第3期地球観測推進部会(第2回) 議事録

1.日時

平成21年6月2日(火曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省3F2特別会議室

3.議題

  1. 平成22年度の我が国における地球観測の実施方針について
  2. その他

4.出席者

委員

小池(勲)部会長、大垣部会長代理、青木委員、井上委員、小池(俊)委員、杉本委員、高薮委員、瀧澤委員、深澤委員、藤谷委員、堀川委員、本蔵委員、安岡委員、和気委員、渡邉委員

文部科学省

田中大臣官房審議官、谷地球・環境科学技術推進室長、西山地球・環境科学技術推進室室長補佐、石川地球・環境科学技術推進室専門職

オブザーバー

原沢内閣府参事官

5.議事録

【小池(勲)部会長】
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会地球観測推進部会の、第2回会合を開催したいと思います。本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
 まず初めに、事務局より出席者の確認をお願いいたします。

【谷室長】
 おはようございます。本日、寶先生、中静先生、沢田先生がご欠席と聞いております。出席15名で、過半数に達しておりますので部会は成立ということでございます。また、本部会は、部会の運営規則により公開とさせていただきますので、ご了承いただきたいと思います。

【小池(勲)部会長】
 それでは、議事に入る前に事務局より資料の確認をお願いいたします。

【事務局】
 お配りしております資料の束、議事次第、委員名簿とございまして、資料1-1「実施方針の検討にあたっての基本認識」という表裏の1枚紙。資料1-2「基本戦略に対する論点のポイント」、こちらも表裏の1枚紙となっております。資料1-3「分野別の論点のポイント」という7ページの資料。資料2としまして「今後の進め方について」という1枚紙がございます。
 参考資料として、「実施方針の検討の進め方について」という表裏の1枚紙、参考資料2として「『地球観測の推進戦略』の概要」、参考資料3として、「平成21年度の我が国における地球観測の実施計画」がございます。
 さらに、委員の皆様のお手元には、机上配布資料としまして、今回、実施方針の検討に当たって委員の皆様方にご協力いただいて実施しました調査結果についてお配りしております。
 以上でございます。

【小池(勲)部会長】
 はい、ありがとうございました。本日はお手元の議事次第にありますように2件の議題を用意しております。終了時刻は12時を予定しております。
 まず初めに、議題(1)「平成22年度の我が国における地球観測の実施方針について」です。これに関して、事務局のほうから実施方針の基本的な進め方についてご説明をお願いいたします。

【谷室長】
 若干、おさらいになりますが、参考資料の1をごらんいただきたいと思います。地球観測の実施方針につきましては毎年度、策定しているわけですが、平成22年度からは少しやり方を見直しました。3月に第1回の地球観測推進部会を開催いたしまして、21年度の「実施計画」を取りまとめていただいたところでございます。22年度につきましては、5月から7月にかけて「実施方針」の検討をし、7月、あるいは8月上旬になるかもしれませんが、22年度の実施方針を確定させるということで現在、ご議論をお願いしているということでございます。
 この検討に当たりましては、総合科学技術会議で20年度の実施計画のフォローアップがなされておりますので、このフォローアップのインプットを踏まえてご議論をいただく。また、関係府省庁・機関の各部署で行われます観測にかかる事業ですとか研究開発につきまして、関係各府省庁・機関からのインプットも含めてご議論をいただくということでございます。
 本日は、22年度の実施方針の検討の中では第2回目に当たります。前回、先生方から基本的な方向性についてのご議論をいただくとともに、各委員から重要課題と考えられるものは何かということについてヒアリング、それから書面でご意見をいただいているところでございます。
 本日は、いただきましたご意見を事務局のほうで取りまとめましたので、それをご報告させていただきまして、ご議論をいただき、さらに、次回の議論につなげていきたいということでございます。
 それでは、資料1-1でございます。まず、全体のつくりをご紹介させていただきます。資料1-1は「地球観測の実施方針の検討にあたっての基本認識」ということでございまして、これは、最終的な実施方針のイメージとしては、前段の基本的な考え方に当たる部分ということでご理解いただきたいと思います。
 また、資料1-2でございますけれども、「地球観測の基本戦略に対する論点のポイント」ということで、これは「地球観測の推進戦略」書かれております利用ニーズ主導、それから、国際的な観点についてまとめております。これが基本的な考え方の次に来る基本戦略でございます。
 それから、資料1-3、これは前回の部会から本日に至るまで先生方からちょうだいしたご意見を整理させていただいもので、これが具体的な取り組むべき方向及びその課題という形になるというふうにご理解いただきたいと思います。
 では、順を追って、まず資料1-1についてご説明させていただきます。これは、大変恐縮でございますが、「案」というのがついておりませんけれども、事務局のほうで先生方からちょうだいした意見、これまでの議論を踏まえまして整理をさせていただいたものでございます。これについては、まだまだブラッシュアップしていく必要があり、ご意見をちょうだいしたいと思っておりまして、「案」ということでお願いしたいと思います。
 具体的な内容でございますけれども、まず、最初にIPCCの第4次評価報告書やG8北海道洞爺湖サミットを引きまして、地球温暖化への対応が世界的な政策課題であるということ、それから、地球温暖化の緩和策のみならず、適応策についても対応が必要であるということを書かせていただいております。
 その中で、地球温暖化に伴う環境変化をきちんと把握するという観点で、またその予測、さらに対策への寄与ということでも地球観測の役割はますます重要ということの位置づけをしてございます。また、いろいろな対策を講じていくわけでございますが、その効果の評価や検証、そういった観点からも地球観測が重要であると書いてあります。
 次のパラグラフですが、まず、水の問題について書いてあります。既に水の問題については、世界でも非常に大きな問題になっているということ。さらに、地球温暖化がその水の問題を悪化させる方向に働くということで、水問題の取り組みが必要ではないかということが書いてあります。
 また、生態系についても特出しをしてございます。地球温暖化の影響は既に顕在化しているということと、その影響が加速するというふうに見られるということから、生態系についてモニタリングが重要であるということ。特に開発途上国については十分な観測体制が整っていないということを書いてあります。
 続きましては、大気汚染物質が、1つのキーポイントになろうかということです。これは、いわゆる大気の環境保全ということでございますけれども、地球温暖化との関係でも微量の温室効果ガスの大気寿命に重要な影響を及ぼすということがございますので、気候変動という観点からも重要なポイントであるということでございます。
 また、気候メカニズム等の科学的な解明や、現象をよく知ることが必要ということをさらに次のパラグラフで書いてあります。
 最後に、観測データの共有。これは分野を横断してということでございますけれども、分野を横断した取り組みが必要である。データの統融合といった共通的な課題にも取り組む必要があるということを書かせていただいております。
 これは、内容といたしましては、先生方からちょうだいいたしましたご意見、推進戦略を踏まえて、また、推進戦略の中にあります5つの重要なニーズということも含めて事務局のほうで整理をしたものでございまして、内容的にこれで十分かどうか、つけ加えるべきものがないかどうか、また、書きぶりについてもご議論をいただければと思っております。
 まず、資料1-1は以上でございます。

【小池(勲)部会長】
 はい、ありがとうございました。今回の議論は平成22年度の地球観測の実施方針をつくるということですけれども、今ご説明をいただきました資料1-1は、それの冒頭に当たる部分というふうにお考えいただきたいと思います。これまでの議論の中で、地球温暖化、気候変動、環境変動ということに、ある程度まとめて、書いていこうということになりましたので、そのような趣旨で書かれていると思います。
 何かこれに関して、書き方、細かいところでも結構ですけれども、こう変えたほうがいいのではないかというところがございましたらコメントをいただければと思います。いかがでしょうか。どうぞ。

【井上委員】
 内容については、非常に妥当な記述だと思いますが、進め方について何も触れなくてよろしいのでしょうか。実際に資料の1-2には、連携の話や国際的なことがありますけれども、ここには課題についてのみ記述されていて、進め方については何もないのですが、その点、いかがでしょうか。

【谷室長】
 ご指摘のとおり、課題を中心に書いているところがございます。資料1-2との書き分けの仕方はちょっと工夫させていただきたいと思いますが、いずれにしても推進の方針でございますので、進め方についても書き方を、具体的に書いたものを次回、素案という形でお示しをしたいと思います。その際には、進め方についても重要なポイントと考えられるものについて整理をしてお示ししたいと思います。本日のご議論の中でも具体的な進め方について、特にこういうことが重要であるので忘れずに書いた方が良いということがございましたら、おっしゃっていただければと思います。

【小池(勲)部会長】
 よろしいですか。

【井上委員】
 はい。

【小池(勲)部会長】
 まだ、資料1-2のご説明はいただいておりませんけれども、資料1-2のほうで、体制や進め方など、そういうことが示されているので、この基本認識をどういうふうにとらえるかですが、ここで課題を出しておいて、その次に書くのか、それは、書き方を少し工夫していただきたいと思います。
 ほかに何かございますか。これは、1ページちょっとで網羅的に書かなければいけないので、多分こういう書き方になってしまうと思います。1つは、生態系のところで、もう1つ、「生物多様性」というキーワードが入っていないので、生態系・生物多様性というのは常にカップルしていますので、それも入れておいていただきたいと思います。
 ほかになければ、今、これは最初の素案ですので、今の予定ですと、最終的にこれを決めなければいけないのは8月の初めくらいですか。

【谷室長】
 はい。

【小池(勲)部会長】
 したがって、まだ時間がございますので、全体の中を見て、こちらの基本認識をどういうふうに変えていくのかということもあると思いますので、そういう点で検討していただきたいと思います。
 それでは、次の資料1-2の基本戦略の考え方についてのご説明をお願いいたします。

【谷室長】
 では、資料1-2でございますが、これは地球観測の推進戦略に基本戦略として挙げられている「利用ニーズ主導」、また「我が国の独自性の確保とリーダーシップの発揮」、「アジア・オセアニア地域との連携強化」の3点にわたって関連する話を書くということで整理してございます。
 まず1点目の利用ニーズのところですが、地球観測の推進戦略の抜粋をそこに書かせていただいております。具体的には、「関係機関の協調、連携を強め、将来を見据えた長期戦略に基づく利用ニーズ主導の統合された地球観測システムを構築する必要がある」ということで、推進戦略の内容的には、各分野において連携拠点を整備することが書かれております。現在のところ、連携拠点といたしましては、地球温暖化の分野、地震・火山分野にそれぞれ連携拠点が整備されて連携の取り組みが進んでいるところでございます。
 黒丸でポイントを書かせていただいておりますけれども、取り組みとして特出しすべきものを書いてございます。1つは、分野によって取り組みの状況はさまざまであるが、「連携・データ共有などについて進んでいる分野を強化して成功事例を出していく」ということで、ほかの分野の連携・データ共有を促進していくということが必要ではないかということが1点目でございます。
 また、「課題の解決、シナジー効果を生むためには分野間連携が必要」ということですが、観測の長期継続の実現とかデータの流通という観点からは機関間の連携が必要であるということ。また、モニタリングや長期継続観測を可能とする体制の構築、モニタリングや長期継続観測の重要性を示す啓発活動の推進、観測資料・観測試料に関するデータベースの構築、データ流通の促進といったことについても触れております。
 連携拠点につきましては、現在、進んでいる取り組みについて今回の実施方針の策定の過程で、連携拠点からの取り組みについてもご紹介をいただきたいというふうに思っているところでございます。
 また、2と3、いずれも国際ということでまとめて書いてあります。まず、1点目はGEOSSの関係でございます。今現在、10年実施計画ということで推進が進んでおりますけれども、引き続きこれに取り組んでいく必要があるということ。また、まずはアジアでの協力を軸にしていくということ。その中では、アジア太平洋シンポジウムをGEOSSの活動の中でやっておりますので、このアジア太平洋シンポジウムというのを1つの契機とし、このシンポジウムを通じて世界に発信していくということも書いてあります。また、G8メンバーとしては、アフリカも含めて、途上国への支援ということが重要だということでございます。
 それから、最後は時期的なことを考えてということでございますが、生態系・生物多様性につきましては、来年度、名古屋でCOP10が開催されるということもありますので、これを念頭に置いて検討を進めることが重要であるということが書いてございます。
 資料1-2につきましては以上でございますが、今回、重要課題の絞り込みを念頭に作業をしてまいりましたので、先生方には特に、国際的な観点で、あるいは、利用ニーズについてどうか、連携拠点についてどうかという話を、特に明示的にお聞きしなかったということもございまして、いただいた意見を踏まえた形で書いてはおりますけれども、必ずしも、十分お聞きできなかったというきらいもございますので、本日が、そうしたことも含めてご議論をいただければありがたいと思っております。
 以上でございます。

【小池(勲)部会長】
 ここで3つ、基本的な戦略が書かれておりますけれども、初めの利用ニーズ主導というところでは、この部会を中心に連携拠点を一生懸命に推進してきていて、地球温暖化に関しては連携拠点が活動を進めているということです。また、地震と火山に関しては、これは既にまとめる組織がありましたので、その2つは地球観測という意味で連携拠点が動いているということになります。ただ、残りの分野がまだできていないということで、その必要性その他も含めてご議論をいただきたいと思います。
 初めに藤谷委員のほうから何か連携拠点の成功例、あるいは、今、抱えている課題などについて何かコメントをいただきたいと思います。

【藤谷委員】
 机上配布資料で、私のほうで5つくらい課題を出してございますが、そこでほとんどのことは言い尽くされております。今、資料1-2の1の利用ニーズのところで3つの項目がございましたけれども、我々は、この3つの項目は重要だということでヒアリングのときにも言わせていただきました。特に、2番目のところ、分野間連携と機関連携、両方の連携があるのですけれども、ここにございますように、やはり、何か課題をブレークスルーするようなものは分野間連携だろうと考えております。それから、そこにございますように、長期継続観測の実現につきましては、機関間連携だろうということで、同じ連携でも分野間連携と機関間連携では、それぞれ少し目的が違うと考えております。その辺を意識しながら、これからいろいろな連携施策を進めていこうと考えております。
 それから、3番目の項目にございますように、やはり、長期継続は非常に重要で、そのためには、もちろんこれは言い古されていることですが、予算と連携体制の重要性はもちろんですが、それ以外に、そこにも書いてありますが、啓発活動が非常に重要ではないかということです。これは、この資料を取りまとめる際に、推進委員会の先生方にもいろいろご意見をお聞きしたのですが、そこで出てきましたのが、長期継続をすることがどんなに重要か、そういうことの啓発活動をもっと進めなければいけないということでございました。それから、そこにございますようなデータベース、データ流通が重要であるとの意見もございました。
 それから、もう1つ言われましたのは、やはり、こういう長期継続にするためには、若手研究者を育成しなければいけないし、現地の観測をするためには技術的なサポート要員も必要であろう。そういうところについても目配りをする必要があるという意見が寄せられております。
 以上でございます。

【小池(勲)部会長】
 連携拠点の持つ意味、考え方、それから課題についてお話しいただきました。温暖化については、いろいろな省庁、あるいは研究者が関係していますので、その意味で連携拠点の存在がどうしても必要だということが前から言われていた分野です。地震・火山分野では、大分前からこういう活動をやられているとのことですけれども、本藏委員、何かこれについて簡単にコメントをいただきたいと思います。

【本藏委員】
 地震火山分野は、文科省に置かれております地震調査研究推進本部、それから、科学技術・学術審議会の中では測地学分科会、この2つが大きな機関であります。この2つが非常にうまく機能していると思っています。
 10年ぐらい前までは地震・火山もほかの分野と余り違いがなくて、各機関ばらばらであったり、データ流通が行われなかったり、データベースも、機関ごとには構築されていたけれども、その全体を取りまとめるようなシステムにはなっていなかったわけでありますけれども、この10年間ぐらいで急速に整備されて、国際的にもそうなのですけれども、今や、特に地震分野ではデータ流通はもう当たり前の世界で、いろいろな観測網をつくるときに、もう既にその中に流通ということも念頭に入って、初めからそういうふうにつくっています。今やデータ流通を問題にすることすらなくなってきている状況です。
 具体的には、地震調査研究推進本部の中に政策委員会というのがありますが、その中にデータ流通についてのワーキンググループ、あるいは、専門委員会等をつくっていろいろ整備してきたわけですが、今や、細かいところは残っていますが、ほとんど整備が終わりましたので、そういう組織は既に解散しています。ほかの分野も、やはり、機関の連携は極めて強力だと思うんです。役割分担を適当にしつつ、協力していくというシステムになれば、データ流通化は当然のことになってくるわけです。ですから、この地球観測推進部会の中でも、ほかの分野でもいろいろ困難はあろうかと思いますが、やはり、早く拠点を形成し、その拠点のもとで各機関が連携を強めるということになれば、ほかの分野でもさらにその利用ニーズ主導で連携が進むのではないかと思います。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 はい、ありがとうございました。今、2つの連携のやり方、考え方についてお話しいただきました。この地球観測の分野で、先ほど基本的な考え方が挙げられていました分野が全部で6つぐらいありました。それで、前から水循環、水に関しては連携拠点があったほうがいいのではないかという議論がここでずっとありましたけれども、それも含めて何かほかに連携拠点があったほうがいい分野、その他のご意見がありましたらお願いいたします。生態系多様性の分野というのはどうなんでしょうか。ここはどこが中心になって面倒を見ているということになりますか。

【安岡委員】
 生物多様性、それから生態系に関しては、やはり関係する省庁は非常に多いので、連携拠点を設ける意義は非常に大きいと思います。先ほど藤谷委員からもお話があったように、機関連携という意味で、長期継続的な観測をするという意味では必須だと思います。それから、生態系の問題はまだ解決されていない問題が多いわけですから、分野連携としての意味合いも非常に大きい。どこがそれを担うかというのはいろいろ議論があるかと思いますが、ぜひ、この委員会でその推進力を強めていただければと思います。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 はい。今、小池俊雄委員が来られました。来てすぐに聞くのはちょっと申しわけないと思いますが、今、連携拠点の話が出ておりまして、既に温暖化、地震・火山に関しては連携拠点ができています。次は水循環、水資源、水に関する連携拠点が必要ではないかという議論がございました。それについてどうお考えでしょうか。

【小池(俊)委員】
 この部会、あるいは、地球観測の推進戦略をつくるときからそういうものが大事だということで、水関連の省庁の方々と、具体的には、福島大学の虫明功臣先生を中心に議論をしていただいた時期がございましたが、水の問題は、こういう観測のほうからアプローチする、あるいは、主要施策でアプローチしていくというのはいいんですが、水の問題そのものは各省庁間で非常に大きなコンフリクトが過去にあった歴史がございますので、なかなか協調してやるのが難しいということもあるし、この地球観測のデータをどういうふうに効果的に連携して使うかというところも必ずしも見えていないというところもあってうまく進んでおりませんでしたが、現在、委員をやっておられます渡邉先生、それから、東京大学生産技術研究所の沖大幹先生らが中心となって、水の省庁の連携を図っておられます。
 渡邉先生がお詳しいと思いますので、状況をご紹介いただければと思います。

【小池(勲)部会長】
 はい、それでは渡邉先生、お願いいたします。

【渡邉委員】
 現在の活動だけ、まずご紹介したいと思います。今、小池委員がおっしゃったように、水は、いろいろな側面から、さまざまなことをしないといけないのははっきりしているのですが、情報をなかなか共有できないし、活動もなかなかまとまらないところがありましたが、ご承知のように、省庁を超えていろいろな分野にまたがって水を全体として考えていくことの取り組みとして、民間の任意の組織として「チーム水・日本」が昨年の秋にできました。その一環として、水の科学技術基本戦略をみんなで考えようという勉強会が、各府省の水関係技術や施策の担当者と、水に関わる各学術分野の専門家に集まっていただいて、今、連続で勉強会をしているところです。その中で、長期的にどういう科学技術の展開が必要かを議論しているのですが、必ず毎回、どういうデータが必要で、どういう観測が必要かということも議論していますので、適当な機会にこの進展をご紹介していきたいと思います。
 これまでの議論を踏まえて、少し私の意見を申し上げさせていただきたいと思います。水の分野では、いろいろな人がいろいろな活動をしているのですが、過去の経緯も関係していますが、ローカリティの高いことを多くの人があちこちでやっていて、活動や情報が分散しています。例えば、データのソースが衛星などのようにどこかの点にあったり、温暖化問題のようにフォーカスがはっきりしている場合では拠点もつくりやすいところがあると思います。一方、水の問題は、フォーカスも方法も、扱っている人も本当にバラバラなので、今こそ、先ほど申し上げた趣旨で、そういう拠点をつくっていくことが大事ではないかと考えているところです。以上が現在のおおまかな状況のご紹介です。

【小池(勲)部会長】
 今、やはりあったほうがいい、必要だという考えでは、皆さん、共通しているのですが、では、なぜできないかというところが必ず出てきて、水の問題は、小池俊雄委員が言われたように、昔からいろいろなところでやっていて、その間のコンフリクト、それはもうないわけですか。

【小池(俊)委員】
 いや、多少あると思います。要するに、行政上の所管の問題が長く続いてきたので、なかなか難しいところはあると思いますが、6省庁連絡会議ができて、今、渡邉先生がおっしゃったように、「チーム・水」というグループが一緒に今、考えておられるので、いい方向に行くだろうし、それから、もう少し違うレベルで政治的な部分も含めて話が進んでいるようですので、そういう立場から相互協力的な面が生まれてくると思います。

【大垣部会長代理】
 水の件は今の小池委員のご指摘のとおりかと思います。利用ニーズ主導ということを全面的に出しますと、水の場合は、最後は水道水、下水道、そういう具体的な世界、あるいは災害、洪水の問題につながってきて、そのデータを共有すること自体は、ある種の連携的な仕組みをつくれば省庁を超えて十分できるのではないかと思います。地球観測という概念の中で、自然観測というのが正面に出ますと、その辺のデータが入りにくくなってくるので、例えば、社会に関するデータを空間的に、GEOSSなどいろいろありますが、それをどうとらえて連携拠点の中で自然観測との連携をつなげていくのかという構想が、水に関しては必要かもしれません。その点、なかなか共同利用が難しいと言われていて、ものによっては地方自治体が事業主体であるデータとして存在していたりするものですから、地上のデータとして、そんな感想を持ちます。

【小池(勲)部会長】
 地球温暖化の場合でも、いろいろな産業データ、それから排出その他、人間活動そのもののデータが必要です。ですから、水循環も多分、今おっしゃったようなことは人間活動の結果として出てくるさまざまなデータですから、そういうものを含めたデータベースみたいなものができればいいわけですね。
 これは22年度の実施方針の中にもそういうものが必要だということは多分書かれるというふうに理解しますが、それをどうやって進めていくかということも、できたら、少し踏み込んで書いていただければと思います。
 今、連携拠点の話だけをいたしましたが、それ以外にも我が国の独自性とリーダーシップの問題、それから、アジア・オセアニア地域との連携強化の問題がございます。今の2ページ目に書かれていることですが、何かこの辺についてコメントがございましたらお願いいたします。
 これは何か今までの成功例のようなものがあるといいのですが。我が国の独自性の発揮とか、あるいは、アジア・オセアニア地域での連携で非常に成功しているというものを何かご存じでしょうか。まだなかなかその段階ではないでしょうか。

【谷室長】
 小池俊雄先生がアジア、それからアフリカの関係では水循環でいろいろなイニシアチブを立ち上げておられますので、僣越ではございますが、ぜひ、ご紹介をいただければと思います。

【小池(俊)委員】
 わかりました。GEOが設立されたのが2005年の2月ですけれども、その設立が進む中で準備を始めまして、特に、JAXAとICHARMやJAMSTECなど国内の水関連の研究機関の協力を頂いて、2005年11月にアジア水循環シンポジウムの第1回を開催いたしました。これは150名くらいの方がお集まりになったのですが、その中で、アジア共通の水の課題、洪水の問題、渇水、水不足の問題、水質汚染の問題、その三重苦の中で温暖化が与える影響、この4つがアジアの共通の課題であるという認識を持ち、それに対して地球観測データを効果的に使うことによって社会的利益を生むことが可能であることが認識され、アジア水循環イニシアチブというのができました。
 それから、正確ではないかもしれませんが、多分8回、国際会議を開催いたしまして、その間、アジア太平洋水フォーラムというのが2007年12月に大分で開催されましたときに、そのイニシアチブの中の実施計画というものを採択いたしまして、現在、実行中でございます。アジアの19の国が参加し、そのうち18カ国がそれぞれの国から1つの流域を選定して、「デモンストレーション流域」と称しておりますが、そこに地上の観測データ、あるいは水管理の現業のデータ、あるいは地理データなども含めて提出して、それに衛星データや、数値気象予測データ、気候モデルのアウトプットを重ねて、洪水予測とか渇水予測から、それぞれの地域の被害の軽減を図ることが動いています。
 そのために別途、国家基幹技術として進めさせていただいておりますデータ統合・解析システム上にアーカイブされているデータと、それぞれの国のローカルで多様なデータを統合するために、各流域のデータを説明するメタデータを設計して、それを各国の人たちがそれを使って登録できるようなシステムを開発し、今、18の流域のうち17の流域のデータが整っております。その中で、ベトナム、インドネシア、バングラデシュ、パキスタンの流域で具体的に洪水予測システムができて、現地の河川管理者、あるいは気象・水文の情報の提供の組織、気象機関、水文機関と連携してそうした情報をどういうふうに使っていくかということを協議しています。そうした段階まで来ておりまして、大変具体的な成果が出つつあります。
 昨今は特に、アジア開発銀行などにも後押ししていただきまして、気候変動の適応策にこうしたシステムを使っていくということで、これもデータ統合解析システムにアーカイブされているIPCC第4次評価報告のときに使われた各国の気候変動予測モデルのアウトプットからデモンストレーション流域の領域を切り出して重ね合わせることによって、今後、洪水が増えるのか、渇水が増えるのかというような評価を協力して行っています。このように、気候変動の影響評価の適応策関係にも広がっておりまして、GEOの中でも大変高く評価していただいております。
 そうしたこともありまして、先ほど、谷室長からもありましたが、「アフリカでも同じようなものをやってもらえないか」という話があって、今年、アフリカ水循環イニシアチブの第1回を開催いたしました。そこには、国連の各機関と、アフリカ12カ国が参加しました。チュニジアでやりましたので、北部アフリカと中央アフリカが中心で南部アフリカからは参加がなかったのですが、非常に熱心な議論が行われました。それを受けて、GEOでは、今年の9月にタスクフォース会議を開催し、アフリカ水循環イニシアチブ立ち上げの準備を始めるというところで進んでおります。
 以上でございます。

【小池(勲)部会長】
 水循環のほうでは、今のような、アジア、それからアフリカまで広がった、日本主導の連携がかなり進んでいるというお話ですが、ほかに何かございますか。

【安岡委員】
 今の資料の2ページ目に2、3ということで、我が国の独自性と、それから、アジア・オセアニア地域との連携ということがございます。ここで1点、コメントです。ここに5つありますが、ここの1つに、「科学技術外交」というキーワードを入れておいたほうがいいのではないかという気がします。2つの理由があって、1つは、日本として科学技術外交をこれから推進しようということが総合科学技術会議を中心に出されているということがあります。それにのっとってと言いますか、それを基盤としてJICA/JSTプロジェクト(地球規模課題対応国際科学技術協力事業)がスタートして、今後、大きく発展してほしいと思っておりますので、入れたほうがいいと思います。
 もう1つの理由は、やはり、機関連携、分野連携、地域連携ともう1つの連携があって、アジア・オセアニア地域との連携というのもそうだと思いますが、国際的になると、これは国連携ということになります。例えば、生物多様性とか生態系は非常に局所性が高いものですから、日本の国を研究、観測しても、アジアに必ずしも展開できないわけで、これはどうしても国の間の連携が必要になる。そうすると、科学技術外交のうちの1つの側面、つまり、科学技術を外交に応用するのではなくて、外交を科学技術に応用するという側面で非常に重要なものになると思います。そういう意味で、「科学技術外交」というキーワードを、2でも3でも、どちらでもよろしいと思いますが、文章に入れておいていただいたほうがいいという気がします。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 これはよろしいですね。

【谷室長】
 ご指摘のとおりだと思います。

【小池(勲)部会長】
 今、2と3を合わせた形で5つの視点を書かれていますが、この辺に追加するということでお願いします。ほかに何かございますか。

【井上委員】
 水循環ほどではないのですけれども、炭素循環の分野でもGEOSSのもとで新たな動きが始まっております。IGOS-Pという宇宙機関のパートナーシップがあり、そこでIGCOという炭素循環の戦略をつくり上げたという経緯があります。それが、新たにGEOSSの中に組み込まれることになって、その部分を新たに構築しようということでJAXAが呼びかけて、今、炭素循環に関するGEOSSのもとでの新たな取り組みが始まろうとしています。これも、やはり、JAXA・NIES・MOEがGOSATという衛星を上げて、それが1つの契機になって国際的な取り組みを組織化するような活動が始まったと認識しており、これは我が国のリーダーシップの発揮として特記してもいいのではないかと私は思います。

【小池(俊)委員】
 GOSATはいつごろから実際にデータを配布できる状態ですか。

【安岡委員】
 GOSATは今年の1月に打ち上げられました。現在、校正期間に入っておりまして、先日、JAXA、環境省、環境研の三者でプレス発表をさせていただきました。この中身というのは、JAXAがまだ校正していないデータを使って、環境研がレベル2というCO2のカラム濃度に変換するデータを全球の分布として出しました。ただし、これは濃度の縦軸は入っておりません。校正も検証もできておりませんので、相対的なものしか出ておりませんが、分布図がCO2とメタンについて公表されています。最終的な検証と校正の両方が終わったデータが公開されるのは来年1月になります。打ち上げ後12カ月後となっております。その前に、リサーチ・アナウンスメントに応募していただいた各国の研究者の方々には、検証前のデータ、それから校正前のデータ、それぞれレベルが違いますが、データの配布を行います。打ち上げから6カ月後、9カ月後というふうに期間が決まっており、そろそろ公開される予定であります。ただし、これは最終成果ではありませんので、いろいろ制限はついた形での公開になります。最終的なCO2の検証済みのデータが出るのは、打ち上げ後12カ月、来年の1月ということでございます。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 そうするとGOSATの、日本から出ていくデータを使った日本のリーダーシップというのはどういう形になっていくのでしょうか。

【安岡委員】
 基本的には、日本の打ち上げた衛星で、そして、今、宇宙からCO2、メタンを観測できる衛星はこれしかありませんので、ある意味で完全な日本のリーダーシップということが言えると思います。残念ながらアメリカのOCOという同じような衛星が失敗いたしましたので、先ほど、井上さんからお話がありましたように、世界から注目を浴びております。先週もNASAのグループが来られて打ち合わせをいたしました。NASA、それからESAの宇宙機関のグループが、GOSATのデータをともかく早く欲しいということでした。そういう意味では、日本がリーダーシップを取って国際的な連携をシステム化する1つのチャンスではないかという気はしています。

【小池(勲)部会長】
 今、日本のリーダーシップ、それから、アジア・オセアニア域における連携強化のいい例が出ました。ここではそうしたものを、この先、強力に進めていくというふうに書かれるということでしょうか。何かコメントはありますか。

【谷室長】
 はい。基本的にはそのように理解しております。ちょっと補足でございますが、きょうは中静先生が欠席でございますので、事務局のほうからご紹介させていただきます。成功事例の1つあるいは、成功事例につながっていく取り組みということでご紹介をさせていただきますけれども、中静先生、それから九州大学の矢原先生を中心に生態系の関係でネットワーク化を図るという取り組みが今、行われております。世界的にはGEO BONという、GEOのフレームワークの中で生物多様系のネットワークをつくっていくという動きがあり、それを受けて、まずは日本国内できちんと確立しようということで、「J-BON」と銘打って、関係者が集まって、こうしたフレームワークをきちんとつくっていこうではないかということで、先月、国内のシンポジウムが開催されたところでございます。
 最終的にはこれは、GEO BONという形で統合化されていくことが期待されているわけですが、まず日本国内でつくって、続いて、アジアでアジアBONという形に発展させていければということで、野心的な取り組みが今、進んでおります。アジア・オセアニア地域との連携強化ということ、また、我が国のリーダーシップの発揮という観点で、生物多様性の分野でもそういう取り組みがされております。そういった話も含めて実施方針の中には書かせていただきたいと思っております。

【小池(勲)部会長】
 はい、ありがとうございました。それでは、実施方針に関してはこれでよろしいでしょうか。
 引き続きまして、資料1-3、それぞれの分野ごとの考え方について、事務局のほうからご説明をお願いいたします。

【谷室長】
 では、資料1-3に基づきましてご説明させていただきます。
 資料1-3「分野別の論点のポイント」ということでございますけれども、これも恐縮でございますが、「案」つきのものとご理解いただきたいと思います。これまでに先生方から書面での提出、あるいはお時間をいただきましてヒアリングを重ねてまいりました。大変お忙しい中、ご協力をいただきまして大変ありがとうございました。改めて御礼申し上げます。その結果をまとめたものでございます。
 大きく分類をさせていただいておりますが、まず、丸で書かせていただいておりますのが大きな分野でございます。最初に分野横断的なデータの共有・統融合というのが1つの大きな取り組みではないかということでございます。
 黒の四角で書かせていただいておりますのが、その分野における重要なテーマ、領域を整理してございます。ここでは、「データ統合・解析による地球環境の理解の深化と健全な意志決定の支援」、それから「地球観測情報と社会経済情報との融合による政策決定ツールの開発」ということでございます。
 その下に黒い点がございますけれども、これはいただいた意見のエッセンスをまとめたもので、その背景、優先順位が高いと考えられる理由、具体的に必要な取り組み・課題等を転記させていただいたものでございます。最終的な実施方針といたしましては、このうち、あるいは、ここに書かれていないものでも重要な課題、分野、領域について、その下にある具体的な取り組みを幾つか書いていくということになろうかと思っております。きょうのところは、この黒い点は、その背景も含めてご議論をいただく、優先順位等も含めてご議論をいただくということで書かせていただいております。
 それから、分野で申し上げますと、次は、気候変動・地球温暖化というくくりで整理させていただいております。
 分野の話だけ先にさせていただきますと、まず、「気候変動・地球温暖化」という分野。それから、次が3ページになりますが、「水循環・風水害」。続いて4ページになりますが、「生態系・生物多様性」。それから5ページの下になりますが「対流圏大気」。6ページ目になりますが、「地震・火山」です。地震・火山につきましては、黒い四角がなく、具体的な領域テーマは特に掲げてございませんけれども、いただいたコメントを整理してございます。したがいまして、大きな構造を申し上げますと、気候変動・地球温暖化、それとも関連する、水循環・風水害、生態系・生物多様性、対流圏大気という大きな構造になっており、その中に集約できるのかなということでございます。
 これらの分野は、こうして特出しをしてございます。推進戦略に書かれております15分野、その他の幅広い要求はございますけれども、22年度の実施方針としては、大きな方向性といいますか、特出しをしてやっていくべきものはこうした形で整理ができるのかなということで書かせていただいております。これは、先生方からいただいた意見を改めてざっと並べるとこうした形に再整理できるのではないかということで書いたものでございます。したがいまして、資料1-1の基本認識も、その整理と合わせた形で書いたということでございます。

【小池(勲)部会長】
 これはどういたしましょうか。全部を説明されてからご意見を伺うと話がバラバラになってしまうので、幾つかに区切ってご議論いただいたほうがいいと思います。

【谷室長】
 はい。

【小池(勲)部会長】
 今、分野横断的なデータの共有統合の話はご説明いただきましたね。

【谷室長】
 はい。一応、基本的には分野横断ということでデータの共有・統融合、各分野に共通の課題ということで、まず、大きな分野そのものになり得るのではないかということで書いてございます。
 繰り返しになりますけれども、「データの統合・解析による地球環境の理解の深化と健全な意志決定の支援」、「地球観測情報と社会経済情報との融合による政策決定ツールの開発」というのが、その分野の中での大きなテーマであろうかと思います。
 具体的にこれを少しブレークダウンしてやることが必要かと思われます。この黒の四角では非常に大きなテーマでございますので、例えば、4つ目になりますが、具体的なシステムを構築することが必要であるというようなお話。その1つ下には、分野間の連携ということで具体的なテーマを設定して、これも「ニーズ主導」というふうに言えるかもしれませんけれども、そういった取り組みで踏み出していく必要があるのではないかといったようなやり方も含めて整理してございます。
 各分野に入る前に共通的なところで、もしほかに、こういう観点があるのではないか、あるいは、具体的な進め方、取り組みについてご意見がありましたらいただけたらと思います。

【小池(勲)部会長】
 資料1-3の最初1ページ目に書かれているところで、何かコメントがございますか。先ほど本藏委員のほうから地震・火山の連携に関して、データの流通が非常によくなったとお話しがありました。そのときのデータとして、1つは研究者向けというか、観測を連携してやっている人たちの間のデータの流通と、もう1つは社会に対するデータ、地震・火山の場合は必ずその2つがありますが、それの切り分けに関してはどのようにやられているのでしょうか。

【本藏委員】
 今まで私が申し上げていたのが地震観測データでありましたが、それをそのままでは、研究にはもちろん使えますけれども、地域社会がそれを直接、使うわけではない。地域社会が重要としている情報は、地震被害に対してどのぐらいのポテンシャルがあるのか、現在どの程度の危険度になっているのか、どの程度の広がりを持つ災害が予想されるのか、そのような情報なのですが、そうしたものは、観測データ、直接な地震データだけではなくて、もう少し広い情報も取り入れた形でハザード情報として取りまとめることになります。それは、地震調査研究推進本部で幾つか委員会をつくって精力的に進めて、現在、その成果としては、日本列島に限って言えば、日本列島のハザードマップ、全国を外観した地震動予測地図というのができています。今、できているのは1キロメッシュだと思いますが、さらに細かいものをつくろうとしています。今、もうウェブに出ていますから、皆さんごらんになっていただきたいと思います。
 具体的には、例えば、今後30年間に、気象庁の震度で言うと、震度6強を受ける確率が何%であるというような形で表示されています。ですから、単なる観測データだけではなくて、そこにいろいろなデータが統合されて、そうした地震の予測地図、つまり、地面の揺れにすべてを落とし込んでいって、それを地域社会が使うということになっています。それは、極めて重要な情報で、例えば、耐震化をどのように進めるかということについて、非常に大きな基盤になるわけです。そうした形で進んでおり、それは全部ウェブで出しておりますので、特にそれをどこか、その機関を通して連携するという話ではなくて、成果としては、そうしたものがアウトカムとしてそれにつながっているという話であります。
 国際的にはどうかというと、同様な試みは、OECDのグローバルサイエンスフォーラムの枠で行われています。本当はこれがGEOに統合されれば非常によかったのですが、別個に動いています。これは、地震が限られていますから全世界一様ではありませんが、ハザード情報に社会的ないろいろな要因を加えてリスクマップに焼き直すということで今、行われています。我が国は、当初はこれに加わっていたのですが、今はオブザーバという形で参加していますが、グローバルにはそんな形で動いています。
 我が国はどうなっているかというと、そのように先端的に世界に先駆けて、非常に密な情報として出しているわけでありますけれども、当然これは世界に普及されるべきものであって、そのためにはどのような調査観測が必要かということで、現在、我々の最大の関心事はそちらに移りつつあります。地震データそのものよりは、それからどのような成果につながっていくのか、使い勝手のよい情報に変換していくのかということになってきておりまして、先ほど安岡委員が言われましたように、現在動いているJICA/JSTのプログラムの中で、そのあたりがかなり強調されるようになってきています。これが、特に地震に関する情報です。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございました。今、この1ページ目にも「一般の人にも見えるような」という、国民に対してどういうメッセージを発するかということがかなり強調されているのですけれども、こうした地球環境変動とか温暖化の場合、地震・火山の場合とくらべて、似たようなところもあるし、少し違うところもあるので、この辺をどういうふうに扱うかというのはかなり難しいところがあると思います。どうぞ。

【安岡委員】
 ここの中にも書かれてはいるのですけれども、少し強調しておかなければいけないのは、データから1つ上に上がった情報、そしてその情報からもう1つ上がった施策というところに、それぞれステップアップしていくときに加わらなければいけないものがあるということです。
 例えば、今、部会長のほうからお話があった温暖化の場合に、二酸化炭素が、370ppmまで右肩上がりで上がってきたという、これはデータで皆さん、共通で持てます。ところが、これで、例えば、温度上昇を2度に抑えないと危ない、そのために475とか470ppmにしなければいけない、これはもうデータではなくて情報になっているわけです。さらに、70%削減しなければいけないということは、これはもう施策のレベルだと思います。それがそれぞれ上がっていっているところには何が加わっているかというと、基本的には、知識というかモデルが加わっていっているわけです。同じデータを持っていても、それぞれの人、組織が持っている知識とかモデルが違うと、全然違う情報や政策を出すわけですから、統合化していって、さらにステップアップしていくために、モデルとか知識が非常に重要な役割を果たします。これをもうちょっとここで強調して、先ほど部会長も言われたように、情報というのを強調するとすれば、そこのところを書き込むようにしたほうがいいのではないかという意見です。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 ほかに何かございますか。今のことは非常に大事な点だと思います。もとのデータは同じでも、モデルを使い、それにいろいろな解釈を加えていくと、結果が全く逆のことが出てくる可能性もあるわけです。ですから、そこのところでのいろいろな確実性、それから透明性ですか、どうしてこういうふうな結果になったのか、施策になったのかということが見えるような形というのが非常に大事だと思います。
 これをまとめるのはなかなか大変だと思いますが、今、出たようなお話を入れ込んだ上で、まとめを考えていただけますでしょうか。データ統合・解析システムをやられている小池俊雄委員は、何か今のことについてご意見を。

【小池(俊)委員】
 今、特に安岡先生からお話になったことは非常に大事なところだと思いますので、ぜひ加えていただきたいと思います。
 あと、2つ目の四角にある、社会経済状況との融合というところも、施策に反映し、かつ国や地域が動くときには、経済だけではなくて、社会科学的な、人がどう動くかというところの知見も非常に重要でありますので、そうしたところの融合を進める部分、そうしたものの組み込みが重要になってくると思います。かつ、こうしたものは、どちらかというと、今まではケーススタディをやられているわけで、それぞれのケーススタディを最終的に普遍化するような努力が大事だと思います。

【小池(勲)部会長】
 ありがとうございます。それでは、次の「気候変動・地球温暖化」のところに進みたいと思います。

【谷室長】
 気候変動・地球温暖化の分野では6つの領域を挙げさせていただいております。1つ目は、地球温暖化影響観測、領域としては非常に広いわけでございますけれども、3人の先生方からいただいた意見をまとめるとすると、こういうタイトルかなということで書いてございます。
 内容的には、まず、温暖化影響の項目の整理が必要ではないかというような話。それから、各種の気象データの検証・整備、あるいは統合的な整備、それから共通利用システムの整備とか基本的なデータの共有・共同利用の仕組みが必要であろうというご指摘がございます。また、気候変動に脆弱な地域については影響評価のための観測が必要ではないかということが挙げられております。こういうまとめ方について適当かどうかということについてご議論をいただきたいと思いますが、それが1点目です。
 それから、温室効果ガス収支へのフィードバックの解明、これはちょっと言葉が足りないので補足していただきたいと思いますが、基本的には炭素循環の関係でございますので、炭素循環の観点から、例えば、陸域、海洋における生態系も含めた炭素循環のフィードバックをきちんと解明する必要があるのではないかということが1つの領域として掲げられております。
 また、同じく炭素循環の関係でございますが、途上国における人為や自然起源の温室効果ガスの発生量の把握(インベントリの高精度化と検証)を行うことが必要ではないかということで、これはまさに今、我が国の中期目標を決めるという議論が国内では起こっておりまして、国際的にも現在、ボンで会議が行われているところでございますが、そうした国際交渉等にも大きな影響を及ぼし得る話で重要な観点かと思います。
 また、海の分野でございますが、海洋深層水形成メカニズムの理解と深層水形成量のモニターということで、これは十分モデル化できていないというところがあるということで、温暖化に対する影響が非常に大きいと思われるものの、十分ではないというところをきちんと手当てをする必要があるのではないかということで、領域として挙げたらどうかということでございます。
 また、雲物理につきましては、ご承知のお話かと思いますが、地球温暖化予測に不可欠な雲物理プロセスの全球的解明ということを領域として挙げてはどうかということでございます。これは、現在、温暖化の予測では最大の不確実要因とされております雲物理の点について全球的な解明をするということでございます。
 また、地域環境ということで、生態系というくくりにするよりは「地域環境」というキーワードですので、地球温暖化のところに整理させていただいておりますが、アジア・西太平洋地域の人の生活の場としての地域環境の変動予測でございます。これは、特に地域の環境変動というのを我が国のリードでやっていってはどうかという領域でございます。気候変動・地球温暖化の分野での領域については以上でございます。

【小池(勲)部会長】
 はい。今、全部で6つに区分けしてまとめていただいておりますけれども、これをどういう形でまとめるかというのはなかなか難しいと思います。22年度、特に強調すべきところをまとめることになりますが、何かこの中で落ちているところや、これはもうわかってしまったとか、そういうところがもしございましたら、何かコメントをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 海洋深層水の話と雲物理の話、これはいずれもプロセス、メカニズムを理解するための観測が必要だという書き方だと思います。ということは、現在扱われているモデルでは不確定要素が非常に高い部分だというふうにとっていいのでしょうか。深澤さん、海洋のほうはどうですか。

【深澤委員】
 両方ともお答えして構いませんが、おっしゃるとおりです。例えば、雲物理プロセス、特にエアロゾル、それから、特に深層水、1つは太陽からの熱放射を直接制御するもの。もう1つは、今度は太陽からの海水加熱を経由して大気への熱交換が行われる部分です。この熱交換のメカニズム、そしてその量が、北大西洋ではモニターが5年ほど前から始まり、行われておりますが、もう1つの非常に大きい熱交換部分である南半球の部分はそういうモニターが全くされていない。北の場合には、さらに衛星のデータも使えるのですが、南半球の部分、特に南極の回りというのは実証データがないのです。ですから、衛星によるデータベースはあるのですが、つくられたデータベースによって、大気と海洋の熱交換のトレンドなり、絶対量を出すと全く逆になったり、矛盾する結果が出たりというのが現状です。
 特に、深層水形成で、大気と海洋との間の熱交換でどのくらいの熱が実際に制御されているかというと、全体として3ペタワットとか4ペタワット。つまり、それを少し変えると気温が激変する。もちろん温暖化予測に二酸化炭素は重要ですが、それのベースを与える部分として二酸化炭素と同様に非常に重要な要素だと私は思います。
 こういったものでベーシックな要素を含めての予測をきちんとやっておいた上での地域予測という形にこれから行くのだと思いますけれども、その中に水循環その他のものも入ってくると思いますが、そのベースの部分にまだ、観測網について脆弱性があり過ぎる。そういう意味で、「プロセス」とは書いてありますけれども、プロセス以上のものかなと思っております。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 その不確実性の話ですと、2番目の「温室効果ガス収支へのフィードバックの解明」というのが、これも同じような不確実性の話ですが、これは井上さん、いかがでしょうか。この意味がちょっとわからなかったのですが。

【井上委員】
 これはもう少し具体的に書いたほうがいいかと思いますので、もし、必要なら補足したほうがいいと思います。基本的には、温室効果ガス収支への温暖化のフィードバックというものの不確定性を低減するために観測体制を強化しなければいけない、これは陸域と海洋との両方にわたってあるわけです。これをさらに具体化すれば、森林の話とか、火災の頻度がどうなるかとか、そういういろいろなフィードバックプロセスがあるわけで、そこに関しての観測を強化して体系的に進めなければいけないということです。現在、進められている観測の整備の中で重点を置くべき視点という趣旨で書きました。

【小池(勲)部会長】
 ほかに何かございますか。どうぞ。

【杉本委員】
 今のことに関してなのですが、要するに、将来の予測をすることが非常に重要なことなのですけれども、フィードバックのメカニズムが今わかっていない。何となくIPCCの予測は正しいだろうとみんな思ってやっているわけですけれども、実は、そのフィードバックが理解されていない部分は入っていないというわけです。ですから、観測という立場から言えば、よくわかっていないフィードバックの部分を、陸域にせよ、海洋にせよ、それから雲のプロセスにせよ、やるという視点で整理をすれば、この未知のプロセスとしてのフィードバックの解明として陸の問題と雲の大気の問題と海洋の問題というような書き方のほうがすっきりするのではないかと思いました。
 それから、陸に関して言いますと、例えば、森林火災の問題で、陸にたまっている炭素がごっそり出てくるという話ももちろんよくわからない問題ですし、それから、もっと根本的に、例えば、自然の陸上の植物が将来にわたってどれだけ炭素を固定するかということも、一応モデルでやられてはいますけれども、例えば、土壌水分が変わったり、あるいはそれによって栄養塩の循環が変わったりというような、そういうフィードバックシステムは、きちんとは入ってはいないですから、本当にその植生が、将来にわたって炭素を固定し続けるかどうかということも実はよくわかっていない問題です。
 もう1つ、温室効果ガスで言いますと、井上先生も、多分、GOSATを使っていろいろこれから考えられるのだと思いますが、例えばメタンの放出も、環境がどうなるかによってたくさん出てくるかもしれないし、余り出ないかもしれないというふうに、非常に不確実性が高い、よくわからないプロセスですので、地球観測という意味では、そうしたものをいろいろな分野を連携してやっていくことが重要ではないかと思います。

【小池(勲)部会長】
 はい。どうぞ。

【小池(俊)委員】
 今、杉本先生がおっしゃったことは非常に大事だと思います。この基本方針をつくっていく中で何に焦点を置いて、何をすべきというのがクリアに伝わる書き方が大事だと思います。今、杉本先生がおまとめになったフィードバックプロセス、その中に雲と寒帯林、寒冷圏の問題とか、深層水形成の問題とかがある。そのためには、例えば、雲だとクラウド・プロファイリングレーダーを強化するとか、寒冷圏の植生だったら現場観測を強化するとか、何かそういうふうに設定と対応がクリアに伝わるような書き方のほうがいいと思います。

【小池(勲)部会長】
 今、杉本委員が言われたように、例えば、水の問題、窒素の問題、その他のフィードバックについて、まだモデルではそこまで入っていないのです。その意味で、炭素循環に関わる観測の中で、どれとどれが、プライオリティーが高いのかということを少し議論していかないと、今の不確実性をクリアにするためには、これと、これと、これはどうしてもはかり続けなければいけないとなってしまい、なかなか、この先、測定も大変な分野もあるわけです。けれども、技術とか、いろいろなものを革新してやっていかなければいけないということがここに入ってくると、メッセージとすると非常にわかりやすいと思います。ですから、その辺をもう少し一工夫、ぜひ、委員の方のご尽力でシャープにしていただきたいと思います。
 きょうはこれを全部終わらなければいけませんので、温暖化に関しては以上の議論にして、水循環と水害のことについて、お願いします。

【谷室長】
 「水循環と風水害」につきましては、4つに整理しております。「地球温暖化が水循環に与える影響の評価」ということで、これも非常に広いわけですが、まず1点。2点目が「水循環・気候変動・気象の統合衛星観測による水災害の軽減」。3つ目が「気候変動による水災害の激化と水利用への影響低減のための適応策の支援情報の提供」ということでございます。これらをまとめた形でバックグラウンド、問題意識でありますとか、水循環の災害で非常に大きな被害が出ているというような背景とか、具体的なやり方について書かれております。
 先ほどからご議論がありますように、この領域でよいか、この領域に対応して具体的に何をやるかということを次の実施方針の素案の際には再度、整理をした形にする必要があろうかと思います。
 それから、4点目は、「風水害被害を軽減し、災害に強い社会を構築するための集中豪雨などの極端降水現象の発現メカニズムの解明」ということで、特に最近、社会的な関心が高まっておりますけれども、集中豪雨などの極端現象の発現メカニズムの解明というのを特出ししてございます。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 「水循環・風水害」に関しまして、何かコメントはございますか。どうぞ。

【大垣部会長代理】
 先ほど申し上げたことの繰り返しになるかもわかりませんが、利用ニーズということが全体として話題になっていますので、この水循環・風水害に関連して1つ申し上げたいと思います。それは多分、ほかの分野に関しても関係するかと思います。
 3つ目の四角にあります適応策の支援情報の提供ということ自体は大変結構なのですが、先ほど連携拠点の話もありましたが、ほかと連携するときにどう考えたらいいかというときに、全体の議論の中で、やや落ちているのは、だれに情報を提供するのかということではないかと思います。何となく社会に提供すると言いますが、実際は、その水の情報が欲しいのは水道や下水道の事業者だったり、水産業者だったり、農業従事者だったり、あるいは企業の経営者、災害の場合は交通機関を運営している事業体、そういう非常に具体的な受け手が居るわけです。それを意識したデータの整備、あるいは、先ほど、安岡委員からありましたデータの情報化というところ、先ほどの地震火山の話とも通ずるところがありますが、そういう視点を少し正面に出すと、利用ニーズを意識した新しいテーマということになるのではないかと思います。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 ほかに何かございますか。どうぞ。

【渡邉委員】
 今の大垣先生のご意見と一部重なるところがありますが、今回の重点化を考えるときに、非常に短期的に、どこかのソサエティに集中的に成果を提供したら成果が確実に上がるような部分と、長期的にみんなに確実に役立つ部分とを整理したらよいということが私の基本的な考えです。水循環についても両方の側面があって、前者のほうは温暖化関係ですから改めて申し上げませんけれども、後者は、温暖化関係の問題にも関わりますが、基本的にいろいろな風水害などに強い社会をつくっていくためのデータの整備を長期的に進めることも書き込んでもいいと思います。そのときに、今、大垣先生がおっしゃったように、だれに発信するかということが重要と思います。
 特に、そういうもののベースのひとつは、多くの皆さんが必要だとしているのは土地利用の情報ではないかと思うのですが、それらの情報は案外少なくて、生態系関係のところにも書かれていますけれども、植生とか、土地被覆、こういう情報は短期的にも重要ですけれども、みんなが長期的な必要としていることを視野に入れて、明示的に書き込むことが必要ではないかと思います。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 はい。今のお話は、次の生態系のほうにも関係してくると思いますけれども、長期的なニーズと、今すぐに必要な情報・データということに対してどういう観測があり得るかという視点だと思います。
 ほかに何かございますか、どうぞ。

【高薮委員】
 だれに提供するかという視点は非常に大事だと思います。それから、長期的、短期的というお話があったのですけれども、この項目に関して、両方の視点において、もう少し時間スケールを分けて整理していただいたほうがわかりやすいと思います。集中豪雨などの非常に短い時間スケールの風水害という視点もありますし、水の資源という視点もありますので、時間スケールを分けた整理の仕方をしていただけますとわかりやすくなるかなと思いました。

【小池(勲)部会長】
 はい。今のお話は、ほかのところにも共通する話ですね。ほかに何かございますか。水循環・風水害のところは4つ黒い四角がついておりますけれども、最初と2つ目の黒い四角はコメントをいただけなかったということですか。

【谷室長】
 いや、その下にまとめて書いてあるということです。

【小池(勲)部会長】
 そうですか、3つまとめたものがその下のコメントということですね。
 それでは、次に移らせていただきます。「生態系・生物多様性」です。お願いします。

【谷室長】
 「生態系・生物多様性」でございますけれども、黒い四角としては5つの領域ということで整理をさせていただいております。1点目は「生態系を介した炭素循環・水循環変動の解明」ということで、先ほど来、いろいろな議論がございまして、そういう意味では重複といいますか、うまい切り分けの仕方ができるかどうか、ちょっと悩ましいところでありますけれども、炭素循環・水循環を生態系を中心に考えるという領域でございます。
 2点目ですが、「温暖化に伴う生態系変化とその適応策の監視」です。これは先ほど、J-BONというような取り組みのお話をさせていただきましたが、研究者、研究機関におけるモニタリング及びそのネットワーク化というのが内容でございます。
 3つ目ですが、「炭素、生物多様性などのCap & Tradeを前提とした生態系モニタリング」。これは炭素循環との関係が非常に強い内容でございますけれども、現在、排出権取引でありますとか、いろいろな削減目標の議論がなされておりますが、実際にきちんとその目標達成に向けて生態系がきちっと排出源として機能しているのかどうかというようなお話とか、あるいは、生物多様性オフセットといったような、今後、開発途上国で先進国が開発をするときに、「生物多様性をきちんと確保してください」というようなお話が将来的には出てくるということで、そうしたものを見越した形での生態系のモニタリングが必要ではないかということがここの領域でございます。
 これも先ほどございましたが、「森林火災の二酸化炭素放出の評価」ということで、森林火災をモデル化するのはなかなか難しいわけでございますけれども、こうしたものをどういうふうにして扱うかということをきちんと考える必要があろうということでございます。
 また、次は海の分野でございますが、「海洋酸性化のメカニズムの理解と水産資源への影響評価」ということで、海洋分野では特にこういうことが重要ではないかというご指摘をいただいております。
 以上でございます。

【小池(勲)部会長】
 はい。「生態系・生物多様性」のところですけれども、全部で5つ、項目が挙がっております。この中で2番目の「温暖化に伴う生態系変化とその適応策の監視」のところの後のほうのコメントは、先ほどの、データの統合とか連携拠点の話などに非常に関係した話ですね。「データの所在は明らかになっているが、官庁が取得したデータや事業者が実施したアセスメントなどのデータの多くは……電子化やネットワーク化が遅れている」とか、「スーパーサイト形成と連携が遅れている」というふうに、やはり、生態系とか、そちらの観測における連携の遅れさが非常に課題であるという書き方です。しかし、これは、ここに書くよりは前のほうに持ってきたほうがいいような気もします。前というのは、先ほどの2つ目の基本戦略に対する論点のポイントのところで連携拠点の議論が出てきましたけれども、そこのところと密接に関係したコメントですね。

【谷室長】
 はい。先ほど資料1-2の関係で、利用ニーズ主導、あるいは国際的な取り組みのところでもご紹介はさせていただきましたが、特に生態系での生物多様性の観測のネットワーク化という話につきましては、ご指摘のように2番目といいますか、基本戦略のところに、最近の状況や今後の展望などを書かせていただこうかと思っております。

【小池(勲)部会長】
 その次に書いてある「炭素のCap & Trade」はわかるのですけれども、「生態系のCap & Trade」って、これを書かれたのは中静先生ですか。

【谷室長】
 そうですね、中静先生ですね。

【小池(勲)部会長】
 きょうはいらっしゃらないのですが、「多様性のCap & Trade」って、どういうことですか。

【谷室長】
 国際的にはそうした話が将来的には議論になるということで、先生のほうからインプットをいただいたお話であります。例えば、カーボンオフセットみたいな話は、今、既にあるわけですけれども、例えば、日本の企業が海外に出ていったときに、ある土地を買って、そこに工場なり何か建設しますというときに、土地利用が変化するわけですけれども、そこの生物多様性というものを、それをどこかで代替してくださいというような話が出てくる可能性があるだろうというような議論が一部ではあると。そうしたときに、生物多様性のオフセットということをどうやって担保するのか。そもそも、モニタリングであるとか、モデル化であるとか、そういったものもまだまだできているとは言いがたい状況にあって、将来的な話ではありますけれども、そういうことを見越して手をつけていく必要があるのではないかという問題意識でインプットしていただいております。
 中静先生から直接お話をいただいたほうが、より詳細に、背景についてもご説明いただけたかと思うのですが、そういうことであります。

【小池(勲)部会長】
 はい、わかりました。どうぞ。

【安岡委員】
 生物多様性の観測というと、Cap & Tradeが最後の目的の1つにはなるかもしれませんけれども、例えば、侵入種のこととか、いろいろな視点があって、もう少し広い意味で、菱形1つとして多様性そのもののモニタリングというものが入ってもおかしくない、という気がします。つまり、Cap & Tradeみたいな前提なしのものがあってもいいのではないかという気がします。今までの調査はボトムアップ的に、各専門の方が、かなり専門的な視点から上げてきているのでどうしてもこうなりやすいのですが、今、逆に、トップダウン的に見直してみると、「多様性」というキーワードが、ここにあるCap & Tradeを前提としたというようなところに押し込められないような形のモニタリングがあり得ると思います。ぜひ、菱形1つで入れたほうがいいのではないかと思います。必要であれば、文章を考えます。

【小池(勲)部会長】
 よろしいですか。

【深澤委員】
 今の安岡委員のお話に少しつけ加える格好になると思いますが、例えば、生物多様性の特にデータベースに関しては、まさにおっしゃるとおり、用途がものすごく広い。例えば、今、海と陸とあわせてJ-BONとかGEO BONが進められているわけですが、その中で、海のOBISというデータベースは既にかなり組織的に構築されてきています。それが、2010年で金銭的サポートがなくなるのでどうするのかという話が今度、IOC執行理事会でも議論されます。そういったOBISなど、かなりいい形がボトムアップでもでき上がっているものがある。そういう力を落とすことなくトップダウンの形でも、それをさらにプロモートできるような表現がとれたら非常にうれしいと思います。
 特に生物多様性というのは、今、安岡委員がおっしゃったように、陸では生物多様性の調査とか観測が単独のものとして必要になる。海ではほかの要素と一緒に観測を行わないと、とてもそれだけでは効率が上がらないという面もあるので、ボトムアップでできた観測体制やデータ集積体制を壊さないという点はものすごく大事な視点になるのかなと思います。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 はい。確かに今、やられている生物多様性の調査は基本的にはほとんどがNGOの活動です。海のほうも、私が知っているのはほとんどNGOで、国の機関として生物多様性をやっているのはほとんど聞いたことがありません。まだ、種を決めていくという段階が結構大変で、そこがネックになって、なかなか多様性のモニタリングのところまで行かない段階というか、まだ種の発見の段階が残っていて、深海などでもまだまだいろいろな種が出てきます。また分類によっては、話がいろいろややこしくなっているところもあって、多様性の問題はなかなか難しいのですが、今、生態系と多様性というのは必ず両方ともきちんと維持したいという形で進んでいます。やはり、ここは1つ、多様性という形でまとめて書くほうが良いと思いますので、そこを少し変えていただきたいと思います。
 ほかに何かございますか。どうぞ。

【杉本委員】
 生態系の問題は、水循環、炭素循環という視点からもすごく重要ですし、多様性そのものも、おそらく地球にとっては、あって当たり前のものですので非常に重要だと思います。ただ、炭素循環のほうの観測と生物多様性の観測のモニタリング、調査は、手法的にはかなり異なっていますし、やっている目的、やり方もかなり違いますので、生態系・生物多様性としてまとめて1つの章にするのは、もちろんそれでいいと思うんですけれども、書き方として少し分けて書いたほうがすっきりするかなというふうに思います。それで、生物多様性と炭素循環が直接つながるかというと、すぐに直接つなげるのは難しい状況にあると思います。

【小池(勲)部会長】
 よく生態系のモニタリングのときにスーパイサイトで、そこで多様性も一緒に見ましょうという話が時々あるのですけれども、多様性を見たい人は、スーパーサイトの場所がこんなところではだめだという話が出てきて、まず、その段階からどうも議論が一致しないようなところがあります。ですから、炭素循環とリンクした生態系と生物多様性というのはちょっとまだ距離がある。将来的には一緒になるかもしれないけれども、今の段階は少し分けておいたほうがいいというのが共通の意識かもしれません。
 ほかによろしいでしょうか。では、次の「対流圏大気」のところをお願いします。

【谷室長】
 はい。「対流圏大気」ということで2つの領域を挙げさせていただいております。1つ目は「静止衛星による大気化学観測」ということでございます。特に地球観測で威力を発揮しております衛星でございますけれども、特に静止衛星で見るということが、空間的、時間的変動を常時監視するという観点で、まだ実現していない取り組みだということでございます。それがまず1点目。
 それから、2点目は「大気圏全域における、大気波動を介した力学的結合の精密観測に基づく地球気候システムの定量的解明」ということで、大気の循環というものをきちんと精密観測に基づいてモデル化にしていくということが重要だというご意見でございます。

【小池(勲)部会長】
 はい。「対流圏大気」のところは2つトピックを取り上げて書かれておりますが、いかがでしょうか。どうぞ。

【高薮委員】
 静止衛星のところで、大気化学衛星と気象衛星との関係についてや、この気象庁の不安ということの詳細はわからないのですが、とりあえず静止気象衛星についてコメントします。気象衛星として確立した技術による安定したモニタリングは非常に重要です。ただ私は、そのほかに画期的な新技術開発というのが、どんどん着手されてよいものではないかと考えております。世界的には、静止衛星の技術革新がどんどん進んでいます。高度が大きいために現在はレーダーなどの能動型センサーなどは考えられていませんが、10年くらいの間に技術的な思わぬブレークスルーがあることは十分考えられます。そういう意味で、静止気象衛星の画期的な技術開発の促進を奨励すべきではないかというふうに考えています。

【小池(勲)部会長】
 これは、「大気化学静止衛星と気象静止衛星は共通した技術が多いが別のプロジェクトとして検討が進められている」ということですけれども、これはどういうに考えたらよいでしょうか。……。

【井上委員】
 現在、JAXAからの委託で東海大学が中心でしたか、検討会を進めております。その中で、それを実現するための方策として、観測の連携拠点と同じような発想で、共通のプラットホームとして開発を進めていくことによって双方が利益を得るのではないかという議論があります。詳細を詰めないと、それが技術的に可能かどうかというところはわからないところがあるのですけれども、従来の定常的な観測、オペレーショナルな部分と、まだ研究的要素のある観測というものを統合的にやるという、若干、リスクがありながら、しかし、うまくいけばほかのところでも展開できるような話ではないかと思うので、このあたりは十分に検討を進めるようにしたほうがいいかと思っています。
 ただ、ここで、これを重要で確定的な方針として書くと、共同の可能性の議論に影響を与え過ぎるかもしれないという懸念もありますので、私は意見を書きましたが、どういうふうな扱いをするかというのは、若干、慎重さが必要かと思います。

【小池(勲)部会長】
 いかがでしょうか、コメントはございますか。

【堀川委員】
 JAXAのほうもいろいろ関係の機関、もちろん気象庁も入っているのですが、JAMSTECの参加も得て、大気観測を静止衛星から行うことを検討しています。技術的に非常に難しい分野で、まだどういった機器で、どういう観測をしたらいいかということに焦点が絞られていません。ただ、ニーズとして、この大気の観測だけではなき、ほかのいろいろな観測も、宇宙からの観測というのは1つの観測手段として非常に有効であるということが言われており、衛星での観測は、スペクトラムであるとか、電波であるとか、そういったものを観測しています。それを物理量にどう変換して、その物理量に変換されたものを、どう情報に変換していくかというプロセスが非常に大事です。利用ニーズに基づくというニーズは最終的な情報のニーズなので、そのニーズのために、どういう物理量を取り、どういうセンサの性能を決めたらいいかというところを、もう少しEnd to Endで検討を進めることが大事です。そのためには、当然、地上でのいろいろな実験も必要ですし、事前の、例えば、航空機などを用いた実験も必要なので、そうしたことを総合的にいろいろな分野の人が連携してやっていくことが大事だと思います。

【小池(勲)部会長】
 はい。これは、だから、項目としてあからさまに述べるかどうか、少し考えたほうが今のイメージですと良いようです。どうぞ。

【藤谷委員】
 現在議論をしているのは平成22年度の実施方針ですが、今までの議論を聞いていますと、時間スパンが非常に長いものと短いものが入り混じっているように思われます。そのあたりをもう少し精査して、少なくとも、例えば、ここ数年で実現可能なものに絞るとかしないとさまざまな時間スパンが入り混じると思います。

【小池(勲)部会長】
 どうぞ。

【高薮委員】
 時間スパンの問題ということもあるのですけれども、平成22年度は、今の時点で取り組みに着手すると、そういう視点でしたら盛り込めるのではないかと考えています。

【小池(勲)部会長】
 ご存じだと思いますが、ちょうど来年が第3期科学技術基本計画の最終年度で、再来年から新しい第4期が始まるので、来年というのはちょっと微妙な年なのです。けれども、あらかじめ先に第4期を目指して出しておくというところもあると思います。ですから、この22年度の取り扱いというのは、基本は、今までの継続的なことも含めて、ここ数年の間、重点的にやらなければいけないことというのが基本で、それに新しいものが幾つか混ざってくるとお考えください。
 きょう、分野別の論点のポイントで出されたことは、どちらかというと、今までかなり手薄になっていて、今後、強化してやらなければいけないということが多かったと思いますが、かなり新しいものも出てきていますので、少しその辺の整理は事務局のほうでしていただきたいと思います。

【谷室長】
 はい。

【小池(勲)部会長】
 最後の「地震・火山」です。

【本藏委員】
 いかにもそっけない書き方で短いということですけれども、ちょっと補足しますと、実は、書けば何ページにもわたるものができます。現に、こういう冊子があって20ページぐらいあるのですけれども、「今後10年間を見据えた地震調査研究の推進について」ということで、これは1年余りをかけて多くの人が参加してオールジャパンでつくったもので、こうしたものにすべて書き込まれております。地球観測に関係することをここから引っ張り出せば幾らでも書けるのですが、それはちょっといかがなものかということで、書き方はちょっと工夫したいと思います。
 それから、これは地震・津波ですけれども、火山については同様な冊子で、やはり、多くの人が1年以上かけてつくり上げたものがあります。そういうところで、課題がどうなって、これからどういうふうに動くのかということが全部書かれていますので、そこから引っ張り出すと何ページにもわたることになのではありますが、それをまとめたのが、この短い、これだけの文章で書いたものであります。
 具体的な進捗状況についても、全部モニターをしていて、実は、あす、次の概算要求に向けた計画のヒアリングをやることになっています。1日かけて、関係機関すべてのプロジェクト、計画が出てきて、これくらいの人数でヒアリングをやります。そのヒアリングに今年から評価を入れるということになっています。評価といっても、基本は各計画をエンカレッジするようなものにしたいと思っていて、一応、評価結果は出ますけれども、使い方はそんなことを考えています。そういう形で進んでいるのですが、この地球観測の実施方針にどこまで書き込み得るのか、私はいつも困っているので、これは事務局とも相談して、これが余りにもそっけないよということがあるならば、もう少しいい形で次回までにそれをまとめて、皆さんのご意見をいただければと思っております。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 これに関してはよろしいですね。

【谷室長】
 はい、先ほど本藏先生からご紹介いただきましたお話、連携拠点としての取り組みという形で次回、もしくは次々回にまとまった形でご報告をいただければと思っておりますので、セッティングをさせていただきたいと思います。書きぶりについても、次回の素案の形でご相談をさせていただきたいと思います。

【小池(勲)部会長】
 はい、どうぞ。

【小池(俊)委員】
 分野横断的と言いながら、どうしてもこういうふうに分野ごとになるもので、なかなか難しいことはわかるのですが、分野横断的な課題を特筆したほうがいいのではないかと思います。1つは杉本委員からお話があったフィードバックプロセスのところ、これはそれぞれ書き込まれていて、気候変動、水循環、炭素循環、森林火災とか、もしかしたら雲エアロゾルまでつながるかもしれない、ちょっと、地域的なところはありますが。
 それから、もう1つは、温暖化の適応策のところも温暖化の予測検証と不確実性の評価と水災害、生態系機能の評価というところで、もう中に組み込まれていますので、それをまとめたような、少なくとも2つは書けるのではないかと思うし、具体的な取組が動きそうな気もするのですが、そういう部分があってもいいのではないかと思います。
 以上です。

【小池(勲)部会長】
 確かに、もともとは5つでしたか、特出しした分野というのがありましたので、それに準拠してこれを書いていただいておりますが、全体として、横につながるような形でなるべく、それを意識して書いていくことが大事だと思います。
 ほかになければ、きょうの議論はここで閉じさせていただきたいと思います。
 次が7月の初めに予定されておりますので、それまでに素案の形で少しまとめて、会議の場で見て議論するのはなかなか大変なので、できたら、事前に委員の先生に、会議の前、週末を挟んだぐらいのときに送っていただいて、見ていただくほうが、いろいろな議論が出しやすいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最後に事務局のほうから何かございますか。

【谷室長】
 資料2でございますが、今後の予定をご紹介させていただきます。次回の地球観測推進部会は7月10日、先生方の日程をお聞きして10時から12時半、ちょっと長目ですが、12時半までということでお願いしたいと思っております。第3回の部会では、これまでの議論を含めて、また、関係各省との調整をした上で素案をご提示できればと思っております。先ほど部会長からお話がありましたように、事前に送付のことということですので、大車輪で作業をしてまとめたいと思っております。
 また、全体の進め方の中でご紹介もいたしましたが、総合科学技術会議のほうで行われております平成20年度の実施計画のフォローアップにつきましては次回、ご報告していただきます。
 それから、関係省庁・機関、まだどこと決まっておりませんけれども、22年度の実施方針に沿った取り組みの紹介ということで、特に22年度、力を入れてやっていくというものを中心にご紹介をいただくということを考えてございます。
 それから、第4回の部会は7月の下旬から8月の上旬にかけて日程調整をさせていただきたいと思っておりますが、ここで実施方針を確定させることができればと思っておりますので、引き続きご審議、またご協力のほどをお願いしたいと思っております。
 以上でございます。

【小池(勲)部会長】
 きょうは総合科学技術会議の原沢参事官が来られておりますが、何かコメントはございますか。

【原沢内閣府参事官】
 次回に平成20年度のフォローアップの結果をご報告したいと思っております。

【小池(勲)部会長】
 はい。それでは、これをもちまして地球観測推進部会の第2回会合を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

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