平成14年6月27日(木曜日) 10時~12時
経済産業省 別館 1012会議室
岡田主査、青砥委員、石山委員、片山委員、亀田委員、島崎委員、大門委員、田所委員、林委員、村上委員
大都市大震災軽減化特別プロジェクトの応募状況と今後の進め方について
事務局より資料10‐2、10‐3に基づき説明した後、質疑応答が行われた。
主な質疑応答は以下のとおり。(発言者敬称略、以下同じ)
【委員】
資料10‐3の2頁の「災害対応戦略研究」の中心研究者に、大大特プロジェクトの研究を実施する地震防災フロンティア研究センター川崎ラボラトリーの責任者に就任する予定の角本繁氏を追加していただきたい。
【委員】
中心研究者というのは、どのような位置付けなのか。
【事務局】
中心研究者は、それぞれのコア組織と相談したうえで載せているが、それぞれの研究テーマの責任者という位置付けである。
【委員】
7月18日までに課題を選考することになるが、課題選考の基準はどういったものがあるのか。やはり予算でしぼることになるのか。
【事務局】
課題の選考基準として、応募要項に示しているような、4つの基準があるほか、コア組織との方向性のマッチング及びコア組織の研究の補完性があるかなどが基準になる。
【委員】
大大特プロジェクトが終了する5年後に役立つものを明確にすることができれば課題を絞り込めると思う。
【委員】
ロボットについては、フィールドを作ってそこで役立ちそうなものを採択することを前提としており、役立たないものは遠慮していただくことを考えている。また、ロボットの研究者だけでなく、防災の先生方にも相談しながら機関の選考を行うことにしたい。
【委員】
他のグループと情報交換しながら進めていただきたい。応募する側から見れば、フェアな選考が行われるようにお願いしたい。
【委員】
最初に有限の予算をある程度分けていただいた中から、その制約のもとでプロジェクトを選考するほうがいいのでは。選考した後から他のコア機関と調整するとなると難しい。
【事務局】
コア組織は、全体のお世話をするというファンクションを持っており、お世話をするため費用を必要最低限確保することを念頭においたうえで、どれくらい予算を配分できるのか考えている。選考を行う際には、金額、件数及び全体のバランスをみた上で予算をお示しすることになる。
【委員】
資料10‐3のシミュレーションの中心研究者が京大防災研だけの人なので、ほかの人の意見を聞いていただくしかけを考えていただくといいのではないか。
【委員】
京大防災研究所の5人の名前が出ているのは、コアグループのサブプロジェクト責任者の名前を出しており、その意味では研究課題3‐3全体のお世話係りとしてとらえていただきたい。3‐3のサブテーマにも多くの応募があることから、公平性を確保できるような選考委員会のようなものを作るべきだと思う。
また、科学技術振興調整費の場合、研究推進委員会があり、本プロジェクトについても研究推進委員会的な立場の委員会というのが必要になるのではないか。
【委員】
実施体制はどうするかという横断的な部分と、日本全体あるいは、国際的視野を含めてこのプロジェクトを引っ張っていく戦略的な部分が必要ではないか。
【事務局】
プロジェクトの実施に際して、何らかの研究者の集まりが必要であると認識している。また、若干大所・高所的な立場でご意見をいただく場所も必要であるが、その場合この委員会との関係が若干出てくる。
【委員】
プロジェクトが動き出したら、この委員会との関係がどうなるのかをはっきりさせておかないといけない。
【委員】
選考の結果について応募する側としては、落ちたとすれば何件中何番だったなのか、どこが足りなかったのか分かれば、今後の目標としてもう少しがんばろうと思われるが、結果の開示についてはどのように考えているのか。
【事務局】
わが国においても公募で選考した場合、結果を開示する方向にあるが、本プロジェクトに関しては、まだそこまで出すところに至っていない。
【委員】
応募されたテーマの一覧表があって、その中で今回実施する課題は「○○課題」であるというようなことは公開する予定なのか。
【事務局】
応募されたテーマすべてについて公表することは一般的には行わないと思うが、採択されたテーマ、機関名は最終的に出すことを考えている。
【委員】
採択されなかったテーマについて、産学官を含めてどういうプロポーザルがあったのか、名前はともかく題名一覧といったものがあってもいいのでは。
【事務局】
名前を出すのは個人情報の関係もあって難しいため、どのような機関から応募が多かったか、どういう応募傾向であったかについては公表できると思う。
【委員】
応募は、今回限りなのか。
【事務局】
基本的に来年度以降の予算次第であるが、ロボットについては2年ぐらいでいったん切るということで、新たに公募することが想定される。
【委員】
ロボットの特殊事情として、どういう技術が有効であるかということを試してみる必要があるほか、短期間で様々なことをやることが重要なので、2年間の枠が設けられている。
【委員】
中間評価及び5年間の評価を行うとともに、それを公表して当初の目標・成果が達成できているということが宣伝できるように工夫をして欲しい。
【委員】
研究遂行にあたってしっかりとした透明性、公平性を確保することが必要であるが、それぞれのコア組織の運営・実行のあり方が、その原則にかなっていれば裁量権の中におさめておく必要がある。それぞれ業界でスタンダードとされているものが違っていることから、それを一律にかけてしまうとかえって公平性が損なわれてしまう。そういう責任をも含めてコア組織が5年間しっかり責任を負うということが必要である。
国連地域開発センター防災計画兵庫事務所の岡崎所長より資料10‐1に基づき説明された後、質疑応答が行われた。
主な質疑応答は以下のとおり。
【委員】
先程説明されたインドの実験は、どのようにして力を加えて建物を揺らせているのか。
【岡崎】
現地には機械がないので、トラクターをぶつけた。また、EDM(地震防災フロンティア研究センター)にも協力していただいて、計測も行った。
【委員】
国連の組織としての立場があるとともに、100%日本政府出資の機関なので、日本の防災戦略の先兵的な役割を果たしえることもあるので、日本と国連という仕切りが難しいことがあるのか。
【岡崎】
国連地域開発センターは、日本政府がほぼ100%拠出しているが、一旦そのお金はニューヨークの本部に入るので、ニューヨークのコントロール下におかれている。しかし、プロジェクトを形成していく過程は自由であるため、やりたいことを実現していくことは他機関に比べて自由なのではないか。
また、兵庫事務所は兵庫県からもトラスト・ファンドをいただいており、国連地域開発センター活動費プラス兵庫県とのトラスト・ファンドを使って活動を行っている。
【委員】
比較的地震ハザードに特化されて活動を行われているが、ハザードとしてはオールハザードを対象としているのか。
【岡崎】
題材としては、すべてのハザードを対象にしているが、規模も小さいこと、また兵庫に行った経緯も阪神淡路大震災の経験を踏まえてということもあり、とりあえず地震に焦点を当てている。
【委員】
スタッフはどれくらいいるのか。
【岡崎】
兵庫事務所は6名である。地域開発センター全体としては70数名ほどおり、事務所は兵庫事務所のほかにアフリカのナイロビとコロンビアのボコタにある。
事務局より資料10‐4に基づき説明した後、質疑応答が行われた。
主な質疑応答は以下のとおり。
【委員】
第2章に6項目ほどあるが、この6項目というのは、どういう理由で6項目になったのか。
【事務局】
既存の計画の中に入っていないものとして提出されたものが、これだけあったということで6項目を挙げている。
【委員】
第2章の「新しいニーズやシーズに基づく研究開発の計画・実施状況」という題目が少し誤解を受けそうなので考えていただきたい。
【委員】
最初にイメージしていたのは、2ページ目の集中豪雨の予測をクリックすると7頁が出て、そして7頁を読んでもう少し何か知りたいと思った場合、さっきのスキャナモードに行くと思っていたが、そういう展開も可能なのか。
【事務局】
可能であるので、検討したい。
【委員】
カテゴリーが分かれているが、重なっていることもあると思うので、関係あるテーマごとに検索することはできるのか。
【事務局】
一つの研究に対して複数の課題にまたがるものがあるので、そういうものについてはそれぞれの課題毎にすべてのコピーを置いている。検索はできないが、課題から見ていくと、そういった課題に必ずあたるようになっている。
【委員】
事務局によせられた研究課題については、膨大な努力の集積だと思うので、できるだけ生かしていただきたい。今、見せていただいたものこれ自体がデーターベースとして役に立つと思うが、これはこの形で対外的に公表されるのか。
【事務局】
この個票レベルのものは、名前をマスクしてもある程度分かってしまうので、基本的には調査のレポートのご意見をいただく委員の先生方に限らせていただきたいと考えている。調査の結果については、多数の方からご協力をいただいているので、公表をしたいと考えている。
次回は7月18日(木曜日)に開催することとなった。
以上
研究開発局開発企画課防災科学技術推進室