第2期地球観測推進部会(第9回) 議事要旨

1.日時

平成20年3月24日(月曜日) 14時~15時40分

2.場所

三田共用会議所 第4特別会議室

3.議題

  1. 地球観測に関する最近の動向
  2. 地球温暖化観測推進事務局(環境省・気象庁)地球温暖化観測推進ワーキンググループ報告書について
  3. 「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針」について
  4. その他

4.出席者

委員

 澤岡部会長、青木委員、石原委員、井上委員、今脇委員、木下委員、沢田委員、杉本委員、瀧澤委員、佃委員、鳥谷委員、福島委員、藤谷委員、堀川委員、本蔵委員

文部科学省

 岡村地球・環境科学技術推進室長、竹林地球・環境科学技術推進室室長補佐、西山地球・環境科学技術推進室室長補佐、湯本地球・環境科学技術推進室地球観測推進専門官 他

オブザーバー

 青木内閣府参事官(環境・エネルギー担当)

5.議事要旨

(1)地球観測に関する最近の動向

 事務局から、総合科学技術会議資料「2008年の科学技術の重要課題」、「科学技術外交の強化に向けて(中間とりまとめ)」及び「環境エネルギー技術革新計画WG関連資料」について説明があった。

(2)地球温暖化観測推進事務局(環境省・気象庁)地球温暖化観測推進ワーキンググループ報告書について

 藤谷委員から、地球温暖化観測推進ワーキンググループ報告書について説明があった。委員の主な意見は以下のとおり。

  • ワーキンググループ報告書については、これまでの地球温暖化連携拠点の成果であるので、ホームページ等で公表したほうがよいのではないか。また、ワーキンググループ報告書の概要について、英語版も作成したほうがよいのではないか。

(3)「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針」について

 事務局から、「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針」の構成(案)、平成21年度の我が国における地球観測の実施方針「気候変動の影響を監視・予測するための観測体制の在り方について」検討のポイント(たたき台)について説明があった。委員の主な意見は以下のとおり。

  • 観測データがあることによって、様々な研究が進むということを踏まえると、観測データの発掘が重要な課題である。また、観測データを使う利用者の発掘を更に進めるべき。
  • ニーズを上手く把握することが重要。また、政策的なことを観測するのに、データを出さない国もあり、外交的な政策が必要。
  • どのデータが何に役立つかは、データを取っている人も把握していないことがあり、データの掘り起こしをすべき。また、途上国は具体的なニーズを持っておらず、どのデータが気候変動に役に立つかという観点でデータ収集すべき。
  • 「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針」では、どのように開発途上国のニーズを把握するのか。
    →科学技術外交の一環として、科学技術振興機構と国際協力機構のマッチングファンドである地球規模課題対応国際科学技術協力事業を平成20年度より開始することとしており、網羅的ではないが、具体的な施策を通じて開発途上国のニーズを把握することとしている。
  • 途上国にデータ空白域があるというのが実情で、どこにどういうデータがあるべきということを主張していったほうが、データの必要性がはっきりする。
  • 途上国においては観測の必要性を持っていても、人材不足などが原因でできないこともあり、能力開発も考慮に入れるなど、総合的に取り組み、地球全体の問題としてとらえるべき。
  • 本部会で扱う開発途上国の対象はどのように考えているか。
    →従来の部会では、地球観測の推進戦略で示されている「アジア・オセアニア地域との連携の強化による地球観測体制の確立」を踏まえて、アジア・オセアニア地域を主な対象としてきたが、最近の総合科学技術会議等では他の地域も含めた開発途上国全体を対象としているので、本部会においても幅広く捉える必要がある。
  • 地球観測のデータは人類共有のデータであり、一国で抱えることがあってはいけないので、そのことをサミットでも主張すべき。
  • 気候変動の影響を監視・予測するための観測は、長期的に我が国として決心しなくてはいけない課題。それぞれの観測について、どのくらいのタームで考え、ロードマップを描いていくかが重要。また、その成果がIPCCのレポートなど何らかの政策文書に反映されるというようにしてほしい。
  • 気候変動の影響について、開発途上国が深刻ということも分かるが、日本の立場でみた場合どうかという観点がもっといるのではないか。
    →「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針」では、脆弱性の高い開発途上国における気候変動の影響は深刻であり、こうした影響の中には、食料輸入先国を通じた影響や海外渡航を通じた健康への影響の拡大など我が国にも影響を及ぼすものがあるという考え方であり、日本の立場が出発点となっている。
  • 先進国の中でもイギリスはデータをフリーで出しておらず、問題である。
  • 日本としては基本的にデータを公開することとし、安く使いやすい形で世界の標準化に従ったスタンスでいくべきでないか。
  • 多くの国が安全保障や外交政策のため、データをフリーに出すという慣例がなくなってきているが、日本としては人類益という観点から何を出さなければいけないのかという基準を明示するべき。
  • この関連において、海洋基本法や地理空間情報活用推進基本法の体系の下で地球観測情報がどうあるべきかについて言及すべき。

(4)その他

 次回、第10回地球観測推進部会は、4月下旬から5月初旬に開催して、「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針」について中間取りまとめを行うこととなった。また、第11回地球観測推進部会を8月に開催し、「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針」について取りまとめを行うこととなった。

お問合せ先

研究開発局海洋地球課地球・環境科学技術推進室

(研究開発局海洋地球課地球・環境科学技術推進室)