情報科学技術委員会(第98回) 議事録

1.日時

平成29年6月6日(火曜日)17時~19時

2.場所

文部科学省旧文部省庁舎6F第2講堂

3.議題

  1. 情報科学技術委員会主査代理の指名について
  2. 情報科学技術委員会の議事運営等について
  3. 第9期情報科学技術委員会における当面の審議事項について
  4. 平成29年度情報科学技術分野における研究評価計画
  5. 今後の情報科学技術分野における文部科学省の研究開発課題に関する検討
  6. その他

4.出席者

委員

北川主査、有村委員、上田委員、栗原委員、高安委員、瀧委員、辻委員、土井委員、八木委員、樋口委員、安浦委員

文部科学省

関研究振興局長、原参事官(情報担当)、石田情報科学技術推進官、澤田参事官補佐、栗原専門官、越前学術調査官

オブザーバー

坂内 科学技術振興機構研究開発戦略センター フェロー
茂木 科学技術振興機構研究開発戦略センター フェロー

5.議事録

今回の議事は主査代理の指名等があったため、開会から議題2までは非公開。
1.情報科学技術委員会主査代理の指名について
科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会運営規則第4条7項の規定に基づき、瀧委員が主査代理に指名された。
2.情報科学技術委員会の議事運営等について
科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会情報科学技術委員会運営規則(案)(資料2-4)、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会情報科学技術委員会の公開の手続について(案)(資料2-5)に基づき、事務局より説明があり、承認された。
(傍聴者入室)
【北川主査】  それでは、第9期科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会情報科学技術委員会の議事を進めさせていただきます。
 まず審議に先立ちまして、文部科学省関研究振興局長から御挨拶をお願いします。
【関局長】  研究振興局長の関でございます。本日の会議は第9期の情報科学委員会の最初の会合ということでございますので、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 まず先生方には、この委員の方をお引き受けいただきまして誠にありがとうございます。よろしくお願いをいたします。
 現在、情報科学技術の進展によりまして、グローバルな環境の中で社会経済、大変大きく変革をしていくという時代を迎えているわけでございますが、そういった中で、近く決定をされます新たな成長戦略の中でも人工知能、ビッグデータ、IoT等のイノベーションを、あらゆる産業や社会生活に取り入れた超スマート社会、Society5.0を実現することが重要な課題ということになってございます。
 文部科学省では、御案内のように人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト、AIPプロジェクトを推進をすることによりまして、革新的な人工知能基盤技術の研究開発に取り組んでいるところでございます。またスーパーコンピュータ「京」の利用の拡大、またその様々な成果を上げてきているわけでございますが、ポスト「京」の開発ということも今進めているところでございます。さらに全国の大学等を結ぶ学術情報ネットワークの整備に向けても検討をしているところでございまして、こういった様々な課題につきまして引き続き取り組んでまいりたいと考えているわけでございますが、これからの未来社会の実現に向けまして、情報科学技術分野において、どのようなことが課題となっているのか、また可能かということについて検討を深めていかなければならないと思っております。
 そういう意味で、この情報科学委員会におきまして先生方から御忌憚のない御意見をそれぞれのお立場、専門の観点から御意見を頂きまして、御審議を頂ければ幸いと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【北川主査】  どうもありがとうございました。
 今回は第9期の初回ということでありますので、自己紹介も兼ねまして各委員から、それぞれ情報科学技術分野の振興に関するお考えをお話しいただければと思います。ただし、与えられた時間は11分ですので、11名で1人1分以内ということでお願いいたします。
資料1の順番に、あいうえお順でございますが、よろしくお願いします。
 最初に私です。北川でございます。主査を務めさせていただいておりますので、よろしくお願いします。専門は統計数理で、時系列解析と統計的モデリングの研究をしてまいりました。近年は情報・システム研究機構においてビッグデータ活用の基盤の構築、また、日本学術会議でデータサイエンティストの育成に関することをやってまいりました。4月からは明治大学に移りまして、気楽に自分の研究をさせていただいております。
 ところで全体の情報科学技術に関してですけれども、私の若い頃は、例えば月に行ったり、新幹線が通ったりして、わくわくすることがありましたが、それがまさに情報科学技術によって起こっているという時代になっているかと思います。
 それと、もう一つ大事なことは、他の学術の分野の方が情報科学技術の重要性を非常に御理解いただいていることで、それが例えば研究計画・評価分科会の研究開発計画などで最初に取り上げていただく形で反映しているのではないかと思います。そういう意味で、我々のこの委員会の役割も、ますます重大になっているかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、あとは有村先生から順番に。
【有村委員】  北海道大学の有村と申します。情報科学研究科で働いております。遅刻して大変申し訳……。ちょうど5時間で、ぎりぎりな線でたどり着きました。
 専門はビッグデータ、主にデータベース、人工知能、アルゴリズムということになるかと思います。研究して二十数年になりますが、見ていますと、技術そのものの進歩もすばらしいんですけれども、まず技術とデータと社会、あとそれを許容するということが出てきて、今の人工知能ブームがあるのかなと思っています。ですから、それで終わるわけではなくて、新しい情報科学技術というのが、理論や応用や社会と一緒に進んでいくものと思っています。
 初めてですので、どうぞよろしくお願いいたします。
【上田委員】  初めまして。NTTコミュニケーション科学基礎研究所、また、7月から理研のAIP副センター長を仰せつかっています上田修功と申します。よろしくお願いします。
 私自身の専門は、入社した頃はコンピュータビジョンをやっていましたが、7年たってコミュニケーション科学基礎研究所が京阪奈にできて、それ以来ずっと機械学習、主に統計的な機械学習の研究をやっています。若い頃は、そういう分析術を非常に興味持ってやっていたのですが、ちょうど良いタイミングで理研のAIPの副センター長を仰せつかり、かつ、目的指向のグループディレクターになって、今、それこそ災害・減災だとか、iPS細胞だとか、いろいろ非常に関心の強い研究領域の関連組織と連携して機械学習を、縁の下の力持ちかどうか分かりませんけれども、そういう分野を支える意味で、これから研究を進めたいと考えております。よろしくお願いいたします。
【栗原委員】  東北大学の栗原でございます。専門は、今までの方とは違って物理化学、界面計測とか材料、あるいは最近は、そういう基盤的な計測を技術に応用するということで摩擦の研究をしております。この情報関係では、「京」やポスト「京」のアプリケーションの開発のプログラムの関係する委員会にずっと出席させていただいています。
 私は、どちらかというと今後、情報を活用させていただくような立場として、ここで勉強もさせていただいたり、議論もさせていただくと大変幸いだと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【高安委員】  東京工業大学で新しくできたユニット、ビッグデータ数理科学研究ユニットを担当しています高安と申します。私のバックグラウンドは物理学なんですけれども、現在は社会や経済の現象を記述する数理モデル及びビッグデータの解析などを担当しております。
 うちのユニットでは企業からたくさんのデータが入ってきており、例えば今、国が進めている、地域を牽引していくような中小企業をどうやって科学的に見つけるのか、といったプロジェクトが研究室の中で行われています。なので、政治とも近いんですけど、サイエンスともとても近い位置にいる研究室だと認識しています。
 この委員会でビッグデータをどう扱っていくのか、アカデミックにどう扱っていくのかということで貢献できればと思っています。よろしくお願いいたします。
【瀧委員】  和歌山大学の瀧と言います。私は、いろんなことをやってきまして、一番最初は生産技術というのをやっていまして、ロボットを作ったり、ものづくりをやっていますので、今でも、そのものづくり関係にAIを使うというのは、よく分かっていると思っています。
 それから第五世代コンピュータプロジェクトというところにも出向しておりまして、そのときは知識獲得というのを研究していました。今の機械学習とは違って、人間の持っている知識をいかに引き出すかというのをやっておりました。
 最近は脳計測をしながら人工知能を考え直したいというのをやっておりました。今は学長なので、研究が少し止まっているので、ちょっと残念かなと思いますけれども、いろんな形で、今のこのSociety5.0の進展がうまくいくように知恵を出したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【辻委員】  辻でございます。私は昨年秋まで、長く新聞社で科学関係の取材をしてまいりました。現在は名古屋大学の国際機構に所属して、アジア諸国との協力の現場を見ながら、これまで外から見ていた大学を中から見て発信するという仕事をしております。情報分野では、今お話に出た第五世代コンピュータから、最近ではAIなど、外から取材という形でかかわってきました。ここでは唯一の素人になりますので、どれだけ貢献ができるか分かりませんが、よろしくお願いいたします。
【土井委員】  今、情報通信研究機構で非常勤の監事をしております土井と申します。4月からは、これに奈良先端科学技術大学院大学という、こちらも非常勤なんですけど、理事が付け加わっております。よろしくお願いします。
 この委員会は昨年、前期に引き続いて参加をさせていただきます。その前にも参加していたことがあります。
 情報関係、私、ずっとヒューマンインターフェースやってきたんですが、今は、この非常勤の監事になったりして、ちょっと研究からは遠のいているんですが。そういう意味で、先ほど有村先生が言われたような社会の許容性みたいなことで、学術会議の方でも科学技術の光と影のような、そういう視点で見るような活動をしたりしております。
 一方、情報科学技術、今まではどちらかというとソフトウエアとIoTと、今新しく、またデータというのが。新しいというか、ずっと蓄積したものがデータとして使えるようになったというところで、それが今一つのブームになっていると思っています。が、これからは、もう一度進んで、人間が随分ゲノムとか脳を使って解析できるようになってきているので、多分また違うステップに上る、行くのではないかという意味で、技術的に非常に期待をしております。よろしくお願いいたします。
【樋口委員】  情報・システム研究機構統計数理研究所所長の樋口です。私、情報・システム研究機構の理事も兼ねております。北川先生の後の藤井新機構長が、理事の所掌の見直しを行いまして、教育分野からさらに人材育成というのを特別に切り出されました。情報・システム研究機構には四つの研究所プラス施設等々ありますけれども、情報・システム研究機構としましては、データサイエンスや人工知能に関わる人材育成を強化するということで、私が人材育成の担当の理事になります。皆様よろしくお願いいたします。
 私、この委員会、大震災の後から務めさせていただいております。当時は余り面識のない先生方もいらっしゃいましたが、今回新しく参加された方を含めて今回のメンバーの方々を見ますと、私の研究分野、理論とか計算とかそういうところですが、そこに近い方が多いということで、このメンバーの編成を見ただけでも、情報科学の力点が、この五、六年で明らかに変わったということを痛感しております。
よろしくお願いいたします。
【八木委員】  大阪大学の理事・副学長をしている八木と申します。よろしくお願いいたします。
 私、先ほど上田さんがコンピュータビジョンとおっしゃいましたが、私もコンピュータビジョン、またロボットビジョン。ロボットのビジョンですね。
知能ロボットのビジョン、またパターン認識という計算機の目に関する研究をずっとやってまいりました。そうやって、ずっと情報の世界にいるわけですが、私自身が今、理事になる前は産業科学研究所というところの所長をさせてもらっていたんですね。産業科学研究所というのは、いわゆる材料科学、そして生物、いろんな多様な分野の集まりです。量子ビームとか。
 当時、研究所でいろいろ情報化しようと思って、いろんなアクションをしたんですが、なかなか動きが悪かったんですね。ただ、今、最近ですと、みんなみんな材料の人たちなんか、マテリアルズ・インフォマティクスとか含めて、情報化ということに対する意識が物すごく変わってきたというのを感じ、この数年で大きく変わってきたと思うんです。
 情報というのは、やはり今現在、我々にとってみたら、国語と英語と同じ存在、いわゆる基盤として情報というものを持たないといけない時代で、全ての学問分野で、その情報力をいかに高めるかというのが、我が国の情報産業を含めた、底上げをする上で非常に重要だと思っております。
 この委員会でも是非いろいろ皆さんと御議論させてもらえたらいいなと思っています。よろしくお願いいたします。
【安浦委員】  九州大学の安浦でございます。前期から、この委員会には入れさせていただいております。
 私は多分、このメンバーの中では一番ハードに近いところ、計算機アーキテクチャとかLSIの設計とかをやってきたんですが、ここ9年間、この理事、副学長という訳の分からない仕事をやらさせていただいております。
 最近、大学の中で感じますのは、もちろん国立だけじゃないと思いますけど、私立も含めて、国公私立大学がかなり厳しい状況にあると。
その中で教育、研究あるいは大学の経営、これを大きく変えていく、その基盤そのものは何かというと、情報技術を使うしかないということで、私は、情報技術の利用は大学における隠された未利用資産であるという言い方をしております。
 大学で新しい使い方を実践することによって、それが社会に広がっていく。例えば教育が小学生にも電子教科書になるという話がありますけど、いきなり小学生にそういうことをやっていいのかという問題があります。幸い大学は、選挙権も2歳下がって全員有権者を入れているわけですから、有権者に対して、まず新しいICTをうまく使った教育手法を導入して、それから、やっていいこと、悪いことを判断して、小学生等に適用していくというようなことで、教育の面あるいは大学の経営の面、クラウドを使ったいろいろな財務会計システムとか、人事管理システムとか、そういうのを統合していくという話は、これは自治体とか初等中等教育のいろんな機関にも当然やっていかないといけない話で、そういったものを、このまさにSociety5.0を大学の改革から始めていくのがいいのではないかと思っています。教育というのは、いわゆる医療とか健康あるいは介護と並ぶ社会の重要なサービスであると、そういう立場で考えますと、この文部科学省が全て所管されている部分ですので、そういう中で、この委員会でも少し大学が現場であるという立場で発言をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
【北川主査】  どうもありがとうございました。改めて委員の方に、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは3番目の議題に参ります。第9期情報科学技術委員会における当面の審議事項についてです。
 今期における当面の審議事項について事務局案が資料3に示されておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
【栗原専門官】  御説明させていただきます。当面の審議事項でございますけれども、この資料3という1枚紙でございます。こちら、これから本委員会で御審議いただきたい点や、そのスケジュールについて、主査と御相談しながら事務局の方で案を作成をしてございます。
 資料3におきまして、当面の審議事項としまして3点挙げてございます。
 まず1点目は、昨年の1月に科学技術基本計画が閣議決定をされまして、Society5.0という新しい社会像が提示をされております。その新しい科学技術基本計画も踏まえまして、今後の情報科学技術分野の研究開発推進方策について御審議をお願いしたいというところでございます。
 これはまた本日の議題5で後ほど詳しく御説明申し上げますけれども、現在議論が進んでおります、官邸における未来投資戦略でありますとか、内閣府における科学技術イノベーション総合戦略というのも先週、閣議決定されましたが、それらを踏まえまして御議論いただければと思っております。
 2点目が研究開発の評価の関係でございます。ここに記載されてございますような中間評価、事後評価、事前評価という評価について御審議いただきたく存じます。
 具体的には、今後御検討いただく推進計画に基づいて実施される新たな施策の事前評価であるとか、またハイ・パフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)に関しては別途HPCI計画推進委員会という会議も研究振興局長の諮問機関として設けてございますけれども、そちらの中間評価とも連携しまして、情報科学技術委員会に対する報告を頂いた上で審議を行い評価するというところで事前評価及びポスト「京」で重点的に取り組む社会的・科学的課題に関するアプリケーション開発の中間評価、また文部科学省の直轄の事業として昨年度まで実施されていたイノベーション創出を支える情報基盤強化のための新技術開発、こちらは東北大学が中核となり実施されたスピントロニクスデバイス基盤技術やストレージ基盤技術の事業についての事後評価というところでございます。
 3点目は、その他の論点としまして、他の事項にも留意するとともに必要に応じての議論の取りまとめや報告ということも盛り込ませていただいてございます。
 その下には当面のスケジュールの案も記載させていただいております。
 以上でございます。
【北川主査】  ありがとうございました。前期では、過去に行われた情報科学技術の施策に関しての評価というわけではないですが、過去の施策を振り返った議論をかなりやらせていただきましたけれども、今回は、この1、2辺りを中心にしてはいかがかという御提案でございます。
 審議事項でございますので、御質問はもちろん、御意見ございましたら、よろしくお願いします。安浦委員。
【安浦委員】  例えば1番で挙げられている研究開発戦略の検討というところで、今AIPが大きな柱として走っているわけですけれども、日本全体の大きな戦略として、そのAIPだけ走らせていいのかどうか。もう一つはスーパーコンピュータの話があるわけですけど。その2本が何か突出した柱になっているんですけど、情報科学全体を見たときに、そういう視点だけでいいのかどうかという議論は一度、新しいメンバーでしっかり議論していただいた方がいいのではないかと思います。
【北川主査】  はい。ごもっともな意見なので、それも含めた形で進めるということで、この文章自体は、これでよろしいかと思うんですが、いかがでしょうか。
【栗原専門官】  はい。
【北川主査】  そういう形で進めていきたいと思っております。
 ほかの委員、ほかの御指摘ございましたらお願いします。よろしいでしょうか。
 それでは、ただいま安浦委員から御指摘いただいた点には注意して進めていくということで、これ自体は御了承いただいたものとさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 それでは4番目の議題に参ります。平成29年度情報科学技術分野における研究評価計画についてでございます。平成29年度に実施する研究開発課題の評価については4月6日に、本委員会の親委員会であります研究計画・評価分科会において、各研究開発課題の評価の進め方が決定されております。それを受けて、情報科学技術分野における研究評価計画案について事務局から説明をお願いいたします。
【栗原専門官】  御説明させていただきます。資料が多くて恐縮なんですが、資料4-1が4月6日に本委員会の親委員会である計評分科会で決定されたものでございます。
 それを受けて、その次の資料4-2でございますが、この委員会での平成29年度の評価計画を主査と御相談して作ってございます。
 評価の目的としまして、新規課題に関しては必要性、有効性、効率性の観点から評価を行い、継続課題に関しては効果的な実施の観点から研究内容の見直し等の提言を行います。終了課題に関しましては研究成果の更なる発展や活用に向けた方策等の提言を行うということとしてございます。
 評価の対象課題でございますけれども、本委員会におきましては、まず事前評価、この2の(1)というところです。こちらは新しく平成29年度に要求するような平成30年予算に関する新規要求の課題で、夏の概算要求の時期、つまり8各省が概算要求を財務省に提出する8月末までにお願いするということとしております。
 なお、所掌に属する課題の中で総額10億円以上が見込まれる課題についてとありますが、これは分科会において実施、評価することが適当と判断されたもののうち、例えば5か年計画であれば年間2億円以上といったものが対象となります。事前評価結果については文部科学省の政策評価、概算要求内容の検討等に、こちらで御審議いただいた結果を文科省において引き取って活用するということとされています。
 (2)の中間評価でございますけれども、こちら平成29年度に関しましては、スーパーコンピュータ「京」の後継となるポスト「京」のアプリケーション開発に関する中間評価がございます。システム開発自体は来年度となりますけれども、本年度に関しましてはプログラム4年目ということで、そのアプリケーション開発についての評価を実施させていただければと思います。
 また事後評価でございますけれども、こちらは昨年度までで既に終了しておりますスピントロニクスデバイス及びストレージ基盤技術についての研究開発の評価をしていただくということを、よろしくお願いしたいと思ってございます。
 またページをおめくりいただきまして裏面に参りまして4点目の評価の日程でございますけれども、7、8月は概算要求前でございますので事前評価を、秋以降に中間評価および事後評価の実施を予定をしてございます。
 4ページ目以降につきましては評価表のフォーマットを付けてございますので、適宜御参照いただければと思います。
 また資料4-3としてカラフルな図を示しておりますけれども、評価の予定を、今までに多数評価していただいたものも含め、赤い矢印は中間評価であり、青い矢印が事後評価なんでございますが、プロットしたものでございます。
 以上でございます。
【北川主査】  ありがとうございました。それでは、こういう形で進めてよろしいかどうかということで御審議いただきたいと思います。何か御質問あるいは御意見頂ければと思います。ほぼ例年、従来どおりということでございます。いかがでしょうか。
 この件も、特に御異論ないようでしたら、こういう形で進めさせていただくということでよろしいでしょうか。どうもありがとうございます。
 なお、親委員会への報告に当たっては必要性、効率性と、何でしたか?もう一つは。
【栗原専門官】  はい。必要性、効率性と有効性です。
【北川主査】  そういう形で説明していくことになりますので、評価に当たっても、そういう観点からまとめていただくようにお願いしたいと思っております。よろしくお願いします。
 それでは5番目の議題に参ります。今後の情報科学技術分野の研究開発戦略の検討でございます。これが本日の審議の中心になる内容でございますが、今後の情報科学技術分野における文部科学省の研究開発戦略に関する検討についての御議論をしていただきたいと考えております。
 今回、第9期の初回ということもございますので、初めて委員に御就任された方も7名いらっしゃいますことから、最初に事務局から様々な施策的な動向と、それを受けた現在の文部科学省における情報科学振興のための施策及び昨年度審議された研究開発計画についての説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【栗原専門官】  ありがとうございます。委員の皆様の限られたお時間でございますので、この後の御審議の時間をとるべく手短に御説明させていただきます。
 資料5でございますけれども、こちらが前回、本年1月27日の第97回情報科学技術委員会、またその後の2月8日の親委員会である研究計画・評価分科会において審議されて決定している研究開発計画というものでございます。これは文部科学省として、政府全体の第5期科学技術基本計画を踏まえて研究開発計画を策定して、その際には、今後10年程度を見通したうえで今後5年間を対象期間として重点的に推進すべき研究開発計画及び推進方策を、情報分野だけではなく、この資料5はあらゆる分野――原子力、環境エネルギー、ナノテクノロジー、量子科学等も含まれていますけれども、それを年度内に取りまとめるということで昨年度内に取りまとめたものであり、既に決定しているものでございます。
 5ページ目以降が情報科学技術に関する記載がある部分でございまして、21ページまでの部分に情報科学に関する記載がございます。
 この5ページにございます大目標達成のために必要な中目標の評価のための指標というものが、5ページの真ん中ほどにございまして、ここだけが実他の委員会での審議等も踏まえまして、シンプルな目標への修正、変更が行われてございます。
 また、具体的な研究開発の取組について重点的に推進するものということで、ここは1月27日の前回の97回委員会から変わっていないものですけれども、5ページの下でございます。中目標達成のために重点的に推進すべき研究開発の取組。アがイノベーション創出に向けたAIやビッグデータ、IoTやセキュリティ等に関する研究開発。また次のページ、6ページ目に参りまして、イ、ウ、エと、それぞれ基本ソフトウエア基盤技術であるとか、次世代の革新的なハードウエアの関連技術であるとか、又は人間と人間や、また人間とシステムとのインタラクションの研究開発ということで書かれてございます。
 また6ページの一番下から7ページにかけては、もう少し応用の分野で、社会システムと高度に連携するというところで、環境・エネルギーであるとか、健康医療であるとか、防災、安全・安心、また新たな価値創出のコアとなるような基盤技術というところで、それぞれ実用化を見据えた研究開発が必要であろうということで書いてございます。
 また17ページ以降には、研究開発の企画・推進・評価を行う上で留意すべき推進方策かいてございます。17ページは人材育成で、情報科学技術に関して世界中で高度な人材の獲得競争が激化する中で、そういった人材の育成を積極的に推進するという点、また多様なキャリアパスの確保や若手研究者が能力を発揮できる環境というところございます。
 また18ページにはオープンサイエンスというところで、研究者やユーザーが所属する様々な学会、産業界等がデータを共有可能にして、それらをオープンに交流できるようにするという点であるとか、また19ページ、20ページにも、それぞれオープンイノベーション、知財・標準化、社会との関係深化というところを書いてございます。
 これらが研究開発計画として既に決定されているものですが、一部、この5ページの指標の部分だけが特許や論文等の研究開発の状況を測るための指標ということで、各分野統一で記載しているものでございますが、論文数、学会発表数、特許数、社会実装テーマ数や経済的・社会的インパクトということで新たに修正をされてございます。
 次に資料6でございますが、このパワーポイントの横長の資料でございます。
 資料6を1枚おめくりいただいて、情報科学技術分野の政策の動向ということで書いてございますけれども、3ページにはSociety5.0に関連する政府全体の検討体制を図示してございます。カラフルな3ページ目の図でございますけれども、日本経済再生本部の下に、総理を議長といたしまして、副総理、官房長官、経済財政担当、経済再生担当大臣、経済産業大臣を副議長としまして、文部科学大臣、ほか関係大臣が入りました未来投資会議というもの、3ページ目の真ん中の上にございますが、未来投資会議が設置をされてございます。
 この未来投資会議では、いわゆる成長戦略と俗に言われる日本再興戦略――本年から名称が変わりまして未来投資戦略となってございますけれども、これを策定してございます。その未来投資会議の下に、昨年4月から安西祐一郎学術振興会理事長を議長として、政府の司令塔でございます人工知能技術戦略会議が、この分野の司令塔ということで、人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップを策定して、一元的に社会実装までを推進する会議体ということで組織をされてございます。
 また同じく総理を議長とします内閣府総合科学技術・イノベーション会議が中段にございますが、こちら5年ごとの科学技術基本計画の策定であるとか、また毎年度、科学技術イノベーション総合戦略を策定してございます。ちょうど先週、閣議決定された総合戦略2017というものもございます。
 また一方で一番下でございますが、文部科学省には平成13年、2001年に省庁再編のときに科学技術・学術関係、6審議会を統合しました科学技術・学術審議会が文部科学大臣の諮問に応じる審議会として設置され、この委員会も、その下にあるということになってございます。
 また4ページ目に参りまして、内閣府総合科学技術・イノベーション会議、未来投資会議それぞれで、どう検討しているかということを図示したものでございます。右上にございます科技イノベ総合戦略2017は先週金曜日に閣議決定をされて、また右下にございます未来投資戦略2017とが、ちょうど先週火曜日、5月30日火曜日に素案が示されたというところでございます。この右下の成長戦略取りまとめと書いていますが、それが今まさにされているところでございます。お手元の机上資料の緑のファイルにも、詳細な冊子が入ってございます。
 5ページ目に参りまして、ここでは、これらの制度全体の動きの中で文科省は何やっているのかということが示してございます。特にこの一番上にございますのが人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクトということで、5ページの一番上に青字で書いてございます。及び中段にも理研AIPセンターの人材育成と書いてありましたり、これらについては一昨年、昨年と、この委員会の場で事前評価を頂いて概算要求をして、結果として事業として実施しているものでございます。
 また最下段に「京」やポスト「京」の記載もございます。また関係法人として情報研の記載等もあるんですけれども、これらの部分が、本委員会が中心となり御審議いただくというものでございます。
 また、その他関連する取組についても、それぞれ分野別の委員会が、例えば人材育成に関しては人材委員会であるとか、各法人に関しては法人の所管委員会で、それぞれ議論がされているものもございますけれども、やはり、この委員会は情報科学技術に関する調査検討を幅広く行うというのが審議の事項でございますので、これらについても適切な部署と連携して対応させていただきますので、幅広い観点で御審議を頂ければと思ってございます。
 6ページ以降ですが、6、7、8ページは未来投資戦略の概要でございまして、9、10ページは科技イノベ総合戦略の、これも先週閣議決定したものの概要を示したものでございます。
 11ページでございますが、文部科学省の科学技術・学術審議会についてでして、以前6審議会あったものを統合した全体像を示しており、この11ページ、文字が小さく恐縮ですが、上から8行目にございますのが本委員会です。関連する人材の委員会であるとか、様々な分野別の委員会が多数あるということが見ていただけるかと思いますが、必ずしもほかの委員会の所掌だといってとどまることなく、幅広く情報科学技術に関する調査・検討をしていただければと思っております。
 12ページにございますのが、この科学技術基本計画の主に2章に記載されている事項を審議するという整理でございまして、科学技術基本計画自体はお手元の緑色の冊子にも入ってございますけれども、2章には世界に先駆けた超スマート社会の実現、また超スマート社会における基盤技術の戦略的評価という事項が入っています。なので、12ページのオレンジに示している部分ですね。研究計画・評価分科会は何をやるかというと、基本計画2章に関する、その推進を担うとされていますので、幅広く、その観点での御審議いただくというのが、この委員会でございます。
 13ページの下から二つ目の欄にも各分科会等ということで何をするかと書いていますが、調査、審議を続けるということで、それが今現在進んでいるミッションでございます。
 参考情報でございますけれども、14ページ、15ページのとおり、内閣府総合科学技術・イノベーション会議、CSTIでは、2016年12月に科学技術イノベーション官民投資拡大イニシアティブというものをまとめまして、具体的なターゲット領域選定が4月に行われています。この中のサイバー空間基盤技術、フィジカル空間基盤技術、革新的建設・インフラ維持管理、革新的防災・減災技術という3領域をターゲット領域候補ということで示していて、15ページにもオレンジに塗ってありますけれども、あくまで参考情報ではございますが、このような動きがございます。いずれも情報科学技術に関しては重点的に推進すべきところだということが審議されているところです。
 また16ページ、17ページは、人工知能技術戦略会議についての概要、メンバーの一覧でございます。安西祐一郎議長をはじめ関係5法人、また五神東京大学総長、西尾大阪大学総長、経団連からは内山田トヨタ会長、小野寺KDDI会長にも御参加いただいて、ちょうどシンポジウムを先月末に行ったところでございますが、そういったことが書いてございます。
 17ページには、3月末にまとめたロードマップの概要、また18ページにはこの人工知能技術戦略会議の下部のタスクフォースがございまして、そちらで八木委員が中心となって取りまとめいただいた人材の状況についてのものも、今回の御審議の参考として入れさせていただいてございます。
 また本日、理研AIPセンター副センター長でもある上田委員、JSTからも御出席いただいておりますが、理研やJST、総務省や経済産業省の予算も含めた3省の関連する予算について、連携体制をしめしているのが19ページの図でございます。
 21ページ以降は関連予算でございますが、お時間も限りございますので、簡単に御紹介いたします。21ページは、文部科学省全体で5兆円余りの予算がございますけれども、その中で科学技術関係予算が約1兆円、平成28年度は9,620億円、平成29年度は9,621億円ということで予算編成されてございます。21ページの中段でございますけれども、情報関係の予算がその筆頭の項目として、新たなイノベーションの鍵となる先端基盤技術の強化というところで、特定国立研究開発法人等を中核とし、人工知能、ビッグデータや我が国が強みを有するナノテクノロジー・材料等の研究開発を強化してデータプラットフォームを整備ということで書いてございます。
 また、24、25ページは、この後、上田委員から御説明いただく理研のAIPセンターの関連のもの、26ページには先ほど安浦先生からも御指摘ありましたが、単に特定の拠点だけでなくて、幅広く日本全体を支援できるようなファンディングということで、JST戦略的創造研究推進事業AIPネットワークラボという取組を実施しております。喜連川先生、田中譲先生、萩田先生、安浦先生、栄藤先生、黒橋先生、後藤先生という今までの領域に加えて、現在公募中でございますけれども、本年から間瀬先生、暦本先生の新しいCREST・さきがけの領域も始まってございます。
これらを有川前総長にラボ長という形でまとめていただいて、様々なファンディングを連携して推進するという取組でございます。
 また27ページ以降も個別の予算に関する事項でございますが、スパコン関係として、HPCI、ポスト「京」の開発、また学術情報ネットワーク、SINETに関する予算の資料を入れてございます。
 30ページには、未来社会実現のための事後評価していただくICT基盤技術のスピントロニクス、ストレージに関する昨年度の予算についての資料でございます。
 また御参考ですが、最後の32ページには、こちらJSTと文部科学省とが作成いたしました、国内外の民間政府投資規模の資料を入れさせていただいております。国内企業の投資額や政府の予算を記載しております。一方で米国は様々な大規模なIT系企業が1兆円超えるような投資をしているということが資料左下からも分かりますし、また中国企業も非常に巨額の研究開発投資を行っていることが分かります。
 資料右側の政府投資で見てみると、それほどの規模にもなっておらず、まだ戦える規模なのかもしれないということも分かります。一方で日本政府としても引き続き投資が必要だということが分かる国内外の民間投資、また政府投資の規模の資料となってございます。
 この資料に関しては以上でございます。
【北川主査】  ありがとうございました。それでは引き続きまして、ただいまの事務局からの説明にもありました施策の中で中核的なものとなっております理研の革新知能統合研究センターの取組につきまして、このセンターの副センター長でもあります上田委員から御発表をお願いいたします。
【上田委員】  それでは、お手元の資料、資料7をごらんください。1枚めくっていただきまして2ページ。
 これは冒頭ありましたように、2016年4月に、杉山センター長――東大の教授ですけれども――をセンター長に迎えて、AIPが設置されたということで、理化学研究所AIPセンターとJSTのAIPネットワークラボと一体的に実施するという形で位置付けられております。
 3ページに参りまして、まず研究戦略として、理研ですので基礎研究を推進するということで、10年後を見据えた基礎研究で、目標は大きく二つありまして、やはり、せっかく多額の予算を付けて研究をするわけですから、海外に向けても競争に勝たなきゃいけないということで、一つは、基礎研究というのは基本的に個人勝負であるので、優秀な人材を集めて、優れた成果の出る可能性を増やすということ。日本でも機械学習等々で理論研究者はいますので、そういう意味では十分な個人勝負ができるだろうと考えています。予算が、あるいは人数が、という問題はありますけれども、こういう観点で見れば十分戦えると考えています。
 めくっていただきまして4ページ。応用研究においては、日本が強いサイエンス分野、例えば再生医療だとかものづくり、あるいはマテリアル、こういう領域で、AI技術で、これらの研究分野を加速するというような位置付けで応用領域の重要研究機関を支援することとなっております。
それから、これは日本が取り組むべき社会的な課題。先ほどもありましたけれども、ヘルスケアだとか防災・減災、あるいはインフラの保守というようなところにAI技術を投入して社会課題解決を図る、というのが研究戦略の2番目でございます。
 3番目、ページめくりまして5ページです。これはAIの社会的影響に関する研究です。AIといいますと、海外では特にシンギュラリティ等々の議論がありまして、こういうところはマスコミも非常に関心を持つといいますか、いろんな発信がなされて、場合によっては研究に差し障りが起こることもありますので、こういうところはAIPでも、哲学者だとか工学の先生集めて議論をして、我々の研究自身が、どういう影響を社会に及ぼすかを分析します。
 次めくりまして6ページ。人材育成です。やはり、別にAIに限ったことではないのですけど、コンピュータサイエンス含め、研究者の層が薄いということもありまして、研究開発人材を育成するために、学生も含めて、大学の非常勤研究者をどんどん雇うと。それから今、AIPの方で連携センターというのを立ち上げておりますけれども、産業界の研究者を理研に来ていただいて、コンサルをして、そういう人材をまた企業に戻すことによって人材を厚くしていくというような仕組みですね。それから海外の大学・研究所からの学生・研究者をどんどん取り込んで、密なネットワークを形成するとともにAI技術をカウンセリングすることで人材育成します。
 データサイエンティストを育成ということで、そこに御案内のとおりですけれども、統数研の方に協力いただくだとか、東大若しくは学会でのセミナーをやるということで、こういう研究者、若手研究者をどんどん育成しようということです。
 次のページ。これが6月1日現在でのセンターの体制図でございます。三つの大きなグループから成りまして、一番左の汎用基盤技術研究グループ、これは杉山センター長がグループディレクターを兼務します。ここは、キーワードがありますように、非常に理論的なところ、今、機械学習で重要になっているような分野の各チームリーダーが、一言で言いますと機械学習最適化の連続的な最適化の日本のトップ研究者が集まっていると言っても過言ではございません。
 目的指向基盤技術研究グループ。これは私自身がグループディレクターをやっておりますけれども、ここ、右の分野を見れば分かりますように、先ほど言いましたサイエンス、あるいはサイエンスの加速すべき領域、あるいは社会課題とか、そういう領域から成ります。
 ここは注意してほしいのは、目的指向基盤技術研究グループは、機械学習を使って、精度をインプルーブするとか、そういう応用研究ではなく、今までできなかったこと、あるいは各サイエンス領域で困っていることに対し、機械学習だとかAIを使って実現可能にするという研究です。
 例えば、下から2番目のiPS細胞です。ここは私がチームリーダーを兼務しておりますけれども、実質的には、この前、報道ステーションに出ました京大のiPS研究所の井上教授らが、実質上中心研究者ですが、我々は、効率的な実験計画だとか、彼らがいかに効率的に、iPS細胞関連の研究を加速できるかというところに対して機械学習技術でサポートするという位置付けでございます。
 あと防災に関してはSIP防災、防災科研、防災研と連携をしており、現在、具体的な研究テーマを議論しています。
 社会における人工知能研究グループは、先ほど言いましたように、哲学者だとか、そういう人たちを集めてAI技術が社会に及ぼす影響、AI社会での法制度などを議論をする研究グループでございます。
 次に移りまして、その三つのグループの関係ですが、先ほど説明いたしましたように汎用基礎というのは、それぞれがとがっている研究ではありますが、これだと何かばらばら感が出てきますので、目的指向の方で、先ほど言いましたような課題に関して問題を抽象化し、問題を抽象化することによって、汎用基盤の研究者が適宜、その問題に技術協力するような形で、両グループが連携して研究推進するという形態です。
 それと産総研のAIのセンターとは、社会実装という観点で連携します。今現在ではAIPは研究系220名。これはPIだけではなくて、もろもろの研究者含めてでありますけれども、これぐらいの規模感で今やっています。
 ただ、いわゆるプロパーといいますか、100%エフォートの人は、まだ十数名ぐらいしかチームリーダーとしてはいませんけれども、外国人の研究員がどんどん増えておりますので、常勤の研究員も増えていっているという状況でございます。
 9ページに参りまして、COREDO日本橋の15階がAIPセンターの研究拠点になっておりまして、この写真にあるのが自由にディスカッションできるスペースで、ここはAIPの方だけではなくて、同伴であれば、入室できます。今日もいろんなセミナーやディスカッションがここで実施されております。かなり外国人の比率が高いので、インターナショナルな雰囲気が出ております。
 10ページ目に参りまして、これは報道発表されていますけど、世界最高速の、最高規模のNVIDEAのDGX-1を富士通の協力を得て設計、導入しました。NVIDIAの副社長と杉山センター長が握手をしてお披露目会をしている写真です。これは海外メディアでも報道されています。
 11ページです。まとめになりますけれども、短期、中期の取組として先端技術を活用して、日本が強い分野を強化するということと、社会課題の解決に向けてもAIPは貢献する。ELSIの分析・発信も行うということです。
 人材育成に関しては国内大学にPIの先生が大勢分散しておりますので、学生指導も含め、また、企業との連携も含めて人材育成を実施するということです。
 中長期の取組としては、深層学習ではできないような難題を解決するというところを基礎では狙っており、新産業の創生に関してはNEC、富士通、東芝、これが今、連携センターになっておりますが、理研にお金と人を出して、我々はそれをコンサルして、彼らが産業界にAIを浸透させていくという仕組みでございます。
 12ページ、最後になりますけれども、今後の展望として、産学官の協調という意味で人工知能研究を発展させていくというようなこと。それから企業連携、先ほど言いましたとおりですが、そういうところも今後含めてやっていくということでございます。今年度は約30億の予算が付いておりますが、まさに先ほどご説明した研究を一層強化加速していく所存です。
 ちょっと駆け足でしたが、説明は以上です。
【北川主査】  ありがとうございました。御質問等あるかと思いますけれども、引き続いて発表していただいて、最後にまとめて質疑応答とさせていただきます。
 次は科学技術振興機構の研究開発戦略センター、CRDSと言った方が分かるかと思いますが、ここで俯瞰報告書2017年版というのが取りまとめられておりますので、坂内様、茂木様から、情報科学技術分野の国際的な動向と我が国の現状等について御発表をお願いします。
よろしくお願いします。
【坂内フェロー】  JST、CRDSの坂内と申します。よろしくお願いします。
 まず前半は俯瞰報告書について私、坂内の方から、それから後半がアメリカ人工知能学会について茂木の方から説明を差し上げます。
 まず資料8-1をごらんいただけますでしょうか。こちら、表紙めくっていただきますと、まずJSTの中には研究開発戦略センター、CRDSという組織があります。このCRDSという組織は、科学技術イノベーション政策や研究開発戦略を提言するという目的で活動をしております。その活動の基となる資料として、この俯瞰報告書というものを作成しております。
 この科学技術分野の俯瞰を通しまして、それを基礎としまして戦略プロポーザルを作成して、文部科学省様をはじめとして様々な機関に対して提言を行うといった活動をしております。
 めくっていただきますと2ページ目の研究開発の俯瞰報告書なんですけれども、こちらにつきましては、ある分野ごとに、これ冊子を作っておりまして、その分野における研究開発の現状の全体像を把握するというものでございます。こちらの報告書については、CSTI等の会議等でも使われて活用されていると認識をしております。
 次の3ページ目に、この報告書の作成のプロセスが書いてございます。こちらは有識者の方と情報交換をしたり、ワークショップを開催したり、各種データベースのファクト分析をしたり、あとはユニットのメンバーの中での議論をしたりといったような形で活動したものをまとめていくという形になります。
 この3ページ目の右下に外部専門家の協力というところです。今回御紹介する報告書、システム・情報科学技術分野なんですけれども、こちら、人数等につきましてはCRDS全体、ほかの分野も含めての人数となっております。システム・情報科学技術分野ですと、実際に協力をしていただいた方というのは、60名ぐらいに協力を頂いております。
 次の4ページ目なんですけれども、2017年版については、分け方としてはエネルギー分野、環境分野、今回御紹介させていただくシステム・情報科学技術分野、それからナノテクノロジー・材料分野、ライフサイエンス・臨床医学分野というように、分野ごとに分けて出しております。
 次の5ページ目に、こちらが報告書のサンプルなんですけれども、これは機械学習技術のところなんですが。これ実際には、お手元の、ちょっと電話帳のように厚い資料で恐縮なんですけれども、こちらの方に内容は全て書いてあると、このような形になっております。
 まず、この6ページ目なんですけれども、システム・情報科学技術分野、どこを対象として考えているのかということなんですが、人工知能、S/IoT、ビッグデータ、ロボティクス、情報セキュリティなどの情報科学技術が、まず対象として考えておりまして、それに加えまして社会適用を考える上では、システム科学の部分も併せて考えていく必要があるだろうということで、システム科学技術も併せて範囲として捉えております。
 次の7ページ目が、この俯瞰報告書の全体像なんですが、こちら、お手元の厚い報告書を表紙をめくっていただきますと、同じもので少しサイズの大きなものがございますので、ちょっと見にくいという方、こちらの方を見ていただければと思います。
 こちらの、このA3のカラフルなページの見方なんですけれども、まずこれ、左側にシステム・情報科学技術と関わりの深いトレンドについて記載をしております。こちらは世界の社会・経済のトレンド、日本のトレンド、それからシステム・科学技術のトレンドを捉えております。
 その一番右側にビジョンとミッションについて書いております。ビジョンにつきましては、第5期科学技術基本計画における目指すべき国の姿iety5.0を挙げております。そこからシステム・情報科学技術に求められるミッションは何なのか、さらにブレークダウンして目標は何なのかというところを考えております。
 このトレンド、それからビジョンとミッションを併せて、今の研究開発の状況を俯瞰したものが、この真ん中の図になってきます。
 真ん中の図に関しましては、研究開発領域を赤いところと青いところに整理をして書いております。こちら、赤いところが戦略レイヤーと書いてある部分と、それから基盤レイヤーと書いてある青い部分とありまして、まず基盤技術については、この下の青いところに研究開発領域を整理してまとめております。こちらについて、もちろん基盤技術強化していくことも重要なんですけれども、それに加えて、情報科学技術については社会適用も考えた上で進めていく必要があるだろうということで、ソリューションの提供という意味もあるんですが、そういった観点から戦略レイヤーという見方で、その研究開発領域を整理しております。この赤いところと青いところは、それぞれ独立しているものではなくて、関係性を持っているものという位置付けになっております。
 お手元の資料の方に戻りまして、9ページに進めさせていただきます。まず捉えている世界の技術革新の潮流を大ざっぱに全部まとめて言いますと、システム・情報科学技術が進展しているということで、IoT等、世の中に普及をしている状況になっているという理解をしております。また、ムーアの法則にも、もう限界あるということが見えておりますし、コンピューティングのアーキテクチャについても、並列計算も限界があるというところが見えてきている状況であると。
 それから情報科学技術分野につきましては、進展についてはアメリカが主導的となっている。政府だけではなくて民間企業の果たしている役割も大きいというような状況になっていると。
 さらに、人工知能などに対する進展については、ELSIに対しての対処なども必要となってきていると考えております。
 次の10ページ目が、先ほどのシステム・情報科学技術のトレンドの捉え方ということでまとめたものになります。
 続きまして11ページの、一方、日本の位置付けは、その中でどうなっているのかということなんですが、まず全般については、基礎研究については、やはり米国には及ばないという状況となっております。ただし、一部強みもある部分があるという認識をしております。
 例えば量子コンピューティングの基礎理論の構築ですとか、セキュリティにおける暗号化技術ですとか、それから機械学習の独自のアルゴリズムですとか、そういったところには強みがあると。
 ただ、その新しい技術を生かして新規事業を創出していくというところが不活発となっていて、そこが基礎研究にも悪影響を与えていると認識をしております。
 ビッグデータの蓄積・利用については、制度的な面もあると思うんですけれども、官民ともに米国と比較すると大きな後れをとっている状況。
また規制緩和や法的な整備、それからビジネスモデルの創出も、まだまだ不十分という状況であると認識をしております。
 次に12ページの研究開発領域の説明に移らせていただきます。先ほど戦略レイヤーとして捉えているものとして、赤い部分で六つの区分で分けて捉えております。それぞれの、きょうはこの六つの部分について、どういうところが今重点的に進めていくべきなのかといったところを、これから御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、めくっていただきまして13ページの知のコンピューティングなんですけれども、こちらは捉え方として、「知の活用の変革」の推進という視点で捉えている研究開発の領域になります。
 こちらは幾つかの研究、マル1からマル8まで挙げておるんですけれども、特に知をアクチュエーションしていくところ、利用するための知のプラットフォーム、ELSIと社会適用の部分、それからインタラクションの部分、この辺が重点的に研究開発を進めていくところであろうと考えております。
 続きまして14ページのCPS/IoT/REALITY2.0。REALITY2.0というのは、これはCRDSで創った言葉でございます。物理世界とサイバー世界が一体化した世界ということで、造語でございます。
 これにつきましては、このマル1番からマル5番までの絵の中のマル3番、マル4番のところ。特にサービスプラットフォームの構築のところ、それからサービス化の技術のところ、この辺が重要になってくると思っております。
 次に15ページが社会システムデザイン。これは社会適用を考える上では、社会システムデザインについては、やっぱり研究開発の領域として捉えて推進していく必要があるだろうということで、その中でもサービスプラットフォームの部分ですとか社会インフラオペレーション、制度設計の部分が重要と考えております。
 その次にビッグデータなんですけれども、こちらは16ページです。機械学習、画像、自然言語処理、それから新計算原理の辺りが重要になってくると考えております。
 また、17ページはロボティクスなんですけれども、ロボティクスについてはソフトロボティクスについて技術的な進展が見られるというところと、システム化技術が重要と考えております。
 最後にセキュリティなんですけれども、こちらはIoTの世の中への普及というのがありますので、これのセキュリティやサイバー攻撃の検知・防御のところが重要と考えております。
 私からは以上です。
【茂木フェロー】  続きまして8-2の資料で、今年の2月にサンフランシスコで行われましたアメリカの人工知能学会について簡単に御報告いたします。CRDS、茂木と申します。
 1枚めくっていただいて、ここにサマリーが書いてあるんですが、参加者数、日本の人工知能学会もそうですけれども、非常に伸びています。
 それからトピックとして、やはりAIをどう社会に適用していくんだ、あるいは現実社会への対応ということが次のテーマであると。単に基礎技術の開発じゃなくて、コミュニティとして、そういうふうに動き出しているというのを感じました。
 3番目としては、企業がAI、本当に実践のツールというか、パワーとして使っているという報告ありまして、1日8社ですね。この8社が、自分たち、どうAIを使っているかという報告、活用事例が報告されました。
 それから4番目、日本人の活躍は、ここに書いてあるとおり4%ぐらいで、まあ大体こんなものかなというか、そんなに増えたりも減ったりもしていないんですけれども。明示的に書いてありませんが、中国の活躍がすごいというのが、すごく印象的でした。
 3ページ目です。そもそもAAAI、あとAssociation for the Advancement of Artifical Intelligenceは、昔アメリカという言葉が付いていたらしいのですけれども、今はこうやって国際学会でアメリカというのがAdvancementに替わっています。大体1週間ぐらい。論文の採択数が約600件で、ですから24%ぐらいの採択率で、これ後で出てきますが、中国がアメリカを若干ですけれども抜いたというのが一つのトピックです。
 あとは細かいのは複数のページで御報告いたします。
 4ページ目の参加者という図を見ていただくと、左側に書いてあるのが毎年伸びていると。2017年は1,833人とありますが、実は先々週行われた日本の人工知能学会は何と2,400人ということで、アメリカよりもこちらの日本の方が人数が多いということになります。
 参加者も米国、去年と今年、青が去年でオレンジが今年ですけれども、このように伸びていて、もちろんアメリカなのでアメリカが多いもですけれども、中国の参加者も、その3分の1か4分の1ぐらいいると。
 5ページ目、投稿論文で、円グラフがありますが、全体の31%がチャイナで、下がUSAということで、これはちゃんと分数換算してカウントした値だということですから、本当に中国人が増えているのがよく分かります。
 採択は、まだアメリカの方が多いんですけれども、それでもチャイナ、USAとほぼ一緒ぐらい。日本は、このうちの6番目ですね。
 それから6ページ目。ここは何のために載せているかというと、どういうトピックがこの中で多かったかというのを見るために棒グラフにしていますが、機械学習が全体の21%、それからゲーム理論、経済が16%、自然言語処理、ビジョン、機械学習アプリがその後に続くと。
これ、人工知能に関しては、KDDでありますとか、ビジョンでありますとか、個別の研究、国際会議あるんですけれども、このAAAIの場合は全体を見ると。全体が乗ってくるということで、これはアメリカのAIの、ある意味、全体のトレンドと見てもいいとは思います。
 それと、主要トピックスはさっき言ったとおりですので、時間が余りないので割愛しますが、この2点。特に二つ目の方ですが、Googleから出たaymoという自動運転のやる専門の会社のテクニカルオフィサーが来ていたんですけれども、自動運転に関しては、人間が結構信頼してしまうんだというので、その辺は研究者としては、過度に信頼されてしまうので、ちゃんと考えてねというメッセージがありました。これは印象的でした。
 それから招待講演は、この8ページ、9ページにあるんですが、この中で言うとファイゲンバウムという、まだ元気でかくしゃくとしてらしたりとかいう、エキスパートシステムの祖ですけれども。
 それから、3番目のMITのアフェクティブコンピューティングの創始者の発表が、単に基礎研究から、それが社会的というか、人間に関わる活動に関する研究まで研究がどんどん移っていったというので、なかなかいい発表だったと思います。
 それと、ちょっと飛んで10ページ目に企業におけるAIの実践、AI in Practiceというのがありますが、これが冒頭申し上げた、企業がどう活用しているかと。Baidu以外は全てアメリカの企業です。それぞれがそれぞれの立場で、ちょっとずつ違うんですけれども、でも基本は、スケーラビリティをどう確保するかという、そこが全般に共通した課題でした。
 あとは、ちょっと割愛しましょうか。
 13ページにチュートリアルというのがあって、チュートリアルも、どういうのが学会の中の興味になっているかを見る一つの指標なんですけれども、この中で、日本からプリファード・ネットワークがセッションを1個持って、自分たちの技術をちゃんとアピールしていたというのが、すごく印象的でした。ほかは全てアメリカでした。
 ワークショップも同じような意味で、次のネタがどの辺にあるかというのを見る一つの指標になりますが、テーマとしてはAI for Social Goodという、社会の貢献にどう貢献するかというのが、こういうところに入ってきたのが、やはり新しい流れだと思います。
 ジョブオファーは、完全にここはマッチングの場所になっておりますので、そういう意味で製造業から、もちろんインターネット、ソフトウエアもいるんですけれども、大学も出していたりして、九州大学が出ていたのが非常に印象的でした。
 ちなみに最後から2枚目の17ページに大会スポンサーとありますが、amazon、IBM、Baidu、Tencentという形で、中国とアメリカの企業がほとんどスポンサーになっていたということでございます。
 以上でございます。
【北川主査】  ありがとうございました。それでは、これから質疑に入りたいと思いますが、30分弱ございますので、活発な質疑応答にしていただければと思います。皆様から、どうぞ。
【瀧委員】  何でもよろしいでしょうか。
【北川主査】  何でもって、今の……。
【瀧委員】  今の話に関係する内容だと思うんですけれども。基本、今、追従型の研究スタイルで、いろいろ進んでいるかなと思うんですね。
そうすると、なかなか超えたことはできないのかなというので、今ある研究分野ではないAIの新しい分野を日本で創るというものがないと、この分野でリーダーシップをとるのは無理じゃないかと。それは、なかなか難しいことを言っています。ものすごく難しいことを言っているんですが、そういうものを考えていくような仕組みも併せて作っていく必要があるんじゃないかと思います。
【北川主査】  AIPでは10年先を見据えた研究とか、それから深層学習で太刀打ちできないところとか言われているので、その辺、考えられているのではないかと思います。
【上田委員】  おっしゃるとおりで、例えばAIというか機械学習技術の典型的な応用であるパターン認識などは今さらやってもインクリメンタルなんですが、例えば、繰り返しになりますけれども、再生医療など機械学習が導入されたというのは今までないですし、あるいは防災・減災などの領域にもAI、機械学習技術は殆ど浸透していない。ですので日本が割と先導的になっている領域はあるのだけれども、AIというか情報技術がほとんど浸透していない領域、これはまだまだございまして、いろいろ議論していくと、彼らにとっては、AI技術に期待しているところがあります。
それは我々から見たら結構協力できるなというような領域であることを、この数か月議論して感じておりますので、直接的なお答えになっているかどうか分かりませんけれども、そういう意味では新領域という言い方はできるかなと思います。AIとしての新領域。既存領域ではありますけど。
そういうところは我々、重点的にやっていこうと。
 ただ、例えばワトソン、Alpha Go、ウーバーにしても、ポケモンGOにしても、何か世界的に話題になっているようなものは今生まれた最先技術ではない。こうした革新サービス展開が、まだ日本ではできていないというのは、革新的なアイデアを駆使した取組が、まだ薄いからだと。
 だけども一方では、例えばAlpha Goで用いられた強化学習というのは、現にそれは30年ぐらい前に開始された研究です。その時代に囲碁で勝つなんてことは誰も想像していなかったと。だから、そういう基礎技術を将来に向けて創っていかないといけないという意味では、汎用基礎技術の研究も重要です。ディープラーニングもヒントン先生ずっとやっていましたけれども、新しい技術ができたわけじゃない。ドロップアウトにしても、別にアドホックな技術であって、PUというハードウェアが開発されたことが成功の主要因です。
 ただ、深層学習をこの時代に再燃させたことが非常に功を奏しているとういのはあります。革新的な基礎研究も将来に向けて投資しないといけないですが、例えば20年たたないと何も出ないということでは駄目なので、情報が今まで余り活躍していなかった新領域のところを開拓し、成果創出を加速させるというのが理研での目的指向研究の立場での研究でございます。
【瀧委員】  今のお話で期待できるところは、いわゆるニーズから新しいシーズが生まれるというところを期待したいと思います。
【北川主査】  ほかの方で何か。安浦先生。
【安浦委員】  資料6の文科省の作られたもので、未来投資戦略とか、6ページ、7ページに、国の大きな戦略として挙げてあるんですが、既にある技術を使って産業をどうしようかというストーリーが中心になっていて、新しい、今、瀧先生が言われたような科学技術の分野を創る、そういうメッセージ性が、ここからはちょっと見えてこないと思います。
 7ページの真ん中に教育・人材力の抜本強化とありますけれども、実は今後10年、例えばAIと脳科学をどう結び付けて、運動の方でもいろいろな技術を使って運動能力を上げるという話があるのに対して、知力もAIと人間が組み合わさってよいはずです。囲碁でも将棋でも、実はAIでパワーアップした棋士が出てきたって構わないはずなので。要するに、最後は人間社会が大事なわけですから、その人間の社会をどう創るか。
そのとき一人一人の教育を本質的にどう変えていくのか。AIとかITをどういうふうに人間に実装していくのか。社会に実装するのも必要ですけど、個人に対してどういうふうに実装するのかという概念が、ほとんど見えてこないんですね。
 社会に対しての話は、もちろん今まで真面目に我々、社会を情報化するということでやってきた経験があるんですけど、脳とか個人というものに対しては、プライバシーの問題とか、非常に大きなハードルがあって、倫理の問題も含めてハードルがあるんですけど、一方で明らかに人間自身の行動がITで変わっている、そういう状況において、一人一人の教育あるいはITの機器をどう使って自分の能力を高めるか。ARもVRもあるわけですから、それでどういうふうにパワーアップしていくのが健全な人間なのかというような議論を真面目に研究する時期に入っていると思うんですね。
 その辺のイメージがほとんど見えないのが、ちょっと残念というか、危ないんじゃないかなという気がいたします。
【北川主査】  じゃあ、栗原さん。
【栗原専門官】  確かに、おっしゃるとおり、既にある技術を使ってどうするのかということが、特に6ページの様々な応用分野ですね。医療関係やモビリティやサプライチェーンやインフラ、FinTech等も、そうだと思うんです。
 一応、項目としては、7ページの左下にある、このイノベーション・ベンチャーを生み出す好循環システムというところを中心に、研究開発のことは本文の方にはいろいろ書かれてはいて、この青い冊子を見ていただくと、102ページ、103ページが、その辺りの部分。何か煩雑なので、見ていただいても、何が特にというわけではないんですが、一応、我が国が強い分野の重点投資ということで、GDP比1%で科学技術全体の予算を増やすとか、様々なAI関係の研究開発、ビッグデータ処理のための研究開発進めるということも、いろいろ書いてはいるんですね。
 ただ、おっしゃるとおり、全体の傾向としては、そういった個の力、個人にどう実装するのかとかいう点も余り少ないですし、既にある技術を使って何やるかの部分が、この未来投資戦略の中では中心になってしまっているということは御指摘のとおりかと思います。
【北川主査】  今の点は報告なので、今後議論していただいて、次に反映させていただくとよいのでは。
【栗原委員】  今の点で、続いていいですか。今のような点に対して、ずっと京のアプリケーション開発の例を見せていただいていると、従来のシミュレーションから比べて非常に高度なシミュレーションができるようになったということと、広範な人たちが使えるようになったということが、ああいうネットワーク的な開発をしたことのメリットだったと思っています。これも何かうまく、そういう前例に倣ってやっていくと、ここでやっている課題、社会課題のようなものについては、より広い人たちが使うようになっていけば、社会の中に浸透していくというプロセスで、このAIPのセンターがコアになって、そういう活動が広がっていけばいいのではないかなと思って拝見していたところです。安浦先生の御意見に対しては、私はそういう印象で、このプログラムを拝見しました。
 基盤技術を開発したところで、なるたけ分かりやすい言葉で、ほかの研究者に渡せるということが大事ではないかと思います。始まったところなので、今すぐではないと思いますが、そういうところがどうなのかなと思いました。
【北川主査】  いいですか。ほかの方。八木委員。
【八木委員】  AIというのは、どちらかというと、よくとられるのが狭い意味でのAI、言葉として扱われるケースが多い気がするんですね。
いわゆる、俗に言えば機械学習的な部分だけがAI、AIと言われる部分が若干、ざくっとした話ですけれども。でも、AIというのはもっと広い概念であるし、AIにとって重要なのは、やはり知能であり、知覚であり、それから身体性の問題、こういうのをきっちり考えていくということが次の時代を送るし、例えば日本だと、身体性とかは、ロボットの部分で言うと、世界よりも多分先を行っている部分があるかと思うんですね。そういうところをきっちりと捉えて、その先導的な研究を伸ばしていくということをやることは、やっぱり意識した方がいいのかなという気はいたします。
 もちろんベースは上げていく必要もあるし、それから先導も伸ばしていくという、その両輪でやっていくことの必要性があるかな。できたら、そういう議論ができるといいかなと思います。
【北川主査】  ほかに。どうぞ。
【樋口委員】  私の質問は、上田委員に対してで、直接的な狭義のAI技術に関する質問ではありません。AI研究がアカデミアの研究のスタイルに与えた影響は私、大きいと思っております。プレプリサーバー、アーカイブ等々で、日々新しい論文が世界中から投稿されるということで、これまでのアカデミアの流儀とか、研究のスピード感を破壊しつつあるんじゃないかと思っています。
 彼ら、あるいは彼女らは、デジタルネーティブで、オープン戦略、これは今や当たり前なんですが、オープン戦略そのものに乗っかると、2日、1週間という時間スケールで、すぐ技術がキャッチアップされるという非常に悩ましい点があると思うんです。その辺の急激なスピードアップというのを、このAI研究は特に加速したのではないかと思っています。
 そこで質問は、そのような新しい研究のスタイルが求められているということで、研究者の意識改革等々も必要ではないかと思っているので、AIPセンターでどんなふうにされているのか。またAIPセンター全体として、オープン戦略に対してどのような考えを持っていらっしゃるのか。
その辺をお聞かせ願えればと思います。
【上田委員】  オープン戦略ということは余り陽には言ってはいないんですけれども、当たり前のように難関国際会議にはどんどん投稿しますし、仮に通らなくてもアーカイブにアップして、技術のプライオリティーはきちんと押さえるような基本的な所作は当然やっております。
それ以上の、オープン戦略という面で何か特殊な戦略を今持っているわけではございませんけれども、基本的には論文はとにかくどんどん出して、オリジナリティーはきちんと押さえないといけない。
 一方、目的志向の方では特許、知財の面に関しても、それなりにきちんと押さえていくというような方向ではいますけれども。
【樋口委員】  私の質問の趣旨は、諸外国は研究だけではなくて、何かプライオリティーがあったときに、それらをきちんと押さえているということで、重厚ないろいろなスタッフ等々が用意されているんですけれども、論文でプライオリティーを確保という戦略だけですと、そこで終わってしまう、あるいはすぐキャッチアップされてしまうおそれがあるので、もっと重厚なスタッフの布陣というか、その辺が必要なんじゃないかなと思っているんですが。
【上田委員】  分かりました。ちょっとその辺はセンター長含め、いろいろ議論を深めたいと思います。よろしくお願いします。
【北川主査】  どうぞ。
【土井委員】  CRDSの御報告に関して何点か質問させていただきたいんですが。
 1点目は、ちょっと細かいことで恐縮なんですが、この冊子の一番最初にある、A3の資料の諸外国。下の方に主要国・地域の施策・取組というところがあって。済みません、何か米国とか欧州のデータが古くて。だけど真ん中の方にあるA3の資料はHorizen2020とか入っていて、これ、このA3の資料、表の方が古いというのはどうしてなんですかねと。
 例えば欧州で見ると、一番新しくても2014年からのものしか触れられていなくて、Horizen2020とか触れられていなくて、ちょっと気になったんですけど。いや、中の方のこのA3の資料には書いてあるんですけどというのが1点目です。済みません、細かいことで恐縮なんですけど。
 あと、もう一つは、これ、すごくまとめるのに苦労されていると思うのですが。こんなこと申し上げると恐縮なんですが。過去を振り返って俯瞰していくというのも非常に重要だとは思うのですが、自分で今回の第5期の科学技術基本計画の取りまとめに関わって振り返ってみると、やはり次をもう考えていかなければいけないのかなと。
 だとすると、先ほどのミッション、ビジョンは、第5期科学技術基本計画をドリルダウンしていくという形で、これがあるんですけれども、やはり今は、どちらかというと、こういうものを見るのは、次、何しようかなと。だから、次の第6期科学技術基本計画とか、今AIでやっていらっしゃるようなELSIの話とか、そういうような次に向けて考えていこうとしたときに何したらいいかなという部分で見ると、やっぱり過去のものが多いので、なかなかこの大部なものを見るのが難しい気がするんですね。
 だから、少なくともシステム・情報科学の分野は、過去を振り返るよりは、もう少し新しいもの、こういうものがこれからとがっているよみたいなものがある方が、次の期を考えるとかすると、うれしいなと。だから、次に何を仕込んでいったらいいのか。
 特に今、何でわざわざこういうことを言っているかというと、プラットフォーム。だから、Society5.0でもプラットフォームの話をたくさんしていただいているんですが、やっぱり次は、次に向けてどういうプラットフォームを考えなきゃいけないか。先ほど安浦先生も言われましたけれども、AIとかロボティクスによって身体面、知能面がエンハンストされた人たちが当たり前に暮らしていく世界になっていく、そういうところでのプラットフォームって、日本として、日本の政府として何をやったらいいかということを考えていくためには、過去も大事なんですが、これからも大事なので、やはりそういうものが少なくとも1割ぐらいあると、そこは一生懸命読むかなと。
 済みません。ちょっとこれは読めないので、何かやっぱりそこ。絶対ここだけは読むんだ、読ませたいなというものがあると、うれしいなと思いましたというのが2点目です。
 あと3点目が、AAAIのこのお話、すごいおもしろかったんですけど、一つ不思議なのが、大会スポンサーにGoogleいないんですよね。私、この前、ヒューマンインターフェース関係のCHIといコンファレンスに行ったら、Googleが来て、物すごい人探しやっていました。すごいスポンサーだったんですけど。だから、CHI、すごいリッチでしたけど。いや、だからGoogleは、自分たち、Alpha Goでやるだけやったから、もうAIの人材は要らなくて、次、ヒューマンインターフェースの人材なのかなと。次は人だぞと移ったのかなと。私は、だからすごい、ここにGoogleがいず、いろんな発表のところでもいなかったというのは、ある意味、何か衝撃だったんですが、その辺り、AAAIの場所で何か話題になったりしていなかったのでしょうかというのが3点目です。済みません。
【北川主査】  じゃあCRDSの方から。
【坂内フェロー】  それでは、まず3点御質問いただきました最初と、それから次のところについては私、坂内から、3点目は茂木の方から回答差し上げます。
 まず海外の動向につきましては、29ページ、30ページ、それから本文の分は31ページ以降に、更に詳しく書いております。こちら、ダイジェストしたものを、こちらのA3の方の表の下の部分にまとめている形にしておりますが、必ずしも新しいものだけをここに入れているわけではなくて、大きなものの流れのものは、ここに取り入れている形になっておりますので、やや古いものも載っているという状況になっております。
 2番目の御質問の点につきましては、技術の進展で社会が変わるというところと、それから社会の方からの要請も変わってくるというところも併せて、今後も引き続き検討していきたいなと思っております。
【茂木フェロー】  AAAI、Googleは、ちゃんと中では活躍して、発表もしていました。スポンサーに載っていないのは、多分なんですけれども、ここで言わなくても来るかなというのもあるのかなという気はします。特にBaiduにしても、Tencentにしても、ここで。このAAAIの場というのは、アメリカのPh.D.の学生の、要は最後の発表の場みたいなところがあるので、そういう意味では非常に効率がいいんですね。学生をハイヤーできる。
 それから今2番目のものですけれども、おっしゃるとおりで、我々もそういうふうにシフトしています。俯瞰報告書というのが、やっぱりスナップショット的になっていて、それは前から中では議論があって、そうじゃないのも入れてはいるんですが。
 例えばですけれども、どれでもいいんですが、13ページのところに知のコンピューティングとあると、ここでは知のプラットフォームというのが、それに当たるかなと。つまり、単に人工知能で、それ、どうつなげていくか。それプラットフォームにしましょうというのがそうですし、リアリティーのところはよく言われているのであれですけれども。あとビッグデータのところですと、ハードウエアも含めて考えましょうというのが新しいテーマになっています。おっしゃるとおりだと思います。
【北川主査】  CRDSの方に、そもそものところでちょっと質問させていただきたい。この俯瞰報告書がシステム・情報科学技術分野になっていますね。従来は、別々だったと思います。これは、やはり情報とシステム化を統合的に推進すべきというCRDSの検討結果ということなんでしょうか。
【茂木フェロー】  そのとおりです。2年前に二つのユニットが一つになって、システム・情報科学技術で、そのときに情報科学技術からはみ出るというか、はみ出るところに、まさにシステムというか、社会システムデザインであるとか、そういうものが入ってきました。
【北川主査】  その場合、このシステム化のところは、文科省の方では、委員会とか、担当課の形で。
【栗原専門官】  明確に決まってはいないんですが、この場で御審議いただいて大丈夫だと思います。
【北川主査】  そうですね。そこの部分も、この委員会で検討の対象にしていくという形が必要かなと思います。
 では、ほかの点で結構です。
【高安委員】  ちょっと気が付いた点を報告したいんですけれども。今のきょうの御発表などでは計測を主に主眼に置いた研究計画がたくさん見られたんですけれども。先ほど御指摘があったように、やはり社会に実装していく、あらゆる応用に使っていくというところでは、複雑なシステムをどう理解していくかということがとても重要になってくると思うんですけれども、例えば、そういう点に関しては、AIPセンターさんの方では、何かグループとかあったりするんですか。
【上田委員】  システムに関する……。
【高安委員】  複雑なシステムが、どう有機的に動いているのか。
【上田委員】  複雑系みたいな……。
【高安委員】  そうですね。
【上田委員】  汎用基盤の方で、そういう物理屋、数学屋の研究員が、複雑系に関係した理論研究者もいますが、実社会とどうつながるかというところまでは、まだいっておりません。
【高安委員】  そういうところが、実はその次にとても大事になってくるんじゃないかなということも考えています。
【北川主査】  ほかの方で。
【瀧委員】  ちょっと今の質問に関するヒントになるかなと思うんですけど。今、例えば自動運転車なんかが一つAIのアプリケーションで考えられていますけれども、車だけを考えているというのが非常に多いんですが、そうじゃなくて日本だと、例えば信号と車が通信するとか、あるいはいろんな道と車の情報のやりとりがあって、自動運転がより安全になるとか。ですから、一つの物だけではなくて、周りの社会の在り方の情報化(インフラの知能化)と併せて考えるというのは、先進的なことになったりするかもしれません。
【北川主査】  よろしいですか。
【上田委員】  ちょっと補足しますと、いわゆる昔で言うマルチエージェントシミュレーターってありますよね。これ、パラメーター決めて、あと動かすだけ。そうじゃなくて、観測に基づいて予測したりだとか、信号と人流を合わせるだとか、そういう取組は防災科学の研究テーマとして考えておりますので、そういうようなレベルの話はありますと。
 ただ、もっと複雑系云々というような観点は、あくまで基礎レベルの話かもしれません。補足です。
【北川主査】  ありがとうございます。ほかの方で。有村先生、いいですか。辻先生。ほかの方。何かあったら。いいですか。
【辻委員】  内外の投資規模などのデータを見て、改めて大変だなと感じました。これまでの日本のいろいろな形や在り方があって現状があると考えると、これまでとは全く違うやり方をしないと、なかなか道は開けないのかなと思ったりしています。先ほど、iPS細胞プラス情報のお話がありました。確かにiPSは日本生まれのすばらしい成果ですが、既にあるものであり、これからはもっと広く見る必要があるのではないかと思いました。情報の時代になってライフサイエンス自体が恐らく変わってきて、そこから何か本当に新しいものが生まれてくるのかなと。日本が強いところをやっていくのはむろん大事ですが、そういう全く新しいライフサイエンスへの目配り、たぶんどこかでされているとは思いますが、それもやはり必要かなと思います。
 そうすると、やはり人材の問題になってきます。いろいろな分野と情報を橋渡しして一緒にできるような人材がなかなかいないとよく言われます。また、この分野は若い人たちの力が重要ですが、大学院、とくに博士課程に進む人が減っているという現実があります。本当に新しいことに取り組めるような人材をどう育てていくか、この委員会だけの話ではなく、日本全体として考えなければならない課題です。考えれば考えるほどなかなか難しいなと感じています。感想です。
【北川主査】  ありがとうございます。
 59分ぐらいまでいいということですので、短く一言お願いします。
【安浦委員】  今の辻委員のお話で、まさに今、高等教育局の方では、この資料の22ページにありますけれども、工学研究を全部変えようという議論がされていまして、そこに全て情報を、機械にも化学にも造船にも全部入れましょうと、そういう議論が、情報を横串で入れるという議論がなされております。
 ですから、そういう意味では、もう情報というのを、特にデータサイエンス、それから計算科学、その両方のアプローチをきちっと全てのエンジニアが持つと、そういう議論はされています。
【北川主査】  ありがとうございます。まだいろいろ議論し尽くしていない感じがあるかと思いますが、幸い上田先生は委員ですので、今後も可能ですので、本日は以上ということにさせていただきたいと思います。
 実はもう1件、簡単に御審議いただく必要がありまして、それは資料5、分厚い研究開発計画ですが、先ほど栗原専門官から説明がございましたように、親委員会の方針で、アウトプット指標、アウトカム指標を変更いたしました。5ページです。これを変えた資料はありましたか。
【栗原専門官】  この真ん中のアウトプット、アウトカム指標というところ、そこだけなんです。
【北川主査】  そこを簡単な形に変えたということでございます。前回情報科学技術委員会で決めたものを全体の親委員会の方針で変えましたので、改めて御了解いただく必要があるということで、特に異論がなければ、こういう形にさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
 それでは本日の議題、以上となりますので。
【栗原委員】  済みません。さっき意見を言い残したところが一つあって。先ほどの評価の案ですけれども、上の委員会で作っているフォーマットの別紙ですね、これをこの委員会のフォーマットにも是非付けていただきたいというお願いというか、提案なんですが。別紙の部分が意外と上の委員会では議論されているところで、それが現場に伝わらないのは、ちょっと残念な気がします。また逆に、現場の方から上の委員会に意見が上がってくるようなこともあれば大変幸いと思いますので、それを付けていただければと思います。
【栗原専門官】  分かりました。研究計画・評価分科会の委員でもあります栗原委員からの御指摘で、この別紙の研究開発課題、評価に関する留意事項というところで、様々な留意事項。
【栗原委員】  全体の部分で……。
【栗原専門官】  はい。グループのマネジメントであるとか、研究開発のプロセスについての最適化であるとか、様々分析いただいていますので、そこは検討したいと思います。
【栗原委員】  よろしくお願いします。
【北川主査】  御指摘ありがとうございました。
【北川主査】  それでは改めまして本日の議題は、以上でございますので、事務局から次回の予定等についてお願いいたします。
【栗原専門官】  次回の委員会は7月若しくは8月に開催させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。また日程調整させていただきます。平成30年度新規拡充事項の事前評価についての御検討いただく予定でございます。
 本日の議事録につきましては事務局にて案を作成しまして、あとお諮りしてウエブサイトで公開いたします。
 本日の資料につきましては、机上に置いていただければ、郵送によりお送りさせていただきます。
 以上です。
【北川主査】  それでは、これで閉会とさせていただきます。本日は遅くまで御審議いただきまして、誠にありがとうございました。

―― 了 ――

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