作りたいと考えてくるわけです。そのときにそのノウハウを伝えられるということが非常に重要で、今、我々が持っているリソースとか、特に維持のノウハウをアジアの国々に伝えてあげるというミッションも、これから含めていければと考えています。
 それから、今回のNBRPに限らず、今までの報告の中で論文の本数というのが評価軸に入っているんですけども、今申し上げたように研究者の数が減っていくということからも、論文の本数を指標に加えるのは、僕は間違っていると思います。ぜひ、それは再検討していただければと思います。
 以上です。
【畠主査代理】  ありがとうございました。
 事務局、コメントはいかがでしょうか。
【西山生命科学専門官】  ありがとうございます。御指摘のとおり、論文数で事業の進捗をはかるというところは、我々も様々になかなか難しいところだというふうに考えておりますので、御指摘を踏まえながら、効果を測定できる新たな評価指標がないか検討をしていきたいと思っております。
 以上でございます。
【畠主査代理】  ありがとうございました。
 木下委員、お願いできますか。
【木下委員】  全体としては、本当に重要な事業だと思っております。何点かあるんですけど、まず1点目は、先ほど坂内先生おっしゃったとおりで、情報とのリンクがなされるということは物すごく重要で、昨今、いろんな解析が非常に高価になっています。そうしたときに、同じリソースを使って高価な実験の解析を二度するというのは非常に無駄ですので、ぜひ、解析したデータを、特にバイオリソース、ここに入っているものを使った場合は、データシェアに関しては義務化するぐらいのレベルできちんと共有されて、効率的な運用がされるといいかなというふうに思いました。
 もう1点は、人材に関してあまり言及がないように思えたんですが、こういうバイオリソースの管理って大変ですし、研究者がコミットすべき面ももちろんあるんですけども、研究補助人材的な人がコミットする部分もあると思うんですね。そういう人たちのキャリアパスみたいなことも十分考えないと、こういう事業って、既に20年やっていますけども、今後も続けるべき事業という観点では、こういう事業の運営に関わる人たちのキャリアパスみたいなことに関しても十分な配慮がなされるといいかなというふうに思いました。
 33拠点のうち三つ以外はヒトサンプルを含むということで、それはそれでいいんですけども、先ほど冒頭に情報が重要だということを申し上げたように、サンプルに関しては、個人情報とか何とか、そういうのをあまり気にしないのに、情報になったとたん、個人情報というのを気にする辺りの、そのギャップが前から非常に気になっております。その辺り、ここにヒトを含めたことは概念的にはいいことだなと思うんですけども、ぜひ、情報とセットにして、一体的なガイドラインというか、利活用の仕組みに関して、もうちょっと整理がなされるといいんじゃないかなというふうに思いました。
 最後は非常に瑣末なんですけども、今回、情報部分が入ったということで、(6)その他のところで一言言及があるんですが、最後の文言の「鞍替え(衣替え)する」というのは、こういう文書の文言としていかがなものかなと思うのと、意味がいま一つ分からなかったので、適切な文言を御検討いただければというふうに思いました。
 以上です。
【畠主査代理】  ありがとうございます。
 この点につきまして、事務局、いかがでしょうか。
【西山生命科学専門官】  御指摘、ありがとうございます。特に、今いただきました御指摘の中でも人材の育成のところが非常に重要だと考えておりまして、キャリアパスのところまで考えていかなければならない中で予算にも限りがり、あるバイオリソースの維持管理のために、機器の購入もしなければならないことと、人件費や光熱水費が非常に高騰して予算が非常に逼迫している中で、おっしゃるように人材のキャリアパスというところもしっかり見てければならないところは本当に難しい御指摘だと思っておりますので、何とか少ない予算をうまく活用して、そういったことができるようにしていきたいと思っております。御指摘、ありがとうございます。
 あと、いろいろ御指摘いただいたところについては、修正を試みたいと思っております。
 以上でございます。
【木下委員】  ありがとうございます。
【畠主査代理】  ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 もし御意見ないようでしたら、ナショナルバイオリソースプロジェクトの中間評価の案につきましては、先ほど頂戴いたしました御意見等を踏まえて必要な文言の調整等を行った上で、今後、本案を研究計画・評価分科会に諮って決定されることになるかと思います。
 それでは、次の議題につきましては、宮園主査にお返しいたします。お願いいたします。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 では、次の議題は、医学系研究支援プログラムについてです。まず事務局から説明をいただきまして、その後、委員の皆様から御意見をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
【廣瀨ライフサイエンス課課長補佐】  ありがとうございます。事務局でございます。
 まず、医学系研究支援プログラムに関して御説明する前に、委員会全般のことにつきまして、1点確認とおわびがございます。まず、おわびとしては、事務局のほうの不手際で時間がかなり押してきてしまいましたので、この後の説明のほうは、なるべく簡略化してやっていきたいというふうに思います。申し訳ございません。
 また、1点確認ですけども、中間評価、5件ございましたが、三つ目の医療国際に関しましては原案どおりで御承認かというふうに思います。ほかのものに関しては、事務局のほうで修正案のほうを検討しまして、ご相談させていただきたいと思います。一つ目のBINDSにつきましても、たしか主査にまとめていただいた際にはその場で承認があったかと思いますけども、澤田先生にいただいた人材育成に関するところは少し追記を考えたいなというふうに思いますので、そういった形で、大きな修正ではないかと思いますが、修正のほうを検討させていただきます。今後、実際の文案については、メール等で先生方や、案件ごとに宮園主査又は畠主査代理と、御相談させていただければというふうに思います。
 議題(2)に関しましては、以上でございます。
 議題(3)の医学系研究支援プログラムにつきまして扱っていただくということで、説明させていただきます。こちらは、公表資料の説明が多くございますので、説明のほうはなるべく簡略にして、意見交換のほうをしていただければというふうに思います。
 こちらは、事前評価の際に事業の骨格に関しまして御説明しまして、そこから大きく変わってはおりません。大きく変わったのは、単年度の概算要求事業として要求していたものが、令和9年度までの3年間の基金というふうになったところです。この事業、大学病院の研究力の低下が危惧されているといった状況を踏まえまして、研究者の研究活動と、研究機関の取組とを一体的に支援していこうというものです。研究時間の確保ですとか、また、多様性・流動性の向上といった、研究力向上の取組を大学病院において推進していくに当たりましては、ほかのファンディング事業のようにただ研究費を公募・支援していくだけではなくて、機関のコミットを求めて、機関の取組を支援していくのは大事だろうと、そういった発想に基づきまして、事業設計しているものでございます。こちらは、事前評価の際の御意見等も踏まえましてブラッシュアップして、財政当局とも相談してつくっていったものでございまして、今後、総合型という、一つの機関で基礎から臨床まで幅広く研究していくもの、それから、特色型という、多少、規模は小さかったとしても、複数機関が連携をして、強みのある分野に関して連携しながら取り組んでいくもの、そういったものに関して支援していきたいというふうに思います。
 こちらは公表資料などを基にしておりますので割愛させていただきたいと思いますけども、ライフサイエンス委員会の議論も踏まえて議論してきましたし、また、大学病院に関する高等教育局のほうの会議、また、政府全体の様々な政策文書、そういったものに基づきまして、政府全体の方針としましてやっている事業でございます。
 今後のスケジュールでございますが、第12期ライフサイエンス委員会自体は今回が最終回というふうになっておりますけれども、一方で、この事業の中身に関しまして、特に国家戦略上の研究課題としてどういったものを定めるかですとか、本事業の実施機関にはどういった取組を求めるかといったところに関しまして、会議体を設けて議論をしていきたいというふうに思っております。こちらは、まだ目次程度でございますが、こういった事項に関して議論していただければ思っておりまして、こちらを検討会議のほうで議論していきたいと考えてございます。本日は、ここの項目にあるものでも、そうでないものでも結構でございますので、ライフサイエンス委員会の先生方にも様々な御意見を頂戴して、今後の検討会議でまとめる議論のほうにも適宜反映をして、事業の公募・審査のほうに生かしたいというふうに思います。
 また、今後、2年後、3年後の話になりますけれども、この事業の中間評価や事後評価につきましては、ライフサイエンス委員会において実施されるのかというふうに思いますので、そういった意味でも、ライフサイエンス委員会において、この事業について見守っていただければというふうに思っております。
 事務局のほうから、医学系に関する説明は、以上でございます。
 あと、チャットにおいて、畠先生のほうから、次世代がんのところについて、事務局から回答をお返ししていない部分があるとのコメントがございました。今、医学系を説明してしまいましたので、いったん、医学系に関する意見交換をしていただきまして、それが終わった後に、次世代がんに関する説明の場を設けさせいただければというふうに思います。
 事務局からの説明は、以上でございます。
【宮園主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明内容について、御質問、御意見、コメントがありましたら、お願いいたします。
 宮田委員、お願いいたします。
【宮田委員】  ありがとうございます。この医学系研究支援のプログラムは非常に重要だと思っております。臨床系の研究者の研究時間は少ないですし、昔と違って、動物試験など基礎研究だけではなくて、臨床試験(医師主導治験)、さらには出口戦略やスタートアップなどをつくって社会実装もしなきゃいけないときに、これまでのメンター、すなわち臨床教授だけではなかなかメンタリングもできないという現状があります。ですので、新しいフィジシャンサイエンティスト、独立した臨床系PIを養成していくということに関しては大変重要かと思っております。私の東北大学でも、この4月から、6年間で30名ぐらいの新しい独立した臨床系PIを養成したいということで、臨床教授とは独立してメンタリング制度を設けて、研究費も拠出し、研究にもある程度専念できる時間を取っていただく、また、テニュアの制度も活用しながら様々な将来のキャリアパスなども提供できるような研究機構を立ち上げます。リサーチフロントを自ら開拓し、社会実装ができるような、独立した臨床系の方たちが育っていただくということをぜひやっていただきたいと思います。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 続けて、山本委員、お願いいたします。
【山本委員】  ありがとうございます。こういう目的自体はすごくいいと思うんですけれども、運用については大分気をつけてやっていかないといけないんじゃないかなと思います。今、宮田委員がおっしゃったような、将来の優秀な研究者を育てるという、しっかりした目標があって、それに対して、研究者を育てるために、その人たちの周辺の仕事をほかに回していくためにうまくお金を使っていくというようなことであればいいんですけれども、つけ方によっては、普通の臨床研究の予算で足りない、例えばSMOのCRCに対するお金に流れてしまうとか。それはそれでいいのかもしれませんけれども、臨床研究の、本来、もうちょっと予算が必要であったのに足りなめでもらっているところの追加の費用みたいな形で使われてしまったりする。つまり、研究者をちゃんと育てていくというような軸がないままに使われていく可能性もあるので、それはそれで意味がないことはないんですけれども、本来は各臨床研究の課題にお金がつくべきであって、そういうところに気をつけて、できるだけ研究者を育てるという観点で使えるようにしていただきたいと思うのと、一方で、そうは言いながら、割とフレキシブルな使い方ができないとこういうのは役に立ちませんので、ちょっと矛盾したようなことを言っているような気はしますが、運用を非常に気をつけて、この研究の主軸は何なのかというところがぶれないようにしていただきたいなと思いました。
 以上でございます。
【宮園主査】  ありがとうございます。
 事務局からの回答はまとめてということで、次、有田委員、お願いいたします。
【有田委員】  遺伝研の有田です。僕自身は、医師をトップに置いて、それの支援をするというスキーム、トップダウンのスキームではなくて、医学系研究に参画する人数を増やす施策にしていただきたいと常々思っています。例えば、現在でも理学療法士や看護師といった職種がありますけれども、どうしても医師には勝てないという精神的な負い目を感じている方が多いように見受けられます。そういうふうに身分制を導入するのではなくて、様々な分野から入ってこられる医学系研究に変えていっていただきたい。
 それから、日本国内だけではなくて、海外からも参入できるような制度にしていきたいです。というのも、人口が減っていく、それから、移民が増えてくると、医師も国外から入ってくる時代になってくると思います。ですので、ほかの国からでも日本の医師になれるような制度というのを目指すようにしていただきたいです。
 以上です。
【宮園主査】  それでは、加藤委員、お願いいたします。
【加藤委員】  加藤です。以前から脳科学委員会で、まだまだ原因の解明が遅れているような疾患の研究に対しては、原因解明のためには臨床講座の中に研究専任の教授を配置することが必要じゃないかとか、また、病気を研究するPh.D.の研究者のキャリアパスが確立してないという意味でも臨床講座に研究専任の教授がいたほうがいいんじゃないかとか、そういう議論が何度もあったんですけれども、それはライフサイエンス課の範囲外だというような感じでなかなか取り上げられなかったんですが、今回ついにライフサイエンス課と高等教育局医学教育課がコラボでこのような支援を行うというようなことは大変すばらしいことだというふうに、期待しております。ぜひ、臨床教室の中でPh.D.の教授が活躍できるようなことも含めていただければありがたいなというふうに思います。
 以上です。
【宮園主査】  ありがとうございました。
 4名の委員の方に続けてコメントいただきましたが、事務局から順にコメントをお願いできますでしょうか。
【廣瀨ライフサイエンス課課長補佐】  ありがとうございます。時間もございますので、ごく簡単にお答えさせいただきまして、また、いただいたものはしっかりメモを取って今後に活かしたいというふうに思います。
 宮田先生がおっしゃったとおり、東北大のほうでSiRIUSの取組をされているということを我々も勉強させていただいておりまして、実際にフィジシャンサイエンティストの方々が抱えている問題を踏まえて、しっかり対応した取組にしていきたいというふうに思っております。ライフサイエンス課と医学教育課のほうでヒアリング等をしておりまして、大学によってまちまちなところと横展開できるところの両方があるかと思うんですけれども、しっかりと社会実装につながるような取組、キャリアパスの取組といったものを進めていきたいというふうに思います。
 また、山本先生がおっしゃったことも非常に重要なことかと思っておりまして、134億円という巨額のお金を預かったところで、制度設計がうまくいっていなければ、どう使ってしまうか分からないと。でも、一方で、がんじがらめにしてしまうとフレキシブルでなくなってしまって、使い勝手が悪くなってしまうと。そこは、我々、ファンディングエージェンシーのAMEDとも一緒に連携しながら、いかに、意味がある、使い勝手がよい、言わば現場にとっていい事業にしていくのかといったところは大変重要かというふうに思っております。あまり時間があるわけではないんですけれども、これから、公募、また、その後の執行に向けて、しっかりと中身を精査していきたいというふうに思います。
 あと、有田先生がおっしゃった、医師をトップとするのではなくて、異分野の方々がどんどん入ってくるような、むしろ医療研究に関わる人口を増やしていくようなという話、そこは我々の考え方とも大いに一致しているところでございまして、本事業は大学病院に注目した支援でございますけれども、M.D.に限定するような支援といいますよりは、Ph.D.の方ですとか、もしくは、日本の医師とは別のキャリアを持った海外の方も含めまして、多様な方々が集まって、その上で分野横断的な研究を推進していく、そういった事業にしていきたいというふうに思っております。そういった事業になるように制度の設計を進めたいというふうに思います。
 また、加藤委員がおっしゃったことは、まさにこれまでライフサイエンス課のほうで事業設計をしてきて、高等教育局の目線が本当は必要なのになかなかできていないというところは、我々のほうでも、反省といいますか、我々のほうでできるツールの限界というものは感じてきたところでございまして、今回、これまでも、また、これからも医学教育課さんと一緒に、今日も俵医学教育課長にいらしていただいておりますけども、一緒に連携してやって、所掌にとらわれずといいますか、全体としてやっていきたいというふうに思いますので、そういった形で今後の検討会議の運営も、また、事業執行もやっていきたいというふうに思います。
 やや、直截に全て答えられたものではないかもしれませんけども、事務局のほうからは以上でございます。
【宮園主査】  ほか、ございますでしょうか。
 ちょっと時間が迫っておりまして、皆様、申し訳ございませんが、もし何かございましたら、メール等ででも事務局に御連絡いただければと思います。
 先日、ハーバード大学の医学部の教授にお会いしましたら、米国でも医師の研究時間が減っているというのは非常に大きな問題になっていて、国際的にも共通の問題だと思いますので、ぜひ皆様、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
 続きまして、最後の議題ですけれども、議題はその他としておりますが、令和6年度補正予算及び令和7年度当初予算案の内容について、事務局から説明ございます。よろしくお願いいたします。
【廣瀨ライフサイエンス課課長補佐】  残り7分ございますので、まず、私のほうで予算に関しては本当にざっくりと説明させていただきます。その上で、先ほど畠主査代理のほうからコメントございました、次世代がん事業の大津委員のコメントに関する返答につきまして、担当のほうからさせていただければと思います。
 今回の予算事業でございます。ライフサイエンス委員会では、事前評価でも、今日のこれまでの場でも、医学系研究のことばかり御説明してまいりましたけども、AMED事業、また、ライフサイエンス分野全体として、様々な事業を幅広く実施してきております。本日、中間評価いただいた五つの事業もそうでございますし、ほかの事業も含めまして、予算も少しだけですけど増やしまして推進してきております。今後とも、内閣府や厚労省、経産省といった関係府省とも連携しながら、しっかりと事業に取り組んでいきたいというふうに思います。
 以下の資料、既に公表されているものも多いですし、また、今後、ライフサイエンス委員会のホームページでも公表されますので、御関心ございましたら御覧いただきたいと思いますし、もし中身のお尋ね等ございましたら、事務局のほうまで御連絡いただければというふうに思います。
 非常に簡潔になりましたけども、予算に関する説明は以上でございます。
 続いて、尾西さん、お願いできますでしょうか。
【尾西研究振興戦略官付専門官】  じゃ、一言だけ。貴重なお時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。大津先生、コメントをいただきまして、ありがとうございます。
 2点ほどいただいたと理解しておりますけど、まず、研究支援サポート機関のさらなる充実という点、また、事業間連携の強化という点、この2点、先生に御指摘いただきましたので、AMEDとともに検討をして、しっかりとできればというふうに考えております。
 以上でございます。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 今、御説明いただきましたが、何かお気づきの点、コメント等ございでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、本日予定しておりました議事は以上ですが、全体を通して、何かお気づきの点、御意見、御質問、ございますでしょうか。
 鎌谷委員、お願いいたします。
【鎌谷委員】  若輩者なのでここで発言することは不適切だったなと思うんですが、先ほどから何度か指標に関するお話が出ていると思うんですけれども、今回の話は結構、医学とか、医療とか、かなり応用に近いようなところをライフサイエンスの側からお話ししているということですが、実際に、研究を行って、研究成果を医療の現場に使っていくというときに、医療上のコストといいますか、全体の医療費に対する影響というのがすごく問題になってきていると思っていますし、最新の治療薬が2億円もするとかだと問題なところも出てきていて、実際に使っていくことで例えば医療費の削減につながるような研究とか、本当にすばらしいサイエンス上の発見というわけではないかもしれないんですけれども、持続可能な医療に向けるような、そういうような研究であるかどうかと。そういったものはそれこそ先ほどおっしゃられた『Science』『Cell』とかじゃないかもしれないんですけれども、研究と医療との枠組みを維持していくために重要なものとして評価していく、そういう方向性というのはあるのかなと思って、伺いたいと思いました。
【宮園主査】  事務局、お願いいたします。
【釜井ライフサイエンス課長】  ライフサイエンス課長の釜井でございます。鎌谷先生、ありがとうございました。今、そういうふうなエクセレンシーのあるような研究も重要でございますし、第3期の「健康・医療戦略」とか、そういった中でも、全体として医療に関してのエコシステムを回していかないといけないというふうな議論もしていますので、全体として整合性がある形で、我々のほうも立ち位置をしっかりしながら、検討のほうをしてまいりたいと思います。御指摘、ありがとうございます。
 以上です。
【鎌谷委員】  ありがとうございました。分かりました。
【宮園主査】  ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に御意見ございませんでしたら、本日のライフサイエンス委員会はここまでとさせていただきます。繰り返しになりますが、もし何か追加で御意見等ございましたら、事務局に御連絡をいただければと思います。その御意見を含めまして、各資料の最終調整は主査一任とさせていただければ幸いですので、どうぞよろしくお願いいたします。
 今回が第12期の最後のライフサイエンス委員会となります。事務局を代表しまして、塩見局長から御挨拶をいただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【塩見研究振興局長】  ありがとうございます。研究振興局長の塩見でございます。
 この2年間、委員の皆様におかれましては、ライフサイエンス委員会、計10回開催いただきまして、大変精力的に御議論いただきました。宮園主査をはじめといたしまして、各委員の皆様方に深く御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
 この間、ライフサイエンス研究を取り巻く様々な課題について御議論いただいたわけでございますけれども、特に今後四半世紀を見据えたライフサイエンス研究の中期的な振興・活性化方策について集中的に御議論いただきまして、昨年の7月に「ライフサイエンス研究の研究力向上に向けて~Curiosity、Methodology、Missionが融合した新たなライフサイエンス研究の構築~」という報告をお取りまとめいただきましたことは、大変重要な成果だったというふうに受け止めております。また、この取りまとめでも御提言をいただきました、基礎研究、人材育成、研究基盤といった、研究を支える基盤力の重要性につきましては、文科省にとどまらず、政府全体として、創薬力構想会議でありますとか、「バイオエコノミー戦略」、また、次期「第3期健康・医療戦略」等に係る議論におきましても、あらゆる研究開発の源泉として位置づけられておりまして、本委員会での御議論が政府全体の政策の方向性に反映されつつあるというふうに受け止めております。今後とも、関係府省と連携しながら、基礎からの研究開発を推進していきたいと考えております。
 また、この2年間では、文部科学省としましても、ライフサイエンス委員会での御審議を経まして、新しい事業としまして、脳科学研究における基礎と臨床、また、アカデミアと産業界の連携を強化する「脳神経科学統合プログラム」、スタートアップを介したアカデミア発シーズの実用化促進を図る「大学発医療系スタートアップ支援プログラム」、また、先ほどもご議論いただきましたけれども、大学病院・医学部等における医学系の研究力の抜本的強化を図る「医学系研究支援プログラム」、こうした事業を立ち上げさせていただきました。文科省としましては、引き続き、皆様からの御意見、御提言をいただきながら、基礎生命科学分野、医療分野を合わせた、ライフサイエンス分野の一層の振興に向けて検討を進めたいと考えております。今後ともぜひ、御指導、御助言をいただければと思っておりますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
【宮園主査】  塩見局長、どうもありがとうございました。
 それでは、最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。
【廣瀨ライフサイエンス課課長補佐】  本日は、2時間にわたりまして、また、第12期、2年間にわたりまして、御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
 議事録につきましては、事務局作成の案を委員の皆さんにお諮りし、主査の御確認を経た後、弊省のホームページにて公開いたします。
 以上でございます。
【宮園主査】  どうもありがとうございます。
 先ほどから話が出ておりますけれども、これが第12期最後のライフサイエンス委員会となります。皆様には、本当に大変お世話になりまして、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、ライフサイエンス委員会、本日の会はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――

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