航空科学技術委員会(第68回) 議事録

1.日時

令和3年2月1日(月曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためオンラインで開催

3.議題

  1. 研究開発ビジョン最終取りまとめに向けたJAXAにおける検討の中間報告について
  2. その他

4.出席者

委員

科学技術・学術審議会臨時委員  李家 賢一【主査】
科学技術・学術審議会専門委員  佐藤 哲也
科学技術・学術審議会専門委員  髙辻 成次
科学技術・学術審議会専門委員  武市 昇
科学技術・学術審議会専門委員  竹内 健蔵
科学技術・学術審議会専門委員  戸井 康弘
科学技術・学術審議会専門委員  冨井 哲雄
科学技術・学術審議会専門委員  難波 章子
科学技術・学術審議会専門委員  松島 紀佐
科学技術・学術審議会専門委員  山内 純子
科学技術・学術審議会専門委員  和田 雅子

文部科学省

大臣官房審議官(研究開発局担当)  長野 裕子
研究開発局宇宙開発利用課長  福井 俊英
研究開発局宇宙開発利用課宇宙連携協力推進室長  平田 容章
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐  先光 吉宗

オブザーバー

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 航空技術部門長  張替 正敏
 航空技術部門事業推進部長  渡辺 重哉
 航空技術部門航空プログラムディレクタ  村上 哲
経済産業省
国土交通省

5.議事録

1.開会

【先光課長補佐】 それでは定刻となりましたので、ただ今から科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会航空科学技術委員会第68回を開会させていただきたいと思います。
 本日はお忙しい中ご出席をいただきまして、ありがとうございます。私、事務局を務めさせていただきます宇宙開発利用課の先光です。よろしくお願いいたします。
 初めに、本日委員11名のうち、難波委員が少し遅れて参加されるということですけれども、11名全員ご出席いただけるということで、定足数を満たしていることをまずご報告させていただきます。そのほか、オブザーバーとしてJAXA、あと、関係省庁からもご出席いただいております。また、報道機関数社の傍聴参加もございます。よろしくお願いいたします。
 なお、冒頭、人事異動により文部科学省研究開発局宇宙開発利用課藤吉課長に代わりまして福井課長が1月に着任しておりますので、ご紹介させていただきたいと思います。福井課長、一言よろしくお願いします。

【福井課長】 はい。1月1日から宇宙開発事業課長を拝命いたしました福井でございます。皆さま、これから大変お世話になります。私自身もいろんなご意見をいただきながらやっていきたいと思っていますので、どうかよろしくお願いいたします。以上でございます。

【先光課長補佐】 ありがとうございます。続きまして、資料の確認をさせていただきたいと思います。本日の配布資料につきましては、あらかじめ電子ファイルで送付させていただいております。資料の68-1-1、資料68-1-2、それに加えまして、参考資料を1から4までお送りしております。また、委員の皆さまにおかれましては、資料68-1-1の補足資料という形でもう一部お送りさせていただいております。不足等ございましたら、事務局のほうまでチャットを利用してご連絡いただければと思います。
 それでは、以後の議事につきましては李家主査にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

2. 議事

(1)研究開発ビジョン最終取りまとめに向けた JAXA における検討の中間報告について
【李家主査】 本日は、お忙しい中お集まりいただきましてどうもありがとうございます。今日は、前々回の委員会で議論させていただいた件の中間報告をいただくということになっておりますので、それで先に進めさせていただきたいと思います。
 議題の1番、「研究開発ビジョン最終取りまとめに向けたJAXAにおける検討の中間報告について」に移りたいと思います。
 では、まず、事務局からご説明をお願いいたします。

【先光課長補佐】 それでは、議事の1について事務局から説明をさせていただきます。まず、これまでの経緯とスケジュールについて簡単に確認したいと思いますので、参考資料をご覧ください。
 参考資料1でございますけれども、9月16日に開催した第66回の航空委でご議論いただいたときの資料でございますが、1ページ目の研究開発ビジョン最終取りまとめに向けた5つの論点ということで、現行の研究開発計画等に相当する粒度の内容を、次期研究開発計画の形式に整合する形で中間取りまとめに追記をすることとしてはどうか。その構成は、現行の研究開発計画を維持することを基本に、中間取りまとめでの3つの方向性の内容を盛り込むことを検討の出発点としてはどうか。 これまでの検討を踏まえつつ、具体個別の研究開発の取り組みについての詳細な検討も行う必要もあるため、研究開発実施者に近い立場の者に原案の検討を依頼することとしてはどうか。航空委のほうでは、その成果をさらに検討して、必要に応じて原案作成者側にフィードバックをする役割を担うこととする。2020年夏までをめどに、この検討体制の構築を進めるとともに、2021年度内に航空科学技術委員会にて最終取りまとめが行われるよう、適切な時期に航空委へ報告を行うようにすることとしてはどうか。留意点として、内閣府を中心に検討が進められている第6期科学技術基本計画等、省内外での関連する取り組みについて航空科学技術委員会事務局が注視し、最終取りまとめに向けた検討に適切にフィードバックをする。
 これらを提示した上で、2ページ目ですけれども、研究開発ビジョンの最終取りまとめに向けた検討の進め方ということで、航空科学技術分野における研究開発の中心的な実施機関であるJAXAに個別具体の研究開発課題とその取り組み方策の検討を依頼する、JAXAから最終報告を受けて、航空科学技術委員会で研究開発ビジョンへの反映を行うということとしておりました。
 これを踏まえまして、3ページ目ですけれども、昨年9月の航空委以降、JAXAにおいて研究開発領域と計画の素案検討を進めており、今回の航空委で検討の状況について中間報告を受ける、今回の航空委での議論を踏まえてJAXAへフィードバックをいたしまして、令和3年度の7月ごろに開催が予定されている航空委において最終報告という形でJAXAから報告をいただき、航空委での最終取りまとめの検討を進めていくというようなスケジュールになっていたところでございます。
 続きまして、参考資料2ですが、こちらも第66回の航空委までにご議論いただいたものですけれども、研究開発ビジョンの中間取りまとめが、一昨年の10月に取りまとめたものですので、このコロナ禍を踏まえて、少し見直しの観点について整理をさせていただいたものでございます。
 これを踏まえまして、参考資料3ですけれども、航空委において令和3年度中に行う最終取りまとめに、この参考資料2でまとめた観点を追加するとともに、JAXAにおける個別具体の研究開発の取り組みについての詳細な検討の際にもこれらの観点を踏まえて検討をいただくとともに、JAXAにおける検討においては、特に(3)の未来社会デザイン・シナリオを実現するための研究開発・基盤技術整備の方向性についてというところを踏まえて、個別具体の研究開発の取り組みにおいて、こちら3つ箇条書きで書いてあります点を考慮していただくということとなっておりました。
 以上が、これまでの検討の経緯でございまして、これを踏まえて前々回9月の航空委の際にJAXAに検討を依頼していたというところでございます。
 続きまして、JAXAから中間報告ということで、資料68-1-1に基づいてご説明をお願いしたいと思います。では、JAXAからご説明をよろしくお願いします。

【渡辺部長】 JAXAの航空技術部門事業推進部の渡辺と申します。
 それでは、資料68-1-1に沿いまして、現在の検討状況についてご説明したいと思います。
 今ご説明がありましたとおり、第66回の航空科学技術委員会での「産業界、学会、関係各省庁等の学識経験者や企業実務経験者、その他有識者の視点も十分活用して検討するように」というご指摘を踏まえまして、航空技術部門長の諮問による外部有識者委員会を組織いたしまして、研究開発ビジョンの最終取りまとめに向けた研究開発課題とその取り組み方針の検討を現在進めているところです。
 外部有識者委員会では、「航空技術部門が今後10年を見据えて取り組むべき研究領域」、「研究領域を踏まえた直近5年の具体的な研究計画」および「研究計画を実施するに当たり構築すべき最適な研究環境」について、全体6回を想定した委員会を計画しまして、実施しているところです。
 これまで3回行っておりまして、研究領域、研究計画の議論が大体まとまり、研究環境の議論が始まっている段階でありますので、本日は研究領域、研究計画を中心に中間報告をさせていただくことになります。
 これが委員の名簿になっておりますが、東京大学名誉教授の大和先生を委員長としまして、ここに書きました方々の参画を得て委員会を進めております。この中では航空産業界の方々が入っていらっしゃるのはもちろんですが、電機業界でありますとか、AI、金融分野、自動車等、航空以外の広い分野の方々にもご参加いただいて、多分野の視点でのご意見をいただけるように考えています。関係省庁からもオブザーバーとしてご参加をいただいております。
 まず、検討のベースですが、2019年10月に航空科学技術委員会で取りまとめられました研究開発ビジョンの中間取りまとめがスタート点となっています。ここでは詳細は省略いたしますが、現状認識として、科学技術行政には、民間企業等にはリスクが高い研究開発や、企業単独で保有の難しい大型試験設備の整備等の対応が求められているとされていまして、それに対応する活動が下のピラミッド状の図のように整理されています。
 具体的には、左半分に書かれているように、既存形態の航空機による航空輸送・航空機利用の発展ということで、持続可能性と利便性を両立した活動を進めていくべきというのが一点、右半分については、新しい航空利用として次世代モビリティ・システムによるさらなる空の利用に取り組むべきということがもう一点で、人間中心の交通ネットワークの実現等に取り組むことが新たに求められているという整理がされております。
 本日は、この4段階の階層のうち、上の2段に当たる未来社会デザイン・シナリオ、デザイン・シナリオを実現する研究開発・基盤技術整備の方向性についての報告をさせていただくことになります。下の2段の部分については次回の最終報告のときにご報告させていただきたいと思います。
 中間取りまとめでは、これらを実施することによって知識集約型社会への大転換を加速し、Society5.0を実現することが最終的なゴールとして提示されております。
 もう一つの検討のベースですが、中間取りまとめの段階ではまだ影響が出ていなかったコロナ禍の影響について、先ほどもご説明がありましたとおり、その後の航空科学技術委員会でも議論がされているところですけれども、それについてもしっかり認識を改めた上で、今後の研究開発計画を検討していく必要があるということで、コロナ禍の影響と今後への動きを整理いたしました。
 まず、コロナ禍の影響ですが、右上の図を見ていただきますと分かるとおり、これまで様々な航空需要が影響を受けるようなイベントとして、9・11などがあったわけですが、その中でも、コロナ禍というのが圧倒的に航空需要の減少という意味では大きな影響があったということが分かるかと思います。
 IATAの推定によりますと、今後、航空需要の回復には、最初は二、三年という話もありましたが、現在では5年程度はかかるだろうと言われているところです。コロナ禍の影響もあって、三菱航空機のスペースジェットの開発が凍結されるというような状況にも至っております。
 一方で、コロナ禍後に向けた動きとしましては、各国でカーボンニュートラルを目指す動きが加速しております。ICAOの規制では、2021年度以降は、設定値を超えたCO₂排出量を航空会社が購入する義務が生じるというのは依然変わりのないことです。
 わが国では、菅首相が、カーボンニュートラルを2050年に達成するということを国の大きな目標として提示されまして、それに向けての政府のグリーン成長戦略が策定されています。その中で、右下の図に書きましたのが、航空機産業の成長戦略として、電動化、水素航空機、軽量化/効率化、バイオジェット燃料等が示されております。この活動の重要性を国としてしっかり明示しているということになります。
 欧州では、エアバスでの水素燃料を用いたゼロエミッション航空機の開発についての発表等があったことはご存じのとおりです。また、超音速機につきましても、複数のベンチャー企業が超音速機開発に取り組んでいて、ICAOやFAAでもソニックブームの基準づくり等に対する計画が引き続き着々と進んでいるということになります。
 左上のまとめに書きました通り、コロナ禍後の回復期を見据えると、CO₂排出低減といったような高付加価値を目指すような技術開発が重要であるという認識に基づく動きが出ているという状況です。特にコロナ禍にあって民間の企業は非常に経営上苦しい局面にありますので、JAXAは公的研究機関としてこれらの新技術を先導していく必要があるという認識に至っておりまして、有識者委員会でもこの考え方はそのとおりだろうという合意をいただいているところです。
 まず、これらの検討のベースに基づきまして、JAXA航空は一体どういう将来像を目指すのかということを議論いたしました。
 次期科学技術・イノベーション基本計画で核となっておりますSDGsや、カーボンニュートラルへの動きが加速しているような現状も踏まえて、「持続可能」というのがキーワードになるだろうと考えました。航空以外でもそうですが、航空分野においてもこれが今後非常に重要なキーワードになるだろうという考え方をしております。
 また、中間取りまとめの未来社会デザイン・シナリオを踏まえまして、航空輸送、航空利用拡大、航空産業の3つの分野でJAXA航空技術部門がどのような将来像を目指すのかということを設定しました。
 それが左下に図示しているものですが、全体の大きなキャッチフレーズとしては、「人と環境に優しい持続可能な航空利用社会」、これを将来像として見据えていこうという考え方になります。
 具体的には4つの方向性を示しております。まず環境適合性という観点では、環境負荷をゼロにしていくということ、利便性の向上という意味では、誰でもどこでも2~3時間で移動できるような社会をつくっていくということ、社会貢献という観点では、日常も災害時もいつでも航空機の恩恵が得られるような社会を目指すということ、最後に、産業競争力強化という観点につきましては、競争力ある持続可能なデジタル化された航空産業を目指すべき将来像として設定いたしました。
 右下にSDGsの目標6個が書いてありますが、左下の図にもSDGsの目標が書いてあるとおり、これらの将来像を目指すことによってSDGsの6つの目標に貢献することができるという意味で、価値のある将来像ではないかと考えているところです。
 将来像は、かなり先の話になりますので、より近い将来として10年後の航空の姿というものを設定しました。これは次期の研究開発計画でも10年を見据えて5年の計画をつくるというタイムスパンに沿ったものになります。
 10年後の2030年における航空の姿を下の図に示しております。左が航空輸送、真ん中が社会への貢献、右が産業への転換となっていて、それぞれ全て「持続可能な」という形容詞がついております。
 詳細は時間もありますので省略させていただきますが、例えば左側、環境適合性の向上では、環境適合性が向上した新型機を導入していくでありますとか、安全性の向上では、パイロット判断支援システムがしっかり導入されているとか、利便性の向上では、海上超音速機の導入が始まっているだろうというところが挙げられますし、真ん中の、持続可能な社会への貢献としては、次世代エアモビリティが社会課題の一部を解決するような状況になっているだろうということ、また、災害危機管理対応では、災害対応航空機の能力が拡張するとともに、次世代航空利用技術の活用が拡大し有人機と無人機の連携が進むというのが挙げられると思います。
 また、右側の持続可能な産業への転換については、航空機産業という観点では、航空機やエンジンの国際共同開発や、装備品市場での我が国のシェアが拡大しているという点、MRO事業につきましては、ロボット導入によって半自動化、省人化が進んでいるというような状況を、2030年の航空の姿として定義いたしました。
 これらの10年後に予想される航空の姿を実現するためにはどういう技術に取り組まなければいけないのかということを図示しましたのが下の図になります。
 これまでJAXA航空技術部門では、ECAT、STAR、Sky Frontierと呼ばれる環境、安全・安心、新分野創造の3つの領域の研究開発を中心に行ってきたわけですが、今回の議論の中では、新たな技術課題としてDX(デジタルトランスフォーメーション)・自律化の2つが非常に重要な技術になっていくだろうということがこの分析から分かりましたので、それを新たな柱として、ピンクの枠のように追加しているところです。
 この図は、横軸が研究開発領域で、縦軸が適用領域ということで航空輸送、航空利用拡大、航空産業となっていますが、それぞれの枠に当てはまる技術を列挙しております。ここにはJAXA航空技術部門が対応するものだけではなく実際に必要になる主要なすべての技術が網羅されているわけですが、DX・自律化のところに多くの課題があるということで、今後、この部分が重要になってくるということをご理解いただけるのではないかと思います。
 研究開発領域で、今ありました技術課題の中から、JAXA航空が目指す将来像につながる技術として重点的に取り組む技術課題を選定しております。
 そのときの選定条件は、2個目の黒丸のところに書かれておりますが、意義・価値が高く、優位性、これはJAXAだけではなくて日本全体の強みも含めてですけれども、優位性があって、エコシステムと呼ばれる研究成果の社会実装の枠組みがある、この3つの要素がそろう見込みがあるものに重点的に取り組むという方針で重点課題を選定しております。
 重点課題のご説明をする前に、エコシステムについて詳細を9ページで説明したいと思います。
 エコシステムというのは、われわれの議論の中では、研究成果の社会実装の枠組みを指しておりますけれども、上に書きましたように、丸1から丸5まで、5パターンにエコシステムを分けています。
 一番上の丸1というのは、企業戦略密着型ということで、企業のニーズが顕在化しているものに対して、われわれの技術でそれに貢献していくということで、社会実装を担当する相手方のニーズに一番密着した形となります。それに対して、順番が下に進むにつれて、直近のニーズからは少しずつ離れていきます。ただし、何らかの形で研究開発成果が世の中に使われていくということを想定して、類型化しております。
 例えば、3番目の多分野連携型については、現在、航空機の電動化のコンソーシアムに力を入れて取り組んでおりますように、コンソーシアムのような枠組みを使っていろんな分野が連携するというパターンになります。この5つの類型化した形のどれかの形で取り組むというものが見えているものを重点課題として選定しています。
 その中で選びましたのが、この重点4課題です。まず、課題Aは、環境適合性の向上という観点から、脱炭素社会に向けた航空機のCO₂排出低減技術であり、これが一丁目一番地として挙げているものです。それから、課題Bとしては利便性の向上を目指した、超音速機の新市場を開く静粛超音速機技術、課題Cとしては社会への貢献を目指した、国土強靭化、空の移動革命を実現する多種・多様運航統合/自律化技術を選定しております。最後に航空産業の競争力強化という観点で、新たな航空機を創出する航空機ライフサイクル・デジタルトランスフォーメーション技術というのを、この4つを重点課題として選定いたしました。
 今の4つの課題を先ほどお示ししましたマップ上に書いたのがこの図になります。A、B、C、Dと書かれているのが、先ほどご説明しました重点課題になります。
 これで見ていただきますと、課題Aが環境の部分、課題Bが新分野創造の部分、課題Cが安全・安心とDX・自律化にまたがる部分、課題DはDX・自律化ということになっていて、DX・自律化というのが2つの課題を実現するために重要な技術であるということがお分かりいただけると思います。
 この中で青い破線で書いてある部分は、重点課題としては定義はしませんが、これまでもしっかり取り組んできたものですので、今後も取り組むべきということで、有識者委員会からもご意見をいただいている技術になります。
 あと、右端の新分野創造の中に、赤字で丸3丸5水素利用技術と書いてありますが、これにつきましては先ほどの検討のベースでもご説明しましたとおり、水素航空機についてのニーズや動きというのが急速に進んでおりますし、一方で、JAXAの宇宙分野では革新将来輸送システムについての議論が進んでいるところで、その両方の観点から重点的に取り組む必要がある可能性があります。今回の資料では課題の4つには含めておりませんが、最終報告までには、この部分についてどのように取り組むかを具体化してご説明したいと思っています。
 それと、丸1、丸2、丸3という番号についてご説明しませんでしたが、10ページの右下に書かれているように、この番号は、先ほどご説明しましたエコシステムの番号を表しているものになります。
 これからの課題A、B、C、Dについての4つのロードマップについてご説明します。ただし、かなり詳細になりますので、主に赤い枠が書いてある部分、つまり「研究開発課題」と呼ばれる重点的に取り組むべき課題についてご紹介します。JAXAで申しますとプロジェクトに相当する研究開発になります。
 まず、課題Aの脱炭素社会に向けたCO₂排出低減技術ですが、横軸が年表になっていまして、最終的には将来像であるCO₂排出ゼロを目指す研究開発の流れになります。
 この中で、上の赤枠のEn-Core(アンコア)と書かれている部分はコアエンジン技術として既に研究開発課題として取り組んでいる部分になります。それに続く研究開発課題としまして丸5の電動推進技術を考えています。右にオレンジの背景の図が書いてありますけれども、多発電動BLI(Boundary Layer Ingestion)と呼ばれる境界層吸い込みをする技術によって推進効率を向上するという技術を中心として、大規模な地上技術実証を含む取り組みを進めていくことを考えております。
 そこから先に、さらには複合サイクルエンジンで水素利用等を行っていくことによって、最終的にはCO₂排出ゼロを2050年ごろを目指して取り組むという活動になります。
 次に、課題Bにつきましては、超音速機の新市場を拓く静粛超音速機技術ということで、右端の最後は、誰でもどこでも2~3時間で移動可能という将来像を目指した開発になります。これに向けては、左下に書きました丸1の全機ロバスト低ブーム設計技術、丸2の統合設計技術が赤枠の研究開発課題の候補と考えているところです。
 特に、左下の全機ロバスト低ブーム設計技術については、これまでの委員会でも説明があったと思いますが、機体の直下のソニックブームを減らすだけではなくて、側方のソニックブームも減らす技術をJAXAが持っておりますので、それを使って国際基準の策定に貢献するとともに、ソニックブームの低い、実際に陸上を飛ぶことができる超音速機の開発に役に立てていくという方向性になります。
 次は、課題Cの多種・多様運航統合/自律化技術についてですが、非常に煩雑な図で恐縮ですけれども、われわれが今取り組んでおりますのが、一番左に書いてあるD-NET3という有人機の情報共有技術です。また、その下のUTMというのは無人機の運航管理システムですけれども、その技術にも取り組んでおりますので、それらの技術を統合していくことによって、丸1と書かれています有人・無人混在運航管理技術に当面注力していくべきだと考えています。
 また、航空機電動化コンソーシアム(ECLAIRコンソーシアム)でeVTOL(空飛ぶクルマ)の取り組みも進めておりますので、丸2の空飛ぶクルマの運航管理技術についてもしっかりやっていくことで、丸1、丸2の両方を囲んだ部分が次の研究開発課題の候補となると考えております。
 この技術については、災害時の有人機・無人機の連携ができるようにするというのが最初の出口になりまして、最終的には、右上に書きましたように日々の暮らしや災害時に航空機が活躍するような世界をつくるという方向性になります。
 課題Dは、航空機のライフサイクルデジタルトランスフォーメーション(DX)術ということになります。肌色で塗った枠の部分が航空機ライフサイクルDX技術になりますけれども、これについては、3段階ぐらいをかけてデジタル化によって国際競争力がしっかり強化されている状態につなげていきたいと考えております。第1段階として今後5年程度を考えますと、丸1、丸2、丸3の部分、つまりデジタル統合設計、デジタルフライト、デジタルテスティングに取り組むということで、実験でやっていたものを解析で置き換えていく、飛行試験で行っていたものを、シミュレーションで置き換えていくという方向性になります。これがDXの最初のステップになりますので、当面はそこにしっかり注力していきたいと考えています。
 次に、委員会での主なご指摘内容について書かせていただいています。詳細は見ていただいてということになりますが、研究開発領域、重点課題の設定につきましては、国際競争力を上げるような分野に注力すべきであるとか、JAXAの研究開発の規模は限られるので、しっかり優位性を持った分野に集中することが大事だというようなご意見を頂いております。
 また、重点課題全般につきましては、世界の動きが非常に速いので、ロードマップにしっかり展開して取り組むことが大事であるというご意見を頂きましたし、課題AのCO₂排出削減技術については、水素燃料の検討が重要ではないかというご意見等を頂いております。
 それから、課題Bの超音速機につきましては、基準提案、OEM/ベンチャー等との連携など、外に向けての活動が重要であるというご意見を頂いております。
 それについての対応は右に書いてありますが、今までご説明した内容がこれらのご指摘を反映した内容になります。
 課題Cにつきましては、最近、災害が非常に多くなって、災害危機管理対応において航空への要求度が今後さらに高まるという指摘や、空飛ぶクルマは、これまでの航空産業のような大企業だけではなく、ベンチャー企業が取り組む部分があるので、それへの対応を考える必要があるというご意見を頂いております。
 課題DのDXについては、DXは多様な使い方があるので付加価値の源泉となるというお話や、AI、ビッグデータの活用などで安全性の認証の部分でも壁を乗り越えていくことが国の機関としては大事ではないかというご意見を頂いております。
 まとめですけれども、上の3つの項目については今ご説明したものの要約になりますので省略させていただきます。
 最後の項目ですが、今後、航空科学技術委員会への最終報告を6月ごろに想定しておりますので、それに向けまして、研究計画の具体化と、研究開発を実施するに当たり構築すべき最適な研究環境、具体的には大型試験設備や人材育成等になりますが、それらについての検討を進めてまいりたいと考えております。
 私からの説明は以上です。

【先光課長補佐】 ありがとうございます。今の中間報告につきまして、事務局としてご議論いただきたい論点について資料68-1-2に記載しておりますので、補足させていただきます。
 論点1ですけれども、航空科学技術分野において重点的に取り組む技術課題について、5年後、10年後の社会実装に向けて今後5年間で取り組む技術課題として、JAXAから提示された4つの重点課題、CO₂排出低減、静粛超音速、多種・多様運航統合/自律化、ライフサイクルデジタルトランスフォーメーション、これらについて着実に進めていく方針としてはどうかというところと、航空科学技術分野全体を俯瞰(ふかん)したときに、これらの重点課題以外にも産業界や学界が中心となって取り組む必要があるような課題というものがあるかどうか、こういったところについて、ご議論をいただきたいと考えております。
 また、論点2ですけれども、将来に向けた研究開発課題についてということで、今後5年間で取り組むべき重点課題に加えまして、さらにその先の将来に向けた研究開発として、今からどのような取り組みに着手をするべきかという観点でも、ご意見を頂きたいと考えております。
 具体的に事務局で考えているものとしては、さきほどJAXAの説明でも少し触れていただいておりますが、1つ目に水素利用技術を挙げております。これは、昨年末に策定された政府のグリーン成長戦略に重点分野として航空機産業が位置付けられており、2ページ目にありますとおり、その工程表では、電動化技術とともに水素航空機向けコア技術の研究開発というものが位置付けられておりまして、時期としては、電動化より実証や技術搭載は少し後になっておりますけれども、これについても、航空機電動化と並行して今から取り組みを開始するべき分野であると考えているところでございます。
 さらに、2つ目といたしまして、将来輸送システムを実現する宇宙技術との連携ということで、こちらにつきましては、3ページ目、4ページ目、図で示しておりますとおり、従来からの宇宙輸送システムの議論の中で、大気圏内の高速飛行のためのサブオービタル飛行であったり、あと、P2P(二地点間高速移動)であったりというところに言及されてきております。
 5ページ目になりますけれども、昨年6月に閣議決定されました宇宙基本計画におきまして、「将来の宇宙輸送システムの研究開発」という項目がございまして、ここでは抜本的な低コスト化等を目指した革新的な将来宇宙輸送システム技術、これには革新的材料技術、推進系技術、エアーブリージングですとか、あと、有人輸送に資する信頼性向上技術等が含まれていますが、これについて検討して、その実現のため、可能な限り時期を明示した具体的なロードマップを策定するとされております。また、P2P(二地点間高速移動)などで期待されるような輸送需要の大幅な拡大が必要との視点を持ち、将来における有人輸送の重要性に留意するというふうに書かれております。
 こういった輸送技術においては、航空科学技術の分野でも培ってきた超音速ですとか極超音速の機体設計技術ですとか推進系技術、有人輸送という観点では輸送信頼性技術というところで、宇宙関連の技術とも連携して、こういった技術のフェーズアップをして貢献していくことができるのではないかと考えているところでございます。
 こういった2つを、重点4課題に比べて社会実装までには少し時間を要するというものですけれども、航空科学技術分野で将来に向けて今から取り組む必要があると思われる技術課題の例として、事務局のほうから提示をさせていただきました。もちろん、この2つ以外にもあろうかと思いますが、こういった観点で、ご意見、ご議論をいただけますと幸いでございます。
 事務局からの説明は以上となります。

【李家主査】 どうもありがとうございました。それでは、ただ今のご説明に関して、ご意見等ございましたらお願いいたします。ご発言なさる場合は、マイクで発言いただいて結構ですので、お願いいたします。

【佐藤委員】 早稲田大学の佐藤ですけど、よろしいでしょうか。

【李家主査】 はい。お願いいたします。

【佐藤委員】 ご説明どうもありがとうございます。今までやってきた課題がそのまま重要課題になっているのかと思います。一番最後のDXについては少し新しめですが、それ以外のところは、当然これまでやってきたことであり、今後もやっていくというところでよろしいと思うのですけれど。例えば、実際の航空機の実用機をつくるという観点で、今、コロナで中断してしまったようなことを、今後どのように考えていくかという方向性は、科学技術分野という観点では入ってこないものなのかどうかという点をちょっとお伺いしたいのですが。

【渡辺部長】 今のご質問は、わが国の完成機事業への対応の方向性についてでしょうか。

【佐藤委員】 はい。

【渡辺部長】 今、JAXAとしても、十分まだ方向性が決まっていない状況ですので、具体的にこの部分で重点的に支援していくというようなことは考えておりません。ただし、完成機事業はわが国としての重要な事業であることは間違いありませんので、今後何らかの動きが出てくれば、それに対してJAXAとしてどういう貢献ができるかはしっかり考えていくことになると思います。

【佐藤委員】 分かりました。

【先光課長補佐】 事務局からも補足させていただきますと、完成機事業という観点では、もちろん国産旅客機というのも想定されますけれども、今、一時的にMRJ、三菱スペースジェットが凍結しているという状況ではございますけれども、世界的には2030年台に向けて次世代の細胴機、ボーイング737ですとかエアバス320ですとか、そういったクラスの航空機の新しい国際共同開発が見込まれるというところで、こういった航空科学技術、日本の技術というのも活用していけるのではないかと考えているところでございます。

【佐藤委員】 ありがとうございます。せっかくここまできているので、何かフィードバックが得られたらいいのかなと思いました。以上です。ありがとうございます。

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。

【戸井委員】 JADCの戸井ですが、よろしいでしょうか。

【李家主査】 お願いいたします。

【戸井委員】 少し細かくなるかもしれませんが、論点1の、4つの取り上げ方というのは的確であると思うのですが、そのうちJAXAの資料の6ページの、環境適合性の向上というところがありますが、そこでの取り上げ方で、バイオ燃料の導入という記述があるのですが、最近は広く「SAF、Sustainable Aviation Fuel」という取り上げ方のほうが、より広く、取り組みの対象としては的確な表現なのかなというふうに感じております。バイオ系だけではなく合成燃料として、カーボンニュートラルなので、排出と吸収をバランスさせる、要するに、製造過程においてCO₂を吸収するという観点も必要で、カーボンニュートラルに向けては、広くSAFとしての重要性が盛んに非常に議論されているという認識でおります。
 それから、もう一つは、DXというのを取り上げられていまして、これも的確な取り上げだと思うのですが、デジタルじゃなくて、「X」が付いてトランスフォーメーションというときに、いろいろな観点や違いがあるんですけれども、この資料の中では自律化とか運航のほうを取り上げており、長い目で見た技術開発といったらそういうものになるかと思いますが、特にニアタームでの技術を事業化につなげていく、日本の強みを生かしていくというと、生産技術につなげるデジタル化、そこがポイントというふうに捉えられているという事も事実だと思います。
 14ページのJAXAの資料の中で、その辺りもライフサイクルのDX技術とあるのですが、あまり生産技術面での拾い方というのがないようにも思えますので、少し、特に早い段階でそういうデジタルマニュファクチュアリングや、デジタルスレッドとか、データリンクをしたバリューチェーン全体での生産の全体最適とか、そういうところもわれわれ航空産業のほうでは捉え方としてあるということをコメントさせていただきます。
 将来に向けた科学技術の戦略を形成するという上では、それ以外のところという見方もあろうかもしれませんけれども、状況説明を補足させていただきました。以上です。

【渡辺部長】 ご指摘ありがとうございます。まず、SAFにつきましては、この資料ではバイオ燃料という特定した書き方になってしまっていますので、この記述については今後検討したいと思います。また、SAFへの取り組みが大事だということについても再度しっかり把握してまいりたいと思います。
 また、生産技術のデジタルトランスフォーメーションの部分ですが、今回の重点課題を選ばせていただいたところでも書きましたとおり、JAXAの得意技術というのが重点課題の一つの選択の考え方になっています。日本の産業界の得意技術も当然含まれているのですが、JAXAでは、生産技術について比較的取り組みが弱いということで、この資料の中では生産技術のデジタルトランスフォーメーションは書き込まれていないという状況になっております。産業界の皆さんも有識者委員会にも入っていただいていますので、今後、その辺についても再度議論をして、必要であれば取り組むことも考えてみたいと思います。

【李家主査】 どうもありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。

【武市委員】 すみません、都立大の武市ですけど、いいですか。

【李家主査】 はい。お願いいたします。

【武市委員】 有識者委員会で新しくDXという新分野をご指摘いただいたのは非常にありがたいと思います。それで、些細な点ですけど、10ページの表ところで、DXは環境とか安全・安心、新分野創造に比べれば、割と基盤的な位置付けになります。だから、4つ並列というよりも、DXだけ基盤的な位置付けだということが表せると、より正確な表現になる気がします。
 それと、気になった点が15ページで、研究開発ビジョンでは、何をやるのかという話の議論をするべき場だと思いますので、こういうことを言うのも申し訳ないのですが、上から2つ目の「重点課題全般について」のご指摘で、右側に「出口、期限を示すロードマップを作成」ということが対応として挙げられているんですけど、出口を示したり期限を示したり、それに研究開発成果を結び付けるというのは、これまでもやってきたことだと認識しています。
 ですので、今まで出口を示して期限を示してロードマップを作って研究開発をやってきたその結果、この左側にあるような、世界の動きが速い、期限が限られているというご指摘を受けたということは、またこれをロードマップに展開しても、また同じご指摘を今後も受けることになりますよね。だからここだけは、この対応だけだと足りないんじゃないか、というのが感想です。
 より根本的な改善が、体制から含めて、やることの議論の場で申し訳ないのですが、やり方の議論も必要ではないかなと思います。以上です。

【渡辺部長】 ご指摘ありがとうございます。
 まず、DXの柱が環境や安全と並べてどうかという話は、JAXA内でもずっと議論してまいりましたし、有識者委員会でも据わりが悪いという話は出ております。今回は中間報告ということでこの形で出させていただいたのですが、今、武市委員からお話があったとおり、他の柱との関係においてちょっと理解しにくい部分があるのはおっしゃるとおりだと思いますので、最終報告に向けては、より納得感があるような形で説明させていただけるように検討を進めたいと思っております。
 それから、ロードマップの部分についてですけれども、ロードマップというのはいろいろな種類があり得ると思うのですが、今までは当然JAXAでロードマップを書いて、航空科学技術委員会にもご説明してきたと思うのですが、それが、わが国のロードマップとしてどうかとか、どのくらい影響力があるものだったかという点については、若干疑問があるのではないかと、そういうご指摘であろうと思います。
 どうやってロードマップを、より影響力があって広くコンセンサスを得られるものにするかについては、今後、いろいろな方面の方々ともご相談しながら検討を進めていく必要があると思っております。今すぐに答えはないのですが、武市委員のご指摘はそのとおりだと、JAXAでも思っているところです。

【武市委員】 このコメントを下さった方は、おそらくこれまでのロードマップの機能というか、渡辺さんがおっしゃったようなロードマップの力、といったところに着目されていると思うので、期限までに出口につながる成果を出すという力を発揮するやり方というのを議論する場が必要ではないかと思います。このような話を、確か去年か一昨年か、この場でもしましたよね。やることだけではなくて、やり方の議論がないと、また今後も同じような指摘を受けることになってしまうと思いますので、ぜひ検討をしていただきたいです。よろしくお願いいたします。

【渡辺部長】 ご指摘ありがとうございます。有識者委員会の皆さま方にもご意見を頂きつつ、JAXAとしても、どうあるべきかをしっかり考えていきたいと思います。

【李家主査】 いかがでしょうか。

【竹内委員】 東京女子大学の竹内ですけど、よろしいでしょうか。

【李家主査】 では、竹内先生、お願いします。

【竹内委員】 ご説明いろいろありがとうございました。私からは、まず1つ目は、8ページ目のところにある重点課題のCというところで教えてもらいたいところがあります。8ページに国土強靭化という言葉があるのですね。普通、国土強靭化というと、災害に強いような国土づくり、インフラづくりというイメージが強いと思うのですが、ここでは航空機に関する話になっていて、航空機がいかに災害に強くても、空港がぼろぼろだったら、そもそも離陸着陸できませんから全然意味なくなってしまうように思うわけです。ですので、国土強靭化という言葉が入っているのが、私には何となく居心地が悪いのです。そこで、ここでは、いわゆる空港の管制とか、そういうようなことまで含めているから国土強靭化という言葉が入っているのだろうかと考えたので、その確認です。飛行機と国土強靭化が、うまく頭の中でつながらないものですから、その点どうなっているのだろうかという点が1点目です。
 それから、2点目は、これは論点のところであったお話です。今後の、将来に向けた研究開発という点について1つの意見があるのですが、JAXAさんから見ればお門違いというのならば取り下げます。超長期的に考えると、これまでの航空機の開発の中心が、基本的に機体というのか、ハードところばかりが割とあるように思えて、機体の内側については機体自体に比べると以前とあまり変わっていないのではないかという気がしています。つまり、航空機利用者の快適性の話です。確かに昔よりは良くなったとは思うのですが、それでも例えば、航空機の中というのは、湿度が低くて乾燥していて喉をやられるという方々がまだいらっしゃるし、あとは、外側の騒音もさることながら、機内の騒音というのはやっぱり相変わらず大きいものがあります。これらが快適性を損ねているというところがあります。
 あとは、当然離着陸のときの気圧の変化というのも、感じさせないことになるぐらいの技術が開発できれば、利用者の体調に関するトラブルが起きることはなくなるだろうと思うのです。
 それに何と言っても今問題になっているのは、機内での飛沫の問題です。そういう公衆衛生上の配慮について心配しなくていい乗り物、要するに、利用者の快適性をより一層向上させるという観点が、何かまだ一つ踏み込めていない気がします。ですから、陸上にいるのと全く変わらないような気持ちで乗れるような飛行機といいますか、そういう技術というのが一つ遅れている気がするものですから、これらの問題が技術的に解決されると利用者の観点からすごくうれしいという気がしております。
 あと、3点目、これはあまり大したことではないのですけれども、資料1の5ページ目のところで、人と環境に優しい持続可能な航空利用社会というのがあって、そこの4つ目ですけども、競争力ある持続可能なデジタル化された航空産業という言葉があります。このときの競争相手は誰なんでしょうというのが私は分かりませんでした。以上3点です。

【渡辺部長】 ご指摘、ご質問、ありがとうございます。
 まず1点目の国土強靭化ですが、これは、空港を強くするという観点ではありません。13ページを見ていただきたいと思うのですが、あくまでも、われわれが今までも取り組んできた、災害の頻度が増えたり激甚化したりしているのに対して、航空でその被害を減らすという、減災・防災の部分で航空機や航空技術を使えるようにするという観点で国土強靭化というのを書いております。
 具体的には、どこからでも飛べるという意味では、無人機は有人機以上にいろいろなところから飛び立つことができますが、有人機と無人機は、今は独立に運航されていて、自由に一緒に飛ぶことができず、いろんな制約がありますので、今後は、この技術を開発していくことによって有人機も無人機も、若干制約はありますけれども、今までより一層両方が協力して活動できるようにするという意味で「国土強靭化を実現する」と言っております。
 それから、2点目の航空機の快適性の話ですね。感染拡大の防止のことも含めてですが、これについても意見は当然出ておりました。
 ただ、有識者委員会の委員からご意見があったとおり、いろんなものに取り組むと、JAXAのリソースではどれもが十分に使えるようなレベルまで到達できないのではないかというご意見もありまして、優先度を考えた上で今の4つの重点課題には入っていないという状況になっております。ただし、重点ではないというだけで、実際にこれが全く重要ではないということではありませんので、部分的に取り組むことはあり得ると思っております。
 それから、「競争力ある持続可能なデジタル化された航空産業」の中の「競争力」というのは、わが国の産業競争力が海外に対してあるという意味での国際競争力を表しています。

【竹内委員】 ということは、つまり競争相手はほかの国だという意味ですね。

【渡辺部長】 はい、そうです。

【竹内委員】 人と環境に優しい持続可能な航空利用社会というのはどの国でも共通なものだと思ったので、その中に入っているから、何だろうなと思ったということですが、今のご説明で分かりました。

【渡辺部長】 ご指摘ありがとうございます。ここは分かりにくいところがあるというのは認識いたしました。

【竹内委員】 ええ。ありがとうございました。

【渡辺部長】 ありがとうございました。

【李家主査】 あと、先ほどご発言されようとした方がいらっしゃったと思いますが、お願いいたします。

【和田委員】 日本女性航空協会の和田です。ご説明いただきましてありがとうございます。
 1点確認させていただきたいのですが、資料68-1の7ページですが、こちらの一番右側のSky Frontierの、新分野創造のところの横軸の航空利用拡大、航空産業というところが、全く何も該当するものがない図になっているんですけれども、こちらは10年後ということで、JAXAの持っている技術というのが、10年後にここの2カ所の部分に該当するものが今現在ないということでしょうか。それとも、DXとか、将来的にそういうものが新分野創造としてこちらに入ってくるという、今はこの状態ですけれども、将来的に変わってくるという形としてここの空白があるのかを伺いたいのですが、よろしくお願いいたします。

【渡辺部長】 ご指摘ありがとうございます。今、この部分の枠に何も書いていないところは、新分野創造として、航空利用拡大、航空産業についてここの部分だけ特に重点に取り組まなければいけない技術課題が抽出されていないという意味になります。ただし、DX・自律化というのは、一つ目標というよりは技術、ツールに相当するようなものですので、縦に4本の軸を書きましたけれども、それなりにオーバーラップしておりますので、それをやることによってSky Frontierの部分にもつながっていくというところは幾つもあると思いますし、ECATについても、将来的な航空の燃費低減の部分については、新分野創造としてやってきている部分もありますので、それはECATに書いているために抜けているという点もあると思います。

【和田委員】 ありがとうございました。

【渡辺部長】 ありがとうございました。

【李家主査】 ほかは、いかがでしょうか。

【松島委員】 富山大学の松島ですが、よろしいでしょうか。

【李家主査】 はい、お願いいたします。

【松島委員】 今ご説明いただいた4つの技術課題は非常によく考えられていると思いましたが、最初に事務局のほうからご説明いただきました参考資料1の研究開発ビジョン最終取りまとめに向けた検討体制等についての、論点2の2つ目の白丸のところですが、私は、基盤技術もこういう社会実装できるような技術と平行にビジョンの中に加えるべきというふうに書いてあるように取ったのですけれども、そういう観点でいきますと、基盤技術に関するビジョンのようなものが今回ちょっと抜けているというか、具体的に検討の枠の中に入っていないような気がします。それはどういうことなのでしょうか。基盤技術に対する研究開発ビジョンというものがどうなっているのかというのが質問です。

【渡辺部長】 ご質問ありがとうございます。今回、当面5年、10年に重点的に取り組む基盤技術がDXや自律化のような技術だという議論になっておりますので、基盤技術が必要でないというようなことではありません。
 一方で、重点的に取り組むのはそれだとして、基盤技術全体についてどう取り組むかということについては、今回の議論の中では陽には出てきていない状態ですので、どういう考え方を提示させていただければいいのか十分理解できていませんが、あくまでも今回の議論では、基盤技術の中でDX・自律化に重点を置きますという方向性を示したという状況になっております。回答に十分なっていないかもしれませんが、現在の検討状況は、そのようなところになります。

【松島委員】 ありがとうございました。それと、もう1点よろしいでしょうか。今回、「JAXAからの中間報告に係る議論の論点について」というところに、論点1の2つ目の白丸のところに、「これらの重点課題以外にも、産業界や学界が中心となって取り組む必要がある課題はあるか」とあります。あまりにも具体的過ぎるかもしれないのですが、例えば火星の大気の中を飛ぶ火星探査機に取り組んでいるグループもありますし、プラズマアクチュエータに取り組んでいるグループもあるのですが、そういう技術に関してはどう考えておられるのかということをお伺いしたいです。特に火星の探査機というものは、低レイノルズ数ということを考えると、空飛ぶクルマとか、そういうパーソナルエアモビリティにも活用できるのかなという気がします。
 それから、もう一つ、コンピューターに私は興味があるので、例えば量子コンピューターを用いた最適化のようなものを航空に導入する試みというか、量子コンピューターに対する思惑があれば教えていただきたいんですが。

【渡辺部長】 ご指摘ありがとうございます。まず、最初の火星探査等についてですけれども、火星探査の技術については、航空技術が適用できるものもいろいろあるということで、これまでもいろんな形でJAXA内外の取り組みにご協力させていただいていたと思います。今回のご説明につきましては、あくまでも重点課題を示すということですので、4つの重点課題に比べると優先度が高いとは考えておりませんので、具体的には出てきていません。
 まず火星航空機はあくまでも宇宙の活動になりますので、航空技術部門が主体的にやるというよりは、宇宙の部分にわれわれが航空分野の基盤技術によって協力するという対応になるということで、今回の説明の中に出てきていないという面もあります。
 それから、量子コンピューターについては、われわれJAXAの中でも有識者委員会でもあまり議論はなかったと思うんですが、DXというのは、シミュレーションでいろんなものを置き換えていくというのが基本になりますので、忠実度の高いシミュレーションをやっていこうとすれば、計算機の速度は速くなる必要があって、それによって、今、先生もおっしゃったとおり、最適化が非常に早く進められるとか、いろんな探索域を考慮して最適化ができるというような取り組みが可能になります。量子コンピューター自体に取り組むという議論にはなっておりませんが、量子コンピューターが導入されて計算速度が速くなれば、このDXがより速く進み、よりよいものになるというふうな形で、われわれはユーザーとして使わせていただくというスタンスかと考えております。

【松島委員】 ありがとうございます。プラズマアクチュエータに関しては、どういうふうに考えておられますか。

【渡辺部長】 プラズマアクチュエータも、航空についても役に立つ部分があるとは思っておりまして、これまでJAXAでも研究レベルでは取り組んでおりますので、今後も基盤研究の一つとしては取り組んでいくことになるかなと思っているのですけども、繰り返しになりますが、それも重点分野に挙がるかというと、それより優先順位が低いだろうと認識しているということです。

【松島委員】 ありがとうございました。

【先光課長補佐】 事務局のほうから少し補足をさせていただきます。
 今、松島委員のほうからご指摘いただきました、火星の大気を飛ぶような探査機ですとか、プラズマアクチュエータですとか、そういった技術ですけれども、今回の議論としては、航空研究開発ビジョンを踏まえてJAXAのほうで重点的に取り組む技術課題は何かということで、4つの重点課題を挙げていただいておりました。
 今いただいた、火星を前提とした技術というのは、今JAXAのほうからもご説明があったとおり、おそらく宇宙分野のほうで主には進められているところだと思うのですが、論点2の将来に向けた研究開発についてというところで、ここでは将来輸送システムを実現する宇宙技術との連携とさせていただいておりますけれども、それに限らず、火星探査ですとかそういったところでも、航空科学技術分野で貢献できるようなものがあれば、将来的に航空科学技術分野のほうでまた取り組んでいくというような考えもあるのかなと考えております。
 また、量子コンピューターですとかそういったところにつきましては、必ずしもJAXAでやっているわけではございませんけれども、航空科学技術分野全体を俯瞰したときに、そういったアプローチもあるということであれば、例えば大学ですとか研究機関と連携をしながらそういったアプローチも将来的にしていけるのではないかということで、研究開発ビジョンの最終取りまとめに向けて、そういった観点も今後議論をさせていただければと思います。以上です。

【松島委員】 どうもありがとうございました。

【李家主査】 ほかに、いかがでしょうか。

【冨井委員】 いいですか。日刊工業新聞の冨井ですが。

【李家主査】 はい、冨井さんのほうからお願いいたします。

【冨井委員】 すみません。先ほどのお話とちょっと重なるかもしれないのですが、資料68-1-2の論点2で、将来の輸送システムを実現する宇宙技術との連携、これは航空技術と宇宙技術との連携ということだと思うんですけれども、先ほど火星探査機という事例もありましたけれども、航空技術と宇宙技術を連携することによって得られるメリットといいますか、生み出せるものというのと、実際の連携の現状と、連携するための課題というのを教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします。

【渡辺部長】 ご質問ありがとうございます。
 航空、宇宙の連携と申しましたのは、JAXAの中にも宇宙と航空、両方ありますので、これまでも進めてきているところです。例示がいいかどうか分かりませんが、先ほどもご指摘がありました火星航空機では、名前も火星「航空機」ですので、実際には宇宙の探査に使うようなものであっても、宇宙と航空でお互いに持っている技術を出し合って、よりよい成果を出していくという活動は、いろいろな形で取り組んでいるところです。
 当然、宇宙と航空で同じ技術が必要なときに、それぞれの部隊が同じ技術を開発するのは効率が悪いですので、研究開発成果の最大化という観点では、例えば、航空により役に立つ部分は航空でメインにやって、その成果は宇宙にも役立てる、逆な部分は逆でやるという取り組みがいいと思っておりますし、これまでも進めてきているところです。これでお答えになっていますでしょうか。

【冨井委員】 その連携に関して、もう既にやっていらっしゃるので、あまり意味ないかもしれないですが、課題というのがあるとしたら、何かありますか。

【渡辺部長】 そういう意味では、まさにここでも挙げていただいています水素利用技術がそれになります。
 まず、そもそも水素と申しますと、JAXAではロケットの燃料としてずっと使ってきておりますので、宇宙分野には、貯蔵のタンクでありますとか、燃料の供給系だとか、水素のハンドリングなどの多くの技術が蓄積されております。
 これまで航空の分野では水素はあまり使われてこなかった、特に普通の音速以下の旅客機についてはほぼ使われていないという状態ですので、航空燃料の代わりに水素を燃やして飛ばすような水素航空機を本当に実現していこうとすると、航空技術だけでは足りない部分がたくさんあって、その部分については宇宙で培った水素の技術が直接的に役に立つという意味で、ここに挙げていただいたとおりです。また、ここには「水素利用技術」と「宇宙技術との連携」が並べて書かれておりますけれども、まさに水素については宇宙技術との連携が非常に有効に役に立つ分野ではないかなと考えております。

【冨井委員】 分かりました。ありがとうございます。

【李家主査】 では、佐藤委員、お願いいたします。

【佐藤委員】 佐藤です。今の質問とほぼ同じことなのですけど、やはり水素の航空機が出てきて、宇宙の技術を取り入れないといけないと思います。そして、また推進系においても、宇宙のほうでもロケットから空気吸い込み式エンジンを使っていこうという方向性が出てきました。航空のほうも、速いスピードの航空機をというところからだんだん接点が増えてきていると思いますので、できるだけ設備とかも、宇宙研や角田とかにありますので、連携を取っていけたらいいなと思っているのですが。なかなか、これまでもそうなんですけれども、一緒に進めていくという枠組みが非常に難しく、それぞれの組織のやり方というのがなかなか相いれないというところもあるので、その辺の擦り合わせというか、やり方というのをちょっと考えていただけたらいいなと思いました。以上です。

【渡辺部長】 貴重なコメント、ありがとうございました。今の航空宇宙の取り組み、連携というのが必ずしも十分ではないのではないかというご指摘だったと思うのですが、それについては、今、JAXA内でも検討をしているところがありますので、張替部門長のほうからご回答いただければと思います。

【張替部門長】 航空部門長をしております張替です。
 私自身、航空技術部門長だけでなく、研究開発部門長、宇宙の研究開発を行っている部門の部門長も兼任しております。その中で、やはり佐藤先生がおっしゃられたように、いわゆる宇宙側でも空気吸い込みであるとか、航空側でも水素を使う、燃焼させる航空機であるとか、両方とも重なり合う部分が出てきておりますので、従来個別にやっていたものを合体してやらなければいけないだろうという時期が来た、そういう好機が来たのだろうと考えておりまして、来年度からを念頭に置いているのですけれども、それぞれの部門を連携させて活動を進めていこうと考えております。ちょうど宇宙のほうでは研究開発部門が中心になり、航空のほうでは航空技術部門が中心になって、それぞれが連携していくということを考えておりますので、今後一層効率的に技術開発を進めるようにしていきたいと思っております。以上です。

【佐藤委員】 どうもありがとうございます。航空エンジンは、かなりターボジェットが進んでいますので、特に宇宙のほうにそういうところをどんどん導入していっていただけると、両方ともうまくいくのではないかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【張替部門長】 はい。もちろん宇宙研時代から、エアターボラムジェットが延々と技術が蓄積されているということは、研究開発部門でもそれはよく存じ上げておりますし、角田のほう、スクラムジェットもよく分かっているというところで、特に再使用機を考えた場合には、発射のときからエンジンが稼働するということも非常に重要になってきますので、そういった技術を、資産を最大限活用して、最適なシステム構成にしようということは、今宇宙の輸送系を考えているメンバー全員、共有しておりますので、佐藤先生がおっしゃっていただいたようなことも含めて検討させていただくことになります。以上です。

【佐藤委員】 どうもありがとうございます。

【先光課長補佐】 事務局から補足をさせていただきます。
 今まさに佐藤委員がおっしゃられた宇宙技術、宇宙のほうで、推進系で、エアーブリージングが出てきていたり、航空の分野では水素航空機が出てきたりということで、従来、将来輸送システムというのが、同じ研究開発計画・評価分科会の下の宇宙開発利用部会ですとか、あと、内閣府の宇宙政策委員会ですとか、そういったところ中心に議論が進められてきたところですけれども、航空機のほうでは水素航空機がでてきたということで、これからは宇宙技術というところだけではなくて、航空技術として貢献できるところがあるのではないかという問題意識を持ちまして、今回こういった形で、論点2のところに新しい取り組みとして宇宙技術との連携という形で提示をさせていただいたところでございます。佐藤委員のご指摘を踏まえまして、文部科学省としても、宇宙技術との連携というところをどうしたらやっていけるかを考えていきたいと思いますので、最終取りまとめに向けていろいろご意見いただければと思います。以上です。

【髙辻委員】 工業会の髙辻です。

【李家主査】 はい。お願いいたします。

【髙辻委員】 今ご議論いただいている宇宙技術との連携ということを、もう少し取り組みのどこか、例えば重要課題の対応のところに将来宇宙輸送システムとの連携を図るというような文言を明確に書かれたほうが、姿勢がはっきりする気がするんですが、いかがでしょうか。

【渡辺部長】 ご指摘ありがとうございます。水素の部分だけではないですけれども、主に、当面、宇宙との連携については水素を使った技術の部分が重点になると思っておりまして、最初の説明の中でも若干お話しさせていただきましたけれども、水素利用について、今後、有識者委員会におきましても、JAXAにおきましても、どういう取り組みが必要であるかということをしっかり具体化してまいりますので、その結果、今ご指摘のありましたような宇宙との連携という言葉が具体的に、どういう形かはまだ分かりませんけれども、書き込まれていくことになると考えております

【張替部門長】 張替のほうから少し補足をさせていただきますと、今、髙辻委員のおっしゃられた観点というのは、この研究開発ビジョンの最後の論点であります研究環境についてという部分に、やはりどういうふうな研究体制でやっていくかと、効率的にやっていくかということがしっかり書かれるべきだと考えておりますので、そういったところで明示的に宇宙との連携をしっかり進めて、航空機、宇宙機双方にとって有益な成果を出していくという形で書き込めるのではないかなと考えております。

【髙辻委員】 どうもありがとうございます。

【李家主査】 それでは、いかがでしょうか。せっかくですから、まだご発言いただいていない委員の先生、いらっしゃいましたら。

【武市委員】 すみません。武市です。重点課題以外にも取り組む必要がある課題はあるかどうか、あと、将来に向けてどのような取り組みに着手するべきかという、論点が2つありますけど、先ほど和田先生からご指摘のあったところで、新分野創造の1-1の資料のほうでは、そこが空欄になっていたと思うのですが、ここを発掘するような取り組みというのは普段からされているのですか。それから、航空利用拡大というところのSky Frontierの部分に入ってくる課題は、今重点扱いではなくても、取り組んでおくべきことかなと思います。
 この表を見て何が気になるかというと、新分野創造と書いてある割に、航空輸送のSky Frontierのところに入っている研究テーマは、比較的以前からやっているテーマで、あまり新分野という言葉と合致しません。新分野という言葉にふさわしい課題がここに入ってくるべきと思いますし、そういったものを発掘する取り組みをどこかに書いてもいいと思います。以上です。

【渡辺部長】 ご指摘ありがとうございます。先ほど松島委員からもご指摘いただいたところですけれども、新分野創造というのをどうカテゴライズするかというのは、なかなか悩ましいところであります。
 例えば、環境でも、先ほど申し上げましたけれども、電動ハイブリット推進というのは新分野創造とも言えるのですが、現在は環境負荷低減という意味合いがより強く出てきていますので、ECATのところに入れているというようなことがあります。
 あとは、例えばDX・自律化のところにあります次世代エアモビリティは、まだ今ないものなので、ここの部分は新分野創造にカテゴライズすることもできるということで、ここの整理についてはまだ十分行われていないところがあるために、ご指摘をいただいてしまっている部分があると思います。
 その部分以外にもないのかということについては、今抽出した中には挙がっておりませんけれども、ご指摘もいただきましたので、再度、そこの部分に何かより重要な課題が残っていないかということをもう少し考える、または、ここの分類をより皆さんに理解していただけるような形に整理し直すということを検討させていただきたいと思います。

【武市委員】 やっぱり、今の段階から将来発展しそうな課題を抽出して、それが10年後とか20年後に世界でトップを取れるような研究課題になっているといいなと思います。ぜひ、お願いします。

【渡辺部長】 ありがとうございます。

【李家主査】 いかがでしょうか。

【山内委員】 すみません、山内ですけれども、よろしいでしょうか。

【李家主査】 はい、お願いいたします。

【山内委員】 ちょっと教えていただきたいのですけれども、米国社のベンチャー企業が、2025年に超音速機を予定しているという、その開発をしている最中だと思うのですけれども、その進捗状況はどうなのかということと、水素航空機はエアバス社が今その開発を始めたということを聞いているのですが、どのくらいのスパンで実現性があるのかということを知りたいので、教えていただきたいと思います。以上です。

【渡辺部長】 ご指摘ありがとうございます。最初におっしゃったのは、ブーム社の話でしょうか。

【山内委員】 そうです。

【渡辺部長】 分かりました。より正確な情報を持っている村上PD、いかがでしょうか。

【村上プログラムディレクタ】 JAXAの村上でございます。村上のほうからご紹介というか、ご回答したいと思います。
 ブーム社は、2025年に45人から55人ぐらいの旅客機をロールアウトするというアナウンスは実際しております。昨年の10月に、それに先立って、XB-1という、これは1人乗りくらいのデモンストレーターのロールアウトが行われました。その時点では、その後地上試験を行って、今年から飛行試験に入るという話でございましたけど、現時点では特段それについての情報は入ってきておりません。
 もともとXB-1、今申し上げたデモンストレーターは、本当は2020年に飛んでいる予定でしたので、全体としては遅れているのではないかなという印象を持っているところでございます。以上でございます。

【渡辺部長】 ありがとうございました。エアバスの水素航空機について私からご説明したいと思います。
 昨年、エアバスから2035年を目標に、水素を燃料とした航空機を導入する方向で研究開発を進めるという発表がありました。その後、私の知るところでは具体的にそれがどうなるのかとかいうアナウンスはされていないと思います。幾つかの航空機形態が提案されていた中で、どの形態になるか分からないけれども、2035年の実用化を目指した研究開発を進めていくことがアナウンスされた状態だと理解しております。

【山内委員】 ありがとうございます。

【李家主査】 ほか、いかがでしょうか。では、私から1つ教えてください。
 今回の検討をお願いするに当たって、われわれの委員会の中で検討した中間取りまとめに加えて、さらに先ほどもご説明がありましたが、コロナ禍の影響ということも含めて、ご提示しました。先ほど、4ページでコロナ禍の影響と今後への動きというところで詳しくご説明いただきましたけれども、今日出てきました重点課題の中で、例えばですが、今後は有人機と無人機が共存して飛ぶ世界になるというのがスライドの13ページにあったり、今議論になっていました超音速機が今後研究をされていくとなっています。このような点に関して、航空科学技術委員会で考えていたのとは違った事柄も含めて、コロナ禍後の社会の様子がどうなるかということは、有識者委員会の中で議論されましたでしょうか。もしありましたら、今後の参考のために教えていただきたいのですが。

【渡辺部長】 ご質問ありがとうございます。有識者委員会の中で、ここに今書かせていただいた4ページのところのコロナ禍の影響と今後への動きについては、JAXAからもご説明をして、有識者委員会からもご意見をいただいて、この方向性には間違いはないだろうというご指摘を頂いています。具体的にそれ以外にどういう指摘があったかということですと、私の記憶だと、特に直接的に、コロナ禍において有人機・無人機の連携がどうであるとか超音速機がどうであるとかについては、この4ページの文脈以外のところでのご指摘はなかったと思います。
 ご指摘にはなかったのですが、例えばJAXAとして考えておりますのは、災害時、有人機が実際に飛んでいきますと、今までとは違って、要救助者がコロナ感染者かどうかによって救助の仕方が変わってまいります。D-NETといわれる災害対応航空機の情報をシェアするようなシステムをJAXAで開発しておりますけれども、その中では要救助者にコロナ感染者がいるかどうかとか、どこの避難所にコロナ患者の受け入れ体制があるかとか、そういう情報を取り込んで、コロナの感染者を感染者を受け入れられない場所に連れて行ったり、その逆が起こったりしないように対応できるようにしていくという取り組みは行っておりますし、実際そういうのは重要になってくるのではないかと考えているところです。
 あと、もう1点申し上げるとすると、自律化のところですけれども、自律化というのは、当然省人化や無人化というところにつながってまいりますので、そういう意味で、なるべく人の接触を避けるということがコロナ感染防止の直接的な解決策ですので、自律化技術がコロナ感染防止にも役に立つという議論はあったかと思います。

【李家主査】 分かりました。ありがとうございました。
 それでは、ほかは、いかがでしょうか。そろそろご意見が出尽くしたと思いますので、よろしいでしょうか。
 そういたしますと、今日の資料の1-2で、議論の論点についてというのがありましたけども、論点の1に関しては、この4つの重点課題が重要であり、着実に進めていただきたいというのが委員の皆さまのご意見だったかと思います。さらに、最後のほうで議論になりましたのが、まだ空白地帯もあるので、その辺のところも整理していただければということだったかと思います。
 それと、論点2のほうは、宇宙分野、宇宙との連携が今後非常に重要になるだろうし、特に最初に書いてある水素利用というのは、今後は本当に航空機の利用が考えられているので、まずは水素利用の辺りのところから宇宙との連携というのを進めていったらどうかというご意見とJAXAからのご回答だったかと思います。そういったことで、今日のこのページの議論の論点についてまとめることでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 そういたしますと、これで議論も尽くされたと思いますので、本日頂いたご意見等を事務局で取りまとめた上で委員の皆さまに照会させていただき、これをJAXAにフィードバックしていくと、そのようにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。では、そのように進めさせていただきます

(2)その他
【李家主査】 では、次の議題2のほうにお願いします。何かございますでしょうか。

【先光課長補佐】 はい。事務局から、参考資料の4に基づきましてご説明をさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。

【李家主査】 お願いします。

【先光課長補佐】 参考資料4に沿って、来年度の政府予算案について簡単にご説明差し上げたいと思います。
 文部科学省としましては、次世代航空科学技術の研究開発ということで、令和3年度、2021年度の政府予算案といたしまして、今年度令和2年度が35.73億円だったところを0.92億円増額ということで、36.65億円ということで提出をさせていただいているところでございます。
 この航空科学技術の研究開発は、わが国の航空機産業の国際競争力を向上させるため、先導的かつ基盤的な研究開発を推進し、その成果をわが国の産業全体に還元するという目的の下で行う事業でございます。
 具体的な目標といたしまして、2025年までに航空事故の25%低減、騒音を10分の1に低減、あるいは燃費を半減するという目標に向かって各技術の研究開発を行うというものとなっております。
 主なプロジェクトといたしましては大きく3つ、航空環境・安全技術と、革新航空機技術、コアエンジン技術の研究開発と分かれていますけれども、航空環境・安全技術としては、脱炭素社会の早期実現に貢献し、航空機の燃費を大幅に低減する抵抗低減技術および軽量化技術の研究開発、特殊気象に起因する航空事故を軽減できる航空事故防止技術の研究開発・実証、これについて15.46億円となっております。
 また、革新航空機技術の研究開発は、昨年と同額で9.56億円でございますが、これは上半期にご審議いただきました静粛超音速機統合設計技術、あるいは電動ハイブリット推進システムを搭載するなど航空機電動化技術の研究等を行うための費用となっております。
 さらに、コアエンジン技術といたしましては、環境適合性と経済性を大幅に改善するコアエンジン(燃焼器、タービン等)の技術の研究開発が11.63億円となっております。ここには技術実証に向けてF7エンジンの整備運用なども含まれているものでございます。
 そういった中で、次世代航空科学技術の研究開発ということで36.65億円の政府予算案としているところでございます。
 簡単ではございますが、以上となります。

【李家主査】 どうもありがとうございました。ただ今のご説明に関して、ご質問等ございますでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございました。
 そういたしますと、以上で、今日の議事は全て終了いたしましたので、進行を事務局にお返しします。どうもありがとうございました。

3.閉会

【先光課長補佐】 ありがとうございました。それでは、最後に事務局から事務連絡をさせていただきます。本日の委員会の議事録につきましては、事務局にて案を作成し、委員の皆さまにご確認いただいた上で、文部科学省のホームページに掲載をさせていただきます。
 また、次回の航空科学技術委員会ですけれども、次は令和3年度明けに開催させていただきますので、また改めて日程調整等をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 また、本日の会議をもちまして平成31年からの2年間の第10期の航空科学技術委員会が終了となります。次期第11期に向けた委員の委嘱手続きにつきましては、また改めてご連絡を差し上げたいと思います。
 また、今期をもちまして退任される委員もいらっしゃいます。日本航空宇宙工業会の髙辻委員、東京女子大学の竹内委員、タンゴ・エア・サポートの難波委員、富山大学の松島委員、株式会社ミクニの山内委員が退任されるということになっております。竹内委員と松島委員が5期10年、髙辻委員が4期7年、難波委員と山内委員が2期4年ということで、長きにわたって航空科学技術の研究開発にご尽力いただきまして、事務局からも大変感謝をしております。せっかくですので、簡単に一言ごあいさついただければと思いますが、まず髙辻委員のほうから一言頂戴してよろしいでしょうか。

【髙辻委員】 はい。髙辻です。5年弱の長きにわたりお世話になりました。どうもありがとうございました。当委員会のますますの発展を祈念しております。以上です。

【先光課長補佐】 ありがとうございます。竹内委員、一言頂戴できますでしょうか。

【竹内委員】 東京女子大学、竹内でございます。お世話になりましてありがとうございました。私は本当に技術と無縁の人間で、こういう立場の人間で何か意味のあることを言えたのかということを考えると甚だ心もとないのですけども、これまでのことで少しでもお役に立てればよかったと思っております。あと多様な技術開発が私の知らないところでJAXAさんによって進められていること、本当に勉強になりました。委員会に出られなくなると、ここでいろいろ得られた情報が得られにくくなるので、最先端の技術についていくのが大変だなと、それがちょっと残念に思っているところです。本当に、長い間ありがとうございました。

【先光課長補佐】 ありがとうございました。それでは、難波委員、一言いただけますでしょうか。

【難波委員】 4年間、ほかの方から見ると短い間だったと思うのですが、自分では結構長い間だったなと思います。あまり意見は述べられなかったのですが、皆さんのお話の中で、非常に自分の中では航空界に対して、自分もその中で身を置いていますので、非常に勉強になりました。大変お世話になり、ありがとうございました。皆さんのこれからの発展をお祈りしています。ありがとうございました。

【先光課長補佐】 ありがとうございます。富山大学の松島先生、一言よろしいでしょうか。

【松島委員】 松島でございます。2011年から5期にわたりまして委員を務めさせていただきました。勉強不足や力不足を感じることは多々ありましたが、無事退任することができそうでほっといたしております。委員長をはじめ委員の皆さま、事務局の皆さまのおかげと感謝いたしております。
 ただ、一つ残念に感じたことは、航空科学技術というのは非常にポテンシャルが高く、波及効果もとても幅広いものがあるのに、そのことが日本の中では正当に評価されていないのではないかなと思うことがありました。それを踏まえて、私は地方ですけれども、また微力ですけれども、そういう航空科学技術のポテンシャルの高さを認識してもらえるような啓蒙活動を行いたいとも思っています。
 100年に1度といわれるパンデミックや自然災害で大変な時期ですけれども、JAXAをはじめ、日本の航空科学技術の発展を陰ながら応援しております。本当に、大変お世話になりました。ありがとうございました。以上です。

【先光課長補佐】 ありがとうございます。それでは、山内委員、一言いただけますでしょうか。

【山内委員】 山内でございます。4年間ですが、大変お世話になりました。ありがとうございました。大変知識力が高いものを要求されていた委員会だったと思うのですが、私なりにはとても勉強になりました。今後は、いろんな媒体を通じて、今後の展開を興味を持って見守っていきたいなというふうに思っています。ますますの皆さんのご活躍をお祈りしております。新しい展開をとても楽しみにしています。以上でございます。

【先光課長補佐】 ありがとうございます。改めまして、長きにわたり航空科学技術委員会で活動いただいたことにつきまして、事務局からも感謝申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
 10期の最後ということで、李家主査からも一言ごあいさつを頂戴できますでしょうか。

【李家主査】 はい。李家でございます。本当に皆さま、長期にわたり、この委員会へご協力いただきまして、大変ありがとうございました。今日も話が出ましたけれども、航空分野は、環境ですとか、安全、新分野といった、いろいろな広い分野に多岐にわたっておりまして、たまたま今期でご退任いただく先生方も、航空機産業、経済、航空機整備、航空機運航、それから航空科学に関する学術的な面をご専門にされているということで、本当に広い範囲の分野からいろいろご意見を頂戴することができまして、大変感謝いたしております。
 今後を考えますと、ただ今コロナ禍で先行きが見えないようなところもありますけれども、われわれのように来期も残る委員を含めまして、関係者が航空科学に関して議論していくことで、日本の将来の発展に向けて微力ながら努力していきたいと思いますので、今回ご退任される皆さま方におかれましても、今後も航空のほうへのサポートを、ぜひ、よろしくお願いいたします。本当にどうもありがとうございました。

【先光課長補佐】 ありがとうございます。また、第11期で引き続き就任頂ける委員の皆さまにおかれましても、引き続きご指導のほど賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、これで科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会第68回航空科学技術委員会を閉会したいと思います。本日は、お忙しいところどうもありがとうございました。

(了)

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