防災分野の研究開発に関する委員会(第7回) 議事要旨

1.日時

平成14年3月20日(水曜日) 13時~15時

2.場所

文部科学省 別館 第5、6会議室

3.議題

  1. 防災分野の研究開発状況調査の進捗状況について
  2. 地震調査研究推進本部の概要及び活動状況について
  3. NY/WTCビルの被害に関する緊急研究の結果について
  4. 大都市大震災軽減化特別プロジェクトの実施について
  5. その他

4.出席者

委員

 岡田主査、石山委員、片山委員、河田委員、亀田委員、島崎委員、大門委員、田所委員、田村委員、林委員、古谷委員、村上委員

文部科学省

 研究開発局開発企画課防災科学技術推進室

5.議事要旨

(1)防災分野の研究開発状況調査の進捗状況について

 事務局より資料7‐1に基づき説明した後、質疑応答が行われた。
 主な質疑応答は以下のとおり。

【委員】
 自分のところまで調査票が来ていない。情報分野の研究者には廻っていないように思える。

【事務局】
 同様の問い合わせをいただいているが、大学事務局への送付とは別に、京都大学防災研究所自然災害研究協議会を通じ、大学事務局に来ている旨アナウンスしている。

【委員】
 民間でも情報分野で防災研究を行っているところもあり、フォローしていただきたい。

【事務局】
  なるべくフォローするよう努力する。

(2)地震調査研究推進本部の概要及び活動状況について

 地震調査研究課より資料7‐2に基づき説明した後、質疑応答が行われた。
 主な質疑応答は以下のとおり。

【委員】
 地震動予測地図は、国土交通省のゾーニングマップに反映するような調整はできているのか。

【事務局】
 現在は地震動予測地図の試作版を作成中であり、それを基に関係機関と調整していきたいと考えている。

【委員】
 損害保険料率算定会でも同様の取り組みをしていたのではないか。

【委員】
 地震危険は地域によって差があるため、それを地震保険料率にどう反映させるかの研究の一環として行った。現在の保険料率は地域差を設けているとともに、建物の構造別とさらに耐震性能別にも差を設けている。

【委員】
 阪神・淡路大震災以降、次はいつ起こるのかという議論があり、活断層調査を取り入れた地震動解析を実施すべきということになった。地震調査研究推進本部で実施しているものとは別に、工学的に評価したものを損害保険料率算定会で行っている。

【委員】
 地震動予測地図を公表するだけでなく、基礎データも公表していただければ研究が推進される。

【事務局】
 基礎データは全て公表するとともに、データベース化を行う予定。

【委員】
 地下構造が判明していない地域が多いにも関わらずハザードマップを公表すると、全地域の予測信頼性や精度が同じように思われるのではないかと危惧する。精度には地域差があり、公表に際してはこの旨ユーザーに周知するとともに常に精度を向上させていく努力が必要。

【事務局】
 平成16年には、不確定要素が大きいものの概観地図を作成する。それ以降は精度を向上させて行くが、実施主体については国と地方公共団体との役割分担を検討する必要があると考えている。

【委員】
 地図の基がどうなっているのかを知らずに使用されると混乱が生じる危険性もあり、基礎データは出していただきたい。

【委員】
 データ整理について標準化が出来るのなら、日本以外でも使用できるようにするとともに、精度を向上させて世界的に活用する分析手法を提案することも国際貢献として良いと思う。

(3)NY/WTCビルの被害に関する緊急研究の結果について

 河田委員より説明した後、質疑応答が行われた。
 主な質疑応答は以下のとおり。

【委員】
 ビルの崩壊過程については日米比較をしているのか。

【委員】
 研究は行われており、結論は出ていないものの、有力な説が出てきている。

【委員】
 今回のような災害が発生した際に、どのような救助活動を行うかの判断が出来ないと同様の被害が発生するため、建物の崩壊過程についての知見は必要。

【委員】
 混乱はあったと聞いている。93年の経験から多くの人は逃げることを学んでいたが、ニューヨーク市消防は救助に行くからその場にいるように指示したらしく、認識の違いが生じていた。

【委員】
 ツインタワーが持っていた機能は今どこにあるのか。

【委員】
 多くの機能はバックアップされている。

(4)大都市大震災軽減化特別プロジェクトの実施について

 事務局より資料7‐4に基づき説明した後、質疑応答が行われた。
 主な質疑応答は以下のとおり。

【委員】
 専門家による検討会の検討範囲はどこまでなのか。

【事務局】
 総合化研究とシミュレーション。一部ロボットも含んでいる。

【委員】
 概念図の「EDM支所」とは何か。研究コアチームとの区別が分かりにくい。

【事務局】
 研究拠点の全体のマネジメントをEDM方式によって実施したい。コアチームとの区分については、総合化とシミュレーションのコアチームはEDM方式で設置されることを想定しているとともに、ロボットはNPOに担ってもらうことを想定している。検討会ではEDMとNPOの関係についても検討することになる。

【委員】
 大大特運営委員会との関係はどうか。

【事務局】
 大大特運営委員会は総合化コアチームでマネジメントして、各プロジェクトが総合化研究に反映されるように議論してもらえることを期待している。

【委員】
 研究組織と運営委員会の整理が必要ではないか。

【事務局】
 研究内容をどうするかの議論を行っており、まずはそちらの結論を出すべきと考えている。

【委員】
 研究体制もあわせて整理していただきたい。

【委員】
 自治体協議会とあるが、具体的には何か。

【事務局】
 本プロジェクトに関心のある自治体のグループを形成してプロジェクト協力等の枠組みをつくりたい。特にロボットはテストフィールド作成時のアドバイス等をお願いしたいし、シミュレーションもテストフィールドが必要と考えており、プロトタイプが完成した際にテストできるフィールドを提供してくれるところが必要。

【委員】
 テストフィールドとはどのようなものか。

【事務局】
 例えば、ガレキの中から人を捜し出すためのガレキの山など、ロボット開発のテストフィールドを想定している。

【委員】
 どのような課題が公募になるのか。

【事務局】
 何らかの災害シミュレーション開発のために必要な要素に沿って公募することとし、コアチームがそれらをintegrateするイメージを持っている。

【委員】
 特に三木との関係において、EDM支所の中身はどうなるのか。

【事務局】
 組織運営システムとしてEDMのシステムを活用し、予算上は機関に配分することになるが、良いアイデアを有する人を研究者単位で取り込んでいくシステムとしたい。

【委員】
 関東branchとしての独自テーマは打ち出すべき。また、同じ組織にする以上は、三木と重複する研究を行わないようにすべき。

【委員】
 内容と仕組みの点でもうすこし検討が必要。災害対応戦略最適研究と総合化研究をひとつにしたことにどうしても不自然なところがあると思う。

【事務局】
 シミュレーションの研究内容が決まっていないことも一因と考える。

【委員】
 ロボットについては、ロボット開発に携わる分野の研究者と使用する分野の研究者で構成し、エンドユーザーを意識した研究を推進するべき。

【委員】
 最適化運営委員会でどこまでひとつにまとめる議論ができるかだろう。本資料については全体的にもう少し整理が必要。

【委員】
 内容と体制をひとつの図にまとめるのは難しいが整理していただきたい。

【委員】
 この体制では、大大特の各プロジェクトの成果がでた際に、国民に伝えていくためにまとめられるか危惧する。Implementationに係る研究も実施すべきではないか。

【事務局】
 総合化研究のテーマをどうするかの中で検討したい。

【委員】
 コアとなる機関を決め、そこを基準に図を描くのも一案。実体と形式を使い分けた概念図になっており見づらい。

【委員】
 今はテーマで分けているが、組織別にしたinversionが必要。

(5)その他

 次回は4月下旬に開催することとし、日程は調整することとなった。

以上

お問合せ先

研究開発局開発企画課防災科学技術推進室

(研究開発局開発企画課防災科学技術推進室)