「安心」についての意見

  •  「安心」という言葉には、「人を大切にしている」というメッセージが込められており、委員会として、「安心」を大切に考えているというメッセージを出すことは重要である。
  •  安全・安心の科学技術についての考え方を総論で示せば、委員会の存在価値が高まる。実装しないと意味がない、ユーザー視点でないと意味がない、安心レベルを高めたら発信することが重要、コミュニケーションが重要、技術だけではなく、人と組み合わせるシステムが重要などの視点を盛り込んではどうか。
  •  「安心」というのは、安全だけでは足りない。日本は地震などがあり非常に危険な場所で、そこで折り合って生きなくてはいけない。ある程度危険がある中で、国がやることはやるが、あとは自分がどのように生きていきたいかといことも含めて、総合的に判断しないといけない。情報の中で、どれだけのリスクをとって自分は生きていくのかという個人の判断の指針になるような情報発信の可能性を提示することが委員会の役目ではないか。
  •  たとえば、修学旅行にかわる避難訓練キャンプなど、新しい「安心文化」をつくることはできないか。
  •  「安心文化」をこの委員会から提唱していければいい。日本人は、0か1かをはっきりしてくれという不確実性回避傾向が強い。また、人為的リスクを受け入れがたく、特に、科学技術に対しては、0か1を求める傾向にある。これに対する対処としては、情報をわかりやすく、適切な量で、タイミング良く、子どものころから発達段階に応じて出していくことが必要であり、このことを本気でやらないと、0リスクを求めて、コストばかりかかり、いつまでも不安が解消されない。
  •  情報を受けるほうの情報リテラシーの教育を、子どものころから組み込み、こちらが伝えたいことをそのまま理解してもらえる基盤を構築していくことが必要である。
  •  安心してもらえるには、どこまでやればいいかという話は永遠の課題。企業の場合は、コストの問題もあり、ステークホルダーに納得してもらえるものがいいレベルであるという議論がある。話し合い、相互作用するというプロセスが重要であり、防災の安全対策についても、住民に情報を発信するだけではなく、コミュニケーションをして、納得してもらう、当事者意識を持ってもらうことが重要である。防災訓練も住民が入って作っていけば、気付き、改善があって、当事者意識を醸成できる。
  •  安心を得るには、わかりやすさが重要。安心のためには、中身の裏付けと見える化が必要である。
  •  安心のためには、人間とのかかわりが重要。手段として情報が重要である。
  •  安心のための科学技術というとわかりにくい。両者間に「生活」を考えて、「安心」を支える「生活」のための「科学技術」というように3層に分けて考えるとわかりやすくなる。
  •  完全な広域情報システムの構築は不可能ではないかと思う。情報の集約システムがどの程度の完成度があれば人は安心を覚えるかという観点で検討すべきである。
  •  安全・安心科学技術意委員会での安心に関する提言は重要であり、安心を科学技術ベースにして実現することが必要である。

 

お問合せ先

科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官付(調整・システム改革担当)

沼田、小林、西川、織茂
電話番号:03-6734-4049
ファクシミリ番号:03-6734-4176
メールアドレス:an-an-st@mext.go.jp

(科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官付(調整・システム改革担当))