平成19年8月8日(水曜日) 13時30分~15時10分
K1会議室(丸の内仲通りビル地下1階)
飯吉主査、石塚委員、菊池委員、小森委員、笹尾委員、高村委員、松田委員、三間委員
古谷大臣官房審議官(研究開発局担当) 松尾研究開発戦略官、山本核融合科学専門官、永井核融合開発調整官
学術調査官 山田学術調査官 外部有識者 吉田直亮 九州大学応用力学研究所教授
主な審議内容は以下のとおり。
【石塚委員】
資料1-2について、3ページの上からの9行目のところですが、ここまではITER(イーター)それ自体における貢献、あるいは波及効果も含めての期待が書いてあるのですが、いきなりここで「核融合機器輸出市場が形成され」という話になっています。今の段階で、核融合は将来、機器輸出市場が形成されというのは早過ぎる気がします。むしろ書くとすれば、こういった研究開発によってエネルギー多消費国である我が国において安定的エネルギー供給の技術とか産業の基盤の形成が期待されるということになると思います。
【飯吉主査】
おっしゃるとおりですね。大事なことは基盤技術の形成ですよね。
そのために今、開発をやっているわけですから、そういうふうに書いていただいたらどうでしょうか。
【高村委員】
資料1-2についてですが、人材育成についてあまり書かれていないような気がします。それをこのITER(イーター)計画、BAの概要という中に含めるべきかどうかというのもあるかもしれませんが、人材育成は結構重要なことで、後の評価のところにも関連してくるのではないかなと思いますので、ぜひ入れていただくとありがたいです。
【飯吉主査】
はい。それは確かにそう言われてみると人材育成について書いていないですね。報告書をまとめるときは人材育成はかなりメインテーマだったわけですよね。ですから、これはぜひ3の後かどこかに、ぜひお入れいただいたほうがよろしいのではないでしょうか。
【松尾研究開発戦略官】
ITER(イーター)・BAを活用、あるいはそういう場を使って核融合の人材養成が図られるというような趣旨でここに盛り込めばと思います。
【高村委員】
その点もあるのですが、そもそも推進するに当たって人材が必要であるということも議論の対象になったと思いますので、その点も含めていただければありがたいと思います。
【松尾研究開発戦略官】
わかりました。
【飯吉主査】
総合科学技術会議の今期のメインテーマは人材養成ですので、そういう意味もあって、人材養成は書いておかないと少し具合が悪いと思います。どうぞ、松尾さん、いいところに入れてください。
【松尾研究開発戦略官】
では、どこか必要性のところにでも。場を活用して人材養成が図られ、またそういった人材養成も必要だというような趣旨で入れることを検討します。
【飯吉主査】
私が細かいことで気になったのは、2ページの上から2行目に「重水素・三重水素を用いた燃焼プラズマを実現させる」とありますが、ITER(イーター)が初めてのような表現になっていますが、これはもう既にJETとTFTRでやられているので、本格的な燃焼プラズマとか、そういう表現にしたほうがよいと思います。
あと、4番の予算の変遷ですけど、翌年度以降、総額が棒になっていますけれども、大体のところを教えてもらえないでしょうか。
【松尾研究開発戦略官】
平成19年度で54億円となっているのはITER(イーター)とBA、両方含めての金額でございまして、まずITER(イーター)について申し上げます。ITER(イーター)については当初、最初の10年間で日本が負担するのが金額として約540億円くらいでございます。
それで10年で建設の予定でございまして、その後20年間運転をしますが、大体日本の分担でいいますと毎年60億円弱でございます。したがって20年間といたしますと1,200億円くらいでございまして、それと540億円くらい合わせると、大体2,000億円弱くらいがITER(イーター)に要する日本の金額でございます。これは30年間で費やすものです。
ブローダーアプローチについては、10年間で総額920億円でありますが、そのうちの半分、460億円プラス青森の六ヶ所村の土地代等々ございますので、大体500億円くらい。これが、日本が10年間で費やすお金でございます。
したがって、ブローダーアプローチは約500億円、これは10年間。ITER(イーター)については約2,000億円弱、これが30年間。これがおおよその額でございます。これに加えまして、ITER(イーター)を活用していろんな研究活動するというお金はまた別途ございますので、プラスアルファというようなことでございます。
【飯吉主査】
資料1-3の全体評価についてですが、1つ気になっていることがあります。要するに今、いろんな基金を7カ国で分担するわけですよね。それで日本の分担の内容なのですが、やはり日本の技術の継続性というか、今まで蓄積してきた日本の得意とするところをしっかりと確保して、そして日本の技術として大切にしていくべきであると思います。そういうふうな視点で基金のどこを受け持つということをしっかりやっているのかどうか。その辺はどんな感じなのでしょうか。
【松尾研究開発戦略官】
まずITER(イーター)について申し上げますと、資料2-1の9ページ目でございますが、これがITER(イーター)計画において我が国が分担する装置の一覧でございます。これの黒字になっているのが日本のお金で日本が調達する部分、青字になっているのがEUから9パーセント分のお金をもらって日本が調達する部分です。これは既に協定上決まっておりまして、おそらく日本が、あるいは日本のメーカーが強い部分を調達するということになっていると思います。そういうことで申し上げますと、ブランケットの遠隔の補修、あるいはダイバータ、あと中心になる超伝導コイルというのはそれぞれ日本が調達するということになってございますし、あとソレノイドコイルとかブランケットとか加熱装置というのは我が国が調達するということで、おそらくこの辺は我が国として強い部分だろうと想定されるところでございます。
【飯吉主査】
そういう考慮をされているなら結構でございます。こういうのはどこで決めるのですか。
【松尾研究開発戦略官】
分担はおそらく松田委員のほうが詳しいかもしれませんが、EDAからの評価といいますか、設計工学活動から、協定を決めるときにおそらく7カ国で相談して、どこの極が何を分担するかなど、これはおそらく金額との見合いもあって、そういう形で決めているのだと思います。
【松田委員】
7極でネゴシエーションの一環として決まったのですが、つくれる国は限られていまして、R&Dでしっかりやっていないと、いきなりこんな大きなものはつくれないですから。そうすると、EDAのときにR&Dでしっかりやっていてというのがありますので、その分担に当たっては国際チームがかなり大きな役割をしました。もしつくろうとすると、こういう分担でないと技術的に成立しないのではないかという配慮が働いていて、特に日本、ヨーロッパを中心に期待されている超伝導とか難しい加熱装置とか、その辺の技術を中心に各国の配分が決まっていました。どうしても後から入ってきた国、韓国、中国、インドというのはその国の技術レベルに応じたところを中心にというような感じで割り振られております。
【高村委員】
全体評価ですが、ITER(イーター)のこれまでの推進の全体像としては、ITER(イーター)機構そのものもそうですし、日本でのいろんな活動も非常に順調に進んでいるように私は非常に高く評価したいと思っております。それでさらにこのITER(イーター)計画が日本全体として盛り上がるということが非常に重要なことです。先ほど少し申し上げた人材育成の話ですが、これは非常に重要であるということについて、何らかの形で評価に書くのがいいのかどうかというのはよくわからないのですが、1つあると思います。それから数日前に学会といいますか、核融合エネルギー連合講演会というのが2年ごとにありまして、そこで少し議論したときに、主要国サミットの主要議題に環境問題ということがございますよね。そういう時代背景というのをやはり十分認識して核融合エネルギーのメリットというのを訴えるべきではないかなと思います。それがここにふさわしい記述かどうかというのは、ちょっと私は判断できませんが、まさにそういう機運が出てきていると思います。その機会をやはりきちっととらえて、核融合エネルギーのポテンシャルというものを何らかの形で、主要国サミットの総括の中に核融合という文字が1つ入るだけでも相当違ってくると思いますので、そういうようなことも意識しながらやっていただくのがいいのではないかなと思っております。
【飯吉主査】
むしろ核融合コミュニティのこれからのPRをしっかり、JAEAのフォーラムですか、そういうところでしっかりやっていただくということは今チャンスでもあるし、ぜひ進めていただければよろしいのではないかと思います。ただ、もしここに書くとすれば、大学と機構と非常にスムーズに交流というか研究交流なり、そのようなものがもう既に進み始めているというような表現ならば、ここに入れてよろしいかと思います。人材のほうでも既にもうかなり前向きに連携が進みつつあるという体制が整えられつつあるというようなことならば、そういうことをここに入れていただくと。
【松田委員】
今の点では、先ほど石塚委員がご指摘になった輸出市場形成という言葉で、これは確かにそういうことを議論する段階ではないのですけど、非常に大きな50年、100年の流れ、特に環境問題とリンクした話としては、先般、原子力総合シンポジウムで発表された中身を聞いても、CO2を削減するのに日本が幾ら頑張っても削減されないのです。アジアの国が、どんどん排出量が増えていって。だから核融合を手にしたときに、日本は当然手にしないといけないのですけど、そういうものがやっぱりアジアの国々に広がっていかないといけないのです。それは技術の輸出を通してか、あるいはアジアの国々と協力して技術開発して物にしていくか、多分その両方が必要なのだと思うのですが、そういうポテンシャルが核融合にはありますと。技術が手に入れば、その後の広がりというのはかなり広いポテンシャルを持っているわけで、そういう文言が何かここの石塚委員がご指摘されたところの中に少し入るといいなという気はいたします。
【石塚委員】
今のお話は日本国のみならず、こういう核融合というエネルギーが広く利用されることによってエネルギーの安定供給、地球環境などに役立ち、そのための技術が確立されることがすごく重要であるということになると思いますので、つまりこれは技術の伝播の話だと思います。そういう技術の伝播、国際協力、産業協力ということだと思います。ここの表現の中では、要するに輸出のための競争力の確保になってしまっているからそう申し上げたのであって、まさに日本のような先進国がそういうことの先駆けをやって、そういう伝播をやっていくんだということが非常に重要なことだと思うし、もしあったらそういう書き方をしたほうがいいかと思います。
【飯吉主査】
それはむしろ、報告書のアプローチの推進方策のほうに書かれる性質のもので、評価のところではあまりなじまないですね。だからおっしゃる気持ちはよくわかるんですけど、ここには何か入っているんですか。
【小森委員】
そういう意味では、やっぱりITER(イーター)計画がうまくいっているかいっていないかという評価だから、基本的にはここに書いてあるので私はいいと思います。評価するということが推進することになるので。
【飯吉主査】
個別評価で何かありますか。
【松田委員】
個別というものの確認ですが、個別というのはもともとの資料の1.2.3.というそれぞれの個別なのですか。それともこの計画書が含まれる、例えばITER(イーター)あるいはブローダーアプローチ、あるいは何かブレークダウンしたものを個別と言っておられるのはどちらの意味で使われておられるのでしょうか。
【松尾研究開発戦略官】
全体のプログラムの評価を全体評価としていただき、そして個別、例えばITER(イーター)の中でもここの部分をこうすべきというようなこと、それから個々の先生の方々から具体にいただいた事例というのを幾つかピックアップして個別評価として分担させていただくというような形でございます。例えば、特に人材について、あるいはITER(イーター)の中でも調達の部分についてとか、そういったものはむしろ個別のほうにというような形でやろうかと思います。
【飯吉主査】
特に我が国において他のITER(イーター)参加極を上回る成果を挙げている点は評価できるという、これだけでは読めないので、どういうところがというのを個別のところに書いていただくというようなスタイルなのでしょうか。
【松尾研究開発戦略官】
はい。
【飯吉主査】
それとか人材育成のところも全体的なところはここにつけ加えて、個々の、例えば具体的にどういう、BAについては六ヶ所にこういうものができて、センターができて、そういうようなものは評価できるということだろうと思いますので、こういうところに入れていただいてくのがよいと思います。
【松尾研究開発戦略官】
そうですね。したがって、高村先生からいただいた人材養成については、現状と、それに加えてこういった点をもっと強化しようというような評価とか、今、飯吉先生が言われたような形でちょっとまとめさせていただきたいと思います。
【笹尾委員】
この個別評価についてですが、視点といたしましては学術性、それからこの委員の中に教育に携わっている者もおりますので、人材育成の視点。それから産業界から見た基盤技術の育成、それから継続という視点。本日出席の委員の中で欠けているのが、国際的な視点で見たときに、これが日本の安全保障とか、あるいは日本のリーダーシップとかそういう視点でどういうプロジェクトは意味があるかという視点。皆さん、立派な先生方なので評価できると思いますが、やはり専門家の意見も必要ではないかなと思います。椛島委員は特にそういう専門家なので、ぜひその視点から個別評価をいただけるとうれしいというか、非常にいい個別評価になるのではないかと思っております。
【高村委員】
人材育成にも絡むのかもしれないのですが、資料1-2の4ページの上のほう記載にされているITPAとTBMに関してですが、いろいろ議論があるわけですが、ただそれをどう具体化していくかということに関して、まだ全貌が見えてきていないというところがありますので、これは評価になるのか少しよくわかりませんけれども、そこはぜひもう少し一歩踏み込んでほしいというのが率直な希望です。
【松尾研究開発戦略官】
ITPAについては、まだITER(イーター)機構の中でもITPAとの連携をどうするかというのは決まっていないところであります。あとテストブランケットモジュールも今、機構の中で委員会を開いて枠組みをつくろうとしていますので、それを受けてでないと、なかなか評価、次どうするかというのは書き切れないので、そこは評価の中では若干メンションを避けているところがございます。
【飯吉主査】
どうもありがとうございました。それでは、その原案をつくるところは主査のほうにお任せいただいて、またできたものをお配りするということでチェックしていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
主な審議内容は以下のとおり。
【飯吉主査】
人材育成については科学研究費のほうでも今年も新しく核融合の特定領域研究でトリチウムの関係でかなり大きな予算がついています。それでそれも人材養成のかなり大事なコントリビューションになるのだろうと思いますが、これで笹尾委員のところの核燃焼の計測、それから理論も1つ、また、それからトリチウムという形で科研費の大きな予算がついてきているということも核融合コミュニティーの人材育成にこれから大いに役に立つのではないかと思いますので、そういうことを少し申し上げておきます。
【三間委員】
光の懇談会についてですが、人材育成の面についてはこの懇談会でも随分議論されまして、報告書でいえば11ページ目の一番最後のところに少し書いてあるのですが、何でもこの10年間で理工系を志願する人が半減したというので、では、何かというと、要するに理工系の中で若者を引きつけるような魅力的な分野をつくらないとならないということです。例えば光だと、新しい魅力にもなり得るかなと。そういう意味では、この報告書と核融合分野での人材育成という意味では、要するに大学院生に応募してもらうというか、人が集まってこないことには人材育成もありませんので、その辺の何かうまい仕掛けが必要になるということです。その仕掛けの方法についてですが、22ページに少し新しいネットワーク型という、何かこれは新しい制度設計ではないかと思っていまして、競争的資金でプロジェクトタイプのものと、それから拠点支援型のもので、拠点も1カ所だけではなく、世話をする機関プラスそれを取り巻くような拠点群があってというものです。そういう考え方というのはひょっとしたらITER(イーター)・BAの進め方にも関係があるかもしれません。いずれにしましても、光科学分野でも相当危機感を持っていまして、それでこういう報告書ができて、大いにやりたいということだと思います。
【飯吉主査】
私もこの1年間、資源調査分科会というのがありまして、そこでまとめたものに、やはり光を資源として見るということで、21世紀はもう光の時代だろうということで、光の世紀というサブタイトルをつけた報告書をまとめました。それで今、最終まとめに入って、近々印刷されていくと思いますが、それはこれとの関係を言いますと、まさにこういう先端技術としての光科学技術ではなくて、もっと身近な光触媒であるとか環境の問題とか、それから健康にどういうふうに光が影響しているかとか、食品をつくるのに光をどうやってあるいはいろいろ光を使って人工植物を育成するなど。いわゆる日常生活の我々の暮らしの中で光が非常に大事になってくる。そういう形でまとめているので、これとは抵触しないんですけど、合わせたらもっと学生が集まるのではないかと思います。
【三間委員】
あともう一点は、産業基盤について光の部分が弱くなっているということがあります。外国の製品で気のきいたものを買ってきて研究すれば、それでいろいろ論文は書けるのですが、日本企業から買ってきてもあまり研究にならないというような、そういう基盤の空洞化みたいな話がありまして、それと研究の現場とがうまくタイアップして、こういうネットワークを組むことで産業界の発展にもつながるような、何かそのようなものも盛り込もうとしていると思っています。
主な審議内容は以下のとおり。
【飯吉主査】
サテライトトカマクについてITER(イーター)計画とパラレルで進めると。それで、それより先にやって、いろいろ支援する。補完すると書いてあるのですが、補完する部分というのはどういうものが補完するのですか。要するにITER(イーター)にない特徴というのもあるわけです。それは何が一番大きいですか。
【菊池委員】
典型的にはITER(イーター)ではつくれないプラズマの形状をつくるということです。特に高瀬先生が強く推された低アスペクト比化のダブルヌーブル。
【飯吉主査】
むしろファットのことですね。
【菊池委員】
ええ。ファットのプラズマをつくれないかと。今、原子力機構の原型炉の設計グループは少しファットなプラズマでコンパクトな核融合をつくりたいという設計を進めていますので、それはさすがにITER(イーター)ではできないので。
【飯吉主査】
それは原型炉につながりやすいんですね。
【菊池委員】
1つの案として、うちの炉システム研/核融合炉設計屋さんはそれをやっています。
【三間委員】
いろんな目的が含まれていますよね。このトカマク。国内重点化装置でもあるし、さっき言った国際的なものでもあるし。だから、それをマシンタイムというか、どんな運転を構想されているのか。これからの議論なのかもしれませんけど、大体こんな感じの運用の仕方をというか……。
【菊池委員】
交渉の経緯からいいますと、松田委員が座長でおられた日欧のサテライトトカマクワーキンググループでは基本的にマシンタイムを分けようという考え方を示したのですが、ヨーロッパ側は非常に強く反発していて、インテグラルにやるためには1つの、結果として50、50のマシンタイムになるかもしれないのですが、研究計画の立案とかテーマの選択とか、そういうのは1つの統合したボディーがやるべきだというような意見があって、結局ワーキンググループではその部分に関する提言はすべて削除されました。だから、いまだにあまり完全には決まっていないというのが私の理解です。
【松田委員】
協定上の理解は国内計画と半分半分。これが基本。ブローダーアプローチにかかわる部分はできるだけ共同してプログラムをつくりましょう。基本的には共同してつくりましょうという仕分けです。そういう中でさらに具体的にやったときに、ブローダーアプローチから出てくるのと国内から出てくるのと同じようなテーマが出てくるというのは現実的に起こり得るので、そういう実際にオペレーションをやるときの調整というのはもうちょっとフレキシブルにまた考えられる。ただし、少なくとも国内計画で国内の人材育成のためのマシンタイムというのは国際的競争の中でやるというよりは別の色彩がありまして、これだけは多分一緒にやるというようなことはないだろうなと思います。
【飯吉主査】
私の希望としては、一緒にやったほうがいいと思うのですが。こういう国際的にせっかくヨーロッパと日本とで同じマシンを一緒につくって実験をやろうということですから、あまり国のエゴを出さないようにしてやるということのほうが将来のITER(イーター)の実験にもつながっていくし、よろしいのではないかと思います。
【菊池委員】
ただ、先生、やはり国内の装置として非常に一定の独立性を持って、国内の研究者がきちっとガバナンスを持って研究を進めるというのはみずからのリーダーシップを高める上では非常に重要で、最初から国際的な環境にさらされた……。
【飯吉主査】
むしろ今、国内でリーダーシップをとるよりもインターナショナルにリーダーシップを発揮することのほうが難しいわけですね。
【菊池委員】
もちろんそうなんです。国際的にリーダーシップをとるために、その事前の段階として必要なことがあるんです。何せ国内のトカマク装置はこの装置だけになってしまいましたので。
【飯吉主査】
いや、国内だけじゃないです。国際的にもこの装置だけです。
【菊池委員】
国際的にはヨーロッパには8台ぐらいトカマクがございまして……。
【飯吉主査】
いやいや、だけどこんな立派は装置はないです。それはもうできるだけ世界にシェアをしてやったほうが日本のステータスも上がってくるし、日本の評価も高くなってくるし、実力もつくだろうと。先の話ですけれども。
主な審議内容は以下のとおり。
【飯吉主査】
青森県には私立大学というのはあんまりないんですか。
【松尾研究開発戦略官】
青森大学が私立でございます。
【飯吉主査】
青森で理工系もあるんですか。
【松尾研究開発戦略官】
八戸工業大学があります。
【飯吉主査】
これは県も大分一生懸命なのですか?
【松尾研究開発戦略官】
極めて力が入っています。
【飯吉主査】
それでは、これできょう予定していた議題と報告は終わりでございます。
事務局から、中間評価票(案)について、飯吉主査に一任され、今回の審議を踏まえ飯吉主査、事務局で修正し、後日メールにて各委員へ意見照会を行い取りまとめること等の連絡があった。
─了─
研究開発局研究開発戦略官付