資料44−3

防災科学技術の研究開発に係る基本的な考え方(案)

 「防災に関する研究開発の推進方策について」(平成18年7月研究計画・評価分科会)に掲げた重点的課題を基本としつつ、「イノベーション25」等の政府指針に掲げられた視点をもとに研究開発課題の選択と集中を図るとともに、防災科学技術の位置付けを踏まえ、以下の4点を基本的な考え方として研究開発を推進する。

1.国民の防災力の向上につながる研究開発

【具体的な視点】

  • 社会の脆弱性等を踏まえたマルチハザード及びリスクの評価手法を確立し、理解しやすく可視化して国民へ提供する技術開発とその実証
  • 災害情報等の提供による国民の災害時行動への影響の分析と、行動を最適化する情報伝達手法の開発及び意識啓発 等

2.人的・物的な被害軽減に貢献する研究開発

【具体的な視点】

  • 数値シミュレーションによる耐震性評価を通じた建物別・優先度別の最適な耐震補強技術開発とその実証(ソフトとハードの融合)
  • 災害情報の可視化や耐震補強技術の開発等による、地震防災戦略における人的・物的被害等の減災目標に対する具体的な貢献効果の明確化 等

3.国の研究開発を支える基盤的な施設等の整備・運用

【具体的な視点】

  • 地震の切迫性が高い地域への観測網の重点化や、機動的な火山・風水害監視ネットワークの構築等、自然環境や社会情勢の変化に対応した柔軟な整備
  • 各府省庁・機関等に散在し一元的な分析・活用が困難である災害情報等を集約し、随時更新・利用できるプラットフォームの構築 等

4.教育・普及啓発のための研究開発成果の活用

【具体的な視点】

  • 国民が必要かつ有効なデータを選択・理解し、実際に自らの防災力の向上につなげるための支援(子どものみならず大人を教育するフィールドも重視)
  • 防災科学技術の高い技術水準を直接国民へ伝え、研究開発の重要性の認知及び科学技術分野の人材育成に貢献するための広報・普及戦略の策定 等