防災分野の研究開発に関する委員会(第5回) 議事要旨

1.日時

平成13年12月21日(金曜日) 15時30分~17時30分

2.場所

文部科学省 別館 大会議室

3.議題

  1. 防災分野の研究開発に関するレビューの実施について
  2. 国際協力について
  3. 中央防災会議専門調査会の審議状況について
  4. その他

4.出席者

委員

 岡田主査、青砥委員、石山委員、井田委員、片山委員、亀田委員、河田委員、小林委員、島崎委員、大門委員、田所委員、田村委員、土岐委員、林委員、廣井委員、古谷委員、村上委員、渡辺委員

文部科学省

 研究開発局開発企画課防災科学技術推進室

5.議事要旨

(1)防災分野の研究開発に関するレビューの実施について

 事務局より資料5‐1及び5‐2に基づき説明された後、質疑応答が行われた。
 主な質疑応答は以下のとおり。

【委員】
 調査対象から除く分野とは何か。

【事務局】
 科学技術・学術審議会測地学分科会で別途レビューを行っている分野については、今回の対象にしないということである。ただし、それ以外の分野については地震・火山に関するものも調査対象にする。

【委員】
 資料5‐1と5‐2の文章表現を統一すべき。
 資料5‐1に「レビュ‐においては個別の研究課題等についての評価は行わず、必要に応じて各研究機関が大綱的指針に基づき実施している評価の結果を参照する」とあるが、評価を行わずに結果を参照するのは表現としておかしいのではないか。参照してどうするのか。調査項目にも評価結果を記述する欄があるが、今回のレビューでは評価を行うのか行わないのか。

【委員】
 大学では、個別研究評価までは実施しておらず、参照するべき評価結果はない。

【事務局】
 機関評価に出てくる内容も含め、参照できる評価結果が既に存在すれば、それらを活用したい。

【委員】
 評価するだけの整理は行っているが、評価そのものはオープンになっていないのが現状。

【委員】
 参照できる評価結果はほとんどないと思うが、その場合にどう対応するのか心配する。ごく一部だけ記述されてきたら、どう整理するのか。

【委員】
 独立行政法人や国研で実施している大規模プロジェクトは事前・中間・事後評価を実施している。

【委員】
 大学で実施している研究は多くの制度があり、評価プログラムのあるものとないものが存在している。このため、一部については記述可能だが、今回のレビューでどのように使うのかが問題ではないか。

【委員】
 評価結果をレビューに入れるかどうか事務局も迷っている。むしろ、その課題が評価を受けているかどうかを答えてもらう方が良いのではないか。今は評価の中身まで踏み込む段階ではないと思う。

【委員】
 大学で実施する評価のうち、防災分野はごく一部であり、評価結果についてはほとんど集まらないだろう。

【委員】
 大学の外部評価の現状を事務局は把握する必要がある。大学での評価は事務局が考えているような評価項目になっておらず、あくまでも総合評価である。

【事務局】
 資料5‐1の意図は、研究課題の個別評価ではなく、どの機関でどういった研究を実施して、今後の研究開発において何が必要なのかを分析すること。

【委員】
 調査対象課題の規模をどう設定するのか。

【委員】
 米国では1975年に続く第2回の防災研究レビューが昨年終了した。レビューはNSFとFEMAがスポンサーで5年間かけて行い、17,000ページの報告書になった。本来、レビューなら同程度の時間等を費やす必要があり、現況調査だけならそう割り切るべきである。

【委員】
 外部評価はトータルで判断するため、防災分野はその一部でしかない。防災科学技術研究所や京都大学防災研究所、東京大学地震研究所以外は同じような状況であろう。今回の目的から考えれば、評価についてはない方が濃淡がなくなって良い。

【委員】
 調査対象課題をどのレベルにするのか、また、防災セクションでも実用研究を実施していることから、調査対象機関も検討する必要がある。

【委員】
 調査対象課題の規模をどう考えるかは、検討する必要がある。

【事務局】
 単に金額で仕分けをするのではなく、機関の種類毎に質問の仕方を考える必要があると認識している。

【委員】
 京都大学防災研究所自然災害研究協議会が以前同じようなことをやっていたので、参考になるのではないか。

【委員】
 災害対応機器やシステムの研究開発は大半が民間で実施していることから、民間まで調査対象にすべきではないか。

【事務局】
 民間については主な機関は調査する予定だが、基本的にはFunding Sourceである行政側の機関で把握しようと考えている。

【委員】
 Scienceに限定せず、Industryまで考慮した調査を行う必要があるのではないか。

【委員】
 第1段階の調査としては本案に沿って実施し、欠けている部分が判明すれば再度調査することになるのではないか。

【委員】
 各災害分野の現状について、全体を見渡せる解説が数枚あると、調査結果も理解しやすい。

【事務局】
 研究開発の成果をフィードバックする災害対策領域についての指摘と理解したが、中央防災会議専門調査会で議論されていると認識している。

【委員】
 調査対象範囲には災害支援まで幅広く含めるのか。

【事務局】
 復旧・復興まで巾広に考えたい。

【委員】
 調査対象範囲の「二次的災害」はどのようなイメージなのか。

【事務局】
 現行の「防災に関する研究開発基本計画」の範囲である。

【委員X】
 現行の「防災に関する研究開発基本計画」に対してどのような研究開発を行ったかを基本に調査する方が良いのではないか。

【委員】
 委員Xに基本的に賛成する。なお、人文社会分野への配慮をしていただけるとありがたい。

【委員】
 大学に関して言えば、調査書を機関毎に取りまとめて提出するのは困難である。研究者毎に提出できるようにするべき。

【委員】
 資料5‐1の3.以外は了承。資料5‐1の3.については、前段の表記が不要。

【委員】
 個別評価は行わないということを明確に記述すべき。

【委員Y】
 文部科学省からの調査であれば研究者は身構える可能性があり、個別評価を行わないということは明記すべき。

【委員】
 資料5‐1の3.の「必要に応じて」がどの文に掛かるかが分からない。

【委員】
 今回の内容は、レビューではなく実態調査であり、そのことをストレートに表現すべき。

【委員】
資料5‐1の3.前段は委員Yの意見を採用する。資料5‐2については、本日の議論を踏まえて修正し、関係省庁に説明する前に各委員の意見を聞くこととする。

(2)国際協力について

 事務局より資料5‐3に基づき、河田委員より資料5‐4に基づき、渡辺委員より資料5‐5に基づき説明された後、質疑応答が行われた。
 主な質疑応答は以下のとおり。

【委員】
 国際協力については、今回だけでなく今後とも議論していきたいと考えている。

【委員】
 資料5‐3については、アジア防災センター等、抜けているものがあるのではないか。

【事務局】
 把握できていない部分もある。大学間で取決めを行っているものなどは是非教えていただきたい情報である。

【委員】
 日本の国際協力として実施しているものを全て網羅するのは難しい。

【委員】
 全体を把握するには、日本が現在コミットしていない枠組みを明らかにすることも今後の国際協力には重要。

【事務局】
 ISDRのワーキンググループに専門家が少ないこと等もあり、それらの場に日本の専門家をいかに参加させるかを検討することも重要と考えている。

【委員】
 渡辺委員のプレゼンテーションにあった「援助学」を構築していくことは重要。

【委員】
 相手国の生活力が安定して、日本の援助に対応してくれないと、どのような援助も無駄になる。

【委員】
 専門家が呼ばれるのはリクエストが来てからであり、それ以前に活動できる方向も見据えた学問が出てくると良いと思う。

(3)中央防災会議専門家調査会の審議状況について

 事務局より資料5‐6に基づき説明された後、質疑応答が行われた。
 主な質疑応答は以下のとおり。

【委員】
 防災については様々な行政機関で取り組んでいるが、どこかでコーディネートする仕組みが要るのではないか。

【委員】
 そのようなことがないように省庁再編が行われたと理解している。

【事務局】
 防災分野で政府内を調整しているのは旧国土庁であり、現在の内閣府(防災担当)であると認識している。研究開発を進める立場としては、防災対策に役立つかたちで成果をインプットしていくことが重要と考えている。

(4)その他

 今年度は2月20日と3月20日に開催することとなった。

以上

お問合せ先

研究開発局開発企画課