科学技術・学術審議会研究評価部会(第34回)の主な意見

1.評価の多様化

○assessment, appraisal, monitoring, review等の異なる概念を”評価”という言葉で一括りにしていることは問題。

[テーマの性格に応じた評価]

○テーマの性格に応じ、成果の評価の仕方・評価基準をよく考えることが必要。

  • 例えば生命科学において、5年間で、薬に対して臨床に持っていくとか、新薬をつくるとかいうようなことは書けるわけがないが、そういう風に書かないとお金にならないということで、テーマがこぶりになってきているのではないかと危惧している。
  • 一方マテリアルの場合は、競争が激しく、コストを考えなければいけない。例えばチップをつくるときに、1枚当たりが、1万円でも10万円でもナンバーワンのチップをつくるというようなことが平気で通ってしまうこともあるのではないか。
  • 一本の特許の重みもテーマによって異なる。

[評価の目的に応じた評価]

○評価の目的に応じ評価の在り方を考え直してみるとよいのではないか。

[評価基準の多様化]

○評価基準をもっと細かくし、項目を増やすべき。
○科学技術だけでなく、イノベーション、ナレッジ・トランスファー、知識移転、コマーシャリゼーションを見据えた評価を行う必要があるのではないか。
○評価に国民への還元という視点を加えるべき。
○国際化の中で、単なるベンチマーク以外の評価方法を考えるべきではないか。

[評価者の多様化]

○多岐にわたる分野の研究者の業績評価をどうするのか。各分野の委員全員の投票による評価で良いのか。
○外国で研究したりサイエンスに加わっている日本人を評価委員に入れて、様々な視野に立った国際的評価ができれば良い。

2.評価に対する被評価者のモチベーション向上

○成果に対する感動、希望、喜び等をある程度定量的に評価することはできないか。
  そういうものがないと、受益者(研究者)の意識が高揚してこないのではないか。
○評価の目的を明確にした評価の仕組みを作ることが重要。評価結果が何に使われるかわからないと、被評価者の徒労感や負担感も増す。
○評価の恒常性を確保することが大事。プロジェクトの途中で評価者が変わり新たな要請が来る等評価の軸がぶれると、非効率的。
○評価の際、評価者と被評価者の間で充分議論を重ねられるようなルールを検討することは必要。
○評価結果を国民に広報することも必要。
○書面評価だけで採択を決定する等の、評価の効率化も検討するべき。
○新しい評価指針において、事後評価の前倒し等、評価が非常に多いという意見があったので、見直しを検討するべきと思う。
○次世代を育てるという面からも、研究者が教科書を書く、講義をすることを評価すべき。
○評価されることも交付される費用に含まれることを研究者も自覚すべき。

3.評価人材育成・確保

○組織の内部で人材を抱えるのではなく、評価を外部の専門機関に託すという手段も検討してはどうか。
  特に人材育成の評価では、専門性が高くないので外部の意見を多用すべきでは。
○外部に評価を任せる場合と、専門家の評価が必要な場合と両方あり得る。
○国全体として評価をうまく進めるためには、PO,PDの位置付け、人材養成を系統的に考える必要がある。
○評価の専門人材の育成が評価システム定着において一番重要と考える。専門的なPDやPOがどれだけ専門性を持ってやっていけるか、キャリアパスの中でどのように位置付けられるかを検討すべき。

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