ここからサイトの主なメニューです

原子力分野の研究開発に関する委員会 核融合研究作業部会(第21回) 議事録

1.日時

平成21年12月18日金曜日 15時~17時

2.場所

文部科学省16階 16F2会議室

3.議題

  1. 核融合研究開発のあり方について
  2. その他

4.出席者

委員

本島主査、疇地委員、石塚委員、大島委員、笹尾委員、髙村委員、常松委員、東嶋委員、平山委員、堀池委員、松田委員、吉田委員

文部科学省

千原研究開発戦略官、山本核融合科学専門官、河原国際原子力協力官、吉田科学官、山田学術調査官

5.議事録

 【本島主査】  それでは、時間になりましたので、少し遅れるという連絡のあった委員もいらっしゃいますが、定足数には達しておりますので、委員会を開催させていただきます。今日もお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

 今日の議事次第、ワークシートに基づきます核融合研究開発のあり方について、インテンシブな議論を期待しているところです。どうぞよろしくお願いいたします。

 今日ご欠席の委員は、香山先生と小森先生です。ご了解をお願いしたいと思います。

 それでは、最初に、配付資料の確認をお願いできますでしょうか。

【山本核融合科学専門官】  それでは、配付資料の確認をお願いいたします。議事次第の4に配付資料の一覧がございますので、机上の資料とご確認をお願いいたします。

 資料1が、「『必要な研究基盤』に関する諮問・検討事項について(ワークシート)」ということで、お忙しい中、先生方に作業していただきまして、それを50音順にホチキスでとめさせていただいたのが資料1でございます。ありがとうございます。

 資料2が、「核融合分野における国際プロジェクト及び国内政策等の主な今後のスケジュール(案)」ということでございます。これは、若干説明させていただきますと、以前に参考資料でお配りしていたものがございますが、その下のところに、オレンジ色の部分を広げまして、今回お寄せいただきましたものを、タイトルといいますか、簡単にキーワード的に書かせていただきまして、見やすくしたつもりではございますけれども、こういう整理をさせていただいております。

 一番下に「凡例」というのがございますが、期間の記述をしていただいたものについては矢印マークで記入してございます。それから、期間が明らかでない、あるいはそのように受け取られたものについては、新幹線みたいなマークをつけさせていただいております。それが資料2でございます。

 資料3が、「第5回ITER理事会共同声明の発表について」というプレスリリース文であります。

 資料4が、「核融合エネルギーの実現に向けた『幅広いアプローチ活動』に関する第6回運営委員会 ~日・欧共同プレスリリース~」でございます。

 参考資料といたしまして、先ほど少しご説明いたしましたが、「核融合分野における国際プロジェクト及び国内政策等の主な今後のスケジュール(案)」ということで、前回までにお配りして見ていただいていた資料でございます。

 以上でございますが、もし不足などがございましたら、お申し出いただければと思います。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 資料を確認していただいたところで、早速資料1についての議論をお願い致します。本資料の取りまとめにも随分熱意を持ってしていただいておりまして、先ほどの図が取り上げられてきているわけでございます。この図をどういうふうにしていくか、大きな流れにしていくか、ツリーにしていくか、根もしっかりつくるかとか、そういう議論を今日まず第1歩としていただければと思っております。

 今日の進め方ですが、最初に委員の先生方にお諮りしたいと思うんですが、このワークシートにつきましては11名の委員から提出をいただいておりますが、お二人が今日ご欠席ですから、9名ということになります。それぞれ3分程度、これはアイウエオ順でやらせていただこうかと思います。

 疇地先生ですが、前回の例ですと大分延びていますから、3分を厳守いただくということをまず約束していただいて、いや、今、進め方を相談しているんですが、事実関係の確認とか、ショートクエスチョンについては、その後の議論のためにも受け付ける必要があるかなと思っております。したがいまして、ワークシートをお書きいただいた基盤、根本的な考えは何かということを念頭に置かれながら、その内容のご説明をしていただけると大変いいのではないかと思っております。

 そういう進め方でよろしいでしょうか。

 それでは、早速ですが、疇地先生、お願いできますか。3分は3分ですので、時間は山田学術調査官に一応はかっていただくことにいたします。

 では、スタートをお願いします。

【疇地委員】  それでは、オーバーしないように頑張ります。

 まず、「課題」につきましては3つございまして、1つは、高速点火実証実験第1期による核融合点火温度の加熱実証。2つ目が、同第2期による核融合点火、そして燃焼の実証。3つ目が、レーザー核融合実験炉LIFTによる正味の発電実証でございます。

 「目的」のところは今申し上げたとおりでございますから飛ばして、「主体となる担い手と体制」については、まず1番のFIREX-1は、大阪大学レーザー研及び国内外の研究者と。以降の2、3については、国内、国外との適切な研究機関との連携が必要であると。新組織については、当然、FIREX-2以降は、1つの大学ではなくて全日本の計画として進めるべきものでありますから、新組織あるいは他機関との強い連携が必要と思われる。それから、規模については、FIREX-1は、現在人員25名程度、建設予算については約75億円、研究予算は年間約1億円で実施しているところでございます。

 2については、人員が約倍強、建設予算については三、四百億。3番目の実験炉についてはさらに倍程度の人員と、建設予算を2,000から3,000億というふうに概算を見積もっております。

 それから5番目の「前提となる必要条件や制約条件」でございます。まず、FIREX-1での点火温度の実証というのが、これは当然、お約束ごとでございますから、これが条件であります。これについては、現在、加熱実験を開始したところで、中性子発生の顕著な増大ということで、目標達成の見通しを得た段階でございます。

 2つ目は、これはあまり条件に私たちとしてはしたくないんですが、当然、米国立点火施設NIFでの核融合点火・燃焼の実証そのものが、その次のステップへ進める上でのバックグラウンドとしての条件になってくるだろうと思っています。

 仕組みの上での条件は、先ほど申し上げた新組織の立ち上げ、あるいは連携相手との調整は当然必要になるわけで、それが1点。

 それからもう1点は、核融合重点化と核融合研究を進める仕組みの間の整合性が当然確保されるべきです。

 6番については、前回お話ししたことでございますから、省略させていただきます。

 大体以上でございます。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 それでは、この後の議論につながるという意味で、何かご質問またはご意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。

【山田調査官】  1つよろしいでしょうか。「規模」のところで、(教員のみ)となっていますけれども、疇地先生のお考えでは、大学の組織でやられるということなんですか。

【疇地委員】  1.のFIREX-1についてはそうですね。2以降については今後の検討事項だと思います。

【山田調査官】  ですから、このワークシートの(教員のみ)ということに別にこだわらなくていいということですね。

【疇地委員】  そうですね。説明不足ですいません。

【本島主査】  松田委員、どうぞ。

【松田委員】  前提となる条件は、FIREX-2計画に進むための条件なんですか。何の条件なんですか。

【疇地委員】  FIREX-2と実験炉へ進むための条件だと思っています。

【本島主査】  質問の趣旨は、両方とも常に1回クリアすればいいことなのかどうかということもあったと思いますけれども。

 だから、FIREX-2に行くための条件で、その後はまた2の結果とか条件も加わるという理解ですね。それでよろしいですか。

【疇地委員】  それで結構です。

【松田委員】  わかりました。

【本島主査】  条件が低過ぎるんじゃないとか、そういう質問ではないですね。

【松田委員】  いや……。

【本島主査】  それは後の議論にも深く関係が出てくることと思います。

 それでは、次に進んでよろしいですか。

 疇地委員、ありがとうございました。

 続きまして、石塚委員、お願いいたします。

【石塚委員】  では、私も短く申し上げます。申し上げたいことは、この私の資料の中のページ1の「1)課題」、ページ2の「5)前提となる必要条件や制約条件」、「6)いつまでに、どこまでやることが必要か」に集約されていますので、あとは簡単に申し上げます。ほとんど省略いたします。

 ページ3の「2)問題点の抽出」なんですけれども、この一番初めの上に書いてあるように、ロードマップ(参考資料)に基づいて回答しなさいということでしたが、そのロードマップは、今日配られたロードマップとちょっと違うものだったのです。つまり、今回配られている資料2と参考資料については、工学設計活動開始の時期等が違っているという状況でありました。今回の資料のほうが、いわゆるエネルギーフォーラムのロードマップに基づいたものであるので、ページ6の「問題点の抽出」について、「5年程度前倒しが必要である。」と書いてありますのは、前の参考資料に基づいたからそう書いてあるわけであります。

 そして、ページ1の「課題」に戻っていただきたいんですけれども、2050年代に商用化を目標とし、2030年代後半に原型炉を運開し、2016年以前に工学設計開始をするというロードマップ、この前、岡野先生が話したこのロードマップに基づいて考えていくことが重要だと思います。これに基づいていくと、「1)課題」にありますように、2010年にはオールジャパンによる国内原型炉チーム、中核組織をつくるべきであると思います。

 その下、3)のところに、幾つかのオプションを書いております。これは時間の都合で省略させていただきます。

 ページ5のところに、国内原型炉設計チームですけれども、このチームは、私は一つの中核組織として考えるんですが、これは、当面の5年間で核融合を原子力長期計画にのせる、つまり、ナショナルプロジェクトに乗せるようにオーソライズされるようなアウトプットを出す。この5年間でそれをやらなければいけない。多分、中身はロードマップに書いてあるような基礎設計とか開発だと思います。

 6)「いつまでに、どこまで」ですけれども、2010年に中核組織を立ち上げるということが書いてあります。

 それから、あわせて、国際協力のために、工程遅延に影響されてしまうことではなくて、やはりロードマップに基づいてきちんとやっていかなければならない。つまり、ぶれないでやっていかなければならないんじゃないかと。そのためには早く2010年にチームをつくり、始めていくべきだというのが、私のこのワークショップで言いたいことです。

 以上です。

【本島主査】  石塚委員、どうもありがとうございました。

 それでは、同じく何かショートノーティスまたは質問ありますでしょうか。

 後ほど、今ご指摘の重要な点についての議論はさせていただくことになりますので、次の委員の説明に移らせていただきます。

 次の資料は香山委員ですが、今日はご欠席です。小森委員もご欠席ですので、12ページ、笹尾委員、お願いいたします。

【笹尾委員】  それでは、12ページから、私は内容的には非常に近いものを2つのワークシートに分けて書きました。

 ITER、SAが現在建設時期に入っておりますので、それと並行して、日本がイニシニチブをとれるように、実際に始まるまでに、その実験のための準備支援研究のオールジャパンの共同研究システムが、ぜひ施策としてあるべきではないかということです。そこに書いてあるような規模、それから事前事後の評価とその結果をいかにITER、BA、SA、トカマクの計画に反映させるかということを書きました。あくまでもITERとサテライト・トカマク実験をターゲットにする支援準備研究の仕組みというものです。

 それから2番目は、同じような体制ですが、さらに今度は、実際にサテライト・トカマク実験やITER実験が始まったときに、オールジャパンでの全専門家がそういう実験に積極的に参加し、寄与できるような仕組みをつくるべきだと。それはもちろん、ITERのミッションを実際に実行するためのシステムとは並行に、研究者、専門家の自由なクリエイティブな発想を引き出すための仕組みが必要だということで、それ以降、ITERが終わるまでの大体2020年、2030年で、最後のほうは多分ブランケット研究が主となるとは思いますが、そういうクリエイティビティーを発揮できるような、オールジャパンの意見を汲み出すようなシステムをつくるべきではないかということです。

 これも仕組みとしては競争的な資金と同じような仕組みで、もっと重要なことは、実際にそういう成果が、サテライト・トカマクやITERの実験に反映されることだと思います。ですから、そういう意味で、競争的資金と、実行上の評価やその結果を重視した仕組みをご提案いたしました。

 以上です。

【本島主査】  どうもありがとうございました。大変重要な仕組みにかかわるご指摘を中心にご報告いただきました。

 それでは、ご質問またはご指摘ありますでしょうか。

 松田委員、どうぞ。

【松田委員】  例えばITERの研究の場合でも、どんな研究をやったほうがいいかというのは、だれでも言えるんです。少なくとも言い出すのは。その意味では、どの研究者もプロポーズする権限はあるんだけれども、自由な発想に基づくというのは、それ以上の特別な意味はあるんでしょうか。その辺をどういうイメージで言っておられるのか、よくわからないんだけど。研究計画上のセレクションプロセスというのはどんな場合でもあるんだけど、それを超えた何かを期待しておられるのかどうか。

【笹尾委員】  もちろんITER、きちっとしたミッションもあり、それを実行することが最重要なことなんですけれども、それと並行して、研究者のほうからボトムアップで出てきたものを、こういう仕組みを持つことによって、先生がおっしゃるように、実際にITERにアプリケーションすることを、この仕組みの中で考えていく。中には実現するものも実現するものもあるとは思いますが、そういう仕組みがなければ出てくることもないし、あるいは研究者を刺激することもないと思うので、こういう仕組みを持つことが重要だということを申し上げたいと思います。

【松田委員】  ITERのミッションは幾つかあって、Q=10というのは、この前はっきりしたミッション。それから、steady stateをultimate goalとする研究というのもミッションですね。

【笹尾委員】  はい。

【松田委員】  そういう範疇の中に入らないものというのを……。

【笹尾委員】  部分的にリンクする、あるいはそれを支援するということは十分あり得るし、最終的にはそれを目指すものであると思いますが、現在進んでいる方式と少しルートが違う、あるいは別の視点からの開発研究を繰り込むというような、特に加熱シナリオ、運転シナリオ、計測技術などをイメージしているんです。あるいは、理論研究もあり得ると思います。

【本島主査】  おそらく今の議論は、研究の進め方にかかわる基本的なところですので、お二人の委員のおっしゃっておられる意味は皆さんご理解いただいたとは思うんですが、基本的に2つのスタンスがあるのではないかと思います。今日、後ほどの議論及び今後の議論で進めていくことにしてよろしいでしょうか。特に笹尾先生のご指摘は、人を育てる観点で、しかも学生、またはポスドクぐらいのところでも重要だということがあると思います。

【笹尾委員】  はい。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 それでは、次の資料が髙村先生ですね。髙村先生がご説明をする前に、先ほどスキップしましたお二人の、香山、小森委員の内容をやはり紹介をしておいていただく必要があるので、香山委員は後ほど吉田科学官から、小森委員についてはNIFSの山田学術調査官からお願いするということでよろしいでしょうか。

 それでは、髙村先生、お願いします。

【髙村委員】  16ページです。私のは簡潔に書いてありますので、読み上げていくような感じになります。「課題」は、我が国における原型炉戦略プロジェクト機構、あるいはチームの結成ということです。DRSPというふうに勝手に書きました。

 「目的」は、原型炉に関して我が国独自のコンセプト、概念設計を確立する。研究課題の抽出を行い、短――これはITERとも共有――、中、長に分けて明示する。中枢の研究課題を実施する。人材育成。それから、近隣・関連分野とも協力し、大学、産業界を巻き込んだ広範な研究活動の展開により、研究の活性化を図る。

 担い手としては、現在機能していますIFERCですけれども、これを発展させ、JAEAの組織を超える性格を持たせる。その中に、ブローダーアプローチとしての狭い意味でのIFERCの機能を持たせる。それから、DRSPは、研究上この活動に関して、JAEA、NIFS、大学、産業界を統合し、機構として中枢機能を持たせる。機構単独での機関設置が困難だとすれば、組織上NIFSを担い手とするものの、そこからの独立性も確保する。

 規模は、予算配分については双方向的な機能を持たせ、JAEA、NIFS、大学、産業界の分を取りまとめる。人員についても双方向的かつ流動性を持たせるように努める。

 「前提となる必要条件や制約条件」ですけれども、一応トカマク型を基本とするものの、ヘリカル系と慣性をも包含し、多様性を確保する。資源配分としては、例えば7:2:1として、このうち7の中には共通のものを含める。設計及び統合を行うとともに、課題研究については関連研究機関をまとめる。一方、研究施設を保有することがあってもいいであろうと。

 いつまでに、どこまでやるかということなんですけれども、これは、平成17年に原子力委員会核融合専門部会が取りまとめた報告書「今後の核融合研究開発の推進方策について」にのっとり判断するということです。要するに、デモの概念設計が始まるまでということになろうかと思います。

 あと、「問題点の抽出」というところで、メンバーはそこに閉じこもっていることではなくて、国内外の実験研究に参画できる柔軟性を持たせる。

 最後に、エネルギー問題全般の中での核融合の位置づけというものが変化することもあり得るので、核融合エネルギー開発のみに閉じこもることなく、常に広い視野をあわせ持つ必要がある。また、社会への発信、国民の意識への浸透などの点も忘れるべきではないというのがポイントかと思います。

 以上です。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 7:2:1の法則をご提案されたわけですが、過去には10:1とか5:5とかもありましたけれども、非常に具体的なお考えを出していただきまして、ありがとうございました。

 それでは、何かご確認またはご質問ありますでしょうか。

 松田委員、どうぞ。

【松田委員】  「目的」の中、最初の1に「概念設計を確立する。」とあるんです。一方、トカマク型を基本的とし、ヘリカルも慣性も包含しというのは、概念設計を3通りやるんですか。それとも、概念設計は1通りで、戦略をつくるのだけは3通りやるんですか。どっちの意味でしょうか。

【髙村委員】  あまりそこまで深く考えていませんが、基本的はトカマク型でつくっていくということだと思うんです。別にアクティビティーとして、ヘリカル系の核融合炉の設計というのもあってもいいのではないかと。

 逆に、そういうことをやることによって、例えば同じ組織の中でお互いに刺激し合う、そういう効果をむしろねらいたい。

【本島主査】  ほかにいかがでしょうか。

【堀池委員】  1ついいでしょうか。

【本島主査】  堀池先生。

【堀池委員】  「JAEAの組織を超える」というのは、ちょっとどういう意味かというのをお伺いしたい。実は岡野さんのロードマップの議論のときにも、もう少し産業界を巻き込んだ、広い組織のほうがいいかもしれないという議論はあったんです。ちょっとそれでお伺いしたいなと。

【髙村委員】  そこがなかなか難しいんですけれども、具体的にどうするかというのは、答えとしてはオールジャパンということなんですが、それを組織上どう実現するかというところが我々の知恵の出しどころです。もちろんJAEAでもNIFSでもいいと思うんです。単独の機構というのは、多分、非常に難しいのではないかなと思うので。ただ、やはり産業界含めて、大学、核融研、原子力機構、そういうところが自由にというか、参画しやすいような組織にしていかなければいけないということで、具体的にどうしたらいいかというのは、皆さんの知恵にかかっているかと思います。

【本島主査】  よろしいですか。

【堀池委員】  わかりました。

【本島主査】  決してバーチャルではないというふうに考えてよろしいですね。

【髙村委員】  バーチャルではないですね。やっぱり何かつくりたいということです。

【松田委員】  例えば核融合フォーラムというのはいろいろな人たちが参加し得る形態なんですが、そういうものでも構わないんですか。

【髙村委員】  それを発展させていくというのも、考え方としてはあり得るかもしれませんね。

【堀池委員】  核融合フォーラムはかなりバーチャルに近いですよね。

【髙村委員】  やっぱりもっと足をどこかに基盤を置いたような、つまり、予算をきちっと扱えるところが重要な点かなと思いますけれども。

【石塚委員】  その段階というのは、単なるペーパーワークだけではなくて、かなりの開発をするようなためのものが必要ではないかと思うんです。そうなると、ワークショップを持っているような組織にして、そこから産業界にちゃんと発注できる形にするのか、あるいは、単なるフォーラムみたいなのか、どっちかだというふうに私は思うんです。

【髙村委員】  私としては、今おっしゃられた、ここにも書きましたけれども、実際に実験できるところもきちっと持って、なおかつ核融合研とか大学の研究をインテグレートできるというところがポイントで、これは一気にやるのではなくて、多分、デモの概念設計が始まるというかなり長いスパンの中で成長していくというか、そういうふうに考えていかなければいけないんじゃないかと思います。

【石塚委員】  もう一回ちょっと。デモの概念設計が始まるというふうにおっしゃられたんですけれども、ロードマップを単なる予測として考えるなら、そのとおりだと思うんですけれども、やっぱりロードマップというのは、一つの目標を考えながら、今何をするかだと思うんです。そのことを考えたときに、最初の一番大きなポイントである工学設計をいつにするのか、これから6年後なのか、10年後なのかということだと思うんです。

 今回の岡野さんの示したのは、6年後にこれをやりますと考えたときに、いつこの組織をつくるかというのは非常に大きなところだと私は思います。

【髙村委員】  組織をつくるのはas soon as possibleというのが、私の基本的な考え方です。

【本島主査】  そこは意見の食い違いはないという、確認のご発言ですね。

【髙村委員】  そうですね。

【本島主査】  わかりました。

 それでは、後ほども議論を深めていただきたいと思います。

 それでは、今も俎上にのってきましたJAEAから、常松委員、お願いします。

【常松委員】  最初におわび申し上げたいのは、これはほんの一部で、この後にプラズマ研究のSA関係と炉工学関係がくっつくんですが、31日まで頭が全く回らないものですから、すいません、この目次みたいなものだけで今回はご容赦願いたいと思います。

 いわゆる原型炉戦略設計コアチームということで、これは概念設計とか工学設計じゃなく、「戦略」と――あまりいい言葉じゃないんですけれども――別の名前をつけたのは、まず、原型炉の具体的なイメージをつくり、設計作業を通じて人材を育成という目的にしてございます。

 それから、戦略的な観点から、要素技術開発に必要な方向性を提言と、この2つが目的になっていまして、いわゆる工学設計活動にいつ入るかという問題があるんですけれども、5年から10年のスパンで考えると、その間に何をやっておくべきか。現実に建設に入るのはもっとずっと先ですから、スパンとしては、やっぱり20年規模での作業が完結できるコアになるチームが要るだろう。そのコアの最初の芽出しです。

 主体となる担い手は、どこでもいいんです。思いついたから、JAEAとNIFSという大きな組織を書いておきましたが、ともかく10人程度のコアチーム。予算が5億円。これが適切かどうかわかりませんが、基本的には10人に全部任せるというんじゃなくて、いろいろな分野、いろいろな研究とか産業界の人が、短期、兼務、あるいは任期つきというもので出入りするんだけれども、この10人はコアになって、いつもそこのところを取りまとめるというイメージです。

 人数のあれは思いついただけで書いたので、例えばこれを30人、50人にすると多分すぐ組織として腐る、5人では少ないというので、大体10と書いただけ。丸めた数字です。

 前提となるのは、当然、BAとかIFERCを考えます。それから、原型炉のR&D実施組織と密接な連携が必要。あえてこの辺に設計と書いていないのは、概念設計を下手にやらせると、漫画だけをかいて10年が終わる。設計のスタディーだけやって、比較ばかりやる。それよりもむしろ、ほんとうに必要なscalable R&Dは何なのかというビジョンが出せるかどうか。それから、大体実験炉でコンポーネントのファンクションは割れていますから、あとはフルエンスとか何かの補正をかけたときに、実規模のR&Dは何かというのをはっきり工学設計の段階で出せるかどうかという、これは一種の人材養成組織です。

 ということで、いつまでに何かというのは、10年ぐらいに原型炉の具体的なイメージとか、概念設計の構築とか書いてありますが、基本的には次のほうの概念設計構築に必要なR&Dやコードだとかを進めながら、いわゆるR&Dを構想する。当然、それはほかのものの大きな流れを見ながらやっていく。

 ということで、次のページに移りまして、当然、いろいろなものと依存いたします。1)のところに書いてありますか、下から2番目、「資金や人員の円滑な流れを確保する制度の構築。」、多分これが一番大事なんだろうと思っていますが、あまり具体的なイメージはありません。

 それと、大事なのが2-2です。現実には建設・設計に実地経験がない若手を中心に置かざるを得ないとすると、60もLHDもITERもつくったことのない人というのが――ITERはだんだん出てきますけれども、しょせんパーツです。全部をつくったわけではありません――どうやってやっていくかという、この育成が大事だろうと思っています。現にやろうとしても、30代のコアチームが今すぐ構想できるかというところに視点を置いて書かせていただきました。

 以上です。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 それでは、後ほどの議論に関連する多くの考えを出していただいたと言えますけれども、いかがでしょうか。

 やはりITERが存在していることによる価値というのは、非常に重要ですよね。

【常松委員】  もちろんそうです。

【本島主査】  それは後ほど、いろいろと関連の議論になることを期待いたします。

【常松委員】  ITER、SA、炉工学、その辺は、ちょっとすいません、新年早々出させていただきます。素案はできているのですが、どの程度の研究をするかで規模がまだ読めないところがある。ちょっと考えさせてください。

【本島主査】  高村委員、お願いします。

【髙村委員】  IFERCとの関連を重視しつつとあるんですけれども、私の考えた点として、いわゆる日欧の活動とこの戦略コアチームとの関連みたいなものをどういうふうに考えているかという……。

【常松委員】  最初はともかく、来年からやろうとしたら、このお金はありませんから、IFERCの人件費を食って立ち上げようと思っています。IFERCに2PPYでしたか、日・EUでそれぞれ4,000万ぐらいかな。そうすると、若い学生さんで、旅費だけ――旅費だけというわけにはいかないな、旅費と滞在費だけだったら結構なことがまずできるから、そういうところから始めて、設計にシフトできればそっちにしたいと思っています。ともかく、まず、実をとる前に種をまく。その前に畑を耕すというところから、まずIFERCを始めて。多分、芽が出てからこっちのプロジェクトに行くんだろうなと思っています。

【髙村委員】  いや、そういう意味ではなくて、要するに、矛盾――矛盾というのはちょっと言い過ぎですけれども、日欧で共同という、その辺に関して……。

【常松委員】  ああ、そういうことですか。

 そこが概念設計というのを表に出さなかった理由の一つで、主要機器のファンクションをきちんと設計要求をまとめるというと、液体ブランケットだろうが、ソリッドブリーダーだろうが、ファンクションは変わらないし、リクワイアメントも変わらないです。そういうところに視点を置いて、人を育てていこうかなと。

【髙村委員】  だけど、それでBAの要求を満たすことはできるわけですか。

【常松委員】  はい。BAは共同作業をしろと言っているだけで、アウトプットを定義していません。要は、両方で、先ほど言った芽出しができればいいと思っているというのがBAですからというふうに解釈しています。向こうも多分そうだと思います。

【髙村委員】  わかりました。

【本島主査】  高村先生、簡単に首振らなくて結構ですから。後ほど議論していただきますので。

【髙村委員】  いえいえ。

【本島主査】  しかし、非常にクリアなお考えがJAEAからは出てきているということは、皆さんご了解いただいたかと思いますので。

 それでは、平山委員、お願いします。

【平山委員】  前回、最初から意見を出せないと発言しましたが、具体的なことでなくても良いから意見を出して欲しいということでしたので、ずっとこの間聞いていて気になったことを記載しました。

 先ほどもいろいろな意見がありましたけれども、端的に言えば3つの方式がパラレルに取り組まれているわけです。多分これはどこかの段階では必ず決めないといけないと思いますが、それをどういう組織で、どういう方法で決めるのかというのが一番疑問です。

 どの段階でどうするかというのは、ある程度ロードマップの中で決めておかないといけないと思います。

【本島主査】  やはり開発研究が進んでいけば、今の問題が一番重みを増していくわけですので、ロードマップをつくる時点でそれを決めてくださいということではありませんね。

【平山委員】  ええ。どういう形でそれをやるのかというのは、決まっていないにしろ、ある程度念頭に置いておかないと、いざ決めるときに、じゃあどうしましょうかでは多分いかないと思います。そういうことについて、もう既に合意があるのならいいんですけれども、あまりそのあたりは聞いた記憶がないので、どういう形でそれを決めるのかということ、あるいは、全体の進展の中でいつごろそれを決めないといけないのかというのは必要なんじゃないかなということです。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 最初の1台目を何でつくるかというご指摘に近い部分もありますね、100年間で1000台ぐらいつくるわけですから。

 それでは、堀池委員、お願いいたします。

【堀池委員】  長かったので、後で読んでいただくことにしまして、ほかの委員の方とダブっているところははしょって、エッセンスだけをお話ししたいと。

 原型炉の工学設計活動の構築というのが一番大事かなと。ポイントは2つありまして、今のブローダーアプローチをどうやって発展させて、ITERを経て原型炉に行くのかというのが1つ。そのために、どこに書いたか忘れたんですけれども、ITERでIFMIFの加速器ができますので、その加速器を利用してニュートロンソースをつくって、そこでブランケットの研究を始めたらいいんじゃないでしょうかというのが一つのご提案です。

 IFMIFは40MeVという加速が要るのですけれども、実はリチウムターゲットの場合は2MeVぐらいからもうニュートロンが出ますので、核融合条件は模擬できないけれども、ある程度ニュートロンが出れば大概のブランケット研究はできるはずなので、そういう方法は一つあると思います。そうすると少ない予算で、先ほどから議論になっているような要素研究を立ち上げることができる、というのが一つのご提案です。

 もう一つは、JT-60SAを、LHDもそうなのですけれども、プラズママシンを20年間ぐらい、ITERが照射装置になるまで維持しておくというのが一番大事で、例えばJT-60SAでダイバータの開発をやる。そのダイバータの開発を官民一体になってやることによって、できる前に改造の話をするのはまずいのですけれども、例えばITERも運転が始まったら何年か後には改造するだろうし、そういうジョブを民間産業界ができるだけ取りやすいような仕組みをつくることによって、ITERに払った維持費を日本に還流することも視野の一部に含むようなプロジェクトに仕立てていくのが大事かなと。

 その2点をいろいろ書いたんですけれども、あとは読んでいただきたいと思います。

【本島主査】  よろしいですか。まだ時間はありますけれども、せっかくですから、これだけのご指摘をいただいていますので、ほかにもたくさん重要なことがあると思います。

【堀池委員】  あとは23ページのところを見ていただきますと、大体真ん中の下あたりに、1、2、3、4、5が大事というふうになっております。ブランケット開発を主に六ヶ所で進める。それから、ダイバータは既存のプラズマ装置を使って進めるという役割にして、既存の装置を最大限生かして進めてはどうでしょうかということです。

 24ページでは、2050年の歴史的意義といいますか、そういうものをもう少し我々は国民にちゃんと説明する必要があると思うのです。あまり核融合界の方は意識されないのですけれども、2030年から2050年というのは、既存の原子力発電所が高経年化した運転寿命をほぼ終えて、解体される時期に当たっています。その間に日本の原子力というのはものすごくリプレースが進む。そこに高速増殖炉とともに、ある程度核融合のプレゼンスというものがちゃんと示されることが、21世紀の後半に向かってのエネルギー源として、核融合が発展していくための必要条件になっており、地球環境問題へのコントリビューションもあって、2050年に間に合う開発をきっちり国民に見せるのが非常に大事かなと思います。

 以上です。

【本島主査】  どうもありがとうございました。社会に対する発信についても重要なご指摘をいただきました。

 それでは、ご質問または確認事項ありますでしょうか。

 この23ページの1)から5)までの5項目ですが、これは先生の炉工学分野のコミュニティーとしては、コンセンサスは十分とれると考えてよろしいんでしょうか。

【堀池委員】  はい、そうです。

【本島主査】  それによってどれぐらい研究者層を引きつけられるかということですね。そういったところの見通しはどうなんでしょうか。

【堀池委員】  そこまでは深く考えていなかったんですけれども、かなりの人数が関与しないと開発できないと思います。だから、そういう意味で言うと、常松委員のおっしゃったようなプロジェクトにある程度おんぶにだっこ――アイデアをおかりして実施しないと進まないということになるかと思います。

【本島主査】  よろしいでしょうか。

 それでは、松田委員、お願いします。

【松田委員】  私は2つ書きまして、1つは原型炉の政策的課題、もう1つは技術的なプランに分けて。平山先生のご質問に対する答えを、核融合界はしないといけない。

 多分、原型炉の工学設計段階に入るときには第4段階に入らないと、もうとてもつくらせてもらえないだろうと。そのタイミングが非常に重要で、それまでの間に概念設計を行うんですが、概念設計を第1段階としたときに、その第1段階にほんとうにちゃんと入るためには、いつ方式を絞るかというのは明示しないといけないと思っているんです。いつまでもいろいろな方式を並列でやらせてくれといっても、なかなか政策的なところでは入らないから、直ちに絞るという必要はないんだけれども、例えば第2段階というか、建設段階に入るためにはそこで絞りますということを核融合のコミュニティーが言うのが、第4段階に入るための条件じゃないかと思います。それが1点。

 次が28ページの、主体となる担い手の組織の話なんですけれども、その第2段階、いわゆる工学設計段階になるときには、しっかりとした建設主体がなかったらいけないだろうと。オールジャパンという言葉がよく出てくるんですけれども、オールジャパンの意味するところは何だというのをもっとちゃんと定義しないといけないんじゃないかと。こういう段階だと、いわゆる建設主体というのは非常にはっきりしていないといけない。ここでは仮に核融合研究開発機構という名前をつけさせてもらったんですが、このステージの段階では、日本に一つそういうものをちゃんと定義して、そこで広く人材を集めるようにしないといけない。そのときはいろいろな協力を得ないといけないんですけれども、その協力というのは、やっぱりちゃんとしたコントラクトに基づいた形、つまり、イニシニチブをとるところの主体の意思がちゃんと伝わるような形でないと、ほんとうの第2段階以降の話というのはうまく進まないだろう、無責任な体制になってしまうと思います。

 以上です。

【本島主査】  まだ時間がありますから、もう少しどうですか。

【松田委員】  予算的なエスティメーションは、えいや、で、ぱっとやったので、必ずしも岡野先生のものなどと一致しておりません。これは今後どういう条件で考えるかによりますし。

 それから、今まで人と金というのは別々に計算していたんですけれども、これはそもそも一体で見積もるべき話だと思います。リソースがあって、そのうちどれだけ人を雇うか、あるいは外注文なりコントラクトでやるかとか、いろいろなタイプがありますけれども、分けて考えるのは非常に難しいと思います。

 それからもう1つ、過去これまで、産業界の協力というのは、産業界の芽出しでもって協力を得られていたんです。それは、前提としては、近い将来に必ずリターンがあるだろうというので産業界が協力してくれていたんですけれども、そういう時代ではもうなくなってきていますから、ちゃんと産業界の貢献がある分だけ、払えるだけのリソースを確保しないとなかなか難しいし、当然、原型炉というフラッグは立てないといけないですけれども、それにしても適切なペイができるような予算でないといけないだろうと思います。

【本島主査】  石塚委員、どうぞ。

【石塚委員】  この後もちょっと議論があるかもしれませんけれども、いつまでに核融合方式を固めるのかということだと思うんです。

 ITERで初プラズマが発生して、ある程度プラズマの条件を見て、それから決めるんだという話があると聞いているんですけれども、そういうことなんでしょうか。そうすると、やっぱりITERの計画に引っ張られて、日本の原型炉が決まってくるということなんですけれども、それが1つのポイントなんでしょうか。あるいは、ITERのプラズマ発生ではなくて、それ以前から、原型炉から決めていくということなんでしょうか。どちらなんでしょうか。

【本島主査】  松田委員個人のお答えということで結構ですから。

【松田委員】  ええ。私個人的なビジョンとしては、早く原型炉を始めようとしたら、ITERのプラズマのあれを待って決めるというのでは遅いだろうと思っているんです。ただ、ITERのプラズマをもってやるというのは、ほんとうの建設、第3段階。それに入るためには、ITERでちゃんと制御できるというのが必須条件だと思います。第2段階に入るために……。

【堀池委員】  第4段階……。あっ、第2段階か。

【松田委員】  私の定義とちょっと違ったらすいません。

【常松委員】  4-2ということなんでしょう。

【松田委員】  そうです。

【本島主査】  もっと早くしてほしい、すべきだというご指摘もあるんですよね。

【石塚委員】  ええ、そう思います。

【本島主査】  高村委員、関連のことですね。どうぞ。

【髙村委員】  松田委員の言われる第1段階という段階においての組織形態というのは、どういうふうに考えておられるのか。それから、リアクターが3種類あるとして、それがどういうふうに扱われるというふうに考えておられるのか。

【松田委員】  第1段階の活動というのは、第2段階以降のいわゆる本格的な工学段階に入る前の段階なので。ただ、それにしても、主たる機関というのが決まっていて、それにいろいろなところが協力する。協力するスタイルは、私の言う第2段階以降みたいなリジッドである必要はない。例えば大学からの参加もありますし、当然、今まで活用しているような形態であると思いますが、その範囲内でやることは不可能ではないと思っています。

 むしろ第1段階で大事なのは、はっきりしたシステムでもっていくというよりは、スタートしながらというのがあると思うんです。今までの経緯も引きずりますし、ドラスチックに変えるほど予算的な見込みもなかなか難しい。そういうことを考えると、どこかが中心になりながら、協力関係も結んでやる。ただし、それにしても、今まで考えられているような予算では少ないから、ある程度、毎年数億円ぐらいのはちゃんとつけてくださいよという感じの話にはなると思いますけど。

【髙村委員】  そのバウンダリー、1段階から2段階へ移る時点というのは、どういう時点ですか。

【松田委員】  その時点というのは、第2段階へ入るというのは、つくる原型炉がもうはっきり定義されていないといけないんですよ。

【髙村委員】  ですから、概念設計との関連で……。

【松田委員】  概念設計が終わって、はい。

【髙村委員】  終わって。はい、わかりました。

【松田委員】  さっき常松委員が言ったあれですね、どういうR&D、大きなR&Dが必要かというのもちゃんとアイデンティファイされ、設計の概要が決まっていないといけない。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 それでは、吉田委員、お願いいたします。

【吉田委員】  先ほどから聞かせていただいておりますと、やっぱり政策の中でどういうふうに原型炉に向けて検討していくかと。ロードマップ方式とか、主体をどうするか、体制をどうするかという議論、これは非常に大事なことであるというのは、私もよくわかるんです。

 もう一方では、きちっとした具体的な研究の進展というものを進めなきゃいかんと非常に強く感じております。これは、岡野先生中心に議論いただきましたロードマップの中でもうたわれているんですけれども、BA、それからITERというもので、決して我が国の核融合研究が完結していないんだと。早急に研究体制をきちっと構築して取り組まなければいけない、そういう主要なR&D項目が9項目あるということも指摘されております。

 そういうことを我々としては非常に重く受けとめて、これは政策の中の新しい方針として、ぜひ入れ込んでいくべきだと考えております。実はその一つ、岡野先生の指摘された中には、例えば超電導のこと、トリチウムのこと、メンテナンスをどうするかとか、いろいろなことがあります。

 その中でも、私自身も多少関連していまして、非常に痛切に感じている材料の問題。特にダイバータ材料というのがどんどん難しい状況に今来ているような気がしますので、その辺のところは早く立ち上げる。特にこれは、今までのいきさつから、大学が主体となって研究を進めてきた部分があります。大学というのは、ある意味では非常に頑張るときもあるんですけれども、決して継続的ではない。脆弱な体制です。ですから、そういうものを核融合科学研究所とか、原子力研究機構、それから、材料のほうからしますと、メーカーとの密接な協力関係がなければいけません。その中に大学がきちっと入ってやるような組織を一日も早く立ち上げて、強い、ベクトルをそろえた研究を進めていく必要があろうかなと思います。

 ここで書かせていただいたのは、先進ダイバータ、特にタングステンの先進ダイバータの開発ということを中心に書かせていただきましたけれども、そこに限らず、非常に主要な項目でありながら研究が進んでいないところをどう進めていくかということを、ぜひこういう中で議論して、そういうものがどうやったらうまく立ち上げられるか、ITER/BAと並列して進めていけるかという方策を議論していただきたいと考えています。

 詳細なことは省略させていただきますけれども、そういう気持ちで書かせていただきました。かなり舌足らずでありますので誤解もあるかと思いますけれども、どうぞよろしくお願いします。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 それでは、何かご質問、ご指摘ありますでしょうか。

 先生はITER/BAの技術委員会の委員長もされていらっしゃいますから、そういう観点からもまた検討していただけるものと思っております。

【吉田委員】  そうですね。

【本島主査】  よろしくお願いいたします。

 そうしましたら、議論が既に始まっておりますけれども、欠席のお二人、香山委員と小森委員について、代理ですからわかる範囲で結構です。吉田科学官、お願いいたします。

【吉田科学官】  香山先生から私が特に何か聞いているわけではないので、代読という形になりますが、時間のこともありますから、ポイントと思われるところだけ読ませていただきます。

 香山先生からは、「材料開発とリンクしたブランケット工学」を課題として、基本的にはBAの発展系というか、BAが終わった後、それをつないで原型炉設計に向けた基盤をつくることを目的とした事業の必要性が述べられております。この主体となる担い手として、JAEAとNIFSの工学部門の参加のもとで、六ヶ所のBA活動を強化拡大した新たな組織が必要とされています。コアとなる人員は30人程度で、予算は当初は年間10億程度のものである。それを、50人、50億程度の規模へと拡充し、そこで材料開発とリンクしたブランケット工学を進めていくということであります。

 次のページで、2-2のところに問題意識が述べられておりますけれども、「炉工学を担う、若手と産業界の基盤の弱体化」ということが指摘されている。これは、先ほど常松委員から述べられたことにも多分関連しているんだと思いますけれども、こういった人材育成の計画をもって基盤をきちんとつくっていく必要がある。そのような問題提起をいただいております。

 以上でよろしいでしょうか。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 堀池委員、何か関連のお立場で、補足ありますか。

【堀池委員】  香山先生と相談したわけではないんですけれども、香山先生は材料の開発に時間がかかるので、特に世代の継承が大事だということを常々おっしゃっています。それもあるのですけれども、材料系の新しい装置、IFMIFがそんなに簡単には立ち上がるような情勢でもないので、材料系の若手の育成が非常に大事だというのが香山先生の日ごろのご持論だと思います。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 それでは、特にご指摘はないかと思いますので、後ほどの議論の中で今の説明を生かしていただきたいと思います。

 それでは、小森委員からのワークシートについて、お願いいたします。

【山田調査官】  10ページでございます。小森委員からのご意見をご紹介させていただきます。

 全体として、固有、個別の課題というよりも、ロードマップというものをどういうふうに考えていくべきかというお考えを示されたものだと考えております。

 「課題」ですけれども、個々の研究のロードマップから、統合された全日本のロードマップを作成し、逆に個々の研究のロードマップに反映、また、時間経過とともに個々のものと統合されたものを調整する必要がある。

 「目的」としましては、研究課題の洗い出しと分担化、あるいは、競合化、スケジュールの確定などにより、遅滞なく原型炉を設計、製作するべきである。

 「主体となる担い手と体制」ということでは、当初は個々の組織が自己の責任で、国内協力・連携、国際協力等により課題を進める。原型炉の形式を決定し、工学設計に入る時点、すなわち第4期中期計画――これは補足いたしますと、大学法人の中期計画ということですので、2022年に当たります――がスタートするころには新たな組織を立ち上げ、工学設計、製作を進める必要がある。

 「規模」としましては、当初は個々の組織の人員、予算等を手当てして、新たな組織を立ち上げた後は適切な人員と予算を手当てする必要があるということです。

 いつまでにということでは、繰り返しになりますけれども、2022年から始まる第4期中期計画中には工学設計を始める必要がある。2040年代になるまでには原型炉の稼働――これは逆にこういうふうに原型炉の稼働を追いかけられているんだと思いますが。

 あと、11ページに入りまして、依存関係などについては、ITERなどに連動、あるいは依存する必要はなく、我が国独自のスケジュールで早期の原型炉の実現を目指すということで、これは先ほど石塚委員からもご指摘があった点と共通する問題意識だと思います。

 「その他」といたしまして、競争(競合)は研究の発展には必要であるが、経費を考えると相補的に行う部分も必要であるというご指摘です。

 以上です。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 次回は直接議論に参加していただけるといいのですが、今の説明について、何かご指摘または質問ありますでしょうか。

 松田委員、どうぞ。

【松田委員】  その第4期中期計画が2022年からとなると、そこから工学設計に入るということは、ロードマップ上は、原型炉の建設開始はかなり遅くなるということですよね。

【山田調査官】  おそらくここで出た工学設計というのは、実規模でのR&Dを含めたようなものをこの時点で始めるということだと思います。

【松田委員】  そうですよね。

【山田調査官】  はい。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 それでは、今、一通りの説明、ただし大変重要な説明をしていただきましたし、議論も既に始まっておると私も認識しております。

 これから約1時間ですけれども、さらにここでの審議を深めていただきたいと思います。大島先生、どうもお忙しいところありがとうございました。ちょうど資料1が終わったところで、資料2のロードマップの検討のために事務局で整理していただいたA3の資料があるわけです。まず、吉田科学官から、今の議論も踏まえて今後の方向性等、ワークシートを出していただいたことは、大変プロダクティブであったり、サクセスフルであったと私も思いますが、そういった観点での全体的な話を可能な限りしていただいた上で議論をしていってもらおうと思います。よろしくお願いできますか。

【吉田科学官】  お忙しい中、ワークシートの作成で多くの先生方に、ご協力いただきまして、ありがとうございました。

 この作業部会では、最初にお願いしたことでありますけれども、核融合エネルギー開発の分野の研究開発が、整合性がとれて、かつ合理的な計画、戦略に基づいて進められるための作戦書を具体的な次元で検討していこうと考えておりまして、それに必要な多くの重要なご提案をいただいたと思っております。

 次回までに事務局等々に相談して、大体の骨格のようなものをつくり上げたいというふうに思っておりますので、それに向けた議論を本日よろしくお願いしたいと思っています。

 ここにいただいたご提案を、非常に大まかに分類いたしますと、一つには、具体的なテーマ、要素技術、あるいは基盤技術のプロジェクトのご提案をいただいているものがあります。第19回の作業部会で岡野さんからトカマク型原型炉へ向けたロードマップの検討に基づいた9項目の重点的な課題を挙げていただいたわけですけれども、まだそれ全部がカバーできているわけではありません。しかし、幾つかのものが挙げられておりますので、それについて相互の関係や、まだ足りないものについて議論をいただきたいということが一つ。

 それから、それとは少し違った階層のこととして、長期的な開発の戦略にかかわる課題のご指摘です。平山先生からデシジョンメーキングをどのようにするのかという疑問があげられています。デシジョンメーキングをしていくタイミングや項目をこの作業部会で明確化すると同時に、それをどのような体制でやっていくのか。これは当然のことながら、研究者のコミュニティー、専門家の判断によって、まさに地形図の上でどの道を選んでいくのかというデシジョンをやっていくわけですから、それをどのような体制でやるのか。それの議論が必要だというご指摘をいただいております。この観点についての議論もしていただく必要があると思います。

 それから、もう一つの観点としては、資料にITER/BAの進行状況、それから、重点化研究の進行計画がダイヤグラムで書かれているわけですが、これらとその他のプロジェクト相互のリンケージというか、例えばITERのアウトプットがどこに通じ、また、ITERにどういうふうなインプットが必要かという関係。ですから、このダイヤグラムでいうと、まだそれぞれの計画が平行線が書かれた状況ですけれども、これに縦方向にリンケージをつくっていくことが必要だろうと思います。

 以上、私が思いつく範囲で申し上げますとそのようなことですけれども、カテゴリーの違う内容がありますが、それぞれについて、本日、具体的にいろいろご議論いただければと思います。よろしくお願いします。

【本島主査】  もう進行役を吉田科学官にお任せしたいところです。

【吉田科学官】  いやいや、とんでもない。

【本島主査】  最初はある程度自由に手を挙げていただくということでもよろしいでしょうか。このワークシートに事前に項目が整理されていたとおりですので、改めてこの項目についての再整理は必要ないと思います。先ほど来のご説明とご議論で、時間的なこと、特にポイントになる時間、それから設計チームのこと、これをいかにつくるかということも含めて予算化も必要になります。

 それから、今ご指摘のとおり、ITERの役割をさらに重視していく必要があります。この資料2を見ても、次のデモ炉を建設するときに、若手の中でITERで育ってきた人が中心になるということも間違いないわけですから、そういう人が育たないといけないわけです。人の流れを書くと、当然ITERが非常に重要になります。

 それから、大学にいても、さらに若い人たちの教育、育成を具体的に進めていくためのロジスティックス等も重要になりますね。そういった観点になるかと思います。ですから、先ほど吉田科学官がおっしゃった地形図というのは、どこにお城をつくって、どこに掘りをつくるか、どこに流れている川を利用するかということなんだと思いますので、そういう形での取りまとめの方法というのは、一つ迫力を持ってできてくるのかなとも思います。

 それでは、先ほどの議論の続きをしたいと思います。笹尾先生からお願いできますでしょうか。

【笹尾委員】  今、科学技術予算のかなりの部分は、核融合予算のかなりの部分というのはITER/BAに投入されているわけですので、この計画は全日本で実施することを決めた。そういう意味で、これの有効利用がほんとうの原型炉の設計に重要だと私は考えています。

 それと同時に、ヘリカル系及び慣性核融合をいかに包括していくものにするかという点なんですけれども、これも、人によってはITERで基本的な問題が解決できなかったときのバックアップとして考えている方もいるし、そうではなくて、トカマク方式の欠点を最初から持っていないようなシステムだという、その有利性を強調される方もいらっしゃると思うんです。

 そういう意味で、課題を少し整理する必要があると思うんです。いつ炉の形式を決めるかというためには、そのデシジョンメーキングをするためのいろいろな課題の整理、それからその時期について、このロードマップとは別の、炉型を選択するためのある意味のロードマップみたいなものを製作する必要があるのではないかと思いました。

【本島主査】  最初に笹尾委員から議論の口火を切っていただきましたので、予算的なことについては、文科省にも発言をしていただく必要があると思いますが、最初の議論の出発点にかかわるという意味では、何千億も予算を出してもらうにはどうすればいいかなどということではいけません。例えば今議論している設計チームをつくる必要があるということについて、これはここの委員会の非常に重要コンセンサスになりますから、そのために数億規模の予算をどういうふうにひねり出したらいいか、また、いろいろなところから集めることも考えないといけません。そういった見通しがあるかないかというあたり、「いや、ある」という答えはぜひしていただきたいと思うんですが、先ほどITER/BAの有効利用ということをおっしゃいましたので、原子力機構にも発言をお願いしたいと思います。

 これは、言葉としては有効「活用」と言ってよろしいですね、「利用」ではなくて。

【笹尾委員】  ええ、「活用」です。訂正いたします。

【本島主査】  大変頑張っていただいたおかげで、ITERの予算というのは仕分けから外れたわけですし、民主党政権も重視しているという結果が出てきているわけです。

 選択と集中が今後さらに重要になるということも、明らかなことだと言えます。もちろん、ある意味やりにくくなるというイメージが、選択と集中で先行しがちなのですが、私は必ずしもそうではないと思います。一種のレギュレーションをつくるということでもありますから、規則をつくれば規則を守ることによって自由度が増えることになります。東嶋先生にお聞きしたいことですけれども、これは民主主義の原点だと思います。僕は子供にはそう言って育てたつもりで、前向きにとらえていく必要があると思うんです。

 前向きという点で、ぜひ議論をエンカレッジしていただきたいと思います。では、先にまず何かご質問ありますか、この際。どうぞ。

【吉田科学官】  選択と集中というのは非常に重要なキーワードですが、研究者コミュニティーにおいては、選択と集中と学術の多様性が常に両輪になっているわけで、その点に、先ほど笹尾先生と松田委員の間であった議論も関連するんだろうと思うんです。そのことについて、少しコメントというか、意見を述べさせていただきます。

 我が国の核融合研究は何本かの路線を追求してきて、長い歴史を持っており、そのことが日本の核融合研究の水準の高さを生んだといえる。例えばITERに新たに参入した国であればアプリオリにトカマク型の研究をするんでしょうけれども、我が国の研究のさまざまな蓄積からすると、トカマク型における問題点も十分認識される。トカマクに対する対立軸として、ほかの方式の研究の蓄積があるからです。そういった意味で、幾つかの路線がいずれ収れんしていくことを考えたときに、やはり笹尾先生が今おっしゃられたように、課題を整理する。具体的に対立軸を明らかにしつつ、研究を進めていくことが重要です。

 あるときに選択をするならば、それまでの研究の幅が将来また生かされることが大事です。これは本島先生が何度もおっしゃるように、核融合炉を100基というオーダーでつくっていくときに、当然、さまざまな設計のバリエーションが生まれてくるわけで、その設計のバリエーションを生むためのDNAというか、基本的な情報というか、学術的な知識が我々が獲得した資産といえるレベルに至ることが大事です。

 したがって、チェックポイントにおいて選択は、そういった意味で行われる。そのことを研究者は希望する。外的要因で、予算的要因で、その選択と集中がなされることは、いたし方ない面もあるかもしれないけれども、できるだけそうではなくて、研究者コミュニティーが、知識の集積として行う選択と集中である。そういう形になっていくべきなんだろうと思います。

 そのことが、平山先生もご指摘のように、選択をどのように行っていくのかということの重要な点であって、これは外的要因によって行われる選択ではなくて、研究者がある種の学問的な戦略として行う選択であることが必要なんだろうと思うんです。選択をいつどのように行うのか、どういったことを観点として我々が議論するのかということも、できるだけ具体的にこの報告書の中に盛り込むことができればと考えておりますので、そのあたりもぜひご議論いただきたいと思います。

【本島主査】  では、しばらく5分とか10分弱ですが、今の選択と集中ということに絞って議論を続けてもらっていいでしょうか。産業界からも、ぜひ。それが第一義だというご意見が先ほどあったわけですし、レーザー核融合からは、選んだときにレーザーが選ばれればよし、そうでないときにはレーザーの研究をやるべきだというロジックが必要ですね。

 そのあたり、今日すぐに完全に理論立てて言うことは、時間もかぎられていますから、難しいと思いますが、今日の議論の流れで、可能な範囲で発言してもらいたいと思います。ヘリカルのお立場は山田先生からぜひお願いしたいと思います。

 例えば第1号炉をトカマクでつくったと。これは世界的な競争になりますよね。そうすると、諸外国に特許を押さえられたりしてしまうと、日本でつくれない面が出てくるわけです。そういうことも予想しないといけませんから、リダンダンシーというのは絶対要るわけです。だから、トカマクにしたといっても、既にトカマクもA、B、Cとたくさんあるわけです。そこで選択をしないといけないわけですから、僕はそういう意味で、バリエーションがあって当たり前だとも、科学官のおっしゃるとおりだと思うんです。

 産業界の立場で、ぜひお願いします。

【石塚委員】  産業界の立場と申し上げるのかどうかわからないんですけれども、先ほど、社会的に認められ、求められることでこのプロジェクトを推進するのが重要だとおっしゃられました。私はそれは重要だと思います。

 なぜ今その社会的重要性が認められていないかということについては、やっぱりターゲットが決まっていないからなんです。どういう形で、いつ決めていくのかというのがはっきりわかっていないというところで、すごく社会的な認知ができていない。さらに言えば、社会的認知とおっしゃられたけれども、もっと中の、産業界内部、例えばこれを使うであろう電力会社の人たちはどう思っているんですかということについても、それを判断するような材料もまだ出てきていないという状況の中で、社会的な認知を得ないと非常に難しい状況になっているということだと思うんです。

 したがって、なるべく早い段階で――。どういうステップでもいい――日本のステップを決めることだと思うんです。

 その中で、先ほどちょっと科学官がおっしゃったことの2番目と3番目、開発戦略決定のタイミングとITERのことなんですけれども、ITERの実験炉、原型炉、今回は商用炉と原型炉、いわゆるデモをやめて商用炉という形の構想になっているわけですが、その中で、ITERの活動の結果として何が出てくることが次の原型炉にとってクリティカルかということを、きっかり決めておかないといけないじゃないかと思うんです。それを決めないと、ITERが変わってくればこちらの計画も変わってしまうということになって、これも非常にフローティングな形になっているんじゃないかと思います。

 実は先ほど初プラズマについて伺ったのは、そういう意味で、ITERによる初プラズマがクリティカルなんですかということで、ちょっと聞いたつもりでいるんです。つまり、ITERのような国際協力ですから、計画のおくれとかなんかは非常に心配なところがあると思うんです。ITERはどうおくれても、これが成果として出なければ次へ行けないのか、あるいはそうじゃなくてできるのかということをきっちり決めておくことが、すごく重要じゃないかと思います。

【本島主査】  大変重要なご指摘、ありがとうございました。

 確かに、最後におっしゃったITERのミッションというのは、ブローダーアプローチが出てきている根拠でもありますし、大変重要な点ですね。

 そうしましたら、JAEAサイドから少し議論を深めていただきましょうか。松田委員、どうぞ。

【松田委員】  JAEAサイドというよりかは、考え方のベースとして、いろいろなオプションが原型炉でも考えられると思うんです。トカマクでも少しずつ違った設計とか、ヘリカルもあり、レーザーもあり。一方、原型炉の段階になったら、とにかくしっかりしたものを国内中心につくらないといけない。それも多分確かだろうと思うんです。

 一方、それは国際協力を否定するというものでもないんだと思うんです。例えば、トカマクとヘリカルとどちらがいいかよくわからない、だけど日本としてつくろうとしたら1つしかつくれないという場合に、世界的に、ヘリカルも重要だなというパーティーがあったとすると、国際協力のミクスチャーで両方実現するという道がないわけではない。だから、国内だけできっちり考える必要も一方ではないんじゃないかと思うんです。

 ただ、少なくとも、例えば日本を中心にしてつくろうとするのは、ヘリカルであれ、トカマクであれ、ある時期にはっきり決めないと、予算はついてこないだろうなと思います。

【本島主査】  それでは引き続いて、ヘリカルに少し軸足をシフトした立場の発言を、山田学術調査官、それからレーザーについては疇地委員にお願いしたいと思います。その後、お願いできますか。

【常松委員】  はい。

【本島主査】  では、山田学術調査官お願いします。

【山田調査官】  ヘリカルにしても、トカマクにしても、レーザーにしても、それぞれ問題があるわけでして、それは我々50年間研究していて、よくよくわかっているわけです。

 ただし、このロードマップにありますように、2030年代に何とか発電できる原型炉をつくっていかないといけないということで、その時点で一つの炉型を決めるというのは当然なことだと思います。ただ、そこで選ばれなかったからといって、そこを研究していた人たちは挫折をして職を失うわけでも何でもなくて、例えばこのロードマップを書いていったときに、例えば我々が今教育している大学院生たちは、ほとんどこの右端まで行くわけです。その人たちが見たときに、そういった選択がどういう選択であろうと、自分たちはこういうキャリアパスを積んで仕事をしていくんだということがわかるようになっていかないといけないと思います。

 ですからそのときには、ある意味、ヘリカルであるかトカマクであるかという選択というのは、ちょっとストロングステートメントですけれども、研究している人たちにとっては矮小化されていくんじゃないかと思うんです、核融合炉をつくるというのが一番大きな目的ですので。そういう意味で、今日は別にヘリカルだ、トカマクだということは申し上げませんけれども、今、若い研究者たちがそういったデシジョンメーキングによって不幸なことにならないように組んでいく必要がどうしてもあると思います。

【本島主査】  かなり自信に裏打ちされた発言であったと受けとめますが、やはり1番目につくるのは何にするのかというのは早く決めなければならないですね。

 では、疇地委員、お願いします。

【疇地委員】  まず、選択と集中をしなければいけないか否かは、トカマク、ヘリカル、レーザーの位置づけによると思います。ヘリカル、レーザーがトカマクの欠点を克服するもの、トカマクに何か隘路があったときのバックアップオプションであるという位置づけをする場合には、確かにどこかの時点で選択と集中が必要であると思います。

 ところが、特にレーザーを例に挙げて言うと、負荷変動に非常に対応が早くて、大変小型な炉ができるという方式である場合には、当然、対象とする電力マーケットが異なってくるわけです。例えばヘリカル、トカマクが電力のベースロードを担うのに対して、レーザーは負荷電力の変動にまずは対応する。このように目的が違う場合には、基本的には選択と集中をする必要はないのではないかというのがまず1点。

 そうはいっても、研究開発ですから、ある時点でどこかに重点化する必要が出てくる場合もあるとは思います。そのときに、基本的には組織の大きさとか予算の大きさで物事を判断するのではなくて、学術的および技術的なフィージビリティーで判断するべきではないかと思います。

 これもレーザーの例を出して申しわけないんですけれども、皆さんご存じのように、あと早くて1年、長くて2年程度の間で米国のNational Ignition FacilityでQ=20という成果が出るだろうというふうに多くの人が予想しているわけです。それに対して、日本のコミュニティー、日本の政府を通じての基本的な考え方は、あれはディフェンスプログラムであるのでエネルギー開発には基本的には関係ないものであるということだと思います。過去にはその見方は正しかったんですけれども、世の中は非常に速く変わってきていて、先週もワシントンである核融合の会議が開かれたときに、スティーブン・クーニンさんという科学次官の方が来られていて、演説をされたんです。そのとき大変重要なことを幾つか言っておられました。

 最も重要だったと思われるのは、NIFの点火とエネルギーとの間のギャップは何かと。第一に科学的なギャップは何か。それから、技術的なギャップ。1秒間に数回ペレットを打ち込んで、エネルギーを取り出すようなことがどの程度の研究開発でできるのか。3つ目が政策的なギャップです。現在は、NIFというのは、National Nuclear Security Administrationというところで所掌されているんですけれども、その役割を変更することも含めて、これから1年かけて、National Academy of Sciences(NAS、全米科学アカデミー)の委員会を立ち上げて結論を出すと。この委員会の結論とNIFの点火が、アメリカの慣性核融合のエネルギー政策への大転換を引き起こすのではないかと私は思っていますけれども、そういう世界の動きを考慮に入れて、今の日本の組織の大きさ、予算の大きさとかではなくて、もう少し客観的な判断を下していくべきであると。日本のFIREX-1の成果も含めて、そこは客観的に判断していただけたら大変ありがたいと思っています。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 お二人のご意見に対してでなくてもいいのですが、常松委員、先ほどの議論の流れで、今度はJAEAの立場でお願いできますか。

【常松委員】  恐れ入りますが、これ、ほんとうはちゃんと追加したほうがいいのかなと思うんですが、一番上の「国際協力計画の動き」を中心に見ていただきたいと思います。

 まず、初期プラズマというのが2018年なんですけれども、これが今のITERのオリジナルプログラムになっていて、2026年にDT燃焼開始というのが大きなマイルストーンになっています。初期プラズマの発生というのは、当初はかなりのプラズマを考えていたんですが、要はこれはコミッショニングがほぼ終わったという程度で、ここで何がわかるかというと、主要な工学要素技術のコイルとか真空容器――加熱装置はまだここまでいかないんですが――、それから、ちゃんとトカマクとして超電導で動くかといった、主要要素技術の製作方法が正しいのと、運転ができるようになったというのが、多分この初期プラズマの意味だと思います。

 DT燃焼の開始までに何がわかるかというと、今、ここのところをリサーチプランで詰めているんですが、おそらく2023年-24年のボックスの辺で、DDでもってHモードに達するかどうかということが見込まれる。そのHモードの性質が、いわゆる今、ダブレット3、JT-60、JETという――ダブレット3タイプのクラスと60、JETという大型トカマク、その延長線上のHモードであるか。もうちょっと専門的に申し上げると、ジャイロボームスケーリングがここで成立しているか。ペデスタルというのは、サイズ効果というのはそれなりに出て、ある程度の厚みと強みを持っているか。そういうことがこのDDで確認できれば、おそらくDTになれば、そのQ=10の400秒というのはそれほど大変じゃなく達成できるだろうと。

 もしここで、それが全く違うHモードだったらどうしましょうかというと、多分2つの道があります。

 1つは、その下のほうにJT-60というのがありますが、これが、サテライト化の計画はITERに前倒しすること3年を旗印に今考えてございます。ということは、初期プラズマが発生しているぐらいには加熱装置が、もうちょっとあるかな、100秒は無理にしろ、それなりのいいプラズマがこの前後ができているんだろうなと思います。そうすると、もう一回60に戻して、サイズはITERに比べて小さいですがが、どうすればITERでHモードがよくなるかというのが研究できるかというのが1点。

 それから、ともかくトカマクはサイズを大きくすると、いいHモードにならないんだというふうに断罪されれば、ほかの方式に行かざるを得ない――ものすごく極端なことを申し上げます。ですから、そのクリティカリティーが、やっぱり2023年-24年のDD実験の本格化にかかっているんだろうと。当然、加熱装置がついていないといけませんけどね。あとはDTでQ=10というのは、わりとストレートだと思います。

 もう1つ、発電炉に持っていくには定常性というのが要ります。その定常性がいつあらわれるかというと、おそらく早くて2030年か2030年代というボックス、この辺だと思うんです。これだと、もう原型炉の建設が始まっているというシナリオですから、ITERはおそらく確証だけにして、この2023年-24年のITER、DDのHモードと同時ぐらいにJT-60のsteady stateで見通しが立つか、これがまずキーマイルストーンだと思います。非常にハイベータで、ある程度bootstrap currentな、ある定常なプラズマが100秒以上維持――100秒まではなくてもいいかな、かなり長く維持できるかというところまで持っていけば、あとは確証でDT燃焼で同じかというのを見るだけの話だと思いますので、この2つをもって、トカマクは原型炉に行き得るという判断ができるかどうかというのが、まず、プラズマ上は一つ問題。

 それから、炉工学は、工学要素はほとんど初期プラズマで、ITERは、すべてじゃないんですが、主要要素はわかるとします。そうすると、おそらくマグネットとか、真空容器とか、加熱はちょっとあれなんですが、そんなに原型炉が大きく変わるわけじゃない。そうすると、原型炉の工学で何が違うかというと、ブランケット、トリチウム装置、ダイバータ、材料、もうちょっとグローバルに言うとプラントの高温化。こういったものはITERと全く無関係ですから、できるだけ前もってターゲットを定めて、フルエンスとか動作温度の検討はつきますから、どんどん進めればいいんだと思います。

 とすると、ITERから得られるものは何かというと、ITERクラスのマグネット、真空容器がちゃんとトカマクになりますかという初期プラズマが着いた時に工学のシステム的な正しさ、2023年-24年のいわゆるDDレベルでのHモードの性質、それから60でのsteady stateの性能、こんなところが、ITERとBAから情報を持ってトカマクの方式で定常の原型炉に進めるかという一番のかけ合い点かなというふうに、かなり独断が入っていますが、こんなものでよろしゅうございましょうか。

 もうちょっと整理する場合には、また別な資料をご提出申し上げます。

【本島主査】  十分戦略的なお話をしていただけたので、改めて確認していただけたと思います。どうもありがとうございました。

 笹尾委員、どうぞ。

【笹尾委員】  一つ、ただいまのご説明で、DT実験の重要性というのが、少し私が考えていたものと違ってはいるんです。といいますのは、やはり内部加熱源を持ったプラズマの制御とか、さらに内部電流を持ったシステム、もう一つはプレッシャーのグラディエントの制御、それからエルムのコントロール、そういうものを実際の核燃焼下でやることは、やはり炉の性質上不可欠なものだと私は考えていますので、そこでの成立性というのが炉設計に影響を及ぼすことはあまりないとお考えになっていますか。

【常松委員】  いえ、タイミング上、そこまで待ってからじゃないと炉設計できませんかと言われるのを恐れてあえて言わなかったんですが、もう一つは、ほんとうにそうでしょうかというのが、私の今の持っている疑問です。内部加熱だから、今のHモードは変わりましょうか、これが大疑問なんです。アルファパーティクルが含まれた場合と、それから、もし中心加熱だけだったら、ECHだけでHモードになったときは何が変わるんでしょうかというのは、ほんとうにタービュレンスの状態が変わるのなら、多分それはDT燃焼の後、かなり時間がたたないと原型炉設計ができないことになるので、そうなったときはそうなったときで、またしようがないと思うんですが、Hモードの性質がQ=10とか=30程度では、あまり変わらないのではないかと――制御のしやすさ、しにくさはあります。それは、内部加熱で勝手にプロファイルをつくっちゃうんだから、しにくくはなりますが、本質的なHモードを決めているタービュレンスは変わるんでしょうかと。変わるという先生もいます。変わらないという先生もいます。それを研究するのが多分今後の燃焼プラズマの核になって、ITERをまたずにどうやって研究しましょうかと。既存のトカマクでやる、シミュレーションでやるとか。

 それから、SAがnon-nuclearでも動いたときに研究はできないかと。そのシナリオを実は考えていただきたいです。今から。ほんとうはもう遅いんだけど。今まで考えていないといけなかった。ですから、ITERのリサーチプランでそれをつくるのと同時に、60のリサーチプラン、LHDのリサーチプランでそれをぜひつくってほしい。これは物理屋さんの最大のお仕事です。これができなければ、物理屋さんはこれからは仕事しても仕方がないと思います。そのために、六ヶ所の計算機も十分に活用していただきたいと思っています。

 ちょっと言い過ぎましたけれども、おっしゃるとおりで、わかりません。ただし、そこだけはいいほうにかけないと、早目の設計ができないということでございます。

【本島主査】  石塚委員、そのタイミングの点だけ、もう一度確認のための発言をお願いします。

【石塚委員】  今のご説明で、私なりにITERとこの日本の原型炉との関係はある程度わかったんです。これ、意思決定というのがこの狭い範囲内で行われるなら、多分そうだと思うんです。社会的なところまで行かなくても、もうちょっと広い方々が入ってITERとの関係を説明するのであれば、今のことだけではなかなか通じないんじゃないかなという気が私はするんですが。

【常松委員】  おっしゃるとおりです。それは重々心得ております。お集まりの方がかなりの核融合のご専門であるということを前提に、今、お話ししたのでありまして、当然、Hモードとか、steady stateとか、そういう話はなくて……。

【石塚委員】  言葉ではなくて、私が申し上げたようなクリティカルなものと、それから次のステップへ行くための研究について、どう位置付けるかということ。

【常松委員】  そこをほんとうに見ないとブレークスルーにならないのか、予測がつくから確証だけでいいのかという2つの視点で整理ができるんだと思うんです。今、ちょっと頭が働かないし、これしか知りようがなかったから不十分な説明になりましたが、そこはもうちょっとちゃんと何人かに議論させてつくらせないといけないかとは思いますけど。

【本島主査】  時間が限られてきましたけれども、もう一つは、設計チームの立ち上げについても、話をしておいてもらえると、次回への文章のインプットがしやすくなると思いますので。

 今、加熱、ドライブについては非常に正直なご発言があったわけですが、そこは今までのEDA等で十分見通しがあっての議論ですから、そこだけはもう一度再確認していただくということと、そのための物理の立ち上げが重要であるということはもちろんです。それはいわゆるリスクアナリシスで言えば、そのリスクを下げるということになるはずです。

 疇地委員と山田調査官は、加熱とドライブの問題が、レーザーもヘリカルもないんだから、次の実証炉はレーザーかヘリカルにすべきだということはあえておっしゃいませんね。そういう議論も出てくることは当然あり得るということと思います。

 なおさら設計チームが必要でして、やはり我々は変わっていく必要があるわけですから、オバマ大統領の言葉をかりるわけではありませんが、changeが必要です。どう変わっていくかというのは、一つは選択と集中の方向でchangeしていくわけですが、もう一つは量から質へというchangeの仕方があるので、この分野は今後特に量から質へのchangeが求められるのではないかと思ういますが、そういうことを具体化するためには設計チームを立ち上げ、実際に人も予算も場所も定めていく必要があるわけです。

 設計チームについてご意見を伺ってよろしいでしょうか。髙村先生に最初の口火を切っていただけますでしょうか。

【髙村委員】  私の趣旨は、設計チームというふうにしますとちょっと狭くなっちゃうので、もう少しいろいろな、岡野さんも示されている重点項目がございますよね。ああいうものに対しても具体的な研究活動ができる、あるいは核融合研とか大学、JAEA含めてインテグレートできるような機能を持たせるということが必要だと思うんです。

 私が想定しているのは、概念設計につなげていくまでの立ち上げ、松田委員の言い方ですと第1段階に相当するのかもしれませんが、ちょっと言い方はニュアンスが違うかもしれませんけれども、そういう概念設計をしていくには、サイエンティフィックな要素がまだ残っているのではないかと。

 要するに、いろいろな重点項目等についても、答えが見つかっていないから重点項目になっているわけです。そういうものを展開していく中では、先ほどちょっと申し上げた、少し多様性も必要なのではないかと。特に同じ場で、例えばトカマクが主体ですけれども、ヘリカルの人、あるいは慣性核融合の人も含めて、その重点項目を展開しながら設計活動をやっていく。そこでいろいろなものが整理されていくのではないかなと思います。

 重要な点は、これをできるだけ独立した組織といいますか、そういう性格を持たせたものでつくっていくという点が重要ではないかなと、先ほど私が申し上げたことの繰り返しになりますけれども、そういうふうに考えております。

【本島主査】  笹尾委員、どうぞ。

【笹尾委員】  基本的に私も髙村委員のご提案に賛成したいと思います。まだ問題点の整理、課題の整理がかなりある。それは横軸を時間軸にした上で、それに対してどういう戦略をとっていくのかということも含めてです。

 髙村委員の16ページの「目的」の中で、特に私は4、5にちょっと追加したいと思うんですが、先ほど疇地委員とか石塚委員のほうから、日本のエネルギー政策あるいは電力政策の上で、核融合がどういう役割を果たせるかという点においても、慣性核融合と磁場閉じ込めとでは違う役割があるんだと先ほど疇地委員がおっしゃられたこともありますし、それから、現在稼働している原子炉の今後の計画ともマッチングがとれたものにしていかなければいけないと思うので、その辺のことも検討できるような内容であったほうがいいのではないかと思います。

 今新しく何かを立ち上げようとした、原型炉を設計をしたときに、そういう役割も考えてもらえたらと思います。

【本島主査】  ありがとうございました。大変重要なご指摘をいただいております。

 では、吉田委員、お願いします。

【吉田委員】  少し議論が戻ってしまうかもしれないんですが、先ほどの集中と選択というところの認識は、我々は研究者なものですから、そういうスタンスでの議論しかなかなかできないところがあるんですけれども、もっともっと我々が置かれている環境というのは実は厳しいと思うんです。いろいろな研究をやっていくというのは大事だというのは、ずっと我々主張してきたわけですけれども、例えばITERが今どういう状況になっているか、今からITERをほんとうにきちっとやっていくとしたら、どういうことを我々としては考えなければいけないとか、そういうことを考えると、もう少し今の段階で突っ込んだ選択と集中というのを軸にした戦略が要るのではないかという気がずっとしているんです。

 多分、ITER、トカマクの路線を、我々日本は選択したわけですね、当面の方針として。それに対して大きな投資をして、さらにそれをデモ炉という形でエネルギーの実現に向けるというときに、今はどこに集中すべきかという議論をもうちょっとシビアに真摯にやる必要があるような気がいたします。

 いろいろな炉型に対してという投資もあるかもしれませんけれども、やはりITERからデモへつないでいくために、それを炉として実現するために何に投資したらいいのか、それをもう一遍考えてみるのも大事なんじゃないと思うんです。重点項目として核融合研でのヘリカル、レーザー研でのレーザー、大きな役割を担って研究が進んでいるわけですけれども、そういうものが今言った路線の中でどういう役割を果たせるのか。あるいは、遠い将来に対してはこうだということはもちろんあるんですけれども、今の状況の中での厳しい役割の担い方というのは何かということを議論する必要があるんじゃないでしょうか。そういうところからも設計の戦略が出てくるような気がいたします。

【本島主査】  東嶋委員、お願いします。

【東嶋委員】  先ほどから石塚先生、疇地先生、笹尾先生、それから今の吉田先生のご意見を伺って、私も全く共感します。

 例えばこの資料2のスケジュール表を見ますと、2030年代に発電の実証、運転を開始し、50年代に実用段階というのがありますけれども、実際、例えばエネルギーの世界の広い視点での議論では、20世紀前半は石炭と原子力が日本のエネルギーを主に担って、後半になったら新エネルギー、蓄電の技術、フリークエンシーを整える技術などができてきて、原子力に置きかわるんじゃないかというぐらいの議論がされている。

 その中で、さっき堀池先生は、2050年が非常に重要だ、今の原子力発電のリプレースがあったり、高速増殖炉の絡みがあるとおっしゃっていましたが、2050年時点を見たときに、果たして今の原子力発電の代役として核融合があるかどうか。ほかのエネルギー源との競争がその時点であると思うわけです。そういった視点からしても、30年代の段階でまず発電が実証されたときに、ほかのエネルギー源と比べて勝てるのか。コスト、社会重要性、供給安定性、エネルギーセキュリティー、環境とかいろいろあるかと思います。

 今までの原子力発電の日本のエネルギーの中における位置は、自然エネルギーも弱かったし、化石エネルギーも輸入してコストが高かったりとかだから、わりと楽な位置にいたと思うんですけれども、今後30年代、50年代になって、果たしてほんとうに今の原子力の分が核融合にリプレースできるのか。そういった視点も踏まえて、さっき笹尾先生がおっしゃったみたいに、設計の段階からほかのエネルギー源との競争という視点を取り込みつつ、選択と集中というのをやられてはいかがかと思いました。

 以上です。

【本島主査】  どうぞ。

【石塚委員】  おっしゃられるとおりだと思うんです。これは核融合の話から外れるんですけれども、今の蒸気タービンを使っての発電方式の中で考えていたのでは、とても核融合は成立しない。そういう蒸気タービンを脱したような発電方式との組み合わせでリンケージを張って、この開発をやっていかなければだめだと私は思います。

 以上です。

【本島主査】  堀池委員、どうぞ。

【堀池委員】  選択と集中の前に、2050年に向かって核融合のプレゼンスを示すために、ある程度共通部分は協同して戦っていくというのが一番重要だと思うんです。それが一つ、先ほどちょっとご提案した炉工学関係の研究開発においては非常に共通基盤が大きいので、そういうところはできるだけ一束になって走っていく。その中に、全日本体制ということであるので、トカマクの部分もあるし、ひょっとしたら、この芽を伸ばせばヘリカルにも、レーザーのブランケットにも使える可能性があるという部分を残しながら、できるだけやっていく中で進めていくのが一つ。

 もう一つは、選択するのは僕らじゃなくて、メーカーさんであり、電力会社なんですよ。だから、僕らとしては、できるだけ最大限合理的なものを社会に提案する以外にないのであって、その部分において1つに絞り切れなくて、2つ残るとか3になるとかいうのがあっても、それは説明責任という意味では許されるのではないかと思います。

【本島主査】  結論ですか。

【松田委員】  いや、結論じゃないです。

【本島主査】  例えば、東嶋委員と私のビューとの大きな違いは、2050年以降のエネルギーができるだけゼロエミッションに向かっていこうとするときに、他のエネルギー源にほんとうに答えがあるかというのは、ビューの違いが非常に大きいと思います。

【堀池委員】  それは2050年までに答えが出るから、ほうっておいて大丈夫なんじゃないかと僕は思うんです。

【東嶋委員】  ビューの違いが大きいのは当然として、その時点でほかのエネルギー源に勝てる、ちゃんと生き残っていくということを国民にしっかり説明できる根拠を持っていないと、スパコンのように、いくら基礎研究が大切だとかいったり、今までこんなに投じてきたんだからやらなきゃといっても、それはきかない世界ですよと言ったまでです。別に私、石炭が生き残るとか、新エネルギーがどうだとか、そういうビューを持っているわけではありません。ただ、そういう議論があるので、そういう視点も大切だと言ったまでです。

【本島主査】  ほかのエネルギーとの競合を議論するというのは、この委員会の枠を超えますので、そこは一般的な解析というか、アナリシスの結果も引用していくことになると思います。東嶋委員のご指摘の中にあったと思いますけれども、既存のエネルギー体系との競合というのは、よしあしだけで決まらない点は必ずあります。日本が選択しなくても、外国が選択する可能性ももちろんあるわけです。

 したがって、できるだけ早く、できるということを実証のレベルで証明しておく。あとは社会が選択するかどうかですし、我々かかわった人間としては、選択してもらうように最大の努力をする、効率も上げていくということだと思います。そういったほんとうに大きな、1,000年先、1万年先の議論にもかかわるわけですから、それを頭に置いて、現時点の実証炉ぐらいまでのロードマップをどうつくるかということに、ぜひ委員の先生方、今後も力をおかしいただきたいと思います。

 それでは、吉田科学官に再登場願って、今日は非常に深い議論をしていただいたわけですので、今後の進め方を少しご披露くださいますか。

【吉田科学官】  今日たくさんの資料が出て、また深い議論が進みました。おそらく次回は1月に開催を予定させていただくことになると思うんですが、それまでにできる限り今日までの資料、議論をもとに大枠をつくって、次回の資料にしたいと思います。

 それと同時に、今日の資料の中で、ここに全体の展開図をかいていただいたんですが、またこれを見て足りない部分、あるいは、まだ書き足りていないことがあれば、それはぜひお出しいただきたい。

 それから、今日の議論の中で、主査から特に重要なこととして指摘されたように、ITERあるいはBAとのリンケージをもっと具体的なレベルで検討していく必要がありますので、それについてもぜひ委員の方々から追加のご意見もちょうだいしたいし、また、科学官、調査官のほうから、ネットワークから具体的な意見を伺いまして、それをこの会議の俎上にのせていきたいと思っております。

【本島主査】  どうぞよろしくお願いします。今の方向で作業を続けていただく――まとめの作業という意味ですが――ということでよろしいでしょうか。

 1つおはかりいたしますが、設計グループまたはチームについては、どうやってつくるかというケーススタディーをしてもらうわけにはいかないでしょうか。例えば、それは予算も含めて責任が持てるとしたら、JAEAとNIFSということになるんですが、大阪大学も手を挙げますか。それは出てきたものを見るということでどうでしょうか。

【疇地委員】  はい。

【本島主査】  今日の7:2:1等の数字も加味して、7:2:1でなくてもいいわけですから、NIFSがやるならどういうふうになりますと。

 JAEA、できますか。ケーススタディー。

【常松委員】  できますけど、設計といったときの幅が結構あるので……。

【本島主査】  それもケーススタディーに入っていいと思います。

【常松委員】  いやいや、それが、例えばARISの研究等で比較しているのを、皆さん、あれ、設計と思っているけれども、あれはスケッチレベルですから、設計はあくまでも工学的な誘導が見えるところまで落とさないと意味がないんですけれども、そういうところまでやるのか、単なるデザインスタディーをやるのかのレベルが違うので。

【本島主査】  いや、やはりつくるためのケーススタディーでお願いしたいと思います。

【常松委員】  つくるためのというところだったら、そういうことをやらないと、僕の概念、あなたの概念とやっちゃうと、まとまりがつかなくなるんだと思います。CADで図面をかいて設計だと思っているところが非常にありますので、最近はすぐに図面がかけますから、それが落とし穴になるんじゃないかと思います。

【吉田科学官】  そういう問題意識を表に出していかないといけません。主査がおっしゃっているのは、そういった必要なものですよね。ここの議論は、あくまで必要なものは何かという議論ですので……。

【本島主査】  そうです。自分のところで責任を持ってやるとしたら、こういうことができますということで、何も2つの組織にこだわらないんですが。

 どうぞ。

【疇地委員】  今の設計チームをどうするかということと、どこまで設計するかというお話は、磁場核融合の原型炉ということなんでしょうか。

【本島主査】  いえ、そういうことではありません。

【疇地委員】  そういうことではないんですね。

 ただ、レーザーの場合に実験炉や原型炉を提案しようとすると、対象とするプラズマが全く違うので、ここの委員会の原型炉の中でということではなくて、例えば外国の、欧州との協同とかもあり得るので、別枠の計画として提案することも可能なんでしょうか。ちょっとその辺の議論のフレームワークがもう一つよくわからない。

【本島主査】  議論が混乱しない範囲だったらいいと思いますけど。

 どうぞ。

【松田委員】  レビューのための検討というのと設計を分けないと、コンフューズして何をやっていいかわからなくなると思うんですよ。髙村先生のおっしゃっている内容は、いわゆる判断するための材料の検討という部分が相当入っているんです。それと、常松さんが言ったような概念設計で次のステップへ入るための条件をやるというのとは、作業として全然違うんです。それを一つの場でやるのは非常に難しい。概念設計なら概念設計をやるといったら、タイプを選んで、設計者、企業を巻き込んでやらなかったら意味がないし、そういうのがなかったら……。どうもこの委員会が欲しているインプッツがどこか出してくれるところがないかという期待が入っているような気がするんだけれども、そこのコンフュージョンは避けないと、指示されたほうは何をやっていいのかわからなくなると思うんですけれども。

【本島主査】  おっしゃるとおりです。その検討を委員会でするために、どういうチームが今つくれるかというケーススタディーをしてもらえないかという意味で言っています。ですから中身は、今、松田委員がおっしゃった後者です。今日の議論も、デモ炉をいかにつくるかという議論ですから、後者に軸足を置いてもらうのでいいのではないかと思います。

【松田委員】  そうすると、設計チームという名前は使わないほうがいいと思うんです。

【本島主査】  ああ、それはそうですね。そういうことはあると思います。では、それも含めて。

 疇地先生に逆提案させてもらえば、大阪大学でもしそういうグループをつくったときに、レーザーはやらずにトカマクかヘリカルのことをやってもらう。そういう逆転は成り立ちませんか。要するに、オーガナイズする責任をどこが持つかという話ですから。

 それでは、山本専門官、ちょっとまたおくれてしまってすみませんでした。残りの時間でスケジュールの話をお願い致します。

【山本核融合科学専門官】  すみません、その他の部分はいかがいたしましょうか。

【本島主査】  そこをごく短時間でやってもらえば助かります。

【千原研究開発戦略官】  恐れ入ります、資料3と4でございます。前回の作業部会以降、11月、12月にITERの理事会、幅広いアプローチ活動の運営委員会がございました。その発表資料を配らせていただいております。基本的にはもうお読みいただいてということでよろしいでしょうか。時間も過ぎておりますので、失礼いたします。

【山本核融合科学専門官】  引き続きまして、次回のスケジュールの予定でございますけれども、今年はもうこれで終わりということにさせていただきまして、年が明けまして、1月の下旬をめどに次回を開催させていただけないかと思っております。また日程調整をメール等で送らせていただきますので、ご協力をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

【本島主査】  では、最後に何か、今後の議論の進め方等で特にご意見があれば伺いたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 大島先生、何か一言ありますか。

【大島委員】  具体的なものというよりは、全体を通しての感想なのですが、私自身、ペタコンに関係しており、まさしく事業仕分けで凍結という非常に厳しい判断を受けました。東嶋委員もおっしゃっていましたが、プロジェクトに関わっている人はどういうことが起こっているかという詳細はわかります。例えばペタコンはハードウェアが取り上げられがちですが、そのハードの性能を生かすためにソフトウェアに対してもかなりの労力が割かれています。なかなかその点には目が向けられていませんでした。したがって、各研究や事業の位置づけをきちんと見せる形にするということは重要だと思います。

 核融合は長期的に、しかもエネルギー問題として日本にとって非常に重要なことなので、個別の研究という意味でもさまざまな形で行われていると思いますが、それが最終的にどのような形を目指しているか、また、それが今どのような形で進んでいるかという、いわゆるロードマップをきちんと見せないと、これからは非常に厳しい時代なのだと改めて思いました。

 今日も集中と選択ということで非常に熱い議論がありました。長期的な視野にたって、そのような形で進んでいく必要があるのだと感じるとともに、ぜひ進めていっていただきたいと思います。

【本島主査】  最後に大変重要なことをおっしゃっていただきまして、ありがとうございました。

 それでは、今日の審議はこれで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。

 ―― 了 ――

お問合せ先

研究開発局研究開発戦略官付

最所
電話番号:03-6734-4163
ファクシミリ番号:03-6734-4164

(研究開発局研究開発戦略官付)

-- 登録:平成22年05月 --