研究基盤環境形成作業部会(第2回) 議事要旨

1.日時

平成27年8月31日(月曜日)9時00分~10時00分

2.場所

北海道大学創成研究機構3階セミナー室D(03-215)

3.議題

  1. 研究環境の整備に向けた検討について
  2. その他

4.出席者

委員

原田主査、隠岐委員、江端委員

文部科学省

橋本研究開発基盤課総括・交流係長

5.議事要旨

科学技術・学術審議会 先端研究基盤部会
研究基盤環境形成作業部会
平成27年8月31日


【原田主査】 ただ今から、第2回科学技術・学術審議会先端研究基盤部会研究基盤環境形成作業部会を開催いたします。
 なお、本日の会議は公開の扱いといたしますので、ご承知お願いいたします。
では、事務局より、出席者の確認及び資料の確認をお願いいたします。

 橋本係長より、出席者の確認及び資料の確認を行った。

【原田主査】 よろしいですか。
 それでは、議事に入ります。
 本日は、第1回作業部会で議論した内容の進捗報告を行っていただきます。
 初めに江端委員から、共用取り組み状況に関するアンケート調査結果の分析についてご説明いただき、続いて隠岐委員から、多様な人材が活躍できる研究環境づくりのための取り組みについてご説明いただくというのが、本日の主な議事になります。
 それでは、最初の議題、共用取り組み状況に関するアンケート調査結果の分析に入ります。資料1-1と1-2に基づき、江端委員より説明をお願いいたします。
 こちらは、先端基盤研究共用・プラットフォーム形成事業という研究開発基盤課で行っている事業等における専門スタッフアンケート調査をまとめた資料です。
 研究開発基盤課中川補佐、橋本係長、そして、専門委員として私で、アンケートの設計から分析まで行い、今回8月版としてまとめました。
 本資料は、非常に多くのアンケート調査の項目を設定させていただいて、多数の方々から回答をいただいておりますので、47ページという大変に多くのページ数になっておりますが、本日は細かい点は割愛させていただきまして、「1概要」についてのみ説明致します。
 こちらの資料の1ページ目をごらんください。
 まず、「1.1調査方法」としまして、大学・独法等研究機関の施設・設備の共用を進める「先端研究基盤共用・プラットフォーム形成事業」に参画している34機関及び北海道大学のオープンファシリティプラットフォーム、こちらは22機関というものを対象に、共用の取り組み状況、専門スタッフの雇用状況等をアンケートにより調査を行いました。
 こちらで注目した専門スタッフというものに関する有効回答数は、151名になっております。
 「1.2主な結果」としましては、最終学歴が高卒から博士課程卒まで多様な学歴を見てとることができました。そのうち博士号取得者は4割までに上ります。
 支援業務は、多様でありますが、コーディネーターやリエゾン、マネージャーといった職というのは少ないという結果となりました。
 各専門スタッフの将来につきましては、3割がまた研究者を希望しておりまして、現在の職においても2割が研究者という立場で、このような支援業務を実施しているという結果が出ております。
 以下の図表に関しましては、こちら以降のページから抜粋したものをまとめております。
 続きまして、1-2ですが、こちらは、各々の最終学歴であったり、博士号取得の有無、あるいは年代別の博士号の有無であったり、前職の雇用形態等をまとめたものになっております。
 このような細かい作業を踏まえまして、非常に特徴的な点につきまして、概要としてまとめた次第です。
 本日お配りしました資料は、本年10月10日から11日に開催される研究・技術計画学会において、発表する予定で、専門委員として私と文部科学省の中川課長補佐と連名で学会アブストラクトを作成しました。
 こちらは、まず、1として、研究基盤を支える人材に関する政策動向というものを調査してまとめております。この中で、我々としては、4つこういった疑念がありますということで書いております。1番目としては、施設・設備の稼働性制約はそれを支える人材によって生じているのではないか、2番目として、日本の研究基盤というのは高く評価されているのであるけれども、装置や研究費、研究者に比して、それを支える人材というのが十分と言えるのかどうか、3番目としまして、研究基盤の水準というのは、現状をかろうじて維持されていますけれども、今後、人口減少下において、その低下というのは支援人材の不足から生じてくるのではないか、4番目として、支援人材というのが多様化する中、適切なキャリアが示され、そこで働く人材が能力をフルに発揮できているかどうかというような4つの疑問というのがあり、それに基づいてアンケート調査等を行ってきましたという話でこの要旨を作成しております。
 2ページめくっていただきまして、2番目においては、先ほど調査結果の概要として説明させていただいたこちらの表ですね。
 その次のページ、3番目の今後の方向性ということで、こちらは我々が行った調査について非常にポジティブにこの学会にアピールするという意味でも、積極的なコメントを記載しております。
 まず、1段落目、本発表の狙いというのはというところですが、科学技術政策の大きな柱の一つである研究基盤政策の現状及び課題について議論するということが本発表の狙いですというふうに書きました。
 2段落目の最後ですが、なお、今後、一つのアプローチとしては、この作業部会ですね。このような作業部会において支援人材のうち技術支援スタッフについてのキャリア形成に注目した調査分析を進めていきますということを書いております。
 3段落目の1行目、本調査の反省点としましては、技術支援者というのと研究補助者という違いが明確に出ていないということを挙げております。このような定義は、総務省の技術研究調査というものを踏まえての設計だったのですが、大学においては実際にはこのような形で明確化されていないというのが本調査を行ってわかったことということですね。ですので、このような作業部会においてそれぞれの役割あるいはその名称について、しっかり議論して、提言を上げていければいいかなと思っています。
 5段落目、我々筆者らは専門委員としてあるいは行政担当者としての現在の研究基盤政策に危機感を抱いています。そもそもこのような研究基盤となる危機について、その全体像というものが十分に把握されているとは言いがたいというところで問題意識を持っていますということを記載させていただきました。
 最後、今後もというところで、研究基盤政策については新たな課題に対応すべく、先端研究基盤部会という親部会でも議論していきたいというふうに考えていますと。このような議論というのが新たに政策形成に活用されれば幸いですということで、今回このような形で学会発表させていただくことによって、本作業部会で議論されていることも周知することができますし、さらに興味がある方々と違った視点で議論できればいいかなと考えております。
 説明としては以上です。

【原田主査】 ありがとうございました。
 それでは、本件に対して何かご意見はございますでしょうか。

【隠岐主査代理】 質問ですが、単に詳しく知りたいというか、先ほどの資料1-1で、3割は研究者を希望していて、現在の職においては2割が研究者の立場というふうになっているこの数字で3割というのは、今、研究者の人が今後も続けたいという数が入っているのですけれども。

【江端専門委員】 も、入っています。

【隠岐主査代理】 それも入って3割ということですか。

【江端専門委員】 はい、入って3割ですね。今回対象としました有効の回答数の151名のうち3割がという意味です。

【隠岐主査代理】 わかりました。
 では、3割のうち2割は、今後のことを心配しているという感じですか。言うなれば。

【江端専門委員】 3割のうちの2割……

【隠岐主査代理】 現在の職において、研究者の立場で既にあるけれども、後も希望ということで。

【江端専門委員】 現在の職で、それが同じ人物かどうかというのは、ここにおいてはちょっと議論していないので。

【隠岐主査代理】 わかりました。

【江端専門委員】 しっかりとひもづけて見てみる必要はあるかなというふうには考えていますが、データ全体として現時点では、このような形で出させていただいています。

【隠岐主査代理】 わかりました。

【江端専門委員】 ただ、実際、現在、研究者の立場で支援をしている方というのは、その個票としてデータをまとめる上で見ている限りでは、やはり研究者としてやっていきたいというふうに考えている方が比較的多いかなという印象は受けます。

【隠岐主査代理】 継続したいという意味で、将来も研究者というふうにお答えになったと理解できるということですね。

【江端専門委員】 そうですね。
 そもそも研究者としてこの職に就いている、あるいはそのキャリアパス、キャリアとして就けるそのポストがないという意味で、こういった事業の特任助教であったりポスドクであったりという形で就いている方で、本来であれば研究を進めるべき方ではあると思いますが、やっぱり事業つきということで、事業に従事する上ではこういった支援業務に携わらざるを得ないというか、もちろん本人の希望もあると思いますが、今回対象となった方というのは、そういった方ですね。

【隠岐主査代理】 支援業務とここで研究者、前回、伺ったかもしれないですけれども、その辺の定義って、割と現場で柔軟に置くということでいいのですね。

【江端専門委員】 はい、そうですね。

【隠岐主査代理】 我々の分野でも、ポスドクだけど事務もやるというようなことがよくあるのですけれども、そういう感じですか。

【江端専門委員】 そういう感じです。ですので、今この事業においてという説明をしましたが、今回回答していただいたのは、この事業を行う上で共用事業という、もうちょっと広い範囲でその業務に携わっている方という形でお聞きしていますので、例えばテニュアの助教の方にもご回答いただいていたりするのですよね。ですので、ポストとしては、任期つきの方だけではなくて、実際にもう既にポジションとしては確保しているのだけれども、こういった支援業務も含めて研究室の中で柔軟に行っているということです。

【原田主査】 ほか、いかがでしょうか。
 アブストラクトというのは、5ページ全部がアブストラクション。

【江端専門委員】 そうです。

【隠岐主査代理】 すごいですね。

【原田主査】 ささいなことですが、この「試料調製」という漢字が違っています。サンプルなので、「試」すという字。

【江端専門委員】 ああ、そうですね。

【原田主査】 あと、「調製」の「製」は製品の「製」です。

【江端専門委員】 はい。

【隠岐主査代理】 それはどういう意味なのですか。

【原田主査】 これはサンプル・プレパレーションという意味なのです。

【隠岐主査代理】 試料、はい。サンプルはわかって、最後の調製の「製」が違うというのは。

【原田主査】 これは、つくるという意味です。

【隠岐主査代理】 本当につくってしまうのですか。

【江端専門委員】 つくるのですね。

【原田主査】 なので、こういう字になる。

【隠岐主査代理】 それは知りませんでした。なるほど。

【原田主査】 すみません。

【江端専門委員】 ありがとうございます。

【橋本係長】 ありがとうございます。すみません。

【隠岐主査代理】 プレパラート、準備ということですね、じゃ。

【橋本係長】 そうです。

【江端専門委員】 それとか、電顕とかでこう見るときに薄片をつくるとか、そういうのも。

【原田主査】 タンパク質の材料をつくる、観察するための材料をつくるとか、そういう。

【隠岐主査代理】 なるほど。確かに、ちょっとさっき見たときに、何だろうな、これはとは思って、つい紙を並べると思ってしまって。

【原田主査】 そうですね、そういう字を見て。

【江端専門委員】 そうですね、確かに。

【橋本係長】 失礼しました。

【江端専門委員】 いえいえ、非常に助かります。ありがとうございます。

【原田主査】 いえいえ。

【江端専門委員】 これらを調べる上で非常におもしろかったのは、政策動向というのを見るときに、第1期の科学技術基本計画というものにおいては、研究支援者というものについてもかなり明確に言及されていまして、研究者1人当たりに研究支援者が1名にしますというようなことが書かれているということがわかりましたというか、そういうことだったそうなのです。
 その後、一応そのように調整はしてきたけれども、第2期、第3期と進んでいくにつれて、その研究支援者という記述は全くといっていいほどなくなっていると。
一方で、イノベーション人材ということで、例えばテニュアトラック教員やURAみたいな話が出てきてはいますが、研究支援者というのは結構置き去りにされてきているというのが今の日本の科学技術の流れ、政策の流れということになっています。
 今回も、第5期に向けては審議会等で議論されていますが、今のところ文部科学省の中では人材と基盤という意味で記載されています。例えばCSTIみたいなところでは記載がなかったなということがちょっと調べていたらわかったので、こういった意味でもやっぱり、その研究支援者というような方々がうまく表現されていないなというふうに思っています。大学においては大変重要な役割を担っているにもかかわらず、適切に表現されていないその方々の処置が具体的に何か示されているわけではないというところがありまして、そのような。

【原田主査】 今、第5期の基本計画が策定されていると思いますが、それがどうなるかというのはどなたかご存じですか。

【江端専門委員】 何か今のところはっきりは、ちょっとわからないですね。
 橋本係長いかがでしょうか。

【橋本係長】 そうですね、文部科学省の中で総合政策特別委員会を開催しております。そこで検討していますが、今年の1月に取りまとめた中間取りまとめの中では、この共用のプラットフォームの形成促進というのを掲げており、その中で技術支援者のキャリア形成については、研究をしています。
 それを踏まえて、内閣府側でも基本計画専門調査会で検討をしているところなのですが、そちらの記載の中で、明確にはプラットフォームに関連した技術支援者のキャリアパスは、たしかなかったような気がします。

【江端専門委員】 そうです。

【橋本係長】 そのあたりは、今後文科省や内閣府で検討を進めていく形になります。こちらの作業部会での検討についても、適宜必要に応じて、担当者ベースになるかもしれないですが、伝えていきたいと考えております。

【江端専門委員】 共用という記述は、結構いろいろと出てくるようにはなっていますが、それとひもづいて、では、人材はどうですかというような議論については、ほとんどないというふうに記憶をしています。
 やはり、共用を進めていくにしても、その研究基盤ということを考える上でも、人材がセットでない限りは、先生方ご存じのとおり、装置は動きません。そういった方々がしっかりと育成されたり、あるいはそのモチベーションを保ってしっかりと仕事をしていただいたりということができない限りは、やはり日本の科学技術というか、その技術力もどんどん落ちていってしまうのではないかというふうに、ちょっと危惧しているところです。

【隠岐主査代理】 42ページに、技術支援者の記述について何かサーベイがざっとあるみたいですけれども。

【江端専門委員】 すみません、何ページ。

【隠岐主査代理】 資料1の42ページです。技術支援者等の記述があって、現状では大学だとかそれぞれの場所が定義して独自に運用するような、そういう基準でやっているという感じなのですかね。

【江端専門委員】 そうですね。まず、その事業という1つの制約、システムがありまして、それに従って、あとは各大学の運用の仕方で任されているというところがありますので、事業経費で雇用した方がそのまま就いている場合もあれば、そういったところにお金がなかなか使えなくて、そこの研究者がそのままその仕事を担っているというパターンがあります。

【隠岐主査代理】 いろんな場合が、これは回答ですよね。

【江端専門委員】 回答です。

【隠岐主査代理】 記述の。

【江端専門委員】 記述の回答です。ここには、共用事業というものだけではなくて、北大のオープンファシリティプラットフォームというところでお仕事をされている方々の回答も入っていますので、事業という縛りがなく、大学の中で共用を進めている方々のご意見というのも入っています。
 あとは、担当者の記述というのと技術支援者の記述というのがありまして、事業の担当者というのは、そこで責任者です。

【隠岐主査代理】 この派遣というのは、どういうところから派遣されているのですか。派遣の人というのもいるのだなというのは、43ページの。

【江端専門委員】 そうですね。

【隠岐主査代理】 会社か何かあるのですか。

【原田主査】 派遣会社が多分、大学が派遣会社に頼んで派遣してもらうのです。

【隠岐主査代理】 じゃ、アルバイトで。

【原田主査】 そうです。

【隠岐主査代理】 JREC-IN等を通しているのですか。

【原田主査】 いや、そうじゃなくて、いわゆるそういう民間企業があって、そこに派遣してもらって、派遣会社にお金を払うのですよ。それで、その派遣会社は、その中から一部分のその給料として払う感じで、だから多分、金額的には大学が払うのは倍ぐらいになるのですが、人材が欲しいというときにすぐ見つかったり、よくないときに違う方にかえられたりします。

【隠岐主査代理】 なるほど。

【江端専門委員】 あれですね、装置によってその人材バンク的な人材が多かったり少なかったりしますよね、多分。

【原田主査】 そうですね。

【隠岐主査代理】 そういうタイプの方々にも調査とかはあるのですか。それはちょっと今回、対象外という。

【江端専門委員】 この方は、調査の対象に入っています。

【隠岐主査代理】 派遣の人たち。

【江端専門委員】 そうですね。今回は共用事業に携わるスタッフの方という形ですので、たまたまこの派遣の方がその共用事業で使用している装置の担当をしている方ということだと記憶しています。
 ここのコメントは、非常に参考になる話というのはたくさんあるなというふうには思います。ただ、残念ながら、ポジティブな意見というのは余りなくて、これが悪いからできないとか、これが大きな課題だとかということが結構多いので、これを見るだけでも、不満というのはかなりあるのだろうなと。
 一方で、大学においてのシステム上の問題というのもここにも記載されていますし、事業としての問題点というのも記載されているというふうに思いますので、非常に参考になるデータかなと思っています。

【原田主査】 これは例えば、全部記述式になっているのですか。

【江端専門委員】 これはそうですね、はい。

【原田主査】 どうしても、記述式だとネガティブなことが出やすいような気がする。何か言いたいというのがあるから、多分そういうこともあるのかな。

【江端専門委員】 そうですね。前回の作業部会でも、こういった調査をもとに人材委員会にかけるか、あるいはNISTEPと協力してアンケートをもう一回やりましょうという話をたしか麻田さんがされていたと思うのですけれども、今後の予定としてですね。現在、その辺は打ち合わせをしつつ調整しているところですが、実際に新しくもう一回しっかりとしたアンケート調査を行おうということもありますので、ここでの反省点を踏まえて、もう一回設計について考えていくということになります。

【隠岐主査代理】 やはりはっきりしない、定義が何かないみたいなことで。

【江端専門委員】 そうなのですよ。

【隠岐主査代理】 そういうふうな不満もあるので、それは先ほどあった科学技術基本計画の中に定義が余りないとか、きちんと言及されていないということとはつながるのかなと思いました。

【江端専門委員】 そうですね。ありがとうございます。
 やっぱり一番ここははっきりしていなくて、前回もお話しさせていただいたかもしれないのですが、北海道大学でも技術職員の方々のキャリアというか、その職階自体が非常に少なくて、3つしかないという状況にありますので、事務職員であったり教員であったり、もっと多くの職階があるにもかかわらずこういった状況になっているというのは、やはり技術支援者という方々が置き去りにされているような印象を受けるので、作業部会での議論をしっかりとした提言としてまとめられると、いいのかなと。1つのゴールとしてはいいのかなというふうに思います。この調査は年度末に結構があっと設計して、ばあっととって、集計してというような流れだったのですが、こんなアンケート調査自体がやっぱり非常に珍しくて、今までも多分ほとんどやったことがないですかね。

【橋本係長】 はい、そうです。

【江端専門委員】 ですので、このデータ自体が、非常に貴重なデータになるのかなと。結構、網羅的にばあっと調査をとっているので、ここから幾つかの問題点であったりとか、今、隠岐先生にご指摘いただいたように、このようなコメントの部分からまた解析して、そこにまたピンポイントでアンケート調査を行うというのも、1つやり方としてはありかなと思います。

【原田主査】 よろしいでしょうか。
 では、そろそろ次に進めさせていただきます。
 それでは、次の議題、「多様な人材が活躍できる研究環境づくりのために」に入ります。資料2に基づき、隠岐委員より説明をお願いいたします。

【隠岐主査代理】 私は、調査のやり方について、いろいろな人に聞き込みを行っていた数カ月間でした。
 多様な人材といったときに、かなり広くとっていますので、どのように調べるかという時点で、ちょっと幾つか考える必要があります。
 まず、目的としては中川さんや麻田さんとも話し合い、以前お配りした事例集があったと思いますが、これを厚くしていく、バージョンアップしていくというのが基本的な目標です。
 それに当たって考慮すべき背景として、例えば前回も話題に出ましたが、障害差別解消法の施行が来年からであるとか、あとは、この下のものはまだ世間、社会的には話題になっていませんが、最近、法律家のLGBT法連合会といって、法律の専門家の方々が集まってLGBT、性的少数者の差別の問題に対する施策と立法を求めているという動きがございます。それと連動して、日本学術会議でもLGBTの分科会、これは後でちょっとお配りしますが、LGBTIの分科会という、これもやはり法学系の方々が集まって、これは大学にかかわらず社会的な問題、労働であるとか雇用であるとか、または民法イシューですか、結婚とか家族とか相続の問題だとか、その辺についてまだ取り組みはないので進めていこうという動きがございます。それが2つ目です。今後、数年の間で障害者差別解消法のようなものが立ち上がるかもしれないので、前もって用意しておくというような意味がございます。
 最後は、大学のグローバル化施策、これは特に異文化、外国の方々とのかかわりということですが、グローバル化が進んでいますので、多文化共生の課題があります。このようなことを背景に事例集を厚くしていくということをまず確認したいと思います。
 そして、何をするかですが、2番目の黒い四角、「(diversity)の推進と包摂」という項目で、直接の目的としては、先ほど申しましたように、事例集と中間取りまとめの形で、ことしのうちにまとめたいと思っています。
 その内容ですが、実際、調べたところ、今回、ダイバーシティということで、障害の問題、異文化の問題、性的少数者を入れて、この広がりでまとめるというのは、まだ日本ではないようです。国でもダイバーシティと片仮名で言った場合、女性をどういうふうに取り入れるかというところで話がとまっている。
 つい最近、「東洋経済」でLGBTが特集され、究極のダイバーシティと書かれて、あっ、究極なのだと少々思ったのですが、そういう状況です。何をやるかというと、まず、二次分析が必要になります。つまり、それぞれの課題について実はかなり民間または人文社会科学のほうで、もしくはハラスメントセンターなどでデータが積み重なっています。
 例えば、ここにあるように、全国生涯学生支援センターという、やっぱり民間の有志の方々のセンターがあって、そこでも定期的に、特に肢体不自由だったか、特定の障害についてはかなり事例が集まっていると。
 それから、学生に対する支援配慮事業については、ご存じの方も多いと思いますが、日本学生支援機構が、例えばこれはオンライン上なので特に今日は資料をつけていませんが、配慮事例がまとまっていて、回覧させていただきますが、このようなものが存在しています。
 あとは、LGBTについてもつい最近、さっきの法連合会が、日常で感じる困難のリストというのを今つくっていて、これもやはり、社会生活全般ですが、相続とか、そういったものを見た上で研究環境にかかわるものを抜き出していくという作業が必要になるかと思います。これはLGBTのほうでいろんな困難の事例が書いてあります。
ただ、今申し上げましたように、それぞれのイシューが厚みがあるので、それぞれやっている独自の取り組みがある。そこからどうやって研究環境に関するものを抜いていくかというのが、こちらの独自のまず取り組みとなるかと思います。
 あと、ハラスメントセンターとかいろいろ書きましたが、ハラスメントセンターは、それ独自で関係者に聞き込みをしているところですが、最後に大学にすごく関係があるのは、北九州市の男女共同参画センターが、これは大学のジェンダー問題、特に性的マイノリティの学生支援について、日本の全国の大学についてもアンケート調査をやって、ことし出たんですね。これがちょうど前回の作業部会の後に出ていて、これも学生支援ということで、例えばどういう性的少数者の学生の支援のサークルがあるかとかいうのをまとめています。
 この辺の参考資料を見るだけでも、かなり我々のほうで抽出できる、私のほうで抽出できることがあるなと思います。
ただ、既にこのように各会からデータが出そろっていますが、やはりどうしても学生向けであるとか、各大学、各地域のローカルに向けたものなのですね。すごくいいものがそろっているのに広がっていないのがもったいない。例えばこの北九州市のデータは、この間、実は日本学術会議のLGBTI分科会で紹介されたのですけれども、関係者もみんな知らなかったと。結構入手しづらいというようなものだったりします。こういうものをいい取り組みを広げていくことに役立てればなというふうなことをすごく思いました。
 そして、あと、属性別に集めているので、ダイバーシティという視点で横に串刺しにしていくというか、広がりを持って捉えることはまだできていない。
 それなので、先ほど申しましたように、事例集の改定にこういったものを役立てていきたいと思っています。
 あと、もう一つですが、1番、二次分析と並行して、今年と、来年、私の任期ぎりぎりになりますが、まずネット調査、アンケート調査と、あと実際に当事者が集まって、3番ですけれども、「Focus Group Interview」といって、グループになって話し合うことで、書いてくれと単に頼んだだけでは出てこないような事例を抽出するということを試してみたいと思っています。
 それに関して今、ある程度チームをつくって取り組みを進めています。それが別紙の、非公開扱いというか、ちょっと個人情報的に迷うものがあるので、非公開にさせていただいたものがその企画に当たります。
 この方々、資料1のところをごらんください。企画委員が今この9名で、綾屋さん、大河内さん、木下さん、熊谷さん、清水さん、中村さん、福島さん、星加さんという、この方々はいずれも各界で非常に知名度の高い方々で、例えばこの福島先生というのは、バリアフリー研究のご専門で、盲聾者といってヘレン・ケラーと同じ状況ですが、指点字というものを考案して世界でも第一人者でいらっしゃる。例えばこのような方にご協力いただけることになりました。まず何をやるかというと、実は先日8月14日に打ち合わせを初めて行ったのですが、まずアンケート調査の項目づくりをやっております。なぜこのようにゆっくりしているかといいますと、そもそもこういう調査というのは、何を項目に立てるかで回答がすごく限定されてしまうという問題があります。
 例えば、ある種の障害を前提するときに、こちらが少ないカテゴリーしか考えないと、そうじゃない人ははじかれてしまう。どうやったらなるべくそういうのをなくせるかということを考えるために、やはり最低でもこのぐらいの人数の方々に、特に専門の方々に聞きたいと考え、そのために項目づくりをお願いしているという段階です。私自身も項目づくりをやっています。
 ネットのアンケートと実際に会って話し合うイベントを重ねる理由ですが、イベント趣旨が書いてありますが、資料2はイベント呼びかけ文ですので、きょうは特に繰り返しませんが、まずアンケートをとる理由は、グループ分けのための資料にしようというのがございます。当日のイベントでグループに分けて話し合うのですが、やはりちょっといろんな方とご相談したところ、いきなり会って、さあグループに分かれましょうといってもうまくいかないだろうと。まず言葉の問題がございます。手話通訳の方をどう配置するかとか、そもそも聴覚障害者の方を集めるべきかとか、あと、そもそも同じ聴覚障害者といっても同じ問題を抱えているとは限らないということがありまして、複合的に問題を持っているとか、その問題があるために才能が生かされないとかということがあるといけないと、そういうものがあります。1枚目の資料2の(2)に戻りますけれども、今後の作業としては、アンケート調査を11月からとりあえずインターネット上で走らせて、そしてそこから年度内にネット調査に関してまず中間取りまとめをつくることを目指してみたいと思っています。
 最後に、研究主体の多様化という2つ目の項目ですが、この作業では多様性ということで、いろいろな属性を持つ人の問題というのを扱うとともに、大学の外から学術的なことをやろうとする人のことも視野に入れようとしていましたので、これも引き続き考えていきたいと思うのですが、ちょっとこちらはまだ今回めざましい進展はないということをご報告させていただきます。これはもうちょっと後で取り組みたいと思っています。
 以上です。

【原田主査】 どうもありがとうございました。
 それでは何か質問、ご意見ございますでしょうか。

【江端専門委員】 では、よろしいでしょうか。非公開資料1のイベントの件ですけれども、趣旨としては、これは非常にすばらしいなと思うのですが、対象者としてマイノリティ属性というふうに記載されていると思うのですが、そこに書かれていることというのは全てこのイベントの対象として一堂に会するという形になると思っていいですか。

【隠岐主査代理】 はい、そうです。
 私自身もちょっと迷いはあったのですが、これは当事者研究のほうの方法論として、こういうことができるのだという提案を受けました。どういうことかというと、分けてしまうと、その枠に従ったことしか話さなくなるらしいですね。むしろ、違う問題の人を集めるほうが、最初は例えば、だから、足が不自由だといってきた人が実は私は鬱も患っていてとか、または、実は私はゲイであってとか、そういうことをおっしゃるということは結構あるらしいのですね。なので、違う人が集まっているほうがかえって重複した問題であるとか、または深い記述に結びつくこともあると。もちろん分けたほうがいいときもあるので、それはちょっとアンケート調査を見て、何か考えてみるということになるかとは思うのですけれども。

【江端専門委員】 なるほど。対話というのを考えたときには、1つの研究環境について議論するというような課題があったときに、環境という場としては同じ場所にいろんな方がいらっしゃるので多くのステークホルダーの方がかかわって、それについて議論するというのが非常にいいというふうに今、言われていますよね。
 文部科学省でやっていた大学等シーズ・ニーズ創出強化支援事業というのがありましたが、その中でイノベーション対話の開発という話があって、北大でも採択されて実際やってみたんですが、やはりその対話というものを行って、ある課題に対して解決をするためにアクションプランまで話を持っていくといったときには、実際に想定される環境の相似形と言ったらいいんですか、同じような割合で非常に少ない人数、大体30人ぐらいとかが適当だという。30人だったかな。ちょっとすみません、曖昧なんですけれども、数十人ぐらいが適当だという話なんですけれども、そういうところを集めて、それぞれグループディスカッションをいろいろ回していくというのが1つの手法として確立されてきているんですね。アメリカと、あとヨーロッパですか。
 グループに分かれて話し合うというふうに書かれていますので、私自身はそういうやり方というのは非常におもしろいかなと思う一方で、そういった質問をさせていただいたのは、やはりそれぞれに抱える問題というのは、ある程度フォーカスされる部分というのもあると思うので、先生もちょっと迷いがあるとお話しされていましたけれども、可能であれば別々にというか、全員集める場と、そうでない分科会的な場というのは設けてみて、見てみると、すごくこのイベントがうまく機能するんじゃないかなというふうに、ちょっと思いました。

【隠岐主査代理】 ありがとうございます。
 実際、そこは8月14日に集まったときに議論になりまして、皆様専門家でいらっしゃいますし、案として出たのは、2日使えて、可能ならですよ、分科会方式と今おっしゃったものと、もうちょっと属性を混ぜたようなものをつくる。もう一つ問題になるのは匿名性の問題というのがあって、身体障害の方は余りかかわらない、目に見える問題と目に見えない問題という違いがあるのですね。特にLGBTがそうなのですが、そもそもそういう場所に出て違う属性の人としゃべりたいと思わないという問題があるので、集めたとしてもかなり偏ったサンプルになるだろうと。そこをどうするかというのは、やはり課題として出てきて、今のところは、まずはやる方向でまた集まろうという流れにはなっているという感じです。
 今度は10月に集まりますが、当日の設計を10月に詰めます。最悪、もしそれで折り合わないようだったら、別の方法を考えるということでやっていきたいと思っています。

【江端専門委員】 その対話を進める上でファシリテーターというのが重要だと思うんですけれども、先生方がそういうファシリテーションを行うと思っていいんですか、こういうイベントの場合。

【隠岐主査代理】 そこは一応、たしかFocus Group Interviewだと、ファシリテーターが1人ずつつきますよね。そこはそういう感じで考えるのかなと思うのですが、ちょっと正直、当事者のほうでは、実はそんなに、強いファシリテーターを置いていなかったのですかね。そこは要確認で、先ほど申しましたように情報保証というやつですね。ゲン言語といいましたけれども、そこがすごくかかわってくるので、ちょっとそれもまだ考えているという感じです。
 熊谷晋一郎さんに御協力いただいて、非常に強い支援をいただいていて、ほとんど共同開催みたいな形でイベントを呼びかけているのですけれども、熊谷さんのほうの特に希望でもあるのですが、なるべく、健常者が何か問題のある人に聞き回るという方式にしたくないというのはあるのです。むしろ、それぞれちょっと、いろいろ事情のある人が主体的にやってみる、そこである種ちょっと心を開いた形で話し合えるようなもので何か出てくるかと。
 もう一つあるのは、話したところで出せない内容が出てくる可能性が大いにあって、ハラスメントセンターの聞き込みでもそうでしたけれども、今、係争中の事例とかが出てきてしまうと、やっぱり調査としては出せなくなってしまうので、そこの扱いなんかもちょっと話し合っていかなければいけない。今年度中には詰めて、どこまでやれるかということを考えたいと思っています。

【江端専門委員】 最後に、健常者の方がそのファシリテーターとしてこういうというのは確かにそのとおりだなと今、僕自身も思いまして、もう一つの手法としては、このグループディスカッションの際に5人という形になったのですが、一人一人がそれぞれインタビュー方式かどうするかというのは、ちょっと今、検討中みたいですけれども、インタビュー方式でやる場合には、例えば僕と隠岐先生が、僕から隠岐先生にインタビューをしているというものを原田先生が記載をして、とっていてというのを順番に回していくと。周りの人たちは、皆さんそういう状況を聞きながら、1人書記役に回って、そのインタビューが滞ったり、何かちょっと問題が起きたときに、その書記役をやっている方が少し議論を促すようにコメントするというやり方をすれば1つの解決にはなるのかな。それは何か、プロのファシリテーターでもそういうやり方をする方がいらっしゃって、僕もそういった対話式のワークショップを設計することがあって、そういう方式もありますよということでやったことがあるので。

【隠岐主査代理】 なるほど。ありがとうございます。非常に参考になります。

【原田主査】 アンケート調査をおやりになることは決まっていると思うのですけれども、それはどの方にそのアンケートをお願いしますみたいなふうに広めていく方法ってあるんですか。

【隠岐主査代理】 それは本当に人海戦術にならざるを得なくて、調査会社が捕捉していないような気がするので、どう考えても。とりあえず集まっていただいた方にそれぞれ回していただく。あと、麻田さんが視覚障害者の団体をご存じなので、そういうふうなほうになるべく回していただく。答えはどのぐらい集まるかというのは、ちょっと一つ勝負ですね。LGBTに関しては、私は割と把握しているので、先ほど回したこのムーブの方に連絡をとって日本全国の大学サークルにまいてもらうというのは、すごく視野がよく見えている。それぞれ、だから、本当にどこまでやれるかは人海戦術です。
 アンケートの項目は、大体イメージとしてはどういう項目をつけるかというと、研究者として遭遇する事例みたいなのをちょっと想定しています。例えば学会報告するとか、研究資金をとるとか、あとは職場で、特に具体的には、学生じゃなくなった途端支援がなくなるのがつらいというのがどうしてもあるので、そういうものを浮き彫りにできるような項目を考えたいと思っています。
 あと、実際に、実は身近なところであった例ですけれども、聴覚障害者の方が手話通訳をこういう会議の場に連れてくることを拒否されちゃったとか、それで人間関係が悪くなったとか、そういう問題が、ちょっとしたことが、我々にとってじゃなくて、その人にとってちょっとしたことじゃないのですが、非常に大変なことが起きているので、そういった意識を変えるための何かいろんな情報を探っていくことが大事かなと思っています。

【江端専門委員】 ちょっと現状としてお聞きしたいのですが、私が数年前、研究者をやっていたときには、例えば学会とかに参加したときに、そういった障害を持っている方たち用に何か気を使ったセッションがあるかというと、ほとんどなかった気がします。発表される方で障害を持った方が発表していたというのは余り見られなかったし、それ以降、私は数年間そういった学会には参加していないのでわからないんですが、現状としては何かそういうのは改善されてきているんでしょうか。

【隠岐主査代理】 そこのところは、プロの通訳だとか、そういうのを頼むのですけれども、改善というか、一応それなりにお金を払えば支援を受けられるような仕組みはあるのですね。ただ、そのお金を研究費から出せるかで、例えば所属大学でもめるとか、そういう問題が起きることはあると。
 あとは、これはちょっと今回、私の仕事ではやり切れるかわからないのですが、結局、恐らく属性があるがゆえに特定の分野に水路づけられるというか、例えば障害のバリアフリー問題に当事者としてかかわるとかというほうに人が流れやすくなっていて、障害がありながら、かつ別のことをやるって、まだすごくハードルが高いのだと思うのです。
 例えば中途失聴、中途で耳が聞こえなくなる方が、普通に読み書きは健常者の方と完全に同じだし、話す言葉は明晰なわけですね。ただ通訳が必要なだけという人が、例えば普通に歴史研究をやるとかとなったときに簡単かというと、そうじゃないと。そこの問題も恐らくすごくあって、さっきおっしゃった取り組みというのは、例えば障害研究なんかやっていると、すごくそれなりにもう整ってきていて、特に日本社会事業大学とか、この中に所属の方がいらっしゃいますけれども、普通に手話で授業してそれを伝える仕組みだかともきちんとされていたり、スポットスポットでローカルできちんとやっているところはあるけれども、私も実はこの問題にかかわるまでに、ほとんどバリアフリーとか障害は本当に実は未知の分野で、むしろLGBTのほうが知っていたという人間ですので、やっぱりある種分かれた世界に暮らすことになってしまっている現状というのはあるなと思います、本当に。
 もう一つあえてお伝えしておきたいのは、やはりロールモデルをつくっていくことはすごく大事なようで、例えば熊谷晋一郎さんは、星加さんという全盲の方が東大に入ったというニュースを聞いて、僕もやれるかもと思ったと。障害の種類は全く違いますが、熊谷さんは脳性麻痺で首から下がかなり不自由だという状態で、目は、視覚に問題は全くないのですが、違っても、私も何か才能を生かせるかもと思えるというのがあるので、こういった方々が見える場所に出ていくというか、そういう環境をつくっていくのはすごく重要かなということは改めて思いました。

【原田主査】 ほか、いかがでしょうか。

【隠岐主査代理】 私のほうでちょっと質問をさせていただいてもいいでしょうか。

【原田主査】 はい、もちろん。

【隠岐主査代理】 先ほどの資料1の、自分がどこにあったかわからなくなった。研究主体の多様化のところで、科学技術振興機構などが例えばニコニコ学会βとか調べているというふうな話があったのですが、きょうちょっと橋本さんにお会いしたので伺いたいのですが、こういったことについて何か聞かれたこととかありますか。

【橋本係長】 ちょっと私自身、把握はしていないのですね。申しわけないです。

【隠岐主査代理】 わかりました、はい。じゃ、ちょっとまた調べてみます。

【橋本係長】 こちらのほうでも、ちょっと中では確認してみたいと思いますので。

【隠岐主査代理】 はい、すみません。
 これは、ナカガワさんからちょっと示唆を受けてこのように書いているというのがありますので、こちらも動いてみたいと思っています。

【橋本係長】 かしこまりました。

【原田主査】 ありがとうございました。
 それでは最後に、その他の議題として、今後の予定について事務局より説明をお願いいたします。

【橋本係長】 今後の予定ですが、本日も各委員から進捗のご報告をいただいたところですけれども、引き続き本作業部会では、各委員からご説明いただきました取り組みにつきまして調査検討を進めていただければというふうに思っております。
 また、その他の取り組みにつきましても、前回、今後の予定でいろいろと挙げさせていただいた部分につきましても、事務局から個別に相談、調整させていただければと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。

【原田主査】 何かご質問はありますでしょうか。
さっきちょっとだけ隠岐さんのことで気になったのが、もし皆さんで会ってそういうイベントを開催するときに、この予算20万円ほど確保と書いてあろますが、これでは足りないような気がしたのですが。

【隠岐主査代理】 これは非常に問題を抱えていまして、このことはちょっとまた個別にご相談したいと思っているのですが、実際のところ熊谷さんと共同開催で、かなりバリアフリーに経験と予算がある熊谷さんに頼った感じの数字です。私が20万でも、向こうが手話通訳とかそういったものを出していただくということになっていて、ちょっと自分としてもそこは責任を感じるので、予算をとるだとか、そういうことも考えなければいけない。20万はかなり最低限の額で、ことし実はやろうとしていたのですが、それは無理だと言われてやめたという経緯があって、さすがにそんな急には無理だと。なので、1年ちょっとかけて予算を何とか考えたいと思っています。

【原田主査】 ありがとうございます。そういうのを文科省のほうで何かできないのでしょうか。

【橋本係長】 そうですね。うちのほうでもこの、まさに専門スタッフのアンケート調査は昨年度うちの予算で実施をしているものになってきますので、このあたりの調査に関しましては、この調査だけではないのですけれども、ほかのもろもろの、共用状況調査みたいな中の一部としてやっているもので、そういった共用状況調査みたいなところの中で支援できる部分というのもあるかもしれませんので、引き続きご相談させていただければと思います。

【隠岐主査代理】 はい。それは担当の方というのは、むしろ……

【橋本係長】 担当、そうですね、私が直接うちの上のほうからいろいろと早くやれというふうに言われたりもしますので。

【隠岐主査代理】 じゃ、またご連絡させていただくかもしれません。よろしくお願いいたします。

【橋本係長】 引き続きよろしくお願いいたします。

【江端専門委員】 今後の予定についてですが、この後、作業部会って、どういう形で進めていくということになりそうですか。

【橋本係長】 そうですね、そこのところは先生方とのご相談だと思っておりまして、今回のようにある程度話がまとまった段階で次回も開催をさせていただければというふうに思っております。なので皆様方の、例えばですけれども、江端委員におかれましては学会のほうで発表されるということなので、その発表する中身が固まって発表された後とか、そういったタイミングを見て、また先生方に相談させていただいて決めていければと思っております。

【江端専門委員】 わかりました。例えばその前の段階、先生方もちょっといろいろお忙しいと思うので、なかなかお時間はいただけないかもしれないですが、こういった内容で学会発表しますよというような資料に関しては先生方にお送りしますので、ご確認いただいて、また何かコメントいただけると非常にありがたいなと思っています。中川補佐と私のほうでまとめていますが、中川補佐も非常にお忙しいですし、ちょっといろんな目を持ってチェックしていただけると、この作業部会でやっていることとしても非常にいいのかなと思います。よろしくお願いします。

【原田主査】 よろしいでしょうか。
それでは、本日の議題は以上ですが、何か連絡事項はありますでしょうか。

【橋本係長】 次回の研究基盤環境形成作業部会につきましては、委員の皆様の日程を調整の上、改めて連絡させていただきたいと思います。
 また、本日の会議の議事録につきましては、作成次第、委員の皆様にご確認いただき、文科省のホームページに掲載させていただきます。
 以上です。

【原田主査】 以上を持ちまして、第2回研究基盤環境形成作業部会を閉会いたします。
本日はどうもありがとうございました。

―― 了 ――

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