平成14年7月18日(木曜日) 10時~12時
三田共用会議所 第四特別会議室
岡田主査、青砥委員、井田委員、石山委員、片山委員、小林委員、島崎委員、大門委員、田所委員、土岐委員、廣井委員、古谷委員、村上委員、渡辺委員
議題2「大都市大震災軽減化特別プロジェクトの実施機関の選定と実施体制について」は、応募改題の採択状況など、個別利害に直結する案件であることから、委員会の運営規則に基づき非公開とすることになった。
このため議題2については、最後に議論を行うこととし、議事進行は、議題1、議題3、議題2の順に実施することになった。
主な質疑応答は以下のとおり。(発言者敬称略、以下同じ)
【委員】
ハザードマップなど個別の地震被害予測はあるが、国全体として地震による被害をどのくらい想定しているのか。また、地震被害の長期的な平均値といったものを国として把握しておくことが重要だと思われるがどうか。
【内閣府】
国全体として地震の被害額を想定することは重要であると認識していることから、内部での検討を考えていきたい。
【委員】
三宅島が活火山対策特別措置法に基づく避難施設緊急整備地域の指定を受け、この指定に基づき同島内に300人規模のクリーンハウスが建設されるということを聞いている。これはいつ完成予定なのか。
【内閣府】
完成には年度末までかかると聞いている。
【委員】
300人は、どういった基準で定めているのか。
【内閣府】
島民が島に帰って、一泊ないし二泊すると想定するほか、島民の安全管理等を勘案したうえで検討しているようだが、はっきりとは確認していない。
【委員】
クリーンハウスは2カ所に分けて建設するのか、それとも1カ所にまとめて建設するのか。
【内閣府】
1カ所にまとめて建設することにしていると聞いている。
【委員】
資料11‐1‐2「今後の地震対策のあり方について報告」の14頁において(限られた予算の中でのメリハリのある対策の推進)、(防災への経済原理の導入)などの記述があるが、この記述だけを読むと古い住宅に金をつぎ込んで耐震化しても仕方がないととられてしまうのではないか。
【内閣府】
本報告では、今後の地震対策として求められているものは何か、メリハリをつけようというものであり、重要な耐震化が劣後になることはない。
【委員】
それは、もっともなことだと思われるが、経済原理を導入するとすれば、どのような形で導入するのかといったことを教えていただきたいと思う。
【内閣府】
耐震化が重要だと記述しているが、経済的に見ても国費を投入した場合の効果は高く、経済的な波及効果・需要の喚起という側面もある。
【委員】
防災への経済原理の導入というと、金のかかるものは防災体制をやらないということに読めることもあるが、本報告では、耐震強化した住宅や転倒防止対策を行った家具は高く売れるような仕組みをつくるなどの意味も含まれている。
【委員】
14頁と19頁に「国際的な防災協力の推進」の記述があるが、我が国における防災分野の国際協力の取り組みなど前向きな記述があってもよいのではないか。
【内閣府】
すべての分野について盛り込むことはできないので、この分野だけは新たな取組みをしていきたいといったことを中心に記載している。
【委員】
防災分野の研究に関する記述はあるのか。
【内閣府】
15頁にある。当該箇所の認識としては、産学官の連携が図れる場を作るなど、防災対策のニーズに立脚した形で研究を進めていただきたいと考えている。
【委員】
新たに防災に関する人材の育成・活用専門調査会が設置されようとしているが、基本的には資料11‐1‐6「防災体制の強化に関する提言」を受けて設置されると理解していいか。今後、本提言の調整があるということがあれば、あくまで提言の範囲内となるのか。
【内閣府】
全体の課題整理ということをまとめたものが資料11‐1‐6となっている。委員から指摘を受けたように今後、他の調査会で検討が進むと本提言も修正されていくものと考えられる。
【委員】
防災情報の共有化は大変大事なことだと思われるが、どのような点に重きをおいているのか。
【内閣府】
情報の受け手側の立場を重視して、どのように共有化していくのかということをつめることとしたいと考えている。
【委員】
資料11‐1‐6の18頁において、「災害に係る保険等の普及の充実」と記載されているが、具体案は考えているのか。
【内閣府】
財政面や国会等の動きを踏まえて慎重に検討していく必要があるが、現在、こうした案を考えているとは申し上げる状況でない。
事務局より資料11‐4に基づき説明した後、質疑応答が行われた。
主な質疑応答は以下のとおり。
【委員】
第2章の表題「新しい分野における研究開発の成果・進捗状況」は、事務局からの説明と少しニュアンスが異なるのではないか。
【事務局】
第2章の表題については、前回の委員会でも表題が適当ではないとご指摘を受けて変更したところであるが、再度、事務局で検討したい。
【委員】
20頁の第5章に国立大学、防災科学技術研究所に対する要望をまとめるとなっているが、国立大学で研究している立場からすれば、公立大学や私立大学と違った立場で研究活動をしている気はない。ついては、このような形で分けている理由を教えて欲しい。
【事務局】
国立大学、防災科学技術研究所については、自ら研究を行うほかに施設の共用やデータを提供する機能があるので、そうした基礎的な基盤の整理の観点から、何らかの要望がないかお聞きしている。
【委員】
国立大学でも共同研究施設である防災研究所や地震研究所は要望を受ける立場であるかも知れないが、他の国立大学で防災の研究をしている場合は、私立大学や公立大学と立場が変わるところがない。本調査で国立大学から要望はなかったのか。
【事務局】
国立大学からの要望については20頁の(1)「研究開発を推進するに当たっての重要事項」に上がってきている。
【委員】
国立大学、防災科学技術研究所と書いているので誤解を招いているのではないか。国立大学の共同利用機関と記載すべきでは。
【事務局】
取りまとめ方については、委員の意見を踏まえて検討させていただきたい。
【委員】
8頁の(4)「評価」の箇所において論文の査読は評価としないとなっていることまた、(5)「結果の発表」において学会、誌上発表は該当しないと記述されている。これらは、発表するのは研究者にとって当たり前だから評価しても仕方がないという意味なのか。
【事務局】
本調査において研究全体を評価する上では、論文の査読を受けただけでは、評価するということには該当しないということである。外部からの評価、機関・予算・研究方法などトータルな面での評価をカウントしている。
【委員】
そのような設定は、調査の設問に入っていたのか。
【事務局】
調査の設問には入っていなかったが、研究者からの回答の中には、論文の査読のみをもって研究を評価するという回答が多くあった。査読論文のみをもって研究評価を行った場合、大学・研究機関における個人のアクティビティのみを評価することにつながることから、本調査においては、トータルな面で研究評価を行うことにしたいので、このような記述にしている。
【委員】
小規模な科学研究費だと2~3百万程度であり、研究者も1、2人といったことが多い。こうした小規模な研究の評価はやはり論文によって行われるべきだと思う。
【委員】
論文の査読は評価の対象としないという表現は変更したほうがいいのではないか。
【事務局】
今回の調査において事務局から問いかけたい内容と、回答があった内容が合致していない面があったことは認識している。当方の意図が十分研究者等に伝わっていないこともあるため、本調査の記述方法についても検討していきたい。
事務局より資料11‐2、及び3に基づき、審査体制、採択予定チーム等について説明し、審議後了承された。
(質疑応答については、当委員会の規則に基づき非公開)
次回は8月21日(木曜日)に開催することとなった。
以上
研究開発局開発企画課防災科学技術推進室