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原子力分野の研究開発に関する委員会 核融合研究作業部会(第20回) 議事録

1.日時

平成21年11月12日(木曜日) 15時~17時

2.場所

文部科学省16階 特別会議室

3.議題

  1. 核融合研究開発のあり方について
  2. その他

4.出席者

委員

本島主査、疇地委員、香山委員、小森委員、笹尾委員、髙村委員、常松委員、平山委員、堀池委員、松田委員、吉田委員

文部科学省

千原研究開発戦略官、山本核融合科学専門官、河原国際原子力協力官、吉田科学官、山田学術調査官

5.議事録

【本島主査】  では、時間も参りましたし、今日、出席ご予定の委員の先生方は全員来ていただいていますので、第20回の核融合研究作業部会を開催させていただきます。

 本日の出欠についてですが、石塚委員、大島委員、東嶋委員は、ご都合でご欠席という連絡をいただいております。よろしくお願いいたします。

 それでは、議事についてご確認をいただきたいと思います。議事次第にありますように、核融合研究開発のあり方について、そして、ITER理事会等のその他の項目があるとおりです。審議の内容としては、前回からの大きな流れの中での今日の20回目ということになります。よろしいでしょうか。ほかに、特に何かご提案があればお願い致します。

 それでは、この議事次第に従って審議を進めさせていただきます。まず、配付資料の確認をお願いいたします。山本専門官。

【山本核融合科学専門官】  それでは、お手元の議事次第に配付資料を書いてございますけれども、それと照らし合わせながら、確認をしていただければと思います。

 まず、資料1でございます。本日ご発表いただきます核融合科学研究所からの資料でございますが、「原型炉に向けた核融合科学研究所の今後の学術研究について-定常ヘリカル型原型炉の実現に向けて-」という16枚の資料でございます。

 資料2が、同じく今日ご発表いただきます、大阪大学のレーザーエネルギー学研究センターの関係資料でございますが、「原型炉に向けた大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの今後の取組について-レーザー核融合炉の実現に向けて-」ということでございます。なお、机上に1枚、「高速加熱による中性子生成数の増加」というのがございます。これは、スライドのページ12というのがありますが、それの差しかえということで、ごらんいただければと思います。

 資料3でございます。「「必要な研究基盤」に関する諮問・検討事項について(ワークシート)」ということで、4枚、ホチキスでとめてございます。

 資料4が、「第5回ITER理事会の開催について」という、プレスリリースの資料でございます。

 それから参考資料といたしまして、「核融合分野における国際プロジェクト及び国内政策等の主な今後のスケジュール(案)」、これは、この部会で今まさにご議論いただいております、ロードマップの案でございます。

 以上でございます。もし不足などがございましたら、お申し出いただければと思います。

 それから、今日、事務局の千原戦略官は、今まさに来週からのITER理事会の案件で、省内をレク等で駆け回っている状況でございまして、おくれて出席させていただきますので、申しわけございません。どうぞよろしくお願いいたします。

【本島主査】  配付資料の確認をありがとうございました。皆様ご承知のとおり、政府によるいわゆる事業仕分けが進んでおりますし、私どもがここでの審議をしていくということは、今まで以上に重要な点も出てきておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは議事に入らせていただきます。最初の議題ですが、核融合研究開発の今後のあり方について、本日、まず小森委員から、資料1が用意されていますけれども、「原型炉に向けた核融合科学研究所の今後の学術研究について-定常ヘリカル型原型炉の実現に向けて-」という資料が作成されておりますので、この議題について、お願いしたいと思います。時間は30分で、その後、質疑応答の時間をとりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは小森委員、お願いします。

【小森委員】  それでは、基本的にはお手元の資料で進めさせていただきます。1ページ目は、今後の学術研究ということで、基本方針を説明しています。

 2ページ目ですけれども、これは核融合研究所の方針をまとめ直したものです。特に新しいものではありません。LHD計画、それから理論・シミュレーション研究を両輪としまして、定常ヘリカル型核融合炉に必要な理学・工学にかかる学理を探求し、学術研究の体系化を図ることが目標です。そのためには、大学共同利用機関として、また、核融合研究の中枢機関として、大学等との共同研究を軸に、学術研究、科学技術研究、人材育成・教育を牽引します。

 中心課題と書かれているものが、今後を含めた、我々の課題をまとめたものです。ここに書かれていますように、LHD計画としましては、定常ヘリカル型核融合炉を見通せる高性能重水素プラズマを実現し、その学理を探求することにより学術研究の体系化を図るため、重水素実験をぜひ行いたいと考えています。これと合わせまして、定常ヘリカル型原型炉の設計、また、炉の製作に必要な工学研究を推進する必要があります。

 理論・シミュレーション研究の方は、まず、今も行っていますけれども、基盤を確立する必要があります。それから、数値試験炉、数値原型炉により、定常ヘリカル型原型炉の設計に貢献するということが、理論・シミュレーションの大きな目標になります。

 大学院教育・研究者育成に関しましては、双方向型共同研究、総研大等により、人材育成のさらなる推進を図りたいと考えています。

 3ページは、今までの研究の進捗状況をまとめてあります。イオン温度でいいますと、水素ガス、16兆個/ccで、約5.6keVを達成しています。6,500万度ということですね。それから、もう一つの大きな成果としては、1cc当たり1,200兆個の密度を実現しています。核融合条件の12倍程度ということで、横に書いてありますけれども、高密度で、やや温度の低い、そういう意味では、つくりやすいヘリカル炉を目指すことを考えています。今、その上に「核融合実現の条件」と記載されているものよりも密度が高くて温度が低い炉の核融合条件を考慮している最中です。定常に関しては、目標の1時間はクリアしております。今後、加熱パワーを上げていって、発生するいろいろな問題について研究する予定です。

 次のページの最初の図は、実験を始めてからこれまでの、イオン温度と密度の進捗状況を示しています。密度に関しましては、平成18年ぐらいから非常に高くなってきていますけれども、これは、ローカルアイランドダイバータがうまく動き出したことと、その成果をもとに、いろいろプラズマをコントロールした結果、高密度プラズマが生成できるようになったことに因るものです。イオン温度につきましては、苦難の時代が長く続きましたが、結果的に言えば、垂直NBIの入射をきっかけにパラレルのNBIが旨く働くようになり、温度が上がり出しました。この結果、上のほうに「7合目」と記載してありますように、数値的には違いますが、目標に対して7合目に研究は達したと考えています。イオン温度10keVが目標ですけれども、先ほど申し上げました重水素実験と垂直NBIの増強等によりまして、達成する見通しがついたと考えています。

 高いイオン温度とか、数値も問題ですけれども、それを実現したことによりまして、新しい物理も明らかにしつつあるということを下のグラフが示しています。このグラフで、青い線が電子密度で、黒いほうがカーボンの密度です。青い線のようにプラズマの密度分布が平坦ですと、不純物もこれと同じ分布になるのが普通ですけれども、LHDの場合、中心温度が上がってくると、この図のように、密度は平坦なまま、カーボンが外側に排出され、中心部のカーボンの密度が外側に比べて大きく減少した、不純物ホールと呼んでいる分布となります。これは将来の核融合炉に非常に良い現象ですので、こういう研究をさらに進めていきたいと考えています。このような状況が今の研究段階です。

 5ページは、LHD計画と核融合炉研究のロードマップを示しています。上の軸は、大体の西暦をあらわしています。現在2009年です。先ほど申し上げましたように、LHDは計画しているときに、粒子の閉じ込めと安定性が両立しないのではないかとか、高速粒子はヘリカルリップルで閉じ込められないのではないかとかの議論がありましたが、LHDで実験的に検証した結果、これらの問題は払拭されました。そこで、ここには、基本的事項には問題がないことが検証されたと記載しました。先ほど申し上げました、このプラズマパラメーターを実現しているということで、我々としましては、今後、「第二ステップ」と書いてあります、重水素実験、それから数値炉、核融合工学、定常ヘリカル型原型炉の設計に進んでいきたいと考えています。

 下に目標と漠然と書いてありますけれども、特に、重水素実験を行うことによりまして、ヘリカル装置の閉じ込め性能が学術的に飛躍的に明らかにできると考えています。さらに、工学的な研究も進めることにより、ある時点で、学術研究からヘリカル原型炉を設計・建設する開発研究に進むルートと、今の土岐のサイトで学術研究をさらに発展させるルートに分岐させる必要があります。

 土岐のサイトでは、ポストLHD計画ということで、基礎的なプラズマの物理研究に加えて、高性能炉を目指した学術研究、プラズマの応用研究などを行いたいと考えています。まだ決定したわけではありませんけれども、高効率発電を目指した高性能炉の物理研究とか、D-He3用の高温プラズマの研究というようなものが候補に上げられます。

 分岐したもう一方は、今のヘリカル型と同様の方式で原型炉を目指すルートとなります。これは今のサイトではできませんので、六ヶ所とかそのようなところで行うことになります。本島先生が数年前に、30年後とおっしゃったので、今、27年後と申しあげておりますけれども、大体30年前後でヘリカル型原型炉を完成させたいと考えております。

 以上の説明はかなり長期的なものですけれども、6ページは、もうちょっと短く、今後12年間のシナリオを示しています。「新しいステップに大きく踏み出す」という中で、一番大きいことは、重水素実験の実施です。実施にあたっては、対応できる研究組織に改組することも考えています。研究内容としては、ここに書いてあるようなものが上げられます。このページでは、縦が時間軸で、これに沿って、いろいろ研究項目が書いてあります。

 現在、さきほど申しあげましたように、基本事項の実験的検証が進展していることから、次の段階に移行したいと考えています。第2段階は、協定が必要ですけれども重水素実験を中心としたLHDの最高性能化です。このためには本体の改造と加熱パワーの増強も必要で、こちらのほうは少し始めています。

 それから、理論・シミュレーションが研究の両輪の一つになっています。工学研究も行ってきたわけですけれども、これまでは、大きく見ると、個々の技術の適用、応用が行われてきたといえます。例えばサブクールで磁場を強くするといった研究です。このようなLHDの個々の工学研究は、現在、一段落したと考えております。

 今後はどのように進めるかということですけれども、シミュレーション関係は、数値試験炉の実現、定常ヘリカル型原型炉の設計への寄与というような、総合的、統合的な研究を目指したいと考えています。

 工学的研究は、定常ヘリカル型原型炉に必要な学術研究の体系化に向けて本格的に推進させたいと思います。今までも行ってきましたが、さらにこの目標に向かって総合的に行いたいと考えております。例えば、このページに示した、これらの研究を進めて、実現したいと考えています。

 LHDの方は、重水素実験、本体の改造、加熱パワーの増強により、現在の状況から、ここに記載しましたように、炉を見通せる定常高性能プラズマを実現できると判断することができます。目標をクリアできると赤で書きましたけれども、LHDが最初に目標として上げた、10keVのイオン温度、あるいは10keVの電子温度は実現できると考えております。ほかに、実際には微少トリチウムの処理とか数値モデルの検証ができます。

 これらの成果を総合して、「達成まで約12年」と最後に書きましたけれども、定常ヘリカル型核融合炉に必要な理学・工学にかかる学術研究の体系化を図りたいと考えています。ヘリカル型核融合炉に必要な理学・工学にかかる学術研究の体系化ですけれども、定常環状プラズマということでは、トカマクにも共通の学術的な体系化といえます。一番下に書いてあります。

 次の7ページは、LHD実験、理論シミュレーションなどの関係を示しています。定常ヘリカル型原型炉の設計を進めるには、LHDの重水素のデータも必要である。それから工学研究も進めなければ、いけませんから、この3つは非常に関係があるということです。左側が、理論シミュレーション関係ですけれども、数値試験炉とか数値原型炉を実現するためには、基礎物理シミュレーションや基礎的なコードの開発も行わなければいけないし、先ほどの不純物ホールなどを理論的に解明しなくてはいけない。これらを組み合わせて、数値試験炉、数値原型炉というのがだんだんできていくと考えています。

 それから理論シミュレーションとLHD実験はもちろん密接な関係にあるので、全部、線を結ばないといけないんですけれども、ちょっと結びにくいので、これらの要素を囲んだ円の真ん中の矢印1本だけで、これを表しています。

 それから、この楕円に囲まれた全体が、先ほど申し上げました体系化を表しています。さきほどは文書で書きましたけれども、この体系化は、例えばITER・BAにも寄与できますし、一番重要なことは、これによって、原型炉の設計、建設が可能となることです。ほかに、ここに青で書きましたように、核融合に関連する広範な工学分野の学術研究の推進に寄与できます。それから下の方には、プラズマ物理をはじめとする関連基礎研究の推進と基盤の確立にも貢献できることを書きました。グリーンで書いたのは、社会的な貢献です。工学研究を推進することによって、応用研究・社会への還元が可能となり、逆にこれによって社会の理解が得られ、LHDの重水素実験も進められるという関係です。

 8ページは工学研究の内容の例を示しています。ここにありますように、定常ヘリカル型原型炉の実現へ向けて、工学研究を推進することにより、我が国の自主研究開発を担保することが可能となります。工学研究は、トカマクにも共通する部分があり、トカマクと相補的に進める必要があります。中心は、高い保守性能と再生持続性のある原型炉の設計です。これを中心に、必要な工学研究を進めなくてはいけない。ここにありますように、お互いに関連するというか、お互いに影響するわけです。具体的な研究を、下に4つ書きました。例えば、大型超伝導コイルには、大型ヘリカルコイル製作技術、高電流密度超伝導体研究、核発熱と中性子耐性などが含まれています。

 設計に加えて、ここに4つ上げました研究は、世界的にもあまり研究が進んでいないことから今後推進させる必要のあるもので、且つ、今、核融合研で行っている研究につながると考えられているものです。例えばトリチウムでいいますと、LHDの重水素実験で発生する微量のトリチウムを感知して取り除く研究が、ほぼ完成しており、それの発展形として、ここに記載してあるトリチウム関連の研究が考えられます。また、大型の超伝導コイルの研究ももちろん現在行っております。対向材の研究も、低放射化材料の研究も行っていますから、ここに上げた研究は、今の核融合研の研究を発展させていけばできると考えています。

 9ページは、ポンチ絵で書いてありますけれども、今の5つの工学研究を示しています。各研究を表した楕円が重なっていますが、これは、お互いに関係しているということで、相互の関係を保ちながら、研究を進める必要があることを示しています。

 10ページは、工学研究のロードマップ案を示しています。次の中期計画の2010年から2016年にかけましては、工学基盤の構築を進め、実規模・実環境試験を可能にする基幹技術の構築を目指しています。先ほどの工学研究に対応しており、実規模超伝導導体試験研究、ヘリカル巻線工学研究、液体ブランケット長寿命化試験などで構成されています。微量トリチウム除去回収研究、実時間検出機器開発研究なども含まれています。

 工学基盤の構築が終わった後、2016年から2022年、第3期中期計画になりますけれども、実規模・実環境実証試験を行います。超伝導ヘリカルモデルコイルとかヘリカルブランケットユニット、後者はLHDで試験することを考えているわけですけれども、ダイバータコンポーネント、微量トリチウム、これもLHDで試験ができると考えています、所謂、工学実証研究です。この後、原型炉の工学設計となります。ほかの計画との関係は、下のほうに書いてあります。幅広いアプローチ、それからIFMIFです。ロードマップは、これらとの関係も考慮して考えられています。

 これらの研究を進める上で、一番重要なことは、次の11ページですけれども、大学と一緒に行うということです。実際、核融合研の研究は、全て大学との共同研究で進める予定です。LHD計画共同研究、一般共同研究、双方向型共同研究のこの3つのカテゴリーは、大学の方にサポートいただいておりますので、基本的には残しいきたいと考えています。上の方に書きましたように、特に、双方向型共同研究とLHD計画研究につきましては、新たな展開を図り、今後の研究に対応するようにしていきたいと考えています。

 双方向型共同研究では、今は、ここにありますけれども、プラズマ4センターと、特にLHD最高性能化研究などを、双方向で行っています。将来的には、重水素実験も、もちろん双方向で進めたいと考えています。これに加えて、来年度からは、工学研究についても、大学の研究室、センターと、双方向型共同研究を開始し、定常ヘリカル型原型炉の設計などを推進する計画を進めています。このためには、LHD計画共同研究も少し改革する必要があり、双方向とLHDは、新たな展開を図る局面を迎えています。

 具体的には、次の12ページに、双方向型共同研究の今後の方向を示しました。上のほうに一般的なことが書いてありますが、この説明は飛ばします。「核融合研の新機軸に対応した双方向型共同研究に展開」とありますけれども、今申し上げた内容となっています。これまでのプラズマ研究に工学研究を加えるというものです。運営につきましてはまだ検討中ですが、核融合炉、原型炉に必要な理学・工学の体系化を図るため、ここに示したように、これまでの大学の4センターに、工学研究に必要な共同研究が可能な研究室、センターを加えていくことを計画しています。、現在、来年度の共同研究の募集要項の作成期限が、かなり差し迫っていますが、東北大学の金属材料研究所附属量子エネルギー材料科学国際研究センターと富山大学の水素同位体科学研究センターを、来年度から双方向に加えるべく、当該大学と交渉を進めています。これらの候補は、双方向型共同研究委員会の下に部会を設けて検討し、その結果をもとに双方向型共同研究委員会で決定されました。再来年度以降、双方向に加わっていただく研究室、センターについては、引き続き、部会、双方向型共同研究委員会でさらにご検討いただいています。東北大学、それから富山大学の意向もございますので、来年度から実施できるか否かは、募集要項の作成期限までの短い時間にかかっていますが、核融合研としましては、是非とも来年度から実現したいと考えています。。

 双方向型共同研究でもう一つ重要なことは、核融合炉の実現にはまだ長い時間がかかることから、後進を育成しなくてはいけないということです。これは、双方向型共同研究に限りませんが、特に、双方向型共同研究は、人材育成、教育の面でも高い外部評価を受けたことから、特別研究員制度のような仕組みをつくって、さらに人材育成、教育に貢献できないか、これも大学の皆さんと検討中です。

 13ページですけれども、双方向型共同研究は、第1期中期計画のときは、どちらかというと装置に基づいた研究テーマを考えましたが、第2期中期計画からはテーマを中心に、即ち、核融合研を含む大学全体、日本全体として将来の核融合に必要なテーマを、核融合研を中心に集約した後、核融合研、各センターは、得意とする要素研究を分担して遂行し、それらの成果を組み上げて核融合研究全体の体系化を図ることを考えています。

 具体的には、次の中期は、ここに示したようなテーマを進めようとしているところです。一番下の方に、工学研究グループということで、まだ完全に決まったわけではありませんので、候補という格好で上げさせていただいております。このように工学研究も進めていきたいと思います。

 経費につきましては、今年の概算要求で、工学研究をLHDとは別に要求しましたが、残念ながら財務省には行きませんでした。したがって、来年度の双方向の工学研究経費はどうするのかということになりますけれども、先ほど申し上げましたように、できるところから、実施したいと思います。但し、事業仕分けもあって、最終的にはどうなるかわかりません。

 経費で言えば、科研費の大きなものを双方向の中の工学研究グループで出すことも考えられます。とにかく研究が進められるように、全力を尽くしたいと考えています。核融合研は、全体として、工学の部分もそうですけれども、大学全体と双方向、LHD計画共同研究、一般共同研究、全てを通じて密接な関係があり、それらの成果をまとめながら学術研究の基盤を築いています。この基盤をもとに、将来の原型炉は、また別途、そのための事業体によって、建設されると思っています。原型炉の建設については、この間の岡野先生の話にもありましたけれども、そういう風に考えています。

 14ページと15ページは、この前の常松先生のまとめに習って書かせてもらいました。我々のほうは、まだ始めていない部分もありますが、それも含めて、ちょっと漠然としているかもしれませんが、なるべく対応するように書きました。

 例えば、2にITER用という項目がありますけれども、線材の量産体制の確立とか、こういう項目については、核融合研はタッチしていませんけれども、我々のできる学術研究の範囲で、なるべく全部網羅できるように、大学の先生方にも共同研究を通じてご協力をいただきながら、日本全体として、大学全体として進めたいと考えております。

 最後のページはまとめです。第2期中期計画以後、核融合炉の実現に向けて大きく踏み出したいと考えています。これは、踏み外すわけではありません。重水素を使うことによってLHDのパラメーター領域を大きく拡大し、物理研究をさらに発展させるということを大きく踏み出すとしています。また、装置的には、LHDをほぼ完成させたと我々は考えていますので、これまで装置の改良等に費やしてきたマンパワーを原型炉に必要な工学研究に向けるという意味で、大きく踏み出すと表現しています。

 したがいまして、先ほどと一緒ですけれども、まとめとしましては、重水素、数値炉、それから工学研究、定常ヘリカル型原型炉の設計を中心に、大学共同利用機関として、双方向型共同研究、LHD、一般の共同研究を軸に推進し、これにより、理学あるいは工学にかかる学理の体系化を果たしたいと考えています。

 あとは、人材の育成は重要ですので、何とか推進したいと思います。

 以上です。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 それでは早速ですが、ご質問等ございましたらお願いしたいと思います。

 香山委員。

【香山委員】  細かいところで伺いたいことが幾つかあるんですが、一番大きいところとして最初に伺いたいのは、今回の非常に重要なところとして、工学研究を強力に展開するということで、双方向型に入れるというところで、もう既に2つの候補が出ているようですけれども、最終的には、絞り込みとか、それから、どうやって日本国内の現状を的確に把握して判断するかというような仕組みを簡単に教えていただけますか。

 趣旨としては、どれだけ幅広いコミュニティーの意見とか幅広い意見をきちんとオープンの場でくみ上げて、しかるべき人が判断していただくのはいいんですが、どうも過去の経緯で、いろいろなところで経緯がほとんど見えなくて、最終的な報告だけされることが多いというのを非常に印象として持っておりまして、今回どうされるかを聞きたいんです。

【小森委員】  特に双方向の工学の組み込みということですね。これに関しては、双方向型共同研究委員会の下に部会を設けて、先ほど申し上げましたけれども、検討していただき、双方向型共同研究委員会で決定していただきました。とりあえずこの2候補は入れる必要があるということです。また、大学がどういう設備を持っているかという調査を数年前にやっています。部会のほうで、それをもう一度全部見直して、その中からどの研究室、センターを双方向に組み入れれば一番効果的に研究が進むかという検討をしてもらっています。

 それにつきましては、議事録の公開とか、時間がありますので、コミュニティーの皆さんと議論しながら進められると考えていますので、いきなりどこかで決まってというのではなく、やっております。

【香山委員】  今のお話ですと、非常に心配なのは、数年前の資料で判断されるとなると、新しくスタートしたところは入りません。我々のところは今、強力に組織をつくってやっていますけれども、数年前ですと存在しませんから。それから、むしろこういうことに対応して、自分たちが何ができるかというようなことで、例えば現状を、立候補させるとか、何らかの資料を出させて、それをもとにオープンな場で評価するというような作業をぜひしていただきたいと思うんですね。これはものすごく急速に動いている分野ですから。

【小森委員】  部会、委員会には、可能性を探るためにお願いしています。最終的には核融合研が判断して、双方向を始めます。ですので、その時点で、どういうやり方をするかということですけれども、今おっしゃられたような、立候補とか、やり方はいろいろ考えています……。

【香山委員】  従来の共同研究に公募するのが、今回の趣旨は考えが違うと思うんですね。

【小森委員】  基本的には、12ページにありますように、「一般共同研究、LHD計画共同研究と同じく、核融合研の「共同研究公募案内」で募集」ということす。核融合研は、いつの間にか決まったということではなく、すべてオープンでやりたいと考えていますので、それは公募だと思っています。公募後、ほんとうに双方向に組み込めるか、我々のほうでそれを判断する。委員会のコメントは必要ですけれども、基本的にはオープンにやりたいと思います。

 2つだけ先行させたのは、慎重すぎるといつまでも始められないため、また、テストケースとして運用に必要なデータを取得するためです。ご理解願いたいと思います。

【香山委員】  趣旨は、始められるという評価が正しいかどうかというあたりも含めて、きちんと現状評価をやっていただきたいという意味です。過去の実績だけではこれから動きませんから、現実に動く人がいる、設備が動いているというようなことは大事なところですので、ぜひお考えいただきたい。そういう意味ですね。

【香山委員】  趣旨は、始められるという評価が正しいかどうかというあたりも含めて、きちんと現状評価をやっていただきたいという意味です。過去の実績だけではこれから動きませんから、現実に動く人がいる、設備が動いているというようなことは大事なところですので、ぜひお考えいただきたい。そういう意味ですね。

【本島主査】  香山先生、ありがとうございました。

 吉田科学官、関連して、お願いします。

【吉田科学官】  香山先生がおっしゃっているポイントが非常に重要だと思っています。この作業部会こそが、全体を見渡した計画として何をやるべきかということを提言していくところなので、今日、最後のところでワークシートの話が出てまいりますけれども、そこにも、ぜひ、香山先生の具体的な意見も含めて書いていただくようお願いします。ここでの結論が、例えばこの次の核融合研からの概算要求なりに反映されていくという認識をお持ちいただいて、協力をお願いします。この作業部会に、先生がおっしゃるような最もアップデートな情報を出していただいて、それをもとに全体の、例えば核融合研ではこういったテーマをもっとやってもらいたいとか、あるいは違った組織がいいという提言もあるかもしれませんが、そういった全体の整合性を考える議論をしていただければと思います。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 髙村先生、お願いいたします。

【髙村委員】  関連すると思いますけれども、ちょっと別の角度から。今のご発表の5ページのあたりで、長期にわたるロードマップの概略が示されておりますけれども、例えば一番右側の、土岐キャンパスの学術研究ということで、D-He3の高温プラズマの研究とか、これは初めて拝見したんですけれども、この辺の議論というのが核融合研の中で、例えば将来計画委員会みたいな、昔ありましたけれども、ああいうコミュニティーの議論を踏まえた形で出てきているのか、その辺のことについてお伺いしたかったんです。

【小森委員】  まだそこまで行っていません。これは例として挙げただけで、今後、長期にわたる研究の将来計画委員会を立ち上げて審議する予定です。

【髙村委員】  先ほど吉田科学官は、ある意味、トップダウン的な言い方をされましたけれども、ボトムアップといいますか、そういうのを忘れないで、ぜひそういう観点を加味していただきたいなと思っています。

【吉田科学官】  今、ちょっと誤解が生じたようです。私が申し上げたのは、決してトップダウンということではなくて、委員には、ボトムの意見を吸い上げてここに挙げるのが委員の役割であるという認識で、ボトムアップの意見をぜひ挙げていただきたい。

【本島主査】  その点の誤解はないと思いますが、小森委員、どうぞ。

【小森委員】  工学研究を双方向で進めるべきだという話は、この前の作業部会で、座長の飯吉先生が、かなり強調されていましたので、そういう意味では、この作業部会の意見と私は思っています。要するに、作業部会で何度も飯吉先生は、双方向に工学を入れなさいということをおっしゃっておられました。それはなかなか難しく、どう進めるかという問題はあるけれども、とにかく進める必要があると。この委員会の意向として、工学を双方向に入れろという意見だと理解しています。ボトムアップかトップダウンかわかりませんが、核融合研はコミュニティーの意見として、これを取り入れたのだということを、ご了承願いたいと思います。

【本島主査】  吉田委員、お願いいたします。

【吉田委員】  工学を含めた形で、炉をつくるという方向に進みたいということでご提案なんですが、工学をやる場合に、これを見ていますと少し物足りないなという気がするのは、メーカーというんですか、そういうものとのきちっとした連携がなければ物はできていかない。例えば我々なら、材料開発とかいうことでやれと言われても、メーカーといかにきちっと共同的な研究をやるかというのが非常に大きな役割を果たすと思うんですけれども、そういうことがなかなか今までのシステムの中ではやりにくかったという気もするんですが、その辺は何かお考えというか、工夫のようなことをされるものはありますか。

【小森委員】  今のところは、ご指摘のようなことを特に考えているわけではありませんが、研究の進みぐあいによっては、あるいは今後さらに研究計画を練るときに、皆さんのご意見をお聞きしながら、考えていきたいと思います。

【吉田委員】  それで、メーカー、それから、それぞれの分野では、原子力研究機構等には同じようなアクティビティーを持ったグループ、先行したグループ、たくさんあると思うんですね。そういうところとの連携も大事なので、ぜひ、大学とNIFSにクローズするような計画ではなくて、もっとジャパン的な……。

【小森委員】  そういう意味では、JAEAさんとは、同じことをするのではなく、相補的にやりたいと思います。

【吉田委員】  そうなると、香山先生の話に返るんだけれども、こういうものをディスカッションする場というのは、もう少し広い場での議論も要るんじゃないかなというのが、ちょっと印象ですね。

【香山委員】  今の議論の中で、工学というのがほとんど理工学で、むしろ理学に近い工学が多いので、ほんとうにこれから見るんだとすると、きちんと工学化というところから始めないといけないと思いますね。

【本島主査】  小森先生、今の香山先生の発言について、ご意見ありますか。ターミノロジーが重要ですけれども。

【香山委員】  ちょっと飛んじゃったかもしれませんけれども……。

【小森委員】  吉田先生のおっしゃっていることは、先ほど申し上げましたけれども、計画を練っていく中で、また、進展させる中で考えていきたいと思います。香山先生の、工学といっても理学的な工学ということに関しては、特にコメントはございません。

【本島主査】  ロードマップの中の議論をしていただいていますので、少しロングレンジで見ていただく必要もあるかと思います。吉田先生のご指摘で、産業界とのかかわりというのは、開発と、それから当然、それぞれの現時点でのスピンオフも念頭に置いてご発言いただいているものと思います。

 松田委員、手が挙がっていましたので。

【松田委員】  例えば最後のページで、炉の実現に向けて大きく踏み出すとして、多分その一環というか、重水素実験なんか今、一生懸命力を入れておられると思うんですが、そういう学術としての研究というのと、それからエネルギーを目指した大きな目標というのと、混在してあるような認識をしているんですけれども、例えば重水素実験で、どういうプラズマが得られたら成功で、どうだったら失敗かという認識でこの実験をされるのか。 学術にベースを置くのか、プロジェクトだったら当然目標があって、それに到達したから成功だ、うまくいかなかったかという判断になると思うんですけれども、この軸足はどちらに置かれているんでしょうか。

【山田学術調査官】  学術調査官とは、別のLHDの立場になりますがお答えします。松田先生は、2つ別物が混在だとおっしゃっていますけれども、これは全然別物じゃないと私は思います。両方ないといけないと、何といいますか、二項対立的に相反するものではなくて、ある面をどちら側から見るかということだけにすぎないと思うんです。ですから、こうだから成功であった、こうだから失敗であったというのは後世の人が判断するものであって、我々が今、答えるものじゃないですね。

【香山委員】  核融合研究では、それは許されないんじゃないですか。

【松田委員】  それは、プロジェクトでエネルギーを出すんだったら、ターゲットがあってそれに向かっていくんだから、ここまでいくとか言わないことには……。

【山田学術調査官】  ですから、そういったことに対してはお答えできます。例えば密度が2×1019のプラズマで、10keVのプラズマをつくるということですね。LHDの磁場の強さ、あるいは大きさから考えれば、それだけのプラズマができるということは、リアクターの設計が、合理的なスケールでできるということを意味しています。こういう簡単な答えだけでは必要十分ではないということを申し上げたいのです。

【松田委員】  あとコンファインメント。

【山田学術調査官】  いや、そういう項目ではなくて、もっと大きなプロダクトがあるかもしれません。

【小森委員】  途中ですがよろしいですか。松田先生へのお答えとしては、質量効果があるのかとか、それから高速粒子、アルファ粒子の閉じ込めが、ヘリカルリップルでどうなるのかとか、そういう問題を学術的に調べることが重要で、重水素の目的だと考えているということです。それはできると。質量効果はないという結論がでても、学術的にそういうことををきちんと調べるのが目的です。失敗か成功かという点では、学術的な結果をだすわけですから、特に、失敗はないと思います。もう一つは、質量効果と同じですが、見方を変えて、ルート2程度パラメーターが改善されるかということですね。この見方をすれば、失敗、成功という言い方になるかもしれません。

【松田委員】  逆の言い方をすると、質量効果がなくてもリアクターを構想できる。

【小森委員】  ええ。今の閉じ込めは、ISS96という閉じ込め則に対して、ルート2ぐらい、改善されていますから、これが、炉心プラズマにより近い高温高密度プラズマでも維持されれば、ヘリカル炉はできると考えています。重水素で改善されなくてもですね。そういうプラズマが重水素でもできれば別に問題はありません。

 しかし、我々としては、温度も密度もルート2の改善分だけいいものができると考えていますので、それができなかった場合は失敗かもしれません。けれども、今、物理的に一番重要なのは、アルファ粒子の閉じ込めがヘリカルリップルでどうなるのかをきちんと明らかにすることです。もちろん、閉じ込められると我々考えていますけれども、それがきちっと証明されれば、私は成功だと思います。数値的に言えば、失敗、成功というような言い方はあるかもしれません。

【本島主査】  どうもありがとうございました。詳細なやりとりもあったわけですが、松田委員のご質問は、しっかりした考えを持っているかということですから、それについては今、十分なお答えがあったと思います。

 平山先生、学術にかかわる大型プロジェクトという観点で、一言ご意見をいただいたほうがいいと思いますが。

 【平山委員】  先ほど議論されたように、学術研究で求めるものと、原型炉のように具体的なターゲットに向けて行う研究では、違う目的があると思います。学術研究だから何でもいいということではなく、両方の目的を持っているのであれば、それぞれの観点からの目標を明確にしておく方が良いのではないでしょうか。

【本島主査】  議論としては尽きないところもありますが、予定の時間が来ております。最後の意見招請にもかかわりますので、そこで出していただけると思いますが、笹尾先生、先ほどから発言を我慢しておられたと思いますので、最後にお願いいたします。

【笹尾委員】  一つのコメントですが、これからの10年を考えると、核融合研のLHDを中心とする研究というのは、非常に人材育成の点で重要なポイントになっていると思います。SAが動き始めるまでまだ数年ある。それから、ITERはさらにその先にあるという中で、大学から見ると、この共同研究の大型装置があるということは、人材育成にとって不可欠のものでありますので、その点で、ぜひこの全体の流れの中で、重要な位置づけを認識していただけたらと思います。

【本島主査】  どうもありがとうございました。

 それでは、重要なご議論をいただいているわけですが、小森委員からのプレゼンについては、今、核融合科学研究所が構想しているロードマップにかかわる部分です。このことについては、時間が限られているとは言え最終的な報告書をまとめるまでに、もちろんまだ議論する場があります。当委員会としては単に聞き置いたというだけでは、今日時間をとった意味がなくなりますので、もう少し踏み込んだ理解を示してくださったということでもよろしいでしょうか。

 吉田科学官。

【吉田科学官】  今後どういうふうにまとめていくかということにかかわることとして、先ほど松田委員からのご指摘も関係すると思いますが、例えば5ページに示していただいているロードマップが、これはゴーイングマイウエーという意味ではなくて、我が国の核融合研究全体の中で、このロードマップが位置づけられているいう意図がよりはっきりする工夫が必要です。例えばチェックポイントのようなものですね。あるプロジェクトをやるときに、それのほかに進んでいるプロジェクトとの関係、たとえばトカマク・リサーチとの競争関係を明らかにするチャックポイントが必要です。複数の方向をやっている最大の意義は、そこに競争的関係があるということに尽きると思うんですね。

 体系化とか相補的というのは何となく耳易しい言葉だけれども、やはり最大のポイントは、そこに競争的関係があるということなので、それを浮き上がらせるようなチェックポイントがどういうふうに設定されるかということが大事だろうと。全体のロードマップの中で、どこでどういうふうな意思決定をしていくのかというところを示してゆく必要があると思います。

 そうしますと、何本かのパラレルなプロジェクトが、それぞれゴーイングマイウエーになっているのではなくて、それらが絡み合っているロードマップになっていくんじゃないかと思いますので、そういった議論を今後ここでやっていって、まとめられればと思います。

【本島主査】  ただいまの科学官からのご発言は、非常に重要なテークノートになると思います。小森先生、発言の趣旨はご理解いただきましたでしょうか。今後は、そういう観点での議論をさらに深めてまいりたいと思います。

 それでは、香山先生。

【香山委員】  あと、この資料の、個々には申し上げませんけれども、あまりコミュニティーで使われていない新しい言葉が随所に、ここは特に出てきているんですけれども、そういうのは、ぜひ意味が正しくわかるように書いていただきたいと思うのと、例えば再循環型材料とか、あとロードマップの中で、2016年までの重要工学基盤ということで、こういう項目が、もうちょっと練った表現が欲しいなということとか、2022年までの工学実証の段階で、大事なものとして、このヘリカルとしての特色という言葉が見えない。

 一般の核融合全体でやられているものとどこが違って、どこに特質があるかというようなロードマップが欲しいと思うのとか、この時期に大事な、例えば設計とか安全性設計に向かうような許認可に対する手続の考え方とか、そういうのも見えていなくて、このままだとロードマップとしての成立が難しいような印象なので、ぜひご検討いただきたいなと思います。

【小森委員】  1つ重要な点は、岡野先生の去年からのご発表で、まだ研究が抜けているところがあるというご指摘があったわけですけれども、我々が計画している研究は、先ほど申し上げませんでしたけれども、8ページに書いてあるものですが、大型超伝導コイルなど、ここに記載されている4つの研究は、岡野先生に指摘されているものです。我々は、これらの研究も進めるということです。

 相補的ではいけないという話もありましたけれども、一つの研究所で全部ができるわけではありませんから、得意なところをきちっと進めて、日本全体として必要な工学研究が全部網羅できれば、良いと思います。全体が進めば、どこが進めようと工学的には特に問題がないと我々は考えております。

【本島主査】  クリアなご意見をありがとうございました。それでは、香山先生のご指摘については、このロードマップをさらによくするためのご指摘というふうに受けとめて、個別にインプットしていただけますでしょうか。

【香山委員】  少なくとも8ページのこの表現は不適切だろうというコメントですので、別の時期にぜひお話しさせていただきたいと思います。

【本島主査】  お願いいたします。

【髙村委員】  1つだけ。今の議論でロードマップと言われている、岡野さんのロードマップはトカマクを基準にしてつくられたものですね。そういう前提条件がついていたと思うんですね。それに対して、ヘリカルのロードマップというのを小森先生が出されていますけれども、その中で書き込まれている。このスタンスは一体何なのか、そこが私にはクリアではないですね。ですから、その辺をはっきりしないと、議論が進まないような気がするんです。

【小森委員】  我々の方は、トカマクか、ヘリカルかという問題がもちろんありますが、工学的な部分はかなり共通であるという認識で、この工学研究に関しては書き込ませてもらいました。

【髙村委員】  それは、共通の部分があって、共通の部分だけを抜き出したのか、ヘリカルの実証炉をつくっていく段階で、すべてを網羅しているのか、その辺をやっぱりクリアにしていただかないと……。

【小森委員】  ここに書いてあるのがすべてではありません。共通の問題があるというところについて、我々が寄与できる課題を書いています。

【髙村委員】  ということですね。

【小森委員】  はい。もちろんまだ必要な研究課題は他にもあります。

【髙村委員】  ヘリカルとしてはね。当然そうでしょうね。そこを確認できれば。

【本島主査】  今、確認できたということでよろしいですね。

 それでは、重要なご議論、ご指摘、そして宿題も残っている部分もあるという認識で、次に進ませていただきたいと思います。

 疇地委員から、資料2が出ております。「原型炉に向けた大阪大学レーザーエネルギー学研究センターの今後の取組について」のご説明をお願いいたします。疇地委員には、資料が多いから短くして、十分留意してくださいと言おうと思っていましたが、既におくれてしまっていますので、私はその資格がなくなってしまいましたが、どうぞ。

【疇地委員】  1枚当たりの濃度はそんなに高くないので、手早くいきたいと思います。原型炉に向けた阪大レーザー研の取組について、ご報告をいたしたいと思います。

 ご存じのように、地球温暖化待ったなしとなっておりまして、核融合はそれに対する最終回答であると期待されると同時に、なぜそんなに時間がかかるのかという批判も受けているのはご承知のとおりでございます。

 我々の地球温暖化に対する回答は、高速点火でございます。まず、左の図で、燃料は通常の爆縮と同じように爆縮される。唯一の例外は、燃料にコーンがついていることでございます。燃料が最大の密度になった時刻に、第2のレーザーをこのコーンの内側から注入して、爆縮された燃料が膨張する時間よりも早く加熱して、点火・燃焼を起こす。高速点火の高速というのはそういう意味でございます。

 従来の中心点火と呼ばれる方式ですと、真ん中に熱くて圧力の高いものを抱えながら爆縮するわけですが、高速点火はそういうことが必要ないので、従来に比べて、約10分の1のレーザーエネルギーでもって、同じように点火・燃焼が起こされる。それが最大の特徴でございます。

 この高速点火の概念の実証を今から7年ほど前に行って、それに基づいて、高速点火実証実験FIREX第1期を今、進めているところでございます。その目標は、5,000万度という核融合点火が始まる温度をまず達成すること。それができましたら、その次の点火・燃焼の段階に進む。これが我々の提案してきたFIREX計画です。

 次のページで、一たび点火が起きますと、エネルギー利得というのは、単に燃料の大きさを大きくすることだけによって増加いたします。したがって、FIREX-2のプラズマと炉心プラズマと言われるものとの物理として本質的な差はありませんで、FIREXの段階で、炉心プラズマ物理はほぼ完全に調べることができる。これが、FIREXで点火・燃焼の実証をすることが重要である最大の理由でございます。

 次に、こういう計画に対して、爆縮は左のほうに示すように、阪大で91年に行われて、2011年に点火温度までの加熱を行う。それとほとんど同時期にアメリカのローレンス・リバモア研究所で、これは違う方式、大きなレーザーを使う方式ですけれども、点火・燃焼そのものが起きるというふうにほとんどの人は確信をしています。この右側の2つの成果をもとに、今後どのように研究開発を進めていくのかというのが、今日の議論の中心になるものと思います。

 まず最初に、FIREX-1の現状でございます。LFEX(Laser for Fusion EXperiment)という名前の加熱レーザーの現状、高速点火実験の現状、それから近未来のスケジュールと将来計画と、この順番に従ってお話をしたいと思います。

 加熱レーザーというのは、左側に写真があって、人間が立っておりますから大体のスケールがおわかりかと思います。真ん中に、上下左右にそれぞれ2つビームがあり、ツー・バイ・ツーの4ビームの構成になっています。加熱レーザーというのは時間的に非常に短いパルスのレーザーですので、そのまま増幅すると、レーザー強度が高くなりすぎてレーザーシステムを壊してしまいます。しかし短いレーザーパルスというものが非常に広いフーリエ成分を持っていることを利用して、回折格子を使ってパルスを伸長して強度を下げ、これを増幅し、最後に圧縮するということができます。これが80年代後半に発明されたチャープパルス増幅と呼ばれる技術です。

 図の左側の増幅部というのはもう既に数年前に完成して、EUVのプロジェクト研究に使われたわけですけれども、最大の技術開発課題であったのは、パルス圧縮に必要な大型精密回折格子です。図右側の、非常に超精密の、右下に「575nm」という寸法が入っていますが、その立ち上がりのシャープさは、IC技術のステート・オブ・アートとほとんど変わらない。このステート・オブ・アートの精度を保ったまま1メートルの大きさまで引き延ばすことができるかどうかというのが最大の開発課題であったわけですが、これについても、日米の光学メーカーと阪大レーザー研との協力によって開発され、世界最大で最精密の回折格子が完成しました。私は、これは日本が保有すべき戦略技術ではないかと思っています。

 次に8ページです。この1メートルの回折格子でもまだ大きさが足りなくて、回折格子を2つ並べて、回折格子間隔の10分の1の精度で合わせ込んで安定化させるという新しい技術を完成させました。組み合わせ回折格子を使ったパルス圧縮器が、写真に載っていますけれども、これは、上下に4段あって、現在は上の1ビーム分だけ完成しています。今年6月から高速点火の統合実験を初めて開始して、残りのビームについては、2010年度の初頭に2ビーム化、2011年度の初頭に4ビーム化を行う予定で進めております。

 9ページをお願いします。4ビームを立ち上げした後は、レーザーの波面の乱れを制御するために、スバル望遠鏡で大変有名になった可変形鏡を導入する予定です。望遠鏡の場合は受動的な光学系ですから、可変形鏡は1個だけあればよかったんですけれども、レーザーのような能動的光学系の場合には、途中で増幅器がいっぱい入っているので、すべての場所で波面のゆがみを一定以内に抑えなければならないということで、1つのビームに3台要るというのが我々の結論で、現状はまだ2台でございます。

 以上がレーザーの解説でございまして、次に、高速点火の実験の現状です。10ページですが、これについては、まず、高速点火そのものの実験の結果と、それをさらに凌駕するような先進ターゲットの開発について、2つお話をしたいと思います。

 11ページですが、左側がX線のイメージで、コーンの内側からのぞいた絵です。左側には爆縮したプラズマの発光があり、ちょっと右側には、内側から加熱レーザーが当たって、コーンの先端部に入っているという様子が見てとれます。右側については、縦軸が時間、横軸が空間で、爆縮した燃料のコアの横に小さな発光が見られますが、これが加熱レーザーによる発光です。

【本島主査】  疇地先生、できたらポインターも併用してお願いできますか。大事なところだと思いますので。

【疇地委員】  この右側が爆縮コアで、その左側に小さな発光があるのは加熱レーザーによる発光で、これを時間的にスキャンして、中性子の数が最もピークになるところをまず探します。

 その探した後で、次のページです。横軸が加熱レーザーのエネルギー、縦軸が核融合中性子の数で、加熱レーザーエネルギーが増えていくと中性子イールドがどんどん上がっていきました。

 これだけだと、ゴールに対して一体どこまで行ったのかというのがわかりにくいので、12ページと書かれた差し替え用の資料をご覧ください。これは、中性子の発生数と燃料密度等の物理量から、爆縮コアのイオン温度を推定したものです。加熱レーザーのパルス幅に対する依存性があり、1.2ピコ秒の赤い色の曲線を見ていただくと、現在の加熱レーザーのエネルギーは600ジュールぐらいですけれども、これを2年後までに10キロジュールまで上昇させると、目標である5千万度まで行くという予測ができる段階まで来ました。この赤い曲線は、より短いパルス幅の青の曲線と、長いパルス幅の緑の曲線に囲まれており、予測を確かなものにしています。

 次のページへ行きます。今申し上げたのが標準的な高速点火でございますけれども、目標を超過達成するという計画もあわせて実施しています。2つありますが、これがそのうちの一つで、これはコーンのPICのシミュレーションです。左側からレーザーがやってきて、高速電子がコーンの内側で発生するわけですけれども、コーンの周りは、爆縮プラズマからの膨張プラズマが充満しておりまして、発生した高速電子が、コーンから外のほうへ発散しますと、そこにはプラズマがありますから帰還電流が流れて、高速電子は行ったら行ったきりになり戻ってくることはありません。

 それに対して、新しい発明・発見は、コーンに真空のギャップを設ける、すなわち二重コーンというものをつくってやる。そうすると、時間の初期にはシースポテンシャルでもって高速電子が戻ってくる。もう少し後には、このギャップの中を流れる帰還電流によって磁場が発生して、磁場でもって高速電子が戻ってくる。PICシミュレーションの結果によると、シングルコーンの場合に比べて、およそ2倍の加熱効率が期待できるというのが最近の発見でございます。

 14ページは、飛ばしますけれども、基礎的な実験でそれを確かめたということで、15ページは、今申し上げた、二重コーンをはじめとする、過去10年に発明・発見された5つの改良点を全部ここにつぎ込んで、来年以降、こういう先進ターゲットで超過達成を目指したいと思っています。

 その次の16ページです。第2の先進ターゲットというのは、衝撃点火と呼ばれるものです。まずコーンを装着した燃料を爆縮する。ここまでは標準的な高速点火と同じでございますが、違いは、レーザーをコーンの内側から直接ほうり込んで燃料を加熱するのではなくて、コーンの外側の部分に、インパクターと呼ばれる燃料をつけておきます。このインパクターを、およそ1,500km/s、密度は1-2gですけれども、そのぐらいに加速して衝突してやると、爆縮した燃料と衝突する際に反射衝撃波が発生して、自分自身が点火条件を満たす。

 これもメード・イン・ジャパンのアイデアでございますけれども、これに対して概念実証の結果が最近Physical Review Letters誌に掲載されました。この衝撃点火は、爆縮と加熱を分離するということで、高速点火と同じようにコンパクトになるという特徴があります。それと同時に、衝撃点火は基本的に流体力学の問題ですから、相似則を使うことができ、極めて小規模な実験から、非常に高い予測性でもって、点火まで予測をすることができるという特徴がございます。

 17ページの右の絵で、縦軸に中性子発生数をとって、横軸にその2つの流体の衝突のタイミングを変化させると、何も当てないときに比べて、およそ2けたの中性子発生数の増加が見られ、これこそが、インパクターの衝突で核融合反応が増強された何よりの証拠であると思います。

 以上、最近のプラズマ研究の進展でございますが、18ページからは、近未来のスケジュールと将来計画について述べさせていただきます。

 19ページは、これはほんとうに近未来で、2009年、1ビームが稼働して、2010年は2ビーム、これは7年前のNatureの実験を凌駕するというのがマイルストーンです。2011年には4ビームを稼働して、いろいろなところでお約束をしていた、5,000万度の加熱をここで達成したい。それ以降は、先ほど波面制御の話をしましたけれども、波面制御等をレーザー部に導入して、プラズマ研究のサイドからは先進ターゲットを導入して、燃料を、5,000万度を凌駕する温度まで加熱したいと思っています。

 20ページですが、今申し上げたスケジュールのもう少し先まで見越したタイムテーブルをここに示しています。重要な点は2つございまして、第1は、下に書いてありますけれども、原子力委員会や、本島先生がお世話をされていた核融合ワーキングでの答申に基づいて、点火・燃焼を行うFIREX-2の開始を、FIREX-1の成果に基づいて決めていただきたいと思っています。FIREX-2というのは、加熱レーザー、爆縮レーザー合わせて、現状の装置のおよそ5倍の規模ですけれども、現状の規模の建物には入るデザインになっています。それが第1。

 第2に、FIREX-1の点火の実証と同時期に、アメリカの国立点火施設NIFで、非常に高い確率で中心点火の点火・燃焼が起きると予測されています。ということは、炉心物理の基本的な部分が2010年から12年の段階でわかるわけですから、核融合の早期実現という視点からは、この時点で、発電実証を行う次の実験炉の開発をスタートすることができるのではないかと思っています。

 それで、FIREX-2は一体何をするのかということになりますけれども、これは、先ほど申し上げた先進ターゲットを最適化して、もっと小型の施設でいけるというような答えをここで出してくれるという装置になると思います。

 次の海外の状況はちょっと飛ばしまして、その次のステップ、FIREX-2に加えて、実験炉というふうに申し上げましたけれども、26ページです。これがレーザー核融合実験炉、LIFTと呼ばれているもののポンチ絵でございます。LIFTというのは、レーザー・イナーシャル・フュージョン・テストの略です。これはポンチ絵にすぎませんが、基本的なことは考慮されておりまして、まず、レーザーは上下2段になっていて、一方が爆縮用のレーザーで、100kJ×1Hz、もう一方が、同じく100kJ×1Hzということで、合計200kWのレーザーでございます。

 このレベルのレーザーで高速点火を起こしますと、現在の予測では、およそ50倍のエネルギー利得が期待されるということで、炉チャンバーから出てくる熱出力というのは10MW。それで、タービン発電機を回して、4MWの電力を出す。そのうちの半分程度をレーザーに戻してやりますと、レーザーの効率というのはおよそ10%ぐらいなので、レーザーはそのまま働き続ける。残りの2MWというのは、場合によってはグリッドに供給することができるかもしれません。この2MWというのは大変小さい出力ですけれども、正味の発電を行うということで、核融合エネルギー開発での画期となるのではないかと思っています。

 その次が24ページです。これが今回、要請されているロードマップでございます。上半分の黄色で書かれている部分というのがプラズマ物理を確立するプロジェクト群で、NIFが、早ければ2011年、それからフランスのLMJが、NIFに遅れること約5年、さらに遅れること四、五年で、中国に、神の光、「しんがん」という名前がついたプロジェクトが現在立ち上がりつつあります。我が国のFIREXというのは、先ほども申し上げたように、2011年に点火温度を達成して、FIREX-2を開始するという計画でございます。

 下半分は、炉工学の要素技術でございまして、炉用レーザーの開発、ターゲット注入・追尾・照射技術、炉チャンバー・ブランケット、それに加えて、磁場核融合の炉工学技術というのは当然、共通部分が相当あるわけですから、こういうところの知見をぜひ使わせていただきたいと思っています。

 いずれにしても、上半分の炉心プラズマ物理と下半分の炉工学の要素技術を総合して、2012年にはFIREX-2をスタートさせる判断と同時に、工学設計の開始の判断をしていただけたら大変ありがたい。5年の工学設計の後に、真ん中あたりに「繰返工学試験」というものがございます。繰返工学試験というのは、FIREX-1規模のプラズマを1秒間に1度ずつつくり上げるということが目標です。それが、ダイヤモンドの赤い点がありますけれども、繰り返しの炉心生成に成功したならば、その次の段階の実験炉建設を判断していただく。それで、繰返工学試験のレーザーやチャンバー等を拡張して、そのままレーザー核融合実験炉LIFTに拡大していくというのが現在の考え方でございます。同時に、FIREX-2で発見される新しい知見を、この中に柔軟に取り入れていくということは当然必要なことでございます。

 レーザー核融合実験炉をつくって、2030年ごろに10時間程度の発電実証を行って、最後の3年は連続運転を試みるという計画です。実験炉運転開始の段階で、次の原型炉の工学設計を開始し、発電実証の段階で建設を開始します。原型炉というのは、レーザーが1.2MJ/4Hzで、炉チャンバーは1基で経済性の実証をします。その暁には、その炉チャンバーを4基に増設して実用炉とするか、また新たに建設するかという判断は、この2040年頃の段階でされることになるだろうと思います。

 では現在、炉工学の要素技術というのはどこまで行っているのか。炉工学の要素技術というのは3つありますけれども、その最大の課題は、何といってもレーザー技術です。26ページの左下に見えているフラッシュランプの励起というのは、1960年のレーザーの発明以来、ほぼ半世紀の間、使われ続けておりますけれども、非常に効率が悪い。なぜなら、レーザー媒質の吸収線に対して、フラッシュランプというのは非常に幅の広いスペクトルを持っているからです。このため効率は悪いばかりでなく、不要な熱の発生が大きくなって、繰り返しができないという問題がございます。

 それに対して、レーザーダイオードというのが、この15年ぐらいの間に非常に急速な勢いで立ち上がってきています。右下の細いバーがございますね。このバー1つ当たり100ワット出ます。ですから、1cm×1cmで2.5kWの光源ができるということで、大変小型で明るい光源であることがおわかりいただけると思います。

 レーザーダイオード励起というのはいいことづくめですが、問題が2つあります。その1つは価格です。現在はワット当たり300円ぐらいしておりますけれども、これを核融合炉につなげるためには10円まで持っていかないといけない。ちなみに現状では、同じ重量の金の価格の100倍ぐらいしています。

 次の27ページですけれども、レーザーダイオードの価格というのは、市場の成長により、低下しています。横軸がそれまでに生産された積算個数です。大体、個数が倍になると6割ぐらいに価格が下がっていくという、これが今までの習熟曲線の経験則でございますから、これから予測すると、実験炉というのは大体3円ぐらいになるということでございます。ただ、こういう予測というのは誤差があるものですから、我々のロードマップでは、これの約3倍という価格を想定して、いろいろなコスト評価をしてございます。

 以上が価格の問題ですけれども、もう一つの問題は、現在の核融合用レーザーというのは、大型のレーザー媒質としてガラスが使われています。ガラスは熱伝導が非常に悪いために、高速の繰り返しができません。これに対して、我が国が得意とするセラミック結晶というのがございまして、結晶であるために熱伝導度が高く、セラミックであるために大型化が可能です。今皆様にそのサンプルをお回ししいたしますが、セラミックとはとても思えないほどの非常にハイクオリティーの光学素子ができております。

 これをさらに液体窒素まで冷却してやると、格子振動を抑制することで、ガラスに比べて300倍ぐらいの熱伝導度になり、繰り返し動作に関しては、レーザー核融合に必要な10Hzをはるかに超して、100Hzまで実現可能になりました。レーザーに関しては、この数年の間に相当大きなな進展が見られたと思います。

 次の2つのページは飛ばして、エンジニアリングとしては最後の問題は、31ページです。液体壁のレーザー核融合炉というのは内側にリチウム鉛を流すというコンセプトですけれども、これまで3つの問題が指摘されておりました。

 第1は、リチウム鉛の流れがほんとうに安定にできるのかという点ですが、気泡とか液滴の安定性を示すウエーバー数を等しくして、乱流の程度を示すレイノルズ数をほぼ等しくした体系でテストして、極めて安定な層流ができるということが証明されました。

 2つ目は、レーザービームポートへα線やイオンが流れていって、光学素子にダメージを与えるという問題が懸念されておりましたが、ビームポートの周りに電流を流して、およそ1テスラの磁場をつけてやれば、この問題は解決することが分かりました。

 第3に、鉛の液体ですから、霧が発生するのではないかということが大変心配されておりました。鉛の状態方程式に基づく流体シミュレーションをしたところ、霧の密度と霧の粒子の直径ともに十分小さくて、右下のグラフですが、レーザービームの伝播には何ら問題がないということがわかりました。

 最後です。こういう非常に大きなプロジェクトを今後進めていくときに、大阪大学だけでできるのかと。基本的には主要研究機関との連携を強めてやっていきたいと思っています。国内の研究機関に関しては、先ほど核融合研の小森所長がおっしゃっておられたように、双方向、それから、今既に連携協力をしているJAEAの関西研というのがございます。全部話すと大変なので、海外の研究機関の現状について、1点だけコメントをしたいと思います。

 これまでアメリカとの、特にローレンス・リバモア研との連携については、大阪大学は極めて消極的であるという国際的な批判がございました。それはアメリカの研究所の目的が、核兵器の維持管理を核爆発を伴わずに行うという、国家安全保障にあったために、連携することが不可能であったからでございます。ところが、今年の5月に行われたNIFの開所式の標語が、記念写真にあるように、「Bringing Star Power to Earth」、輝く星のエネルギーを地上へとなっておりました。この標語は、まさに日本の核融合コミュニティーが掲げているもので、それがNIFの目的になりつつあるという印象をうけました。

 それに加えて、祝辞を述べた、A.シュワルツェネッガー、S.クーニン科学次官、D.ファインシュタイン上院議員など、10人のうち9人が、NIFのエネルギーとサイエンスへの貢献を非常に強く期待するということでございました。いわばコペルニクス的な転換が起こったというふうに思います。それが本物であれば、大阪大学は米国の研究機関との協力関係を発展することに全く異議はない。外務省の方々がもうすぐNIFを見学されるということでしたので、ぜひそこを十分に観測してきてほしいというふうにお願いをしたところでございます。

 それから、ほんとうに最後ですけれども、人材養成でございます。現在、大阪大学レーザー研は、116名と書いてありますが、これはちょっと過大評価で、純粋なレーザー研の学生は約80名です。80名の学生を受け入れて教育をしていますが、それについては、今までどおり粛々とやる。それ以外に、大阪大学が新しい教育プログラムを発足させました。1つは、光科学拠点プログラムということで、これはJAEA関西研と大阪大学、京都大学、分子研と、この4つが協力をして進めるというプログラムでございます。

 この趣旨は、35ページですけれども、「世界の舞台で実践教育」と書いてありますように、日本のレーザー研、米ラザフォード研、仏エコールポリテクニークなどの、世界中の研究機関で行われる国際共同研究に、学生をほうり込んで鍛え上げると。行った学生が異口同音にびっくりするのは、外国では自分と同じ年の若者がほとんど研究の主導権を持ってやっていると。それはものすごく刺激的な経験になるわけで、そういうことをやって若手リーダーを育てるというのがこのプログラムの目的でございます。

 もう一つあります。36ページで、これは今年から始まったもので、先ほどは日本人の学生を国際共同研究にほうり込むという話でしたけれども、グローバル30は、外国の学生を連れてきて、英語で講義して、なおかつ大規模装置を院生の実験研究に提供して、先端的研究遂行能力を養成する。

 どちらもエリートを養成するプログラムですが、対象が日本人の学生であるか、外国の学生であるかという違いでございます。

 37ページ、最後ですが、国立点火施設NIFとフランスのLMJというのは、2010年代前半から中期に点火実証を予定。

 我が国のFIREX、欧州のHiPER、アメリカのNIF-ARCの計画は、コンパクトな高速点火による点火実証を目的としています。

 これらの計画の結果を、正味発電実証を目指すレーザー核融合実験炉LIFT構想に収束させたい。

 あと2つは、NIFは12年前の地鎮祭では国家安全保障が中心だったのが、今年5月の開所式では、エネルギー、科学へ相当大きくかじを切ったように見えます。これは国際協力への大きなステップになると期待しておりますと同時に、光科学拠点、グローバル30によって国際的若手リーダーの養成に、レーザー研としても力を尽くしたいと思っています。

 以上でございます。

【本島主査】  どうもありがとうございました。プレゼンで9分ほどオーバーされているので、ディスカッションの時間がその分短くなるかもしれませんが、早速、ここまでのご説明を踏まえて、ご質問、ご討議をお願いいたします。

 松田委員、お願いします。

【松田委員】  技術的な質問で、励起のレーザーダイオードは、繰り返しも含めて、あとはコストだけの問題なのか、あるいは冷却の問題がまだあるのかは、いかがですか。

【疇地委員】  先ほども申し上げたように、このレーザー媒質は、ガラスに比べて熱伝導率が数百倍高いので、冷却により運転時間をどれだけ長くできるかという問題については、基本的な問題はないと思っています。

【松田委員】  26ページの写真、裏にあるのは冷却のパイプみたいに見えるんだけれども、こういう感じの冷却で十分なんですか。

【疇地委員】  これはレーザーダイオード自身の冷却のほうでございますね。レーザーダイオードの冷却については、これは随分前の写真ですから、もっといろいろな工夫はしております。今申し上げたかったのは、レーザー媒質そのものの冷却については、基本的な問題は解決したと思います。

【松田委員】  だから、後ろのほうをまた工夫すればいいということだね。

【疇地委員】  はい。

【本島主査】  ほかにいかがでしょうか。やはりロードマップに書かれた話を中心としてお願いできればと思いますが、常松委員、どうぞ。

【常松委員】  多分、ロードマップという、それの一番最後の国際若手リーダーって、年齢は幾つぐらいの方なんですか。

【疇地委員】  普通の日本の学生と同じぐらいです。

【常松委員】  大学の学生という意味ですか。

【疇地委員】  はい、そうです。

【常松委員】  そうすると、二十代の後半と考えていいですか。

【疇地委員】  そうです。

【常松委員】  その方をリーダーとするという。これはあれですか、レーザーの研究のためのリーダーという意味ですか。それとも、先ほどのロードマップで言えば、次のリアクター構想も含めてという意味。

【疇地委員】  説明が不足だったと思います。短期、中期、つまり5年から10年にかけては、主要研究機関との連携が大変重要だと思っています。今申し上げた人材養成は、その次、10年以上、20年、30年とわたった研究開発を維持するのにこういうものが必要であると。

【常松委員】  わかりました。

【本島主査】  よろしいでしょうか。

【疇地委員】  すみません、もう一言。最後の2つのプログラムは、レーザー研に特化したプログラムではなくて、これは大阪大学のプログラムでございますから、ここに書いてある人数とかは、およそ2分の1とか、3分の1とか、そのぐらいを想定していただけたらと思います。

【本島主査】  続いて、髙村委員、お願いします。

【髙村委員】  全体的に非常に魅力的なプログラムで、ただ、1つ炉工学の話で、レーザー技術等に関してはかなり詳細な検討をされていると思うんですけれども、炉自身の表面の問題とか、かなり深刻じゃないかなと思うんですけれども、その辺の洗い出しとか、炉設計もいろいろされているとは思うんですけれども、まだ大ざっぱな印象を受けるんですね。

 それで、こういう活動というのは、国際的には何かあるんでしょうか。ある程度、阪大のほうで独自にやっている部分が多いのか。まだ未熟な印象は持つので、かなり抜けているというか、緻密なロードマップにはまだ十分なっていないと思うので、その辺について、国際協力を含めて。

【疇地委員】  国際協力に関しては、2つございます。1つはアメリカとの協力で、前回、岡野さんがおっしゃっておられた、ARIESのグループで、あそこは、レーザー核融合の開発といいますか、炉設計もやっておりますから、そことの協力はございます。

【髙村委員】  それは、ロードマップとかそういうのは……。

【疇地委員】  ロードマップでの協力はないんですけれども、材料とか炉設計で協力があります。これは今後の話ですけれども、今申し上げた正味発電をめざすLIFTとよく似たハイパーという全欧の計画があります。そことの連携は、去年あたりから熱心な協力要請があるので、それは基本的には進めていきたいと思っています。その2点です。

【髙村委員】  かなりMFEとは違うんですけれども、リアクター、炉からエネルギーを取り出すところというのはかなり似てくる要素があるので、そういう面から、先ほどの小森先生のああいうのと同じ形でのコントリビューションというのはあり得るのか。

【疇地委員】  それはぜひお願いしたい。双方向の中で、レーザーに関する炉設計も含めて、やっていただけると我々としては大変ありがたいと思っています。

【髙村委員】  ITERへのコントリビューションというか、そういうのはほとんどないと思っていいんですか。

【疇地委員】  ちょっと違う面で、あるのではないかと思いますけれども、位相共役鏡というレーザー研発の技術がございまして、要はトムソン散乱のレーザーの出力を今までよりもはるかに大きくするという技術が、ITERにも採用されたはずです。そういったことの貢献はできると思っています。

【本島主査】  ほかにもあると思いますから、遠慮なく。

【香山委員】  今の点で、非常に未熟だという印象を受けられたところの、それぞれの人で理解のレベルが違うと思うんですけれども、非常に思うのは、最初のページに2003年ごろの検討結果が少し出ていますけれども、そのころでもかなり要素技術の拾い出しとか、そのレベルでの議論をやっていて、レーザーに特化した問題の検討は、私自身はよく進んでいると思っているんですね。ですから、もちろんITERの設計とかそういうのと比べたら、全然レベルが違うのはわかります。

 ただ、何と比べて未熟かというあたりは正確に言わないと、あまりあっさり、疇地さんなんか、「そうですか」なんて言われちゃうと困ると思うんですね。工学をやっている人はね。そう思いますので、アピールしたところ、非常に大きなテクニカルイシューだったものに対する一つの解は出てきていて、絞り込みの、例えば炉の励起概念の絞り込みとか、そういう意味ではかなり進歩はあると言うべきで、あまり大ざっぱだと言うのは、もちろん大ざっぱな要素はいっぱいあるんだけれども、それは言うべきじゃないと思いますね。

【本島主査】  松田委員、どうぞ。

【松田委員】  数年前に指摘されたことに対して、検討は、炉の問題とか壁の問題をされておられて、その面ではちゃんとやっておられると思うんですが、ちょっと個人名を出してあれなんだけれども、前に神前先生なんか、工学的な観点で検討されていましたね。今、NIFSのほうに行かれて、ああいう方の後継者というか、工学的検討をされる先生は今いらっしゃるんですか。

【疇地委員】  おります。名前を出すのは……。

【松田委員】  いらっしゃるね。

【香山委員】  出していいと思いますけどね。

【疇地委員】  乗松教授を中心としたチームが炉設計をやっております。

【松田委員】  わかりました。

【香山委員】  乗松さんは、ITERとかあちらの工学ともいろいろ接点を持っていて、かなり的確にリーダーシップを発揮していると思いますね。

【本島主査】  堀池委員、どうぞ。

【堀池委員】  今の話なんですけれども、私どもは、わりあい疇地さんのところは近くで、いつも見ているので、感じていることなんですけれども、今ご指摘のようなところは、非常に手薄と言ったらおかしいんですけれども、あまり炉工学的なところにまでは手が回っていないというのは明らかですよね。そういう意味で、今ご提示のロードマップをもうちょっとちゃんとやっていく上では、もう少し炉工学分野からの支援ができるというか、大阪大学を飛び出してでも、どこかにそういう組織をつくるとか、何かそういうエポックメーキング的な展開がないとちょっと無理かなと。

 それで、私どもの専攻からレーザー研さんに学生が行っていて、結構成績の優秀な学生を送り込んでいるつもりなんですけれども、僕らの不満で言わせてもらうと、基幹講座に比べると、どうしても学生1人にかけている手間が少ないという面があって、教員の数が少ないという面があって、そういう意味で言うと、僕らの印象は、工学関係では手薄なので、そこはもうちょっとシステマティックな改良が近い将来なされる必要があるのではないかという印象を持っております。

【本島主査】  どうもありがとうございました。確かにレーザー核融合の研究の特徴というのは、要素技術の積み上げがそのまま大きなシステムにつながりやすいというところがありますので、マグネティックフュージョンとはまた違う研究手法がとれるという点も大きな点かと思います。

 大体予定していた時間なのですが、吉田先生、何か、発言しにくくなったということがありますでしょうか。

【吉田委員】  そんなことはないです。私、2年、3年ぐらいかな、いろいろ双方向型の関係で勉強させてもらいました。それぞれやっておられて、炉ということについて気になったのが、ミスト、エアロゾルというんですか、ああいうものがおさまるのは、物理で決まってしまうようなもの、細かいものが飛び交って、それがおさまらないと次のショットが打てない。それが時定数が非常に長いというのは、どういう方向で解決していこうというふうに今、筋道が立っているんでしょうか。皆さん多くの方が取り組んでおられて、研究が進んだんじゃないかと思って、その辺をお聞きしたいと思うんです。

【疇地委員】  一言で言うと、ショットとショットの間隔を比較的長目にする。一つのチャンバーで12Hzとか、16Hzとかにはしないというのが答えで、例えば実験炉の場合には1Hz、原型炉の場合でも4Hzに抑えて、もっと繰り返し率を稼ぎたいときには、チャンバーのシステムを複数にして……。

【吉田委員】  レーザーを切りかえて……。

【疇地委員】  はい。レーザーを振り分けるというのは、エレクトロオプティックスを使えば造作もないことですから。

【吉田委員】  そういう方向でも、可能性としては十分あるんだということ。

【疇地委員】  はい。

【吉田委員】  いろいろな開発とか何かは、かなり工夫のしようがあるけれども、あの問題に関しては、ほんとうに空間の中でどう微粒子が振る舞うかというのは、極めて根本的なというか、どうしようもないところがあるから……。

【疇地委員】   ただ、先ほどのプレゼンでも申し上げたように、鉛の状態方程式で予測する限りは、ミストの密度とか大きさというのは特に問題にならないと思います。問題は、リチウム鉛の状態方程式が十分には分かっていないことです。鉛でオーケーだからリチウム鉛でもオーケーだろうというのが今の予想でございますけれども、そこについてはもう少し研究が必要だと思います。

【本島主査】  熱心な議論をどうもありがとうございました。レーザーにつきましても、ロードマップについてのセンター長からのプレゼンを理解していただいたと思います。

 プレゼンでもありましたとおり、FIREX-1の今後の3年ぐらいの結果がその後に大きく影響していく。そういう意味では、吉田科学官がおっしゃったチェックポイント的なものがございますね。LHDの場合は重水素の実験ということになるかと思いますが、そういったことをテークノートいただきたいと思います。

 それでは、ありがとうございました。時間が5時を少し過ぎるのは構わないでしょうか、山本専門官。この部屋のことになりますけれども。

【山本核融合科学専門官】  問題ございません。

【本島主査】  どうもありがとうございます。

 それでは、ワークシートについて、こちらも重要な案件ですので、吉田科学官より、資料3に基づいて説明をお願いいたします。

【吉田科学官】  それでは、資料3についてご説明いたします。

 前回以来申し上げていることでありますけれども、お手元の参考資料、上から4番目にオレンジのところ、ここのところにもっと具体的かつ詳細なダイヤグラムを入れていくことが、この作業部会が目指している目標であります。それをつくっていくために、委員の先生方に、このワークシートを使って、具体的なお考えを出していただきたいと考えている次第であります。

 項目については、山田先生のほうから具体的に説明していただきたいと思いますけれども、これは前回も出しているワークシートを少しブラッシュアップしたもので、前半のところに記入例を書いてあります。これはあくまで模範回答ではなくて、記入例でありますので、技術的な部分についてはいろいろ不備や齟齬があろうかと思います。前回の常松委員、あるいは松田委員からお話があったような設計チームを1つのイメージとして、それに対応するようなものを、内容としては素人仕事で書いておりますが、この種のものを出していただければと思います。

 もう少し付け加えますと、これがどのような形のプロダクトになっていくかという作業の目的をご説明したほうが、何をお願いしているかということがわかりやすいかと思います。今日もヘリカルあるいはレーザーのロードマップということでお話をいただいたわけですけれども、核融合分野のロードマップが、単に幾つかの線がシンプルに並行に書いてあるという形では困るので、イメージしているのは、互いに絡み合った、交差し合ったような、束になったロードマップというか、そういうものをつくり上げていきたい。

 それぞれの洗い出されている課題を、いつどのぐらいの規模の研究を行って解決していく必要があるんだろうか。そういうことが、ロードマップの中にさまざまな、縦断・横断していくような線であるとか、あるいは分岐していくような線であるとか、それを収束に向けていくような線であるとか、そういった意思決定のチェックポイントとか、そういうものを入れつつ、我が国の核融合研究全体の作戦書として、ロードマップをつくっていくということを目的にしております。そのためのエレメントになる課題、あるいは問題点というものをご提示いただきたいということであります。

 スケジュール的には、これをメールの形で直ちに委員の方々にお渡しして、次回までに、しかるべく期日はご連絡いたしますけれども、出していただいて、それを、次回はまず生データの形で議論をして、それを使って残りの時間でまとめていきたいと思っております。

 それから、各委員の先生方には、もちろん非常に広い見識でご意見をいただいているところでありますけれども、それと同時に、周りの方々、特に若い方々の意見をできるだけ聞いていただく。コミュニティーの声を吸い上げていただいたものとして出していただきたいと思います。決してこの作業部会がトップダウンになるのではなくて、学界にあるさまざまな意見がボトムアップされて、この議論の俎上に上がってくるための役割を、特に核融合の分野の委員の先生方にはお願いしたいと思っておりますので、少し手間暇をかけていただいて、ワークシートにお答えいただければと思います。よろしくお願いします。

 あと、山田先生に、この項目について。

【山田学術調査官】  特に。

【吉田科学官】  よろしいですか。

【山田学術調査官】  はい。    

【本島主査】  前回、わかりにくいというご指摘に対して、この青で書かれた具体例が示されたということで、今の科学官のご説明でご理解いただいたかと思いますが、山田学術調査官には、今日の議論で出たことは、課題1から6までで、先生のほうでも書き込んでいただいて、もう一度書き込む必要はないと、皆さん理解してよろしいですか。

【山田学術調査官】  いや、ぜひとも委員の先生方のお言葉で、まずはいただきたいと思います。もちろん今日の分は議事録等で精査していただきますけれども。

【本島主査】  書かないとならないということではないんでしょうね、もうここで発言があったことについては。

【山田学術調査官】  書かないとならないということではないのでしょうね、もうここで発言されたことについては。

【本島主査】  そういうことでございますが、何か。香山委員。

【香山委員】  従来の議論の中で、結局こういう、特に学術研究の基盤というところ、もちろん重点化のところでもあるんですけれども、核融合にスペシフィックなイシューという問題と、それから近接した、原子力も含めてですけれども、近いところでの共通技術的な観点の見方というのをどうするかという議論はあったと思うんですけれども、結局、1つは予算化の議論だとすると、核融合予算としてどこまでカバーする、それからどういうふうにすべきかという提言をするんだとすると、できれば必要な研究基盤の中に、核融合、スペシフィックなイシューとして何を重要だと書いていくか、それから、まずは共通技術、より一般化、あまり一般的なヒバイというのは入ってこないと思うんですけれども、どれぐらいまでの近いところの共通技術として、もう少し幅広くやるべきかというようなことが、ここをちょっと見えるように書けるといいと思うんですけれども、その辺はどんなふうにお考えでしょうか。むしろコメントの中に入ってくればいいという感じでしょうか。

【吉田科学官】  ちょっとどう答えていいか、ロードマップというイメージでいいますと、核融合の道というのは当然周りの分野に広がっているわけで、ロードマップといったときに、いつまでにこれをやって、これをやって、次にこれをやってという東海道五十三次のようなロードマップじゃなくて、むしろイメージとしては、都会の道のロードマップのような、縦横に道が広がっている。ただし、その上を核融合がどういうふうに進んでいくのかという意思決定をしていくわけですね。

 ここの作業部会の重要な役割は、まず、地形図というか、全体のロードマップというものが周りの分野とどのようにつながって、それらを巻き込みながら成り立っているのかという絵をかくと同時に、その上に、できるだけ具体的な進路を、線を引くという仕事であるわけですね。学問的にどういうつながりがあるのかということを整理していくということは、それは、例えば大学の先生たちが体系化という言葉でやっていること、日々アカデミックなレベルでやっているような、学問を見渡した地形図というものをつくっていく作業でもあるわけです。しかし、この作業部会のプロダクトとして重要なのは、そこの中でどのようなルートをとっていくのかという意思決定と、そのルートに関わる何本かの線がどのように関連しているかということなんだろうと思うんですね。

 ここで出たものが具体的に概算要求につながっていくとするならば、それは近隣の分野を巻き込んで、引き込んでいくようなものも当然あって、そういったものを核融合分野の概算要求としてまとめるためには、例えばどのようなものが構想されるべきかというような提言が、おそらくこの作業部会のプロダクトの使い方になるんだろうと思います。

【香山委員】  端的な質問の意味は、結局、特に工学の領域で非常にデリケートな問題がいっぱいあると思うんですけれども、過去においてもいろいろなところで、これは核融合でやらなくても、ほかでやればいいんじゃないかという指摘を受けたりすることはあるんですね。必ずしも適切じゃないこともある。

 なので、やっぱりここで議論するのは、どれぐらいの近隣からのスピンインを期待したロードマップなのかというのはどうしてもあるんですよ、特にここなんかで議論して、人員がどうだとか、予算がどうだとか、どういう設備というのがあるので、イメージだけでも、主査から伝えていただいてもいいんですけれども。

【本島主査】  それは、取りまとめに当たって、ある程度階層化の構造を取り込むことを努力するわけですので、いろいろな形で、立場、立場で出していただいていいのではないでしょうか。

 ですから、例えば今の議論を聞いていて思い出しましたが、松田委員がAPFAで、韓国のプレゼンテーションの時でしたね、法律体系に関することを質問されていました。原子炉等規制法に代えて、核融合炉等規制法をつくったらいいのではないかということをです。こういった観点も出てきてもいいのではないでしょうか。ロードマップを作り上げる上で大きな課題になると思います。

 どうぞ。

【常松委員】  おっしゃることについて悩んでいることがあって、先ほど出てきた、抜けているのは何かというところで、ともかくほかの分野に頼らざるを得ないような、例えば規格基準材料も含めて、これは一つの分野で閉じる話ではなくて、工学全体に広がって一つの体系をとらないといけないというので、自動的にほかの分野との関係がある。それから安全の問題、これは論理だけじゃなくて、社会土壌とか何かをやって、下手に突っ走ってもいけないし、下手にコンサバティブでもいけないというのがあるので、そこはどうすればいいといっても、だれも答えがないんだと思うので、ですから、まず1から6まで好き勝手書いていただいて、その下に、分析に必要なご指摘、ここがやっぱり知恵の絞りどころなんだと思うので、ここをちゃんとオーサーのほうから出すのか、あるいは吉田先生の知恵のお手並みを発見するのか、いろいろなやり方はあると思うんですよ。こっちで処理するしか方法はないんだろうと。欲しいものは欲しいと書くしかないんじゃないかという気がするんですけれども、いかがでしょうか。

【香山委員】  それは一つの明快な方向ですね。

【本島主査】  何でも書くぞという意見は大変貴重だと思いますので、取りまとめの仕方も何通りかは出てくるだろうと思います。今後の提言に結びつくことで、髙村先生、今の議論の最後のまとめをお願いいたします。

【髙村委員】  まとめじゃないので申しわけないんですけれども、先ほどもちょっと申し上げたんですけれども、こういうのをまとめていくプロセスの中で、ここの委員の皆様は非常に見識のある方で、それぞれにいろいろな分野をカバーしておりますので、十分かと思いますけれども、やはりネットワークとかそういう部分があるわけですね。そういうものに対する吸い上げというんですか、そういうのを何かお考えなのか、そこは非常に私は大事に思っていますので。

【吉田科学官】  ご指摘ありがとうございます。実はそれを考えておりまして、ネットワーク等についても、意見を聞こうと思っています。どういうやり方がよいか、主査とご相談し、今考えているのは、科学官、調査官から、ネットワークに対してご意見を聞いて、それを吸い上げて整理しながら、ここで俎上に上げていこうと考えております。

 

【髙村委員】  ぜひお願いしたいと思います。

【本島主査】  松田委員、どうぞ。

【松田委員】  核融合の研究開発をどういうふうに進めていくべきかというのは、フュージョンのコミュニティーの中の議論というのは、それはそれで、まず最初に必要なことだと思うんですが、今までいろいろな報告書でまとめられてきたことを超えて何か言い出すんだとすると、世間のクエスチョンに答えないといけないんだと思うんですね。

 例えばいつまでトカマク、ヘリカルレーザーをやっていくのとか、当然、原型炉の話が出てくるわけですね。そうすると、原型炉のその話を出すときに、その3つをどういうふうに整理するのかとか、世間一般の人が、ここの資料で言うと、原子力委員会とかそういうところでもちゃんと説明できてとか、そういうレベルのことにも、程度の問題はありますけれども、そういう質問にも答えられるような整理がある程度なされていく必要があるんじゃないかという気がします。

【本島主査】  今の点も勘案していただきたいと思います。

【吉田科学官】  先ほども申しましたように、何本か線がただ並行して引いてあるということになると、簡単に仕分け・整理されてしまうと困りますので、それらがいかに絡んでいるか。その絡みというのは、今日も申し上げましたけれども、基本的には競争的関係であるわけで、それが競争的に進んでいることによって、この核融合研究というものの最終形がレベルの高いものになる。そういうことに尽きると思いますので、そういう意図が出るようなロードマップにしていきたいと思います。

【本島主査】  どうぞ、平山先生。

【平山委員】  確認ですが、核融合に直接関係された方が記入するのは良いのですが、ほかの委員の方はとても書けない。だから、それは書かなくていいということでよろしいんですよね。

【吉田科学官】 いえ、ぜひ平山先生にもお願いしたいのは、具体的にこういう手を打つという具体論は空欄でもいいんですが、こういうことが課題ではないかというふうなことを、これは必ずしもハードだけではなくて、ソフトの面も含めて、人材育成もそうなんですけれども、客観的な観点から、他分野の委員の方々にも、ぜひ、課題や論点を示していただきたいと思っております。

【本島主査】  ある程度まとまってきたところで出していただくのでも結構だと思います。

【平山委員】  出てきたものについての意見は出せると思いますが。

【本島主査】  それでよろしいのではないでしょうか。

【平山委員】  課題や論点を出すことが求められても、ほかの委員の方も同じ様な意見の方がいらっしゃると思うんですけれども、一体何を言えばいいかということになってくると思います。基本的に核融合に関連している方を中心に、それぞれの立場からいろいろ意見を出していただき、それを集約した議論とか、あるいはまとめの段階で、違う立場からコメントするというような形でよければご協力できると思います。

【本島主査】  そうですね。他分野の方の、または社会の方の理解度を試すためのものではありませんから、そういう意味でも、今日までの議論で出てきたものをまとめることは重要な論点整理でもありますね。これは吉田、山田両先生のほうで、できるだけ早く書いたものをおつくりいただいて、その上で意見を出していただくということも大事かもしれませんね。

 あと、世間一般の方ということが松田委員から出ておりましたが、報告書については、パブリックコメントも求めるかどうかも、手続的なこともありますので、ここで検討していきたいと思っております。

  それでは、10分超過したところで、最後のその他ですが、資料4、ITER理事会の開催についてほか、お願いいたします。

【千原研究開発戦略官】  もう時間も超過しておりますので、簡単に。

 来週でございますが、18、19日に第5回ITER理事会が開催されます。フランス・カダラッシュでございます。ここにありますように、議題は、ITER機構の活動報告、諮問委員会等からの報告、ベースライン文書といったことについて議論をする予定でございます。

 日本は、恒例によりまして、文部科学審議官の森口をデリゲーションヘッドに、本島先生にもメンバーの一人ということでご出席いただきますし、また、松田委員にもメンバーの一人としてご出席をいただく予定でございます。

 簡単でございますが、以上です。

【本島主査】  どうもありがとうございました。そういたしますと、ほかに何か、次回以降のことでご意見がありましたら、出していただきたいと思いますが、次回のことも含めて、山本専門官、それではお願いいたします。

【山本核融合科学専門官】  次回の開催でございますけれども、今のワークシートの、いろいろ活発なご議論をいただきましたので、改めて事務局から、今のワークシートの様式といいますか、メールでお送りいたしますので、それにお答えをいただいて、お返しいただくということで考えたいと思います。

 次回につきましては、12月中旬以降、年内に1度開催できればと思っておりますので、また委員の先生方の日程を調整させていただいた上で、ご案内を差し上げたいと思います。それまでにワークシートを出していただきたいと思っておりますが、締め切りについては、そのメールに書かせていただきますので、ご協力よろしくお願いいたします。

【本島主査】  それでは、今後の報告書を取りまとめていく上での一層のご審議と、それからワーディング等について、それから先ほどのワークシートについてのコントリビューションもよろしくお願いいたします。

 どうもありがとうございました。

 

―― 了 ――

 

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