資料7
(平成19年8月現在)
ナノテクノロジー・材料を中心とした融合新興分野研究開発(元素戦略)
平成19年度〜平成23年度
物質・材料の特性・機能を決める元素の役割を解明し利用する観点から「材料研究のパラダイム」を変革し、新しい材料の創製につなげる「元素戦略」を平成19年度から開始しており、豊富で無害な元素からなる高機能材料で代替、
戦略元素の有効機能の高度活用、
元素有効利用のための実用材料設計技術、の3つの切り口を提示して公募を実施、事業を開始するところである。
平成20年度はこれに加えて、環境・資源・エネルギーの観点から重要な課題について、その実現のための最大の障害と考えられる要素技術にスポットを当て、リソースを集中して取り組む。
具体的には、貴金属触媒、熱電変換材料、二次電池、高機能材料(モーター用磁石)、極限材料(タービン羽根用耐熱合金)、などを例とした、直接間接的にエネルギー問題に資する材料・技術の開発に向けた基盤思想の構築に取り組む。
「希少資源や不足資源に対する抜本的解決策として、それらの資源の代替材料技術の革新は必須であり、省資源問題の中でも、最も材料技術に期待されているところである。」とされている。
「環境・エネルギー技術等、我が国の科学技術力を最大限に活用し、持続可能な社会の実現に向けた世界の諸課題に積極的かつ継続的に取り組む」と指摘されている。
本領域は、元素戦略の目指す目標を共有しつつ、平成19年度に設定した研究開発領域を補完するものである。元素戦略の実施課題と相まって環境・エネルギー問題に貢献することが十分に期待できるとともに、将来的な発展の可能性があってもすぐには実用化に結びつきにくい中長期的な基盤技術の研究開発について推進を図っていく。
事業の効率性を確保するために、公募に基づいて審査を実施する競争的資金として実施することとしている。また、専門的知見を有する専門家をPD/POとして充て、研究計画や研究の進捗状況の妥当性について研究グループを指導させることとしている。
また、元素戦略は経済産業省「希少金属代替材料開発プロジェクト」と公募段階から連携し、両省で情報を共有してそれぞれのプロジェクトへの提案が相応しい課題については再提案を認めるなどの運用を行っている。これにより、それぞれのプロジェクト間での重複が排除されるなど、研究開発の効率的な進行に努めることとしている。
上記必要性により着実に実施すべき課題と判断する。
また、有効性、効率性についても、現段階での計画として十分検討されているものと判断する。
なお、19年度は産業界との連携が条件とされるなどやや偏りが見られたため、今後採択課題の選定にあたっては、産学連携という足枷を外して基礎的研究に力を入れるなどの検討を行う必要がある。