資料3 次期先端計測分析技術・機器開発プログラムに向けた考え方及び平成28年度実施方針(案)について

次期先端計測分析技術・機器開発プログラムに向けた考え方
及び平成28年度実施方針(案)

平成28年3月18日
科学技術・学術審議会
先端研究基盤部会
先端計測分析技術・システム開発委員会


平成28年度は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の第3期中期目標期間の最終年度に当たる。平成29年度からの新たな中長期目標期間における先端計測分析技術・機器開発のプログラムの検討に向けた考え方は以下のとおりとする。また、来年度のプログラム実施は、移行期間と捉え、先行的な改革を中心に取り組むこととする。

1.基本方針
先端的な計測技術は我が国の産業競争力の根幹であり、最先端の科学で利用されるハイエンドな計測機器は、科学が牽引するイノベーションの創出の加速はもちろんのこと、汎用機器の開発・普及の際の計測機器メーカーのブランド力と国際競争力の強化につながり、他国が追随できない産業競争力となる。
しかしながら、ハイエンド計測機器市場は大きいものではなく、民間投資だけで開発や発展が期待できるものではない。また、次世代計測機器に繋がる技術シーズも学術的な成果のみでは十分ではなく、戦略的に研究成果を発展させ、機器開発に結び付けていく必要がある。
さらに、JSTが支援する最先端の研究分野では、最先端の計測機器を必要とする課題が多く、優れた研究成果やイノベーション創出には最先端計測機器や技術支援体制を含む研究基盤が整備されていることが不可欠である。
そのため、JSTには、新しいサイエンスの潮流を創出するオンリーワン・ナンバーワンの革新的な計測機器の開発のみならず、日本の先端研究を支える研究基盤としての先端計測機器開発・普及、その利用技術開発や利用支援体制まで見据えた支援、それらを活用したイノベーション創出が求められている。これは、現行の先端計測プログラムのみならず、他のJST事業とも連携し、JST全体として取り組んでいくことが望まれる。また、先端研究基盤は、JSTのみならず、最先端大型研究施設、大学等研究機関、機器開発メーカー等民間企業、これらが有機的に結ばれた共用プラットフォーム等様々な組織との協力や、共用、人材、知財・標準化など多様な政策との連携の中、第5期科学技術基本計画におけるSociety5.0等も踏まえ実現されていくべきである。
(ポイント)
○最先端の科学のための計測の発展と計測機器産業の振興の両立が重要。
○日本の先端研究を支える計測機器開発・利用及びそれらを活用したイノベーション創出をJSTの総力で実現する。
○JST先端研究の成果(技術シーズ)からイノベーションにつながる計測機器開発を重点的に実施する。
○研究施設・設備の共用化、人材育成、標準化、プラットフォーム化など政策連携を進める。

2.検討課題
○上記を実現する調査分析及び戦略立案
○戦略的創造研究推進事業における機器調達の有効活用、産学連携・技術移転事業における成果の展開を活用した計測機器開発や導入普及等の推進方策
○トップダウンの戦略的創造研究推進事業では対象とならない広範な技術アイデアを発掘・育成し機器開発につなげていくための推進方策
○要素技術開発から試作機開発まで一貫して支援するファンディングの特徴を最大限活かすための推進方策
○研究開発戦略センター、知的財産戦略センター等と連携した戦略策定、知財・標準化対応等の推進方策
○次世代技術者及び技術指導者の育成の観点からキャリアパス形成等を含めたJST各事業の活用方策
○共用プラットフォームと連携した初期需要形成、ユーザーからのフィードバック、計測機器メーカーや分析サービス会社等民間企業との協働など新たな連携の拡大方策

3.平成28年度プログラム実施について
○次期プログラムに向けて、飛躍性のある要素技術の採択を重点的に行う。その際、次世代育成の観点も考慮する。
○標準化、共用化、プラットフォーム化など成果が最大化されるよう開発だけなく利用等についても戦略的に取り組む。
○公募実施に当たっては、AMEDと連携し、研究者への丁寧な情報提供に努める。
○開発成果の現場での活用を促進するため、JSTで実施される他の研究開発プログラムや外部企業等へ本プログラムの開発成果を紹介する機会を拡充する。


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