大型放射光施設評価作業部会(第6回) 議事録

1.日時

平成25年6月25日(火曜日)15時00分から17時00分

2.場所

文部科学省 17階 研究振興局会議室

3.議題

  1. 前回の議論概要及び今後の進め方について
  2. 大型放射光施設(SPring-8)に関する中間評価報告書(案)について
  3. その他

4.出席者

委員

福山主査、雨宮委員、小松委員、杉原委員、高尾委員、田島委員、南波委員、水木委員、森委員、山縣委員、山田委員

文部科学省

吉田研究振興局長、生川振興企画課長、前田基盤研究課長、原量子放射線研究推進室長、神部量子放射線研究推進室長補佐

5.議事録

平成25年6月25日

【福山主査】 
 それでは、定刻となりましたので、第6回の作業部会を開始させていただきます。今日は唯さんと西島さんが御欠席と伺っております。
 本日、最終回でございます。これから上位部会である先端研究基盤部会に、今日の結果をお諮りするのですけれども、部会としてSPring-8に関しての評価を頂くのは、今日が最後となります。今日も率直な、活発な意見交換をしていただいて、充実した議論ができることを期待しております。御協力よろしくお願いします。
 今日は、まず吉田研究振興局長より御挨拶を頂くことになります。どうぞよろしくお願いします。
【吉田研究振興局長】 
 研究振興局長の吉田でございます。本日がこの作業部会の最終回でございますので、お礼も兼ねて、これから御議論いただきますのに今の時点でお礼を言うのもちょっとあれかもしれませんが、お礼を申し上げたいと思います。
 これまで、第6回ということで、非常に窮屈な日程の中で委員の皆様には審議にご参加いただきまして、まことにありがとうございました。SPring-8も運転開始から15年以上が経過してきております。これまで数々の成果を出してきているわけでございますけれども、今後とも我が国の科学技術イノベーション政策の中での中核的な施設として、すぐれた研究成果を更に輩出していくことを期待しておるところでございまして、そのためにもこの作業部会での御議論は大変有益なものになると信じております。
 社会的課題の解決ということが今、科学技術に大きく求められているところでございます。その中で、産学官の連携あるいは課題解決型の技術交流の場といった観点でSPring-8が果たしてきた役割には非常に大きいものがあると思います。文部科学省としても、今回のこの中間評価報告書の内容を十分に受け止めまして、更にSPring-8が世界最先端の研究基盤として飛躍できますよう、関係者とともに引き続き努力してまいりたいと感じております。引き続き先生方にも御支援と御協力を頂ければ幸いでございます。
 冒頭でございますけれども、私からのお礼の言葉とさせていただきます。
【福山主査】
 ありがとうございました。
 SPring-8は、社会的課題を解決する研究活動の拠点のモデルケースだということでございます。確かに、そういうことで随分、過去の5回、いろいろここで状況を伺いました。今日は、それの取りまとめになります。
 それでは、事務局から配付資料の確認をお願いします。
【神部補佐】
 事務局より配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
 議事次第にございますように、本日の配付資料としまして資料1-1、1-2、1-3、1-4、資料2を配付させていただいております。また、参考としまして参考1、2、3、4の資料を配付させていただいております。そのほか、机上配付資料としまして資料2の見え消しの資料を配付させていただいております。
 以上、欠落等ございましたら、御連絡いただければと思います。
【福山主査】
 それでは、これから議題に入りたいと思います。前回の議論の概要及び今後の進め方について、これもいつものとおり、事務局より御説明をお願いします。
【神部補佐】
 まず、資料1-1と1-2でございます。こちらは第4回、第5回の議事録となっております。第4回につきましては、前回第5回の際に間に合いませんでしたので、今回、併せて御確認いただければと思います。第4回、第5回の議事録につきまして、反映漏れや修正の必要がございましたら、事務局まで御連絡いただければと思います。
 続きまして、資料1-3は、平成19年の前回中間評価の指摘事項及びそれに対する対応状況をまとめた資料です。こちらにつきましては、前回第5回の作業部会におきまして既に網羅されていたところでございますが、今回の議論の参考となるものと思いますので、改めて今回、配付させていただいております。
 続きまして、資料1-4が本作業部会の進め方でございまして、本日が第6回、最終回となります。本日の議題の報告書(案)につきまして、前回第5回で御指摘いただきました内容及びその後、メール等で御意見を頂きました点の修正を踏まえたものを後ほど説明させていただきますので、それを踏まえまして御議論、御審議を頂ければと考えております。
 以上でございます。
【福山主査】 
 ありがとうございました。
 御説明いただきましたとおり、本日も今まで同様、報告書について議論を行っていきます。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、まず資料2の案に沿って進めたいと思います。まず、前回からの修正点について、事務局から御説明をお願いいたします。
【神部補佐】 
 事務局より説明させていただきたいと思います。資料2につきましては、先ほど申し上げたように、配付資料としまして報告書(案)の資料と、机上配付資料としまして見え消しの資料を用意しております。こちらの見え消しの資料をごらんいただきながら、前回以降、修正した点を御説明させていただければと思います。
 まず、2ページのSPring-8の意義のところで、前回、SPring-8が「中核施設として極めて大きい役割を果たしてきている」という記述にしておりましたが、その極めて大きい役割の内容をより具体的に、ここで修正させていただいております。
 もう一点、補足でございます。赤字の修正のところが、以前、審議会で御指摘を受けまして直して、事前に皆様にメールでお送りしているところでございます。後ほど出てきます黄色塗りのところは、皆様にメールで展開した後に、また改めて修正しているところでございます。
 説明に戻らせていただきたいと思います。続きまして、ページ番号3の評価の項目及び視点の4の文言を適正にするということで、文言の修正をしております。
 また、2ポツのタイトルが目次と合っておりませんでしたので、そこを修正しております。
 続きまして、4ページの施設及び設備の高度化のところで、前回の作業部会におきまして低エミッタンス化を並列に書いた方が望ましいということで、修正しております。
 続きまして、ページ番号5の利用者支援の支援体制も、前回の作業部会におきまして御指摘いただきましたところでございます。定量的に支援員がどのぐらいなのかを記載した方がよいのではないかというところでございまして、JASRIの利用者支援員としまして79名がおり、そこは共用ビームライン26本ですので、計算しますと3.3人ぐらいの割合になっていると言えるかと思います。
 5ページの下、登録機関による調査研究等も、前回の作業部会におきまして御指摘いただいたところでございます。GIGNOプロジェクトなどが共用法第12条に基づく調査研究と並列になっておりましたが、GIGNOプロジェクトも含めたのが共用法第12条に基づく調査研究であるといった御指摘を踏まえまして、順序を変えて修正しております。
 続きまして、ページ番号6でございます。まず、(5)利用研究課題の選定方法で、上の修正は、ユーザータイムという言い方にしております。マシンタイムであったりビームタイムであったりがいろいろ交ざっているということで、ユーザータイムで統一的に修正しております。
 また、下のところは、「成果公開優先利用課題」の枠組みにつきまして、どのように緩和したのかが見えないとの御指摘を頂きましたので、どのように緩和したのか、具体的に言いますと、従来は大型の競争的資金等に係る課題のみであったものを、全ての競争的資金等に係る課題に拡充したというところを修正しております。
 続きまして、ページ番号7、(6)施設の運用・運転のところにつきまして、特に専用ビームラインからのユーザータイムの提供のところを、実際の事実関係に合わせて修正しております。特に専用ビームラインの提供を受ける場合、まず設置者並びに登録機関から要請があった場合が契約上、明記されておりますので、その点を追記しております。
 また、そのユーザータイムの提供の実績が「実現できていない」という書きぶりにしておりましたが、幅広い共用というわけではございませんが、ほかの組織に対して提供している例はございますので、その点は「ほとんど実績のない」という言い方に若干、表現を修正しております。ユーザータイムの提供につきましては、国の施策以外にも独自の取組で取り組んでいる例等もございますので、その点も含めて修正しております。
 (7)はメールで御指摘を頂いたところでございますが、まず「光ビームプラットフォーム」事業につきましては、文部科学省の事業であることが分かるようにした方がいいということで、その旨を明記しております。
 また、最初に「JASRIにおいては」という書きぶりをしておりましたが、「光ビームプラットフォーム」にはSPring-8として参加しておりますので、主語の適正のために「JASRIにおいては」という表現を後ろに持ってきております。
 続きまして、9ページの研究成果及び社会への還元のところで、企業の研究成果につきまして、2でJASRIの審査を受けた上でという書きぶりをしておりましたところをより正確に書くということで、「適切な企業内査読があることを確認するJASRIの審査」と表現を適正に修正しております。
 続きまして、10ページの(2)ビームラインの整備等につきましては、共用ビームラインの残り5本のビームラインについて戦略的な取組が求められるところでございまして、共用ビームライン別の競争率の低いビームラインなどを代替するといったことを書かせていただいておりますが、ここはあくまで例えでございますので、「例えば」という言葉を入れて表現を適切に修正しております。
 同じく10ページの下の(3)利用者支援の支援体制のところは、若手育成を推進している点も評価できるとしておりますが、後ろにも書いてございますようにポストドクターを使っている点や、実際、やはり利用支援者がなかなか少ないという点もございますので、より効率的な支援員の配置が今後、重要であることを追記しております。
 続きまして、11ページ、パワーユーザー制度のところでは、パワーユーザー制度には利用者支援のみではなく、ほかにも重要なミッションがございますという前回の御指摘を頂きまして、適切な表現に修正しております。
 (4)利用者の拡大のところでございます。こちらにつきましては前回、御議論いただいたところでございまして、利用者がただ増えていくというよりも、入れ替わっていく、循環ということが重要ではないかという御指摘を頂きましたので、新規利用者と既存利用者の入れ替わりによってSPring-8全体の研究成果の質が上がっていくことが重要であるという方針で修正しております。
 続きまして、12ページの(5)利用研究課題の選定も、前回作業部会で指摘を受けまして、表現を適切なものに変えております。
 13ページの施設の運用・運転も、統一的にユーザータイムという表現にしているところでございます。
 (7)先端研究拠点の形成は、下に国際拠点のことを追記させていただいております。今回、全体的に国際的なネットワークの重要性が観点としてちょっと抜けているのではないかといった御指摘を頂きまして、その点を、ここで追記させていただいております。
 また、人材育成のところもメールで御指摘を頂いたところでございますが、ビームライン管理者及び支援者につきまして、ほかの機関に転出していく割合が少ないのではないか、人材の移動が活発ではないのではないか。ここは実際に作業部会におきましても御意見を頂いていたところでございまして、実際にどのぐらいの割合で転出しているのか、人数を改めて現場にも確認させていただきましたのを基に、今回、追記させていただいております。数値としましては、24年度で3%という数字が出ております。ここにつきましては、よりその割合を高めていくことがスキルアップ等にもつながるのではないかといったことで、今後、ほかの放射光施設との連携をしっかりやっていくことが重要であるといった書きぶりで追記させていただいております。
 続きまして、14ページは、前回作業部会で1点、宿題になっていたところでございます。国民への分かりやすい説明としてどのような指標が求められるのかということで、特許が一つあるかもしれないですが、やはり特許は必ずしも正確な成果を現わしているものではないので、何かよいやり方はないのかと御指摘を頂いたところでございますが、事務局としてもいろいろと検討はしたのですが、残念ながら、ここは今、埋められていない状況でございます。言い方としまして、見え消しで○○になっているのですが、「研究開発の成果による経済波及効果など」ということもしつつ、更に今後、どういう方法があるかは引き続き検討していくことになるのも一つの案ではないのかとも考えているところでございます。ここについては、後ほど御議論いただければと思っております。
 14ページの下、4ポツの(1)、SPRUCとの協力のところは、「活用」という言い方をしていたのですが、より正確に言えば協力していくということだと思いますので、そこも修正させていただいております。
 15ページ、ビームライン整備のところも、同じく「SPRUCと協力」と修正しております。
 経年劣化対策の方は、安定的な運転と言っておりますが、事故を未然に防ぐことが非常に重要な要素になりますので、その旨を強調する意味で追記させていただいております。
 続きまして、16ページの利用者支援の強化のところにつきましては、パワーユーザー制度を効率的に進めていくことは非常に重要であることを追記しておりますが、更にSPRUCと協力して、より先導的・挑戦的なテーマを研究できる利用者リーダーを発掘していく、要するに戦略的に取り組んでいく中でも、SPRUCと協力してパワーユーザーの戦略的な取組をしていくことが重要であるといった御指摘を踏まえまして、SPRUCとの協力を追記させていただいております。
 16ページの下、運転時間の確保につきましては、前回の御議論のときにも、1,000時間増や、その後の5,500時間増の関係がよく分からないという御指摘を少し頂きましたので、そこの関係をより分かりやすくするために、光熱水費などのところは例えばの例としまして、運転時間を上げていくための一つの手段ということをより明確にするための書き方にしております。
 その下の専用ビームラインの提供のところも、表現を適切なものに修正しております。
 続きまして、17ページの利用者拡大は、前にも触れたのと同じように、利用者の裾野を広げていくことの重要性を追記してございます。
 下の先端研究拠点の形成は、まず中盤で「SPring-8のパフォーマンスを自ら評価し」と書かせていただいておりましたが、より具体的に公開成果報告会及び国際諮問委員会等の例示を挙げつつ、パフォーマンスの評価をより補強した書き方にしております。
 また、先ほども触れましたように、国際拠点のところにつきましては、要素として2つ、入れさせていただいております。APS、ESRFとの三極連携をしまして、第三世代大型放射光施設の次の、最先端放射光施設を目指す国際プロジェクト、国際連携を今後、引き続き進めていくことが重要であるといったことが前段でございます。また、アジアとの協力がやはり重要であろうということで、「ケイロンスクール」の重要性を指摘しつつ、引き続き協力していくことが重要であるとしております。
 続きまして、18ページ、教育及び研究者育成の役割のところは、先ほど利用支援者の人材交流、人材育成が重要であることを追記しておりましたが、それに対応するような形で、「光ビームプラットフォーム」を通じてほかの放射光施設と連携することで人材の交流、移動を高めていくことが重要であるといった書き方で追記しております。
 最後の5ポツ、評価のまとめにつきましては、今回、SPring-8の評価を頂きましたが、SPring-8の重要性を更に補強する書き方としまして、「今後とも、優れた研究成果を数多く生み出し続けることが何よりも優先されるべき」、また「必要な支援が行われるための様々な取り組みを進める」と追記しております。
 19ページでも表現の適正化をしつつ、一番下では、今回、御指摘いただきました取組を進める際に、しっかりとそれをPDAサイクルで回していくことが重要であるので、それを実際どうやったらいいのかの具体的な計画を策定することも重要であることを追記しております。
 最後、20ページでは、SPring-8の重要性を改めて赤字のところで追記しております。
 下のところは、先ほど申し上げましたPDAにつきまして、今後もしっかりとやっていくということで、「改めてPDAの実施方法を含め」と追記させていただいております。
 以上でございます。
【福山主査】 
 どうもありがとうございました。
 前回及び前回終了後、皆様からメール等で御連絡いただいた御意見を反映したものが、この素案とされている机上配付の資料でございます。今、全体を御紹介いただいたわけですけれども、今日はこれから、それを1つずつ項目ごとに確認していきたいと思います。
 議論を始める前に、軽微なことですけれども、先ほどの17ページの下、黄色のところで、「放射光施設」の「設」が抜けていますね。
 それでは、順番にいきましょう。最初の「はじめに」ですけれども、ここはよろしいですよね。特に何か御意見ございましたら。
 2番目の3ページ、大型放射光施設の現状についてはいかがでしょうか。このワーキングでいろいろ御議論を頂いたのは利用者支援のところですけれども、それに関しても定量的な数値が今回、明記されております。5番目、課題の選定のところに関しても、競争的資金のところに修正があります。(6)では、マシンタイムでは余りはっきりしないので、ユーザータイムと明記して、明らかにされている。研究拠点の形成では、文科省のプラットフォームプロジェクトに関して、文科省のプロジェクトであることがはっきり分かるように。社会への還元のところでは、企業内査読があることをJASRIが確認して、それを踏まえてJASRIで審査して認定した報告書に限ることが明記されています。
 いかがでしょうか。この場で、更に御意見ございましたら。1と2で、併せて。
【山縣委員】
 5ページに支援者の数が出ていて、1本当たり3.3人と。石川センター長からは、ほかのところと比べるのが余りちゃんとは比べられないという話ではあったのですけれども、やはり外国よりはどう見ても少ないということが少しは文章の中に入っていた方がいいんじゃないかなとは思うんです。
【福山主査】
 その点に関して、いかがでしょうか。ここは「79名が共用ビームライン26本」という数値が書いてあるけれども、これに関連して、外国ではどうかと。これに関して、何かはっきり書けますかね。どうでしょう。どうぞ。
【熊谷理事】
 ちょっといいですか。この前、石川さんは、APSとESRFの利用者のくくりが日本と少し違うので、単純には比較できないと。確かにそのとおりでして、例えばESRFやAPS、特にAPSは、加速器は加速器に固有のものだけで、真空とかはみんなユーザーの方に入っちゃっている。ですので、事細かく洗い出せば比較はできるんですけれども、体制表等もあるのですが、なかなか読み解くのが大変という状態になっているので。
【福山主査】
 そういうことでしたね。支援員の区分けが日本の場合と違う。
【熊谷理事】
 単純に、それぞれの機関から、例えばX線ユーザーには何人とかいう数だけで比較すれば簡単にできるのですが、中身を見ると、なかなか難しいところがある。日本のSPring-8のくくりとは全然違うくくりをしていたりするので。
【福山主査】
 確かに、数字だけが独り歩きすると、危険なところもある。どうしますかね。確かにこれは前に議論しましたが、なかなか妙案が浮かばなかった。
【熊谷理事】
 もう一つは、26本と書いてありますけれども、全部で57本ありまして、SPring-8の場合は、理研や専用ビームラインのスタッフも全部、入れると、それなりの数になる。ESRFやAPSは、みんなそこに入っちゃっているわけですね。一部、ESRFですと、お金を出した国に1本ずつ、専用ビームラインが割り当てられていますけれども、そこのスタッフは通常はカウントされていない。APSの場合はCATという、また別の機関があって、そこのスタッフは通常のスタッフの数には入っていないとか、ややこしいことになっているので、ここら辺は少し。
【福山主査】
 そういう面倒くさい、明快じゃないところがあるから、数値を書くのは避けた方がいいというか、書きにくい。だけども、これで、79名が26本という状況、全部で五十数本の中での26本に関して、こういう数値が書いてある。それがどういう位置付けにあるかという文言が少し加わればいいのかな。これで十分なのか。
【熊谷理事】
 おっしゃるとおりで、私もよくよく考えたんですけれども、最初の委員会のときに、人が足らないので、グループにして、それぞれのところに張り付けますと。そのときに、24時間体制で3週間、4週間の支援をすると、5班が必要になります。グループで一番少ないところは5、6名ですので、1人ずつ張り付ければ対応できるんですけれども、こういう大きな施設ですと、グループで何かトラブルが起こったときに、1人だと、現場に行って何だかんだやっていると事故の元になるので、我々は必ず複数で対応するのが基本なんです。そういうことを考えると、各グループに5班のチームを作ったときに、安全を確保するという観点からすると、1チーム2名が最低の要件なんです。ですので、その数からすると、この79が妥当かどうかという評価はあるかと思います。
【福山主査】
 そこら辺、数値を書くかどうかは別として、そういう問題点があって、必ずしも今満足する状況ではないという、その趣旨の文言があればよろしいですか。
【熊谷理事】
 実はさっき説明の中で、安全をきちっと担保した上で書いてありましたので、どこだったか、後ろの方にありましたよね。評価のところで、そういう文言が入っていました。
【福山主査】
 これは現状だから、ここはこれでいいのかな。3ポチ、現状ですもんね。
【熊谷理事】
 はい。現状はこういう。
【山田委員】
 現状であることなんですけど、こういう業務の内容が年ごとにきつくなっていっているのか、それとも業務の内容を一定にするためにいろいろ工夫をしているというようなニュアンスをここに載せるのか、どういうことを載せればここによろしいんでしょうかという、そういう質問なんですが。
【熊谷理事】
 援護射撃をしていただいているような感じもするのですが、実は、人員がそんなに増えていかないというのは、これは予算上のこともあって、それを前提にして、我々ができることは何があるのかということで、1つは、いろんなビームラインの自動化だとか、最先端の制御システムを持ち込んで、できるだけ省力化をするというようなことを今進めていて、それがだんだんある意味では定常状態になりつつある。本当に足りなくなるのかどうかというのは、これからなんだと思うんですよね。それは1つには、利用者の研究の中身がだんだん複雑、難しくなったときに、そういうことにきちっと対応できるように省略化とかいろんなことを進めているのですが、そろそろ限界に達してきているというのが事実だと思うんです。いろいろな制御システムが年々進歩しているといっても、そんなに右肩上がりでどんどん進むものでもないので、そこら辺が少し、私自身の感触としては、もうぎりぎり、平衡状態になりつつあるかなという印象は持っています。
【福山主査】
 そこは不確定なところがある。現状、そこまで頑張っているということは、むしろここで明記していいですね。
【熊谷理事】
 していただければ。
【福山主査】
 だから、グループ化するのが1つだと。あともう1つ強調されたのは、最先端の制御法を取り入れていると。その文言をここに入れましょうか。それは確かに、現状、そこまで頑張っていると。山縣さん、どうでしょう。ここではこういう表現は。はい、ありがとうございました。ここはそうさせていただきます。
 そうすると、グループ化と並行して制御法に関して最先端のものを取り入れているという、その文言を入れると。
 ほか、いかがでしょう。
【雨宮委員】
 細かいことですけど、3ページの下から6行目ぐらいに「○回にわたり審議」、これは6回ですよね。
【神部補佐】
 そうです。
【雨宮委員】
 ここは○じゃなくてもいいかなと思う。
 あと、内容についてではないんですけど、5ページ、利用者の拡大のところで、測定代行によって増えたのは産業利用というふうに見えるんですけど、実のところ、どういう説明を受けたか思い出したいのですが、測定代行をお願いしている学術もいるのですか。それとも、測定代行というのは、私は、課金されているものだから産業界だけだというふうに理解していて、それならばこういう文脈でいいのかなと思うんですけど。利用者の拡大が測定代行で増えていると、それは産業界が増えているということなんだけど、学術との絡みがどうなのかというのが、この文言から、私の説明を聞いたときの理解もそこがはっきりしていなかったので確認したいのですが。
【熊谷理事】
 学術の測定代行がゼロだとは記憶がないのですが、何かあるのかもしれませんが、産業利用が主になっています。学術は、あったかもしれないというのは。
【雨宮委員】
 それはお金を払うんですよね。
【熊谷理事】
 もちろんそうです。
【雨宮委員】
 産業利用が主だとするときに、産業利用のユーザーを支援するスタッフがいるわけですよね。
【熊谷理事】
 はい。
【雨宮委員】
 もし学術の人が測定代行してきた場合には、普通の学術を支援するビームラインスタッフが測定代行をするという仕組みになるんですか。
【熊谷理事】
 今、測定代行をしているのは産業利用のビームライン3本なので、その利用と、ほかのもありますけども、測定代行しているのは多分、理研もやっているかもしれないですね。そのときは、産業界以外の人が使いにくるというのも、実は産業利用のビームラインは産業界の人だけではなくて、産業利用ですので、学術の方も産業利用というキーワードであれば使えるので、今は産業界の方と学術の方とが、1対2と1対3とか、割に学術の人が産業利用という枠で課題を申請している場合もありますので、今そういう利用が増えてきている。多分、今後も増えるんじゃないかなとは思います。
【福山主査】
 大体そういう傾向は強まっていくだろうと。そういう観点で、雨宮さん、まだ御質問、コメント、文言に関して何か。
【雨宮委員】
 文言に関してではなくて、中身がどうだったかということと、この文言を読む限りは、産業利用の拡大というふうに見えたのですが、それでよろしいのかということなんです。
【福山主査】
 5ページ目から6ページ目に移るところ?
【雨宮委員】
 5ページ目の一番下のところで。
【福山主査】
 「これらに」という、6ページに写るところね。
【雨宮委員】
 これらにより産業界の利用者は着実に増加しているということで。
【福山主査】
 「主として」と言っちゃえばいいですか。傾向としては、学術研究の方でもそういう言葉は出てくると思うんです。
【神部補佐】
 そうですね。恐らく実態としては学術の方も使われていると思うんですが、先ほど申しましたように、産業利用のビームラインなので、メーンのプレーヤーは産業界の方になると思っていますので、そういう意味で、今回、産業界の利用者という書き方にしておりますが、完全に産業界だけなのかということになりますと、先ほどの説明にもありましたところなので、主査からもありましたように、「主として」とか入れれば。
【福山主査】
 「主として」と入れればいいですか。
【雨宮委員】
 はい、分かりました。
【福山主査】
 確かに実認識として、そこら辺の境目がだんだん時代とともに変わっていくだろうと。今、変わりつつある最中。
【高尾委員】
 産業利用のところは、会社と共同研究されている先生方が出しておられるものもあると思うので、結構、申請書を見ていると、大学の先生が産業ビームラインをたくさん使っておられるので、多分そういうことになるんだろうなと僕は推測していたのですけど。
【福山主査】
 確かにそれは大変結構な傾向で、そういう傾向はこれからどんどん更に強まると思われますね。そうしたら、ここは「主として」ということを入れさせていただきます。
 ほかにいかがでしょうか。まだあるようでしたら、後でまた戻っても結構です。
 次、3の方に移りましょう。これまでの取組に関する評価というところ。
【南波委員】
 よろしいでしょうか。
【福山主査】
 はい、どうぞ。
【南波委員】
 14ページの(8)の研究成果及び社会への還元の部分のところなんですけれども、第2パラグラフの「またSPring-8では」の2行目のところで、「成果を成果集にとどまらず」という書き方をされているんですが、これに対応するものとしての、2番目のところ、具体的には8ページから9ページにかけてのところなんですが、利用研究成果の公表について、利用報告書を成果とみなす、これが1点目です。それから次に、SPring-8の利用研究成果集、2として公開技術報告書、その次に「また、SPring-8では」ということで産業利用成果集、こういう文言がそれぞれ入っているんですが、今ここで言っている成果集というものを、この4つの部分のところのどれをイメージとしてやるのか、それを整理した方がよろしいかと思います。
【福山主査】
 (8)の第2プラグラフの2行目、「成果を成果集にとどまらず」というところの成果集の。
【南波委員】
 具体的にはどれを指すことにするのか。
【神部補佐】
 ここは、基本的に今、論文の公表というのが義務付けられているんですが、ただ、それ以外にも1と2という方法がございますというような書きぶりを、今9ページではしています。ここは産業界の成果も公開ということを想定しておりますので、14ページの成果集のところは、1と2を包含したような概念で記載していますので、そういう意味では、あやふやな確かに表現になってしまっているのかもしれないです。
【福山主査】
 9ページのところは、成果集と報告書があると。
【熊谷理事】
 すいません。最初の委員会のときにSPring-8の産業利用成果集という冊子をお配りしたような気がするんですが、9ページの方は、ある意味では、査読をした上で課題を使った人の成果をきちっとしましょうと。14ページの方は、それもあるのかもしれませんが、それ以外に、具体的にSPring-8でどういう製品が開発されて、どういうふうに利用されているか、それをまとめた冊子というのが広報的にはあるんです。そういうもののことも指しているのかなと、この14ページは。
【石川センター長】
 産業利用成果集と書いてある、9ページに。
【南波委員】
 もしそうだとすると、ここは産業利用成果集というふうに書いてしまった方がよろしいという意味でしょうか。
【石川センター長】
 産業利用成果集として広く情報発信をしていると9ページに書いてあるわけです。それを受けた成果の情報発信のところで、成果集にとどまらずみたいな書き方になっているので、情報発信をしている産業利用成果集に加えてということだと思います。
【神部補佐】
 今、成果の公開の仕方としまして、この1に書いてあります利用研究成果集、2に書いてあります公開技術報告書、「また」のところで産業利用成果集というのも出していますという、この3つをここで紹介しておりまして、その3つを包含するような概念になっていまして、そういう意味で、例えば「利用成果集など」とかというふうにするのが1つあるのかと思います。
【高尾委員】
 ちょっといいですか。9ページの1の利用研究成果集というのは、これは学術も産業も両方入っている。2は、それを本当はそこに出してもらってもいいんだけど、会社でそういうレポートを出されているところは、それでも変えましょうというのが2になる。産業利用成果集というのは、産業利用として使った人たちを産業利用室がまとめて出しているもので、実はみんな並列なんです。
【福山主査】
 この産業利用成果集というのは、上の1、2とは無関係の切り口で整理したらということですか。
【高尾委員】
 全部合わせて成果集なんです。僕はそう理解しているんです。
【福山主査】
 そういうことで、それを踏まえて、14ページで「成果集にとどまらず」と。
【高尾委員】
 一番大事なのは論文を書いてもらうことなんですけど、もちろん論文にされているところもあるわけです、当然ね。
【福山主査】
 だから、この文章をどうすればいいのかな。
【高尾委員】
 ちょっと難しいんですよね。
【福山主査】
 成果を。
【石川センター長】
 すいません、そこ、ちょっと私、理解が違って、最初の2つというのはSPring-8を使ったという証拠になるもので、後ろの産業利用成果集というのは、産業利用をやった中から、例えば製品化されたものとか。
【福山主査】
 ハイライト。
【石川センター長】
 そういうものを集めて分かりやすく作ったものがこの産業利用成果集で、最初のときにお配りした冊子でございます。そういう意味では、最初の1つ、2つ目と最後とはかなり性格が違っていて、9ページに書いてございますように、産業利用成果集として分かりやすい形にまとめて広く情報発信をしているという位置付けなんだと思います。そうしますと、今の情報発信のところは、そういうものを作って広く情報発信をしているにも関わらず、14ページ、それに加えて、より国民に分かりやすい形で発信することが望まれているのではないかと思うのです。1番目と2番目は、ある意味でアリバイ作りみたいなところもあって、読んで本当に分かりやすいかというと、分かりにくいものもございます。
【福山主査】
 むしろデータ集みたいなものだから。
【石川センター長】
 はい。この産業利用報告書というのは、かなり読んで分かりやすい形で、ハイライト的なものを出しているというのが私の理解なんだけれども。
【高尾委員】
 分かりました。産業利用の3本のやつに関しての報告書もあって、それは2と同じようなものとしてあるんですよね。1と2と、それから廣澤さんがまとめている、3つまとめて議論しているので、成果審査会では。産業利用成果集の方は、そこで議論していません。
【福山主査】
 更にもう一つ、9ページに書いていないもの以外もあるということですか。
【高尾委員】
 論文ではなくて、産業利用としてビームラインを使った人たちに報告書を書いてもらっている。
【福山主査】
 それは、この2ではないんですか。
【高尾委員】
 2ではありません。
【福山主査】
 2、石川さんが言われたやつではないんですか。
【高尾委員】
 いや、違う。
【石川センター長】
 おっしゃっているのは、成果専有の場合でも何か報告書を出さないといけない、それですよね。
【高尾委員】
 はい。
【石川センター長】
 この1、2というのは、成果非専有であるという証拠のための報告書で、成果専有の場合は、ここの外にもう一つございます。
【高尾委員】
 ややこしい。
【石川センター長】
 ややこしいのです。
【高尾委員】 
 いっぱい報告書があるんですね。
【石川センター長】
 いろんな意味で。だから、成果専有であるための証拠としての報告書。
【高尾委員】
 だから、1と2は基本的にSPring-8をただで使っている人たちの報告書なんです。
【石川センター長】
 そうです。
【神部補佐】
 説明をもう少し補足させていただきますと、事務局としましては、いろんな形で成果というのが国民、もちろん論文も1つの公表の仕方ではあると思うんですが、今回SPring-8の成果というものがいろいろな報告書であったりとか、成果集であったりとか、いろんな形で発信されていく。ただ、今のそういう取り組みだけでは不十分ではないのかということが、ここの主の問題意識ではあります。包含というのは、そういう意味でそういう表現をさせていただきました。
【福山主査】
 こうしましょう。「成果を様々な成果集にとどまらず」と、それでいいですね。
【高尾委員】
 いろんな努力をしているんですけど、なかなか整理するのが難しい。
【南波委員】
 もう一つ、14ページのところの下のところになってくるんですが、今回、経済波及効果という、「波及」という言葉を入れられたんですけれども、どちらかというと、これまで議論は、より定量的なものが求められるんだという言い方をしていて、そこで経済波及効果というと、定量性の点では逆にマイナスになっている。経済効果、エコノミックスケールという言葉自体は、例えばエコタイヤが作られたことによって、幾らの金額でした、あるいは医薬品ができたことによってどうですという形で測れるものですから、それに対して経済波及効果という形になると、よりぼやっとしたものになってしまうので、ここのイメージは、経済効果のままの方がよろしいんではないかと私は思うのです。
【福山主査】
 ちょっとこれは引き取らせてください。これは宿題だったんです。前回、ここをどうやって表現するか。まとまらなくて、エキスパートの杉原さんと森さんに、何かいい言葉がないかと、そういうことをお願いして、そこはまさにそのテーマなので、何かコメントがあったらよろしく。
【杉原委員】
 あれから宿題を持って帰りましていろいろ考えていたんですけれども、特許あるいは学術論文というのは、もちろん定量的に図る手法の1つとして重要な位置付けではあるんですけども、一方では、定量的なというところではなくて、企業の営みであったりとか産業界への例えば波及効果みたいなところを、あるいは定性的に表現という形になってしまいますけれども、一部企業広告、製品広告の中に盛り込まれたりとか、あるいは最近、グローバル企業では、積極的に自分の企業の企業価値を外に発信するという意味合いで、全てのステークホルダーという言い方をしますけれども、社会に対して自分のところの企業はどういう取り組みをしているんだみたいな、そういう統合レポートというのを出されるようになりました。これは以前まではCSR報告書であったりとか、アニュアルレポートみたいなところで、わりと機関投資家に対しての宣伝が多かったんですが、近年は、社会に対して、あるいは環境に対して、あるいは公的機関も含めてですけれども、そういった取り組みを積極的に発信するレポートみたいなのが企業から出てきています。ですから、そういった企業の統合レポートといったものの発信内容みたいなものも、産業界への内容としては1つのPRになっているんではないかなというふうに思います。先ほど南波先生からもありましたけれども、定量的な表現で発信するという一面と企業の営みとして発信する内容という2面あるのではないかなと。そんなところが1つ盛り込まれていくと、もう少し様子が変わっていくのかなというふうに思います。
【福山主査】 
 どういう文言にすればいいですか。
【杉原委員】 
 ここに○○と書いてあるところがあるんですけれども、経済波及効果でも、波及を例えばとるということで、経済効果や企業広告あるいは企業統合レポートなど、国民に分かりやすい表現というか、指標という言葉はちょっと定量的な言葉になるかと思いますけれども、そういった発信の検討を進めることが必要である、そういった文章でいかがでしょうか。
【福山主査】 
 経済効果や企業統合レポートなど、より国民に分かりやすい形態で発信をすることを検討する、そういう。
【杉原委員】 
 そういう内容で。
【福山主査】 
 この点は、SPring-8が企業活動、広い意味で社会的活動に活用されていると、それを有り難いと思って使ってくださる企業がはっきり社会に表明していただくということは、もともとこういう立派な施設を大金払って施設を造って、基礎科学の研究がここまできたという、そういうことを社会が知る非常に重要な切り口なので、是非社会の方から、こういうすばらしいことがあったんだと、それはとことん言っていただく。それは基礎科学を社会が認知するという点でも非常に重要なので、ここは是非大事な何か。
【杉原委員】 
 大事な側面だと思います。
【福山主査】 
 工夫したいところですね。
【杉原委員】 
 そうですね。
【高尾委員】 
 今それで思い出したんですけど、SPring-8には利用推進協議会という立派な外郭団体があるので、例えばSPring-8利用推進協議会を通じてとか、そういう文言を入れたら、利用推進協議会も働いてくれるんじゃないかなと。
【福山主査】 
 それ、狭くならない?
【高尾委員】 
 まずそこを引き受けてくれないと、もちろん利用の会社は全部そうなんです。大体みんな入っておられると思うので。
【福山主査】 
 それはあった方がいいのかしら。
【高尾委員】 
 それはちょっと僕も分かりませんけど、例えばそういうのを、ちょっと今気が付いたので。
【福山主査】 
 入れることでスケールが小さくなったら困る。そんなこと言ったら怒られるかもしれないですね。どうですか。
【高尾委員】 
 昔、私も監事やってたんで。
【福山主査】 
 そこ、どうでしょう。確かにこれは非常に大事なところなんですよ。社会がSPring-8、更にその背後にある基礎科学をきちっと認識してくれるきっかけの1つ。どういう文言がいいか。
【石川センター長】 
 そうしますと、先ほど経済効果の後にかなり細かいというか、具体的な書きがきたんですが。
【福山主査】 
 企業レポートという文言がありました。
【石川センター長】
 経済効果や社会効果なんじゃないですか。
【福山主査】 
 社会というと、企業の人はちょっと。
【杉原委員】 
 社会効果ですね。いわゆる社会効果だと思うんですけど。
【福山主査】 
 企業というキーワードは入ってなくていいですか。
【杉原委員】 
 そこがちょっと何となく違和感はあります。
【福山主査】 
 企業を入れましょうか。企業と社会、どうやって。
【杉原委員】 
 企業の社会に対する効果ですけどね。
【福山主査】 
 それは経済効果とは違う?
【杉原委員】 
 違うんです。経済はやはり経済的な一面だけですので。社会効果は環境負荷に対してやったりとか、全てステークホルダーに関わるところ。
【福山主査】 
 そうすると、経済効果や企業の。
【杉原委員】 
 企業の社会に対する、何て言ったらいいんだろう。
【福山主査】 
 役割?
【小松委員】 
 我々の会社では、CSRの貢献というか、会社としての社会に対する責任、貢献というところの一環として、いわゆるこういう基礎開発もくしはそういうところを発信していくというのは、先ほど杉原先生がおっしゃられたように、今非常にそういうレポートを発信していくような会社になって、弊社で言いますと、どちらかというとCSRという位置付けだと。それは社会的。
【福山主査】 
 CSRというのは。
【小松委員】 
 corporate social responsibilityという。
【石川センター長】 
 社会貢献ですか。
【杉原委員】 
 貢献じゃない、responsibilityですから。
【高尾委員】 
 responsibility、企業の社会的責任。
【杉原委員】
 責任ですね。
【石川センター長】 
 責任。
【福山主査】 
 そうすると、経済効果や企業の社会的責任。
【杉原委員】 
 のレポートなんですけど。
【小松委員】 
 我々はCSRレポートというものをいつもやっています。
【福山主査】 
 レポートまで入れなくていい。
【小松委員】 
 それはいいですね。
【福山主査】 
 社会的責任。
【高尾委員】 
 を果たすとか。
【福山主査】 
 経済効果や企業の社会責任のより有効的な遂行促進、何かそこを適切な文言がいるな。キーポイントは、おっしゃりたいのは、経済効果と企業の社会的責任の何なんだろう。社会的責任の遂行?
【杉原委員】 
 遂行になりますね。
【福山主査】 
 遂行などでいいの?
【杉原委員】 
 そうですね。
【福山主査】 
 いいですか。
【森委員】 
 今、議論されているのは、CSR報告書というのは、弊社も含めて各社で作っておられると思います。そういうところに反映してくださいよということをおっしゃっているんですね。
【高尾委員】 
 それが全てCSRになるわけじゃない、一部として貢献できるということがあってもいいと。
【福山主査】 
 研究開発の成果による経済効果や企業の社会的責任遂行などというふうに今なっているけど。
【森委員】 
 何となく理解していただきにくいような。
【杉原委員】 
 社会的貢献でもいいかもしれないですよ。
【福山主査】 
 責任遂行じゃなくて貢献。
【杉原委員】
 貢献。
【福山主査】
 そうね。それで通じているわ。「企業の社会的貢献など」、これの方がすっきりする。「経済効果や企業の社会的貢献など、より国民に分かりやすい形態」、形での。
【杉原委員】
 「形態」でも。「ついて検討する」。
【福山主査】
 「形態による」「発信を」。
【高尾委員】
 「期待する」?
【福山主査】
 「発信を期待する」と。
【高尾委員】
 うん。
【杉原委員】
 「期待する」。
【福山主査】
 うん。なかなか最後よくなった。
 読んでみます。どこから読めばいいのかな。下から3行目の「評価できるが、研究開発の成果による経済効果や企業の社会的貢献など、より国民に分かりやすい形態による発信を期待する」。「発信を期待する」と。
【高尾委員】
 「必要である」より「期待する」の方がいいですね。
【杉原委員】
 うん。「期待する」の方がいいですね。
【福山主査】
 最後、「期待する」。
【杉原委員】
 「期待する」の方がいい。
【福山主査】
 「すること」を。はい。基本はこれで、あと、てにをはを少し工夫していただくと。よろしいでしょうか。
【原室長】 
 企業の社会的貢献ということで、ちょっと。企業の社会的貢献の一環として、こういう大規模研究インフラを使っていることを説明していただくという趣旨は、そういうことですね。
【杉原委員】
 そういうことです。
【原室長】
 ちょっと社会的貢献が出てきてしまうと、この辺がわかりにくいかなという感じがします。
【杉原委員】
 あ、そうか。社会的貢献の一環ということ。
【原室長】
 はい。一環として、こういう施設が重要であるということを、ちゃんと社会にアピールする。
【杉原委員】
 そうですね。アピールする。
【原室長】
 ちょっと、その点を踏まえて字句は修正します。
【福山主査】
 そうですね。
【森委員】
 企業の社会的貢献にもSPring-8が寄与しているかのことを書いてほしいと、そういうような感じですかね。多分、業種によって大分違うんだと思うんですけど、我々のところ、薬の業界ですと、やっぱり基礎研究から製品になるまで10年以上、下手したら20年近く掛かってしまって、特許どうなんだというぐらいの世界なものですから、なかなかそれを表現できるまでに時間が掛かってしまう。もちろん、出てきたら、そういう表現はさせていただきたいと思うんですけれどもね。
 多分、分子ターゲットがちゃんと決まって、その構造解析によって、それにヒットするような化合物を見いだしてきてという、そういう過程をずっとたどってきますと、やっぱり相当時間が掛かるので、多分、まだそこまでうまく書けている論文というのは、わずかしかないんじゃないかなと思っています。ちょっと、その辺が申し上げにくいなという気はしているんですけど、希望としては、もちろんそういうのが出てくれば、会社もそういう社会的貢献の中に、これを利用させていただいているというところを盛り込んでいただくと、非常に。
【福山主査】
 そういう観点で、雨宮さんの、タイヤのときに、エコ何とかといって、あれ、企業が社会にアピールするときに、あれはSPring-8であったから、ここまでできたということを企業側は表明していますか。
【雨宮委員】
 いえ。
【福山主査】
 そういうことが大事で、本当に企業、使った方が便利だって、本当にブレークスルーがSPring-8でできたということを、いろんな企業がきちっと表明してくれる、表明する、それがいろいろ集まると、SPring-8の社会での位置付けがより明確になってきますよね。これは必ずやっていただきたい、利用者に。研究者ばかり、基礎研究ばかりじゃなくて生産者。
【小松委員】
 すいません。私のタイヤ会社じゃないですが、もう一つのタイヤ会社の方は、数週間前に新製品を出されて、そのときに明確にSPring-8というのを新聞で出されていました。それでSPring-8を初めて使って、こういう新しいタイヤを作ったということで、その固有名詞が、そのまま新聞に出ています。
【福山主査】
 やっぱり、それをきちっとやっていただくと、それがいろいろ集まってとなると、大きな流れになりますね。
【小松委員】
 そうですね。
【福山主査】
 今の、ここ大事なところだったんですけど、宿題に関しての文言、いいですかね。
【杉原委員】
 そのCSRレポートも日本語だけじゃないんです。全世界で同時に発行されますので、日本でこういうことやってますよという、そういうものすごく社会でのPRになる、その位置付けも非常に大事なんです。
【福山主査】
 このことはレポートにも、今の文言で説明する。それを、ここでの議論を、この会議に出ているインダストリーの方が、現場で是非、いろんな機会に徹底していただくことを、これは報告書とは別ですけど、この際、是非お願いをしたいと。
 どうぞ。
【田島委員】
 今のようなモデルケースといいますか成功例は、成果報告集にきっときちんと掲載されるんであろうと思いますし、これまでもされてきたのではないかと思うんですけれども、そうではない、今、後の方で言われた社会貢献という、ちょっと企業の中でも基礎寄りで、直接すぐ製品として世に出ないようなものもたくさんあって、そういうのというのは一般の人たちは余り知ることがないんじゃないかと思うんですけど、その辺は、どの企業がSPring-8、例えば、平成24年度はビームをどれぐらい利用したとかいう数字を挙げるのは問題なんですか。公表できないんでしょうか。
【福山主査】
 きっと問題だと思いますね。
【田島委員】
 問題ですか。
【福山主査】
 製薬、創薬なんて、きっとそれを避けたいんじゃないかと。
【田島委員】
 企業名を挙げることも問題なんですか。
【森委員】
 できないわけではないと思いますけど、それをしようと思うと、いろんな社会の調整が必要になります。そこまで社内調整をやるんだったら、敢えてSPring-8を使わなくていいよという人が出てきてしまわないかというのが懸念です。私が、以前の利用のところでも申し上げましたように、公表によって使う人が二の足を踏むようになったら、ちょっとまずいんじゃないかなという気はしますけれども。
【福山主査】
 今のところ踏み込むのは非常にデリケートだと思います。
【森委員】
 はい。
【田島委員】
 多分、大学関係者が使っているのは、一般の方たちはみんな御存じだと思うんですけれども、企業がこれだけ使っているというのは案外知られていないので、これだけの会社が、じゃあ、メンバーの中に入っていますよ、でもいいんですね。今年使いましたじゃなくてもいいんですけど、利用のメンバーの中に入っているというリストを公表するとか、そういうのはありますか。
【福山主査】
 それは、さっき高尾さんが言われた産業利用の中の、あそこのメンバーリスト、それは公開されております。
【田島委員】
 その中に入っている。公開されている。
【高尾委員】
 一般利用のところは、誰が使っているか、全部リスト出ていますから、それは分かるんですけど、成果、専有のところは、もう分からない。
【田島委員】
 そういうところが、案外。
【福山主査】
 産業利用のメンバー、協議会は、名前は忘れたけど、そこにどういうインダストリーが入っているかということは、これは公表されているから。
【高尾委員】
 これはオープンですね。
【福山主査】
 それはいろんなところで強調していただくという、それが一つの方法ですね。田島さんの今のコメントに関しては、そういう対応の仕方。
【雨宮委員】
 そういう意味じゃ、「20%」という文言は入っていないですよね。それは出しちゃまずいんですか。報告聞いたときに、大体産業利用の20%って。
【高尾委員】
 それ、どこかに書いてありましたか。
【雨宮委員】
 どこかありましたっけ。
【福山主査】
 今、全体の。
【田島委員】
 2001年で、どうのこうの。
【高尾委員】
 最初のところに。
【雨宮委員】
 ありましたっけ。
【高尾委員】
 イントロダクションのところに。
【雨宮委員】
 そうか。どこかに書いてあればいいと思います。
【福山主査】
 これは前回から非常に気になっている大事なところでした。どうもありがとうございました。
【原室長】
 1ページ目の一番下の2行、1ページ目の「はじめに」の下2行で、「2割の課題が企業により実施されており」。個別の企業名は書いていないですけど、そうです。
【雨宮委員】
 パーセントじゃなくて。
【原室長】
 2割という。パーセンテージじゃない。
【雨宮委員】
 2割。全部書いてあります。
【原室長】
 書いています。
【福山主査】
 それでは、続いて4の。
【山田委員】
 すいません。3のところで少し。
 11ページのパワーユーザー制度のところで、パワーユーザー制度が「成果を上げる可能性が高い利用者」というふうな定義的なことが書いてあるんですが、こういうのをまともに読むと、一般ユーザーが余り成果を上げる可能性は、まずないという、こういうネガティブに取られる場合があるんで、パワーユーザーは、例えば、継続的に成果を上げるとか、何か、パワーユーザーを持ち上げるような言葉を使った方がいいような気がするんですが。
【福山主査】
 「継続的に成果を上げる」という、それでよろしいですか。
【山田委員】
 それと、もう一点、13ページの国際化というんですか、国際研究拠点、これは非常に重要なポイントだと思うんですが、少なくとも、この作業部会で外国の施設のMOUとか、それからケイロンスクール云々のところは出てきたんですが、今のSPring-8がどういうふうに国際的に利用されているかという観点のところが、ちょっとなかったように思うんです。その辺のところは、この報告書にどう入れるのかというのは、私はちょっと分かりませんが、もし最終的に何か参考資料みたいなものを付けて、これを出すのであれば、そこのところに何か外国からのユーザーの、その年ごとの何か、何人程度使っているとか、何かそういうものが。
【熊谷理事】
 それはあったんじゃない?
【山田委員】
 ありました? すいません。
【熊谷理事】
 多分それはどこかの資料に載っかっていたと。
【山田委員】
 そこの議論が余りなかったように思ったのですが。
【福山主査】
 どこかで出た。最初の頃、出なかったっけな。
【熊谷理事】
 参考資料か何かのところに。
【山田委員】
 見落としていたかもしれません。
【石川センター長】
 これですね。共用ビームライン。海外機関。
【山田委員】
 何か、余りエクスプレシットには。
【福山主査】
 何ページですか。
【石川センター長】
 何と説明して。何ページでしたっけ。
【山田委員】
 その話が出なかったように思ってたから。
【熊谷理事】
 14ページ。
【神部補佐】
 参考1の14、15ページ。
【熊谷理事】
 14ページと15ページかな。
【石川センター長】
 15ページ。
【山田委員】
 それがもしあるんだったら、何か1行ぐらいは入れておいた方がいいかなと思ったんですけど。
【高尾委員】
 実績のところ。
【熊谷理事】
 そうですね。海外機関の利用者は微増で、少しずつ上がってきているという。
【山田委員】
 1-2でしたっけ。
【福山主査】
 海外からの利用者のアクティビティー。余り議論で踏み込んではいないかな。確かにデータでちょっと触れられたことは。特に何か触れるべきことがあるか。
【山田委員】
 外国からの優秀な研究者が利用と云々と書かれているのであれば、何かそれに触れた方がいいかなと思ったんですけど。「世界の優秀な頭脳が集まる国際研究拠点を形成するためには」と、13ページで書かれていますので。
【福山主査】
 そのデモンストレーションとして、優秀な人がどれだけ使っているかと、そういう趣旨の。
【山田委員】
 ただ、それがデータとして余りないのであれば、書く必要もないかもしれないですけど。
【高尾委員】
 去年はSPRUCのYoung Scientist Awardを出して、水木先生が選ばれたの、二人とも外国人だったんです。
【水木委員】
 僕だけが選んだわけじゃない。
【高尾委員】
 たまたまそうだったんですね。
【水木委員】
 そうです。
【福山主査】
 そういうこと書くか。
【石川センター長】
 よろしいですか。
【福山主査】
 はい。
【石川センター長】
 この拠点のお話は、多分SPring-8だけでやっていても駄目な話で、播磨全体として見てみると、また全然違った様相が見えてくる。例えば、SACLAの場合には、半分くらいが、今、外国からの応募に残念ながらなってしまっているというようなことがあって、研究拠点形成ということを考えた場合には、多分、このSPring-8だけを切り出しての議論だと、なかなか難しいのではないかと思います。我々も拠点としては、全部合わせて1本みたいな考え方をしているところです。
 そういう意味で、20ページの一番最後の文章に、「将来的にはX線自由電子レーザー施設SACLAと一体で評価されることが望ましい」と書かれていますが、ここは是非、「将来的にはX自由電子レーザー施設SACLAと一体で評価されなければならない」としていただけると有り難いかなと思います。
【福山主査】
 途端に最後の「おわりに」というところに行きましたけれども、SACLAと一緒に。だけど、こういうときに「望ましい」と書けば。
【石川センター長】
 そうですね。はい。そうなるんですな。
【福山主査】
 いや、そうなるというか、十分だと思います。
【石川センター長】
 はい。
【福山主査】
 問題は、むしろ前のところで、ここがこういう観点で不十分であれば、そこを工夫する必要がある。13ページ。
 だけど、これ、そうすると、研究環境を構築して。この中に含まれていますよね。
【山田委員】 
 これが一般論的なあれだったら非常に重要な文章だから入っているのは一向にかまわないというか必要だと思います。これが入っているのは。だから、それを何かデータで裏付けるかうんぬんするかというだけの問題だと思いますが。
【福山主査】
 だけど、ここのところ、国際的な研究拠点及び人材育成という観点で、水木さん云々のさっきの話は、事は小さいかもしれないけれども、ただ印象的なことでもある。そういうのを、ここに書くかどうかは別として、それほど重いことかどうかは別として、そういうことが起こっているということは、ここに書いてあることが常に一定方向で動いているということになりますよね。ここに書くほどのことではないと。
【高尾委員】
 ないです。
【水木委員】
 そうですね。公平に審査しているのは。
【高尾委員】
 ただ、やったらどうか。それからあと、最初、アワードの名前を日本語でやるか英語でやるか議論して、英語でやった途端に外国人の応募があったという。
【福山主査】
 確かに国際化のこと、どんどん進んで。
 ここはこれでいいですか。山田さん、よろしいですか。
【山田委員】
 はい。
【高尾委員】
 むしろ外国人の利用を増やさなあかんのですか、今のままでいいんですか。そういう議論をちゃんと本当はやっておかなあかんのでしょう。
【山田委員】
 それもありますね。
【福山主査】
 国際共同利用拠点としての役割に関しては、余り議論しませんでしたね。むしろ研究。ほっといたって、いい施設にはいい研究が集まるという、そういう前提もあって、余りそれがこういうふうに明示的に議論はしなかった。明示する必要もないだろう。そういうことですね。ここのワーキングとしては、ここが適切なところじゃないかな。
 その外国からの、海外機関からの利用者微増と、さっき熊谷さんが言われたこと、データもそうだけども、そこに関して、SPring-8として、何か特に注意、留意して、アクションをとってきておられるんであれば、そういうことに関して言及してもいいのかもしれない。確かに若手の学校とか何かとって、そういうことはやっている。国際性はかなりあるんだろうと思うんですけど、特に明示的に。
【高尾委員】
 そのカウントしたところ、台湾のビームラインは、どんな格好で入っているんですか。
【石川センター長】
 台湾ユーザーは海外ユーザーに入っていますよね。
【高尾委員】
 そうですか。じゃあ、ほとんど台湾ユーザーばっかりが、かなり利用するようになっていったんですか。そんなことないですか。
【熊谷理事】
 そんなことはなかったですね。
 多分これは、先ほどの参考資料の11ページに、共用ビームラインの海外負担が5%ですので、台湾とかは専用ですので。
【高尾委員】
 専有ですか。
【福山主査】
 そうすると、山田さんが気にしていることを反映して、この13ページの黄色のところで、「引き続き海外からの研究者の利用を推進」。海外の研究者及び。「研究者の参加及び研究機関との協力を推進する」とか何か、研究機関だけじゃなくて、研究者個人も、より数が多くなるようにという、その趣旨の文言を、この間に入れましょうか。
【山田委員】
 そういうものがあった方がいいかもしれませんね。
【福山主査】
 研究機関だけじゃなくて、やっぱり研究者個人のレベルで優秀な人が来るようにという。引き続き海外の。海外の。海外からの利用者の増加及び研究機関との協力。そこをうまく工夫していただく。だから研究機関だけじゃなくて、研究者という、個人のレベルで優秀な人という。
【高尾委員】
 最近は、文科省は研究評価に国際共著論文というのをかなり言ってますから、何かそういうことを目指すように、日本との共同研究みたいなのもあってもいいような気がしますけど。
【神部補佐】
 科学技術白書でも、論文が、やっぱり日本の論文が伸びていないということに対して、国際共著論文がやっぱり少ないのが、ほかの国に対して負けている理由じゃないかというのが、一つ分析として出しているところですので、そういうのとの関係でも、そういう利用者を増やして、結果としては国際共著論文とかが増えていくというのは、一つの方向性としては正しいのかと。
【福山主査】
 この2行目に研究者を入れると。
【神部補佐】
 はい。
【福山主査】
 それでいいですかね。
 ありがとうございました。
【水木委員】
 別件でよろしいですか。
【福山主査】
 どうぞ。
【水木委員】
 11ページ、利用者の拡大のところの文言なんですけれども、ちょっと言っていることは分かるんですけど、ちょっと気になるのが、新規利用者と既存利用者の入れ替わりがせなあかん。結果的にそうなることがいいとは思うんですけれども、入れ替わりが少ない全体の研究者の質的な向上にどのようにつながっていくかを把握し、どういうことをここで言おうとされているのかが、ちょっと分かりにくいところがあるし、こういう文言が、既存利用者が、そうすると変わらなあかんのかと、ちょっと皆、結果は、利用研究課題が拡大したり、あるいはそれが固定化してしまうのはあかんということですよね。その結果として、それを拡大。研究課題を拡大しようとしたら、結果的には新規利用者が増えてくる。それで競争が激しくなって、そうすると既存の利用者が少なくなる、入れ替わるということはわかるんですけれども、でも、エクスプレシットに新規利用者と既存利用者が替わるという言い方は、ちょっと表現変えた方がええかなという気がしたんですけれども。
【福山主査】
 どういう表現だったらハッピーですか。具体的に。
【水木委員】
 例えば、そう言われると思って、ちょっとなかなか言いにくかったんですけど。例えば、利用研究課題の具体的な内容を更に分析し、その課題の、利用研究課題の拡大がSPring-8全体の研究成果の質的成果の向上にどのようにつながっていくかを把握して、つながっていくんだということです。拡大がつながっていくことを。という。つながっていくということを理解し、更なる利用者の拡大につながっていく取組が求められる。
【福山主査】
 ポイントは新規利用者、既存利用者の入れ替わり云々。それは利用者じゃなくて、研究課題が質的に変化していくという、そういう趣旨にしてほしいという。
【水木委員】
 はい。
【福山主査】
 確かに、それはそうですね。人の問題じゃないと、研究テーマだと。
【水木委員】
 はい。
【福山主査】
 はい。分析し、研究。具体的な内容を更に分析し、利用研究課題の。課題の、何と言えばいいんですかね。研究利用課題の入れ替わり。ちょっと。
【水木委員】
 課題の拡大か、あるいは課題の。
【山田委員】
 文学的な表現。新陳代謝ですね。
【福山主査】
 課題の新陳代謝って、何か。
【山田委員】
 文学的な言い方だったらというふうに言っただけで、そういう意味合いのことですよね。
【水木委員】
 課題の拡大と利用。課題のソフィスティケーションですよね。というか、科学の発展に伴って、陳腐化した課題とかはあかんし、それから、それが。
【福山主査】
 研究課題の拡大と質的向上? 課題が向上だと。何かコメントするのに、具体的にこういうことを求めてください。
【水木委員】
 いや、そのとおりなんですが、なかなか。
【雨宮委員】
 ここで言いたいことは、利用者の拡大を努めるとともに、その質がどうなっているかということを、ちゃんと把握してくださいと。その質は大体サチってきた。数はサチってきたけど、要するに、質がどうなったかということを吟味してくださいということを言いたいわけですね。
【福山主査】
 そういうことです。見掛けの数はサチって変化ないように見えても、中で研究の内容がグレードアップしてればいいと、すべきだと、そういうことでしたよね。
【雨宮委員】
 ええ。だから具体的な内容を更に分析して。分析する必要があるということですよね。
【福山主査】
 「利用研究課題の質的向上」と言っちゃえばいいんじゃない。ここ、そういう趣旨のこと。
【石川センター長】
 ごめんなさい。今までの数は変わらないけれども、入れ替わっているという事実がありますと。でしょう。入れ替わっている事実があるということが、SPring-8全体の研究成果の質的な向上に本当につながっているのかどうかを把握しなさいって書いてあるんじゃないですか。
【福山主査】
 確かにそうだ。
【水木委員】
 そういうことですか。
【石川センター長】
 それでもって、更なる利用者の拡大につなげていく取組が求められると。前の議論は何かそうだったような気が。それがいいとか悪いとかいう話ではなくて、事実として、人数は同じだけれども、毎年入れ替わっています。それが本当にちゃんとしているのかどうかを把握しなさいということが。
【水木委員】
 なるほど。全然理解していませんで、そう読んでなかったんで。
【福山主査】
 確かにそういう議論だった。
【石川センター長】
 そういう議論ですよね。
【福山主査】
 ここは確かに、今、3のところ。
 だから、結果的に、この文書は特に問題ないと。ここではね。
【石川センター長】
 前の議論だと、この文章だと思いますが。
【水木委員】
 入れ替わっているという事実があると。
【福山主査】
 ここ3のところです。
【水木委員】
 それが、質的に向上しているかどうかを、ちゃんと把握し。
【福山主査】
 うん。
 はい。続いて4のところ。もう4も5も。さっき最後まで行っちゃいましたので、どこでも結構です。
【南波委員】
 すいません。今のところ、ちょっと意見。ごめんなさい。
 この文言そのままという話になると、引き続き利用者の拡大に努めるとともに、最後は、更なる利用者の拡大につなげていく取組。同じものがもう一回入ってくる感じになるんで、この場所のところ、つまり中身の話を人の話にするのか、研究の方の話にするのかだと思うんですけど、最後の締めの言葉が「引き続き利用者の拡大に努めるとともに、更なる利用者の拡大につなげていく」ということ、何か。
【田島委員】
 そこを取ればいいんじゃないですか。「引き続き利用者の拡大に努めるとともに」を削除すればつながると思います。
【南波委員】
 なるほど。最初を取ってしまえば。
【福山主査】
 そうね。今後は利用者研究課題云々と、そういうふうにつなげます。
 あと、どなたですか。どこでも結構です。はい。お願いします。
【雨宮委員】
 14ページのところの4の(1)のところの3行目のところで、初めてSPRUCというSPring-8ユーザー共同体というのが出てくるんですが、その前のページでも、例えば10ページの(2)の6行目に、「ユーザーコミュニティの意見を踏まえつつ」とか、ここでユーザーコミュニティと出てくるし、あと実は11ページにも出てくるので、ここをもうちょっと最初のところで定義しておく方がいいのかなと思うんですが。利用者コミュニティと。別な意味の使い方をしているんではないと思いますので。具体的に言うと、10ページの真ん中ごろに利用者コミュニティというのがありまして、11ページの登録機関における調査研究等のところにも、下から2行目のところにユーザーコミュニティとかがあるわけですね。そして、4の14ページの4.の(1)のところでSPRUCという固有名詞が出てくるというのが。いや、意図的であれば、また。
【神部補佐】
 ここ、実は意図的にしていまして、3.のところ、一応、評価なので、できるだけ具体的なことは後ろの方に持っていきたいということでして、利用者の意見を聞かなくちゃいけないということを、ここでは言うにとどめて。
【雨宮委員】
 ということね。分かりました。
【神部補佐】
 具体的な、その聞くところというのを、具体的に4.のところへ持ってきていると、一応そういうことです。
【雨宮委員】
 4のところで初めて定義することに意味があるということですね。
【神部補佐】
 そうですね。そういうふうな、一応、意図があります。
【雨宮委員】
 分かりました。はい。
【山田委員】
 パワーユーザーについても、同じことが言えるんですよね。パワーユーザーの定義を、だから4へ持ってきているんですよね。5ページでパワーユーザー制度というのが書いてあって、そこは定義がなくて、その後のパワーユーザーで、定義的なところが書かれている。11ページで。それは同じ考え方ですよね。
【神部補佐】
 そうですね。
【山田委員】
 はい。
【田島委員】
 1か所だけ片仮名でスクラップと書いてあるところがあるんですけど、16ページの下から6行目。片仮名で書くと本当にスクラップ。
【雨宮委員】
 16ページの。
【田島委員】
 最後の段落ですね。「また、競争率の低いビームラインについては、スクラップや利用することへのインセンティブ」。
【南波委員】
 これは本当のスクラップでしょう。
【田島委員】
 ちょっと待ってください。
【南波委員】
 ビームラインのスクラップじゃない?
【田島委員】
 ビームラインのスクラップ。失礼いたしました。
【雨宮委員】
 それは別ですけど。
【田島委員】
 でも、響きが一緒で。
【雨宮委員】
 それに関係して、これは日本語にしたらどうですか。改廃とかにしたら。
【福山主査】
 雨宮さんとしたら、一緒にされたら困る。
【雨宮委員】
 いや、それとは別な意味でのコメントですけど、スクラップ・アンド・ビルドという言葉もありますけど、改廃というふうにする。あと、「改廃や利用することへの」、「利用へのインセンティブ」ですかね。とにかく改廃がいいと思います、ここは。
【福山主査】
 そうしましょう。ほかいかがでしょうか。
 本当に5回、いろいろ皆さんから御意見いただいたのを文章化してみると、実に様々な御検討を頂きまして。
【雨宮委員】
 18ページの必要性・有効性・効率性のところの下から6行目ぐらいに「パワーユーザー制度を導入し、」と書いてありますが、これはパワーユーザー制度を見直しという意味かと思います。今までパワーユーザーのことを言ってきているわけで、ここで導入、見直しというような文言になるべきかなと思います。
【福山主査】
 ごめんなさい。どこですって、何ページ?
【雨宮委員】
 18ページ。どっちを見るかですけど、皆さんはこっちを見ている。
【福山主査】
 見え消しの方です。
【雨宮委員】
 見え消しでいくと19ページですね。19ページの上から6行目です。「パワーユーザー制度を導入し、」と書いてあるので、もう導入されているから、そこを見直しという意味の文章にするのかと思います。
【福山主査】
 そうですね。
【雨宮委員】
 見え消しでやっているわけですね。
【福山主査】
 ほかにいかがでしょう。
【水木委員】
 前もここでちょっと話があったけど、パワーユーザーは、どこかでポテンシャルユーザーという名前、どうですかというのは、ここで言うべき、ここで提案するんですか。
【福山主査】
 どこかに書いてありましたよ。
【神部補佐】
 見え消しの16ページです。
【福山主査】
 16ページですね。上の段。
【杉原委員】
 真ん中辺のちょっと上、「例えば」。
【水木委員】
 分かりました。
【雨宮委員】
 これ、「例えば」って要らないんじゃないですか。要ります? 要するに名前を変えるということを言うだけで、「例えば」とこの名前にガイドしなくても、いかがでしょうか。
【福山主査】
 それはコミュニティがどうお考えか。国際的に本当はどうなっています?
【雨宮委員】
 パワーユーザーがおかしいというのは分かります。だから、名前を変えるということで検討するということも。
【福山主査】
 パワーユーザーという言葉は国際的に通用しています?
【雨宮委員】
 だから、それは名前を変えます。
【石川センター長】
 通じないと思います。
【福山主査】
 やっぱりそうですね。今までちょっと恥ずかしい状況だった。
【石川センター長】
 ポテンシャルユーザーというとまた違う意味を持つ。
【雨宮委員】
 そう、そういう。だから、パワーユーザーは変えるけど、ポテンシャルユーザーという形にガイドするようなところまでを言うけれども、とにかく名前を変えるというところだけでもう十分じゃないかという意味でコメントです。
【福山主査】
 これはコミュニティがどうお考えか。
【雨宮委員】
 というか、これは、ポテンシャルユーザーは福山先生がおっしゃって。
【福山主査】
 例えば僕は、国際小委員会で外国からの人がそう言っていたのを記憶しているから、そう言っただけで。それだけで。
【雨宮委員】
 細かい議論になるけど、ポテンシャルというのは潜在可能性ですね。
【山田委員】
 潜在ユーザーです。どちらかというとアクティブユーザー。
【福山主査】
 そういう意味ですね。
【雨宮委員】
 その辺は問題ないのかなという議論もちょっとこれからしようかなと思っているので。
【福山主査】
 それこそスクラップじゃなくて、SPRUCの方、そう思います。そこで議論していただくテーマ。
【雨宮委員】
 フリーハンドで議論するのに、「例えば」はない方が自由に議論できるかなというだけの話です。
【福山主査】
 御提案はこの括弧を全部取ったらということ?
【雨宮委員】
 そうです。
【石川センター長】
 括弧を全部取った上で、「適当な名称」というところを「より適切な」とか、何かそういう形にしてはいかがでしょうか。
【福山主査】
 「より適切な」。
【石川センター長】
 はい。
【福山主査】
 そうしましょう。確かに名前というのは何を狙っているかということを表現することになるから。「より適切な」。
【雨宮委員】
 はい。そういう意味、「より適切な」。
【福山主査】
 ほかにいかがでしょう。この辺で報告書に付ける参考資料について、事務局の方から、ここで説明していただくことがあれば。
【神部補佐】
 参考資料につきましては、基本的にこれまで本作業部会で説明してきた、使用してきた資料を後ろの方で付けさせていただきたいと思っておりますが、具体的にどのようなものを付けるかというところにつきましては、主査と御相談させていただいて決めていきたいと思っております。ただ、何か、これは入れた方がいいなどの御意見がございましたら、事務局まで御連絡を頂ければと思います。
【福山主査】
 今回、随分おもろい刺激的なデータもあったんで、それをどこまでこういうレポートに付けるかというのを主査の責任に任されると後で怖いので、適当な段階で皆様と意見交換して合意を取った上で決めたいと思います。
【石川センター長】
 分かりました。
【福山主査】
 是非その際には御協力ください。資料に関しての御説明はそれだけなんですね、ここでは。
【神部補佐】
 はい。
【福山主査】
 またこの報告書に戻って、更に御意見ございましたら。
【雨宮委員】
 ちょっとこれも細かいことですけど、見え消しの方で、19ページの今後5年間の重点的な推進方策のところの2番目のポチで、「産業界、大学、研究機関等の『知』と課題」となっていまして、ほかのところ、前の文章だと、この並びがこうじゃない並びになっていて、大学、研究機関、産業界となっているのですが、ここだけ産業界が先になっているというのも不自然な気がしますし、順番を統一しておいた方がいいかなというコメントです。
【福山主査】
 どうも。随分きめが細かく、ありがとうございます。「大学、研究機関、産業界等」ですか。
【雨宮委員】
 ええ。少なくとも中身は、本文ではそうなっていましたので、合わせて。
【高尾委員】
 その中で国際協力という言葉が余りないんですけど、何かどこかへ入れた方がええような気がするんですが、いかがでしょうか。
【福山主査】
 そうか、この5つの中にその。確かにそれはあった方がいいですね。国際的な視点のコメントはどこに。
【高尾委員】
 プラットフォームのところに、例えば3極の第三世代のほかにアジアの施設と協力するとか何かあってもよさそうな気がしたのですが。
【福山主査】
 この3番目のところの「光ビームプラットフォームや特定先端大型研究施設」、それの並びで国際的にということですか。
【高尾委員】
 「世界トップレベル」という言葉ありますけど、国際の話がちょっと抜けているような気がした。ちょっと皆さんの御意見は。
【福山主査】
 「国際的な連携を推進すると同時に」というのをこの光ビームの頭に入れるとか。
【高尾委員】
 ちょっと何か。
【福山主査】
 確かにいろいろな施設、それからプログラムとの連携、その中に国際性を入れるのはおかしくはないですね。ここの頭でいいですか。
【高尾委員】
 はい。
【福山主査】
 どうでしょう、「国際連携を推進すると同時に光ビーム」。どうもありがとう。
【水木委員】
 今回の議論の対象には多分ならないと思うんですけど、今の国際性とかいうところで少し気になって、思い出したんですけど、インフラが少し貧弱だなと思っていて、具体的には、例えば外国の人が中長期、1か月、2か月、家族で来るようなときの宿舎がないとかいうようなのが、国際性を豊かにするとか、実際にやるときには必要だと思うんですけれども、今回、その議論は全然ないので、多分議論したらだめなんか分かりませんけど、そういうところが少し気になるところではあるんです。
【福山主査】
 宿舎、そんな問題があるんでしたっけ。国際的に、来たら困るようになっている?
【水木委員】
 いや、家族は。
【石川センター長】
 実際にやるときには、例えば兵庫県の宿舎とか、アパートとかに1か月、2か月の人を入れてやってはいるのですが、施設として持っていないことは確かです。
【福山主査】
 SPring-8としては持っていない。
【神部補佐】
 そういう意味では、潜在的にはそういうのはあるかとは思って、認識はしておりまして、例えば13ページのところで国際拠点を入れたときに、「世界最高水準の研究環境を構築していくことが重要である。」という文言を入れておりますのは、将来的にそういう必要性も出てくるだろうということを一応見込んで、ちょっとここではこういう文言を入れています。ただ、具体的に何が必要かというところまでは、審議が今回は時間の関係もありますが、具体的には挙がっておりませんので、4ポツとかなどには具体的な例示とかは入れていないという構成にはしているところでございます。
【福山主査】
 そうすると、さっき高尾さん御指摘の国際的な連携を進めるという、その枕に、「インフラ整備を更に進め、国際連携を推進すると同時に」とか何とか。枕にそういうのを入れるというのもありますね。そこまでする必要はない? 「国際連携を推進する」という言葉を入れれば、自然にそこまでインフラ整備は含まれるという見方もできる。
【水木委員】
 よく読めばそうかも分かりませんけど、ちょっと変えた方がもう少しスペシフィックになるような気はします。
【福山主査】
 御提案として、だから、「インフラ整備に更に力を注いで、国際連携を推進すると同時に」、先ほどの「光ビームプラットフォーム」、そういう御提案、どうでしょう。インフラということに関してあらわになって、これからの5年間の重点的な推進方策の中に明示的に入れるかどうか。これは財政的な問題もあるかもしれません。
【原室長】
 非常に正直に言うと、宿舎みたいなものをなかなか予算措置がされにくいという状況があるのと、この報告書の中でここの5年間の重点的な推進方策というのは、5年間、ここの部分に最も力を入れてやってくれという委員会、この作業部会の重要なメッセージの部分なので、そこに外国人宿舎に代表されるようなインフラを入れるかどうかというのは、まさに御判断のところではあるとは思います。ほかにいろいろやるべき中での優先順位を置いて。
【福山主査】 
 ほかにもっといろいろあると。
【原室長】 
 あるということだと思います。
【福山主査】 
 さっきの「国際連携を推進する」という文言の中に今のことが含まれているという理解でいいですか。
【水木委員】 
 そうです。
【福山主査】 
 ということです。皆様、将来この文言を読むときに、そういうあれが含まれているということをちゃんと思い出してください。では、ここでは文言、インフラ云々は入れないと。国際連携推進ということで、広く捉えると。
 ほかにいかがでしょう。雨宮委員。
【雨宮委員】 
 見え消しで18ページの教育及び研究者育成の役割のところで、黄色の上のところで、「仕組みを検討することが必要である。」と、これはSPRUCでも結構力を入れてやろうとしているので、「SPRUCと協力して」という一言を入れていただくといいかと。
【福山主査】 
 どこですって。18ページ目の黄色のところの。
【雨宮委員】
 上です。黄色の2行上のところで、「実地研修も含めた教育活動ができる仕組みをSPRUCと協力して検討することが必要である。」と、SPRUCと一緒にやるというところを明示的に入れてもらうといいのかなと。SPRUCもいろいろ大学院連合とかやろうとしているので、また協力して。
【福山主査】
 SPRUCとして、重要テーマとしてこれを掲げていると。だから、これから対応すると。
【雨宮委員】
 ええ。
【福山主査】
 確かにそれは自然ですね。実地研修も含めて教育活動ができる仕組みをSPRUCと協力して、協力の上、協力、検討することが必要であると。そうしましょう。
 ほかにいかがでしょうか。大分はっきりしましたね。
【石川センター長】
 今のところですが、非常にいいとは思うのですが、いろいろなところで別の例えば制度とか、何かが入ってきちゃったときに、SPRUCとの協力がマストになっていると、多分いろいろやりにくいところが出てくるんだと思います。ですから、SPRUCとの協力は1つのやり方としてあって、そのほかにもこういうことはやるんだよという言いぶりにしていただけると有り難いかなと。
【雨宮委員】
 ざっくばらんにちょっと確認したいんですけど、施設側としては、SPRUCというオーガニゼーションとは別に、フリーハンドでできる自由度を持ちたいということですね、今の発言は。
【石川センター長】
 いや。施設側としてというより、例えばどこかが別の制度、例えば具体的に言ってしまうと、リーディング大学院とか、そういうのがあるわけですね、制度として。
【雨宮委員】
 走っているのね、阪大と。
【石川センター長】
 そういうので来ちゃったときに、SPRUCと一緒にリーディング大学院かという議論に今のだとなりかねないわけです。
【雨宮委員】
 縛りになるというわけですね。
【石川センター長】
 だから、そういう別のものが来たときにはできる形の文言にしておいていただきたいのですが。
【福山主査】
 そこはSPRUCの設立趣旨、それからスコープによると思うんだけど、SPRUCはそういうことを全てもろもろ、ユーザーのいろいろなアクティビティーに関して相互に意見交換して理解して、サポートするべきことはサポートするという体制のものであれば、その中に教育とか、産学連携とか、いろいろあったときに、その全体を見て、絶えずいいものはサポートするという方向で動けば、リーディング大学院云々問題も、支障はないんじゃないかなと思うんです。
【雨宮委員】
 今までのSPRUCの議論は、今までリーディングがあると、そういうものをばらばらにやると力にならないので、うまくインテグレートして効率良くやりましょうという議論を始めようとしているわけですね。だから、それがもしネイティブな側面になる可能性があるのならば、そこは注意すべきかとは思いますが、その辺のところは、ちょっとすり合わせはプラクティカルなところで必要だと思います。SPRUCというものが我々、個別にいろいろばらばらでやってきて、何か力になり得なかったものをうまく有機的にコーディネートして、効率良くなることを意図しているんですが、そこなんですけどね。
【石川センター長】 
 だから、そういう形で最初からまとめるのがいいのか。それとも、できちゃったものが後からまとまりの中に入る場合も許すのか、みたいなところですね。
【福山主査】 
 それはSPRUCの性格からして、許せないとだめだと思います。
【石川センター長】 
 だから、許さないと多分だめだと。
【福山主査】 
 そんなけちな組織じゃないですね。むしろSPRUCはそういうのを乗り越えるためにできている。だから、そういう具体的な。
【石川センター長】 
 そのあたりの。
【福山主査】 
 そうですね。具体的な問題があったときは、当事者とSPRUCが絶えず意見交換を重ねれば。
【石川センター長】
 それは多分当然そうだと思いますが。
【福山主査】
 だから、SPRUCはユーザーコミュニティも全て包含して、全てのアクティビティーを包含していると思えば、ここに入っていてもかまわないんじゃないかなと思うんですけど、どうでしょうか。当事者がそう思ってなかったら困るけど。
【雨宮委員】
 ポジティブな側面が出るようにしようと思っているわけですが、これからいろいろワーキングを立ち上げて議論するんですが、予期せぬネイティブな側面が内包されているとすると、石川さんの言うところはそういう可能性もまだあるから、今は明示しない方がいいのではないかという御指摘ですね。
【石川センター長】
 いや、明示するにしても、余りデフィニティブにしない方がいいのではないかと。
【福山主査】
 どっちがいいですか。
【石川センター長】
 今の議論だと、もうどちらでもいいかなと。
【雨宮委員】
 特にこだわりませんが、とにかくこれから議論は、SPRUCとしては教育、人材育成についてはしていこうと思っているということです。最終的には福山委員長にお任せいたします。
【南波委員】
 後ろに一言付け加えたらいかがですか。「仕組みを検討することが必要である。この検討に当たっては、SPRUCとの協力が望まれる。」と。
【石川センター長】
 そういう書き方をしていただければ、全く問題ないんだと思います。
【福山主査】
 どっちがいいかな。だけど、後に付けても結局は同じことで、一番、SPRUCと言わなく、そこにこだわるんであれば、「仕組みを広くユーザーコミュニティと検討する。」とか、そういう言い方もあるけど。SPRUCと限定しない。
【石川センター長】
 そこはユーザーコミュニティと言ってしまうと、何でもある意味で入ると。
【福山主査】
 そう。SPRUCを包含して、もっと広いものになり得ますね。だけど、SPRUCの立場からは、先ほどのコメントはここにSPRUCを入れてほしいということでしたね。
【雨宮委員】
 入れると首を締めるということもありますけど、やらなくちゃいけないと。いやいや、そんなことはやらなくてもいいと言うんだったら、変な意味じゃないけど、元々いろいろたくさんやることはあるので、優先順位を下げてもいいんですけど。
【石川センター長】
 だけども、書いてなくてもどうせやるんでしょうというのもあって。
【雨宮委員】
 どうせやるようにワーキングを立ち上げているところだから。
【福山主査】
 これは、そこまでためらうなら、ここは何も入れない方がいいんじゃない?
【雨宮委員】
 うん。
【福山主査】
 「仕組みを検討することが必要である。」と、そうしましょう。
 ほかにいかがでしょうか。随分いろいろ理解が深まったと思います。では、5回、6回、議論していて、最後のレポートで全てが決まっちゃいますので、本当に御注意いただきたいと思います。どうでしょうか。事務局の方から、何か気になっているところはありますか。一応最後の「おわりに」まで行っちゃったつもりなんですけど、委員の方もいかがでしょうか。よろしいですか。もう御意見がなければ、これで議論を終えたいと思います。
 これからは私と事務局で調整して、今日承った御意見を反映したバージョンを皆様にお送りします。それを最終確認していただいて報告書とさせていただきます。そのやり取りは、何日間ぐらい日数を用意したらいいですか。
【神部補佐】
 今日頂いた御意見は早急に、また、今日か、あしたには。
【福山主査】
 一両日中に。
【神部補佐】
 うちの方でまとめて、またちょっと御相談。
【福山主査】
 それを御確認いただいた後で、参考資料をどこまで付けるかということに関しても、しかるべき時点で皆様に御意見を頂くと、そういうことにさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、今日の作業部会はここで終わり、これから席上配付いたしますのは、今までこのワーキンググループを支えていた事務局の体制が7月1日から新しいバージョンになる。そういうことのチャートで、これは席上配付で、回収する必要あります?
【原室長】
 回収する必要はございません。内部説明資料なものですから、ちょっと細かいところまで書いてありますので、配付させていただきました。
 6回にわたりまして、特に最後は1週間に1回ぐらいのハイペースでの議論にお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。おかげさまをもちまして、いい報告書をまとめていただきましたので、これから5年間の我々の指標として大いに活用させていただきたいと思います。
 それから、今お手元にお配りしましたのは、4月1日以降に我々の体制がどう変わるのか、ちょっと説明が科学技術学術政策局という別の局を中心に書いてある資料なものですから、ちょっと分かりにくい形になっておりますけれども、下の方の4分の1ぐらいに黒い点線で印を付けてあるところの下が今の我々の状態でございまして、今、量子放射線研究推進室につきましては、その上の基盤研究課という課に属しております。その基盤研究課は、研究振興局に属しているわけでございますけれども、4月1日以降、この基盤研究課が科学技術学術政策局の方に移って、課の名前が研究開発基盤課という名前は変わります。その研究開発基盤課の中に量子放射線研究推進室がくっついているという構造になります。
 我々の室ではございませんけれども、基盤研究課の中にナノテクノロジー・材料開発推進室という、一番下に黒い点線で囲ってある部分がございますけれども、それは研究振興局に引き続き残って、ナノテク・材料開発担当の参事官という課と同様の並びの組織に変更になるということで、基盤研究課が2つに分かれて、先ほどのプラットフォーム事業とかをやっている課本体と、SPring-8、J-PARC等を見ている量研室は科政局の方に移る。ナノテク・材料室の方については、課長級に格上げになった上で研究振興局に置かれるという構造になっております。
 ちょっとこの図の中では細かく書かれておりませんけど、実は量研室の中も2つに分かれることになっておりまして、1つ、科政局の方に量研室として行くのは、SPring-8、SACLA等々を見ている共用法の対象の分野については科政局、それから、KEKに代表されるようなKEKの教育研究に関することと素粒子原子核研究については、研究振興局の基礎研究振興課というところに移るということになっています。基盤研究課が2つに分かれるとともに、量研室も2つに分かれて、一部は科政局、一部は研究振興局というようなことになることになってございます。
 委員の先生方には、この作業部会だけではなくて、常日頃からいろいろ御指導を頂いているところではございますけれども、7月1日以降はこのような体制になりますので、それぞれの部署なり、あるいは私の量子放射線研究推進室の方から、また引き続きいろいろ御指導を賜る機会も多いかと思いますけれども、このようなことに来週からなるということで、今回、御紹介させていただいております。
【福山主査】
 どうもありがとうございました。
【高尾委員】
 場所も変わるんですか。
【原室長】
 場所は、研究開発基盤課は15階の方に行きます。ナノテクノロジー・材料開発推進室については、今と同じく17階に置かれます。
【福山主査】
 事務局の方からは。
【神部補佐】
 事務局の方より事務的な御連絡をさせていただきます。まず、委員の皆様方におかれましては、タイトなスケジュールの中、御協力いただきまして、まことにありがとうございました。改めて御礼申し上げます。
 今後の予定としましては、本日の御議論を踏まえて修正等を行いつつ、8月下旬に先端研究基盤部会が開催される予定になっておりまして、そこに諮りまして最終的に決定という流れになってございます。最終的に決定してセットしたものにつきましては、製本したものを皆様方にお送りしたいと考えております。
 また、本日の資料につきましては、お手元の封筒にお名前を御記入の上、机上に残していただければ、後日、郵送させていただきたいと思います。また、旅費の手続の済まれていない方につきましては、後ほど事務局にお申し出ていただければと思います。
 以上でございます。
【福山主査】
 これで最後です。最後ですから立たせていただきます。6回、皆様、御協力ありがとうございました。いろいろ率直な意見交換をしていただいて、それがレポートに反映されると期待しております。そのレポートがこれから有効に役に立つことを祈りたいと思います。
 このワーキンググループを開催するに当たって、大変いろいろなテーマが話題になりました。当事者、SPring-8、JASRI、関係者本当に御対応ありがとうございました。御苦労さまでございました。同時に文科省の方も大変だったと思います。J-PARCのことが途中で起こったり、それから、今、御紹介いただいた改組の問題も、文科省の方も、原室長、神部さん、宮嶋さん、両課長さん、本当にサポートありがとうございました。
 SPring-8のこれからのますますの発展をみんなでそろって祈念したいと思います。どうも御協力ありがとうございました。

お問合せ先

科学技術・学術政策局研究開発基盤課量子放射線研究推進室

荒川・宮嶋
電話番号:03-6734-4115(直通)

(科学技術・学術政策局研究開発基盤課量子放射線研究推進室)