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第10期ナノテクノロジー・材料科学技術委員会(第1回)議事録

1.日時

平成31年5月10日(金曜日)9時~12時

2.場所

文部科学省 東館3階 3F2特別会議室

3.議題

  1. ナノテクノロジー・材料科学技術委員会の議事運営等について【非公開】
  2. 第10期ナノテクノロジー・材料科学技術委員会における当面の審議事項について
  3. ナノテクノロジー・材料分野の研究開発評価について
  4. 第6期科学技術基本計画に向けた検討について
  5. その他

4.議事録

【三島主査】 それではまず初めに、私から一言御挨拶を申し上げたいと思います。

いよいよ第10期のナノテクノロジー・材料科学技術委員会の第1回目ということでございます。第5期の基本計画にSociety5.0ということで始まって、もう既に3年が過ぎて、今を入れてあと2年ということでございます。そして、それに対する取組をナノテク・材料の方としてどういう展開をしていくかという戦略を去年の夏に立てたわけでございます。これらに向けてそれを滞りなく遂行していくということに加えて、もう3年たったということは次を考えないといけないということで、第6期の科学技術基本計画のことについて、我々としてはどういう提案をしていくかということも、今期の非常に重要なことでございますので、新しい委員にも入っていただきまして、皆さんで力を合わせて、いい内容のある仕事をしていければというふうに思いますので、何とぞどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、補佐から委員の御紹介をしていただければと思います。

【高橋補佐】 ありがとうございます。御出席いただいている各委員の皆様、五十嵐主査代理から順番に、簡単に自己紹介を兼ねて御挨拶をお願いできればと考えてございます。また、資料1-1に委員名簿、また、お手元に座席表を用意してございます。座席表で申しますと反時計回りになりますが、よろしくお願いできればと思います。

【五十嵐主査代理】 日鉄ケミカル&マテリアル、五十嵐でございます。先ほど主査代理の指名に御指名いただきました。日本の科学技術の進歩、発展、特に国際競争力の低下というのが叫ばれておりますので、その向上に、この委員会を通して是非貢献したいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【上杉委員】 京都大学の上杉です。専門はケミカルバイオロジーです。よろしくお願いいたします。

【加藤委員】 東京大学工学系の加藤です。前期から引き続きやらせていただきます。専門は分子技術ということで、よろしくお願いします。

【菅野委員】 東工大の菅野です。専門は無機化学、電気化学です。前回から引き続き、よろしくお願いいたします。

【瀬戸山委員】 三菱ケミカルの瀬戸山です。前回から引き続きやることになりました。よろしくお願いします。主に環境エネルギーのことで、産学連携で大きなプログラムを作るようなことが大好きで、いろんなことをやらせてもらっています。よろしくお願いします。

【滝田委員】 読売新聞の滝田です。科学部をずっと長くやっておりました。今は編集局次長をしております。今期からですので、よろしくお願いいたします。

【武田委員】 日立製作所の武田でございます。専門は生化学・分子生物学で、現在、再生医療や合成バイオロジーの研究の方に従事しております。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

【中山委員】 JST研究開発戦略センターの中山と申します。一生懸命やらせていただきますので、よろしくお願いします。

【長谷川委員】 青山学院大学理工学部の長谷川でございます。専門は分子を光らせる材料を作っております。主に希土類も得意としております。いろいろ勉強させていただきたいと思います。今期からになりますので、よろしくお願い申し上げます。

【宝野委員】 物質・材料研究機構で研究担当理事をやっております宝野でございます。よろしくお願いします。

【馬場委員】 名古屋大学の馬場でございます。専門はナノとバイオの融合領域ということで、様々な融合領域の分野で研究を進めておりますが、この4月からは、名古屋大学はそのままなんですが、QSTの量子生命科学領域という新たな融合領域で研究開発を進めております。いろんな方に、量子生命科学って何ですかって言われて、いつもなかなか答えに窮するという立場でございますが、今後も、本委員会でもそういう融合領域の立場から、今後の科学技術政策に貢献させていただければと存じます。よろしくお願いいたします。

【前田委員】 前田裕子です。現在の職業はセルバンクという再生医療の会社の方におりますが、もともとはブリヂストンでリチウム電池の研究者をやっておりました。その他、JAMSTECの監事、中外製薬の監査役等いろいろやっておりますが、産学連携の観点等からコメントできればと思っております。よろしくお願いします。

【湯浅委員】 産業技術総合研究所の湯浅です。前期から引き続きまして、委員を務めさせていただきます。専門は磁気工学、スピントロニクスでして、経産省系の研究所の立場からコメントさせていただきたいと思います。

【萬委員】 理化学研究所の萬です。委員自体は引き続きやらせていただきますが、4月から、NECから理化学研究所に移りまして活動を続けていくことになりました。ナノ、量子技術を中心に活動させていただきますので、少しでも貢献できればと思っております。よろしくお願いいたします。

【高橋補佐】 ありがとうございました。本日ですけれども、射場委員、栗原委員、高梨委員、納富委員、吉江委員は御欠席でございます。また、本日ですけれども、磯谷研究振興局長が御出席ですので、挨拶をお願いいたします。

【磯谷局長】 研究振興局長の磯谷でございます。委員の皆様方におかれましては、御多忙の中、この委員会の委員をお引き受けいただきまして、また、本日御出席いただきまして、まことにありがとうございます。既に三島主査からの御案内がございましたけれども、このナノテクノロジー・材料科学技術の分野におきましては、特に第5期の科学技術基本計画では、先ほどの御紹介のSociety5.0の中における、特に基盤技術として重要性がうたわれるところでございます。既に文部科学省では、科研費、あるいはJSTの戦略的創造研究事業、産学連携プロジェクトの取組を踏まえまして、9期までのこの委員会の御議論に基づいて、元素戦略のプロジェクトの推進ですとか、あるいはナノテクプラットフォーム事業を通じて研究基盤を確立するということや、さらに、今年度からマテリアルを社会実装につなげるプロセスサイエンスの構築を目指したマテリアライズというプロジェクトも開始するところです。さらにはNIMS、物質・材料研究機構では29年度からM3プログラムを開始して、今、様々な取組を進めているというところでございます。

先ほど、委員の方からも御指摘ありましたように、最近、日本の研究力が総体的に低下しているということで、この間も、JSTの調べによりますと、理工系の151研究領域のうちに、20年前においては83領域ぐらいが、日本がトップ10%において5位以内であったところを、最近は18領域に減少しており、例えばがん研究とか、コロイド表面化学の3位が最高だったということで、かなり深刻な状況になっていると認識しております。

それから、欧米中をはじめとして、各国がナノテクノロジーも含めたハイテク技術においての戦略を打ち出して、投資も増やしていくという状況にございます。そうしたことも踏まえまして、先ほど三島主査からも御紹介いただいたように、第9期の委員会においてはマテリアルによる社会革命の実現を目指した研究開発戦略をまとめていただいたところでございます。そして、いよいよ第6期の科学技術基本計画に向けて本格的な検討もしていく必要がありますし、また、当該分野の研究開発の進むべき方向性について、様々な、先ほどのような状況を踏まえて、是非、先生方から御意見や御助言を頂いて、余りのんびりしたことは言えないような状況になっているとは認識しておりますし、やれることは早急に取り掛かり、また、広い視野からナノテクノロジー・材料科学技術について御議論いただき、第6期の基本計画の中に是非いろんな形で盛り込んでいきたいと考えてございますので、是非様々な御助言を頂きたいというふうに思ってございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【三島主査】 磯谷局長、どうもありがとうございました。

あと、本日御出席の方を追加でもう少し御紹介いたします。本日の議題3のナノテクノロジー・材料分野の研究開発評価についてというところで、事業のPOをされた古川様。

【古川PO】 よろしくお願いします。

【三島主査】 よろしくお願いいたします。それから、議題4のところ、第6期科学技術基本計画に向けた検討についてに関して、ナノテクノロジープラットフォームセンター長の田沼様。

【田沼センター長】 よろしくお願いします。

【三島主査】 及びPOの永野様にお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、議題表を見ていただきまして、まず2番目の議題でございますが、第10期ナノテクノロジー・材料科学技術委員会における当面の審議事項についてに入らせていただきたいと思います。

それではまず高橋補佐から、まず資料の2-1から2-4の御説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

【高橋補佐】 ありがとうございます。

お手元のパッドの議題2関連というタブを開いていただいて、ごらんいただければと思います。資料2-1から2-4までございますが、主に資料2-1と2-2について御説明させていただければと考えてございます。

まず資料2-1でございます。本委員会における当面の審議事項の案を作らせていただきました。

まず1つ目として、文部科学省におけるナノテクノロジー・材料科学技術に関する研究開発評価についてというところで、ナノテクノロジーを活用した環境技術開発(統合型材料開発プロジェクト)の事後評価ということで、もう既に事後評価検討会は実施してございますが、本日、それを受けての事後評価案について御審議いただく予定でございます。また、新たにナノテクノロジー・材料科学分野のプログラム評価というものをやるというところが検討されてございます。こちらの方、後ほど、次の資料で御説明させていただきますので、今は説明を省かせていただきます。また、必要に応じてということで、令和2年度の新規拡充事業の事前評価といったものがあるだろうというところでございます。

次に、2番目、ナノテクノロジー・材料科学技術の推進方策等についてというところで、磯谷研究振興局長からもございましたが、ナノテクノロジー・材料科学技術における次期基本計画に向けた検討について本格的に進めていくというところでございます。

また、当面の審議スケジュールというところで、本日、5月10日につきましてはこちらのラインナップでございますが、第2回、第3回について、第6期科学技術基本計画に向けた検討について、また、ナノテクノロジー・材料科学分野のプログラム評価、また必要に応じて、事前評価といったものを開催させていただければと考えてございます。

続いて、資料2-2をごらんください。こちら、すみません、縦になってしまっているところがございますので、恐縮でございますが、右クリックで右回転をしていただいて御参照いただければと考えてございます。やり方について御不明な場合には、事務局までお願いいたします。

資料2-2でございます。こちらは研究開発プログラム評価についてというところで、研究計画・評価分科会の方に先月提出された資料でございます。このうちの2ページ目をごらんください。通し番号で言うと3ページでございます。第10期における研究開発プログラムの評価の試行的実施についてというところでございまして、第10期においては研究開発計画に掲げられている「大目標達成のために必要な中目標」の単位で研究開発課題等の取組全体を束ねた研究開発プログラムについて、この評価を試行的に実施するとされてございます。この2年間の試行を通じて、文部科学省における研究及び開発に関する評価指針との関係性を考慮しながら、評価者の評価疲れに十分配慮し、柔軟な見直しを行いつつ、実効性のある評価の仕組みの確立を目指すというところが新たに言われてございます。

この中で、研究計画・評価分科会と分野別委員会の役割が下のところにございまして、このうちの分野別委員会の部分で、研究開発プログラムの外部評価の評価実施主体として当委員会が定められているところでございます。

具体的な中身については次のページ以降でございまして、こちらのプログラム評価についての右側の絵のスキームをごらんいただければと思いますが、試行的研究開発プログラム評価の初年度の流れというところで、その分科会の事務局が我々でございます。第10期初回の分科会終了後、研究開発課題評価の実施状況の取りまとめ・共有をする。その後、分野別委員会事務局として、内部部局における研究開発プログラムの自己評価をします。その後、分野別委員会の方で、分野別委員会における研究開発プログラムの外部評価を実施し、最終的に研究計画・評価分科会において、全体の総覧と助言、仕組みのレビューといったものを作るための活用材料となっていくというところでございます。

全体の流れのスケジュールがその次のページ、通し番号で言うと5ページ、資料番号で言うと4ページにございますが、全体として2年間の試行的な取組でございますので、必ずしも本年度というところではないのかなというところがございまして、ここは現在調整中ではございます。ただ、第10期の間にはやることになるのであろうというところで、当面の予定というところには入れさせてございます。中身といたしまして、この時期についてはまだ確定してはございませんので、あくまで情報共有の御案内というところでございます。

またその次、参考というページがございます。通し番号6ページ、資料番号5ページでございます。ここに研究開発プログラムの範囲のイメージというところがございまして、このうちの中目標の部分、こちらを評価の単位として評価をしていくという流れがございます。

また、資料2-3、2-4につきましてでございますが、2-3は今の研究開発プログラム評価についてのことを具体的にナノ・材委員会として落とし込んだものになりますので、説明は省略させていただきます。また、資料2-4につきましては、今ナノ・材委員会に関係する施策ということで、全体をラインナップさせていただいているものでございまして、こちらも、日頃使わせてもらっているものでございますので、説明は省略させていただければと思います。

以上でございます。

【三島主査】 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明に対して御質問等ございましたらと思いますが、いかがでしょうか。今度、評価の実施方法の改革があって、試行という段階にあるということでございますけれども、いかがでしょうか。もし御質問がございましたらどうぞ。

【中山委員】 御説明ありがとうございました。この中では余り触れられておりませんが、評価をして終わりのような感じになっているのが気になります。大事なことは、評価をどうやって生かすかということだと思います。いかにこれらをナノ・材分野の施策、ないしは戦略に入れてくかという議論になるように、十分に配慮いただければと思います。同様に、このナノ・材委員会で議論が義務付けられている文科省内局予算の評価のみで、ナノ材分野全体を見たような気になってしまうかもしれませんが、この分野ではJSTの施策もあるし、ほかでもいろいろやられてますので、それらを含めた全体を意識的に見ていくことが重要です。当面の手近な評価をやって終わりというようなこと、狭い範囲の評価に多大な時間を使って、それで終わりということにはならないように、十分皆さんで議論を重ねていければと思います。

よろしくお願いします。

【三島主査】 よろしいですか。

【高橋補佐】 事務局としても十分留意いたします。特に今回、第6期基本計画の流れがございますので、それに向けての関係性との整合性というところ、また、参考になる部分というところ、考えつつ、進めてまいりたいと考えてございます。

【三島主査】 大変重要な指摘を頂きまして、ありがとうございます。ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。

それでは、議事の3番目、ナノテクノロジー・材料分野の研究開発評価についてということで、この件では、平成21年度から実施しているナノテクノロジーを活用した環境技術開発(統合型材料開発プロジェクト)という名前が付いてございますが、この事後評価を行うというものでございます。

評価の進め方としては、本日の参考資料4として配付されておりますけれども、前期委員会で既に決定されたとおり、外部有識者等からなる事後評価に係る検討会を開催し、事業実施者からの報告書やヒアリング等により評価を検討の上、事後評価票案を作成し、本委員会に報告していただくということにしてございます。先ほどの御説明のとおりでございます。その上で、本委員会において質疑応答、討議を行い、事後評価票案について検討し、適宜修正の後取りまとめて、上の研究計画・評価分科会に評価結果の報告を行うということにしてございます。

本事業の事後評価検討会には、本委員会から菅野委員、それから瀬戸山委員に御参画をいただいて、ヒアリング等を実施していただいた上で、事後評価票の案を作成していただいておりますので、まずは瀬戸山委員及び事務局から、検討の結果について10分程度で御説明を頂ければと思というところでございます。なお、先ほど決定した資料3-2にも記載のとおり、利害関係者の範囲が整理されてございます。これに基づき、本日御出席の委員のうち、中山委員、宝野委員については利害関係者に当たると考えられますので、評価に係る御発言は控えていただくと、退席しなくて結構ですので、よろしくお願いいたします。

それでは、他の皆様におかれても、もし利害関係を有するとみずから御判断なさる方がいらっしゃいましたら、申告いただければと思いますが、よろしいでしょうか。

それでは、瀬戸山委員からよろしくお願いいたします。

【瀬戸山委員】 資料4ページ目をごらんください。研究開発の概要と目的が記載してございます。この中で、基本的にナノテクノロジーを活用した環境技術開発ということですけれども、具体的には太陽光エネルギーから出発するエネルギーフローに関わる一連の材料技術ということで、太陽電池、蓄電池、燃料電池、この3つを主軸に考えて、それを10年間、35億円を投資したというプログラムでございます。研究の主体はNIMSです。我々は事前に資料を受け取って、その内容についてヒアリングを2時間程度実施しました。評価全体にわたりおおむね高い評価であったと思います。結果につきましては、9ページ目に総合評価というのがございますので、そちらをごらんいただければ全体が分かるかなと思います。

この総合評価、文章を読ませていただきますけれども、4行目ぐらいに、研究拠点形成型等という運営方法は他の事業においても取り入れられるなど大きな波及効果があったということと、及び最後のところで、書いてありますけれども、10年間の当初のプログラムから早い段階で中身が変更になりましたが、それが結構効率的に利にかなった変更をやられたことを私たちは高く評価しました。その上で、その変更した結果の波及効果が大きかったということで、高い評価に繋がったと思っています。詳細については、これから事務局の方から説明があります。そちらにお回しします。よろしくお願いします。

【高橋補佐】 ありがとうございます。それでは、事務局より補足の説明をさせていただければと思います。

資料でございますけれども、通し番号で申しますと事業評価票の1ページでございますので、資料番号6/11というところをごらんください。こちらに事後評価票がございまして、全体を必要性、有効性、効率性の観点から事後評価として評価し、最終的に総合評価、また、今後の展望というものをまとめさせていただいているものでございます。こちらの順に御説明申し上げます。

まず事後評価票の1ページ目、通し番号で申しますと6ページ目でございますが、こちらの方、施策目標という形で、新たに、これまで中間評価票等々もろもろ、前回は元素戦略の中間評価等々御審議いただきましたけれども、今回、施策目標というものを全体の冒頭に付けるという案内がございまして、この中で、先ほど御案内申し上げた中目標というところもこの中に入ってございますが、こういう施策目標について、全体を俯瞰した上で事後評価というものを行うという趣旨で、これはここのところに入ってございます。ただ、既にこの委員会で決めたものでございますので、こちらについて説明は省かせていただきます。

また、本課題が関係するアウトプット指標、また、アウトカム指標について、このページと次のページにかけまして記載させてございます。アウトプット指標、またとしては、オープンラボ実施件数ということで、平成28、29、30年と、過去3年にわたる結果。また、アウトカム指標については、こちらが特に重要とは思いますが、査読付論文数、研究発表数、特許出願数、また、民間共同研究費の過去3年の数字を記載させてございます。ごらんいただくと、査読付論文数で言うと、29年、30年と大幅な伸び。研究発表数についても恒常的に高い件数が示されている。また、特許出願数については、件数は少ないというところはございます。拠点の研究者が招待された講演数につきましても、30年度、最後の集大成にわたるときには件数の大幅な伸び。また、民営化共同研究費につきましては、これは顕著な例でございますが、平成30年度について約8億5,000万の民間共同研究費を受け取るということが達成してございます。

続いて、各個別の評価結果について御説明させていただきます。まず、必要性の部分でございますが、本プロジェクトについては、やはりまず拠点形成についてしっかりと行っていただくというところがございまして、設定した目標に対する適切な拠点形成がなされたかというところ、マネジメント、外部機関との連携体制、人材育成等というところがございます。このナノ・材料科学研究拠点でございますけれども、10年プロジェクトの過程で拠点機能のさらなる強化を目的として、体制や研究課題の見直しを不断に行いつつ、目標に沿った拠点運営がなされたことは高く評価できるとのことでございます。特に、テーマの重点化と基盤力の強化、目標の明確化などにおいて拠点長の強いリーダーシップが発揮されたとのことです。また、大テーマである太陽電池、燃料電池、蓄電池などを横串で結び付ける界面現象の理解という共通基盤研究を軸に据えた拠点形成、世界的にも優れたレベルに成長したという評価を頂いてございます。

また、個別の、後半でも事業取組にありますが、ここは割愛させていただいて、その後段、産業界をはじめとする外部機関との連携強化に取り組み、出口を意識した目標設定や出口側の技術課題から抽出された基礎研究の課題設定にも貢献し、結果として多額の民間からの外部資金導入にもつながり、事業終了後のさらなる発展も見据えて終了できたことは高く評価できるという結果を頂いてございます。さらに、若手研究者の人材育成というところで、若手の競争的資金獲得への貢献、キャリアパスを開く一助として産学官に広く人材を供給したことも評価に値するとのことです。

また、拠点形成に関する数値目標の明瞭性、出口にどのように結び付いたかを具体的に示す評価方法については、今後も工夫が必要だという御指摘もございました。これらを今後の拠点形成型プロジェクト形成に向けての重要な示唆になるというふうに考えてございます。

続いて、有効性の観点です。こちらは主に研究開発の中身についての評価をさせていただいてございます。評価基準としては、新しい分析・解析手法の導入や、異分野融合した先端研究が行われていたか。産業界との実質的な共同作業を伴う課題解決のための研究が行われていたかというところでございます。

このGREENの研究でございますけれども、従来の経験的材料開発では見られなかったアンダーワンルーフの下での材料・計測・理論計算を融合して実施する先進的な拠点形成の取組、これによって合理的材料設計を可能とし、高い独創性、優位性を示す多数の研究成果を創出したとなってございます。また、この計算・計測・材料創製を三位一体とした技術ノウハウ、これが無形資産として物質・材料研究機構に培われたというところについては高く評価できるのではないかとのことでした。特に窒化ホウ素、こちらの触媒事例については理論計算予測が先導して材料開発につながった好例というところもあったり、また、全固体電池、リチウム空気電池、ペロブスカイト太陽電池、質の高い論文を多数発表しており、他機関と比べ、突出した世界トップレベルの先端的研究へと進展したというところでございました。

また、特許については出願数が多いとは言えないけれども、戦略的に数を絞り、重要的な特許を押さえていること。また、NEDO事業へ橋渡すことができた事例とか、産業界との多額の共同研究に発展した事例というものもあり、出口を見据えた課題解決型研究成果として評価できるとのことです。

また、全固体電池やリチウム空気電池では、モデルデバイスの作成とともに今後のスケール化を考慮したプロセス課題の抽出、理論解明にも取り組んできているというところで、原理原則を解明する基盤プロセスについての研究の進展についても今後期待されるというところです。また、各種シンポジウムを積極的に行ってきているところも評価されてございます。

続いて、次のページ、効率性をごらんください。効率性についてでございますが、こちらは研究実施体制の妥当性というところで、中核機関、参画機関の連携体制や拠点研究者の先端装置利用への支援体制など、責任ある体制が確保されていたかという観点から評価してございます。特にこの拠点については、オープンラボの充実により、外部研究者の先端装置利用への技術的支援、こちらを行い、協力・連携体制を築いたというところがございまして、この取組が物質・材料研究機構の連携拠点推進制度の形成にも役立ったというところで、行ったものを適切に機構内部に波及させるような取組もしているというところが評価させてございます。

また、物質・材料研究機構の中の蓄電池基盤プラットフォームという形で、産業界を含む外部研究者の教育支援、研究支援にも大きく貢献したとのことでした。アンダーワンルーフのオープンスペースの設置によって、異なるセクターの研究者による緊密なコミュニケーションの場としての機能、こちらも多くの研究成果を見出す原動力になったというところも評価できるとのことでした。

総合評価についてではございますが、先ほど瀬戸山先生から御説明ございましたが、改めて御説明させていただきます。本事業では、初期の目標に沿った研究拠点形成及び運営が適切になされ、拠点長の強いリーダーシップの下、産業界からの課題を意識しつつ研究テーマを設定し、高い独創性・優位性を示す多数の研究成果が挙げられたと。また、元素戦略プロジェクトなど、他の事業においても取り入れられるような波及効果のある計算・計測・材料創製、こちらの三位一体とした技術ノウハウの確立というところがございました。

また、各研究個別に見ても、トップレベルの研究成果を生んだというところ、また、この拠点が機構内外の研究・教育支援にも大きく貢献したというところが高く評価でき、本事業の目標は十分に達成されたというのが結論でございます。

次のページに今後の展望という形でまとめさせていただいてございます。今後の物質・材料研究機構としては、本研究拠点をエネルギー・環境材料に関する恒久的な世界のハブ機関としての研究拠点に発展させることを目指すということであり、これまでに得られた代表的な研究成果は移管先がよく考慮されているということから、無形のノウハウ活用を含め、新たな体制下でさらなる発展を期待する。また、出口を見据えた産業界との連携を進めるとともに、原理原則を解明する基盤プロジェクトについて研究の進展を期待するというところでございます。

説明については以上でございます。

【三島主査】 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの大型材料開発プロジェクトというものに関する事後評価の結果でございますけれども、何か御質問や御意見がございましたらと思いますが、いかがでしょうか。

馬場委員、どうぞ。

【馬場委員】 大変すばらしい成果が出ていて、評価も大変よく理解できました。

2つ教えていただきたいんですが、1つは、平成30年度に企業からの共同研究費が非常に増えているというのはすばらしいことだと思うんですが、これはそもそも入られていた企業の個々の額が上がったのか、それとも新たな企業がたくさん入ってこられたのか、その辺、もし分かる範囲で教えていただきたいのと、もう一つは、NIMSのこの拠点、マネジメントも含めて非常にうまくいかれているようなので、こういううまくいった事例を、今、全国で様々な拠点、やっている中で、拠点運営に苦労しているところ、非常にたくさんあると思うんですけれども、そういううまくいった事例をできる範囲で共有できるような何らかの情報発信ということは可能なんでしょうか。

【三島主査】 それでは、どうしましょうか、瀬戸山委員か大学か、あるいは……。

【瀬戸山委員】 どうしましょうか、これ、企業名を出していいんですか。

【古川PO】 実は新聞報道等で連携の枠組みというのは出ていますので、この場限りでということであれば、実際にリチウム空気電池のジャンルにおいて、NIMSとソフトバンクの方で共同のセンターができたという報道がされています。そういう枠組みに発展していったというところでございます。

したがって、馬場委員の御質問で言うところの、これまでこのGREENの枠組みの中に参画していた企業というよりは、こういう活動を通じて新たな企業を呼び込むことができたと理解しております。

もう1点、うまくいった事例を紹介していくという点は非常に重要でございまして、これまでもGREEN単体の枠組みとしては年2回のペースでシンポジウムを筑波と都内で開催してきました。そのほか、企業向けのセミナーなども、NBCIの枠組みも活用させていただきながらやってきたところでございます。引き続き、先ほど事務局から御説明のあったように、このGREENという枠組みは発展的にNIMSの中にまた糾合されていくというところもありますので、そういったところでさらに発展的に成果発信であるとか活動紹介がなされていくことを我々としても期待しております。

【馬場委員】 ありがとうございます。

【三島主査】 よろしゅうございますか。

【瀬戸山委員】 補足してもよろしいですか。

【三島主査】 どうぞ、補足をお願いいたします。

【瀬戸山委員】 ヒアリングのときにあったんですけれども、この結果がどれだけすごいかというのを客観的に見たいというリクエストがありました。NIMSの担当、拠点長等からは、これがすごい結果ですよという話があったんですけれども、じゃあ、ほかの同じような研究を実施している研究機関に対してどれぐらいすごいのかというあたりをもう少し明らかにしてくれないのかという意見が出て、その後資料を頂いて、確かにこれはすごいねという話になりました。今おっしゃったように、こういうものがすごいんだということを外に発信するには、そういう方法論というものがあるべきなんですね。そこはこれからの、事務局の方でもどういうふうにやっていけばいいのかについて、考えていただければなと思いました。

【三島主査】 事務局は何かございますか。

【高橋補佐】 馬場先生、また、瀬戸山先生の御指摘のところ、十分受けとめさせていただいて、特に文部科学省においては拠点形成事業、WPIも含めて様々な拠点形成というところがございまして、やはりWPIの方も事業が終了した後に何を残すべきか、また、どうそれを次に発展させるか、課題は一緒のところがあるところがありますので、引き続きその課題、きちんとこなしながら、次の事業につなげていくというところが重要かと考えてございますので、瀬戸山先生の御指摘のとおりのところで考えてまいりたいと考えています。

【三島主査】 いかがでしょうか。今のこの件でもしほかに御意見があればですが、他の件でも結構でございます。御発言ございましたら、どうぞ。

【五十嵐主査代理】 よろしいでしょうか。

【三島主査】 五十嵐委員、どうぞ。

【五十嵐主査代理】 本事業に関しては、本当に多くの成果が出たということですばらしいと思います。ただ、やはり論文数がこれだけ多いのに、特許がなぜこれだけしか出なかったかというのが、やはり先ほどの30年度に、事業外部資金がこれだけ入っているということは、本来は、産業界から見れば非常に多くの成果、特許になるべき成果があったという認識だと思うんです。これが数字として出てこないというのが、1つ質問としては、民間の共同研究でこれから出ていくんだろうなと想像しているということと、その点が1つと、やはり、こういう基礎研究で得た成果が、技術として、これは日本のオリジナルな技術なんだということをしっかりと認知してもらえるような、論文だけじゃなくて、民間企業が共同研究、開発を申し込むときには、この技術に関して一緒にやりたいというのを明確にしていただきたいなと。そうすることによって、日本の技術のオリジナリティが担保されていくんじゃないかなと。特にこの分野は、今、中国、韓国、台湾がどんどん先に行っていますので――先に行っているというのは産業界としてですね――是非ともそこは、せっかく文科省としていい成果を上げているんですから、これが必ず社会実装までつながるんだと、そこのメルクマールというか、マイルストーンというか、そういうのをしっかりと段階、段階で踏んでいただきたいなと思います。必ず特許につながる成果がいっぱいあるはずなんです。それを是非リストアップしていただきたいなと思います。

【三島主査】 古川PO、何かございますか。

【古川PO】 この事後評価検討会でも議論になったところでございますし、その前段階の拠点の自己評価の中でもまさに論点になったところでございます。拠点側の見解としましては、トータルとしては19件だったと思うんですけれども、とにかく厳選して、NIMSサイドとしては出願していったという見解であるのと、もう一つは、GREENという枠組みにとどまらず、併走していたALCA-SPRINGという電池関係のプロジェクトがございますけれども、そういったところとうまくすみ分けをしながらといいますか、出願をしていったという説明がありました。制度上の位置付けとしては、このGREENとしては、主に解析や理論というところにフォーカスを当てたと。ALCA-SPRINGに対しては新物質探索とか、そちらの方にフォーカスを当てているというところで、どうでしょう、基本となる物質特許関係はそちらの方でうまくすみ分けながら、それ以外のところに関しては、こちらの方で出願していった結果なども総合的に勘案してこういう数になったと。ただし、件数という点では、これは論文数に比すると少ないなと、そういう目で映る点は否めないと思いますけれども、NIMSとしては、少なくともそういった点をうまく考慮しながらも出願していったというところがありますが、今後、民間企業等を主体にかなり活動が増えていく中で、五十嵐委員の御指摘のように、やはり出願をどういうふうに戦略的にしていくかというところは、引き続きNIMSとしても戦略的に講じていく必要があるというところは理解しております。

【五十嵐主査代理】 特許に関しては、定性的な議論をすると非常に議論が発散してしまうんですけれども、例えば、本当に強い特許を1件、これで全ての技術が守れるのであれば1件でいいんですよ。ただし、新規物質を発明して、それを実装するまでにいろんな技術がないと実装できないという場合には1件の特許じゃだめで、基本特許の派生特許が数十件要ると。それでようやく1つの製品プロセスが守られるということだと思うんですね。ですから、拠点で全ての特許を出す必要は全くないんです。ですから、1件の特許を基に、これは実はこんな特許を生むんですよというのを是非、共同開発をする時点で民間企業に認識させると、そういう努力はしていただきたいなと思います。民間企業は絶対そう考えているはずなんです。その思いですので、数が少ないことイコールだめじゃなくて、特許も将来の技術を守るためにはどういう技術要素がこの研究で出てきて、それは将来特許になるんですよというのを是非、産業界も学術界も認識すべきだという観点です。

【三島主査】 この件は、瀬戸山委員がお詳しいんじゃないかと。

【瀬戸山委員】 実際、そういう議論になって、研究がそこそこまで行った場合には、民間企業が一緒に共同研究するよねという、そういう話になりました。そういうことが実態なわけですが、今回のプログラムに関して、まだそこまでには至っていない場合が多かったというのことがはっきりしていて、それでは、海外特許出願をどうしようかとなると、相当費用もかさむので、この段階では数を限ってやるしかないのかなということのようです。

あとは、ノウハウ等については特許にできない部分もあるので、そこは本当に共同研究が始まった段階で民間の方を中心にして、これから考えていきましょうという話ですねということを、我々の方からNIMSの方に確認しました。

【三島主査】 それでは、加藤委員。次に前田委員。次に湯浅委員。

【加藤委員】 拝見すると、界面現象の理解という共通基盤研究と書いてあるのですね。プロジェクトをやるときには特許も大事だと思うのですけど、特許にならないけれども深く理解する、知恵を持つというのも大事だと思うのです。例えば、企業が困ったときに、ここに聞けば界面現象の世界最高レベルの相談ができるとか、そういう高度な知恵が付いてれば、特許に関しては出すことができれば良いに決まっていますが、特許はなくても意味があるのではないかと考えます。ですから、単純な評価ではなくていろいろな評価軸というのが大事だと思います。

例えばこのプロジェクトで良い論文が出たときに、その結果が深い知恵につながって、産業界にとって1つの相談相手というか、シンクタンクみたいになっていれば、それはそれで意味があるのではないかというようにも思います。そのようなものが、今度はオープンになって、日本の産業の全体的な底上げとか、製品の先鋭化につながるということがあれば、それはそれで良いのではないかと思うのですけど、その辺はいかがでしょうか。

【瀬戸山委員】 まさにそういうふうな話になりました。ですから、NIMSの特徴として、分析・解析技術が進んでいますので、そこによって界面現象という、界面領域をどういうふうに理解するか、捉えるかということについては、全ての研究テーマについて共通事項という認識。それを領域概念として界面を捉えるということでNIMSの強みというのは発揮できたということです。これは、これまでは論文中心だったんだけれども、先ほどの繰り返しになりますがこの後に民間企業が入ってくれば、その部分はノウハウなり特許なりにして、この界面現象を深く理解するということを強い武器にできるんじゃないですかということは、皆さんの意見が一致しました。そういう話でした。

【加藤委員】 ありがとうございます。

【古川PO】 民間企業のみならず、このGREENの特徴としては、地方の大学であるとか高専であるとか、そういったところから若い学生であるとかポスドクの若手研究者人材を受け入れて、かなりの活動をしていただいたというところがあります。まさに加藤委員がおっしゃった、相談先といいますか、なかなか自前の大学ではインフラを整備できないところが、あそこに行って解析をすれば新しい現象が見つかるとか、そういったところがかなりオープンラボの制度を活用しながらもできたんじゃないかと。その結果として、人材は次々とアカデミックポジションであるとか、企業の研究開発職に就くという実例なども出てきていますし、そういった活動を引き続き続けていればと思っております。ありがとうございます。

【三島主査】 よろしいですか。

それでは、前田委員、どうぞ。

【前田委員】 知的財産の件数の数え方という言い方になってくると、民間の場合、コンペティターもいろいろありますでしょうから、共願とか、使いにくいことを考えると、自分の会社だけで出したいなとか、いろいろ出てくると思うんですね。だから、成果のカウントの仕方で、もともとこの基本理論を使って生み出された特許をカウントしていくようなシステム、特許何件と言ってしまうと、例えば共願でないと1件と数えてもらえなくなってしまうと思うんですけれど、論文で、この基本理論を使って、そこから派生して出てきた特許、だけどその先は、その企業だけがやったんだから、ある意味、特許はその企業だけの単独出願でいいけれど、どこの基本理論を使ってこの特許が生み出されたかというのを上手にカウントできるようにしていった方がいいのかなと思います。どうしても、民間企業というのは、ここで特許を出しましょう、何件出しましょうという話になってくると、いろいろなところで使いにくくなったりしますので、後で出そうかみたいな感じになったりしてくると思うんですね。その辺は、利用したものはカウントしてくださいみたいな、何かいいシステムがあればいいのかなと思います。

【三島主査】 ありがとうございます。何か。

【五十嵐主査代理】 私、大賛成です。そうしていただきたい、是非。

【三島主査】 何かコメント、ございますか。

【瀬戸山委員】 企業の立場から表現しますと、NIMSの今回のやり方というのは、オープン・クローズ戦略と言う観点で、共通事項というのは、NIMSにとってはクローズであり民間企業に任せる部分は逆にオープンとなります。民間案企業からの視点では完全に裏返しになっていて、NIMSにとってオープンの部分は、民間にとってクローズの部分になります。そういった考え方を、この後仕組みとしてどういうふうに作っていくかというあたりのことを、この後、新しいプログラムの中でやっていくということじゃないのかなというふうに理解しています。

【三島主査】 前田委員、それでよろしいですか。

それでは、湯浅委員、どうぞ。

【湯浅委員】 ソフトバンクとのリチウム空気電池の共同研究が立ち上がって、10億円を超える民間資金を獲得したのはすばらしいと思うんですが、このプログラム以外にALCA-SPRINGの貢献もあるわけですよね。このプログラムがどのぐらいの貢献である、ALCA-SPRINGはどれぐらいの貢献なんでしょうか。

【古川PO】 私からはお答えしかねます。やはりALCA-SPRINGが走っているからこそ動いているわけですから、なかりせばという過程に基づいての……。

【湯浅委員】 今回も、平成30年で8億円を超える民間資金ですが、これがダブルカウントになっていませんかと。2つのプログラムで。

【古川PO】 ダブルカウント。

【湯浅委員】 両方のプログラムで8億円獲得したという評価になりませんか。

【瀬戸山委員】 ソフトバンクからだけで、大きなお金の寄与があります。

【湯浅委員】 そうなんですけど、それはALCA-SPRINGの方の成果でも、恐らくちゃんとされるわけですよね。

【瀬戸山委員】 そこはどうなんだろうか。

【古川PO】 そこは私の立場からは発言できないです。いずれにせよ、やはりNIMSの、いわゆる建築蓄電池の開発という観点においては、こういうGREENという計算・計測の枠組みと、実際の、ある意味拠点系のものと、実際に、ある意味真水の研究開発に投資するようなALCA-SPRINGと、両輪になって動いている側面がありますので、これを単純にどちらかに切り分けろというところは、少なくとも私の立場からは難しいです。

【湯浅委員】 分かります。

【三島主査】 ほかにございますでしょうか。

【磯谷局長】 事務局からすみません。先ほど、非常に有意義なというか、すばらしい御議論を拝聴していて、1つだけ、先ほど前田委員がおっしゃった、特に基本特許みたいなのが、特に基本特許みたいなものがある論文の下にということをちゃんとクリアにしたらどうかということで、五十嵐先生や瀬戸山先生からもそうだという話が出たんですけど、もし、企業の方から見て具体的にどういうやり方があり得るのかというのがあったら、また後ほどアイデアを頂きたいと思いますし、皆さんもうよく御案内の話なので、私もこの話を聞いたら、よくあるのは、特許のために引用された論文という指標は出ますよね。細野先生なんかはそれをちゃんと図るべきだというんですけど、前田先生のおっしゃるのは、それよりもっと踏み込んで、もっと基本的な特許が出たときにこの論文がキーになっているみたいな、そういう意味でしょうか。

【前田委員】 寄与度だったり、どういうふうに計っていいか分からないんですけど、参考文献のリストもちゃんと何件出したというのは出ているんですね、これは。出ているんですか。

【瀬戸山委員】 出ています。

【前田委員】 出ているんですか。なるほど。何か、成果のところの、さっきの短いまとめの中にどれぐらい寄与したというのが分からなかったもので、どんな形で寄与度が表れればいいのかなというのは難しいなと思うんですけれど。

【磯谷局長】 なるほど、分かりました。すみません、大変勉強になりました。ありがとうございました。

【三島主査】 細野先生もよくおっしゃるのは、特許の数というよりは、それがどのぐらいレファレンス、サイテーションされたかというのが非常に重要なんだということもおっしゃっているので、そういう評価も非常に重要かなと思いますけどね。

【五十嵐主査代理】 よろしいですか。特許を書くときには、例えば物質があって、その技術を使ってさらにこういうふうに変えるとさらにいいものができました、これは明らかに、その前の技術を尊重しているわけですよね。ところがもう一つ書き方があって、その前の技術じゃだめだからこういう技術を開発しましたと、それは全く別のものなんですよね。ですから、ベースの、例えばこのプロジェクトでできた物質を使ってここを改良したらもっとよくなりました、そういうのを明確に特許に記載する、本来はそうするんですけれども、それを是非カウントすればいいんじゃないかなと。ですから、そういう特許はいっぱいあるはずなんですよ。そういう思いがあります。

【三島主査】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

【瀬戸山委員】 参考になるかどうか分かりませんけれども、私、NEDOの方で人工合成のプロジェクト、10年プロジェクトをやっていて、8年たちましたけれども、外国出願が20件超えるんですね。全体の特許の数はやはり100件を超えています。これをどういうふうにやっているかといいますと、先生方には、まず特許書いてくださいと。それが終わった後に論文を出してくださいとはっきりお願いしていて、それが習慣・仕組みになっています。ですから、研究をぎりぎりまでためておいてこういうふうにやるんじゃなくて、発表したかったら半年前の結果で発表してくださいと。要するに、研究が相当前に進んでいれば結構余裕ができるんですね。こういうふうに、10年プログラムみたいに長いものであれば、そういう猶予というか、時間の余裕を持つようなやり方で論文を出す、特許を出すということを仕組みとして作ることができます。それによって上手に回ります。参考までに。

【三島主査】 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、この評価票について、特に何か、ここの記述をもう少しこうしたらいいというサジェスチョンがございましたらと思いますが、これは非常に成果が上がったプロジェクトでございますので、もし特にないようでございましたら、このまま計評の方に上げていくという手続に入りたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【三島主査】 どうもありがとうございました。この件、以上にさせていただきます。

次が議題4の第6期に科学技術協議会の検討でございますが、時間にも余裕がございますので、ここで一旦休憩を入れて、10分ほど休んで次の議題に移ろうと思います。今、10時5分になろうとするところですので、10時15分から議題の4にかかろうと思います。よろしくお願いいたします。

(休憩)

【三島主査】 それでは、休憩ここまでといたしまして、議事の4に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。

いよいよ第6期科学技術基本計画に向けた検討について、これから徐々に進めてまいるわけですけれども、スケジュール等も含めまして、事務局からまず御説明を頂きたいと思いますが、その後で個別事項のヒアリングとして、ナノテクノロジープラットフォーム展望調査ワーキンググループ報告書の概要について、田沼様と永野様から、それからNIMSにおける研究環境の向上に関する取組について、宝野委員から御発表いただく、この辺が議事の4の内容でございますので、よろしくお願いいたします。

それでは、まず事務局から、資料の4-1-1から、ちょっとたくさんありますが、よろしくお願いいたします。御説明いただいて、それからスタートしたいと思います。

【高橋補佐】 ありがとうございます。前回の第9期ナノ材委員会の最後の回でも第6期に向けてということで御審議いただきましたけれども、あれから数か月たちましたので、状況が変わっているところもございます。まずは全体の第6期科学技術基本計画に向けての文部科学省の取組状況というところを御案内させていただいて、その上で、ナノ材委員会として今後議論をどうしていくかという俯瞰のところ、さらに今回プレゼンしていただく中身という順番で御説明させていただければと考えてございます。

資料4-1-1、議題の4関連のPDFでございます。こちらの方のタブの方をごらんください。資料4-1-1でございますが、今後のスケジュール(案)というふうになっているものがございます。こちら、先月に行われました総合政策特別委員会におきまして配付された資料でございまして、現状、文部科学省における第6期科学技術基本計画に向けた取組、こちらの方を全体として取りまとめているのが総合政策特別委員会という審議会になるのでございますが、こちらの審議の流れというのが左側にございます。

こちらで4月18日以降、5月23日、NISTEPの最新調査報告骨子案に向けた議論、また、6月、骨子案の取りまとめ、7月、中間取りまとめに向けた議論、8月、中間取りまとめ、9月以降、最終取りまとめに向けてということで、最終的に2020年の3月に最終取りまとめという流れでございます。

こちらのところの右側にCSTIの方の議論の流れというのもございまして、5月頃には基本計画専門調査会が設置され、第5期レビュー、将来像・ビジョン、次期基本計画検討についてなされていき、文部科学省からは3か月ぐらいの遅れで中間取りまとめという形でまとめられるというふうに聞いてございます。

この中で横の矢印が2本ございますが、6月上旬までのところで研究力向上に向けたシステム改革について関係部会等における検討結果のインプット、また、10月までという形で、下の矢印でございますが、個別分野について関係部会等における検討結果というのをそれぞれ総合政策特別委員会の方にインプットする機会がございます。

この中で、特に我々ナノ材委員会としては、ナノテクノロジープラットフォーム、また、NIMSにおける研究環境の取組といったところがございまして、この研究力向上に向けたシステム改革の中の研究環境の部分のところについて、主にでございますが、議論していただくところは早めに進めていくべきではないかと事務局としては考えているところでございます。

6月上旬のタイミングでそちらのインプット、また、個別分野についての今後の推進方策については、10月までの段階で議論をさせていただく、6月、7月以降の審議もさせていただきつつ、最終的に推進方策の取りまとめをさせていただければと考えているところでございます。

続いて、資料4-1-2をごらんいただければと思います。こちらも恐縮でございます。90度ずれてございますので、右クリックを押していただいて、右回転という形でお願いできればと思います。

こちらは検討の論点(システム関連)という形で、こちらは先月の総合政策特別委員会で配付された資料でございます。前回の第9期の最後のナノ材委員会で御報告させていただきました中身から若干構成が変わっているところがございまして、再度また周知も兼ねて御報告させていただきます。

まず、システム関連の中の現状認識というところで、デジタル革命やグローバル化の進展により、社会の資本集約型から知識集約型への大転換が加速している。Society5.0の実現に向けてイノベーション創出のプロセスは変化し続けており、社会システム全体にパラダイムシフトがもたらされている。

このパラダイムシフトに当たり、従前の政策モデルのままでは、変化に対応し、主体的に変化を先導することは困難。また、米中の技術覇権競争、ブレグジットなどの地政学的な状況の変化により、国際的な科学技術協力についての在り方、また、次期基本計画の5か年は長期的な我が国の趨勢を決定付ける重要なタイミングである、決断と実行の先送りは許されないという強いメッセージがございます。

また、社会を変革する先端テクノロジーの源泉たる基礎研究の強化というところも大きく強調されてございまして、その成果を基に持続的にイノベーション創出を可能とするとともに、人間中心のインクルーシブな社会を実現する。また、我が国が抱える社会課題やSDGsに示される人類共通の課題を科学技術の力で先頭を切って解決し、世界に発信する責務。これを令和の時代の幕開けとともに新たな社会像の具現化に向けて、世界をリードしていくべきというような話がございます。

主に2点の問題意識として、知識集約型社会への移行、先端テクノロジーを駆動力としてイノベーションプロセスが変化し、不確実性が加速する中、多様性の確保が重要。また、パラダイムシフトが進行する中で、スピード感を持って変化に柔軟に対応し、持続的にイノベーション創出が可能となるシステムを構築することが必要ではないかというところがまとめられてございます。

この上で、基本理念として、左側に黄色い箱、また右側に青い箱がございます。それぞれの中で左側は主に基礎研究ですね。こちらの方の戦略的な維持・強化のところ。右側は科学技術イノベーション構築としてどういうシステムが必要かというところがまとめられてございまして、このうち、左側の黄色い部分については、次の資料で御案内する研究向上改革2019という資料がございます。こちらの方で詳しくは御案内させていただきますが、中身としては挑戦的・長期的・分野融合的な研究の奨励、若手研究者の自立促進・キャリアパスの安定、また、世界最高水準の研究環境の実現というところで主に3つの柱がある。さらに国際連携・国際頭脳循環の強化、また、我が国の強みを生かした研究戦略の構築というところが述べられてございます。

このうち、ナノ材委、分野別の委員会として特に我々として関係するのではないかと事務局として思うのは、③の世界最高水準の研究環境の実現というところで、例として最先端の研究施設・設備・研究支援体制を備えた研究拠点の整備、共用を文化として根付かせ、組織全体で研究設備・機器を集約・共用していくコアファシリティ化、スマートラボラトリの促進、技術職員の育成・活躍促進やキャリアパスの構築といったところについては、我々ナノ材の分野の特性というのも考えても、強化していかなくてはならないところかなと考えているところでございます。

また、我が国の強みを生かした研究戦略の構築の中でも、科学と産業(出口)に強みを持つ分野の戦略的推進と知財戦略、オープン・クローズ戦略といったところは前回の第9期の御議論でもございましたが、また引き続き検討を重ねていくところかなと考えているところ。

また、右側の科学技術イノベーションシステム改革の部分ではございますが、この中で研究開発法人システムについての新規性構築といったところであったり、また、データ駆動型研究の推進という形でデジタル革命による新たな研究開発、ここら辺のところも我々として検討していくところはあるのではないかと考えているところです。

こういった全体の骨子というか、まだ検討のたたきという状況ではございますけれども、この中に我々としてもどういった中身を、我々としての推進方策をまとめて、どう6期基本計画にインプットしていくか、ここら辺のところを全体の俯瞰として御案内させていただければというところです。

また、続いて資料4-2でございます。こちら、研究力向上改革2019という形で、2019年4月、先月に大臣からプレス発表させていただいた資料でございます。こちらが先ほどの黄色い箱の中身をより具体的に記載させていただいたものでございまして、文部科学省としてこれらの取組を進めていくという決意の下、作成したものでございます。

通し番号で申し上げると、5ページ目、121分の5のところをごらんいただければと思うんですけれども、こちらのところに研究力向上改革2019という形で全体の方向性についての絵がございます。諸外国に比べ、研究力が相対的に低迷する現状を一刻も早く打破するため、研究人材、資金、環境の改革を大学改革と一体的に展開していくというところでございます。日本の研究者を取り巻く主な課題として、博士課程への進学者数の減少、社会ニーズに応える質の高い博士人材の育成、研究者ポストの低調な流動性と不安定性、研究マネジメント等を担う人材の育成といったところが問題意識としてある中で、研究人材の改革としては、若手研究者の安定・自立の確保、多様なキャリアパスによる流動性、国際性の促進などを通じ好循環を実現し、研究者をより魅力のある職にするというところ。

また、若手が自立的研究を実施するための安定的資金の確保が課題である。また、新たな研究分野への挑戦が不足。資金の書類様式・手続が煩雑であるといった指摘について、研究資金の改革として、裾野の広い富士山型の研究資金体制を構築し、多様性を確保しつつ、挑戦的かつ卓越した世界水準の研究を支援する。

また、研究に充てる時間割合が減少、研究組織内外の設備・機器等の共用や中長期的・計画的な整備更新の遅れ、研究基盤の運営を支える技術専門人材の育成、こういったところについて研究環境の改革がやはり必要であろうと、研究室単位を超えて研究環境の向上を図るラボ改革を通じ、研究効率を最大化することにより、自由に研究に打ち込める環境を実現するというところ。

さらに、大学改革として、研究力向上つながるガバナンスの強化・マネジメント改革の推進というものを一体的に行うことにより、国際頭脳循環の中心となる世界トップレベルの研究力を実現し、絶えず新たなイノベーションを生み続ける社会へというところを目指すというのが全体の方針でございます。

研究人材と、あとその次のファンディングの部分でございます研究資金改革の論点というところでございますが、若干込み入った記載でありますので、そこについては説明を省略させていただきまして、その次の、通し番号で申し上げると10ページ以降でございます。研究環境改革の論点という資料がございまして、資料番号で申し上げると6ページでございます。

こちらの方で、研究者が研究に充てる時間割合が減少傾向にあるという指摘がある中、これまでの研究費の運用改善や各大学内の会議等業務の効率化促進を図ってきたが、これらの取組だけでは研究環境の改善に限界があるというところがございます。

事務負担の観点と研究設備・機器等の観点というところで、特に研究設備・機器等の観点というところについては、スペース配分の硬直化や施設の機能劣化が研究設備・機器等の整備・運用の支障、研究現場の生産性向上に資する機器等の開発・導入の取組が分野によってばらつきがある。研究室単位での囲い込みが進行しており、研究組織内外の設備・機器等の共用や中長期的・計画的な設備更新ができていない。研究費では少額の機器等しか整備できない。研究設備・機器等の導入・運用・共用促進を支える専門技術者が不足しているというところについての打ち手を考えなければならないというところで、次のページ、通し番号11ページでございます。

資料番号7ページでございますが、この全体をラボ改革と位置付けた上で、主にラボ単位から組織、また全体、研究推進体制全体にまで含めて、4つのカテゴライズに分けまして、全ての研究者に開かれた研究設備・機器等の実現というのを図っていくべきではないかという話がございます。

例えば、研究しやすい機器・スペースにというところでは、施設の戦略的リノベーションによるオープンラボ、機器共用等スペース創出。また、AI・ロボット技術の活用等による研究室等のスマートラボラトリ化の促進を通じた研究の効率化。また、どの組織でも高度な研究が可能な環境というところで、分散管理されていた設備についてのコアファシリティ化、共用。共用機器の見える化、外部共用化についての取組を今後も続けていくというところ。

また、大型・最先端の設備に誰でもアクセス可能になるというところで、国内有数の先端的な大型研究施設・設備の戦略的・計画的更新をしつつ、これらの戦略的に整備・共用すべき施設・設備が何なのかというところを精査した上でネットワーク化、共用プラットフォーム化していく。

また、拠点のネットワーク化、大規模学術プロジェクトについては厳格な進捗管理といったものでの促進。

最後に、技術職員というところがやはり研究基盤の運営の要であるというところを大きく今回打ち出したのは大きいところかと思っています。これはナノプラの貢献というのもあったと思うんですけれども、技術職員のエキスパートとしての組織的育成、スキルアップの促進、活躍の場の拡大というところについても今後やっていかなくてはならないというところが記載されてございます。

続いて、資料4-3-1について御案内させていただきます。通し番号12ページでございます。こちら、前回の第9期の最後のナノ材委員会の方で事務局案として作らせていただいた論点集でございまして、説明は資料させていただきますが、改めて新しく御参加されている委員の方もございますので、議論すべき論点として、米中覇権争いの狭間で日本はどう生きるのか、また、研究力向上を加速するための在り方とはどうあるべきか、特に研究設備・機器等の整備・共用について。また、AI、バイオ、光・量子、三戦略というのが今政府の中でCSTIを中心に議論されてございますけれども、こちらを踏まえての我々の立ち位置はどうあるべきか。また、ナノテク・材料科学技術のさらなる発展に向けた推進体制というところで、他機関や他府省との連携方策についても検討し、よりダイナミックかつ実行力のある高い戦略を描いていく必要があるのではないか。また、特定研開としてのNIMSの役割、大学・民間企業等が担っていく役割をどうするべきかというような話を前回御説明させていただきました。

資料4-3-2をごらんください。こちら、前回の委員会における委員からの主な指摘事項をまとめさせていただいてございます。この中ですけれども、御案内という形で再度させていただきます。総論的な御指摘として頂いたもの、中国や米国の技術覇権競争の中でどのように日本の立ち位置を守り、取組を推進していくかについて力強い戦略を打ち出していただきたい。

また、他分野との融合はもちろん、産業界との連携、関係府省間での連携など、なるべく関係者が一緒に議論する、閉じない推進体制を作ることが重要ではないか。

オープン・クローズのところでございますが、大きな方向性はオープンにしてもいいが、その中でどこをとがらせるかという点についてはクローズで戦略を作っていくというのが一番はまるのではないか。

また、産学官おのおのの役割を踏まえたグランドデザインとして示していただきたい。

さらに、材料の特性の限界がデバイスの特性の限界になっていると考えがちだが、必ずしもそうは見えていないというようなところがあり、両者の間の会話と、材料とデバイスの会話と互いの位置付けに関する議論が必要ではないか。

ナノテクの重要性について、いかにアピールするかを第6期に向けて考えていくべきではないか。どのような強みがあるのか、そして、AI、バイオ、光・量子にどうつなげていけるか、それぞれの目標の中にナノテクとして打ち出せるものがあるかどうかを考えることが必要だ。

また、もともと日本が強いけれども、しばらく忘れ去られていて、でも、産業界でも必要性が出てきているというものが幾つかある。そうしたものを重点的に投資していくことが必要ではないか。

また、共用・基盤に関する御指摘としては、ナノプラでは非常にすぐれた成果を出している。例えばバイオやAIのような人たちには必ずしも広く知られていない状況がある。こういったところは強化が必要、ナノプラがAI、バイオ、光・量子にいかに貢献できるか、今後重要になってくるのではないか。

ナノプラについて、地域性に若干の偏りがあるので、よりうまく全国の力を結集できるような形がいいのではないか。

法人機関の多くが国立の機関だとすると、まだまだ国の予算ばかりでやっているというところがあり、自律的にやっていくためにはどうすればよいかという検討も必要ではないか。

ミッションの再定義。

また、ナノプラをうまく使えば、装置のショーケース市場として活用できるのではないかといったところは特色の洗い出しも含めて重要。

さらに、7、8年で装置が陳腐化してしまうので、いつでも誰でも使えるという最先端の装置の環境整備。

あとは、ナノプラで設備を更新する際に、古い設備は高専に再配置するとかいうことで、人材育成にもつなげられるような取組ができないかというところ。また、開発した機器が売れないと、なかなかインセンティブにならないので、我が国初の機器を国が買い取るような流れというのも重要ではないかという御指摘がございました。

データ/MIに関する議論については、枠組みもたくさんできたし、手法開発も進んだが、材料のビッグデータがまだない状況であり、これを何とかしていかなきゃいけないという御意見。また、そのデータを一般に公開してもらうためのインセンティブといったもの。

失敗したデータを評価して、データを蓄積していく仕組み、失敗データは山のようにあるので、共用機器の活用も含め、それらを以下に収集するかというところもございます。

あと、どのようなデータ、クローズでよくて、どのデータは出してもよいというのを1件1件していくと、基盤にたまるデータが増えていくのではないかというところなり、今後、国の予算で購入するものについては、データの共有を前提にして、今後新たに導入する装置についてトップダウン的に決めるというのも手だと思うという御意見を頂いてございます。

また、以降、産学連携、また人材についての御指摘を頂いていますが、説明については省略させていただき、御参照いただければというところでございます。

今回、特に6月までに研究力向上の観点から研究環境等々、報告というのを求められてございますので、主に私から今、研究環境の部分についての御説明をさせていただきました。

以上でございます。

【三島主査】 御説明ありがとうございました。第6期の科学技術基本計画に論点となるであろう事項を資料を使って御説明いただきましたが、これに対して何かもし御意見がございましたら御発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。

【中山委員】 御説明ありがとうございました。昨年度の戦略策定の議論の中で、ラボ改革、共用ファシリティー、スマートラボ、技術職員、キャリアパスなど、しっかり話し合ってきました。さらに分野融合が我が国の研究開発の運営ではキーであるというようなこと、そういうことをしっかり議論してきて、反映されている部分が相当あると思いました。さらにここでそのような議論を誘導し、その最先端をインプットしていくということは大事であろうかと思います。

そういう中でナノ材のところを考えると、この分野は科学技術の最先端を広範にカバーしていると思います。分野と言ってしまいましたが、分野と思われないこと、自分たちで分野に閉じこもらないことが大切だと思います。分野のタコつぼにこもると、ナノ材の力が出ないのではないか。融合とか横断とか全体感とか、そういうことをしっかり考えた上での戦略を考えていければと思います。

途中でありましたが、例えば政府の戦略でバイオ戦略とか量子・光の戦略など、まさしくナノ材が最先端のところを担っていると思います。また、AIの話がありましたが、そのAIを支えるデバイスはナノテクそのものであり、材料や部材がそれらを構築しています。そういうこともしっかりと包含したような我々の考え方、あるいは戦略を考えていければいいのではないかと思います。

以上です。

【三島主査】 ありがとうございました。うまくまとめていただいたと思いますが、ほかにいかがでございましょうか。どうぞ。

【上杉委員】 技術職員を育成するというところは非常にいい着眼点だと思います。共用プラットフォームをもっと稼働できるものにするという点でいいと思うんですね。そういう技術職員の方々が、ドイツで言うところのマイスターのように、プライドを持ってやっていただけるような仕組みを作ることも大切だと思います。

先週、僕、中国にいたんですけれども、中国もこういうプラットフォームを各地に5拠点今作っています。先日、上海の大きなプラットフォームを見てきました。そこにはかなりのたくさんの技術職員がいて、彼ら彼女らと話をすると、プライドを持ってやっていたんです。さらに学生さんを教育して、機械の使い方を毎日のようにたくさんの人に教育しています。今までこれだけたくさんの人に教えたというのをプライドにしてやっていたんです。ああいうふうになっていると、うまくいくのかなと思いました。

【三島主査】 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。

それでは、もしないようでございましたら、今のお話の中で幾つかの具体的なお話についてヒアリングを2つお願いしたいと思います。まず、先ほども申しましたが、ナノテクプラットフォームですね。これの展望調査ワーキンググループの報告書の概要について、田沼様及び永野様から、そして、NIMSにおける研究環境の向上に関する取組について、宝野委員から御発表を頂いて、それについてまた御意見を伺いたいというふうに思います。

御発表は2つ続けてしていただいて、その後で議論をしたいと思いますが、では、まず、ナノテクノロジープラットフォーム展望調査ワーキンググループの報告書の概要を田沼様と永野様から頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

【田沼センター長】 ナノテクノロジープラットフォームセンターの田沼でございます。きょうはこのようなタイトルで概要を報告いたします。

始まる前に、きょうは報告書の方が通し番号の35ページの方から出ておりますので、適宜、御参照ください。

まず、報告書ですけれども、2ページ目は、ここにきょうの報告の概要というか、要旨を示してあります。要旨だけではなかなか分かりませんので、この前に報告書の目的をクリアにしておきます。

まず、報告書の目的ですが、ここにありますように、我が国の先端共用・技術プラットフォームの展望と課題を、ナノテクノロジープラットフォーム事業の実績と経験に基づいて、1点目は現在までに達成されていること、あと、解決しない問題、それから今後取り組むべき課題、それから将来に向けてどうすべきかということの、ここにありますように、活動の実績、成果に関するエビデンスの収集・分析を行って、明らかにすることを目的として、このワーキンググループを作っています。

実際に、どういう結果が出たかというのは、また戻りますと、大体ここなんですけれども、きょう、ここでトータルの要旨を述べまして、その後に個別の話をしたいと思います。

1点目は、ナノテクノロジープラットフォームの存在でどんなことが達成できつつあるかということを言いますと、一番大きいのは、ここにありますように、施設・装置の平等な利用機会が実現しつつある。これによりまして、研究者の方々は装置の保有とか管理から解放されて、研究に使う時間が増える。

あともう1つは、ナノテクプラットフォームの存在によって、知と装置の有機的なネットワークができまして、非常に優れた研究ができる環境ができている。あと、先ほどから議論がありますように、高度な技術を持った支援人材が各プラットフォームに配置されまして、研究方法が変わってきています。すなわち、装置の利用意識が研究者の方々で変わってきておりまして、ここにありますように、装置、技術、議論といっても、これは装置を使う技術のことですけれども、こういうことを持っていない研究者でも先端的な装置とか、専門知識がなくても分野が違った人が来ても、先端設備を使って研究できる体制が構築されつつあります。

そうは言いながら、問題点もあります。一番大きいのは、1つは、いろんな分野で対応できるといっても、バイオ、AIとか光・量子とか、いろんなジャンルでサービスが広がっていますので、なかなか全部の対応は難しい。その1つの原因には、プラットフォームの装置群が、1つは時間がたってきて老朽化が進行しています。あともう1つは、これも高度な専門性を持った技術人材が、これも年々高齢化もしておりまして、こういう人を育てて、恒常的に全機関に配置することが困難になっています。これが問題点。

実際にどういう課題として考えるかといいますと、ここにありますように、先端設備・装置の戦略的な導入とか、あと既存設備の高度化・更新しなきゃいけないので、こういうことをどうやっていくかということが課題です。

あともう1つは、先ほどの専門人材に関連するんですけれども、技術の専門性に関するインセンティブ、それからあと処遇の改善、キャリアパスの構築を考えていくことが課題です。

我々が調べたこのようなことから将来どっちの方向に向かっていくかということを考えますと、将来は日本全国のカバレッジ性を考えて、分散的、ネットワーク的な配置にした方がいいだろうというふうに考えました。それには、中核的なハブ機関、これはフルセットの設備を持ったところと、あと、各地の機関が持っている特徴的な技術を有した機関と連携をするようなハブ&スポークのプラットフォームがいいんじゃないかということを考えております。これにより課題解決が最短化する。すなわち、研究力が向上するというふうに考えています。

あともう1つは、これは先ほどの繰り返しに近いんですけれども、長期的な視野に立ちまして、先端設備、装置の戦略的な導入、既存設備の高度化、更新、それから高度専門技術者支援人材の安定的な確保が必要である。

あともう1つは、上には出てこなかったんですけれども、ここにありますように、施設・設備、技術、成果の各情報をデータベース化して、プラットフォーム内で共通的に運用することも非常に重要だろうということを結論としています。

続きまして、少し各論を申し上げますと、これが我々の活動実績なんですけれども、左側が投入資源です。右側が主な成果になっております。実際に投入資源といたしましては、実施機関が大体37法人。運営資金が年間で約45億円程度ですね。あと、人員の方が大体850名、そのうちの約60%が支援職員ですね。装置の方は約1,000台。これを使いまして、いろんな支援業務をやって、あと上の方でいろんな委員会とか会議を行いまして、このような成果を挙げております。これはちょうど平成24年から29年までですけど、支援の成果は1万6,000件程度、年間大体3,000件ですね。あと、企業の利用が30%、利用者人数は約2万名ぐらいになっています。

それから、これが成果で、これはアウトカムなんですけれども、これ、ユーザーが書いた論文数としては約5,500強。あと、特許出願が490強となっております。

あと、これは先ほど申し述べました装置利用の意識改革を説明したものです。報告書のページが29から30ページですけれども、ちょうど30を足していただきますと大体そのページになります。

これは1つは、我々が装置の平等な利用機会が実現したと言っているのは、エビデンスで申し上げますと、1つは装置の共用率が50%を超えていること。すなわち、装置を導入した期間の半分以上の時間が共用に使われています。それから、企業の利用率が3割と非常に高いこと。あとは、利用者アンケート等を見ましても、90%以上の満足度があります。ということで、ほぼ使いたい人が使えるような平等な機会を作ったというふうに考えています。

ここにありますように、装置保有、管理から研究者が解放されまして、少ない研究費で研究が可能になってきています。このいい例は、特に若手利用者、20代、30代が装置利用の約50%を占めておりまして、若い研究者がたくさん使っていることからこういうことが実現されているというふうに考えています。

あと、3番目、知と装置のネットワークにつきまして、これは3PFが有機的に結合しておりますので、非常に広い分野で相談に応じる体制ができています。あともう1つは、先ほど言いましたように、高度な支援をサポートする技術者、研究者が全国に配置されています。こういったことから、装置改革の意識改革が実現しつつあるというふうに考えています。

1つは、2番目は専門技術者の人材育成ですけど、これにつきましては非常にいろんな教育プログラムを行いまして、教育をするとともに、あとOJTでやっています。その結果、どんなことが起こってきたかというと、非常に高度な専門性を擁する技術者が増えてきまして、彼らの持っている技術レベルを評価、審査した上で、我々はエキスパート、高度専門技術者、それから専門技術者という職能名称を付与しております。平成30年度末までに約166名、全体の3分の1ほどがこういう名称を得ています。これは名称を単に与えるだけじゃなくて、この名称を持っている、確保するためにはどういう勉強をしなきゃいけないかということもクリアにしています。

あと、下の方の2つ、技術研修につきましては、企業の方も大学の方も一緒に研究する体制を取っております。それから、技術スタッフ表彰を行いまして、これで最優秀賞とか、こういうような賞を作りまして、インセンティブ付与をしております。

あと、これは結果としてアウトカムとして出た研究がどういう形になっているかということを示したものですけれども、1つは、非常に多い論文数と特許数が出ております。特許とか論文等もほぼ大体こういう件数で推移しています。このように、ネットワークができたことから、産業界からの利用も増加していまして、ユーザーから多くの特許が出ています。それからあとは、実用化に至った例もたくさんありまして、ここに示しますようなものが実用化されています。

次に、これが事業としての投資効果を説明するものです。ナノテクプラットフォームの最大の投資効果というものがここにありますように、装置と技術を持たない研究者が先端的な装置と高度な専門技術者の支援を受けて、最先端の実験を実施できることです。簡単に言いますと、要するに、ユーザーがアイデアさえあれば、ナノテクプラットフォームのネットワークに乗って、先端装置を使って、あと必要な知識とか技術を専門家から得ることによって実験ができて、すぐれた研究成果、それから技術移転も可能になります。それであとは技術の習得をすることもできます。

特にその2つ、技術習得と異分野融合につきましては、これはユーザーだけではなくて、ここで実際に支援を行っている技術者とか研究者も結局、違った分野の技術習得とか、いろんな知識を得ることができますので、これは非常にいい関係になっています。

こういった投資効果のうちから、きょうは代表的なものとして2つ、1つが、ユーザーが獲得する研究開発成果のレバレッジ効果、もう1つが、ユーザーにとっての研究資源のレバレッジ効果について御説明いたします。これが、ユーザーが獲得する成果のレバレッジ効果です。要するに、これはナノプラットの存在なしには得られなかったであろう研究活性化の事例を示したものです。ここに3つ挙げました。

1点目が、これは次世代ガリウムショットキーバリアダイオードの開発です。これは、酸化ガリウムを作るのが難しいということと、あともう1つは、やっぱりシリコン系をやっているところですと、酸化ガリウムとかは余り入れたくないということで、なかなか難しいことでした。これはユーザーの方からの依頼を受けまして、複数のナノプラットフォーム機関でもって、これを分担してやって、こういうものを実現しました。これによりまして、現在では酸化ガリウムのパワーデバイスの本格普及が大きく前進しています。

2点目は、これは大学からの要望だったんですけれども、高温でも使える光で剥がせる液晶接着剤の開発、これは仮固定をするためのものです。その仮固定をするのに詳細なメカニズムを知りたいということで、ナノテクを使いまして、要するに液晶材料ですので、いろんな形態を取るので、それでもって光液化材料を用いた仮固定接着という技術を大きく進展することができました。

あと、3番目が鉛フリーハンダなんですが、これは、鉛フリーハンダは非常に開発されていますけど、なかなか実用化といってもそれほどすぐれたものはない。そこで、このユーザーは有限会社ナプラですが、ここでは非常にいいものを作ったんですけれども、大手企業で採用してもらうためにはどうしても、どうしてその材料がいいかということを知らないといけないということで、これはナノプラに相談に来まして、電子顕微鏡等を駆使しまして、この鉛フリーハンダのどこがいいかということを解明しました。これによりまして、量産化体制を整備して、現在では実用化が進展していまして、国内外の大手企業でも採用に向けた評価が進んでおります。こんなことをやられています。

次が、これはナノプラット利用における研究資源のレバレッジ効果です。これ、どういうふうに考えるかというと、要するにユーザー自身が自分で装置を買わなくても最先端の研究ができる。これの経済効果を研究資源のレバレッジ効果というふうに考えています。1つは、これがナノプラの、ここにありますのが利用料、15万5,000円というのは、これは平成24年から29年の1件当たりの価格です。大体15万5,000円で、これで13日ぐらい実験をやっています。

それに対して、もし装置をユーザーの方が買ったらどういう費用が発生するかということをナノプラの方のデータを使って考えてみます。1つは、装置から得られるユーザー便益ですけれども、これ、単に装置を買って、たった10日間のためだけに買って使って、捨てるのはちょっと考えづらいので、そうではなくて、要するに装置を買った価格、それに、あと10年の減価率を考え、それから装置をいろんな事業にも使うでしょうから、そのうちの共用率を実績値の50%を考える、あと、利用期間は6年間ということをいろいろ考えますと、得られる金額がナノプラ1件当たり大体110万円強になります。

あともう1つは、もしこのユーザーが装置を買ったとき必要になるものは、要するに関連した知識とか技術的サービス、それから装置の維持管理の費用が必要である。こういうものはどのくらいの金額になるということをナノプラットの運営経費から推定すると、大体110万円ちょっとになります。

両方を足すと大体225万円ということで、もしナノプラを利用すると、彼らの払っている15万5,000円というものは実際には200万円以上の価値があることになります。したがって、投資効果としては大きくて、大体15倍程度のレバレッジ効果があるというふうに考えることができます。

次が、先ほどのまとめでいきますと、現状の問題点と課題なんですけれども、ここにありますように、問題点といたしましては、ユーザーニーズの広がりからなかなか新しい技術領域への対応が難しくなっています。あと、先ほども述べましたように、あとはプラットフォームの装置群が老朽化や陳腐化が進行していて、最先端と言うには少し躊躇する状況になっています。

あと、ここにありますように、そのときの問題では、新たに開発された装置をなかなか技術と装置を同時に導入することが困難な状況になっています。こういうことが現状の問題です。

課題といたしましては、これをクリアにするために、1つは、戦略的な先端設備・装置の導入とか、既存設備の高度化・更新が必要です。あともう1つは、高度な専門性を備えた技術者の存在が不可欠です。あともう1つは、ここにありますように、新規な特殊装置を将来的なスタンダードとして育てるような普及施策が必要です。こういうことが非常に重要です。

あと、ここにありますように、これはちょっと自己反省もあるんですけれども、利用課題が非常に広がっていますということで、技術領域を横断したサポート体制、現在でも作ってはいますけど、それをもうちょっと強固にして体制の再構築をしないと、なかなか全部の技術をうまく使うことができません。

あともう1つは、先ほどから出ていますように、地域性を考慮した技術・設備の配置が課題です。

あと、技術の専門人材の方ですけれども、これにつきましては、先ほどから言いますように、問題点は、人材を恒常的にプラットフォームに配置することが困難になっています。これは理由としましては、ここにありますように、人事制度の問題、あと財政上の問題でなかなか確保が難しい。あと、同時に起こってきているのは、技術者の保有する高度技術やノウハウの継承性が必要です。要するに、技術者が減ってきて、すなわち高齢化していますので、こういうことをしなきゃいけない。

その次は一緒です。

要するに、あともう1つは、安定的な雇用を考えたときには、任期付きの雇用では10年間いえどもちょっと困難な面が出てきています。

課題といたしましては、要するに、ここにありますように、研究環境を支える人材が担う仕事が魅力ある仕事になるようなことを考えなければいけません。ということで、ここにありますようなことが必要だというふうに考えます。

あと、それから、どうしても今、人間に付いている技術的知見をもうちょっと有効に見える形にしないといけないということが課題です。

これが最後の今後の施策設計に求められることですけれども、ここにありますように、ナノテクノロジーは元来科学技術の基盤技術なので、ナノテク専門の研究者だけではなくて、幅広い研究者へ最先端の基盤的技術を適用することです。したがって、非常に幅広い分野、ここに示しましたけど、に使われますので、研究分野を、研究開発を支えるエンジンです。したがって、こういう、実際にはIoTとかAIとか、それから光・量子を支えるような分野を広くカバーすることが求められます。

そこでまた大事なことは、ここにありますけれども、要するに、こういう3分野を我々やっていますけれども、こういう分野が個別にあるのではなくて、ユーザーのニーズに応じてこれを全部知財に統合して、総動員できるような運用体制を作ることが重要だというふうに考えています。

実際にはどういう運用体制がいいかということを考えますと、1つは、全国各地のカバレッジを考えますと、こういう分散的ネットワークが要る。この1個の丸の中にこういうようなフルセットを持った中核機関を置いて、あともう1つは特徴的な技術を持った、装置を持った機関を置いて、これをグルーピング化して日本各地に置く。それを全部統合する形でワン・プラットフォームとして運用して、知識とか技術の蓄積・共有というものが全部で一体化していく。なおかつ、こういうようなことを作って、既存の研究組織とは非常に近くにあるんですけれども、密接に関連しながらも分離した形がいいんじゃないかというふうに考えられます。

その次が技術専門人材関係ですけれども、1つは、ここにありますように、非常に高度な技術を持った技術者が不可欠です。しかし、なかなかそうはいっても雇用が難しいので、もう少し中長期的な方針を持って雇用・育成することが必要です。雇用だけじゃなくて、育成も非常に必要になってきます。要するに、求められていることはスキルアップとかキャリアパスモデルをクリアにして、これがいろんな人から選ばれるような仕事、魅力的な仕事になるような施策が必要です。

あともう1つ、情報共有につきまして、これは非常に重要ですけど、なかなかこれは難しい問題があります。これは1つは、こういうことを考えますと、施設・設備、技術、成果の情報をデータベース化して共通的運用して、第三者の利活用にできるような形にする。一言で言うのは簡単ですけれども、なかなかこれは難しいことです。あと、そのためにはいろんなストック、知と技術のストックをちゃんとして可視化しなきゃいけない。

あともう1つは、これはなかなか難しいんだけど、先ほど特許ともつながるんですけれども、要するに、ユーザーが来て、研究をやります。その研究をやった結果、進展をどうやって追跡するかが重要です。その場合、結局、ユーザーの負担なしに収集するシステムを作っておかないと、なかなかこれをすることができません。これをすることは事業のPDCAサイクルを回すのは非常に重要なファクターになります。

あと、これが最後ですけれども、施設と設備の戦略的な更新です。ここにありますように、地域や技術の蓄積を中長期的視野に立ちまして、戦略的な設備配置と技術の世代更新を考えたようなことを実現する財政的戦略が必要です。ここにありますように、汎用設備も重要ですし、新しい設備も重要です。

あとは、実際の運営について言いますと、ナノプラットを運用してきた実績と経験から、ここにありますように、公的資金、利用料収入、各参画法人の運営費交付金等の三種の財源で賄うことができる限界値は、プラットフォームの実用的なオペレーションコストまで、すなわちここで分かりますように、人件費とかメンテナンス費、消耗品、光熱費とか、こういうような形はカバーできますけど、これを超えたような戦略的な装置を更新するためには別途、資金戦略が必要だというふうに考えられます。

次のページからは、まとめになりまして、これは今まで述べたことですので省略したいと思います。ここにありますように、これは実績でありまして、この次が、まとめの2ページ目が、我々が将来の施策に対して示す展望でございます。

以上です。

【三島主査】 どうもありがとうございました。それでは、永野POもお願いします。

【永野PO】 ありがとうございます。ナノテクノロジープラットフォームのPOを承っております永野でございます。

今回、この事業を運営するPD、POそれから参事官、この3者を運営主体と呼んでいるんですが、このPD、PO、参事官から事業の現場、採択機関の皆さんに対して、実績、エビデンスベースでワーキンググループとしてこういった調査報告書をまとめてほしいという依頼をしました。この調査報告書の本体が、この資料の次に約70ページ相当で続いておりますので、是非この報告書本体をごらんいただきたいと思うんですが、そこから分かったことは大きく3つあると私考えております。

1点目は、外部環境が大きく変化しているということなんですよね。すなわち、技術の進展、変化の速度、こういったものと社会・産業イノベーションというのは一体不可分になっている。この傾向はより一層強まっているわけですよね。そういう中で、きょう、最初の方で高橋補佐や局長からも御紹介ありましたけれども、今、世界の技術覇権争いとか、セキュリティーとか、そういった中で我が国がどうしていくか。ここで、我が国の貿易収支なんかからも明らかなように、ナノテクノロジーや部材、デバイス、半導体、そういったものの強み、価値というのはもはや生命線になっているわけですよね。それを今後も価値創出を続けるような研究開発プラットフォームの在り方というのが極めて、これからどう打ち出していくのかが重要になってくる、これが1点目です。

2点目は内部環境の変化。これは研究力が我が国相対的に低下しているという議論の中で、全国の研究力、研究環境というのは疲弊している状況なんですよね。それはなぜかというと、研究開発投資の総額が停滞する中で、研究開発のコストというのは上がっているんですよね。したがって、どうしても疲弊が進む。研究開発人材の数としても、これは人口減少に伴って、研究開発人材のキープができなくなっている。

したがって、最近、非常に大型の研究資金プロジェクトの制度というのは出ているんですが、これはかなり局所的なものですから、どうしても全国の研究基盤、研究環境という意味では、格差が進み、疲弊が進んでいる。そこに対して、こういったプラットフォームの存在というのは、最先端の研究は装置依存が進んでいたり、高度な専門技術への依存が進んでいますので、一層増している。すなわち、プラットフォームのような研究環境の存在が一層増している状況にあるんだというのが2点目です。

最後が3点目なんですけれども、このような先端装置、技術、それから専門人材を集積してプラットフォームとしてネットワーク化したもの、こういうものはやはり新しい融合を促進して、研究成果の生産性や効率を最大化する切り札なんだろうということがはっきりしてきたんじゃないかと思うんですよね。

それは今までの研究開発投資というのを考えると、どうしてもどんな成果が何件出たんですかとか、きょうも議論ありました。特許はどれぐらい出たんですかとか、どんな製品化されたんですかとか、そういったフロー重視の評価に終始していたと思うんです。しかし、ここで見なくちゃいけないのはストックの評価なんです。きょう、最初の方の議論で加藤委員からも指摘がありました。知恵がどれだけたまって、その知恵がどれだけ活躍に貢献するのか、これってすなわち、これから何かを解決する力がどれだけ高まっているんでしょうか。こういうものをストックとして評価していく。こういうことが大事なんじゃないか。

これが我々のナノテクノロジープラットフォームでまだまだ小規模です。全国の研究基盤からすれば、この活動は極めて小規模なんですけれども、かなりシャープに明らかになってきたんじゃないかなと思いますので、それを次なる施策では大きく展開する、あるいは他分野にも展開していく、そういった議論へつなげていただくことが大事なんじゃないかというふうに思っております。

以上です。

【三島主査】 ありがとうございました。大きくこのプラットフォームの意義のようなことを3点にまとめてお話しいただきまして、ありがとうございました。

それでは引き続きまして、もう1件、やはり研究環境の向上に関するヒアリングをさせていただきたいと思います。NIMSの宝野委員からどうぞよろしくお願いいたします。

【宝野委員】 それでは、研究環境の向上に関するNIMSの取組を紹介させていただきます。

まず、研究環境ですが、研究インフラ、人材、研究費というふうに、モノ、ヒト、カネというものが備わって研究環境が整ったということが言えると思います。きょうはこの順番で1つずつ、我々の取組を紹介させていただきたいと思います。

まず、先ほども議論がございましたが、材料情報統合型研究開発というのが非常に重要になっております。NIMSとしましては、これに対して革新的材料開発強化プログラム、M-Cubeと呼んでいるものに取り組んでいます。

このM-Cube、3つのMというのはどういうものかといいますと、まず、マテリアルズ・オープン・プラットフォーム。これは従来、競合関係にある企業がNIMSが用意したプラットフォームにお集まりいただいて、その中で今後のイノベーションに対してどういった基礎研究が必要かということを議論していただいて、そういった共有できる基礎研究をNIMSで実施していくというものです。現在、化学MOP、鉄鋼MOPの2つがございまして、特に化学MOPでは、後ほど紹介しますマテリアルズ・インフォマティクスを活用した材料開発というものに取り組んでおります。

それから、世界中のヒト、モノ、資金が集まる国際研究拠点ですね。これをマテリアルズ・グローバル・センターというふうに呼んでいます。特に取り組んでいるのがセンサ・アクチュエーター研究を中核にした拠点なんですが、世界中の人材をここに集めて、Society5.0につながるセンサ・アクチュエーターの開発を進めていくという仕組みでございます。

3つ目のMはマテリアルズ・リサーチ・バンクというふうに呼んでいまして、データベース、知識、知恵、技、モノを集約させるネットワーク化するというものですね。それで、特にこの中で重要なのが材料、データを使っていく。それから、各地方の大学を結んだネットワーク、知のネットワーク、これは人の動きを示しているんですが、それから、先ほどもございましたように、最先端の装置を保有、維持して共用化を図る、こういったアクティビティーですね。この3つを称してM-cubeと呼んでおります。

その中で特に重要な、この材料情報統合データプラットフォームについてさらに詳細を説明させていただきたいと思います。これは背景としまして、NIMSには古くからクリープデータシートとかいった構造材料に関する膨大な信頼性の高いデータがあるんですね。こういった世界最大級の材料データベースを活用した産学官協働によるデータプラットフォームというものを構築していく。単にデータを集めるんではなくて、ひらめきと勘に頼っていた材料開発から、こういった信頼性のあるデータを基に、計算科学・AIを用いて効率的な新規物質の探索・革新的材料開発につなげようという仕組みです。こういうものを構築しているわけです。

それで、今後、こういったものを整備して、どの方向に向かっていくかというと、スマートラボラトリですね。なぜかといいますと、少子化によりまして研究の担い手が不足しています。そういった中で材料科学の国際競争力を維持していくためには、実験効率の向上に向けた革新的な手法開発が不可欠になってまいります。そのために、先ほど申し上げた材料情報統合データプラットフォームを活用し、ここにAI、IoT、ロボット技術を研究現場に導入し、良質のデータを大量に生産、材料開発を行うスマートラボラトリというものを整えていくものです。

ですから、NIMSの未来の姿というのは、スマートラボラトリ化された効率な研究を行っていく現場を持っていくというふうになっていくと思います。それをスタートするために、本年度、先ほど申し上げたMaterials Open Platformの科学の中で、スマートラボ化の試行的取組を開始します。

それで、この状況を見ながら、2020年にNIMS内に本格的にスマートラボラトリを展開していこうと考えているところです。

それから、インフラ整備の1つとして、常に最先端の装置を整えていく必要があるというミッションがございます。これ、せっかく最先端の装置を導入しましても、5年ぐらいで陳腐化していくわけですね。ですから、今、装置を保有することにどれだけの意義があるかということで、新しい試みとして、JEOLと共同で、NIMSがJEOLの最先端の装置をリースしました。それで、使用する企業とか大学の先生方に利用料を支払っていただく。それで、利用料をシェアしながら、この設備の整備、支援、そういったものをNIMSで行っていく。これによって最先端の装置を利用できる環境を整えていく試みです。これをさらに進めたのが、コンソーシアム運営型のサービスです。これは、3次元アトムプローブの設備が始めたんですが、NIMSは3次元アトムプローブの研究で世界最先端、トップレベルの実績を持っておりました。そういうことで、CAMECAという装置メーカーが、ここに装置を置くといい宣伝になるということで、3億余りの装置をNIMSに持っていきまして、彼らがコンソーシアムを形成して、いろんな企業、大学の先生方に使用料を払って使える環境を始めました。このメリットは、NIMSと研究成果を共有する必要がないということなんですね。ですから、鉄鋼メーカーの方々がたくさん来られて活用しておられます。

一方で、NIMSにはどういうメリットがあるかというと、そういうコンソーシアムで使う外部利用は75%、NIMSは25%無償で使える権利がございます。ですから、我々の研究活動や、あるいは共同研究の場合は無償でこの枠を使ってやっていくということで、自己資金に頼らず、常に最先端の装置を導入、運用していく。それから、こういった活動を通じて、やはり研究者の協力が必要であるということになれば、新たな連携パートナーとの出会いの場としても使えるという仕組みです。

それから、NIMSにはいろんな装置があるんですが、先ほど議論があったように、やはり日本人の研究者というのは装置を抱えてしまう傾向にあるんですね。これを打破して、効率的にNIMS内の装置を共用させるために、技術開発・共用部門が管理する共用設備の課金制度を始めました。これは、もう名前だけの課金ではなくて本格的な課金でして、これによってコスト意識を導入して、効率的な装置運用を図る。ただですと、無駄に装置を占有されてしまう。占有というか、予約だけされてしまうというようなことが起こります。課金制度に伴い、共用設備の利用料金を支援する制度を設立。これはなぜかというと、そういった競争的資金を取ってこれない研究者がずっと共用装置を無料で使っていた傾向がある。

ただし、そういった研究者の中には非常に質のいい基礎研究をやっている研究者がいますから、そういった研究者には、こういう研究に共用装置を使いたいというプロポーザルを出させて、その費用を支援する仕組みです。

次に、人材について話させていただきますと、我々、技術職員の地位の確立が非常に重要であると考えておりまして、エンジニア職というのを持っております。エンジニア職は、分析・加工、特殊設備の維持管理とかデータプラットフォーム業務です。これは高い専門性が必要です。それから、データサイエンス、IT技術を持った人材を安い給与で引っ張ってくるというのは不可能です。それから、アウトリーチ活動の必要な広報など専門的業務に従事する者をエンジニア職として雇用しています。

NIMSのエンジニアは研究職と全く給与体系が一緒でして、優秀なエンジニアは最終的には研究職のトップの給与まで到達できるということです。それから、キャリアパスとして、エンジニア職でもプラットフォームとか、あるいは部門のグループリーダーに登用していけるようなシステムも持っております。

有名なエンジニアの1人が元NHKディレクターで、最近、「まてりある's eye」など、ユーチューブを通して大量に材料のアウトリーチ活動を行っています小林広報室長です。彼はエンジニアで、トップクラスのエンジニアです。

それから、優秀な研究人材の獲得として、やはりNIMSというのは大学ではありませんから、下から自動的に上がってこない。ですから、多様な人材獲得ルートを設けております。例えば、NIMSは設備があっても学生がいない。ですから、若い力が不足するところをカバーするために、筑波大、北大、九大、早稲田大学と連携大学院というものを行いまして、NIMSの研究者の指導の下で学位取得が行える。日本の大学院制度の最大の問題は、大学院生の労働に対して対価を支払ってないですね。こうして大学院、あるいはインターンでNIMSを見て、NIMSで大学院、学位取得をやりたいという学生さんはNIMSジュニア研究員というもので雇用して、NIMSの研究業務に対して賃金を支払っています。博士課程の学生に対しては、おおむね19万円です。修士でも、外国人であれば自活した生活が行えるような額を渡しております。その中からポスドクに応募する人もいるし、外からも来ます。それから、特徴はICYS研究員、これ、シニアポスドク制度で、テニュアトラックの1つなんですが、国際的にシニアポスドクフェローシップを設けて、世界中から若手の人材を集めて、実績として、この3分の1から半数ぐらいが定年制職員に上がっていく。こういったキャリアパスがあるわけですね。こういったシステムを通して、国内外の優秀な若手研究者を多数受け入れ、人材育成、頭脳環境の両面で貢献していこうというシステムです。

このICYS研究員のシステムですが、実はNIMSの高被引用度論文を調べてみますと、その45%程度がICYS研究者の貢献であったことが分かっております。ですから、研究の活性化に非常に役に立っているということです。こういったことで、多面的に人材を確保するために、様々な大学との連携大学院、それから、最近は東京大学、東北大学と組織的なクロスアポイントメントを進めております。

さらに、博士課程の間、1年間NIMSに来て、研究ができるという制度です。それによって、ドクターを海外の大学の教員とコスーパーバイズするシステムで、国際連携大学院という制度も持っております。

それから、連携拠点推進制度というのを設けておりまして、地方の大学から、大学の先生と一緒に学生さんにお越しいただいて、NIMSの設備やNIMSの研究者と一緒に共同研究を行っていただくシステムも作っております。応募数145件、119件を採択しておりまして、先生は2日ぐらい研究の打ち合わせ、大学院の学生さんは、例えば、年間100日とか200日とか滞在して共同研究を進めていただくというシステムです。

研究費に関しましては、自由発想研究を支援するために、我々、自由発想研究支援制度というのを昨年度から始めております。これは何かといいますと、NIMSというのは国の研究機関ですから、組織ミッション、プロジェクトに携わるエフォートを50%として、やはり研究者の質を上げるためには自由な発想による研究も必要、ボトムアップの研究も必要。そういったものは基本的に科研費等で行っていただくわけですが、NIMSというのは学生もいませんし支援者もいませんから、科研費、大学の教員と比較すると、同じ額を受け取っても、なかなか研究が進捗しない。それを補完するために、こういった自由発想研究を加速するために、科研費に採択された課題については研究加速ということで自由発想研究支援プログラム。それから、残念ながら不採択でしたねというものについては、さらに提案力を強化しましょう、基礎データを取って、次年度採択されるように提案力を強化しましょうというプログラムを設けております。こういったことで、各研究者の自由な研究をサポートするシステムです。

その他の取組としましては、ベンチャー立ち上げの奨励ですね。これ、本年度、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律が施行されましたので、この法律に即して、ベンチャー企業に直接NIMSが出資できるシステム、それから、人的・技術的支援を自己収入から1億円を用意して支援していきますという制度です。

出資に関しては外部機関に委託しまして、デューデリジェンスと呼ばれるものですね。出資にふさわしいかどうかというのを第三者に評価していただく。それで、ベンチャー企業を行った場合に、例えば、50%の時間しか使えない。それによって、NIMSのエフォートが50%になると給与が減りますよということになると、なかなか専念できませんから、50%エフォート分の給与を上げることによって、ベンチャーで50%使っていても給与が減らないシステムを構築しようとしているところです。

こういった方針の下、現在、NIMSにはこういったベンチャーがあるんですが、このうち6社、サイアロンとか有名ですが、こういったものがNIMSベンチャー認定企業として動き始めております。

以上です。

【三島主査】 どうもありがとうございました。いろんな研究環境をよくする取組の実例を随分挙げていただきました。ありがとうございました。

それでは、2つの発表といいますか、ヒアリングに対する御質問、御意見がございましたら御発言いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【加藤委員】 まず、ナノテクのプラットフォームの内容を拝見しまして、二、三質問があるのですけど、まず、ユーザー数というのは、使う人の数ですね。これはもう十分な数なのか、もっと増やしていきたいのか、その辺のところを、地域的な問題とか指摘されていましたけど、いかがでしょうか。

【田沼センター長】 ユーザー数が、2万名というのはきょう示しましたけれども、これはダブルカウントしないユーザーになっています。だから、実際にはもうちょっと多いんですけれども、あと、現在、年間3,000件程度支援しています。それが大体マックスに近くなってきていますので、ユーザー数を増やすのはちょっと難しい。

【加藤委員】 もう大体これで目いっぱいであるということですね。

【永野PO】 このユーザーの規模感というのは、実はこの事業の運営規模と完全にマッチしているんですね。これ、どういうことかというと、今、もう最大限ユーザーを受け入れて、年間3,000件、延べ2万人のユーザーを受け入れている状況なんですね。今のプラットフォームの提供サイドの規模からすると、今、限界まで受け入れてこれぐらいなんです。つまり、ユーザーというのは、潜在ユーザーはもっともっといるんですが、今の提供規模からすると、最大値までもう飽和している。ということは、ユーザーのリクエストというのはまだまだあるんですが、それに応えるだけの人的リソース、時間的リソースが既に飽和してしまっている、こういう状況です。

【加藤委員】 分かりました。それで、内容などが飽和したときにナノテクプラットフォームの技術のレベルを上げたいとかそのような時に、今回の発表の中で私が無いなと思ったのは、例えば、学会などとの連携という言葉がないのですね。つまり、1つ、公益あるいは一般の社団法人で学会という専門家集団があったときに、そういうところで連携していくとか、そういったことは無いのでしょうか。つまり、人材、それはユーザーの問題もあるし、人材確保の問題もあると思います。、例えば、こういう技術的な仕事があるということは余り知られてないと思うので、学術的なところで様々なプレゼンスを示すことによって、そのような重要な技術的な仕事の存在を、学会、国民レベルで知ってもらう、そのようなことについていかがお考えでしょうか。私はやった方がいいと思うのですけど、今、学会の会長を務めているので、連携という立場からいかがお考えかというのをお聞きしたいのですけど。

【田沼センター長】 学会とは確かに直接やってないんですけれども、例えば、Spring-8が関係したような、あれは学会とか、共用に近いところとは一緒にやっています。あとは、アメリカのNNCIとかそういうところとは、同じような側面を持ったところとは交流しています。

あと、もう一つの問題点は、結局、ここの専門技術人材はナノテクプラットフォームで雇っている限りは、センターというか、全体としては学会に行くことは奨励はしているんですけれども、地方の機関によっては、なかなか時間的余裕がなくて行けないというのが現状です。そういう意味で言うと、もし支援人材を学会等で交流させるのであれば、それをやっても仕事が回るようなシステムをもう一回作らなきゃいけない、少し人間を増やす必要がありますよね。

【永野PO】 大変重要な御指摘だと理解しています。人材の議論に関しては2つのポイントがあって、1つは研究系の人材なのか、技術のプロフェッショナルとしての人材なのかと。この両者が、プラットフォームの提供サイドにもユーザーサイドにもそれぞれ2種類ずついらっしゃるわけですね。研究系の人材は、つまり、研究者としてのキャリアを構築していく中で、プラットフォームを介してサービスを提供するような研究者もいれば、ユーザーとして研究者が使いに来るという両方いるわけですね。こういう方々に対して、学会を通じて、こういった活動をやっていますよ、こういう場があるので是非使ってください、あるいは、ここで一緒にやりませんかというような活動は、一定程度進めてきてはいます。まだまだ十分ではないことは認識しています。

問題は技術者の方なんですね。技術者の方は、やはりキャリアの確立、なかなかしていないので、どうしていったらいいかというのは非常に難しい問題ですね。時限付きのプロジェクトでやっている限り、どうしても限界がある。すなわち、あと何年しかこの制度ってないんですよねという中で、ここに就職しようというわけになかなかいかないですし、どうやってプロフェッショナリティーを持った人材が確立していくのかというのは、やはりこういった事業に参画いただいている法人の中で、研究者のテニュアな方と技術者のテニュア、先ほど、宝野さんからもありましたけれども、そういったところを両方で解決していくようなことを考えていかなきゃいけない。そのときには、学会組織もそうですし、あるいは技術系のいろいろな財団であるとかスキームであるとかとも連接していくことが大事だと思っていますし、最近起きているのは企業との人材のやりとりなんですよね。すなわち、企業からこういう場で働きたいという方も中にはいらっしゃいますし、あるいは、この場で働いていらっしゃった技術者が企業に転職していく、こういうことも徐々にでは起きているんですけれども、まだまだ事例ベースなので、これを総体としてベースアップしていくにはどうしたらいいかということで、大変重要な御指摘だと受け止めました。

【田沼センター長】 一言忘れました。学会との交流という意味では、確かに支援者、専門支援の方々が、学会といったらそれほど多くないんですけれども、逆に学会に展示したりして、ユーザーに対してユーザーを紹介ということで言いますと、応用物理学会とか日本化学会とか、あとはたくさんの学会に出展はしています。

【加藤委員】 分かりました。ありがとうございます。

【三島主査】 ほかにございましょうか。
どうぞ。

【上杉委員】 プラットフォームの技術職員の話で、選ばれる仕事にするというお話がありました。そこで私、こういう考え方もあるんじゃないかなと思ったんですね。それは、教育という視点なんです。2つあります。1つは、技術職員の方々にやりがいを持っていただく方法として、教育にもっと貢献していただく。もちろんセンターの研究に貢献しているというやりがいもあると思いますけれども、それ以外にも教育に貢献しているというやりがいを持ってもらう。教育というのは非常にやりがいのある仕事だと僕は思っているんです。人は教えるのが好きな動物です。教育にもっと貢献できればいいんじゃないかなと思うんです。

もう一つの点は、今、大学ではティーチングファカルティとリサーチのファカルティを分けようかという議論もあります。ティーチングをどういうふうにしていくかという大学の在り方を今問おうとしています。そこで、ちょうどこういう機会があれば、技術職員の方々もティーチングにもっと参画していただく。機器分析をしている方ならば、分析機器の講義もある、分析科学の講義もあるでしょう。実習もあるかもしれません。そうすることによって、実は技術職員ではなくなって、大学の教員にもなれるわけですよね。それはまた全然違った考え方になると思うんです。

先ほどのナノプラの展望調査報告書を全部拝見させていただきました。58ページには教育の貢献で、こんなこともやっているというのがあります。これは、そういうところにもちょっと貢献しているよというオマケのような形だと思うんです。もっと大学の改革の中に組み込まれた形で教員として組み込む方法もあるんじゃないかと思いました。

【永野PO】 大変重要な御意見だと思います。ありがとうございます。今、このプラットフォームの事業費で雇用している技術者、約250名いらっしゃるんですね。その中で、非常に成功というか、うまくいっているタイプの技術者ってどういう方かというと、やはり専門性がどんどん上がっていって、そして、ユーザーがお客さんとしてもう付いているんですよ。つまり、あの人に解析をお願いしたい、あの人に加工をお願いしたいという形で依頼が来るんです。

そういう方々のプレゼンスというのは徐々に徐々に高まっていて、先ほど、上杉先生がおっしゃったように、例えば、どこかの技術講習会の講師として登壇してほしいとか、そういうことが今できるようになってきたんです。しかし、これ、事業で雇用していますから、すなわち、法人の本体の雇用のトラックには乗っていないんですね。なので、教育というところまではいってないんですね。なので、是非そういう道を広げていったらいいと思っています。

【三島主査】 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。

じゃ、五十嵐先生。

【五十嵐主査代理】 ナノテクプラットフォームに関しては、その有効性、これはもう絶対必要だとみんなも認識していると思うんですね。ところが、やはり有期の、期間限定の施策であるためにいろんな課題が出ている。これは是非恒久的な施策にすべきものだと思いますので、そのために何をすればいいかを考えていただきたいんですね。それで今、いろんな機関が、どちらかというとバーチャルな組織として運営されている。これのいいところ、悪いところ、あると思うんです。バーチャルだからこそ、いろんな柔軟性があって、今後、最先端の機器、世の中のニーズが変わったときには、いろんな機関が出たり入ったりして、それで常に最先端の機器を維持できるんじゃないかな。ただ、マイナス面としては、やはり人材の育成、技術人材をどう確保するかということがあると思うんですね。これに関しては2つ御提案があるんですけれども、1つは、先ほど、宝野さんの御提案のお話の中でベンチャー支援制度、あれはNIMSが半分、半分というか、支援する形で、ベンチャーで自由にできるような体制を作った。このプラットフォームに関しても、各参画する機関が、それに参画することに対してインセンティブを与えて、それでどんどん、どんどん人材が、それぞれの機関から供給できるようにする、こういう制度が作れないかなということと、もう一つは、分析、解析関連ですと国家試験もありますよね、国家資格、ああいう形でナノテクプラットフォームに行くと、いろんな国家資格が取れる。それを取ることによって、当然ながらステータスも上がる。そんな施策を打てば非常にうまく回っていくんじゃないかな。是非、恒久施策になるような何か具体的な方策を考えていただきたいと思います。

【永野PO】 貴重な御提案をありがとうございます。是非、この委員会を通じても御議論いただければ大変ありがたいと思うんですが、今、皆様もよく御存じのように、世界の産業では、特にICTでは、つまり、プラットフォーマーが世界を席巻しているわけですよね。こういった研究開発に携わっている方にとっては、既によくよく御存じかもしれませんけれども、R&Dについてもプラットフォーマーが台頭しているわけですよね、世界のR&Dプラットフォーマー。このR&Dプラットフォームを日本でどう構築していくのかという観点から考えると、これってリアルなプラットフォームなんですよね。人と装置とテクノロジーを集積したプラットフォームで、そこへのユーザーであるとか新しい研究課題、あるいは新しい知が生み出される、そういうプラットフォームとしていかに成長を持たせていくかということで、これ、時限でやったら常に分散、離散してしまうことと隣り合わせになっているので、ここをどう乗り越えていくかという話なので、これはやはり制度設計の問題であるとか、どういう施策を組み込むのかということだと思うんですよね。なので、是非頂いたような御意見を考えていきたいと思います。

【三島主査】 それでは、中山委員、先に。

【中山委員】 ありがとうございます。先ほどのナノ環境拠点の評価が結構よかったのは、もちろん中でしっかりとした研究が行われたというのはありますが、外部に対する拠点の求心力を徹底的に重視して、他者の利益をしっかり重視したおかげで、拠点を中心に非常に大きな渦ができていったということがあると思います。先ほどの宝野委員のプレゼンでも、NIMSによる周囲を糾合する動きが顕著であったということが底流にあると思います。プラットフォームあるいは各種の拠点でよくあるのは、全てをその拠点で抱え込んで、内部のみで閉じて研究して、中の人がどれだけ論文や特許を出しましたというようなものです。評価も、それで良い評価を出したりします。でも、本当に大事なのは競争力、求心力の戦略ということですね。場合によっては、求心力の競争をさせるようなファンディングがあってもいいような感じがいたしました。

評価軸もそれを確認して、先ほど永野さんが言いましたけど、どれだけ波及効果があったかとか、他者をどれだけ上げることができたかとか、どれだけストックを得ることができたかとか、そういうことを重視したようなもの必要ではないかと思います。

そのような中、この4月に経団連がレポートを出しています。その主題が、「選択と集中ではなく、戦略と創発へ」です。つまり、今までの拠点事業というのは、場合によっては選択と集中で、そこの中の人が一生懸命やって、そこで差別化を図るような推進でしたが、そうではない方へ産業界もシフトするような意思を出しているということです。ここの議論とは非常に相性が良い気がいたしました。その戦略と創発ですが、付加価値を付けて、知見を総動員して、それによって研究開発のスピードアップをし、また、ラボ改革のような話も取り込んでという、大きな絵を描いて科学技術全体を進めていくことが肝要かなと考えます。そういう中で、先ほど、ナノプラのプレゼンや永野さんの御発言等は非常に有用なものであったかと思います。永野さん、どうですかね。

【永野PO】 やっぱりどうしても何かをやっていると、そのやっていることが大事なんじゃないかってなるんだけども、今、中山委員から言われたように、これはどれだけお使いいただく方の成功に貢献したのかとか、いかにオープンにして魅力を高めていくのか。つまり、ここに行きたくなるとか、ここに頼みたくなる、ここに相談したくなる、そういうことへの貢献を評価してほしいし、そういうことに貢献できる力がたまっているのかどうかを見る。よりたまるような施策を立てていかなきゃいけないんだろうと思うわけです。

【中山委員】 ありがとうございます。

【三島主査】 それでは、湯浅委員、どうぞ。

【湯浅委員】 ナノテクプラットフォームの技術人材の問題を強調されていましたが、私も、これ、非常に重要な課題だと認識しています。短期的な課題として、改正労働契約法の施行から10年というのが2023年に来ますよね。ここで何が起きるんでしょうか。

【永野PO】 既に、この5年から10年という転換に対して、この事業に関わっておられる、働いていらっしゃる方々に対しても、各法人にその対応を是非前向きに御検討くださいということでお願いはさせていただいておりまして、その御対応も、全ての法人ではないですが、かなりの部分
で進んできている状況なんですね。

しかし、湯浅委員がおっしゃったように、どうしても節目が来たときにどうするかということで、実は、もうこの事業も8年目に入っていて、10年事業の8年目です。やはりこの後のこと、皆さん、現場の人が考えていますから、人材の離散が進み始めているところなんですね。すなわち、せっかくテクノロジーと人とノウハウ、技術、装置、そういうものを集積したものが、今の状態のままだと、どうキープするのかが極めて切実な問題ですね。

【湯浅委員】 かなり急いで対策しないといけない問題ですよね。

【永野PO】 ええ。これは、この事業の中だけでは解決できないので、別の高い立場から検討いただかなくては、制度としてはどうしても制限ありますから、これ以上、私たちで皆さんの声を何とかしますと言い切ることは全くできないので、それはまさにこういう委員会の場で御提案いただいたことを次なる施策に反映いただくことが大事なんじゃないかと思うわけです。

【三島主査】 よろしいですか。

それでは、次、どうぞ。

【宝野委員】 この事業の中で活動財源割合を見ますと、利用料収入が19%、あと、法人負担40、交付金が40という割合になっているんですが、これは理想的な割合と考えられますか。それとも、どういった形が最適なんでしょう。

【永野PO】 最適な割合というのは、なかなか一言では言えない面があります。それはなぜかというと、世界中のこういったプラットフォームの財源割合とか財源の多様性を見ても一致しているものはなかなかないですし、これが正解だというのが皆さんでコンセンサスがある程度得られているわけでもないということと、プラットフォーム全体で見ると、今、宝野さんがおっしゃっていただいたような、このような割合なんですが、参画法人25法人で採択機関38機関という中では、それぞれの活動規模感はかなり違いがあります。大きな規模感でやっているところと非常に小さな規模で活動しているところでは、その中の割合が違うんですね。これは相対としての平均でそうなっている状況です。

これは、ちょうど類似のアメリカのアメリカ版ナノテクプラットフォームのようなNNCIという施策と比較しても、かなりはっきりしてきていて、例えば、ハーバードみたいな非常に大規模に展開しているプラットフォームのところでは、法人の負担割合は結構小さく出てきます。その分、ユーザーの利用料であるとか、様々な寄附金とかそういったものが大きく貢献してくる。逆に、小さい地方の小規模大学みたいなところでは、交付金に相当する法人負担割合が非常に大きくなっていて、利用料収入なんかは小さくなっている。それを全体としてどうやって融通させていくのかというのが大事かなと思っていますので、今のところ、そういう割合なんですが、1つの考え方は、より何か事象、事故に耐える、つまり、何かが、どこかが大きくへこんだときに、こっちがあるから何とか大丈夫だよねというようにしていくような財源の多様化。だから、もしかしたら、例えば、2割、2割、2割、2割、2割とか3割、3割、3割とか、どこかが1つ大きく変動しても、ほかで吸収できるような多様化を図っていくことが大事だろうとは思っています。

【三島主査】 ありがとうございます。

じゃ、萬委員、どうぞ。

【萬委員】 企業がこのプラットフォームを利用しているというところ、興味深く聞いていたんですけれども、例えば、新しいデバイスを作るというような観点で、このプラットフォームだからできた、非常に性能のいいものができたというような事例が紹介されていましたけれども、じゃ、この後のフォローアップ、次のステップにその企業が向かうときに、ここでしかできないというのが、逆に言うと壁になったりするわけですよね。その次のステップに対するフォローというか、支援みたいなものはプラットフォームとしては考えていらっしゃるのかどうか、お伺いしたいんですけれども。

【田沼センター長】 今おっしゃられたことは現実に起きていまして、逆に言うと、ナノプラでできたんだけど、それを量産化にいけないという話を聞いています。これに関しては、なかなかナノプラとしては商用利用に持っていくわけにいかないので、もう一つ、あとは、量産化に向いていませんので、ですから、その橋渡し機能をもうちょっと、ナノプラ自身の中に組み込んでいくような施策が必要だとは考えています。次のときは、そういうような橋渡しできるような人材を雇用するようなことを多分、組み込んでいくことになると考えています。

【永野PO】 結局、企業はR&Dを外出しする傾向は一層高まっているわけですよね。つまり、自前では全ての研究機能をキープできないことが起きているので、そういうときに、こういったプラットフォームでどこまで対応できるんですかという問題で、まさしく萬委員がおっしゃったとおりで、次のステップ、さらにもう川下のワンステップに進みたい。しかし、今のプラットフォームではそういったサポートは対応できないんですよね。じゃ、それをどこまで用意するのかとか、それを誰が負担するのかということはやはり議論しなくてはならないだろうと思いますし、世界を見れば、そういうものに対応するプラットフォームを設けている国も当然あるのが実情です。

【三島主査】 じゃ、先に滝田委員。

【滝田委員】 プラットフォーム事業の先端設備を今後更新していく必要が出てきたときに、この資金をどうするかについてどのように考えられているのかというのをもう少し伺いたいと思ったんですけれども、先ほど、NIMSからの御説明では、例えば、最初、企業から借りてというようなのもありましたけれども、そういうことが主流になっていくのか、また、別の方法があるのか、また、実際使っている人たちの中でいろいろ出てくるものをメーカーにフィードバックして、やっぱりいいものを作っていくということもあると思うので、そのあたりをどういうふうに考えていらっしゃるのか教えていただければと思いました。

【永野PO】 時間がないので端的に申し上げると、2つ視点がありまして、先に後者からなんですけれども、1つは開発と利用・普及のサイクルをどう回していくかということなんですね。つまり、常に新しい技術、新しい技術世代を更新していくときには、新装置、新技術を開発して、それをメーカーで製品化して、現場へ普及させていくという、このサイクルが残念ながら日本ではなかなかうまく回っていない現状があります。

これに対して、こういったプラットフォームがある種のショーケースというか、ベータ機を導入していくような場として、そして、ユーザーデータをためていくような場として機能させることができるのかという観点と、その資金としてのサイクルを回していくのかというのが、1個、重要な点としてあります。

もう1個は、そもそも全体の設備更新のサイクルに、今の資金状況ではとても対応できないという状況の中でどうしていくのかということなんですが、結局、その研究開発課題の資金は誰が見るんでしょうかという問題と直結するんですよね。すなわち、今、企業も研究開発機能を徐々に外出ししている、そして、大学や公的研究機関の研究資金も非常に厳しい財政事情にある中で、その研究の資金をどうするのかということと、その研究に必要なこういったプラットフォームの資金は誰が出すんですかという話と一体なんですよね。なので、1つは、いや、それは使いたい方々の利用料ということで是非御負担をお願いしましょうということは考えとしてあるんですが、我々、これ、7年半回してきて分かったことは、装置更新に耐えるだけの利用料設定は全く現実的にはならないことはかなり分かってきたということなんですね。じゃあどうするかということで、今、その明確な答えを持ち合わせていませんけれども、問題だけははっきりしたので、それの解決策をどうこしらえるかということだと理解しています。

【三島主査】 じゃ、湯浅委員。

【湯浅委員】 先ほど、ナノプラからもっと量産寄りに移行するにはどうするかということですが、例えば、TIAもございますので、大きなウエハのサイズで試作したければTIAも御利用いただければと思います。

【三島主査】 NIMSに質問がない……。

【武田委員】 企業でR&Dを担当しているユーザーの立場から言いますと、やはりこれは、非常に合理的な仕組みであり、活用したいと思っています。課題は、こういうことをやりたいけど応えられないだろうと思うことがあるんですね。そういう潜在ユーザーが大変多いと思うんですね。

ただし、そういう個別のニーズにこそ実は最先端なところがあって、科学技術の本当にトップのところを狙うような研究開発があると思うんです。

まずリソースの問題があって、今、このままでは何もしなければ頭打ちになってしまうかもしれないところに来ているのかもしれませんけれども、ここをこのプロジェクトに限らず、プロジェクトを見る立場の部門を巻き込んで、これを発展させる方向で行くのが、これがあるべき形ではないかと思います。未来のこういう先端計測は、個別の機関でやるのではなくて、プラットフォームで競争力も付けていくというのが非常に重要ではないかと感じました。

【田沼センター長】 ありがとうございます。今、ちょっと申し上げますと、大体、ユーザーは2万名ぐらいなんですけど、現実には新規ユーザーが4割ぐらい占めていますので、トータルの件数は変わらないんですけれども、新規ユーザーは入っております。そういう意味では、新しい分野も取り入れなきゃいけないので、学会とか企業をはじめ、いろんなところを訪問したりして、ユーザーニーズは吸収するように努めております。補足です。

【三島主査】 それでは、時間が来ていますけれども、NIMSに1つ質問があるので、菅野先生からどうぞ。

【菅野委員】 NIMSの関係で、材料情報統合データプラットフォームです。これからMI、マテリアル・インフォマティクスの場合にどういうデータを集めるか、そのデータを集めるという工夫だと思うんですけれども、例えば、NIMSの中で閉じている場合には、NIMS関連であれば、そのデータベースはうまくいくと。ただ、それでは多分、将来うまくいかないですね。もっとオープンにデータを集める。そのための工夫というのは、何かアイデアがありますでしょうかという。例えば、アメリカではマテリアル・インフォマティクス、マテリアルプロジェクトで量子計算などを外部から入力すると出てくる。それは、とりもなおさず、向こうで全部世界の情報を集めるというシステムを構築しているわけですね。何か、そういう工夫が、一歩進んだところのアイデアがありますでしょうか。

【宝野委員】 全く御指摘のとおりで、これをやっておりまして、特にMIを活用して材料を開発するというところでデータを集める、特に民間企業から集めるのは非常に難しいことです。ですから、例えば、研究者から集めるというのは、彼らが特別なエフォートをしなくても自動的に収集できるとか、ある程度インセンティブを持たせることによって、使われないデータを一定のサーバーに集める、そういった仕組みは作っていけると思います。

ですから、学術界から一定のコミュニティーを作って、そこから集めることは実現可能だと思いますが、民間企業が持っている大量のデータが入ってくるというようなことには絶対ならないだろう。ただし、こういった仕組みを見せて、民間企業でも同じようにやっていらっしゃるとは思うんですけど、それを使っていただく。化学MOPでやろうとしていることは、今、そういうことなんですね。

でも、現実では何が起こっているかというと、やはりデータの部分は、いろいろ出していただいた資料を、NIMSの方で大量の業務員を使いながら取っているという状況なんです。ですから、そこがこれからの最大の課題になると思います。

【菅野委員】 ありがとうございます。

【三島主査】 まだあるかと思いますが、時間が参りましたので、ここまでにさせていただきたいと思います。田沼様、永野様、宝野委員の御発表、本当にありがとうございました。研究の環境をよくするという意味で大変重要なお話がたくさんあったかと思います。大学の中でも、できるだけその中でできることをやりつつ、先生方の研究をする時間を増やすことに努力したいとも常日頃思っているところでした。

それでは、そういうことで、最後、事務局から付け加えることがありましたら、どうぞ。

【高橋補佐】 ありがとうございます。本日、長時間にわたり御議論いただき、ありがとうございました。また、初のペーパーレス会議用端末を使った取組というところで、事務局の仕様等々、不手際があったところ、おわび申し上げます。

次回のナノテクノロジー・材料科学技術委員会につきましては、現時点では6月6日若しくは7日の開催を検討しております。調整の上、確定し次第、事務局より御連絡をさせていただきます。本日の議事録につきましては、事務局にて案を作成し、委員の皆様にお諮りし、主査に御確認いただいた後、ホームページにて公開いたします。

本日の配付資料につきましては、封筒にお名前を書いて机上に置いていただければ、後日、事務局から郵送いたします。よろしくお願いいたします。

【三島主査】 それでは、本日のナノテク・材料科学技術委員会、以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――



 

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研究振興局参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付

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