原子力分野の研究開発に関する委員会 核融合研究作業部会(第2回) 議事要旨

1.日時

平成18年6月21日(水曜日) 15時~17時30分

2.場所

経済産業省 別館827号会議室

3.議題

  1. ITER(イーター)計画、幅広いアプローチに関する国内検討体制及び国内推進体制について
  2. その他

4.出席者

委員

 飯吉主査、石塚委員、大島委員、椛島委員、菊池委員、小森委員、香山委員、坂内委員、高村委員、田中委員、東嶋委員、平山委員、松田委員、三間委員、本島委員

文部科学省

 板倉核融合開発室長、川畑核融合科学専門官、橋爪核融合開発室長補佐

オブザーバー

科学官
 吉田科学官
学術調査官
 山田学術調査官

5.議事要旨

(1)ITER(イーター)計画、幅広いアプローチに関する国内検討体制及び国内推進体制について

【主査】
 前回の会議で、核融合研究全体の状況については既に説明いただいているが、今回のITER(イーター)計画、幅広いアプローチの審議については、既に決まっていること、今後検討すべきことをしっかり理解した上で議論を進めていく必要があろうかと思っているので、事務局からそのあたりを説明いただきたい。

【事務局】
 ITER(イーター)計画の極内機関については、まだ正式にはどの機関も日本国内では指定されていないが、将来的には日本原子力研究開発機構を指定するということが見込まれている。したがって、日本原子力開発機構執行役の松田委員から詳細について、ご説明をお願いしたい。
 松田委員より、資料1、2に基づき、ITER(イーター)計画、幅広いアプローチにおける現状及び今後の検討課題について説明があった。説明に関する意見・質疑等は以下のとおり。

【主査】
 ITER(イーター)機構職員の派遣先及び派遣人数はどうなっているのか。

【松田委員】
 派遣先はカダラッシュである。ITER(イーター)機構全体の職員数が約200人と予定されており、そのうち日本からは20パーセント弱の約40人を派遣することとされている。

【主査】
 幅広いアプローチの予算額920億円は、ITER(イーター)計画の予算の中に含まれていないということでよいか。

【松田委員】
 その通りである。ITER(イーター)計画、BA共に、基本的に物納である。どうしても物納できない電気料等については資金が動く。

【主査】
 ソフト面についてはどうか。

【松田委員】
 運転員等については資金によって対応する。

【主査】
 ITER(イーター)遠隔実験センターはデモ炉とは関係なく、ITER(イーター)実験開始時のリモートセンターのようなものか。

【松田委員】
 その通りである。遠隔実験センターは、ITER(イーター)実験に遠隔から参加できるよう設置されたものである。ITER(イーター)のデータを得ると共に、六ヶ所村で行われている原型炉の設計に逐次反映していく。
 当面はデモ、コンピューター、シミュレーション関係のリモートセンターであるが、その前に運転実験を開始するJT-60のリモートセンターにもなる。

【主査】
 トリチウムの研究はどこで行われるのか。

【松田委員】
 原型炉には、原型炉の設計とR&D調整という機能がある。R&D調整においては、日欧が合意できる共通の関心事を実施することになっており、具体的な項目は今後の協議で決定する。

【主査】
 原型炉においては、当然、炉工学の中にトリチウムの問題が大きく含まれる。日本はこの分野があまり強くないので、特に強化しなければ将来、問題となり得る。その辺りは是非検討していただきたい。

【松田委員】
 その点については強く認識しており、今後の国内及びEUとの協議の中で決定していきたい。

【委員】
 資料1、11ページの原型炉、設計・R&D調整センターの部分で、核融合材料等と記述されているが、工学と材料研究については、工学の中には材料があるが、材料だけではないので、表現には注意が必要である。
 また、BA実施機関に求められる具体的な役割については、これから検討されるということか。

【松田委員】
 その通りである。
 また、核融合材料等という記述については、1部門について具体的に記述したものであるので、核融合、炉工学という表現とする方が適切と考える。

【委員】
 資料1、10ページの大学共同利用機関との交流・連携について、核融合炉工学ネットワークと書かれているが、これは核融合ネットワークでよいのではないか。
 また、資料2、3ページの研究環境の整備のところで、「競争的な資金等を活用し」とあるが、素案があれば教えてほしい。

【松田委員】
 炉工学ネットワークについては、核融合エネルギー研究センターの中で、新たに決定される部分が炉工学の部門だったので、核融合ネットワークのうち、炉工学についてのみ記述しているが、ご指摘の通り核融合ネットワークの方が適切と考える。
 次に、競争的資金についてだが、BAは日欧の共同事業であり、それぞれの国内において議論を行った後、運営委員会で決定されるというプロセスをとる。したがって、研究の進め方については、原型炉に向けて、どうすれば最もよいものができるかという視点に立った議論になると考えられる。
 そのような立場と、六ヶ所につくられる施設を大学の視点から利用する立場との連携が考えられる。BAそのものは、プロジェクトオリエンテッドな計画であるため、プロジェクト的な視点と、大学の自由な発想・興味に基づく視点、それぞれの視点を持ちながら、合同で、もしくは独自に競争的資金を獲得していくことなどが考えられる。具体的なことについては、今後議論していく必要がある。

【委員】
 今後、競争的資金と人材育成を連携させていくことも考えられるのではないか。

【主査】
 今後、大学の参画には、様々な形態があり得るが、その中で、獲得した競争的資金を持って参加するというスタイルもあってよいのではないか。今後の検討課題である。

【委員】
 幅広いアプローチは、大学も含めてオールジャパンで知恵を絞り合うということが前提であると考えるが、先ほどの物納という話について、研究費はないということか。

【松田委員】
 ITER(イーター)、BAともに、物を作る部分と実験の部分がある。10年間の期間のうちに、物を一定の期間で作った後、実験を行うということである。実験を行う際の費用は資金の提供があり、全体の実験を賄うというシステムである。

【委員】
 BAは10年ということになっているが、原型炉の設計やITER(イーター)の遠隔操作等については、ITER(イーター)の結果が出ない段階で完了することは考えられない。BAの10年後の継続についてはどのような枠組みとなっているのか。

【事務局】
 BAは、あくまで10年間というITER(イーター)の建設期間における日本とEUの間の決め事であり、両者が半分ずつ負担をするということが決定している。でき上がった施設を使ってどのような研究開発をするかという点についてはオープンクエスチョンである。国としては、基本的にオープンの国際研究拠点を形成・展開し、さらに継続していくという方針で臨みたいと考える。
 核融合フォーラムの概要について、香山委員より資料3に基づき説明があった。説明に関する意見・質疑等は以下のとおり。

【委員】
 ネットワークとフォーラムのメンバーの重複はあるのか。

【香山委員】
 重複する。ネットワークは、大学と核融合科学研究所というイメージが浸透している。一方、フォーラムは日本原子力研究開発機構、産業界、大学の一部というイメージがあるが、これは正しくなく、基本的には両者の構成員はほぼ同じであり、オールジャパンで核融合活動を行っている。ただ、目的や議論の基本について相違点があるということである。

【主査】
 核融合フォーラムはITER(イーター)のサポートグループである。ITER(イーター)フォーラムとすればもっと明確になったと思う。
 一方、ネットワークについては、レーザー等の核融合の様々な方式があり、また、プラズマや核融合に関係する、すべての学術的な分野を含む。

【香山委員】
 核融合フォーラムはエネルギーを早期に実現するという、核融合本来のエネルギー研究が重要な目標であり、そのためにITER(イーター)について重要項目として集中して議論しているということである。学術的な研究も多く含まれており、ネットワークとは少しスペクトルが違うというところである。

【委員】
 現在、欧米を中心に、様々な分野で、ネットワークを通じて多くの研究グループを連携させ、ネットワーク上でデータベース、ソフト、実験リソース、スパコン等の共有が図られている。核融合の分野においては、ネットワークを通じたバーチャル研究組織等は存在するのか。

【香山委員】
 核融合は他分野より先に動いており、プラズマや工学において、かなり早い時期からインターネットや特別の情報回線を用いた共同実験の参画や、情報の共有等が進み、成果を挙げてきている。これらの活動における核融合ネットワークの寄与は大きい。
 核融合ネットワークの概要について、山田学術調査官より資料4に基づき説明があった。説明に対する意見・質疑等は以下のとおり。

【委員】
 今、欧米中心にeサイエンス、あるいはバーチャルオーガニゼーションといったものが形成されつつあり、日本の核融合分野についても、この機会に六ヶ所村やカダラッシュに全国の大学の知恵を集める必要がある。連携については、どのようなデータベース、ソフト、実験装置を、どんな範囲で共有するのかといった、具体的なシステムについても併せて形成しなければ、何か箱ものができただけということに終わりかねないなという懸念がある。

【主査】
 今後の課題として、さらに発展した形のネットワークが大切ではないかと考える。
 産業界における核融合をめぐる現状について、石塚委員より資料5に基づき説明があった。説明に対する意見・質疑等は以下のとおり。

【委員】
 核融合と直接の関係はないが、最近の例で、東芝がウェスチングハウスに攻めの投資を行っているということがある。産業界の中で、攻めの企業は出てきつつあるのか。

【石塚委員】
 今後の産業界の参画に当たっては、それぞれの経営の中で判断することになる。現状は、政府からのロードマップの提示がなく、原型炉について見通しが立つ段階ではなく、まだ産業界が主体的に判断する状況にはなっていないと考える。
 産業界は、政府の施策やロードマップが出たうえで判断することになる。重要なのは、国としてどのような技術を日本として残すのかという視点を持つことであると考える。

【主査】
 核融合の技術には、超伝導等の様々な技術があるが、日本の得意分野、日本が大事にしなければいけない技術を持っていないと、国際協力の際の競争においては不利になる。炉工学の技術の検討の際には、どの分野に特に重点を置くかという点について、人材も含めて検討しておく必要があるのではないかと考える。
 ITER(イーター)計画及びBA計画の実施体制(案)について、事務局から資料6に基づき説明があった。説明に対する意見・質疑等は以下のとおり。

【委員】
 学会の話について述べたい。学会の場としては、議論の場の提供、サイエンスの議論を高めること、成果発表、啓発的な活動といったものを推進していくことが役割である。
 若手並びに人材育成について、まず、若手研究者にとってITER(イーター)/BAに参画することがキャリアパスとして位置づけられることが非常に重要である。
 次に、人材育成について、核融合エネルギー研究にとっては千載一遇のチャンスであるので、国際的な大学院大学の設立について話題にしていただきたい。サイエンスだけではなく、エンジニアリングも取り込んだ、しかもインターナショナルなものができればよいと考える。

【主査】
 人材育成については、我が国だけではなく、ITER(イーター)に参画している国全体にとって大きな問題である。バーチャルインターナショナルユニバーシティーについて、日本から提案し、本当の意味の国際的な大学院大学ができればよいが、そのような提案は出ているか。

【松田委員】
 現在は出ていない。まず、海外の研究者が参加するということが必要である。例えば、六ヶ所村の原型炉に向けたセンターが、非常に高度な研究が進んでおり、かつセンターを通じた人材育成が非常に効果的であるという状況になってから、大学院大学の構想を提案すれば、実現の可能性が出てくると考える。現在の六ヶ所村は、まず基本のBAでどのようなものができるかということについて注目されている段階であり、その後、まず研究者が参加してくるということである。

【委員】
 事務局案のうち、核融合フォーラムについて、意見集約とあるが、原子力機構を含めての全日本的な議論というのは、核融合フォーラムの中で行われるという理解でよいか。

【事務局】
 その通りである。

【委員】
 ネットワークには原子力機構からの参加者も増えており、大学だけのメンバーではない。

【主査】
 原子力機構はITER(イーター)に関しては当事者であり、大学は協力する立場であるので、必ずしも当事者ではない。原子力機構の仕事はある程度決まっており、大学がいかに連携していくかということが、議論の中心になる。

【事務局】
 大学の部分には研究者一般も含む。
 極内機関としての原子力機構と、原子力機構の研究者とは意味合いが異なる。研究機関としての原子力機構の研究者は、新たな枠を通じてフォーラムに直接参加をすることが考えられる。

【委員】
 ネットワーク、フォーラムというのはそれぞれオーバーラップする部分がある。目的も違い、時間によって変化しつつあるため、あまり区別しないほうがよい面が大きい。
 核融合科学研究所の役割については、事務局案で大学共同利用機関としての役割がはっきりすると考える。
 ネットワークについては、大学共同利用機関が大学に限らず、原子力機構も当然共同研究の対象としていることから、あえて定義し直す必要はない。
 産業界については、もともと利害関係がある会社の集まりであり、オールジャパンの体制には限界がある。10年後に実験炉ができるという状況において、現在、実用化の可能性について疑問視している企業は淘汰されていくことと思うが、その点が産業界の巻き込み方と取り入れ方のポイントである。
 核融合フォーラムはかなり大きな組織であり、事務局案の機能を求めるには工夫が必要である。例えば、評価機能を含む場合は、原子力機構の方は入らない、などである。
 既存の核融合フォーラムの中にITER(イーター)フォーラムの部分をつくるなどの工夫が必要と考える。

【主査】
 文部科学省から諮問する際にも、フォーラムに諮るのではなく、フォーラムの中に委員会を設置して対応するなどしなければ、ITER(イーター)のようなトップダウンのプロジェクトへの対応は困難である。機動性、即効性のある組織をフォーラムの中につくることが必要である。

【委員】
 産業界としては2つの側面がある。1つは、極内機関と産業界の協力を通して、どのようにITER(イーター)を建設、推進していくかという側面である。もう1つは、日本のエネルギー開発として、どのような政策・手順で進められていくのかということについて、それぞれがどのような役割を果たしていくかという側面である。政策的なものは、文部科学省の役割である。
 産業界は利害の対立はあるが、エネルギー開発として核融合開発はどのような仕様で推進していくのかということ、自分たちはどのように参画していくのかということについては、共通の関心事である。
 政策的な事柄を、核融合フォーラムで諮問・検討されるべきものなのか。

【事務局】
 文部科学省の中で政策を検討する場としては、科学技術・学術審議会があり、本作業部会も審議会の中に位置づけられている。大きな意思決定をする際の議論の場としてはよいが、人数も限られており、限界がある。個別課題、例えば、青森のエネルギー研究センターと大学との連携の進め方については、作業部会だけで議論するのではなく、学術コミュニティーの方にも加わっていただき、粗ごなしの議論をしていただくことが必要であると考える。個別の課題については、まず機動性の高いフォーラムの場で議論していただき、必要があれば、作業部会のような政府の場でオーソライズするという形をとりたいと考える。
 産業界の方にも粗ごなしの議論に加わっていただく必要があれば、フォーラムで意見を出していただき、さらに大きな方針を決める場合は、作業部会に参加していただくという整理となる。

【主査】
 エネルギー開発については、原子力委員会の長期計画に関係するため、原子力委員会で議論する必要があり、本作業部会で議論することではないと考える。
 個別のテーマとして諮問されてくるものとしては、例えば、青森の国際核融合エネルギーセンターや、JT-60のアップグレード、炉工学の材料の研究等に対して、大学がどのように参加していくのかというようなことではないか。

【科学官】
 資料7の推進体制の構造については、例えばITER(イーター)機構への派遣人数等、数値的な分析が必要ではないか。
 また、研究費も含めてロジスティックスを行う上での分析も行って議論する必要があるのではないか。

【事務局】
 例えば、人材育成については今後の作業部会でもご議論いただくため、その際には具体的な資料を出したい。

【委員】
 資料7では、大学及び大学共同利用機関は研究成果をセンターに提供するだけであり、対価が無いように受け取れる。センターから研究成果を一方方向で吸い上げるという図ではなく、研究費等のしかるべき対価を払うスキームが必要ではないか。

【松田委員】
 2つの側面があり、1つはBAそのものにかかわるものの一部をある大学が分担する場合は、それに伴う資金は提供される。一方、大学の興味からBAに参加するという場合は、基本的に大学側の資金を研究費とする。あるいは、中間的な協力関係を取る場合もあり、様々な形が考えられる。

【主査】
 以前、科学技術庁と文部省の統合前だが、大学の研究者をITER(イーター)の設計活動に派遣する際に、大学の研究者は教育活動を行う必要があったため、原研の研究者の参画とは根本的に違う形にならざるを得ず、限られた形の協力にとどまったという経緯がある。
 現在は文部科学省になって、原子力機構と大学が双方で協力しているようであるが、制度的に不可能なことがあるのではないか。出向等が制度的に認められているのかといった点について整理しておかなければ、協力体制の仕方に大きく関わる。

【委員】
 法人間の合意によって自由にできるのではないか。研究者が大学共同利用機関に来ることと理論的には違わないのではないか。

【委員】
 予算については、運営費交付金の中の特別教育研究経費を使う、使わないという議論はシビアにする必要がある。
 競争的資金については、昨年度より、原子力の分野で「もんじゅ」関係の予算を競争的資金に回しているスキームが始まっていることは、1つのひな形になる。
 また、大学の教育活動を行う必要がある研究者を長期的に派遣する点については、その教育活動を補える仕組みをつくることが想定されると考える。

【委員】
 原子力機構はメーンプレイヤーで、大学は協力という考え方は、文部科学省になって以来の科学技術・学術審議会の中での議論とは違うのではないか。末松前科学技術・学術審議会長の発言に、大きな装置で研究者が一緒に研究すべきだということがある。原子力機構としても、現在約170人の共同研究者がいて、IAEAの国際会議で数多くの論文を大学から作成しているという現実があること。組織の壁はあるが、ITER(イーター)、BAへの活動については機構がメーンプレイヤーだということではなく、オールジャパンとして推進していくことが重要である。
 ヨーロッパの各国の研究機関の代表者がJETといった主要装置を共同で使用しているのに対し、原子力機構1機関の数十人の研究者が同様の装置を使用していくことは、研究者に多大な負担がかかるため、できるだけオールジャパンで使用していただくことが必要である。実際にITPAという活動では、各国の研究者が研究テーマでつながりながら研究を行っている。同様の形態をこの作業部会で形成することが非常に重要である。
 また、競争的資金があれば、組織の壁は崩せるのではないかと考える。

【主査】
 オールジャパンでの研究は賛成であるが、基本的な部分で行き違いや誤解がないように確認しておく必要がある。オールジャパンでITER(イーター)計画、並びにBA計画を連携していくことが前提であるが、今の大学と原子力機構の構造や文化の違いを踏まえ、円滑に進めるための方策を議論し、スタート時点から両者の摩擦を少なくするべきである。

【委員】
 大学サイドとしては10年、20年にわたる長期のプロジェクトに対して、大学評価・学位授与機構ですべて評価されるため、人材の派遣に見合うような実績を残していかなければならない。6年の中期目標・計画を立てて活動していく中で、ITER(イーター)、BAへの協力をどのように入れていくかということについては、大学として参加しやすい制度の整備を、作業部会で提案できればよいと考える。制度に縛られて協力できないといった事態が起こらないか心配している。

【委員】
 新しい機構や制度をつくった上での参画と、既存のルールで可能な参画を明確に分ける必要がある。また、兼任についてはそれぞれの大学で様々なルールを設けているため、それらを理解していい形ができることを期待する。

【主査】
 大学からの協力については、一般的な議論でなく、国際核融合エネルギー研究センター、コンピューター関係、材料、サテライト・トカマクといった4つの大きなテーマについて、大学がどのような形で連携、参加できるかという具体的なテーマについて、相互に議論し、そこで新たに生じた問題点なども含めたアウトプットについて、次回以降の作業部会で議論していくということでどうか。
 このことについては、フォーラムの中に幹事会をつくっていただき、大学の先生、産業界も入っていただいた上で原案をつくっていただくという形でどうか。

【委員】
 青森・茨城等の地元というところが、極内機関、実施機関と直接つながっているが、その上の意見集約、核融合フォーラムのところとはつながっていない。このプロジェクトは10年、20年とかかるものであり、例えば教育機関をつくってほしい、人材養成機関をつくってほしいといった、地元からの様々な思いを実施機関で直接吸い上げるということになると思うが、政策提言をするという核融合フォーラムの中でも、地元の代表者に入っていただく必要があるのではないか。

【委員】
 核融合フォーラムの役割として、ITER(イーター)計画、BA計画に対するオールジャパンからの意見を出せる場とすることが非常に重要である。核融合フォーラムをどのように運用するかという点について、作業部会で議論する必要があるのではないか。

【主査】
 ITER(イーター)関連のことをまとめていただいて、問題提起していただくこととする。この核融合フォーラムの一番重要な役割はPR、広報活動であると考えている。地元とフォーラムとの関係は何らかの検討をしていただくべきである。

【香山委員】
 最近、青森県や茨城県から、特に県庁の方や地元の自治体からの核融合フォーラムへの参加が増えており、あらゆる議論に参加しようという姿勢が見える。

【事務局】
 あくまでもテストケースとして、青森の核融合エネルギー研究センターと、大学・大学共同利用機関との連携をどのように進めていくかという点に論点を絞って、既存の核融合フォーラムの枠を越えて議論を実施してみることとしたい。その結果について、次回の作業部会において、検証していただく。

6.今後の日程等

 事務局より、次回については委員の日程を調整の上、改めて連絡することとされた。

─了─

お問合せ先

研究開発局原子力計画課核融合開発室

(研究開発局原子力計画課核融合開発室)