原子力分野の研究開発に関する委員会(第12回) 議事要旨

1.日時

平成18年1月27日(金曜日) 15時~17時10分

2.場所

文部科学省 10階 10F2会議室

3.議題

  1. 平成18年度文部科学省原子力関係予算案について
  2. 平成18年度「原子力システム研究開発事業」(公募)の募集について
  3. 原子力研究開発分野の国際協力について
  4. 量子ビーム研究開発・利用の推進方策について(最終報告)
  5. その他 資源エネルギー庁 総合資源エネルギー調査会 原子力部会(第6回)における検討状況について
  6. その他 ITER(イーター)計画の状況について
  7. その他 今後のスケジュールについて

4.出席者

委員

 田中主査、石田委員、伊藤委員、井上委員、榎田委員、岡崎委員、加藤委員、木下委員、知野委員、中西委員、藤本委員、本島委員、和気委員

文部科学省

研究開発局
 森口局長、藤木審議官、中原原子力計画課長、中村原子力研究開発課長、板倉核融合開発室長、佐野国際原子力協力官
研究振興局
 斎藤量子放射線研究推進室長

5.議事要旨

(1)平成18年度文部科学省原子力関係予算案について

 平成18年度文部科学省原子力関係予算案について、資料1に基づき事務局より報告。質疑応答は特になし。

(2)平成18年度「原子力システム研究開発事業について」(公募)の募集について

 平成18年度「原子力システム研究開発事業について」(公募)の募集について、資料2に基づき事務局より説明。以下の質疑応答が行われた。

【主査】
 (案)となっているが、本日の議論でとるということか。

【事務局】
 おっしゃるとおりで、特に3.の募集方針について議論いただきたい。

【主査】
 昨年1回目の応募の時に、どういうテーマや考え方がいいかということについて議論して、それを簡単にまとめたものが別紙3辺りに載っているし、議論したのがまだ数カ月前で委員の頭の中に入りづらかったので、そういう方針の下に、特にスケジュール等についてこういう方法でいいのかということについて意見をいただきたい。

【委員】
 資料2の3.に関する議論をする時に、全体の予算規模の話も当然あるわけで、行政内部では、いわゆるすだれ方式で何年幾らという計算を多分されているはず。平成18年度も、前年度に比べて予算は減っているけれども、当然大きな繰り越しもあるだろう。その繰り越しも計算して、こういう規模だということになっているはずだが、採択予定件数あるいは上限等を判断する上で、繰り越しはどういう数字になっているのか。

【事務局】
 別紙2で本年度の契約金額が記載されているが、これを全て足し合わせると約13億円という規模になっている。その他諸経費を引いて、本年度予算の約121億円のうち来年度繰り越し予定額の部分は、約90億円程度があると見込んでいる。

【委員】
 来年度予算が62億円という厳しい中で、平成18年度の経費についてかなり節約した形で進めていかざるを得ないのはよく理解できる。是非この点については、17年度からスタートされたこの計画についても可能であれば見直しながら、全体が良い形で進むように努力いただきたい。
 加えてこの特別推進分野について、今後FSのフェーズ2の評価後に、フェーズ2で取り上げられた枢要な実用化に向けての技術課題を取り上げていただくことになる。17年度を繰り越した分と、この18年度に書かれている規模で進めていただくことになるが、これから審議されるフェーズ2の枢要な課題で我々が最終取りまとめをしているものは、約20件の課題を考えている。従って、規模はともかくとして大事な課題については、抜け落ちることなく、出来るだけ取り上げる工夫をしていただくということであれば、この18年度の6件というのは、ある種予算の制約として理解出来るわけだが、是非これは17年度分と新たに18年度予算で行う分とを合計した課題数が、我々が計画している課題よりも下回ることのないように配慮願いたい。
 すなわちこれだけ読むと、6件程度というのはいささか難しい問題がある。もちろん本来の交付金の中でやるべき課題もある。そういったものの合計ではあるが、競争的な課題の中で幅広くという観点からすれば、出来る限りこの課題を広めにとっていただくことをお願いしたい。その時に金額の上限を下げてもいいのかというのは、もちろん下げるのはいささか問題があるかもしれないが、どちらを優先するかというと、それぞれの上限よりもむしろ課題をどのような形で選んでいくのか、その課題の中で出来るだけ効果的に節約して予算を使っていくという観点から審査する姿勢が大事なことではないだろうか。
 さらに具体的に、本日の課題を超えてしまうかもしれないが、今度こういう形で公募して審査する過程の中で、本来の交付金の中で進める課題は何で、この公募的仕組みの中でやっていく課題は何かということについて、整合性をとっていくことが非常に大事な課題である。もちろん日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)で進んでいる課題は、やはり原子力機構でないと出来ないような課題を中心に選んでいくだろうが、そういう考え方と公募的な課題とで整合性をとっていかなくては全体が上手くいかないだろう。
 従って、今後フェーズ2の審査をいただくときに、取り上げるべき重要な課題の誰が責任を持って、どこが主体となっていくかということについても是非併せて審査していただきながら、結果的にそれを公募する課題の中に取り入れていただき、何を原子力機構がやり、何が公募課題でやっていくかということも整理しながら募集に臨んでいただくことが、全体が上手くいく方法ではないかという気がするので、今後の課題の進め方等についても配慮いただきたい。
 最後に、このシステムの18年度予算が削減された1つの理由として、総合科学技術会議の評価の問題が指摘にあった。B評価であったが故に予算の削減との説明があったわけだが、今後、特に特別推進分野がかなりのウエートを持ってくる時に、総合科学技術会議の評価をされる方々にこの公募の目的、制度というものについて十分理解していただかないと、一般的に幅広く課題も含めて公募されるというシステムとは少し目的や方法が違うところがあるので、そこを十分理解していただかないと、今の形で評価していただくと、どうしても評価が低い点数になってしまう恐れがあるのではないか。評価される方々にこの制度についての理解をいただくようお願いして、大事な課題をやろうとしているので、低い評価にならないように努力いただきたい。

【主査】
 テーマを審議して採択等のプロセスを踏むのは、科学技術振興機構(以下、JST)であるが、本委員会でこうした議論があったことは、事務局からJSTへ伝えるということでよいのか。

【事務局】
 おっしゃるとおり、JSTへは議論内容等について伝える。今回は、本年度から開始している基盤研究開発分野を募集しなければいけないということで枠組みを議論させていただいているが、7月に募集を予定している特別推進分野の進め方については、改めて募集前に議論させていただきたい。

【委員】
 SABCのB評価が付けられた際にどういうことを指摘されたのか。それに対して18年度募集に関して何を変更されたのかを教えてほしい。

【事務局】
 評価に当たっては、まず経済産業省で原子力に関する同様の競争的資金制度事業があり、それとよく仕分け、連携してやっていくようにとの指摘を受けたところである。我々は、昨年夏の評価に当たって、経済産業省とも話をさせていただき、改善したということで報告させていただいたけれども、まだこの事業自体が具体的に進展しておらず、改善事項の具体的成果がまだ見えていないということで、評価を良い形にするのは、総合科学技術会議として控えられたのではないかと考えている。我々としては、指摘事項について経済産業省と連携してやっているということで改善出来ているのではないかと考えている。

【委員】
 原子力政策大綱で2015年頃までにFBRサイクルの適切な実用化像と、そこに至るまでの研究開発計画を提示するということになっているので、それを達成していかなければいけない。そういう中で昨年から、FBRの実用化戦略調査研究に必要な予算がきちんと手当て出来るようにということをお願いし、その時に文部科学省からは、基本的に新しくできる原子力機構を競争環境に置いて、公募事業と運営費交付金をパッケージにして効率的にやっていこうという説明があった。基盤研究の開発分野でもかなりの部分がFBRのものになるという説明もあった。我々も17年度に採択されたテーマについてそれなりに確認させていただいたが、それぞれのテーマとしてそれなりの意味がある重要なものだろうが、それが本当にFBRの開発に繋がっていくのかということになると、いささかどうかというものも含まれている、との話を聞いている。これから特別推進をやっていくことについても、どこがどのようにどういうテーマでやっていくのか、ということに絡むだろうが、その辺もしっかりやっていただきたい。
 資料2で提示された内容を見ると、18年度の予算案である約63億円に対して特別推進の分が上限4億円の6件程度ということになると、4×(かける)6=(イコール)24である。半分以下にしかならない。先ほど、やるものは20件くらいあるとおっしゃった。それで件数を確保したいから多少予算を減らしてもという話もあったが、そんなことを言わなくて、やはり相当部分を特別推進分野に回していただくことを是非お願いしたい。そうしないと本当に原子力政策大綱で掲げたものがやっていけるかどうか心配になってくる。以上のことから18年度については、これは(案)でこれから審議する、という話があったので、是非とも特別推進分野のウエートを増やしていただくようお願いしたい。

【主査】
 今の4×(かける)6で24億円が特別推進分野なのかという単純な疑問に対して、事務局より答えていただきたい。

【事務局】
 指摘のとおり、確かに特別推進分野では4億円×(かける)6件という形である。63億円の単純な内訳というと、1年目の継続課題分、そして2年目の新規採択分、この特別推進分野という形であるけれども、あとJSTの事務経費であるとか、留保額である約7パーセントの額が予算から差し引かれる部分もあるので、単純に63億円の内の24億円しかないという状況ではない。もう少し特別推進分野の割合は高い状況である。基盤研究開発分野についても、特別推進分野として挙げられる可能性があるものの関連する研究開発課題が多く含まれていると認識しているので、これらを合わせると相当部分が特別推進分野に挙げられる研究開発課題と強く関係する部分という形で理解いただきたい。

【委員】
 でも、先ほど63億円の他に90億円の繰り越しがあるという話もあった。どう使われるのかも聞きたいし、63億円の中の事務経費等で4×(かける)6=(イコール)24というのは、比率はそんなに低くないという話であるが、90億円の分はどうなるのか。

【事務局】
 特別推進分野が数年間非常に大きな額の規模で続いていくということも考えると、我々としてもこの部分を最大限確保したいと考えているが、これ以上大きな規模や件数をとっていくことになると、今後の資金展開に多少支障をきたす恐れがあるということで、これ位の金額で何とかしていただきたい。

【委員】
 予算的にはそうかもしれないが、FBRをどうやっていくかという非常に重要なものであるなら、それが一番の目標だと思う。ということならば、例えば少し乱暴な言い方かもしれないが、基盤研究を多少なりとも縮小して特別推進に回すなど、重点を置いて考えていくべきではないか。

【主査】
 昨年の委員会の時に、本来の税金の元は特会等々であって、審議は高速炉の様々な研究開発等々とある。一方で若手対象があってもいいということで80パーセント位は本来のところにいくべきといった議論があり、その辺については一応了解があったものと考えている。だから、そういう下でこの中身を分けて十分にJSTへ説明し、先方もそれを理解してやっているものと考えており、また今採択されたものについては、大体その辺の数字に近いということも本委員会で説明があったかと思われるので、大きな考えとしてそれほど変わっていないと考えている。
 逆に件数等となってくると、それを計算してくるとどう見えるのかということに対して、実際に税金を出されているところから見れば、これと原子力機構の予算とをうまくやりくりしながら研究開発していかなければいけない時に、大変だというところも十分理解できるので、事務局でも検討いただきたい。

【事務局】
 5カ年計画に3カ年計画というようにすだれで入ってくるので、頭のところだけで4×(かける)6=(イコール)24億円だから少ないということではなく、実際に18年度分は、繰り越し90億円と今回の60億円とあるわけだが、それはやはり使わないことになる。全部出してしまうとスタートの年だけ増えて、次の年は急激に細くなってしまうので、そこはすだれで繰り越しも考えながらやっていくことから、見かけ上24億円は少なく見える。しかし、実際のところはその後が膨らんでいくので、見かけよりは特別推進もかなり入ってくる。そういう意味で、昨年議論したFBR関係については、革新技術の中のものを拾うということも含めて、かなりの比重を持って満足するようなことの絵はかけていると考えている。資料2の表だけ見ると、頭出しが24億円で少なく見えるけれども、必ずしもそうではないということを理解いただきたい。

【委員】
 資料1で説明のあった文部科学省全体の予算の中で、もんじゅの研究開発や高レベル放射性廃棄物の処分技術等について配慮いただいたことに感謝申し上げたい。
 問題は資料2の件で、フランスでは2020年までに第4世代の原子炉、FBRを稼働させると発表しており、これは経済産業省の原子力部会で議論されているわけだが、2030年までにFBRサイクルの実証施設を完成させて、実証プロセスに入るという国の計画から比べると、フランスは、そのままいけば10年くらい前倒しで進むということになる。また、中国でも2020年にFBR原型炉、2025年には実証炉を完成させて、2030年ころから本格的に導入するということを出しており、米国も最近方針が変わって、燃料サイクル路線に入ってくるということも言っている。
 今までは、日本だけがむしろFBRを頑張ってやるという状況であったわけだが、国際的状況はかなり変わってきているということになる。我が国は、原子力政策大綱の中でも示されているように、2050年から本格的に導入することを目的にしているわけだが、この状況でいくと、日本の優秀な技術を世界に広めると言いながら、実際は向こうが先にやってしまう結果になりかねないことを非常に危惧しているわけである。そうしたことから、実用化戦略調査研究と公募研究をワンパッケージとして進めていくという話も以前あったので、是非公募研究の中身を精査していただき、特別推進分野への重点配分をしっかりやっていかないと、海外に遅れてしまうのではないかということを心配している。
 もう1つの提案であるが、公募した課題を絞り込むことはJSTでやっているわけだが、これはあくまでも本日提示があった予算枠の中でということになっているはず。ただ、その時に採択基準がどうなっているかということについて、きちんと国の方針を本委員会で審議して、予算と期間だけではなく、内容的にもきちんと方針を決めたものを渡して、そこで審査してもらうプロセスが必要ではないか。その辺のシステム作りについては、本委員会で検討するのが一番良いのではないか。是非検討いただきたい。

【委員】
 基盤研究開発分野という定義が難しいのだが、実用化戦略に関係の深いものは特別推進分野で応募してほしいとの指導があったと聞いている。その辺りは、今の仕分けとの兼ね合いもあるけれども、どうなっているのか。

【事務局】
 まだ実用化戦略のどういう分野がやられるかというのは決まっていないので、昨年の時点でも決まっていないものについてこちらで提案するという部分は、明確には申し上げていなかったのではないかと思われる。基盤研究開発分野においても、特別推進分野に関係するものであっても、例えば革新技術創出型で要素技術的な部分が発展したら、特別推進分野の課題になっていくことも想定しているところであるので、その辺りは、基盤研究開発分野というのが特別推進分野に入らないからといって、そこに入らない部分をこちらでやるという形で強くやっているというところではない。

【委員】
 先ほど改めて議論すると話があった。これは、特別推進分野について件数や予算の話があるけれども、それも含めて議論するということなのか。

【事務局】
 特別推進分野をどういう形で募集するかというのは、まだ特別推進分野自体の概念も昨年の段階でははっきりしていないので、改めて議論しなければならない。しかし件数や枠組みについては、基盤研究開発分野を募集してしまうことに伴って、特別推進分野の枠という部分も関連してくるものなので、現時点で概要を議論いただきたい。

【主査】
 今あった議論については、事務局を通してJSTへ適切に伝えることが大事である。特に競争や公募が最近流行っているが、国のエネルギーセキュリティーなどと直結するところについて、本当に公募が馴染むのかという議論も一方である。他の競争や公募とは性質が違うということもJSTやJSTのプログラムを担当されている方に伝えていただきたい。

(3)原子力研究開発分野の国際協力について

 原子力研究開発分野の国際協力について、資料3-1~2に基づき事務局より説明。以下の質疑応答が行われた。

【主査】
 IAEAが行っているINPROについて。アメリカはどういう考えで参加しようとしているのか。

【事務局】
 INPROについては、第4世代に対抗する形でロシアがイニシアチブをとって、IAEAを使って始めたプログラムであり、当初はロシアが建設を進めているBN800の建設を国際的に助長していくための仕掛けではないか、といったことが言われた。加えてインド等の国々も入っているということで、GIFに入っているイギリスやアメリカ等の国々は、INPROから少し距離を置いていこうという流れがあったのではないかと思われる。それが最初の流れであるが、最近になってINPROも少し変質してきている。資料3-1の9ページにも書いてあるように、例えば新しい原子力システムを途上国に入れていく際にどのように政策を作っていけばいいのか、途上国においてどのように様々なインフラを整備していったらいいのか、あるいは途上国に対して新しいシステムが適しているのか適していないのか、また、そうしたことを評価していく、あるいは評価手法を作っていくといったことについて、ロシア色の強い協力から全世界を見据えた協力に変わってきたことがある。従って、このINPROへの参加国も増えてきており、昨年にはアメリカも入ったということではないか。
 一方で日本は現在のところ、過去の経緯もあってこうした枠組みには入っていない状況ではあるが、参加国の1つであるインドが国際的な原子力の場裏で大きなプレーヤーとして出てきている状況などを考えると、日本もこうしたINPROに入っていく方向で考え方を整理していった方が良いのではないかということも、事務局の中の議論では行われているところである。

【委員】
 まずGIFの問題については、資料3-1の15ページに示されている方針のとおりで良いと思われる。これまでの準備段階で我が国は、特に2点目で示されているナトリウム冷却高速炉と超高温ガス炉を中心にこれまで大変貢献してきた。しかもそれは、このGIFのグループの中でも大変高く評価されてきている。
 いよいよこれから具体的な協定を結んで実施段階に入っていくわけだが、フランスやアメリカ等で第4世代の原子炉開発をかなり加速する動きがある。こういう大きな流れの中で、ここに示されているように我が国の技術をグローバルスタンダード化し、リーダーシップを引き続きとっていくためには、相当な努力を引き続き進めなくてはならない。そういう意味では、今後の実用化戦略の中の具体的な技術開発をしっかりと進めていくことが、これを実現し得るところに繋がっていくので、GIFの動き等も十分取り入れられるような今後の技術開発の取り組みを支援していただきたい。また、そのための資金等についても十分配慮いただかないといけないのではないかというお願いを申し上げたい。
 機微技術の協力についてはGIFだけでなく、場合によっては二国間あるいは三国間の協力を取り入れるという点を我々も十分配慮していく。特に再処理だけでなく、プルトニウムやマイナーアクチノイドの利用等に関わる技術については、広くはGIFの枠内であるものの、具体的な開発活動そのものについては、フランスやアメリカといった国を限定した形の取り組みということを十分配慮していきたい。特に今、INPROが中心として取り組もうとしている次世代システムの評価という観点では、我が国も大変な経験を持っているので、国際的にそうした我々の蓄積した技術を広めていくという観点からも大事な課題である。
 最後にアジアとの協力について。FNCAの枠内で今後非NPT国との協力も広げていってはどうかという提案の形で締め括られているわけだが、具体的にITER(イーター)にインドが参加したことと、インドも高速炉開発をかなり精力的に取り組んでいるという観点から、特にインドとの協力についての方針を是非早い段階で出していただきたい。例えばJ-PARCについても、インドのような国との協力も当然課題に上ってくるわけであり、そうした協力をして差し支えない方法や分野について、どう取り組むべきかということについて国の方針を示していただくことが、我々実施機関としても協力をスムーズに進めていく大事なポイントであるので、具体的に取り組んでいただきたい。

【委員】
 アジアとの関係について。文部科学省か経済産業省かという仕切りの問題はあるかもしれないけれども、原子力の安全といったものを大きな枠組みでやっていくのは必要だが、ベトナムの場合には原子力の人材がいない。それに対して協力することが、後のいわゆる日本製のプラントが出ていくチャンスが増えてくるという商売ベースにも繋がってくる部分もある。そういう面で、いわゆる民間ベースで人材を受け入れてメーカーで教育をしたり、学校で勉強してもらったりといったことを始めているけれども、今後ベトナムがもし原子力を入れるとした時に、どこのものを入れるのかということに有利に働くわけである。そういう面でいくと日本はやっているけれども、それに輪をかけてフランスとか韓国が同じようなことをやるわけである。
 日本の国レベルの取り組みと、フランスや韓国のベトナムに対する対応を見ると、日本は弱い面が感じられるので、安全性やアジアの中の枠組みは重要だが、是非とも実際にアジアで原子力をやるという面で、一方でこれは経済産業省の話になるかもしれないが、後ろには原子力の国際展開というのも当然くっついている話だということも含んでいただき、色々なことを考えていただきたい。

【事務局】
 資料3-1の21ページにANTEPという人材関係のプログラムを作っていこうという模式図があるけれども、プログラムを提供していく一番大きな国が日本であることは間違いなくて、そこに何も文部科学省だけのプログラムを載せるといった考えを持っているわけではなく、経済産業省あるいは民間でもこうした人材のプログラムがあってアジアに提供できるものがあれば、そういったものを全部インテグレートして日本として提供していく。経済産業省とは、こうしたプログラムについても議論しており、国際展開ということを念頭に置いてプログラムを活用していきたいということも言っているので、我々としては国際展開のためだけにやっているわけではないけれども、そういったことにも役立てば非常にいいことだと考えているので、経済産業省とは絶えず何を提供するか、あるいはそれをどう使っていくかということについてもきちんと相談している。

【委員】
 国際的な協力協調といった議論をする時に、競争的な局面の議論、つまり研究開発の技術競争の部分での国際的な意味合いと、一方でその技術をどう利用するかというユーザーサイドでの安全やエネルギーの安定供給、もしくは公共財をどうユーザーが使い込むかといった公益性や公共性という意味での協力協調、その2つの議論を分けておかないと、アジアに対して日本の技術をどんどん使えという展開の中でこの議論をしているがごとき誤解も招きかねない。従って技術というのは、どういうユーザーが使うかによって色々なリスクもあるわけであるから、どんな素晴らしい先端技術でもアクセプタンス、ユーザーサイドのケーパビリティーも問題になってくるので、先端技術の競争の局面がどう展開し、日本がどう国際協力を出来るのか、それとも、まさに国家戦略として競争に勝ち抜くような支援をするのかというように、アジアの議論は分けた方が良い。
 特にアジアの議論をする時に、ヨーロッパのユーラトムみたいなエネルギーと原子力という大きな枠組みで原子力を捉えていく意味では、エネルギー問題をアジアの議論の中に取り組むためにも、文部科学省だけでなく経済産業省も含めたエネルギー問題の大枠の中で国家戦略を考えた方が良い。また、特に国際問題を議論する時には、やはり慎重に言葉も含めて選んでいった方がいいのではないかという印象を持っている。

【委員】
 世界各国がどの程度このような計画に関与して、その背後にあるものが分かるなら教えてほしい。革新的なリアクターに対しても比較的ポジティブな国とそれほどポジティブでない国とがあるが、その原因が例えば技術的な水準が今のところ低すぎて、すぐこれに追いつかないということが主原因なのか。それとも、その国の資源がわりと豊富であって、底までにはまだしばらく自前のもので食べられるという資源問題なのか。あるいは政策的に原子力というものに対して見切りをつけている、もしくは危険視しているということがあって、それ以外のエネルギーを使うということにしているのか。
 要するに、技術・資源・政策のいずれかということについての情報を簡単に述べていただくと分かりやすい。

【事務局】
 なかなか簡単に類型化することが出来ないというのが答えになる。環境問題の観点から原子力を遠ざけている国や、例えば一時のイギリスのように、北海油田があってエネルギーのエクスポーターだった国なので、原子力に対してあまり投資することを継続しなかった国もある。その辺は国々によってかなり違っていると思われる。
 一方で環境を巡る状況は、例えば京都議定書の遵守をどうやって担保していくかという問題が90年代の終わりから出てきたとか、あるいはイギリスを見ると北海油田からの資源的な供給が段々細ってきて、ネットとしてインポーターの方になってきている状況であるとか、あるいはインド等世界的な原油の状況を見ると、これだけ原油が上がってきて、将来的に見ると原子力などに移行していかなければいけないという力が働いてきているとか、要因そのものも非常に大きく変わってきている状況である。一言で簡単に類型化して、この国はこういう状況だということを申し上げることはなかなか難しい。
 他方で、原油やエネルギー資源、環境の問題から原子力が見直されてきているという状況はあるのではないか。例えばロシアがウクライナに対して天然ガスの供給を細くした影響はドイツなどにも出てきており、エネルギーはやはり安定的に確保していくことが非常に大きなポイントであるので、そうしたことを考えて環境面も配慮すると、原子力が1つの有力な選択肢として様々な国で捉えられてきている状況があるのではないか。

【委員】
 エネルギー問題というのは、もう技術開発を競う状態ではなく、国際分業の時代で、日本ではどういうことをして、どこの国ではどういうことを開発するのかというように、世界中が協力していかないと技術そのものを保っていくことは出来ない。そして大切な視点は日本で今原子力エネルギーの実用化技術を持っている人はそのほとんどが企業にいるという点である。企業では、今まで原子炉等を作ってきた貴重な技術者たちが、企業の利益が見込めなくなってきたので、配置変えなどでどんどんいなくなってきており、非常に深刻な事態となってきている。企業は先の見込みがないとへ投資をしないので、企業にもメリットがいくような形で原子力エネルギー技術を官民一体で支え、それをアジアにも展開していく視点が必要ではないか。
 もう1点は、このプログラムを見ているとアジアとの協力などに研究炉や放射線利用がたくさん出てくるが、最初の議題である原子力関連予算の中には放射性利用についての項目が非常に少ない。今回の電源特会は、最初は放射線利用も入るようなニュアンスで説明されいたが、フタを開けたら結局入らなかった。それはそれでいいのだが、放射線利用が大型プロジェクトだけでなく、研究として伸びるような素地を積極的に作う必要がある。アジアとの国際協力などの際にも国内の放射線利用研究がほとんど無対応に困る事態がおこってきている。例えば農業ではいつまで経っても突然変異作物生成とウリミバエや昆虫・害虫の除去などの2つくらいしか出てこない状況であり、もっと今の研究レベルでも共同研究が出てくるよう、国内の放射線利用研究の活性化を図る必要がある。

【主査】
 資料3-1の16ページの下の方にあるが、INPROも重要だけれども、同時にアメリカ、フランスは原子力先進国でもあるので、両国との協力関係については、大変重要だという観点でお願いしたい。もう1点として、アジアとの関係で核不拡散等の様々なことが絡んでくるので、是非外務省とも十分に連絡をとり合いながらやっていただけるようお願いしたい。

(4)量子ビーム研究開発・利用の推進方策について(最終報告)

 量子ビーム研究開発・利用の推進方策について、今般最終報告が取りまとめられたことから、事務局より資料4-1~4に基づき報告。質疑応答は以下のとおり。

【委員】
 人材育成についてシステマティックな検討が行われていることを拝察するわけだが、工学的エンジニアの不足感があるということで、それに対する定量的な目標や、実際に国内の研究機関や教育機関、あるいはそれに代わるシステムで人材を輩出していこうという具体的プログラムがあるのか、あるいは準備していると考えてよいのか。
 次に少し観点が違うけれども、量子ビーム利用というのは先端的な分野であり、今後新しい産業の創出にも繋がるのではないかと思うが、そういう産業への展開等では、文部科学省だけでなく他省庁も関わると思う。例えば海外に施設を作る際に、こういう技術を売っていくことも当然考えられるが、そのあたりについての展開への考え方というのは現状どうなっているのか、文部科学省の考え方を教えていただきたい。

【事務局】
 人材育成のうち、特に工学系や技術系の人材については、今回各施設へアンケートする際、それぞれのカテゴリーごとに人材がどのくらいいて、その中で例えば理学系や工学系の割合がどうか、不足についてはどうかという点をアンケートしたけれども、時間的制約などがあってどの分野の人材が何人不足しているという定量的な分析が難しい状況であった。非常に不足している、やや不足しているということで4段階くらいの調査をしたものなので、詳しい結果は本文に出ているけれども、例えば5年後に計測・制御の人材が3,000人くらい不足するとか、そういった数字は今の段階では得られていない。特に加速器には様々なタイプがあって、数としては1,000を超えるくらいの加速器が全国にあり、我々で捕捉し得るのはごく一部であるけれども、実はRI協会で量子ビーム専門委員会を作っている。そちらで全国のビーム施設、加速器を全て網羅しており、また近々専門的な検討体制を立ち上げるそうなので、是非そちらで具体的な量的見通しを含めた不足の現状や見通しと、それに対応するための人材育成プログラムを一緒になって議論・検討していきたいと考えている。
 2点目の新産業創出あるいは海外展開に当たっての他省庁との関わりであるが、既に有力な応用領域として資源エネルギー分野や農業分野などの経済産業省や農業水産省の所管領域に踏み込むようなテーマが挙がってきている。当然ながら我々も産業界に手を突っ込んで後から怒られるようなことがないように、例えば日本電機工業会などに伺う時には、その所管課である経済産業省の担当部局に説明に行っている。農業水産省についても、ビーム利用で育成する点については、農業水産省の先端技術課のようなところがあるので是非ご理解とご支援をということで働きかけをしている。
 それらの省庁も反応が非常にポジティブであり、一方でなかなか大型の施設がないという悩みもあるわけだが、例えば農業水産省の場合、是非そういうものは積極的に使って競争資金のプログラムで支援していこうとか、あるいはビーム利用に関わる専門的な組織がある。虎ノ門に本部があるスタッフという業界を含めた組織があり、そこをむしろ紹介してもらって、産業利用研究会をする際には共催という形で、いわば農業水産省とスクラムを組んで産業利用を進めるような協力関係も出来上がっている。これからも、例えば自動車工業会での利用を進める際には、当然ながら自動車産業の所管課を含めて経済産業省なり関係省庁の支援や連携を図っていきたいし、関係省庁もポジティブに対応してくれている状況である。

【委員】
 利用料金のところだが、これは結局経費の一部を国が直接負担する仕組みということになるが、一部というのはどのぐらいのものを考えているのか。機関や対象を限定するのか。というのは国民の目から見ると、国の予算でこういう施設を作って、運用が進まないからまた予算で補填していくというのはどういうことなのか疑問を感じる。もう少しきちんとした理念を示していただきたい。

【事務局】
 今の点については、既に財務省からも同様に厳しい指摘をいただいている。特にトライアルユースという形で先行的な利用を進める際には、どこまでその後の産業界の利用料金を回収していくかというのが重要な課題である。特に、未来永劫的に国が支援していくということではなく、最初の入り口は国が支援を行って、その後で本格的利用にいった場合には、きちんと利用コストを払ってもらうのが基本になると思っている。先ほど紹介した共用促進に関わるところは、具体的な料金が幾らでそのうちどれだけ国が負担するというのはこれからの検討課題であり、定量的に数字で答えることが難しい状況であるけれども、基本的には最初のトリガーのところをなるべく公的資金でカバーして、特に本格的な排他利用になったら、企業にきちんとコスト負担してもらうというのが基本的考え方になる。

【委員】
 報告書の添付図面の3ページ目の分布数だが、Bについては理学系・工学系というのが逆のような感じがするのと、Cについては59パーセント及び32パーセントというのが何かおかしいような気がするのだが。外に出す時までに訂正されたほうがいいのではないか。
 それから他省庁との関係ということだが、所轄ということで気を遣って書いているのだろうが、加速器に関しては文部科学省が全て許可申請の元締めになっており、そこにデータはあるわけである。全体的な鳥瞰図をきちんと見た上で、原子力予算として出している部分について書くのはいいけれども、これだけだと全体像を見た上での役割が少し見づらい気がする。他省庁や自治体のものなど色々とあるので考えてもらいたいのだが、例えばここにはつくばスパイラルというのがある。国の投資というのは関東地方中心になされている向きがあって、人材育成という点を考えると特に東京以外の大学の人々は、何かプラットフォームを使えと言われてもやはり時間も予算もかかるので、その辺の配慮が要るだろう。もちろん予算のこともあるが、例えば自治体等に支援して出来ている施設として、九州だと最近佐賀県にSRセンターが出来た。九州大学あたりはかなりコミットしているように聞いているが、もちろん佐賀県としては産業振興のために作られたのだと思うけれども、そういうところでも人材育成の場に使える可能性もあるわけである。
 そういったもう少し所轄だけでないところも見た上で、役割をこの程度のバランスでこうやるというのが見えるものが欲しかった気がする。しかし、全体的にはかなり熱心にやっていただいている。

【事務局】
 最初の指摘は単純なエラーなので訂正したい(注:文部科学省ホームページの公開用資料については、既訂正済み)。それから加速器の全体像についても、出来るだけ指摘を踏まえて全体像を把握するように努めたい。
 関東地方中心という点については、今回はあくまで中性子とイオンが中心だったので、たまたま今の大型施設が関東地方近辺にあるということでこうなっているが、例えば放射光についてつくばも使おうとか、逆に関西において放射光以外の何か中性子源があったほうがいいという声が確かにある。ただ、大型の施設整備が必要になるという事情もあって色々な配慮もあろうかと思うが、出来るだけこれから放射光なども含めた全国的な見方が必要であるので、放射光の担当ともよく連携をして検討していきたい。

【委員】
 資料4-2の7ページに課題の1つとして挙げられていることについて、産業利用を主眼とした事業の流れとともに、学術研究を主軸とした利用のあり方や両者のバランスについて十分に留意した検討を進めることが重要であるという点については指摘のとおりであり、成功の鍵を握っている大事なことの1つであるが、これを担保する仕組みを早く作る必要があるのではないか。学術研究については、例えばノーベル賞に繋がるような研究成果も出てくる可能性が非常に高いわけである。そういう点では、高エネルギー機構(以下、KEK)と原子力機構が組んで進めていることは非常に心強いことであり、大学共同利用機関のファンクションを活用することも積極的に考えていただく必要があるのではないか。

【委員】
 この量子ビームテクノロジーについて、原子力委員会の原子力政策大綱の中でも取り上げていただき、早速研究振興局でまとめていただいたことに対して感謝申し上げたい。技術進歩の大変著しい分野であり、波及する分野が大変広がりを持ち、経済的な効果も期待できる分野であろうと思う。
 そういう観点から、こういう施設が限られた人だけの利用で終わってしまっては、本来の目的とするところと違うわけであり、出来るだけ幅広く利用されるシステムを作っていくことが大事である。そういう観点で人材育成とプラットフォームという概念を取り上げていただいたことは大事なことである。原子力機構自身も大変幅広い量子ビーム関係の施設を既に保有しているし、施設の共用が本来業務に加わったわけであるので、例えばJ-PARCについては、実際利用してもらう時期が平成20年か21年くらいになってしまうけれども、その運用責任を持つJ-PARCセンターについて、この2月に早速KEKと原子力機構が共同して一元的な体制を作り上げていきたい。また、出来るだけ利用者がワンストップで利便性や特徴が分かるような横断的な組織を新たに作ったので、関西地域も含めて様々な人が使いやすいシステムを作り上げていきたい。
 その中で1つの問題は、特に産業界の人々が中性子やイオンビーム等を使う時に、最初はなかなかそういう専門家を持っているわけではないので、こういう利用に対して最初に取り組むのはハードルが高いという指摘を受ける。従ってトライアルユースも含めた支援体制を整備して、早く利用に取り組んでいただける環境を作っていくことが、SPring-8の色々な利用が広がっていく過程を見ても、我々がやっていかないといけない点であろうと思うので、そういう共用についての様々な仕組み、特にJ-PARCについてもそういう利用を促進していくという支援を是非取り入れていっていただきたい。

(5)その他

  1. 平成18年度「原子力システム研究開発事業」(公募)の募集について[議題(2)]、以下のとおり補足の質疑応答があった。

【委員】
 原子力システム研究開発事業の公募については、一応主査の判断で審議了承されたということだろうが、本日は委員の方々が様々な意見を述べられて、それは当然ながら何らかの形で次の作業へ反映させなければならないと思う。一事不再理であるからこれは出来ないと言っているわけではないけれども、この特別推進分野は6件程度ということであるので、そこに含みがあることをJSTへもきちんと伝えていただきたい。基本的には、実際電気事業者の方々が苦労なさって集められたお金ではあるけれども、一方で国民の負担する税金でもある。またそれは目的税でもあり、そのうち直入特会から一般会計への繰り入れも予定されていることをよく認識しながら、それを踏まえてこの6件程度に幅を持たせてやっていただくという理解で、この資料に活かす審議をまとめていただければ幸いである。

【主査】
 先ほどの委員の皆さんの意見もそういうことだったかと思うので、そのように事務局から伝えていただきたい。

【委員】
 JSTに委託される時に、予算と期間だけではなくて査定方針についても本委員会で案を作って渡すことを提案したが、それはやっているということなのか。あるいはこれからやるべきだと判断していただけるのか。その辺がよく分からなかったので、確認させていただきたい。

【事務局】
 一応議論いただいたことについては、事務局でもやっているので、それは生きているということで。

【委員】
 やっているということか。判断基準があるということなのか。

【事務局】
 我々がこの事業を行うに当たって大枠を示していただいた。もちろん細かい審査基準や判断基準は示されていないが。

【委員】
 もしそういう判断基準があるようであれば、一度開示していただきたい。

【主査】
 恐らく本委員会と、JSTがどのよう公募して考えていくのかというのは、少し質の異なるところがある。判断基準を本委員会で承認し、それを渡して実施してもらうというものでもないと理解している。ここで議論したことを、事務局を通してJSTに理解してもらって、お任せするというところがこのシステムだと理解している。判断基準をここで了解し、それをもって示してということであれば、ただ機械的にやるだけということになってしまうところもある。この公募は、やや仕組みが違うのではと理解している。補足があればお願いしたい。

【事務局】
 こういう競争的研究資金で、ファンディングエージェンシーが一定の独立性を持ってこの制度を運営していく側面もある。一方で、特別会計でやっている性質もあることから、この場の議論は十分に踏まえた形でJSTへは当然伝えるけれども、一方でJSTの独立性みたいなものもあるので、理解いただければありがたい。

【委員】
 全体として主査がまとめられたとおりだと思うが、基本的に本委員会で議論している限りにおいて、この議論がきちんとJSTに伝わるのは当然である。審査のプロセスもあると思うので、どんどん審査をやっていただくことも必要になる。但し、ここで定期的に委員会を開催するわけであるから、事務局がJSTにどう伝えているかということをきちんとフィードバックして、委員全員が認識出来なければいけない。是非きめ細かにそういう対応をお願いしたい。

【主査】
 了解した。

  1. 資源エネルギー庁 総合資源エネルギー調査会 原子力部会(第6回)における検討状況について、資料5-1-1~2に基づき事務局より報告。質疑応答は特になし。
  2. ITER(イーター)計画の現状について事務局より口頭にて説明。質疑応答は特になし。
  3. 今後のスケジュールについて、資料5-2に基づき事務局より説明。次回の委員会については、2月24日(金曜日)10時から12時で開催を予定している旨、事務局より連絡があった。

以上

お問合せ先

研究開発局原子力計画課