地球観測推進部会 全球地球観測システム作業部会(第2回) 議事録

1.日時

平成20年12月18日(木曜日) 10時~12時

2.場所

文部科学省 3F 2特別会議室

3.議題

  1. GEO第5回本会合の結果について
  2. GEOSS戦略目標について
  3. 第3回GEOSSアジア太平洋シンポジウムについて
  4. その他

4.出席者

委員

小池主査、深澤主査代理、石田委員、高木委員、福島委員、藤谷委員、本蔵委員

文部科学省

谷地球・環境科学技術推進室長、北野地球・環境科学技術推進室室長補佐ほか

オブザーバー

内閣府、外務省、気象庁

5.議事録

  【小池主査】  師走のお忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまより科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 地球観測推進部会 全球地球観測システム作業部会の第2回会合を開催させていただきます。
 まず、事務局のほうから出席者の確認をお願いしたいと思います。

【谷地球・環境科学技術推進室長】  今日は石田委員、高木委員、小池主査、深澤主査代理、福島委員、藤谷委員、本蔵委員ということで、7名の委員の先生方にご出席をいただいております。
 前回、運営規則等、ご承認をいただきましたけれども、運営規則により、本会議は公開ということにさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。

【小池主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、議事に入ります前に、本日、ご用意いただいております資料をご確認いただきたいと思います。

【谷地球・環境科学技術推進室長】  議事次第、それから配付資料と書いた1枚紙をおつけしているかと思いますけれども、そこに配付資料の一覧がございます。資料1-1から資料3までとなっております。資料1-1でございますけれども、「地球観測に関する政府間会合(GEO)第5回本会合結果」でございます。それから資料1-2が、「GEOSS業績モニタリング及び評価フレームワークについて」、裏表1枚でございます。それから資料1-3として、「GEO2009-2011作業計画について」。また、資料1-4として、「日本のタスク参加状況」。それから資料2-1でございますが、「第3回GEOSSターゲットタスクチーム(T3)会合の結果概要」。それから資料2-2として、「GEOSS戦略目標について」。さらに資料2-3といたしまして、英文でございますが、「Strategic Targets:GEOSS Implementation by 2015」ということで、GEOSSの戦略目標の本文をお配りしております。それから最後に、資料3といたしまして、「GEOSSアジア太平洋シンポジウムについて」をご用意させていただいております。なお、参考資料として、「ターゲットタスクチーム(T3)のGEOSS戦略目標案についてのコメント」もお配りしてあると思いますので、ご確認いただければと思います。
 資料は以上でございます。

 【小池主査】  どうもありがとうございました。
 今日は議事次第にございますように、(1)先月の第5回のGEO本会合の報告から、(2)第1回の作業部会でご議論いただき、皆様からいろいろインプットいただいたGEOSSの戦略目標、そして(3)来年2月に開催が予定されていますアジア太平洋シンポジウムということで、その他を含めますと4件で、項目はわりと少ないんですけれども、特に(1)と(2)が、中が非常に多くなっていますので、時間は12時まででございますが、皆様から活発なご意見をいただきながら要領よく議事を進めさせていただきたいと思いますので、よろしくご協力ください。
 それでは議事に入りますが、まずは議題(1)でございます、先月開催されましたGEOの第5回本会合の結果につきまして、事務局のほうからご説明いただきます。この中で出てきたいろいろな資料だとか今後まで確認することとか、あるいは今後どういうふうに戦略的にやっていくかということなどが含まれておりますので、ご説明の後、あわせて議論させていただきたいと思います。
 それでは、事務局のほうからよろしくお願いいたします。

 【谷地球・環境科学技術推進室長】  それでは、資料1-1、1-2、1-3、1-4まで含めまして、まず1-1を中心にご説明をさせていただきます。
 資料1-1でございますが、GEO第5回本会合の結果ということで全体の取りまとめをさせていただいております。1枚目でございますが、11月19日から20日ということで、ルーマニアのブカレストで開催されました。
 参加国、参加機関はそこに書かせていただいておりますが、非常に幅広い参加国、参加機関によって、非常に大きな盛り上がりを見せておりました。
 日本の出席者でございますけれども、GEOの我が国のプリンシパルであります田中大臣官房審議官をはじめ、私も参加させていただきましたけれども、東大の小池先生、それから柴崎先生にもお越しをいただきました。それから、宇宙航空研究開発機構、国立環境研究所、地球温暖化観測推進事務局、産業技術総合研究所からもご参画をいただいたところでございます。
 2ページ目にまいりまして、結果の概要をご紹介させていただきます。(1)(2)(3)ですが、基本的に新しい参加国、参加機関について承認されたということでございまして、ますます広がりを見せているということを実感させるような内容でございました。GEOの参加国が、バハマ、トルコ、エストニア、ペルーの参加が承認されたということで、計76カ国及び欧州委員会という陣容となりました。
 (4)の各国の活動状況でございますが、各国からそれぞれGEOSSに関連する取り組みの最新の状況の紹介がされましたけれども、我が国からは本年7月開催のG8洞爺湖サミットの首脳文書、これに言及をいたしました。また、分野横断でのデータ共有をテーマとして第3回アジア太平洋シンポジウム、これは後ほどご紹介をさせていただきますけれども、来年の2月に京都で開催するということを報告いたしました。それから、直近予定をされておりますGOSATの打ち上げ等について言及をいたしまして、地球観測に引き続き積極的に取り組むという意思表明を行ったところでございます。
 (5)のGEOSS共通基盤の試行運用というところでございますけれども、本年6月から開始しておりますGEOのポータル、これの初期運用の状況等、説明がございました。最終的にはこのGEOの共通基盤について、またGEOのポータルでございますけれども、来年のGEO-Ⅵで承認を得て完全稼働という予定でございます。ただ、現在は試行であるということと、それからデータ共有原則等がまだ確立されていないということもあるかと思いますけれども、必ずしもデータ登録が十分に進んでいないという現状がございまして、この状況について議長から非常に重要なので各国もデータ登録を推進してほしいという呼びかけがございました。我が国といたしましても可能な範囲で登録を進めてまいりたい、先ほど申し上げたようにまだデータ共有原則がきちっと確立されていないという状況ではありますけれども、支障のない範囲で登録を進めてまいりたいと思っておりますので、各機関、各省庁においてご検討いただければありがたいと思っております。文部科学省としても積極的に本件については周知、それから登録の推進ということで取り組んでまいりたいと思っております。
 続いて、データ共有原則でございますけれども、これは作業が進捗しておりまして、その状況が報告されました。最終的には2010年の第7回GEO本会合で承認をするということで作業を進めておりますという、その予定についても承知がされたということでございます。
 それから、(7)のターゲットタスクチーム、これは石田委員に大変ご尽力をいただいておるところでございますけれども、るるその活動状況を現状ということでご報告がありました。今日は議題の2番目で集中的にご議論をいただければと思っておりますので、ここではごく簡単に申し上げますけれども、GEOSSの10年実施計画となっている10年の目標ということがもともとあったわけでございますけれども、これをもう少し明確にしようということで改めて見直し、戦略目標ということで議論をしております。最終的には2010年の閣僚会議で承認する予定であるということで全体のスケジュールが紹介をされたところでございます。また、これは全体、個々のGEOSSの活動にも非常に影響を及ぼすコアになるものでございますので、この戦略目標は2009-2011年の作業計画、あるいはこれも後ほどご紹介をさせていただきますが、Performance Indicatorsといったような業績の評価にかかるような部分との連携をしっかりやっていこうということが確認をされました。ここのセッションでは我が国のほうからユーザーニーズを把握し、観測の空白域の解消を掲げるべきであるといったような提案を行っておりまして、我が国の取り組みとしては具体的には観測部会での議論を通じて、ユーザーニーズの把握に努め、またGEOSSへのインプットというふうにつなげていきたいと考えております。
 (8)のGEOSS業績モニタリング及び評価フレームワークでございます。これは別の資料で詳細をご説明させていただきたいと思いますけれども、個々のGEOSSの活動、タスク、それからまた各国におけるタスクに貢献する細かな活動がございますけれども、具体的な活動がGEOSSが設定しております9つの社会利益分野にどれだけ貢献したか、これをきちんと評価する必要があるのではないかという問題意識のもとに、評価方法の確立をしようということで、現在いろいろな検討が進んでおります。具体的にはGEOSSの業績モニタリング及び評価フレームワークという、その評価のフレームワークをつくるためのワーキンググループをつくりましょうということで提案がございました。ワーキンググループの設置、それから活動概要、今後の予定といったような、基本的なラインについては承認をされたところでございます。我が国を含め各国からこの活動については支持をするという話がございまして、我が国といたしましても参加表明を行ったところでございます。
 (9)の2009-2011作業計画でございますが、これは前回の作業部会でもバージョン2をご紹介させていただきましたけれども、さらにバージョンアップした計画案が紹介されました。これは先ほど申し上げた戦略目標(Strategic Target)との連携をするということで、最終的には作業計画自身は文書としてはLiving documentということで承認がされたところでございます。
 それから4ページにまいりまして、執行委員国の改選ということが報告されました。これは本会合の前日に開催されました執行委員国会議、それから本会合の合間をぬって開催されました各地域間コーカス、地域委員会での議論の結果ということでございます。特に我が国は従来、執行委員国を務めてまいりましたけれども、今回の本会合を機に韓国に席を譲るという形になりました。ほかの国は、例えば欧州ではドイツがおりてフランスにかわりました。また、米国ではパナマとベリーズが交代をするという形になりました。我が国が執行委員国からおりるという形は、予定はされておりましたけれども、各国からそれまでの日本に活動に対する非常に高い評価、それから引き続いての貢献に対する期待が表明されたところでございまして、これについては我が国としても引き続き積極的に貢献をしていくということを意思表明したところでございます。
 また、執行委員国の改選との関係で、(11)の執行委員会枠の拡大も議論がされました。これはアジア・オセアニア地域会合で、我々、任期満了をもって韓国に譲ると、執行委員国からおりるということになったわけですけれども、引き続き日本の貢献を期待するということで、執行委員国の枠を広げれば日本の活躍も期待できるということも背景にございまして、中国のほうから、今アジア・オセアニア地域での枠が3つあるわけですけれども、これを4つに拡大できないかという提案を本会合でされました。欧州サイドからも各コーカスですね、各地域それぞれ枠を広げてはどうかと、そもそもGEOSSの全体の規模が拡大しているということもあって執行委員会の枠を拡大するということが適当ではないかとい提案もありましたけれども、最終的には慎重に対応するということで、次回以降、執行委員会での議論、それから次回の本会合で議論という形になりました。
 財務報告でございますけれども、事務局の運営経費について説明が行われました。収入が減少しているという状況がございまして、きちんとした事務局の安定的な基盤を確保していくということで、可能な限り経費削減、それから新規予算の獲得ということで努力をしていくという報告がございました。
 次回の本会合でございますが、2009年11月アメリカにおいて開催したいということで、承認がなされました。
 また、2010年に閣僚級会合を予定しておりますけれども、早期に準備をしていく必要がるということが共通認識として確認されました。
 また、閣僚級会合のホストでございますけれども、韓国からまず名乗りがありまして、続いて中国からもホストをしたいというお話がございまして、両者間で調整していくということで、我々としてはアジアで閣僚級会合が開催されるということについては非常に前向きにとらえているというところでございます。
 最後に展示の関係でございますけれども、GEOSSの取り組みについて各機関、東京大学、それから地球温暖化観測連携事務局、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、産業技術総合研究所、海洋研究開発機構(JAMSTEC)から展示を行っていただきました。全体としてはGEO.jpという全体の大きな看板を掲げまして一体としてやっておりますということをアピールできたのではないかなと思っております。
 資料1-1のご説明は以上でございますが、引き続き資料1-2につきまして、GEOSS業績モニタリング及び評価フレームワークについて、ご説明をさせていただきたいと思います。
 経緯でございますけれども、ごく簡単に申し上げますが、GEOSSの活動状況を図るものといたしまして、もともとGEOSS10年実施計画、また参照文書、これにPerformance Indicatorsということで業績指標が規定されております。これは活動の量を図るということで、実際の作業量、例えば登録されたデータの量でありますとか、参加機関の数でありますとか、そういったところが中心でございまして、具体的なタスクの評価でありますとか、実際にタスクがGEOSSにどのように貢献しているのかといった評価はなかなか難しいというのが実情でございまして、そういった意味でより深くGEOSSの各活動を評価する手法というものを具体的にもう少し考えていこうではないかということで始まったものでございます。
 るる議論が進んでまいりまして、今回、GEOの第5回本会合で、このGEOSSの業績モニタリング及び評価をするためのワーキンググループをつくるということが決められました。具体的にはフレームワークの概念でありますとか活動概要、これは後ろのページになりますが、こういったものが一応承認をされて、今後、今月中にワーキンググループメンバーを選定し、来年3月には第1回のワーキンググループを開いて、2010年の上半期をめどに評価を実施して、2010年の閣僚級会合に報告をするという予定で進めていくということが決まっております。
 具体的な付託事項として決められておりますのを資料1-2の裏のページでご説明させていただきますけれども、目的のところに業績指標、これは成果ベースで業績というのを見ていくということでございます。GEOSSの業績評価を支援する業績モニタリング及び評価のフレームワークを確立するということが目的でございます。具体的な文書を作成するということで、今、粗々のものが、検討されたものがございますので、そういったものを下敷きにしましょうということでございます。最終報告は2010年11月の地球観測サミットで2010年の半ばまでに完成というスケジュールでございます。既存のGEOSSの業績モニタリングシステム、これもきちんとしたシステムと言えるかどうかわかりませんけれども、既存の活動についても検証して改良を図っていくということがうたわれております。
 具体的な評価のやり方でございますけれども、3.のアプローチと機能のところに書かれておりますけれども、例えば世界銀行とかOECDとかそういったところで行われているような評価のアプローチあるいはツール、こういったものを採用するということが考えられております。また、具体的に評価計画を実施するための財務、それから人的資源の確保についても検討するということが言われております。最終的な評価の結果についてはGEOの本会合並びにGEOの執行委員会に報告をしながら進めていくということでございます。
 資料1-2のご説明としては以上でございますけれども、GEOSSの活動の評価ということについては非常に重要な取り組みであると認識をしておりまして、我が国からもこのワーキンググループにはメンバーをぜひ出したいと思っておりまして、具体的な人選をこれから早急に進めさせていただきたいと思っておりますけれども、具体的な人選についてもしご意見などありましたらちょうだいできれば幸いでございます。
 それから、長くなって恐縮でございますが、続きまして資料1-3、GEOの2009-2011年、次期の作業計画についてご紹介をさせていただきます。これは前回、バージョン2をご紹介させていただいておりますので、ごく簡単にご紹介をさせていただきますけれども、先ほど申し上げましたとおり戦略目標(Strategic Target)等との調整をするということで、とりあえずのものとしてバージョン3として承認をされたものでございます。今後の主な予定でございますけれども、具体的なそれぞれの作業計画の中にぶら下がっておりますタスクごとにシートをきちんとつくって、それからタスクシートの中にどういった貢献をしていくのかという細かな確認の、やや事務的ですが、その作業が来年の1月中旬をめどに開始されるということでございます。
 それから、2009年の11月の本会合での承認までに向けてT3、それから先ほどのモニタリング及び評価フレームワークとの調整を進めていきながら最終的なものをつくり上げていくというスケジュールで進んでいくということでございます。
 作業計画の中身でございますけれども、GEOの活動を分野横断的に連携をする、あるいはデータの共有及び配布を強化するということで、GEOの活動が進捗しておりますことを踏まえた中身になっております。タスクの見直しをして重複などを取り除いてまとめるとか、あるいはまとめる中でタスクの中にサブタスクということで構造を整理するといったような形で整理をされたところでございます。
 個々の中身については概要ということで、例えば日本の機関がリードをするようなものについては赤字で示したものを2枚目以降につけさせていただいております。今回タスクとして新規に追加されたものが、ページを打ってなくて恐縮でございますけれども、4枚目になりますでしょうか、2.4Climateで32番の項目でございますが、全球炭素観測と解析システムのところで赤で色をつけてございますけれども、b)とc)、森林炭素トラッキング、宇宙航空研究開発機構がリードでございますが、この項目、それから宇宙からの全球温室効果ガスモニタリング、同じくリードは宇宙航空研究開発機構ほかでございますが、この2つは新規のタスクとして登録をしたところでございます。
 それから資料1-4は参考までにごらんいただければと思いますけれども、これは現状の2007-2009作業計画における我が国のタスクの参加状況でございます。タスクごとに我が国がどういう形で参加をしているか、貢献あるいはリードがございますけれども、どのような組織が参画をしていただいているか、またどのような貢献をしていただいているかというものをまとめさせていただいたものでございます。これは2009-2011作業計画についても、先ほど申し上げたような各タスクの詳細の整理が終わりましたら、また改めてこのような形で参加状況を取りまとめさせていただき、ご報告はさせていただきたいと思っております。
 長くなりましたが、本会合の結果について状況をご説明させていただきました。以上でございます。

【小池主査】  どうもありがとうございました。約30分ぐらいは過ぎているんですが、大体11時ぐらいまで、今ご報告いただいたことについて主に議論したいと思います。次の議題でT3のことがありますので、これは別といたしますと、(1)2009年から2011年のタスクのこと、(2)Performance Indicators、つまり業績モニタリングと評価ワーキンググループのこと、 (3)本会合の全体、をご説明をいただいたわけですが、質疑、ご議論もちょっとそういうふうに分けてやりたいと思います。
 まず、最初に資料1-1で本会合のご報告をいただきましたが、2009年から2011年のタスクにつきまして、何かご意見、ご質問等ございましたらまずお出しいただければと思います。いかがでしょうか。

【深澤主査代理】  1ついいですか。本会合でデータ共有原則について、何か具体的な進行状況という報告はありましたか。今のところ、タスクチームをつくっていますよね。それで1年間活動してきたわけですけれども、それでこれから先の、例えばデータ共有原則のまとめ方の方向性とか、そういったものは特には言及されなかったんでしょうか。

【谷地球・環境科学技術推進室長】  いえ、データ共有原則については、資料の(6)のところにも書かせていただいておりますが、現在の状況、それから今後の活動状況についても報告が行われまして、そういうラインでぜひ進めてくださいということで承認がなされたところでございます。

【深澤主査代理】  そういうラインというのは、具体的にどんなラインになっていましたかということを知りたいのですが。特に陸域のデータのほうなのですけれども。

【谷地球・環境科学技術推進室長】  そういう意味では、個々、中身についての議論は特になくて、大きなフレームワークの話だけでございました。

【深澤主査代理】  どうもありがとうございました。

【小池主査】  今のことは、ICSU(国際科学会議)のCODATA(科学技術データ委員会)がデータのタスクとして膨大なドキュメントをまとめていただいて、あれを先ほどもございましたように次のサミットで合意をするというプロセスなんですね。実は、私も一度、10月の頭、ケベックで開催されたデータのシェアリングに関するワークショップがあったので電話会議で参加させていただきましたが、そういうのが今いろんなところで行われていて、いろんな問題を出しながら、あるいはそれに対する対応をお互いに考えながらいろいろもんでいる最中なんですね。私はその中で、第三者へ譲渡することの問題はやっぱり大きいので、それが手かせ足かせにならないように配慮する必要があるということを申し上げたり、あと個別の具体的な事例で、こういうふうにすると共有が進むよ、なんていうことは議論をさせていただいたりしていますが、そういうものが今、徐々にタスクチームの努力で集められているという段階だろうと思います。ですから、結構具体的なものをどんどん注入されていると思います。

【深澤主査代理】  そうですか、わかりました。

【小池主査】  ほかにいかがでございましょうか。

【石田委員】  ちょっとよろしいでしょうか。GEOの2009-2011年作業計画についてちょっとコメント申し上げたいんですけれども、1つは、2009-2011年についても我が国のほうからコメントを出して、かなり内容が変更されて今至っていると。特に2.4のClimateの分野について、G8洞爺湖サミットでの気候変動、それから水循環におけるGEOSSの加速といったものに対応した形でこの分野を強化するということで、特に全球炭素観測と解析システムのところで2つのタスクを定義したと。その2つのタスク、一応これはJAXAとなっておりますけれども、JAXAとそれから国立環境研究所が我が国のリードということになっております。そのことをコメント申し上げたいのと、それからもう一つデータ管理のところで、DEM、全球数値指標モデル、これはリードがJAXAになっておりますけれども、JAXAは我が国から参加するという立場で、必ずしもこのタスクのリードではないですけれども、DEMについては産総研さんのほうでASTERのDEMを提供するということでこれから貢献が期待されているというところで、そういった日本の貢献がかなり明示的に反映されている作業計画になっていると思います。

【小池主査】  ありがとうございました。作業計画はちょっと後でまとめてお話ししようかと思いましたが、日本のリードということで関連していうと、先ほど室長のほうからご説明がありましたが、日本のこれまでの貢献というものは非常に高く評価されていて、今ご指摘のようにタスクの中でもそうでございますし、それはGOSAT、それから30メートルのDEMとかいう形で出ていますし、それから大変ありがたいのはGEO事務局のセコンドとしてJAXAから派遣される方に加えてもう一人、来年参加いただくということで日本から2人GEOの事務局のセコンドメントが出るということで、これもGEO全体にとっては非常に大きなインパクトになっているように思います。それから、この後、議論がありますが、アジア太平洋会合をずっと継続しているとか、G8でリードというのは皆さんよくご存じのところですが、そういう具体的なことが積み上がっていって、中国はおそらく別の意図もあってとは思いますが、日本のために執行委員会のアジア太平洋地域の枠を1個増やすという案をコーカスの中でも提案し、かつ本会合でも提案したわけで、いろんな実績がそういう形で認められているなというのを私は強く感じました。ですから、こういうG8のような大きなイベントもそうですけれども、今、石田委員からお話のあった日々のタスクの実行も非常に大事で、そういう中でGEOを支えていくといいますか、リードしていくことが必要なんだろうと思います。
 執行委員会国についてはアメリカが最後ちょっと、冷や水でもないんですけど、慎重と、アメリカらしい意見だなと思いますが、いずれにしろあの場で枠が拡大されて、かつ日本がそのまままた執行委員会国になるということは到底考えられなかったと私は思いますので、少なくとも1年間、日本が執行委員会国から離れたということは、この後のGEOのいろんなマネジメントにとっては大きなインパクトになったと思います。中国もそのうちやめなければいけないんだという自覚を持ったと思いますし、それをどういうふうにこれからマネジメントしていくかということが重要で、引き続き日本の責任というのは非常に大きいと思っております。
 ほかに全体につきまして、タスクとモニタリング評価については後でまた議論したいと思いますが、よろしいでしょうか。
 私のほうから1つ質問です。5番のGEOポータルへの登録は積極的にしていただかないといけないと思っています。私からちょっと提案ですが、おそらくJAXA、JAMSTEC、GEO Grid、地球地図、DIAS(データ統合・解析システム)もたしか、どういう形であるかどうかははっきりしませんが、それぞれ登録はしていただいているんだと思いますが、これをちょっと作業部会としてまとめていただけませんでしょうか。今、資料ありますか。要するに登録が済んでいるか済んでないか。日本から登録されている機関なりデータ提供機関なりプロジェクトなりが、どんなものがあるかというのはぱっと出ますか。

【事務局】  ちょっと出ないんですが。

【小池主査】  そうですか。まず私からのご提案は2つあって、こういうふうに試行期間ではありますが、ぜひ登録をしてくださいというアナウンスを関係各省に流していただくというのが1つと、それを取りまとめて少なくとも次回の作業部会のときには出していただいて、ああ、ここが落ちているじゃないか、DIASが落ちていたら善処しますが、というようなことを確認して、いや、やっぱりこれはぜひ登録くださいと、あるいは登録するのが難しい理由は何ですかということを詰めながら、積極的にこの活動をアクセレレートしていく必要がありますので、そういうことをやってはいかがでしょうか。

【福島委員】  よろしいでしょうか。地球地図も登録したつもりでありまして、検索すると出てくるんですが、あれ、どうやって使って何がわかるのかというのがわかるような日本語のドキュメントが何もないので、非常につらい思いをしているので、何かあればありがたいなという、単なる希望でございます。

【小池主査】  JAXAが多分一番よくやっておられると思いますが、あとGEO Gridもよくやっておられるというのは、私は見ているんですけれども、石田委員、何かご経験ございますか。

【石田委員】  確かにあそこに登録したからどういうメリットがあるのかということはよく聞かれますし、JAXA自身も今のところは単に適用可能なシステム登録しているという状況なんですけれども、だからその辺の登録することの意味をはっきりさせるということ。そのために、実はガイダンス文書というのをつくってきていて、そのガイダンス文書は別途、GEOのホームページにも載っているんですけれども、そのガイダンス文書からGEOSSの共通基盤に登録することの意義をもうちょっと登録するところに記載するといいなと思いますね。そういうことをGEOの事務局に提案してもよろしいんじゃないでしょうか。

【小池主査】  おそらく2つあるんですね。1つは自分が探しにいってほかのデータにたどり着けるのがどれぐらいあるかということ、それがどれぐらい増えるかということと、自分の持っているデータにアクセスがどれだけ増えるか、またアクセスだけじゃなくてどれだけ使われるかという。ですから、アクセスが増えるほうは、ポータルを通して増えるほうはカウントしてくれるというのを言うと、それで多分インディケーターになりますね。それから、それで来たものが、地球地図からデータを持っていかれるというのがアイディンティファイできれば、これはパフォーマンスが見れますので。ですから、何かそういうものをポータルの機能に持たせるように要求することは大事だと。大体普通はカウントしているはずなので、それが何件ぐらいあるか定期的に見せていくとかいうのは効果的だと思います。多分、今の時点でそういう機能はないので、その機能をつけると非常に有用だと思いますね。

【小池主査】  そうしたら今のも含めて関係各省にまず登録をお願いしますと。それから、その成果をまとめる。それからそのときに、こんな機能があるともっとうれしいというものをちょっとコメントいただいて、次期の作業部会でまとめて、あわせて、それをGEOのほうに要求するということはやってはいかがかと思いますが、よろしいでしょうか。それじゃあ、そういうふうに進めさせていただきたいと思います。
 よろしければ、石田委員のほうから先ほど作業計画の2009-2011の件につきましてご紹介をいただきましたが、この件につきまして何かございますでしょうか。
 ちょっと私の関係しているのが間違っているように思うんですけど、4ページ目の水のところですけれども、35というところにWA-08-01のb)に、東京大学他になっていますが、これではなくて、e)の水循環データ統合が私のリードさせていただいておりますので、これ、もしも原文が間違っていたら私、直すようにお願いいたしますが。いわゆるCEOPというものがタスクとして定義されているということでございます。
 この作業計画につきましては、いかがでしょうか。
 この資料1-4は、こういうふうな形で全体が、日本はこんなにやっているんだなとわかるんですが、このうちの幾つかがリードでもあるわけですね。ですが、この先に何があるのかというのが、これはできるんだけれども、この先に実質的に我々は何をできるかというのを考えたほうがいいように思います。下世話な話ですけれども、この表に載っているから予算がとれるというわけでもないし、世界で日本はこういうのですよという表がつくられていくわけでもないわけですね。そうすると実質的にこういうことをやっていただいて、それぞれGEOを盛り立てて、各省庁のご努力、あるいは大学等の努力でやっているわけですけれども、これから我々は何を得られるかということをやっぱり考えたほうがいいと思います。
 1つは、それぞれのやっておられることが国際舞台の中で発言していくというんですか、表に出ていくということが非常に大きいわけですね。そういうふうに出ていますよということを国内でどうアピールするかということが、まだできてないように思うんですね。じゃあ、この表でアピールできるかというとなかなかやっぱりアピールできないので、この表の中にあるものはいろいろとよくやっておられるものと、ちょっと言い方はあれですけれども、もしかしたらある程度お付き合い的なものもあるかもしれませんが、よくやっておられるものをもっと表に出すような枠組みをこの作業部会ではぜひ考えたいと思います。非常に活躍しておられる、ちょっと今日ここにたまたまおられるわけですが、山中先生のJAMSTECのHARIMAUとか、あれも非常に大きな貢献をやっておられるわけで、そういうものがもっとぼつぼつとあるわけだと思いますので、表に出るようなことで何かできないかなと思います。
 2つ方法があると思いますが、1つは定常的に日々の努力というのが必要で、それにはタスクシートを4カ月ごとにまとめることになっていて、私のところにも来ていますけれども、来月の中ぐらいまでに出すようになっていますが、リードのところには必ずタスクシートを書いてくれと来ていますので、このタスクシートのアップデートはこの作業部会にあわせて送付いただいて、そのアップデートがどういうふうになっているのかというのは作業部会でモニターさせていただくというのは非常に大きいと思います。それはアップデートですから、今までよりもこんなことがやられていますということが見えているわけで、そういう意味では少なくともリードについてはそれが見えてくると思います。
 それから、リードの機関は各メンバーに対してアップデートありませんかとか、あるいは電話会議をやりながらそれを徴収する努力をずっとしているわけですが、その中にメンバーとして入っておられる方は、こんなことはやったからタスクシートに載っけてアップデートに入れてくださいと言われるんですね。そういうインタラクションがリードとメンバーの間には行われているはずなんですね。それが集約されてタスクシートのアップデートになってそれぞれの委員会なりGEO事務局の担当のほうに送付されているわけなので、非常にたくさんの機関が入っていただいていますが、タスクごとに、かつ機関ごとにメンバーの方からタスクシートのアップデートにこんなことを注入してそれがタスクシートに盛り込まれましたというのがあれば、それも作業部会にご報告いただくと。これは定期的に行われますから、必ず定期的に集まるわけですね。それをずっと積み重ねていくと、我々がどんなふうに実質的に貢献できているのか、名前だけではなくて、というのが見えてくると思うんですね。それは積み重ねが大事で、目に見えた形で見えますし、そうすると比較的こういうのってみんなやる気が出てきてコンペティティブになって、オールジャパンになるのがいいと思います。今までタスクは皆さんそれぞれでいろいろやってこられたと思うんですが、そういう枠組みを日本国内に持ちますと活性化されるんじゃないかなと思っております。仕事が増えますけれども、いかがでしょうかということですが。委員の皆さん、ご意見あればお願いします。

【高木委員】  1つ、先ほどの日本語化という話のところでコメントがございましたGEOSSのページとかGEOSSポータルのページに日本語のページへのリンクを張っていただくようなことをしていただくと、日本でどんなGEOSSの活動をやっているのかが明確になるのでよろしいのかなという気がいたしました。今、実際にGEOSSのポータルではすべて英文の情報しかないわけなんですけれども、一方でグーグル等で検索するとGEOSSに関する日本語の紹介文というのは各組織の方々が独自でつくられてございますので、そういうものへの基本的にはまとめのリンクを張っていただくというのが一番手間もかからないですし、日本で具体的にGEOSSがどういうことをやっているのかということがわかるような形になると思いますので、そういう1つまとめられるような、イエローページに相当するようなものをご用意いただいて、それへのリンクをGEOSSのほうの本家というか、本部のGEOSSのページからリンクとしてつくっていただくとまずはわかりやすいのかなという気がいたしました。

【小池主査】  高木委員、ありがとうございます。実は、私、それも次に言おうと思っていたんですが、GEOのページに行くと、USGEOとか、今5つぐらいあるのかな。出ているんですが、あれにGEO.jpがあって、それをクリックすると最初から包括的につくるのは結構大変でどこかの機関に努力いただかないと、ジョイントでジョブしないといけないんですが、簡単なホームページ、英語と日本語のホームページへ飛んで、そこからそれぞれの機関にリンクが張られているということをすれば、GEOにとってはGEO.jpにつなぐだけですからそれでよくて、GEO.jpに来れば産総研とかJAXAとか地球地図とかいろんなところへ飛んでいけると。そんな枠組みをまずつくったほうがいいと。あるいは、先ほどの話とリンクさせますと、GEO.jpのところにタスクへの貢献のアップデートみたいなのを常にアップデートさせていくとわかりやすいかなと思うんです。どうもありがとうございます。

【石田委員】  ちょっとその件に関して。JAXA側から作業用ということで、GEOSSJAXAのホームページをつくっているんですけれども、一応その中にJAXAが活動しているタスクとだれが担当していて今の状況はどうなっているかというのを常にモニターできるようなそういう仕組みを中でつくっているんですけれども、だからそういうのを各機関ごとにできると、それでそれをリンクすると自動的に国としてのタスクの準備状況がわかるような仕組みができるんじゃないかなと思うんですけれども。

【小池主査】  ぜひそういうところまでいきたいと思いますが、まずはこういう情報を集めて、今そういう事例が先進的につくられているのは大変ありがたいと。どうもありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。

【石田委員】  よろしいですか。作業計画の実施でやっぱりタスクの管理が最も大事で、だれが何をいつまでにやっているのかということをモニターできるようなそういう仕組みが要るわけなんですけれども、今、小池先生がおっしゃられた形でモニターできるといいと思うんですね。それから少なくともこういうリストについては、参加している機関の名前や何かがはっきりと明示されるということが大事かなと思います。

【小池主査】  どうもありがとうございます。そうしますとアクションアイテム2ですけれども、今、石田委員からお話のありましたように資料1-4で組織名までありますけれども、できればそのコンタクトも必ず出ているはずなので、コンタクトまで明記したものをまずまとめていただいて、それがないと次のアクションがいかないんですが、それができて、かつ事務局のほうから、タスクのまとめの時期ですが、リードの人にはアップデートしたタスクシートを事務局のほうへお送りくださいというのが1つですね。それからコントリビューターの方にはタスクシートへのインプットがございましたらこれをお送りくださいというのをやっていただいて、この委員会で、あれは年4回ですので、大体同じぐらい、時期がうまく合うかどうか別として同じぐらいのタイミングで常にそれを見ていくということをやってはいかがかと思います。それから、GEO.jpのポータルというまでじゃないんですが、受け口のところはやっぱりつくったほうがいいので、これをどういうふうにつくるかは具体的に関係の皆さんとご相談させていただいて、次のときにはこういうふうにつくりましょうという案を出していただいて、それを進めるということができればと思いますが、よろしいでしょうか。

【石田委員】  あともう一つ、よろしいでしょうか。リストですけれども、国内の参加機関をまとめているんですが、GEOの事務局にはこれを世界レベルでまとめたリストがあるはずなんですね。世界レベルでどの機関が参加していて、だれがリードしていて、だれがコンタクトポイントになっているかというリスト、これはみんな持っていると問い合わせもできるし、それからリストの中で日本がどこに参加しているかというマッピングもできるわけですね。そのマッピングを見ることによって次はどこの分野を重点的にやっているのかとか、そういう検討ができますので、世界レベルでどういう機関が参加していくのかというリストをつくっているはずなので、それをちょっと要求してほしいと思うんですけれども。

【小池主査】  そうですね、これは問題なく出るものだと思いますので、じゃあそれは事務局のほうから、これはメンバー国からやらないとだめなので、よろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。そうしたら次に業績(パフォーマンス)のモニタリングと評価ワーキンググループのことについてでございますが、これにつきましてご意見はいかがでございましょうか。

【深澤主査代理】  まず1点、質問したいのですが、業績、評価のワーキンググループメンバーの選定が2008年12月に行われるということになっていますけれども、ワーキンググルーメンバーの人数とか、あるいは選び方、例えば地域とか、各分野、タスクによって出すとか、そういう方向性というのはあるのでしょうか。まずは、人数はもうかなりはっきりしているのですか。

【谷地球・環境科学技術推進室長】  はっきりとした人数は、たしか指定されてなかったと思います。十数名とか何かそういう話があったぐらいで、具体的な人数であるとか、例えば地域割とかそういったものは示されていないと認識しています。
 ただ、あまりにどこかの地域に偏っているとかいう形で、これはGEOの活動全体のモニタリングまたは評価ということですので、ある意味ではそこのバランスというのも見る必要があると思いますし、少なからぬ国が参加の意思表明をしておりましたので、これは十数名で全体的な地域間バランスもとれたような形での体制で進められていくのではないかなと思っております。そこはスペシフィックに、例えば行政官がいいのかとか専門家がいいのかとか、そういった具体的なメンバーについてのスペックといいますか、そこも必ずしも示されているわけではありません。ですから、やや我々も、ここは非常に重要で、しっかりやらんといかんと、具体的に人を出さんといかんと思ってはおるんですけれども、じゃあ例えばですが、役所から行くんですかというのか、あるいはやはり専門家に行っていただくのかということについては、若干様子を見ながらという感じといいますか、情報収集しながらということになるのかなと思っております。

【深澤主査代理】  あと、選定のプロセスはどうなっていますか。ワーキンググループメンバーは、GEOの事務局が決定する、それともGEOの全体会議で決定するのですか。

【谷地球・環境科学技術推進室長】  各国からの登録といいますか、各国からの推薦でGEOの事務局のほうで決めるという形になるというふうに理解をしております。

【深澤主査代理】  わかりました。

【小池主査】  よろしいでしょうか。もう皆さんおわかりのようにこれは非常に重要ですね。先ほどメンバーのタイプといいますか、行政官なのか専門家なのかというお話もございましたが、少なくともメンバーはどちらかになるにしても、だけど日本としては両方で動けるという体制にしておいたほうがいいと思います。例えばメンバーが専門家になったら、行政官の方、文科省の方とご一緒にその作業を、委員会にも出るし、作業をやれると。それから、行政官の方が委員になられれば、評価もそうですしGEOのことをある程度わかっておられる専門家の方に一緒に作業していただくと。その内容をここでご報告いただきながら、この作業部会の非常に大事な仕事になると思いますが、それをご報告いただきながら、その間のこの後議論しますターゲットタスクチームへの入力のように効果的にどんどん日本政府としての意見、タスクチームで議論されてそこで決まらないんですね。この枠組みはタスクチームで議論されたものが案として上がってきて、基本的にメンバー国から意見が出て、その重みが結構大きくて、それで成文化されていきますので、タスクチームで頑張っていただければそれで終わりではなくて、ここで議論してメンバーとしての日本政府からGEOのほうへきちっとコメント出していくというプロセスが大事だと思います。そのためには行政的なお立場でのご意見と、それから専門的な立場でのご意見、両方合わさっている必要があると思います。ここにはやっぱりかなり力を入れて体制を組んでやったほうがいいと思います。これは日本の戦略的な意図というのもありますし、GEOをほんとうに、前回以来言っていますが、支えていくのに非常に重要なプロセスだと思います。私自身が10年実施計画に携わらせていただいたときには、あのときは専門家でしたので、行政的なお立場の方に、お二人サポートいただきながらやらせていただいて、非常に効果的に進めることができたという経験からぜひそういう体制をお考えいただければありがたいと思って思います。これは文科省のほうでぜひお考えいただいて、おそらく次回のほうにはもう決まっていると思いますが、人選等につきまして、皆様ご意見ございましたら、どうぞお願いしたいと思います。
 よろしいですか。今、私のほうから一方的に申しましたけれども、室長、よろしくお考えくださいということしか言えないのかもしれませんが。

【谷地球・環境科学技術推進室長】  小池先生からいただいたお話も十分留意しながら具体的なメンバーの選定と、それから進め方、両方にきちんと目配りをしながら進めさせていただきたいと思っております。

【小池主査】  それではいかがでしょうか。本会合のご報告にあわせて作業計画、あるいはモニタリング、評価フレームワークのご議論をさせていただきましたが、よろしいでしょうか。
 それでは、次にGEOSSの戦略目標についての議論に入りたいと思います。これは前回の作業部会でも議論させていただいて、T3の集中会合があって、そしてこの作業部会から石田委員にそのメンバーに入っていただきまして、その原稿に対して作業部会の皆さんからの意見も含めて出して、レビューがあってGEOの本会合に出てきたわけでございますが、その辺の経緯も含めて石田委員のほうからご説明いただけますか。

【石田委員】  今、小池先生のほうからご説明があったように、集中会合ということで、10月に第3回のT3の会合が開催されていて、そのアウトプットが今回の本会合のほうに提出されて、一応現在の案が採択されているという状況だと思います。これまで2回、T3をやっておりまして、1回目が6月。1回目では作業の進め方を同意しまして、2回目が9月。9月で具体的な戦略ターゲットの文書の構成ですとか、内容ですとか、それから各チームメンバーの分担を決めたと。それで10月の集中会合、10月21日から23日にまでに第3回目のT3会合があって、その前に各メンバーからコントリビューションという形で分担している分野のターゲットの案を出して、それをまとめたというのが現在のドキュメント10というやつだと思います。それで、第3回のT3会合の結果の概要ということで資料2-1に示していますので、それを簡単に最初、ご説明したいと思います。
 出席が共同議長、NOAAのウイッティさんと、それからウガンダのオワロさんという方。それと、ほかのメンバーが6人で、計8人でございます。8人というのは、T3全体のメンバーが25人ですので、その3分の1以下ということで、人数的には非常に少なくて、だから外部の専門家のレビューが重要になってくるわけですけれども、一応8人のメンバーで検討された結果が今まとまっているということでございます。
 会議の要旨でございますけれども、まずGEO事務局長のほうから、T3の現状について、T3に対するGEOの期待が非常に大きくなっているということと、それから先ほど谷室長のほうからもご案内のありましたようにGEOの2009-2011年作業計画、それからPerformance Indicators、これとの調整をとっていく必要があるということがコメントされています。ちょっと2ページ目に飛びますけれども、GEOSSのPerformance Indicators、(3)でございますけれども、これについても議論がされていまして、参考なんですけれども、ECの代表のほうから強くPerformance Indicatorsの必要性が指摘されていて、本会合で今回それをやることになったと理解していますけれども、一方、ドイツのウド代表のほうからは、評価というのが重要なんですけれども、GEOSSがまだできたばかりで、その成果の多くが期待できないと。リソースも限られているので、評価もほどほどに行う必要があるのではないかという発言がございました。それでPerformance Indicatorsについては、2010年の次の閣僚会合のときに中間評価をまとめるということになっているんですけれども、そのときのPerformance Indicatorsの評価を何の基準に基づいてやるのかというところについては検討の余地があるということを私のほうから指摘しております。
 それから(4)で、ここからは戦略ドキュメントの内容に入ってくるんですけれども、GEOSSの定義と目的についてもう一度検討しておりまして、前回9月の会合のときにはGEOSSの定義については観測システム、情報統合のためのフレームワークという定義だったんですが、これでは弱すぎるということで、地球観測・情報システムネットワークと改められているということと、それからGEOSSの目的にタイムリーにデータを提供していくという言葉が追加されてございます。
 それから、各担当からのインプットをベースにしてGEOSSの戦略目標の案の作成に入っていったんですけれども、その最初にGEOSSの戦略目標の要件ということで議論をしておりまして、その要件の概要ですけれども、まず2015年、GEOSSが完成した時点で達成可能で、それを目標にしてGEOSS全体の活動が引き上げられるような目標を掲げるべきでしょうということと、それから目標については結果(output)と、影響(impact)を含むような戦略目標にするべきだということ。それから計測可能(measurable)、Performance Indicatorsで評価するに必要な計測可能な内容になっているということ。それからGEOSSの統合を促進するような、そういう戦略目標であるという要件をまず合意をしています。それから、戦略目標の数なんですけれども、前回も報告しましたようにこの戦略目標が今非常にターゲットが多すぎて全体の概要の把握が難しいということもあるので、各分野、1個から2個というふうに非常に少なくして、短い達成目標の記述で、それを補足するような説明文書で各戦略ターゲットを記述していくということが合意されております。
 それで、各委員から上がってきたGEOSS戦略目標案の全体レビューを3日間のうちに2回行っております。その2回の中で出てきた主要なコメントは次のとおりでございますということで、3ページ目に書いてございます。まず構造(Architecture)ですが、これについては最初、共通情報基盤の維持管理という目標だったんですけれども、それに観測の集約を含めるということと、それからデータ管理の戦略ターゲットについては、利用者にやさしいインターフェース、それからライフサイクルのデータ管理を含めるべきだという意見、それから能力開発については、各国、各参加組織の計画を調整して全球レベルのGEOSSの能力開発活動を策定するということを達成目標にしようという議論がされました。
 それから、各社会利益分野、まず災害でございますけれども、災害については、当初はデータベースの提供という記述だったんですが、それではなくて観測情報システムの構築を戦略目標にしようという議論がされております。
 健康につきましては、利用者コミュニティのネットワークの構築、それから環境の健康リスクに関するデータと、その予測の拡大を達成目標とするということで、健康については難しい分野で遅れている分野なので、まず利用者コミュニティネットワーク構築を大きな目標にしようということでございました。
 それからエネルギーについては、エネルギー消費による環境への影響を含めるというコメント。
 気象につきましては、異常気象の観測、それから観測ギャップの充足というところを達成目標にしてございます。
 それから水でございますけれども、水は私の担当の分野でございましたが、水につきましてはまず全球の水循環観測システムの構築ということと、それをもとにした統合水資源管理の応用の全球的な拡大、この2つの戦略を目標にするということにしております。
 それから気候でございますけれども、気候についてはまずGCOS、WCRP、IPCCということで、観測、研究、それから評価、これに関する組織間の調整を行うと。それから、気候必須変数(ECV)の観測のための観測システムの整備、それと特に炭素循環観測システムの構築を達成目標とするということを議論いたしました。
 それから生態系でございますけれども、生態系については人間の生活圏が環境に与える影響の監視を達成目標に含めると、そういうコメントが出されております。こういったコメントを反映して現在の戦略ターゲットが書かれているということでございます。
 最後に今後の予定ということで、GEO第5回本会合のブカレストに戦略目標案を提出して、来年3月から4月にGEOSSの2009-2011年作業計画、それからPerformance Indicators、それから戦略ターゲット、三者間の調整を行う会議をやって、三者間の整合性を図っていくということになっております。
 所感ということで、かなり具体的な形になってきて、外部のコメントも入ってきているんでございますけれども、前回のターゲットに対しては一部の専門家がつくったという批判があって、それが長い間、ターゲットが放置されてきた大きな理由になっていますので、今回のこのターゲットの見直しの結果については、専門家による外部のレビューが十分になされるということが重要だと感じておりますし、そういうことを強く事務局のほうに申し上げてまいりました。以上が第3回のタスクチームの会議の概要でございます。
 それで、どうしましょう、ざっと戦略ターゲットのポイントをご説明いたしましょうか。

【小池主査】  じゃあ、ちょっとここで。こういう形でT3で目標の案がまとめられてGEOの本会合に提出されたわけです。先ほども言いましたようにこの作業部会の委員の皆さんからご意見もありましたし、それから各省庁のほうからもご意見をいただいて、これを石田委員を通じてT3にインプットして今のような案になってきているわけですが、引き続き戦略目標の概要についてご説明ください。

【石田委員】  戦略ターゲットの文章はドキュメント10ということで、原文が資料2-3にございますけれども、その前に資料2-2ということで、事務局のほうで戦略目標(Strategic Target)についてということで日本語でまとめていただいていますので、ちょっとそれを利用させていただいて説明したいと思います。
 戦略目標の構成でございますけれども、まずGEOSSの戦略的定義と目標ということで、GEOSSのビジョンと目的については10年実施計画から再掲していますけれども、今回、GEOSSを定義したと。2年間GEOSSの活動をやってきて、ようやくGEOSSを定義できるところまで来たということだと思います。それからGEOSSを支援するためのGEOの最終目標ということで、ケープタウン宣言文をもとにつくってございます。その後、分野ごとに達成目標、これが戦略目標でございますけれども、それを規定しているということで、共通的な分野、それが統合されたGEOSSの構築というところ、それから9つの社会利益分野についてそれぞれ達成目標を規定してございます。
 ドキュメント10の概要が次のページから書かれてございます。真ん中ほどにGEOSSの定義(Definition of GEOSS)というのがございまして、その中に社会における情報に基づく意志決定を支援する調整され統合された地球観測及び情報システムのネットワークであるという定義をしてございます。
 それからGEOの戦略目標につきましては、ポチの3のところで、タイムリーでグローバルなオープンデータの共有という、タイムリーという言葉が入ってございます。
 それから次に各戦略目標の部分だけ、補足説明が原文にはついているんですけれども、戦略目標だけを次のページに2ページにわたってまとめていただいております。その内容ですけれども、まず構造(Architecture)については2つございまして、1番目でユーザーフレンドリーかつアクセス容易なGEOSSのための共通インフラの開発、運用、維持管理を行うということと、それから2番目で衛星、航空機、in-situを含む将来の地球観測システムを構築すると、そういう達成目標が書かれてございます。
 それから1.2のデータ管理につきましては、データ、メタデータ、それから情報プロダクトの継続的長期提供を実現するということと、それがGEOSSのデータ共有原則に従って行われるということを達成目標にしてございます。
 それと、この達成目標は2015年の達成目標でございます。
 それから能力開発でございますけれども、能力開発については、個人、組織、インフラという能力開発の3要素について、国家、それから国際レベルで調整をする、そういうことを可能にするということを達成目標にしてございます。
 それから科学技術でございますけれども、科学技術については、最先端の技術と地球科学知識をGEOSSの開発と運用に取り込むということと、逆にGEOSSの結果が科学研究と技術開発に寄与すると、そういうGEOSSから科学技術コミュニティにどう貢献するかということも達成目標にされております。この後者については日本からのコメントに基づく達成目標でございます。
 それからユーザー関与でございますけれども、ユーザー関与については、ユーザーニーズに対応するということと、それからGEOSSがデータ情報源として世界レベルで認知されるというのが達成目標になってございます。
 それから2番目は、ユーザーと協力して基礎的なコアのデータセットを準備するということが達成目標になってございます。
 次に、9つの社会利益分野の達成目標でございますけれども、まず災害につきましては、危機管理サイクルすべてのフェーズ、これは準備段階から復興までのすべてのフェーズにサポートできるような観測と情報システムの全球規模の調整を行うというのが達成目標になってございます。
 それから健康につきましては、地球観測情報、指標、モデル、それからツールの開発と利用を加速して世界レベルのアクセスを可能とするという達成目標になっています。
 エネルギーにつきましては、新たなエネルギーシステムの計画、それから運用のためのデータと情報の提供、利用を促進するということで、健康とエネルギーはやはりこの分野、地球観測データ情報の応用が比較的遅れている分野でございますので、それなりの達成目標になっているということでございます。
 それから気候でございますけれども、気候については気候変化と変動の評価、それから適応と緩和のための政策決定に役立つような情報を提供するということ。それから、国際条約をサポートするような包括的な全球炭素観測と解析システムを促進すると、こういう2つの達成目標が設定されてございます。
 水でございますけれども、まず1番目に持続可能な全球水循環観測システムを開発すると。これは水供給の改善、それから全球の水管理、それと国家、地域、河川、それからすべての空間レベルでの気候変化の解明をするために必要なそういう全球水循環観測システムを開発するというのが1つの大きな達成目標。それからもう一つは、それを用いて水管理とガバナンス、特にガバナンスというのが追加になってございますけれども、それと極端現象のモニタリングと予測のために必要な意志決定、これをサポートするということに重点を置いて、世界規模で統合された水資源管理を容易かつ可能にする局所、地域レベルの地球観測の利用を拡大すると書いてあるんですけれども、若干ここの日本語訳は適当でないと思っているんですけれども、この水資源管理については世界規模で統合された水資源管理を可能にするために地方及び地域レベルの統合水資源管理を世界規模で行うということを可能にするというのが原文の趣旨でございます。
 それから気象につきましては、気象観測における空白をなくすということと、極端、シビアウェザーの情報を改善するというのが戦略目標になってございます。
 生態系につきましては、すべての生態系とそれから人類がそれにどういうように影響しているかということをモニタリングする能力の設計と実施というのが戦略目標です。
 それから農業につきましては、全球規模の農業の早期警報システム、これを確立すると。
 それから生物多様性につきましては、世界規模の生物多様性観測ネットワークを確立するということになってございます。以上が戦略ターゲットの骨子でございます。
 それに続いてドキュメント10、原文でございますけれども、各戦略ターゲットにはそれの補足説明がついてございます。
 以上が戦略ターゲットの概要なんですけれども、さらに最後に、日本から提出したコメントが最後のページにつけられてございます。全体で12個のコメントを出しております。この12個のコメントがどれだけ現在の戦略ターゲットに反映されているかという観点で見ていきますと、まず全体でございますけれども、1項はGEOSSの加速というG8のメッセージを反映して、もっと力強い文章にすべきだというコメント。それから2015年までにターゲットを実現するためには戦略的な体制を整える必要があるというコメント。これは2つともドキュメント10のイントロダクションのところに反映されてございます。
 それから3つ目のポチと4つ目のポチでございますけれども、まず3つ目のポチの各目標についての評価指針を明確にするということと、それからこの戦略ターゲットからタスクを起こして、そのタスクを評価して、さらに全体の活動計画の見直しをしていくというガバナンスの具体的設計が必要というところは、これはこれから、特に3月、4月に行われるガイダンスと作業計画とそれからPerformance Indicatorsの調整会合で検討されるところだと考えています。
 それから5つ目、ワークプランに従ってと最初書いてあったんですけれども、基本的にはターゲットからワークプランができてくるのでこのコメントはおかしいということで、これは訂正されてございます。
 それから全体のコメントのうちの最後のGEOSSのFault tolerant性の確保の要点を盛り込むべきだというところでございますけれども、これは災害が発生した場合でもGEOSSがちゃんと使えるということを盛り込むべきだということだと思いますけれども、ここの部分については反映されてないのかなと思っています。
 それから次、Strategic Goal6項目でございますけれども、1項目は空白域をなくすという、これは要所要所に文書に反映されてございます。それから、その成果を評価する仕組みの構築自体もStrategic Goalに含めるべきだというコメントなんですけれども、これについてはまだ反映されてなくて、ほんとうに成果を評価する仕組みの構築というのがStrategic Goal として適当なのかなというのはちょっと議論があるかなと思っております。
 それから、分野横断の戦略目標でございますけれども、Architecture、それからScience and Technology、それからエンドユーザー、これについては反映されてございます。
 それから社会利益分野の戦略目標について、分野間の書きぶりの整合性がとれていないということと、それからGEOSSによって各分野で何ができるようになるかというところが明確にならないと評価できないのではないかというコメントだと思うんですね。これについてはこれから見直しをして反映していくということになるんだと思います。ということで、12個のコメントが出ておりまして、そのうち明らかにまだ反映されてないのは2個だけでございますので、12個のうちの10個がコメントとして採用されていて、それが現在の戦略ターゲットに反映されているということで、非常によく日本のコメントがT3の活動に貢献しているということと、それからそのことは日本に対するGEO事務局の高い評価を反映しているものではないかと思います。
 それから、今後の課題ということなんですけれども、当然、この戦略ターゲットの見直しをしていく、それから社会利益分野の観点からGEOSSは何ができるのかというところをもう少し定義するということが必要なのかなということと、あとここには全然出てきてないんですが、T3のメンバーの中では、ロードマップ、これも日本でつくって、そのロードマップがこのT3活動を始める1つのきっかけにもなっているんですけれども、そのロードマップを最新のものに見直しをして、もし非常に出来がよければこの戦略ターゲットに添付するということがございますので、今回、見直された戦略ターゲットをベースにロードマップの見直しをしたいと思っております。
 以上でございます。

【小池主査】  どうもありがとうございます。事務局のほうから何かございますか。

【谷地球・環境科学技術推進室長】  いえ、もう詳細なご説明をいただきましたので、特にございません。

【小池主査】  じゃあ、委員の皆さんのほうからご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。

【石田委員】  それからこの戦略ターゲットの今後のスケジュールなんですけれども、私が理解しているのは1月末までコメントを受け付けて、それをベースにもう1回GEOの事務局で戦略ターゲットをアップデートして、次のT3のテレコンでその結果を2月の中旬にレビューをすると。そのレビューした結果を3月、4月の作業計画とPerformance Indicators等の調整会合に持ち込むと。そういうスケジュールになってございます。

【小池主査】  どうもありがとうございました。先ほど議論されていただいたモニタリングと評価の枠組みとこの戦略目標というのは対になっているわけでございますが、ご意見、ご質問ございませんでしょうか。
 ちなみに各国からどれくらい意見は出たんでしょうか。

【石田委員】  各国からの意見は、ちょっと私も全体は把握していないんですけれども、ちょっと確認したいと思います。すみません。

【小池主査】  石田さんがたしかコメントをお送りになったときに、事務局でしたかね、あるいはメンバーの方から、日本からコンプリヘンシブな非常にいい指摘があってハッピーだという返事が来ていたように思います。日々というわけでもないんですけれども、こういう適宜な貢献というのは非常に大事で、今お聞きしていても、日本からの指摘がないと、何だかちょっとふわふわっとしたものになっていたのが、かなりしまってきたなという感じがしております。
 私、2つコメントさせていただきたいんですが、最後にお書きいただいている社会利益分野の戦略目標について、これが政策決定者にインパクトがあるわけですね。これであなたに何かできるんだということがやっぱり示されないと、やる気が出てこないと。具体的政策に反映していくためには、ここをリーズナブルな形で、多少アグレッシブに書いていただくということが私は大事だろうと思っています。
 それから2つ目でございますが、石田さんからお話がありましたようにロードマップというのがこれを着実に進めていく上で必要でございまして、これは石田さんがこの10年実施計画を立てる段階からずっとかかわってきて、そういうのがあってこういうチームができてきているわけで、新たなターゲットが決まってきますと、それから評価の仕方も決まってきますとどういうタイミングで評価をしながらロードマップがうまく進んでいることを確認していくか、あるいは遅れている部分をどうやっててこ入れするかということになると思いますので、10年実施計画のときにはたくさんのターゲットに対して非常にいろいろお考えいただいてロードマップをおつくりいただいたわけですが、今回かなり整理されておりますので、それに対して今までのものをもう少し簡略化しながらロードマップをぜひおつくりいただいてといいますか、いろいろ皆さんの知恵をいただきながらつくって日本から出していただくということは非常に大事だろうと思います。当初はロードマップは、最初はターゲットがあれだけ複雑だったこともあって、こんなものがどういうふうに役に立つのかなかなか受け入れられなかったのがようやく受け入れられて、かつターゲットが整理されていますので、非常にエフェクティブなものに多分なっていくと思いますので、よろしくお願いしたいと思いますが、これにつきましては2月ごろにT3の会合があるとなると、それぐらいを念頭にロードマップの原案が出されることが大事ですね。

【石田委員】  一応ロードマップについては1月中に見直しをしたいと思っています。それで、2月のテレコンに臨みたいなと思っています。
 ちょっとロードマップをつくる上で私が懸念しているのは、10年達成目標はこれで非常にシンプルになったんですけれども、その中間の6年達成目標が全然今タッチされていませんので、相変わらず6年目標は非常に煩雑なんですね。そこから10年にいくときゅっとシンプルになるというところで、そこのつながりをどういうふうにロードマップで整理するのかなというのがまだ私の中でもわからなくて、6年達成目標を現状のままにしておいていいのかというのは、ちょっと大きな課題かなと思っています。

【小池主査】  ただ、現在の作業計画が2011年までのがもうできちゃっていますので、そうするとそこを根本的に今の段階で変えるのは結構大変だと思うんですね。まずは10年の目標が、2つとかできていますので、それにくっつく6年のものはグルーピングできるわけで、その構造をつくってロードマップをお考えいただくというのがまず第1だろうと思うんですが、それでなかなかうまくいかない部分はご指摘いただくというのがいいんじゃないかなと思うんですけど。

【石田委員】  そうですね、とりあえず1回見直したものをつくってみて、それでいいのかちょっと見てみたいと思いますけれども。
 あと、もう一つの案は、今の2011年までの作業計画、新しくサブタスクをまとめて1つタスクになっていますので、タスクがもしかすると6年ターゲットになるのかなと、そういう案もあると思います。

【小池主査】  なるほど。じゃあ、なかなか大変だと思うんですけれども、できましたらおまとめいただいた段階のものをこの作業部会でお流しいただいて、皆さんからご意見が出ることをぜひ期待して、その上でT3のほうへ出していただけると、包括的にやっていただけると思いますが、違う分野から考えたときのご意見も反映されてよろしいんじゃないかと思うんですけれども。

【石田委員】  1月末までにこの戦略ターゲットに対するコメントを出してほしいということですので、ロードマップの案についても1月の中旬ぐらいをめどに皆様に展開してコメントを求めるようにしたいと思います。

【小池主査】  どうもありがとうございます。ほかに。

【深澤主査代理】  いろいろなご提案、ありがとうございます。1つ教えていただきたいのは、以前、全球炭素観測は、10年計画の最初の段階では生態系の中に、要するにコミュニティの問題として生態系の中に入れるべきであるという結論がありましたね。それに対して、結局バイオジオケミストのコミュニティがそれとも違うということで構造に入ったという経緯があるのですが、今回、それが日本のコメントとして気候に入ったということですが、そういった面からの議論はなかったのですか。

【石田委員】  議論があったかと言われると議論はあまりなかったように思います。

【深澤主査代理】  多分、バイオジオケミストのコミュニティが非常に困惑すると思うのですが、大丈夫ですか。

【石田委員】  これが気候に移ってくる経緯については、まず生態系に最初に確かに全球炭素観測システムというのがあって、でも生態系だけなのかという意見もあって、次にたしかこれをデータ管理に移したんですね。

【深澤主査代理】  はい、そうですね。

【石田委員】  それで、全球のデータセットをつくるという並びで全球の炭素システムが記述されて、それもおかしいんじゃないかと。むしろやっぱり全球炭素観測システムというのは気候変動に対する貢献というのは大きいんだし、それからやっぱり気候変動の部分が、そのとき非常にタスクの数も少なくて薄かったんですね。もっと気候変動のところを強化しなければいけないという日本のコメントを出して、その結果がこういう形で反映されていると私は理解しています。

【深澤主査代理】  それなら結構なのですけれど、(私のように)物理系と炭素系両方の国際研究コミュニティの内情を目の当たりにしておりますと、困惑する人が多いかなという感触があったのですね。生態系の中には(全球炭素観測以外に)窒素、酸素の循環とか時間の特性とかサブシステムかなり入っていますよね。こういうところをどうするのですか。分けてしまうのですか。

【石田委員】  だから、今のターゲット上は窒素循環、炭素循環って生態系に入ったままなんですよね。でも、タスクは気候変動に移されてしまっているので、だからターゲットとタスクの間の整合性を図るように見直しをしなきゃいけないと。それをこれから3月、4月に向けてやっていくということでございます。

【深澤主査代理】  わかりました。そういった意味ではバイオジオケミストのコミュニティの意見をかなりお聞きになったほうがいいのではないかという気がします。
 以上です。

【小池主査】  そこは非常に大事なところで、むしろ逆手にとってこういうのは分野連携でやるんだというのを何か……。

【深澤主査代理】  そのほうがいいですね。

【小池主査】  ちょっと象徴的な枠組みを提案するのもいいかもしれないね。単に見直しでこっちをこっちに移すんじゃなくて、そんなの無理やりこの中のどこかに入れてほかはだめよというんじゃないでしょうというように、こういうものは生態系、しかも陸、海洋、それから物理系が、まあ化学でもあるのかもしれませんが、協力してやるんだというような、そんなカテゴリーをつくっていくとみんなが集約できるような気がします。

【石田委員】  そうですね、多分それが生態系から分野横断のデータ統合に移った理由だったんですけど、それよりはやっぱり気候変動をもっと強化すべきだという声が多分受け入れられたんだと思いますけどね。

【深澤主査代理】  わかりました。多分にバイオジオケミストの人々に言わせると、生態系そのものはすべての総合芸術なので基本的にはすべて分野横断であるという見方はされますね。

【小池主査】  どうもありがとうございます。このGEOSSのターゲットの見直しというのは非常に大事でございまして、石田委員に引き続きリードいただきながら、このワーキングの中で意見を集約していただきながらどんどん進めていただければありがたいと思います。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。ちょっと時間が押しておりますが、第3回のGEOSSアジア太平洋シンポジウムが開催されます。その内容につきまして、事務局のほうからご説明いただけますでしょうか。

【谷地球・環境科学技術推進室長】  資料3でございますけれども、第3回のアジア太平洋シンポジウムの開催概要に基づきましてご説明をさせていただきます。
 概要でございますが、大まかな方向性につきましては前回の作業部会でご報告させていただきましたが、詳細が詰まってきましたので、また改めてご紹介をさせていただくということでございます。今回、タイトルのところにも書かせていただいておりますが、このシンポジウムは分野横断GEOSSのためのデータ共有、分野横断のデータ共有ということがキーワード、それをテーマに掲げて開催をするということでございます。
 日時は2月4日から6日、京都のリサーチパークで開催をするということで作業を進めております。
 内容の中身でございますが、5.に書かせていただいておりますが、初日、まず基調講演、中身は調整中でございますが、基調講演を皮切りにGEOSSの活動に関する報告、これはアシャシェ事務局長のほうから考えております。それから、構造及びデータ委員会の活動に関する報告。これは、シンポジウムの後に開催されるということがございまして、構造・データ委員会の活動のご紹介をいただくというふうにしております。また、各国のGEOSSに関する取り組みの発表、これは参加予定国、アジア太平洋地域からの各国の発表を予定しております。
 それから、2日目に分科会を午前、午後と開催をすることにしておりますが、今回の分野横断のデータ共有と、分野横断、そしてまた連携ということがキーワード、それを具体的に実現するための分科会の構えというふうにしております。午前中の分科会でございますが、これは各セッション、4つの分科会に分かれて、4つというのは気候変動、それから水循環、生態系・生物多様性、災害ということで、それぞれは、気候変動で申し上げれば、二酸化炭素収支推定でありますとか地球システムモデルといったものにフォーカスして議論をしていただこうかなと。水循環についてはアジアでの水循環イニシアチブの参加各国からレポートしていただくということを考えております。また、生態系・生物多様性の関係では、生態系管理、あるいはGEO-BONといった取り組みについての状況報告といったものを今念頭に置いております。災害については特に水の災害、それから森林火災といったところがポイントになろうかなと思っております。
 それから裏面に移りまして、合同セッションと書いておりますが、これは午後の部でございます。分野間協力における観測・予測・データ共有のニーズあるいは可能性を明らかにするということで、分野間協力にどういうものがあり得るか、どういうことができるかという具体的な議論をしていただくということで、大きく2つのセッションで開催をするということで考えております。1つのセッションはまず、「気候変動-水循環-災害」というグルーピングでのセッションでございます。こちら、観測からのアプローチ、気候予測モデルとそれを水災害へどう適応していけるか、それから地域における連携としてどういったものが考えられるか、あるいは能力開発といった側面からの検討、それから全球レベルでの枠組みとのつながりをどういうふうに確保していくかといったようなところを中心に具体的な議論をしていただければありがたいということでございます。
 それから「気候変動-生態系-森林火災」というのがもう一つのセッションでございまして、こちらは生態系研究と森林炭素観測、こちらの両者の連携をどのように図っていくか、あるいは図られているか、今後の展望とかといったところ。それからリモートセンシングとの連携をどのようにしていくか、またポテンシャルをどう見ていくか。それから森林炭素マッピングとの連携といったようなことについても具体的な議論が含められるということが期待されているということでございます。
 最終日、3日目は、それぞれの前日の分科会の報告でありますとか、各分科会の主査でありますとか、構造・データ委員会の関係者から事務局長によるパネルディスカッションを経て最終的な取りまとめというふうに移っていきたいということでございます。最後のところに少し書かせていただいておりますが、戦略的に可能性のあるパートナーとともに、焦点を絞った具体的な行動に繋げ、効果のあるGEOSSのベストプラクティスをアジア・太平洋地域から発信していくということで、GEOSSの取り組み全体が進捗しているところでありますけれども、GEOSSの活動のデータを持ち寄ってくるというフェーズから次に有機的につなげて新しい価値を生み出していくというフェーズに移りつつあるわけですけれども、そういったものが具体的な成果に結びついていくようなディスカッションができればいいなということで、今いろんな先生方にご協力をいただいて、関係機関、関係の先生方のご協力をいただいて進めさせていただいております。
 それから最後ですが、各関係機関によるブース展示とかポスター展示も実施を予定しておりますので、関係機関にはまたご案内をさせていただきますので、積極的にご参画をいただければありがたいと考えております。
 以上でございます。

【小池主査】  どうもありがとうございます。それでは、このご説明につきまして、ご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。

【深澤主査代理】  最初から参加してなかったもので、今さら申しわけないのですけれども、この中の分科会ですが、各分野4分科会、災害の4分科会がありますね。それで、これは気候変動、水循環、生態系・生物多様性、災害の4分科会を開催すると。これはこれでいい。
 それと、次に合同セッションなのですけれども、そこのところに気候変動、「気候-水-災害」が最初ですよね。これは小池先生のですね。それで、次の「気候-生態-森林火災」という部分が、何か上と対にならないような気がするのですけれど、これは「気候-生態-災害」でよろしいのですか。

【小池主査】  そうです。だから、「気候-水-災害」では災害が水災害なんですよね。「気候-生態-森林火災」では生態系に非常に大きな影響を及ぼす災害の1つとして森林火災。だから、気候と水、生態というカテゴリーと災害のカテゴリーがあって、水災害と森林火災が対応するというマトリックスにはなっています。

【深澤主査代理】  わかりました。

【小池主査】  ほかにいかがですか。

【石田委員】  今回の第3回のシンポジウムのテーマなんですけれども、多分いろいろ議論されてこのようなテーマになっていると思うんですが、私はやっぱり今回の第3回のシンポジウムはG8の洞爺湖サミットのGEOSSの加速を受けてのシンポジウムなんだろうなと思っていましたので、GEOSSの加速という、日本が提案したことをどうやってフォローするのかと、で、何をGEOSSの加速として提案するのというところが議論されるのかなと思っていたんですが、何となくデータ共有という、非常に平坦なテーマになっているような印象をちょっと受けるんですけれど。

【谷地球・環境科学技術推進室長】  まさに問題意識といたしましてはG8のサミットを受けてGEOSSの加速ということを趣旨のところにも書かせていただいておりますけれども、それを念頭に進めさせていただいているつもりでございます。具体的に加速といったときに、その中身は何かということなんですけれども、先ほども少しだけ申し上げましたけれども、GEOSS全体としては各国、各機関が集まって、データ、それぞれいろんなシステムが持ち寄られてきたという段階から、それを具体的に連携させて新しいものを生み出していくというフェーズに移りつつあると認識しております。そういった具体的にGEOSSというシステムで何ができるのかということをぜひ具体化したいということで、これは小池先生からも強くリードをしていただいて今回のような形にしております。具体的なアウトプットをぜひ楽しみにしていただければと思っております。

【小池主査】  集まって議論するだけじゃなくて汗をかくためのプランづくりをして、次のステップまでちゃんと定義してまとめていこうというので、関わっている皆さんは非常に一生懸命やっていただいておりまして、私はこれを今日初めて見たんですが、3日目の下に、(7)というところにあります、先ほど室長のほうからご紹介があった文章です。「その上で」の次にある3行あまりの文章がまさにそれをうたっていて、具体的にものが見えるものをこの二、三年でつくりましょうと。次回のAPシンポのときにこんなところには少なくともインプリメンテーションプランを合意してレッツゴーと行けるようにしようというところまで引っ張れればと思って皆さんいらっしゃって、大変やりがいがあろうかと思っています。GEOSSの加速というのがおそらくいろんな切り口があると思うんですが、やっぱりこれはアジアで連携をとりながら具体的なメリットが生まれてくるというのを皆さんで体感するというのが結構大事なところかなと思って、そういう方向性を目指しているわけでございますが。

【深澤主査代理】  1点いいですか。GEOSSの1つの切り口として、IPCCとの関連というのが僕はかなり大きいと思うのです。例えばIPCCの4次報告ですと、日本の貢献、貢献というのはもちろん著者に入っているとか主著者の論文の引用数考えたときに、日本が一番貢献しているのは海洋の気候観測が8%。その次が実は予測で7%。それで困ったことに本来の重要な部分であるミティゲーション(緩和)とアダプテーション(適応)の部分ですね、緩和と対応。そのところが実は日本の貢献というのは1%そこそこなのですね。ですから、やはりアジアの場合にはミティゲーション、それからアダプテーションというのは非常に大きな部分になるのは確かなので、今回災害でまとめていくのは非常に理にかなったものだと思います。
 それと一方、同時に、これらのベースになる、例えばIPCC報告に絡むようなものもどこか、例えばブース等の展示でかなり力を入れたらよいのではないかなという気がいたしました。
 以上です。

【小池主査】  大変重要なご指摘とご示唆ありがとうございました。ぜひその方向で進めていただければと思っております。
 ほかにいかがでございましょうか。

【石田委員】  2ページ目の、今、小池先生のほうからご説明のあった戦略的に可能性のあるパートナーとともに、焦点を絞った具体的な行動、それからそれをアジア太平洋地域から発信すると。GEOSSのアジア太平洋シンポジウムですので、この地域から何を具体的な行動として出して、それを発信していくというところが非常に大事だと思いますので、それをぜひ趣旨のほうに反映していただいたらいいかなと思います。

【小池主査】  これ、趣旨はまだ変えられるんですよね。

【谷地球・環境科学技術推進室長】  はい。

【小池主査】  という今ご提案がありましたので、ぜひ反映していただければと思います。
 先ほど室長のほうからもご説明がありましたが、この4分野等を決めているときに、私、相談を受けさせていただきまして進めたんですが、ちょっといろいろ失念しているところがあって、本来お声がけをしなきゃいけないところを飛ばしておりまして、ほんとうにご迷惑をおかけして申しわけございません。今年度といいますか、第3回はこういう形で進めさせていただいて、ぜひ成功裏に導いていただくために関連各機関の皆さんのご協力をいただきたいと思います。お詫びとお願いでございます。
 それから今回、京都でやるということもあって京都大学の方々に大変お世話になっております。それで今年やった第2回にはパチャウリさんが来るとか、第1回は最初で華々しくやったわけですが、第3回は実質的に非常に重要なんですが、必ずしも見栄えが、派手というわけではなくて、むしろ地味で、実務的に頑張ろうというところなのですが、そこでちょっと皆さんにお願いなんですけれども、このワーキングとしてこのシンポジウムは非常に重要なイベントでございます。そこでこのシンポジウム、京都でやるということもございまして、諸外国からおいでになる方はおそらく100名ちょっと切る、60とか70ぐらいになろうかと思いますが、目標300を考えておりますので、今日お見えの皆様からぜひ出席を皆さん各機関でエンカレッジしていただきまして、この会をぜひ盛り上げていただきたいというのが1点目でございますが、関連して、やっぱり宣伝しないといけませんので、委員の皆さん、それから今日ご出席の省庁の皆さんの中で、こういうところにアナウンスすると効果的ですよと、特に関西でやるということもありまして、というところでいろいろチャネルをお持ちだと思いますので、その情報をぜひ事務局のほうへお寄せください。効果的に、かつ一生懸命宣伝をして、ぜひ盛り上げていきたいと思います。
 それから、ここに書いてございますが、その他のところにブース展示、ポスター展示の枠も用意されておりますので、これもシンポジウムの事務局のほうからもうじきアナウンスがあると思いますので、ブースはちょっと大変だけれどもポスターでそれぞれの活動を紹介していただくというのは比較的手軽にできますし、それがGEOの中で皆さんの活動の1つのアピールの場でもございますので、そういうのを効果的にお使いいただきながら、これを同時に盛り上げていただくということをお願いしたいと思います。
 それから、ちょっと時間も過ぎておりますが、もう一つ、申し上げたいのは、GEOの第5回総会で日本政府のほうからこのアナウンスをしたときに、次回はアジアのほかの国でやるということを明言されております。これは結構調整が大変だと思うんですけれども、こういう会は次回はどこというのが結構聞きますので、できますれば、これも事務局は非常に大変だと思いますが、あるいはそれぞれの国といろんなコンタクトをお持ちの方がいらっしゃると思いますので、GEOのメンバー国で強いコンタクトがあって、かつ熱心なところに、1つは手を挙げていただくのを待っているというのもありますが、できれば第3回のときに、次はここというのが出せると、またそこで求心力も出てきますので、その準備もしていただいてはいかがかなと思います。ついては、委員の皆様、あるいは今日ご参加の皆さんで、ここがいいんじゃないかというがございましたら、事務局のほうへぜひお寄せいただいて、事務局のほうでお考えいただいてあたっていただくとか、あるいはちょっとコンタクトをとって打診をしていただいて、非常に脈ありだったらそれから動くとか、いろんなアクションを起こしていただけるとありがたいと思います。私のほうからはそういうことを考えていますが、事務局のほうでいかがでしょうか。これ、調整全然してなくて申し上げたんですが。 

【谷地球・環境科学技術推進室長】  いえ、とんでもありません。ぜひそのように進めさせていただきます。

【本蔵委員】  時期はいつごろを予定されていますか。

【小池主査】  大体年度末なんですね。ですから、1月、2月、3月。今まで1月に1回やって、ほんとうは2月、3月に今年もやりたかったんですけれども、パチャウリさんの都合で4月になってしまったんですが、1、2、3月ぐらいで。

【本蔵委員】  平成22年の1、2月ごろと。

【小池主査】  そうです、1、2、3月。ぜひ積極的にご提案をいただいて事務局と調整を進めていただければありがたいと思います。

【深澤主査代理】  その情報の部分ですけれども、小さな組織というか、IOCですね、オリンピックでないほうのIOCです。来年50周年になりまして、IOCの中でのNEAR-GOOS等はアジアに拠点を持っているわけですけれども、日本からもかなりお金が出ているのですね。一方、特にインドネシアが、IOCの50周年に関して何か目玉がないかと探しているのです。そういうところに話を持ち込んだ場合にはうまく作用するかもしれません。
 それから50周年に関して、韓国も今、国際シンポジウムの種を探しているようなので、その情報は後ほど事務局のほうに上げようと思いますので、よろしくお願いします。

【小池主査】  どうもありがとうございます。もう時間を過ぎておりますが、皆様のほうから何かございますでしょうか。その他の議題があるんですが、事務局のほうからは何かございますか。

【谷地球・環境科学技術推進室長】  お知らせだけでございますが、今日いろいろ活発なご議論を大変ありがとうございました。中でも出てまいりましたが、1月中にいろいろ戦略目標の見直しでありますとか、それからまた評価のモニタリングのワーキンググループの人選でありますとか、いろいろまた改めてご相談をさせていただかないといけないところがございます。日程的には非常にタイトでございますので、場合によってはメール等も活用させていただきながら作業を進めさせていただければと思っております。
 ここからお知らせでございますが、現在の第4期の科学技術・学術審議会は委員の任期が平成21年の1月末までとなってございます。形式的ではございますけれども、いったん委員の先生方、皆さんそこで任期が切れるという形になりまして、2月以降、新たに第5期として審議会を立ち上げるということになります。本作業部会も親の部会でございます地球観測推進部会において来年2月以降改めて作業部会の設置をするという手続が形式的ではございますが必要でございまして、先生方には引き続きぜひよろしくお願いしたいと思っておりますけれども、そういう事務手続があるということでその点をご了承いただきたいと思っております。
 次回の開催につきましては、改めてまた調整をさせていただき、ご連絡をさせていただきたいと思っております。
 それから、本日は議事録、前回の議事録はもう既にご確認をいただいているということで今日お配りをしておりません。本日の議事録でございますが、後日、同様に先生方のほうへ送らせていただきますので、ご確認いただければと思っております。
 以上でございます。

【小池主査】  どうもありがとうございます。作業をする委員会でございますので、アクションアイテムが、ちょっと私、数えまして、6つぐらいございまして、簡単に申し上げますと、GEOポータルへの登録要請、あるいは登録の確認、それからその機能の要約の集約を、これは事務局にお願いするということ。2番目が、作業計画につきまして、リードのアップデートだとか、タスクシートのアップデートだとか、タスクシートへのコントリビューターのインプットを集約すると、これは定常的にできれば行っていただきたいということでございますね。それから、先ほどGEOポータルのことにつきましては、日本とのリンクの部分を今後考えていただくというのが加わっております。3番目は、今、室長からお話がありましたが、評価、モニタリングのメンバーの選定というのがあると思います。4番目は、戦略ターゲットにつきまして見直しと、それからこれは事務局及び委員ですが、ロードマップについては石田委員のほうから案をお出しいただくということです。5番目は、APシンポジウムの案内につきまして、皆さんのご協力をいただくとともに、こういう案内の送付先等の情報をお寄せいただくということですね。6番目は、このAPシンポの次期開催の準備ということで、これも委員の皆さんのご協力をいただきたいということでございます。大変作業がございますが、ぜひご協力いただきながら進めることができればと思います。
 これをもちまして、全球地球観測システム作業部会の第2回の会合を閉会といたします。今日はほんとうにどうもありがとうございました。

 

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