平成14年4月24日(水曜日) 10時~12時
経済産業省 別館1111号会議室
岡田主査、青砥委員、井田委員、片山委員、亀田委員、河田委員、島崎委員、大門委員、田所委員、田村委員、土岐委員、林委員、廣井委員、虫明委員、渡辺委員
研究開発局開発企画課防災科学技術推進室
消防研究所より資料8‐1に基づき説明された後、質疑応答が行われた。
主な質疑応答は以下のとおり。(発言者敬称略、以下同じ)
【委員】
最近、地下街の浸水災害のポテンシャルが高くなっているが、公共の地下空間に水が入った場合、誰がレスポンスすることになるのか。
【消防研】
消防法上は、風水害を含めて、国民の生命・財産を守るということになっており、災害現場に消防隊員がいる限り、ポンプを使って水をくみ出すことなど、できることは何でもやっている。
【委員】
2004年度からの研究課題で斜面崩壊災害現場の2次崩壊危険度予測手法があるが、これは10年ほど前から自然災害の分野では既に実施しておりかなり成果が高まっている。この時点でこういう課題に着目したのはなぜか。
【消防研】
消防隊員が亡くなる2大死因のひとつが土砂災害で救助に来て2次災害にまきこまれることである。消防隊員は、危険だとわかっている場所で作業を行う必要があるため、本当にどこまで活動できるのか線を引くことがこの研究の目的である。そこが、一般の土砂災害研究とは違う点である。
【委員】
スケジュール中、平成17、18年度にインターネットを利用した地震リアルタイム情報を公開することになっているが、公開に伴う社会的な影響も大きいことから、慎重に検討をお願いしたい。
【消防研】
ご指摘については、慎重に検討したいと考えている。
【委員】
消防研究所と大都市の自治体との連携はどうなっているのか。
【消防研】
東京消防庁との人事交流及び消防の長が集まる会議等にも出席して情報交換を行うなど、会議で課題があれば引き受け、成果は提供する形で行っている。
【委員】
消防研究所とアジアの国々との国際協力はどのようになっているのか。
【消防研】
今年2月に消防研究所の主催でアジアの国々とのシンポジウムを開催したほか、今後はこれらの国々との情報のネットワークを作って防災・消防の情報を交換する場を作っていきたいと考えている。
事務局より資料8‐2に基づき説明された後、質疑応答が行われた。
主な質疑応答は以下のとおり。
【委員】
大学からの回答数が少ないのでは。
【事務局】
主立った大学からは回答をもらっているが、大学によってきちんと対応しているところと、そうでないところがあることは認識している。
【委員】
この調査は、(大学の)土木・建築系の学部だけに送っているのか。
【事務局】
国立大学にはすべて送った。その他の大学では、土木・建築系の学部があるところは必ず送り、そうでない場合については適時判断して送付した。
事務局より資料8‐3に基づき説明された後、質疑応答が行われた。
主な質疑応答は以下のとおり。
【委員】
7ページの4の2.3の課題のコア組織に学会が入っているのは何故か。
【事務局】
学会がコア組織に入ることよりもむしろ、研究者のコミュニティとしての学会に期待している。人や研究者などについては、専門家のコミュニティを活用して、実際のロジティックスは、防災科学技術研究所地震防災フロンティア研究センターの方を考えている。
【委員】
資料に公募の対象の課題が記載されているが、これらの課題に該当するものを公募しなさいということか。それともこの課題はサンプルのようなものか。
【事務局】
6ページの3の課題は、これでフィックスされているが、これらの課題自体はかなり広く読めるので、この枠の中でいろんなアイデアが出てくると考えている。また7ページについても、大まかに記述してあるため、防災システムの色々な研究課題がこれにあてはまると考えている。
【委員】
課題名だけではなくて、キーワードを入れて、研究者にとって少しイメージできるような課題選択ににしておいたほうがいい。
【事務局】
いろんなアイデアが出てくるようなキーワードの出し方をしたい。
【委員】
大課題の枠組みを示しておいて、サンプルとして示すのはいいが、事務局が課題を限定してしまうのはどうか。
【委員】
事務局というより、ワーキンググループで議論した結果がここに事務局案で出されている。大事なテーマが抜けていないかは、関係の研究者に対しての問い合わせもしているが、十分かどうかという議論は残るかもしれない。
【委員】
予算の枠があり、かなりトップダウンに作っているので、あえて項目もトップダウンで、このままフィックスしたほうがいいと思っている。
【委員】
3のところについて、まだ他にいれるべきものがあるのではないか。何か重点的にやらないといけないのは分かるが、公募して出てきたものを見てから議論してはどうなのか。
【事務局】
3の2の部分を1~5のところを例示ということで公募をし、6としてその他を入れることでどうか。
【委員】
例示ということは個人的には反対である。とりあえずファースト5を優先事項として挙げたのであって、それ以外のものは認めるが、それはその他の項目を作ればいい話である。
【委員】
3の2の1~5はそのまましておいて、6としてその他を追加し、その他の項目で応募があった場合は委員会が採択するかどうかで議論してはどうか。
【事務局】
そのようにしたい。
【委員】
このプロジェクトの参加資格の中にNPO法人が入っているが、NPO法人は公募のところすべてに参加できるのか。
【事務局】
機関の参加、個人の参加があるが、機関の参加については、民間企業でかつ公的な機関、独立行政法人等を想定している。個人で参加する場合は、どこかの組織に入っていただく、そういう意味でロボットの研究については、NPO法人を使いたいと考えている。
【委員】
1の大都市圏地殻構造調査研究というのは、全然公募がないのが気になるが1の3の「断層モデル等の構築」などは機関が公募することがあってもいいのでは。
【事務局】
この分野については地震調査研究推進本部というものがあり、研究者がインテグレートされたシステムが既にあるため、このような形になっている。また金額も限られているのであまり手を広げられないということもある。
【委員】
地震調査研究推進本部以外にも地震予知関係の研究者はいる。このコア組織でほぼ網羅されていると思われるが、徹底的にこの領域の研究を行うのであれば、公募の方がよいのではないか。
【委員】
公募してもしなくても同じならば公募してはどうか。
【委員】
公募による研究は科学研究費でも行える。重複する必要はない。
【委員】
いろいろな意見が出た。この件に関してもう一度議論する場はないのか。
公募した結果を踏まえて選定のプロセスに入る。その時点でもう一度議論していただきたい。
事務局より資料8‐4基づき説明された後、質疑応答が行われた。
主な質疑応答は以下のとおり。
【委員】
(2)の超高度防災支援システムというのは、意味はわかるが、なぜ超高度でないといけないのか。重油流出事故の時のように、昔ながらの柄杓で回収するなど極めてローテクでも、もう少し人にやさしいものはないのか。もう少しベーシックな部分の研究開発も必要ではないか。
【事務局】
総合科学技術会議としては、ベーシックな研究開発は当然実施していることを前提として、今後、特にこうしたものをきちんとやっていく必要があるという趣旨で取り上げていると理解している。
【委員】
理工学と社会科学の連携ということも、きちんと主張されるべき。
【委員】
(1)も(2)も災害が起こった後の対応型である。社会基盤は長い時間をかけて蓄積し、更新していく施設なので、それらをどう更新するかなどをもうひとつ(3)でうち立てられないか。
【委員】
地震防災研究の統合化というか政策性といったものを大きなテーマとして3番目に付け加えたほうがいいのでは。
【委員】
とりあえず、たたき台として「社会資産の戦略的更新・拡充システム」としてはどうか。
【委員】
社会基盤の部会でも、捨てるのではなく更新していく、と言う議論があった。受入れられるテーマだろう。
【委員】
その他に一般のビルや住宅の耐震工法が普及しない。普及のための国、自治体の支援策や、既存建物の判定、評価制度の利用推進策も考えて行く必要があると思う。
【事務局】
今の段階で先生方が言われたことを「当面留意すべき事項」として紙にして、それを次回の委員会で議論していただく。
次回は5月27日に開催することとなった。
以上
研究開発局開発企画課防災科学技術推進室