研究設備共用プラットフォーム委員会(第1回) 議事録

1.日時

平成27年5月21日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

中央合同庁舎第7号館(金融庁)12階 共用第2特別会議室

3.議題

  1. 共用プラットフォーム形成に係る検討について
  2. その他

4.出席者

委員

宇川主査、野村主査代理、西島委員、野田委員、福嶋委員、高橋委員、森委員、木川委員

文部科学省

川上科学技術・学術政策局長、村田科学技術・学術総括官、渡辺研究開発基盤課長、中川研究開発基盤課長補佐、工藤量子放射線研究推進室長

オブザーバー

圦本北海道大学教授、

5.議事録

科学技術・学術審議会 先端研究基盤部会
研究設備共用プラットフォーム委員会(第1回)
平成27年5月21日

中川研究開発基盤課課長補佐より、主査及び主査代理の紹介があった。

【宇川主査】  それでは、ただいまから第1回研究設備共用プラットフォーム委員会を開催いたします。御紹介いただきました主査の宇川でございます。微力でございますけれども、委員の皆様の御協力を得まして、建設的な議論を進めさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
それでは、事務局より本日の配付資料の確認をお願いいたします。

中川研究開発基盤課課長補佐より、配付資料の確認があった。

【宇川主査】  それでは、資料1-1から1-3に基づいて、本委員会の設置及び委員の紹介を事務局よりお願いいたします。

中川研究開発基盤課課長補佐より、資料1-1、1-2に基づき説明があり、資料1-3に基づき出席者の紹介があった。

【宇川主査】  それでは、まず運営規則等について事務局より説明をお願いします。

中川研究開発基盤課課長補佐より、資料2-1、資料2-2に基づき説明があった。

【宇川主査】  ありがとうございます。
それでは、運営規則公開の手続、これを手続として決定してよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【宇川主査】  それでは、そのように決定させていただきます。
それでは、次に、共用プラットフォーム形成に係る検討に入ります。まずは、事務局から、本委員会における審議の進め方について御説明をお願いいたします。
中川研究開発基盤課課長補佐より、資料3に基づき説明があった。

【宇川主査】  ありがとうございました。議論の前提になるところですので、大事なポイントをおっしゃっていただいたと思いますけれども、今の件に関しまして、何か御意見、御質問がありましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。

【西島委員】  今の34機関は、全てプラットフォームに所属していると考えてよろしいですか。プラットフォームに所属しないで独自で頑張るぞというか、その方がいいぞというような、そんな異端児はいないのですか。

【中川研究開発基盤課課長補佐】  今のところ、はっきり、独自でやるつもりだと相談に来たところはないですね。

【西島委員】  34機関が全部プラットフォームに入っているということですか。

【中川研究開発基盤課課長補佐】  まだ提案段階で、いろいろな組み合わせを、今も皆さん、考えていらっしゃるので、まだ調整中のものもあれば、大体コアメンバーができたというところもあります。

【西島委員】  ということは、先取りして申し訳ないのですが、資料3-3の参画予定機関のこの中には、34機関の名前が出てないところもあるということですね。

【中川研究開発基盤課課長補佐】  はい。出てないところもあります。

【宇川主査】  そこは、いささか議事の先に進み過ぎかもしれません。

【西島委員】  でも、それを頭の中に置いていくのかなと。

【宇川主査】  課長、お願いいたします。

【渡辺研究開発基盤課長】  議論の前提といたしまして、必ずしも34機関を組み換えてプラットフォーム化することではないということでございます。したがって、組み合わせも自由ですので、いろいろな組み合わせがあります。例えば表面計測など、それぞれ、その使用目的に対して最適かどうか、あるいは、どういう形が望ましいのかといったことを、私どもはこれから財務省に対して、よりたくさんのプラットフォームを盛り込んでいかなければいけないときに、どれが一番通るかということを議論して深めていただくということでございます。

【西島委員】  分かりました。

【宇川主査】  よく御存じの委員の方々が多いと思うので、今の議論も多分、ぴんぴんと響くところがあったのではないかと思うのですが、新しく加わった方もいらっしゃるので、一言、二言説明を加えさせていただきますと、机上に配付されている、「先端研究基盤共用プラットフォーム形成事業」という資料がありますけれども、こちらは全国34か所の施設が現在行っている共用の取組、それから、NMRのプラットフォーム、光ビームのプラットフォームという、この2つのプラットフォーム、これが現在動いているということでございます。
現在の事業は、今年度で、3か年で終了ということで、28年度以降は新しい考え方を検討しなければいけない。そういうコンテキストの中で共用プラットフォームを、より幅広に構築していけばいいのではないかということで議論が進められようとしている、そういう背景かと思います。
ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。
それでは、現在取り組んでいるプラットフォームの御説明をいただくということで、平成25年度から取組を開始したNMRプラットフォーム、光ビームプラットフォームについて、それぞれ中核を担っている理化学研究所、高エネルギー加速器研究機構からプラットフォームの取組について説明をしていただきます。
今回のヒアリングの進め方でございますけれども、各機関20分の説明をしていただきまして、あと10分、質疑応答を行う。それぞれ30分、全体で1時間程度を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。準備の方、よろしいでしょうか。
それでは、まず、NMRプラットフォームの取組について、木川委員から御説明をお願いいたします。

【木川委員】  御紹介いただき、ありがとうございます。また、お時間を頂き、ありがとうございます。
NMR共用プラットフォーム、これ、理化学研究所と横浜市立大学と大阪大学で組んでいるものですけれども、これの代表を務めさせていただいている木川です。この時間は代表として説明をさせていただきます。
今日は、NMR共用プラットフォームの将来展望ということで、この3機関でちょうど3年間やって、今年度が終わると3年やってきますので、この先どうするかという議論をした結果を御紹介させていただきます。
まず、その前に、NMR、これは核磁気共鳴、ここにいる方には一々説明する必要はないと思いますけれども、この技術領域、どういうものかということで簡単に説明させていただきます。
もともと分子の形や動きや分子と分子の関係を原子レベルで詳細に解析することができる解析手法ということで、例えば、機器の市場、装置の市場、装置関連市場としては、2013年で、グローバルで大体10億ドルということです。この御時世にも関わらず、成長率7%でずっと成長していっているという。そういう意味では、成長市場ということです。
その内訳としては、装置そのものがこの売り上げの中の55%ぐらいで、それに対して、冷媒とか部品といった、要するに消耗品、これが25%。それから、残りの20%は、これは保守サービスということで、これ、結構大きいと思うのですけれども、こういったことで、機器そのものの市場としては大体10億ドルの市場ということです。
アプリケーションとしては、そもそもケミストリーから始まりまして、製薬やバイオ、食品・日用品、材料・素材といったもの、非常に広い範囲に使われてきたわけですけれども、その中で品質管理の手法、例えば、例えば、本事業、先端研究施設共用促進事業とかの成果として報告されている、例えば、ヘパリンの品質管理とか、こういった食品の品質管理にも使われていますし、最近ですと電池の材料の開発ということで非常に引き合いが多くなってきているということで、非常に広い範囲、ある意味でアプリケーションが非常に広いのが特徴です。
それから、技術のトレンドとしては、高性能化ということで、1つは高磁場高分解能へ向かう方向と感度を上げる方向の高性能化、それから適用範囲の拡大ということで、こういった試料の中でも複雑なものにどんどんいくとか、それから、生の状態、ライブの状態を見るとか、そういった方向へも進んでいくということ。こういった方向と、また別の方向としては、使い勝手の向上ということで、自動化やスループットの向上といった方向。それから、既存の装置も小型化や低冷媒消費といった、そういう意味ではユーザーに優しい方向への進歩というものも、こういった高性能化とまた違った方向、同じような技術をベースにしているわけですけれども、そういう方向に進んでいっているという領域です。
この中で、特にNMR施設としてどういう状況であったかということですけれども、装置は結構高額であります。例えば、今の最先端装置、1ギガヘルツは大体10億か15億ぐらいということで、気軽に買えるような装置ではないと。それから、運営やアップデートする費用も決して安くはありません。それから、単に買えば、それで使えるということではなくて、定常的維持管理というもの、ノウハウや人員やコスト、最近ですと冷媒のヘリウムが入手難になったりするということで、こういったことから定常的管理も簡単ではないということです。
そういう中で、さらに先端装置、こういった非常にトップエンドの装置と、それから、それが製品化されていくには大きなギャップが出てきたということで、先端性装置の高い性能を本当に生かして、よい成果につなげるためには、高度な利用のための技術も必要ということで、そういう意味で、なかなか扱いにくいけれども、うまく使えば非常によい成果が出てくる装置という状況です。そういう中で、いろいろとお金も掛かることもありますし、アカデミアでは大体、学部や部局や研究室レベルでこういったものを整備していくのがだんだん困難になってきたということです。
それから、また我が国で言えば、そういうこともありまして、800メガヘルツ以上の大型装置を導入している企業はありません。それから、若手・独立研究者では、特にこういった大型装置を自分で所有していることはないので、なかなか利用する機会が少ないということ。そしてさらに、先ほど言いましたとおり、非常に利用分野が増えてきて、そういう意味では、今まで使ったことない人が使って成果を出したいといった、そういった分野外の人、非専門家が簡単に装置を、じゃ、使ってくださいと言えば使えるような状況でもなくて、なかなか手軽に活用できないという問題がある。そういう意味では、そういった先端設備や、それを利用する技術をユーザーにきっちりと提供する場が必要であるということで、NMR共用プラットフォームということを我々は組織しました。
このNMR共用プラットフォームは、NMRの先端設備や技術を有する3機関が連携したものです。私がいます理化学研究所が代表となりまして、横浜市立大学、大阪大学、この三者が連携して、現在運営をしております。それぞれ最先端の装置をこのようにそろえているだけではなくて、ユニークな、そして先端を行く技術等を有しております。
例えば、我々理化学研究所では、立体構造解析パイプラインといって、試料調製から構造解析、全てをワンストップサービスでやれる体制を整えている。また、技術としては、高温超電導技術や安定同位体標識技術を有しています。
横浜市立大学は、もともと製薬企業との関係が非常に深くて、また分子と分子の関係を調べる相互作用技術、LC-NMR技術というユニークなものを持っています。
大阪大学に関しては、もともと全国共同利用拠点としての30年以上の歴史を持っていまして、かつ超高感度のDNPの技術やデータベースの開発といった、そういう意味では、それぞれ非常に先端の設備と技術、それぞれをきっちりと有している3機関が連携しています。
25年からこのプラットフォームを形成しまして、今までに連携強化、利便性の向上、広報や人材育成活動というような活動を進めてきまして、さらにNMR技術領域を発展させる課題を三者共同で運営するということ。それぞれ共用の活動、施設を共用する活動は機関ごとにやっているわけですけれども、それとは別にプラットフォームとして、技術領域の発展に資するような課題を支援するということで、特定課題利用という枠を設けて運用してまいりました。
その取組の中、幾つか簡単に紹介しますけれども、まずポータルサイト、このアドレスにいきます。ポータルサイトを作りまして、これは将来的なワンストップサービスに向けた窓口として作っております。そして、課題の受付をここから進めるということで、今までは、さっき紹介しました3機関が共同で運営している課題枠のみの受付でしたけれども、今年度中に各機関の課題受付がこのポータルサイトからいけるようになるということになります。そういう意味では、ユーザーとしては非常に使いやすくなっていると思います。
それから、3機関の利用事例の紹介や3機関の設備を一括検索する。例えば、700メガヘルツ装置が使いたいという場合に、どこの機関にあるかということをこのポータルサイトから一発で検索できることになっています。そういう意味で、利用者の利便性向上に向けて取組をしております。
それから、先ほど言いました特定課題利用枠というものは、これはプラットフォームやNMRの技術領域の拡大発展に寄与する利用課題を実施するということで、先端技術の開発、複数機関にまたがる利用といった、これからのプラットフォームにとって非常に大事なことを支援するというような課題です。そういう意味では、一般的な共用の課題とは少し毛色が違っていますが、こういった課題をプラットフォームとしてきっちり推進することによって、将来、ここで生まれた技術がNMRの技術領域をさらに発展させるということで、我々、こういったことで支援をしてまいっております。
どういった課題が採択されているか。ちょっと見にくいですが、一覧で、後でごらんになっていただければ分かりますけれども、大学の研究者の方や企業の研究者の方、いろいろな方がいろいろな形で、この特定課題利用という枠を上手に利用して、これから先に、次のNMR技術領域を担うような技術や装置技術の開発といったものを進めています。
その中で1つ、この特定課題利用もうまく組み合わせた形で、開発と利用がうまく連携して成果が出てきた例を紹介させていただきます。これは、阪大さんが開発したDNP法による超高感度固体NMR装置の開発に関するものなのですけれども、もともとは、ちょっと、これ、見にくいのですけれども、先端計測プログラムでプロトタイプ機の開発が行われました。これ、2006年から開始で、2011年になる。それから、その後、先端計測の中の開発成果の活用の普及促進というプログラムの中で、少しずつユーザーに提供を始めたわけですけれども、この中で、このプログラムの間に、今度は先端研究施設共用促進事業ないしは共用プラットフォーム事業が始まりまして、この中で、この装置がまず共用に供されることになりました。
そして、2013年からNMRプラットフォームが開始されたときに、この特定課題利用枠を使って、初代のDNPプローブの実用化・共用を日本電子が行いまして、その結果として、ここからこの技術が一般的な共用として用いることができるようになったということです。
さらに、2013年、これが開始された前後に、補正予算によって、この技術をベースにした新規の装置が大阪大学に導入されます。さらに、それに対しての次世代のプローブの開発というものを日本電子が行いまして、その後、これが共用に供されたことで、そういう意味では、開発をするプログラムと共用のプログラムがうまく組み合わされたこと、プラットフォームというものがうまく組み合わさったことによって新しい技術がこのように共用に結び付いて利用に結び付いていると、こういう成果も生まれてきております。
こういうような活動を、我々、2年半ぐらい続けてきたわけですけれども、その中でNMR技術領域、我々、プラットフォームを最初組んだときから、少しずつ取り巻く状況が変わってきています。
まず1つは、次世代のNMR装置というものの開発状況が見えてきまして、それが汎用の分析機器のスケールを確実に超えてしまうような非常に大きなものになってきました。ヨーロッパのブルカー社が1.2ギガヘルツのNMR装置の開発、受注開始を発表しました。これが大体、レートによりますけれども、20億円程度。少なくとも、簡単に買えるようなスケールのものではなくなってきたという。それから、あくまでこれはできましたという話ではなくて、開発を開始します、ですから受注してくださいという話で、開発開始とともに受注を受け付けて、しかも、驚くことに、うわさレベルですけれども、8台、既に受注しているという話です。
それから、EUは、こういったことを見越してなんだと思うんですけれども、そもそも先端的な装置、非常に大型装置に関しては、優先的な集中的配置による効率的活用を10年以上にわたって進めてきまして、こういったことで、こういった状況に、次の世代の装置はなってきているということです。
もう一つは、そういった最先端機器というものを、ぱっと渡されてユーザーが使えるような状況ではないことも明確になってきています。そういう意味で、先端機器とユーザーをつなぐ存在が欠かせない状況です。開発されたものが製品化され、ないしは開発されたものをユーザーが本当に利用できる、そういう状況の間に大きなギャップがある。それにも関わらず、最先端装置、これ、うまく使えば非常に大きな成果を出すことは確実ですので、そういう意味では、製品化前にでもどんどん使って成果を出すことが非常に重要になってきます。そういう意味で、EUはそれも含めて非常に上手にやっているわけですけれども、そうすると何が必要かということ。こういった製品を利用しやすい環境、ないしは利用するための周辺の環境・技術の整備も大事であって、ある意味でプラットフォームはこれを担わなきゃいけないと思います。
それから、もう一つ、この先端機器、ぽっと置いて使えないと言いました。そういう意味では、それを駆使できる人、特にその高度な技術支援者が非常に大事です。我々、そういう意味では、これの確保に非常に苦心惨憺しているわけですけれども、そういった育成・配置は非常に重要です。そういう意味では、よく考えてみますと、SPring-8といったような放射光施設、ある意味で超大規模な施設とほぼ同じような状況になってきていることになります。
その中で、もう一つ、NMR業界の非常に特殊な事情としては、VArian社を買収しましたAgilent社がNMR分野から撤退するということが昨年の10月に発表されて、今、世界で2メーカー体制になってしまったということで、そういう意味でだんだん競争状況ではなくなってきたということで、放っておけば、企業は技術進展を余りしないことになってきますので、ユーザーが一生懸命技術開発しないと、技術が陳腐化していくのが早くなっていくということで、そういう意味で、ユーザーの積極的主導も重要な状況になってきたということです。そういう意味で、NMRのプラットフォームの役割は非常に大きくなってきたということです。
こういった状況を踏まえて、我々、第2期、次の期では、このような方向性でプラットフォームを運営していきたいと考えております。まず1つは、先ほどの開発と利用をきっちりと結び付ける場となろうと。それから、今まで3機関でしたけれども、この3機関をコアにして、連携協力関係を拡大していこうと。それから、知の蓄積と共有の場としてもなるべきだと。そして、人材の育成機能も強化しようというような方向で進めていきたいと思います。
それぞれについて、もう少し詳しく説明させていただきます。まず、開発と利用の取組に関しては、そういう意味では、開発の入り口と出口を担うのがプラットフォームであると我々は考えております。そういう意味で、まずユーザーのニーズを吸い上げて技術開発へ反映させる。これは非常に大事です。それから、そういう意味ではニーズをもとに開発された製品化前の技術でも、機械ないしは技術をユーザーに対して提供する存在でもあるべきだということです。そして、それが利用しやすいように環境や技術を整備していくこと。技術というのは、装置そのものの技術でありますし、装置の周辺の技術、そして、装置を利用して成果に結び付ける技術、こういったものを含めた全ての技術を意味しています。それから、もちろん、みずからも開発の一部を担うべきであるということで、こういった開発の入り口と出口を担う存在です。
そういう意味で、我々の提案としては、是非、先端計測と連携して、NMRプラットフォームへの導入・活用を前提としたような開発課題を特にやらせてほしい。我々はユーザーニーズを持っています。それから、NMRプラットフォームとしては、こういった技術の方向に進んでもらいたい、こういう技術が欲しいという要望があります。これをまさに反映して、完成した途端にNMRプラットフォームに導入されて利用するような技術を即事に結び付けるものを、是非先端計測と連携してやっていきたいと思います。
それから、今までは3機関でしたけれども、開発する企業、開発者、こういったところの連携強化、ないしはユーザーのコミュニティーとの連携協力、こういったものもいろいろとやっていきます。この参画については、次のところで説明します。
連携協力に関する取組ということでは、広範な連携協力関係の構築による国内ネットワークの形成ということで、今まで我々、中核として3機関がやっていましたが、これをコアにして、より広い協力関係を作っていきたいと思います。相手としては、まずもちろん開発する人たち、これはアカデミアの人だったり企業だったり、そういったものとの連携をする。それから、もちろんユーザー側、これもアカデミア、企業ありますけれども、こういったユーザーとの連携をする。そういう意味で、ニーズがこちらから、ユーザーから我々を通って開発に行き、先端機器・技術がこちらに、開発から我々を通ってユーザーに提供される、こういったフローをしっかりと作りたい。
それから、こういったコミュニティーやソサエティーとの連携も進めていく。ないしは、他のNMRの共用施設や他のプラットフォームとも連携や協力を進めていくということで、そういうような広い国内ネットワークを作っていきたいと思います。また、国外のプラットフォームとも、特にEUのNMR施設群とはなるべく早い時期に連携関係を作っていきたいと思います。
そういう中で、この中核の3機関はコアとしてもう少し、我々がこれからやりたいと思っている機能の一部を担うような機関を、このような形で参画機関として是非プラットフォームに参画していただきたい。また、これ、画面ではちょっと薄くなっちゃっているんですけれども、それとは別に、もう少し緩い関係での協力というものを進めていきたいと思っています。それは、活動に協力する協力機関として、ここに円がありますけれども、こういった形で参画していただくと。参画する人たちは、開発者であったりユーザーであったりソサエティーであったり、こういったプラットフォームだったり施設だったり。こういうところとしっかりとしたタイトな関係を持つ人たち、それから緩い関係を持つ人たちを含めて、多層的な連携関係を進めていきたいと思います。
次に、知に関する取組ということでは、我々のところには様々な知が蓄積されています。是非これを蓄積するだけではなくて、形式化して共有したい。どういった知が集まっているか。課題、問題、こういった計測をしたい、こういった問題に対してデータを出したいということに対して、どういった測定をしたか、どういった解析をしたか、どうした試料を作ったか、そういうノウハウが我々には蓄積されています。
また、機械の装置のログ、障害情報や対処方法というのは、実は個別に集まっています。これをうまく大規模で集積、収集することによって形式知化していくことは非常に大事だと思っています。
その中で、どういったポリシーを持ってデータを集めるか、データを規定するか、保存するかということのポリシーの策定もこれから大事だと思います。それによって、効率的に共有が図られると思います。
それから、またNMRに関してのデータベースは、例えば、阪大の蛋白研が運営しているプロテインデータバンクやBMRBデータバンクといった、こういったデータバンクが既にありますし、また、これは、昔は産総研の研究者がやっていましたが、現在、日本電子、ジオル・レゾナンスが運営している天然物のNMRデータベースがありますので、こういったものとの連携も含めて、この知に関する取組をやっていきたいということです。
人材に関する取組に関しては、この人材というのは何か。NMR技術領域に関わる人、これを人材と我々は考えています。そういう意味では、先端的な機器や技術を駆使する人、開発する人、利用する人、こういったものを含めて全ての人材を育成すること及び再教育することを、我々、より真剣にやっていきたい。特に再教育というのは非常に大事でして、例えば、企業にこういったNMR技術を持って入られた方、数年たつと、だんだん最先端のものに追い付いていけなくなる人、結構多いので、そういった人が我々のところにやってきて、もう一回、リカレント、リフレッシュして帰っていく、そういった機能も含めて、我々、きっちりやりたいと思っています。そういう意味では、プログラムとしては、セミナー、勉強会、講習会、トレーニングコース、いろんな形で我々のところで提供するメニューをこなすことによって、人材が育成されたり再教育されたりするということです。
それから、もう一つ大事だなと思っているのは、人材交流や交換の場を作ることです。特にセクター間、ユーザーと開発者の間とか、アカデミアと産業界の間といった異なるセクターに関する人たちが交流し交換して、エクスチェンジしていくことが多彩なキャリアパスを作るために非常に重要だと思っています。また、そういう中では、こういった教育を受けた人に対して認定制度、免許皆伝とか、そういったことをやれたらいいなと思っています。
そういうことで、我々、第1期は3機関でコアを形成し、第2期は国内ネットワークを形成する中で、開発と利用の連携、連携協力の拡大、こういったことをやっていく。そして、第3期には、さらにそれをベースに、この活動を統合させて世界拠点化、世界ネットワーク、こういった形で我々のNMRプラットフォームが発展していきたいと考えております。
以上で説明を終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。

【宇川主査】  ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等ありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。西島委員、お願いします。

【西島委員】  私、比較的、この分野は分かっているので、細かいことは別として、資料3-1の9ページのところを見せてもらえますか。ここに象徴的に、1.2ギガヘルツという非常に大きな装置になって、放射光施設に似た状況になってきたというのは、まさしくそうだと思うのですが、そうなった場合に、例えば、放射光の場合には、SPring-8という世界一のものを造ったときに、かなり国産技術が入っていて、米国アルゴン研究所を視察したときにも、日本は優れた放射光施設を建設したと褒められたのですけど、この1.2ギガクラスのものについて、国産のものにこだわるのですか。それとも、例えば、車で言えば、外車じゃなくて、あくまでもトヨタだとか、あるいはハンドルを換えるとか、日本の道路状況に合わせて、ユーザーオンリーに使いやすくするので、既にエンジンとか何かで実績を持っている外車にするのだという、この辺のところは、最初に立ち位置をしっかりしておかないといけないかなと思いますが、どういう状況で臨んでいますか。

【木川委員】  まず、理化学研究所としては、現在、1.3ギガの開発をやりたいと意思表明はして、今、一生懸命予算取りに奔走しておりますが、これが完成するのは、使えるようになるのは2020年以降になっています。そういう意味では、第2期の間というのは、国産と海外製品とのミクスチャーになっていくのではないかと思っています。第3期には、フラッグシップは国産になると思いますけれども、国産だけではできない技術、例えば、特許の問題があってできない技術があると思いますので、そういう意味では、なるべく国産にシフトしていくべきだと個人的には思いますけれども、それでできない部分は海外製品で補うこともあるかと思っています。

【西島委員】  多分、このNMRのプラットフォームは成功というか、企業の方に使ってもらっているのは、さっきおっしゃったように、企業が余り持っていない装置を使っていて、しかも最先端だったという魅力があるので、その辺はやはり大きなものを常に磨いていくときに、国産にこだわるのか、あるいは海外製品のトップなのかというのは十分考えた方がいいのかなというのが1点。
もう1点、人材育成ということなのですけれども、例えば、先ほど、「再教育」という言葉が出ましたけれども、400、500MHzを使っていた人間に、700、800 MHzの部分で教えながら使うという場合、1.2GHzぐらいになってくると、教育するのか、専任オペレーターでサンプルを送って、いいデータをもらってくるというような、そういう方式にもなると思うのですが。

【木川委員】  もちろん末端ユーザーにとっては、もしかしたら、そういう分析受託みたいな方がありがたいこともあるかもしれないと思います。ただし、我々、その中では、技術支援者というのも必要です。分析をやる人ですね。逆に、受け付けて、ちゃんとしたデータを出す人も大事ですし、企業の中でも、そういう意味では、本当の性能を知ってないと、それを生かして……。

【西島委員】  データの取り扱いという意味ね。

【木川委員】  はい。それを生かした仕事を発想できないということがあると思います。そういう意味では、NMRの分野がなかなか簡単にいかない1つの理由は、サンプル自体をどういうものを測定に掛けるか、どういった条件で掛けるかということも、実際にはきっちり何が取れるかと、うまくマッチングを取らないといけない。それが我々、「利用技術」と言っているものなのですけれども、こういったものが大事ですので、送ればやってもらえる人たちも、きっちりと装置の性能、装置の限界も含めた性能です。何が取れるか……。

【西島委員】  という意味でのプラットフォームの人材は、うまく運用して、プログラム化されているということですね。

【木川委員】  プログラムしていきたい。しっかりとやっていきたい。今までは、ある意味で、そういう人たちがいろいろと散発的に来たりするなど、組織立って運営はできてなかった部分はありますので、それを組織立った運営として、多層的な人たちに対してうまく対応できる仕組みをきっちりと作りたい。そうしないと、この分野がだんだん、何しろやっていくのは人ですから、人をきっちりと育成していくことは大事ですので、きっちりとそういった形を作っていきたいと思います。

【西島委員】  分かりました。

【宇川主査】  ほかにいかがでしょうか。では、順番で、野田委員からお願いします。

【野田委員】  2つあるのですけど、まず2ページ目で、技術のトレンドとして、高分解能化と高感度化というキーワードがあるのですけれども、今の非常にスーパーの強磁場のNMRを開発するというのは両方含まれているのか、あるいは、技術開発として、高感度化というのは、例えば、計測側の技術開発は結構重要なのかなという気も少ししたのが1つ。
2つ目も2ページ目で、特に電池関係だとか、いろんな分野で利用者が広がっているということで、やはり手軽に利用したい場合に、要するに、そのインターフェースが結構必要ではないかと、コーディネートの機能ですね。その辺をどういうふうに考えていらっしゃるか教えてください。

【木川委員】  最初の御質問は、この2つ、両方やっていく必要があると思っていまして、高磁場高分解能、まさに磁場を上げると分解能が原理的にきっちりと上がってきます。そういう意味では、これはかなり高磁場化を担う部分が大きいです。それに対して、高感度化というのは、NMRの場合は磁石の中にサンプルを入れて、検出器でデータを検出するわけで、その検出器の部分の技術がありまして、これは高磁場化とは全く別に進んでいくものです。
実際、例えば、阪大さんの作ったDNPですと、100倍ぐらい感度が上がるといったものがありまして、こういったことは両方やっていく必要がある。そして、高磁場化というのは、ある意味で、大きい磁場の装置にしか、直接のメリットはないわけですけれども、高感度化は、これは小さい、実験室レベルの装置にもメリットのある技術になりますので、その両方向で進んでいくべきだと考えます。
それから、インターフェース、これはおっしゃるとおりで非常に大事でして、そういう意味では、そういったことをやれる、相談をして、実際に対応して、データを出せるようなのが、我々は「高度技術支援者」と呼んでおりますが、これはある意味で、Ph.D.を持ったぐらいの能力の人が必要で、そういう人は常に我々がキープしていかなきゃいけないものだと思っています。

【宇川主査】  よろしいですか。
それでは、福嶋委員、お願いします。

【福嶋委員】  2ページ目のトレンドのところに書いてある2番目の適用範囲の拡大のところなのですけれども、こうなりますと、今までの御説明では多分、NMRを使った御経験のある方で、最先端を使いたいというお客さんが多いのだと思いますけれども、そうではなくて、何となく、こんなことを知りたいというようなお客さんも出てくると思います。そうすると、この委員会の目的でもあるのですけれども、ほかの機器とかそういうところとの連携みたいなことは、そのようなお客さんはもう出ていますかということと、連携はどういう形でやろうとしておられるかをお聞きしたいと思います。

【木川委員】  そういう意味では、P12の右下、「プラットフォーム、光ビーム、ナノテク、‥」と書いていある部分、いろいろな、今ある光ビームのプラットフォームやナノテクプラットフォームや、そういったところとの連携と思っています。実際そういう課題があったかということですけれども、理化学研究所ではそういう課題が結構来ています。実際、NMRではこういうデータが取れましたけれども、例えば質量分析や比熱分析など、そういったものでこういうデータを取られた方がよいでしょうということで、そのケースでは、そういった分析は会社さんのすぐ近くの分析センターで対応ができるということで、ユーザーさんが自分で周りの技術センターに行かれたという事例はありました。それは、多分、だんだん多くなってくると思っています。

【宇川主査】  では、森委員、お願いいたします。

【森委員】  いろいろ熱心な取組を聞かせていただいたのですけれども、少し引いた視点から見ますと、装置の開発というのは、大学におられる装置系の研究者なら、されるし、それから、1ページ目にあるのですけれども、「知を蓄え、人を育てる」、これも文部科学省の人であれば当然、既にお配りしている予算の中でやるべきだというような視点もあり得るかと思います。
このNMRの共用プラットフォームが成功例としてアピールしていく上では、やはり三者が連携して初めて、利用者にとって、こういういいところがあったというのが、何か分かりやすい形で出てくることが大事だと思うのですけれども、三者を連携しなければできなかったことというようなところを、何か少しまとめておかれるのは大事ではないかと思います。

【木川委員】  ありがとうございます。では、その視点で、そういう意味では、まだ明確に発表できる成果まではいってない部分もありますが、例えば、こちらの課題、資料3-1のP7における帝人ファーマの上村先生の課題などは、これは大阪大学と理化学研究所が今、連携してやっております。最初は大阪大学に話が来たのですけれども、ある部分の計測は理化学研究所でしかできないものがありまして、そういう意味で、現在、この課題は両方の施設の機能をうまく使って1つの目的に向かっていくということは、これは、まだ発表できるデータまではいってないのですけれども、そういうような話も今始まっています。

【森委員】  ありがとうございます。大体分かったのですが、私が言いたかったのは、そういうことも含めて、やはり共用にして初めて、こういうメリットがあるのだというところをアピールすることが、ほかの知の蓄えとか人を育てるとか、装置開発はもう既に配っている予算でできると言われれば難しいところがありますので、大切と思います。今まできておられなかった企業に新しく使っていただいて、すごい成果が出て、それが日本の産業を高めていく上でもプラスになったというようなことは、これは共用ならではの重要な成果ですので、強いアピール点として、1つお持ちになるべきだと感じました。

【木川委員】  参考資料1の5ページ目における先端研究施設共用プラットフォーム事業の説明の中に、「ヘパリンの安定供給の確保」というものがあります。これは、ヘパリン製剤、医療とかに非常によく使われているものに、アナフィラキシー様の症状を引き起こす不純物が入るということで、これは世界的に1回、かなり大騒ぎになった事例がありまして、横浜市立大学のNMR施設を上手に使うことによって、原因物質の特定方法がまず分かった。それとともに、実際に、これ、味の素さんのヘパリンに関しては、それが含まれてないことが分かって、安定供給を続けることができた。そういう意味で、企業の活動にとって非常に重要なものが、このNMR施設を共用することによって初めてやることができたということ。
さらには、これによって日本薬局方が改正されて、日本ではNMRをとって、スペクトルをとって、このヘパリンが、不純物が入っているか入ってないかということを決めるという。そういう意味ではプロトコールまで確立したということで、これは昔から、まだプラットフォームを形成する前の仕事ですけれども、こういったような成果は、そういう意味で、日本の企業の産業活動を救う成果は出ているということは1つ、今までも宣伝していたわけですけれども、こういったものをもう少し充実させていきたいと思っています。

【宇川主査】  ありがとうございます。

【森委員】  ありがとうございました。

【宇川主査】  よろしいでしょうか。

【西島委員】  1点だけ。

【宇川主査】  そろそろ時間なので、1点だけ、最後。

【西島委員】  全体に関わってくると思いますので、あえて言うとすると、これは、トライアルコースを使って成果公開で進んでいって、本当に役立つのだというものについては成果非公開で進んできているので、極端に言えば、成果非公開、成果専有でやっていく課題が増えていかないということは、ある意味、産業界にとって魅力がないという、それが1つの指標になると思いますし、それから、公開は、いいものほど世の中にすぐ出ないものだと思えば、森先生のおっしゃったのは大変重要な視点だと思いますので、この辺はそういう視点を見て捉えていく必要があるのかなと思います。

【木川委員】  そういう意味で、いいものはなかなか、出ていても、我々、言うことができないという意味のジレンマがありまして、ただ、あと何年かすれば、これがNMR施設の成果だということが企業の活動の中で言えるものも出てくる、発表できるものがあると思っています。

【宇川主査】  では、課長、最後にお願いします。

【渡辺研究開発基盤課長】  西島委員の御指摘に関しまして少し補足をさせていただきます。
西島委員の御指摘の中で、1ギガヘルツ超のものの、国産でいくのか、どういう形でいくのかという御指摘ございましたけれども、最初に中川の事前の紹介からも少しございましたように、もう一つの先端計測分析技術・システム開発委員会というところがございます。その委員会で、まさにNMRだけではなくて、いろいろな先端計測機器で、いろいろなものが見えてきたり、その開発が進んできたりしておりますので、日本政府としてどういったものを進めていくのかといったような議論をしていただきます。合同開催の可能性もありますと申し上げましたのは、まさに西島委員御指摘の点でございまして、プラットフォームの中で最先端のものを日本の国として開発していくという考え方もございますので、御指摘の点につきましては、先端計測分析技術・システム開発委員会に申し送りをするとともに、将来的には合同の議論の必要性についても検討させていただきたいと思っております。
それから、理研に関しましては、たまたま過去のプロジェクトの関係で、NMRに対して非常に知見が蓄積してきたことはございますけれども、理研のプラットフォームとしてお願いをしたいところは、長期的な展望の中で、ほかのいろいろな施設、それこそ最先端の機器という関係ですと、ホログラフィー電子顕微鏡ですとか、SPring-8も共用法の下にはありますが理研の中にあるわけですし、そういったものとの関係の中でどういった組織運営をしていくか。理研全体としての運営という観点が非常に重要になってくると思いますので、その点は引き続き検討させていただくことだろうと思っております。
以上です。

【宇川主査】  それでは、もう時間も過ぎていますので、次の課題に行きたいと思います。光ビームプラットフォームの取組について、野村委員から御説明をいただきます。それでは、よろしくお願いいたします。

【野村主査代理】  それでは、光ビームプラットフォームに関して簡単に御説明させていただきたいと思います。
まず、プラットフォーム、中身に関して、そんな細かくお話しすることはございませんけれども、多少、今御説明いただいたNMRと違う点は、光ビームプラットフォームを構成している8機関、いずれも、それぞれホームメードといいますか、日本のいろんな企業の力を集結しながら造ってきた施設です。一つとして市販の装置はございません。その辺がかなり性格的には違う。研究者が造ってきた施設で、もともとどの施設も基本的に、ラボにおいて自分たちで使うというよりは、もう少し広く、いろんな方に使っていただくことを、もともとミッションとして進めてきた施設の連合体です。
8施設ありまして、南からいきますと、九州シンクロトロン、SPring-8、ニュースバル、SPring-8さんは連携機関となっています。それから、立命館大学、あいちシンクロトロン、レーザーで大阪大学、東京理科大学の赤外自由電子レーザー、我々、KEKのフォトンファクトリーということで構成しております。
ここでの活動は、ネットワーク化によって高度利用支援ということです。というのは、先ほどお話ししましたように、個々の施設はもともといろんな形で共同利用といいますか、共用といいますか、そういうようなことを進めております。ただ、これだけのいろんな施設がある場合に、個々のユーザーの方がどの施設を使うのが一番いいか、なかなか分かりにくい。そういうようなところを一元的に、できるだけ情報提供していきたいということを狙っております。
また、個々の施設がそれぞれ、ある意味で競争しながら独自に発展していったところもありまして、そのためにユーザーの方にとっては、どの施設を使うかによって、いろいろと実験状況が違ってしまうというようなことがあります。そういうことについて、やはりプラットフォームを形成することによって、できるだけユーザーフレンドリーな環境を作っていこうということを進めようとしています。
また、こうやって機関が連携することによって、新しい測定方法とか解析方法を作っていくということで、特に高強度のレーザーと放射光を複合的に利用するようなことで新しい研究展開というようなことを考えておりますし、また、先ほどのNMRでもありましたけれども、高度研究支援人材というのは、今後、こういう施設を維持・発展させ、また多くの方に使っていただくためには非常に重要ですので、こういう点にも重点を置いております。
また、この光ビームプラットフォームでは、基本的に産業利用というところにフォーカスして行っております。そういう中で、こういう先端的な研究施設と産業界が力を合わせることによって、どうやって新しいことを作っていくかというようなことを課題にしています。そういう中で、最初は、当然といえば当然ですけれども、様々な形で広報活動を行っております。広報活動の中で、もちろんホームページを作るとか、各種の展示会でやるとか、学会等で行うとかあります。ホームページを作っても、今、世の中、大量の情報がありますので、なかなかここへ来ていただけない。まず、この光ビームとか、そういうことを知っていただくことが大事ではないかということで、新聞とか雑誌の協力も頂きまして、広報を進めております。
とりわけ、この光ビームを宣伝するだけじゃなくて、せっかく文科省として先端研究基盤共用プラットフォーム形成事業ということをやっておりまして、この中で全国の34組織のものを使えるわけですので、そういうことを産業界の方に認識を深めていただこうということを目的にして広報活動を行っています。
その中では、こういうような日刊工業新聞さんの「コアテクノロジー」という欄で、昨年11月から今年の1月に関して、都合9回、こういう形で記事にしていただいたり、現在進行中ですけれども、『オプトロニクス』という雑誌の中で、「共用施設活用のススメ」ということで、全体のことをまず文科省の方に書いていただいた後、各施設の紹介等を進めています。そういうことで、いろいろと広めていこうということです。こういうような研究会等も行っておりますということです。これは機関連携で進めています。
それから、互換性の向上ということに関しまして、1つはデータフォーマットを統合して、統一できるものについては統一していこう、若しくは互換性を上げていこうということです。この辺、市販の装置と違いますのは、市販の装置ですと、多分、メーカーさんごとにこういうことが決まっておりますけれども、最初にお話ししましたように、各装置、各施設ごとに独自で特注品として作られているとか、データ制御のソフトウエアに関しても、それぞれの施設の担当者が作っているというようなこともありまして、いろんな形でデータフォーマットが違う。そうしますと、ユーザーの方にとっては、ある施設と別の施設でデータフォーマットが違うと、解析ソフトに渡すときに非常に苦労するというようなことがありまして、現在、まだ完全な統一までいかないわけですけれども、検討を進めております。
また、実際に試料を載せて測るときに使うサンプルホルダ等々に関しても互換性を保とうということで、今、いろいろと議論を進め、今年度、少し試作をやろうとしています。ここに示していますのは、嫌気性の試料ですね。空気とか水分に触れると変質してしまうような試料を実際のユーザーの方の実験室で作って、それを測定の場まで運ぶときに使うトランスファーベッセルというのがありますけれども、それと実際のサンプルホルダとをある程度統一化、互換性を上げていけないかということです。この辺、研究成果として幾つか出てきておりますということで、もう時間も限られておりますから、個別にはお話をできないかと思いますけれども、こういうことで、例えば、これは立命館大学の例ですけれども、クラレさんとの中で新しい材料の評価とか、こちらはいわゆるDLC、ダイヤモンドライクカーボンの評価の方法で標準化を進めようとか、そういうことを進めております。
また、こちらは大阪大学を中心にですけれども、テラヘルツの技術を活用して太陽電池の評価システムを、この画面では見えないですけれども、お手元の資料を見ていただいた方がきれいかと思いますが、こういうような装置につなげていくというようなことが着々と進められております。
また、組織の連携といたしまして、例えば、東京理科大学のFELで照射した試料について、立命館大学の放射光を使って評価するというようなこととか、大阪大学のレーザー研とKEKとが連携することによって、レーザーで刺激を与えながら、その構造変化を追っていくとかというようなことが行われております。これは、レーザーを照射することによって衝撃圧縮が起きますので、衝撃圧縮が起きる前と起きた後でどういうように物質が変わっているかということを、ある会社と連携しながら、現在進めているということです。
また、このプラットフォームを形成することによりまして、各機関の特徴を生かした研究を進めるということで、これは日産アークさんの例ですけれども、SPring-8、立命館、あいちのSRセンターを横断的に利用することによって蓄電池の研究開発を進めるということを行っております。
例えば、SPring-8の強みとしては、硬X線を使ったin situの時間分解XRDをやると。それから、立命館では、軟X線を使って、酸素とかリチウムというような非常に軽い元素の状態を調べる。それから、あいちでは、電解液とかリチウム塩に含まれているリンとか硫黄というような、ちょっとこちらよりは重い元素を調べるというようなことで、こういう3機関をうまく使うことによって、ターゲットとしている蓄電池の材料に関して総合的に理解を深めるというようなことを進めてきています。
人材育成ということ、これ、非常に大事でございまして、1つはエンドユーザー向けの講習会等々の形はいろんな形で進めております。それと同時に、やはり我々がプラットフォームを形成して高いレベルのサービスを提供していく、若しくは技術支援をしていくためには、プラットフォームを形成する人間同士がきちんと理解して、それぞれのプラットフォームを構成している機関がどういう特徴を持っているかというようなことを理解していくことが必要ですので、最初の段階は、ある意味で各機関のコーディネーターレベルの相互理解を深めてまいりましたけれども、一昨年末ぐらいからですか、現場レベルで実際にサポートする方たちの間の交流を深め、そういうことによって技術レベルを高めていこうというようなことを進めてきております。
利用状況ですけれども、産業利用の状況を図に示しております。世の中、産業界の利用状況というのは、ある意味でいろんな社会情勢等々を反映する面もあるわけですけれども、この事業が最初にスタートした2007年から、2013年にプラットフォーム事業がスタートしまして、左側は産業界による利用課題数、この事業の利用課題数ですけれども、このような形でどんどん増大しております。共用事業による利用時間で、これは産学官の利用ですけれども、各機関、やはり上がってきているということがあります。そういうことによって、課題数として約半分強、時間で約9割がこの事業の中では産業界によって利用されているという形になっております。
また、この事業の中では、ある意味、基本的にはトライアルユースとか、そういうことをベースに進めておりますけれども、先ほど、西島委員からもお話ありましたように、産業利用の場合、有償の事業に移っていくケースが1つのケースとして考えられます。この有償利用の件数、有償利用の利用時間はこの図でございます。この事業、先行事業の始まった頃は非常に少ない有償利用の状態でしたけれども、現在、特に、あいちさんが加わったこともあって、有償利用が非常に増えてきています。利用時間にしても、かなり増えてきているということがあります。
今後、どういう点を強化しなくちゃいけないかということですけれども、全体として、やはり光ビームプラットフォームとか、そういうことの認識をさらに上げていただくと。特に産業界の方にとって、放射光とかレーザーということはある程度御存じだと思うんですけれども、それをどう使っていいかとか、そういうことの理解を深めていただく。それから、我々の側として、ユーザーサポートの改善を進めていくということと、どうやって社会貢献に向けて我々として取り組めるか、あと人材育成というようなことが重点項目になります。
取組の方向性といたしまして、1つは、共用の認知度向上ということで、今後の営業活動、広報活動もありますけれども、1つ考えておりますのは、やはり我々、どちらかというと、学とかそういうコミュニティーだけではなかなか産業界の中に浸透しにくいところもあります。そういう中で、中を取り持つ機能としては、やはり分析受託をしている会社が日本には随分ありまして、そういう方たちが使いやすい環境を整備していくというのが、全体として見たときに、限られたリソースの中で、我々の負担も大きく増やさずに、また産業界の方に使いやすくする意味でもいいのではないかと考えて、現在、制度的なものとか、検討を進めています。
また、サービス面での改善ということで、課題申請手続とか、実際には、例えば、NMRなんかと多少違いますのは、加速器が動いている時期が各施設によって違うとか、レーザーの場合も動かせる時期が非常に限られますので、そういうことを一元的に見て、最適な場所をアドバイスしていくようなことができるようにしていきたいということ。それから、ユーザーの方はいろんな課題をお持ちだと思うのですが、その場合にどういう手法を使って、何をやれば、その目的をすぐ到達できるか、そういうことが理解できないケースもあるかと思います。そういうことについてサポートを強化していくこと。それから、民間活力を生かした支援強化ということで、こちらと同じになるわけですけれども、なかなか我々が業務の中で、特に大きな会社さんはトライアルユースをやって、ある程度力を付けて、その後、自力でやっていくことができるわけですけれども、小さな会社さんになりますと、なかなかそういう人材を自前で抱えることができないということがあります。一方で、我々も分析受託を業務としているわけではございませんので、なかなか我々もそこを、長い時間にわたってサポートしにくいこともありますので、そういうところは、そういうことを業務とされている分析受託会社に取り持っていただくのがいいのではないかということで、現在進めています。
あとは、産業界の利用の場合、どうしても、比較的タイムリーに測定したい、タイムリーに結果を得たいというのがありますので、そういうところについて、どうやって待ち時間を短くするかというようなことの検討を進めております。
今後のイノベーションや社会貢献に向けての取組ということです。技術検討とか、そういうことをユーザーの方にどんどん展開していくということ。それから、標準化とか基準策定を目指すような取組を進めていくと。標準化ということに、こういうようなものを使っていくということです。あとは、これまでは個々の課題に対してプラットフォームとして対応するというスタンスがかなり強かったわけですけれども、今後、やはり国としていろいろ進めていく重要課題というものに対して、プラットフォームとしてコミットすることによって、そういう課題解決に資することができないかというようなことを考えています。セーフティネットというのは、例えば、さきにありました東日本大震災のような場合に、ある施設がダメージを被っても、実際の研究活動はほかの施設を使って、ある程度できると。そういうようなネットワークを作って、ハードウエアがあるだけじゃなくて、サポートすることによって、ユーザーの方の研究が継続できるようなことをやっていこうということです。
そういう中で、プラットフォーム間の連携で、それを通してコミュニティーを拡大していくということで、多くの方にこういう施設、なかなか大きな施設を使うのは使いにくい、精神的なバリアも高いようですけれども、そういうところの敷居をどんどん下げていこうというようなことがあります。
また、こういうことを実際にやっていこうとすると、やはり人材は非常に大きな問題でして、ハードウエアだけあってもできません。特に、この光ビームプラットフォームを構成しているものは、お金を払ってメーカーさんにサポートしていただくことがほとんどできない世界ですので、やはりそれぞれの実験装置について、現場で職員なり何なりを抱えて技術支援をやっていく必要があるということがあります。そういう人材をきちっと育てることによって、やはりエンドユーザーの研究活動も上がっていくということで、この辺のサポートをどうするか、人材育成をどうするか、今後の大きな課題です。我々プラットフォームの中だけで解決できない問題もあるかと思います。
こういうようなところで、特にサポートに当たられる方たち、例えば、3年なり5年なりの任期で来た方を、その後、きちんとキャリアを作ってあげないと、彼らはそういうところに集中できないことになりますので、そういうところを今後、重要な課題として認識しています。
また、先ほど、NMRプラットフォームでもありましたけれども、プラットフォームの中での連携強化はもちろん大事です。これをきっちりやっていかないと、やっぱり一体として外に向けてサポートができないことがあります。そういうような中で、繰り返しになりますけれども、施設の複合的な利用、ある施設とある施設を組み合わせる、A施設のある装置とB施設のある装置を組み合わせることによって、総合的に課題解決に資するようなことを進めていこうということです。
あとは、プラットフォーム間の連携ということで、光ビームプラットフォームというのは、どちらかというと解析にウエートを置いたような機関が連携しております。ただ、解析をするというのは、やはりいいサンプルと結び付いて、いいサンプルといい手法がうまく結び付くことによって、いい研究結果が出てくるということがありますので、先ほどもありましたけれども、NMRプラットフォームとの連携とか、材料開発という意味では、ある意味でナノテクプラットフォームとかTIA-NANOとか、こういうようなところ。それから、先ほどお話ししましたように、これ以外に、いろいろな形で国として走っている、そういう研究課題があると思いますので、そういうところとの連携を進めていこうと考えております。
簡単ですけれども、最後にまとめですけれども、そういうことで、徐々にではありますけれども、このプラットフォームの中での実験環境の互換化が進みつつあります。製品につながる研究とか標準化等の成果もぼちぼちと出てきておりますということです。この事業を通して、利用者が拡大して、先ほどお示ししましたように、有償利用の利用もかなり拡大しています。
今後、このプラットフォーム間での連携とか国のいろんな課題への対応をプラットフォームとして対応していこうということ。それから、民間の企業の力をうまく使うことによって、より、こういう施設を有効に活用できるようにしていこうということ。それから、人材育成とキャリアパス作りが今後の我々、進めていく課題と認識しております。
以上でございます。

【宇川主査】  ありがとうございます。
それでは、御質問、御意見、お願いいたします。西島委員、お願いします。

【西島委員】  2点あるのですけれども、1点は、先ほど、2年前に比べると、装置のこともそうですけれども、放射光、レーザーという全く違うコミュニティーとか扱うので御苦労があったと思うのですけれども、課題数が増えているのですが、このプラットフォームによって、レーザーと放射光、こういうふうに使えるのだという事例で、新しいユーザーというのは産業界を含めて増えているのでしょうか。

【野村主査代理】  新しいユーザーは物すごく増えていますね。

【西島委員】  つまり、それまでは放射光とかレーザーというのは、こういうふうに使ってみたかったというのが増えている……。

【野村主査代理】  例えば、先ほど、放射光とレーザーの複合利用みたいな話も、やはりプラットフォームがあったから、そういうことができてきたというのはあると思います。

【西島委員】  ということは、それに対する最初の取っ掛かりの部分の道先案内というか、コーディネートというのは結構充実してきたのですね、ある意味では。

【野村主査代理】  徐々に、評価点を何点とするかというのはなかなか難しいのですけれども、やはりプラットフォームを作ることによって、その中で、そういう成果を出そうという意識がお互いに出てきたわけですね。当然、原理的には、その以前にしても、A機関とB機関をうまく使えば、そういう研究ができないわけではなかったですけれども、やはりそこはコーディネートするというのですか、橋渡しをすることは機関の側でやってあげないと、各企業がそれぞれの門戸をたたいて、多くの困難を克服してというのは、なかなか敷居が高くなってしまう。そういうことをできるだけ敷居を下げて、例えば、うちの施設ではできないけれども、こっちの施設を使った方がいいですよとか、そういうことをもう少し強化していきたい。
ただ、そのためには、お互いがお互いをきっちり理解しなくちゃいけないのと、西島先生、よく御存じでしょうけれども、施設としては8つですけれども、その中にぶら下がっている装置は何百になりますので、そこが少し難しいところです。

【西島委員】  2点目の質問はそれに関係しているのですけれども、人材交流というので、講習会とか交流というのは、言うのはたやすいのですけれども、人を育ててキャリアパスを作るということになると、もう一歩踏み込んで、例えば、一定期間、より産業界との接点の多いところに人を送って、そこが気に入ったら、そこに勤めてもいいぐらいの、「クロスアポイントメント」という言葉がいいかどうか分かりませんけれども、そのぐらいのことをやらないと、人材交流とか人材育成というのはどこでも聞くのですけれども、実のあるものに結び付いてないというのが実感としてあるのですよ。その辺はどういうふうにお考えですか。これは、むしろ文部科学省さんにお聞きした方がいいかもしれない。

【野村主査代理】  まだ企業との間のクロスアポイントメントとかそういう形にはなってないのですけれども、私たちが一番心配しているのは、やはりこの事業で雇用されている人たちなのですね。パーマネントな職員はそれなりにキャリアパスを作る道があるわけですけれども、この事業で雇用されている、いわゆる支援をされる方、我々、「高度研究支援人材」と呼んでいますけれども、こういう方たちが3年で任期が来るとか、いわゆる労働契約法の問題があるとか、そういうことでありますので、そういうところは、やはり一人一人の能力を伸ばすだけではなくて、その先を見通せるようなことをしていかなくてはいけない。
これはやはりプラットフォームを組んでいて、その中で実力が見えてくれば、あるところで任期が来ても、ほかのところが放っておくわけはないわけですね。そういうことで、やはり人生の先を見通せるようなことを作っていくことが非常に大事だと思うのです。いろんなところで、特に任期付きで3年、5年ということで、頑張っても任期が来たら、その先がないようでは、やはり彼ら、彼女らは頑張ってもらえないので。

【宇川主査】  基盤課から何か補足ございますか。課長、お願いいたします。

【渡辺研究開発基盤課長】  まさに、その点も今年度のこの先端研究基盤部会での1つのテーマになっていまして、もともとのこちらの全体の会議のしつらえの御説明が資料1-1にございましたけれども、作業部会に落とさせていただいて、研究基盤環境形成作業部会で人材、特に使う方、支える方の人材につきましても議論させていただきます。少し前から、今も問題があるのですけれども、例えば、ポスドクのキャリア形成も課題になっておりましたが、こういう環境整備のときに、どうしても支える方たちの人材、特にキャリアパスの問題もございます。そちらは今、調査の分析をしているところですが、各機関に御協力いただいて、まずは実際のデータ、それから、その分析を基に、どういった環境整備が望ましいのかということを議論させていただく予定になっております。
そして、こちらの問題に関しましては、先端研究基盤部会とは別の委員会になるのですけれども、人材委員会の方にも議論の場を設けさせていただいて、科学技術を支える全体の人材の問題として捉えていくような形にしてまいりたいと思っております。

【宇川主査】  よろしいですか。
ほかにいかがですか。福嶋委員、お願いいたします。

【福嶋委員】  直接のプラットフォームと関係ないのですけれども、最終的には、13ページの例で出ている日産アークさんのことで質問したいのですが、その前に、データとしてあれば教えていただきたいのですけれども、初めの日本地図を見て分かるように、施設の多くが西に偏っていますよね。それで、実は私、J-PARCのコーディネートをしていて、J-PARCでも、実はユーザーを統計的に調べると、JRの運賃に反比例して、お客さんが減っている状況があって、地方区の装置と全国区の装置がありますけれども、私も相談を受けたときに、どのシンクロトロンを使えますかといったときに、まず、地理的にお客さんに近いところを推薦する。それから、すぐ使える、時期的なものをするということで、大体それでお客さんは納得して選んでおられるようなのですけれども、そのような傾向はないかという。それは直接関係ないのですけれども。
それで、本来のプラットフォームの意義として、日産アークさんがやっておられるように、日産アークさんはいろいろなものを積極的に場所に関係なく使っておられると思うのですけれども、3つある施設は、頑張れば、どこでも全部できるかなと思うような気もしないではないのですけれども、施設間で、やはり得手不得手、どこが適切かというのは、我々外部の側から見て、比較して見られるようなところは、プラットフォームのホームページとかであるのでしょうか。日産アークさんは、ここではないとできないから、この3つを選んだのでしょうかということなのですけれども。

【野村主査代理】  いろいろな形で、どういう装置があるかというのは、ホームページでお見せするように努力はしておりますけれども、装置の数が多いということもあって、全てを見ていただいた方ですぐ分かるようにはできていないのが現状です。むしろそこは、途中に人が介在することによって、そういうところをつないでいくのが、今、大事ではないかなと思っています。
やはりこれはプラットフォームで、これらの機関が、人が介在して、こういう施設を使ったらという紹介をやっているわけですね、実際には。日産アークさんが選んだというよりは、どこかの施設を使ったときに、では、こういう測定もやりたいのです、こういう情報も欲しいのです。では、それは、SPring-8で酸素やリチウムというのはできないですけれども、これは立命館だったらできるのではないですかということで、立命館に橋渡しをすると。そういうような機能が、やはり重要なのだと思うのです。
それをやるために、やはりそれぞれのコーディネーター同士が、お互い話が通ずる環境を作っておくことが、非常に大事だと思います。また、やはり地域性というのは、ある意味、非常に重要であるのは事実です。やはり近くのところですと、フェース・トゥー・フェースでの議論がやりやすいとかあるとは思います。ただ、日本の中に、例えば、各県に1台造れる装置ではなくて、世界的に見ると、数としては非常に多い。1つの国としては数としては非常に多いのがあります。そういう中で、どうやって既存の施設をいかに生かしていくか、有効活用していくかという、その橋渡しをするのがプラットフォームと言っています。

【福嶋委員】  ありがとうございます。

【宇川主査】  よろしいでしょうか。
ほかに御意見、御質問ございますか。では、これを最後にしたいと思いますが、木川委員、お願いいたします。

【木川委員】  1つは、プラットフォームを組んだことによって、ユーザーのエクスチェンジは進んでいるわけですけれども、相互の技術の交換みたいなものは進んでいるのでしょうか。

【野村主査代理】  技術の交換という意味では、現場レベルの人たちの交流会等々をやることによって、お互いの刺激は当然行われていますけれども、それがすぐ物になるかどうかというのは、また予算とかそういうものがカップルしていくので、そこがどれだけ目に見えているかというのは、今、エビデンスは持ってないのですけれども。

【木川委員】  次のものは共同で開発するとか、そういうようなアクションがあるとか……。

【野村主査代理】  共同でというのはなかなか、こういうものの場合、そう簡単ではないところもあります。実験装置がそれぞれ違う形、違う設計になっている。標準設計があって、それをどこにでも持っていっているのと違うのもあってですね。例えば、先ほど、トランスファーベッセルの話をしましたけれども、ああいうものは、ある機関で開発したものをよその機関に展開するということでやっていますし、同じようなことでは、X線回折のためのドームというのがあるのです。空気散乱を減らすためのヘリウムドームとか、そういうものについて、ある機関で開発した技術を水平展開していくとか、そういうことは今、スタートしおります。実際、今年度の予算である程度進めようとしています。

【宇川主査】  野田委員、お願いします。これで最後にしたいと思います。

【野田委員】  今日の資料に出てなかったのですけれども、ホームページを見たときに感心したのは、各機関の利用可能な状況という絵があったような。実際に皆さん、それを見て、ここが空いているなという感じで利用される方がいらっしゃるのでしょうか。

【野村主査代理】  そういうことは、ある程度は、十分フォローはできてないのですけれども、参考にしていただいていると思いますし、先ほどお話ししたように、施設の職員がコーディネートする場合も、よその施設の稼働状況が分かるというのは、そういうことをやりやすい。非常に有効なツールになっているかなと思っています。

【宇川主査】  それでは、この議題についてはここでおしまいにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、資料3-3の新たなプラットフォームの提案について、事務局より説明をお願いいたします。 中川研究開発基盤課課長補佐より、資料3-3に基づき説明があった。

【宇川主査】  ありがとうございます。今の説明について、何か御質問等ございますでしょうか。まだまだ調整中ということですが、いかがでしょうか。

【福嶋委員】  確認だけなのですが。

【宇川主査】  はい、お願いします。

【福嶋委員】  このプラットフォームというのは、作り方なのですけれども、幾つかある中を、トップダウン的に、こういう重要課題があるから、ここに集まるというやり方をしたのか、ボトムアップ的に、こういう提案があるからまとめてみたらこうなったという、どちらの作り方をされたのでしょうか。

【中川研究開発基盤課課長補佐】  基本的には提案いただいたものなので、完全なボトムアップです。ただ、我々の方で提案をさせていただいて、またそれを受け止めていただいて、調整もしていただいたこともあります。まだ非常に動いている段階でございます。

【宇川主査】  ほかによろしいですか。
それでは、次に、事務局から説明があった6つの中のうちで、本日は北海道大学の圦本教授にお越しいただいて、具体的な検討が進んでいると聞いておりますけれども、最先端イメージングプラットフォーム(仮称)について御紹介をいただきたいと思います。10分程度の御説明をいただいて、あと5分程度の質疑応答を予定しております。それでは、圦本先生、よろしくお願いいたします。

【圦本教授】  ありがとうございます。北大の圦本です。最先端イメージングプラットフォームといいますのは、今現在のところ、ここにあります6つの機関、私たちのところと浜松医科大学のメディカルフォトニクス研究センター、岡山大学おかやまメディカルイノベーションセンター、広島大学自然科学研究支援開発センター、日本原子力開発機構原子力科学研究所と放射線医学総合研究所研究基盤センター、この6つのところで調整中のもので提案させていただきます。
まず、社会的背景なんですけれども、最先端分析結果というものは、次世代の産業イノベーション創出に向けて有用であるということは論をまたないことだと思います。しかし、最先端分析結果というのは非常に解析するのが難解になります。それで、我々はこれを直感的に理解して利用できる方法はないかというユーザーからの意見がたくさんありますので、そのソリューションとしまして、イメージングを強化しようと考えたわけです。イメージングは2次元で絵として見えますから、まず直感的に見えるということなのですけれども、ニーズに即したイメージを得るためには、やっぱりそのままスムーズにはいかなくて試行錯誤が不可欠になったり、あるいは複数の機器のデータが必要になったりしてきます。そこで、本プラットフォームは、各参画機関の最先端イメージング装置を共用化して、バイオ、材料、環境、エネルギーにわたる研究開発を推進し、新たなイノベーションを創出するとともに、それを積極的に推進する、ここでも人材育成なのですけれども、人材育成を行うということです。
まず、各参加機関の特徴ある例をお示ししたいと思います。まず、北海道大学なのですけれども、北海道大学は同位体を見ることができるという、同位体のイメージングができるという特徴があります。これは何かというと、酸素の同位体の画像なのですけれども、ここに酸素の同位体の分布が色で示しています。ここにありますのは、太陽系を作った星のかけらが隕石の中にあるもの。これは太陽系を作った、その前の分子の中でできた氷の分子の化石がここにあるものというふうに、このように、太陽系の紀元について、隕石の酸素同位体、こういうふうにイメージングすることによってきました。
今後期待できる成果例としましては、はやぶさ2が帰ってきますので、この分析において、この装置が世界中の研究者において共用されることが期待されています。
もう一つ、我々はこれを宇宙だけじゃなくて生命の方に、この共用事業を通じて展開しておりまして、これは何かというと、がん細胞です。がん細胞の中にRNAの分子が取り込まれている様子をここに同位体、酸素18というものをラベルしたRNAでもってここにイメージングしています。この赤い点が、その取り込まれている様子なわけです。このように、RNAといいますのは、次世代の創薬として非常に期待されているものですけれども、このように細胞内の動態を可視化できるので、創薬イノベーションに将来つながっていくのではないかと期待しているわけです。
次に、浜松医科大学です。浜松医科大学は、同じ質量分析法なのですけれども、質量顕微鏡といいます。質量顕微鏡とは何かというと、その中を構成している分子が見えるというものです。分子といいますのは、高分子ですね。リピッドでありますとかアミノ酸でありますとか、そういうものが見えてきます。
これは、テレビ番組にも放映されて、民間にも知れ渡っておりまして、細胞レベルで、がんやアルツハイマーなどの代謝異常を明らかにしてきました。今後は、薬物の動態研究や素材の評価など様々な産業に応用が進展されて、このプラットフォームの拠点とコラボレーションを図ることによって、さらに高い開発が期待されるものです。
浜松医科大学では、もう一つの特徴としては、人材育成に今まで力を入れておりまして、これまで50課題が採択されまして、現在も34組織が共用事業を利用して、質量顕微鏡の解析方法を身に付けております。今年度も新たに10組織が新規利用を申請中であって、ここでノウハウを多くの人に啓蒙していくというか、普及させていく努力をしています。今後、大学やアカデミックに限らず、この解析法が必ず人材を提供していって、日本企業の産業競争力が高まることを期待しているわけです。
次の、おかやまメディカルイノベーションセンター、ここはPETのイメージングが得意です。これは、動脈硬化のウサギ、動物のイメージングをさせているわけなのですけれども、このように、この特徴は、疾患の部分が3次元的に見えるということがあります。前者2つは2次元的だったのですけれども、ここでは3次元的に見ることができるようになるという特徴があるわけです。
この、おかやまメディカルイノベーションセンターは、PETだけではなくて、サイクロトロン、SPECTのCTとか蛍光化学発光イメージング装置とかMRIとか、いろいろなイメージング装置を持っている国内有数の動物イメージングセンターです。ですから、これはいろいろな生命科学全般の研究に利用されておりまして、このイメージングの質量分析装置を、このプラットフォームで関連させると非常によろしいのではないかと思って、ここに参画していただいております。
次は、広島大学です。広島大学は高精度の走査電子顕微鏡を持っておりまして、これは骨です。この骨のところの再生骨の微細構造の観察ができまして、同時に、このようにカルシウムとリンの元素のイメージングもできるようになります。こういうことから、骨の再生がどういうふうに生じていくかということをここでは示しておりまして、このように、元素の分析と質量分析をタイアップしてイメージングが行えるという期待をしております。
これが原研の、JRR-3のものです。ここは本当に特異的なものでして、中性子のラジオグラフィを持っています。ここの特徴は、この例なのですけれども、横軸が時間軸です。時間軸に従って、200秒、400秒、500秒となっているのですけれども、このタイムスパンでもって中の、燃料電池が発電しているところの様子が時間分割で見えるようになっています。
このように、時間分割で見える。ここでは、流体とか潤滑油であるとかコンクリートの中への水の拡散であるとか、そういう時間的な分解能を持ったイメージングができるということです。
このように、各種参画機関で特徴あるものをプラットフォームにすると、どういうことができるかということを書いた1例が下にあります。共用化することによって、どういう研究開発を推進するかというと、これがイノベーションの例です。同位体イメージングによってターゲットを特定します。その同位体があるものが、どういう質量イメージ、分子量を持っているものかという分子の特定をするわけですね。それの3次元の構造を特定して、時間変化を行う。同時に、あとの2機関でもって、X線イメージングで元素の特定をする。つまり、同位体、質量、PET、中性子、X線の複合イメージング解析によってどういうことが期待できるかというと、医療、創薬、健康のイノベーションを加速できるのではないかと考えているわけです。現在は、この6機関をまずは中心に計画しておりますけれども、今後、幅広く参画を呼び掛けていく予定と考えております。
最後に、期待できる取組です。その2番目なのですけれども、最先端イメージング技術のネットワークを形成します。これはイメージングに関する世界初のネットワークでございまして、まずイメージングに関する成果、情報を一元化します。それで、システム構成、データベース化しまして、これをイメージング技術のスキルの標準化を行いたいと考えています。このために技術交流会を開催したり、あとはユーザーに対して相談窓口を一本化するワンスポットの開設を行ったりします。
もう一つは、イメージングの人材育成です。これは、プラットフォーム機関を、各機関で雇用しているポスドクがローテーションしながら、新しいプログラムを生みまして、高度専門職員へとスキルアップする支援を行いたいと考えています。
最後には、この機器の開発なのですけれども、これは機器開発プログラムと連携しまして、さらに高度化して、発見された課題を解決するための技術開発を促進したいと考えているわけです。
以上、今のところ、こういう形でプラットフォームが組めるのではないかと、やり始めたところですので、まだまだ至らないところはあるかと思いますけれども、是非いろいろ議論していただ いて、それに取り組んでいければいいなと思っております。よろしくお願いいたします。

【宇川主査】  ありがとうございます。少し時間が押しておりますけれども、御質問、御意見、お願いいたしたいと思います。

【西島委員】  相談窓口というのが多分重要だと思うのですよね。つまり、これだけ最先端で、しかもバラエティーが富んでいるものについて、こういうことをやりたいというときに、その相談窓口は、どういうイメージというか、どういうスタッフで、どこに置きますか。

【圦本教授】  1つのところにインターネットで来るということが多いですので、来たときに、参画機関にそれを振り分けることをしたいと思っています。そのためには、インターネットでその管理は、今で言うと、取りまとめの北大に置こうかと考えています。そのとき、まだどこのところでどれが具体的にできるかということは、取組のところの表面的なことは分かるのですけれども、これからプラットフォームが形成することをしながら、1年目は技術交流について参画のスタッフの方々と密の交流がまず必要だと考えています。

【西島委員】  ということは、相談窓口というのは、インターネットを通じた窓口を考えているのですか。

【圦本教授】  申し込みはそれを思っています。

【西島委員】  インターネットの相談窓口に行くというのは、相当分かっている人で、そこに行く前が重要でしょう。旅行で言えば、旅行のインターネットを申し込むのは、相当旅行に通ですよ。まずは、どういうところにして、これしか予算がないのだけれども、限られたところでどうかという、そのユーザーの顔つきを見て、この人は相当に旅行慣れしているとか、さほどお金に余裕がない相手に対しては、近場でいいところを推薦してあげるとか、その辺のノウハウが分からなかったら相談になってないような気がしますが。

【圦本教授】  今まで各参加機関でやってきた取組が、どういうふうにしてそこのところをクリアしてきたかといいますと、1つは技術会ですね。日本分析展、名前がJASISに変わりましたけど、そのようなところに出展しまして、来た人、名刺交換をした人から来る。もう一つは、専門の雑誌のところに広告をして、それを見て、こういうことできますかということがやってきます。そこからやってくる人が、個人的に口コミで来ることが最近は少しずつ増えてきているのですけれども、それでも、それで飛び込んでくる人がたくさんいることが分かっています。だから、そういうところの広告というものは非常に大事であるということは、現在、痛感しています。

【西島委員】  いや、先ほどのNMRとか光ビームプラットフォームを見ていると、ここが新しいユーザーを獲得してトライアルユース、さらに公開から非公開に持っていって、ユーザーを増やすというものについて、もう一つ、方策がないとの印象です。自分たちがこれだけ集まって、お互いに装置を共有していれば、確かにいい論文は書けるだろうけど、例えば、利用ユーザーに関して産業利用について踏み込みが少し足りないのではないかなというか、考え方が甘いのではないかなという気がしますけどね。

【圦本教授】  分かりました。その点、もう少し考えてみたいと思います。

【宇川主査】  ほかにいかがでしょうか。野村委員、お願いします。

【野村主査代理】  イメージングの話をされたのですけれども、イメージング、我々の光ビーム、放射光などもかなりいろいろやっているので、何らかの形で連携を取りながら、そこはプラットフォームの外だからというのではなくて、お互いにどの方法を使ったらいいか勉強し合いながら、いい機械を提供できれば、造れればいいかなと思います。

【圦本教授】  はい、そう思います。

【野村主査代理】  是非、御検討いただきたい。

【圦本教授】  よろしくお願いします。

【宇川主査】  次は、森委員、お願いいたします。

【森委員】  おもしろい試みをお考えだと思うのですけれども、拝見しておりまして、同位体顕微鏡、質量顕微鏡と、やはりPETとかとは内容的に違い過ぎますよね。これは、一体になられることのメリットというのを、逆にユーザーは考えると思います。私のコメントは、先生のところの同位体顕微鏡、質量顕微鏡も併せて、もし位置分解の質量顕微鏡というようなことでくくれるのであれば、これはほかにはありません。そこをターゲットにして、中川課長補佐が3個以上とおっしゃっていたけれども、それは別にいいと思うのですよ。それは、きちんとしたセンターを造るとか、そういうことで絶対条件ではないので、それよりも分かりやすさが大事で、私は先生の同位体顕微鏡、質量顕微鏡も位置分解した顕微鏡であるということでくくられた方が、メリットがあると思います。
それから、もう一つは、「最先端イメージング」という名前ですけれども、これは後から出てくるプラットフォームのことも考えると少し広くなり過ぎていて、それ以外は最先端ではないのかということになりかねませんので、もう少しターゲットを控えめにして、お名前も、少しふさわしいものにされたらどうかと思います。コメントです。

【圦本教授】  ありがとうございます。

【宇川主査】  それでは、福嶋委員、お願いいたします。

【福嶋委員】  同じような質問というかコメントになるのですけれども、これから、このプラットフォームをよくしていくことで、6機関以外の参画を求めていく予定と書いてありますけれども、もう方向性が見えているプラットフォームがまとまったから、それだったら、こういうところに入ってもらいたいとか、積極的にこちらから勧誘するとか、私は素人で分かりませんけれども、例えば、イメージングといえば、画像処理のようなソフトウエアが本当に共通の課題としてあるはずなのです。

【圦本教授】  あります、はい。

【福嶋委員】  そういうところが入ってくれば、まとまりがよくなるとか、むしろ、単純に集めるのではなくて、積極的に働き掛けて、いいプラットフォームにしていただきたいと思います。

【圦本教授】  分かりました。ありがとうございます。

【宇川主査】  ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、どうもありがとうございました。

【圦本教授】  どうもありがとうございました。

【宇川主査】  それでは、最後の事項になりますけれども、次期共用プラットフォーム事業の検討に当たって、事務局において検討事項を論点としてまとめていただいておりますので、事務局から説明をお願いいたします。今後の検討予定についても、併せて説明をお願いいたします。 中川研究開発基盤課課長補佐より、資料4、資料5に基づき説明があった。

【宇川主査】  ありがとうございます。予定についてはごらんのとおりですけれども、論点について、ごらんいただいて、こういった論点も付け加えた方がいいのではないかというようなこと、お気付きの点があれば御発言いただきたいと思います。西島委員、お願いいたします。

【西島委員】  先ほど、福嶋委員から出ましたけれども、今回のプラットフォームは、提案型を取りまとめて、まだ案ということなのですけれども、一方、先ほどの課長の方からありましたもの、限られた予算の中で優先的なものを付けていくということについては、ある程度国のイノベーション政策とか第5期の重点課題とか、そういったところを意識して、その課題解決なり、産業界の伸びるところに合わせていって、先ほどのネーミングも含めて、ここは相変わらず同じような顔つきで村社会で生きているぞというような、そういうようなものではなくて、なるほど、世の中のイノベーション、産業界を取り込んで、人材も育てて、文部科学省、いいところにお金を継続して注ぎ込んでいるなと言われるような形にするには、今回の資料はこれでもいいかもしれませんけど、これからブラッシュアップするときは、これを生かしつつも、少し優先順位を付けて、めり張りを付けた方がいいのではないかなという気持ちがありますけれども。

【宇川主査】  お願いします。

【渡辺研究開発基盤課長】  まずは、皆様から広く御提案を頂いている段階でございまして、その先を少し先走って申し上げますと、どういうプログラムになるかということに応じて、また、今おっしゃったような視点から、採択数を検討していくと。本当は全部採択できるといいのですけれども、なかなかそういう財政的な状況にもないと思っておりますので、当然、採択の際には、おっしゃったような視点ということで優先順位付けがなされていくと。これも、公募によって採択していく過程が取られていくと。通常のそういった過程を取っていくということでございます。

【宇川主査】  高橋委員、お願いいたします。

【高橋委員】  今日はいろいろと、これからのプラットフォーム事業に関しての御意見や参考資料を頂きました。第2回以降に、もしかしたらお話しされるのかもしれませんけれども、このプラットフォーム事業の在り方を検討していただく際に、プラットフォーム事業で集まったことによって得られる裾野の広がりなどというだけではなくて、そのプラットフォームを形成する個々の独自の施設あるいは単位がさらに強くなれるような、そういった評価の指針のようなものが入るとよいと思います。一緒になって、また自分のところも強くなれるというような、そういった取組の形はどういうものがあるのかどうなのかということも含めて、そうしますと、さらにプラットフォーム事業が大きくなり、また発展すると思いますので、フィードバックが常にどちら側にもあるような、そういった指標を入れていただけると、あるいは検討の素材にしていただけるとありがたいと思いました。
以上です。

【宇川主査】  何か、よろしいですか。

【渡辺研究開発基盤課長】  承知いたしました。

【宇川主査】  ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、この議題も締めることにいたしまして、本日の委員会においては、木川先生、野村先生、圦本先生から共用プラットフォームの現在の取組、あるいは新たな取組というものについて有益な情報を頂いて、有益な意見交換をすることができたのではないかと思います。
次回に向けては、今回のヒアリング結果、各委員から頂いた意見を踏まえて、現在の共用プラットフォームの取組の評価、さらには次期共用プラットフォーム事業というものについて事務局で検討を進めていただきたいと思います。
まずは、事務局において、次期共用プラットフォームの事業、これについて整理をしていただきます。その上で、改めて委員の皆様にはお知らせをして議論をしていく形にしたいと思いますので、引き続き御協力をお願いいたします。
本日の議題は以上ですが、事務局から何か御連絡ありますでしょうか。

中川研究開発基盤課課長補佐より、今後のスケジュールについての確認があった。

【宇川主査】  それでは、以上をもちまして、第1回研究設備共用プラットフォーム委員会を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。

―― 了 ――

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