3.防災教育支援の基本的考え方

(1)防災教育の目的 −なぜ、防災教育が必要か−

(2)防災教育支援の基本的考え方 −防災教育支援が目指す具体的効果とは−

1 防災教育で目指す能力を育む −自然災害に対する正しい理解−

 防災教育支援は、「(1)防災教育の目的」で掲げた14の能力を有する人材を育成するため、学校や地域等において行われる防災教育の取組に対して、様々な支援方策を講じていくことを目的とする。特に、自然災害に対する正しい理解を進めるため、大学や研究機関等が有する防災科学技術の知見を、社会科学的知見等との融合を図りながら、活用していくための取組を積極的に推進する。

2 防災への自発的・能動的な取組を促す −学びへの動機付け−

 防災教育を積極的に活用し、児童生徒や地域住民等の防災への関心を高めるとともに、地方公共団体・地域団体・企業等の防災意識を涵養することにより、社会全体で防災を学ぶことへの動機付けを図る。また、学校の教職員や地域の地域防災リーダー等になるべき者のうち、防災教育に関心の低い層に対して、防災教育の重要性について気付くように働きかけ、防災教育に携わるきっかけづくりをするとともに、実際に取り組んでいる層に対しても、その取組の充実・強化、それに係る負担の軽減のための方策等を講じることにより、継続的な取組を進めるための魅力づくりを図る。これらの活動を通じて、国民全体の防災への自発的・能動的な取組を促す。

3 「災害文化」を発展・浸透させる −現状に合致した「災害文化」−

 我が国は、自然災害と共に暮らしてきた経験や教訓をもとに、暮らしを守るために先人が遺した知恵や工夫、営みの集積である「災害文化」とも言うべきものを築いてきているが、近年の社会構造の急激な変化に伴い、この「災害文化」も変容をせまられている。このため、防災のノウハウや対策等のみならず、これまでの「災害文化」に、防災のノウハウや対応策のみならず、科学技術の知見を反映・融合させながら、現状に合致した「災害文化」として発展させ、その浸透を図る。また、自然現象を災害の面からのみ捉えるのではなく、併せてその恵みについての理解も深め、自然と共生する能力を有する人材の育成を支援する。

前のページへ

次のページへ