第4期科学技術基本計画に基づく施策の推進に係る検討体制について

平成23年10月11日
科学技術・学術審議会基本計画推進委員会

はじめに

 平成23年8月19日、第4期科学技術基本計画(以下「第4期基本計画」という。)が閣議決定された。今後、文部科学省においては、第4期基本計画に基づき科学技術政策が推進される必要がある。
 基本計画推進委員会は、科学技術・学術審議会に設置されている分科会、部会、委員会等(以下、「分科会等」という。)と連携・協力し、第4期基本計画に基づく施策の推進に資するため、文部科学省として取り組むべき重要事項に関する調査検討を行う。また、総合科学技術会議に「科学技術イノベーション政策推進専門調査会」が設置され、第4期基本計画を推進する上で専門的検討が必要とされる事項等の検討が行われることとなっていることから、同専門調査会の検討状況も踏まえつつ、検討を行う。
 また、基本計画推進委員会は、関係する分科会等に対し、本委員会における議論、審議結果等を踏まえた第4期基本計画に基づく施策の推進に向けた検討、フォローアップの実施を依頼する。

1.各分科会等への依頼事項について

(1)重要課題及びその推進方策等の検討に関わる分科会等

  • 分科会等の所掌事務等に含まれる内容のうち、基本計画に基づき文部科学省において取り組むべき重要課題( 以下、「課題」という。)の抽出
  • 課題の達成に向けた推進方策または研究開発方策(仮称)の検討
  • 推進方策等の進捗状況のフォローアップ
  • 検討結果に関する報告

 基本計画推進委員会は、分科会等から報告された課題を集約し、整理するとともに、関連する分科会等に推進方策等の検討を依頼することとする。
 また、分科会等に対し、課題の達成に向けた推進方策等の検討結果についての報告を依頼する。その際、分科会等の検討結果全体を俯瞰し、必要に応じて分科会等に対して推進方策等に関する追加の検討を依頼したり、助言をしたりすることがある。
 さらに、推進方策等策定後は、年1回を目途に、推進方策等の実現状況について、分科会等に報告を依頼するとともに、必要に応じて助言を行うこととする。

(2)その他の分科会等

 分科会等が第4期基本計画の推進に関わるとりまとめ等を実施する場合は、基本計画推進委員会は、適宜検討状況の報告を依頼する。基本計画推進委員会は、分科会等を俯瞰する視点から、必要に応じて助言等を行う。

2.検討に当たっての留意事項

  1. 基本計画推進委員会は、課題の集約・整理の結果として、課題に遺漏があった場合には課題を追加し、関連する分科会等に検討を依頼することがある。
     
  2. 分科会等において推進方策等を検討する際には、複数の分科会等で同一課題の検討を行う、課題に関連する複数の分科会等の合同開催を行う、分科会等の代表による合同ワーキンググループの開催を行うなど、既存の分科会等の枠組みにとらわれず、必要な検討を行うことができるよう、検討体制を工夫すること。基本計画推進委員会は、分科会等を横断する議論が円滑に進められるよう、必要に応じ助言等を行う。

3.推進方策等の実施に当たっての留意事項

  1. 分科会等は、課題達成に向け、工程表を作成するなど工程管理が適切に行われていること、責任者を設置するなど、マネージメントが適切に行われていることなど、推進方策等の進捗状況をフォローアップし、適切な助言を行うこと。

(別紙)

 第1回基本計画推進委員会における主な意見

〔全般〕

  • 5月31日付の科学技術・学術審議会決定に示されている視点が、分科会等に与えられている重要な課題である。
  • 第3期基本計画の時にも、(第4期と同様)国の姿を描き、それに対して分野別の推進という基礎からの積み上げがあった。それがなぜつながらなかったのか。なぜと理由を掘り下げなければいけない。
  • 第4期基本計画では、基礎研究と人材育成という大きな二つの問題がまとめて位置づけられている。今後の推進に当たっては、両者を分けて議論していかないといけない。
  • 国が課題や重点領域を決めて下ろしていくという思想だけではなく、ボトムアップのシステムをどう国の政策に組み入れていくかが重要。
  • 科学に何ができるかが、一般には全く見えていない。分野や行政の縦割り構造をどのようにリンクさせて、(国民と)コミュニケーションを取って、何の課題をどうやって解決するかということに知恵を集中しないと、(震災の復興・再生に関して)目に見える科学の社会的成果は得られない。

〔第4期基本計画を受けての審議体制〕

  • 複数の分野が、科学的あるいは社会的課題を解決するために知識を収れん、収束させる「コンバージェンス」という考え方が重要。
  • 科学技術・学術審議会の組織には、出口指向、課題解決指向の組織と、領域限定の組織もある。コンバージェンスの考え方は重要だが、既存の組織の特色(良いところ)が消えてしまわないようにした方がよい。
  • この審議会で考える課題が、極めて特殊、限られた課題になっている。本当に社会で解決すべき課題にこたえていないのではないか。広く要請を聞くべき。

〔科学技術と社会との関係〕

  • 科学技術社会が正面から社会と向き合って、社会の要請に応えていく姿勢を明確に示す必要がある。
  • 今回の震災に対して、科学者や技術者がどのような活動をしたか「見える化」する必要がある。直接、科学者や技術者の活動に接したところでは正当に評価してもらっているが、それ以外では関係ないことだととらえられている。 社会の中の科学技術というとらえ方で、情報発信も哲学的な要素も含めて行っていくと変わってくるのではないか。

〔イノベーションの推進〕

  • 日本の強みを活かしたイノベーションを実現する、サステイナブルな牽引エンジンの設計図を描く必要がある
  • 研究をすれば直ちに問題の解決になるのではない。社会への実装には全体の活動のマネージメントが必要。また、工程を作って進めるという体制が必要。
  • 各省のマルチファンディングによる全体的なマネージメントが必要。
  • イノベーションを進めるためには、課題解決に対して権限をもって統合していくリーダーが必要。また、研究者と技術者、産業界が連携しないと難しい。イノベーションを進めるための取組について、研究者の評価が適切になされることが必要。

〔人材育成〕

  • 国がもっとも重要であると同定したところに、国の責任でヒト・カネ・モノをしっかり投入する必要がある。特に人材養成がカギである。
  • イノベーションを支える若手をどういうふうに持続的に育成・確保するかを考える必要がある。国立大学の運営を、国が重要と思う分野、領域の、あるいは課題解決の振興に資するように誘導することができるかがポイントとなる。
  • 大学に学科を作って人材を育てるというのは、対応が遅く、また、若い世代の要望を吸収できない。大学以外でも、若い世代が興味と社会的意義に基づいて活動するところに素早く支援する仕掛けが必要。
  • 非常に長期的に、各政策課題に横串を指すような視点を持って、課題を消化し実現していくという人材が必要。モチベーション、インセンティブを持ってこのような分野に入っていく人材の育成が必要。
  • 新しい知の再構築のための体系化ができる若手を育てなくてはいけない。
  • 洞察力を持つリーダーの育成が必要。

〔評価〕

  • 事前評価、事後評価という仕組みがあるが、そこに入れるべき横串を明確に打ち出せれば、評価の仕方、次の予算への体制が変わってくるのではないか。
  • 課題設定型の(公募)プログラムについては、応募段階から研究成果だけではなく、その中でどういう人材を育成しようとしているかを問うようなシステムを入れないと、いつまでも変わらない。
  • 研究者に対する過度の論文重視は是正の必要がある。

〔委員会運営〕

  • 基本計画推進委員会での議論を各分科会に伝えるべき。
  • 基本計画推進委員会での議論は、単なる議事録ではなく、該当する分科会等はこういう視点で進めてほしいという考え方としても出していただきたい。

〔その他〕

  • 研究には利活用に関する研究に対する評価が低いが、研究ドメインを見直す必要がある。
  • 日本学術会議が巨大複雑系社会経済システムについて8月にまとめた報告書も参考資料として活かしてほしい。

お問合せ先

科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)

-- 登録:平成23年11月 --