研究評価部会(第24回) 議事要旨

1.日時

平成18年5月10日(水曜日) 10時~11時30分

2.場所

コンファレンススクエア M+「ミドル1+2」

3.議題

  1. 次世代放射光源計画評価作業部会の審議結果について
  2. 研究評価部会におけるワーキンググループの設置について
  3. 評価人材の養成・確保について
  4. その他

4.出席者

委員

 石井部会長、岩田委員、大泊委員、加藤委員、北澤委員、国武委員、後藤委員、諏訪委員、永田委員、西島委員、野田委員、花木委員、垣生委員、平澤委員、古市委員、宮崎委員、宮部委員、元村委員
次世代放射光源計画評価作業部会主査
 太田専門委員

文部科学省

科学技術・学術政策局
 小田局長、吉川総括官、内丸計画官、後藤評価推進室長
研究振興局
 木村大型放射光施設利用推進室長

5.議事要旨

議題に先立ち、委員の異動および事務局の異動に関する紹介が行われた。

議題1)太田作業部会主査より資料1-1に基づいて、同作業部会で実施した次世代放射光源計画の評価・検討内容について説明が行われ、原案どおり了承された。

議題2)事務局より資料2に基づいて、SPring-8の中間評価を実施するためのSpring-8評価作業部会の設置に関して説明が行われ、了承された。
 また、本作業部会の委員に関しては、規定に基づき、部会長が指名することとなっており、部会長に一任することで了承された。

議題3)事務局より資料3-1、資料3-2に基づいて、評価人材養成・確保のための方策についての意見交換を行うための課題提起が行われた。また、議論をより深掘りするために平澤委員、宮崎委員、永田委員より評価人材の整備状況や諸外国の事例等について紹介があった。
 主な議論は以下の通り。

 

【委員】
 評価の人材を育成するのはすごく難しいということは、委員全員が共有して感じていると思われる。
 この中で一つ記述があったが、どういったグループの人たちが潜在的にあり得るかということを考えると、今、処遇で皆さんが頭を一番悩ませているのはポスドクの後、ポストポスドクである。最初のポスドクの場所はあるが、その後は大学の助手のポストもそんなになく、研究所でもパーマネントなポジションが無い。そういったところに潜在的に有能な方が多くいると思われる。言葉は悪いが、数量の上からいうと、そういった方々は今後増える。そういう方々をどう生かしていくのかということが一つの鍵になるのではないか。
 ただ、問題はそういう方々に何をお願いするかである。例えば競争的資金の評価を考えると、評価を受ける側からすると、評価する人に対して、この人が言うなら間違いないだろうという信頼がないといけない。いわばその道でさまざまな経験があり、あるいはプロジェクトをされた方が評価してくれるなら、評価の結果も「その通りです」、ということになるが、プロジェクトで雇っている研究員と同じクラスの人たちが、このプロジェクトはここがいけない、ここはこうしなさいと言っても、なかなか信頼が得られないので機能しないと思われる。
 したがって、競争的資金について、本当にそのプロジェクト全体を見渡して行う評価と、このような若手が行う、決して下請ではなく科学的に深く突っ込んで、今、そのプロジェクトでされている幾つかの研究の内容を深くレビューして比較するとか、そういった仕分けが必要ではないか。
 そういう評価をしてレビューペーパーを書いて、それを受け入れてくれるようなジャーナルが出てくれば、30代半ばぐらいのポストポスドクの人たちにとってのキャリアパスになっていく可能性がある。将来、そういった人たちが統括的に評価をする人材になるかもしれないし、そうではなく、また途中で40歳ぐらいから大学に行くことがあってもいい。
 そういった人材の受け皿というか、人材層からいうと、30代半ばぐらいの方が一つあるのではないかと思われる。

【委員】
 ポスドクのキャリアパスとしてPOを位置づけるというアイデアはいいと思うが、やはり先ほど意見が出たように、研究に関してそれほど経験が十分ではない人たちをいきなり評価人材にするのは、一番避けたい養成のイメージではないか。
 ポスドクの問題が重要なのは確かだが、このコースをつくったりすることが失業対策事業みたいな色合いを帯びるようだと失敗する。如何に評価をする人と研究をする人が行ったり来たりできるような、風通しのいい仕組みをつくるかということをいつも念頭に置いていただきたい。
 もう一つは、行政官のところだが、人事異動があり、せっかく研修をしても、多分2年とか、偉くなれば1年ぐらいで異動される。そうなると、スキルアップしようにもできないという現実がある。
 例えば、この中に研究の世界で働いていた人を2年間、3年間という任期つきで行政官にするというアイデアも含まれているのか。

【事務局】
 研究者が行政の中に入るということはアイデアとしては可能だと思っており、むしろそういう働きかけを実はしたこともある。ただ、定員の関係もあり、実質的には私どものほうで評価のことで困った場合に、ここにいる先生方などに逐次相談に行くということで対応している。
 ただ実際には、今、委員も言われたとおり、また今回の話に挙げたとおり、プロジェクトの金額や規模もいろいろ違うが、多くの行政官が評価に日常的に携わるような現状がある。そういった中で、コースということで一定の知識を学ぶことは必要ではないかと思う。
 先ほどの質問だが、一つには研究者を入れたいと思った気持ちと裏腹に、実際には評価の専門家が少ないということがある。私どもも、限られた数の人しか接する人がいない。また、その方々もプロジェクトから引っ張りだこのような状態で、評価だけではなくてイノベーションのこともやっているとか、マネジメントのこともやっているとか、そういったことで多忙である。
 そういった意味も含めて、評価の専門家を育てながら、絶えずそういう人とアタッチできるようなことも考えていければということで、個人的な感想も含めてコメントさせていただいた。

【委員】
 評価の人材としては非常に多様性があるというのは先ほどの紹介でもあったが、非常に大ざっぱに言って、日本全体でかなり専門的なレベルの評価人材がどれぐらい必要か、どういう厚みが必要かということも具体的な方策に関係してくる。
 評価の問題だけではなくて、国立大学が法人化され、専門的な事務の内容が非常に難しくなった。これまではいわば文部科学省の命令下で、右へ倣えでいろいろなことを処理してきたが、法人化してそれなりに独立して考えなければいけない。評価だけではなくていろいろな方策をやらなければいけないことになると、そういう専門家をそれぞれの大学がどう確保するかということが非常に大きな問題になっている。
 恐らく評価の問題も同じような状況があると思われ、国全体の行政として、例えばオフィシャルではないアンオフィシャルな派遣会社みたいな受け皿をつくらないといけないのではないか。専門家としてずっと一生、かなり長い期間を生きていくことはできないわけで、新しい仕組みがないと難しいのではないかと思われる。そのあたりの仕組みもあわせて考えていく必要がある。

議題4)資料4の第23回研究評価部会の議事録に関して確認を行った。特段の意見がある場合、5月19日までに事務局に連絡することとされた。

お問合せ先

科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)