X線自由電子レーザー計画評価作業部会(第4回) 議事録

1.日時

平成20年8月4日(月曜日) 13時30分~16時45分

2.場所

文部科学省 5階 5F4会議室

3.出席者

委員

 雨宮主査、遠藤委員、神谷委員、今野委員、竹山委員、田島委員、谷口委員、徳宿委員、家口委員、亘理委員

文部科学省

(研究振興局)
 林量子放射線研究推進室長、加藤量子放射線研究推進室長補佐

オブザーバー

 石川X線自由電子レーザー計画推進本部 プロジェクトリーダー
 矢橋X線自由電子レーザー計画推進本部利用グループビームライン建設チーム チームリーダー

4.議事録

【雨宮主査】
 第4回目の作業部会を開始したいと思います。
 本日は、潮田委員が所用のため欠席となっております。また前回と同様に、いろいろ不明な点をご説明いただく必要がある場合のために、石川プロジェクトリーダーと矢橋チームリーダーに参席していただいております。
 本日は、前回の議論、これまで3回の議論及びその後皆様からいただいたコメントに基づいて、事務局でまとめた中間評価報告書(案)というものを取りまとめましたので、それをもとに項目ごとに議論を進め、内容、文言の最終確認をしていきたいと考えております。この報告書は、この作業部会の親委員会であるナノテクノロジー・材料委員会が、8月13日水曜日に開催を予定されていますので、そこで私が報告する予定になっております。 事務局から、配付資料についての確認をお願いします。

【加藤室長補佐】
 量子放射線研究推進室で補佐をしております加藤と申します。配付資料について確認させていただきます。
 机上配付資料といたしまして、前回、前々回の資料を席上には配付しております。

【雨宮主査】
 切った袋に入っている分厚いのがこれまでの資料で、今回の資料は大きい袋に入っている報告書(案)です。
 まず、前回の議事録ですが、まだ1週間しか経っていないため、後日事務局からメールで内容の確認を行いたいと思いますので、その際はご確認宜しくお願いします。
 今日の議題ですが、資料1の「X線自由電子レーザー計画中間評価報告書(案)」についての議論です。1週間前の作業部会以降、各委員からメールをいただいたコメントを反映してまとめていただいていますが、前回と同じように項目ごとに議論して、内容も勿論ですが、文言等まで決めていきたいと考えています。
 これから項目ごとに、前回同様音読していただきますが、皆様からいただいた意見が適切に反映されているかどうかということをご確認いただきたいと思います。内容の面のこと、それから、文言ということ、大きくは2点あるかと思います。内容に関しては、委員の中からいただいた案が両論というようなニュアンスのところもあるので、必ずしもご意見いただいたものが100パーセント反映されていないところがあるかもしれませんけれども、そういうところはまたここで議論しながら、収束するようなことをしていきたいと思います。しかし、基本的に相反する両論が出ているものではないと、私は理解しております。
 早速、「はじめに」から始めていきたいと思います。

【神谷委員】
 先日メールで送っていただいたのと同じですか。出だしが違いますよね。

【加藤室長補佐】
 水曜日と金曜日にお送り致しました。金曜日に送らせていただいたバージョンから変えてある部分は赤字になっています。

【加藤室長補佐】
 (1.はじめに、読み上げ)

【雨宮主査】
 何かお気付きの点ありますでしょう。

【今野委員】
 私が指摘したのが、最初の1行で「レーザー計画は、人類がいまだ手にしたことがないX線領域の」という、この「X線領域のレーザー光源を」というのを、「X線領域のフェムト秒パルスレーザー光源」に変更しては如何ですかという意見を言いました。連続レーザー光線でなくて、非常に短いフェムト秒のパルスのレーザーであるということ、これが非常にこれまでのX線と違って際立っているところなので、それを入れるべきではないか。それと、フェムト秒という意味では、非常にそこが特徴であるということ。そしてまた、いろいろな測定機器が開発されていますけれども、それもフェムト秒パルス光源という意味で開発が進んでいるので、それをここに特徴として入れる方が宜しいのではないかという意見を書いたのですけれども、それに関してはどうでしょうか。

【林室長】
 ご意見いただいて、我々の方でも検討させていただいたのですけれども、X線自由電子レーザーの特徴が幾つかございます。当然のことながら、フェムト秒という単パルスということもありますし、高輝度であるというようなことも幾つかあります。それをここでどこまで上げるかという話の中で、X線領域のレーザー光源ということでどうでしょうかということで、ここで一応議論していただければと思います。

【雨宮主査】
 いろいろ考え方があると思いますが、「はじめに」というところで、X線領域のレーザーということが新しくて、その中の特徴には、単パルス性だとか、高コヒーレンス性とか、そこにどれだけ大強度があるかとか、幾つかの特徴的なものがありまして、そういう意味では、中を読んでいけば、どういうキャラクターで特徴付けられるかということが明確になっていればいいという考え方もあるのかと思います。フェムト秒、単パルス性ということを、特に最初のはじめにくくり出す必要があるかどうかというのは、その辺の判断だと思います。

【田島委員】
 実はこれは議論しました。そのとき、たまたま今野委員がおられなくて。林室長がおっしゃったように、このX線レーザーの特徴は、フェムト秒ということで切り出してしまうと、実は特徴にならないです。それは今現存するX線レーザーの中で、フェムト秒のものもありますので。

【今野委員】
 パルスも。フェムト秒パルスの。

【田島委員】
 ええ。単パルスというのも1つの重要な特徴ではあるものの、要するに、0.6オングストロームという非常に短い波長であるとか、コヒーレンス性が高いだとか、非常に強度があるとか、もう少し幾つかあった。それ全体が相まって非常に特徴があるので、フェムト秒だけで、これは世界最初のものかというと、それは事実としてはそうではないです。

【雨宮主査】
 そのときのX線というのは、波長領域は。

【田島委員】
 それは、ナノメートル以下だとか、いろいろな制限によって変わってきます。

【雨宮主査】
 波長領域がまた違った領域のフェムトの話ですよね。

【田島委員】
 そうです。どの領域で何なのかというのを同定して始めて正確なステートメントになるので、ここだけでX線領域のフェムト秒レーザーと切り出してしまうと、何というか、違和感というか、事実と若干、そうじゃないの、という話が出たりしかねないです。テクニカルなことではありますが、その1点だけで押すというのは少しおかしいし、次のページにも出てきます、「100フェムト秒」というのが3ページのところに。

【雨宮主査】
 次の「開発について」で、このXFELを非常に特徴付けるいろいろなものが出てくるという意味で、複数の際立った特徴があるところから、1つだけ特徴をアピールすると、むしろそこのバランスが適正でないという考えがあるのだと思います。如何でしょうか。

【今野委員】
 非常にこれが特徴なところ、非常に重要なことだと私は思っておりまして。

【雨宮主査】
 それも特徴の1つです、間違いなく。

【徳宿委員】
 そういう意味では、レーザーの表のところにはパルス幅が書いてないですが、これは意図的に書いてないのですか。

【田島委員】
 私もこの表は不完全だと思います。そこは後で。

【雨宮主査】
 開発の2.に入って、そこで議論したいと思います。
 他に「はじめに」について、何かご意見ございますか。

【今野委員】
 2ページの下から3行目の、「事前評価等の指摘事項を踏まえ」、これはどこにかかるのかということと、「等」は、どういうものがあるのですか。あと「踏まえ」がどこにかかるのか。踏まえて実施されていて、「個別の課題の詳細について評価するのではなく」というところが踏まえなのか。この文章、私には分かりにくかったです。

【雨宮主査】
 踏まえて実施されている。

【林室長】
 この「踏まえ」は、「実施されていること」からです。「事前評価等」というのは、この事前評価、科学技術・学術審議会だけではなくて、総合科学技術会議のいわゆる事前評価も含め、更に総合科学技術会議でその後行われているS、A、B、C付けとか、そういうものでも利用推進研究についていろいろ述べられていますので、そこを全部含めた言い方にしております。
 それは第1回目のときの評価すべき項目を上げるときに、事前評価とS、A、B、Cでの指摘事項を踏まえて評価する項目をつくっておりますので、それを全部入れた形で書いております。それを踏まえて、既に策定、公募、選定、評価等が実施されていることから、大枠だけ評価を行いましたとなっています。

【今野委員】
 そうですか。

【谷口委員】
 点がない方が分かりやすい。

【雨宮主査】
 「踏まえ」の後の点をとるということですか。

【谷口委員】
 「踏まえ」の後の点をとり、つなげればそういう誤解は生じないと思います。

【雨宮主査】
 では、「等」は宜しいですね。読みにくさがあるから、「踏まえ」の後の点をとってはというご指摘がありました。そこらはまた検討を。

【神谷委員】
 それをとると、次の「協議会において」の点もとらないといけない。

【徳宿委員】
 「既に協議会において」を前に持ってくる。

【雨宮主査】
 むしろ「評価等」を「実施されていること」の直前に持っていけばいいのではないでしょうか。

【徳宿委員】
 なるほど。

【亘理委員】
 「実施されている。」で一文切り、その後に「本中間評価では個別の課題」と。

【雨宮主査】
 「実施されている。このことから」と。
 他に何かご指摘、コメントありますでしょうか。

【徳宿委員】
 細かいことですが、書体の問題ですが、「平成17年」の「17」は半角、「6月」、「8月」とか、どうも全体を通して、数字が1個のところは全角で、2つ続くと半角になっているようですが。もしそれがスタイルならばよいですが。

【雨宮主査】
 そんなことはないと思います。

【谷口委員】
 最近、文科省がそういうふうにしろという作成要領など来ます。

【徳宿委員】
 そうなのですか。

【谷口委員】
 例えば、国立大学法人の評価などは、2文字続くと半角で、1文字で全角です。そういうならわしでやっているのかと思って、見ていたのですけれども。

【林室長】
 どこになったら半角にするかという問題があり、3桁になったらどうなのかということがあるのですが、2桁でしたら全角でもいいのかもしれないですけれども。

【雨宮主査】
 全角、半角は文科省方式に従って下さい。

【今野委員】
 「今後の期待」の最後のところで、「我が国から世界初の画期的な成果が多数創出されるよう」というところですけれども、これは世界2番目の画期的なということはあり得ないので、何も世界初と書かなくてもいいのではないかと。大きくて巨大なとか、そういう感じになると思われます。

【亘理委員】
 「画期的な」ですと、いくらでもあると思いますが、このプロジェクトは、科学立国日本で、集中してやるべきプロジェクトとして、「世界初」と特筆しても宜しいのではないかとは思います。

【林室長】
 考え方としては、国際競争の中で実施されていることでもあるため、それに勝って、というような趣旨も込めて、世界に先駆けてと、成果も当然、世界初のものを出していくと。むしろ画期的なというよりも、世界初のというところに、力を置いています。

【雨宮主査】
 これだけの予算をかけており、期待感を明確に表明するというコメントもありましたので、特に日本語がおかしくなければ、宜しいのではないでしょうか。

【今野委員】
 分かりました。

【雨宮主査】
 では、次の「2.開発」について、音読をお願いします。

【加藤室長補佐】
 (2.開発についての読み上げ)
 (2)評価…また、XFELのプロトタイプ機が平成18年度にレーザー発振に成功しており、運転を通じて明らかになった問題を逐次解決し、それらの結果を実機の設計に適切に反映されている点や、--の後の「それとともに」はとっていただいて--プロトタイプ機を利用推進研究にも活用することにより実機での利用に備えている点は評価できる。…

【雨宮主査】
 以上、2.の開発についてに関してですが、お気付きの点ありますでしょうか。

【田島委員】
 用語ですけれども、簡単に言うと用語が混乱していると思います。1つはパルスという言葉。もう1つはバンチという言葉。それから、マイクロバンチという言葉。マイクロパルスというのは出てこないですけれども。
 要するに、パルスが電子ビームに対して使われている場合と、レーザーに対して使われている場合がある。バンチは、電子ビームのみについて使われている。バンチの中に、今度はマルチバンチだとか、バンチだとか、ミクロバンチが出てくる。
 実は、こういう開発の非常に際立った重要性として、バンチの構造というのが大事だと思うのですけれども、それが用語の混乱によって分かりづらい。特に利用のときに、どういうミクロなバンチ構造を持っているかというのは、非常に利用にとって大事な項目の1つです。
 例えば、バンチは電子だけにいうとか、パルスはレーザーだけにいうとかするか、もしそうでないならば、最初の表1を見ますと、電子ビームについてはパルスを使っている。その中でバンチというのが出てくる。だから、マルチバンチというのが1パルスなのかどうかとか、その辺の用語の使い方も分かりにくいし、もし電子にはパルスを使うのであったら、今度はレーザーのときに、ミクロバンチに対応する--バンチに対応するのがレーザーのパルスだと思いますが、そこが電子ビームにおいての定義とまた違うので、これはかなり読みづらい。
 それに関連するのは、実は週末にも石川さんにご質問したのですけれども、レーザーのパラメータが十分ではない。要するに、加速器屋としていっぱい加速器の定義はしていますが、実際に利用する立場からすると、どういう光かというのは、一生懸命計算しないと出てこないような構造になっていて、例えば、レーザーパルスの微細構造は、この表からは分からない。どれだけのエネルギーのレーザーが入っているかというのも、計算しないと分からない。それから、レーザーの集光性能も、これだけだと分からない。だから、光子数密度がありますけれども、これが実際に集光されたときの密度なのか、集光されないときの密度なのか、これもはっきり分からない。この辺、利用者の立場からすると、実際に集光されるときにこうなるのかされないのかで、相当利用の仕方が違うと思います。この辺を少し整理しないと、利用する上でもなかなか分かりにくいというのが、私の正直なところです。
 それから、もう1つ、波長というのを見ますと、「0.06ナノメートル以上」とありますが、以上というのはそれより長いという意味なのか短いという意味なのかも、これだけだと分かりづらいです。
 だから、この表が利用者のためになるような表として、バンチ構造も含めて、バンチとかパルスとかいうように両方使い分けるのか使い分けないのかで、用語集を見てもそれがはっきりしないです。用語集の用語解説を見ますと、は行にパルスというのがあり、これは持続時間が短い光を指すと書いてありますが、一方で、電子に対してもパルスを使っています。それから、バンチというのは、ここのところは電子ビームの「塊」と書いてありますけれども、この辺、混乱するような書き方だと思っています。

【雨宮主査】
 まず波長に関しては、以上といったら長いという方でいいのではないでしょうか。なまじエネルギーというコンセプトを持っていなければ、クリアだと思います。それでレーザーに対するパラメータの記述が不十分で、パルス長のことが抜けているということですね。

【田島委員】
 はい。

【雨宮主査】
 それでパルスとバンチの使い分けですが、どうでしょうか。今、田島委員からのご指摘の中にも1つ案として、パルスは光に対して、バンチは電子に対してというすみ分けが、わりと分かりやすいのではないかと思います。

【林室長】
 確かに表に、電荷のところでパルスと使っているのですけれども、そこをバンチに変えれば、あとは……。

【田島委員】
 バンチなのですか。

【林室長】
 あとは電子について、パルスということを使ってないのではないかと思いますが。バンチでいいですね、マルチバンチと書いてありますので。

【亘理委員】
 通常は、パルスが集団になったのがバンチだと思いますが。

【神谷委員】
 電子の場合は逆です。

【亘理委員】
 パルスが集団でたくさん集まって……。

【田島委員】
 いえ、そうではないです。それは利用者によって違います。

【亘理委員】
 通常は、パルスとバンチは同じではないと思います。

【雨宮主査】
 確かに一般の世界で言われることは、そういうコンセプトもあるかと思いますが、加速器等から出てくる光と電子という関係から見ると、今言った整理の方が分かりやすい。確かにバンチというのは、何かが集まってバンチしているわけですから。だから、そのバンチをつくっているものがパルスだというお考えですよね。

【亘理委員】
 そうですね。電子顕微鏡などでは、やはりパルスという言葉を使います。

【雨宮主査】
 パルスが集まってバンチと。

【亘理委員】
 バンチとするかどうかは、またいろいろなケースがありますけれども、パルスという言葉は使います。

【神谷委員】
 加速器ではまったく違います。バンチが集まって、一般にパルスと言います。

【家口委員】
 そこが非常にわかりにくい。

【田島委員】
 両方やっている人にとっては非常に分からなくなってしまう。

【亘理委員】
 でも、パルスとバンチは同じではないように、一般的には思います。

【田島委員】
 逆になって使う場合もある。

【雨宮主査】
 話を聞くと、逆になっています。

【神谷委員】
 ここは、表のパルスをバンチに直せば誤解はないと思います。

【家口委員】
 せっかく用語集を付けていただいているのですから、本文の最初に出てきたときは、何か印を付けておいていただけるとよいのではないでしょうか。

【田島委員】
 ミクロバンチという言葉も使われています。

【雨宮主査】
 ミクロバンチというのは、電子に対するものです。

【田島委員】
 電子のバンチです。

【神谷委員】
 本文には、ミクロバンチはありましたけど、マイクロバンチもあるのですか。

【田島委員】
 レーザーにはあるのですか。

【石川プロジェクトリーダー】
 マイクロバンチというのは、SASEになるときのモジュレーションがかかった一つ一つのことを言っている。

【神谷委員】
 これを、日本語で整列化とは言わないでしょう。5ページの真ん中に「電子の整列化」とあります。

【矢橋チームリーダー】
 マイクロバンチというのがもし分りにくければ……。

【神谷委員】
 マイクロバンチでいいです。

【矢橋チームリーダー】
 もし密度変調と言った方が分かりよければ、そうしてもいいかと。

【神谷委員】
 むしろマイクロバンチと言っていいのではないですか。

【林室長】
 整列化というのが、もし分かりにくければ、「電子の密度変調(マイクロバンチ)」とか。

【神谷委員】
 それでもいいです。

【遠藤委員】
 あまり変に日本語訳付けないで、英語の単語をそのまま使った方がよいのではないか。認識、整列と、あまり正しい日本語訳ではないです。

【神谷委員】
 初めて聞いた言葉があると、内容についていけない。

【遠藤委員】
 むしろなかなかすぐ学会の了解を得ないと、ターミノロジーの認証を得ないといけないような日本語は使わない方がいいと思いますけれども。

【雨宮主査】
 そうですね。今のご指摘のあった「整列化」はなくしてマイクロバンチ化として、マイクロバンチ化を後ろの用語に付ければいいということですね。

【遠藤委員】
 説明として。

【林室長】
 「微弱なアンジュレータの自発放射をもとにして電子のマイクロバンチ化」ということで宜しいですか。

【遠藤委員】
 後ろに用語解説出ているのですが、できたら英語の表記を括弧で付けておいた方がいいと思います、片仮名だけではなくて。むしろ日本語のナノメートルは、さっき言った「nm」の方がいいのではないか。

【亘理委員】
 波長ですけれども、やはり一般の人はだれしも一度迷うと思いますが、例えば、最短0.06ナノメートルとか、あるいは0.06ナノメートルより長波長が、など書いた方が明快かと思いますが。

【雨宮主査】
 分かりました。では、より明快にという意味で。

【亘理委員】
 最短とするか、あるいはより長波長とか。

【神谷委員】
 最短でいいのでは。確かに私も最初は一瞬、同じ誤解をしました。

【田島委員】
 それから、光の密度が「程度」と書いてありますけど、これは集光したときの話ですか?

【石川プロジェクトリーダー】
 いえ。

【矢橋チームリーダー】
 未集光です。

【石川プロジェクトリーダー】
 レーザーの光源としての性能が書いてあるわけで、光源としての性能と、オプティクスを入れたときの性能は違いがあります。大事なのは光源としての性能で、ここに書いてあるのは光源としての性能です。

【雨宮主査】
 光子数密度の話ですね。

【石川プロジェクトリーダー】
 はい。

【遠藤委員】
 「より長波長」とかの方がいいのでは。

【雨宮主査】
 波長に関しては、「最短0.06」案と、「0.06ナノメートルより長波長」。

【神谷委員】
 その方が物理的にはよいと思います。

【雨宮主査】
 どちらが宜しいでしょうか。

【神谷委員】
 プロジェクトを進めている方は、長波長と書くことにあまり乗り気がしないのではないでしょうか。

【石川プロジェクトリーダー】
 いえ、「0.06ナノメートルより長波長」でいいと思います。

【神谷委員】
 表の印象としてよくないのではないでしょうか。

【林室長】
 「最短で」と。

【田島委員】
 「最短で」と書けばいい。

【神谷委員】
 短いと言いたいときに、「より長波長」と書いてあると、一瞬分からなくなりませんか。

【林室長】
 「より長波長」というと、それより長いのが全部含まれるようなイメージがあります。

【石川プロジェクトリーダー】
 そういう意味では、「最短で」と書いた方が。

【田島委員】
 それはスペックではないのか?

【石川プロジェクトリーダー】
 おっしゃるとおり、スペックを書いてあった。だから、先程のパルスの幅は、SASEの場合、実は設計できないです。そのため、書いてない。ここは設計の基本パラメータがどうなっています、というのを書いてあるわけで、SASEの場合、パルス幅は、設計できないです。ストカスティックに決まってしまう。

【神谷委員】
 ストカスティックだが、全幅などについて何か書けるのでは。

【石川プロジェクトリーダー】
 それはバンチ長で書いてあります。

【矢橋チームリーダー】
 そこをかぶって書くかです、パルス幅。

【田島委員】
 かぶって書いていただければいいのではないですか。

【神谷委員】
 シーディングの話もあり、なかなか書きにくいかとは思いますが。

【石川プロジェクトリーダー】
 とても書きにくいところです。

【神谷委員】
 多分、ユーザーから見ると、時間構造がないと分からないと思います。

【田島委員】
 それは私も非常に困って、一生懸命お聞きした。時間構造はないと、利用者にとってはなかなか利用しづらいです。スーパーシーディングする前でいいのだと思います。

【石川プロジェクトリーダー】
 バンチ長と同じ時間構造を書いておくことはできますけれども、本当にそれで利用者にとっていいのかどうか。ないよりはいいと思いますが。

【神谷委員】
 マイクロバンチの時間構造を書くということでは。

【田島委員】
 マイクロバンチは分からないと思います。

【石川プロジェクトリーダー】
 今のここのマイクロバンチというのは、波長に並んだバンチのことをいっている、SASEの。パルス幅というのは、それがどれだけの長さがあるか。それはストカスティックに決まる話です。それは、設計パラメータではないです。設計パラメータは、あくまで電子のバンチの密度。その中に、統計的にどれだけのものが立つかどうか。

【田島委員】
 それでいいのではないですか。

【石川プロジェクトリーダー】
 と思います。

【田島委員】
 それをありのままに書いていただいて、そういうものだということをどこかに書いておけば、利用者にとっては、それをどう利用するかは、また別の話。

【矢橋チームリーダー】
 ただ、この目的として、これを見て利用者が実験をしようという性格のものなのでしょうか、ここのパラメータは。

【石川プロジェクトリーダー】
 こういうものをつくっていますという開発についてですから。

【矢橋チームリーダー】
 つまり、この報告書の中でコンシステントであればいいのではないかという気もしています。書き出すと、我々もデザインレポートを書いていますけれども、懇切丁寧に説明しようと思うと、10ページや20ページはすぐいってしまう。それでも理解していただけないかもしれないのですが、そこから敢えて抜粋して、ミニマムとしてどこまで必要かというのを逆にいただいた方がよいように思います。

【神谷委員】
 今言ったのは、2行程度で書けるのではないでしょうか。表に書かないとしても、用語解説の中で書くとか。やはり、何か時間構造があった方がよいと思います。

【田島委員】
 仮の時間構造がないと、やはり。前に書いてあるのですけど。フェムト秒以下。

【矢橋チームリーダー】
 「通常のSASE方式では」という5ページの「微弱なアンジュレータ放射をもとに」というところに少し。これは「マイクロバンチを生成するまでにある程度の距離が必要」と書いてありますが、実はここが本質ではなくて、ストカスティックな光のモードがきちんと定義できないというところが恐らく本質だと思われるので、そこを書き換えればいいのではないかという気がします。SASE方式とスーパーシーディング、もしくはシーディング方式との違いという意味で。

【雨宮主査】
 今、議論が、ここの表のレーザーのところに、時間のストラクチャーの情報を何らかで入れるかということと。

【神谷委員】
 時間幅は分かっているのですか。

【矢橋チームリーダー】
 そうですね。それは先程の0.1ピコパーセカンドを受けたベースの幅を書いておけばよいのではないでしょうか。

【神谷委員】
 最大幅は、括弧してストカスティックと書くか、または出たとこ勝負というようなニュアンスの言葉を入れたら、どうでしょうか。

【田島委員】
 普通はレーザーだと、レーザーのパルスの幅と長さと、その中に入っているフォトン数とかは書いてあります、レーザーのドキュメントの場合は。これはレーザーだと思って見ると、それが書いてないから、一生懸命計算をしないといけない。

【矢橋チームリーダー】
 それはパルス幅が一言あればいいのであれば、それで。

【田島委員】
 アスタリスクがあって、それはマルチバンチが少しとか、ストカスティックだとか言っておけばいい話のような気がします。

【石川プロジェクトリーダー】
 要するに最大は、電子ビームの幅になるわけですから、それを1行加えて、そこに何かコメントを付ける形にさせていただければ、今のおっしゃったことは大体良いのかと思います。

【雨宮主査】
 はい。では、お願いします。パルス長、パルス幅。バンチは長でいいのですか。バンチ長、パルス幅。

【田島委員】
 パルス長ですね。

【雨宮主査】
 どっちがどうなのでしょう。

【田島委員】
 普通のレーザーのときは、横幅を幅と言います。等割したときの横幅が。だから、長です。

【雨宮主査】
 パルス長で宜しいわけですね。

【田島委員】
 レーザーの場合には、パルス長と普通は言います。普通のオプティカルレーザーの場合。

【亘理委員】
 17ページの定義で、バンチというのは、同類のものが沢山集まった状態。バンチ長は、集群した電子ビームの時間方向の長さ。こういうイメージから、我々はパルスというのですけれども、パルスというのは、1つのこういうシングルのものであって、それが沢山集まったように、ここでは受け取れるのですけれども。電子が同類のものが沢山集まった状態というのは、シングルで1回で電子が沢山輝度が高い、と、そういう意味ですか。これからは、やはりパルス、切れたものが1つにまとまってバンと出て、ある時間が空いて、またバンと出て、そういうようにこれからは受け取れるのですけれども、そういうわけではない?

【神谷委員】
 同類というのは、電子という意味で書いてあるのだと思います。

【田島委員】
 バンチとパルスがやはりまだ混同されて。

【亘理委員】
 それは別にこのようなことを言わなくても、電子が出るのであって、別に同類という必要はないと思います。

【林室長】
 これはバンチそのものの国語的な定義を書いてあって、ここでは同類というのは、いわゆる電子です、というふうに言っているということです。ただ、それがパルスの場合にはあるかもしれない。

【亘理委員】
 それは別に言わなくても、電子ビームから出るのは電子であって、別に同類とか言う必要は全くないと思います。

【林室長】
 「ここでは」以降でいいかもしれないです。電子ビームの塊ということで。

【亘理委員】
 要するに、連続ビームではないということなのですか。

【林室長】
 いえ、バンチそのものの定義をしているだけです。同じ種類のものが沢山集まっていたもの。

【亘理委員】
 国語の辞書からとったのかもしれませんが、普通は我々が思うのは、一旦切れたものがパッと出て、そこで一旦切れて、またパッと出る。それがかなりまとまったある時間にドッと出て、その後、小時間出ない時間があって、そういうようなふうに私は受け取りますけれども。

【林室長】
 そういう意味では、同類のものというか、ピークというふうに言い換えれば、それもバンチということです。

【田島委員】
 私も混乱してしまうと申し上げたのは、結局、電子は60ヘルツで出ているわけで、60ヘルツで出ているものの中に構造があるわけです、バンチとしての。違いますか。

【石川プロジェクトリーダー】
 シングルバンチだと、60ヘルツで一塊が出る。

【田島委員】
 だけど、その中にバンチが入っているのではないですか。

【石川プロジェクトリーダー】
 1つのバンチが60ヘルツで。

【田島委員】
 0.1ピコセカンド。

【石川プロジェクトリーダー】
 マルチバンチの場合には、それが40つながりで60ヘルツで出る。

【田島委員】
 それがどっちか分からない。

【徳宿委員】
 60ヘルツごとにあって、その60ヘルツごとには1発の場合もあるけど40発までもいける。

【石川プロジェクトリーダー】
 シングル・アンド・マルチバンチだから、シングルの場合には塊が1つで、マルチの場合には40発が出る。

【徳宿委員】
 それが60ヘルツと。

【田島委員】
 だから、どっちなのかと。この表の中には、シングル・アンド・マルチと。

【石川プロジェクトリーダー】
 シングルの場合には前でしょう。マルチの場合には後ろ。掛ける40。

【林室長】
 一番小さいのを言っているわけです。

【亘理委員】
 例えば、図を書いて、こういうのがあって、これをバンチと称するとか、これをパルスと称するとか、何か書いたら分かりやすいのではないでしょうか。

【石川プロジェクトリーダー】
 先程田島先生のご指摘通り、電子の塊はみんなバンチです、多分。言い方というか、分かりやすくするために。そこから出てくる……。

【亘理委員】
 シングルでは? 40発一緒のものをバンチというのではないですか。

【神谷委員】
 加速器のセンスでいうと、電子1個が1つです。電子1個のものを一つとして認識します。それが幾つか集まるとバンチと言います。先程、光でパルスが1個出て、それが沢山集まるとバンチだと言われましたが。

【亘理委員】
 電子でもそうですか。

【神谷委員】
 加速器では、1個の電子が幾つか集まると、バンチ。そういうニュアンスで加速器は使います。

【亘理委員】
 それは宜しいと思いますが、この17ページの定義でいいですか。

【神谷委員】
 言葉がおかしいです。

【雨宮主査】
 用語集を、少しリファインする必要があると。

【神谷委員】
 「電子がたくさん集まった状態」というだけでいいのではないですか。

【雨宮主査】
 バンチの定義ですね。

【亘理委員】
 分野が違うから、少し意見が違うと思います。

【神谷委員】
 「電子が集まった塊の状態をいう」とか、そういう言い方をすればよいのではないでしょうか。

【田島委員】
 今の場合は、1電子バンチ当たりに出てくる光のことを1パルスと言っているわけです。

【石川プロジェクトリーダー】
 そうです。

【田島委員】
 そういうことです。ただし、1パルスはストカスティックな構造を持っているかもしれないと、そういう注意が入っていれば分かる。それをお願いします。

【石川プロジェクトリーダー】
 そうです。はい。

【遠藤委員】
 それも今度、書いておいたらどうなのですか、バンチのところに。「1バンチが1パルスを生む」、それは言い過ぎですか。

【亘理委員】
 例えば、フィラメントからは、同じ時間に複数の電子が出るということはあり得ると思います。必ず時間は別だという理解でよいですか?

【矢橋チームリーダー】
 いや、それは多分加速器にとって、バンチで、塊でRFバケットというバケツに入ったのがだらだら来るのではなくて、塊で来るというのが本質であって、だから、このバンチというのが非常にターミノロジーとして、加速器業界では使われているということです。

【神谷委員】
 でも、フィラメントは有限なサイズを持っているので、同時に複数の熱電子が出ることだってあり得るわけです。

【矢橋チームリーダー】
 バンチの中でも同時性という意味では勿論あるのですけれども。

【亘理委員】
 だから、電子1個がバンチで、電子2個になったら2つのバンチということでもないかと思いまして。

【矢橋チームリーダー】
 そういうことではないです。1つのバンチの中に、沢山電子があるというイメージは、それはそれでいいと思います。

【雨宮主査】
 そうですね。ホワイトボードもないので、ちょっと議論しにくいところはありますけれども。加速器の人が標準的に使っているターミノロジーに則ってというのは、分野によって用語が少し違うとした場合には、ここではそういう軸でまとめるのが宜しいかと思います。そういう意味では、別な分野の人から見て、少しターミノロジーの定義が混乱しないように足る用語集を意識してもらうということかと思います。
 それで、レーザーのところにはパルス長というのを付け加えて、そのときに少し付記する項目も含めて載せるということですね。それから、先程のマイクロバンチ化のところに、敢えて整列化は入れないということですが、ここの今の「2.開発について」で、他にご指摘、コメントいただければと思いますが。

【今野委員】
 4ページ真ん中、「超平坦ミラーの活用によりエネルギースペクトルをシングルショットで精密計測するためのシステムが開発され、従来より2桁高い分解能が達成された」というところですが、この分解能が実際に幾つなのかという値が知りたい。X線だと、何オングストロームとかと。実際の値が幾つなのか。

【矢橋チームリーダー】
 16とか13とかという、ミリエレクトロンボルトという数字を多分書くのだと思いますので、そこは追記させていただければと思います。

【雨宮主査】
 大体十数ミリエレクトロンボルト位ですか。

【矢橋チームリーダー】
 そうです。十数ミリエレクトロンボルトということで。これは10キロエレクトロンボルトの光に対して。

【神谷委員】
 そういうふうに書いていただいた方がいいです。ただ、ここの文章は、分かりにくいと思います。「また」以下から建屋に関する文章の間の箇所、内容は分かりますが、文章としてはあまり宜しくないような気がします。

【雨宮主査】
 「また」というのは、4行目にもあるし、8行目にもあるわけですね。

【神谷委員】
 「また」、「また」と繰り返されていることもありますが、この文章、「パルス毎の診断は必須であり、・・・超平坦ミラーの活用によりシステムが開発され、・・・分解能が達成された」となっており、文章がおかしくないでしょうか。

【徳宿委員】
 利用実験に関しては、やはり「また」というぐあいに附属で言っているのに、その後に前の文で言っている研究の成果が書かれているからおかしいと、神谷先生おっしゃるのですか。

【田島委員】
 「また」が3つあるんですね。

【林室長】
 3つあるのは、多分、4行目と12行目は要らないと思います。8行目のは、前のとのつながりになっているので、入れておいた方がいいのかと思います。

【徳宿委員】
 8行目のは、「また」から「必須であり」までは、まずなくていいです。進められて、研究開発の結果がその後に書いてある。違いますか。その結果は、敢えて言うのならその後で、これはX線の利用実験でも必須であるというのが後から来れば読みやすくなるのではないでしょうか。

【林室長】
 おっしゃるとおり、「必須であり」というところは要らないかもしれないです。

【神谷委員】
 それでしたら意味が通じます。

【田島委員】
 あるいは、「これはパルス毎の光診断に重要だ」とか、最後に持っていけば。

【徳宿委員】
 ええ、それを最後に持ってくれば。

【田島委員】
 必須だというよりは、重要だという意味ではないですか。「これはパルス毎の光診断に重要である」と。「必須だ」までは言う必要はないです。「重要だ」位で。

【徳宿委員】
 後に持ってきた方が分かりやすい。

【林室長】
 言う必要もないかもしれないです。

【亘理委員】
 ビーム径はどれ位ですか。

【石川プロジェクトリーダー】
 何もしないと、これもエネルギーによって違いますが、0.6ナノメートルの波長で、1平方ミリ位になると思います。

【亘理委員】
 ユーザーによっては、ビーム径が結構重要になる。

【田島委員】
 書いてあればありがたいです。

【亘理委員】
 スキャンはできるのですか。スキャンは、動かすことはできるのでしょうか。

【雨宮主査】
 サンプルを動かすしかないでしょうね。

【亘理委員】
 サンプルの方で動かすのですか。ビーム径はあると。知りたいところですね。

【雨宮主査】
 ビーム径の記述はどの程度差し障りなくというか、正確に記述できますか。

【矢橋チームリーダー】
 できますけれども、非集光ビームという但し書きを付けてやるのは勿論簡単です。

【雨宮主査】
 発散と関係ありますよね。

【石川プロジェクトリーダー】
 発散と関係ある。波長によるから、回折限界発散光が出るという書き方が非常に正しい。

【雨宮主査】
 回折限界発散光。要するに、ラムダ程度の断面積掛ける発散だということですね。

【石川プロジェクトリーダー】
 そうすると、また計算しないと出てこないという話になるので、例えば、20GeV(ギガ電子ボルト)のところではどの位になりますというのだったら。

【田島委員】
 それで宜しいのではないですか。20GeV(ギガ電子ボルト)で6ナノメートルで、1ミリメートル。

【石川プロジェクトリーダー】
 ほぼ1ミリ。

【矢橋チームリーダー】
 もう少し小さいと思います。

【田島委員】
 全部20GeV(ギガ電子ボルト)で、ある程度最高性能のところで書いていただければ、計算しなくても分かりますけど。

【雨宮主査】
 ほぼその1ミリは、フルコヒーレントということですね。

【石川プロジェクトリーダー】
 回折限界発散光ですから、フルコヒーレントです。

【雨宮主査】
 発散光ですよね。ということは、1ミリあるということは、ほとんど完璧に平行光だと。発散がないという意味ですから。

【石川プロジェクトリーダー】
 数百メートル離れたところで1ミリですから。

【雨宮主査】
 分かりました。今、エネルギー20GeV(ギガ電子ボルト)でというか、ここでは0.06ナノメートルで、ビーム径幾つ程度と。

【田島委員】
 パルス長とビーム径を入れると、大体利用者として利用できる。

【雨宮主査】
 確かにそうですね。ビーム径とパルス長を付け加えるということです。

【神谷委員】
 つまらないことですけれども、プロトタイプの表にはタイトルを付けた方がいいでは。付けないのだったら両方の表とも付けない方がよい。加速器、アンジュレータの箇所に少しスペースを入れるなど、体裁を整えた方がよい。また、電子ビームなどの小項目はインデントした方がよい。

【谷口委員】
 ずらすと。

【神谷委員】
 少しずらした方が分かりやすいです。

【雨宮主査】
 分かりやすさですね。では、それぞれの項目、第1コラムのところにインデントを入れるということです。
 そういう意味では、ちょっと細かいことを私も言わせてもらいますと、数字と物理ユニットの間には、半角を入れる。例えば、8、半角、GeV(ギガ電子ボルト)、1、半角、nC、これはわりとよく指摘されることなので、お願いします。
 他にどうでしょうか。

【今野委員】
 5ページですが、スーパーシーディング技術というところの真ん中の、「さらに微弱なアンジュレータ」、電子のマイクロバンチで、その後、「可視レーザー光を利用し、あらかじめ」とありますが、スーパーシーディング技術の開発をプロトタイプ機で行うということで、160ナノメートルの紫外部においては、シーディング技術によって波長がある程度広がったのが1つのピークになったという話を聞いて、それでその後、0.06ナノメートルの波長、X線波長においては、スーパーシーディング技術を使うことのよって、それがいくつに分かれている波が1つになる、というイメージを、私は持っていたわけです。そうすると、可視レーザー光は360から700ナノメートル位の波長で、それに対して電子ビームのこの出てくる波長は、0.6オングストロームですか、そういうことを言っているのでしょうか。そうしたら、その波長を書いていただきたいと思いますが。

【雨宮主査】
 電子ビームの波長?

【今野委員】
 電子ビームを出して、それから実機で0.06ナノメートルのパルスのX線を得るわけです。それが実際に、波長が可視レーザー光を利用して、そういうふうな0.06ナノメートルの波長で行うことが計画されているということがどこかにないと、分からないです。

【矢橋チームリーダー】
 最後の用語解説に、波長に関しては一応コメントがありまして、15ページ、シーディング方式のところは、「外部レーザーの動作領域に波長が制限される」と。それに対して、16ページのスーパーシーディング方式は、「原理的に波長の制約はない」と。

【今野委員】
 それが実際に0.06ナノメートルを目指しているので、ここの中にそういうことが書いてあった方が宜しいのではないかと思いますが。今までの話が、そういう話でしたので。それが全然ないと、どういう波長でも一応できたらという話になるので、ここは気になりますけれども。

【雨宮主査】
 要するに、スーパーシーディングは、0.06ナノメートルでのシングルモードの発振を目指しているということを、もう少し分かりやすく記述してほしいということですか。

【今野委員】
 ええ、そうです。

【雨宮主査】
 これだとそう読めないですか?

【石川プロジェクトリーダー】
 5ページのところはプロトタイプの話ですから、これは、プロトタイプでスーパーシーディングという技術をつくるのであって、ここに0.06ということはあり得ないです。

【今野委員】
 そのプロトタイプ機では、何オングストロームの、どの位の波長を目指しているのですか。前の紫外線では、160ナノメートルでうまくいったという話でした。実際、実機ではそういうことが可能である、とか、そういうのがないと、そこを目指していないと問題だと思いますので、そこをはっきりさせていただきたいと思います。

【石川プロジェクトリーダー】
 下に書いてある50~60ナノメートルです。

【雨宮主査】
 この波長におけるシーディング技術を、スーパーシーディングでやるということですよね。

【石川プロジェクトリーダー】
 はい。

【雨宮主査】
 という解釈になりますが、そこをもう少し分かりやすくするためには、プロトタイプで発振する波長において、スーパーシーディング技術を確立することを同時にやっているという表現をした方がいいのですか。

【田島委員】
 むしろ、最後のプロトタイプの活用というのが丸括弧で書かれています。今野委員のコメントに対しては、一番最後に、こういう技術は将来の実機に利用可能と考えられる、というふうに加えられればいいのではないですか。

【今野委員】
 将来といっても、3年後には実機ができるのですよね。そのときにはそういうふうなものができているということですか。そこら辺わからなくて。3年後の話だから、もうやっていないといけないと思ってしまうので、そこら辺はどうなのでしょうか。

【神谷委員】
 確かに実機のところに関する記述のところでは、スーパーシーディングの話が一切なくて、突然、プロトタイプのところに出てくる。

【石川プロジェクトリーダー】
 スーパーシーディングは、ある意味で次の……。

【神谷委員】
 次の計画でよいので、田島先生が言われたように、実機にも使う、という文章があればいいと思います。

【田島委員】
 こういう技術は利用可能であるというぐらいです。実際にやるとは、まだ言っておられないので。

【神谷委員】
 実機に適用しようと思ってやっているわけです。

【今野委員】
 そうすると、実機に適用できないとすると、私からすると……。

【田島委員】
 いや、できないとは言っていません。

【今野委員】
 分かりました。しようとしているのですね。そうすると、160ナノメートルから100ナノメートルのスペクトルが、シーディングによってスペクトルが1 つになったけれども、その前は非常に広がっているわけです。0.06ナノメートルのときも、これが広がっていなくて1つのピークになっているという保証は何もないので、スペクトルが広がっているのを使うのか。そういうふうなのがいいというわけではなくて、やはり1つのピークにするということを目指しているのですよね。そうすると、それがどこにも。

【矢橋チームリーダー】
 書いてあります。

【今野委員】
 それが実際にするときに、このスーパーシーディングができなかったら、それはできないわけですね、この計画は。こういうふうにはならないということですよね。

【雨宮主査】
 そういうことです。

【矢橋チームリーダー】
 「今後の在り方」には書いてあります。

【今野委員】
 それは非常に問題ではないかと思いますが。

【石川プロジェクトリーダー】
 「今後の在り方」のところに書いてあるのですが。あともう1つは、光源自体はそうなのですが、それからあるモードを選んで使うことはできるわけでして、光源がマルチモードだからといって、使うところがみんなマルチモードの光かというと、そんなことはないわけです。もしそうだとしたら、SPring-8は使い物にならないわけで、分光器を入れてあるモードを選んで使っているわけです。「今後の在り方」のところには、分光器を通したときに強い光が来るように、シングルモードのコヒーレント光を実現することが非常に重要であるということを書き、今、進めているわけでございます。

【林室長】
 7ページの「今後の在り方」の3段落目です。

【雨宮主査】
 そうですね。「XFELの高度化という観点から」ということですね。「理想的な光の状態であるシングルモードのコヒーレントを実現する技術は非常に重要である。このためのスーパーシーディング技術は」云々ということで、ここに記されている。シングルモードというのは、シャープにピンとなっているということです。

【田島委員】
 第2回だったと思いますが、山内先生が来られたときに、かなり彼が話されたのですけれども、コヒーレント光という中に、横方向のコヒーレンス、縦方向のコヒーレンスがあると。今、ここで問題になっているのは、縦方向のコヒーレンスがないと。スペクトラムはまた別です。スペクトラムとは別に、縦方向のコヒーレンスがあるかないかというのが、今、議論になっていて、縦方向のコヒーレンスを入れるためにスーパーシーディングをプロトタイプでやっていますということが書いてある。それは将来うまく利用すれば、実機でも使えるかもしれない。使えるとは言い切ってはおられないです。それはまだ実証しなくてはいけないので。もしそれが使えれば、縦方向のコヒーレンスもできるであろうと。一旦縦方向のコヒーレンスができると、それは普通のオプティカルレーザーみたいな性質がX線の領域で使えることになるということが、あるわけです。だけど、今、石川さんがおっしゃったのは、とは言いつつも、別に縦方向のコヒーレンスでなくてもいろいろな利用がありますよと。それはSPring-8でもやられているようなことだし、つくり出せばいいとか、いろいろなことがあるのでということです。だから、コヒーレンスがなくて利用できるようなX線光学のいろいろなプロジェクトもある。

【石川プロジェクトリーダー】
 あともう1つは、先程申しましたように、横方向は回折限界ですから、ラテラルコヒーレンスはあるわけです。山内先生のお話にもあったように、縦方向のコヒーレンスが要る話と要らない話、横方向のコヒーレンスだけで話ができる話があるので、それは勿論全次元、コヒーレントだということはないわけですけれども、縦のコヒーレンスがないから、こんなものはだめだ、という話ではない。例えば、今、いろいろ話題になっているイメージングというのは、大体横のコヒーレンスしか使っていないわけです。

【亘理委員】
 縦方向というのは、時間軸ということですか。

【石川プロジェクトリーダー】
 時間軸です。

【亘理委員】
 何かに書くときは、時間軸の方がいいと思います。

【林室長】
 縦横は、今の文章の中には書いてないです。空間と時間。

【雨宮主査】
 縦横のかわりに、空間コヒーレンス、時間コヒーレンスというように。

【林室長】
 文章の中にも、縦横とは入っていないです。

【雨宮主査】
 今の説明の中で、石川リーダーの言われた縦と横は、それぞれ時間、空間という概念です。空間的には完全にコヒーレントです、すべて。ただ、時間的なコヒーレンスも入れると。

【今野委員】
 だから、こういうことですと、こう違っているという。

【雨宮主査】
 それは時間的なコヒーレンスですね。シングルモードじゃないという。

【今野委員】
 そうですよね。広がって来るわけですね、一度に。そんなに一度に広がって来たものを、分けられませんよね。こういうふうに時間的に来たときに。例えば、分からないですけれども、構造解析だったら、そういうずれたものが来る……。

【雨宮主査】
 構造解析をするときには、時間コヒーレンスは関係ないです、はっきり言って。

【今野委員】
 関係ない?

【雨宮主査】
 要するに、時間構造を見ようとするのでなければ。空間的コヒーレンスはやれば。

【今野委員】
 光の波長が変わってしまうというのはないのですね。

【石川プロジェクトリーダー】
 分光器を一発入れると、シングルモードが選べるわけですね。

【今野委員】
 そのときは、時間の波長が変わってしまうので困らないのかと。すごく違っていたから、それはいいのですかと。そこは問題にならないのですか。こんなに波長が変わる。

【雨宮主査】
 使うエネルギー分解能のことを考えているのですね。今、もしマルチモードだったら、エネルギー分解能どの位になるのでしたか。もしスーパーシーディングができなくて、スーパーシーディングがない方式で、SASE方式で出てきた光のエネルギー幅というのは、どの位広がっているのでしたか。

【矢橋チームリーダー】
 大体0.1パーセント。

【石川プロジェクトリーダー】
 10のマイナス3乗。

【雨宮主査】
 マイナス3乗です。そうすると今野委員の言われることは、スーパーシーディングをしなくても、10のマイナス3乗だということなので、今のクリスタロフィーでやっている位のものはできるわけです。今、分光器を使うと10のマイナス4乗位ですが、多分、10のマイナス3乗のオーダーに入っていれば、タンパクのクリスタロフィーはよほど広角でない限り問題ないのではないかと思いますけれども。更に、シングルモードになると、時間のストラクチャーがもっと明確になって、ポンププローブでやるときの同期の幅の実態の問題とか、その辺の問題が非常に精度が高くなる。

【今野委員】
 固体の伝播で何か見るときもこれで大丈夫だということなのですか。固体の中を、このX線を通して伝播させて観測するというときも、こういうふうに広がっていても大丈夫なのですか。

【石川プロジェクトリーダー】
 大丈夫です。

【雨宮主査】
 ということで、こういう議論は非常に重要だと思いますので、情報発信の仕方ということとも間接的には関係してくると思いますけれども、やはり分かりやすく発信するという上では、こういう議論を積み重ねていくことは必要だと思います。
 他にございますか。

【神谷委員】
 5ページの上ですが、「バンチ圧縮時の電荷の減少」という箇所は、分かりにくいと思います。

【石川プロジェクトリーダー】
 取りこぼしです。

【神谷委員】
 圧縮をうまくやるためにということを書いて、電荷の減少を抑制するためと書くのは分かりにくいかと思います。

【石川プロジェクトリーダー】
 今もバンチングはしっかりできています。だけれども、全体のロスがある。そのロスを少なくする。

【神谷委員】
 ロスというのは、バンチングのときのロスですね。

【石川プロジェクトリーダー】
 そうです。

【神谷委員】
 それでは、そのように書いた方がいいです。

【石川プロジェクトリーダー】
 バンチングをするとこぼれてしまうと。こぼさないように、間にLを一発入れましょうと。

【神谷委員】
 いえ、言葉のことを言っているのです。「圧縮時の電荷の減少を抑制するために」というのは、分かりにくいということです。

【雨宮主査】
 分かりにくいのではないかということですね。どんな表現にすると、もっと分かりやすいですか。バンチ圧縮時の電荷の取りこぼし……。

【田島委員】
 これは国語の問題ですけれども、例えば、何とかかんたらにおいて、S-バンドの上流にL-バンドを配置すると。こうすることによって、バンチ圧縮時の電荷の減少を抑制できますと分ければいいですか。

【神谷委員】
 バンチングをやりやすくするためにということでしょう。ただそれだけ書けばいいのであって。

【矢橋チームリーダー】
 効率よくバンチ圧縮をすると。

【神谷委員】
 バンチ圧縮の効率というか、そういうふうに書いてほしいです。

【石川プロジェクトリーダー】
 バンチ圧縮の効率向上のためにとか、そういうことですね。

【神谷委員】
 そういうふうに書けばよいと思います。また、その次の、「追加に配置する」というのはおかしいと思います。「追加する」とかに。

【林室長】
 追加するでしょう。

【石川プロジェクトリーダー】
 追加する。

【雨宮主査】
 他にございますか。

【亘理委員】
 6ページの一番下の段落が、予算措置に対する要望が書いてありますけれども、これは全体を見ると、予算措置への要望は他には書いてないように思いますが。これは装置に対する要望ですから、ここが適当かとは思いますが。装置のことなので、ここがいいかもしれませんが。

【雨宮主査】
 宜しいということですね。

【亘理委員】
 ここでいいのかという。予算措置を講じていくことを期待するという文章が、この評価のところでいいのか、あるいは全体の総合評価のところにいくべきなのか、それとも、「今後の在り方」にくるべきなのか。ここが適切かもしれませんけれども。

【雨宮主査】
 総合評価のところに書く分でも、やはり本文の中に入っていた上で総合評価に入れるということになるかと思いますが、本文の中の入れ方として、より適切な場所があるとしたら、どこになるでしょう。「今後の在り方」に入れるという可能性もあるということでしょうか。

【亘理委員】
 ここで宜しいと思いますけれども、評価の中に、予算措置を講じることを期待するというのでいいかどうかということですけれども。これを非常に強調したいのでしたら、別の場所の方がいいのかと。問題なければいいと思います。

【神谷委員】
 誤解しているのかもしれませんけれども、6ページのミラーのところは、本当に放射線損傷なのですか。熱歪みではないのですか。

【石川プロジェクトリーダー】
 放射線、ノンサーマルです。熱歪みではないです。サーマルは圧倒的に積分すると圧倒的に小さい。放射線です。

【神谷委員】
 片仮名でクライテリアと書いて、一方では米国で示された基準と、漢字で書いてありますが、両方とも基準でいいのではないでしょうか。

【雨宮主査】
 分かりました。「クライテリア」を「基準」にすればいいということですね。了解です。

【神谷委員】
 もう1つ。その何行か下に、「フェムト秒領域の」とありますが、「フェムト秒領域で」では。「フェムト秒領域の極めて高い安定度で」はおかしいです。

【田島委員】
 これは「フェムト秒領域のタイミング」というように入れるといいのではないですか。フェムト秒領域のところを、タイミングの前に持ってくると分かりやすいと思います。

【石川プロジェクトリーダー】
 「極めて高い安定度で、フェムト秒領域のタイミングを伝達することが可能」、ですね。

【田島委員】
 それだったら分かる。

【神谷委員】
 「数100メートル」とありますが、mではなくてメートルでいいのですか。

【雨宮主査】
 どちらがいいのでしょうか。

【神谷委員】
 どちらでもいいです。つまらないことですので。

【今野委員】
 先程のプロトタイプのことですけれども、計画されているというのと。5ページのところで、先程は計画されていて、それが下のプロトタイプ機の真空紫外の 50~60ナノメートルだとおっしゃったのですけれども、プロトタイプ機は更に利用されていると書いてあるので、計画されている、ではなくて、利用されているということは、できたということですか。

【石川プロジェクトリーダー】
 計画されているのは、スーパーシーディング技術の開発が計画されている。利用されているのは、既にSASEが利用されている。

【今野委員】
 そうすると、50~60ナノメートルのことは、これとは違うのですね。

【石川プロジェクトリーダー】
 SASEで光るところでシーディングしないといけないわけですから、今、使っている50~60ナノメートルのところでスーパーシーディングをやることになります。

【今野委員】
 50~60ナノメートルということですね。

【雨宮主査】
 はい。

【神谷委員】
 7ページの「今後の在り方」の3行目。「こうした点も踏まえながら、理研を中心とした国内外の関係機関との協力・連携体制」とありますが、これは、理研がコアになっているということですか。

【林室長】
 理研が主体なので、理研がコアということです。

【神谷委員】
 理研を中心とした協力・連携体制。何々を中心とした協力・連携体制というのは、少し引っ掛かる。

【雨宮主査】
 引っ掛かるというのは内容の問題ですか、表現の問題ですか。

【神谷委員】
 言葉、表現の問題です。

【林室長】
 協力・連携体制はいろいろな形があるわけです。その形の中で、理研が真ん中になっている。理研とどこか、理研とどこかという形のことを言っているわけです。

【神谷委員】
 内容は分かるのですが。

【林室長】
 内容が分かれば宜しいのではないでしょうか。

【神谷委員】
 分かりました。また、その下の行の、「光学系の開発に関しては、必要となる開発研究を整理しながら進められているところであるが、国で~必要と考える」というの、これもよく分からない。これは理研が進めているということですか。

【林室長】
 理研が進めている。

【神谷委員】
 「整理しながら進められているところである」という文章は、客観的というか、突き放した言い方をしている一方、「進めていくことも必要と考える」というのは、どうも分かりにくい。表現の問題ですけれども。

【田島委員】
 前半は現状を言っている。後半は、とはいうものの、優先順位を付けて進めなさいという評価をいっているのではないですか。評価なので、客観的に言っていいのではないですか。

【林室長】
 ただ理研だけじゃなくて、国でもやっている部分があるので、そことの整合性、優先順位を付けて進めていくという趣旨です。

【家口委員】
 「整理しながら」は要らないと。

【神谷委員】
 要らないような感じです。

【家口委員】
 何かをするときは、当然整理をして、その時点の優先順位で進める話ですから。

【神谷委員】
 それだとすっきりします。

【雨宮主査】
 では、「整理しながら」をとると。

【神谷委員】
 「光学系の開発に関しては、国で推進している~に応じて」というようにすると非常に分かりやすい。

【林室長】
 今、理研で何も工夫しないでやっているように見えるので、そこは今もきちんとやっているけれども、今度は利用推進研究も発展していくので、それとの関係を整理しながらやって下さいという提言です。

【田島委員】
 だから、それを落としちゃうとだめです。

【神谷委員】
 落とすとだめなのですか。

【田島委員】
 はい。

【雨宮主査】
 文章は落とさないけど、「整理しながら」というところは落とすという話ですか。整理しながらも落とさない?

【田島委員】
 「理研で」と言われればいいのではないですか。

【林室長】
 「理研において」というのを入れた方がいいです。

【田島委員】
 「光学系の開発に関して、理研で必要となる研究開発をしながら進めているところであるが、国で推進している」と言われれば分かるのではないですか。「整理」は要らない。「理研で」と言われればいいのではないですか。

【神谷委員】
 評価しているということですね。

【田島委員】
 理研で必要となることはやっているけれども、それに加えてということです。

【神谷委員】
 進められていることに関しては、評価するということでは。

【田島委員】
 やっていると言っているだけで、評価しているとは言っていない。

【神谷委員】
 分かりました。

【雨宮主査】
 では、「理研で」を入れて、「整理しながら」を抜くということですね。

【神谷委員】
 それから、その下の「また」云々とある、「原理実証に成功しており、利用者も利用しやすい」という箇所。これは、一般に利用しやすいという意味なのかどうか、分からないのですが。利用者も利用しやすい標準装置というのは、汎用的な技術としての普及が期待されるということですか。

【谷口委員】
 その前に、利用者が光を使うときに、光の素性が、利用者のニーズに応える形でつかみきれないと、実験にならないわけです。

【神谷委員】
 XFELの利用者が利用しやすい標準装置という意味なのですか。

【谷口委員】
 そういう意味です。

【矢橋チームリーダー】
 そうです。

【谷口委員】
 それは実験する側からすると、当然そうなります。

【神谷委員】
 そうすると、上の「汎用的な技術として普及が期待される」というのは、XFELの利用者への汎用的な技術ですか。そういうではなく、XFELに限らず、もっと汎用的な技術としての普及が期待されるということを言っているのでは。

【谷口委員】
 しかしここのスペクトル計測装置は、いろいろな実験をするときに、自分たちが使う光が、実際のところ、どういう光が来ているのかということを確認した上で研究計画を立てないといけないという、そういう意味ではないですか。

【神谷委員】
 多分、誤解しているのかもしれないですけれども、スペクトル計測装置というのは、別にXFELではなくて、例えばレーザーとか、そういう非常に短い光の計測装置にも展開できるという意味でないと、上の文章の「汎用的な技術として普及が期待される」というのは、言い過ぎになってしまいます。

【谷口委員】
 ユーザーの立場から、やってくる光を診断する装置のことです。

【矢橋チームリーダー】
 そうです。

【神谷委員】
 それでは、文章としてちょっと言い過ぎだと思います。

【雨宮主査】
 分かりました。では、「開発されてきた技術の中には、ユーザー利用の汎用的な技術として」というように入れればいいのですか。より一般的なことで言い過ぎているということですか。

【神谷委員】
 前の説明で受けた印象だと、もっと非常に汎用的、まさにいろいろな意味に使われる、という説明だった気がしました。

【雨宮主査】
 実情はどちらなのでしょう。これは少なくともユーザー利用……。

【亘理委員】
 ユーザーに限定しないのでしょう。

【神谷委員】
 という印象を受けましたけれど。

【徳宿委員】
 私は谷口さんのように、やはりそこに実験しに来たユーザーが、自分でそういうスペクトルメーターを用意しなくても、誰が来てもそれは調べられるものはあるようにしなさいという意味かと思いました。

【谷口委員】
 特にこういう段階での実験というのは、言われた光が本当に来ているかどうかも確かめないと、実験にならないです。

【雨宮主査】
 神谷委員は、それプラス、それよりもっと広いという技術も、そういう展開があるのではないかと。

【徳宿委員】
 ここに書いてあるのがどっちかという議論です。

【亘理委員】
 これは、波及効果でしょう。

【神谷委員】
 波及効果だと思いました。

【谷口委員】
 そういう意味ですか。

【神谷委員】
 そうではないのでしたら、そうではないように書かないと、誤解します。

【林室長】
 多分、複数の委員のコメントを組み合わせているので、委員の考えていることが違うと確かに難しいですけれども、汎用的な技術として普及が期待されるということであれば、全部入れ換えればいいと思います。

【田島委員】
 そうですね。

【林室長】
 「一環として開発された技術、例えば、シングルショットのスペクトル何とかかんとか利用者にも利用しやすい標準装置に発展させていくことが期待されている。さらにこうした技術については、汎用的な技術としても普及が期待されるものがある」と。

【谷口委員】
 そう。

【林室長】
 そういうふうに入れ換えれば、物事は収まるのではないでしょうか。

【雨宮主査】
 では、そのように。汎用性でも、2段階、2種類の汎用性があるということが明確になります。他にありますでしょうか。

【今野委員】
 3ページの「開発の現状」の2行目の「XFELは従来のX線の10億倍の超高輝度で」とありますけれども、従来、X線は、連続のX線ですよね。それとレーザーを比較するということがおかしくないのですか。すごく強いということを言いたいのかもしれませんけれども、今までのレーザーは連続X線です。それと別のものとで比較して超高輝度と書くのは、宜しいのでしょうか。

【矢橋チームリーダー】
 これは放射光と比較してということです。

【今野委員】
 放射光というのは、連続X線で、今度はパルスのレーザー。

【石川プロジェクトリーダー】
 ここも正確にはパルスです。

【雨宮主査】
 ピーク輝度なのか、平均輝度なのかということで。

【石川プロジェクトリーダー】
 そういう意味では、ピーク輝度です。

【雨宮主査】
 そうすると、従来のX線というのは、従来の放射光X線と。

【石川プロジェクトリーダー】
 放射光アンジュレータです。

【雨宮主査】
 放射光源の10億倍のピーク輝度と。

【矢橋チームリーダー】
 そうです。

【雨宮主査】
 そういうふうに、比較性のないような形で。従来の放射光X線の10億倍という。ピーク軌道入れて、超ピーク軌道というのは……。

【神谷委員】
 括弧でいいのではないですか。XFEL計画では、これを主張したいわけですから。「超高輝度(ピーク輝度)」ではおかしいですか。次の表でピーク輝度と書いてあります。

【雨宮主査】
 だから、超高ピーク輝度にすればいいのではないですか。「高」と「輝度」の間に「ピーク」を入れれば。

【田島委員】
 「XFELは、従来の放射光X線のピーク輝度において10億倍という高い輝度で」と言えばいいのではないですか。10億倍というのは非常に高いというのは明らかなので、そのときに超高輝度とわざわざ言わなくても、10億倍というのが分かればいい。

【雨宮主査】
 もう一度言って下さい。

【田島委員】
 「従来の放射光X線のピーク輝度において10億倍という高い輝度で」と。

【亘理委員】
 「超高輝度」の方がインパクトがあると思います。

【雨宮主査】
 「10億倍という高い輝度で」。

【遠藤委員】
 ニュアンスとして、「超」が入っていた方がいいと思います。大体こういうのを読むときに、文章の穴を埋めるような読み方はしないです。さっと読んで、イメージが残っているかいないかが大事です。そうすると、そういうインパクトのある、今、亘理先生が言ったように、入っていた方がよいのではないでしょうか。

【雨宮主査】
 戻っていいですか。「超高ピーク輝度」を使うのか使わないのか。事務局で取りまとめてもらうのに。遠藤委員としては、超高ピーク輝度でも。

【遠藤委員】
 入れた方がいいと思います。こういう言葉は、読んだ後、頭に残る。

【林室長】
 ピーク輝度において、10億倍という超高輝度でという。

【雨宮主査】
 分かりました。そういう表現で。
 他に宜しいでしょうか。

【徳宿委員】
 2つ。プロトタイプのレーザーのこと、本文中では真空紫外レーザーと言っていて、脚注は極紫外線レーザーという形で書いてありますので、どちらかに統一というのが1つと、もう1つは、フェムト秒という表現ですが、ここでの文章でフェムト秒というときは、1フェムト秒から999フェムト秒位まで言っていて、大体100位のことを言っているのですよね。それでいいと思いますが、だから、最後の語彙のときに、1フェムトメートルというのは幾つだという書き方をするのは、人が誤解すると思いますので、フェムト秒といったら、1からその3桁の領域をいうと、語彙集には書いていただいた方が誤解がないのではないかと。

【雨宮主査】
 フェムトでも領域があると。サブピコということも……。

【徳宿委員】
 使っているのは、ほとんどサブピコという形で使っていますよね。だけどフェムト秒とは何だろうと全く知らない人が後ろを読むと、フェムト秒というのは 1,000兆分の1秒のことだと。そうすると、1,000兆分の1秒の領域といったら、僕らは3桁ごとで領域だと頭にあるから思いますけど、この領域といったら、1フェムト秒から10フェムト秒位しか普通の人は思いますので。

【矢橋チームリーダー】
 フェムト秒ではなくてフェムト秒領域にして……。

【徳宿委員】
 フェムト秒はこのとおりの定義でいいと思いますが、フェムト秒領域といったら、ここからここ位という一文だけ付ければいいと思います。

【矢橋チームリーダー】
 はい。

【雨宮主査】
 では、そのように。

【雨宮主査】
 それでは、「3.利用推進研究」に移りたいと思います。では、お願いします。

【加藤室長補佐】
 (3.利用推進研究についての読み上げ)

【雨宮主査】
 以上、3.の利用推進研究について、ご指摘、コメントをお願い致します。

【田島委員】
 潮田委員が前回おっしゃっていたことで、補足されていたのが入っていないので言いますと、9ページの真ん中辺ですけれども、「戦略的」という言葉が入っています。戦略的とは何ぞやということを潮田委員が発言されていて、例えば上に、「今後は短波長、コヒーレント性、短パルス、大強度といったXFELの大きなポテンシャル」と書いてあることだと思いますので、それを入れるために、例えば、「XFELの上記の特徴をうまく引き出し、より戦略的に進めていくこと」というような言葉で入れたらどうかと思いますが、如何ですか。つまり、戦略的ということを、少し敷衍する。「XFELの上記の特徴をうまく引き出し」。戦略的というのが2度出てきていますけれども、1度言えば大体分かるかと思います。

【雨宮主査】
 上の文のことを、入れると。宜しいでしょうか、事務局の方。

【林室長】
 分かりました。

【今野委員】
 10ページのところですけれども、真ん中に、「さらに、理研は開発主体としての立場だけではなく、広範な分野の研究者を有する自然科学の総合研究所として」、活用されるように取り組んでいくことも重要であるというところですけれども、この文章は、理研が何か優先的に使われるようなニュアンスを持っているのではないかと読めてしまって、宜しいでしょうか。

【雨宮主査】
 これも前回、実は少し話がありましたけれども……。

【今野委員】
 ありましたか。前はもう少し違っていたのですが。「活用される方策が」というと、よろしいのですが。

【雨宮主査】
 取り組んでいくことも重要であると。理研がエクスクルーシブに使うという意味ではなく、開発主体としても、きっちり有効利用するということが、文科省側も期待しているところであるというコメントがあって、必ずしもこれはそういう読み方ではないと。

【今野委員】
 読みようによっては読めます。

【神谷委員】
 今、説明されると分かるのですが、初めて読む人は、そういうふうに読まないような文章だと思います。

【今野委員】
 理研が独占的に使われると。

【神谷委員】
 独占的に使うべきであるというのを勧めているように。これはわざわざ書く必要があるのでしょうか。

【大竹課長】
 あります。道路だけつくって、走らないような理化学研究所なんて要らないです。そうなりがちなのです。ここに目の前にいるから言いにくいのですけれども。物というのは、つくって終わりということになることはないのですけれども、そう思われがちなので、当然理研も、実はいろいろな犠牲を出しながら、 400億円ものプロジェクトをやりましたから、つくって半年で終わりでは、次の機械をつくりましょうと言われてしまうと、我々も困ります。そういう意味では、きちっとその部分を使っていただきたいということですけれども、今おっしゃるような懸念があるということであれば。

【林室長】
 「活用されるように」ではなく、やはり方策について、他の研究者だけに任せるのではなく、理研内の研究者も率先して検討していくことが重要であると。

【大竹課長】
 他の研究者の活用も促進するとともに、とか、幅広い利用を心掛けるともに、理研自身も単なる貸家ではないというところは、言わせていただけないでしょうか。

【林室長】
 確かに少し直して、活用されるように取り組んでいくということになってしまうと、確かに使うみたいなイメージになってしまうので、そうではなく、使い方ですね。

【今野委員】
 前は方策がといっていたから分かったのですが、なぜ変えてしまったのですか。

【林室長】
 はい。方策というのを入れておいた方がいいです。まさに例示として、X線天文学と光核、いろいろな分野がありますけれども、どういうところで使えるのかというのを、もう少し理研にも考えてもらいたいと。あれだけ沢山研究者がいるのでと、そういうような趣旨で、方策の検討を。

【亘理委員】
 「開発主体としての立場だけでなく、利用推進研究の活用においても、広範な分野の研究者を有する自然科学の総合研究所として、率先して取り組んでことが重要である」。「活用においても」というような文章を入れては如何ですか。

【田島委員】
 広範な何とかというところを、少し後で入れる。

【亘理委員】
 「開発主体の立場とともに、その活用においても」というのを前に持ってきたらいいと思います。

【田島委員】
 広範な分野の何とか総合研究所としてというのは要らないということですか。

【亘理委員】
 それは入れてもいいかもしれませんが、「XFELが広範な研究者分野において活用されるように」というだけだと、今言ったような、どちらにもとれるので、理研に期待されることとして、その活用もという言葉を前に持ってくれば、よいのではないでしょうか。

【林室長】
 そこは「ように」ではなくて、「活用される方策」。

【大竹課長】
 そうではない。ここに入れて、立場ともう1つ、活用する面においてもっと対峙してやると、理研のことを活用だけ専らではなく、つくるのではなくて、活用も理研がしっかりとやりなさいと、先に言ったらどうかというのが先生の。

【林室長】
 うまくつながればいいですけど。

【雨宮主査】
 「さらに、理研は開発主体としての立場だけではなく、それを率先して利用する立場においても」ということですか。

【林室長】
 それを率先して利用する立場というと、多分だめだと思います。

【大竹課長】
 利用者としても、という感じ。

【雨宮主査】
 利用者としての……。

【林室長】
 広範な研究分野における活用に関しても、ですね。XFELの活用に関しても。

【田島委員】
 そうしたら、最初の「理研は」というのをとって、「開発主体としての立場だけではなく、理研はXFELの広範な研究分野の活用に関しても率先して取り組んでいくことが重要である」と、そういう言い方は如何ですか。

【亘理委員】
 「広範な研究分野」は要らないのではないでしょうか。

【林室長】
 XFELの活用に関しても、あるいは利用推進研究の活用とか。

【遠藤委員】
 立場が違う読み方をしたのですけれども、利用者がいなくて、閑古鳥が鳴くようでは困る。そういうことだってあり得るわけです。非常に広範な研究者を持っている理研が、むしろやはりソフトウェアをはじめとした使用方法においても開拓に力を尽くすべきだと、僕は読んだのですが。だから、むしろそういうふうに取り組んでいくのは、彼らの責務です。つくるときは一生懸命つくって、あともしっかり中心的にケアしますと。勿論客観的にお使いになる方の邪魔をしない。むしろそういう人たちをサポートする場合もあるという、そういう意味での参画を期待するという文章にしたらよいのではないでしょうか。

【大竹課長】
 はい。

【雨宮主査】
 文言の問題ではなくて、中身として、やはり理研もしっかり利用を考えろということで、私はそれがいいと思います。というのは、これは共用法でまた縛られると思いますので、その辺はうまくカウンターバランスしてというところなので。

【田島委員】
 平たい言葉で言うと、播磨だけではなくて和光もやれと。

【大竹課長】
 そうです。

【田島委員】
 そういうふうには言えないですが。

【大竹課長】
 ざっくばらんに言うと、スタンフォードのLCLSは、SLACとスタンフォードは別組織だけど、スタンフォード大学はワン・オブ・アプリカントだけど、スタンフォードにできる以上、意地を持って、来たら全部使い尽くすという思いでプロポーザルを書いているわけです。そういうニュアンスが、播磨だけじゃなくて、和光にあまり感じられないというのは。このようなことを担当課長が言ってはいけないのですけれども、そのぐらいの熱意があっていいだろうと思います。

【亘理委員】
 そうすると、開発主体とありますけれども、装置の開発主体としての立場だけではなく、活用においても率先して取り組んでいくと書いてありますけれども、率先して開発していく……。

【林室長】
 どういう活用の仕方があるかということを。

【遠藤委員】
 率先して有効な活用法の開拓等に積極的に取り組んでいくことも重要である、そういうことですね。

【大竹課長】
 そうです。

【雨宮主査】
 では、そのように直していただくことにしまして、それで読み方によっては、理研が全部使ってしまうというような危惧を持って読む人が出るかもしれないですけれども、使われないリスクに比べれば、安全なリスクであると。ただ、どちらのリスクを我々は重視するかということで、これは入れるということで。
 他にどうでしょうか。

【家口委員】
 最終的には、「広範な研究分野」と書いてありますけれども、分野だけではなしに、研究者というか、利用者の広範であることが理想です。それをまずは理研が率先して使って、その使い方を提案していって広めていくと。それが理想だと理解しましたので、「広範な研究分野・」、何がいいかな

【林室長】
 研究分野における研究者がという、そういう感じですか。

【家口委員】
 はい。

【林室長】
 研究者に活用されるように、などだと思います。

【雨宮主査】
 分野だけではなく、研究者も広範だということを入れる。広範な分野・広範な研究分野及び……。入れ方が。

【林室長】
 難しいです。広範な研究分野の多くの研究者にというような感じで。

【雨宮主査】
 それでお願いします。広範な研究分野の多くの研究者に活用されるようにということで宜しいでしょうか。数においても。
 他に如何でしょうか。

【今野委員】
 8ページで、「利用推進研究課題」の最後のところ、「また、SPring-8の相乗効果を利用することによって新たな研究分野の開拓を目指しており、そのための研究課題も利用推進研究課題として実施されている」というのですけれども、SPring-8との相乗効果というのは、まず何でしょうか。どういうことが相乗効果なのか分からない。そういうふうな相乗効果があったときに、初めてできる研究課題というものがあるのか、少し気になっています。

【雨宮主査】
 前の資料で、「利用推進研究課題」の中の、どの課題のことを言っているのかということですか、具体的に。

【今野委員】
 相乗効果というのは、どういうことなのですか。

【田島委員】
 ポンプ・アンド・プローブとか、そういうことをおっしゃっていました。

【石川プロジェクトリーダー】
 そうです。

【林室長】
 この前、山内先生が来て説明がありましたけれども、XFELで物質にあてて、そこが壊れる様子を、逆にSPring-8の光で見ていくというような、両方の光を使ったような実験研究というのがあり得るのではないかということで、それは利用推進研究の1つとして入っております。

【田島委員】
 放射光で観測するのだけれども、それを非常に強い光で、しかもコヒーレントであるという特徴のXFELを、要するに、ハンマーとして使って、状態をダイナミックに変えてやるということができますという。それだけではないと思いますけれども、それが1つです。

【林室長】
 とりあえず1つ考えられます。

【田島委員】
 それは多分、他ではできないです、世界の他では。それはやられるのは、絶対いいと思います。

【林室長】
 例えばとか、何かそういうことを入れましょうか。今のような話を。

【大竹課長】
 イメージが分からないということです。例えばで、その例を入れましょうか。

【田島委員】
 そういうのがあると、世界に誇るプロジェクトになると思います。

【雨宮主査】
 それでは、利用推進研究課題の中から典型的なものを拾って、具体的に含めていただくようお願いします。
 他に如何でしょうか。

【神谷委員】
 9ページの「(3)今後の在り方」の2行目、「当初計画通りの成果」とは、何でしたか。抽象的でよく分からない。

【林室長】
 今、課題それぞれの利用推進研究自体は、目的がどこかに書いてあると思いますが、8ページの「利用推進研究課題」のところに、「XFEL完成後に当該装置を用いて実施される利用研究において想定される様々な問題点を改善する」という目的があって、その目的のために個別の課題が選ばれていると。その通りに成果が出るように……。

【神谷委員】
 さまざまな問題を解決することをしっかりとやりなさいと、そういうことですか。

【林室長】
 利用推進研究、今もある目的でやっているので、その通り進めていって下さいという意味です。

【神谷委員】
 そういう意味ですか。5年前に既にあった計画と理解してしまいました。

【大竹課長】
 この研究を始めたときの計画です。

【神谷委員】
 これは当初といっても、5年間の1年目、2年目あたりのこと。

【大竹課長】
 最初にプロポーザル出したとき。

【林室長】
 「当初」というのは要らないですね。

【大竹課長】
 「当初」が要らないですね。「計画通り」で。

【神谷委員】
 はい、「計画通りの」でよいと思います。「当初」が引っ掛かりました。それから、これも表現の問題ですが、同じページの、「極小デバイス磁化挙動解析のための計測技術の開発」、「創薬の開発の」とある箇所、文書の並びが何かおかしい気がします。

【林室長】
 学問の名前で実際統一した方がいいのかと思いますが、デバイスのところだけ中身の話になってしまい、多分書き方が違っているということになります。

【大竹課長】
 その場から読んでいただくと、最初は、反応化学と書いてあり、その後が技術開発になって、また生物学になっているから分かりにくい。であれば、入れ換えて、先に学問の話を2つ並べて、それと技術開発にすれば分かりやすいかもしれません。

【神谷委員】
 そうかもしれません。

【林室長】
 学問領域にすればいいと思います。

【田島委員】
 両方あるのでしょう、学問と開発と。

【大竹課長】
 あるから、そうであれば、学問、学問、開発にするか、並びを変えれば、今言われたような不自然感がなくなるのではないか。

【雨宮主査】
 いいですか、並びを変えるということで。

【神谷委員】
 いいです。

【雨宮主査】
 今のコメントについては、そういうふうにお願いします。
 他にありますか。

【亘理委員】
 9ページの1行、2行目に、このプロジェクトチームがPTと書いてありますけれども、他にPTを使っている場所がないように思います。プロジェクトチーム、として、PTをとったらどうですか。プロジェクトチームと書いた方が、皆さん分かりやすいと思います、省略しないで。

【林室長】
 方策PTは2回です。

【大竹課長】
 1行増えてもいいのではないか。プロジェクトチームにしたら。フルネームにしましょう。

【林室長】
 長いですが。利用推進方針策定プロジェクトチームという、非常に長い名前になってしまうので、なるべく省略をさせたいと思いましたが。

【大竹課長】
 1行増えても別にいい。

【林室長】
 読みにくいかと。

【雨宮主査】
 今のご指摘は、方策PTだと分かりにくいから、短く省略したらどうかということですか。

【大竹課長】
 プロジェクトチームに。

【雨宮主査】
 でもそれだと逆に何のことか分からなくなってしまいます。フルで書き直すか、それとも方策PTという形で定義したものを使うか、どちらかだと思います。

【神谷委員】
 方策プロジェクトチームと、上に括弧で書いておけば。8ページの上。方策PTじゃなくて、方策プロジェクトチームとしておけば。

【雨宮主査】
 略し方が短過ぎるというわけですか。

【神谷委員】
 いえ、PTというのは、一般にはそれほど通用していないと思います。プロジェクトチームだったら通用する。PTという言葉は、一般には通用しません。

【雨宮主査】
 だから括弧して補填しているわけですよね。

【大竹課長】
 フルネームでやることにしましょう。

【田島委員】
 8ページで略が書いてありますが。

【雨宮主査】
 1回しか出てこないから、略しても意味がないかと。

【神谷委員】
 私はこだわってはいません。

【亘理委員】
 PTって何だろう、というのが一般の人が読みにくい?

【神谷委員】
 読みにくいと思います。

【田島委員】
 でも、8ページに出ているけど。

【大竹課長】
 覚えておいてくれないです。

【亘理委員】
 1回聞いたから覚えていろというのはちょっと。分野外の人にはなかなか。

【雨宮主査】
 では、大竹課長の鶴の一声で。

【大竹課長】
 全部書きます。

【雨宮主査】
 他に宜しいでしょうか。

【今野委員】
 10ページの上から7行目の「ビームライン数、実験技術の新奇性など」の新奇性、これで宜しいですか。

【田島委員】
 ノベリティーはこれです。

【林室長】
 でも、あまり書かないです、確かに。

【田島委員】
 「規則」の「規」は正しくないです。

【大竹課長】
 これは正しくない。

【今野委員】
 もう少し別の言葉の方がよいのではないでしょうか。

【雨宮主査】
 新奇とはノーベルですよね。

【大竹課長】
 ノベリティー。

【田島委員】
 逆に新奇な実験技術とやればいいのではないですか。

【神谷委員】
 その方が分かりやすい。

【田島委員】
 新奇な実験技術など。

【神谷委員】
 その方が、日本語としてはこなれている。

【林室長】
 その場合のキというのは……。

【大竹課長】
 新奇の「奇」はあまり見ないです。役所で使うのは。

【神谷委員】
 「新しい」でもいいですよね。

【今野委員】
 すぐにだめになるかもしれない。

【大竹課長】
 定義するには、「革新的な全く新しい」とか書くことはありますけれども、革新的というのは嫌ですけど、言葉としては。全く新しい実験技術がどのように……。

【神谷委員】
 言葉でいうと、その上の行も、「ショットの光特性の繰り返し安定性」、これは読みにくいです。繰り返し安定性でも分かります。ショット光の繰り返し安定性か、パルス光の繰り返し安定性だと分かります。

【林室長】
 ショット光をパルス光にしますか。

【神谷委員】
 パルス光の繰り返し安定性なら分かります。

【雨宮主査】
 パルス光の繰り返し安定性でいいですか。

【神谷委員】
 はい。

【家口委員】
 パルスとショットの言葉は同じですか。

【神谷委員】
 パルス光がいいのではないですか。

【雨宮主査】
 そういうこともあるので、ショットという言葉を使うのにパルス光と。ここは特に意図的に使ったのではなくて、パルス光でいいのだと思いますけれども。
 他に如何でしょうか。

【亘理委員】
 その上の2行と、「現在研究が行われていない分野の課題や短期的な課題のみならず長期的に対応する課題等も含めた」云々と、その下の「その際」のところの文章。「こうした観点から、現在研究が行われていない新たな分野の課題や長期的な取り組みが必要となる課題などについて」、2つ同じような文章が出てきますけれども、これは2つ必要でしょうか。例えば、上をカットすることはできないでしょうか。

【林室長】
 上は在り方について検討するということで、下については、新たな採択をすることも検討すべきであるということを言っているということで、違うことを言っています。

【亘理委員】
 それをまとめて言えないですか。検討するという中には、在り方と採択と両方考えられると思いますが。もし必要でしたら、在り方と採択という言葉を入れてもいいような気がしますけれども。

【林室長】
 「さらに」は、実は違う段落です。

【亘理委員】
 同じような文章です。

【雨宮主査】
 全く内容は違うのですが、それをまとめた方が読みやすいということですか。

【林室長】
 両方とも10ページの2段落目は、幅の広さと長期的な観点から検討すると。「その際」と付いているのは、検討すべき中の一部分として書いてあります。そこに「さらに」というのが続いているから変で、「さらに」というのは違う段落で、検討するだけではなくて、必要があれば課題の採択もすべきであると、そういうような流れになっていますので、実際は、段落の切り方がおかしいのかと思いますけれども。

【神谷委員】
 1行にわたって説明が長い。最初に、「現在研究が行われていない分野の課題や短期的な課題のみならず長期的に対応する課題」となっています。その次には、「現在行われていない新たな分野の課題や長期的な取り組みが必要となるため」と、それぞれ1行使ってしまっている。もう少し短く書けないでしょうか。

【林室長】
 後ろを少し簡単になると思います。

【神谷委員】
 上の「短期的な課題のみならず」という単語も要らないと。

【雨宮主査】
 上の「短期的な課題のみならず」は要らないですか。

【神谷委員】
 要らないでしょう。そして、「こうした観点から、現在行われていない新たな取り組み」ということで。また、「現在行われていない」というのはとってもいい。

【田島委員】
 これは今の課題採択が狭いということを、暗に批判している。

【神谷委員】
 取っても、分かります。

【田島委員】
 それを取ってしまうと、それが見えない。

【神谷委員】
 入れてもいいのですが。

【田島委員】
 違う言葉で入れる。

【神谷委員】
 同じようなものが2回繰り返されるのは、如何かと。

【林室長】
 確かに2回繰り返しているので、2回目の方はもう少し簡単にしてもいいかと。

【大竹課長】
 要するに、協議会で検討して、実際にその研究課題を採択することもあり得べしというのが2回目ですから、そういう意味では、「さらに」の後、「こうした」から「課題について」のところをもう少し簡略化すると。必要に応じ、検討結果に基づいて、更なる研究課題の採択もあり得るということだと思います。

【田島委員】
 それはいいのではないですか。

【大竹課長】
 そういう格好にしましょうか。

【雨宮主査】
 では、「さらに」以下をもう少し短くすると。では、そこはまた事務局で。
 他にコメント如何でしょうか。

【家口委員】
 10ページの産業界との連携に関しての段落ですけれども、ここに書いてあることは、現時点で産業界の参画が少ないことは私も賛成ですけれども、では、今後どういうふうにして産業界における利用の機運を高めていくかということで書いていることは、情報、成果を適切に発信するということしか書いてない、推薦していない。これは例えば、今、SPring-8もそれなりに産業界の利用が行われていると理解しているのですけれども、そのあたりを参考にしてとか、何か書いた方がいいような気がしますけれども。

【林室長】
 確かに別の運用のところに書いてあるのですけれども。12ページの真ん中に、「SPring-8では利用者懇談会などの組織を通して、ユーザーニーズの把握に努めており」と書いてあります。これはパッと言えないところは、登録機関が定まっていなくて、要は、利用者懇談会をJASRIがやっているかと思いますけれども、XFELの場合、そういう利用者との受け渡しをする機関はどこになるのかというのは、実際まだ決まっていないので、この場で、本来それも登録機関の役割ですけれども、登録機関ができる前も、しっかり理研がやって下さいみたいな形でここに書いてあります。

【雨宮主査】
 運用のところでこういうことを言っているということで、如何でしょう。利用推進研究に関しては、情報の発信ではないかと思います。運用のところでは、SPring-8でやっているような運用を取り込むということで。

【家口委員】
 分かりました。

【雨宮主査】
 他に如何でしょうか。

【今野委員】
 9ページの真ん中ぐらいで、「またその技術的見通しはどうであるか等の具体的な描像を明確にしつつ、国際競争における優位性を確保すべく、より戦略的に進めていくことが必要である」という文章ですけれども、皆さんからのコメントからすると、国際競争力の優位性というのを書きたいのかもしれませんけれども、外国の装置も、何年か後には動くようになるわけで、やはり将来的なことを考えると、それぞれの装置の特徴を生かして研究する、そういうことを念頭に入れることが非常に重要だと思いますので、国際競争力の優位性ということを、入れて宜しいのでしょうか。それぞれの装置の特徴があるので、それぞれどういうことができるかということを念頭に置いて研究をやっていくという協力体制になっていくと思いますが、これはやはり入れないといけないでしょうか。将来を念頭に置いて、書いてもいいのではないかと思いましたが。

【田島委員】
 それは大丈夫だと思います。SPring-8と少し違うと思います。SPring-8は、APSとかESRFは、エネルギーが若干違う程度で、ほとんど相似形ですけれども、XFELの場合は、それの設置状況もほとんどそれ自体は同じですが、設置のバウンダリーコンディションは結構違います。それを踏まえて、XFELの性質をうまく踏まえると戦略的にできて、国際競争の上で優位なことができ得ると。だから、それを踏まえないと、要するに、国際競争の波の中に沈没しかねないけれども、それをしっかり踏まえると、国際競争の上で優位性を確保できる、ということを意味していいます。だから、多分これは大事な文章で。

【今野委員】
 そうなのですか。

【田島委員】
 普通にやったら、それを念頭に置かないと負けてしまう危険もあるけれども、しっかりやれば勝てる、ということを意味しています。

【雨宮主査】
 今、今野委員のご指摘は、もっと相互的な側面もあるのではないかということのご指摘です。

【今野委員】
 そうです。

【雨宮主査】
 それに対して、1つのものさしの上で、優位性ということが重要な分野だというのが、今、田島委員からのご指摘で。

【神谷委員】
 優位性というより独自性。国際競争力の独自性のようなことを入れた方が宜しいというご意見ではないですか。優位性というよりは。

【雨宮主査】
 独自性というふうにすれば。

【神谷委員】
 勝った負けたではなくて。

【大竹課長】
 国際的に見た独自性。

【林室長】
 前回のときは戦略的というのは一体何なのかという議論の中で出てきた話で、目的としては、国際競争における優位性というのは、誰もやっていないところをやるというのもあると思いますので補完性はあってもいいと思いますけれども、要は国際競争に勝つというのが、ある意味で戦略的に進めていくための目的で、その手段として、先程田島委員から言われた、特徴をうまく引き出していくと。それは具体的にはどうなるかというと、もう少し幅の広い利用研究、長期的に眺めた長期研究、そういうものに向かっていかなくてはいけないというふうに流れてくるという意識の中で、書いております。

【遠藤委員】
 こういう大型科学機器設備というのは、国も相当の予算をかけて、我が国のあすの産業力の強化に結び付けるという大きな大義名分がある。そういう部分がなかなかこの中に出てきていないので、1カ所そういうパンチのある記述を入れましょうということでありまして、前回提案したのですけれども、多分これが結果的に、今おっしゃったようなことも踏まえて入ったのですが、戦略をもう1カ所どこかに、国際連携もしっかりとやりながらと、どこかに入っていたと思います。それと、やはり国内的にはこれを有効に使って、社会の産業の発展にという、そういう部分を入れてほしいです。

【今野委員】
 それは宜しいと思います。

【遠藤委員】
 もう一方で、国際協調というのも、どこか1カ所入れてあったと思います。

【田島委員】
 全くの空念仏だったら言わない方がいいと思います。それはそうではなくて、具体的に、例えばSPring-8と協調するとか、いろいろ特定のやり方がどこかで書いてあるわけです。そういうことを戦略的に考えると、国際的に優位性を確保できますと。あるいは、スーパーシーディングとか、そういうことが提言の中に入っています。だから、そういうことを指しているので、多分意味があるのだと思います。

【亘理委員】
 私も遠藤委員と同じく、科学技術立国という観点から、優位性というのが必要だと思います。戦略的という言葉とか、これだけの予算を投じるということは。独自性もいいですけど、独自性だとどこでもやっていて、その中で性格の違うものという意味がありますけど、やはり世界に先行してというのは必要だと思います。

【今野委員】
 先程、シーディングの話が出てきて、外国は加速器が4倍長いです。そうすると、こういうふうなシーディングをしなくても、単色のピークが得られる可能性が高いと私は思っているのですけれども、そういうことはないのですか。

【矢橋チームリーダー】
 違います。

【石川プロジェクトリーダー】
 SASEだとそれは違います。

【雨宮主査】
 SASEで飽和するために必要な長さが短くて済むということで。

【今野委員】
 ですけれど、それを4倍長くして、しかもそれなりの電力をかけているということは、長い中で同じような速度を選んでいく、という方法。それは違うのですね。

【矢橋チームリーダー】
 それは違います。

【今野委員】
 それが違っているのでしたらいいのですけど、外国はこういうふうなシードを行わなくても、シングルピークが出るのかと、思ったので。日本だけ短いから、そこに問題が起こったのかと思ったのですが、それは違うのですね。

【矢橋チームリーダー】
 違います。むしろ外国の方が図体が大きいので、いろいろな小技は効かせにくいと思っています。シードをしたり、スーパーシードをしたりという。

【今野委員】
 そうなのです。その必要があるかどうかというところが、外国は必要ないのではないかと。

【林室長】
 スーパーシーディング要らないのではないかと。

【矢橋チームリーダー】
 そうでは全くないです。

【石川プロジェクトリーダー】
 ドイツでもいろいろなやり方でシーディングということは考えています。シーディングをやることが必然だろうとは思っています。

【今野委員】
 分かりました。

【雨宮主査】
 宜しいでしょうか。一通り出尽くしたと思われますので、次、情報発信と運用、これを全部まとめてお願いします。

【加藤室長補佐】
 (4.情報発信について、5.運用等についての読み上げ)

【雨宮主査】
 以上、情報発信と運用等について、コメントをお願い致します。

【家口委員】
 12ページの「評価及び今後の在り方」の3番目の段落の、先程議論しました産業界への利用で、ここが関連することになりますけれども、「ユーザーニーズの把握に努めており」の前に、例えば「産業界も含めての」とか、何かそういう文言を入れたらいいかと思います。

【雨宮主査】
 はい。「産業界も含めての」ですね。
 他に如何でしょうか。

【神谷委員】
 文言ですが、11ページの下から数行上の、「日欧米の3極で共通に抱えている技術的な課題の検討や、共同開発や施設の共同利用の検討」は少し読みにくいです。

【林室長】
 「検討、」ですね。

【雨宮主査】
 「検討」、「や」を除く。

【神谷委員】
 でしたら、何とか。

【雨宮主査】
 他に如何でしょうか。

【亘理委員】
 そこに3つの研究所の研究協力協定というのが11ページに書いてあるのですけれども、大学についてはどうなのですか。関係ないのですか。

【林室長】
 具体的なのがありません。

【亘理委員】
 ないのですか。

【林室長】
 はい。利用研究についてはないです。

【石川プロジェクトリーダー】
 ないです。

【林室長】
 つくる方はやっていますが。

【亘理委員】
 将来はどうなのですか。一般の利用研究に応募するという形?

【林室長】
 そうなります。そこは、最後に書いてあるのですけれども、XFELというのは、共用ビームラインしか今のところないので、その辺どうやっていくかというのは、少し難しい問題があると思います。利用研究のための協力を結んでも、理研が使える部分が基本的にはないという状況なので、何を使って何をやっていくのかというのは、よく考えないといけない問題。SPring-8よりも、そこはちょっとやりにくくなるのではないかと思っています。

【亘理委員】
 先程も理研ばかりが使えるのではないかというような解釈みたいに、研究所ばかりがというふうに思ったりもしたものですから。

【林室長】
 共同開発で、確かに共同研究をどうやっていくかというのが難しいのかと。

【遠藤委員】
 あと、この中に全然ないのですけれども、産業界とか、日本の国内の研究所は使わないが、今、科学技術の日本の政策的な観点で、アジアの諸国の先進研究者に開放するというのも一方では求められている。そういう視点はないのだけれども、これはやはりそういう機械ではないということですか。

【林室長】
 共用法の枠組みに入ると、基本的には国際公募になります。SPring-8も国際公募をしていまして、ただ、使っているのは、数でいうと1割弱位だと思います。確かにそこを広げていくというのはあるのですけれども、一方で、特にアジアの国だと、本当にどこまでやるのかという議論もないわけではないのと、特にこれが国家基幹技術という形で今やっているので、そこのところはなかなか言いにくいところにはなっています。国際公共財みたいな言い方は、あまりこれについてはしていないというのはあります。ただ、別にそこは全く否定しているわけではなくて、応募は基本的には国際公募になります。特別な枠を設けるとか、そういうことは……。

【遠藤委員】
 最近、僕たちも国際会議を日本でやるのですけれども、イランとか、結構原子炉絡みで来る。そういうのは来ていいと言うべきか、来てはいけないと言うべきか、情報だけ聞かせてくれと来る。日本の国内ではあまりされたくないのだけれども、アメリカ人はどんどん受け入れろという。

【林室長】
 やり方は、確かにグレーですね。

【遠藤委員】
 グレー。

【林室長】
 加速器のため、少し危ないところもありまして。

【遠藤委員】
 あまりはっきり書かないでいいですね。分かりました。

【林室長】
 ただ、全然否定はしていません。

【神谷委員】
 12ページの最後の結論は、要するに、研究機関との連携というのは避けたい、というのを言っているのですか。

【林室長】
 難しいですと。

【神谷委員】
 難しいですと言っているわけですね。

【林室長】
 よく考えてやって下さいと言っています。

【神谷委員】
 これを書き込んでおく方がいいのですか。

【林室長】
 書かなくてもいいかもしれないです。

【神谷委員】
 そんなこと言わなくても、本数がなくて無理なものは無理なのですから。

【林室長】
 ただ、実情に書いてあるので、どうしようかと。

【雨宮主査】
 なお書きは要らないのではないかということですか。

【神谷委員】
 はい。非常に印象が悪いと思います。

【林室長】
 最後ですから。分かります。

【神谷委員】
 要するに、先程の理研の総合研究所云々の箇所と同じで、何となく排除するような文章というのは、あまり宜しくないかと。

【林室長】
 排除はしてないです。

【神谷委員】
 してないのでしょうけれども。連携するのは少し後ろ向きということをわざわざ書き込むということでしょうか。書く必要がどうしてもあるならいいのですが。

【雨宮主査】
 むしろ共用だから、一般の人に多く使わせなさいということのメッセージではないのですか。

【神谷委員】
 いえ、違います。要するに、研究機関との協定で、ビームラインをつくるとか、そうことは慎重にやりなさいと。

【雨宮主査】
 共用のビームラインの数には限りがありますから、共用ビームラインの確保はやはり重要だと。だから、連携で、専用にすることは、少し遠慮するという意味ではないのですか。

【神谷委員】
 そうです。

【雨宮主査】
 だから、先程の理研ばかりが使うということとは全く別の方向からの議論だと、私は理解したのですけれども。

【神谷委員】
 いや、同じでしょう。やはり本数は限られているので、連携とかそうことで、研究機関として乗り込んでこられては困ると。

【雨宮主査】
 そうです。

【神谷委員】
 ですよね。

【雨宮主査】
 要するに、専用ビームラインではなくて、共用ビームラインの数は……。

【神谷委員】
 非常にオープンにして、いろいろな研究機関とかがどんどん入ってきたり、多数のユーザーが入ってくることは困ると。

【雨宮主査】
 多数のユーザーが入ってこれるように、共用の制度ということだと読んだのですけれども。

【神谷委員】
 共用の制度は、そういうことだと思うのですが。

【雨宮主査】
 私の理解はそうですけれども、この脈絡は、連携していようがしていまいが、ある特定の機関が占有してしまうことがないようにという意味なのですよね。

【林室長】
 流れが難しいというか、今、制度上考えられていないです、基本的には。

【神谷委員】
 こういう施設を運用していく場合には、それは完全に独占するという意味ではなく、有力なユーザーを抱える研究機関が、機関として入ってくるというのは非常に重要なわけです。それを排除しますということを言っているわけですから。

【石川プロジェクトリーダー】
 排除するとは言ってなくて、そういうこともあるだろうけれども、SPring-8とは違うから、十分注意してやると。

【林室長】
 そういうことです。

【神谷委員】
 それをわざわざ言わなくても、実際には、そうなるのではないでしょうか。それをわざわざ書く必要があるのでしょうか。非常にネガティブな印象を与えると思います。

【家口委員】
 残しておくのでしたら、この段落の目的である他ユーザーの使用を確保するためにとか、何かそういったことは付け加える必要はあると思います。

【亘理委員】
 「検討を進める必要がある」の前に、「効率的な使用の検討を進める必要がある」などと書けばどうでしょうか。

【雨宮主査】
 この運用については、ビームラインの数は、SPring-8と違って数が少ないということに関する運用の違いということは考慮すべきだということは、何らかの意味で、ネガティブなメッセージにならないように言うべきだと思います。

【神谷委員】
 最初のところがなければいいです。「運用段階における国内外の連携については」という文書がなければいいように思います。

【林室長】
 「本機の運用に関しては」みたいにしましょうか。

【神谷委員】
 そうすれば、問題ないと思います。

【雨宮主査】
 では、そうしましょう。

【石川プロジェクトリーダー】
 1つ質問なのですけれども、全てビームラインが共用というのは、どこかで決まっているのですか。

【林室長】
 まだ2本は共用ということです。

【神谷委員】
 SPring-8の推移を踏まえつつ、検討を進めるというだけであれば。

【林室長】
 「現在計画されている2本は共用で」などにしましょうか。全てというと、書き過ぎですね。「2本は共用で」としましょうか。確かに5本置ける内、その後、理研のビームラインとか、専用ビームラインが出てこない保証は全くないので。少なくとも、当面2本しか計画されていませんし、それは共用で少ないと。従って、運用に対しては、そこを前提としたいろいろな検討をしなくてはいけないというのは、そうだと思います。

【雨宮主査】
 では、そういう形で修正をすると。
 他に如何でしょうか。ちょうど4時半で3時間経って、本当は2時間位でと思っていたのですけれども。

【遠藤委員】
 今気付いたのですけれども、一番最後の13ページの上ですけれども、僕、直していたと思うのですけど、「発掘」を「開拓」に変えていたのだけれども。「発掘」というのは、何か土の中に埋まっているのを掘り出してくるということだけど、それではちょっと企業の人に失礼なので、自ら積極的にユーザーを開拓するという。ちょっと後ろ向きなので、発掘というのは。隠れているものを探し出してという意味ではなくて、そういうのを積極的に使うように仕向けるという姿勢です。よかったら、そうやって使っていただければ。どちらでもいいですけれども、ニュアンスがあるかもしれませんが。

【雨宮主査】
 実は、6.の総合評価は非常に大切なところであるわけですけれども、時間の関係上、今までの1から5までのことをきっちりもう一度的確に再現するというところなので、今日の1から5までの議論を基に、事務局と少しやりとりして決めて、最後これでいいかという形で確認することにしたいのです。というのは、これまでのことは何回か目を通してきたことであるので、ある程度収束していたと。にもかかわらず、これだけ時間が掛かったということは、6の総合評価は初めて出てきた文言なので、ここでやることの効率はあまりよくなくて、むしろ1から5までの議論を踏まえて、あとはそれを効率的に文言化するというプロセスなので、そういう形で進めさせていただきたいと思います。極めて重要だということは分かっているがゆえに、この限られた時間で拙速にパパッとやるよりは、その方がいいのではないかという提案ですけれども、宜しいでしょうか。

【亘理委員】
 予算措置の記述があったのですけれども、これはあそこでちらっと言っておく程度なのか、それとも、何かもうちょっと大上段に振りかぶってここに入れるべきなのか、それはどうでしょうか。

【雨宮主査】
 総合評価のところにですね。

【亘理委員】
 あそこにちらっと入れておく程度だと、私は理解したのですけれども。中間評価なので。もし、それの要求を大きく出したいのでしたら、ここに書くべきではとは思いますが。その辺の姿勢は、分かりませんけれども。中間評価だから、評価委員が予算要求する部分はどうかというところもあるのですけれども。

【林室長】
 確かにそういう評価は、本来技術的なところがメインなのではないかということで、ちょっと遠慮したという面はございます。ただ、本文にこういうことが書いてありますというのは、勿論説明の中では、我々としては使えるかと。そこは評価の考え方によると思いますが。

【雨宮主査】
 私としては、総合評価というか、この評価の流れがポジティブな評価をしてあれば、更にそれを総合評価のところで、予算のところまでぐいぐいと言うよりは、言わない方がスマートなのではないかという気がします。それは決して後押ししていないという意味ではなくて、そこまで応援団みたいな形でメッセージするよりは、我々がこういう学術の分野で評価したという足跡を残した方がいいのではないか。今までの中に入っているのはいいのですけれども、総合評価で、それをもう一度言い直すというところまでは言わなくても十分。

【亘理委員】
 私はその方がいいような気がします。

【林室長】
 それで最後に、「国及び理研においては、本計画を着実に進めていくことが期待される」と書いてあるので、当然予算措置をしなければ進められないので、そこは敢えて明確に書くかどうかという問題だと思います。

【亘理委員】
 確かに、言い過ぎみたいに感じます。

【雨宮主査】
 皆さん、多分そういった同じ趣旨で発言されていると思いますので、そういう形でいきたいと思います。
 他に如何でしょうか。

【神谷委員】
 総合評価はわりとすっと読めましたけれども。

【雨宮主査】
 でも、やはりここのところを始めると、また出てきますので。

【神谷委員】
 ただ、用語解説は、もう一度見直していただいた方がいいと思います。加速器の箇所で、L-バンド加速管は1.428MHz(メガヘルツ)とありますが、これはL-バンドという定義とは少し違います。「運転される加速管」とか、少し言い回しがおかしい。また、2,856MHz(メガヘルツ)イコールS-バンドということではありません。

【雨宮主査】
 Sの中に入っている。

【神谷委員】
 ええ。加速器の業界では、S-バンドでは2,856MHz(メガヘルツ)を使うのは当たり前のようにはなっていますが、もう1回見直していただいた方がいいと思います。文章の言い回しも。

【雨宮主査】
 はい。用語解説も含めてですね。それは今までの議論の中でも、バンチとかいろいろなところでご指摘がありましたので。
 最初に述べましたけれども、この報告書は、8月13日開催予定の作業部会の親委員であるナノテクノロジー・材料委員会へ提出する必要がありまして、今日が4日で13日、1週間と2日なわけです。それで今日の議論を踏まえて、いろいろご指摘があったことを改訂しまして、何カ所か若干相異なるようなニュアンスの意見もあったかと思いますが、最終的にそこをどうするかについては、主査の判断ということにさせていただければと思います。今日見た限り、本当にベクトルが逆方向を向いているというようなものではなかったと思いますので、そこは大きな問題ではないと思いますが、ただ、イタレーションを何回もやるには時間がないということを考慮して、1週間以内でまとめさせていただければと思います。
 今日の議論を踏まえて、1回こういう形にしましたというところを委員の皆さんに報告した上で、最終的な確認をした上で13日に臨むべきと思いますので、そのスケジュールについて、事務局から案を提案していただければと思います。

【林室長】
 次は13日の委員会ということでございますので、そんなに中身が結論において大きく変わるということではないので、今週中に大体セットできれば大丈夫ではないかと。今週か来週の初め位に文章はセットできれば、多分大丈夫だと思います。だた、ナノ・材委員会の先生方には、今日のもので、今、これを議論を踏まえて修正していますというような形で、事前説明とかしないといけないと思いますけれども、それをやらせていただくということで、最終的な修正というのは、恐らく来週の頭位にすれば十分かと思います。従って、1回今週の後半に、なるべくなら水曜日位に投げて、金曜日位にコメントをいただくというような形であれば大丈夫かと思います。

【雨宮主査】
 では、今言ったようなスケジュールで、また皆さんに見ていただくというプロセスを経て、来週の13日に報告という形で進めていきたいと思います。
 4回にわたり、大変密な議論をしていただきまして、どうもありがとうございます。4回といっても、中身を見る2回目の部会は、2回分位まとめて4時間やりましたし、今日も2時間で終わるつもりが3時間は掛かっていますので、実質的には4回以上の労力を皆様から--労力というか、ご意見を出していただくことができたと思いますので、どうもありがとうございました。

【林室長】
 大竹課長から挨拶を授かっておりますので、簡単に宜しいでしょうか。課長は、所用があって先に出られてしまったのですけれども、非常に皆さんにお礼をしてもらいたいということで授かっております。報告書はまだ下預かりということになりましたけれども、部会の会議は今回で最後ということでございます。4回にわたり、ご多忙の中、長時間の審議にご参加いただきまして、本当にありがとうございました。おかげさまをもちまして、意義のある、内容のある報告書になったのではないかと思っております。
 今回、XFELということで、国家基幹技術と、まさに国家的なプロジェクトとして、第3期の基本計画で集中的に資金を投入すると。実際、予算的にも非常に優遇された措置をとられております。そういうこともありますので、文科省といたしましても、今回の報告書を今後の進め方に適切に反映して、着実に進めていきたいと思っています。委員の先生方におかれましては、これからもXFELを末永く温かい目で見守っていただきたいと思います。そういう中で、またいろいろなアドバイス、コメントがあれば、こちらにいただければと思いますので、今後とも宜しくお願いします。

【雨宮主査】
 それでは、どうもありがとうございました。

─了─

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研究振興局基礎基盤研究課量子放射線研究推進室

(研究振興局基礎基盤研究課量子放射線研究推進室)