航空科学技術委員会(第75回) 議事録

1.日時

令和4年8月1日(月曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

オンラインにて開催

3.議題

  1. 研究開発課題の評価について
  2. その他

4.出席者

委員

科学技術・学術審議会臨時委員  李家 賢一【主査】
科学技術・学術審議会専門委員  浦松 香津子
科学技術・学術審議会専門委員  太田 惠子
科学技術・学術審議会専門委員  河合 宗司
科学技術・学術審議会専門委員  佐藤 哲也
科学技術・学術審議会専門委員  武市 昇
科学技術・学術審議会専門委員  土屋 武司
科学技術・学術審議会専門委員  戸井 康弘
科学技術・学術審議会専門委員  冨井 哲雄
科学技術・学術審議会専門委員  二村 真理子
科学技術・学術審議会専門委員  山岡 建夫
科学技術・学術審議会専門委員  和田 雅子

文部科学省

大臣官房審議官(研究開発局担当)  原 克彦
研究開発局 宇宙開発利用課長  上田 光幸
研究開発局宇宙開発利用課 宇宙連携協力推進室長  須藤 正幸
研究開発局宇宙開発利用課 専門職  岩田 邦宏

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (JAXA)
 航空技術部門事業推進部 部長  渡辺 安
 航空技術部門 航空イノベーション統括  伊藤 健
 航空技術部門事業推進部 計画マネージャ  原田 賢哉

オブザーバー

経済産業省
国土交通省

5.議事録

1. 開会

【岩田専門職(事務局)】 定刻となりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会、航空科学技術委員会(第75回)を開会いたします。
 本日はオンラインにより御出席をいただきありがとうございます。事務局を務めさせていただく宇宙開発利用課の岩田です。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の委員会開始に当たり、航空科学技術委員会の委員12名の全委員に御出席いただいておりますので、定足数である過半数を満たしていることを御報告いたします。
 このほか、説明者としてJAXAに、オブザーバーとして関係省庁にも御出席していただいております。個別の御紹介は、お手元の出席者一覧をもってかえさせていただきます。
 続いて資料の確認でございますが、本日の配付資料については議事次第に記載されており、あらかじめ電子メールにてお送りしております。資料の過不足やその他お気づきの点がございましたら、チャット機能にて事務局までお知らせください。
 また、JAXA側の人事異動に関しまして、渡辺重哉事業推進部長が、8月1日付で部門長代理になられましたことをお伝えします。
 渡辺部門長が急遽欠席となる旨、JAXA側から連絡ございました。
 それと、弊省におきまして、本日8月1日付で人事異動がありまして、宇宙開発利用課課長の福井の後任で上田が着任しておりますことを御報告いたします。上田に関しましては、本日遅れて出席の予定となっております。議事終了後に、一言御挨拶の時間をいただければと考えております。
 それでは、以後の議事につきましては、李家主査にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
【李家主査】 李家です。今日は本当にお暑い中ですけれども、お集まりいただきましてありがとうございます。
 では、今日の第75回の航空科学技術委員会を進めさせていただきます。

2. 議事

(1)研究開発課題の評価について 

【李家主査】 まず、今日は議題が一つになりますが、研究開発課題の評価についてです。これは前回の委員会で三つの課題に関して議論をしていただきましたけども、それを継続して議論するといったことになります。そういたしますと、この議題の1、研究開発議題の評価についての最初の課題ですが、既存形態での航空輸送・航空機利用の発展に必要な研究開発、これに関する事前評価について、事務局より御説明をお願いいたします。
 
【岩田専門職(事務局)】 ありがとうございます。
 それでは、お手元の資料75-1-1、概要、既存形態での航空輸送・航空機利用の発展に必要な研究開発を御覧ください。
 概要ペーパーにおいて、左上、目的と概要を分けて記載するようになっておりましたので、記載を分けました。なお、省内での調整により、目的と概要はそれぞれ一つにするように指示されておりますので、過去はア、イ、ウにそれぞれ分けておりましたが、評価票の中にある目的より、目的と概要を記載しております。
 目的につきましては、航空機や航空運航における安全性、信頼性、環境適合性、経済性等の社会の流れを踏まえた、共通の要求への対応を追求するとともに、より無駄なく、より早く、より正確に、より快適にといった、ユーザー個々のニーズに細かく対応した高付加価値のサービスが提供されることを目指す。
 概要といたしましては、CO2排出低減や超音速旅客輸送といった高付加価値な需要に対応するべく、燃費削減効果の最大化、低抵抗、軽量化、低騒音化及び運航性能向上、さらには従来のエンジン技術の限界を超える技術開発を進めると記載しております。
 最後の2行、「なお、上記取組については、JAXAの研究活動における不正行為の防止等に関する規定に基づいて研究データの管理を適切に行う」。この2行につきましては概要ペーパーに、データ管理について記載するよう指示されておりましたので、ほかの「次世代モビリティ・システムによる更なる空の利用に必要な研究開発」、及び「デザイン・シナリオを実現するための基盤技術の研究開発」についても、同様の記載となっております。
 また、4ポツの研究開発のロードマップにつきまして、前回の委員会の中でJAXA側の説明資料とずれている部分がありましたが、今回JAXA側の説明資料も変更されておりますので、それに合わせた記載をしております。
 続きまして、資料75-1-2、既存形態での航空輸送・航空機利用の発展に必要な研究開発、事前評価票を御覧ください。
 こちらにつきましては、省内等の調整によって追記がなされております。3ポツの(1)になりますが、プランを推進するにあたっての大目標については施策目標の追記、続きましてプログラム名については概要の追記、そして上位施策につきましては、先月7月8日に計評分科会において、航空委の航空科学技術に関する研究開発ビジョンが決定されましたので、その旨を記載しております。
 こちらの表に関しましては、「次世代モビリティ・システムによる更なる空の利用に必要な研究開発」、及び「デザイン・シナリオを実現するための基盤技術の研究開発」の課題についても同様の記載となっております。
 続きまして、2ページ目に移ります。
 2ページ目から3ページ目にかけまして、佐藤委員よりコメントいただいておりますので、そこの部分について修正させていただいております。修正としましては、途中の文章から始まりますが、「社会的に許容され航空市場としても成立するソニックブームレベルを国際民間航空機関に提示し国際基準の策定に貢献する」という記載にしております。
 JAXA側の資料も変更になっております。詳細については、JAXA側から説明があると思います。
 続きまして、3ページ目になります。
 3ページ目、4ページ目にかけまして、省内での調整によりまして、アウトプット指標の内訳とアウトカムにおける内訳を記載するように指示されておりますので、その内数を記載させていただいております。アウトカムの、航空科学技術の研究開発の成果、利用数に関しましては、供与件数については、実施許諾件数を供与数とカウントしているものとなっております。これは、JAXA保有の知的財産、技術成果の内容性質に合わせて、特許として公開するものなどがあり、成果を利用いただくためには、特許や技術情報、プログラム著作権の組合せを利用しておりますことから、本内容を内数で記載すると二重計上になってしまいますので、こちらについては、内数は記載しておりません。
 続きまして、5ページ目になります。こちらは武市委員からのコメントに対しまして、必要性の評価項目に国費を用いた研究開発としての意義、定性的、評価基準につきましては、国や社会のニーズに適合するかを追記しております。こちらの記載につきまして、ページが飛んで恐縮ですが、7ページ目、上から12行目、「社会ニーズにこたえる取組である」というふうに文章を追記させていただいております。
 続いて、イの超音速機につきましては、8ページ目、下から4行目になります。「国や社会のニーズにこたえる取組であり」、この文言が追記されております。
 9ページ目、上の段落の下から2行目です。「社会生活全体に貢献する取組」と記載して、評価基準に合致していることを表現しております。
 ページ戻りまして、6ページ目になります。李家主査、佐藤委員からのコメントに対しまして、左側、赤字になりますが、「革新低抵抗・軽量化機体技術の研究開発においては、機体胴体にリブレット施工する等、摩擦抵抗を低減させる技術や、構造軽量化技術を実証することで実用化につなげ、航空機の燃費を低減し、環境負荷を低減させることは国や社会のニーズに適合する。さらに国内民間企業、エアラインと共同で開発していることから、既存機への適用も考えられ、産業、経済活動の活性化・高度化、ひいては国内航空産業の国際競争力の向上に資する」という記載にしております。
 なお、下の部分に少し修正をかけておりますが、こちらについては省内調整においての文言の追記をしております。
 続きまして、6ページ目一番下から7ページ目にかかりますが、戸井委員からのコメントで、6ページ目の最下段から読ませていただきます。「次世代の航空機として、世界が求める安全で優位な燃費削減効果をもつ重要基幹システム提供者として国際競争力の向上にも資する」と文言を追記しております。
 続きまして7ページ目、戸井委員からのコメントと合わせて、文言の修正をしております。上から2行目、「また、航空エンジンロバスト運用技術は、低炭素燃料の導入や更なるエンジン重量削減など、踏み込んだ機能高度化により、ニューノーマル社会で最もニーズが高まっている持続可能な代替航空燃料の適用範囲拡大に資することから、社会的・経済的意義がある」と修正しております。
 続きまして、戸井委員、李家主査からコメントをいただきまして、文章の修正をしております。文章といたしましては、7ページ目、7行目、「さらに、従来のジェットエンジン技術の延長では到達することができない革新的なCO2排出削減を目指し、水素電動エンジン技術として開発する小型軽量の水素燃料電池からの排熱をガスタービン側で利用し高い熱効率を獲得するため、複合サイクルエンジンの技術実証を行う。これらも同様に急速に高まっている社会ニーズに応える取組であることに加え、航空科学技術分野にとどまらず、他産業分野での利用も期待され、先導性、発展性のある取組である」としております。
 続きまして、イの超音速機の新市場を拓く静粛超音速機技術の研究開発に移ります。
 こちらに関しまして、河合委員、李家主査、佐藤委員、武市委員よりコメントいただきまして、7ページ目、下から2行目になりますが、「海域上空のみ超音速飛行を行う機体の実機開発が米国の複数社において進み、航空会社が超音速旅客機の購入を決めるなど、市場への投入が始まっている状況を踏まえると、海域上空のみの超音速飛行であっても十分な移動時間短縮のニーズがあり、この社会的要求は、陸域上空も超音速で飛行可能となれば更なる移動時間の短縮につながる。我が国の先導性のある技術を獲得し、ICAOのソニックブーム国際基準策定に貢献することは、国や社会のニーズにこたえる取組であり、得られた技術を国内メーカーに技術移転をすることで、産業経済活動の活性化・高度化、ひいては国内航空産業の国際競争力の向上に資する」と記載をしております。
 続きまして、9ページ目になります。
 李家主査からのコメントに対しまして文言を約半数としまして、加えて、「国内では2019年において、年間6,525便(運航予定便数の1%未満)に上る欠航のうち天候に起因するのは7割を超えており、経済性・利便性が損なわれている」と記載しております。
 続きまして、戸井委員からのコメントに対しまして、「航空機利用者以外の社会生活全体に貢献する取組であり社会的価値の創出に資する取組である」と記載をしております。
 9ページ目、一番下の段落になりますが、こちらは各分野での記載統一として、「以上のことから何々」、「必要性は高い」、「効率性は高い」、「有効性は高い」など、そのような文章の表記に記載を統一させております。
 続きまして、10ページ目になります。
 河合委員からの御意見、河合委員のコメントに対しては、JAXAより説明があると思います。河合委員と李家主査からのコメントに対しまして、左側、「革新低抵抗・軽量化機体技術の研究開発において、機体表面に微細な溝を設けて摩擦抵抗を低減するリブレット施工技術は民間企業とJAXAが共同で開発する世界的優位性を有する技術であり」と、初めの文章を変更しております。
 続きまして、11ページ目になります。
 佐藤委員から御意見いただきまして、上から2行目、「燃費削減効果の高いJAXAの独自設計BLI形態と組み合わせた」という文章を追記しております。
 和田委員からコメントいただきまして、左側、「中頃」を削除しております。
 続きまして、イの超音速機の新市場を拓く静粛超音速機技術の研究開発ですが、和田委員からのコメントをいただきまして、12ページ目になりますが、上から2行目、TRLの後、文章を区切っております。
 続きまして、11ページ目に戻りますが、戸井委員からの意見を踏まえまして、上から2行目ですが、「世界的優位性のある技術の成熟度拡大とし」と表現をしております。
 続きまして、河合委員のコメントを踏まえまして、11ページ目、一番下側になりますが、「経済性と環境適合性」の部分を「低ブームと低抵抗」という表現に変更しております。
 12ページ目、武市委員からのコメントを踏まえまして、上から4行目、「基準策定後、国内メーカーへの技術移転により」という表現を追記させていただいております。
 続きまして、12ページ目、ウの運航性能向上技術の研究開発になりますが、和田委員と、13ページ目にまたがりますが、李家主査からのコメントをいただきまして、13ページ目、文章をTRLのあと、「次世代旅客機への適用とともに現行機の改造による社会実装も目指している」、こちらで区切らせていただきまして、「運航性能向上技術の研究開発は、いずれも社会実装に向けた取組であり、研究開発ビジョンに記載のある我が国の優位技術を考慮した研究開発戦略に基づいている」と記載しております。
 武市委員のコメントに関しまして、11ページ目に戻らさせていただきますが、一番上から4行目、「革新技術の創出」、こちらの文言が入っておりますので、武市委員からのコメントに関しては、記載できています。
 続きまして、11ページ目の一番下から、「低ブーム設計コンセプトを実証して、低ブームと低抵抗を両立する革新的な統合設計技術を創出する」という記載に変更しております。
 続きまして、12ページ目、運航性能向上技術に関しましては、上から3行目になりますが、文章の後段、「革新的な技術を開発し」としまして、武市委員のコメントを反映させていただいております。
 13ページ目に戻りますが、先ほど申し上げましたとおり、最後、文章は各分野での記載の統一をしております。
 続きまして、15ページ目になります。
 武市委員からのコメントを踏まえまして、「国内メーカーへの技術移転を含む」という表現を追記しております。
 佐藤委員から、文言の削除の部分を反映しております。
 続いて、佐藤委員から、「民間企業は仕様を作るだけなのでしょうか、機体設計は担当しないのでしょうか」。事務局としては、「機体設計の役割担当については、現在検討中です」とお答えしておりますが、詳細についてはJAXAより説明があると思います。
 李家主査、武市委員からのコメントに対しまして、JSR構成メンバーについて記載をさせていただいております。
 運航性能向上技術につきまして、李家主査からのコメントで、冒頭に「気象影響防御技術では」と、主語を入れさせていただいております。
 16ページ目になりますが、こちらも各分野での記載の統一を図っております。
 続きまして総合評価になりますが、戸井委員、佐藤委員からコメントいただきまして、最初から読ませていただきます。
 「社会からの要請に応じ、出口を見据えた環境適合性・経済性向上に係る必要性の高い研究開発である。我が国が優位性を持つ技術を活用し、民間や大学との役割分担も明確で、効率性、有効性が高い。また、次世代旅客機等の国際共同開発を見据え、国際競争力の向上という面でも適切である。必要性、有効性及び効率性の観点から評価した結果、実施すべき研究開発である」。最後の「実施すべき研究開発である」というのは、こちらは各分野で記載の統一としております。
 続きまして、総合評価(2)、科学技術・イノベーション基本計画等への貢献見込みに関しまして、こちらも省内での調整の結果、上位施策への貢献見込みを記載するように言われておりますので、文章としては、「第6期科学技術・イノベーション基本計画期間を含む今後の10年程度を見通しつつ、今後文部科学省として推進すべき個別具体の研究開発課題について取りまとめた航空科学技術分野に関する研究開発ビジョンで示された取組に対応するものであり、その実現への貢献が見込まれる」としております。こちらの記載については、航空科学技術委員会では、上位施策に対して一対一でマッチしておりますので、ほかの「次世代モビリティ・システムによる更なる空の利用に必要な研究開発」、及び「デザイン・シナリオを実現するための基盤技術の研究開発」についても、記載は同様のものとなっております。
 続きまして、18ページ目になります。
 佐藤委員からのコメントに関しまして、ページが戻りますが、11ページ目、超音速機の新市場を拓く静粛超音速機技術の研究開発の冒頭文章を、D-SENDプロジェクトを削除いたしまして「静粛超音速機統合設計技術の研究開発で獲得した」とつながるように、文章を変更しております。
 18ページに戻ります。
 武市委員からのコメントをいただきまして、その他の留意事項として、「従来からの研究開発、技術開発を発展させていくことに加え、変化する社会のニーズをしっかりと捉え、新たな課題を立ち上げ、技術開発と実用化につなげていくことが重要である」と記載しております。
 事務局からの説明は以上です。JAXA側、お願いいたします。
 
【原田(JAXA)】 JAXA事業推進部の原田から御説明いたします。
 資料75-1-7の補足説明資料についてですが、前回の委員会で御指摘いただいた内容と、その後に各委員から御指摘いただいた内容、そして、今事務局から御説明いただきました事前評価票の修正、これらに応じて修正しておりますので、修正箇所について順に御説明差し上げます。
 6ページの電動ハイブリッド推進システム技術の研究開発の研究スケジュールについてですけれども、2030年以降の次世代細胴機の市場投入に向けた研究開発を行うという箇所について、工程表との整合をとる修正を行いました。
 8ページの革新低抵抗・軽量化機体技術の研究開発では、有効性に関して、リブレット施工技術の開発主体について御質問いただきましたので、係る技術を民間企業と共同で開発しているという旨を追記しました。
 10ページの航空エンジンロバスト運用技術の研究スケジュールでは、前回の委員会でいただきました御指摘に対して、まず研究開発の対象を、燃焼器に関するものと圧縮機・タービンに関するものに分け、フェーズも区分いたしまして、それぞれの期間の取組を明記しました。それから、研究開発の出口について、次世代広胴機の市場投入として想定される時期を、工程表と整合するよう修正しました。
 12ページの水素電動エンジン技術の研究開発についても同様に工程表と整合をとる修正を行っております。
 13ページの全機ロバスト低ブーム設計技術/統合設計技術の研究開発については、ソニックブームに関する「社会と市場に許容される」という部分について、先ほど指摘票の修正案として御説明いただきましたとおりの修正を行っております。それから、JSR協議会の構成メンバーについて、こちらも評価票の修正に従って追記しております。それから14ページの研究スケジュールの部分ですけれども、総合評価のところで御指摘いただきました統合設計の目標や手法、それから以前に実施した静粛超音速機統合設計技術の研究開発との関連性等について具体化する修正を行っております。上段の統合設計技術についてはフェーズを区分いたしまして、それぞれの期間の取組について追記しております。
 15ページの気象影響防御技術の研究開発の意義・価値について、必要性のところで御指摘いただきました欠航の影響が分かりにくいという点に対して、その比率を併記するような形に修正を行っております。
 17ページの運航制約緩和技術の研究開発についても同様の修正を行っております。それから18ページの研究スケジュールでは、実証のイメージやレベルについて追記するという修正を行っております。
 19ページの低騒音化技術の研究開発については、騒音低減に関して適切な表記への修正を数か所実施しております。20ページについても同様です。
 既存形態での航空輸送・航空機利用の発展に必要な研究開発に関して、御指摘いただいた内容や評価票の修正に応じた補足説明資料の修正箇所は以上になります。
 
【李家主査】 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明を踏まえて、御質問等ありましたらお願いいたします。いつものように、手を挙げていただいても結構ですし、声を出されても結構です。
 河合委員、お願いいたします。
 
【河合委員】 ありがとうございます。
 最初に戻ってしまうのですけれども、まず、資料の75-1-1の概要の図なのですが、右下の図の緑のところが少し気になっています。例えばこれを見ますと2027年に次世代細胴機、2028年に陸上超音速機というような記述があって、先ほどのJAXAの方々からの御説明と大分年度がずれているように思いますが、ここは御修正いただけるということでよろしいでしょうか。
 
【岩田専門職(事務局)】 すいません、こちらでJAXA側の説明資料に合わせて記載しておりましたが、先ほどの説明と齟齬があるので、そこは修正いたします。
 
【原田(JAXA)】 JAXAから補足させていただきたいと思います。
 補足説明資料の線表に記載しました2030年以降とか2035年以降という時期は、市場投入の時期を想定したものになります。一方、概要の資料の、研究開発の成果が上向きの矢印で上がっていく先については、その開発に対して成果が提供される時期を示しており、当然、市場投入よりも数年手前に開発が開始されるものですので、先ほど御説明した研究スケジュールの、これは研究開発プラン、またはその前提となっております工程表にも書かれている年代ですけれども、こちらと不整合があるものではないという認識です。
 
【河合委員】 分かりました。
 それでは、もう一つ質問させてください。
 今、例えば2030年に次世代細胴機や陸上超音速機を市場投入するという話だったと思います。私の観点からすると、それは本当に実現性があるのでしょうか、というところが非常に疑問に思われます。今2022年でして、あと8年で本当に市場投入されるのかというところは、どうお考えでしょうか。
 
【原田(JAXA)】 こちらはあくまでも国際共同開発としてそのような機体が開発され市場導入されるということを想定したものでありますので、確実にそれが実現されるものではないという認識です。一方で、我々の研究開発を適切なタイミングで成果創出できるように計画するために、こういった仮定を置いているということで、御理解いただければと思います。
 
【河合委員】 御説明は分かるのですけれども、現実的な、少しでも現実性があるようなお話があるといいかなと思いました。
 以上です。
 
【李家主査】 ほかにいかがでしょうか。
 
【戸井委員】 戸井ですけれども、よろしいでしょうか。
 
【李家主査】 お願いいたします。
 
【戸井委員】 今の御指摘、御質問に関してなんですが、次期開発がまったく起きないというふうなことは今言い切れませんで、2030年代、これが少しずれるかもしれませんが、そこに想定した次期開発が起きるというようなシナリオも、まだあることはありますので、これはひとえにまたビジネス的な競合体制に関わることでもありますけれども、特にここでこういうふうに置いておかれてもおかしくはないかなと思います。
 以上です。
 
【李家主査】 ありがとうございます。
 河合委員、今の点、こういう考えでよろしいでしょうか。
 
【河合委員】 はい、大丈夫です。
 
【李家主査】 ありがとうございます。
 では、ほかはいかがでしょうか。
 武市委員、お願いいたします。
 
【武市委員】 75-1-2の下ページ15です。「国内メーカーへの技術移転を含む社会実装を見据えた実施体制」、この国内メーカーへの技術移転は一番大事なところだと思いますので、Japan Supersonic Research (JSR) 協議会の下、民間企業が国内メーカーへの技術移転を含む体制にしないといけないのに、民間企業の役割が技術ロードマップ及び仕様目標策定だけになってしまっているので、これだけだと技術移転にはならないのではないのかなと、修正案を見て思いました。
 
【渡辺(JAXA)】 JAXA航空事業推進部長の渡辺と申します。今の件、回答いたします。
 JSR協議会、まずは組んでおりまして、そこで、今、武市先生がおっしゃられたように、将来的には技術移転ということで具体的な研究開発を進めていきます。JSR協議会は内容をフェーズ二つに分けておりまして、フェーズ1とフェーズ2。それで、フェーズ2については、フェーズ1で計画を立てて、それを承認した上で具体的な活動を進めていこうというもので、協議会としては合意をしておりますので、現段階ではまだ具体的な活動をこうするんだというようなところまで議論が追いついておりませんので、こういったような記載をさせていただいております。
 
【武市委員】 フェーズ2で具体的に、メーカーを含めた共同研究開発の体制がつくられる、ということですね。
 
【渡辺(JAXA)】 そうです。
 
【武市委員】 この文書の中は、そこまで含めて書くべきではないですか。
 
【渡辺(JAXA)】 もし足りなければそれを含めますけれども、技術ロードマップという表現で、実際誰がどういうふうに担当していくかといったところは表現できるかと思います。
 
【武市委員】 ちゃんと技術移転まで明記するのであれば、ここは、技術移転につながる研究開発を実施するというところまで書くべき文書だと思いますよ。
 
【渡辺(JAXA)】 協議会の合意内容と少しずれてしまいますので、そこはフェーズ2に入るところで具体的に決めたいということで、もし御指摘のことであればそこはちょっと考えますけれども、基本的には、例えば中間評価のあたりでそういったところを完全に確定しますので、そこで御紹介はできるんじゃないかなというふうには考えています。
 
【武市委員】 確定する予定があるのだったら、これは書いておけるはずですよ。予定あるいは計画の文書だから。
 
【渡辺(JAXA)】 確定予定ですけど、確定ではなくて、この構成メンバー全員の合意を得ないといけないですから、JAXA単独の判断で、本当にやりますと、今完全にお約束できるかと言うと、確率は高いんですけれども、100%ではないというように認識していただければと思っています。
 
【武市委員】 でも、そうすると、国内メーカーへの技術移転を含まないということになってしまうのですか。含むとしては書けなくなってしまうのですか。
 
【渡辺(JAXA)】 そういうわけではなくて、検討は進めますので、技術ロードマップの中で、その検討はちゃんとやっていますというところです。それを見据えて、検討体制を組んでいるということだと理解していただければと思います。
 
【武市委員】 要するに、ロードマップとか仕様目標というのは、表面的な表現ですよね。研究開発項目、あるいは役割分担の策定といったところまで書くべきだと思います。
 
【渡辺(JAXA)】 分かりました。策定ということで、そのような表現にいたします。
 
【武市委員】 ロードマップをつくるだけ、仕様をつくるだけというのだとしたら、とてもじゃないけど技術は全く身につかないですよね。
 
【渡辺(JAXA)】 もちろんそうだと思います。どんな技術を移転するかのテーマをちゃんと決めて対応していくということなので、今、武市先生がおっしゃられたように、役割分担を策定していく、どういうふうに技術移転をやっていくかも策定していくということで、表現させていただきます。
 
【武市委員】 多くの人は、この文書しか読まないんですよ。JSRの背景がどうなっているかなどというところまでは知り得ないので、この文書しか読まない人であっても、ちゃんとこのとおりやったら技術移転までできるよね、というふうに分かるように書くべきだとは思います。
 
【渡辺(JAXA)】 そのような表現にいたします。
 
【武市委員】 もう1か所あって、今度は下ページ、13ページです。ここです。新規の研究テーマを発掘する取組というのは、最後に一文で追加していただいたんですけど、それだけで十分なんでしょうか。去年か一昨年か具体的な年度は忘れてしまったんですが、JAXAの社内の制度として、新しい研究課題を発掘する、そのときに出口までつながりやすいように、出口側機関とひもづけた形で研究開発課題を立ち上げるというような制度ができたというお話を伺っていて、せっかくそこまでの取組をしていただいたんだから、恐らくこの文書の中でもどこかで明記するのが前向きなのではないのかな、と思います。そういう趣旨を込めたコメントだったのですが、別のところで書くのでしょうか。これは事務局向けの質問になります。
 
【岩田専門職(事務局)】 武市委員、ありがとうございます。事務局の岩田です。
 武市委員の、今の13ページのコメントにつきまして、11ページ目に戻らせていただきます。武市委員のコメントに関しまして、ア・イ・ウそれぞれ記述を確認させていただきました。
 
【武市委員】 それは多分、異分野連携という言葉ですよね。
 
【岩田専門職(事務局)】 「異分野異業種の企業との連携によって革新技術の創出」という言葉を記載しております。次、イの超音速機につきまして、12ページ目になりますが、一番上の文章になります。「両立する」から始まって「革新的な統合設計技術を創出する」と記載しております。
 
【武市委員】 分かりました。この辺はいいですけど、創出という言葉が意味するところというのは、既存の技術をよりグレードアップするというところよりは、何もないところから新しいものを発掘する、それこそ創出するというイメージで読んでいたので、それに該当するところはないのかなというところで、14ページか、どこか別のところでそういったコメントは付け加えていましたよね。18ページのコメントでも、新規の課題抽出、あるいはそれを促す取組というものを書かないのかどうか、というところです。
 
【岩田専門職(事務局)】 ありがとうございます。
 13ページのコメントに関しましては、それぞれに文言を追記させていただきまして、18ページに関しましては、その他の留意事項として記載させていただいたという形をとらせていただきました。
 
【武市委員】 それで、JAXA内での取り組み方といったところを書く文書ではないですか。JAXAの中で新規の研究開発課題を見つける、創出する、摘み出す。それらを促す取組はすごい前向きな取組だなと感じた記憶はあるんですけど、それはぜひどこかで、書けるようなところがあったら書いたほうが、組織としては非常に前向きになるんだろうと思います。ここでなければ別のところで、そういったものを書く場所があるんであれば、それでいいです。そういうところがちょっと気になったぐらいです。なので、他のところであれば、他でいいとは思います。ここに無理やり入れ込むのが難しければ、ここでなくてもいいと思います。ただ取り組み方としては非常にすばらしいと思うので、アピールすべきとは思います。
 取りあえず、以上です。ありがとうございました。
 
【須藤室長(事務局)】 ちょっと補足をさせていただきますと、今、武市先生がおっしゃっている部分について、無から新しい技術を生み出すというのはとても重要な部分でありますので、今日のこの三つ目の、デザイン・シナリオを実現するための基盤技術の研究開発、この基盤技術の中でそういった取組がやはり重要だということは少し、その他のところではあるんですけども記載をしておりますので、この後また説明の中で御覧いただければと思います。
 
【武市委員】 私も、基盤技術の中でもそういったことはいろいろコメントをしてありますので、ではそちらのほうでまた確認させていただきます。
 
【須藤室長(事務局)】 よろしくお願いします。
 
【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。ほかにはございませんでしょうか。
 今いただいた御意見で、最後の武市委員の最初の御質問・コメントに関しては、このやり取りの中で修正点が大体はっきりしましたので、そこのところは修正していただくことにしたいと思います。
 もし、ほかに御意見がないようでしたら、この項に関する本日の議論はここまでとさせていただきまして、この既存形態での航空輸送・航空機利用の発展に必要な研究開発の事前評価については、おおむね委員の皆様の御了解が得られたと考えさせていただきます。
 今も申し上げたとおり、今日いただいた御意見についての修正箇所等については、私のほうで事務局と相談して、主査一任ということで、本委員会での決定とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【李家主査】 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 そういたしますと、次の課題、次世代モビリティ・システムによる更なる空の利用に必要な研究開発、これの事前評価について、事務局からまた御説明をお願いいたします。
 
【岩田専門職(事務局)】 ありがとうございます。
 それでは、資料75-1-3、75-1-4を御覧ください。
 まず75-1-3につきましては、先ほど御説明したとおり、目的と概要をそれぞれ分けて記載しております。なお書きについても同様です。
 3ポツの研究開発の必要性等につきましては、評価票の中で文言の修正がありましたので、それを反映しております。
 続きまして、75-1-4を御覧ください。
 1ページ目につきましては、先ほどと同様になります。2ページ目も先ほどと同様です。
 5ページ目につきまして、土屋委員からのコメントに対応しまして、左側、上から5行目になりますが、途中から読ませていただきます。「適用範囲を無人機へも拡張し、無人航空機の運航管理技術(UTM)と連携を図ることが求められており」と追記しております。
 続きまして、5ページ目下側になりますが、李家主査からのコメントに対しまして、「世界に先駆けて自律化技術の機能モデルを構築・実証することは、2030年以降の空における移動のあり方に大きく影響を与える革新性があり、科学的・技術的に意義のある取組である」と記載させていただいております。
 続いて6ページ目になりますが、先ほど申しましたとおり、各分野での記載の統一をしております。
 続きまして7ページ目、李家主査と戸井委員からのコメントに対応いたしまして、「通信事業者のようなICT産業等の異分野連携も」と追記させていただいております。
 続きまして、土屋委員からのコメントにおきまして、有人機・無人機混在運航管理技術とeVTOLの高密度運航管理技術を、記載を分けて、それぞれTRLを記載しております。
 7ページの一番下側については、各分野での記載の統一をしております。
 9ページ目、上側の効率性につきましては、各分野での記載の統一をしております。
 続きまして総合評価ですが、戸井委員、李家主査、佐藤委員からのコメントを受けまして、「有人機・無人機の運航管理技術は多種多様な航空機を同一空域で運航でき、災害時等に活用できる技術であり、国や社会からのニーズに適合している。eVTOL高密度運航の管理技術等では、産業・経済活動の活性化・高度化、国際競争力の向上が期待され、本課題実施の必要性は高い。異分野とも連携しながら、これまで培われてきたコア技術を発展させ、令和6年度災害時対応を想定した有人機・無人機連携、令和8年度平時利用を想定した技術移転のタイミングを踏まえた妥当な実施計画及びそれを実現する実施体制となっている。以上、評価した結果、本件は実施すべき研究開発である」と記載させております。
 (2)科学技術・イノベーション基本計画等への貢献見込みにつきましては、先ほどと同様になっております。
 (3)右側に佐藤委員よりコメントいただいておりますが、その他の留意事項といたしまして、(4)、「民間企業の技術開発スピードに合わせて、強固な連携をとり、互いに研究成果を反映していく必要がある」と記載させていただいております。
 事務局側の説明は以上です。
 JAXA側、お願いします。
 
【原田(JAXA)】 それでは、資料75-1-7の21ページからになりますが、補足説明資料の修正箇所について御説明いたします。
 22ページの有人・無人混在運航管理技術/高密度運航管理技術の研究開発について、先ほど有効性のところで有人・無人混在運航技術とeVTOL高密度運航技術の記載を分けていただきましたが、後者の実施内容について追記しております。それから、その中で異分野連携の具体的な対象として「ICT分野の民間企業等と連携して」という一文を追記しております。
 次世代モビリティ・システムによる更なる空の利用に必要な研究開発についての補足説明資料の修正箇所は以上になります。
 
【李家主査】 どうもありがとうございました。
 では、ただいまの御説明を踏まえて、御意見等ありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。
 
【李家主査】 ご意見がまだ無いようですので、では私から。土屋委員からコメントをいただいているところで、5ページ目の最初のところです。D-NET以外の記述が少ないのが気になる、不自然に思えますということで、それに対して事務局のほうでは、左側のように、UTMとの連携等といった文言も入れていただきましたけども、全体を通じて多分土屋先生のほうで、その辺りのところ、何か気になられたことはありますでしょうか。この修正で十分でしょうか。
 
【土屋委員】 土屋ですが、よろしいでしょうか。
 
【李家主査】 お願いします。
 
【土屋委員】 D-NETを含め、JAXAではNEDO等の研究を通してUTMの研究をこれまで行ってきたと思います。そのなかで、この事前評価ではD-NETを推し、他のUTMと連携を図っていこうとされていると思います。その点は同意します。UTMはJAXA以外いろいろなところでも研究が進み、新しいNEDOのプロジェクトも始まったので、そこにD-NETをうまく合わせていくという記述が、この中で見えていれば良いかと思います。以上です。 
 
【李家主査】 どうもありがとうございます。
 JAXAの原田さん、今の点に関して何かありますでしょうか。
 
【原田(JAXA)】 御指摘、コメント、ありがとうございました。
 土屋先生の御指摘のとおり、我々としては、D-NETの技術や通信規格を核に有人機と無人機の空域共有を実現していくというシナリオを書いておりますけれども、その段においてUTMとの適切な連携というのは必須であると認識しております。補足説明資料の21ページには、そういった目標達成のためのコア技術としてUTMを挙げておりますし、初期の段階、災害時における有人機・無人機連携では、右側の図に示すように、実用化されているD-NETを軸にその拡張を進め、D-NETとUTMを連携することによって、無人機が空域を効率的に利用して災害に役に立てるようにする、といったストーリーを描いております。土屋先生にいただいた御指摘をしっかり意識して、この研究開発を進めてまいりたいと考えております。以上です。
 
【李家主査】 ありがとうございます。
 では、土屋先生、よろしいでしょうか。何か、こちらの資料に追記するような文言とか、ありますでしょうか。このままで大丈夫でしょうか。
 
【土屋委員】 私はよろしいかと思います。
 
【李家主査】 そうですか。分かりました。ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 ではもう1点だけ、ちょっと一般的な質問というか確認ですけれども、例えば資料の75-1-4の一番最後のところで、10ページの(3)が「本課題の改善に向けた指摘事項」とあって、(4)で「その他」となっています。我々の意見として、「本課題の改善に向けた指摘事項」というのが特に出てないというのは承知しておりますけれども、そこまでいかない留意事項ということを、その下の(4)の「その他」に書いているというふうに思えばよろしいのですね。右側にも書いてありますが、そのような使い分けをここでしていて、最初の既存形態のほうでも同じような扱いになっていたということですね。確認だけさせてください。
 
【岩田専門職(事務局)】 李家主査のおっしゃるとおりです。指摘事項まではいかないのですが、留意事項としては「その他」に書くことになっています。
 フォーマットに関しましても、指摘事項と留意事項をそれぞれ分けて書くことになっておりまして、留意事項は「その他」について記載するものとなっております。
 以上です。
 
【李家主査】 分かりました。ありがとうございました。
 
【土屋委員】 土屋ですが、よろしいでしょうか。
 
【李家主査】 どうぞ。
 
【土屋委員】 今言われてちょっと思ったので教えていただきたいんですけど、「本課題の改善に向けた指摘事項」という言葉の意味ですが、「改善」というのはどういう意味で、指摘事項の「指摘」というのは誰がする指摘、誰に向けた指摘ということなんでしょうか。
 事務局の方にお願いします。
 
【須藤室長(事務局)】 「改善」となりますと、基本的には、「この研究の内容の一部については、あまり必要性がないのではないか」というような御意見のもとに実施を少し見送るというような対応を求めることが改善という形で指摘になっていくと思います。
 指摘の実施の主体と言いますと、この後、計評分科会のほうに諮ってまいりますので、分科会のほうからの指摘というような形になろうかと思います。
 評価の実施主体のほうから、研究を実施する主体に対して指摘をするという形になります。
 
【土屋委員】 ああ、なるほど、そういう意味ですね。ありがとうございます。
 
【李家主査】 どうもありがとうございます。
 今回、これが初めてのフォーマットになっていて、今までとちょっと違う点もあるので、念のために確認させていただいた次第です。ありがとうございました。
 では、よろしいでしょうか。この資料に関しては、事務局より提示していただいたままとしたいと思いますが、それでよろしいですね。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【李家主査】 では、この項に関する本日の御議論はここまでとさせていただきまして、この次世代モビリティ・システムによる更なる空の利用に必要な研究開発の事前評価については、おおむね委員の皆様の御了解が得られたというふうに考えております。その上で、本委員会での決定とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【李家主査】 ありがとうございます。では、そのように進めさせていただきます。
 次は3番目、デザイン・シナリオを実現するための基盤技術の研究開発、これの事前評価について、また事務局から御説明をお願いいたします。
 
【岩田専門職(事務局)】 ありがとうございます。
 資料75-1-5、75-1-6を御覧ください。
 まず、75-1-5につきましては、先ほどと同様で、目的、概要を分けて記載しております。データ管理についても記載しております。
 右側の主な課題と目標につきましては、評価票の修正事項を反映しております。ロードマップに関しましては、前回、JAXA説明資料とずれているというお話がありましたが、JAXA側に確認すると、JAXA側の資料が修正必要ということで、こちらに関しては修正しておりません。
 続きまして、75-1-6になります。
 1ページ目は先ほどと同様です。
 2ページ目につきましては、この後ありますが、李家主査からCbAに関する説明を厚くしてほしいとコメントがありましたので、実機実構造を用いることなく数値解析を用いて実施する認証として記載しております。
 3ページ目につきましては、先ほどと同様になります。
 5ページ目になりますが、李家主査からのコメントに対しまして、冒頭を「航空機ライフサイクルDX技術の研究開発に使用する」と追記しております。
 下側に行きまして、戸井委員からのコメントを反映して、「日本の強みであるProduction Systemをデジタルスレッドで先導してレベルアップさせるシステム構築等、早期にDX技術を取り入れる必要がある」と記載しております。
 続きまして、6ページ目になります。
 佐藤委員、山岡委員からのコメントに関しまして、上から2行目になりますけれども、「これまでに経験のない革新的な航空機形態に対しても、機体開発時の試験・試作作業の繰り返しをDXに代替することで、コストの高騰やスケジュールの長期化を回避することが期待される。DXに代替する際は、大型試験設備等を用いた試験結果との比較によってモデルやツールの妥当性を検証する」と記載しております。
 続きまして、佐藤委員からのコメントに対しまして、「上記より、本研究開発は革新性、発展性があり、科学的・技術的意義が高く、航空輸送・航空機利用の発展や次世代モビリティの実現に向け、国や社会のニーズにこたえるものであり、我が国の産業の振興・国際競争力強化に資するものである」としております。
 続きまして、武市委員のコメントにつきましては、総合評価(4)その他の留意事項に記載させていただいております。
 7ページ目になりますが、各分野で記載の統一を追記しております。
 続きまして、有効性になりますが、山岡委員、佐藤委員から御意見をいただきまして、8ページ目になりますが、上から2行目、「まずはJAXAが優位性を持つ数値シミュレーション等のデジタル技術と大型試験設備を用いた試験技術、データを最大限活用できる設計・認証・製造過程の研究開発を集中的に行うとしている」と追記させていただいております。
 続きまして、土屋委員からのコメントに対しまして、こちら三つポツがありますけれども、JAXAの説明資料に沿うような形で記載しております。分ける理由等、詳細につきましては、JAXAより説明があると思います。
 続きまして、8ページ目から9ページ目にかけてですが、武市委員のコメントにつきましては、総合評価のその他に留意事項として記載させていただいております。
 9ページ目になりますが、李家主査からCbAに関しての記載は先ほど2ページ目で説明させていただいたとおりです。
 その他、李家主査からのノウハウにつきましては、左側、「認証を受けることにつなげることが重要である。技術開発と認証の間には様々なノウハウや経験を要することが想定され、これまでJAXAが取り組んできた航空機装備品ソフトウェア認証技術イニシアティブにより得られた知見を活用していくことは有効である」と追記させていただいております。
 航空機装備品ソフトウェア認証技術イニシアティブについての注意書きを10ページ目にしております。
 続きまして、効率性になります。
 武市委員からのコメントに関しまして、10ページ目下側から、「このような実施体制の下で各研究者・技術者が、出口を目指すプロジェクトと基盤技術開発の両方に常に携われるようにする取組は効率的であり」と記載しております。
 佐藤委員からのコメントに関しまして、記載を変更しております。
 戸井委員からのコメントに関しましては、「生産過程全体の安定を実現するプロダクションシステムの合理化・効率化に資するデジタルスレッドに関しては、コンソーシアムを通して機体メーカー活動と連携して日本の総合力を生かすためにDX基盤の構築を目指す」と記載させていただいております。
 続きまして、戸井委員からのコメントで、ライセンス販売については記載を削除しております。
 続きまして、山岡委員からのコメントに対しまして、11ページ目から12ページ目にかけてですが、コンソーシアムにおける役割分担として、JAXAは「ソフトウェア等の共通基盤ツールの開発及びMBSE等の設計手段と連接させるためのノウハウの共有」、機体/エンジンメーカーについては「設計・認証DXのニーズ、課題の提言及びMBSEと数値解析技術の連携等に関する研究開発」、ITベンダとしては「IT技術及びDX拠点の研究開発」、大学等については「解析・分析手法等の要素的な研究開発」として記載させていただいております。
 最後は、各分野での記載の統一をしております。
 総合評価につきましては、佐藤委員、武市委員からのコメントに対応しまして、「新たなニーズや社会の変化を踏まえ、将来の革新的航空機システムの設計に対応した我が国が優位性を持つデジタル技術を早期に確立することで」と記載を変更しております。
 また、最後の、「以上、評価した結果、本件は実施すべき研究開発である」、こちらにつきましては、各分野での記載統一となっております。
 (2)科学技術・イノベーション基本計画等につきましては、先ほどと同様になります。
 (4)その他になりますが、武市委員からのコメントに関しまして、「変化する社会のニーズをしっかりと捉え、限られた研究リソースの中で、ニーズのなくなる基盤技術への研究資源を削減し、その分を新たな基盤技術の開発に充当していくべきである。その際、次世代の実用化志向の技術開発プロジェクトの役に立つ、あるいはそれらの創発につながる基盤技術でなければならない。他分野の最先端技術も導入しつつ、他国に先駆けて重要な基盤技術を確立し、高い国際競争力を得ることができるよう、常にこのような見通しを持って取り組む必要がある」というふうに留意事項として記載しております。
 事務局側からの説明は以上になります。
 JAXA側、お願いします。
 
【原田(JAXA)】 それでは、再び資料75-1-7に沿って、修正部分を御説明いたします。
 27ページになりますが、まず意義・価値のところで、必要性に関してデジタルスレッドの必要性・重要性について御指摘いただきました内容を追記しております。それから、CbAについての補足説明を、少し詳しいものに置き換えております。
 28ページの主な研究項目のところですけれども、有効性のところで「JAXAの得意分野に集中して取り組むべき」という御指摘をいただきました。これに応じて取り組むものが、この主な研究項目の3課題になります。その中で、この三つの課題の違いが分かりにくいという御指摘をいただきましたので、冒頭のところで、「航空機ライフサイクル全体のうち、特に設計、認証、製造フェーズのDXに資する研究開発に取り組む」という一文と、それぞれの研究項目が対象とするフェーズについて追記しております。
 それから、有効性のところで、解析モデルやツールの検証方法について御指摘いただきました。また、必要性のところで、大型試験設備の重要性についても御指摘いただきました。これらを反映いたしまして、主な研究項目の(2)デジタルテスティング/プロタイピングに関する研究開発、それから(3)デジタルフライトに関する研究開発で、大型試験設備によって検証する、検証してCbAの実現に貢献する、といった記載を追記しております。また、効率性のところで御指摘いただきましたコンソーシアムにおける企業や大学の役割分担を追記しております。研究スケジュールにおける成果の適用先に関しては、工程表と整合するように修正を行っております。
 それから、資料の32ページでは、航空機ライフサイクルDX技術の研究開発における成果を社会実装するためのエコシステムについて補足しておりますが、その中で、他分野連携型、基盤技術提供型のエコシステムとしての具体的な外部連携として、航空機ライフサイクルDXコンソーシアムについての説明を追記しております。また、認証に係るノウハウを活用すべきというご指摘、それからDX基盤の構築に向けた取り組みが重要である、というご指摘を受けて、係る記載を追記しております。
 デザイン・シナリオを実現するための基盤技術の研究開発に関する補足説明資料の修正部分は以上の通りですが、あわせて、資料の36、37、38ページの修正について御説明申し上げます。
 前回の委員会で、プログラム全体に関するアウトプット・アウトカム指標の状況について、三つの分野に分けて示せないか、という御指摘をいただきました。今回の三つの研究開発分野に対して、過去におきましてはこのとおりに区分して研究開発に取り組んでいたわけではありませんが、おおよそその内容に応じて割り振りを行いまして、過去3年間の数値を、36、37、38ページにそれぞれ示しております。
 JAXAからの説明は以上になります。
 
【李家主査】 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に関して、御質問等ありましたらお願いいたします。
 
【土屋委員】 土屋ですが、よろしいでしょうか。
 
【李家主査】 お願いします。
 
【土屋委員】 三つの区分について、それぞれのフェーズは、先ほどのJAXAの補足資料で説明を書いていただいたことで分かりやすくなったと思います。と思ったのですが、2番のデジタルテスティング、プロトタイピングと3番のデジタルフライトを入れ替えたほうが、時間的な順番でいくと、設計と設計認証、それから認証と製造フェーズという形で、単純なことなのですけど、2番と3番の順番を入替えたほうが、何となく、設計から製造に向かっていく流れが見えるのでいいのではないかなというふうに思いました。
 それからもう1件は、「代替」という言葉がどう捉えられるかなのですけど、代替と言ったからといって、それが全てなくなるというわけでもないはずで、あくまで時間的、あるいはコスト的な削減という意味で使われるんだろうと思うのですけど、代替と言うとちょっと強いのかなとも思うのんですが、いかがでしょうか。
 
【岩田専門職(事務局)】 有効性のポツに関しましては、順番の並び替えさせていただきます。
 代替の言葉については、もう少し弱い表現に修正して、評価票に落とし込みたいと考えております。
 ありがとうございます。
 
【土屋委員】 ありがとうございます。
 
【李家主査】 ありがとうございます。
 そうすると、今画面に出ていますけれども、評価票のほうの順番を入れ替えるということと同時に、こちらの28ページの2番と3番を入れ替えるということですかね。
 
【土屋委員】 今思いましたけど、28ページの下の線表、フライトとテスティングの順番が入れ替わっていますね。
 
【李家主査】 そうです、入れ替わってます。
 
【土屋委員】 入れ替わっていましたね。今気づいたところですけど、この順番がいいんじゃないかと思います。
 
【李家主査】 ありがとうございます。
 評価票のほうは問題ないのでしょうけれども、JAXAのほうからは何かありますか。問題ないでしょうか。大丈夫そうですね。
 
【原田(JAXA)】 補足説明資料の順番を修正いたします。
 それから、代替という言葉の使い方ですけれども、DXによる代替というのはそもそもDXの趣旨からしておかしい表現でしたので、より適切な表現に修正いたします。
 
【李家主査】 ありがとうございます。
 では、ほかにいかがでしょうか。
 
【戸井委員】 戸井ですが、よろしいでしょうか。
 
【李家主査】 お願いします。
 
【戸井委員】 まず、修正意見ではなくて補足のコメントです。今のJAXAの資料の一つ前、27ページ。一つ目のスレッドを強調して的確にしていただいて、ありがとうございます。
 それから、指摘ではなかったんですが、この二つ目のCbAについて、ここで取り扱う背景について少し皆さんと共有したいんですけれども、特に昨今、ボーイングが737 MAXからFAAとの取り組み方がいろいろ議論されている状況でして、要するにいろいろな証明に対して、今まで実績があるから、そこの会社が昔の実績とシミラリティーがあるからといって証明できていた曖昧な部分が、いろいろなところで、重箱の隅をつついたデータの積み重ねで実施をしていかなければいけないというような流れになりまして、そういう、耐空証明の厳格化、必ずしも型式証明だけではないんですが、機体ごとの検査とかも含めて、そういう厳格化に対応する意味でも、このデジタルによる認証への取組という価値が、非常にニーズが上がっているというのが産業界での認識である、ということをコメントしておきたいと思います。
 以上です。
 
【李家主査】 どうもありがとうございます。
 今、コメントいただいたことは、特にこういった文章に何か残しておくようなことではなくて、我々は背景として知っていればいいという感じでしょうか。
 
【戸井委員】 そのとおりです。
 
【李家主査】 どうもありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 
【山岡委員】 恐れ入ります、山岡でございます。
 
【李家主査】 お願いします。
 
【山岡委員】 まず、JAXAの補足説明資料の、コンソーシアムにおける企業や大学における分担を追記ということで、方針を示していただきまして、ありがとうございました。
 それで、私からは、実は李家主査が御指摘されたところについてお伺いしたいのですが、下のページで9ページのところになります。技術を開発するところと認証を受けるところ、ここは大きなギャップがあるというふうに御指摘されて、全くそのとおりだと思うのですが、すみません、私の不勉強で、航空機装備品ソフトウェア認証技術イニシアティブということでJAXAが活動されていたということですけれども、ソフトウェアの認証をされる場合、このソフトウェアを使っていいよと認証されるというのは、どういったプロセスを経るのかということをお伺いしたい。といいますのも、大型の試験設備でツールであるとかモデルであるとかというものを認証していただくのはいいのですけれども、実際にはやはり1回、例えば実機のモデルと合わせてみる、もしくはそういったデータと照らし合わせて、ツールもしくはモデルが妥当かどうかということを検証しないといけないのだろうなと思います。でも、そこのところはやはりいろいろと課題も起きてくるので、もしそういったことをせずに、ここのソフトウェア認証技術イニシアティブというもので認証されているというのであれば、そういったやり方を、きちんと取り入れていくべきであろうというふうに、思いましたものですから、御質問させていただきました。
 すみません、ちょっと質問としてはお答えづらいかも分かりませんけれども、よろしくお願いしたいと思います。 
 
【伊藤(JAXA)】 JAXAの伊藤です。
 認証イニシアティブに関しては、ソフトウェアを開発するに当たって、航空局と一緒にサーティフィケーションプランからソフトウェアの認証のプロセスをしっかりと実施するというモデルケースを一つ回しました。結果的に、その装備品のソフトウェアの認証を取る直前まで行っているところで、間もなく取れるというところまでいっています。サーティフィケーションプランや認証を取る手順を1度回していますので、それをDXに落とし込む際には、その情報を横につなぎながら進めていくということをやっていますので、その活動は十分に生かしていきたいというふうに思っています。
 お答えになっているかどうか分かりませんが、現状の御紹介までです。
 以上です。
 
【山岡委員】 分かりました。ありがとうございます。
 そのときに認証をとられる……、1度回したというお話なんですけれども、そうすると、何かそのモデルとなるようなソフトウェアがあって、それとのバリデーション、要するにその結果の比較みたいなものをされた、というふうに考えてよろしいのでしょうか。
 
【伊藤(JAXA)】 ソフトウェアの認証を一度回したというのは、いわゆる米国RTCAのソフトウェア認証ガイドラインであるDO−178などの文書に沿って、航空局が認める手法で認証をとっていったもので、その手順を確認したものです。DXで言っているMBSEやMBDというソフトウェアの活用を促進するものではなく、ある意味ソフトウェアの信頼性を確認する手順的なものです。ソフトウェアを設計モデルとして使うものではなかったというのが現状です。
 細かく言えば、汎用的に使えるソフトウェアをつくった実績は1個あるのですが、ちょっと種類の違う部分かと思っています。
 
【山岡委員】 承知しました。決められた手順に従って、きちんとそのソフトウェアがつくられているということを示された、という理解が近いでしょうか。
 
【伊藤(JAXA)】 そのとおりです。
 
【山岡委員】 承知しました。ありがとうございます。
 そうすると、大型の風洞施設等でつくられたモデルの検証をされますということなのですけれども、実際の機体とのつなぎというか、実機との整合というのはどのように検証されるというふうに考えておられるのでしょうか。
 
【伊藤(JAXA)】 DXでソフトウェアそのものを扱う活動と並行して、実際に機体を設計製造していくプロセスを、過去の経験を含めて実施していくことが必要かと思います。やはり、日本の国内で開発された事例のデータを生かし、連携しながら、そこの中にデジタル的なDXによる認証、開発の手法を当てはめていく。そういうフォローアップをしていくことで、DX技術の確認をしていく、というやり方になろうかと思っています。
 
【山岡委員】 分かりました。ありがとうございます。実際に、過去に設計したような機体のデータを活用して確認すると考えておられることを、承知いたしました。ありがとうございます。
 
【伊藤(JAXA)】 ありがとうございます。
 
【李家主査】 ありがとうございます。
 ほかにありますでしょうか。
 武市委員、お願いいたします。
 
【武市委員】 最初の既存形態の、体制がどうのこうのという話の続きのところで、各文書の中で留意にそういったところを追記していただいたのはありがたいですけども、留意はやっぱり所詮は留意であって、あんまり強制力はなさそうな感じはしますね。ただその中で、新しい研究開発課題を芽出しの段階から出口側の組織と一緒に取り組む。そういった取り組み方を、75-1-6のこの文書の効率性のところに書けるんじゃないのかなとちょっと思ったんです。ここにコンソーシアムとか、もうちょっと下に行くと「航空局は航空機メーカーと連携して」というような表現が出てくるので、いわゆる出口側の組織と連携して次の段階で出口を目指す研究開発につながる芽出しの研究開発課題をこの段階から築き上げていくといった、そういった一文をこの項目に書き加えていただくことはできますか。そういった形で最初の、JAXAの新しい取り組み方というものを、ここで書けると思います。いかがでしょう。
 
【岩田専門職(事務局)】 武市委員、ありがとうございます。
 今、御教示いただきました、航空局などの「また」で始まるところに、先ほど既存形態でお話しさせていただいた、出口を見据えた話や、新しい技術の創出などを記載できるように、検討します。ありがとうございます。
 
【武市委員】 よろしくお願いします。
 
【李家主査】 ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。
 
【河合委員】 河合ですけれども、よろしいでしょうか。
 
【李家主査】 お願いいたします。
 
【河合委員】 ありがとうございます。
 全体的なことで、例えば概要のスライドなど、JAXAの先ほどの補足資料もそうなのですけれども、令和8年度のアウトプットとして次世代機につながっていくというところが明確に示されているのはとても良いと感じます。もしJAXAのほうであればでいいのですが、研究開発は多分ここで終わるわけではないと思いますので、縦軸の緑に加えて、横軸の研究開発についても今後どのようなビジョンがあるかという、つながりがあれば、記載していただきたいと思います。そうすれば、これがどのようにさらなる研究開発につながって、さらに次世代にも活用されていくのか、というのが見えやすくなってよろしいかなと、個人的に思いました。
 
【岩田専門職(事務局)】 河合委員、ありがとうございます。委員がおっしゃられたとおり、この後、継続される案件だと思っております。
 表記の仕方については、緑色の部分で書くのか、また、矢印、白枠で書くのかは検討させていただきたいのですが、何らかつながっていくのだというのを、他の課題も含めて、見えていないものがあれば、追記して、記載したいと思っております。
 ありがとうございます。
 
【河合委員】 ありがとうございます。
 
【李家主査】 岩田さん、今の点ですけども、研究開発ビジョンの最後のページに詳しい線表が確か入っていたと思いますが、その辺りと整合がとれるような記入になるのでしょうか。
 
【岩田専門職(事務局)】 そうですね、その部分と、JAXA側の説明資料とうまくマージさせたものになるかと考えております。
 
【李家主査】 分かりました。では、それでお願いいたします。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 
(「なし」の声あり)
 
【李家主査】 そういたしますと、この項に関していろいろ御意見いただきましたが、JAXA側資料の28ページの関連で2番目と3番目を入れ替える点と、代替という言葉の表現を考えている点と、あとは修正点ですと、先ほどの武市委員からの御指摘の、11ページ目の5行目に追記をするということと、それから今の河合委員からの御指摘の、ロードマップに矢印をその先のほうにも入れる、そして項目に何かを記入する。そういうことが修正事項かと思いました。これで間違いないでしょうか。
 それでよろしいようでしたら、今日の議論はここまでとさせていただきまして、このデザイン・シナリオを実現するための基盤技術の研究開発の事前評価については、おおむね委員の皆様の御了解が得られたと考えております。
 先ほども申し上げましたように、今日いただいた御意見については事務局と相談しまして、修正箇所については主査一任ということで、本委員会での決定とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【李家主査】 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。 

(2)    その他 

【李家主査】 そうしますと、 最後の議題、その他についてですが、何かございますでしょうか。
 
【岩田専門職(事務局)】 事務局より、よろしいでしょうか。
 
【李家主査】 お願いいたします。
 
【岩田専門職(事務局)】 事務局より、その他について、1点お伝えします。
 8月18日に、第82回計評分科会が予定されております。そこでは、前回の航空委で決定されました研究開発プラン・プログラム、及び本日の3件の事前評価の報告を行う予定となっております。報告を行った後、計評分科会で審議されることとなっておりますことをお伝えいたします。
 また、研究開発プランについては、修正点を主査に御確認いただいております。
 本日の事前評価に関して、いただいたコメント、修正については、主査に御確認いただいた後、報告いたしますことをお伝えいたします。 以上です。
 
【李家主査】 ありがとうございました。
 ほかの委員の皆様、何かありますでしょうか。
 よろしいでしょうか。今のような流れで、作業を進めさせていただきます。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【李家主査】 ありがとうございます。
 以上で、今日の議事は全て終了いたしましたので、事務局のほうにお返しいたします。
 どうもありがとうございました。
 
【岩田専門職(事務局)】 李家主査、ありがとうございました。
 それでは、最後に、事務局から事務連絡をさせていただきます。
 本日の委員会の議事録につきましては、事務局にて案を作成し、委員の皆様に御確認をいただいた上で、文部科学省ホームページに掲載させていただきます。
 課長の上田が参りましたので、一言御挨拶させていただきます。
  
【上田課長(事務局)】 李家主査はじめ委員の皆様、はじめまして。本日付で宇宙開発利用課長を拝命いたしました上田と申します。福井の後任になります。いち早く勉強してキャッチアップして、皆様の御議論に貢献できるようにしたいと思います。
 今日は遅れてすみません。御挨拶できてよかったです。今後ともよろしくお願いします。
 
【李家主査】 どうもありがとうございます。李家です。今後ともよろしくお願いします。
 
【上田課長(事務局)】 よろしくお願いします。
 
【岩田専門職(事務局)】 それでは、事務局からです。
 次回の航空委につきましては、11月頃を予定させていただいていますので、スケジュールについては追って確認させていただきます。
 それでは、これで、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会(第75回)、航空科学技術委員会を閉会いたします。ありがとうございました。

(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課