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原子力分野の研究開発に関する委員会 核融合研究作業部会(第15回) 議事録

1.日時

平成20年11月13日(木曜日) 9時30分~12時

2.場所

文部科学省 5階 第1会議室

3.議題

  1. 報告書「核融合研究の推進に必要な人材の育成・確保について」(平成20年7月)のフォローアップについて
  2. その他

4.出席者

委員

飯吉主査、石塚委員、小川委員、小森委員、香山委員、髙村委員、常松委員、
平山委員、松田委員、本島委員、吉田委員

文部科学省

千原研究開発戦略官、有林原子力国際協力官、吉田科学官

オブザーバー

岡野邦彦 電力中央研究所上席研究員

5.議事録

(1)報告書「核融合研究の推進に必要な人材の育成・確保について」(平成20年7月)のフォローアップについて、

(ア)小川委員より、資料1-2-1,1-2-2に基づいて、報告書「核融合研究の推進に必要な人材の育成・確保について」(平成20年7月)に対する核融合ネットワークからの意見・コメントについて説明があった。 

主な審議は以下のとおり

【飯吉主査】  小川先生にネットワークからのアンケート結果をまとめていただいていますが、これはある意味では報告書に対するコミュニティの意見という感じもありますし、また、特に新しい提案というよりも、制度設計、具体的方策をしっかり作って実施してくださいということですよね。

【小川委員】  はい。

【飯吉主査】  そうすると、具体的なことは、多分次回の原子力機構と核融合研が中心になってまとめなければいけない立場だと思いますので、次回今日出たアンケートをよくしんしゃくして、どういう具体策があるかということ、それから文科省の取り組みにも期待したいと思いますけれども、そういうことを前提にして、いずれにしても今ご説明があったところで、もう少しここはどういう意味だとかいろいろご意見、ご質問がございましたらお伺いしたいと思います。

【吉田科学官】  今回と次回の作業部会は、7月に出した報告書のフォローアップという形でお願いしています。コミュニティの意見をネットワークから吸い上げていただいたものをご報告いただいたので、それは非常に意味があることだと思うのですけれども、必ずしも具体的な提案がないということなので、議論の歯車が前に進まないという感覚を受けます。報告書をまとめるに当たっては、それぞれの分野、セクターの専門家の方にも参加いただいているので、そういった委員の方々の意見をまとめた報告書に対してコミュニティーから概ね賛同している意見が多いのはある意味で当然だろうと思います。

 報告書の中では一歩踏み込んで、具体的な施策を提言した。この委員会は専門家集団ですから、専門家が文部科学行政についてこういう考え方で進めてはどうかという提言をしているのがこの報告書の意味だと思います。そういう中で、幾つかのやるべきことの主体をきちんと名指しして、ここは国にやっていただきたい、ここはコミュニティがやるべきと示されました。

 コミュニティといういいかたは、アンビギュイティーのある表現ですが、いろいろな人が自発的に自分が名指されていると考えてほしい。コミュニティが主体性を持って具体的に何か活動するということが大事なのであって、何かしていただきたいという受身の反応では、歯車が前に進まない。

 具体的な施策を報告書に述べましたので、こういうことをやるべきだということが公の場で言われているということです。そういう報告書を積極的に利用していただいて、それらを実現すべく、自主性を持って進めていただきたいと考えているわけです。

 飯吉先生が先ほどまとめられたように、それをやるのは原子力機構と核融合研ですと、第一義的にそうなのですが、それだけではなく、コミュニティというのは形がまだ決まっていないのですけれども、自在に自分でグルーピングでも何でもして、そういう中でこういう活動をしようと立ち上がっていただきたい。現段階はフォローアップですけれども、それを例えばネットワーク等から、積極的にもう一歩前に進めるような議論をしていただきたいと思います。

【香山委員】  今の吉田先生の意見に全く同感でして、あとは結局、出された作業部会の報告書に対してコミュニティの意見という時に、非常に危険だと思うのは、こういう作業部会が書く時にコミュニティをあまり細分化した表現は当然避けるべきであるから、核融合コミュニティ表現で構わないんですけれども、現実に小川先生の方の核融合ネットワークなんかで議論する時には、実は核融合コミュニティというのは質的に非常に違うものの寄せ集めであるということをきちっと明確にした書き方をしないと、一言で言ってしまうといけないので、私は少なくとも少し違う切り口でまとめていただいた方がよかったのではないかなと思うところがあって、1つは、特にプラズマ物理のように非常に核融合の独特の領域をきちんとカバーしなければいけないような分野と、ある意味では当然国の制度によって非常に強力にサポート、ないしは保護を必要とする領域がありますよね。

 一方、積極的な体質改善をすればかなり自立できるようなコミュニティ、中間的な領域もあるわけだし、一方、かなり多くの工学領域のところでは、既に自立的な能力を持っていて、さらに国のいろいろな施策をやることによって体質改善でより強力な自立化が進むようなところもある。少なくとも今大ざっぱに3つに分けましたけれども、3つの領域で同じ表現はできないと思うのです。それぞれの領域で人材を育成・確保するというやり方は違ってくる。それを明確に言う必要があるのではないかという点が1つです。

 もう一つは、流動性のところで特に感じるのですが、流動性という時にこのコミュニティは必ずポストの確保と言うんです。本来、ポストを確保されるのは流動性とは言わないんです。流動性というのは基本的にチャレンジングで、どんどん別の領域に出ていくとか、能力があれば戻ってくるということで、ただ、それをあまり言い過ぎると、基礎的なプラズマ物理の領域というのはやはりそういう措置をしないといけないということもあるので、そういうところをなるべく明確に書いていただいて、甘えと見えないような表現を試みていただきたいと思います。

 本当に必要とするところのみきちんと、ここの領域こそポストを確保して流動性を必要とすると書いていただきたいと思ったというところです。

【小川委員】  ご指摘のように、これを見て総じて言いますならば、意見、希望が多いというのは、ある意味での甘え的な見方ととられても仕方ないと思いますので、その辺は自戒しなければいけないと思っております。

 コミュニティとしても自主的に案を出しながらアクティブに行動していき、また核融合研、原子力機構、そういうところに具体案をぶつけていくという積極性も、ご指摘のように今後必要なのではないかと思い、ぜひそういう形でネットワーク等の活動を活性化させていきたいと思っております。

【飯吉主査】  アンケート結果ですから、これを参考にしてこれから具体的な時に反映できるところは反映させていけばいいと思うのですけれども、例えばコミュニティといったときに、核融合ネットワークコミュニティのことではないですよね。もっと一般的な意味のコミュニティでしょう。

 私はなぜ原子力機構と核融合研の次回の報告が大事だと申し上げたのかというと、要するにこれはそういう意味ではただのご意見なのであって、例えば具体的な大学で核融合専攻のような大学院構想を考えていますと書いてあれば、それを応援しようという話に入るんですけれども、ただ作った方がいいで終わっていますから、要するに、我々が報告書でかなり具体的にいろいろ提案しているわけです。それを受けて、コミュニティからこんなのはおかしいとか否定的な意見が出ていれば合わないのですけれども、さっきお話があったようにかなりそれをサポートしていただいているわけですから、やはり報告書に沿って具体化していかなければいけないということが一番大事なところだと思います。

【小川委員】  そのとおりです。

【飯吉主査】  ただ、大学院に関しては、今各大学でいろいろな大学院に対する対応の仕方があって、大学は大学院重視になっていろいろな施策が出ていますよね。その中で、各大学がかなりいろいろ取り組んでいるケースがあるんだろうと思うのですけれども、そういうものをピックアップしていただくとかいうことは非常に大事で、それを施策で応援していこうという動きになる必要があると思います。各大学で、そういうのが多分あるのではないでのしょうか。先ほどの東京大学のは、連携大学院とか出ていましたよね。こういうのは他の大学にはないんですか。

【小川委員】  具体的にはまだ来ていないんですけれども、今先生がおっしゃったような観点で、ぜひ今度もし機会がありましたら、大学のチャンネルを通して各大学でどういうことを具体的に今やろうとしているのかリストアップして、それを例えばこの場でご披露してご支援いただければと。

【飯吉主査】  まとめる必要がありますよね。プラズマ関係、炉工学関係を含めて。それはぜひ進めていただくとありがたいです。

【小川委員】  わかりました。

【飯吉主査】  それからもう一つは、留学生の件なのですけれども、かなり大事だということはいろいろ書いてあるのですが、30万人計画のところではあまり具体的な提案が出ていないということ。30万人集めるというのは結構大変な話で、かなり国もお金を用意してやろうとしているわけです。だから、こういうところにうまく入り込んでいけば、核融合にもいろいろな大学に、外国から大学院生が国の別枠の予算で来る可能性が出てくると思うんです。

 その時に、ばらばらに出すのではなくて、核融合コミュニティがまとめて提案するとか。留学生の問題にしてもまとめていただいて、国策とうまく合うところは応援して具体化していく。それは文科省の方でまとめていただくという感じになってくるのだと思うのですけれども。

【香山委員】  今のに関連してなのですが、昨日、核融合エネルギーフォーラムの調整委員会がございまして、そこでこの件に関する議論もかなり時間をかけてやったのですが、もちろん基本的なトーンとしては今小川先生がおっしゃったのと一緒ですけれども、留学生の問題に関しては、せっかく優秀な留学生を教育してもほとんど母国に戻ってしまう、あるいは別の業務で日本で勤め始める。本来頑張ってもらいたい領域に人材を吸収する場所がないのは、非常に深刻であって、それを何とか改善してほしいとぜひ伝えていただきたいということを言われたんですが、それは多分この中にも入っていると思いますけれども、それが1つ大きな問題です。

 それから、特に核融合は、エネルギーという領域と基礎物理みたいな支える部分の人材が非常に重要なのだけれども、そこの人たちのポストが足りないので、本当につらいということを一生懸命言っておられたので、その辺が大きな問題だと思いました。

【吉田委員】  先ほどの大学院の専攻の問題なのですが、核融合にかなり特化した専攻というと、おそらく我々のところが今唯一だと思います。総合理工学府の先端エネルギー理工学専攻というところで。

【飯吉主査】  もうできているんですか。

【吉田委員】  はい。実は、その母体は20年近く前からございます。ただ、最近随分大きな流れが来ておりまして、全体の専攻を再編成して数を減らすという、特化というより、もっと大括りな形にして大学院教育を充実しましょうという流れになってきています。そうすると、核融合に特化した専攻を維持するのは、大学の中ではなかなか難しい状況になってきているような感じがします。

 その1つは、原子力が復活して、原子力は原子力でまとまったものを確保したいという動きもあって、もっと言えば、卒業生の出ていく先がほとんど核融合ではないんです。研究は核融合をやっているけれども、教育もやっていますが、卒業生が核融合に出ていけないということもあって、なかなか存在意義を主張できないというのがございます。

 そういう意味ではやはり、今の段階ではなかなか核融合に特化した大学院をそれぞれの大学で主張されるというのは大変なことだと思いますので、東大がやっておられるコースみたいなものを大学の中にうまく集めて、工学部、理学部等の協力のもとにやっていく方がより教育効果も上がるし、将来を見据えた形になるのではないかなというのが我々の経験からの印象です。

【石塚委員】  1ついいですか。この報告書を作るに当たって、今後の施策のところで、我々が作業した時になるべく曖昧にならないようにということで、例えば策定する、高める、示すという形で具体的に表現をしたと思います。それで、小川先生の資料で言うと1-2-2の1ページの人材の流動化のところで、報告書がリファーされているわけですけれども、例えば人材の流動化のところでは、「プラズマ理工学や核融合と基盤を共有する工学を横断する研究組織の創設を期待する」と書いてあるわけです。

 それで、アンケートの3ページを見ると、創設を期待しているのか、創設は要らないのか、あるいは今のままでやればできるとおっしゃっているのか、創設が必要だからワーキンググループを作ったほうがいいと言っているのかがよくわからないと思います。研究組織を創設したほうがいいという意見はあったんでしょうか。

【小川委員】  「創設を期待する」に対して直接的なコメントは、これにはありませんでした。私自身の意見ですが、それに関しては、先ほど吉田先生のほうから言われましたように、九州大学の中では核融合での特化がなかなか厳しいと思いましたが、別の見方をすると、九州大学なんかでは水素エネルギーも含めてエネルギー全体の中で大きな構想で動いているので、そういう意味で、その分野に合ったところで新しい研究組織として動いている方向が1つなのかなと思います。エネルギー全体の中の一つとして核融合を位置づけるという形で、やはり横断的な視点が必要だろうと。

【飯吉主査】  要するに、特化する必要はないですよね。特化するのは、今は無理だと思います。それで、核融合もある意味では炉工学とか非常に広い領域に広がってきていますから、むしろ特化しないで広く原子力、加速器、ビッグプロジェクトなんかも全部入ると思うんですけれども、そういう視点もあって、九州大学も特化しないで少し広く新しい再編をしていこうということですよね。ですから、そういう中できちんと核融合の部分が入っていれば十分で、むしろその方がいいと思います。

【小川委員】  そうですね。

【飯吉主査】  卒業生も、核融合のことしか知らないというのは、これからはあまり使い物にならないと思います。だから、いろいろなことを知って出ていくということがエンジニアとしては一番強いのではないでしょうか。だから、九州大学の再編の時に、皆さんで応援できるところは応援していくという進め方がいいと思います。東京大学のはどうなんですか。やはり割合広い連携の大学院なんですか。

【小川委員】  東京大学は、大学院での専攻を横断した教育プログラムという形で、その中で、先ほど出てきた現場サイドでいろいろなことを経験して、研究室というレベルから専攻を横断した形でより広くという形で組んでおります。

【石塚委員】  つまり、広い基盤を共有する、工学を横断するような研究組織というものの創設を期待すると書いてあるけれども、既にそういうものについては九州大学とか東大で芽が出てきているので、そこを支援していけばいいのではないかというか、それが1つの方向性ではないかということなのでしょうか。

【小川委員】  はい。

【飯吉主査】  ほかの大学でそういう動きがあれば、そういうのをよく察知していただいて、ピックアップしていただいて、それを応援していく。

【香山委員】  京大のことで少し言わせていただくと、京大の場合どちらかに振れやすいのですが、エネルギー科学という研究科をつくって約10年経ち、その間の議論で幅広い横断的なエネルギー領域と、非常に特化した領域をある程度分けてやってきたのですけれども、最近はむしろ、エネルギー全体で横断的にやってきたものの、逆にある程度特化した方がいいのではないかという議論もあります。横断的なのですけれども、エネルギー全部といくと実はあまりにも広過ぎて、あまり具体性がなくなってしまう。そうすると、例えば量子エネルギー、原子力、核融合ぐらいの領域に限定して、その中での横断的な技術だとか横断的な工学をきちんとやるという。それが、エネルギー全般ではなくて横断的な領域です。

【飯吉主査】  それは京都大学の考え方ですか。

【香山委員】  はい。それから、その中でもスペシフィックなプラズマ物理、核融合に特化した領域もきちんと作りましょうと。両方どうやって生かすかという議論を今一生懸命やっている最中です。

【飯吉主査】  なるほど。大学ですから、何もワンパターンにする必要はないので、いろいろな考え方があっていいと思うのですけれども、いずれにしても核融合の領域が入っていないと困りますよね。だから、そういうものをきちんと大事にしていくということは非常に大事だと思います。

【香山委員】  東大はうまくやっていますけどね。

【飯吉主査】  ですから、石塚さんのご質問は、大学院としてはかなり進んでいるとお考えいただいてよろしいと思います。

【石塚委員】  わかりました。

【本島委員】  よろしいですか。関連のことなのですけれども、施策を具体化するためにはもちろん予算も必要ですし、あとは実現の仕組みが要るわけです。そこでいろいろな課題とか悩みが出てきているわけなのですが、大学も私どもの機関も、法人化されて非常にクリアなことは中期計画に書き込めるかどうかです。だからそれは大学の構成員の責任で、ここで出た方向性を先取りするなり使うなりしてやっていただかないと、世の中は動かない面が非常にはっきりしております。

 あとは、大学共同利用機関である核融合科学研究所でやるべきこと、できることは、大学共同利用機関の仕組みを活用していただければ、動く部分がかなりあるわけです。そういう点が具体策のポイントになるのではないかと。

 先ほど飯吉先生からも連携大学院というご指摘があったわけですが、今私どもの場合を例に申しますと、前身の一つであるプラズマ研との関係で名古屋大学との関係は連携大学院で非常に深いものがございますし、協定を結んでやっているわけです。あと、筑波大、北大、富山大、大阪大で学長または研究科長と私がサインした協定書で動いておるわけです。こういうことは、中期計画の報告書にももちろん書き込めることですし、第2期にも書きこんでいく。

 今、東北大学はITERのブローダーアプローチで大変貢献されつつあるのですが、協定書についても例として申し上げておりますが、人材教育ということにとどまらず、大学院教育を1項目入れるということも実際に交渉をしています。これは核融合研のアクティビティーですが、大学によってもいろいろされておることは間違いないと思います。

 また、予算をほかから持ってくるか、組み替えるか、新たに用意するかといったこと等は、仕組みができれば国でいろいろ考えてもらえることが出てくるはずだと思いますが、考え方としてはおそらく原子力機構も同じですね。

【飯吉主査】  その辺のところは、次回の時にリストアップしてこういうことがというのは出していただきたいと思います。

【本島委員】  そうですね。

【飯吉主査】  ですから、今日のところは、そういうものとあまり関係のない大学をどう助成していくかという視点に絞らせていただければと。思います。

【吉田委員】  大学の学部生を含めて、特に院生の教育で、研究室の中にとどまった教育を受けるということより、どんどん外に出ていっていろいろな人と接触することによって勉強していくということが、学生にとっても非常にモチベーションが上がるし、幅も広がってくると実感しています。

 具体的に言いますと、例えば核融合研、あるいは東北大学での共同利用で出かけていって、そういうところで実際にそちらの先生に具体的に指導を受けながら研究してくるわけですけれども、そういうものがもう少しシステム化すれば、それぞれの組織にとってもメリットだし、教育の幅を広げるという点でもメリットではないかなと思います。

 今週月曜日に核融合研の双方向型共同研究委員会がございまして、そこでは、例えば双方向を通して学生をきちっと教育してはどうか、これはやはり幅広い教育の1つのうまい工夫になるのではないかという議論も出ておりました。皆さんもそういう実感を持たれているのではないかなという気がします。これは、研究組織、教育組織、システムというところまで行くかどうかはわかりませんけれども、工夫できる、あるいは比較的容易に実施できるものではないかなという気がしております。

【本島委員】  2つ、3つの大学で、核融合に関連した専攻科をできるだけ早く作っていただくといいですね。そうすると、いろいろ流れが出てきますし。

 あとは、そこで勉強した学生が他の分野に行くのは大変結構なことだと思うのです。まさに生物の進化の中立論を体現しているようなものですから、どんどんほかへ行くということがむしろ重要なのではないかと思います。私どもは、大体の数字ですけれども、年間5人ぐらいは新しい助教を採用していますし、5人弱の方が大学のほうへポストが上がって出ていきます。だから、結構流動性はあるように思うのですけれども。それが1けた上がればいいという議論の流れに。

【飯吉主査】  核融合という名前がついた大学院は、今核融合科学研究所の総合研究大学院大学しかないでしょう。ですから、それだけでいいのかという今のご提案ですけれども、ただ、一方では核融合科学研究所の総合研究大学院大学のほうに核融合専攻というのがある。そうすると、なかなか作りにくいという面も。

【本島委員】  いや、学生の定員は2人ですから、全然気にしなくていいと思います。

【飯吉主査】  2人ですか。これもまた次回の核融合科学研究所の説明でしょうけれども、むしろ核融合科学研究所が働きかけるということも場合によっては必要ではないかなと思いますが、大学では今なかなか難しいでしょう。

【吉田委員】  九州大学で専攻を作る時に、核融合の名前はあまりつけないようにとかいう議論もあったりしています。今は時代が違いますけどね。時代的にはそういう難しい時期も実はございました。

【本島委員】  名前にはこだわりませんが。

【飯吉主査】  あとは何かございますか。

【小川委員】  最後によろしいですか。本日は、いろいろネットワークに対しての貴重な意見をいただきましたので、具体的なものとして各大学がどういうアクティビティをやっているのか、それからやろうとしているのかというのを、ネットワークで集まって議論してお互いに情報交換して、またぜひこういう機会に提案させていただきます。

【飯吉主査】  そうですね。要するに、大学の先生で核融合をやっている先生はまだいっぱいいらっしゃるわけでしょう。そういう先生方は、自分たちの大学で何を教えているのか、どういうアクティビティをしているのかというのは、今学科がなくなってきて、その中でどうしているんですか。講義をしているだけなんですかね。それとも全然違う講義をやっているんでしょうかね。その辺のところも、私は離れていてよくわかりませんけれども、少しリサーチしていただいたらどうでしょうか。

【小川委員】  わかりました。

【飯吉主査】  どうもありがとうございました。

(イ)岡野先生より、資料2-2-1,2-2-2に基づき、長期的視点に立った技術戦略と施策について説明があった。

【常松委員】  質問なのですが、12ページに原型炉以降決定時直前の人間というのがあって、今より増やさなければならないというのはよろしいんですが、それと13ページの実施体制の実施機関、R&D期間との兼ね合いなのですが、これは同じ時期と考えていいでしょうか。

【岡野先生】  2023年までに確保すべきポストですから、原型炉設計段階に移行できるという判断ができる研究をするための人材です。

【常松委員】  となると、その後に13ページが来ると。

【岡野先生】  そうです。

【常松委員】  ですが、上を見ますと、いずれ下のほうにかなり移行して強化されてくるのだと考えますと、上の炉工学開発系というのがR&Dの前身だと思うんです。

【岡野先生】  そうだと思います。

【常松委員】  これが4割で、プラズマと理論が3割というと、ここで7割なっていて、その下のITER機構への派遣が13%で、残りが17%ですから六、七十名で、次の実施機関に移っていくと見るんですか。少し少ないような気がするのですけれども。

【岡野先生】  実施機関は、400名とかのオーダーでできる話ではないと思います。ですから、主に原子力機構の人たちが移っただけで済む話ではなくて、産業界から相当な人が来るか、経験がある方を新たに雇い入れて、数千人規模だと思います。

【常松委員】  12から13に移るのに、ここのところで、上のR&Dやプラズマを切り離してしまいますと、次の設計のコアなのは100人未満ぐらいですよね。ここから数千人に移るというのは、ロードマップの表紙で見ますとどのぐらいのタイミングですか。数年じゃ無理ですよね。いきなり立ち上がりますかね。

【岡野先生】  数年では無理だと思います。

【常松委員】  数年というのは、一、二年で立ち上がる。産業界がそうなればというのですけれども、バックグラウンドによると思います。

【岡野先生】  今おっしゃったことで、1つ私が思っているのと違うと思ったのは、12ページのここで研究していた方々が建設段階の設計をするのではないです。

【常松委員】  そうですか。

【岡野先生】  設計は完全にメーカーがやります。

【常松委員】  そうすると、12から13への人材の移りが何年規模で、入れかわるにしても、どういった形で13をビルドアップしていくかということなるのだと思うのですけれども。

【岡野先生】  製造設計段階で立ち上がっていくのですから、シナリオで言うと5年ぐらいあるということだと思います。

【常松委員】  逆に申し上げると、12ページの真ん中の原型炉前の人というのは、何のために必要なんでしょうか。

【岡野先生】  それは、2023年の時点でですか。

【常松委員】  はい。

【岡野先生】  2023年の時点では、R&D機関と実施機関のコアの一部となるために必要な人材数を意味しています。

【常松委員】  それが今度は規模が違うし質も違うとおっしゃると、逆にこの人たちがやった仕事はどう13ページの方に引き継がれていくのでしょうか。

【岡野先生】  メーカーは実際に製造設計をするわけです。そこまでの概念設計は400名の方々がやっているわけですから、そこの受け継ぎは必要だと思います。

【常松委員】  400名といったって、設計するのはわずか17%ですよね。その他の人たちは設計するわけではないですよね。

【岡野先生】  17%とおっしゃっているのは。

【常松委員】  炉工学開発系とかプラズマとかシミュレーションの人たちは設計するわけではないですから。

【小川委員】  図面を設計しているわけではないと思うのですが。

【常松委員】  いや、今までもそこが非常に大きなあれで、ITERの設計でも別にうちに100人からのプラズマ研究者がいましたが、ほとんど貢献していませんから。この人たちはデータベースでしか貢献できないんです。幾ら概念設計でもコアでも、設計はやっぱり設計ができる人を持ってこないと。だから、ここから外注するということならいいんです。今日どうこうというのではないのですけれども、何となく12から13にすぐつながらない。

【飯吉主査】  実施機関というのは、もし本当にここまでということになると、日本のやり方だと核融合事業団をつくって、国が音頭をとってやるわけですよね。

【岡野先生】  そういうイメージです。

【飯吉主査】  だから、そこのあたりの作り方の問題とかいろいろありますよね。

【岡野先生】  炉システム設計系が少ないのではないかという意味ですね。わかりました。

【常松委員】  何をやるかの定義の問題です。

【飯吉主査】  岡野さんが言っている数字というのは最小限ですよね。他にどなたか。

【髙村委員】  ロードマップで岡野先生はじめ非常に努力されていて、感謝申し上げますけれども、1つ、ロードマップを作られている成果の位置付けといいますか、核融合エネルギーフォーラムでいろいろ検討されていて、それを作業部会に出されたと。

 それで、文科省としてこれをどうオーソライズするというか、その辺をお聞きできればと思うのですけれども、例えばこの10年間でいろいろなことをスタートしなければいけないとここで言っていて、それを何らかの形でロードマップの一部をオーソライズする、あるいはそれは置いておいて個別に走らせていくとかいろいろなやり方があると思うのですけれども、もし何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

【千原研究開発戦略官】  今のご指摘について、私の前の松尾戦略官の時代に核融合エネルギーフォーラムに対して、一つのケーススタディとしてロードマップ作成をお願いして、こういう形で作っていただいたものだと認識しております。一方で、この作業部会で作っていただいた人材の報告書では、長期ロードマップを国、コミュニティの皆様と一緒に作らないといけないという宿題として与えられているわけで、国としてはこれを受けとめて実際にどうしていくのか。

 今、この1つのケーススタディでは、こういう形ですぐにでも始めないといけないというご指摘はいただいていますけれども、これはトカマク型を中心としてやったものですし、これをそのままオーソライズすればいいのかどうかもわかりませんし、まさにITER機構が去年できて、そちらの実験炉がスタートした状況で、原型炉ということについていつからスタートすべきか、どういう枠組みで議論すべきかといったところを考えている状況で、そこら辺についてもいずれ先生方にいろいろご指導いただきながら、本当に核融合界全体が一緒になって考えないといけないのかなと思っております。

【飯吉主査】  ITERがとにかくスタートしましたよね。ですから、第3段階から第4段階という議論がそろそろ始まらないと。まず一番は原子力委員会です。そこでまだ第3段階のまま止まっているわけでしょう。ただ、それは今までITERが実現しなかった段階でやむを得なかったと思うのですけれども、今度はこれで動いていますから。

 それを受けて、私も質問が1つあるんですけれども、原型炉を我が国だけでやるのか、国際共同でやるのか、今のITERの延長線上でやるのか、その辺のところも大きな問題だと思うし、とにかく議論をどこかでそろそろ始めていただく必要があるのではないでしょうか。そこは戦略官に頭に入れておいていただいて、長期計画のところは今度はいつ見直しをするのか知りませんけれども、その時にはそういうところをぜひ入れていただくようにしていただかないといけないのではないでしょうか。

【千原研究開発戦略官】  ご指摘ありがとうございます。まさにこのロードマップを出していただいていて、良い弾みになると思っております。

【飯吉主査】  私は今日聞いていて、2050年に間に合わなければ大変だというのは、計画をもっと真剣に考えていかなければいけないという1つの警告になっていると思います。ただ、岡野先生にご質問したいのですけれども、炉心が変わる場合はどうなるのですか。どこで変わるんですか。これを見ると、例えばJT-60SAというのがこれから始まりますよね。そうすると、かなりアドバンスなトカマクになっているはずで、その結果を見て炉心をかなり大きく変えるという時は、このとおりで大体2022年ぐらいに結果が出ればいいんですか。ほかにもヘリカルもあると思うのですけど。

【岡野先生】  プラズマ形状決定というのが2022年です。10ページです。運転限界点の暫定選択というのが2022年となっています。ですから、プラズマに関しては、何しろ2014年とか工学設計段階前半ではJT-60SAさえ動いていないし、ITERも動いていないわけですから、データがないところでやらないといけないので、現在の時点のデータからおそらく可能であろうと思われる範囲で設計は進めておいて、そんなに違うことはないと思うのですが、2022年で最終的な決定をするというシナリオにしないと間に合わない。つまり、2022年まで何もしないで待っているというわけにはいかないと思うのです。

 ヘリカルの場合でしたら、ケーススタディはトカマクでやったので、私はこのまま適用できるかどうかはちょっと自信がありません。

【本島委員】  今の件にも関係しますけれども、非常にクリアなことだと思います。人類の歴史で実験炉を作るのはたった一回でそれがITERなわけですから、ITERの結果をいろいろ活用していく必要がある。しかしその後、先ほども出ておりましたけれども、発電の核融合炉は1000台ぐらい作る必要があるわけで、それも100年で作るかという話です。ですから、作るタイプとしてもいろいろな可能性があるべきだし、直近の議論は、最初の実証炉をどうするかという議論と受け取っていいと思うんです。むしろ、1000台作るのにたった1方式というのはあり得ないはずだと思います。

 それで、次の点で少し気になるといいますか、この報告書の取り扱いです。やはりトカマク型をターゲットにしての報告書ですから、いろいろな検討の結果のアウトプットが出てきて、有用であり参考になるわけですが、私が思いますのは、原子力機構はトカマクの研究で非常に重要な役割と責任を持っているわけです。ITERもまさしくそうですが、もし原子力機構との考え方との違いというかそごと申しますか、残っているとすると、提案書として機能しないと思うんです。だから、そこを調整するプロセスがどうしても必要になるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

【松田委員】  全体的なロードマップの表紙に関して言うと、私たちが従前から考えていたのと特別なそごはなくて、むしろリファインされていると認識しています。先ほど岡野先生は2022年、3年ごろがプラズマの形状決定のタイミングだというので、その時期にJT-60SAは動いて実験結果を出している段階です。

【吉田委員】  ただし、プラス3年ですから。

【本島委員】  この取り扱いの基本戦略について意見を言っていただいたほうがいいと思うんですけれども。この内容についてどうしていくかということも含めてです。

【松田委員】  大きな計画というのは、原子力委員会での計画に反映させないといけないと思います。原子力委員会というのは、今現在第3段階をレビューしながら進んでいるわけです。第4段階に入るのは、本格的なR&Dの着手という段階を今までは想定していたんです。

 そこをシフトするという議論はあるのだけれども、もし同じような考えでいくのなら、当面の活動は、この中身にも書いてありますけれども幾つかのR&Dは始めないといけないのですが、まだ製造設計の段階ではないんです。でも、その活動は始めないといけない。だから、第3段階の中で始めないといけない研究活動というのは、第3段階の計画にもきちんと書いてあって、その具体化という位置付けができるのではないかと思います。

 ただ、今まで第3段階はITERだけだという認識があまりにも強くて、そうではなくて第3段階で何をターゲットにするかというのは、原型炉をターゲットにしてやる総合的な開発だと再確認して、必要な研究開発を、今のフェーズで言うと原型炉の準備段階だけれども、きちんと始めるという旗印が必要なのではないかと思います。

【常松委員】  ただし、もう少し定量的に見させていただきますと、先ほどからこだわっております2023年のターゲットは、これはこれとするんですが、15年先です。ということは、中期計画の3つ目の大体終わりぐらいということになりますと、当方もやはり本島先生のところと同じように、中期計画に基づいて事業を展開する。次の中期計画は、当然素案は当方ではほぼ書かれていますし、それに至ってはもう一つ先ぐらいを見て当然書いているわけです。そうすると、3つ目までは必ずしも読み切っていないところがある。

 一方で、13ページの実施機関と大々的に原型炉を建設するというほうからのロールバックのところとのつなぎが、ちょうど3つ目ぐらいの中期計画に入るとなると、そこが合っているかどうかというのは当方もまだ絵が描けていませんし、原型炉も国際協力なのかどうやるかというのが描かれていないから、そこのところが合っているかどうかと言われると、多分今後の議論になるんでしょうね。

 3つ目の10年目から15年目ぐらいまでの間のところがどう詰まっていくかが、多分原型炉にジャンプするところのキーに将来はなるのだろうと思いますが、今のところは、10年先ぐらいまで拝見していますと、岡野先生のロードマップも、当方の今までのITER・BAと国内計画という形の延長と内容は変わらないと思います。予算の額なんかは当然そごがあると思います。

【小川委員】  先ほど飯吉先生がおっしゃったことに関連して、2点言いたい事があります。まず国際か国内プロジェクトかという点も、このロードマップの検討に際して、議論になりました。このロードマップでは、基本的には国内で着々と進めることを前提としておりました。もしかしたら国際プロジェクトになるかもしれないけれども、国内プロジェクトでやるためには最低限どうしていかないといけないか。例えばトリチウムをどうするのかとか、その辺も含めて国内で全部できなければいけないような、国内で閉じた形のプログラムとして組んであります。日本できちんとやっておかなければいけないものと、国際協力でできるものとそれ以外、G、I、Fという項目分けも一応しました。

 それからもう一点が、先ほどの原子力委員会との関連で、先ほど戦略官も言いましたけれども、ぜひとも原子力委員会のほうで第4段階を見据えた議論をしていかなければいけないと思います。そういう意味でのインプットとして、これを一応この夏の原子力委員会でも岡野さんに報告していただきましたけれども、今後も積極的に原子力委員会の方でも第4段階に向けて議論していかなければと思っております。

 個人的に思いますのは、第4段階に入るというのはここで言う工学設計にあたるのではないか。ちょうどITERのEDAがスタートした段階で第3段階がスタートしたわけです。そういう意味で、先ほどのアンケートにありましたけれども、やはり国が原型炉へのコミットをなるべく早く宣言していただくことが、核融合界、それから産業界にとって重要であると思っております。

【飯吉主査】  非常に大事な問題に議論が行きましたけれども、この委員会は、人材も随分時間がかかるんだけれども、当面どういう人材育成を図るかという。振り出しに戻らせていただいて、今日はこのあたりにして、次に、核融合研と原子力機構が今日いろいろ出た問題を少し具体的に解決する案を出していただけるものと私は期待しております。

【香山委員】  1つだけよろしいでしょうか。次回お願いしたいことなのですが、13ページの「研究開発および建設体制」という将来の図なんですが、できれば産業界の発表の中ででも、現状のITERの時だとかBAにおける構造みたいなのをご説明いただくと、少し理解しやすいかなという気もするのでお願いできればと思います。概念でもいいんですけれども、要するに、だんだん大規模に移っていく時に技術がどうなっていくかというあたりを。

【飯吉主査】  それはどなたに。石塚さんですか。

【石塚委員】  近藤氏が今度やりますので。

【飯吉主査】  近藤さんが出ますよね。そういう話が関係しているんですね。

【石塚委員】  そうです。わかりました。

2.その他

事務局より、資料2-1、2-2に基づき、核融合研究開発に関する平成21年度概算要求及び、第3回ITER理事会の開催について説明があった。

【飯吉主査】  予算のところで質問させていただきたいんですけれども、今問題になっている人材養成に関連する予算は、この中のどこに入っているんですか。

【千原研究開発戦略官】  原子力機構のところでございますけれども、金額は非常にわずかではございますが、例えば若手人材育成といった人材報告書でご指摘いただいたうちで、特に原子力機構の中でやっていただけそうなことについては予算要求しております。

7.今後の日程等

 事務局より、次回の開催日については1月8日を予定していることの連絡があった。

―― 了 ――

 

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電話番号:03-6734-4163
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(研究開発局研究開発戦略官付)

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