資料3 ナノテクノロジープラットフォームにおける設備整備・高度化の進め方について

平成24年度補正予算(緊急経済対策)
ナノテクノロジープラットフォームにおける設備整備・高度化の進め方について
(案)

1.事業概要

(1)背景
○ ナノテクノロジーに関する共用基盤ネットワークは、大学・研究機関が保有する研究設備の共用化を推進して産学官の幅広い利用に供することにより、イノベーションにつながる成果を創出することを目的としたものである。これまで、外部共用の推進とそのシステム構築に向けて、「ナノテクノロジー総合支援プロジェクト」(H14-H18)及び「ナノテクノロジーネットワーク」(H19-H23)において、各大学等の外部共用業務の実施に係る必要な支援(技術支援等に係る経費)が行われてきた。

○ この結果、特に運用面では、各大学等において、共用設備運用組織の設置や課金制度をはじめとする利用システムの整備など、産業界をはじめとする利用者の利便性向上に向けた取組が進められてきており、現在は、「ナノテクノロジープラットフォーム」(H24-)において、センター機関や各技術領域プラットフォームの代表機関を中心とする全国的な共用体制の下、利用システムの更なる高度化に努めているところ。

○ 一方、ナノテクノロジーに関する共用基盤に関しては、近年、欧米に加えて中国、韓国など新興国が研究開発拠点や共同利用施設に戦略的な資金投入を行い、ナノテクノロジー・材料分野の国際競争が激化しており、海外の取組と比較すると、我が国の共用設備群は、部素材開発等の研究レベルやスピードに対応する上で必ずしも十分とは言えない状況にある。また、必要な措置を講じない場合、今後、更に陳腐化が進行することが懸念

(2)事業概要
○ 国際動向や技術動向を見据えつつ、これまでの取組を通じて構築されてきた「ナノテクノロジープラットフォーム」における全国的な共用基盤ネットワークを活用して、大学・研究機関におけるナノテクノロジーに関する共用設備について、利用者ニーズを十分踏まえつつ、必要な整備・高度化を行う

○ これにより、産業界をはじめとする幅広い利用者に対して、最先端の計測、評価、加工設備の利用機会を、高度な技術支援とともに提供し、もって我が国の部素材開発の基礎力の引上げとイノベーション創出に向けた研究基盤の形成を推進する。

○  さらに、国家プロジェクト(次世代蓄電池研究等)との連携を強化することにより、戦略的かつ効率的なイノベーション基盤の強化に資する。

2.今後の進め方(案)

(1)整備・高度化に際しての視点
  【必要性・有効性】
○  国際動向や技術動向を見据えつつ、産業界をはじめとする外部利用者のニーズを踏まえた、部素材開発等に必要不可欠な最先端設備であること。

  【効率性】
○  本プラットフォームに未登録の既存設備の有効活用(登録設備への追加)、重複する設備の排除、(新規導入ではなく)既存設備の高度化の可否等について十分検討・精査したものとすること。

(2)整備・高度化に際しての要件等
 【フォローアップ等】
○  本補正予算で整備・高度化した設備は、本プラットフォームの事業期間を通じて、共用設備として外部共用に供するものとする。その間は、当該設備の利用状況や成果等について、毎年度フォローアップを行う。

  【設備利用料】
○  利用料収入については、現在、各大学等が設定している利用料収入目標に、今後整備・高度化される設備に係る利用料収入目標分を加算することを求める。
  また、当該設備を「成果非公開利用」に供する際には、当該「成果非公開利用」相当について、ランニングコスト(光熱水費、消耗費等)に加えて、ストック(設備購入費)の一部に見合った利用料金設定を行うことを基本とする。ただし、プラットフォーム内での統一的な考え方や目的等に基づき、必要な場合には、当該設備の特徴や利用形態等に応じた適切な利用料金を別途設定することも可能とする。

  【外部共用率】
○  当該設備については、本プラットフォームの公募時の考え方※に基づき、外部共用率の目標を50%以上とすることを基本とする。ただし、プラットフォーム内での統一的な考え方や目的等に基づき、必要な場合には、当該設備の特徴や利用形態等に応じた適切な目標を別途設定することも可能とする。

 

 ※ナノテクノロジープラットフォーム公募要領(抜粋)

   5.2.外部共用率の目標設定
 本事業については、外部共用率は登録した各設備の実稼働日数(保守・整備の日数は含まない。)に対して設定する。外部共用に供することを前提とした設備の整備等を国が支援する事業で購入された設備については、外部共用率を50%以上とし、その他の設備についても、外部共用率の目標を前もって設定することが求められる(30%以上を目安とする)。

3.選定に向けた手続

  【選定体制】
○  文部科学省及びプラットフォーム運営統括会議を中心とした有識者会議において、2.の視点及び要件等を踏まえ、以下により、真に有効な設備の整備・高度化を選定する。

  【技術領域プラットフォームの取扱い】
○  「ナノテクノロジープラットフォーム」の3つの技術領域(「微細構造解析プラットフォーム」、「微細加工プラットフォーム」、「分子・物質合成プラットフォーム」)については、各プラットフォームの代表機関を通じて提案を受付け。
   ※各プラットフォーム内での統一した考え方、目的等に基づき、優先順位を付与する。
   ※その他必要となる設備・条件等については、別途、プラットフォーム運営統括会議等の議論も踏まえ設定する。

  【次世代蓄電池研究に係る取扱い】
○  上記3つの技術領域プラットフォームのほか、国家プロジェクトとして、「戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発(ALCA)」における「次世代蓄電池研究加速プロジェクト」と連携することとし、「蓄電池基盤拠点」(仮称)を設置し、当該拠点となる実施機関からの提案を受付け。
   ※相互補完関係にあるなど、研究の加速に当たって真に必要な場合は、複数の機関が共同で提案することも可能とする。
   ※各実施機関における「共用設備運営組織」の下、各プラットフォームの外部共用業務実施方針を踏まえつつ、出来る限り一体的に運用することが求められる。
   ※その他必要となる設備・条件等については、別途、文部科学省・経済産業省 合同検討会 蓄電池ワーキンググループやプラットフォーム運営統括会議等の議論も踏まえ設定する。

   【スケジュール】
平成25年 1月下旬   各機関からの申請を受付け
       2月中旬   申請締切
       2月20日   プラットフォーム運営統括会議を中心とした有識者会議で選定
       年度内    委託研究契約変更契約書締結

お問合せ先

ナノテクノロジー・材料開発推進室

(ナノテクノロジー・材料開発推進室)