第4期地球観測推進部会(第4回) 議事録

1.日時

平成23年8月24日 水曜日 13時00分から15時00分

2.場所

文部科学省 3F2特別会議室

3.議題

  1. 平成24年度の我が国のおける地球観測の実施方針について
  2. 来年度以降の実施方針の検討の進め方について
  3. その他

4.出席者

委員

小池(勲)部会長、青木委員、東委員、杉本委員、高薮委員、寶委員、瀧澤委員、佃委員、中澤委員、中静委員、深澤委員、藤谷委員、堀川委員、安岡委員、和気委員

文部科学省

研究開発局環境エネルギー課 福井環境科学技術推進官、宇宙開発利用課 岩佐宇宙利用推進室長、他。

5.議事録

【小池(勲)部会長】  

それでは、ただいまより科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会地球観測推進部会の第4期の4回目の会合を開催いたします。本日は、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。

 まず、事務局から出席者の確認をお願いいたします。

【福井推進官】  

本日の出席委員15名ということでございまして、過半数には達しておりますので、部会は成立でございます。

 また、本部会は部会運営規則により公開とさせていただきます。

【小池(勲)部会長】  

ありがとうございました。

 それでは、本日は、お手元の議事次第にありますように、2件の議題を用意しております。一番大きな議題は、「平成24年度の我が国における地球観測の実施方針」の最終案を決定したいということです。終了時間は2時間で15時を予定しております。

 

議題(1)平成24年度の我が国における地球観測の実施方針について

【小池(勲)部会長】

 初めに、議題1の「平成24年度の我が国における地球観測の実施方針」で、これについて議論するのは、3回目ですよね。

【福井推進官】  

3回目です。

【小池(勲)部会長】  

今までにいろいろなコメントをいただいて、最終案という形で提示されておりますので、事務局からまずご説明をお願いしたいと思います。

【福井推進官】  

資料1-1、1-2をごらんください。

 資料1-1と1-2の違いは、1-2が前回、第3回の地球観測推進部会からの変更点を見え消しで記載しています。これは、前回の第3回部会での委員の皆様方の議論や、その後、eメール等でいただいたもの、あるいは、各省に紹介した際のご意見というものが含まれております。それが見え消しという形で出てございます。全部一気にやりますと議論しにくいかと思いますので、少しずつ分けながらご説明申し上げたいと思います。

 まず、「はじめに」と第1章第1節というところでございます。「はじめに」は第1ページですけれども、まず、8月19日に「第4期科学技術基本計画」が閣議決定されということを記載しています。それ以外、細かい文言修正等々ございます。第4期基本計画の書きぶりを踏まえた形の変更でありますとか、そういうところでございます。

 あと、最後の部分は、前回の議論で、第2章を2つに分けて2章と3章にするということがございましたので、第3章では、国際的な連携の強化として、国際的な枠組みとの連携及び協働と科学技術外交の推進、第4章が推進戦略ということで、章が分かれたことに伴う書きぶりの変更でございます。

 続きまして第1章ですけれども、まず、第1章の初めのほうでございますが、前回の部会で、2012年は京都議定書の目標達成期間の最終年であることにも触れるべきではないかということがございましたので、冒頭、そのところを触れてございます。

 あと、中段のところは、幾つか変更点がありますが、これは第4期基本計画が策定されたことに伴う字句の修正というところでございます。

 3ページ目に参りまして、これも委員から意見がございました。気候変動モニタリングや変動をとらえることは、緩和策の導入、管理のためにも非常に重要ということでございまして、2行目からの「地球観測のための衛星が定常的に・・・」というところを書き加えています。

 あと、真ん中ほどの「地球観測との車の両輪として」とか、中段の観測システムの中での航空機とかの記述について、コメントがあったところです。

 続きまして4ページでは、「水災害」を「風水害」と変えているのが真ん中辺りでございます。

 あと、5ページですが、「総合的水資源管理の推進」ということで、ここも各省からのコメントを踏まえて、書きぶりを訂正しています。

 あと、6ページでは、G20農業大臣会合においてリモートセンシングの活用が提案されたということでございますので、冒頭に、「G20農業大臣会合においては」ということを加えております。

 あと、7ページですが、これも前回、意見がございました。7ページの冒頭ですが、ALOS等の衛星がこれまで果たした貢献や今後必要とされる取り組みについて具体的に記載すべきということで、「だいち」と「いぶき」の話を書き加えています。

 あと、海洋酸性化のところですが、最後のところに、南極海、北極海での観測を充実させる必要があるということを追記しています。

 あと、その下の食料安全保障というところは、「農業生産環境の変化」という書きぶりが適切ではないかという指摘がございまして、これも変更しています。

 あとは、若干の書きぶりを行っておるというところでございます。

 あと、8ページですが、冒頭に、農業の生産環境の変化というところで、「だいち」の役割を書き加えてはいかがかという指摘もございましたので、それに関する記述をここに加えています。

 「はじめに」から第1節まで以上です。

【小池(勲)部会長】  

それでは、今、第1節のところまで、8ページの半ばまでご説明いただきましたけれども、何か今までのところでコメント、さらに追加のご意見がございますか。

 いただいた意見はなるべく取り込んで、分量が増える方向になっていますけれども。よろしいですか。

 それでは、続けてご説明いただいて、また後で気がついたところをコメントいただいても結構ですので、続けて第2節をお願いいたします。

【福井推進官】  

では、第1章の第2節と第3節を説明させていただきます。

 第2節でございます。真ん中のところに、「影響評価を推進し、その成果を防災や健康分野等の実社会に活かす」というところがございます。これも委員のコメントがございまして、そこに書き加えております。あと、若干の字句の修正が一部ございます。

 9ページですが、「温室効果ガスに係る物質循環の解明」、申しおくれましたが、温室効果ガスのところは、すべて「温室効果ガスの循環」という言いぶりがおかしいんじゃないかということで、全部、「温室効果ガスに係る物質循環」という形に変更しております。

 この中で、中ほどに、前回、委員から、インドネシアでの泥炭火災等についても触れるべきというご意見がございましたので、そのまま記載しております。

 あとは、このページ、若干の字句修正が幾つかございます。ごらんいただければと思います。

 10ページでございますが、「雲物理・降水過程の解明」というところで、気候モデルに内在する不確定要因ということで、雲・降水過程と大気循環との相互作用のメカニズムが大きな不確定要素であるという委員からのご指摘がございましたので、それを踏まえたことを記載しています。

 あと、最後のところで、各省から指摘がございましたことで、衛星に関する観測の記述を、ここに書き加えています。

 あと、北極域における地上雲レーダー観測というのも、ここに書き加えています。

 続きまして11ページですけれども、若干の字句修正がございますが、「極域における変化の観測・監視」というところで、「北極圏」と言うよりは、「北極域」と言うほうが適切であろうと。北極圏と言いますと厳密に定まってしまいますので、そういう指摘が各省からございましたので、「北極圏」から「北極域」という形にしてございます。

 あと、南極域の記述やオゾンホールについての記述を、新たに、各省から指摘がございまして、書き加えていますのが後半です。

 続きまして第3節ですが、前回の議論の中でも、地震、津波、火山に焦点を絞るべきということがございまして、表題を「地震・津波・火山による被害の軽減」としております。

 12ページに参ります。12ページの冒頭、特に海洋の探査に関する記述ですが、各省から指摘がございましたので、以前より詳しく書いています。地震源近傍における海底地形の調査や余震調査及び海底下構造探査等々、こういうところを書き加えています。

 あと、その下、タイトルですが、より具体的にということで、「災害発生メカニズムの解明と予測技術の向上による今後の防災・減災への貢献」と掲げています。

 あと、各省からの指摘もございまして、現在行っている活動、新燃岳の話とか、あるいは地震・地殻活動等の調査・観測ということで、書き加えていますし、これまでの議論では、観測による予測技術の向上やハザードマップの整備、今後の対策づくりへの貢献も記述すべきということで、ここに記載しています。

 その後、地球深部探査船「ちきゅう」による科学掘削の話とか、現在の活動等、各省からのお知恵をいただきながら詳しく書いておりますのが、「災害発生メカニズムの解明と予測技術の向上による今後の防災・減災への貢献」でございます。

 あと、「災害情報の正確かつ迅速な把握及び国際連携の推進による災害対応への貢献」というところで、各省から、現在、あるいはこれから行うようなことについての指摘ということで、それぞれ詳しく記述するという内容になってございます。センチネルアジアや国際災害チャーターの話ですとか、13ページに行きますけれども、あとは、海洋生態系の話、これは海洋から指摘があったところです。

 以上が1章の第2節と第3節です。

【小池(勲)部会長】  

ありがとうございました。今、第2章の2節と3節、13ページまで説明いただきましたけれども、何かコメント、修正等はありますでしょうか。

【中静委員】  

あまり大したことじゃないかもしれませんけど、12ページの最後の「災害情報の正確かつ迅速な把握」というところなんですが、今回の震災の一番被害が大きかったところというのは実は沿岸域と呼ばれる地域で、ここでは「陸域・海域での観測体制」と書いてあるんですけれども、実情を踏まえると、「沿岸域」という言葉を入れておいたほうがいいのかなという気がちょっとしています。

 それから、沿岸域のことを考えたときに、津波でかなり地形変化なんかも起こしているんですが、地形変化も海流の流れなどによって、砂がもう一回戻ってくるということも観測されていまして、被害状況だけでなくて、その後の変化を追いかけるということを、回復と言えるかどうかわからないんですが、被害からの地形の変化の状況などが押さえられると、沿岸域の生態系とか、あるいは漁業に関連した部分でのモニタリングというのが、もう少しきちんと押さえられるのかなという気がしています。できれば、その部分を入れていただけると、今回の津波のことをより意識した形で書けるのかなという気がします。

【小池(勲)部会長】  

これは、そこに文章を追加するような形になりますね。

【中静委員】  

そうですね。例えば、「生態系の被害状況及びその後の変化状況」というようなことを入れたりとか、「陸域・沿岸域・海域」というような感じで入れていただくのがいいのかなと。

【小池(勲)部会長】  

そうすると、「陸域・海域」のところ、「陸域・海域、特に沿岸域」としますか。

【中静委員】  

そうですね。

【小池(勲)部会長】  

今言われた、いわゆる海底のいろいろな地形変化、そのときの変化とその後の変化からの回復というのか。生態系の被害状況等を把握するというところを膨らませるか、どうするかですね。何かいい提案はありませんか。

【中静委員】  

回復状況というよりは、海流の様子によって地形がどんどん変わって、もう一回戻ってくるということがもう既に観測されているんですよね。それが沿岸域の生態系には非常に大きな影響を及ぼしているので、その部分がわかるような形のほうがいいかなと思うんですけれども、生態系の被害状況及びその後の変化。

【小池(勲)部会長】  

その後の変化ですかね。

【中静委員】  

はい。

【小池(勲)部会長】  

そうすると、「沿岸の海底地形などを含む生態系の被害状況」でしょうか。そこに何か言葉を入れたほうがいいと思いますけれども。では、これは事務局と相談して、今言われた趣旨が入る形で、言葉をここに足すことにいたします。それでよろしいでしょうか。

【福井推進官】  

はい、了解しました。

【小池(勲)部会長】  

ほかに。

【深澤委員】  

質問というか、ちょっとお聞きしたいことなんですけれども、11ページの上から12行ぐらいかな、全球規模での現場観測網の構築の部分に、「観測技術の高機能化を図るとともに、低コスト化をさらに加速させ・・・」というのがございますね。観測技術の高機能化とか低コスト化というのは、すべてに共通する1つの大きな課題だと思うのですが、ここのところにだけ出てくるのはすごく違和感というか、なぜなのかなというのがちょっと気になったんですけれども、ここにこういうのが入ってくるというのは何か理由があるんですか。

【小池(勲)部会長】  

これは、どこからのコメントでこうなりましたか。

【福井推進官】  

これはもともと入っておったんですが、ここのコメントは、低コスト化とか低価格化の言いぶりを変えただけのコメントですので。殊さらここだけ書く必要はないのではないかということですか。

【深澤委員】  

という気がしたのですね。我々が心配することではないかもしれないんですが、多分、この先、やることはどんどん増えてくるわけですけれども、高機能化と低コスト化というのはこの中のすべてに共通して加速させなければならないことのような気がしたものですから、ここにだけ出てくるのが、少し私としては違和感があるような気がするんです。これはうがった見方ですけれども、平成22年のCSTPの環境PTからの報告書ありましたよね。それの今後の課題の中で、戦略的な地球観測の推進という部分で、海洋観測に関しては、「観測点を増やすことや南極周辺の観測が今後の課題である」というのがございますけれども、多分、それに呼応する形で、「全球規模での現場観測網の構築」というのがあって、それの手段として、高機能化及び低コスト化ということが、最初は低価格化ということが書かれているのだと思うのですが、どうなんですかね。踏み込み過ぎということはないですか。

【福井推進官】  

いえ、踏み込み過ぎということはないかと思います。この部分だけ、「高機能化を図るとともに、低コスト化」というところを、これは外されたほうがいいのではないかというご提案ですか。

【深澤委員】  

というか、もしも書くとすると、例えば、このあたりの部分というのは、「第1章第1節 1水循環・風水害」の最後の部分に、「理学的アプローチ、工学的アプローチ、人文・社会学的アプローチを融合して推進することが必要である」という部分がありますね。そのパラグラフですかね。そのあたりに、こういうことをやるには観測技術の高機能化と低コスト化というのをさらに加速させる必要があるんだというような書き方のほうが説得力があるのかなという気がしたのですが、これは単なる私の感想ですので、どうでしょうかね。

【小池(勲)部会長】  

確かに、観測技術の高度化とか低価格化というのはすべてにかかってくる話ですね。ただ、すぐ後に出てきている「全球規模での現場観測網の構築を促進し、さらに老朽化した機器を更新し長期的にするためには、観測技術の高度化とともに低コスト化をさらにしなければいけない」とすれば、その上に書かれた3つか4つが名指しされているという印象はなくなる。

【深澤委員】  

それでも結構ですけれども、ただ、この低コスト化と高機能化以外のやり方もありますよね。単に予算を増やすというやり方ももちろんあるわけで、だから、踏み込み過ぎかなというのは、低コスト化をさらに加速させ、全球規模での現場観測網って、これは例えば、衛星観測の不確実性を減らすために、地球観測の現場観測網を増やしなさいというのも、平成22年のCSTPの観測PTからの報告ですよね。だから、そういうのをやるとすると、ここで重要なのは、全球規模での現場観測網を何とか構築しなさいという部分なのかなと。それで、その前の部分の高機能化とか低コスト化は全部にかかってきたほうがいいのかなと、そういうぐあいに僕が思ったということなんですけれども。

 ただ、この報告書をまとめて、平成22年でしたっけ、CSTPの報告書が出たのが非常に後ですから、酷なことを僕は言っているのかもしれませんけれども、ご一考いただけるとありがたいとは思います。

【福井推進官】  

わかりました。検討させていただきます。

【深澤委員】  

はい。高機能化と低コスト化というのを最初の部分でうたっていくと、すべての分野について高機能化とか低コスト化という形が示せるのではないかな。特に高機能化のほうが重要だと思うんですけれど。というような意識なんですが。

【福井推進官】  

わかりました。検討させていただきます。

【小池(勲)部会長】  

では、これは場所を移すということで、ただ、この言葉はやはりどこかに残しておいたほうがいいと思います。いずれにせよ大事なことです。予算をともかく増やすのも大事ですけれども、ただ、やはりある程度きちんと製品化して低コスト化して広げていくというのは非常に大事なことですので。

 ほかにございますでしょうか。

【中澤委員】  

非常に小さいことなんですけれども、確認させていただきたいんですが、「極域における変化の観測・監視」のところに、地球表面下の観測を強化すると書いてありますけれども、地球表面下の観測とは何をあらわしているんでしょうか。文脈からいくと、氷床かなというふうにとれるんですけれども、それ以外に、何か過去の気候変動を把握する方法があるんでしょうか。おそらく氷床じゃないかと僕は思うんですけれども。

【小池(勲)部会長】  

氷床の掘削でしょうね、これは具体的に頭にあるのは。

【中澤委員】  

何か地球表面下と書かなければならない含みがあって、そういうふうに書かれているのか。そうでなければ、「氷床」と書かれるほうがわかりやすいと私は思います。

【福井推進官】  

わかりました。

【中澤委員】  

多分、東委員に確認されるほうがいい。

【東委員】  

私がコメントを出したわけじゃないですが、もしそれが氷床のことを念頭に置いているのであれば、「氷床、氷河」とかというふうにしたらいいかと思います。氷床だけでもちょっと厳密性に欠けると思いますので。

【杉本委員】  

地球表面下の観測というのは、例えば、永久凍土の観測のことなのかなと思ったんですけれども、そうすると、その前のところの気候変動と直接は、すぐにはつながってこないので、ちょっと変な…。

【中澤委員】  

私は、前のほうをくむと、大陸氷床か山麓氷床も含めて氷床かなと思ったんです。

【東委員】  

そうですね。「過去の気候変動の状態を把握するために」ってありますから。

【小池(勲)部会長】  

そうでしょうね。この前についている言葉からいくと、ここは多分、氷床のことで、これには永久凍土は多分入ってないですね。

【東委員】  

でも、永久凍土も穴を掘ってありますよね。そう言ってしまうと…。

【中澤委員】  

それは過去の…。

【小池(勲)部会長】  

わかるんですか。

【東委員】  

過去の気温変動をやっている人もいます。

【中澤委員】  

そうしたら、「氷床、凍土」と書いたらどうですか。

【東委員】  

ああ、そうですね。

【小池(勲)部会長】  

「氷床、凍土等」。

【福井推進官】  

そうすると、「地球表面下」のほうがよいということはないでしょうか。

【東委員】  

でも、確かに「地球表面下」はわかりにくい言葉だと思います。

【中澤委員】  

普通の人が聞いてもわからないと私は思いますが。例えば、「氷床・凍土等」と書けば、はっきり。

【福井推進官】  

わかりました。

【小池(勲)部会長】  

わかりました。では、そこは、「地球表面下」をやめて、「氷床・凍土等」としますか。

【福井推進官】  

はい。

【小池(勲)部会長】  

ほかにございますでしょうか。どうぞ。

【安岡委員】  

非常に細かい点ですが、10ページの下から5行目ですけれども、「気候決定」という言葉を「気候の制御」と変えられているんですが、海洋が気候を制御するという、この表現の仕方は、何となく、合っているような気もしますけど、あまり使わない表現のような気もするんですけどね。これはどなたか専門の方が。決定というのもおかしい言葉かなという気はしますが。

【小池(勲)部会長】  

決定というのはちょっとおかしいですね。

【安岡委員】  

ええ。「制御」と言うと、ちょっと強いんですよね。ほんとに海洋が気候を決めていると読めるんですね。「制御」という言葉、使いますかね。

【小池(勲)部会長】  

ただ、英語のコントロールを日本語に訳すと「制御」になって、コントロールというのは、気候をコントロールするという意味で、それを「制御」とすると、ちょっと違和感が出てくるんですね。

【安岡委員】  

日本語としての違和感ですけど。

【小池(勲)部会長】  

ほかに何かいい言葉ありますか。「決定」はちょっと強過ぎると思うのですが。

【安岡委員】  

それでは、「気候の変動」とか通り一遍の言葉にしておくのが一番無難かなという気はしますけど。何か、いい言葉はないかなと思って、さっきから考えていたんですけれども、あんまりうまい言葉がないので。

【高薮委員】  

片仮名の「コントロール」をそのままにしたほうが。

【安岡委員】  

ああ、そのまま「コントロール」に。

【小池(勲)部会長】  

片仮名で「コントロール」。

【高薮委員】  

ええ。日本語に十分なっていると思います。

【小池(勲)部会長】  

そうですね。では、「コントロール」という片仮名にしましょう。「制御」というのは、漢字で書くと何となく意味が強くなるので。

【寶委員】  

「コントロールに果たす」というのはおかしいんじゃないですか。

【高薮委員】  

「コントロールに果たす」、そうですね。「てにをは」はちょっと変えないと変かもしれない。

【寶委員】  

「海洋が気候に及ぼす役割」でどうですか、もっと簡単に。海洋が気候に及ぼす影響とか役割。そのほうが簡単です。読みやすいです。

【小池(勲)部会長】  

では、「海洋が気候に及ぼす影響は大きく」と。「役割」じゃなくて、「影響は大きく」ということにしますか。では、それで、今のところ、直してください。

【安岡委員】  

もう1点だけ。

【小池(勲)部会長】  

どうぞ。

【安岡委員】  

今のところの関係で前をちょっとリファーしたら、文章がおかしいなと思って、後で事務局のほうで直していただければいいと思いますけれども、6ページの真ん中あたりですが、「生態系・生物多様性の変化」というところの、そこのパラグラフの上から6行目になります。「現在」という言葉で始まっていて、「二酸化炭素と生態系データなどは連携が進んできているものの・・・」という文章ですね。二酸化炭素と生態系などの収集とか観測については連携が進んでいるという趣旨だろうと思います。

【小池(勲)部会長】  

観測でしょうね。

【安岡委員】  

それから、そのまま受けて、「生物多様性、栄養塩循環、生態系動態などの他の生態系データと合わせたスーパーサイト形成との連携」という、並列に書けないものが並んでいるような感じが。これは、日本語の問題だと思いますけど、後で入れていただければ。

【小池(勲)部会長】  

違う言葉が並んでしまっているので、文章を分けるなりします。

ほかに。

【杉本委員】  

先ほどの氷床と凍土のところです。

「過去の気候変動の状態を把握するために」というのは、明らかに過去の気候変動と現在の状態が組み合わさっているので、文章がおかしくなっているんじゃないかと思うんです。なので、「過去の」を取ってしまって、「気候変動の状態を把握する」。あるいは、「過去の気候変動と現在の状態を把握するために」なのかなと。

【小池(勲)部会長】  

「過去の」を取ってしまえば、現在まで入りますよね。

【杉本委員】  

そうですね。はい。「気候変動の状態を把握するために」。

【中澤委員】  

現在の状態を把握するんだったら現在をはかればいいので、これは「過去」を取るわけにはいかないと思いますけど。過去を知るツールが何であるかということなので、「過去」を取ってしまうとまずいと思うんです。

【小池(勲)部会長】  

杉本委員は、結局、現在の状態も大事だから、両方読めるようにしたいということですね。

【杉本委員】  

そうです。

【小池(勲)部会長】  

ただ、やっぱりこれは過去に特化した話でしょうね。

【中澤委員】  

と思いますね。

【杉本委員】  

でも、過去の状態というのはいいんですかね。何かちょっと…。

【中澤委員】  

「過去の気候変動を」とやればいいので、「状態」を取ってしまえばいいんです。

【杉本委員】  

過去の気候変動と現在に続く今の状態も重要ですよね。

【中澤委員】  

でも、今の状態ならば、今の気候観測からわかるわけです。

【杉本委員】  

大気のことはそうなんですけれども、地球表面下の観測というのは、現在の永久凍土の状態が溶けているのか、あるいはそうでないのかということがわからないので、それが重要だと言っていると思うんです。ですので、過去の気候変動ももちろん重要で、それは氷床、氷河のコア解析からそれを研究することによって把握しますし、それから、現在の雪氷圏の特に永久凍土の状態がどうなっているのかということを知るためには、「現在の状態を把握するために」となるのではないかと思うんですけれども。

【東委員】  

そうすると、文章を分けたほうがいいんじゃないですか。

【小池(勲)部会長】  

今のこの1行に両方入れるのはなかなか難しいですね。

【寶委員】  

単純に、「過去から現在に至る気候変動を把握」でどうですか。「過去の気候変動」としなくて、「過去から現在に至る」と。要するに、大昔から今までの推移も知りたいわけですよね。過去から現在に至る気候変動を把握するために。

【小池(勲)部会長】  

今のご提案は、「過去から現在に至る気候変動を把握するために」と言ってしまえば…。

【杉本委員】  

「氷河及び凍土」と書いてもおかしくないですね。

【小池(勲)部会長】  

でも、ウエイトはどっちかというと過去のほうにあるということですね、これは。よろしいですか、それで。

【杉本委員】  

はい。

【小池(勲)部会長】  

難しいですね、これは。

【中澤委員】  

1つ前の文章のところでひっかかってしまうんですけれども、「モデル」と書いてありますけれども、ここでは雪氷圏における継続的な地球観測を実施するとなっているので、凍土は雪氷圏の中に入っちゃいますから。ただ、その前に「モデルの高度化のために」と入っているので、文章のつながりが悪いんですけど。まあ、過去から現在、結構ですけど。

【小池(勲)部会長】  

ほかにございますでしょうか。

 私のほうから、12ページの「災害発生メカニズム」の真ん中ぐらいのところで、「『ちきゅう』による科学掘削により過去の災害の実態を正確に把握することが必要である」という記載がありますけれども、これは具体的にはどういうことを言っているのか、ちょっとわからない。これ、海底掘削ですよね。

【福井推進官】  

はい。

【小池(勲)部会長】  

海底掘削で過去の災害の実態を正確に把握するというのは、これは何を意味しているのか。どなたか近い方。

 事務局、わかりますか。

【福井推進官】  

これは、おそらく過去の地震の履歴とかそういうものがわかるということだと思うんですけども。

【小池(勲)部会長】  

「災害」って書いてありますよね。だから、過去の地殻変動とか、それはわかるんだけど、海の中での災害というのはなかなか難しくて、災害というのは、どうしても災害は陸で、家が何軒倒れたとか、人間のいろんなことに対するものにかかってきているものが災害になるわけですよね。「災害」という言葉が何か…。

【福井推進官】  

過去の地殻変動…。

【小池(勲)部会長】  

それでよろしいですかね。

【福井推進官】  

それでよろしいかと。

【小池(勲)部会長】  

ここは、「過去の海底の地殻変動」とか、そういう言葉なら多分…。

【福井推進官】  

はい、そうします。

【小池(勲)部会長】  

把握することが必要であると。

【福井推進官】  

「過去の地殻変動の実態を正確に把握することが必要である」。

【深澤委員】  

僕は全然関係じゃないんですけど、一応、JAMSTECなので。ここの文章なんですが、「地震、津波の発生メカニズムを深く解明するためには、マルチチャンネルやAUV・ROVによる海域地球物理観測や」とありますよね。これは、過去の災害の実態もわかるんですけれど、それから、地殻変動の結果がわかる。それで、多分、「ちきゅう」による科学掘削という話になると、それとは違って、よりプレートタイプの大きな震災のときの、例えば、逆断層その他がどこで起こったか、いつごろ起こったかなんていうのはわかる。ただし、1個掘っただけではだめなんですけれども。だから、AUV・ROVとかマルチチャンネルが何をして、それで、地球深部探査船「ちきゅう」による科学掘削が何をするかというところが、分かれて書かれてないからということなんだと思います。地球による科学掘削で、過去の地震がわかるとは僕はとても思えないので、ほとんどの地震学者の方もそう言うと思います。ですから、この2つは分けて書かないと、趣旨があいまいになると思います。

【小池(勲)部会長】  

そうすると、具体的にはどうすればいいんですか。

【深澤委員】  

具体的に僕はわからないんですけれど、専門家に聞いていただくのがいいんですけど、私が言えるところは、「マルチチャンネル探査法やAUV・ROVによる海域地球物理観測による海底地球物理観測や地球深部探査船『ちきゅう』によるプレート境界断層の実態」とか、そういうことなんじゃないでしょうか、もしも書くならば、「それを把握することが必要である」なのでしょう。ただ、過去の災害の実態というのは、ちょっとつらいかもしれないですね。

【小池(勲)部会長】  

わかりました。では、文章をもう一度…。

【福井推進官】  

はい。もう一度、ほかの部分と合わせて確認いたします。

【小池(勲)部会長】  

そうですね。

【東委員】  

この部分のちょっと上なんですけれども、「放射能濃度分布のシミュレーションに役立てるための」と出てくるんですが、これは、原発事故のことを念頭に置いているんだと思いますけれども、海底地形の調査や余震調査とかというのとちょっと異質な感じがするんですけれども。例えば、放射能分布のシミュレーションに役立てるということであれば、海だけでなくて大気のほうも必要な気がするんですが、放射能分布というのをもうちょっと、全部1つの文にしてしまうのではなくて、1行ぐらい、もうちょっとつけ足したらどうでしょうか。もしそれを入れるのであれば。

【小池(勲)部会長】  

これは、文章を独立させたほうがいいですか。

【東委員】  

ええ、じゃないかと思うんですけれど。地震とは直接関係ないのを1つの文にしてしまっているために、ちょっとわかりにくいんじゃないかと思うんですけれども。

【小池(勲)部会長】  

そうすると、「海洋への放射性物質の放出状況」から後を独立させてしまうということですね。

【東委員】  

はい。

【小池(勲)部会長】  

よろしいですか。ちょっと文章に手を入れなきゃいけませんけど。

【福井推進官】  

はい。ここを独立の1文に。

【東委員】  

これに関して、大気のことはどこかに書かれているんでしょうか。もしなければ、一言ぐらい入れておいてもいいような気もするんです。

【小池(勲)部会長】  

結局、これは、大気とか陸に含めて全部の放射能モニタリングとシミュレーションの話ですね。ですから、これはどちらかというと海洋への放射性物質の放出と、海だけに話を限っていますけれども、もう少し広く読めるように、大気とか陸域も含めて書くということだと思います。よろしいですか、独立させてそういう形にするということで。

【福井推進官】  

はい。海洋と違う形で検討してみます。

【小池(勲)部会長】  

ほかにございますか。

【瀧澤委員】  

小さいことで、誤植が1カ所ありましたので。12ページの真ん中辺の「災害発生メカニズム」の上から4行目の「地震活動が活発化し」というのを、「か」を「が」にしていただいて、あと、火山周辺での地震活動というところの、火山というのは具体的にどこを示しているのかという、素人的にはちょっともやもやしたんですが。その前の行は新燃岳というのをかなり具体的に示しているのに対して、地震活動が活発化しているほうは、例えば、具体的に富士山とか書く必要はないかもしれないんですけれども、複数の火山周辺でなどという記述を入れてもいいのかなと思いました。

【小池(勲)部会長】  

いいですか、その点は。これ、具体的な事例を挙げられるのですか。

【瀧澤委員】  

挙げてもよくないものですかね。普通に読んだときに、ここだけ少しひっかかったものですから。

【小池(勲)部会長】  

アバウトですね。

【福井推進官】  

申しわけないですが、具体的な事例というのは挙げにくいところなんですけれども。

【小池(勲)部会長】  

これ、後で追加された文章ですよね。

【福井推進官】  

はい。

【小池(勲)部会長】  

そこに、火山周辺での活動、もう少し具体的なものを入れるようにしてください。

【福井推進官】  

はい。

【深澤委員】  

火山周辺での地震というのは、多分、確信がないと思うので。明らかに間違いでないことは、この間の地震以来、内陸域での地震回数、活動が明らかに活発化しているんですね。だから、これを、前の文章とのつながりがちょっと難しいんですけれども、「現在も断続的に噴火を続ける新燃岳や海溝型地震以来、内陸域の地震活動も活発化し、国民の安全・安心・・・」と書くと、非常に間違いのない文章のような気がします。

【小池(勲)部会長】  

でも、実際、火山周辺でのというのがあったのではないのですか。

【福井推進官】  

そこは、先ほど、部会長からありましたように、具体的な例を確認します。すみません。ここでは答えられませんので。

【小池(勲)部会長】  

なければ、今、深澤委員の言われたようなほうが良いと思います。多分それだったら間違いないと思いますので。

【福井推進官】  

わかりました。

【佃委員】  

具体的な例は私もよく知らないんですけれども、いろんな言われ方、1,000年前の現象についていろいろ言われる人がいて、そのとき、富士山が爆発したとか、あるいは十和田湖で噴火があったとかというのはあるので、それを具体的に言わないのであれば、「活発化も懸念され」とか、ちょっとふわっとした言葉でもいいのかもしれないという。

【小池(勲)部会長】  

これだと、「活発化し脅かし続けている」というのだと、実際に今、そういうことが起こっているというふうに読めますね。ですから、かつてそういう事例があったということだったら、書き方を少し変えたほうがいいと思いますね。では、事務局のほうで調べて、きちんとした表現にお願いします。

【福井推進官】  

わかりました。それを踏まえた記述にしておきます。

【小池(勲)部会長】  

ほかに何かございますか。

 なければ、次の第2章をお願いします。

【福井推進官】  

第2章です。この2章を2つに分割したということで、2章、「国内の地球観測システムの統合」です。2章、1ページですが、訂正部分は、中ほどに、「同時に、我が国における地球観測事業による観測データの共有・利用を促進し、『推進戦略』に示された統合化を加速していく」。地球観測データの有効利用を図るために、これらの統合化を進める必要があるというところを記載してございます。

 あと、最後に、これらの目的を達成するためにはということで、地理情報クリアリングハウス、地球観測グリッドなどのデータベースの連携、データ利用者の利便性の向上のためのデータ・メタデータ、ここは「共有化」とありますけれども、先ほどのところも踏まえて、「統合化」にしたほうがよろしいかと思うんですけれども、「統合化に向けた取組とその利活用が一層推進されることが求められる」という形で加えたというところです。

 以上です。

【小池(勲)部会長】  

では、第2章だけ独立してやりますか。

【福井推進官】  

はい、そうですね。

【小池(勲)部会長】  

14ページです。第2章のところですけれども、前回は第2章と第3章が一緒になっていましたけれども、国内の地球観測システムの統合ということで独立させました。何かご意見ございますか。

 今、事務局からありました、14ページの最後のところ、「データ・メタデータの共有化」は「統合化」と書いたほうがいいのではないかというコメントでしたけれども、これ、よろしいでしょうか。「共有化」と「統合化」とどっちが強いのかというのもなかなか難しいんですけれども。

【安岡委員】  

「統合化」にしてもいいと思いますが、ただ、DIASとGEO Gridを統合すると読めでしまうんですよね。それは大丈夫ですかということなんですが。

【福井推進官】  

ここは、DIASとクリアリングハウスと地球観測グリッドなどのデータベースの連携で、そこで切れて、「及び…」。

【安岡委員】  

ああ、切れるわけですね。

【福井推進官】  

ええ。データ利用者の利便性向上のためのデータ・メタデータの統合化、これをやっていくということはこの部会でも決定しているところですので。

【安岡委員】  

そうですね。わかりました。

【福井推進官】  

前のところと比較しても、「統合化」のほうがよろしいのではないかなと。

【小池(勲)部会長】  

いずれにせよ、このデータというのは、地球観測事業にかかわるデータと定義されていますので、その範囲内での統合ということですね。

【福井推進官】  

はい。

【小池(勲)部会長】  

それでしたら、「共有化」よりは「統合化」のほうが。

【寶委員】  

ただ、国とか組織によってデータのポリシーも違うと思うので、どうですかね、統合化なんてできますかね。共有化あるいはインターオペラビリティーを高めるということであれば、ともに今使えるような、あるいは標準化を目指すというのならまだいいと思うけれども、統合というのはなかなか難しいんじゃないかなという気がするんですけれども。共有のほうがまだ…。

【小池(勲)部会長】  

おそらく統合化ということでどこまでをイメージするかですね。

【寶委員】  

だから、読む人によっては、統合化されちゃうのかという気がしないでもないと思うんですよね。

【小池(勲)部会長】  

今、地球観測事業のデータの共有化とか統合化でやられているのは、ともかく入り口のところは1つにしましょうと。それから、いろんなところに分かれていきますよと。つまり、これに関するデータとかそういうのを見たければ、そこに入っていけば、いろんなところに行けるということでの。でも、それを統合と言うのかというのはまた難しいと思うんですけれども。ただ、今考えられているのはそうですよね。

【福井推進官】  

はい。

【深澤委員】  

ちょっと違うと思うのは、国内の地球観測システムの統合化のときの地球観測システムというのが何かというのがもちろんあるわけですけれど、それはあからさまには定義できないんですけれども、地球観測というのはいかなるものかというのは、今までの地球観測の実施方針とか、その上のCSTPでもそうですけれども、定義はされている。ですから、地球観測の目的で統合するべきだ、どういう形かわからないんですけれども、その目的、なぜ統合する必要があるか、どういうものにしろ、それが、例えば14ページの第2パラグラフ、第3パラグラフに書かれていて、その統合化を推進するためにはデータベースの連携とデータベースの構築が必要だという書き方になっているわけですよね。

 ですから、統合化とは何かというのは、これでは実はシステムの統合化が書かれてない。もしもそれをやるんだとすると、多分、地球観測システムというのは、日本にどういうものがあるかとか、地球観測システムとは何かという定義が絶対に入ってきてしまって、そうなると、今度は、実はその定義そのものというのは、見方によっていろんな考え方が出てくるので一概には書けなくなるという、その苦しさがこの文章なのではないかと思うんですけれども。ですから、とにかく「地球観測システムの統合化」と書いてあるんですが、統合化の目的が前に書かれていて、それの具体的な方法は、すべて書かれるわけではないけれども、そのための方法の1つとして、DIASやクリアリングハウスやGEO Gridのデータベースの共有化と連携があるよという、そういう感じで解釈するんだと思うんですが、いかがでしょうか。

【福井推進官】  

昨年8月に、「国内の地球観測システムの統合に向けた具体的な進め方」というものを議論いただいて、1つの認識をつくったんですけれども、そこは、深澤委員がおっしゃったとおりでございまして、ただ、「地球観測の推進戦略」には、統合された地球観測システムを構築すると書いています。ただ、それが何かというのはありますけれども、去年の8月の時点では、まずはデータ利用者のニーズの集約やデータの提供方法の方向性を明らかにした上で、データの共有と利用促進への取り組みを推進するということで、そのデータの統合化を図っていこうということを決めたところですので、まずは、データを共有して利用促進をしていこうということを決めたわけでございます。ですから、それに従った書きぶりをこの2章ではしているということです。ですので、委員がおっしゃった形の理解でよろしいのではないかと思うんですけれども。

【高薮委員】  

それについてなんですけれども、やはりここの第2章で書いてあることは、統合化は地球観測データの統合化について書いてあるんですよね。ですから、長くなりますけれども、タイトルを「地球観測システムの統合に向けた地球観測データの共有化」ですか。ここに書いてあることは、データの統合化でもいいですけれども、最終的には地球観測データの統合化についてしか書いてないので、「地球観測システムの統合化」というタイトルでは、ちょっと内容とそごが出るんじゃないかなと思うんです。そこに向けてはいるんですけれども。

【小池(勲)部会長】  

総合科学技術会議の「地球観測の推進戦略」では、統合された地球観測システムの構築に向けて努力してくださいということが書かれていて、先ほどの事務局のご説明は、今、第一歩であると。将来はそっちに向かっていくんだというふうに、これを読んでくださいということですね。

【高薮委員】  

はい、わかります。

【小池(勲)部会長】  

だから、問題はこれで読めるかどうかということですね。

【高薮委員】  

ですから、その心をタイトルに既に書いてしまったらどうかと。第1段落はこのままでいいと思うんですけれども、第2段落の初めが、地球観測システムの統合に向けては、まず第一歩として、地球観測データの統合化をするんだということをエクスプリシットに書いておいたほうが、今ご説明にあったこと自体がわかりやすくなるんじゃないかなと。いきなり地球観測システムをどう統合するんだというふうに読んでしまうと肩すかしを食ってしまうので、その一歩として地球観測データを統合化しましょうと。そこで統合化を使ってもいいと思うんですけれども、そのほうがはっきりするのではないかなと思います。

 ですから、あくまでも目指しているものは、推進戦略に書かれた統合化された地球観測システムの構築でいいんですけれども、その第一歩として、地球観測データの統合化を目指すと。それがもっとエクスプリシットにわかるように書かれたほうがわかりやすいんじゃないかなと思います。

【小池(勲)部会長】  

14ページの最後の数行、そのためには、そこのところで今言われたことが読めるかどうかですね。先ほどは、「共有化」を「統合化」にするということで、それで今言ったような趣旨が読めるかどうかということだと思うのですが、それは読めるわけですか。

【高薮委員】  

そうですね。「統合化」という言葉が重要なのであれば、「統合化」という言葉で構わないとは思いますが、地球観測システムの統合化をいきなり目指しているのではなくて、「に向けて」なんですけれども、データの統合化をまず第一歩として目指すということがわかるように、私としては、2章のタイトルをもう少し工夫したほうがわかりやすいんじゃないかなと思います。

【小池(勲)部会長】  

2章のタイトルは、「国内の地球観測システムの統合」というタイトルになって、かなり強いタイトルです。

【高薮委員】  

そうですね。そこをいきなり、「観測システムの統合」というと、もっと大きなことだと思うんですが、まずデータを統合化して、全体を把握して、そのシステムの統合に向けていくということだと思うんですが、それがタイトルからわからない。目次を見たときに、地球観測システムの統合をいきなり目指すのかなととらえてしまいますので、もう少し、実際にまず第一歩として目指すところをタイトルに書いておいたほうがよいのではないかと思った次第なんですが、いろいろ大所高所からお考えもありますでしょうから、このくらいにしておきます。

【杉本委員】  

すみません、質問をさせていただいてよろしいでしょうか。

 データの統合化とシステムの統合化とどちらが難しいんでしょうか。データの統合のほうが簡単にできるように聞こえるんですけれども、いろいろなシステムでとっているデータ全部を統合するというのは難しそうな気がするんです。そうではなくて、いろいろな分野でいろいろな努力をしてデータをとっている、そのシステムを、システム・オブ・システムズをつくる。すべての観測システムのデータを統合するのはとてもできないので、そのシステムを統合して、役に立つような情報にしましょうと私は理解しているんですけれども、どちらが難しいんでしょうか。

【小池(勲)部会長】  

なかなか難しい…。

【高薮委員】  

難しいですね。

【安岡委員】  

今から7,8年前だと思いますが、GEOSSが立ち上がったときに、ア・システム・オブ・システムズという言葉の定義というのは、地球観測システム全部を1つにしましょうという話では必ずしもなくて、システムズをある種まとめて、ア・システムにする。それを「統合」という日本語であらわしたんですね。ですから、もちろんデータの統合も中に含まれていますし、観測システムを全部1つにしてしまうということでは決してなかったと思っています。それを「統合」という日本語で書くと、やや強いイメージになってしまうので、今、高薮委員が言われたような印象を持ってしまうんですけれども、一番初めのア・システム・オブ・システムズ、GEOSSが立ち上がったときのことを考えると、こういう書き方でも問題ないかなという気はしますけれども。

【高薮委員】  

それでしたら、地球観測システムの統合とは何を目指すべきか、ということについて目標を定めて書いたほうがいいと思うんですけれども、この2章の結論ですと、まずその一歩として、地球観測データを統合してみましょうと、そのように読めてしまいます。それでなくて、いきなり地球観測システムの統合化を目指すのでしたら、それは何であるかということがここで示されないと理解できないと思うんですけれども。

【小池(勲)部会長】  

実は本日、この議題が終わった後に、その話をまとめてしていただこうと思っていたのですけれども。話がそちらのほうにいってしまいました。

【福井推進官】  

2章の表題について、データの統合化というところを入れるかということ、今の論点はそこですよね。表題のシステムの統合に、例えば、「に向けた地球観測データの共有化」なのか「統合化」なのかをどうするかというところが1つの論点だと思います。

【小池(勲)部会長】  

あとは、やはり「統合」という言葉のイメージが問題で、統合というと1つにしてしまうという意味なんですけれども、システム・オブ・システムズになって、実際は1つにするという意味ではなくて、それをあわせていってお互いに共有し合うというような意味だったのが、「統合」とすると、日本語だとちょっと強いですね。ですから、表題をもう変えてしまうかですね、統合ということをやめてしまって。それは1つの考え方だと思いますけれども。

 先ほど、安岡委員が言われたように、もともとは多分、幾つかのいろんなシステムをまとめていくという考え方で、それを1つにするという意味はもともとなかったと思うのですが。

【寶委員】  

1章の各節と第3章を拝見していますと、黒塗りのダイヤマークでは何をするかということが書いてあるんですけれども、2章はそれがないので、2章の前半はシステムの統合と、後半はデータの統合ということで、システムの統合についてハイライトした黒塗りのダイヤマークと、後半はデータの統合ということで黒塗りのダイヤマーをつけたらどうですか。そうすると、各章各節で何がポイントなのかというのがわかりやすくなっていいと思うんですけれども。

【小池(勲)部会長】  

では、サブタイトルをつけて、それぞれの意味がわかるように書くということですね。これに関しては、私と事務局の間で、今出た議論をもとにして少し変えてみます。あと、後半、少し時間が残ると思うので、そのときに議論していただいたことも、参考にしながら変えてみたいと思います。

 それでは、次へ行っていただけますか。

【福井推進官】  

第3章と第4章、最後の部分です。第3章は、前回の議論でも、国際的な部分というのは非常に重要であるということですので、第3章として、「国際的な連携の強化」ということを挙げました。その下には、推進戦略に書いてある地球観測に関する国際戦略で書かれてあること、2点書いてございます。

 黒塗りのダイヤマークの最初は、「国際的な枠組との連携及び協働」ということで、前回の議論で、国際的な部分の書きぶりが少し薄いんじゃないかというご指摘がございましたので、それを踏まえまして、GEOSSにおきましては、我が国イニシアチブでやっていますアジア太平洋シンポジウム、ここにいらっしゃる委員の先生方にも毎度協力いただいているところが多いかと思いますが、そこの記述を書き加えています。

 16ページに行きまして、「科学技術外交の推進」、こういう書きぶりが必要ではないかということが前回の意見でもございましたので、書き加えております。アフリカとかアジアとの連携が重要ではないかという意見もあったかと思います。

 あと、下のほうですが、衛星観測とかそういう技術については、科学技術外交を進める上で重要なツールであるということを明記すべきというご意見がございましたので、それを踏まえて各省からアイデアをいただき、エルニーニョ、モンスーン等の大気・海洋の変動の把握に関する共同研究に広く利用されている等々、こういう書きぶりで、今、我が国の科学技術外交の強化において非常に重要であるということを書いております。

 4章につきましては、これも委員のご指摘で、表題に「推進」をつけただけでございまして、あとは同じです。

 以上です。

【小池(勲)部会長】  

第3章、第4章のご説明をいただきましたけれども、何かコメントございますか。第3章は、かなり変えておりますけれども。

【東委員】  

ちょっと質問してよろしいでしょうか。

【小池(勲)部会長】  

どうぞ。

【東委員】  

前回いなかったのと今までの事情がよくわかっていないので教えていただきたいんですが、この文章では、アジア・オセアニアがものすごく強調されているんですけれども、欧米との連携というのは全くここには触れなくてもよろしいものなのでしょうか。それとも、既にあるから、あえて書く必要はないということなんでしょうか。

【小池(勲)部会長】  

この地球観測の推進の場合は、欧米とのリンクはもともとあって、特に今後、重点的にというので、アジア・オセアニア、それから、その後、アフリカが加わって、今の形になっています。だから、よりこれから強化していく方向だけ書かれているということで理解してください。

【東委員】  

はい。

【小池(勲)部会長】  

ほかに何かございますでしょうか。

 【寶委員】  

全体を振り返って、先ほどの黒塗りのダイヤマークで、どちらの資料でもいいですけど、例えば、第1章の1節ですと、何々の軽減とか確立とか推進とか書いてあるんですね。ところが1章の2節だけは、変化とか、酸性化とか、6ページ、7ページ、ごらんになったらわかるんですけれども、そこだけはちょっと違うんですよ。何をするかということになってないんですね。ですから、6ページの1つ目の黒塗りのダイヤマークは、「生態系・生物多様性の変化」ではなくて「保全」とする。7ページの「海洋酸性化」のところは「海洋酸性化のモニタリング」。7ページの2つ目の黒塗りのダイヤマーのところは、「農業生産環境の変化の把握」とか、そういうふうに。ほかは全部、何をやるかということになっているんです。ですから、そういう形で表現されたほうがいいんじゃないかなと思います。

 以上です。

【小池(勲)部会長】  

黒塗りのダイヤマークの小見出しの最後の書きぶりですね。

【寶委員】  

そうです。

【小池(勲)部会長】  

取り組みがわかるように言葉をつけるというご提案ですけれども、よろしいですか。

【福井推進官】  

わかりました。

それでは、今日のところは部会長一任という形にしていただきまして、今いただいた提案を入れて部会長と事務局で相談して決定という形にさせていただければと思います。

【小池(勲)部会長】  

では、もう一度、今日いただいたコメントをもとに修正したものを委員にご案内してということですね。

【福井推進官】  

そうですね。

【小池(勲)部会長】  

これは、9月の研究計画・評価分科会に上げるので、そのときまでには、この会合は開けませんので、メール上で了承を得るということにしたいということに。それでよろしいですか。(異議なし)

 それでは、「平成24年度の我が国における地球観測の実施方針」、長い間議論していただきましたけれども、そういう形で決定したいと思います。

 

議題(2)来年度以降の実施方針の検討の進め方について

【小池(勲)部会長】

次に、あと30分足らずになってしまいましたけれども、議題2で、来年度以降の実施方針の検討の進め方について、少しご議論いただきたいと思います。

資料2ですけれども、これは事務局でまとめていただいたものです。ここにこれまでの地球観測推進部会での検討の経緯と今後の地球観測の推進が書かれていますので、簡単にご説明いたします。

 「地球観測の実施方針」とその審議は、もともと平成16年12月に総合科学技術会議で「地球観測の推進戦略」というのができて、それを受けて、文部科学省の部会で毎年のサイクルを回すということでスタートしたものです。そこに書かれていますように、平成18年度が最初ですけれども、「我が国における地球観測の実施方針」を制定して、それから、その方針に沿って、あるいは推進戦略に沿った実施計画を各府省で立てていただいて、地球観測等の事業を実施し、総合科学技術会議が年度末に、実施計画に基づく事業の実施状況についてフォローアップするという形でサイクルを回すということになっています。

 平成21年度までは、地球観測の推進戦略というのがかなり網羅的な推進戦略で、15分野について、それぞれみんな方針を記載して決めていたのですけれども、あまりにもその分野が多岐にわたって、部会での具体的な議論というのがなかなかできないということから、「平成22年度の我が国の地球観測の実施方針」以降は、その中で特に重点的に、優先的に扱う課題として、気候変動の対応という課題を中心的に取り上げて、それについて書いていくことに重点化したということになります。

 あと、大きなものとしては、ほんのちょっと前に議論いただきました、昨年、「国内の地球観測システムの統合に向けた具体的な進め方」ということで、メタデータの取り扱いということをDIASとのリンクで実施するということで、それは23年度、今年からやるということになっております。

 それで、本日、残りの時間でご議論いただきたいのは、GEOSSは10年間の実施計画ということでスタートして、既に今6年目に入っていますので、ちょうど折り返し地点を過ぎていますので、これから先、どういう形でこの部会でこの議論をしていくかということについて少しご議論いただきたいということです。

 1つ大きな問題は、もう半分を過ぎて、先ほど出たシステム・オブ・システムズのところにきちんと向かわなければいけないということで、それを一体どういう形でやっていくかということが非常に大きな課題になります。本日、残念なことに、小池俊雄先生がいらっしゃらなくて、DIASが第2期、2期と言っていいのすか、2期じゃなくて、新しいDIASですか。

【福井推進官】  

2期で結構です。

【小池(勲)部会長】  

これから動き始めて、システムの統合、データの扱いなどに関して進めていくということになっています。事務局から、これに関しての今までの進捗状況を簡単にご説明いただけますか。

【福井推進官】  

昨年の8月に、先ほど部会長からご説明がありましたように、システム統合に向けたデータを共有、それで利用促進していく、そういう形でデータ統合していくという話を、この部会でも議論いたしました。そもそも、先ほどの実施方針の中にもございましたが、アクションプランの中でもデータの統合を進めて、日本の地球観測データの90%が統合されるようにという話もあったかと思います。それで、次期DIASにつきましては、平成23年度から新しいフェーズ、DIASの高度化、あるいはDIASを利用した健康、災害、水資源とか、そういう分野での研究、あるいは、その横断的な研究で、この5年でどういうふうに運用をしていくかということも検討していくということでございます。

 データの統合に関しましては、DIASの2期目が契約も終わりまして、ちょうど先月からスタートしておりますので、今後は、昨年議論いただいたとおりに、メタデータファイルというのがどういうものかというものを、地球観測データを持っている皆さんと議論して、それに基づき、メタデータをDIASに収集していくという形の事業を進めていくということでございます。

 以上です。

【小池(勲)部会長】  

現段階では、平成23年度からメタデータファイルの提供を受けて、それをDIASの中で統合化していくという計画で進んでいると。

【福井推進官】  

それまでに、どういったメタデータの形式にするかというのはちょっと議論していかなければいけないと思っているんですが。

【小池(勲)部会長】  

それはまだ決まってないわけですね。本日、ここでご議論いただきたいのは、ディテールをどういうふうにやるかということは別にしまして、方向性として、先ほども出ましたけれども、「データの統合」と「システムの統合」という言葉、それが一体、実際的には何を意味するのかということについて、少し委員の皆様の考えを伺いたいということです。これまでは、どちらかというと今までこのサイクルに追われて、かなりルーチン的にやらなくてはいけなくて、本質的な話がなかなかできないまま各論で議論が終わってしまったような気がします。今日ご議論いただいたものを受けて、やり方について、何か新しい方向が出せればということでご意見を伺いたいということですけれども。

 今、方向性とすると、とりあえずはメタデータを集めて、それをまとめていこうというのが当面の方向性ですけれども、少なくともあと5年後にはこうなっていてほしいというようなもの、あるいは、なかなかそれは難しいのではないかというようなことがございましたら、ご意見を伺いたいということですけれども、安岡先生、いかがですか。

【安岡委員】  

先ほどの議論にもありましたけれども、GEOSSを一番初めにつくったときに、1つのシステムにするという概念があったんですが、ほんとうの統合ですね、それはやっぱり無理だろうということになりました。国内を見てみても、例えば、気象庁さんがとられているデータ、環境省がやっているデータ、これを全部としても、1つにするというのはどだい無理なんですね。ですから、上がってきたデータを、みんなが一緒に共有して使えるということが一番重要なので、ア・システム・オブ・システムズというのは、最後の出口のデータを利用することができるようにしましょうということであったと思います。そのために今も活動を続けていると。

 GEOSSがスタートして6年目ですから、あと4、5年たつと、いろんなところのデータがワンストップ・ショッピング的に、少なくともみんなが検索して見ることができるようになる。それはみんなが期待していますし、そうならないとまずいんだろうなと思います。同時に、日本の国内にもそういうシステムができ上がっているということが、私は重要だろうと思っています。

 ただ、それは決して易しくはなくて、データをみんなが共有するというのは、目的外使用にひっかかってしまうことも出てくるので、特に個人のデータというような、社会的なデータならその性質が非常に強くなりますから、そういうときにデータ統合ということの意味合いは考えておく必要があるだろうという気がします。

 前回もお話しましたけれども、必ず「際」はあるんですよね。境目は必ずあって、それを超える仕組みを、いろんな形でみんなで工夫していかなければいけないだろう。地球観測に関しても全く同じことが言える。国内も国外もそれが言えるんではないかという。「際」を超える努力というのは、やっぱり知恵を出し合わないといけない。それがこの場かなという気がしています。

【小池(勲)部会長】  

ありがとうございました。既に、例えば、気象ですとか海洋とか、いわゆる国際的なデータベースに日本も参加して、その意味では、アクセスがどこからでもできるというシステムになっているものも幾つかあるわけですね。多分、地震もそうだと思うんですけれども。あと、地球観測に関してもそうでないデータもたくさんあるわけですね、だから、既にそういうインターナショナルなデータセンターとか、そういうところできちんとハンドリングされているデータに関しては、それはそれでやればいいと。それ以外の、国内でもいろんな、例えば、省庁で持たれているデータとか、そういうものをどうやってアクセス可能にして、皆が使えるようにしていくかというのはなかなか難しい。先ほど、安岡委員が言われたのはそうだと思うんですけれども。

【安岡委員】  

各役所がとられているデータは、最近、かなり公開されていると思います。そういう仕組みもでき上がっていると思います。GEOSSが始まるときでしたから、今から六、七年前になると思いますが、いろんな調査をして、各省庁が持っているデータ、どんなものがあって、それがどういうふうに公開されていくかという調査もされています。そのときに一番難しかったのは、やっぱり大学のデータだったんですね。大学についても、いろんな大学が持っておられるデータを調べて、データを公開される気はありますかというようなことを問い合わせると、大体皆さん、公開しても結構ですということを言われて、ただ、その手間はどこかがとってくださいということになっていたと記憶しています。ですから、それをどう仕組みをつくるかというのが一番難しいかなと。そこの部分は、まだ手がついてないんじゃないでしょうかね。

【小池(勲)部会長】  

そうですね。ここには大学の方、たくさんいらっしゃいますけれども、いかがですか。

【中澤委員】  

私たちも大変大量のデータを持っていまして、自分たちのコンピューターの中には入れているんです。データベースはつくるんですが、実際、とったデータは、アウトライヤーとかそういうのがたくさん入っているわけですね。生のデータを全部そのまま出すわけにいかないので、その作業をしないといけないと思いながら、結局時間がない。そして、例えば、大学院生が学位を取らなければならないとか、そういう大きなチャンスがあるときには、それをやらないといけないので、それで何とかやって、そこのところまでは公開しますと言って、例えば、アメリカのNOAAのデータセンターとかそういうところに送るんですけど、その後が続かないんですね。同じテーマで同じ学位を出すわけにいかないので、結局、蓄積はされるけれども、そこでとまってしまうという。多分、これは大学だけじゃなくて、国環研なんかの研究所も同じだと私は思うんですけれども。次のテーマに移らないといけないということがあって、結局、すごくいいデータを日本の研究者は持っていると思うんですが、それが公開に至ってないということが。やはり1つは、そういう作業がだれもできないという状態。それが一番大きな問題だと私は思います。

 それと、私もDIASのことはあまり詳しく存じ上げてないんですが、どのようなデータがあって、どのような使われ方をしているかという情報が研究所のほうにあまり伝わってないような気がするんですね。むしろ我々は、国際的なデータベースのほうが使いやすい。それから、自分がサブミットしたら使われる。時によっては、かなり詳しく使われる。論文の考査にするから使わせてくれとか、出した側にもメリットがある、使う側にもメリットがあるという、そこら辺がはっきりしているんです。

 そういうシステムをつくらない限りは、研究者は真剣になって出してこないだろうという感じは。要するに、自分の労働力を割いてでもそれをやろうという……。

【小池(勲)部会長】  

メリットはあまり感じない。

【中澤委員】  

ええ。そこを何とかしないと。人材を確保するか、何かメリットがあって、自分の時間を割いてでもやるという、そういうものがないと、なかなか難しいんじゃないかなという感じがします。

【中静委員】  

本日議論した実施方針の最後のページのところに、成功事例、そういうデータ流通やデータ標準化の成功事例が出始めているということは非常に心強いことだと思いますし、多分これは、GEOSSは6年目ですけど、最初からいろんな議論をしてきたことが、かなりその効果といいますか、そういう意味では成果の1つだろうと私は思っていまして、例えば、私がかかわっている生態系ですと、藤谷さんのところが一生懸命やっていただいたおかげで、いろいろな炭素の収支ですとかそういうものと生態系というものがかなり結びついて、お互いにそのデータが行き来できるような形になってきたというのはあるので、今、中澤先生がおっしゃったのはそのとおりで、基本的に、我々、自分たちでとっているデータがどういうふうに使われていくのかということとか、どういうふうに使うと、いろんなものに貢献し得るのかという道筋がなかなか見えにくいというところが大きなところで、成功事例を出すような仕組みをどこかで具体的につくっていただくというのが、私が考えるところ、大学の人たちにとっては非常に大きな貢献になるのではないかなと思うので、具体的に、そういう成功事例を生むということになると、例えば、ここでやるのかどうなのかわかりませんけれども、統合的な、異分野間のデータを統合したような形でのアウトプットを期待したような研究、あるいはその報告みたいなものをエンカレッジするというような仕組みをどこかでつくっていくというようなことができるといいのかなと。そういう意味では、議題にも上がっているような連携拠点の役割というのが大きいのかなという気はします。

【小池(勲)部会長】  

ほかに。

【杉本委員】  

今、中静さんがおっしゃったことはそのとおりで、データをたくさん持っているので、全部出します、だから、どうぞ使ってくださいという形のシステムが、理想的にはそういうものができればいいと思うんですけれども、おそらく技術的にも難しいですし、すごく非現実的だと思うんですね。そうすると、現実的なやり方としてどういうことが考えられるかというと、やっぱり利用ニーズをいかに広げていくか、そういう機会ですね。分野の違う方、自然科学系と社会科学系、人文科学系の先生方を、例えば、大学ですと、その先生方をつなげるとか、新しい利用ニーズをうまく吸い上げて、必要に迫られたらデータの品質も何とかするということはやると思うんですけれども、必要に迫られないのに全部出してくださいというのはおそらく不可能なので、まず、利用ニーズをうまく吸い上げていくというか、どういう形でそのデータが使われ得るのかというような、そういう利用を広げる仕組みをつくるのが一番現実的ではないかなと思っています。

【小池(勲)部会長】  

具体的にはどういう仕組みですか。例えば、そういうターゲットを絞った研究費を出すということですか。

【杉本委員】  

そうですね。何かディレクトリみたいなものができて、うまい検索の仕組みができて、電話帳のように、こういうデータが欲しいんだけれども、だれか持ってないかなというようなこととか、あるいは、このデータはこういうことに利用できるんですよという、そういうディレクトリのようなものをつくるということも可能性としてあるのかなと思います。

【小池(勲)部会長】  

ほかにございますか。

【高薮委員】  

中澤先生のおっしゃること、そのとおりだと思いますし、杉本先生のおっしゃることもそうなんだと思いますけれども、そのためにですけれども、やはり人材確保が一番大事だと思うんですが、それぞれの場所に人材を充てるというのは大変費用がかかると思うので、今、こういう時代で、インターネットの時代ですから、自分で調べようと思えば、どんなデータがどこにあるか、ある程度調べることができるわけですけれども、私だったら、2人くらいのポスドクをその専門に確保して、ポスドクぐらいの人材を、データを使ったことのある人材を専門に確保して、どこにどういうデータがあるかというのを調べ上げて、そこに派遣して、データディレクトリの作成に協力してもらいに行くということ。調査はたくさんしていらっしゃると伺ったので、そういうことをしていらっしゃるんだと思うんですけれども、文科省の方たちもお忙しいですし、皆さん忙しいですので、専門家を2、3名でいいので確保して、もう数年頑張らせるということをしないと、90%の達成は無理だと思うんです。

【青木委員】  

質問なんですけれども、取り組みを進めなければいけない課題といって、今、2つ挙がっていますが、これとGEOSSの実施ガイドラインとの関係はどうなっているのでしょうかということなんです。CODATAと構造データ委員会の協力によって、2009年に最終版の実施ガイドラインの詳しいものができたと思いますが、そのときに、例えば、教育機関であれば、こういうデータを何カ月以内に出すというような目標項目が、最初につくっていたホワイトペーパーのような詳しいものではなかったんですけれども、いろいろあったと思いますが、そこに向けて、どの程度まで何を達成しなければいけないのか、そういうことはここでの取り組み課題には当たらないんでしょうか。

【小池(勲)部会長】  

確かにGEOSSの最初のときに、いろんな段階のデータで、いついつまでにこうするという、たしかそういうのがあったのですけれども、それと国内のこの委員会での議論というのがうまくリンクしてなかったですね。

【青木委員】  

この実施方針の中にも、実施ガイドラインということが15ページ下から2段落目の3行目に載っています。「GEOSS10年実施計画においてガイドラインが制定された。」と。それから、もう1年半ぐらいたちますので、その間の関係ということの質問です。

【小池(勲)部会長】  

事務局、ここは、今、どういうふうになっていますか。

【福井推進官】  

GEOSSとの関係という意味では、GEOSSのほうもようやくGCIというデータのポータルサイトができて、クリアリングハウスができて、GEOSSとしてのデータ収集、共有、提供という制度が大分できつつあります。それと、日本としては、そういうデータのハブというのはDIASにしたいと思っていまして、実施方針にも書いてあるところでございますけれども、DIASとGCIをうまく連携させていければと考えています。

 GEOSS自体の活動は、昨年11月にGEOSSの閣僚会合というのがございまして、後半に向けて、GEOSSの9つの分野と5つの共通分野というのがございまして、それ1つ1つにGEOSSの活動をレビューしていって、GEOSSは2015年までなんですけれども、それ以降、どういう活動をしていくかということを議論していくということでございます。ですので、GEOSSのほうもデータの取り扱いについてはだんだん形が見えてきているところですので、我々としてはそことDIASをうまく連携させていければと思っています。

【湯本専門官】  

追加して補足説明させていただきますと、DIASの第2期の事業は、先ほど推進官から申し上げたとおり、今年度の7月から開始しているわけですけれども、DIASの取り組みにおいては、DIASをいかに長期安定的に利用していく体制をつくっていくかという取り組みが含まれています。その中で、先ほど、中澤先生から、DIASについて詳しいことはご承知いただけてない状況というのも実際あるというのは我々も認識しておりまして、今始まりました事業において、利用を促進するための体制を急いで整備していきたい。その中で、例えば、利用ニーズに応じてデータを収集するということが杉本委員からもご指摘ありましたけれども、その中で、そういったことも含めて、利用ニーズというのはどういうものがあるのか、そこを把握して収集するという仕組みが必要かと思っています。

 そのうちの1つの取り組みとしては、環境エネルギー課において、「大学発グリーンイノベーション創出事業グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス」という事業がございますけれども、その中で環境情報という分野を設けまして、利用ニーズを把握しながら、地球観測データ、あるいは気候変動予測データを活用して、我々がこれからの地球規模課題を解決する取り組みに必要な情報とは何か、そういうものをどういうふうに生み出していくのか、どのように利用していくのかという取り組みも開始します。そういったところを核にして、それをだんだんと広げていくという方法があるのではないかと思っています。

 最後に、青木委員から、データに関する、GEOSSのホワイトペーパーに関連して、観測データをいつの段階になったら公開するのかというようなお話がありましたけれども、それにつきましても、DIASの第2期、DIASの利用促進において、そこは切っても切れない問題だと思っています。データというものは、取得した人が、例えば、「論文を書いてから公表する」のか、あるいは、「無制限に、これは公開していいもの」なのか、おそらくデータを取得した人のポリシーというのが最重要の問題になるかと思います。そのあたりをどのようにするとクリアして、「皆さんが使えるようになる」のか、「そのための手続というのはどういうものがあるのか」ということについて、GEOSSにおける成果を活用しながらやっていくというふうに私どもでは想定しております。そういったことを念頭に置いて、事業を展開していきたいと考えています。

【小池(勲)部会長】  

今、最後に出ましたデータの公開というのは、おそらく、例えば、JAMSTECとかではかなりしっかりした規程を既につくられていると思うのですけれども、大学はおそらくあまりやってないと思います。しかも、科研費とかそういうものでとったデータをどうするかということに関してはほとんど議論されてないと思うのですけれども。結局、地球観測のデータというのが、大学もたくさんデータをとっているけれども、あまりそれを対象にしてないところがあって、ずっと議論はあったけれどもそことのカップリングがうまくいっていない。ただ、今言ったデータの公開の問題等々も踏まえると、大学の場合というのは非常に難しいところがありますね。非常にさまざまな形でデータがとられているので、どういうふうにこれを考えるかというのはかなり難しいと思いますけれども。

【安岡委員】  

いろんなところで観測が行われているんですが、観測にもそれぞれレベルがあって、研究観測と試験観測と定常観測と。定常観測の中には、法律的に決められる業務観測みたいのものがあると思います。業務観測は当然、そこの組織がちゃんとデータを出すわけです。地球観測の場合は、多分、研究観測、試験観測、定常観測ぐらいで、業務観測はあまりないだろうと私は思います。定常観測までいっているところはそれぞれの組織が出されていますが、大学で定常観測をやっている例というのはそんなにはないんですよね。例えば、中澤先生のところで20年近くやられている観測はほとんどが定常観測だと思いますし、先生がさっきおっしゃった国環研の観測も定常観測に近いものもあって、これはある意味では出されている。ただ、研究観測で3年間のタームでとったようなものはほとんど出ないですよね。そこまで範囲を広げると僕は難しいと思っていまして、やはり試験観測、定常観測ぐらいまでを、10年スパンですかね、そのぐらいのものに焦点を合わせて、みんなで共有しましょうというのが現実的な解じゃないかと思います。そうなると、出すことによって、とっている方々にもメリットが出てくる。さっき話が出ましたけれども、そういうような仕組みをつくっておけば、より出やすくなるのではないかという感じがします。

【小池(勲)部会長】  

ただ、いわゆる生態系とか生物関係のデータというのは、定常観測、官公庁の研究でやられているデータよりは、大学でやられているデータのほうが圧倒的に多いですね。それがなかなか公開の場として統一されて出てこないというところは前から大きな問題としてありました。ただ、その場合も、定常観測という格好でやっているわけではないわけですね、大学の場合は。すべてそれぞれのところでの研究者の興味というか、研究の対象としてやられている。けれども、実際には、結構長期的に観測されている。例えば、いろんな大学の持っている臨海とかいろんな試験所ですね。そういうところでは、随分長い観測がやられているわけですね。ただ、なかなかそういうデータは出てこないという問題があります。

 ですから、これはどこにどういうデータがあるかということですね。しかも、それをみんなが使えたら非常に有効なデータだということを、まず発掘していくことから始めて、それをなるべく使えるように出していただくことができないか。そのためには、先ほどお話があったような、何らかのサポートする体制が必要で、そうでなければ、大学としては、とてもそんな余裕はありませんという、必ずそういう話になってしまいますので。ですから、ステップとすると、地球観測として非常に大事なデータで、ずっとあるようなものを発掘して、それに対してサポートすることによって、それをきちんと使えるような形に持っていくという2つのステップがこれから必要ではないかなと。それには、中澤委員のところにあるようなデータもそれに入るわけですね。

 幾つか具体的な方法を考えなければいけないと思いますけれども、先ほど、事務局のほうからお話の出ました、DIASをどういうふうに実際に、いわゆる利用者ニーズということで、それに基づいて整えていくかということと今の話をうまくマッチングするかどうかということだと思うんですけれども。

【深澤委員】  

DIASで、小池俊雄委員からもいろいろ苦労をお聞きするんですけれども、今、大学の話がちょっと出ましたけれども、要は、データを使ってほしいと思ってとるか、使ってほしくないと思ってとるかというところが基本的に違うんですよね。大学の多くの場合には使ってほしくないんです。自分が論文を書くまでは、という条件がつくけれども。そういうデータに対して、公開とかDIASとか言うこと自体、僕はとても非現実的な話だと思いますし、それは公開のシステムをつくったところでデータが出てくる問題ではない。

 最初のGEOSSの立ち上げの中と、それから、今、評価委員もやっていますけれども、その中で毎回議論になるのは、レスポンシビリティーという言葉なんですよね。つまり、DIASのシステム・オブ・システムズというのは、最初に9つのソーシャル・ベネフィット・エリアをやって、それから、インフラストラクチャーというか、5つの横断型の部分があったけれども、例えば、その中で、ごらんになればわかるように、基本的にデータファンダーというのはソーシャル・ベネフィット・エリアではないんですよ。つまり、例えば、海洋観測にしろ衛星にしろ、それはどこに属するかというと、インフラなんですよね。JAMSTECでは、データはとにかく即時にオープンにしなくてはいけないし、なおかつ論文も書かなくてはいけない。でも、自分ではかったデータをオープンにして、ほかの人よりも先に論文を書けないなんていうのは、はっきり言って、研究者として僕は二流、三流だと思いますから、すぐオープンにしろと言うんですけれども、おかげでみんなオープンにしてくれるんですけれども、ただ、さっき言ったレスポンシビリティーという意味から見ると、データの公開とか、インフラストラクチャーにデータが入っているというのはどういうことかというと、データの公開に関する部分はレスポンシビリティーがそこにあるという一種の表明なんですよね。だから、そのレスポンシビリティーをとれる形になっているかなっていないか。

 例えば、大学の多くの研究というのは、科研費で行われることが多いんですけれども、それにデータを公開するという1文をつけたら、果たしてそれで研究が正常に動くかというと、僕はそれは無理だと思うんですね。ですから、DIASとかGEOSS、こういうものを考えるときと、ほんとうに純粋な研究というのは、残念ながら、今のところははっきりと分けて考えないと、屋上屋を架すような、余計な配慮がすごく必要になってしまうかもしれない。

 例えば、今、大学のデータを公開するために、それだけの人を、大学の数も多いですし、研究室の数も多い、DIASの中にそういう機能を持たせるのに、どれぐらいの人件費が必要かと考えると、とても不可能だと思う。

 それから、逆に、今度は、いわゆるインフラストラクチャーの部分に入るところというのは、GEOSSの中に、例えば、GOOSとかGCOSとかが、それのリードとして入っているからできる部分というのはあるわけですよね。例えば、海洋観測でJAMSTECがリードになったら、それは絶対無理なんですよ。大学だって無理。あれは、GOOSというものがリードになっているからできるという部分がある。例えば、海洋の気候観測だってあり得ますね。今、今度の2012年から15年の実施計画の中で、オーシャン・アンド・ソサエティーという1つの部分が出てきますね。そうなってきたときには、それが目指しているのは、多分インフラストラクチャーのところに、どこまでその研究レベルを取り込めるか。つまり、もっとグリーン・ウォーターの中に入っていけるかというところがものすごく大きな課題で、そういう風に考えたときに、今の地球観測部会でやる仕事というのは、2つにはっきり分けて考えないと、すごく中途半端なものになる。つまり、研究の部分と、そうではなくて、インフラストラクチャーとしての観測、それは分けないとだめなような気がする。

 インフラストラクチャーの観測というのは、何でもそうなんですけど、インフラストラクチャーというのは、水をやらないとすぐ枯れますから、ものすごく空洞化したようなシステムにDIASがなるのも困りますし。ちょっと話がまとまらないかもしれませんけれども、つまり、2つに分けて考えるというのは現実的には重要という気がして仕方がありません。

【高薮委員】  

一言だけ、すみません。具体的な話なんですけれども、メタデータのフォーマットなど、非常に立派に、完璧に考えていただけばいただくほど提出がしにくくなる。ですから、データの情報を集めるときに、データの名前と連絡先だけでも登録してください、それだけで十分ですと言われれば、協力するのもやぶさかではない人はたくさんいると思います。ですから、そのあたりをちょっと戦略として考えていただいたらどうかと思います。

【瀧澤委員】  

今、高薮先生のお話を伺って私も感じたんですが、実はDIASの前期のときに、いろいろ見ていまして、結局うまくいっているというのは、人のつながりがうまくいっているんですよね。ですから、第1ステップとしては、人と人をいかにつなぐかということを考えるのもいいんじゃないかなと感じます。

【小池(勲)部会長】  

それでは、予定した時間になってしまいましたが、なかなか議論がまとまりませんでしたけれども、おそらくこれぐらいの時間でまとまることはなかなか期待できないので、またこの議論を続けていきたいと思います。やはりこれから後半に入った後、どういうふうにしてデータというものを、実際にみんながうまく使えるような格好でやっていくかというのは非常に大事なことだと思いますので、今日のご議論を参考にしながら、どういう風にやっていくかということを考えたいと思います。

 それでは、事務局から何かございますか。

【福井推進官】  

本日議論いただきました実施方針でございますが、先ほど、部会長一任ということで、我々と相談させていただきまして、その結果をメール等でお知らせさせていただきたいと思います。

 これにつきましては、次回の、これの親に当たります研究計画・評価分科会、9月27日に開催予定ですが、そちらで報告されるということになります。

 本日の議事録は、後日、事務局よりメールで委員の皆様にお送りさせていただきますので、修正等あれば、ご指摘いただければと思います。文部科学省ウェブページに掲載することで公表させていただきますので、よろしくお願いいたします。

  以上でございます。

【小池(勲)部会長】  

ありがとうございました。実施方針に関しては、今言われたような形で、もう一度、委員の先生方にはお回しいたしますので、ぜひよろしくお願いいたします。いずれにせよ、9月27日が最終ですね。ですから、まだ多少時間はあるということですので、よろしくお願いします。

 それでは、これで地球観測部会の第4回の会合を閉じたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

 

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