光・量子ビーム研究開発作業部会(第5回) 議事録

1.日時

平成24年6月19日(火曜日)

2.場所

文部科学省 17階 研究振興局会議室 10時~12時

3.議題

  1. 前回までの議論等について
  2. 中間報告(案)等について
  3. 事前評価(案)について
  4. その他

4.出席者

委員

家主査、井上委員、加藤委員、兒玉委員、五神委員、佐野委員、辛委員、三木委員、三和田委員、村上委員、吉澤委員

文部科学省

原量子放射線研究推進室長補佐、阿部量子放射線研究推進室室長補佐、竹上基盤研究課課長補佐

5.議事録

【家主査】 

 それでは定刻になりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会 先端研究基盤部会 光・量子ビーム研究開発作業部会第5回を開催いたします。

 本日は都合により、川合委員と高原委員が御欠席であります。

 本日ですけれども、まず、前回までの議論のポイントを共有するとともに、前回素案を議論していただいた中間報告について、より掘り下げて、検討していただこうと思っています。

 また同じく、中間報告案を踏まえて、事務局が作成しました事前評価の様式というものについても御確認をいただきたいと考えております。

 それでは、事務局から御説明をお願いいたします。

【原室長】 

 それでは、まず配付資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第の4.に配付資料の一覧を載せてございます。いつものとおり、これまでの御意見等以下、資料1-1から1-2、それから資料2-1から2-4、資料3、4、それから参考として1、2、3をつけてございます。

 途中でも抜け落ち等ございましたら、事務局の方に御連絡いただければと思います。

 それから資料4でございますけれども、前回の議事録をつけさせていただいております。事前に一度目を通していただいていると思いますけれども、もし追加でお気づきの点などございましたら、この部会終了のときに、事務局まで御連絡いただければと思います。

 それから旅費の手続が必要な委員の方には、机の上に書類を置かせていただいておりますので、2カ所ある該当箇所に判こを押していただいて、事務局まで提出ください。お願いいたします。以上です。

【家主査】 

 ありがとうございました。書類等よろしいでしょうか。

 それでは、早速議事に移りたいと思いますけれども、まずは資料1-1に基づきまして、復習の意味も兼ねまして、前回までの議論のポイントなどについて、事務局から御説明をお願いいたします。

【原室長】 

 お手元にお配りしております、資料1-1、光・量子ビーム研究開発作業部会これまでの御意見等についてという資料をまず説明させていただきます。これまで出た主な御意見について、記入したものでございますけれども、今回追加した箇所はゴシック体で記載しているところでございます。

ちょっとページ番号振っていなくて恐縮ですが、1枚めくっていただきまして、2ページ目の真ん中辺、ゴシック体になっているところですけれども、「パワーレーザーや大強度連続ビーム中性子源、大型放射光施設等については、世界的な動向も踏まえつつ、我が国全体としての在り方と今後の戦略等について検討していくことが必要な時期になってきている」ということ。

 それからその下でございますけれども、「量子ビームの応用として、放射性同位元素は、線源やトレーサーとして、医療、農業、学術、工学など多様な分野で利用されており、がんやセシウム等のイメージング技術開発等が行われている」ということが追加でございます。

 それから、2枚めくっていただきまして、最後のページ、人材育成等についての最後ということになりますけれども、「総合研究大学院大学による大学院生の受け入れ、大学や研究機関等が協力した連携講座の開設などをさらに進めることにより、先端加速器に係る専門家の育成を推進することが必要である」ということ。

 それから、国際的な取組についてということで、「大型施設や大型プロジェクトにおいては一国のみではできない状況になっていることも踏まえ、特にアジアでの連携・協力やネットワークの構築、国際共同プロジェクトを推進していくことが必要である」という御意見をいただいたことを追加で記入しております。

 それから、前回のこの作業部会の後に、この作業部会の親委員会であります先端研究基盤部会というものが6月8日にございまして、その場でこの作業部会の議論の進捗状況の途中経過ということで報告させていただきました。その際、その先端研究基盤部会、親部会の委員の先生方から何点か御意見をいただいておりますので、この場で御紹介させていただきます。

 主な御意見としては3点ございます。まず第1点目がこの取組、この作業部会での検討というのは、研究開発プラットフォームの構築に向けた先導的な取組であると、この分野のサブプラットフォームとなるものではないかということ。

 それから2番目として、理論との連携も意識すべきではないかということ。

 それから3番目として、特に光については、人材育成・教育が重要であり、産業展開を見据えた人材育成等の強化を推進すべきという御意見をいただいてございます。以上です。

【家主査】 

 はい。御紹介いただきましたように、6月8日に親委員会の方で、この部会の審議の、作業部会の審議の状況を事務局の方から御報告いただきまして、その際に幾つかの意見をいただいたということでございます。おおむね、この作業部会での議論の方向性を良としていただいているものと思います。

 資料1-1の、これまでの御意見等につきましては、ゴシックで書かれたものが追加されておりますけれども、これはいつでも中間報告にかかわるものですので、これから行います中間報告についての議論の時間の中で、また御議論いただければと思います。

 それでは早速ですけれども、議題2として、前回に引き続きまして、今後の光・量子ビーム研究開発の中間報告について、議論をお願いしたいと思います。

 資料2-1が前回の議論を踏まえて修正、見え消しの形で修正を加えた中間報告の案。

 それからさらに資料2-2、2-3、2-4が報告書の参考として添付することを想定している資料でございます。それから資料2-4についても、前回から若干の修正が入っているということです。

 では、事務局より一通り説明をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。

【原室長】 

 はい。それでは、資料2-1の中間報告の(案)というものについて、御説明をさせていただきます。前回御覧いただいて、修正をして、さらに委員の先生方に送って、見ていただいているものでございますが、前回のこの作業部会でお配りしたものから変更した点について、赤字、あるいはコメントの欄に修正部分を記入しているものでございます。

 資料1ページ目のはじめにの部分は、主に技術的な修正は文言の整理ということでございます。

 それから1枚めくっていただきまして、2ページ目の光・量子ビーム分野の推進の意義についてということで、3ページ目になりますけれども、3ページ目の一番上の丸、特に、光・量子科学技術については、領域横断的な科学技術の強化として云々というのは、科学技術基本計画に基づく記載を、これは事務局の方で記入したものでございます。

 それから、それ以下については、文言の整理という形になってございます。

 1枚めくっていただきまして、4ページ目、3の施設・装置・技術等の開発・高度化とその有効利活用についてということで、5ページ目の量子ビームの現状と課題ということで、前回南波先生の方からお話しいただいた内容を踏まえまして、放射性同位元素についての記述を追加しているということになってございます。

 それからその下の施設の連携、利便性の向上等というくくりでございますけれども、主査の御意見を踏まえまして、J-PARCとSPring-8の登録機関が連携して、円滑な相補利用を推進することにつながるという指摘があるということ、それから産業界を含めた利用者の拡大のために、ユーザーフレンドリーな環境を整備する努力が行われている、その一方で利便性の向上のせいで、人材が育つ場が減少しているというようなことを記述してございます。

 それから、その次以降は、文言の整理という形でございますけれども、6ページ目の光科学技術のさらなる進展の中、下から2番目の丸のところでございますけれども、技術革新やコヒーレント光源施設については、さらなる発展を目指した技術開発利用研究ということで、コヒーレント光源施設というものを追加してございます。

 それから、7ページ目の一番下のところでございますけれども、川合先生から、書面で御意見をいただいておりまして、検出器を含めて、周辺機器の高度化がおくれているというようなことの記述を追加してございます。

 それから8ページ目でございますけれども、推進方策の方向性の3番目の丸でございますが、窓口が1つになっている組織体制で利便性を向上させることが必要だというようなこと。それからイオンビームやミュオンなど、応用利用と利用者増大が期待される分野というふうに、ちょっとポジティブな書き方に変えているという部分がございます。

 それからさらにその下の方の丸でございますけれども、川合先生の御意見で、検出器の開発というものをつけ加えてございます。

 それから、8ページ目の一番下の丸でございますけれども、五神先生の御指摘で、近年は自由電子レーザーに加えて、レーザーベースの高輝度軟エックス線ビームは新しいコヒーレント光源として、開発から利用フェーズへと大きく展開しつつあると、このような施設の共同利用を拡大するために、技術開発を進めるとともに、施設の共用の促進の支援を行うことが必要であるというようなことを記入してございます。

 それから9ページ目でございますけれども、SPring-8は産業界がコンソーシアムを形成して、共同でビームラインを運用している成功事例であるというようなことの記述を追加してございます。

 それから10ページ目でございますけれども、真ん中辺の丸でございますけれども、装置の巨大化による経費の拡大や、成果まで長期間かかり、リスクが大きいことなどから、先端基礎科学の分野では、国が先行投資をして基礎科学を振興して、技術への波及を通じて産業の活性化の促進、それから生まれた利潤を税金と雇用の拡大によって国民に還元するスキームが重要だというようなことを記述してございます。

 それから11ページ目でございますけれども、人材育成のところの上から3つ目の丸でございますけれども、SACLAが最もコンパクトなXFELとして実現できたのは、世界レベルの専門家がいたからでこそあり、人材育成の取組が重要だというようなことを書いてございます。

 それからその下の方でございますけれども、人材育成の推進の方向性ということで、継続的な人材育成の観点からも、次世代研究炉や放射光施設など、先端施設の場においても人材育成の取組が行われることが重要こと。

 下から2番目の丸でございますが、特に加速器については、人材育成機能がKEKに集中してきたという現状を踏まえて、総合研究大学院大学による院生の受け入れとか、連携講座の開設などをさらに進めることにより、専門家の育成を推進することが必要と。さらに、電気や機械といった産業分野との連携による社会人の受け入れについても検討するべきであるということ。それから利用を促進するためには、目利きを育てて、ワンストップサービスで対応できる体制作りが必要であるというようなことを書いてございます。

 それから1枚めくっていただいて、13ページでございますけれども、国際的な取組についてというところの(2)推進方策の方向性でございます。下から3つ目の丸でございますけれども、国際競争の観点から知財や他国の情勢などを考慮して、施設の戦略的な活用が必要であるということ。

 それから、日本の施設で活躍した外国人が母国で活躍しているということを踏まえるということ。それから大型施設、大型プロジェクトが1国ではできないという状況になっていることを踏まえて、アジアとの連携協力やネットワークの構築、国際協力プロジェクトの推進ということが必要だということを書いてございます。

 それから8番の今後5年程度に集中して取り組むべき課題等についてということでございますけれども、最初に光科学技術、あるいは量子科学技術はナノテク、あるいはライフサイエンス等に不可欠な基盤技術であり、我が国の国際競争力を強化するキーテクノロジーであるということを書いてございます。

 それから14ページの上から3つ目の丸でございますけれども、光・量子ビームの融合・連携を促進させて、産学官の多様な研究者が参画できる環境を作るということ、そのようなことを通じて、世界トップレベルの研究開発を先導することが必要であるということでございます。

 それから、その下の丸、「これにより」のところですけれども、五神先生のコメントをいただいておりまして、ものづくりの革新の実現を目指すことが重要であるというような書きぶりに直してございます。

 それから、その下の具体的な黒の四角でくくってある4つの柱のところでございますけれども、もともとの案はものづくりの革新を実現する先導的研究開発の推進によるイノベーションの促進ということでございますけれども、五神先生の方から、この柱のタイトルについてコメントいただいてございまして、ちょっとここは構造の部分なので御議論いただいてから修正しようと考えてございますが、先生からいただいたコメントが、右側のコメント欄のところに書いてございます。柱のタイトルを「産業の革新に資する先導的研究開発の推進によるイノベーションの促進」と。ものづくり力だと、製造業だけに偏った言い方になっているので、もうちょっと広い、産業全体の革新に資するというようなタイトルに変えたらどうかというようなコメントをいただいているところでございます。それに合わせて、中身の方も一部修正してございます。

 それから15ページの(2)、取り組むべき研究開発、課題解決型研究開発のテーマということで、以下のような研究開発が考えられるというふうにしまして、課題解決にするために、前回までですと、どれとどれを、どの光源とどの光源を組み合わせて、どういうことをしようかという、光源オリエンテッドな記述にしてございましたけれども、前回等の議論を踏まえまして、あるいは今後の予算要求とか、対外的に打ち出していくに当たって、課題解決、こういう課題を解決するためにこういう手段がありますよと、この手段をさらに進めていけば、こういう課題が解決できるという切り口に整理したほうがいいということで、ここの部分はちょっと構造を大きく変えてございます。

 1つ目はグリーンイノベーションとして、触媒反応の超高速動態の解明と、16ページの一番上でございますけれども、そこに書いてあるような課題に対しては、例えばコンパクトERLとか、放射光、レーザーの連携利用というものが考えられるということ。それから2番目のポチでございますけれども、省エネルギー社会の実現を目指した「摩擦」ダイナミクスの解明ということで、こういう課題を解決するためには、中性子とミュオンビームの連携利用が考えられるということ。

 それから16ページの一番下のポチでございますけれども、燃料電池等の心臓部である電解質膜の高性能化ということで、17ページにもありますが、イオンビーム、ガンマ線、電子線の「創る」機能と中性子の「観る」機能の連携利用ということ。

 それから17ページの真ん中にありますポチとして、極限状態の科学ということで、兒玉先生から御意見をいただきまして、前回委員の先生方にお送りしたものから、記述をちょっと修正したものになってございます。

 それから18ページ目、ライフイノベーションとして光触媒反応の声明ダイナミクスの解明。それから18ページの真ん中ですけれども、タンパク質の水素ダイナミクスの解明。それから18ページの一番下に、基盤技術開発として、次世代加速器等の高度化・小型化に向けた研究開発といったようなものを記入してございます。

 この整理のちょっと見直しに対応いたしまして、前回1、2、3というふうに、光源側から書いていた部分は削除する形で、課題側から見た整理ということにさせていただいてございます。

 それから20ページでございますけれども、この課題を解決するに当たっては、第一線の研究現場において、若手人材の育成を図るとか、あるいはPD・POによるプロジェクトマネジメント、人材交流や学会や産業界の有識者からなる会議等により、プロジェクト全体の進捗管理や評価などを行っていく体制の整備が必要であるということ、それから事業の進捗については、毎年度進捗を確認して、中間評価を実施するということによりまして、見直しとか改廃を行っていくことも必要だということ。それからこのような取組については、国の公募型研究費により実施することが適切であるというようなことを書いてございます。

 それから中間報告の終わりにといたしまして、加藤先生からの御意見で、丸の2番目でございますけれども、若手の育成が不可欠であるということ、それからそのさらに3つ下の丸でございますけれども、井上先生、加藤先生などの御意見を踏まえまして、パワーレーザーや大強度連続ビーム中性子源、あるいは大型放射光施設については、我が国全体としての在り方というのを検討することが必要な時期になっているのではないかということを書いてございます。

 本文は以上でございますけれども、1枚おめくりいただきまして、22ページ目に、参考資料としてこの報告書に添付したいというふうに、今、事務局で考えているもののリストをつけてございます。参考資料1として、光・量子ビーム関連施策マップ、これは議論の発端のところから何回も見ていただいておりますけれども、今文部科学省の方を中心に進めている光・量子ビームの施策が、今どういう状況にあるかという。

 それから参考資料2として、当面の研究開発の方向性についてというものがございます。これはちょっとすみません、別冊になってございまして、別のとじてあるものの、今回の資料でいうと、資料2-3というものでございます。これも何回か見ていただいていると思いますけれども、今回の御議論での課題と、今後5年間で何を解決すべきか、それから最終的には何を目指して、この5年間で何をやるのかというようなものが1枚の紙にまとめたものでございます。

 それから参考3として、今後5年程度に集中して、取り組むべき研究開発例についてということで、これも別冊になってございますけれども、今回の配付資料の番号でいいますと、資料2-4でございます。これは、今回の御議論で、またさらに修正が必要だと思いますけれども、今回、特に25年度要求で立ち上げようとしている国の公募型の委託費で、具体的にどういうことをやって、それがどういう成果として期待されるのかといったようなものをまとめたものでございます。これは前回見ていただいたものから一部修正してございますので、また今回御意見いただければと思ってございます。

 それから報告書の方の22ページの参考4のところでございますが、委員及び有識者のプレゼンテーションの概要ということで、これは報告書の方にとじて、具体的には24ページでございますけれども、各作業部会の会合で、委員の先生方をはじめ、何人かの先生にプレゼンをしていただきましたけれども、どういうことをお話しいただいたのかという概要を記入してございます。

 それから報告書の方の22ページの参考5-1と参考5-2、光と量子ビームについての、それぞれポテンシャルマップというものを参考としてつけようかと思ってございますが、これも別とじになってございまして、今回の資料でいうと、資料2-1ということでございます。これも何回か見ていただいておりますけれども、さらに追加修正等があれば、また教えていただきたいと思ってございます。

 それから資料本体の方の22ページ、参考6と、あとちょっと資料となっていますが、参考7、8、9、10でございますが、参考7については、これまでの取組状況ということで参考データ、それから参考8、9、10は、部会の設置に係る一連の資料ということになってございます。

 一応、雑駁ではございますけれども、中間報告の案ということで、御説明させていただきました。以上です。

【家主査】 

 どうもありがとうございました。一通りの資料の説明をいただきました。参考資料も含めて、非常に盛りだくさんの充実した中間報告案になってきたかなと思います。

 この中間報告案につきましては、御意見をメール等でもお寄せいただいておりますけれども、今日改めて、ここから50分ほどか1時間ほどをかけて、改めてちょっとフレッシュな目でお読みいただいて、細かいことでも結構ですので、一応この中間報告の最終版に向けて、収束していければと思っております。

 それから、今、御説明いただいたとおり、13ページから始まる、この8.今後5年程度に集中して取り組むべき課題等について、これが中間報告の中で、一番肝心な部分かなと思いますけれども、そこに色々な御意見をいただきまして、修正に入っており、それと連動して、資料2-4の方にも修正が入っておりますけれども、今日の御議論によって、さらなるブラッシュアップということをお願いしたいと思います。

 それでは、この資料2-1、中間報告案について、少し最初の方から、改めて見ていければと思います。はじめにのところ、この辺は概要説明ですのでよろしいかと思いますけれども、何かお気づきの点、あるいは御意見ありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか、この辺は特にそれほど問題のないところかなと。

 では続いて、戻っていただいてももちろん結構ですので、2.光・量子ビーム分野の推進の意義についてというところ、政策的位置付けといい、それから必要性、有効性、効率性といったサブタイトルで書かれております。第4期科学技術基本計画の中における言及についても、ここに書いてあるということですね。はい、どうぞ。

【佐野委員】 

 細かいことで申しわけないんですが、前回コメントした件で、3ページ目の真ん中辺の上から3つ目の丸のところの2行目なんですが、「特に我が国は光学機器、テレビなどの」というところで、テレビについてはちょっと消したほうがいいんじゃないかというお話をしたんですが、光学機器は残っていてもいいんじゃないかなとちょっと思うんですが、どうでしょうか。

【家主査】 

 そうですね。何かテレビはちょっと今サムソンのひとり勝ちとかいわれていますから。光学機器は、じゃ、これは復活するということでよろしいでしょうか。

 ほかに何かございませんでしょうか。

 じゃ、よろしければ、3.施設・装置・技術等の開発・高度化と、その有効利活用についてということで、これは見え消しでかけてありますように、いただいた御意見を踏まえて、前回から若干追記、あるいは修正してあります。

 光技術、量子ビーム技術、それから前回はこの3番目のタイトルが施設間の連携等ということだったので、その連携に関することが、その最初の2つの丸に関してですけれども、3番目の丸が、利用者の拡大とか、それから中身を知っている人材の育つ場が減少しているという話で、これはちょっと施設間の連携とは、そのままではタイトルちょっと合わなかったので、少しタイトルの方を膨らませた形になっております。大体ちょうだいした御意見を反映した形になっていると思いますけれども、よろしゅうございましょうか。

 先ほど、説明をお聞きして、ちょっと気になったんですけれども、この5ページの一番下のところの目利きというのは、人材育成に関する目利きという意味では、どうもないようですね。後ろの方で、11ページのところの下から2行目にも出てくるんですが、これはどうもこのコンテンツからいうと、あまりその使いなれていない利用者が来られたときに、それなら、どこどこのあれを使えばいいよというような、そういう案内をしてくれる目利きという感じで。よく目利きというと、若手を、伯楽役の目利きというのに使われますが、何かちょっと違う言葉の方がいいのかなという感じも少し感じたんですけれども。

【五神委員】 

 例えば施設利用のアドバイザーとか、そういう意味でしょうか。

【家主査】 

 そうですね。何回か、私はコンシェルジュという言葉を使ったんですけれども、そんな感じなんですね、だから。どうしていいかわからない人が来たときに、これを親切に振り分けてあげるというのが1つ。

【吉澤委員】 

 言葉で選べば、五神先生が言ったように、利用促進アドバイザーというような言葉がいいかと思います。

【家主査】 

 では、そういう形に修正させていただきましょう。ほかにいかがでしょうか。多分、この辺は、現場でユーザーと接しておられる方々の実感とか、その辺のところが。

 よろしいでしょうか。それでは、7ページ目ぐらいまで行きまして、4.課題解決型の研究開発・利用研究の推進についてと。

【佐野委員】 

 すみません、6ページなんですが、下から5行目のコヒーレント光源施設という言葉がありますが、これはもうちょっと具体的に書けないかなという感じがちょっとしたんですけれども、これが何を指しているのかというところもですね。

【家主査】 

 そうですね、これは、レーザーベースの光源という意味ですね。

【原室長】 

 これは8ページ目の下の丸で、コヒーレント光源施設ということを記述していますので、それがない段階で入れようかと考えたものですので、8ページ目のところ、一番最後の丸にこのような記述が入るのであれば、場合によっては、ここはなくてもいいのかもしれません。

【家主査】  

 そうですね。ここは技術のさらなる進展で、施設のところまでは、ここで必ずしも言及する必要はないかもしれませんね。ではこれはここの部分、革新技術については云々ということで、コヒーレント光源施設については削除ということに。

【佐野委員】 

 あるいは、ここで「施設」だけ取ってもいいのかもしれないですね、コヒーレント光源、これは施設の話になっちゃっているので。

【家主査】 

 革新技術、コヒーレント光源、この辺専門の方々、この言葉使いについては、どういうふうに受け取られるでしょうか。その繰り返しレーザーの増幅技術とか、スーパーコヒーレント制御技術などの革新技術に加えて、いや、コヒーレント光源と改めてつける必要があるかどうかということですね。

【五神委員】 

 多分要らない。

【家主査】 

 よろしいですか。はい。

【五神委員】 

 すみません、お送りいただいたバージョンの後ろに、これから議論していただくところですけれども、追加する部分が削除になっていたので、それで事務局の方でここにそれらしい文言を入れたんだと思うので、後ろが再び削除にならなければ、ここはなくてもいいような気がいたします。

【家主査】 

 はい。では、それはこの点は後ろと連関するということで。

 はい、では7ページの課題解決型の研究開発・利用研究の推進について。

【五神委員】 

 すみません、よろしいでしょうか。

【家主査】 

 どうぞ。

【五神委員】 

 川合委員が、7ページのところで、今よろしいんですね。「検出器を含め」と入れていただいて、これは多分非常に重要だと思うんですけれども、多分、レーザー技術と放射光の技術はかなり融合してくる中で、同じような波長領域だけれども、レーザーを用いて検出をする。これは多分辛先生の専門ですけれども、光電子分光とかそういったようなもの、あるいはX線吸収分光というものがこれから出てくる中で、放射光の中で培ってきた検出器技術をレーザーの方にどういうふうに提案していくかというところで、新たな高度化技術開発が多分必要になるだろうと思っていて、向こう5年間というのは、多分重要なフェーズだろうと理解していて、ここは多分私より辛先生の方が御専門なんですけれども、そういう文言があるといいなと思っていて、前回事務局からお送りいただいたのに、一応かろうじて「検出器を含め」とあったので、一応ここ、一生懸命読み込んでいけば、そういうことは主張できるかなと思ったんですけれども、もし具体的に加えたほうがよければ、加えてもよいような場所ではないかというふうに思いました。

【家主査】 

 どうぞ。

【辛委員】 

 あまり詳しくないんですけれども、多分ここはFELのことを言っているんだと思うんですね。FELの技術開発、ほとんど検出器が半分ぐらい占めているので、それで多分、ちょっとあったほうがいいと思いますけれども、どういうふうに書いていいか、ちょっとわからないですね。とりあえずこの程度でいいと思いますが。高速の検出器がないとFELの利用って進まないんですね。それが今世界中でやられていて、まだないと言っていいくらいです。

【家主査】 

 そういう面もあると思いますけれども、もっと一般的に、どうなんでしょう、この分野、やっぱりここに欧米に比べおくれているというような指摘があるということは、それは残念ながら事実なんですよね。シエンタだとか、レーザー技術でも。少しこの辺、何かおくれているというだけではなくて、日本でそういう分野をポジティブにプロモートしていくような技術が加えられればいいかなと思うんですけれども。何か日本がすぐれているところって何かないんですか。

【辛委員】 

 超電導技術だと思いますけれども。

【家主査】 

 検出器とかソフトウエアとかそういう分野ではどうなんでしょうか。

【辛委員】 

 やるところがないんですね。日本だと、SACLAの中でそういうグループがありますけれども、それではちょっと相当おくれていますね。あと産業界との連携がものすごく大事で、すみません、そんなに詳しくはないんですね。ただ、検出器という意味だと2種類あって、非常に高速の検出器が必要なのと、今はCCDだと読むのに何秒もかかっちゃったりするので、繰り返し数に合わせるようなやつとか、あるいは高位置分解能の検出器とかそういう意味では、日本ではやっている人がそもそもいなくて、外国で作られたやつをそのまま輸入している段階ですね。アメリカだとそういう研究所があったりするんですけれども、日本ではそういうのがない。あと、業者との連携がちょっと足りないのかもしれません。ちょっとすみません、これ以上具体的にコメントできないです。

【家主査】 

 はい。

【辛委員】 

 ただ、非常に困っているところだと、一番実はキーポイントかもしれないですね。

【家主査】 

 現状と課題なので、指摘があるだけにとどまらず、何かそれを少し巻き返すようなのがちょっとあればということで。

【辛委員】 

 相談して、作り変えるようにいたします。

【家主査】 

 さあ、どうぞ。

【兒玉委員】 

 ちょっとこの検出器という言葉が、ものすごくスペシファイされたようなイメージがあるんですね。それをねらってであれば、検出器でいいのかもしれませんけれども、一般的にはこれ診断技術って言われるものではないんですかね。検出器というのをあえて出すということは、それなりの意味が出てくるんですけどね。これはどちらなんでしょう。

【辛委員】 

 診断というと、何か医療みたいな感じに。

【兒玉委員】 

 いやいや、そうではない。diagnosticsと英語であるように、これは一般的にあるので。

【辛委員】 

 多分これは放射光用語に近いですね。

【兒玉委員】 

 そうですね、ものすごく。だから例えば放射光でも、レーザーを使った新しい診断技術ということはあるわけだけども、その場合は検出器という定義の中に入らなくなってくるんですよね。検出器になると、どうしてもスペシファイされてきて、狭くなってくるので。だから、おそらくここは診断技術の広く持っていたほうが一般的にはいいように思うんですけれども、意図があって検出器であれば、それはそれでいいのかなと。

【家主査】 

 残念ながら川合委員、御出席になったことがないのでよくわからないですけれども、測定器というと、また違うんですか、これは。どうもその前が解析ソフトウエアの話が出てきて、私は一般的に測定器の話かなと思って、読んでいたんですけれども、御専門の方、どういうふうに受け取られるんですかね。

【辛委員】 

 フォトンや量子の検出器ですね。多分FELでは一番大事な開発要素ですね。ちょっと川合先生と相談できればいいのですが。

【井上委員】 

 用語で言えば、我々のような核物理だと非常に大きく分けるときに、加速器・測定器と言うんですね。測定器というところには、検出器もあるし、解析ソフトウエアもあるんですね。解析というか、データアキジションのあれですよね、ソフトも入る。

 だから、その時々でちょっとニュアンスが違うと思うので、ここで適切なのは、何を意図しておられたかで、先ほど言われたような高速処理とか、それから位置検出能力、分離能力ですね、分解能が高いものとかというのであれば、そういうふうに具体的に書かれればそうだと思いますけれども。それは、高エネルギーとか宇宙とかの方とかも結構やっておられることなので、ただ、自作ですよね、彼らは。

【吉澤委員】 

 よろしいでしょうか。ここのパラグラフは、量子ビーム一般に全部に適用できるので、必ずしもレーザーだけとか放射光だけではなくて、中性子の方もそれで、解析ソフトウエアとの連携と、それから検出器のここのところですけれども、井上先生がおっしゃるように、これ中性子研究者の言葉でいうと、データアキジションシステムなんですね。だから、利用環境の高度化やデータ何とかシステムの高度化がおくれているというような表現にすると、非常に一般的で全部の分野を適切にカバーできるんじゃないかと思います。 【家主査】  おっしゃったように、ここで言いたいことは、加速器とか光源と並んで、その周辺機器というか、それにまつわるものの充実が大事だということですよね。例えば測定器・検出器と並べたら、カバーできないんですか。ちょっとそれは違いますか。私は全然分野違いなので。

【井上委員】 

 データアキジションシステムというのは、日本語で言うことはないんですかね。

【村上委員】 

 計測システム。

【家主査】 

 計測システムね。

【五神委員】 

 すみません、計測システムでも、周辺技術の高度化にしたほうが、そこの検出器を含めのところに、具体的に測定器とかそういうのを書いたとして、その上で周辺技術の高度化というほうが、手法も含めて全部借りてきたもので測って、いいデータを出して、論文だけ書くというのだとだめだという話ですよね、ここで書いているのは。ですから、そういうふうにすれば、皆さんの意が汲めるかなと思うんですが、いかがでしょうか。

【加藤委員】 

 ちょっとよろしいですか。

【家主査】 

 はい、どうぞ。

【加藤委員】 

 検出器の高度化がおくれているというんだけど、実際は、日本は結構放射線検出器は色々進んでおりまして、私のよく知っている浜松ホトニクスでは、高速での放射線を測定するとか、あるいは大量の画像データを迅速に処理するとか、そういう開発は結構行われているんですよね。だから、そのX線自由電子レーザーのプロジェクトにおいて、まず光源開発、それから利用者の開拓とかいうようなところは重点が置かれていたんだけども、それに必要な検出器とか計測システムとか、そういうところまでまだ手が回っていなかったというかな、そういうのでおくれていると。だから、私から見ると、高度化がおくれているというより、高度化への取組がおくれているというのが現実なんじゃないかという気はしているんですけれども、そういう書き方をするとあまりよくないんでしょうかね。

 あと、おくれているとの指摘があるというネガティブな書き方だけではなくて、これにもっと力を入れる必要があるとか、何かそういうような書き方がいいのかなと思いますけれども。

【家主査】 

 それはポジティブにしたいと思います。

【吉澤委員】 

 一言言わせてください。確かにそのとおりで、加藤先生が言うように、おくれているんじゃなくて、J-PARCなんかのプロジェクトが走ったときには、すべてないので、全部国産なんですね。ですから、総合的なそういうシステムの最先端のものを立ち上げるのが、加速器が運転する状態に追いついていないというのが正しい表現で、特に中性子の場合は全部国産ですから、買ってこられるものなんて世の中には、世界にないわけで、日本の方が進んでいるという認識の上でここを表現していただきたいなと思います。

【家主査】 

 今のような話だと、この欧米に比べておくれているというのと随分トーンが違う。多分、色々な測定器・検出器というのは、一般に普及しているものに関しては、やっぱり外国製品が多いですよね。J-PARCみたいな、本当にオンリーワンのところでは全部もちろん自分でやらざるを得ないわけなんですけれども、その辺の、そういうものと、それからもう少しその光電子部会なり何なり波及していって、広く使われるものについて、やっぱりちょっとおくれているかなという感じがあって、その辺はてこ入れすると、産業界の活性にもなるんだろうと思うんですが、その辺の体制をどうしたらうまくいけるのかなというのは。

【兒玉委員】 

 それに関して、私はネガティブな意見で、例えば浜ホトはかなりの技術を持ってらっしゃるんですけれども、高いです。特殊な装置に関しては、やっぱりさっき言われたように日本でしかない、そういうことは日本なんです。いざ普及していくと、やはり外国製品が安いんですね。外国製品をやっていると。これを解決しようというのは、相当根本的な産業構造から含めて変えないといけないことになるので、そこまでここで踏み込むのかということになってくるような気がするんですよね。

【家主査】 

 簡単ではないのは確かですね。多分、ハードウエアもさることながら、やはりソフトウエアに関して、日本は非常におくれていますね。その使い勝手というのは、多分その辺で来ると思うので。

 さて、どうしましょうか。少しポジティブなトーンを出したいんですけれども。

【辛委員】 

 ちょっと分野によって違うんですけれども、私はFELの専門家ではないんですが、明らかに検出器おくれていますね、ソフトウエアも含めて。浜ホトさんも頑張っているんだけど、部分的にはすぐれているけど、それが使えるかというと、使えない。まあJ-PARCは国産でよろしいと思うんですけれども、おくれている分野もあるので。

 あと、ベンチャーみたいな中小企業が日本ではやってくれないんですよね。そこは、どうしたらいいかわからない。

【井上委員】 

 いいですか。

【家主査】 

 はい、どうぞ。

【井上委員】 

 一番最初に私がちょっと触れたかと思うんですけれども、要するに、ベーシックリサーチがあって、ディベロップメントがあって、インダストリーがあってという中で、ユーザーから見たらインダストリーのところまで行っていなかったら使えないという感じで、おくれているというふうに思うわけですよね。ベーシックリサーチのところは進んでいるよと言っても、やっぱりユーザーから見たらおくれているんですよ。だから、そういう観点じゃないかと思うんですけどね。それうまく言いあらわせるかどうかは別ですけれども、短い文章で。

【家主査】 

 はい。大体論点は出たかなと思いますので、少し事務局と相談して、表現を考えさせていただきたいと思います。おくれているというだけではなくて、何かポジティブなトーンも出したいと思います。

 そのほか、8ページにかけて、いかがでしょうか。先ほど議論のありました8ページの最後の丸ですね、コヒーレント光源施設のお話がここに出てきておりますので、ここがあれば前の節はよろしいかなと。

 下から2つ目の丸、ここにも検出器の開発というのが、川合先生からの御意見ですね。まあ、ここはよろしいかな、計算科学との連携の話ですからね。

 それでは次に5.開発成果の利用促進・社会への還元等について。ここは、9ページのところはあまり大きなものはない。10ページのところに佐野委員からの御意見で、産業の活性化を促し、生まれた利潤を税金や雇用の促進ということで還元すると、スキームが重要だと。はい、よろしいでしょうか。

 では次に6.人材育成については、皆さん色々御意見がおありかと思いますけれども、11ページのところのSACLAがうまくいったことの背景のお話。それから、11ページの下から2つ目の丸、加速器については、人材育成機能がKEKに集中してきた現状も踏まえ云々と。

【五神委員】 

 よろしいでしょうか。

【家主査】 

 どうぞ。

【五神委員】 

 事務局からいただいた資料で、先端加速器に係る専門家の育成を推進することが必要であるで終わっていたので、それを読んだときに、例えば総合研究大学院大学による大学院生の受け入れということが直近5年ぐらいの育成強化という観点で見たときに実効性があるのかということを考えて、実際装置を作ったり、開発するのは企業の人たちなので、そういう人たちをもう少し学術的なレベルでも連携を強めるような新しい方法で20代ではなくて、30代前半ぐらいの人材の掘り起こしをしないと間に合わないんじゃないかなという意味で、ここにこういう文言を追加することを提案して、電気や機械というのは、あまり考えずにぱっと書いただけなので、ちょっと唐突感があるので、産業分野にいる技術者の人たちを社会人として受け入れるようなスキームというようなことが私が言いたかったことですので、文言については御議論いただければと思います。

【家主査】 

 そうですね。もう一つは、こういう専門家になって、研究者というよりは、エンジニア、テクノロジストというんでしょうかね、これらのプロとして生きていくポストというのが非常に日本に少なくなっているというところがあるのかなという気がします。

 今の五神先生のところは、電気や機械って、これはちょっとスペシフィック、もう少し一般的に産業分野との連携ということでよろしいでしょうか。

【五神委員】 

 そうですね、ですからもしちゃんと書くとしたら、産業分野との連携による社会人の受け入れなども含め、その人材育成策について、具体的な検討を行うべきであるとか、まだアイデアの段階で、ここでは全然時間が足りなくて、議論していないところですけれども、言いっぱなしではなくて、もうちょっと踏み込まないと効果が出ないのではないかという気がします。

【家主査】 

 おっしゃるとおりですね。

【加藤委員】 

 ちょっとよろしいでしょうか。人材育成は非常に重要であると。そこは皆さん一致していると思うんですが、それで、特に大型施設における人材育成の重要性って、また別の意味があって、大型施設を利用するというか、加速器開発も含め加速器を作り、それからそれを利用するという機能と、それが人材育成と一体になって進められるというのが望ましい形で、それでそこがうまくできていないという問題があるんだろうと。

 それで、そういう人材育成の機能を持っているのは、大学であり、それから大型施設についてはKEKのような機関であるというふうにだんだん限定されてきてしまっているので、それだけでは不十分というか、そういう状況になっているのではないかと思うんですよね。それで、それは人材育成の面でも問題だし、それから施設を有効活用という面でも問題なわけですね。

 それで、そこをどうするかというのが今一番重要で、それの方策として総研大による大学院の受け入れとか書いてあるんだけど、今一つこういうふうに書いてあるだけでは不十分というか、何かそんな気がするんですよね。

 確かにKEKは総研大があって、そういうところはあるんですが、実際大型施設を建設し、運用しているところが理化学研究所であったり、原子力機構であったりそういうところがあって、そこは施設開発者的な位置付けなので、あるいは利用へのサービス提供というかそういう位置付けなので、人材育成という機能を持たされていないんですが、質的にはやはりそういうところをいかに活用していくかというのが重要だと思うんですね。

 そこを可能にするような何か方策なり何なりを含められれば、今すぐこれですぐ動くかどうかはわかりませんけれども、それを含められれば、1つの突破口になるのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

【吉澤委員】 

 よろしいですか。加藤先生のそのとおりなので、その上のところで、実は大型施設がどういうふうに人材育成できるかというところで、私もこういうのを入れてほしいということで反映していただいているのが、例えば大型施設における長期滞在型の育成と人事交流によりという、これは具体的な施策としてすぐ打ち出せる。例えば例に出た理研とか原子力機構の大型の装置を持っているところに産業界の人も、それから大学の大学院生も引き受けて、長期滞在型で人材育成するというので具体的な施策にこれを持っていける文言なので、この2つ、上下のパラグラフ2つを合わせ読めばよろしいんじゃないかと思います。

【五神委員】 

 すみません、私がイメージしたのは、そういうことはもちろんやらなければいけないわけですけども、例えばSACLAができたときに、やはり非常にすぐれたサイエンティスト、技術者がいて、そういう人がやっぱり主導していくということが特徴的な加速器を使った装置をきちんと作っていくのには必要で、そういう人が大学院生を指導するような立場で人材ができるという形に持っていきたいんですけれども、今全くそういう人もそういうところにいないし、そういう講座が消えている状況の中で、次のその研究室を主導するような人をどこから探してきて、どういうふうに育てたらいいかという中で、総研大とかそういうのもありますけれども、長期滞在も多分施設を知るという意味ではいいと思うんですけれども、その加速器を設計するスーパーテクニシャンというか、スペシャリストみたいなリーダーを出すということにはなかなかならないだろうと。

 そういう人材が全くいないのであればしようがないといってお手上げするということですけれども、あれだけの装置が次々作れているので、やっぱりすごい人はまだ日本にいるのではないかと思ったので、そういう人が学理というような意味で回っていくような立場でないために、そのまま作業のままで終わってしまっているとすれば、そういう人を掘り起こして、学位、プログラムの中に入れて、きちんとしたアカデミアの中に引き込むことで、そういう人が次の人材になるのではないかという意味を込めて、そこの、そういうことをやらないと、問題が動いていかないのではないかという提案をしたわけです。

【村上委員】 

 1つだけよろしいですか。今、人材育成で、研究者を中心に人材育成考えられている中身だと思うんですけれども、さっき家先生がちょっとおっしゃったことなんですが、我々は1つ非常に不足しているというところは、技術職員のところなんですね。ある一定の技術職員がサイエンティストを支えながら、両者で技術開発していくというスキームがどうも最近ずっと日本は技術職員の数がどんどん減っていって、大学だってそうだと思うんですけれども、それはやっぱりかなり問題、諸外国の、例えば施設なんかを見ると、スムーズに学校から来た人が実験をできるのは、かなりの部分、技術職員、テクニシャンが面倒を見てくれるようなところが多いんですね。

 研究開発を行うときに、そのテクニシャンの重要性というのは、どこかで何か、ここが適切かどうかわからないんですけれども、そういうテクニシャンの人材育成ということも入れていただければありがたいかなと思いました。

【家主査】 

 私もそれは非常に感じているところです。

 では、この辺は、今色々いただいた御意見を踏まえて、少し表現を工夫させていただきたいと思います。

 次は、7.国際的な取り組みについて。13ページのところに加筆された部分があります。国際競争と国際協調ということで、この辺は表現としてはよろしいかなと思います。

 それでは次に8.ここがこの中間報告の肝になるところかと思いますけれども、今後5年程度に集中して取り組むべき課題等について。これについては、メールで、特に五神先生から御意見をいただいております。大体改めて、この場で。

【五神委員】 

 すみません。指摘のポイントは、パワーポイントの施策の例というのをぱらぱら見ていたときに、ものづくり力の革新を実現する先導的という、ものづくり力というフレーズが、果たして今の経済状況の中で25年に向けた予算要求の標語としてインパクトがあるのだろうかと、効果的かということが非常に気になってきた。もちろん我々の思いとしては、ハードウエアをベースとしたものづくり力というものの革新によって、日本の成長というのが導かれるような方向がいいなと、そういうことを望みたいと思っているのは我々の希望なわけですけれども、世の中の状況からいったときに、いわゆる狭い意味での製造業というものを象徴するものづくり力を少しよくするというふうにフォーカスしてしまうと、この光・量子ビームで議論しているものの広がりをかなり過小に評価されてしまう可能性があるだろうということがポイントで、そうならないように文言を工夫したらどうかというのが提案で、そこに書いてあるのは、あまり時間がない中でちょこちょこと思いついたのを書いただけですので、一例だと思っていただければと思います。

【家主査】 

 御指摘の趣旨、大変よくわかります。いかがでしょうか、皆さんの受けた感じというのは。一方において、こういう状況で、例えば経済状況で円がどんどん高くなって、生産規模がどんどん海外へ流出していくというときだからこそ、ものづくり力ということを改めて強調するという考え方もなくはないかなという気もいたします。

 確かに産業全体にかかわることなので、そういう意味では網羅的なんですけれども、産業の革新と言ってしまうと、何かちょっと一般的な言葉使いでインパクトが少しどうなんだろうかなという気もしないでもないですね。どっちがいいかという問題ではなくて。

【五神委員】 

 ものづくり力の革新というのは、もちろん望むところで、それを主張したいんですけれども、ここで施策として提案していることが、じゃ、例えば日本の製造業の雇用を回復するのに役に立つような具体的な施策かというと、全くそういうものにつながるようなものは何一つないですね、今のところ、H25の事業で見ると。これ何か加速器を使って何とかというのは、どっちかというと製造業よりはむしろインフラをやるような、土木的なところの雇用創出かもしれないので。で、そういうふうに思われてしまうことがまずいだろうと。

 それで、ただしここでやることをきちんと進めること、前に進めさえすれば、ものづくり力の革新につながるような力を蓄えることができることは、もう我々は革新しているわけで、それはそういうことをしたいと。

 例えば産業構造の革新というのは、これは確かに大ぶろしき過ぎるので、そういう観点で本当は光は使っていくべきだと私は思っているんですけれども、この報告書としては、例えば先導的研究の開発の推進によるイノベーションの促進とかそういう形にして、もうちょっと産業界をどこをターゲットにしているかということを狭くし過ぎないようにする工夫でもよいのかなという気はします。

【家主査】 

 多分、この辺は、これをベースに財務当局と掛け合う文科省の担当の方の感覚を尊重したいと思いますけれども。

【兒玉委員】 

 言葉の問題なんですけれども、革新とイノベーション、これはだぶらないんでしょうか、文章の中で。何かちょっと日本語としてしっくり来ないような。ただ英語と日本語を分けて。

【原室長】 

 すみません、どこに説明するかによって、多少言いぶりにバッファーがあったほうがいいという部分もありますし、ものづくりというのは、そのものづくりの産業が韓国の追い上げをはじめとして、日本が厳しくなっていると、キーワードの1つではると思いますので、ちょっとタイトルは広目にして、例えばものづくり産業の革新にも役に立つ、ちょっと一段そのものづくり産業そのものにすぐに貢献するわけではないと思いますけれども、そういうところにも貢献できるような技術開発をするといったようなところで、本文中に例えばものづくりというのを入れるとか、ちょっとその辺は工夫させていただければと思います。

【家主査】 

 タイトルはもう少し産業の革新とか何かそんなような。

【原室長】 

 タイトルはちょっと広目にして、例えばその中の1つの要素としてものづくり力というものを入れるといったようなイメージだと思います。

【家主査】 

 はい。じゃ、そんな感じで少し事務局に工夫をしていただくということで。

【南波委員】 

 ちょっといいですか。

【家主査】 

 どうぞ。

【南波委員】 

 今のに関連してなんですけれども、いわゆるライフイノベーション、グリーンイノベーションというのを国が使ったときのキーワードが、我が国の強みを生かすという言い方だったと思うんですね。だからそういう意味では、この最初の言葉である、我が国の強みであるこれこれをという、そちらを表に出すほうがいいような気がしたものですから、ちょっと。

【家主査】 

 はい。そこはあれですね、この文章、本文の中に、我が国の強みである光・量子ビーム技術における先端研究をという、これをつなげて……。

【南波委員】 

 それをタイトル側の方に入れたらいかがでしょうかという。

【家主査】 

 そういうことですか。

【五神委員】 

 難しい。

【原室長】 

 すみません、あまりタイトルが長くなってもあれかもしれません。ちょっと検討させていただければと思います。主査とも相談して、より適切な柱を立てたいと思います。

【家主査】 

 では1つ目の四角は大体そういうことで、2つ目の四角についてですが、これも五神先生から御指摘いただいて、横断的であればいいというものではないと、まさにそのとおりでありまして、横断的利用によって、どういういいことがあるのかということを書き込むべきかという、それは本当にそうだと思います。

 まあでも、横断的利用は、これからのあれですよね、アクティビティーなので、そういうものの成功事例を積み重ねていくということが大事なんだろうと思います。

 御指摘の点はよくわかりますが、表現としては、これからのそういう横断的利用によって、色々なポテンシャルがあるということで、もう少し何か具体的な成功例を書ければいいのかもしれませんが。

【五神委員】 

 そうですね、この資料にちょっと私がメールで書いたことが書かれていないんですけれども、私が思ったそこの横断的利用の成功事例となる云々のタイトルのかわりは、横断的利用による革新技術の創出とその実現に向けた利用促進支援と技術開発というような感じで、横断的利用によって、新しい技術を生み出すということを推進してほしいというような意味合いでした。同じといえば同じなんですけれども。

【家主査】 

 そうですね、わかりました。では、挙げていただいたタイトルも含めて、検討させていただきます。

 それから次、産業界も含めた利用者のすそ野を大きく広げる研究開発等の推進。

 それから研究開発と一体的な若手研究者等の育成の推進。

 これら4つの四角が、今後5年程度に集中して、こういうことを十分念頭に置いて、この分野の研究開発の推進を進めていくべきであるというようなことで。

 よろしいでしょうか。

 次に、(2)取り組むべき課題解決型研究開発のテーマ。これは研究開発のテーマで、特にここでは政府の言っているグリーン・ライフイノベーション等を意識して、課題解決型の研究開発のテーマとしてはこういうものがありますよということで、幾つか整備して、ここに挙げていただいております。次のページにずっと続いておりますけれども、いかがでしょうか。

【三和田委員】 

 よろしいですか。

【家主査】 

 どうぞ。

【三和田委員】 

 16ページの一番下の燃料電池等のというのをタイトルにしているんですけれども、ここのこの文章の一番最後のところに、燃料電池やリチウム電池等のという、二次電池も含まれた表現になっていると思うんですけれども、タイトルのところでやはり燃料電池っていうふうに狭めないで、電池技術というか、電気科学の解析技術みたいな形にしていただいて、その具体的な実施例として燃料電池の電解質膜だとかリチウム二次電池の解析みたいなところを取り組んでいただいたほうが、全体のグリーンイノベーションとしてはいいのではないかなと考えますけれども、いかがでしょうか。

【家主査】 

 そうですね。何かタイトルとしてそれをうまく包括的に言いあらわすような表現がありますでしょうか。

【三和田委員】 

 ちょっと具体的じゃないかもしれませんけれども、その上の省エネルギー社会の実現を目指したというようなタイトルがありますよね。それと同じような感じで、何かうまい文章が作れないのかなと思うんですけれども、その電気をやっぱりうまく活用するだとか、そういうようなところで。

【家主査】 

 この本文の最初に出てくる分散エネルギーシステムというような、これをタイトルにすると通じますかね。電池ぐらいにしておけば、一般の人にもわかるかもしれない。分散エネルギーシステムの実現のための電池の高度化とか、何か高性能化とか。 これらも含めて、何かいい表現を思いつかれたら、ぜひメールででもお寄せいただければと思います。

 次に極限状態の科学。これは兒玉先生から。

【佐野委員】 

 ちょっとよろしいでしょうか。

【家主査】 

 どうぞ。

【佐野委員】 

 今の極限状態の科学のところなんですが、兒玉先生の方から修正があって非常にわかりやすくなったなと思うんですけれども、ちょっとこのタイトルの極限状態の科学というのが、ちょっとほかのと比べて具体性がないというんですかね、ライフイノベーション・グリーンイノベーションと関係するような感じではちょっととらえにくいので、何か少しうまいタイトルが考えられるかなと思うんですけれども。

【兒玉委員】 

 最初、いただいたときには、これが学術の枠で別枠になっていたので、タイトルのところまで気にしなかったんですけれども、グリーンイノベーションの中に入ったら、やはり変えたほうがいいかなと。例えば極限状態を利用した新物質材料創生とか、もう少し物質材料を作るんだという方向に行ったほうがいいかなと思いますけれども、その辺は全体をどうするかよくわからなかったので。

【辛委員】 

 ちょっとよろしいですか。ここは高圧がメーンになっているんですけれども、高圧以外にも光誘起状態を使った新しい物質とかそういうのもあるので、新しい物質材料作成みたいな形でもう少し広げられたほうがいいかなとちょっと感じました。高圧以外の物質作成もあったほうがいいかなと思いました。

【家主査】 

 そうすると、例えばでしょうか、思いつきですが、極限条件による新物質創生とか何かそんなようなタイトルにして、今の光誘起のことも少し本文の中に書き込むと。

【兒玉委員】 

 ただ、光誘起の場合は極限とは言わないので、ちょっと全然方向が違うと思いますので、それは高圧を狭いと思われるのは、それは物質材料の観点から言えばそうなんですけれども、惑星とかほかにもいっぱい極限材料とかあるわけで、産業用にもなっていまして、レーザーピーニングとかレーザープロセスとか、レーザー加工とかあるわけでして、かなり広い範囲をカバーしていると思います。

【家主査】 

 そうですね、ちょっとここはグリーンとライフで再整理を試みたために、ちょっと最初の意図と違うことになっているかもしれませんが。

【五神委員】 

 今、辛先生がおっしゃったことは、多分ここにもし兒玉先生がおっしゃるような物質科学が入るのだとすれば、やはりそれと相補的な面でのやはり光・量子と関連した物質の切り口を1個立てたほうがいいんじゃないですかね。

【家主査】 

 無理やりグリーン・ライフに全部押し込めるというのもなかなか難しいものがありますね。

【五神委員】 

 一緒くたにするとよくわからなくなっちゃうし、多分非常に強いレーザーがあることによって、どういうことができますかというのは多分新しいし、やらなきゃいけないことだから。

【家主査】 

 別途ね。高圧ということに、極限条件ということにすると、この整理でグリーンがあって、次のページにライフがあって、その次に基盤技術開発という項目がありますよね。そちらの方に移したほうがおさまりがよくはないでしょうか。

【兒玉委員】 

 私は最初に配られたのが結構、これ全体でうたっているのは学術から産業応用まで幅広いアプローチをしますと。グリーン・ライフというのは、もう本当に直近のアウトですよね。それを学術から基盤技術まで含めてやりますよと、全体としてうたっていることをちゃんとうまくカバーできているんだなと思ったんですね。要するに学術があって、グリーンがあって、ライフがあって、それで基盤技術があってというふうに読んだんですね。

 それを2つの柱だけにするのであれば、むしろ基盤技術もその中に入れるべきか、あるいは省くべきであって、全体どうするかという問題になると思うんですね。

【五神委員】 

 じゃ、基盤技術は残っているんですね。

【兒玉委員】 

 いやいや、残っているんですけれども、それはこの報告書全体がそういうふうに学術からグリーン、ライフ、それから基盤技術というところまで含めてカバーしなさいと言っているから基盤技術が残っているのであって、グリーンとライフだけを強調する言い方であれば、全体の方向性が変わって、それをもっとグリーン・ライフオリエンテッドにして、出口もグリーンとライフだけにして、基盤技術も省くべきだと思います。

 でも今は全体としては、学術からグリーン・ライフまで幅広くやりましょうと言っているわけですから、最初配られたほうが、何か全体としてはフィットしているなという気がしたんですね。

【家主査】 

 この辺は、この後に少し議論させていただく概算要求との絡みで、それこそその次のステップのところに説明に行くときの説明のしやすさを絡んでいるんだろうと思うんですけれども、やっぱり第4期科学技術基本計画でグリーン・ライフということがうたわれている以上、それにどうこれが関連しているのかということは、ぱっと見てわかるようにしておくというのが必要かなという気はいたします。

 その上で、そこにはまらない基礎科学とか基盤技術開発とか、そういうものを第3のところとして、今18ページの下のところに基盤技術開発とありますけれども、ここのタイトルをもう少し広くして、グリーンとかライフにおさまりが悪いものをここに移すということではいかがでしょうか。

【原室長】 

 予算要求上の観点から言うと、学術をあまりメーンにしてしまうと、この委託事業でやるべきかどうかってどうしても議論が出てしまうので、ちょっと整理のやり方は、やはりグリーン、ライフ、基盤技術の方が、予算要求上のテクニックの問題から言うと通りやすいんだと思います。報告書のスコープとしては、その学術から産業界まで全部を対象にしつつもということですね。

【家主査】 

 本来の研究者の心情から言うと、ちょっとそぐわないものがあるかもしれませんけれども、こういう高圧という極限条件の技術開発にも応用できるんですよということで、もしグリーンの方におさまりが悪ければ、こちらということもどうでしょうかしらね。

【兒玉委員】 

 その全体枠がもう少し理解できていなかったので、全体枠の中でそれに合った書き方もあると思いますので。それはグリーンあれば、グリーンに合わせて書きます。

【五神委員】 

 すみません、ちょっとお伺いしたいんですけれども、グリーンイノベーション・ライフイノベーションというのは民主党の成長戦略の枠組みに出てきた二大柱で、私が観察しているところだと、やっぱりちょっとその二本柱のトーンというのは、少し変わってきているような感じがして、例えば3.11があったので、安全・安心のような話とか、そういう防災的な話とか、そういうものがあって、H25に向けた予算要求の、それは局内での説明もあるでしょうし、それから財務省へ行ったところでの説明のしやすさという観点もあると思うんですけれども、そういうのを勘案したときに、グリーン・ライフという限ることが、もしかするとちょっと古くさいアプローチ、1年半ぐらい前のアプローチ、2年前かな、になるんじゃないかということが懸念されていて、やっぱり原発のようなものに対する技術というものを光・量子ビームの技術からたくさん提供できますし、汚染の話もたくさんできますし、やっぱり光を使える場面がたくさんあるので、ちょっとそこの戦略整理をもうちょっとしていただけるとよいのではないかと。

 それで、基盤というのは確かにそういう意味で、このカテゴリーで予算要求をするのに難しいということであれば、もちろんそこは言わずもがなという形で訴えていけばよいということになるので、この項目としては、とりやすい形のものを、とりやすい形でまとめていただいて、やっていただければと思います。

【原室長】 

 現状の科学技術基本計画で震災からの復興というのと、あとはグリーンイノベーション・ライフイノベーションというのが立っています。グリーンイノベーション・ライフイノベーションがだんだん陳腐化しつつあるというか、古くさくなりつつあるのかどうかというのは、今のところまだそうはなっていないんだと思いますし、特に原発事故絡みで震災からの復興ということもうたわれておりますけれども、どちらかというとそこに組み込むと、よりその復興色が強いふうに事業をまとめていかないとならないので、そうするとちょっとここの報告書でまとめていただいているやりたいこととは、ちょっと方向性がずれていくのかなと。打ち出しとしてはグリーン・ライフということが、今の段階ではいいのかなと思います。

 基盤技術開発の基本計画に直接ではありませんけれども、こういういろんな用途に使える技術開発は必要だということはうたわれておりますので、基盤技術開発というのをうたっているのも多分大丈夫だとは思うんですけれども、学術研究色がただ強くなってしまうと、それは科研費とのデマケとか、ほかの一般的な基礎研究の部分の競争的資金とかのデマケが必要になってくるので、あまりその基盤技術まではいいとしても、学術研究職を強く出すようなテーマを掲げるというのはやりにくい面があるということでございます。

【家主査】 

 どうもありがとうございました。今の大変明解な御説明をいただきましたので。必ずしもサイエンティストとしてのあれと完全に一致しないかもしれませんけれども、この中間報告の趣旨を汲み取っていただければと思います。

【三木委員】 

 すみません、その前に1点だけよろしいでしょうか。

 18ページですけども、ライフイノベーションの2ポツにタンパク質の水素ダイナミクスというのがございますけれども、内容的にはよろしいかと思うんですけれども、中では水素と外殻電子と2つを記述してありますけれども、タイトルが水素ダイナミクスになっていて、少し全体をあらわし切っていないかなという気がいたしますので、タイトルにも電子、外殻電子の挙動とかいう言葉を入れるか、あるいは両方ひっくるめて、化学反応プロセスとかそういう言葉にするかということで、ちょっとタイトルを広くしていただいたほうが適切で、中性子と放射光の連携ということもよりクリアになるかと思いますので。

【家主査】 

 わかりました。では、タイトル何かいい案がありましたら、お寄せいただければと。

 それでは21ページの中間報告の終わりにのところですけれども、これも追加意見をいただいておりまして、書き込まれております。これまでのことを改めて復習するようなことが大体書かれているかと思いますけれども、よろしいでしょうか。

 それで、その後参考資料として、色々つけておりますけれども、今日の色々、一番御議論が集中した8.のところですね、それに関連する資料が2-4です。これについては、具体的にどこが修正されているんでしたっけ。

【阿部補佐】 

 2-4の資料ですけれども、まず1枚目概要につきましては、本日の議論も踏まえまして、また修正させていただきますので、こちらは飛ばしていただきまして、2枚目以降、具体的なイメージ例というところで、以下7つ入ってございます。こちら前回のときは、資料の構成として、2つの説明の箱がございました。本課題が目指すブレークスルーというのと期待される成果が記載されていましたけれども、今回その一番左の箱として、ニーズとボトルネックということで、背景やなぜこれが必要になっているかとか、こういうところが今課題になっているというところを少し書かせていただいた上で、どういうブレークスルーを目指して、その先に期待される成果として、どういう未来が描けるんだというような形で全体の説明・構成を作り直してございます。

 下線を引いているところが、一応、少し文章長いところがございますので、端的にここがポイントですというところに下線を引かせていただいてございます。

 全体として少し技術的なところも含めて、先生方に御確認いただきたいと考えてございます。

【家主査】 

 これについても御確認いただければと思います。

 中間報告案及び参考資料につきまして、一通り御議論いただいたかと思います。まだまだ色々御議論が尽きないところもあるかと思いますけれども、少し時間配分の点から、このぐらいにさせていただきたいと思いますけれども、今後の扱いですけれども、もし御承認いただければ、今後の修正等につきましては、事務局と主査にお任せいただいて、中間報告をまとめさせていただきたいと思います。いかがでしょう、よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。表現、文言等でお気づき、御提案があれば、そうですね、今後1週間ぐらいをめどに事務局の方にお寄せいただければ、それを参考にして、まとめさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それから、まとめました中間報告につきましては、もちろん親部会の方にあれするわけですけれども、秋以降、概算要求の進捗状況を見ながら、また作業部会を開催して、また再度御意見をいただき、中間報告じゃなくて、最終報告というか、の取りまとめという形に進めてまいりたいと思います。

 それからもう一つ今日の議題として、事前評価案についてと、これ資料3というものですけれども、これはこの作業部会でずっと御議論いただき、今日一応かなり最終的な形に近づきつつある中間報告案をもとに、事務局が作成した事前評価結果の様式案でございます。この事前評価というのは、来年度から実施すべき施策として中間報告とともに先端研究基盤部会及び研究計画評価分科会に報告して審議いただくという位置付けのものです。これについて、まず事務局から御説明お願いいたします。

【阿部補佐】 

 それでは資料3をご覧ください。1枚めくっていだきますと、ポンチ絵が2枚入っているかと思います。こちらにつきましては、最終的に本日の議論も踏まえまして、概要等修正させていただきますので、説明は省略させていただきます。

 もう一枚めくっていただきますと、事前評価票ということで様式がございます。審議会の様式になってございますので御承知おきください。

 まず3ポツ目のところ、課題の概要というところで、こちらも本日の議論を踏まえまして、若干修正させていただきますけれども、A、B、C、Dとございまして、今回この事前評価として提案する課題の概要を記載していますが、まずAのところでこの光と量子の科学技術が重要な基盤技術であって、キーテクノロジーであるということ。Bのところでグリーンイノベーション・ライフイノベーションの創出とか、そのものづくり力、産業競争力といったものへの革新を実現されるものとして重要であること。Cのところで報告書で4つの柱を立てさせていただいていますけれども、その4つの柱が今後の当面の研究開発として重点的に推進するものだということをうたった上で、Dのところでテーマとして、これも報告書の方に記載されておりますけれども、光・量子ビーム融合により、学術研究から産業応用、基盤技術開発に至る幅広い新たなアプローチによるグリーン・ライフイノベーションの貢献というものが重要であって、融合・連携によるイノベーションを創出するために、卓越したリーダーが研究グループを率いて、先導的な研究開発を推進するとともに、第一線の研究現場において、若手人材の育成を図るということでまとめさせていただいております。

 それから4ポツ目のところでございますが、ここが必要性と有効性と効率性ということで、評価様式に基づいて記載しております。灰色になっているところが、この様式の書き方ということで、参考までに残してございますが、まず(1)必要性のところですけれども、評価基準を設定しなければならなくて、この灰色のところで下線を引いたところが主な評価の基準というものになります。科学的技術的意義、社会的経済的意義、国費を用いた研究開発としての意義、それから国益確保への貢献であったり、また政策・施策の企画立案実施への貢献といったものの中から幾つかピックアップして、評価基準を設けて、この提案する課題が必要なのかどうかということを確認するというところになっております。具体的にはEからHのところになります。まず第4期科学技術基本計画において、こういうことが書いてありますということがEとFで、特にFのところで、特に光・量子科学技術については、「領域横断的な科学技術の強化」として、「複数領域に横断的に活用することが可能な科学技術や融合領域の科学技術に関する研究開発を推進する」ということが記載されていますということを確認した上で、Gのところで、こちらも報告書の中から記載しているところですけれども、光・量子科学技術は、基礎科学から産業応用に至るまで共通基盤としてのキーテクノロジーであり、イノベーションを支える基盤技術として、その果たす役割と重要性はますます高まっており、先導的な技術開発や医療研究を推進するとともに、分野融合や境界領域の開拓及び高度な研究人材の育成を推進し、我が国の優位性をさらに確固としていくことが必要であること。そのため、本事業は、先導性や発展性等の観点から科学的・技術的意義は高く、産業応用や国際競争力の向上等の観点から社会的・経済的意義、また国や社会の課題解決への貢献等の観点から国費を用いた研究開発の意義についても高いものであるとまとめさせていただいております。

 それから(2)有効性のところでございます。こちらも灰色のところに評価の視点というものが記載してありまして、新しい知能創出への貢献とか、研究開発の質の向上への貢献、実用化・事業化への貢献、人材の養成、そういったところを評価基準として考えてございます。IからKまででございますが、まず提案しようとする事業について、これは平成20年度より実施している「光・量子科学技術の拠点形成に向けた技術基盤開発」という事業で得られた課題や状況の変化を踏まえまして、光・量子科学技術の新たな展開、当面の重点的課題として検討されてきたものであること。具体的には、光・量子科学技術について、基礎科学から産業応用まで広範な分野を支えるキーテクノロジーとして、「融合・連携」というものと、「イノベーションの創出」をキーワードに、様々な分野の課題解決への貢献が強く求められている中、ものづくり力の革新により、他国が追随できない新しい領域の開拓を目指すものであること。そのため、光・量子科学技術による分野融合や境界領域の開拓とともに、我が国の強みを生かした先端基盤技術・装置等による「課題解決」や、研究開発と一体となった当該分野を支える若手人材の育成が図られることが期待され、研究開発の質の向上への貢献や実用化への貢献、人材の養成等に対し非常に貢献するものであり、有効性は極めて高いというふうに記載しております。

 それからめくっていただきまして、効率性という観点でございます。こちらでは、計画・実施体制の妥当性であったり、目標・達成・管理の向上方策の妥当性、施策見直し等の妥当性等が評価基準の設定になるところでございます。LからMまででございますけれども、今回提案する事業については、平成20年から実施している事業のうち、「量子ビーム基盤技術開発プログラム」の成果や課題等を踏まえ、さらなる発展を目指すものであって、並行して実施しております光の拠点プログラムとの連携をさらに強化して、光技術と量子ビーム技術の一体的な研究開発・利用研究や施設間の垣根を越えた先導的な取組を推進するものであること。そのため、学会や産業界等の有識者からなる会議等が事業全体の運営を管理するとともに、PD・POによるプロジェクトマネジメント、情報共有や研究人材の交流等による連携・協力を強化することにより、効率的な成果の確実な創出に向け、強力な推進体制を構築すること。また、事業の推進に際しては、毎年度進捗の確認、中間評価を実施しまして、内外の研究動向や諸状況を踏まえつつ、計画の見直しや必要に応じた改廃を行う予定であり、成果の着実な創出が図られることが期待され、効率的であるというような形でまとめさせていただいています。

 最後に総合評価としまして、こちらについては御議論いただいた上での記載になるわけでございますけれども、必要性、有効性、効率性の観点から評価を行った結果、積極的に推進すべき事業と判断するということで、我が国の国際競争力を強化していくことが極めて重要な状況であることを踏まえまして、事業実施に向けたさらなる具体的な制度設計を行い、速やかに事業に着手することが必要であるということで、なお、事業の進捗管理及び中間評価とともに、事業終了に合わせて事後評価を行うべきであるということで、案を作成させていただいてございます。

【家主査】 

 どうもありがとうございます。ただいま、この資料3について御説明をいただきました。これは事前評価票ということで、こういう形式で、必要性、有効性、効率性をそれぞれ評価した上で、総合評価、総合評価はしかるべきところでオーソライズされるものと思いますけれども。この内容につきましては、中間報告で議論して、まとめたことをベースに書かれておりますので、今までの議論の方向性と一致していると思いますけれども、何か気になる点、表現とか何かありましたら、御指摘いただければ。

 今日の議論で中間報告の方にも修正が入るものについては、それに連動してこちらの方にも表現等修正を加えたいと思います。これ、よろしいでしょうか。はい、どうぞ。

【井上委員】 

 その表現の話ですけれども、さっきものづくり力とかいうのがちょっと議論になったと思うんですけれども、私の感じるものづくり力というのは、中小企業のおじさんたち、非常にスキルがあって、そのかなり難題を持ちかけられても、何とかしてそれを解決して、今までなかったようなものを作り上げるというような、そういうイメージで受け止めたんですよ。だから、何か産業力というようなのとはちょっと違っていて、すごくここのところが重要だという気はするんですよね。

 だから、我々が何か作るときに、大きな加速器等を作るときは、それは大企業とタイアップして、開発しているんですけれども、ディテクターとか何とかをやるときは、結構中小企業とやっているんですよ。それで、そこで彼らも考えるし、我々も考えるみたいなのがあって、それが実は最先端の大きな大企業が作っているがらの中に組み込まれて、生きているとかというのがあるんですね。

 そこってわりと本当は重要なので、そこが抜けていると、単なる、要するに土木工事みたいな話になってしまうというのがあるんじゃないかという、そういうちょっと気がしているんです。

【家主査】 

 今おっしゃったことは、確かに日本の大変な強みのところなんだろうと思いますけれども、私の理解では、ここで言っているものづくりというのは、今日の資料でいうと、資料2-3のところに今後5年程度で求められることというのの中に出ていますけれども、やっぱりここにあるように原理解明に基づくものづくりの推進って、ちゃんと色々な量子ビーム、あるいは光を使って、中身がちゃんとわかった上でものづくりが、今までの経験的なアプローチからさらに一歩進んだようなものづくりにこれが活用されるのかなと、そういうイメージを持ったんですけれども。

【井上委員】 

 そうじゃなくて、それでいいんです。というのは、私は別に東大阪の産業を何とかと言っている意味じゃなくて、我々実際やるときに、タイアップしてくれているところが、そういう小さなところともタイアップしていて、で、こっちがやっているんですよ、やっぱり。我々はその学術的というか、最先端のあれを使いながらやっているんだけど、協力しているところはそういうところがいるから、後でものづくり力になっていくというところがあるんじゃないかという。

【家主査】 

 そうですね、はい。

【五神委員】 

 今のものづくりに関しては、要するに、その重要性とか意義はここでは十分共有できていると思うので、予算要求という観点で、これでよろしければこれでよいし、先ほどの議論の中で、これが逆に足を引っ張る危険性があるのであれば、修正していただければよいということだと思います。

 それで、この大事なことは、この提案する事業が一体どういう構造になっているかということだと思うんですけれども、ポンチ絵の方の2ページ目にあるように、光の創生を目指したネットワーク研究拠点プログラムは我々が進めているものですけれども、これと両輪になるような、連携できるようなものとして、光・量子融合連携基盤技術開発プログラムというのをこの要求で立ち上げて、これは左側のものについてもネットワーク型の拠点を、このちょっとプログラムの概要とあれがどういう関係になっているのか、ちょっと説明していただけますでしょうか。

【阿部補佐】 

 詳細は制度設計につきましては、これからまだ議論をした上で検討していかなければならないところがありますけれども、ただ、そもそもこの光・量子科学技術研究拠点形成に向けた基盤技術開発というのが1つの大きなパッケージになっていまして、この事業そのものは継続してございますので、大きくその枠をどうこうという話では、多分ないのではないかなと考えております。

 今、見ていただいておりますポンチ絵も、もともとこれまでやってきた施策の説明資料のものでございまして、今回書きかえているところは、一番左下のところの枠で書いてある(仮称)となっている今回のプログラム、そしてその右にあります連携強化というところを新たにつけ加えた上で、一番下の赤字のワードを、少しより今回の提案を踏まえた上でのワードに書きかえているのみでございますので、枠組みとして、全く今までやっていたことがなくなって、新しい体制を作るという話ではないのではないかと思ってございます。

【五神委員】 

 そうしますと、この左の新しい仮称の部分については、1ページ目にあるような研究開発テーマ例にあるようなものを具体的なターゲットとして、そういう施策を何らかの形でプログラム化していくという要求になるということで、これは一応5年の事業みたいなものを想定していると。

 それとネットワーク研究拠点プログラムが連携していくと、連携できるような形で融合の部分、光と量子ビームの融合を強化していくと、そういう事業提案になるということでよろしいんでしょうか。

【原室長】 

 御指摘のとおりで結構です。光・量子科学技術研究拠点形成に向けた基盤技術開発、大きなアンブレラはそのままで、その片方に光のネットワーク、それからその終わってしまう量子の技術開発のかわりに、今回新しいプログラム、仮称ですけれども、が入ると。そこでやることというのは、ポンチ絵の1ページ目といいますか、表紙の裏ですね、そこに書いたような、今回御議論いただいたような研究のテーマを5年程度で成果が出るものを選んでやるといったようなことを想定しているということでございます。

【加藤委員】 

 大体わかったんですが、この光拠点プログラムの発足時に、これとあわせて戦略的創造推進事業を立ち上げていただいたんですが、それも非常に大きな、やはり力になっていると思います。

 それで光分野に関しては、そういうものも幾つか今まで立ったんだけれども、大体終わりになってきているので、新しいものを立てたほうがいいのかなというふうに思っているんですが、量子ビームについても似たような状況ではあろうかと思いますけれども、そういう方向への展開というか、というのは可能性あるんでしょうか。

【原室長】 

 今回御議論いただいた結果として、1つはここで事前評価でお見せしているような委託事業として1つ柱を立ててやっていくと。それ以外にもいろんな文科省のやっている事業とか、あるいは政府全体の、うまくいけばですけれども、いろんな取組の中に、この光量子ビーム3つの重要性というのは訴えていって、例えば今御指摘にあった戦略創造ですけれども、今回報告にまとめていただいたようなことで1つの目標が立つか立たないかという議論を、今内部的には始めているところであります。

 それが今御指摘いただいた光の今走っている2つ、戦略創造の2つのテーマが段階的に終わりになってしまうということもあるので、その終わった後、また新しい光なりの分野で新しいプロジェクト、新しい戦略目標を掲げて、新しいことが走り始めるかどうかというのは、また段階的御相談しながら進めていきたいと思っております。

【加藤委員】 

 ありがとうございます。

【家主査】 

 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。はい、どうぞ。

【佐野委員】 

 今の戦略創造に関連してなんですけれども、今、この事前評価のタイトルが、やはり融合・連携というふうになっていますけれども、その中身の方で、例えば最後のところでしょうか、効率性のところで、戦略創造との関連とかをちょっと書いてもいいのかなと、今日拝見しまして思いましたんですが、いかがでしょうか。

【原室長】 

 具体的にはどういうパターンで。

【佐野委員】 

 そうですね、融合・連携という意味で、CREST・さきがけ等々、一緒に協力して、効率の高いアウトプットを目指すようなことを、ちょっとこの事前評価の最後のところに書いてもいいのかなと思いました。

【原室長】 

 それを戦略創造で今やっているやつと連携協力をうまくやっていくと。

【佐野委員】 

 それから、もし今立ち上げようとされているのでしたら、それを含めることも可能かと思うんですけれども。

【原室長】 

 実際戦略創造の方が立ち上がるかどうかというのは、一般的にはかなり厳しい状態なので、あまり先取りして書くのは難しいかなと思います。

【佐野委員】 

 実際、今進んでいる戦略創造の方でも、光拠点の方と色々連携して、非常にいい成果が出ていると思いますので、ちょっとそういうようなニュアンスも書いていただいてもいいのかなと。

【原室長】 

 わかりました、はい。

【家主査】 

 まだ何かありますか。

【五神委員】 

 一言だけなんですけれども、戦略創造を立ち上げるというのは、平成20年の時点と今で大分情勢が変わっているとは思うんですけれども、すそ野を広げていくという中で、やはりこれはかなり中核的な部分を決め打ちしていくようなプログラムになっていくだろうと思うので、ある種の広がりを持った公募的なものというのとの組み合わせができれば、より有効であるみたいなことが伝わるような一文をうまく入れておいていただいて、未来に向けて、可能性を残したいという希望はあります。

【原室長】 

 すみません。戦略創造ですけれども、ちょっとまだ省内的に検討しているところで、あまり広く紹介する段階ではありませんけれども、この報告書を踏まえて、新しい戦略目標が立てられないかというのを中で議論するところではあります。

 ただ一般的に言って、戦略創造の場合、特にライフイノベーション・グリーンイノベーションに直接それを達成する目標がどうしても立ちやすい環境にあって、なかなかこういう基盤系のものは、戦略創造の目標としてはなかなか、ほかのと比べるとどうしても優先順位が低くなってしまうというのが現状でありますので、努力はしておりますけれども、ちょっと実際目標として結実するかどうかというのは、不透明な状況ということだけ申し上げさせていただきたいと思います。

【家主査】 

 どうも色々御議論ありがとうございました。それでは大体時間が参りましたのでこれで閉会したいと思いますけれども、今後の予定について事務局から御説明をお願いします。

【阿部補佐】 

 はい。本日の御議論を踏まえましてまとめさせていただきまして、中間報告と事前評価は概算要求前に先端研究基盤部会それから研究計画・評価分科会に報告・審議いただくことになるかと思いますので、御承知おきください。

 それから資料につきましては、お手元の封筒に入れていただきまして、右肩にお名前を書いていただければ、後日郵送させていただきます。

 また本日の議事録につきましても、後日照会させていただきますので、御確認等よろしくお願いいたします。

 それから報告書をまとめるに係る次回につきましては、また秋ごろを予定してございますので、改めて事務局から日程調整を行わせていただきます、よろしくお願いします。

 本日の部会で、中間報告が取りまとめられるという形になりましたので、最後に室長の原からごあいさつをさせていただきます。

【原室長】 

 すみません、本日までのところで主査あずかりという形にさせていただきまして、次回が予算の審議の状況とかを見ながら秋ぐらいにまとめていただいて、またフォローアップしていただきたいと考えてございますけれども、ちょっとしばらく間があくということと、おおむね中間報告がまとまったということで、一言ごあいさつをさせていただきます。

 2月末から5回にわたり、非常に短期間で精力的な御議論をいただいて、途中で事務局の方から色々プレゼンをお願いしたり、あるいは報告書なりのドラフト、大量の資料をひっきりなしにお送りさせていただきましたけれども、見ていただいた上で、貴重な御意見を会議の場ではなく、いろんな局面でいただきまして本当にどうもありがとうございました。

 せっかく全体にわたる報告書をまとめていただきましたので、今事前評価をしていただいた直接のプログラム以外にも、いろんな制度への球出しですとか、あるいは国全体の施策への打ち出しということにもこの報告書を活用して、この分野が今後とも日本を引っ張っていけるというような分野であるように、量研室一同力を入れていきたいと考えてございます。

 まだいろんな局面で御意見をいただいたり、あるいはお知恵を拝借したりということがあると思いますけれども、引き続き委員の先生方には御指導・御鞭撻をお願いいたします。今回まことにありがとうございました。

【家主査】 

 どうもありがとうございました。この大変短い期間で集中的に審議をしていただきまして、おかげさまで、今日中間報告の少し終わりにまとまる形が見えてきたかなと思います。

 大変つたない座長で御迷惑をおかけしましたけれども、皆さん活発な御議論ありがとうございました。

 ここで中間報告ということで、この委員会の作業部会のミッション、1つのステップは終わったかなと思いますけれども、引き続き今御紹介ありましたように、秋、概算要求の状況を見ながら、また最終報告に向けてさらなる御議論を深めていただきたいと思います。引き続き御協力をよろしくお願いします。本当にどうもありがとうございました。

 

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