地球観測推進部会 全球地球観測システム作業部会(第1回) 議事録

1.日時

平成20年10月7日(火曜日) 14時~16時

2.場所

文部科学省 3F 1特別会議室

3.議題

  1. 作業部会主査代理の選任
  2. GEOSSの最近の動向について
  3. 第3回GEOSSアジア太平洋シンポジウムの開催について
  4. 今後の進め方について

4.出席者

委員

 小池主査、石田委員、柴崎委員、高木委員、高薮委員、深澤委員、福島委員、藤谷委員、山形委員

文部科学省

 谷地球・環境科学技術推進室長、北野地球・環境科学技術推進室室長補佐ほか

オブザーバー

(関係府省)
 内閣府、農林水産省、国土交通省、気象庁、環境省

5.議事録

【谷地球・環境科学技術推進室長】
 時間もまいりまして、先生方もお揃いでございますので、ただいまより科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会の地球観測推進部会 全球地球観測システム作業部会の第1回会合を開催させていただきます。本日はお忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。冒頭、進行を務めさせていただきます地球・環境科学技術推進室長の谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります前に、事務局より本日の資料の確認をさせていただきます。
 まず、お手元にお配りしております座席表のほかに、束ねて資料をお配りしているかと思います。
 まず配付資料のところに書いております資料1‐1、全球地球観測システム作業部会の設置について。資料1‐2が作業部会の委員名簿。資料2‐1が「GEOSSについて」というもの。資料2‐2、第8回GEO構造及びデータ委員会(ADC)の結果概要。資料2‐3としまして、GEOのターゲットタスクチーム(T3)における議論の概要。それから資料2‐4でございますけれども、GEO2009~2011年作業計画バージョン2について。資料3といたしまして、第3回のGEOSSアジア太平洋シンポジウムについて資料をお配りしております。それから資料4、今後の予定、今後の進め方についてという一枚紙をお配りしております。
 あと、参考資料を幾つか用意をさせていただいておりますが、参考資料1は地球観測推進部会の運営規則、参考資料2はGEOSS10年実施計画(仮訳)でございます。参考資料3がデータ共有原則のホワイトペーパー骨子概要、参考資料4として2007年から2009年の作業計画における日本のタスク参加状況というものでございます。
 それから、別途一枚、机上配付として事務局メモをお配りしておりますので、ご確認いただければと思います。資料の抜け、落ちがございましたら、随時お申しつけください。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、まず本作業部会の趣旨についてご説明をさせていただきたいと思います。資料1‐1でございます。
 本作業部会は、この親の部会でございます地球観測推進部会において設置が決定されたものでございます。1.設置の趣旨でございますが、1つ目のパラグラフはGEOSSの重要性ということが書かれておりまして、2つ目のパラグラフでGEOSSのいろいろな動きがあるという経緯を書いてございます。そういった動きがございますので、GEOSSに対する我が国の対応策、これを先生方にお集まりいただきまして検討する場ということでこの全球地球観測システム作業部会というものが設置されたということでございます。
 2.検討事項でございますけれども、(1)がGEOSSの10年実施計画の推進にかかる我が国全体の取り組み方策、GEOSSに対する取り組みの戦略というふうに申し上げてもよいかと思います。(2)が、我が国関連のタスクの進捗の把握、(3)がデータ共有原則の実施ガイドライン、これは今日委員でご参集いただいております柴崎先生が中心でご議論いただいておりますけれども、データ共有原則についてのご議論をいただくというのが3点目でございます。本作業部会でございますが、2カ月に1度ぐらいの頻度で開催をさせていただければと思っておりまして、GEOのいろんな会合が開催されます、そのタイミングに合わせて開催される際には、その対応方針についてもご議論いただきたいということでございます。
 以下、事務的な関係でございますので省略をさせていただきますけれども、作業部会の趣旨については以上でございます。
 なお、本作業部会は、この地球観測部会の運営規則、参考資料でお配りしておりますけれども、その運営規則に基づきまして公開というふうにさせていただきます。会議の資料、それから議事録についても公開となり、後日、文部科学省のホームページで公開、掲載をすることにさせていただいております。
 それでは、引き続きまして、各委員の先生方を私のほうからご紹介をさせていただきたいと思います。資料1‐2でございます。
 五十音順でまいりますと、宇宙航空研究開発機構から石田先生においでいただいております。
 それから、東京大学の小池先生においでいただいております。後ほどご紹介いたしますが、小池先生には主査をお願いしたいと思っております。
 それから、東京大学の柴崎先生です。
 KDDI株式会社から高木先生。
 東京大学の高薮先生。
 産業技術総合研究所の佃先生。今日はご欠席ですね。
 それから、海洋研究開発機構の深澤先生でございます。
 国土地理院から福島先生においでいただいております。
 それから、地球温暖化観測推進連携事務局の事務局長でいらっしゃいます藤谷先生です。
 東京工業大学の本藏先生もご参加いただいておりますが、本日はご欠席でございます。
 それから、国立環境研究所から山形先生においでいただいております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、本委員会の主査の指名についてご報告をさせていただきます。
 委員会の主査につきましては、資料1‐1に基づきまして、地球観測推進部会の部会長が指名をすることというふうになってございまして、既に澤岡部会長より小池委員が指名をされておりますので、ご報告を申し上げます。
 それでは、この後の議事進行につきましては小池先生にお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【小池主査】
 主査を仰せつかりました小池でございます。よろしくお願いいたします。
 先ほど室長のほうからご紹介がありました趣旨の中に非常に力強い文章が書いてありまして、第2パラグラフの一番最後の文章ですが、「GEOSS10年実施計画の推進にかかる有識者及び関係省庁・機関間の連携をより強化し、我が国一丸となった対応を行う必要がある」と、そういうことが我々のタスクでございまして、これはいわばジャパンGEOというようなものが今回こういう形で発足になったということで大変ありがたいと思っております。
 この背景の一つにございますのは、皆さんご案内のように、7月に開催されましたG8北海道洞爺湖サミットでGEOSSの加速というのが明文化されました。観測だけでなくて、予測だとかデータの共有だとか、あるいは能力開発とか、そういうところまで非常に明確に記述されたパラグラフでございまして、こういうことを日本が主導してG8で宣言されたということは、非常に大きなてこになっていると思っております。
 一方、2005年2月に発足したGEO並びにGEOの実施計画のスタートから3年たっておりまして、いろんなところで見直しも必要でありますし、それから、先ほどこれもご案内がありましたようにデータ共有の原則の提案も出されています。GEOSSに関わる非常に根幹的な議論が今行われておりまして、そういうところに当たって、この作業部会が先ほどありましたように我が国一丸となってこういう問題に対応しつつ、GEOを国際的にリードしていくということが大事だろうと思います。どうぞ皆さんのご協力をお願いします。いうまでもなくこれは作業部会ですので、皆さんに働いて頂きます。皆さんどうぞ末永くよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、これから議事に入りますが、議題の第1は、主査代理の指名でございまして、主査代理につきましては、資料1‐1に基づきまして、主査があらかじめ指名させていただくことになっておりまして、つきましては、恐縮ですが、JAMSTECの深澤委員を主査代理として指名させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 深澤主査代理、ごあいさつをお願いします。

【深澤委員】
 主査代理を拝命いたしましたJAMSTECの深澤です。皆さんもごらんのとおり、今小池先生もジャパンGEOとおっしゃいましたけれども、日本の中でGEOSSが動き始めたときに集まったメンバーがまた集まってほんとうに強力なメンバーです。さらにGEOの当初から始めまして、その後、IGOS-Pの特に気候とか海洋のほうの観測もすべてGEOに含まれました。ですから、さらにあのときよりも幅の広い議論が必要になりますし、また、データの共有、それから国際的な対応についても議論がたくさん必要になると思います。小池先生に主査をしていただきますので、私は後からついていくだけですけれども、ひとつよろしくお願いいたします。

【小池主査】
 どうもありがとうございました。
 それでは、議題の2でございますが、GEOSSの最近の動向につきましていろいろご報告をいただきたいと思います。3つございまして、GEOSSの概要の説明を室長のほうからお願いいたしまして、そして、構造及びデータ委員会の最近の動向を柴崎委員のほうから、それから、T3というタスクチームがつくられておりまして、石田委員がこのメンバーになっておられますので、この3点につきまして今現在どういう状況にあるかということをご説明いただきたいと思います。そのご説明をいただいた後に、我が国としてのGEOSSの取り組みの方策について皆さんでご議論いただきたいと思っています。
 それでは、まず事務局からGEOSSの概要と最近の動向についてご説明をお願いいたします。

【谷地球・環境科学技術推進室長】
 それでは、資料2‐1「GEOSSについて」で概要をご紹介させていただきます。既に十分詳しいということで、そんなこと知っているよというお話もあるかもしれませんけれども、念のため、確認の意味も込めてご紹介させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず1.GEOSSの概要でございますけれども、これは経緯と目的のところにございますが、平成15年のG8エビアンサミットにおける小泉元総理の提唱などからスタートしておりまして、平成17年にGEOSSの10年実施計画が策定をされたということでございます。
 特に9つの社会利益分野1から9まで書いてありますが、気候変動、災害の防止・軽減、水資源管理、健康と福祉、エネルギー、気象情報、生態系、農業及び砂漠化、生物多様性、こういった各分野においてGEOSSを推進していくということが定められているところでございます。
 具体的な10年実施計画は、その9つの社会利益分野が明記されて、それぞれの各分野ごとに短期2年、中期6年、長期は10年と、それぞれの期限ごとに達成すべき目標を設定しております。その目標の下に、それぞれの各国関係機関がどういった取り組みをするか、具体的にはタクスという形で数年単位の計画、あるいは作業計画を策定しているということでございます。現在は、2007年から2009年の作業計画が定められておりまして、これに基づいて進行中であるということでございます。
 それから、GEOの事務局がジュネーブに置かれておりますというようなことが書いておりまして、我が国からは、宇宙航空研究開発機構から職員が出向しているということで貢献をしているということでございます。
 GEOの組織でございますけれども、閣僚級会合を1年から3年に1回、直近で申し上げますと、2010年に次の閣僚級会合が予定をされておりますが、本会合は毎年、執行委員会は年に3回程度開催しているということで、この両者、本会合、執行委員会につきましては、11月に予定されているところでございます。
 一番下にございますけれども、構造及びデータ委員会、これは後ほど各委員会をご紹介いたしますが、東京大学の柴崎先生に共同議長を務めていただいております。
 おめくりいただきまして、GEOの執行委員国リスト、それからGEOの関連会合、これも細かくは申し上げませんけれども、現在日本は執行委員国を務めておりますが、この11月で任期が切れる形になっているということだけご紹介をさせていただきます。
 それから、GEOの専門委員会が4つございまして、構造及びデータ委員会、これは先ほどご紹介しました柴崎先生に共同議長を務めていただいておりますが、ほかに能力開発委員会、それから科学技術委員会、ユーザーインターフェース委員会というものが設置されておりまして、それぞれ活動が行われているところでございます。
 日本の関与につきましては、GEOが発足するまでの暫定的組織だったアドホックGEOという組織がございましたけれども、共同議長ということでGEOSSに積極的に貢献したというよりはリードをしてきたというふうに自負をしているということでございます。
 現状とこれまでの成果ということでございますけれども、先ほど経緯でるるご紹介を申し上げたような形で全体のフレームワーク、それから個々の作業計画が定まってきておるわけでございますけれども、だんだん各国、研究機関、もしくは観測をする実施機関、こういったところがGEOSSの旗のもとに集結をしてきております。これからどんどん成果が出てくるということが期待されますが、まずデータの共有ということにつきましては、ポータルサイトの試行運用ということで、今はまだ試行でございますけれども、将来的にはポータルサイトを通じてデータをどんどん使っていただこうということでございます。これは試行運用が今開始されたばかりということで、現在、試行運用、そして評価というフェーズでございます。
 全体で、システムとしてはこの10年間でつくり上げるということが最終目標でございますけれども、10年経たないと何も出てこないということではございませんので、出てきた成果についてはその都度打ち出していくということで、その成果のうち、2007年11月の地球観測サミットでは早期成果という形で取りまとめをされております。我が国からは、そこに6つ書いてございますけれども、センチネル・アジア、GCOM/NPOESS協力、全球温室効果ガスモニタリング、海大陸レーダーネットワーク構築、アジア水循環イニシアチブ、それから地球観測グリッド、GEO Gridというふうに申しますが、登録されているということでございます。
 それからGEOSSの枠組みにおいて、いろいろなデータ共有の活動が加速をされるということをねらいまして、GEOSSの取り組みの情報の発信でありますとか、GEOSSに対するユーザーのニーズを吸い上げるといったことを目的といたしまして、GEOSSのシンポジウムが行われております。これは米大陸でのシンポジウム、それからアジア太平洋のシンポジウムという形で行われているところでございます。
 今後の課題と予定を3.にまとめさせていただいております。直近、今日も後ほどご紹介をさせていただきますけれども、GEOの2009年から2011年の作業計画、これが今策定の途中でございまして、各国のレビューが今出されているところでございます。並行してそのタスクの見直しというものも走っているところでございます。
 データ共有原則につきましては、構造及びデータ委員会で精力的に議論を今いただいておりまして、2010年のGEO閣僚級会合で最終的には取りまとめをするということを目標にデータ共有原則実施ガイドライン、これについて精力的に今ご議論をいただいているということでございます。
 それから、10年実施計画における目標の見直しとターゲットタスクチームというところでございますけれども、具体的なターゲットの見直しというものが作業計画の見直しと並行して進んでおります。今日後ほどご紹介いただきますけれども、来年の5月をめどにターゲットの見直しというものが行われる予定でございます。
 それから、GEOのポータルでございますが、先ほど若干リファーさせていただきましたけれども、GEOポータルについては、今3つの機関が作成について手を挙げておりまして、各機関がサイトを作成して、試験的な運用に入っているところでございます。今年の6月から来年の6月まで1年程度試験運用して、評価をして、その後絞り込んでいくという予定でございます。
 会合の関係の予定を最後にご紹介をさせていただきますけれども、GEOの執行委員会会合、11月18日、ルーマニアで開催される予定でございます。具体的な議題につきましては、2009年から2011年の作業計画、それからターゲットタスクチームの報告、それから各国からの四半期の進捗報告、それから財務報告といったようなものが予定をされているところでございます。
 これらの内容につきましては、引き続きルーマニアで行われます全体のGEOの本会合のほうにインプットされまして、そこで全体の内容の承認でありますとか今後の方向性の議論についてなされるということでございます。
 雑駁でございますけれども、以上、GEOSSの概要についてご紹介させていただきました。

【小池主査】
 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、構造及びデータ委員会における議論の概要を柴崎委員のほうからご報告をお願いいたします。

【柴崎委員】
 東大の柴崎です。私のほうから今のご説明を補足する形でお話をさせていただきたいと思います。
 私は、ADC、つまり、構造及びデータ委員会の共同議長の一人ということで日本から送り出していただいております。一枚紙でカラーの「GEOSSについて」という全体像がございますので、それをちょっと見ていただけますでしょうか。この中で右下にGEOの組織というふうにございますが、執行委員会の下に専門委員会があって、構造及びデータ委員会、能力開発委員会、科学技術委員会、ユーザーインターフェース委員会とあって、それと事務局があって動いております。私のいる構造及びデータ委員会というのは、ある意味でGEOの技術的な、ある程度制度的な枠組みも扱いますが、というのもデータの共有原則というのもADCだけではないですが、そこが主に議論の場になっているという意味で、そういうこともカバーしておりますけれども、基本的にはデータの流通とか統合とか、いかにいろんなところにばらばらにあるものをうまく発見させるとか、そういう仕組みをみんなでどうやって作っていくかという議論をしています。そういう意味では、技術的なある種のエンジンではあるのですけれども、一体その能力をどう使って、どういう方向に持っていくかということに関しては、この専門委員会の役どころで言えば、ユーザーインターフェース委員会で利用者とのコミュニケーションを図り、何をSBA(社会利益分野)の中でやっていくか。あるいはサイエンス側のユーザーの代表として科学技術委員会があり、能力開発は文字通り能力開発で、使う人たちのある種のリテラシーだとか、そういったものをもっとよくしていこうという格好になっています。
 資料2‐2が直近でボルダーで開かれたADCの結果の概要を書いておりますので、これを参照しながら現在の状況あるいは問題についてお話をしたいと思います。
 まず、要旨の下に(1)GCI/IOC(GEOSS Common Infrastructure/Initial Operating Capacity)というのがありますけれども、GEOの中で、あるいはGEOSS構築のためにデータを共有する仕組みとしては、まずはみんながどんなデータ、あるいはどんなシステムを持っているかという、いわば一覧表といいますか、ショーケースといいますか、概要だけをお聞きしたカタログみたいなものを集めて、それを検索できるようにしましょうというのがベースになっております。そのベースのことを、ここではCommon Infrastructureと言っておりまして、横にInitial Operating Capacityと書いてあるのは、今後もっといろんな機能をつけて拡充していくのだけれども、とりあえずこういうものをつくって動かし始めましょうということです。そういうのでInitialがついています。
 まだ始まったばかりといっても、6月からですから、そういう意味ではもう4カ月たっておりますが、そのカタログになかなかみんなが登録してくれないとか、そういうような議論もありますし、あとは、インフラストラクチャーをつくるに当たって、幾つかの会社あるいは組織からボランタリーに応援を頼んでそれぞれがつくっていくということになっておりまして、最初のうちはどれを選ぶかというような話をしていたわけですが、ここでの議論では、それぞれ並列させて、入り口のウェブのアクセスのところだけ、そういう意味ではウェブサイトだけいわばゲートウエイといいますか、唯一のエントリーポイントとして使って、そこからいろんなところを見にいく。それぞれの特徴を生かしてやってほしいというような形になっています。
 ですから、今後はこのInitial Operating Capacityをどんどん拡充していって、かつこの中に日本で持っているいろいろなデータ資産をどんどん登録していって世界に使ってもらう。もちろんここに登録しなくても、みんなインターネットにつながっておりますので、アクセスすることは可能ですが、ここに置いておくことで、いわは非常にみんながよく見るショーケースになるところにサンプルを並べておいて、ぜひこれをお使いくださいということができる、そういうようなことですので、ぜひ積極的に登録をしていただければと思っております。それで、日本の貢献をどんどん形にしていくということが可能になります。
 次のページをめくっていただきますと、(2)AIP(Architecture Implementation Pilot)というのがあります。これの基本的な考え方は、さっきのようなポータルとか、あるいはカタログを作って、さあ使ってくださいといっても、とりあえずは使い方がわからずに周りで見守っているだけということがあり得るので、そういうものを使って、一体どんなデータ統合をして、こんなふうなSBA、例えば健康とか、あるいは災害とか、こんなふうに使えるんだというもののパイロットというか、デモントスレーションプロジェクトみたいなものを、これもまさにボランタリーベースで、皆さんから提案を受けて、例えばGEOの本会合なんかでデモをするとか、あるいはこういうのができるようになるんだというような打ち上げをしていこうということになります。これは日本は産総研のGEO GridのグループとJAXA(ジャクサ)のグループでご参加いただいております。これもまだ今のところ始まったばかりという感じでして、この9月のときに、最初のAIPの全体会議があって、どういう方向でいくかというようなことが議論されたということになっております。
 こういうふうなデータの流通の基盤、カタログとそれの使い方のデモンストレーションをしながら、じゃ、具体的にデータというのはどんなふうな権利関係で流通していくのかということを整理しておく必要がありまして、(3)のデータ共有原則というのがあります。これはCODATA(科学技術データ委員会)というICSU(国際科学会議)の下にいる人たちが主にドラフトを作りまして、このドラフトはなかなかの力作で、いろんな国際条約とか、そういうのを全部ちゃんとレビューして、みんな大体この辺のところまでいっているというのをベースにして出てきておりまして、これはデータに関しては基本的に無償で自由に使わせると。かつ二次配付といったようなものに関しても自由にすべきであるという、データを実際に売ったりしているところから見れば、なかなか過激な提言でございまして、ポリシーとしてはそれがあり、かつ現状のいろいろなところのプラクティスというか、現状やっていることとどんなふうにうまく整合をとるか、どういう場合にある意味で例外とするかとか、そういったガイドラインというのを、まああるわけなのですが、この辺のところがまだまだ十分いろいろなデータを持って今いる機関の不安とか懸念を払拭するということではなくて、議論が続いているという状態になっています。
 その下にベストプラクティスとございますが、これはカタログがあり、それの使い方のデモンストレーションがあり、片や、もう既にこんなふうにうまく使っているという例があります。そういうものをベストプラクティスというふうに称して、これもまたショーウインドーに並べていこうと。ですから、ウィキペディアのような仕掛けを使って並べていこうということになっておりますので、そのGEOのアウトプットとして、例えば日本ではこんなベストプラクティスがあるというような取り上げられ方をすることになりますので、ここに関してもぜひ繰り込んでいただければというふうに思います。このベストプラクティスを管理しているところは、IEEEという国際学会と日本が手を挙げて、というか選ばれておりますので、そういう意味では、日本はこういうところをちゃんと押さえております。
 次に5番目が、SIF(Standards and Interoperability Forum)、これに関しては、GEOのカタログ、まあレジストリーといいますか、そういうところに登録するやり方だとか、そこで審査が要るのかとか、あるいは登録するものの中にはこんな標準があって便利だというようなものも入りますので、そういったものの評価だとかいうのがあります。ただ、これは地域ごとにグループを構成して、いわばこれも全くボランタリーで今のようなデータの登録や利用を助けていこうという精神からは始まっているんですが、今のところ、レジストリーにどう登録するかという割に狭いところからまずスタートしています。そんなようなことになっています。
 6番目、これは先ほどもご説明のあった2009年から2011年の作業計画ということで、いろいろな国からのインプットが整理されてドラフトが出てきたものですが、これも一つの大きなタスクにすると、そのグルーピングは何でこんなことをするんだというような議論が随分あったと思います。といいますのも、もちろんこれは個人の推測ですけれども、今までタスクの数が非常に多かった。出だしですから、ボランタリーでバーッとみんなに入ってもらったというのでよかったのですけれども、事務局側ではなかなかちゃんと管理し切れなかったので、もうちょっとグルーピングしてほしいというのがあった。割合強引にグルーピングしたので、されたほうからすると、何でおれはこんなところに入っているのかというような議論もあるし、中間管理職ができてしまうわけですが、それは一体だれが何をやるのかというのがちゃんと浸透しておりませんので、困ってしまうというようなことであります。
 あとで石田さんのほうからも話がありますが、GEO全体のタスクの話といったようなものも、目標の見直しという作業もあるので、それとの整合性といったようなことについても議論がありました。
 まとめますと、大体最初たくさんボランティアが出て、みんなが何ができるかを見て、それの中でカタログをつくるという最初のステージはほぼ終わりつつありまして、では、そのステージを使って具体的に何をこのGEOの場を使って打ち出していくかというような貢献がこれから出てくる。出だしのころは、ここで変な標準を決められると困るのではないかとか、そういう類の懸念もいろいろあって、半分様子見というようなというか、ある種ちょっと警戒というような雰囲気もなくはなかったのですけれども、大体そういうあたりの懸念は、私もADCに送り込まれていましたのでずっとウオッチしていましたが、もう大分なくなってきておりました。あとはこの場をいかに使って自分たちがやっている話を、世界を巻き込みながら、他の国のメンバーも巻き込みながら大きくして、この場を使い打ち出していくかというようなステージにあるのかなというふうに思っています。
 以上です。

【小池主査】
 どうもありがとうございました。
 今、ちょっと問題も挙げていただきましたが、引き続きまして、今も話が出ましたターゲットタスクチーム、これはTが3つあるからT3なんですね。

【石田委員】
 そうです。

【小池主査】
 このT3における議論の概要につきまして石田委員のほうからご報告をお願いいたします。

【石田委員】
 それでは、資料2‐3に基づきまして報告させていただきます。GEOのターゲットタスクチーム(T3)における議論の概要ということでございます。
 5ページ目にGEOSSの10年実施計画参照文書のターゲット(達成目標)というものと、それから、後ほど事務局のほうから説明が予定されていますGEOの作業計画のタスクの関係を参考として示してございます。GEOSSの10年実施計画参照文書の中には、2年、6年、10年で達成すべき目標というのが記述されておりまして、それが全部で241個ございます。2年ターゲットだけで107という非常に多くの数のターゲットが記述されている。それを実際に実行していく場合には、年間の作業計画のタスクという形で各国あるいは各参加機関がボランタリーベースで作業項目という形で実行していっているわけでございます。
 今回のターゲットの見直しは、この10年実施計画参照文書にある241個のターゲットを見直すということで始まったものでございます。1ページ目に戻っていただきまして、このターゲットにつきましては、前から日本のほうから見直しが必要ではないかということで主張していたのですけれども、なかなか事務局のほうで顧みられずに今まで置いておかれたという感じがあるのですけれども、3年目に入りまして実施の段階に入ったということで、GEOSSの最終的な形を明確にしなければいけないのではないかということで、そういう観点から達成目標についても見直しが必要ではないかということで始まったタスクチームでございます。
 これまで2回、6月、9月に会合が開催されております。6月に開催されましたときには、メンバーは19名事務局のほうから指名されているのですけれども、出席したのは7名ということで、かなり急いでつくられたチームということもあって、あまり出席率がよくはありませんでした。
 結果でございますけれども、やはりこの達成目標をこれまで2年間の進捗を反映するということと、それからより統合されたGEOSSを目指して見直すことが必要だということが再認識されて、特にその中でも10年ターゲット、これが最終形を与えるものでございますので、それの見直しの重要性が指摘されてございます。
 6月の時点では、2年ターゲットの達成状況の確認を行って、今後6年、それから10カ年のターゲット見直しについても行うという予定にしたのですけれども、そのスケジュールにつきまして、現状のメンバーとスケジュール案では、GEO-Ⅴというのが今度の11月にブカレストで行われますけれども、それまでに完全な見直しを行うのは難しいということで、来年の第2四半期まで期間を延長して、より完全な見直しを行うべきだということをGEOの執行委員会のほうへ提言するということが決まっております。
 それで、第2回会合が9月に開催されておりまして、その結果でございますけれども、7月の執行委員会の報告というのがアシャシェ事務局長のほうからございまして、それでこのT3の作業の状況について報告をしたんですけれども、執行委員会のメンバーのほうからは、GEOSSは既に実施段階に入っていて、達成目標の早期の見直しが必要なので、GEO-Ⅴまでにできるだけ見直しをして、GEO-Ⅴ以降も細かな修正を行っていく。それで、必要なマン的リソースを各国と参加機関に求めるということが勧告されてございます。
 ということで、T3ではいったん来年の第2四半期までということでスケジュールを延ばそうとしたんですけれども、執行委員会のほうからはGEO-Ⅴまでできる限り見直すようにということで、最初のスケジュールをキープすることが求められたという状況でございます。
 その背景につきまして、ドイツのウド委員のほうから執行委員会メンバーの中にはGEOSSのタスクが多過ぎてリソースに対して作業量のバランスを欠いているのではないか、それから、全体像と行き先が不透明で、このままだとGEOSSは先細りになってしまう懸念が強い。それから、政治家が理解できるGEOSSの定義、それから達成目標が必要ということで説明がございました。
 さらに、GEOの各専門委員会が活動のガイダンスを必要としていて、それのよりどころになる明快な達成目標が必要だということを説明されております。
 その後、GEOSSの現状について議論があったのですけれども、まず1点目、エレベータートークというような言葉を使っておりましたけれども、会社社長に部下が説明するきに、エレベーターの中で短時間で説明できるような、そういうGEOSSの目的、定義が必要ではないかというような議論。
 3点目ですが、GEOSSに参加すればフィージビリティが上がって政策的な支持が得られるというだけでは、もうGEOSSはもたない状況になっているのではないかというようなこと。
 それから、下から2点目ですけれども、先ほど柴崎先生のほうからGEOSSの情報基盤システムのお話がございまして、それに各国、参加機関からのコンポーネントとメンバー、サービスが登録されておりますけれども、それの登録があまり進んでいないと。それはGEOSSのメリットが理解されていないからではないか、そういうような意見。
 それからGEOの事務局長のほうからは、政治家からは特に健康とエネルギーに対して地球観測の貢献が期待されているので、その健康とエネルギー分野の達成目標を示してほしいといったような、そういうような要求もございました。
 こういった議論がございまして、基本的に達成目標の見直しをして、明快なGEOSSの最終形態を明らかにしていくという必要性が認識されたわけです。
 それで、T3の報告書、これを11月のGEO-Ⅴに提出するわけでございますけれども、それの構成と内容について議論されておりまして、ターゲットの見直し方針について、まず今ある241個のターゲットについては変更しない、手を触れないと。といいますのは、これは2年以上にわたって交渉されてきた達成目標ですので、これには触れない。そのかわり、それに加える形で少数で、少数というのは、最初は各分野ごとに3つから5つ、最終的にはそれを1つか2つに集約したいということですけれども、少数のシンプルな10カ年ターゲットを新たに戦略ガンダンスとして作成すると。それを新たな文書ということで、2010年の閣僚会合にて承認を求めていくということが合意されております。その中には、さらに各専門委員会へのガイダンス、どのように専門委員会の活動を進めるべきかというようなガイダンスも含まれるということになっておりまして、このT3報告書の構成案としましては、まずGEOSSの定義、それからGEOSSの最終目標、それからGEOSSの最終達成目標、これを明記しまして、さらにそれに各委員会へのガイダンス、そしてロードマップということで、これはこれまでGEOSSのロードマップということでつくってきたものがございまして、それを参考に添付するという案になってございます。
 この内容を議論するための集中会合が、実は再来週の21日~23日に開催されることになってございまして、そこでの達成目標作成の担当の割当、それから最終の3つから5つの達成目標の案を10月6日までにつくるということで合意されてございまして、ここに示されたような各分野ごとに各達成目標案の作成の担当が決められてございます。ちなみに私は水分野で、前のWCRPの国際ディレクターのリック・ローフォードと一緒にこの達成目標案をつくるという役割になってございます。
 最後にGEOSSの作業部会での必要な検討事項でございますけれども、結局、このT3における議論というのは、GEOSSの達成目標だけではなくて、それに伴うGEOSSの再定義ですとか、最終目標の定義、それからGEOの各専門委員会のガイダンスを含むようなGEOSS全体の進め方に直接関係するような、そういうガイダンスまで及んでおります。それが、2010年の閣僚会合で承認を目指すということで、GEOSSの10カ年実施計画と同じような位置づけが与えられるような文書になりつつございます。
 ですので、GEOSSのターゲットの見直し作業への我が国のインプットを集約、それをターゲットに反映していくという努力が必要であるというふうに考えております。
 以上です。

【小池主査】
 どうもありがとうございます。
 最後に、柴崎先生のほうからも少しご紹介がありましたが、2009年から2011年の作業計画が現在策定作業中で、今度のGEO-Ⅴで承認される予定でありますが、これにつきまして事務局のほうからご説明をお願いいたします。

【谷地球・環境科学技術推進室長】
 資料2‐4に基づきまして2009~2011年作業計画についてご紹介をさせていただきます。
 この作業計画そのものは、今国内的には関係機関への照会を終えて、一応コメントを踏まえてでき上がったもので、一応関係機関のご意見は踏まえられた形になっております。
 その概要でございますけれども、資料の冒頭のほうは重複しておりますので割愛をさせていただきますけれども、柴崎先生から先ほど少しお話がありました、3つ目のパラグラフのところからでございますが、2007~2009年作業計画案の主な変更点ということでございますが、まず各タスク間の関係を明確にして、包括的な戦略目標を確保するという観点から、タスクの見直し、具体的にはタスクを統合して数を絞り込んだということで、73件のタスクを36件に絞り込んでいるということでございます。
 また、常設委員会の役割、それからタスク管理の手続を含むガバナンスの章というものが新設をされております。具体的には、その下のガイドラインのところに大きく○の3つで書いておりますけれども、全体のタスクの設定の仕方としては、まずGEOの活動を分野横断的に連携をするようなもの、データの共有及び配付を強化するということでタスクの方向性が示されているところでございます。
 具体的な作業計画の構成につきましては2つ目の○でございますけれども、包括的かつ戦略的なタスクに統合するということで、類似の機能の調整及び統一を改善しております。また、関連のタスク間の連携を向上しております。さらにGEOの活動の継続性を確保するものということで見直しをしたところでございます。
 それから、新設されましたガバナンスの章につきましては、まず作業計画の策定方針、それからその構造、常設委員会の役割、タスク管理といったものが記述をされているところでございます。
 その後ろに概要ということで、各分野、それからそれぞれの項目、さらにその項目の下にございますタスクの内容というのを、ちょっと細かい資料でございますけれども、書かせていただいております。赤い色がついておりますところは、我が国からの主要なインプットという形で、我が国リードというものを赤い色で色づけをさせていただいております。
 雑駁でございますけれども、資料は以上でございます。

【小池主査】
 ありがとうございました。
 以上が3年半に及ぶこれまでのGEOの活動のある種の取りまとめでございまして、膨大な内容ですが、今のご説明に基づきまして、GEOSSの現状と今後の課題についてこれから議論していきたいと思います。これは日本が今後どういうふうに取り組んでいくかということを検討するのがこの部会の役割ですが、事務局のほうで論点を整理いただいております。これは机上配付だけでございますが、このメモを参考にしていただきながら、議論をやりたいと思いますが、その前に、今4件ご紹介いただきましたが、内容について質問、不明な点等ございましたら、まず最初にお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。膨大な内容が含まれているので、なかなか全容がわかりにくい部分があろうかと思いますが、議論の中で順次明らかにしていただければと思います。
 それでは、事務局メモという形で論点をまとめていただいておりますが、一通り紹介いただけますでしょうか。

【谷地球・環境科学技術推進室長】
 それでは、お手元にお配りしています事務局メモでございますけれども、内容と、その趣旨をご紹介させていただきたいと思います。
 まず1点目に、GEOSSの推進全般についてということで、最終目的はどうあるべきなのかということを書かせていただいております。
 これは、先ほど石田委員からもお話がありましたけれども、エレベータートークではないのですけれども、非常に幅広い取り組みをスコープに入れているということもあって、なかなかわかりにくいというか、具体的なイメージをしにくいというところがあります。そういった意味から最終目的というものを見直す必要があるのかないのか。ターゲットタスクチームでもそのご議論をされて、その成果というものを今日ご紹介をいただいておりますけれども、最終的な目標というものをどういうところに置くべきなのかというのが大きな議論としてあり得るのかなというふうに思っております。
 それから、10年実施計画につきましては、これもターゲットタスクチームでのご議論という中で出てきたかと思いますけれども、目標と作業計画の関連性、これは必ずしも具体的な目標、ターゲットがあって、それを達成するためにこのタスクがあるんですという形での関連性というのは十分に説明されていない、あるいはそこについてどう担保していくのかということについて十分目配りがされてないのではないかという印象を受けております。具体的に10年実施計画、最終的なターゲットの見直しをしているという現状がありますけれども、その実施計画を具体的に達成していくためにはどうしていったらいいのかというのがターゲット等ワークプランの議論の中ではあり得るのかなというふうに思ってございます。
 また、現在各タスクはたくさんあって絞り込みが行われたということでございますけれども、それぞれのタスクの評価につきましてどのようにしていくべきか。今日も資料を少しお配りしておりますが、参考資料4に「2007~2009年作業計画における日本のGEOSSタスク参加状況」ということで、各タスクごとにどこが担当してどういう貢献をしたのかというのを整理した紙でございますけれども、色がついたところですが、進捗評価、Gはグリーン、Rはレッド、Yはイエローということでございますけれども、ある意味でのS・A・B・Cと申しますか、評価がここでついているわけでございます。
 実はこの評価というのはどういうふうについているかと申しますと、これはGEOの事務局が進捗評価というのをつけて、執行委員会もしくは本会合に報告がされるという形で、ある意味ではやや事務局がつけた評価ということで、そういう形でほんとうにいいのかという問題意識を持っているということでございます。専門委員会が4つある中で、例えば科学技術委員会などが、こういった評価をするというようなことも実は考え得るのではないのかということもありますし、そういったミッションがきちんと与えられていないからそういう評価がされていないということかと思いますが、タスクの評価については、申し上げたとおり十分な形でなされているかどうかちょっと問題があるのではないかというふうに思っております。
 GEOSSへの求心力を確保するという意味から言うと、手を挙げて参加したいというふうに言ってきた人について、○×をつけて排除していくというのはあまりよくないとは思いますけれども、他方で、ここまで進捗が見えてきて、かつ全体が非常に広くなって、なかなか全体像をつかみにくい中にあって、これから何でもかんでも入れていけばいいということでは済まなくなってきているということで、タスクの評価ということもきちんとやっていくべきではないかというふうに思っているということでございます。
 それからデータ共有については、先ほど柴崎先生からいろいろお話が出たところでございますけれども、GEOSSはユーザーのニーズ主導というのが一つの大きな売りでございますけれども、現行ユーザーからのニーズのくみ上げというのが十分に行われているかどうかについては工夫の余地があるのではないかというふうに考えております。
 少し踏み込んで申し上げれば、4つの専門委員会の一つでございますけれども、ユーザーインターフェース委員会が例えばこういったニーズをくみ上げるような仕組み、あるいはそういう場を設けるとか、そういった場になり得るのではないかというふうにも考えられると思うのですけれども、そういった点でご議論いただければ大変ありがたいということでございます。
 それからポータルサイトについて、今、試験運用中ということでございますけれども、これもいずれ我々として評価をしていく必要がございます。そのポータルサイトの評価という、その評価の観点、評価の軸を整理をしたいというふうに思っておりまして、これについて改善すべき点というものをご議論いただければ大変ありがたいということでございます。
 また、データ共有を通じて各関係機関の連携あるいは効率的な推進という観点でどのような仕組みが必要かということでございますけれども、これも非常にたくさんの機関がいろんな形で参画をしているという中にあって、その連携であるとか効率的な推進という観点で何らかの工夫ができないかということでございます。
 一番最後にGEOSSの成果についてでございます。
 ここに書かせていただいておりますのは、各国、関係機関がいろんな取り組みをされているわけでございますけれども、そのタスクの評価もあるわけですけれども、具体的にはGEOSSが目標としているものを、GEOSSを体現するようなプロジェクトというものを具体的に取り上げて、こういったものをGEOSSは目指しているんだと、そういった非常によい成果を出したものを取り上げるというような仕組みが必要ではないかというのを書かせていただいております。
 先ほど柴崎先生からご紹介をいただいた構造及びデータ委員会の中で、ベストプラクティスWikiでありますとか、あるいはAIP(Architecture Implementation Pilot)の中でのデモンストレーションプロジェクト、こういったものが具体的にはGEOSSの成果として、特に強調していくべきところではないかというふうに思うわけですけれども、これを何かしら非常に大きく打ち出していくような仕組み、仕掛けというものが必要ではないかというような問題意識を持っているということでございます。
 事務局のほうではあらあらでございますけれども、そういった問題意識を持っておりまして、これまで各関係機関が非常なエネルギーを費やしてここまでやってきたわけですけれども、ある程度の成果も出てきているけれども、ある程度課題というものも見えてきたということで、このタイミングでぜひうまく、先ほど申し上げたのは例にすぎませんけれども、このほかにも課題として考えるべきものがあるかもしれません。そういったものについてご議論をいただければ大変ありがたいと思います。
 以上でございます。

【小池主査】
 どうもありがとうございました。
 大変タイトな時間の中で非常に多くの論点を挙げていただきましたし、それから先ほどの4件のご報告にもありましたようにさまざまな問題とか解決すべき課題があるということを私どもは認識しているわけでございます。時間的に限りがあって恐縮なのですけれども、これから20分間ほど議論に充てたいと思います。最初にお一人ずつ、こういうところが問題ではないか、あるいはこの論点に関してはこんなことが考えられるのではないかということを、比較的短目にお話しいただけるとありがたいと思います。
 石田さんのほうからよろしいでしょうか。

【石田委員】
 わかりました。
 私はGEOSSの10年実施計画のターゲットの策定の作業に前に従事していたということもあって、GEOSSのターゲットというのはGEOSSの道筋を与えるものだということで考えていたのですけれども、なかなかそこが顧みられなくて、これまでGEOSSにおいては各国からのボランタリーベースで上がってくるタスク、これを組み合わせてGEOSSを作っていこうとしていた。それにターゲットを逆に合わせるような、そういうようなやり方だと思うのですけれども、それが2年たって、実際にGEOSSの達成目標の評価ということをする段階になって、やっぱりターゲットの重要性が認識されたのだと思いますので、今このT3の作業、それからこのGEOSSの作業部会において、GEOSSの最終の達成目標をどう再設定するかということを議論することは非常にタイムリーであるというふうに思います。
 以上です。

【小池主査】
 ちょっと私なりの解釈をすると、委員の方もちょっと混同されておられるかもしれませんが、タスクとターゲットというのは違うものですね。ターゲットというのは、それぞれの社会的公共的利益分野に関してどういうことをどういう年次でやっていく必要があるかということをまとめたもので、これは計画論としてまとめなのですね。ところが、タスクというのは、それを横目でにらみながら、おれはこんなことができるぞということを提案して出てきたものなのです。だから、種類が違うんです。今この段階でT3でターゲットを見直すというのは非常にいいタイミングで、GEOSSは動き始めたわけですが、我々はどこに行っていいのかというのが必ずしも今は明確でない。そこを明らかにしようというこのT3の役割というのはものすごく大事だと思います。
 今石田さんからお話があったように、今室長のほうからございました論点の中の1番目の○とか2番目の○に関する回答は、実はターゲットの見直しをしながら、これから作っていくことになるわけですね。それに関する議論を我が国としてまとめていく必要があります。特に10月21~23日の集中会合で議論される内容を、この作業部会でしっかり揉んで国際社会に発信していく必要があります。これは要するに今からGEOSSをつくるのと同じぐらい重要な役割を持っていると思います。我々の努力とどのように整合するか、進むべき方向性はなにか、という議論は非常に大事であろうと思います。
 柴崎先生、お願いします。

【柴崎委員】
 今小池先生が言われたことを基本的にリピートします。というのは、データの統合とか流通促進というのは、何にでも使おうと思えば使えるわけで、そういうわけでGEOはターゲットも多いですし、タスクもたくさん立ち上がったのですが、やはり事務局のマネジメント能力もあり、どれかに絞って重点的に活動しないと、目に見える成果がなかなか出ないということは十分わかっておりましたので、それの絞り込みをやる必要がある。その中で、日本としては、過去の蓄積、現在走っているプロジェクトなどを考慮しながら、このターゲットがうまく入れば、日本としてはプラスアルファで無理して貢献しなくても、今やっている話を連携させながらどんどん投げ込んでいけばちゃんと貢献できる、そういうターゲットがあると非常にいいだろうなと思います。水なんかは、ある意味でそういう候補になっているんだと思います。
 もう一つは、GEOの事務局自身がそういう意味で、タスクの数も大変多かったりして、十分全体をマネージができない。どのタスクがどうつながり、最終的なターゲットにどう貢献するか、そういう観点から、例えば石田さんがロードマップを書いたんですけれども、まさにあれは本当はGEOの事務局がやるべき仕事なのですが、そういうのをしてあげたことで、このタスクのターゲットの見直しの議論なんかも、ああいうのはかなりドライビングフォースになっているんだろうと思いますし、そういう意味では、GEOの事務局そのものを日本がもうちょっと支援してあげる、人を出すのももちろん大きな支援なんですけれども、それプラス、タスクの関連だとかターゲットとの関連、どんなデータがどういつ出てくるか、そういうオーバービューを我々自身持っておくことも、大変戦略を考える上で役に立ちます。事務局にも役に立ちます。
 そういう意味で、事務局の情報処理能力というか、管理能力というか、その辺を強化してあげるということを一緒に手伝ってあげれば、感謝ももちろんされますし、我々もメリットがあるし、GEO全体もうまくいくのかなという気がします。GEOの事務局はなかなか一生懸命頑張って独自色を出そうと努力しているのですけれども、人数の不足もあって、空回りでいろいろな摩擦を招いたりもしているようなので、そこら辺がうまく融合できたらいいなというふうに思いました。
 以上です。

【小池主査】
 どうもありがとうございます。内容をよくご存知のご発言で、今お話になった一つの立場は、貢献するというよりも、室長もおっしゃいましたけれども、リードするということですね。GEO事務局をエデュケーションしながら、あるべき方向へきちっと向けていかないといけない。今回G8でああいうふうにできたのは、文科省が執行委員として2年前ぐらいから温暖化、気候変動を重点に据えて、要するに、G8の中できちっと発言できるような形にしないといけないとぐうーっと引っ張ってこられたからです。それまではなかなかGEO事務局はそういうところに振り向いてなかったのをぐっとこちらに振り向かせてやってきたというある種のエデュケーションがあったわけでございますが、今、まさに実行段階に入って、非常に大事なところで、どういうふうに事務局をエデュケーションしながら、あるべき姿に持っていくかというのは大事な立場といいますか、私どもの役割ではないかというふうに思います。
 もちろんGEO事務局のメンバーの方々はそれぞれものすごく優秀な方が集まっておられますが、政策的、大局的に見るグループでは必ずしもないんですね。それからもう一つ、これははっきりしておかなきゃいけないのは、GEOはG8の議論を基に生まれたというところが非常に大きいところで、そのG8で生まれた経緯と、そこのニーズというものがしっかりGEOの運営の中に反映されていないといけないと思います。そうしないと、ある段階から方針が外れてしまうというふうなことが起こってしまう危険性があると思います。そういう意味で大変いいご指摘をいただきましてありがとうございます。
 それでは、こういう会合では始めておいでいただいたかもしれませんが、高木委員、よろしくお願いいたします。

【高木委員】

KDDIの高木と申します。今回初めてこういう会合に参加させていただきまして、私自身はGEOSSの中の柴崎先生にご紹介いただいたSIFというところで今参加してやっておりまして、そのような立場からかなり技術的な、専門的な話の中でのコメントになるのですけれども、SIFの中でも何度か議論等があるんですが、実際のところ、私はワールドワイドウェブの世界で専門的にやってまいりました関係で、そういう形でちょっとGEOSSのプロジェクト等を俯瞰して拝見させていただくと、やはりかなりタイトなカップリングを、いろいろなシステムをつなげたりとか、いろいろなプロジェクトをつなげたりというのを検討されて当初やられてきたような気がいたしました。それに対して、最近ちょっと私のほうもそういう提案をさせていただいているんですけれども、もう少しワールドワイドウェブのルーズカップリングによって情報システムを連結させることを情報システムのある意味で信頼性とか詳細性、精密性とかというのをある意味度外視しても、ルーズにカップリングするということに関しても目を向けてみたらどうでしょうかというような話を一度提案させていただいています。
 そんなような中から、もう少しルーズカップリングに関しても少し取り上げてみようかというような話が前回ちょっと委員の方々からもメールをいただいたりなんかしているところで、そういう意味では、最近立ち上げをいただいているWikiなんかは非常にいい方向性かなと思って見ている次第です。
 以上です。

【小池主査】
 どうもありがとうございました。私なんかは逆にもっともっとタイトにと思っていたんですが、今おっしゃるようにルーズカップリングの方向性は非常に大事ですね。広くコミュニティが広がっていく上では大変大事な視点だと思います。どうもありがとうございました。
 高薮先生、お願いいたします。

【高薮委員】
 東大気候システム研究センターの高薮です。
 私はどちらかというと、ユーザーのほうの立場にこれまでおりまして、いろいろな機関が集めましたさまざまな大量のデータを利用して研究をするほうの立場でありましたが、GEOSSの活動はもちろん見聞きして存じておりまして、一部的にはお世話になっております。
 それで、今日のお話を伺いまして、特に今までの論点というところで、この取り組み自体がすべてのデータをすべてのユーザーにという感じの非常に大きな雄大な構想だと思います。ただし、ユーザーからのニーズのくみ上げがそれほどうまく進んでいないようであります。
 ユーザーのほうの立場から言いますと、非常に大きなシステムがあって、そんなに簡単にアクセスできる感じがしない。つまり、自分のニーズが決まっておりましたら、それを一番よく知っている人に聞くのが一番早い。すべてが用意されているところにアクセスしても、時間がかかるだけで、なかなか目標に到達できないというものがあります。それでなかなかさまざまな分野の人たちからアクセスがないのは、できないというか、時間がかかると思われるのではないかというふうに感じます。
 ですから、こういうすべてのデータが揃っているような場合、例えばもし一人のすべてを知っている人がいたとして、その人に聞けば自分の欲しいものにリーチできるという、そういう状態に似た体制がとれるならば、利用者には非常に有用です。つまり、選択の過程において、自分はそれほど時間を費やさない。つまり、すべての情報のリストが与えられても、それから選ぶ必要があるわけでそれが大変です。私はこのポータルサイトというのにまだアクセスしたことがないので、どういう仕組みになっているか、そのあたりを吸い上げる仕組みになっているのかどうかわかりませんが、そういうアクセサビリティをよく工夫していただいて、あとはそれの広報を、よいものであったら、よく知らせていただくということが重要なのではないかと考えています。
 GEOSSのご活動についてすべて存じ上げているわけではありませんので、誤解に基づいた発言もあるかもしれませんが、そのようによろしくお願いします。

【小池主査】
 ベストプラクティスというのが先ほどご紹介がありましたが、こんないいことがあるよというのは、今の高薮さんのポイントにはある程度マッチするんですか。

【高薮委員】
 ある程度ユーザーの対象もしくはユーザーの項目、ニーズに沿った窓口がしっかりしているということが重要じゃないかと思います。

【小池主査】
 本当はそういうものが一番役に立つわけですね。でも、なかなか作りにくいというところが課題だと思います。ありがとうございました。
 深澤委員、お願いします。

【深澤委員】
 今までの皆さんの観点と変わっているかもしれませんけれども、GEOSSが始まった当初、当然私は気候関係を特に専門的にやっているものですから、参照文書作成時にも気候の中での海あるいは大気科学、気象に多くのインプットをしましたが、それらの分野ではかなりGEOSSに近いものが実はでき上がっている部分だと思います。しかしGEOSSの概念が初めて出てきたときに、今までと何が違うのか。それまであるIGOS-Pや、あるいはフレームワークとしてはGCOSがありますし、さらには小池先生が活躍されたCEOSなどがあるわけです。それらとGEOSSと何が違うか。例えばIPCCの報告書を例にとると非常にわかりやすいと思うんですけれども、IPCCというのはサイエンスからポリティックスへの問いかけなんですね。サイエンスがソサエティに何を警告するか、あるいは何を報告するか。それに対してGEOSSは全くそれとは逆。ポリティックスがサイエンスに何を要求するか。さらに言えば、ソサエティがサイエンスに何を要求するか。そういう逆の、今までそういう見方をしていなかったところをそう見なければいけない、そういう時代に今はなっているのかなと、最初に非常に強く感じました。
 ですから、高薮先生に反対を言うわけではないのですけれども、GEOSSは、ユーザーというのはソサエティなんですね。そのときにGEOSSの最終目的はどうあるべきか、それを少し細かく砕いたところの次にターゲットと、今度タスクがあるわけですけれども、そのタスクというのは基本的にはポリティックスに結びついた形でサイエンスを議論しなくてはいけなくて、その中でサイエンスは何をできるかという形でタスクが並んでくる。
 それは、実は最初に参照文書などをつくるとき、気候のところは私もかなり口を出した部分なのですが、上のような観点からはそれほど議論されていると僕は思わない。ほかの分野はわからないですし、基本的に専らポリティックスのほうから要求された部分が多い分野もあると思いますけれども、今、目標と作業計画の関連性をどう確保するかというのは、GEOSSの10年実施計画に評価というものが絡む以上、どうしても明確にしなければいけないところですけれど、今の視点、先ほど僕が申し上げたようなGEOSSとサイエンス主導のたくさんのプロジェクトとどこが違うのかというところはかなり明確にしておかないと、同じことを同じようなやり方でやる結果になってしまう。そうなってしまうと、せっかくこれほどいろんな省庁をまたいでたくさんの人が作業部会をつくる意味がなくなってくるわけですね。
 そのあたりを特に私は気にしたいと思います。ですから、ここのソーシャルベネフィットについて、これが日本としての、日本のガバメントが日本のサイエンスに要求するのはこういう形なのかどうなのか。それをもう一回GEOSSに日本から問い直すことがあってもいいのでは無いか。その問い直しは、例えばGEOSS10年実施計画等について目標と作業計画の関連性を議論する上で、ベーシックには必要になってくる。そのあたりは多分今柴崎先生とか小池先生がやってくださっている部分かもしれないのですけれども、僕の認識では、GEOSSの中にIGOSが含まれたということがとても象徴的なことだったのですけれども、それを踏まえて、もう一回GEOSSとは何なのか、このGEOSSの最終目的は何なのだというところはかなりしっかりと議論して目標を定めないと実施計画そのものがふらふらしてしまうような気がします。

【小池主査】
 どうもありがとうございます。今、最後のご発言にあった、要するに、GEOSSにIGOSが含まれたというところで性格がわからなくなった部分があるんですね、確かにね。GEOSSは9つの公共的利益分野を定義していますので、それに貢献することはもちろんですが、IGOSが入っているわけなのでサイエンスへのインテグレーションへの貢献というのも本来やっぱりあるべきです。そこが確かに明確でない部分がございます。気候変化の問題は特にそれが大きいと思いますけれども……。

【深澤委員】
 そうですね。気候変化の分野では大きいですね。

【小池主査】
 ええ、そういうところがもう少しこのT3の議論、あるいはそれをフォローする議論の中で明確化される必要があると思うんです。今の高薮さんの議論と深澤さんの議論がある種かみ合ってというか、相互補完的だと思います。

【深澤委員】
 そうですね。ちょっと構造的な話になってしまって。

【小池主査】
 非常に重要な視点だと思います。どうもありがとうございます。
 藤谷委員、お願いします。

【藤谷委員】
 私は、今事務局から示されました論点メモを見まして、成果、評価というのは非常に重要かと思っています。相当なモーメンタムを持ってこのGEOSSのいろんな事業が始まったわけでして、最初はそれなりに皆さんモーメンタムを持って参加しているわけなんですけれども、やはりこのあたりでひとつ成果、アーリーアチーブメントなんかいろいろ出されているわけなんですけれども、もう少し一般の方といいますか、関係者にわかりやすいような評価で、こういうところは非常に具体的に進んだというのを見せないと、そのモーメンタムを維持するのはなかなか難しいのかなという気がいたします。
 私自身連携拠点をやっていまして、2年以上たったわけなんですけれども、このあたりでそういう連携拠点ができたことの成果を皆さんに見せないと、この先、そのメーモンタムは維持できないわけでして、GEOSSとしてもそういうところが必要で、各国が、こういうところは確かによく進んだなということを改めて認識すれば、次のステップに行くのではないか、そういう気がしております。

【小池主査】
 どうもありがとうございます。一応成果の評価というのはGEOの実施計画文書の中には、パフォーマンスインディケーター(業績評価)という章は入っているんですね。あれがあまりワークしていないように思います。今T3の中で議論をされていると思いますけれども、この室長からお話のあった○の3つ目のタスクのところもありますし、全体の評価のところもございますし、今藤谷委員からのご指摘のところ、非常に具体的にそれが見えて、モーメンタムが続くようなことが必要だと思います。
 それでは、山形委員、お願いします。

【山形委員】
 国立環境研究所の山形と申します。よろしくお願いします。
 私自身この作業部会で勉強させていただいている立場なのですが、GEOSSの全体像がまだ全然わからない状態なのですが、先ほどの論点のGEOSSの最終目標はどうあるべきなのかという点について、私のほうで関わってまいりました新タスクのほうの経験からちょっとコメントさせていただきたいと思います。私のほうで、GEOSSのことがよくわかっていて、GEOSSと一緒にタスクを立ち上げさせていただいているのではないのですが、実は京都議定書の次期枠組みの関連で日本の人工衛星を活用した森林炭素モニタリングシステムが可能ではないかということで去年から環境省や文科省さんとも相談しながらプロジェクトを考えてきたんですけれども、それが森林炭素トラッキングということで新タスクでオーストラリアなんかと一緒に立ち上げることができて、今はノルウェーのほうがかなり熱心にリードしてくださっていると思うのですが、本GEOSS新タスクに入ったと。
 これが、そういう経緯で、言い方はよくないかもしれませんが、GEOSSをプラットホームとして利用させていただいて、森林炭素モニタリングシステムができないかという政策的なところから入ってきたのですけれども、実はGEOSSのほうでそれを立ち上げていただいて、先日CEOSの会合でジョセ・アシェシェ事務局長とも議論させていただいていたのですが、GEOSSの目標は、アシェシェさんがおっしゃるには、デシジョン・サポート・ツールを作ることだと。サイエンスもターゲットだけれども、デシジョン・サポート・ツールを作ることが本当の目的だとおっしゃっていたんですね。そういう意味では、この気候変動の中のまた森林という一つの小さい分野ではありますけれども、そこにそういうツールを作って、そして政策決定に何らかの貢献をしようというのはちょうどいいんじゃないかと思ったのですが、しかし、議論していると、彼はちょっと誤解しているところがあって、結局、政策決定者は明確な仕様がはっきりわかっていると。何を測って、どういう精度で測ればいいのかがわかっていて、それを示せば我々はシステムを開発しますよみたいな話だったんですね。それはちょっと違うかなと思いまして、サイエンスだと多分そういう順番で何事も決まって、最後はエンジニアリングで解決できるんだと思うんですけれども、例えばポスト京都での議論などは、結局のところ、政策決定者のほうも何を測るかというのがわからないわけですね。
 ですから、これが絶対に政策から何かが決まって、デマンドが来て、じゃ、やりましょうという順番にはならないので、まず何が測れるのかとか、どういう精度なのかというのを一次仕様で示すことで、次に、じゃ、それを使って何を測りましょう、どういうルールをつくったらオペレーショナル・モニタリングができますねという議論になって、また、それが双方向に何回かやりとりしていると、多分モニタリングシステムができるんだと思うんですけれども、そういうところがちょっとアシェシェさんはわかってないなと。これだとデシジョン・サポート・ツールができるのかというのが心配になったのですが、ですから、そういうところが先ほどの発言を聞いていて、実際そういう状況にあるのかなと思ったんですが、ですから、例えば日本では環境省とか文科省、あるいはいろんなほかの省庁で議論して、じゃ、何を測るとか、日本の衛星でどうやってそれを実現するというのは、多分双方向でできると思いますので、そういうところは逆に国際のほうにフィードバックするとか、そういうようなことはあるのかなと思いまして、ですから、私の関与した分野で言うと、最終目標の設定というのは、政策決定者とGEOSSが話し合って、イン・ダイアログ・ウィズで決めていくものだというふうに思います。

【小池主査】
 非常に重要な視点で、GEOSSそのものにはフィードバックループをかいた絵があるんですね。データあるいは知識を統合してデシジョン・サポート・ツールに渡して、それじゃまだだめだから、また観測のところに来て、また統合してという、そういうフィードバックあるいはやりとりがないといけないというのは埋め込まれてはいるんですが、今、山形先生がおっしゃったように、そこの部分が必ずしも十分認識されてないところもあると思うんです。
 それから、私個人的には、データ統合解析システムの中で、去年相澤(総合科学技術会議)議員から宿題をもらっていて、要するに、統合していくと、何が足らないか、何を測らなきゃいけないかがわかってくるはずだと。それをちゃんと発信しなさいということを言われていまして、今、山形先生がおっしゃったことともつながってくると思うんですね。ですから、これは事務局のほうから論点としてあった下から2つ目のところとも関係していて、データ共有を通じて、各国・機関の観測の連携・効率化を行うためにもどんな仕組みが必要か、これともつながっていくと思いますけれども、日本の経験なり先端性なりを国際的な場で示しつつリードしていくという観点が必要かなと思います。非常に重要な視点をありがとうございました。
 各委員から大変盛りだくさんあって、ここの論点にあることはほとんどカバーしたように思いますけれども、ないのは多分GEOSSポータルサイトはユーザーの視点からどのように改善すべきかというのは、必ずしも直接的な議論はなかったかもしれませが、ルーズなカップリングだとか、それから、この部分ははっきり言って使われて何ぼのもんだという気もしますが、ですから、1年間動かしながらどれだけ使われていくのかということが大事で、あるいはそこからの声をどれだけ反映できるかということが大事であろうと思います。
 今各委員から出された非常に貴重なご意見は事務局のほうでおまとめいただいて、次のステップへ進めていただきたいと思いますが、一言だけ先ほど言ったことと重なるのですが、申し上げたいのは、2003年の6月のG8で具体的な議論が始まってここまで来たわけなんですね。必ずしもG8の枠組みで閉じるというわけではないのですが、それがドライビングフォースになってきたことは確かだし、日本がこれだけ活動的にやっているのも、G8のメンバーとしての責任があるからというか、リーダーシップ性があるからということだと思います。
 そういう意味で、GEOの中で、G8で何が重要な課題として挙げられつつあるかということをもう少し重きを置いて、気候変化だとか、それに伴う影響だとか、あるいはアフリカの能力開発だとか、そういうような部分がちゃんとアウトプットとして出てくるようなことが、私は一つの側面としては大事だろうと思っています。
 ということで、大変貴重なご意見をいただきましたが、ここで一つお願いがございます。T3の集中会合ございますは、この部会は2カ月に1回ぐらいの割合でやるということなのですが、T3の集中会合の結果は少なくとも事務局を通して委員の皆さんには流していただいて、委員の皆さんのご意見を頂き、できればそれをもとに次のステップを考えるようにしていただきたいと思います。
 この最初の議題につきまして、ほかに何かご意見はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、議事の2番目の第3回のGEOSSアジア太平洋シンポジウムの開催につきまして、これは去年の1月に1回目をやって、ことしの4月に2回目がございました。いずれも東京で開催され、そして3回目を今度計画しようということでございますが、それにつきまして、まず事務局のほうからご説明をお願いいたします。

【谷地球・環境科学技術推進室長】
 資料3に基づいてご説明させていただきます。
 先ほど小池主査からお話がありましたが、裏に第1回と第2回のシンポジウムの概要をつけさせていただいておりますので、簡単にご紹介をさせていただきます。
 第1回のシンポジウムでございますが、19年の1月、第一ホテル東京シーフォートで行われました。まずアジア太平洋へのGEOSS活動の普及ということを目的として行いまして、30カ国から311名が参加をいただいたということでございます。各国の活動報告、それから4つの分科会、生態系、気候変動・水循環、森林火災、地震監視という4分科会を設けて議論をしたということでございます。
 第2回は20年4月、今年の4月でございますけれども、日本科学未来館で開催をしております。26カ国から約230名ということで、目的は特にG8のサミットがございましたので、そちらに向けた提言をまとめるということでプログラムを構成してございます。内容としては、アジア各国のGEOSSの活動報告、それから4分科会と体裁としては同様でございますけれども、パチャウリ議長が来て基調講演をしたということで非常に大きく取り上げられたところでございます。
 今回第3回ということで考えておりますのは、表に戻っていただきまして、全体、このような形で考えておりますというのをまとめさせていただいております。ポイントは、趣旨でございますけれども、G8のサミットにGEOSSというのは明確に位置づけられました。GEOSSの活動についても、るる作業が進んでいるというところでございます。
 その中で、アジア太平洋地域は、気候変動による影響というのを非常に大きく受けるということが予測をされているところでございまして、具体的には地震でありますとか、地震は気候変動とは直接関係ありませんけれども、サイクロンなんかの被害というのも非常に大きく出ているところでございまして、災害、それから気候変動といったところについても非常に大きな取り組みが期待をされているということでございます。
 第3回のシンポジウムは、第1回、第2回を踏まえまして、引き続き日本で開催ということにしたいと思っておりますけれども、内容としては、地球観測によって得られた観測データの共有というのはGEOSSの非常に大きな目的でございますけれども、特に分野を横断した取り組みということに焦点を当ててやったらどうかということで考えております。
 具体的なテーマでございますが、アジア太平洋地域における分野横断での観測データの共有ということで取り上げてみてはどうかということでございます。具体的な分野横断というところの分野につきましては、気候変動、それから水資源管理、生態系、それから災害という4つの分野を取り上げて、これらの分野横断的な観測、予測、データ共有という議論を行ってみてはどうかということでございます。
 これまで各分野ごとの活動というのはGEOSSの諸活動の中でるる推進されてきたところでございますけれども、これから分野横断での議論というものが重要になってくるであろうということで、そういったものを先取りするという形でシンポジウムとして打ち出していってはどうかということでございます。
 日時と場所でございますけれども、21年の2月、来年2月でございますけれども、京都で構造及びデータ委員会が開催されるというふうにお聞きしておりまして、構造及びデータ委員会とのタイアップと申しますか、連続した形で開催するというのが一つ案として考え得るなということで書かせていただいております。
 主催は従来からGEOの事務局でございますが、参加国としてはアジア太平洋のGEO参加国を予定しております。
 具体的な内容でございますけれども、全体で3日ぐらいのプログラムになろうかと思っております。初日は、基調講演、分野横断というテーマに即してGEOSSのありようについて基調講演をいただくというのがまず最初にあり得るかなと。
 それから、GEOSSの活動に関する報告、これはタイアップと申し上げましたけれども、構造及びデータ委員会がちょうど開催されるということでございますので、特に構造及びデータ委員会の活動を中心的にご報告をいただくということでどうでしょうかということでございます。
 3点目は、各国にお集まりいただきますので、各国の取り組み状況についてもご紹介をいただくということが初日のプログラムの案でございます。
 2日目は、具体的に分科会を設けて、分野横断というテーマに即して議論を深めたいというふうに思っておりまして、まず個別の4つの分野をクロスさせて分科会を設けて、例えば気候変動と水資源、あるいは生態系と災害というようなカップルをつくって、分科会をやってみてはどうか。お互いどういう貢献ができるのか、あるいはどういう活動が必要になってくるのかといった議論ができれば大変いいなというふうに思っております。
 それから、分科会を踏まえて合同セッションということで、引き続き分野間協力ということで観測・予測・データ共有ということでやっていくわけですけれども、どういったことが必要になるのか、あるいはどういったことが可能であろうかという議論を深めたいということでございます。
 3日目に、各分科会でいろんなご議論がなされたその結果の集大成の報告をしていただくということ。それから、構造データ機能開発ということで、構造データはどういった機能を持たせるべきか、別途委員会でご議論いただいているところではございますけれども、分科会のご議論を構造及びデータ委員会へのインプット、あるいは発展形という形でどういうふうにしてまとめていったらいいかというご議論を3日目の最初にやったらどうかということです。
 最後に会議の取りまとめと、非常に盛りだくさんの内容を考えておりますけれども、全体、このような形で進めさせていただければと思っておりまして、ご意見をいただければありがたいと思います。
 以上でございます。

【小池主査】
 ありがとうございました。ただいまのご説明につきましてご意見あるいはご質問等ございましたら、どうぞお願いいたします。
 柴崎先生、構造及びデータ委員会のほうから何かございますか。

【柴崎委員】
 こういうようなイベントといいますか、議論をする機会とADCをうまく連続していただいて大変ありがたいと思っております。こういうところでいろいろなインプットをいただければ、大変有益だなと思いました。
 以上です。

【小池主査】
 多分T3から注文がつくのではないかと思います。つまり、分野間連携を促進するために構造及びデータ委員会にこういうことをしてほしいという。

【柴崎委員】
 要望があって何ぼのADCですので、どんどん出していただければと思います。全部できるかどうかはちょっとよくわかりませんけれども。

【深澤委員】
 質問なんですけれども、テーマですが、このテーマはどこかに明示的にうたわれますか、例えばパンフレットなりに。

【谷地球・環境科学技術推進室長】
 はい、今シンポジウムの資料3のところにも分野横断GEOSSのための観測データ共有に関するシンポジウムというふうに書いておりますけれども、基本的には分野横断での活動の強化というのをテーマといたしますので、いろんなところへの参加の招請であるとか、情報の発信は、基本的にはこのテーマを付して行います。

【深澤委員】
 このテーマを付して行われるということになるわけですね。前回、前々回は、そのあたりはどうでしたか。テーマはそれぞれに違うテーマでしたね。

【小池主査】
 それぞれサブテーマ的には持ってきたと思います。

【深澤委員】
 わかりました。どうもありがとうございます。
 3日目ですか、最後に、GEO構造データ機能開発に関する議論というのが入ってくるということになるのが、このテーマの締めくくりという形になるんですかね。

【谷地球・環境科学技術推進室長】
 一つは、データ及び構造委員会とのタイアップということもありますし、もう一つは各分科会でのご議論というのが、ある意味で言いっ放しではなくて、GEOの活動の中にどうフィードバックされるかというのをご議論いただくということで考えております。

【深澤委員】
 あともう一つ、Day2の(5)番ですけれども、これも毎回出てくるのですが、そろそろ予測の議論を入れますか。この分野間協力に観測・予測・データ共有というのがありますね。

【谷地球・環境科学技術推進室長】
 観測・予測・データ共有というのは、ちょっとここで書かせていただいているのは、G8のサミットのフレーズにちょっと引っ張られた感がありまして、予測というよりは観測と、それからデータ共有というのが中心になろうかと思います。何か特定の具体的なアイデアがあってここに予測と書いたわけではないです。

【深澤委員】
 わかりました。どうもありがとうございました。

【小池主査】
 最後の点なんですが、G8の宣言文の中に観測・予測・データ共有が入ったというのは重要です。実は去年の地球観測サミットでは、予測の部分についてクレームがついたんですね。フランスから異議が出されまして、予測の部分はたしかサミット宣言文からは外れた形になっています。だけど、データ同化だとか、そういうところはまさにGEOの枠組みで予測に非常に貢献するところであるし、予測されたものを影響評価に使うというところも非常に重要なコンポーネントであるわけなので、第4回のサミットのときには、最終的にそういう案文にはなりましたが、私はやはり観測・予測・データ共有というフレーズは堅持していったほうがいいというふうに思います。予測そのものを行うアクティビティーが必ずしもフルに入らなければいけないというわけではなくて、予測をやるために必要なデータ同化の部分とか、あるいは予測された情報を効果的に使う部分とかいうことは、明らかにGEOSSの中に入っていると思います。

【深澤委員】
 今のお話を聞いて理解できました。特にデータの統合とか、そのあたりは非常に重要な部分で、そこにはデータ同化が必ず入ってくる。これから先いろいろ議論されていく段階で、ここであまり断定的なことを言うわけにはいきませんけれども、ディケーダルな予測というのは我々研究者にとっても社会にとっても重要で、多分それは同化が主体となったような形での予測になることは間違いないでしょうから、確かに同化を表に出してやるような予測、観測、それからデータの共有の絡み合いが入ってくるといいのかもしれませんね。どうもありがとうございます。

【小池主査】
 第2回が特にG8を意識した枠組みで、パチャウリ議長にも来てもらって、比較的派手な会で、今回は比較的地味で、でも内容は非常にアグレッシブな内容になっています。第3回を成功に導くには、やっぱり実質的な議論は不可欠であるということと、ある種の魅力を付すということも考えなければなりません。こういう会合に対してアジア各国が集まる、あるいは日本のいろんな関心を持った人が集まる魅力を付す工夫も必要かというふうに思います。その辺はGEO事務局と知恵を出し合いながら魅力のある会合を、アグレッシブだけではなかなか人は集まらないので、それは十分承知した上で何らかの戦略を練りながら成功に導くことができたらいいなというふうに思いますので、どうぞ皆さんのご協力をお願いしたいと思います。
 そういうことで、今日のこの議論を踏まえて、GEO事務局との調整を進めていただくということでよろしいでしょうか。

【谷地球・環境科学技術推進室長】
 1点だけちょっと補足をさせていただきたいと思います。このアジア太平洋シンポジウムですけれども、1回、2回が東京で、3回目も京都を考えていますけれども、まあ日本でやるということは変わらないということなんですけれども、アジア太平洋シンポジウムというふうに銘打っているということもございますので、次回以降ですけれども、アジア太平洋での各国、日本ではない国での開催ということもちょっと考えていきたいと思っておりまして、開催の候補国であるとか、方向であるとか、そういったものについてもまた機会がありましたらご意見をいただければと思っております。
 以上でございます。

【小池主査】
 そういう姿勢をお持ちであるということをできるだけ早目にアジア各国にお示しいただけるといいと思います。このままいくと、ずっと日本でやるのかというふうに思われかねないので、そういう意向を持っているということを早目に公表していただいて、各国をエンカレッジしていただけるとありがたいと思います。

【谷地球・環境科学技術推進室長】
 わかりました。GEOの執行委員会会合あるいは本会合でこういったシンポジウムをやりますということについても広くお知らせするということにしておりますので、あわせてそういう機会も活用しながらやらせていただきます。

【小池主査】
 それでは、よろしくお願いいたします。
 最後は今後の進め方についてでございますが、この作業部会における今後の進め方につきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

【谷地球・環境科学技術推進室長】
 資料4でございますけれども、今後のスケジュールといたしましては、第2回として一応12月予定というふうにさせていただいております。若干T3の集中会合の後、それからGEOの本会合までの間にいろいろ対処方針の策定でありますとか、我が国としてのスタンスを決めるちょっと重要な節目がまいります。そういう意味では、実はお集まりいただくということも考え得るのですけれども、なかなか時間的にもタイトでありますし、物理的にお集まりいただくのはちょっと難しいのかなという感じを持っておりまして、具体的な対処方針もしくは我が国のスタンスということではメールベースでちょっとご相談をさせていただければと思っております。
 12月に物理的にお集まりいただきました際には、第5回のGEOの本会合の報告、それから我が国関連のタスクについてご報告をさせていただくということを考えておりまして、その後、一たん先生方の任期の関係で中断といいますか、任期が切れるわけでございますけれども、引き続きぜひお願いしたいと思っておりますので、所要の手続を経て、その後も適宜関連の会合の前後でありますとか、機会を見つけてご相談させていただきたいと思っております。タイミングが来ましたら鋭意ご相談をさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。

【小池主査】
 ありがとうございます。今ご紹介いただいた今後の進め方につきまして、ご意見、ご質問がございましたらどうぞお願いします。
 次回はぜひT3の集中議論をしたいですね。集中会合の後、短時間にまとめられて、GEO-Ⅴで報告があって、そこで何か決まるということはまずないと思いますので、報告があって、それからかなり早いピッチで取りまとめの作業がずっと続いていくと思います。そのかなり早い時期に日本としてまとまった意見をきちっと出せるようにするといいと思いますので、12月の会合の本会合の報告だとか、我が国関連のタスクについての議論も非常に重要なんですが、T3に関する集中論議というのもぜひお考えいただきたいなと思います。

【谷地球・環境科学技術推進室長】

GEOの本会合の報告ということでラップアップしてしまいましたけれども、基本的にはそういうところを集中的にご議論いただくということで、事務局としてもぜひお願いしたいというふうに思っております。

【小池主査】
 今後の進め方につきましてはよろしいでしょうか。
 それでは、議題として上げられていたのは以上ですが、ほかに何か皆さんのほうでこの機会に議論しておくべきことがございましたらご発言いただきたいと思います。
 それでは、最後に事務局から何かございましたらお願いいたします。

【谷地球・環境科学技術推進室長】
 本日は貴重なご意見を長時間にわたりましてちょうだいいたしましてまことにありがとうございました。本日いただきました意見でございますけれども、事務局のほうでまとめさせていただきまして、先生方と再度調整をさせていただいた上で、我が国の提案としてGEOの第5回の本会合にインプットしていきたいと考えております。
 本日の議事録でございますけれども、後日、事務局からメールで先生方にお送りさせていただきますので、ご確認をいただければと思っております。
 それから、事務的でございますけれども、旅費、委員手当の確認について、お手元に資料をお配りしておりますので、手続でございますので、恐縮でございますが、お帰りの際にご提出いただければと思っております。
 以上でございます。

【小池主査】
 どうも議論をありがとうございました。最初に申しましたが、この作業部会は働く部会ですので、まず第1回目は、おそらく石田委員がT3の集中会合に出られて、そのサマリーを事務局でおまとめいただいて、それに対して委員に意見が求められると思います。というのは、今後、執行委員会、GEOのプレナリーで日本の意見として発言する必要、対処方針を決める必要があるからでございます。それが多分最初のワークになるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、第1回の会合を閉会させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

─了─

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