航空科学技術委員会(第72回) 議事録

1.日時

令和4年2月18日(金曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

オンラインにて開催

3.議題

  1. 航空科学技術分野に関する研究開発ビジョン最終とりまとめ(案)について
  2. 分野別研究開発プラン(仮称)について
  3. その他

4.出席者

委員

科学技術・学術審議会臨時委員  李家 賢一【主査】
科学技術・学術審議会専門委員  浦松 香津子
科学技術・学術審議会専門委員  太田 惠子
科学技術・学術審議会専門委員  河合 宗司
科学技術・学術審議会専門委員  佐藤 哲也
科学技術・学術審議会専門委員  武市 昇
科学技術・学術審議会専門委員  戸井 康弘
科学技術・学術審議会専門委員  冨井 哲雄
科学技術・学術審議会専門委員  二村 真理子
科学技術・学術審議会専門委員  山岡 建夫
科学技術・学術審議会専門委員  和田 雅子

文部科学省

大臣官房審議官(研究開発局担当)  原 克彦
研究開発局 宇宙開発利用課長  福井 俊英
研究開発局宇宙開発利用課宇宙連携協力推進室長  須藤 正幸
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐  先光 吉宗

オブザーバー

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)

5.議事録

1. 開会

【先光課長補佐】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 航空科学技術委員会(第72回)を開会させていただきます。本日はオンラインにより御出席いただきましてありがとうございます。事務局を務めさせていただきます宇宙開発利用課の先光です。よろしくお願いいたします。
 本日の委員会の開始に当たりまして、航空科学技術委員会委員12名のうち、土屋委員が御欠席されていますが、定足数である過半数を満たしていることを御報告させていただきます。そのほか、オブザーバーとしてJAXAと関係省庁からも御出席をいただいております。個別の御紹介は、お手元の出席者一覧をもって代えさせていただきます。
 続きまして、資料の確認でございますが、本日の配付資料につきましては、議事次第に記載されております、資料72-1-1、1-2、1-3、2-1、2-2の5つございます。あらかじめ電子メールでお送りしておりますが、過不足等お気づきの点があれば、チャット機能等で事務局まで御連絡いただければと思います。
 それでは、以後の進行につきましては、李家主査にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【李家主査】 李家です。おはようございます。今日はお忙しいところお集りいただきましてありがとうございます。早速ですが、本日の議事に入りたいと思います。

 

2. 議事

(1) 航空科学技術分野に関する研究開発ビジョン最終取りまとめ(案)について
 
【李家主査】 議題の1番目、航空科学技術分野に関する研究開発ビジョン最終取りまとめ(案)についてですが、これは、これまで航空科学技術委員会で議論を重ねてきたものです。次期の研究開発計画、研究開発プランへ反映させるために、今日は最終取りまとめを行いたいと思います。最初に事務局から御説明をお願いいたします。
 
【先光課長補佐】 事務局から説明をさせていただきます。前回の第71回の委員会でお示ししました最終取りまとめ案について御議論をいただいており、委員会でいただいた御意見や、委員会後に事務局にいただいた御意見等を踏まえまして、改めて、資料72-1-1のとおり、最終取りまとめ案を作成しております。資料72-1-1を御覧いただけますでしょうか。委員の皆様には、お手元に前回委員会で御提示した案と比較した見え消し版を、お配りしておりますので、そちらも併せて御参照いただければと思います。また、資料72-1-3を御覧いただきたいのですが、前回71回委員会以降にいただいた御意見等をまとめさせていただいております。
 まず一つ目ですが、「2.我が国の航空分野の現状」、資料1-1の本文の2ページ目の下のところですが、「需要が蒸発することによって航空業界やメーカーが厳しくなっているが」というところで、研究機関、大学というのは、財政的負担を求めることが難しいほどの影響を受けたと言えるのかという御意見をいただきましたので、それを踏まえて、研究機関は削除しております。
 また、資料72-1-3の2つ目と3つの御意見ですが、資料72-1-1の3ページ目の真ん中辺り、「丸1民間企業が取り組むにはリスクが高い研究開発への取組」で、ハイリスクな先進的技術や短期間でも成果の出にくい研究をやるというだけではなく、ニーズがあることを研究してその成果を還元することが目的であるという趣旨を反映させたほうがよいというご意見と、ニーズを求める主語が航空業界だけに読めるが、社会から広く求められているニーズと言ったほうがよいのではないかという御意見をいただいておりまして、それを踏まえて、本文は、「民間企業のみでは取り組むことが難しいハイリスクな先進的技術や、短期間で成果の出にくい基盤技術であって、航空業界を中心に社会から求められるニーズに応え、期待される効果が大きい研究開発課題の研究開発を戦略的に実施する」という形でまとめております。
 次に、資料72-1-3の4つ目の意見になりますが、資料72-1-1の4ページ目の上、「丸4基礎力と応用力を身につけた人材の育成」のところで、「若年層から高等教育についての人材育成」と書いておりまして、これでは、子供から大学院生、学生までを想定しているように読めるため、卒業した後、研究者になってからもそういった人材育成は必要ではないかというご意見を踏まえて、「若手研究者以降にわたる人材育成」と追記しております。
 資料72-1-3の5つ目の御意見になりますが、資料72-1-1の「3.航空科学技術分野における未来社会デザイン・シナリオの実現方策」、7ページの下「3.2デザイン・シナリオを実現する研究開発、基盤技術整備の方向性」のうち、「丸3の出口を見据えた産業界との連携」なりますが、もともとJAXAと産業界の役割分担の在り方についても考える必要があるということで、ここで「一般に~」と書いた場合、主語をJAXAだけに限定せずに、一般論として公的な研究機関の役割ではないかとの御指摘がございまして、ここでは「一般に国立研究開発法人等の公的研究機関は、開発リスクの高い先進的技術の研究開発を行い」としております。
 次に、資料72-1-3の6つ目と7つ目の御意見になりますが、「4.実現方策を支えるシステム改革」、「4.1研究人材の改革」本文の9ページ上になります。
 ここで、「さらにコロナ禍を~」と書かれている部分につきましては、将来的な観点も含めて、必ずしもコロナだけに限定せずに、感染症対策という一般的な表現にしたほうがよいのではないかという御意見を踏まえまして、「さらにコロナ禍の経験を基に航空科学技術分野において、今後も必要とされ得る感染症対策に関する知見を持つ人材育成」という表現としました。
 また、人材確保のところでは、「高い専門能力と研究成果を社会に還元する意思を有する~」と書きましたが、専門能力を持つだけではなく、広い専門性のみならず広い視野や実績にとらわれず新たな分野に挑戦する意欲ですとか、リーダーシップを持つ人材育成といった観点を踏まえて、このような表現にしております。
 続きまして、資料72-1-3の2ページ目の1つ目の御意見で、本文は、「4.2研究資金改革」になります。こちらは、「技術的実現性の観点で長期性・不確実性・予見不可能性が高く、民間企業が取り組むことが困難であるハイリスクなテーマ」と書かれておりますが、これに限らず、将来より高い需要が見込まれるものに重点的に取り組むという趣旨を反映させて、先ほど2章の丸1でいただいた御意見と同様の表現に修正しています。
 次に、5章「5.1既存形態での航空輸送・航空機利用の発展に必要な研究開発」です。本文の11ページ目になりますが、こちらは、もともと「イ.安全性、静粛性向上技術」と記載をしておりまして、前回の委員会でもいくつか御意見をいただいておりました。安全性と静粛性を対等に並べるところに違和感があるですとか、安全性と静粛性は少し内容が違うので分けて書いたほうがいいのではないかですとか、安全性というと一般的に機体の安全性をイメージするため運航の安全であることを表現したほうがいい、といった御意見等を踏まえまして、イとウと順番を入れ替えたうえで、もともと安全性と記載していた技術が、航空機の運航の安全に資する技術であることを明確にするとともに、静粛性向上と記載していた低騒音化技術は、航空機の運航時に発生する離着陸騒音を低減する技術であることを鑑みて、これら全体を表現するために、「ウ.運航性能向上技術の研究開発」と整理をしました。また、各項目、文章の分量についても御指摘がありましたので、若干ではありますが、ア、イ、ウと、少し文章量を調節しています。
 最後に、12ページの「5.3デザイン・シナリオを実現するための基盤技術の研究開発」に対する御意見につきまして、基盤技術に取り組むと書いておりますが、新しい発想を取り入れるという観点も必要ではないかという御意見を踏まえまして、冒頭のところ、「新たなニーズや社会の変化に対応した新しい発想を取り入れながら持続可能な航空産業への転換を図る」という形で追記をしております。
 また、DXについて、プロダクションシステムをオンタイムでリンクさせて見える化するという観点に触れた方がよいという御指摘がございまして、また、デジタル生産技術とか、デジタルスレッドという言葉が一番近いということですが、そういった生産技術や、プロダクションシステムに関するキーワードを捉えておいたほうがいいという御指摘をいただいておりましたので、文章を少し修正して「迅速かつ手戻りのない量産を実現するデジタルプロトタイピングの研究開発とともに、設計・認証・製造といった各過程の情報を一元管理し、相互にデータを接続することで生産過程全体の安定を実現するプロダクションシステムの合理化、効率化に資するデジタルスレッドの研究開発に取り組む」と記載して、こういった内容を明確に位置づけることとしております。
 最後に、資料72-1-2になりますが、こちらは最終取りまとめの概要版になります。こちらにつきましては、今回の修正を踏まえまして、「運航性能向上技術の研究開発」など項目の名称を反映させております。
 以上が、議題(1)について事務局からの説明となります。
 この最終取りまとめにつきましては、長きにわたって御議論いただいておりまして、これまでいただいた御意見等につきましては、今回おおむね反映できていると考えております。従前から、最終取りまとめに向けた今後の進め方という形で、年度内、今回の委員会をもって、委員の皆様に御確認いただいて、決定をさせていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
【李家主査】 どうもありがとうございました。今、御説明がありましたように、長い間議論させていただきましたが、私としても、いただいた意見をうまく盛り込んでいただけたかと思っております。ただいまの御説明を踏まえて、最後に御意見等がありましたら、委員の皆様からお願いいたします。
 
【戸井委員】 JADCの戸井です。いろいろと今までの議論をきちんと反映していただきましてありがとうございます。私もDX関連については的確な反映をされていると思っております。
 1点、今まで議論をしてきて、今さらということでもあるんですが、5.1の「ア.脱炭素社会に向けた~」のところで、IATAが掲げる2050年までにCO2排出量半減という部分があるんですが、実は、昨年のCOP26の前の10月4日にIATAが年次総会を開催した際に、さらに踏み込んだ目標に置き換わっています。CO2の排出量をネットゼロにする。ネットゼロというのが的確でなければ、実質ゼロかもしれませんけれども、より踏み込んだ目標に変わっていますので、それに合わせて変えておいたほうがいいのかと思いました。以上です。
 
【李家主査】 ありがとうございます。今の御指摘、重要な点だと思いますので、修正していただきたいと思います。
 
【先光課長補佐】 これまで議論を重ねていた中で、社会の動きも進んでおりアップデートがきちんと反映されておりませんでしたので、御指摘のIATAの年次総会でネットゼロ目標を掲げたという点を反映させていただきます。
 
【李家主査】 ほかにいかがでしょうか。では、武市委員、お願いいたします。
 
【武市委員】 いろいろと意見の反映をしていただいてありがとうございました。今後10年という単位のものを決めるのであれば、委員が関わる機会がまだ足りなかったなという感じがします。あくまで印象ですが。
 もともとの原案自体が、今まで取り組んできたことをベースにつくられた内容が結構多い、そういう意味では慣性、イナーシャが非常に大きいので、それをきちんと検討して見直していくためには、半年だけで最終とりまとめをするというのはちょっと短かったなと感じました。来年だけの分を考えるんだったら、それでもいいかもしれませんが、今後10年であれば、これまでの慣性・イナーシャにとらわれないやり方を、次は10年後になりますが、反映できたらいいなとは思います。よろしくお願いします。
 
【李家主査】 山岡委員、お願いいたします。
 
【山岡委員】 非常によくまとめていただいて、かなり修正をお願いしたところもあるんですが、ありがとうございました。
 委員からもお話がありましたが、これを、そのままずっと金科玉条のごとく守っていくというわけではなくて、やはり状況が変わってくることもありますので、できれば、適宜見直しをお願いしたいと思います。ほかの長期のプロジェクトでも、何年かに1回見直して、実情に合わなくなった部分や、ふさわしくないテーマについては、より時代に適したものに変わっていくこともありますので、ぜひその辺は柔軟にお考えいただければと思います。ただ、今回の取りまとめにつきましては、おおむね了承しておりますので、どうも皆様お疲れさまでした。ありがとうございました。
 
【李家主査】 どうもありがとうございます。ほかにありますでしょうか。
 
【先光課長補佐】 今の御意見についての事務局からの回答ですが、武市委員から御指摘いただきました議論の進め方の部分につきましては、今回の最終取りまとめ、昨年策定された科学技術イノベーション基本計画を踏まえて、次の文部科学省の次期研究開発に反映させるため、限られた期間で御議論いただきましたが、十分でなかった点については、今後、やり方を改善していければと考えております。
 また、もう一つ御指摘のありました、慣性、新しい発想を取り入れていくところについても、やり方をもう少し工夫ができないか、少し先になりますが、今後の議論の中で取り入れられればと考えております。
 山岡委員からいただきました、状況を見て見直しをしていく、改善していくという観点につきましては、本文の「6.終わりに」の中で、最後のところで、「この最終取りまとめを活用しつつ、ビジョンの実現に向けた活動というものを進めていきながら、大きな状況の変化等あれば、必要に応じて適宜見直しをしていく」と書かせていただいておりますので、今回策定して、それで終わりということではなくて、これを進めながら、状況の変化を踏まえて適宜見直していければと考えているところです。
 
【李家主査】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
 
【太田委員】 ANAビジネスソリューションの太田でございます。委員の皆様の意見を丁寧に反映していただきましてありがとうございます。私も、静粛性と運航の安全性のところを分けたほうがいいのではないかと意見を出しましたが、非常に分かりやすくまとめていただいて、よく分かるようになったと思っています。お疲れさまでございました。
 
【李家主査】 どうもありがとうございます。ほかに御意見、御感想でも結構ですから、ありましたら、お願いいたします。特にございませんでしょうか。
 私から、感想になりますが、先ほど半年という期間についてご意見がありましたが、もともとこの研究開発ビジョンに関して、最初に検討を始めたのは3年ぐらい前だったかと思います。中間取りまとめのため、ワーキンググループをつくって議論した記憶がありますが、その後に、せっかくまとめたけれどもCOVID-19の影響で全てがひっくり返ってしまうような状況になって、その上で、もう一度見直しということで、コロナの影響をいろいろ議論していただき、それを反映して直してきて、個人的にはかなり長く時間がかかってしまったなという気もしております。おかげさまで、いろいろな細かいところまで御意見をいただいて、重要な点は絞れたと思っております。
 先ほど申し上げたコロナの前ですと、既存の形態の機体がどう発展していくか、その中で、環境適合性や安全性は重要だけれども、さらに高速性ということで超音速機があって、次世代モビリティが盛んになってくるだろうと、そのような予測の下で、今日の資料72-1-2のところにピラミッド形態の絵を描いていただいて、そこにまとめたということだったかと思います。
 その上で、少し前に中間取りまとめをまとめさせていただきましたが、先ほど申し上げたコロナの影響で、全部見直しということになってしまいました。先ほども戸井委員からコメントをいただきましたが、特に産業界への影響が大きく、産業界がどうコロナの影響から回復するかという観点で考えていくと、デジタルというのが大きなキーワードになるだろうと。これはもともとの中間取りまとめにもあったかと思いますが、さらにコロナの影響による社会情勢の変化を見直して、その点をかなり重要視するという、そのような方向性にまとめられたのではないかと思っております。
 それから、先ほど見直しが必要ということや、今までの慣性でそのまま進んでいるという御指摘もありました。その辺のところを忘れずに、これから常に最新の状況を把握しながら、航空科学技術で取り上げるべきテーマを考えて、それを実施していければいいと、そのように思っています。
 手前みそになってしまいますが、感想としては以上のとおりですので、ぜひこれをうまく活用していただければと思います。
 中間取りまとめから、ワーキンググループでは和田委員にもいろいろとご議論いただいたと思いますが、何かコメントがあればいただけますでしょうか。
 
【和田委員】 今、お話を伺っていて、この資料72-1-2の図表というのは、皆さんと一緒にいろいろと考えていた中で、それが大きくここ数年間で変わったというのは、私も、今、お話を伺っていて、まさにそうだなと感じておりました。
 それにプラスして、将来また、これからの10年間の間で、先ほどお話があったように、世の中の変化によって10年間の目標という形でつくり上げたものが大きく変わることも、時代の変化がすごく激しい状況ですので、多々起こると思います。その点を踏まえて、委員の皆さんがおっしゃっていたように、適宜見直しすることがとても大切なんだなということを、この3年間で、私も一緒に考えさせていただいておりましたので、すごく大切なことだと思いました。
 今回、すごくよくまとめていただいたものを土台にしながら、またさらに新しい部分に向かっていっていただければと思います。いろいろとありがとうございました。
 
【李家主査】 どうもありがとうございました。そのほか、御発言いただける方いらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。
 今日もいろいろな御意見をいただきましてありがとうございました。本日の議論はここまでとさせていただきます。この研究開発ビジョンの最終取りまとめの本文と概要の案については、おおむね委員の皆様の御了解を得られたと考えております。ただし、先ほど修正箇所や、今後に向けての御意見もいただきましたので、今日いただいた御意見について事務局と相談しまして、特に修正箇所については、主査一任ということにさせていただければと思います。その上で、本委員会での決定とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【李家主査】  ありがとうございます。では、そのように進めさせていただきます。ここまで御議論いただきましてありがとうございました。
 
(2)研究開発プラン(仮称)について
 
【李家主査】 では、議題(2)に移りたいと思います。この議題の2番目も、今、取りまとめていただいた研究開発ビジョンがベースになるもので、それをどう活用していくかというところにつながることかと思いますので、そのような観点からも考えたいと思います。
 議題(2)分野別研究開発プラン(仮称)についてということで、事務局から御説明をお願いいたします。
 
【先光課長補佐】  事務局から説明をさせていただきます。
 議題(2)につきましては、1月26日に開催された計評分科会において、各分野別委員会から集まった意見を基に、分野別研究開発プランの案について議論がございましたので、その概要を事務局から報告させていただきます。
 資料72-2-1を御覧いただけますでしょうか。こちらが、1月26日に開催された計評分科会の資料となります。8月に開催された分科会を踏まえて、各分野別委員会において研究開発プラン(仮称)のフォーマット案等について、意見照会がありましたので、この航空科学技術委員会でも、前回第71回で御議論をいただいておりました。2ページ目に記載されているものが、各分野別委員会から出てきた意見が集約されているものです。「(1)プラン作成の基本的な考え方について」につきましては、原子力委員会から様式変更だけではなく、目的達成に努めることが本質であるというコメントが出ておりますが、これに対しては、プラン作成の目的を補足するという対応方針が示されております。そのほかは、おおむね各分野別委員会から異論は出ずというところでございます。「(2)分野別研究開発プランフォーマット案」についてですが、こちらは航空科学技術委員会から、「プログラム名や上位施策については、屋上屋を避けるという点に配慮して表面的な文言が並ぶだけのものになっていると、文部科学省で策定する研究開発プランそのものの価値がなくなってしまうことを避けるためにも、各分野において、現行の研究開発計画の中目標達成のために、重点的に推進するべき研究開発の取組、これに対応する内容について、もう少し具体的に記入できる余地を設けてはどうか」というコメントを出しております。これに対して、資料72-2-2の2ページ目になりますが、こちらの資料も、1月26日の計評分科会で議論がなされた確定版でございます。この研究開発プランとして(仮称)が外れたものになっていますが、フォーマット案の括弧書きのところに記載されているとおり、上位施策となる政府全体の戦略計画等以外にも、必要に応じて独自の計画等を策定し、その内容を記載することも可、別添も可と書かれています。
 航空科学技術分野におきましては、独自に策定した今回の研究開発ビジョンの最終取りまとめを踏まえて、主に第5章になると思いますが、具体的な研究開発課題について、ここに記載をすることができることになります。もしくは、別添可と書かれておりますので、この最終取りまとめを、そのまま別添という形でつけることも許容されています。
 資料72-2-1に戻りまして、「(3)分野別研究開発プランフォーマット」2枚目になりますが、こちらは施策マップに相当するもので、他の委員会からは、将来のアウトカムを書くのは難しいのではないかとか、簡潔性のために記載項目を減らしてはどうかというコメントが出ておりました。
 当委員会からも、「研究開発課題の細かい課題名まで書くと、全体として何がやりたいのかが分からなくなるおそれがあるため、現行の研究開発計画に書いてあるような大きな項目を示して、その中に細かい研究開発が含まれるという書き方ができると、分野全体を俯瞰して見ることができるのではないか」というコメントを出しております。こちらにつきましては、一番右に対応方針案が書いてありますが、フォーマット上対応可能になるよう考慮するということでございます。
 また、資料72-2-2に戻りますが、3ページ目、こちらが施策マップに相当するものになりますが、ここでは細かい指標などは記載をせずに簡略化され、各研究開発課題を束ねた上位の取組まで書くことができるようになっており、ここでは黒の点線で囲われていますが、大きな枠組み、取組の中に細かい研究開発課題が含まれているという形で、全体が俯瞰できるようなフォーマットになってございます。
 次に、また資料72-2-1に戻りますが、「(5)目標や評価軸設定の考え方について」で、こちらも航空科学技術委員会から、進捗状況のフォーマット案では研究課題ごとに成果指標、測定指標、活動指標といったものを書くようになっていますが、航空科学技術分野では、「これまで評価の経緯を踏まえて、最初にアウトプット指標とアウトカム指標、これらを統一的に出して、それで全ての研究課題に対応するという方法を取ってきましたので、そういった従来の書き方でもよいのではないか」という意見を出していました。こちらにつきましても、対応方針として、フォーマット上対応可能になるよう考慮するとなっております。なお、前回の71回の委員会で、電子データでエクセルの表の形で進捗報告様式をお送りしておりますが、こちらはまだ分科会のほうで検討中ということですので、1月26日の分科会では具体的なフォーマットは示されておりませんが、次回3月に開催される分科会の中で提示されて議論されると聞いておりますので、あらためて進捗報告をさせていただきたいと思います。
 以上が、前回1月26日の分科会で議論された内容の報告になります。
 今回、72回の航空委が、今年度最後の委員会になりますが、次年度の航空科学技術委員会におきましては、今回議題1で御了承いただいた最終取りまとめを航空科学技術分野の研究開発プランに反映させる議論を進めていきたいと考えております。そちらの議論を進めた上で、8月の計評分科会で、航空科学技術分野の研究開発プランというものが最終的に決定されます。引き続き分科会での議論を、委員の皆様に共有しながら、御相談させていただければと考えております。
 事務局からは以上です。
 
【李家主査】 どうもありがとうございました。来年度に本格的な議論をするということですが、その準備をするに当たって、いろいろとお気づきの点もあるかもしれませんので、ただいまの御説明を踏まえて、御質問や御意見等をいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
 なかなかイメージが湧きにくいかもしれませんが、私の理解では、今までの研究開発計画は10枚から15枚ほどにわたって文章で長々と書いてあったものが、今回それを1枚にまとめるということで、各分野を俯瞰しやすくなると、そのような印象を持っております。今までの研究開発計画ではページ数が長く、航空分野以外のほかの分野もありますので、それに比べるとコンパクトになるという印象を持っております。
 その上で、この2ページ目のように、1枚にまとめるとなると、先ほど事務局からも御説明があったように、今日取りまとめていただいた研究開発ビジョンの5章の主要な項目が記載されて、その簡単な説明が入るようなイメージを、今のところ持っています。ここにどのくらいの文字数で書き込むかによってかなり印象が変わってくると思いますので、その辺りのところが、来年度以降の議論になるかと思っております。
 また、次の3ページでは、これまでも、我々の研究開発課題が年度ごとにどのように進んできたかを示すため、課題評価のときにいつも線表を用いていますが、それに代わるものと理解しております。研究開発課題が多くなると、その課題名ばっかりたくさん並んでしまって、この分野で何をしたいかが見えづらくなると思われますが、今回点線で上位の取組名ということで、テーマごとに分類してプロットできるようになっていますので、その辺りのところをうまく活用していくのかと思います。先ほどの最終取りまとめでいいます、5章で5.1、5.2、5.3の三つ挙げられていますが、それが、この点線の矢印になるというイメージで、点線の矢印の中に、最終取りまとめでいう5.1のア、イ、ウがあって、5.2にもア、イとありますが、そういった項目が入って並んでいくというイメージを持っております。私の誤解があるかもしれないので、事務局でも確認していただけたらと思います。
 
【先光課長補佐】 施策マップに相当する、こちらのフォーマットですが、書き方はいろいろあるかと思っています。今、主査から御説明があったような書き方も一つの方法ですし、第5章の5.1、2、3の項目がありますが、その項目ごとに研究開発課題という形で、枠をつくるという方法もありますし、その辺りは、事務局でも整理・検討した上で、委員の皆様にお諮りをして、御議論をいただければと考えております。
 
【李家主査】 ありがとうございます。ほかに、委員の皆様からいかがでしょうか。
先ほど武市委員から、この先10年を見越したという御発言をいただきましたが、この3ページの様式では、右半分でやっと5年ということなので、さらに、この先10年を見据えるには、まだ先があってということで、何かその辺りについて、武市委員から御意見等はございますでしょうか。
 
【武市委員】 そういった観点では、課題によっては、右端は10年後よりもさらに先の場合もあると思います。その場合は、課題ごとに横幅が異なってもいいものかどうかという点が、気になるところです。課題ごとに柔軟に変えていいものなのであれば、対応はできるだろうと思いますが、あとは、それを見る目の問題だと思います。
 
【李家主査】 そうですね、この横の年数がいつまでかというのは、分科会全体の各分野との統一性もあると思うので、この場では言えないとは思いますが。
 それに関連して、この様式は2017年から始まっていますが、もっと年数が新しいものに変わるのでしょうか。それとも2017年というのは固定して作成するのでしょうか。もし2020年ぐらいから始めたら2030年ぐらいまで、この紙1枚に全部書けるかと思ったのですが、何か事務局のほうで御存じでしょうか。
 
【先光課長補佐】 年数をどのように記載するかは、明確に説明があったわけではございませんけれども、このフォーマットについては、ある程度分野別委員会に裁量があると、柔軟に記載ができると考えておりますので、その辺りは、計評分科会の事務局にも確認しつつ、次の委員会以降の議論の中で御相談させていただければと思います。
 
【李家主査】 ありがとうございます。お願いいたします。
 
【武市委員】 その点で、右端にゴールとしてアウトカムを書く欄がありますが、どういった段階のものをゴールとするかというところは、きちんと検討したほうがいいと思います。長く続くであろう研究課題のゴールをどう書くのか、長く続くであろう研究課題の中の一部の研究課題のゴールでいいのかという、その点は議論したほうがいいと思います。
 
【李家主査】 ありがとうございます。確かに、この細い黒線の矢印のアウトカムなのか、太線の点線の矢印のアウトカムなのか、曖昧に書くとどれを対象にしているか分からなくなってしまうため、その辺のところをはっきり区別する必要があるかと思います。そのほか、何かお気づきの点はございますでしょうか。
 
【佐藤委員】  早稲田大学の佐藤です。質問ですが、個別の課題の期間が長くなるケースもあるのでしょうか。5年以上になるような課題があれば、例えば、今年であれば2022年ですので、課題が2017年から続いていたら今年まで係るので、左側にも過去にわたって書かなければいけないのかと思っています。課題が10年ぐらいにわたるものは、今までにあったのでしょうか。なければ、その年度を中心として、最後にアウトカムが書ければいいのかなと思います。今後、長期間の課題というものが考えられるのかどうかを伺いたいと思います。
 
【先光課長補佐】 必ずしも個別の研究開発課題は、4~5年でなければならないということではございませんので、当然それ以上継続してやる課題もあると考えております。ただ、今回の研究開発プランというものが、現行の科学技術イノベーション基本計画を踏まえたものとなりますので、ここで対象としているのが、基本計画の期間として定められている、おおむね5年の期間の中でどういった研究開発課題を進めていくかというところを、この表の中にうまく整理して書いていければと考えております。
 
【佐藤委員】 ありがとうございます。実際にフォーマットに入れていくと、またそういった課題も出てくるかと思いました。書き方についても、ありがとうございます。
 
【李家主査】 前回、事後評価を1課題まとめさせていただいたので、今、動いている研究開発課題としては残り1つでしたでしょうか。
 
【先光課長補佐】  低騒音化技術の事後評価が終わりまして、今、残っているものといたしましては、コアエンジン技術の研究開発の1件となっております。
 
【李家主査】  コアエンジンの研究開発はいつまでの予定でしたでしょうか。
 
【先光課長補佐】  2023年まで実施し2024年に事後評価だったかと思います。
 
【李家主査】  分かりました。コアエンジンはいつ頃から始まっているか分かりますか。
 
【先光課長補佐】  2017年に事前評価し、2018年から開始だったかと思います。
 
【李家主査】  そうすると、この時間軸では、1個だけコアエンジンが、2023年まで延びていて、あとは今後立ち上げるであろう新しい研究開発課題が、右のほうの5年のところに並んでいくという、そんなイメージですね。
 
【先光課長補佐】  おろらくそのようになるかと考えております。
 
【李家主査】 分かりました。細かいことは、次回以降議論させていただくことになると思いますが、ほかに、この件に関してご質問等ありますか。
 
【山岡委員】  山岡でございます。これは、いわゆる線表ということで、過去、現在、将来はどうなっていくかということが分かりやすくフォーマットで書かれていますが、これと予算の対応というのはどうのようになりますでしょうか。将来的には、その事業を遂行していくための予算を確保していかないといけないということになってくると思うんですが、それはどの時点で算定して決まってくるのか、どのように考えたらよろしいでしょうか。
 
【先光課長補佐】 一般論といたしましては、ここで研究開発課題の事前評価を、この委員会で実施した上で、その事前評価を踏まえて、翌年度の予算要求にそれを反映させることになっています。ただ、航空科学技術分野につきましては、研究開発課題ごとに事業を実施しているということではなく、全ての研究開発課題がJAXAの運営費交付金により、JAXAを中心に進めていることになりますので、JAXAの研究開発の進め方にこの研究開発プランの内容を反映させていくという形になろうかと思います。
 
【山岡委員】 分かりました。そうすると、意欲的な課題というものに対しては、例えば、従来とは違って予算がかなりかかりそうだということであっても、必要であれば、予算を獲得して研究を進めていくと、どのような対応になりますでしょうか。
 
【先光課長補佐】 こちらの研究開発プランにつきましては、議題(1)で御議論いただいた研究開発ビジョンの最終取りまとめ、それをこちらに反映させることとしております。さらに、この研究開発プランを決定した後には、JAXAの中長期目標にも、それらを反映させていくことになりますので、そういった内容を、JAXAの取組の中で予算にも反映をさせていくことになります。
 
【山岡委員】 分かりました。ありがとうございます。
 
【李家主査】 ありがとうございます。この点、重要なことかと思ったのですが、JAXAがオブザーバーで参加しているので、何か実際に実施する側として意見等があったら、一言で結構ですので教えていただけると、今後の参考になると思いますが、いかがでしょうか。
 
【渡辺部長】 JAXA航空技術部門の事業推進部の渡辺です。いろいろと御議論いただきましてありがとうございます。また発言の機会をいただきましてありがとうございます。ただいまの件ですが、この分野別の研究開発プランは、今、御指摘がありましたとおり、我々が予算要求をしていくところの基礎となるものになります。そういった意味で、曖昧な書き方になっていくと、その基礎にならないということもありますので、計評分科会に御指摘いただいたような上位の取組を書いた上で、個別の研究開発課題について細かい内容が書けるものになっているというのは大変ありがたいと思っています。研究開発課題ビジョンの最終とりまとめに工程表が書かれているわけですが、それを、少し荒くなるとは思いますが、なるべく丁寧にこちらに書き写していくことによって、予算の面でも、研究開発の実施の面でも実効性のあるプランになるのかと考えております。以上です。
 
【李家主査】 どうもありがとうございました。いまのところは、我々もバックグラウンドの知識として持っていたいと思います。ほかにご意見等はよろしいでしょうか。
 
【武市委員】 少し気になったのですが、線表で、過去の部分を書けるというのは、先ほど山岡委員から見直しのお話が出てきましたが、見直しした経緯を記録しておけるということなんでしょうか。そのような役割を担うこともできると解釈をしてもいいのかもしれません。
 
【李家主査】 過去の例だと、ある特定の研究課題で、この時期に中間評価をしようと思っていたものが変更になって少し延びたとか、何か変更したことがあったと思います。その変更については過去のこのようなフォーマットの中に残っていたような記憶があります。このような形で見直しの記録が残ることになるかと思いましたがが、事務局のほうで何か御存じでしょうか。
 
【先光課長補佐】 過去に取り組んだ研究開発課題についても記録を残しておけるという意味では、記録が残るかとは思いますが、見直しをした履歴といいますか、どこをどう変えていったかというところまで、ここに書くのはなかなか難しいのではないかと思います。変更した後のものが、ここに反映されることになろうかと思いますので、変更前後の履歴を残すという意味では、少し難しいのではないかと感じております。
 
【武市委員】 例えば、過去にこういう研究をやっていたものの、世界的な情勢を見直して、その研究課題をこのように変更するけれども、過去のこういう成果は、まだ使えますという申し送りのようなものがあればと思います。
 
【先光課長補佐】 おっしゃるとおり、どこかの時点で、例えば、研究開発課題の内容を少し変えて、またこの線表を変更したということであれば、過去途中までこういう形で取り組んだ上で、その後は内容を変更して新しくこのような形で続けていくという、連続性を持った線表をつくることは可能ではないかと思います。
 
【武市委員】 そういう機能がつくれそうだなという点が気になりました。それが具体的にどう役に立つかは、すぐには分からないですが。
 
【山岡委員】 山岡でございます。私、以前に役所にいた経験からしますと、計画が変わるときは、計画を変える理由を紙に書いて、審議を受けて、その変わった計画表を出して、それが正になっていくというプロセスになるかなと思っていました。これは、そこまでのことを今回の全体の中でやられるかどうかというのは、分からないんですが、航空科学技術委員会でその経緯を残しておけば、後々ひもといたときに、例えば、どうして評価が長引いたかとか、また短い期間でプログラムを変更してしまったかというところが分かる履歴になるのかなとは思います。以上です。
 
【李家主査】 どうもありがとうございます。私もそういったことは記録が残ればいいと思いました。ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 
(「なし」の声あり)
 
【李家主査】 そういたしますと、事務局にて、引き続き計評分科会での議論の動向を共有していただきながら、今後この委員会でも研究開発ビジョンの最終取りまとめを踏まえて、この研究開発プランの策定に向けた検討を進めていければいいと思います。どうもありがとうございました。では、最後の議題、その他についてですが、何かございますでしょうか。
 
【先光課長補佐】 事務局から、1点報告事項がございます。1月26日の計評分科会におきまして、前回までの委員会で御議論いただいておりました低騒音化技術の事後評価ですが、李家主査から御説明と御報告をいただきまして、評価結果について、分科会で決定されたことを御報告させていただきます。以上です。
 
【李家主査】 ありがとうございました。私が計評分科会で報告したときに、低騒音化技術の場合は、もともとは三菱のスペースジェットを使って飛ばす飛行試験をする予定だったのが、外的な要因でそれができなくなったので、大幅に計画を変えてやることになりましたという報告をしましたが、委員会の席上では、そういった状況にもかかわらず、新たな工夫を行って、十分な成果を出したのではないかという御意見を委員の方からいただいておりました。以上、御報告です。
ほかに、その他の議題はありませんでしょうか。では、少し時間が早いですが、以上で、今日の議事は全て終了いたしましたので、進行を事務局にお返しします。どうもありがとうございました。
 
【先光課長補佐】 ありがとうございます。最後に、事務局から事務連絡をさせていただきます。本日の委員会の議事録につきましては、事務局にて案を作成し、委員の皆様に御確認をいただいた上で、文部科学省のホームページに掲載をさせていただきます。また、研究開発ビジョンの最終取りまとめにつきましては、李家主査に御確認いただいた後に、委員会の決定ということで、委員の皆様にお送りするとともに、文部科学省のホームページにも掲載をさせていただきます。
 次回の航空科学技術委員会につきましては、年度明けを予定しておりますので、また開催日時等につきましては、別途調整をさせていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
 最後に、閉会に当たりまして、文部科学省大臣官房審議官の原から御挨拶を申し上げます。原審議官、よろしくお願いいたします。
 
【原審議官】 文部科学省で研究開発局の担当の審議官をしております原でございます。 本日は御多忙の中、委員の皆様方には議論に参加していただきまして、どうもありがとうございました。また、今日議論いただきました航空科学技術に関する研究開発ビジョンでございますが、李家主査からお話もありましたとおり、もともとは2019年の10月に中間取りまとめをしていただいて、それ以降、今日までずっと議論していただいたということでございます。比較的長い期間にわたりまして、精力的に活発に議論していただきましたことに、改めて御礼申し上げたいと思っております。
 今回の最終取りまとめでございますが、もともと上位の概念でございます科学技術イノベーション基本計画、これは昨年の3月に策定されたものでございますが、その中で、地球規模課題の克服に向けた社会変革と非連続なイノベーションの推進、それから、レジリエントで安全・安心な社会の構築といった観点が重要視されているわけでございますが、そのような観点と、その後生じましたコロナ禍ということで、もう既に2年続いているわけでございますが、この航空科学技術の分野も大きな影響を受けたということで、それらを踏まえて、取りまとめに反映していただいたと考えておりまして、非常にありがたく思うものでございます。
 今後でございますが、文部科学省といたしましては、先ほども一部既に議論していただいてございますが、分野別の研究開発プラン、それからJAXAの中長期目標といったものに、今回のビジョンを反映させていくことを考えてございます。
 さらに、その周辺の状況といたしまして、JAXAだけではなくて、様々な研究機関とか、大学で進められておりますこの分野の研究開発活動、それから関係省庁にも目を配りながら、この航空科学技術分野に関する研究開発を着実に進めていきたいと考えているところでございます。
 委員の皆様におかれましては、本当に御多忙のところ、航空科学技術に関する研究開発ビジョンの最終取りまとめの策定に御尽力いただきましたことに、改めて御礼を申し上げますとともに、本年度は今回で最後でございますが、来年度以降も引き続き、この委員会におきまして重要事項を御審議いただきたいと考えてございます。引き続きよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
 
【先光課長補佐】 それでは、これで科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 第72回航空科学技術委員会を閉会とさせていただきます。 本日はどうもありがとうございました。

(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課