資料52-3 平成22年度概算要求に向けた重点課題の事前評価方針について(案)

 平成21年8月13日

文部科学省研究開発局

地震・防災研究課

防災科学技術推進室

 

1.事前評価の位置付け

 

 「行政機関が行う政策の評価に関する法律」(平成13年法律第86号)においては、個々の研究開発であって10億円以上の費用を要することが見込まれるものの実施を目的とする政策等について、行政機関は事前評価を行わなければならないとされている。

 このうち、研究開発を対象とする政策評価の実施に当たっては、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成20年10月31日内閣総理大臣決定)及びこれに基づく「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(平成21年2月17日文部科学大臣決定)(以下、「大綱的指針等」という。)に基づいて行うものとされている。

 

 大綱的指針等においては、研究開発に関する評価を行う上でのガイドラインとして、評価対象、評価目的、評価者、評価時期及び評価方法等についての基本的な考え方が示されている。この中で、研究開発施策及び研究開発課題については事前評価、事後評価を行うこととされ、特に事前評価については、予算要求等実施に向けた意思決定を行う以前に、可能な限り外部の専門家や有識者の意見を聴きつつ実施することとされている。

 

 第3期科学技術基本計画及び分野別推進戦略に基づいて施策の推進が行われているところであるが、総合科学技術会議においては、平成17年度まで行っていた一定規模以上の施策について一律に優先順位付けを行っていたことを見直し、戦略重点科学技術等の重要な部分に重点化して詳細にチェックを行っている。

 

 このため、平成22年度の概算要求に先立ち、文部科学省においても戦略重点科学技術等の重要施策について、適切な事前評価を行う必要があり、今回、科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 防災分野の研究開発に関する委員会において、大綱的指針等に基づき防災分野の重要な研究開発課題についての事前評価を行うものである。

 

 ここで行う事前評価については、国民の貴重な財源のもとに行われる研究開発の内容を確認し、より効率的・効果的に推進することを目的として行うものであり、その評価結果については、平成22年度概算要求に際して、施策の実施の可否の決定、資金計画も含めた全体計画の見直し、実施体制の構築等に適切に反映していくとともに、総合科学技術会議におけるヒアリング等の施策の内容を説明する場において積極的に活用するものとする。

 

2.評価方法

 

 事前評価については、防災分野の研究開発に関する委員会の各委員によるピアレビュー等により行う。

 具体的には、防災分野の研究開発に関する委員会において、平成22年度の重点課題についての文部科学省の説明に基づいて質疑等を行い、その結果を踏まえて、各委員による個別評価を行う。

 事前評価は、「行政機関が行う政策の評価に関する法律」等に示されている政策評価の観点を踏まえ、必要性、効率性、有効性の観点から行うこととする。また、総合科学技術会議の審査基準に配慮しつつ、大綱的指針等において各観点の評価項目として挙げられている項目を踏まえ、具体的には以下の項目に沿って行うこととする。

 

(1) 必要性

  • 科学的・技術的意義
  • 社会的・経済的意義
  • 国費を用いた研究開発としての妥当性 等

 

(2)有効性

  • 期間内の目標の実現可能性
  • 見込まれる成果、波及効果の内容の妥当性
  • 調査観測・研究開発の質の向上への貢献度
  • 人材養成への貢献度 等

 

(3)効率性

  • 計画・実施体制の妥当性
  • 調査観測・研究の手法の妥当性
  • 目標・達成管理の妥当性
  • 費用構造や費用対効果の妥当性 等

 

3.評価の進め方

 

 防災分野の研究開発に関する委員会において事務局より重点課題の内容を説明し、評価項目等に沿って審議・評価を行う。

 委員会開催後、委員会における発言及び各委員から提出された評価票に基づき事務局において事前評価結果(案)を作成し、最終的には主査が事前評価結果のとりまとめを行う。また、事前評価結果(案)は、主査により研究計画・評価分科会に報告され、審議を経て決定される。

 

4.事前評価対象の選定方法について

 

(1) 選定基準について

 当委員会は、「文部科学省における研究及び開発に関する指針1)」に則り、事前評価を実施する。評価の対象は、研究計画・評価分科会の所掌に属する課題2)のうち、以下の条件にあてはまるものより選定する。

 

1. 総額が10億円以上を要することが見込まれる研究開発課題

2. 総合科学技術会議お資源配分に関する方針3)により優先順位付けの対象となる課題のうち、新規課題4)に該当するもの

3. 研究計画・評価分科会において評価することが適当と判断されたもの

 

 1) 「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」(平成21年2月文部科学大臣決定)

 2) 研究計画・評価分科会の所掌に属する課題とは、基本的に分野別推進方策に則った課題をいう

 3) 平成20年度:「平成21年度科学技術関係予算への資源配分方針の適用についての具体的進め方」

 4) 新規1億円以上 ただし、最重要政策課題、戦略重点科学技術に係わる施策は全て

 

(2) 事前評価対象の選定について

 平成22年度概算要求に向けて事前評価を6課題について実施する。

 

○ 総額が10億円以上を要することが見込まれる研究開発課題かつ、総合科学技術会議お資源配分に関する方針により優先順位付けの対象となる課題のうち、新規課題に該当するもの

1) 地震・津波観測監視システム(第2期)

 

○ 研究計画・評価分科会において評価することが適当と判断されたもの

2) 火山噴火予知と火山防災に関する研究及び火山観測施設整備

3) MPレーダを用いた土砂・風水害の発生予測に関する研究及びドップラーライダ整備等

4) リアルタイム地震情報システムの高度化に関する研究

5) 災害リスク情報プラットフォーム

6) E-ディフェンスを用いた耐震実験研究

 

 

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研究開発局地震・防災研究課防災科学技術推進室

(研究開発局地震・防災研究課)