資料45-1-2

平成20年度予算案を踏まえた施策の見直しについて

○文部科学省

東海・東南海・南海地震の連動性評価研究【新規】
(概算要求額:1,200百万円)
平成20年度予算案等を踏まえた見直し箇所
(平成20年度予算額:495百万円)
【要求内容】
1物理モデル構築・シミュレーション研究(10年発生予測の基盤構築)
 東海・東南海・南海地震の連動性評価のための物理モデル(地震予測モデル)の構築、地球シミュレータ等を用いた大規模数値シミュレーション実験研究、連動を規定する構造要因(パラメータ)抽出等の要素技術研究等を行う。
【見直し内容】
2海底稠密地震・津波・海底地殻変動観測
 東海・東南海・南海地震の想定震源域において海底地殻構造調査を行うとともに、海底地震計の稠密・広域展開(400台)等による震源構造調査・地殻変動観測、海底音波探査による深部構造調査、海域津波計による詳細な津波観測等を行う。
2海底稠密地震・津波・海底地殻変動観測
 海底地震計の稠密・広域展開については、平成20年度における地震計設置規模を縮小し、平成21年度以降の400台展開を目指す。
3強震動予測及び地震・津波被害予測研究
 東海・東南海・南海地震の連動を考慮した広域・高密度・広帯域強震動予測、地震及び津波に関する広域被害予測、連動の際の復旧・復興に関する政策研究を行う。
 

ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究【新規】
(概算要求額:1,300百万円)
平成20年度予算案等を踏まえた見直し箇所
(平成20年度予算額:401百万円)
【要求内容】
1自然地震観測
 陸域約5キロメートル間隔、海域約20キロメートル間隔で地震計を設置し、定常的な自然地震観測を行い、高精度な震源決定や強震動予測高度化に必要な地下深部における地震波速度構造と非弾性の三次元分布を明らかにする。
【見直し内容】
1自然地震観測
 自然地震観測に用いる装置・周辺機器等については、平成19年度補正予算案(814百万円)により前倒して整備する予定である。
2制御震源を用いた反射法・屈折法による海陸統合調査
 陸域及び海域において、反射法・屈折法による地下構造調査を行い、ひずみ集中帯の浅部地下における活構造のイメージングを行う。
 
3GPS連続観測等による精密ひずみ観測
 連続観測またはキャンペーン観測による稠密な調査観測を行う地域を設定し、集中的な地殻変動観測を行い、地殻ひずみの蓄積速度の大きさ等を明らかにする。
 
4活構造の地形地質調査
 地質調査、音波探査等を行い、ひずみ集中帯における活断層・活構造の三次元分布形態等から、地表及び海底面の形状を明らかにする。
 
5堆積平野の地下構造調査
 堆積平野において地下構造調査、ボーリング調査等を行い、強震動予測の高度化のみならず、長期評価や震源解析の高度化に資する。
5堆積平野の地下構造調査
  6古地震の調査と統合し、「その他関連する調査研究」として、関連する既往の調査結果を有効に活用する等、効果的・効率的に実施する。
6古地震の調査
 過去の地震や活断層等に関する歴史資料や地質資料、観測記録の収集、再解析を行い、地震の震源断層の推定や、長期評価の精度向上に資する。
 

防災教育支援推進プログラム【新規】
(概算要求額:300百万円)
平成20年度予算案等を踏まえた見直し箇所
(平成20年度予算額:30百万円)
【要求内容】
1防災教育支援モデル地域事業(仮称)の実施
 防災教育支援に資する人的・物的資源を多く有する機関・団体(特に、防災科学技術等の研究成果を有する理工系の大学や、教員養成を行う大学、学協会)等を中心に、周辺の学校、地域の関係機関等と積極的に連携・融合し、防災科学技術等の研究成果を活用する等、その地域の災害の実情等に応じ、防災教育の推進を支援する。
【見直し内容】
1防災教育支援モデル地域事業(仮称)の実施
 モデル地域数を見直して実施する。
2防災教育支援窓口(仮称)の整備
 国や関係機関、学協会が中心となり、防災科学技術等の優れた活用事例等、防災教育に関する情報を全国からできる限り正確かつ分かりやすい形で集約・整理し、幅広く発信・提供するためのポータルサイト等の総合的な情報基盤からなる「防災教育支援窓口(仮称)」を整備する。
2防災教育支援窓口(仮称)の整備
 平成20年度は実施しない。
3防災教育支援地域フォーラム(仮称)等の開催
 学校や地域等における防災科学技術等を活用した防災教育の優れた取組事例や、大学・研究機関等の最新の研究成果を紹介し、その他の学校や地域等における防災教育の取組を促すための「防災教育支援地域フォーラム(仮称)」等を実施する。
3防災教育支援地域フォーラム(仮称)等の開催
 現行の「地震防災に関するフォーラム」を整理し、開催回数を見直した上で実施する。

首都直下地震防災・減災特別プロジェクト【継続】
(概算要求額:1,839百万円)
平成20年度予算案等を踏まえた見直し箇所
(平成20年度予算額:1,102百万円)
【要求内容】
1首都圏周辺でのプレート構造調査、震源断層モデル等の構築等
 新たに首都圏に機動的に設置する中感度地震計を用いたプレート構造調査や制御震源を用いた反射法・屈折法による地殻構造調査等を行い、首都直下地震を発生させるプレート構造を明らかにするための調査観測等を行う。
【見直し内容】
2都市施設の耐震性評価・機能確保に関する研究
 E−ディフェンスを用いて、震災時における建物の機能保持に関する研究開発や長周期地震動による被害軽減対策の研究開発等に関する実大三次元での震動破壊実験を行う。
2都市施設の耐震性評価・機能確保に関する研究
 新規要求していた超高層建築物及び高層RC建築物等を対象とした研究を平成20年度は実施しない。
3広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究
 広域的情報共有と応援体制の確立、ライフラインの復旧最適化研究等、危機管理対応能力、地域防災力・回復力、生活再建能力を総合的に向上させるための研究を行う。
3広域的危機管理・減災体制の構築に関する研究
 総合科学技術会議の意見を受けて課題の整理を行い、危機管理対応体制の一元化、地域・生活再建の最適化、社会的防災・減災訓練システムの確立を統合し、内容を見直した上で実施する。

地震・津波観測監視システム【継続】
(概算要求額:1,868百万円)
平成20年度予算案等を踏まえた見直し箇所
(平成20年度予算額:1,406百万円)
【要求内容】
 日本近海で想定される海溝型巨大地震と、それにより発生する津波に対して、これまでの防災・減災対策を飛躍的に進展させるため、各種観測機器を備えた稠密な海底ネットワークシステムの技術開発を推進し、東南海地震の想定震源域である紀伊半島熊野灘沖に敷設する。
 なお、本システムは、世界に類を見ない高密度な海底観測システムであることに鑑み、冗長性(故障を想定し、それを補完する能力のシステムへの組込み)及び置換機能(故障が生じた際に修復可能な海中着脱コネクタの開発)を有するものとする。また、観測項目は地震観測、津波観測、地殻変動観測とし、地震計は強震動と高感度地震計を組み合わせ、ネットワーク全体で20点、水圧計は最大20点、傾斜計及び重力計は10点の設置を目指す。GPS音響測位システムについては、本プロジェクト開始後5年後以降に海底ネットワークシステムに接続する仕様を検討し、10点程度の設置を目指す。
 また、平成16年12月のスマトラ沖大地震以降巨大地震が頻発しているインドネシア周辺において、関係国との連携による国際的なデータ交換システムを構築する。
【見直し内容】
 見直し箇所はなし。

○独立行政法人防災科学技術研究所

災害リスク情報プラットフォーム【新規】
(概算要求額:運営費交付金の内数)
平成20年度予算案等を踏まえた見直し箇所
(平成20年度予算額:運営費交付金の内数)
【要求内容】
1災害リスク情報プラットフォームの構築
 災害リスク情報プラットフォームは、災害関連情報の集約・整理、最新のWebGIS技術等を用いた災害リスク情報の作成・配信、及び活用支援の3つのシステムからなる。これらにより、情報源や災害種類ごとに散在している多種多様な情報を網羅的にまとめ、ハザード・リスクマップとして国民に提供し、住民や地域防災力向上の促進が可能となる。また、構築されたシステムの実証実験もこのプロジェクトで行う。
【見直し内容】
1災害リスク情報プラットフォームの構築
 構成機器を一部統合し、実証実験の規模を縮小する。
2各種災害の個別ハザード及びリスク評価手法の確立
 地震、火山、地滑り等の各種自然災害の個別ハザード・リスク評価手法の高度化を行う。今年度は特に地震について、従来行われてきたハザード・リスク評価手法の標準化・体系化を行い、異なる評価実施主体間での情報共有を実現することにより、組織的かつ効率的なハザード・リスクマップ作成を可能とする。これらにより、「災害リスク情報プラットフォーム」の高度化を目指す。
2各種災害の個別ハザード及びリスク評価手法の確立
 評価手法高度化は地震のみに対象を限定し、他の災害については既存の評価手法を活用する。
3基盤情報の収集及びデータベース化
 国、自治体、関係機関等が所有しているものの、これまで十分な整理・管理が行われておらず、デジタル化・公開等されていない情報(例えば、自治体・民間等が所有する地下構造データ、過去の災害情報等)を収集・データベース化するとともに、必要に応じて追加的な調査観測を行い、「災害リスク情報プラットフォーム」で利用できる情報として取り込む。
3基盤情報の収集及びデータベース化
 地下構造データベース整備のみを行い、他のデータの電子化や追加調査観測は行わない。

地震観測施設の整備(中深層地震観測施設の更新)【新規】
(概算要求額:216百万円)
平成20年度予算案等を踏まえた見直し箇所
(平成20年度予算額:0百万円)
【要求内容】
 地震調査研究推進本部が策定した地震調査研究に関する総合基本施策及び調査観測計画等に沿って、我が国の地震調査観測の一翼を担うとともに、直下地震に対する地震防災対策の強化、地震被害軽減への貢献を目的とし、大深度・高温環境下での長期間の安定した地震観測を実現するため、地震観測装置の更新を行う。
【見直し内容】
 平成20年度における中深層地震観測施設の更新は行わない。
 なお、別途平成19年度補正予算案において216百万円が計上されており、中深層地震観測施設の更新を行う予定である。

地震観測施設の整備(広帯域地震観測施設の整備)【継続】
(概算要求額:496百万円)
平成20年度予算案等を踏まえた見直し箇所
(平成20年度予算額:0百万円)
【要求内容】
 地震調査研究推進本部が策定した地震調査研究に関する総合基本施策及び調査観測計画等に沿って、防災科学技術研究所が全国規模で整備しつつある基盤的広帯域地震観測施設を推進することによって、国の基盤的地震観測および地震調査研究を支える。
【見直し内容】
 平成20年度における広帯域地震観測施設の整備は行わない。

E−ディフェンスを利用した耐震実験研究等【継続】
(概算要求額:運営費交付金の内数)
平成20年度予算案等を踏まえた見直し箇所
(平成20年度予算額:運営費交付金の内数)
【要求内容】
 E−ディフェンスを活用し、鉄骨造建物及び橋梁構造物について破壊に至る実験を含めた加振実験を実施し、構造物の破壊過程や耐震性能・余裕度評価に関するデータの取得・蓄積を行うとともに、構造物の耐震補強技術や免制震技術等の高度化を推進することにより建物防災に寄与する。また、将来の数値振動台の構築を目指して、E−ディフェンスで実施する木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造などの建築構造物及び地盤・基礎系の崩壊実験の挙動を追跡できる、より高精度な数値シミュレーション技術を開発するとともに、多数の研究者らによる共用が可能となるようにデータ蓄積・配信システムの開発・運用を図る。
 さらに、より安定かつ精度の高い保守点検を実施し、E−ディフェンスの効果的かつ効率的な運用を図る。
【見直し内容】
 E−ディフェンスを活用した加振実験のうち、余裕度評価に関する実験は平成20年度については行わない。