第2期地球観測推進部会(第11回) 議事録

1.日時

平成20年8月12日(火曜日) 15時~16時

2.場所

文部科学省 3F 2特別会議室

3.議題

  1. 「我が国における地球観測の実施方針」に基づく地球観測等事業の進捗状況のフォローアップスケジュールについて
  2. 「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針」(案)について
  3. 全球地球観測システム作業部会の設置について
  4. その他

4.出席者

委員

 澤岡部会長、石原部会長代理、今脇部会長代理、青木委員、岸田委員、久家委員、小池(勲)委員、沢田委員、杉本委員、瀧澤委員、鳥谷委員、西岡委員、深澤委員、藤谷委員、堀川委員、本藏委員、安岡委員

文部科学省

 田中大臣官房審議官、谷地球・環境科学技術推進室長、西山地球・環境科学技術推進室室長補佐、北野地球・環境科学技術推進室室長補佐ほか

オブザーバー

 原沢内閣府参事官(環境・エネルギー担当)

5.議事録

【澤岡部会長】
 ただいまより、科学技術・学術審議会地球観測推進部会の第11回の会合を開催いたします。大変暑い中、お忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。
 審議に先立ちまして、事務局のほうで人事異動がございましたので、ご紹介させていただきます。審議官と室長がおかわりになりましたので、それぞれ一言ごあいさつをお願いいたします。
 田中審議官、よろしくお願いします。

【田中審議官】
 7月11日付で文部科学省の研究開発局担当官房審議官を拝命いたしました田中正朗でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【澤岡部会長】
 谷室長、お願いします。

【谷室長】
 7月28日付で地球・環境科学技術推進室長を拝命いたしました谷と申します。大変お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。

【澤岡部会長】
 よろしくお願いいたします。
 また、5月30日付で横内委員が一身上のご都合で辞任されましたので、本分科会の委員は23名でございます。
 出席者の確認を、事務局のほうでお願いいたします。

【谷室長】
 本日は青木先生、石原先生、今脇先生、岸田先生、久家先生、小池先生、澤岡先生、沢田先生、杉本先生、瀧澤先生、鳥谷先生、西岡先生、深澤先生、藤谷先生、堀川先生、本藏先生、安岡先生、以上17名にご出席をいただいておるところでございます。過半数に達しておりますので、部会としては成立ということでございます。
 また、本部会につきましては、部会の運営規則により公開とさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

【澤岡部会長】
 それでは、引き続き事務局より、本日の資料の確認をお願いします。

【谷室長】
 議事次第に全体の配付資料を書いてございますけれども、本日は6種類の資料をお手元にお配りさせていただいております。
 資料1でございますけれどもA4横の1枚物で、「我が国における地球観測の実施方針」の作成スケジュールについてというものがございます。
 続きまして資料2でございますけれども「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針」(案)、左端をホチキスでとじたやや大部のものでございます。
 それから資料3でございますが、全球地球観測システム作業部会の設置について(案)、これは両面で1枚でお配りしてございます。
 参考資料が3種類ございますが、参考資料1、G8の北海道洞爺湖サミットの首脳宣言文でございます。英文のものと日本語仮訳を一体に取りまとめたものを、お手元にお配りしてございます。
 また参考資料2でございますが、G8の科学技術大臣会合の議長サマリー、これも同様に本文・仮訳として、お配りしてございます。
 それから「平成19年度の我が国における地球観測の実施方針」に基づく地球観測等事業の進捗状況のフォローアップというものを、参考資料3としてお配りしてございます。
 資料の不足などありましたら、随時お申し出いただければと思います。
 以上でございます。

【澤岡部会長】
 では、審議に入らせていただきます。
 本日は、まず、「我が国における地球観測の実施方針」に基づく地球観測等事業の進捗状況のフォローアップのスケジュールについて説明いただき、その後「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針」(案)を審議いただきまして、本日決定させていただきたいと思います。最後に、全球地球観測システム作業部会の設置について、その是非についてご検討いただき、審議させていただきたいと思います。
 それでは議題1番目、「我が国における地球観測の実施方針」に基づく地球観測等事業の進捗状況のフォローアップスケジュールについて、事務局から説明をお願いします。

【谷室長】
 それでは資料1と参考資料3で、資料1を中心にご説明させていただきたいと思います。
 資料1で、特にまず左半分でございますけれども、これまで地球観測の推進戦略、それから推進戦略に基づいて実施方針、実施計画といったものを取りまとめて毎年度事業を進めてまいったところでございますが、全体の流れを少し実態に即したものに修正させていただきたいという趣旨でございます。
 大きくは2点ございます。まずその2点についてざっくりとご説明をさしあげますが、左側が19年度の実施方針から20年度の実施方針に向けた流れということで書かせていただいておりますが、中ほどにございます平成19年7月、平成20年度の「在り方」の策定というものがございますが、これは従来「在り方」「実施方針」「実施計画」という3本の形で事業の推進をしてまいったところでございますが、「在り方」と「実施方針」につきましては基本的な年度の考え方を示すものでございまして、かなりの部分重複があるといった指摘もございましたところ、「在り方」については「実施方針」の中に全部溶け込ませて一本化させていただいてはどうかというのが1点目でございます。
 それから2点目でございますけれども、「在り方」の次に、平成19年8月、総合科学技術会議の環境PTが、19年度の「実施方針」に基づいて実際の進捗状況のフォローアップをいたします。それを8月に取りまとめたものが参考資料3でございますけれども、19年度の実施方針に基づくフォローアップということでございますけれども、実際にはフォローアップのタイミングが8月ということでございまして、年度が始まってから4カ月、例えば新規の事業でありますとまだ始まっていないというようなこともあり得るというようなタイミングでフォローアップをするというので、なかなか実態としては難しいところがございます。したがいまして、実際にフォローアップをするタイミングは年度が終わった後にさせていただきたいというのが、変更点の2点目でございます。
 ざっくりと申し上げましたけれども、少し詳細に時系列に沿って申し上げますと、これまでの進め方ですと夏に概算要求等の動きも踏まえつつ翌年度の実施方針というものを策定いたします。続きまして翌年度といいますか、具体的に19年度で申し上げますと、年度が始まる前に具体の予算もほぼ確定している状況でございますので、それを踏まえて具体の各省庁の施策を取りまとめた実施計画を策定いたします。
 先ほど申し上げましたけれども、「在り方」それから「実施方針」というものを議論していくわけでございますけれども、その中で夏に次の「実施方針」を決めていくに当たってフォローアップをする必要があるということで、従来を申し上げますと「実施方針」「実施計画」それからフォローアップをして次の「実施方針」につなげていくということで、プラン・ドゥー・チェック・アクション、PDCAのサイクルを非常に強く意識した形で進めてまいったところでございますけれども、先ほどから申し上げておりますとおりフォローアップがなかなか実態に即してやるには少し時間が十分でないという点がございまして、これを年度終了後にフォローアップを行うという形で改めさせていただきたいということでございます。
 今後の進め方で、右半分をごらんいただきたいと思いますけれども、これまで「実施方針」をご議論いただいてまいりましたけれども、21年度の「実施方針」の策定を今回夏にさせていただきたいということでございます。
 21年度の「実施計画」については年度が始まる前の年明け、2月めどと書いておりますけれども2月から3月にかけて、21年度の「実施計画」をきっちり策定させていただく。それを「実施計画」に沿って各府省が施策を進めていくわけでございますけれども、21年度の5月めど、年度が終了した後に20年度の「実施方針」に基づく施策のフォローアップを行って、それを踏まえて次の「実施方針」につなげていくという流れにさせていただきたいというものでございます。
 ただし、フォローアップのタイミングが年度明けになりますことから、21年度の「実施計画」への流し込みといいますか、20年度の「実施方針」のに基づく施策のフォローアップをした結果、すぐ21年度の事業の中に反映をしていく必要があるという事項が出てくる可能性がございます。その場合には、既に策定済みになっているわけでございますけれども、21年度の「実施計画」を見直すといったような形で機動的に対応させていただきたいということで修正させていただければということで、全体のスケジュールとしては新しく右側に書いておりますような形で進めさせていただければと考えておるということでございます。
 ご説明は以上でございます。

【澤岡部会長】
 それでは、このことにつきましてご意見などございましたら、お願いします。
 問題があるとすれば、少し期間があき過ぎて、緊急の課題が出てきたときにどのように見直すかということだと思うんですが、それは運用上でできるということですね。

【谷室長】
 運用という面もございますし、5月にフォローアップの部会を開いてフォローアップをしていただきますので、これは21年度の「実施計画」に盛り込むべしというご議論をいただければ、細かい文言をどうするかとかいった点はございますけれども、計画への反映というのはこの場でご議論をいただいて反映できるものと考えております。

【澤岡部会長】
 特にご意見がなければ、今年度以降このような形で進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは先に進ませていただきます。
 議題の2番でありますが、「平成21年度の我が国における地球観測の実施方針」(案)について、事務局より説明をお願いします。

【谷室長】
 それでは資料2、それから参考資料1及び参考資料2に基づいて、ご説明をさせていただきます。
 21年度の地球観測の実施方針(案)でございますけれども、本実施方針でございますが、前回5月12日に開催されました本部会においてご審議いただいております。6月23日の段階で、一旦中間取りまとめとして取りまとめをさせていただいたところでございます。
 前回の部会でもご説明させていただいておると思いますが、本実施方針は、7月に洞爺湖サミットが開催されるということで、まさに気候変動問題が主要なテーマとなるということは明らかでございましたので、サミットにおける議論を踏まえて必要な修正を行うということで最終の取りまとめをさせていただきたいということで、進めさせていただいております。
 したがいまして、本日配付させていただいております実施方針(案)でございますけれども、洞爺湖サミットの宣言文等を踏まえまして修正を行い、各省の協議も済ませた上、取りまとめをさせていただいたものでございます。本日はこの案で、先生方にご審議をいただきたいと考えております。
 具体的な中身に入ります前に、参考資料を配らせていただいておりますので、そちらをごらんいただければと思います。
 参考資料2からごらんいただければと思います。これはG8サミットに先立ちまして6月15日に行われましたG8の科学技術大臣会合の議長サマリーでございます。英語の本体の後に日本語の仮訳をつけておりますので、そちらを見ていただければと思います。本会合でございますが、G8の洞爺湖サミットへの適切なインプットを行うということを目的に開催されたものでございます。
 大きく3つの議題について議論がされてございまして、地球規模課題の解決に向けた国際協力による取り組み、サブタイトルで低炭素社会の実現に向けた研究開発というものが1点目でございます。2点目がアフリカ等の開発途上国との科学技術協力。3点目が研究開発リソースにおける協力ということで議論が行われました。
 特にこの中で地球規模課題の解決に向けた国際協力による取り組みという1点目につきまして、主に温暖化の主要因でございます二酸化炭素の排出を削減するための技術開発といったところが重点的に書かれておるわけでございますけれども、それと呼応しまして、温暖化に適切に対応するためにはしっかりとした地球観測、予測が必要という観点から、パラグラフで6ポツと振っておるところがございますが、「気候変動のメカニズムを明快に理解することを可能とする観点から、最新の科学技術を用いた全地球観測、予測、データ共有の重要性が指摘された。我々は、国連の専門機関プログラム(WMO、UNEP、IPCC)及び全球地球観測システム(GEOSS)を通じて、努力を積み重ねることをコミットした。」とされておるところでございます。
 主要部分だけご紹介を申し上げますが、続いて参考資料1をごらんいただければと思います。参考資料1は、7月7日から9日にかけて行われました洞爺湖サミットの首脳宣言文でございます。特に気候変動部分だけ、抜き書きしたものでございます。
 こちらの首脳宣言文でございますが、主に二酸化炭素の排出目標と、そのための削減技術の開発などが中心として記述をされておるところでございますけれども、その中において、地球温暖化に伴って適切に対応していくためにはしっかりとした地球観測、予測が必要という観点から、日本語の仮訳で31ポツのパラグラフ、「地球観測データに対する需要の増大に応えるため、我々は、優先分野、とりわけ気候変動及び水資源管理に関し、観測、予測及びデータ共有を強化することにより、国連専門機関の事業を基礎とした全球地球観測システム(GEOSS)の枠内の努力を加速化する。我々はまた、地球観測における開発途上国のキャパシティ・ビルディングを支援するとともに、相互運用性及び他のパートナーとの連携を促進する。」という文章が盛り込まれたところでございます。
 以上が参考資料のご説明でございますけれども、大きく2つの文章を踏まえまして、本日ご議論いただきます実施方針(案)に両文章について新たに言及をつけ加えたところでございます。
 修正箇所について順次ご説明をさせていただきますので、資料2をごらんいただければと思います。前回のところから修正したところに色をつけて、赤いところは削除、青いところが追加ということで、作らせていただいております。
 資料の2ページでございますけれども、これは若干の語句の修正でございまして、特段内容としては大きな変更はございません。
 それから3ページから7ページにつきまして、この部分が中間取りまとめにおいて、今後の進捗を踏まえて適宜修正を行うということで、サミットの文書等を踏まえて修正をさせていただいているところでございます。
 大きく2点ございまして、1点目は洞爺湖サミット等成果文書の表現を盛り込んだということが1点ございます。
 それからつけ加えて、少し違う観点でございますけれども、中間取りまとめの時点では全体の構成といたしまして、まず第1章として検討の背景及び目的というふうにさせていただき、続いて、基本的な考え方というふうに章立てをさせていただいたところでございますけれども、若干検討の背景及び目的のうち、検討の目的といったところと基本的な考え方に重複した部分が相当ございましたので、これは検討の目的の部分について基本的な考え方のほうへ入れ込んで、統合的に書かせていただいたというのが2点目の修正でございます。
 少し具体的に申し上げます。項目立てでございますけれども、1の検討の背景及び目的は、「1検討の背景」という形にさせていただいております。検討の目的を削除いたしまして、2の「基本的な考え方」に入れ込んだということで、その上で1の「検討の背景」のところに洞爺湖サミットの首脳宣言文の関連部分等を入れてございます。
 具体的には3ページの下から4ページの頭にかけて、科学技術大臣会合の議長サマリー、それから洞爺湖サミット首脳宣言文の関連部分を、最新の動向という形で追記をさせていただいたところでございます。
 それから、5ページから始まります基本的な考え方でございますけれども、「(1)気候変動の影響に対する適応のための観測ニーズ」につきまして、これはもともと検討の背景及び検討の目的にあった表現を、こちらに統合したものでございます。少しわかりにくくなっておるかと思いますけれども内容といたしましては、検討の目的のほうから入ってきたものを統合的に書くということで、修正をさせていただいたものでございます。大きく趣旨を変えるものではないと理解をしてございます。
 また、6ページの「(2)開発途上国の能力開発」についても、同様の修正を行っております。
 特に、若干申し上げるべき点があるかといいますと、中間取りまとめの案で、気候変動の適応または緩和などの地球規模課題に関し、開発途上国の能力開発を含めという書きぶりになっておりました。気候変動の適応または緩和というふうに書いておりましたけれども、専ら実施方針は地球観測ということに焦点を当ててございますので、「観測技術等に関し開発途上国の能力開発を含め」という形に少し修正をさせていただいており、6ページ以降でございますけれども、3として具体的方策を書かせていただいておりますけれども、これは若干の語句の修正ということで内容的な修正はございません。
 説明としては、雑駁でございますが以上でございます。

【澤岡部会長】
 どうぞ、お気づきの点、ご意見など、お願いします。
 どうぞ、西岡委員、お願いします。

【西岡委員】
 質問ですが、先ほどの表題のところで、適応又は緩和のための観測ニーズということで、「又は緩和」というのは外したのですけれども、GOSATはどこに入るのでしょうか。GOSATは適応のための観測ニーズとは基本的に考えられない。どこかに書かれているならば、そこに入っていると言っていただければいいのですが。

【谷室長】
 基本的な考え方といたしましては、GOSATにつきましては特に大気中の二酸化炭素の濃度分布をより精緻に測定するということで、排出あるいは吸収の分布というのがわかるのではないかと期待をされておるところでございまして、基本的には緩和というよりは観測というところが中心になるということだと理解をしております。

【北野室長補佐】
 今、先生の言われていた適応又は緩和のための観測ニーズは、5ページの(1)のところの、おそらく「又は緩和」というところが消えているということだと思いますけれども、ここはもともとの文章の中に緩和のために役立つというような内容がなかったもので、中身と題名を合わせるという形で消しております。
 GOSATにつきましては、もともと第2章の地球観測の基本戦略に基づく地球観測等事業の推進の中で連携施策として入っておりますので、10ページの下のほうの5というところでGOSATという言葉が入っておりますが、先生がおっしゃるとおり緩和のための観測ニーズというところも求められているというのであれば、ここの(1)の文章の中で、緩和のことも求められているという内容を書く必要があるのかなと思います。

【澤岡部会長】
 文章を修正したほうがいいとお考えですか、それともこれでいいとお考えですか。

【北野室長補佐】
 もともと中間取りまとめでいただいた文章にのっとりますと、やはり題名として、ここに適応のために観測が今求められているということが書いておりますので、それに合わせた形で題名を直しております。ですので先生方のほうで、やはり緩和のための観測ニーズというのが高まっているので書く必要があるということであれば、(1)のところに緩和のための観測ニーズも高まっているということを書かせていただいて題名も直すというふうにさせていただければと思います。

【安岡委員】
 よろしいですか。

【澤岡部会長】
 どうぞ。

【安岡委員】
 今の緩和という言葉ですけども、7ページの(3)具体的方策の部分で、緩和という言葉を加えられています。基本的な考え方に基づいて具体的な方策が多分出てくるんだろうと思うんですけども、3の(3)で緩和が加えられて、2の(1)で緩和が取られたというのは、何かこれは特別な理由がございますか。

【北野室長補佐】
 こちらの7ページの(3)のところは、開発途上国への能力開発として適応策、緩和策の強化をやっていくという話でして、こちらの5ページのところは観測ニーズがどちらにあるかという話なので、若干話が違うところなのかなと思います。

【安岡委員】
 わかりました。

【澤岡部会長】
 西岡委員は、こうしたほうがいいというご意見はございますか。

【西岡委員】
 今ぱっと見て、第1章というのは影響の監視・予測であるから、1章のところには基本的に緩和の話はまず入らないのかなと思って見ておって、そしてそうなると2章へどこか入り込むのかなと。だけど全体を見直しても、1章は既にはっきりした気候変動、はっきりしたといいましょうか、連携拠点がつくられている気候変動の影響というところに重点を置いて書いていただいていて、それはそれで結構で、第2章はむしろそのほかのことも全部含めたという形になっている。とすると、第1章がもし影響ということを強調して書こうとするのだったら、むしろこれは第2章のどこかに入れ込むのが文章上の扱いとしてはいいのではないかなと思います。

【澤岡部会長】
 今のご指摘の点は、ここにこういう文言を入れるということが今すぐにちょっと決めかねますので、頭を冷やして何度も声を出して読んでどこに今の工夫をしたらいいか考えさせていただきたいと思いますので、ご指摘の点はよくわかりました。どこにどのような文言を入れるかについては、今すぐ決めかねますので、修正についてはよく考えさせていただきたいと思います。ご指摘の点については、どこかに反映させていただきたいと思います。事務局はそういうことでいいですか。

【谷室長】
 結構でございます。

【澤岡部会長】
 ほかにございませんか。
 それでは、ご指摘は今の点1カ所でありますので、これにつきましては部会長にお任せいただきまして、よく事務局とも相談の上、整合性をとって、何らかの形で皆様にお知らせさせていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
 それでは、本部会としてこの実施方針は、ただいまのことを条件にお認めいただいたとさせていただきたいと思います。
 今後の扱いでありますが、今月の29日に研究計画・評価分科会に報告いたします。それから9月上旬に開催されます科学技術・学術審議会の総会でも報告させていただきたいと思います。
 そのような手続で部会としては、部会が決定権を持っておりますので、ただいまの条件付で決めたとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 次に、3番目の議題でございます。全球地球観測システム作業部会の設置につきまして、ご提案がございます。事務局より説明をお願いします。

【谷室長】
 それでは資料3に基づきまして、ご説明させていただきます。全球地球観測システム作業部会の設置についてでございます。
 ご案内のとおりでございますけれども、地球観測推進部会は平成16年に総合科学技術会議において取りまとめられました地球観測の推進戦略に基づいて設置された審議会でございます。また、地球観測の推進戦略につきましては、その当時国際的に進められておりましたGEOSS10年実施計画と整合性をとった形で検討が進められておりました。
 したがいまして、我が国における地球観測の全体の総合調整を行うという役割を担っていただいております本部会は、GEOSSに向けた我が国の方針を定める場という形の役割もございます。
 これまでも既に類似の議論が行われておりまして、GEOSSにおける議論を本部会においてご報告させていただいたりしてきておりますけれども、現在 GEOSSにおきましては、GEOSS10年実施計画における目標の見直し、ターゲットの見直しをしておるところでございます。また、データ共有原則の策定についても議論が進行中でございます。2009年から2011年の次期GEOの作業計画についても議論が始まりつつあります。こういった形で、 GEOSSの推進のため中身の議論が非常に活発になってきておるところでございます。
 こういった背景を踏まえまして、我が国のスタンスを明確にして効果的にGEOSSの推進に我が国がインプットしていくということで、しっかり貢献していけるように関係省庁を含めて有識者と検討していただく場を設けたいというのが、今回の作業部会の設置の問題意識でございます。
 本作業部会につきましては部会のほうでお認めいただけましたら、配付しております資料にございます検討事項を中心に、GEOSSの本会合であるとか、執行委員会、また柴崎先生に共同議長を務めていただいております構造及びデータ委員会などの開催に応じて、しかるべきタイミングでご議論をいただけるように適宜開催をしていきたいと考えておるところでございます。
 説明のほうは以上でございます。

【澤岡部会長】
 資料3について、今の部会のご提案が認められれば具体的にはこういう形で実施したいということでありますが、資料3についてのご説明は後ほどいただけると……。

【谷室長】
 すいません、ちょっとはしょってしまいました。資料3のほうでございますけれども、ざっとご説明をさせていただきたいと思います。
 設置の趣旨は、先ほどざっくり申し上げました問題意識と大体かぶりますので省略をさせていただきますけれども、2ポツの検討事項として4点ほど具体的に挙げさせていただいております。
 1点目はGEOSS10年実施計画の推進に係る我が国全体の取り組み方策ということで、実施計画につきましても目標の見直しということで議論が行われておりますので、我が国としても見直しに応じてどのように取り組んでいくのかということも考えていく必要があるであろうということが1点目でございます。
 それから2点目の我が国に関連したタスクの進捗把握ということで、全体の実施計画の進捗状況に応じて我が国の取り組みについてもフォローアップしていただくということが2点目でございます。
 3点目でございますけれども、データ共有原則の実施ガイドラインということで、データ共有原則は柴崎先生に議長をしていただいております構造及びデータ委員会で議論をされておりますけれども、データ共有原則についてガイドラインをきっちり議論していただきたいというのが3点目でございます。
 4点目は、ややばらばらと行われますがGEOに関連する各会合の対応方針について、適宜ご審議をいただきたいというものが検討事項の4点目でございます。
 設置の期間は、設置された日から21年1月31日までとさせていただきたいと思っております。
 作業部会の構成でございますけれども、委員、臨時委員及び専門委員につきましては部会長の指名によるものとするということが1点目でございます。
 また、主査を置いて、委員のうちから部会長が指名をしていただくということで、いかがでしょうかということでございます。
 主査は会務を掌理するということと、それから主査の代理を指名いただくということでございます。これは主査のほうから指名をしていただくという形にしております。
 その他でございますけれども、庶務は地球・環境科学技術推進室のほうで処理をさせていただくということでございます。
 個別の部会の運営につきまして、細かいところも含めて書かせていただいておりますけれども、作業部会の設置の簡単な紙だけつくって、また別途運営要領を書かせていただくというのはやや事務が煩雑になりますので、形式的でございますけれども作業部会の設置と、紙の中にそういった委員会の構成であるとか事務の運営についても書かせていただいております。
 資料3は以上でございます。

【澤岡部会長】
 質問、ご意見など、ございませんか。
 どうぞ、西岡委員。

【西岡委員】
 設置期間とありまして、来年1月までということなんですが、この間に全部の作業を終えてしまうということですか。それとも恒常的に行っているけれども委員の任期がそうだということなんですか。ちょっと教えていただきたい。

【北野室長補佐】
 後者でございます。委員の任期が1月31日までとなっておりますので、一応ここまでで切らせていただいております。

【澤岡部会長】
 我々本部会の任期が1月末でございますので、合わせたということですか。

【谷室長】
 そうでございます。

【澤岡部会長】
 その後、次の部会において、また更新していくという格好になるのではないかと思います。
 ほかにございませんか。それではこのような形で決めさせていただきまして、委員の構成などにつきましても部会長が指名するということになっておりますので、関係者とよくご相談の上、進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 本日は1時間半程度の時間を予定しておりましたが、今35分でございます。地球観測推進部会に関することで、何かお気づきの点とかご意見などございましたら、この機会にぜひよろしくお願いいたします。

【小池(勲)委員】
 じゃ、一つ。

【澤岡部会長】
 どうぞ、お願いいたします。

【小池(勲)委員】
 先ほどの資料2の平成21年の地球観測の実施方針で、これは総合科学技術会議でこの議論を行ったときに、地球観測を主にターゲットとしてやる地域としてアジア・オセアニア、その他を選んで、アフリカは入っていなかったのですが、これはその後のことでアフリカをかなり強調して書いています。でも、なぜアフリカかの理論づけが何かいまいちはっきりしません。
 例えばここに書いてある観測の空白点で、おそらく衛星以外で実際にアフリカにおいて観測をやられているというのは非常に日本の場合は少ないと思います。ですから何かもう少しロジックをうまく立てないと、アフリカを観測で入れていくというところが中々うまく行かないような気がします。

【谷室長】
 アフリカにつきましては今春TICAD4が行われて、総理のリーダーシップもあって、アフリカとの科学技術を通じた協力を強化していくというような方向性が打ち出されたところでございまして、そういった動きを踏まえまして、アフリカというのを明記させていただいております。
 ただ、小池先生のご指摘のとおり、アジア・オセアニアというのがまずあるんじゃないのかということでございますが、基本的にはそういう認識でございます。まずアジア・オセアニアというのを中心に。特に日本に対する影響とかいったことを考えましたら、優先順位としては当然アジア・オセアニアなんだろうなということでございます。
 ただ、アフリカというものを全く言及しないということは、全体の今の政府の方針からいってもやや不十分ということになるかなというところがございまして、アフリカというところも明記させていただいたところでございます。
 ただ、ご指摘のとおり、そこは優先順位というのは当然あるものと認識しておりまして、具体的に我々の施策の展開の中でも、アフリカにまで手が伸ばせるかというのはなかなか実はつらいところもございまして、各省で連携をする中で、アフリカにも何とかというところを期待しておるところでございますけれども、事業の展開でもそういった面ではご確認いただけるものと考えております。

【小池(勲)委員】
 ちょっとよろしいですか。

【澤岡部会長】
 はい。

【小池(勲)委員】
 ここの6ページに書かれているいわゆる科学技術外交の観点からアフリカというのを強く取り上げるということは、多分良いと思います。ですけども科学技術外交の中身として地球観測を日本としてそこで強化するところまでいけるかどうかですよね。だからその辺はやはり日本のいろいろな実力とうまく兼ね合わせて、科学技術外交という面でなら多分日本は協力できるでしょうけども、それを特に地球観測という観点まで限定して見るのは少し厳しいかと思います。だからその辺で多分優先順位がついてくると思います。
 この書き方で私はいいと思いますが、今までアフリカというキーワードはあまり出てこなかったのに今年から取り上げて上げていますよね。ですから何かそこにアフリカを入れていかなければいけないというものが、この中でうまく説明することが必要ですと言うのがコメントです。

【澤岡部会長】
 JST科学技術振興機構のほうで実際に予算化して、アフリカも取り上げるという話が出ていましたが、何か具体的に何件かテーマが今出てというか、少し動きがあるんでしょうか。

【谷室長】
 今、具体的には審査のプロセスの途中にございまして、アフリカに関連する案件もたしか出てきていたと認識しております。ただ、全体の玉の磨かれ状況といいますか、そういうもので基本的には判断されていきますので、当然アジア、オセアニア、それからアフリカ、それぞれどこにフォーカスしているかというのはそれぞれ応募してきている案件で違いがあるわけでございますけれども、建前だけ申し上げれば、非常に玉としてよく磨かれているものであればアフリカであっても当然選ばれるということが期待されるということでございまして、そこはどのくらい玉が成熟したものになっているかということになろうかと思います。

【澤岡部会長】
 ほかに何かご意見はございませんでしょうか。
 どうぞ、石原委員。

【石原部会長代理】
 意見というよりも質問ですが、今度の洞爺湖サミット首脳宣言を見ますと、優先分野の中にとりわけ気候変動及び水資源管理とありますが、こちら地球観測の実施方針のほうを見ると水資源管理が必ずしもはっきり見えませんが、日本としては水資源管理ということに関して何らかの取り組みというのは考えられるのでしょうか。

【谷室長】
 ご指摘のとおり水資源管理と明確に書かれておりますので、これは申し上げるまでもありませんけれども、気候変動が及ぼす影響で非常に多岐にわたるわけですけれども、その中心的な議論としては水への影響ということが心配というか懸念をされているところでございます。
 水資源管理につきましては従来からいろいろなレベルで取り組みがされておりまして、文部科学省としても来年度の事業として何か新しいものというか、新たな取り組みができないかなということで、今議論をしておるところでございます。

【北野室長補佐】
 水資源管理につきましては、実施方針の中にも7ページに(4)といたしまして、気候変動への対応として求められる具体的取り組みというものをまとめておりますが、その中で気候変動の影響が顕著にあらわれる分野への取り組みとして、洪水や渇水等の被害軽減のための水循環把握の強化など、水資源管理のことに触れておりますので、こういったところで対応していくものと考えております。
 我々としても水資源の重要性というのは考えておるところでございます。

【澤岡部会長】
 石原委員、よろしいですか。

【石原部会長代理】
 はい。

【澤岡部会長】
 ありがとうございます。
 時間が大変早いですがそろそろ閉じたいと思うんですが、よろしゅうございましょうか。では、本日は大変どうもありがとうございました。
 多くのご意見ありがとうございました。それでは、事務局のほうでアナウンスがございましたら、お願いいたします。

【谷室長】
 現在のところ次回の開催は未定でございますが、開催させていただく時期が参りましたら、また調整をさせていただきたいと思います。
 それから先ほど作業部会の設置をお認めいただきましたけれども、部会長のほうから各委員の先生方に作業部会の委員になっていただきたいということで、また個々にご連絡させていただく形になると思いますけれども、その際はぜひ快くお受けいただきますように、あわせてお願いを申し上げます。
 以上でございます。

【澤岡部会長】
 どうぞよろしくお願いいたします。
 これをもちまして、第11回会合を閉じたいと思います。
 本日はありがとうございました。

‐了‐

お問合せ先

研究開発局海洋地球課地球・環境科学技術推進室

(研究開発局海洋地球課地球・環境科学技術推進室)