研究開発プラットフォーム委員会 先端計測分析技術・機器開発小委員会(第2回) 議事録

1.日時

平成23年7月29日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省16F特別会議室

3.議題

  1. 今後の事業推進に向けた検討事項について
  2. その他

4.出席者

委員

二瓶主査、石田委員、江原委員、大島委員、小原委員、近藤委員、佐藤委員、菅野委員、杉浦委員、杉山委員、竹内委員、田中委員、玉田委員、原委員、松尾委員、森川委員、山科委員

文部科学省

柿田基盤研究課長、竹上基盤研究課長補佐

オブザーバー

澤田独立行政法人科学技術振興機構産学基礎基盤推進部(先端計測担当)開発総括
安藤独立行政法人科学技術振興機構産学基礎基盤推進部(先端計測担当)参事役
佐藤独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センターフェロー
丸山独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター特任フェロー

5.議事録

【二瓶主査】  定刻になりましたので、本日の先端計測分析技術・機器開発小委員会の第2回を始めたいと存じます。

 それでは、議事に入ります前に配付資料の確認をお願いします。

【竹上基盤研究課補佐】  研究振興局基盤研究課の課長補佐に7月より参りました竹上と申します。よろしくお願いいたします。

 それでは、最初に前回ご欠席されました方につきましてご紹介させていただきます。

 まず、近藤委員でいらっしゃいます。

【近藤委員】  長いことこの委員をやらせていただいています。専門は、主に地球環境問題と環境問題全般を研究しております。よろしくお願いいたします。

【竹上基盤研究課補佐】  竹内委員でいらっしゃいます。

【竹内委員】  奈良女子大学の竹内でございます。どうぞよろしくお願いいたします。質量分析を使ってイオンの反応の研究をしております。

【竹上基盤研究課補佐】  田中委員でいらっしゃいます。

【田中委員】  島津製作所の田中です。竹内先生と重なるのですが、質量分析を専門としております。よろしくお願いします。

【竹上基盤研究課補佐】  玉田委員でいらっしゃいます。

【玉田委員】  九州大学の玉田です。専門は表面プラズモン共鳴法による表面分析ということになります。よろしくお願いします。

【竹上基盤研究課補佐】  ありがとうございます。

 本日は、長我部委員、中村委員がご欠席となっております。その他の委員の皆様にはご出席いただいているところでございます。

 続いて配付資料の確認をさせていただきます。まず、お手元に議事次第がございます。続きまして、配付資料1といたしまして、前回の議事録(案)。資料2-1といたしまして、研究開発プラットフォーム委員会の調査検討事項について。資料2-2といたしまして、今後の事業推進について(案)。資料2-3といたしまして、平成24年度重点開発領域設定についてとございます。

 また、机上配付参考資料といたしまして、参考資料1、基本計画の政策課題。参考資料2、24年度アクションプラン。参考資料3、知的創造プラットフォーム。参考資料4、研究開発プラットフォーム委員会についてとございます。欠落等ございませんでしょうか。

 なお、資料1の前回の議事録(案)につきましては、後ほど事務局より第1回の出席委員の皆様にメールにてご確認をお願いいたしますのでご承知おきください。

 以上でございます。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 それでは、早速でございますが、本日の議事に入りたいと思います。本日の議題は、今後の事業推進に向けた検討事項についてということでございます。先日開催されました本小委員会の親委員会に当たる研究開発プラットフォーム委員会において、研究開発プラットフォームが何を目指し、今後どのような検討を行っていくのかについて議論いたしました。まず、その研究開発プラットフォームという概念の中で、先端計測分析技術・機器の開発がどのような位置づけにあるのかを含めて報告させていただきたいと思います。

 それでは、事務局より資料2-1のご説明をお願いいたします。

【竹上基盤研究課補佐】  お手元の資料2-1並びに参考資料4をご覧ください。前回ご欠席の方もおられましたので、簡単にこの研究開発プラットフォーム委員会と先端計測分析技術・機器開発小委員会の関係をご説明させていただきます。参考資料4の1ページ目でございますが、今期より先端研究基盤部会という先端研究基盤の全体を議論する部会の下に研究開発プラットフォーム委員会を新設いたしまして、その下にこれまでありました知的基盤整備小委員会並びにこの先端計測分析技術・機器開発小委員会を設けているところでございます。

 親委員会である研究開発プラットフォーム委員会は、今期より新しく立ち上がりましたので、そもそもこの研究開発プラットフォームというものがどういう概念をなすものかということについて、この4月から7月までの間、議論をしてきたところでございます。それが資料2-1の資料になります。7月15日に研究開発プラットフォーム委員会を開催しておりまして、この概念について検討整理を行っておりますので、簡単にご紹介させていただきます。

 それでは、まず、資料2-1の1ページ目でございます。そもそもこの研究開発プラットフォームというものですが、我が国に数ある研究基盤施設や設備、技術といったものを全体的な視点からより戦略的に活用しようということで、研究開発プラットフォーム委員会の議論がキックオフされております。そこで、概念につきまして、この委員会では、「科学技術イノベーションを支える多様な先端研究施設・設備、また、先端研究基盤技術等を包括的にとらえた取組によって全体としての効果・効率を上げるとともに、新たな価値を生み出すシステム」、それが研究開発プラットフォームであると整理しているところでございます。

 また、この研究開発プラットフォームの構成要素や対象はどういうものなのかということについても議論をいたしております。今回、この研究開発プラットフォーム委員会で扱うものといたしましては、資料に書いてありますように、先端研究施設・設備、技術等のうち、先端性を有しているもの、また、多様な分野で使われる汎用性を有しているもの、更に、産業界を含め幅広い利用に供していくものということで整理をいたしております。

 また、これまで国の方針により、例えば大規模なプロジェクト等によってトップダウン的に整理されたもの、一方で科研費などによって大学等の研究者の主体性によってボトムアップ的に整備されたもの、こういった2種類のものがあり、委員会におきましては、前者のみを対象とするのではなく、後者についても、その運営は研究者コミュニティにゆだねることがふさわしいという側面を考慮しつつ、国としての役割をしっかりと検討していきたいと考えているところでございます。

 また、今後この研究開発プラットフォーム委員会におきまして、これらの施設・設備の在り方、全体論を議論していくことになるのですけれども、対象となるものがかなりの数に及ぶことから、主として国、研究開発法人、大学等における施設・設備や技術であって、先端性や汎用性、産業界も含めた幅広いところで使われるといった要素、国費投入によって整備運用に関する政策的関与の強いものといったものを中心に取り上げてはどうかということで整理をしているところでございます。

 今回、研究開発プラットフォーム委員会が議論の対象とする施設・設備等につきましては、まずは共用法の範囲の中で整備・運用されている大型の施設のほか、その他様々なプロジェクトで整備されました先端研究施設・設備、更には今回、この小委員会で議論を行っていただく先端計測分析技術をはじめとする様々な技術、いわゆる知的基盤と言われるもの、こういったものを包括的にとらえる予定としております。その中で、この先端計測分析技術・機器の開発の在り方、今後重点的に開発を進めていく領域、昨年ご議論いただきました例えば共用の在り方や効率的な活用の仕方といったものをこの小委員会で議論いただく、それが研究開発プラットフォーム委員会とこの先端計測分析技術・機器開発小委員会の関係になるということでございます。

 それでは、3ページ目でございます。この研究開発プラットフォーム委員会が最終的にどのようなものを目指しているのかといったことにつきましてご説明させていただきます。まず、我が国全体の先端研究施設・設備の最適な活用・利用を可能とするシステムの確立を、目指すものとして1つ目に置かせていただいているところでございます。例えば、それぞれの設備の共用の促進、具体的には、各研究領域における共用のネットワーク、更には課題の克服に向けた分野・領域を超えた成果の利用やネットワークといったものをしっかりと確立すること。また、これらの施設・設備の利用システムを必ずしも統一化すればいいというものではございませんが、できる限り利用者側の視点から見て改善並びにアクセシビリティを向上させること。また、今回の大震災のような緊急時において、先端研究施設・設備のセーフティネットをしっかりと構築していくこと。これらが1つ目の目標として考えているものでございます。

 次に、2つ目に掲げる目標といたしまして、先端研究基盤全体を俯瞰した戦略的整備の実現でございます。こういった施設・設備、技術につきましては、今後、運転資金の確保、老朽化、高度化への対応をしっかりと行うとともに、次の新しい先端研究施設・設備のあり方も検討していかなければなりません。いかに国として戦略的にやっていくかといったことで、国としての方針、計画をつくるというのが、2つ目の目標でございます。これはこの小委員会で扱います先端計測分析技術・機器に関しましても同様のことが言え、新たな開発に向けた方針を、全体を俯瞰した視点からしっかりつくっていくということが重要になると考えているところでございます。

 最後、3つ目でございます。これは人材の充実・確保ということで、特にこういった施設・設備をしっかりと運用するためには技術支援者等の充実・確保並びにキャリアパスの確立をしっかりと議論していこうということで、これを3つ目の目標として掲げているところでございます。

これらの目標を掲げる中で、今後、研究開発プラットフォーム委員会におきましては、今後のアクションといたしまして、まず冬ごろまではしっかりとこの現状を、まずこれらの施設・設備について、今どういう利用のされ方、どういうネットワークが構築されているかというものをしっかりと検証して課題を抽出する。それに基づきまして来年夏ごろまでをめどに研究開発プラットフォーム構築に向けた、先ほどご説明しました3つの目標に対応する、しっかりとした計画、方策といったものを打ち出していくことが、今後の研究開発プラットフォーム委員会のほうのスケジュールとなっております。よって、小委員会におきましては、この全体のアクションの中で、先端計測分析技術・機器の在り方について議論をしていただければと考えているところでございます。

 以上でございます。

【二瓶主査】  ありがとうございました。

 資料2-1は、この先端計測分析技術・機器開発小委員会の親委員会に当たります研究開発プラットフォーム委員会での、第2回までの議論をまとめたものというようにご理解いただければ結構かと存じます。

 それでは、この資料、ただいまのご説明に関してご質問ないしはご意見を承りたいと思います。現状認識といたしましては、我々が本日開催しているこの小委員会での昨年度の議論が資料にまとまっておりますが、そこで主張してまいりました知的創造プラットフォームの構築という概念、それをいわばもっと幅広い全体的なものに広げて、大きな構えで構築するというミッション、それを念頭に置いて議論している委員会とお考えいただければよろしいかと思います。いかがでございましょうか。

【佐藤委員】  私も前回からこの小委員会に入ってきましたが、こういう全体的に共通、共用するような施設というのは、今までもそういう、お互いに共通、共用しましょう、それで効率を上げましょうということをかなりやってきたと思います。それで、それがうまくいっているのか、いっていないのかというのはよくわからないのですけれども、やってきたことに対して新たにもっとイノベーションを創出できるような、創出していくような、強力に推進するような方策として今までとは違う点というのは、この今の説明いただいた研究開発プラットフォームの対象の中のどの辺に表れているのかを教えていただけますか。

【柿田基盤研究課長】  今、佐藤委員が仰ったとおりでありまして、2ページに絵がございますけれども、いろいろなものを整備して、それを共用していくという考え方をここ数年来、国の政策として進めてきております。それで、幾つかのカテゴリーといいましょうか、分野別に様々な取組がなされているというようにご理解いただきたいと思います。カテゴリーとしては、2ページの上に「比類のない性能を有し」というところで4つのものがありますけれども、これはまさに整備して共用する、最初から共用するという目的のもとにつくってきたものです。

 また、「その他の」というところがございますが、ここは様々なタイプのものがあるわけですけれども、こちらについては本来的には大学での学術研究のために、あるいは個別のプロジェクトのために必要な施設、設備として整備されたものでございます。しかし、これらについても、先端的な非常に価値のあるもので、本来の利用目的に限定することなく、産業界も含めてたくさんの方に使っていただくことが全体のためにプラスになることから、これらについても可能なものは共用していくという国の施策を始めております。例えば、ナノテクノロジーの分野ではナノテクノロジーネットワークというものを組んで、ナノテクノロジー関係の微細加工や、微細に物を見るなど、そういうことに特化した装置を共用する仕組みが出来ております。また、ライフサイエンスの分野でも、創薬基盤のネットワーク化による共用の取組を進めておりますし、特に分野を定めずに様々な施設、設備を共用するための取組も進めております。

このように、現状ではいろいろなカテゴリーや分野ごとに共用の取組をやっておりますが、科学技術によっていろいろな問題の解決ということに向かうためには、縦割り、あるいは分野の中でいろいろな活動をやるということのみならず、分野を超えて、いろいろな種類の装置を連携して使っていくということや、様々な分野ごとの取組の中においても、施設等へのアクセシビリティの向上や利用システムの改善など、課題がございます。

 このような課題を包括的に議論をすることによって、日本全国に展開されている先端的な装置群の利用の効果を上げていくようなシステムを考えることが必要ではないか。今、そういう状況になってきているのではないかという問題意識の下で、この研究開発プラットフォームという概念をつくって、具体の検討をしていこうというところでございます。

【佐藤委員】  一般論としてそういう共用や共通ということで成果を上げていこうというのはわかります。ただ、先ほど言いましたナノテクのような、あるターゲット・ドリブンでこれを国の施策としてガッと上げなくてはいけないというのをどういう形で共通、共用、うまく利用しながら進めるかなど、あるいはその中に多分、教育も入るのでしょうね。教育も絡めないとなかなかうまく使えず、そういう具体的なものを中に入れながらやらないと、一般的にやるとなかなかうまく進まないのではないかなという気がするので、それだけはコメントです。

【二瓶主査】  よろしいですか。ほかに。どうぞ。

【杉浦委員】  少し混乱しているのですけれども、開発機器のこの小委員会から新しくできてきた機械を共用していくということで、前年度からずっと引き続いて議論してきたプラットフォームという意見が出てきたのと、もう1つ全く別の、二瓶先生がやっていらっしゃる委員会で共用機器の委員会がございましたよね。

【二瓶主査】  はい。

【杉浦委員】  それで、先端研究設備の2段目のところは、その委員会がかなりカバーしていたと思うので、これを全部、その委員会というのも全部包括してこういうこのプラットフォームの研究開発プラットフォーム委員会ということに包含してしまったということで解釈すればいいのですか。それとも全く共用の機器の動いてきたやつは別に動いていくということなのでしょうか。

【二瓶主査】  私から少し補足させていただきます。今、課長がご説明になられた研究開発プラットフォーム、これは全体をカバーするもの、大がかりなものというふうに私も申しましたが、詰まるところ、第4期の基本計画で科学技術イノベーション政策を推進するに当たり、共通基盤を強化、拡充するという方針が出されております。それともう1つ大きなキーワードは、課題解決型研究に向かう。これは5か年計画ですから、日本の科学技術イノベーション政策の根幹の方針でございます。そういうものにどのように応えていくかという観点で、この研究開発プラットフォームを構築しようという目論見だというようにご理解いただければよろしいと思います。

 課長が説明されたとおり、従来は施設ごとの、言うならば共用システムがもちろんございました。それから、分野に特化したものもございました。しかしながら、そういうものでは、個別対応では十分ではない。この5か年計画を実施するためには、もっと効率を上げ、かつ大規模に、しかも、科学技術の国際競争力を高めることに貢献できるような基盤強化を図る。そういう大目標に対応する仕組みの構築、それが親委員会のミッションだと思っております。一方、昨年度からこの小委員会で議論してまいりましたのは、先端機器の技術開発、機器開発という分野において、もっとその開発を先鋭化し、かつ普遍化する、あるいはスピードアップを図る。そういう意味で関係者のネットワークを強化しないと、そういう機能を十分に果たせないのではないかという認識があったと思います。

 ですから、研究開発プラットフォームが大きな基盤を構築するという方針を持っているのに対して、この小委員会は先端計測分析技術・機器を開発するという、言うならばサブカテゴリー、あるいはサブプラットフォーム、まだ言葉をもう少し考えないといけませんが、そのプラットフォーム構築を目指して議論をしてきましたし、今年度もそれを実施するという方針で進んでおります。そのようなことなのですが、ご理解を深めていただくために、もう一言、現時点での私の個人的な考え方かもしれませんが、大構えの研究開発プラットフォームは科学技術イノベーション政策全体に関わるものですから、分野も幅広いし、関連する設備・施設も幅広い、非常に大規模なものでありますけれども、その中で先端計測分析技術の技術開発、あるいは機器開発、要するにそういう機器・設備を生み出す機能、それを担っているのがこの小委員会ではないかと考えております。

 したがって、これはかなり重要なポイントでございまして、プラットフォームという言葉は共通しておりますけれども、我々は国を支える基盤の中で先端計測と分析に関わる技術と機器を開発する、そういう生み出す機能を担っているプラットフォームをつくろうとしているというようにご理解いただければ、全体と部分という関係ではあるのですが、位置づけがより明確にできるのではないかと考えております。

【田中委員】  先ほど佐藤委員から仰られてピンと来たのですが、確かにうまくいかないというのは、よくこれまであったのだなと。そのときに思い出されるのは、私の会社は分析装置を売っていますし、そのときによくあるのは依頼分析というのがあります。こういう試料があって、それに対して依頼分析表というのがあって、それをポンと箱の中に入れて、やっておいてねというふうに、これではうまくいかないと思います。

 この測りたいものはどういうものであって、これを分析するとどのようないい点があるかということをその分析を依頼する人と、それを請け負う人がうまくコミュニケーションをとらないといけない。それで分析できたときにどれだけ大変だったか、あるいはどれだけすごいことが見つかったかということをお互い何かやりがいを得られるようなシステムというか、そういうものがないと多分、やらされているということになって、それは長続きしないと思います。

 ということで、そういうことがうまくいくため、別にそういうポイントだけでなくてもいいですが、こういうセンターになって、そういうことを築き上げてきた、うまくいった例、どういうところがあるかというのが多分、幾つかあると思いますので、そういう中で例えばそういうやりがいなどに、あるいはそれでそれぞれの特に若手が育っていくというような、そういうことをうまく理解していただけるような、そういうプレゼンというか、資料を何か補足としてつけたらいいのではないかと思います。

 以上です。

【二瓶主査】  ありがとうございました。

 ほかに。どうぞ。

【佐藤フェロー】  私、JSTの計測横断グループ、CRDSのそういう立場を超えさせていただいてちょっと話をさせていただきたいと思うのですが。

【二瓶主査】  どうぞ、結構です。

【佐藤フェロー】  やはりプラットフォームで非常に重要なのは、もっと省庁横断ということではないかと思います。それは例えばナノに当たっては、一番よく進んでいるのは産総研など経産省系です。ところが、そことはナノネットワークがつながっていない。つくばのTIAというのは、それがある意味でつなげるシステムかもわかりませんけれども、例えばライフサイエンス系の計測で言えば、厚労省関係、厚労科研費でできたもの、そういうものとつなげないと非常に片手落ちになるわけです。いろいろな意味で、もう少し今後、省庁横断ということは、特に科学技術政策の上で考えていただきたいと考えております。

 もう1つの点は、この先端計測の小委員会は、それまでの産連のほうから、今度、基盤のほうに移ったということで、これは非常に象徴的な大きな意味があると思います。やはり単に産業へつなげるということではなくて、もっと科学技術の基礎として先端計測分析・機器を開発しようという、もう少しそういう積極的なものがあると思いますので、そこはぜひ皆さん、そういうことが背景にあるのではないかということをお考えいただくというのが大事なのではないかと思っております。

 以上です。

【二瓶主査】  ありがとうございます。従来からも研究基盤とは連携があったと思いますけれども、そういう見方もできるかもしれませんね。

 ほかに。どうぞ。

【石田委員】  この委員会の提案ですごく新しいというのか、非常に評価できる点は、3ページに1、2、3とありますが、先端共用設備の設備のことは今まであったのですけれども、3番目の先端研究基盤を支える人材の充実・確保ということで、これは先ほど田中さんの言われたこととも関係しますが、技術支援者の充実・確保ということを明確にこういう委員会で出されたというのは非常に評価できる。今、大学でも設備は買うけれども、支援者というのはなかなか予算的に確保できていないということで、共用設備の施設でも同じだと思います。そういう意味で、この3番目にこれを挙げられたというのは、どういう背景で挙げられたか、もし説明していただければ。

【柿田基盤研究課長】  これは先ほど申しましたようにいろいろなネットワークを組んで共用を進めておりますけれども、今、石田先生が仰ったとおりで、共用するためには利用者へのサポートが必要になりますが、現実には施設に関わっておられる先生が十分なサポートを行うには限界があります。

 したがって、サポートをする人が必要になるということで、その体制整備も含めて国が共用を支援するということをやっているのですけれども、現場では支援体制の充実は容易ではありません。支援者の確保、支援者という言い方がいいのかどうかという問題もあるわけですけれども、単に装置のお守りをするということではなくて、いかにモチベーション高く、やりがいのある仕事として、共用の支援という業務の価値を高められるかということについて非常に大きな問題意識があります。実際に、研究開発プラットフォーム委員会においても、この人材の問題を強く仰られる委員の方もおられます。このような背景から項目として入れておりますけれども、これは非常に難しいテーマでありまして、いかに実効的な取組を盛り込んでいくかということが、研究開発プラットフォーム委員会の1つの大きな課題であると思っております。

【二瓶主査】  ありがとうございました。

 ほかにありますでしょうか。どうぞ。

【松尾委員】  先ほど田中先生が仰られた依頼分析ではなかなかうまくいかないということに関連して、私も少し思ったのですが、共用するに当たって、例えば2ページの上のほうにあるような施設というのは、こういう立派な施設があって、そこに新しいサイエンスを持ち込みたい人が提案を出して、そして装置を使っていき、装置の性能を高め、そして新しいサイエンスも生み出すというようなことが行われている分野だと思うのですけれども、この先端計測の小委員会が特に見ているような、真ん中の段のようなところでもやはり、そういう意識で新しいサイエンスを持ち込んでくださる人と組んで新しいものを生み出していくことによって、その性能も高めていくというような取組方にして、そこで人も育っていくということがあるといいと思うので、せっかくこういう大きな構えのことも考えられている中で、そういういい点というのは何かうまく取り入れていけたらいいのではないかと思いまして、1つのアプローチとしてご提案させていただきます。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

【佐藤委員】  人材の点で我々も、タブーなのかもしれないですけれども、大学で技官問題とかいうのが絡んでいて、なかなかうまくいかないのですね。それで、共通分析機器のようなものを今現在、集めて、それで実は自分たちで予算を予算化して独立採算できるぐらい、わずかな分析費用をもらって研究者が、その雇った研究者が自活できるぐらいの、そういう仕組みをつくって運営しています。それは結構、モチベーションが高くなるし、キャリアパスとしても可能性が出てくるということで、そういうやり方をしなければいけないのかと思いながら、でも、あまり国からお金を投じていくという発想ではなくて、何かのミニビジネスモデルのような形に持っていかないとなかなか難しいという、もう少し議論を深めていくことが必要な気がします。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 いずれにしましても、私どもがプラットフォーム概念というのを技術、機器開発にもっと活かそうという発想で昨年度議論をいたしましたが、本年度はより大構えの、しかも、国の政策を実施するための大きなミッションとして基盤強化ということを謳い、その具体的な仕組みを構築するという議論を始めたということでございまして、この委員会との議論はまさに不即不離で、恐らくキャッチボールをしながら両方とも進めていくという関係かと思います。なお、この件は今後とも時宜を得た、タイミングを考えながら適切な議論をしたいと考えております。ありがとうございました。

 それでは、次の話題に移ります。次は先端計測分析技術・機器開発の在り方という議論をお願いしたいと思っております。皆様、ご承知のとおり、本年度は東日本大震災の影響を受けて、国全体があらゆる施策において改善、あるいは見直しを迫られているという状況でございます。もう少し具体的に申しますならば、本小委員会における事業も来年度予算ということを考えますと、極めて厳しい状況にございます。そういう時点で再度本事業を全体的に見直すということを議論したいと考えております。それでは、資料2-2をご説明いただきたいと思います。

【竹上基盤研究課補佐】  前回の小委員会におきましては、重点開発領域の設定についてご議論いただきましたが、その際の皆様からのご意見、並びに、その後に意見照会をした際のご意見におきまして、重点開発領域の設定はもとより、そもそもこの事業における、24年度以降の開発タイプなどの在り方についてのご意見等も頂きましたので、後ほど重点開発領域の設定に関するご議論の時間は用意させていただきますが、その前に、24年度概算要求等も見据えまして、今後の事業推進についてということで、この事業そのものの今後の在り方についてご議論いただければと思っております。

 まず、1ページ目でございます。先端計測分析技術・機器開発プログラムの構成ということで、既にご承知のことかと思いますが、本プログラムは平成16年度に開始いたしました。要素技術タイプ、これは飛躍的な性能向上が期待される要素技術の開発でございます。また、機器開発タイプ、これは重点開発領域を設定して産学連携による開発チームを編成し、プロトタイプ機を開発するものでございます。この2つで当初は事業を開始しておりました。その後、平成20年度より産学連携のマッチングファンドによるプロトタイプ実証・実用化タイプ並びに平成21年度よりソフトウェア開発タイプというものを増やしまして、今現在、この4つの開発タイプで事業を実施しているところでございます。

 また、今年度より、現在、JSTにおいて公募を実施しているところでございますが、新しい概念、知的創造プラットフォームの構築というものが追加されたところでございます。

1ページの右上にある予算ですが、平成22年度予算は50億円ぐらいありましたが、平成23年度は42億円ということで、これは運営費交付金の内数ということではございますが、減少している状況にございます。

 2ページに移らせていただきます。これまでのプログラム構築についてでございます。16年度に事業を開始した後、昨年8月に今後の事業推進方策に関しまして「我が国の知的創造基盤の強化に向けて」という報告を本小委員会においてご決定いただいたところでございます。それに加えまして平成23年度より、機器開発タイプの重点開発領域におきまして、従来技術シーズ型からの領域設定であったものをグリーンイノベーションということで、国の政策課題対応型の領域を追加しております。また、23年度より、開発成果をより実用化につなげるため、新しく知的創造プラットフォームの概念を導入した取組を立ち上げております。

 また、この2年にわたって事業仕分けが行われておりますが、事業を戦略的・効果的に進め、経費削減を図るべきということで、平成21年度予算は63億円でありましたが、22年度予算は50億円、また、23年度は競争的資金全体の見直しということで、事業自体が成果展開普及事業という枠組みの中に移り、予算額は42億円ということになっております。

 一方、国の方針でございますが、第4期科学技術基本計画の策定作業が現在進められており、近日中に閣議決定される予定になっておりますが、そこにおきましては第3期科学技術基本計画までは分野別振興を進めてきたところ、政策課題対応型と重要課題を設定し、そこを重点に取組を図るといった方向にシフトをしておりまして、また、先端計測分析技術・機器に関しましては、その開発や普及・活用の促進が重要項目として基本計画に現時点では記載されているところでございます。

 3ページ目、現在、この事業がどういった課題を抱えているかということを簡単にまとめております。1つ目が、科学技術政策全体が政策課題対応型への取組へとシフトしていく中で、先端計測分析技術・機器というものが、利用者側から、より分野横断的に利用されることが必要であり、これによって新しい価値が生み出されることを期待しております。

また、2つ目ですが、震災が発生しまして、現在、日本の産業競争力の低下というものが懸念されている中で、日本が得意とするこういった機器開発の分野の強化によって、日本の国際競争力を強化していくために、取組の一層の強化、加速を図ることが必要であるのではないかということでございます。

 また、3つ目ですが、今後更に財政状況が非常に厳しくなっていく中で、この事業がより効果的・効率的に開発成果を創出するとともに、社会に対する成果の発信の強化、ここについては一定程度、昨年の報告書を取りまとめる過程において議論されているところかとは思いますが、ここをより一層強化するということで、現在、先端計測分析技術・機器開発プログラムが直面している課題が以上の3つあるのではないかと考えています。

 対応方策としましては、現在のプログラムの構成が果たしてこのままで今後も進めていくべきなのか、それともある程度見直して進めていくべきなのか。また、その際に重点開発領域というものはどういったものなのかといったことをこの場で確認、再検討をしていただくということ。また、昨年ご議論いただいた知的創造プラットフォームを構築していくために、具体的にどう取り組んでいくかといったものを、今後、この小委員会で議論していく必要があるのではないかとしております。

 主査ともご相談させていただいたのですが、平成24年度概算要求に関連する事項については、一旦タスクフォースを設置して集中的な議論を実施し、タスクフォースでの検討を踏まえて、第3回以降の小委員会において、プログラムの構成や中長期的な検討事項について議論をしてはどうかということで、今回、提案させていただいているところでございます。

 以上でございます。

【二瓶主査】  ありがとうございました。

 それでは、ただいまの資料2-2に関わりますことのご議論をお願いしたいと思います。ご質問、あるいはご意見をぜひお聞かせいただきたいと思います。いかがでございましょう。どうぞ。

【森川委員】  私、この委員会の委員を務めさせていただいて7年目になるのですけれども、最初はこのプログラムは要素技術、機器開発だったところにプロトタイプ実証・実用化タイプ、ソフトウェアタイプという形で成果重視型のプログラム、要するにアウトプット重視型のプログラムを追加してきた。それは非常に時代のニーズに合って、また、この委員会の役割を認識した上で正しいと思うのですけれども、ただ、最近、私が思いますのは、要素技術の分野を、この予算の配分を見たときに割合としては、これは予算が縮減されている中では難しいかもしれないのですけれども、ここでの要素技術はあくまで機器開発につながるという1つの制約があるわけですから何でもというわけではございませんので、この小委員会での要素技術というものの比率をもう少し枠としては、これはいろいろ要素技術を何年も蓄積してきて機器開発してきていますから、そちらの予算が増えていくのは、ある程度必然的だとは思うのですけれども、あえてこの時期にもう一度、この要素技術の予算をもう少し確保するというようなことは必要なのではないかなと思うのですけれども、いかがでございましょうか。

【二瓶主査】  確かにそういう森川さんのご指摘のようなご意見は今までも何回か出ております。実は、これは23年度予算の構成が機器開発タイプを据え置いて要素技術タイプは少し減らして、ほかも減らしているという組み方なのですが、この形をとった理由、実は去年の今頃でございますけれども、アクションプラン対応、要するに課題解決型のプラン、プロジェクトにウエートを新たに大きくつけ加えましたことが影響してございます。もちろん、予算が前年度並みに確保できていれば、こんなに極端にはしなくてもよろしかったわけですけれども、先ほどの数値をご覧になってわかりますように、わずか2年で3分の2に減らされたという枠組みの大きな変化がございますので、こういう形になったというのが経過でございます。

 ご指摘のように要素技術はこの事業が始まるころは大変、他の研究費ではこういう目的のために使える枠組みがほとんどなかったということと、予算がいずれにしても乏しいということで、この事業の1つの重要な意義であったということはご指摘のとおりです。ただ、一方では、最近、科研費の伸びがかなり大幅でございます。これは科研費というのはどういう分野でもカバーしておりますから、これだけ科研費が重視されてきた時点では、むしろ要素技術は科研費に任せてもいいのではないかというようなご意見も一方ではよく聞かれることです。ですから、ご指摘のような事柄は今の時点で、もう少ししっかり考える必要があるというように思われます。

【森川委員】  バジェットの問題からそういう制約があるということは、やむを得ないと思うのですけれども、先ほどから議論されているプラットフォームのためにも要素技術、機器開発に行くとどんどん専門領域が狭くなってきてしまうのですけれども、要素技術のほうが知的創造プラットフォームでの広い連携の可能性もあるのかという思いも少しあったものですから。でも、基本的な方針として要素技術をこのような比率でいくということではないわけですね。

【二瓶主査】  そうです。予算の枠組みと現実に採択される状況とは、これはJSTの皆さんがよくご存じのとおりなのですが、枠組みとしてはかなり柔軟に判断しているという実績がございます。

【森川委員】  わかりました。ありがとうございました。

【竹上基盤研究課補佐】  若干の補足ですが、この42億円という予算につきましては、JSTの運営費交付金の内数でございますので、実際の執行の際は、JSTにおいて、基本的には予算に基づくのですが、細かな配分内訳を考えていただいているところです。要素技術タイプを公募したときに応募が非常に多い状況の中、実際のところはこの要素技術タイプのところに2億円を超える金額が投資されている状況ではございます。

【田中委員】  当然のことかもしれませんが、この機器開発タイプにこういうことを行う要素としては、別にこの先端計測で行ったこと以外のことを取り入れてもいいわけですね。

【二瓶主査】  そうです。

【田中委員】  逆もあるかもしれませんし。ありがとうございます。

【二瓶主査】  どうぞ。

【杉浦委員】  政策課題対応型で取り組んでいくということは、前に小委員会のときにも議論していましたけれども、組み立て上げられたシステムをつくっていくというような形のものを考えているのか、それを組み立てるまでの要素、森川さんの言われたような要素のところをこの小委員会としてすくって、組み立てる前段階をつくるのかというのがすっきりしなくて、政策対応型になると何かそういうためのマシンをつくるための形に流れてしまって、基本的に開発すべきものが何であるかというところ、先端計測分析技術として開発すべきものが何であるかというところの議論をしないと、あまりに政策対応型にいくということは、非常に必要なのだけれども、そうすると本来のところに行けなくなってしまう。例えば自動車で今回、動かなくなってしまったところは、いろいろなパーツが全然ない、要素技術のところがなくなってしまって、組み立てる技術は全部あっても何も動かないというようなことが起こった。

 今、その車をつくることが今我々に求められているのか、そういうもののパーツやシステムをもっときちんとつくることが求められているのかということをもう一度少し、総合科学技術会議のそれで何かブレークスルーしたものをつくりたいという考え方は非常によくわかるのですけれども、この委員会としてはどこのところの基盤を、あえてこのプラットフォームをつくったということが、プラットフォームの中で何を回すのかということが一番重要で、確かに組み立てて便利なものをつくるとものすごくよく売れているというのは、実際の大学などでも見ていてよくわかるのですけれども、それをここで求めていいのかということ。それはやはり才能のある企業がやればいいのではないかという気は逆にするので、その辺の政策対応型ということに、非常に漠としたその言葉に動いてしまうことがいいかどうかというのは、考えないといけないのではないかという懸念があります。まとまっていませんけれども。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 どうぞ。

【杉山委員】  私も今の杉浦先生のお考えに関連するのですけれども、そういうことが非常に重要だということがこの小委員会でも何度か意見が出てきまして、それをこの知的創造プラットフォーム、この小委員会で考えているところの知的創造プラットフォームでやるという理解も少しあったのですけれども、その点を確認したいと思っての質問です。

 というのは、どういう要素技術をやるのか、あるいはどういう領域をデファクトスタンダードとしていくのか、また標準化等まで考えるのか。つまり、要素技術としてもある程度、領域としてどこに力を入れるのかという議論をする場が必要で、それがなくいろいろ出てきた要素技術課題を吸い上げていくだけだと、まとまった方向性がでてこないと考えます。そういうことをなくすためにも、議論の場を作ろうというのがこの知的創造プラットフォームの1つの役割ではなかったのかと思っておりましたので、確認の意味を含めて意見です。

【二瓶主査】  その点は仰るとおりだと思います。プラットフォーム構築というのは、一口で言えばシーズ、ニーズのマッチングや、何が世の中から求められているかといった情報を基により効率よくと言うと言葉が薄っぺらになりますが、お互いに情報をきちっと持った上で判断をしましょうということでございますから、基本はそんなに変わっていません。そういう意味でプラットフォーム構築ということをやはり、この小委員会としては考えるべきだと思っております。

 ただ、もちろん、そう言いながらも一方ではそれを冒頭から私はあまり言いたくないのですが、国の予算を使って何か事業を進めるというときに、国としての政策の重点がどこにあるかというのは相当しっかり捕らえておきませんと話が前に進まないのですね。もちろん、今まで7年間の成果を基に重要なことを実現してきているという主張は当然いたしますけれども、それプラス現状の世の中の求めているものを視野に入れた方向性というものを常に持っているという姿勢、これがないとなかなか前に進めない。そういう関係だと思います。

 ほかにいかがでしょう。どうぞ。

【山科委員】  今、杉浦先生と杉山先生が仰ったことに関連したことですが、従来、この小委員会でもいつもその年ごとに重点領域を設定するという議論の中でやってきてますが、時間不足もあって、重点領域設定にあたり、中長期的な展望の元での議論が少し足りなかったのではないかと思います。

 それからもう1つは、JSTのほうで毎年公募して、今年はこういう応募があって、そして審査の結果、どういうものが採択されて、そして全体として応募の金が幾らで、その要素技術は何%、機器開発は何%で、そういったプログラム実施に関連した全体像をきちっと把握した上で中長期的な重点領域を設定していく必要があるのだろうと思っています。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 ほかにいかがでございましょうか。どうぞ。

【近藤委員】  今後、こういう開発に援助するというか、そういうシステムをつくる場合に、このプログラムでお金を投入してうまくいった例もあると思いますけれども、世の中、全般的に重要な開発や発明があると思います。それ以外のものが圧倒的に多いのではないかと思うのですけれども、しかし、そういったものはどうやってうまくいっているのか、どうやって開発されてきたのか。もう少しそこら辺をよく見たほうがいいのではないかという気がします。大規模なお金を投入して集中的にやったために成功したのか、そうではなくて地道に積み上げてきた、そういうものも非常に多くあるのではないかと思うのですけれども、もう少し成功例を見て、それをアシストするような格好でいったほうがお金の投資の効率がいいかという気がしないでもないです。

 だから、私もよくわからないのですけれども、世の中の成功例や、うまくいった例をよく調べたほうがいいかなという気がします。そのために、例えば先ほど要素開発の重要性などが言われていますけれども、多分、それはもう少し小さい予算で、そのコアとなる部分をしっかり追求するなど、それが出てくればいろいろな格好で花開いて転用される可能性もあるということもあるかもしれません。

 それからもう1つは、アイディアを出して、それを実現していくというのは、多分、発明、考えた人、あるいは研究者のかなり強い執念みたいなのがあると思うのですけれども、そういうインタレストが非常に強く出ている部分というのは多分成功しているのではないかと思うので、そこら辺を今後発展するときに気をつけたほうがいいかという気がしています。

【佐藤委員】  今までの議論や前回の話も聞かせていただいて感じるのは、プラットフォーム型というのは、まさに今の時代に合っている気がします。というのは、私自身もいろいろな開発をしてきたのですが、結局、コンセプト・ドリブンというか、そういう考え方でもって進めていないことが多くて、結果的にいろいろなものを開発するのですけれども、振り返ってみるとばらばらであるなどということがものすごく多い。だから、どうもやはりソフトウェアもそうなのですけれども、いわゆるプラットフォーム的に、パーツもいいものが開発されなければ無理ですね。そのパーツも開発しながらプラットフォームの中でどうやって標準的、あるいは効率的に組み立てられるかというのを考えてテーマ設定していかないと、多分、これからなかなか勝てないのではないか。今もかなり負けているのかもしれないのですね。そういう意味で、このやり方というのはかなりいいと、私は感じています。

【二瓶主査】  ほかにいかがでしょうか。そろそろこの議論をまとめて次に進みたいのでございますが、基本的に事業推進の在り方というのは、私の感覚で言えば、この事業の今までやってきた方針は決して間違っているものでも何でもない。着実に成果を上げてきている。それから、世の中のニーズにもきちっと多面的に応えているという認識でございます。ただし、行政の宿命といたしまして、陳腐化を恐れるといいますか、今までやってきたことのやり方をそのまま持続して、ただ単に継続するということは認めがたいというのが我が国の現状でございます。

 そこで、今お願いしたいと考えておりますことは、今まで進めてきたこの事業の基本的な骨格を更にブラッシュアップするためにはどういうアイディアを盛り込めばいいかということです。今までのこの予算が激減しているということは、この事業が優れていない、劣っているからそうなったのでは決してなくて、世の中の情勢その他、皆様ご承知のとおりでございますが、諸々の影響を受けてこうなってしまっているということでございます。

 したがって、再度ここで、一番初めにスタートしたときの世の中の期待とこの事業のスタートが非常によくマッチしていたあの状況を再現するためには、この事業をどう生まれ変わらせればいいのか、そのアイディアが必要です。これは相当政策的という面もありますし、それから、研究者としての基本的な考え方、あるいは信念という部分もあります。もちろん、それをきちんとまとめ上げないと世の中にアピールできないということでございますから、ゼロから見直しとよく言われるのですが、私自身はゼロから見直す姿勢は必要ですが、今までの方針、実績を適切に踏まえた上に何かを加えていくということが必要だと考えておりますので、ぜひともいろいろとアイディアをお聞かせいただきまして、プラス前進をしたいと考えております。

 さて、それでは、次の話題に移らせていただきたいと思います。資料2-3でございます。これは前回ご議論いただきました重点領域をどういう枠組み、大枠をどのような考え方で進めるかという議論でございます。ご説明をお願いいたします。

【竹上基盤研究課補佐】  それでは、資料2-3に基づいてご説明させていただきます。まず、1ページ目でございます。重点開発領域の設定でございますが、これまでは機器開発タイプにおきまして重点開発領域を設定していただいております。その際に必要な視点といたしまして、例えば将来の独創的な研究開発に資するもの、研究現場の強いニーズが現実にあるもの、国の政策、戦略目標の達成に貢献できるものであること、広範な波及効果が見込めるもの、将来の開発実現可能性が見越せるもの、ニーズとシーズがマッチした提案を期待できるもの、多様な提案が期待できるもの、既存の技術レベルでは達成できないものといった視点に基づいて、この領域を決定してきていただいております。

 前回の議論におきましては、機器開発タイプでの設定を念頭に置いて議論いただいていたわけですけれども、ほかのタイプにつきましても、そういった重点的に開発する領域というものは必要かもしれないし、そうでもないかもしれない。これまでの事業のあり方に捉われることなく、重点的にこれから開発を進めていくような領域は何かというような視点でご議論していただければと思います。

 続きまして2ページ目でございます。まず、基本的な方針ですが、24年度以降もしっかりと重点開発領域というものを設定します。検討に当たっては、第4科学技術基本計画等における政策課題対応並びに技術シーズ側からの対応といった2つの視点が必要ではないかということでございます。検討方法につきましては、本日の小委員会におきまして、重点的に開発を進める領域の大枠といったものを検討いただければと考えております。その後、先ほどご説明しましたタスクフォースにおいて、平成24年度概算要求に関しまして、プログラム構成、そしてこの重点開発領域の在り方というものを一度確認した上で、小委員会におきまして、タスクフォースの検討に基づいて決定、そして中長期的な議論を実施していただくということを考えております。

 続きまして3ページ目でございます。重点開発領域の設定についてということで、前回の小委員会におきまして事務局側から3項目を提案させていただいております。1つ目が省エネルギー化に必要となる計測・分析技術、2つ目が生命科学における課題達成に必要な計測・分析技術、3つ目が災害対応における課題達成に必要な計測・分析技術ということでございます。前回は、これに基づいてご議論いただいたわけですが、その後の意見照会等で委員の皆様に具体的な領域を提案していただいたものが4ページ以降になります。

 まず、政策課題対応型といたしましては、第4期科学技術基本計画に対応したものとして、例えば災害対策・復興対策における課題達成に必要な計測・分析技術や、放射能除染のための技術、放射能計測装置の開発など。また、グリーンイノベーションの推進ということでございますと、省エネ対応のデバイス・システムを支える計測・分析技術や、平成23年度の重点開発領域として既に設定をしている領域の技術をもう一度公募採択するということ。また、安全かつ豊かで質の高い国民生活の実現ということに関しましては、地殻変動等を観測する地球変動の新技術、こういったものが委員からの提案、そのほかにも基本計画に掲げられた項目ではないのですけれども、極限環境下における無人自走計測システム等々提案していただいているところでございます。

 また、6ページ目でございますが、これも今度は技術シーズ型ということで、政府の方針に基づくものというよりは、シーズがあるのではないかということで、様々な領域を提案いただいております。例えば短時間で放射能を計測分析するシステム、この辺は多少、シーズ側から見ても政策側から見ても重要な領域になってきますが、新エネルギー開発のための革新的技術等々、提案をいただいているところでございます。

 今のところ、委員の皆様から頂いている意見をまとめているものが7ページ目になります。まず、政策課題対応型としては、例えば放射線計測やグリーンイノベーション、また、地球規模の大規模計測技術、こういったものが多くの委員の方々から寄せられた意見。一方で技術シーズ型の領域設定としましては、ものづくりのための計測技術ですとか、原子・分子レベルでの情報制御を用いた測定技術、また、医療分野等で必要とされる計測技術などが挙がってきているところでございます。

 今後、24年度概算要求を見据えまして、どこの領域をこの事業が重点的にやっていくべきか、また、冒頭申しましたように、この重点開発領域といったものを機器開発タイプとだけで設定すべきなのか、それともまた他のところでも波及させていくべきなのか。新しい開発タイプ等の提案も含めまして、本日、ある程度重点となる領域というものはどういうものかということをご検討いただければと思います。

 以上でございます。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 ただいまのご説明いただきました資料2-3でございますが、これは前回のご議論、それから、時間が不足しておりましたので、その後、メールにてご意見を頂きました。その委員の先生方から頂いたご意見を基に構成されております。本日、せっかくでございますので、各委員のご提案、これはなるべく大勢の委員のご意見を承りたいので、1件当たり2分程度をめどにご説明いただければと思うのですが、4ページから参りましょうか。震災からの復興、再生の実現という項目にございます、これは石田委員、放射線の遠隔測定システムの開発、このあたりはいかがでしょうか。

【石田委員】  これは基本計画の関係で、やはり震災の、我が国で相当長期にわたる課題ですので、何かテーマを考えようかということですけれども、上に書いたバッジなのですが、私の知る限り、今、バッジをつけているんですけれども、それはすぐ、今、幾ら浴びたかはわからないのですね。どこかで検査して。だから、それがもうつけていて、今、積算量が幾らかというような、本当に開発できれば、原さんが詳しいと思いますが、そういうのはありませんよね。

【原委員】  今いろいろやっているのではないか。

【石田委員】  そういうのがいいかと。あと、リモートセンシングが本当にできるかなと思うのですが、この革新的に何かアイディアで、例えば今回のように中に入れないけれども計測できるような、何かシステム、そういうものが開発できればいいかと思って提案してみました。

【二瓶主査】  私も原理が全くわからないのですが、今回の3.11以後、数日にしてアメリカが航空機、無人偵察機を使ってリモートセンシング方式で放射線の分布のデータを出したでしょう。

【石田委員】  そうですね。

【二瓶主査】  ああいうものを今後も一々借りてきてやるのか、あるいはあれ、そのまま利用させてもらっていませんよね。あれは恐らくかなりの軍事機密でガードされていて、とてもではないけれども、日本が追いかけるなどということは難しいかもしれませんが、でも、中長期的に言えば、今仰ったような、遠くから放射線計測をするというのはものすごく重要な武器になるという意味で、こういう開発は1つのターゲットになり得るのではないかという感じがいたしました。どうもありがとうございます。

 次に杉浦先生、大型、高速、高性能な多用途除染、放射線の除染ですね。これは。

【杉浦委員】  私は昔、福島に住んでいたものですから非常に思い入れが強くて、今の状況だと何を基準にしていい悪いと言っているのかわかりませんけれども、東半分の土地はもう何十年間か住めないような土地になるということが、従来の放射線の基準からいけば当然そういうところになってしまう。いろいろなところであるということは言われながらも、実際に全く実用化されていないので、何とかそういうのが本当にできたら。これをやらないと、あと30年先、例えば5年後に開発されたって二十何年間か使えるわけですから、少しでも住むところが、子供たちのこともありますし、何とかならないかという思いです。本当にこれは言ったから、そういう人が出てくるかどうか全くわからないですけれども、これはやはり一番、計測するより何するよりも、まず除染するということが、人の命のために一番大事だろうということで提案させてもらったわけです。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 それでは、次に簡易型から高精度据置型に及ぶ放射能計測装置の開発、これは杉山さんからですね。

【杉山委員】  簡単に言いますと、もちろん今まで意見がありましたように、この時期ですので放射線計測は必要ではないかというのがベースにありました。1つは、簡易型ですと今1万円台が出ていますけれども、安くなれば誰でも持ちたいと思う装置かもしれません。各社とも開発していると思いますけれども、それに対する新たな開発アイディアがあれば取り上げてもいいのではないかと思っています。また鉄鋼製品もその一つですが、輸出工業製品に対する放射線計測の問題があります。もし高精度な計測が求められるケースがあれば、それは技術としてまだまだ開発要素もあると思います。

 今、放射線に関する技術開発が止まってしまうのは良くないと私は思っていますので、様々な計測技術の観点からも研究を進めることが良いと思います。同時に専門家でない方が放射線計測に関するデータを取り扱えるようになりますと、どのデータが合っているのかという事が必ず問題になりますので、標準化や、データの精度に対する研究視点も必要ではないかと思って提案しました。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 それでは、次にグリーンイノベーションのほうですが、エネルギーの創出・蓄積・利用を支える計測・分析への技術・機器の開発、これは原委員でいらっしゃいますね。

【原委員】  今ですから非常にトピックス的にエネルギーの問題など、いろいろ言われていますが、本日も結構、暑い中で皆さんこうやってやっているのですけれども、別に短期的ではなくて、今起こったことではなくて、日本そのものがエネルギーを非常に、石油をはじめ、他国に依存しているわけですね。結局、食糧などと同じようにエネルギーというのは、本当に欠かせないわけで、日常生活、それから、いろいろなこれからの発展、全体的な社会の発展に対してですね。ですから、今、太陽電池が1つありますけれども、これも1つ、まだまだ効率もそれほどよくないし、十分賄い切れないです。ですから、エネルギーにはいろいろな形が今提案されていますから、我々のところはエネルギーをつくるわけではなくて、それに必要な計測・分析だと思います。ここで取り上げるべきは。そういうところでエネルギーを創出するデバイスをつくるための計測・分析があり得るわけなので、その辺を下支えすればもっと発展するかと。

 それから、省エネも含めて、LEDでも何でもそうなのですが、これもつくる、有機ELも含めて、韓国はかなり実用的にやっていますけれども、日本は特に有機ELのほうでは、もともと早く始めたのですけれども、産業的にはちょっと遅れているということになって、これも本当に省エネを進めるためにはもっと安くつくらないといけないし、LEDでもです。そういうデバイスがまだまだ日本でいろいろ研究されているし、それの下支えとする計測・分析がもっと必要なのではないか。そういうエネルギーは短期ではなくて、非常に日本の長期的な観点から、今、話題になっていそうですから、この先端計測分析技術、中長期的な観点があり、そのテーマに話題性がある。ここが非常にいいテーマではないかと思います。

【二瓶主査】  ありがとうございました。

 それでは、次にグリーンイノベーション、これは電池動特性解析プラットフォームの構築で佐藤委員、プラットフォームという言葉が入っていますが、その関連も含めてご説明いただけますか。

【佐藤委員】  これは上が今継続してやっているのと絡んではいるのですが、とにかくグリーンイノベーションというか、エネルギー問題はスマートシステムをつくるという意味ではやはり電池がキーパーツで、ここを日本は何とかしないと大変なことだと思います。そういう観点で見ると、いろいろな電池が最終的なパワーフローというところをきちっと解明してやらなくてはいけないのですが、そこは全然できていない。そこのところを1つの側面だけでは多分できないのだろうということで、電子線、X線、光など、いろいろなものを使って、その分析結果を総合してエネルギーフロー、パワーフローがどうなっているのかというのを解明できるような、そういうプラットフォームをつくるべきではないかと思って提案しました。

【二瓶主査】  ある意味でプロジェクト開発型のプラットフォームという考え方。

【佐藤委員】  そうですね。だから、X線や電子線など、それぞれ研究者が分かれていると思いますので、それらの提案がなされて、もっと一緒にやるようなスタイルがいいのではないかと思います。

【二瓶主査】  はい。ありがとうございます。

 それでは、次のページで地球計測の新技術、竹内先生、お願いします。

【竹内委員】  従来型ではGPSで位置がずれているかを計測して地殻変動を見る、あるいはドップラー反射光を計測して水分の風の動きや、そういうことで竜巻を予測するという計測技術があるのですけれども、もっと新しい計測技術がこれには必要ではないかということで挙げました。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 次に、その他のところに極限環境下における無人自走計測システム、これは菅野先生ですか。

【菅野委員】  はい。発想は二瓶先生が仰った無人航空機の計測システムのようなものと若干似ているのですけれども、原子炉内の放射線の測定などのロボットも海外製品を使っていたような気がしまして、一体ロボット大国、物づくり大国というのは看板だけだったのかというのが私の正直な感想でございます。それで、何か清浄装置もフランスのものやアメリカのものと言っていて、一体、日本は物づくりをやっていないのではないかなというのが気になったところです。

 それで、実は私は前のところで、そういうのは全部専門のがあるから、ここでやらないほうがいいという発言をしたのですが、あえて政策課題対応型ということで、そういうシステムを、ひょっとすると要素は、実は物づくりであって、今あるロボットの中身を調べてみると半分は日本製品とか、そういうことになっているのではないかなと実は思うのです。とはいえやはり、製品がアメリカ製などと言われると、私としては中身が半分日本製でも気になる。

 ですので、大変な環境下で測定できる素子の開発も含めて、このプログラムでそういういざというときに貸し出して使えるようなものをつくって、それこそプラットフォームとして、みんなで活用できる形にできると、逆に言うと、このプログラムのプレゼンスも大きく見えるのではないか。やや発想がまずいかもしれませんけれども、若干、そういう気持ちで提案させていただきました。

【二瓶主査】  ありがとうございました。

 その下の原子核エネルギーの新しい利用法を開発するための計測技術、これは松尾さんですね。

【松尾委員】  この時期にこういうキーワードを書くのはちょっとどうかと思って、ためらいながら書いたんですけれども、私自身、この震災の前からずっと考えていたことでもあったので、自分としてはこのグリーンイノベーションの一環として提案させていただいたつもりだったのですが、そういうことができるようになるためには多分、30年、100年、だから、原子核のエネルギーをちゃんと人間が理解して、コントロールしてというのは、多分、長い話だと思うのですけれども、その前段になるような、そういう技術的なことを開発していくのをこういったプログラムで何か考えられたらいいかと思って、先が長い話なのであまり上手に具体的なイメージが出せないのですけれども。

【二瓶主査】  核エネルギーと仰るのは、核分裂、核融合くらいしかわからないのですが、何か。

【松尾委員】  私も原子力の専門家でもないですし、それほど理解しているわけではないのですけれども、そういう今の燃やしている原子力の使い方だけではない、そういった原子1個で持っているエネルギーが電子と原子核では100万倍違うわけですから、そういったことの研究がもっと進んでしかるべきだという観点から。

【二瓶主査】  はい。ありがとうございます。

 それでは、次の6ページの一番上ですが、短時間放射能計測分析システム、江原委員でいらっしゃいますか。お願いいたします。

【江原委員】  実は私どもの会社では、光学結晶と放射線の測定機器をつくっております。今、牛肉の問題などがいろいろ出ておりますけれども、人体を測るのも何にしても正確に測るには非常に時間がかかるというようなことで、ちょうど今の時期としては、高速で正確に測れるものが必要なのではないか。それとあと、先ほど石田委員のほうからも出ました遠隔操作、遠隔測定というのでしょうか、これはかなり超高度な技術が要るのではないかと思って、私も書こうかと実は思っていたのですけれども、ちょっと難し過ぎてできないのかなどと勝手に想像して書かなかったのですが、そのようなことで少し提案させていただきました。

【二瓶主査】  ありがとうございました。

 次に、血管成熟度を可視化するための測定技術、これは森川委員、お願いいたします。

【森川委員】  悪性腫瘍の血管にはいろいろな異常があって、それは大体ある成長因子の濃度が過剰であるというところまではわかっている。それを抑制するための中和剤、中和抗体として血管新生抑制剤というのがあるのですけれども、現状、大腸癌と肺癌だけに適用されているのですが、それでも数百億円あって、医療の現場ではどの程度それを投与すればいいかという定量性が全くなくてやられているというふうに伺っていまして、これは私は専門ではないですが、その原因は要するに血管の未成熟なものを成熟化する。その成熟度は何なのかということが現在はわからないのです。

 これはライフイノベーションにつながると思いますが、医療費の抑制という意味でも、成熟度がわかるようなことになれば、治療のときのバイオマーカーとすることによって治療前の判断、治療中の効果測定など、いろいろな点で効果が出てくるのかと。医療費抑制も数百億単位で出るのではないかというふうに思いまして、これは基礎の研究者も臨床の方も、あるいは放射線の技術者も医療機メーカーも、いろいろなところの複合体で取り組めるのではないかと思って提案しました。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 それでは、その次に細胞の生息する周辺微小環境との相互作用の解明ということをお書きいただいている山科先生、お願いします。

【山科委員】  これまで生命科学の分野では細胞の研究が主にやられてきた。その細胞というのは大体、生体から取り出して培養器の中でいろいろ仕掛けをして増殖、抑制するなど、そういうことで随分いろいろな薬の開発なども行われてきましたけれども、そろそろ次の時代に向けて、1個の個体の中で、あるいは肝臓なら肝臓、消化管なら消化管という器官の中で生息している細胞の遺伝子発現、挙動といったものをディテクトして周辺との相互作用でもって癌化が進む、あるいは細胞の分化が起きるというようなことを計測する、そういう技術というものがまだほとんど手つかずで、どうやってやっていったらそういうことが可能か、私自身もよくわからないけれども、そういうことに向けた機器開発、もしかしたら要素技術的なものにもなるのかもしれませんけれども、種をまいておく必要があるのではないだろうか。この二、三年来、そう思っているものですから、このようなことを提案させていただきました。

【二瓶主査】  ありがとうございました。

 何か田中委員、コメントをお願いします。

【田中委員】  確かにそういったことも質量分析でできれば解決したいと思っているのですが、なかなか仰るとおり難しい点なので、頑張らせてくださいというか、テーマとして挙げていただいて、やはり求められているのだと思っているところです。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 あと、ぜひコメントをいただきたいのですが、玉田先生、何か全体的なことで結構なのですが。

【玉田委員】  まだフォローできていない部分もたくさんあるのですけれども、全体の感想といたしましては、いろいろな震災等の影響もありまして、必要とされてきている技術というのが絞られてきている。漠然と中長期というよりは、今求められているものが明確なので、そこに集中することによって、またその技術が次の状況における種になりそうというか、発展のきっかけになりそうなというようないい絞られ方が見えてきているという気はしました。

 といいますのは、昨年、もともとの基盤型のところからアクション型の変更点というので、何となく太陽電池の勉強会などをしているときに不安な感じで、つまり、従来ですと予算等の関係で件数は少ないながらも、割と高いレベルのユニークな研究ということでこちらのほうではやられている感じであったのが、デバイスの関係者のほうの意見を聞きますと、先ほども指摘されていましたような組み合わせ型の使いやすく、安くといった感じの要求が出てきていて、そちらに流れてしまうなら困ったものだという気もしていたものですから、本当に必要なもので、高い技術が必要なものというところで、すばらしいご提案だと思いました。

【二瓶主査】  ありがとうございました。

 近藤先生、コメントをお願いできますか。

【近藤委員】  震災の放射線影響というのも大事なのですけれども、今現在、そこそこの技術でモニタリングされているような気がしないでもないのですね。ですから、もう少し長期的にエネルギー問題や、本当に大事な部分、そこを見据えたほうがいいかと思います。原子力エネルギーをやめるという話が出ているわけですけれども、そうしたら、それからどういうものを考えていかなければならないかという時期に来ているかと。それが本当に実現可能かどうかわからないわけですけれども、ここでは1つ、LEDとかそういうものが提案されていますけれども、例えばそういう、もう少し中長期的に根本的に日本の将来に関わってくるようなものが重要かと思います。放射線が大事ではないとは言いませんけれども、それはある程度既存の技術でいけるのではないかと感じています。この中から選ぶとしたら、そう思ったということです。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 大島先生、いかがでしょうか。

【大島委員】  以前にJSTのさきがけ戦略のアドバイザーをやっていまして、今の重点と要素技術との関係と非常に似ているのですけれども、やはり出ていて非常に楽しいというか、おもしろいのは、さきがけという、予算規模は小さいですけれども、非常に将来を感じるというところがあります。本日も少しそういうお話が出てきましたけれども。ですから、大きなシステムをつくるというのも非常に大事ですけれども、やはり種はありますので、そういうのを育ててほしいというのが少し感じたことです。

 以上です。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 あと、ほかに。どうぞ。

【田中委員】  ちょうどこちらに向かう新幹線の中で思いついたことで、二瓶先生には申し上げたのですが、この領域のことに関して一番根本に戻るのですが、例えば政府としてはグリーンやライフというふうに挙げているのは、多分、選択と集中で日本だからできるというような部分、あるいは日本だから今切に求められているという、そういうことで選ばれる、そういう観点も必要かなと思いまして、切に求められている中で今話題になっている放射線の問題があるということになりますが、そのときに今、計測・分析という観点で何か私たちができるというところで、個々の話は多分よく出てくると思うのですが、不安を取り除くという点で、100ミリシーベルトが果たして適切なのかというのは、誰もまだ答えられないと思うのですが、その放射線の悪影響というのは多分、私の聞く限りでは例えば細胞の中の遺伝子が破壊される。破壊されたままだったら死に至るのですが、それを修復する能力も人間には持っている。ただ、それは個々人によって違う。

 では、その個々人でそれぞれどれぐらいの許容量があるのかというようなことを計測する。そのときには多分、放射線という核物理学と、遺伝子という分子生物学、そういったものの両方を橋渡しするようなものが今まであまり考えられていなかったし、そういったことをやれるのは、今、日本であると。すぐに役立つかどうかわかりませんが、5年、数十年先には絶対に役立つと思いますし、世界に対して何か、こういうことをしっかりやってきたんだということを言える、長い目で見た日本のアピール点になるかと思います。そういった観点も、これがこの先端計測分析で捕らえられるようなものではなく、もっと大規模にやらなくてはならないことかもしれませんが、そういったことを思いつきました。これに入れてくださいというのではなく、何かそういったことの一部でもこの先端計測でできればいいなと思います。

【二瓶主査】  ありがとうございました。

 もう1つ、原子分子レベルでの情報制御を用いた計測技術をご提案で、松尾委員に少しご説明いただけますか。

【松尾委員】  両方にとりあえずエントリーしてみたのですけれども、原子分子レベルで、今、量子情報を制御しようなどと、そういう研究を日本もすごく頑張っていますし、世界的にも非常に進んでいる研究分野なので、原理的にこういうことが可能になりますという実験等々、研究は本当にState of the Artの研究、すごく進んでいるのですけれども、では、実際にこれで、何かこういうことの実際の計測に適用しますというと、まだ現状、シーズ段階なのかと思いました。ですから、そろそろ何かそういったものに、すごく高いレベルのシーズがある分野ですので、そういったことへの適用というのを何か考えた提案をしてもらえるといいのかと思いまして、これを挙げさせていただきました。

【二瓶主査】  ありがとうございました。

 大変多くの、しかも、レベルの高いご提案を頂きました。ありがとうございます。お忙しい折にほとんどの委員からご提案いただきましたものですから、この席で少しご説明をお願いいたしました。

 7ページをご覧いただきたいのですが、まとめのところにございますように大きな枠組みといたしましては、やはりこの1.と2.、すなわち政策課題対応型の領域設定と技術シーズ型の領域設定、この2つをパラレルに進めるという立場が現時点では本委員会の事業として必要なのではないかというように思われますが、今のご指摘も結局、この2つに分類されますね。しかも、どちらか1つをとるということは選択肢としてはあり得ないということで、前回もご意見を頂きましたが、本事業の今までの流れの一番大事なところは、言うならば中長期的に必ず重要になる計測分析技術をこの事業から生み出していくことだということで、それを一貫して今後も続けていただきたいというご意見がございました。そういうことを念頭に置きつつ、このような枠組みで重点領域、重点開発領域を設定しながら進めていくということになるのではないかというように感じている次第でございます。

 もちろん、本小委員会で十分に議論した上で決めていくのが必要なのでございますが、先ほどの資料2-2でございましたように、本年度はこの異常事態で8月末が概算要求の締め切りという例年の枠組みは多分、そのとおりには実施されずに9月にずれ込むのだろうと。もしそうであれば時間は少ないですけれども、8月から9月の上旬ぐらいまでは来年度以降の事業計画の根幹に相当する部分、それを議論する時間として考えてもいいというようなことになります。

 そこで、これはこの委員会でも前に二度ほど例がございますが、今回もタスクフォース方式をとらせていただきまして、一部の委員の先生方にお願いをすることになりますが、大変恐縮ですが、ぜひともその間に3回ぐらいは集中的な議論の場を設けたいと思っておりますので、タスクフォースメンバーとしてご協力をお願い申し上げましたらば、お引き受けいただきたいということをここでお願いしたいのでございます。この委員会の後、事務局と相談しながらメンバーを決めさせていただきまして、お願いをしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

 以上のようなことで、7ページにございますような大筋の枠組み、もちろんここに書いてあることだけに集中するわけでは決してございません。ただいまいただいた議論を踏まえて、もう少しきちっと時間をかけた議論をしたい、そう考えております。

【杉浦委員】  ちょっといいですか。多分、計測技術ですので、私、放射能除染という違うことを言ったのかもしれませんけれども、やはりそれも1つの要素技術としては重要な技術で、今、実際に放射能除染は現地でどうやってやられているかといえば、もう水で洗って除染するという全く昔ながらのやり方なのですね。それをいまだに続ける。体内に入った被曝の問題は全くそのまま取り出しようもないという。

 だから、結局は何が唯一放射能から身を守るかというと、計測した数値をもって自分はどこかないところに行くという世界しかないです。これはもう少し1つの観点として、計測するのだったらやはり除染するなど何か外すというようなものを入れておかないと、測ればいいのかという。現地の人は多分、そう言うと思います。測って、被害はありませんという急性の上昇量は出ませんという、それが今一番のキーワードで言われているのですが、別に除染を絶対入れろということではないのですけれども、そういうことも加味したのを今の段階では入れていただかないと、何か測ればいいのかというのは、非常によくないのではないかという気がしているので、これはタスクフォースでやられる方へのコメントです。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 実は全委員からご意見を承ったのは、全委員にタスクフォースメンバーになっていただくということにはできないものですから、この機会になるべく幅広くご意見を承りまして、それを念頭に置いてタスクフォースで議論を進めさせていただきたいと思います。今ご指摘のようなこともよく考えてみるといろいろな計測技術が必要です。いろいろ考えてみたいと思います。

【菅野委員】  そういうことでしたら、少しだけ山科先生のご提案というか、前回の項目2の調査でも生命分野は出てまいりますので、多分、24年度以降もずっと問題になって、山科先生がご指摘されたことは、これからずっと必要になってくることだと思います。それで、僕が少し指摘しておきたいのは、光学系の方が測定することを考えたときには、エネルギーの粒子や物質なども非常に要素的なものをいきなり測定するのをどうするかという話になると思うのです。

 しかし、生命の場合は、そこのところではなくて生き物から、だから、細胞レベルの小さなものを生きたまま測定するのをどうするか、あるいはこの間、牛がどうのこうのと言っていましたけれども、そういうものを丸ごと測定するのはどうするのか、それから、光学系の方から見ると、もうそのような測定要素技術は全部あるというような状況なのだけれども、では、生命に対して使えるものとなっているかというと実はそうなっていない。そこら辺のギャップが大きいと思います。

 ですので、そういうところの問題意識で少しずつ検討していただくと問題点がはっきりするのではないでしょうか。多分、山科先生と僕はバイオ系で、多くの方は光学系なので、そこら辺のギャップがうまく埋まらないと、せっかくの日本の持っている強みがなかなかバイオまで行かないのではないかという気がしています。

 以上です。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

【佐藤フェロー】  関連していいでしょうか。今出てきましたんですけれども、CRDSのほうでいろいろニーズの俯瞰をやった結果、やはりマクロからミクロまで含めてライフサイエンス系の計測が非常に遅れている。特にダイナミクス、in vivo、そこのところがどうするか、まだ解決はないわけですが、そのためにいろいろな光学の方、物理の人、化学の人、そういう人が知恵を出し合わないといけないと思います。そういう場というのが今までなくて、シーズはシーズ、ニーズはニーズだけになってしまっていると思うので、そこをいかにつないでいくかというのは非常に重要だと思う。

 これで関連してちょっとおもしろいのが、この間、東京海洋大学の石丸先生のところにインタビューに行ったのですが、彼は海洋プランクトンの多様性の研究をしておられるのですが、それに当たって例えば自動的に昇降するウインチをつくって、そしてそれでプランクトンを収集して、その分析等しているのですが、それは日油技研か何か非常に小さな会社なのですが、そことつくられた装置を何回もフィードバックしながらそれをいい計測ができるところまで落とし込んでいって、CRESTの研究なのですけれども、それを聞きまして、こういうものが非常に重要なのではないか。

 つまり、使う人がつくる人とすごくフィードバックをしながら持っていかないと、結局、生きない。この会社は、その装置自身はドイツに売っているのだそうです。ですから、そういうふうなためのものというのは、今一番求められている。特にライフ系の計測では非常に重要だと思いますので、ぜひそういう意味での重点的な研究を進めていただきたいと思います。

【菅野委員】  放射能の測定でも同じようなことが言えるわけですね。別に牛肉の放射能の測定は、もし固体になったら易しいわけではないですから、麦わらにしても、いろいろ多分、そういう工学的に見ると随分つまらないと思うところが本質的だという部分があるので、そこは結構難しいという気がいたします。

【近藤委員】  よろしいですか。専門に近いところで地球規模の大規模計測技術という項目があるのですけれども、例えばここに挙げられている地殻変動や、突然異常気象というものに関しては、例えば地殻変動ですと東大の地震研をはじめとして延々と研究がされていますし、異常気象の計測についても気象学会とか気象庁で非常に長年研究がされています。2つとも非常に困難な問題です。基本的に非常に難しい点があります。しかし、こういう関連したテーマが大事ではないとは思っていませんけれども、しかし、研究者が延々とやってきて難しい問題に対して、こういう課題を出して提案して、では、認めますということになったときに、その場合にどういう点がされるかわかりませんけれども、採択された場合にうまくいかない可能性が高いのではないかと思うのですけれども。

 でも、提案していただいてもいいと思うのですけれども、提案すれば、それを検討するということで留めているところ、あるいはもう少し何かメカニズムが要ると思うのですけれども、いいテーマが出る可能性はありますので、もう少し検討してくださいなど、何かその年度に、変な話ですけれども、採択しなくていいかもしれないと思います。それはずるいかもしれないけれども、例えばもう少し頭を冷やして考えてほしいなど、そういう時間を置くというのも大事かと思うのですけれども。だが、審査される先生が専門家ではなくて、何となくよさそうに見えて採択した場合には非常にリスクが大きいかという気持ちがあるということです。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 どうぞ。

【田中委員】  先ほどはちょっと悲観的な話になってしまったような、もうこれだけあなたは浴びたからだめだというふうな話に誤解されるかと思ってつけ加えるのですが、例えば遺伝子の修復能力というのは、人間、大なり小なり持っているわけで、それがどれだけ活性化されているかということを計測することによって、どうしたら活性化できるかということをちゃんと解明し、そういったことをある意味治療できるようなことに多分できると思いますので、今既に福島とかで浴びた人がもうこれで自分は浴びてしまったからだめなんだというふうに絶望されているような場合に対して、そういう希望を与えられるようなことに計測が役立てれば、それはものすごく有意義だと思います。

 以上です。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 どうぞ。

【竹内委員】  先ほどの一細胞の観測、計測なのですが、広島大学の升島先生が質量分析で実際に生きた細胞をそのまま捕らえて物質を測るというようなこともやっておりまして、それは後続を許していないというか、日本で始まって、まだ全然ほかのところでは行えていないのではないか。田中委員がご専門ですけれども、そのようなことで非常に日本が有利な分野ではないかと思います。

【二瓶主査】  今の話は、細胞の中の微小領域をそのままサンプリングして、それで全分析するという考え方ですね。

【竹内委員】  そうです。

【二瓶主査】  ありがとうございます。

 いろいろご意見をいただきまして、こういう議論を基にタスクフォースの議論をもう少しいろいろな観点で詰めたいと考えております。本日、準備いたしましたのは以上でございます。それでは、3項目ございましたが、時間でございますので議論を打ち切らせていただきます。その他事項で事務局からお願いいたします。

【竹上基盤研究課補佐】  本日はありがとうございました。次回の委員会につきましては、9月の開催を予定しておりますので、近日中に日程調整の連絡を行わせていただきたいと思います。また、タスクフォースにつきましては、主査とも相談の上、8月早々には議論を開始できるように早急に準備を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

【二瓶主査】  柿田課長、概算要求等について、少しコメントをお願いします。

【柿田基盤研究課長】  概算要求は、先ほど二瓶主査からお話がありましたように、例年8月末に各役所が財務省に行うことになっておりますが、現時点の情報では、9月末にずれ込むという状況です。例年よりも1カ月、作業が先延ばしになっているということです。これ幸いにというわけではありませんけれども、少し時間がございますのでタスクフォースでの議論をしっかりやらせていただきたいと思っております。

 関連して、先ほどのご議論を聞かせていただきまして、本日は2つの議題がございまして、この事業の構成をどうしていくかという点と、重点領域の設定ということですけれども、いろいろな重点領域のご提案を見ておりますと、この事業のこれまで7年間にわたってやってきた本来の目的、すなわちそれは最先端の研究を支える、あるいはリードするための計測分析技術・機器開発をするということだと思いますけれども、目下、この日本が直面している課題に対応する、例えば放射線の話がたくさん出てまいりましたけれども、こういうことに対応する機器開発やシステム開発をやる場合には、この事業が今後果たすべき役割、事業目的も含めて、新しい視点を持って検討していかなければならないと思っています。

 これらも含めて、考え方を事務局で整理をいたしまして、タスクフォースにご提示して、今後の事業の在り方をしっかりご議論いただけるように準備したいと思っております。

【二瓶主査】  はい。ありがとうございました。

 少し予定が延びましたが、本日は活発なご議論をいただきまして、まことにありがとうございます。次回は、先ほどご案内がございましたとおり、9月の中下旬になろうかと思いますが、その折にはタスクフォースの議論をご報告させていただきまして、全体でご審議の上、お決めいただくというプロセスになりますので、今後ともどうぞよろしくご協力のほどお願い申し上げます。本日はありがとうございました。

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