資料3−3

戦略的創造研究推進事業の平成20年度の戦略目標について

1.戦略的創造研究推進事業について

 本事業は、国の科学技術政策や社会・経済ニーズを踏まえて文部科学省が定める戦略目標の下に、独立行政法人科学技術振興機構が研究領域及び研究総括を設定し、公募等によって産学官から優れた研究者を結集して、戦略目標の達成に向けた研究の推進を行うものである。

2.本事業の目的

 社会・経済の変革につながるイノベーションを誘起するシステムの一環として、戦略的重点化した分野における目的基礎研究を推進し、今後の科学技術の発展や新産業の創出につながる革新的な新技術を創出することを目的としている。

3.本事業の特徴

1国が定める戦略目標の達成に向けた、トップダウン型の戦略的な基礎研究の推進

  • 社会的インパクトの大きい政策的課題について、研究成果を国民へ還元する将来的な姿を、具体的に、戦略目標として国が提示。

2柔軟で機動的な研究体制の構築、適切な研究マネジメント

  • 戦略目標の下にJSTが研究領域を設定、そのリーダーである研究総括(PO)の下に産学官のあらゆる研究者を結集して最適な研究体制を構築する。
  • 研究総括(PO)及びJSTが、各機関にまたがる研究者を束ね、目標達成へ向けて効果的・効率的な資源配分を行うなどの研究マネジメントを実施する(バーチャル・インスティテュート方式)。

3適切な評価と透明性の確保

  • 研究課題の事前・中間・事後評価は、研究総括が領域アドバイザーとともに行う。中間評価結果は、研究チーム編成見直しや資源配分に反映する。
  • 研究領域および研究総括の事前・中間・事後評価は、外部有識者からなる評価委員会が行う。中間・事後評価では、研究成果及び戦略目標の達成状況を明らかにする。
  • 追跡調査、追跡評価(研究領域終了後5年後を目処)により、研究成果の社会還元等の状況を明らかにする。
  • 評価結果はいずれも、ホームページ上等で公表する。

4.平成20年度の戦略目標について

 平成20年度の戦略目標について、平成20年1月に別添1の通り決定した。評価にあたっては、文部科学省が専門家の意見を聞きつつ以下の観点から評価を実施した。

【適合することが必須であるもの】

  • 1)イノベーションにつながることを意識したものであること。(イノベーションに代表される科学技術政策に沿った政策目的・意図が明確に示されること)
  • 2)基礎研究のフェーズであること。
  • 3)研究成果等のアウトカムが具体的にイメージできること。
  • 4)研究の内容、規模が本制度の趣旨に沿うものであること。
  • 5)他の関連施策と重複がないもの。
  • 6)特定の機関のみが大半を実施することが想定されないもの
  • 7)特定の施設、設備の定常的な運営を伴うものでないもの。

【適合することが望まれるもの】

  • 8)各研究分野において専門家や産業界からニーズが想定され、優れた研究提案が数多くなされると期待できるもの。
  • 9)産業界の参画方法等、目的達成のための配慮がなされていること。

5.今後の予定

 科学技術振興機構に対し、平成20年度戦略目標の決定を通知した。科学技術振興機構においては、研究領域及び研究総括を設定し、3月下旬から研究課題の公募等を行い、戦略目標の達成に向けた研究体制を構築する予定。
 なお、「細胞リプログラミングに立脚した幹細胞作製・制御による革新的医療基盤技術の創出」については、1月下旬から研究課題の公募を開始する予定である。