研究開発プラットフォーム委員会(第4回) 議事録

1.日時

平成23年12月16日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省16F特別会議室

3.議題

  1. 研究開発プラットフォームの構築について
  2. その他

4.出席者

委員

二瓶主査、宇川委員、瀧澤委員、西島委員、野田委員、福嶋委員、緑川委員、吉澤委員、若槻委員

文部科学省

倉持研究振興局長、戸渡大臣官房審議官(研究振興局担当)、柿田基盤研究課長、岩本情報課長、林計算科学技術推進室長、釜井ライフサイエンス課課長補佐、阿部基盤研究課量子放射線研究推進室室長補佐、馬場基盤研究課ナノテクノロジー・材料開発推進室室長補佐、竹上基盤研究課課長補佐

5.議事録

【二瓶主査】  おはようございます。定刻になりましたので、本日の会議を始めます。
 本日は第4回になりますが、研究開発プラットフォーム委員会でございます。本日の議題は、お手元の議事次第にございますとおり、研究開発プラットフォームの構築についての議論を集中的にしていただく予定でおります。
 それでは、事務局から、配付資料の確認ほかをよろしくお願いします。

○ 竹上基盤研究課課長補佐より、出席者の紹介及び配付資料の確認があった。

【二瓶主査】  ありがとうございました。よろしければ、議事に入りたいと思います。
 本日の議題は、「研究開発プラットフォームの構築について」でございますが、前回の委員会以降、事務局において、先端研究施設・設備の利用等に関して、利用者側、施設側双方の視点から2種類の調査を実施いたしました。その内容を簡単にご報告いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○ 竹上基盤研究課課長補佐より、資料2-1、2-2、2―3に基づき説明があった。

【二瓶主査】  ありがとうございました。それでは、何かご質問がございましたらどうぞお願いいたします。

【福嶋委員】  豊田中研の福嶋ですけれども、2-1に関しては、産学官で回答がありましたけれども、回答率も含めて、産学官で、中身も含めて、今、全体の統計が示されましたけれども、大きな違い、産業界だけどこかが突出するとか、そういうものがあったかどうか、もしあったら教えていただきたい。
 それから、2-2に関して、共用法に関するアンケート結果は、当然、SPring-8だけということになっていますけれども、運営に関しては、もう既にJ-PARCその他もシステムができていますけれども、それはこの統計には入っていなかったかどうかを確認させていただきたいと思います。以上です。

【竹上補佐】  産業界の傾向ですが、まだ属性分析までできておりませんので、その傾向については、具体的に分析して、次回の委員会にでもご説明させていただければと思います。また、共用法の対象施設はSPring-8のみということで明示して聞いています。

【福嶋委員】  はい、ありがとうございます。

【二瓶主査】  どうぞ。

【宇川委員】  同じような質問なのですけれども、例えば、産業界の場合に大学の教育機関、あるいは公的研究機関をどのくらい使っているかや、逆に、大学の研究者が公的、独法の施設、あるいはNPO等の施設をどのくらい使っているか、そのあたりの分析結果も、次回で結構ですけれども、お示しいただければと思います。

【竹上補佐】  わかりました。

【二瓶主査】  ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

【福嶋委員】  技術試験者の数という統計がありましたけれども、施設によっては、おっしゃったように大きさのばらつきがあるので、例えば、SPring-8で行けば、1スペクトロメータ当たりの支援者が何人かとか、そのくらいになると非常にわかりやすいのですけれども、そういうデータは出していただけるでしょうか。

【竹上補佐】  今回はダイジェストでご説明させていただきましたので、施設の方とも相談して、もう少し詳細な傾向を出させていただければと思います。

【福嶋委員】  よろしくお願いします。

【二瓶主査】  どうぞ。

【西島委員】  多分SPring-8というのは、10年間やって、産業界も使いなれて大型化で、これからXFELやスパコンの規範になっていくと思うのですけれども、このSPring-8が10年間、この時点の、例えば専用とか施設が持っている理研のビームラインの本数というのが、状況は違うと思うのですけれども、アメリカのAPSとかヨーロッパのESRFと根本的にどういうポジションを持っているか、同じなのか。課金制度は、例えば、スタート時点ではAPSを参考にしていたと思うのですが、今は、APSはこの課金制度を抜本的に見直すのか、こういう形で推移しているのかという点も、多分、理研やJASRIはそういう状況を国際学会で十分つかんでいるはずですので、その辺を最後のほうに、他の同レベルの、あと2つぐらいしか大きいのはないですから。
 それから、人材に関しても、先ほど福嶋さんから出ましたけれども、あまり細かい数字は難しいと思うのですが、例えば、ここで出している平均的な人数というのは、明らかに、ESRFとかAPSと比べてやはり余裕がない。あるいは、人材育成に対して投資が少ないというようなことを数字や概念で押さえておくのは必要だと思います。
 その辺のところは、若槻先生が大変詳しいとお聞きしますので、その辺、若槻先生のPFの情報も含めて、あるといいのかなと思いました。

【二瓶主査】  どうぞ、いかがでしょうか。

【若槻委員】  ご指名いただきましたので、施設全体で何人技術支援の人がいるかという情報も重要なのですけれども、それ以上に装置の数で割るというのが極めて重要でして、世界中どこのアドバイザリーコミッティに行っても、この数字をみんな基準にしてお話をします。ヨーロッパ、アメリカの標準は大体4から5と言われています。日本は、Spring-8、後で確認していただきたいと思いますが、多分3くらいだと思います。PFは、1を切るか、切らないかです。これは、やはり、日本の特徴なので、私の理解では、J-PARCのCROSSが画期的なことをされて、たしか5でスタートすると、これをいい例として、こういう研究開発プラットフォーム、もしくは大型研究基盤では、そこを重要視していく必要があると思います。出ましたように、どういう立場の人がいるか、パーマネントなのか、そうではないのかというのは、これは随分ビームラインによって変わると思いますので、ちょっと一概にどうと言うのは難しいと思います。

【二瓶主査】  ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

【若槻委員】  2-2のほうでしょうか、成果公開、非公開ということでアンケートをされているのですけれども、SPring-8のほうを見ていただきますと、成果専有か非専有かというもう1つの議論があって、これは必ずしも同一ではないのです。それについても、やはり、ヨーロッパとアメリカで少しずつ違うのですけれども、むしろ成果専有か非専有かということで大くくりをするのが一番多いと思いますので、もし可能であれば、これは終わってしまったので大変かもしれませんけれども、成果を専有する、要するにIntellectual Propertyをどう扱うかということ、それに伴う料金の制度と若干混同されやすいところがあるかなと思います。

【二瓶主査】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。また、お気づきの点があったら後ほどでも結構でございます。
 それでは、この調査報告に関する質疑応答をここまでとさせていただきまして、次に進ませていただきたいと思います。
 それでは、資料3に進ませていただきます。「研究開発プラットフォーム」構想についてです。この資料は、プラットフォームの目的や果たすべき役割、更に、深堀りすべき論点等を事務局に整理していただいたものでございまして、研究開発プラットフォームの全体像に関わる事柄ですので、本日の重点的な審議内容と位置づけております。
 それでは、ご説明をお願いします。

○ 竹上基盤研究課課長補佐より、資料3に基づき説明があった。

【二瓶主査】  ありがとうございました。資料3、これは今までの3回にわたる本委員会の議論で、各委員からご発言のあった事柄についてまとめたということでございますが、幾つかの重要なポイントが示されておりますので、本日はこの資料に関連する議論を十分に行っていただきたいと考えております。
 効率を高めるために3つに分けて議論を進めたいと思います。初めに1ページ目から2ページ目の半ばまでの、いわばシステム全体の考え方、このあたりから議論をしていただければと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。

【西島委員】  大分論点整理ができてきたなという印象を持ちました。この別添のほうが見やすいかと思いますが、4ページのところで、この部分の赤、ピンクの部分がおそらく1ページ目の共用開始後10年のSPring-8、SACLA、コンピューター「京」などが入ってきて、それが2ページ目の、いわゆる、問題解決型というか、重要課題の達成というところに持っていくという形で出ております。ここに書いてありましたけれども、これからJ-PARCも動き始める、それから、SACLAや「京」を、我が国がこういう経済状況の中でドンと立ち上げて動き出すというのは極めて重要で、逆に言うと、これをうまく使わないと、二度ともう大きいものは作れなくなってしまうのではないかというふうに思うので、色々な考え方はあると思うのですけれども、プラットフォームとしては、こういった大きなものをうまく使うような、指導的というか、プログラムみたいなものと、それから、それ以外のものという形で少しめりはりをつけてやっていく必要があるのかなというような印象を持っています。
 言葉どおり、J-PARCやSACLA、「京」を使えと言いますけれども、課題募集をするときは、XFELの課題募集、J-PARCの課題募集、「京」の課題募集とやるのです。そうすると、大体、課題募集と、そこに携わってきたような優れた人が採択されていって、そういう方たちが上のほうで連携しようと言ったとしても、なかなかそれは難しいのです。
 だから、特別予算みたいなものを持っておいて、例えば、ライフサイエンス課のほうで、産官学プログラムのようなもので、この4つかそこらの複数以上をうまく使いこなして、しっかり5年以内に出口を出せるようなプログラムを組んだところに優先的に予算枠をつけて使っていくというような形の指導型をとらないと、例えば、本来のJ-PARCとSPring-8のタンパク質などについては、「X線は骨格が見える」「中性子を撮ると水が撮れる」と言うのですけれども、大体、お互いに言うと「そんな大きな結晶は作れない」と言ってくる。それから、コンピューターのほうも、実測を補うと言っているのですけど、だんだんコンピューターで解いたことを忘れてしまった、それが現実のような形になってしまって、忘れた頃に実測の人間と会話するような形になってしまうといけないので、初めからそういうことを撮れるような人を持ってくる、あるいは、この3つか4つのプログラムを使いこなすのは、リーダー、発案者が45歳までの人とか、10年先を見据えるときに60歳になるような人がリーダーで頑張るというよりも、思い切って、そういう意味で、海外に行った人をもう一度ここに呼びつける、アジアから引きつける、そういった思い切ったことを考えていくことも1つ、得策かと思っています。これは枠組みとしてプラットフォームの域を超えているかもしれませんけれども、プラットフォームを絵図面上に動くのだけど、実際に使うときには、個々にバラバラに公募して、バラバラにそれぞれの予算を取ってきてとなったら、もうそこでみんな作文するのに疲れてしまいます。そうではなく、このプラットフォームを活かすためのプログラムを組んでいて、そこには、ある程度の予算もつけていって、それにはこういう人たちに使ってもらうという絵図面が描けているというと、これが活きたものになってくるかと思って、ちょっと先まで飛び越してしまった発言です。

【吉澤委員】  論点整理していただいたので、その基本をざっくり言うと、共用法が適用されている大型の施設を横に連携するという水平連携というのは、やはり国の施策としてやりやすい。ただ、その実務をどうするかというので、西島さんがおっしゃるように、かなり知恵を出さなければいけない。
 それから、もう1つは垂直連携なのです。私ども、中性子や放射光などの大型施設に関係していると、資料を持っているわけではないので、ものづくりや物質開発をしている人たちが広く裾野にいて、その人たちを、一番上位にあるこういう最先端の施設にどう結びつけるか。これは水平連携ではなくて垂直連携なのです。ですから、国の施策としては、垂直連携と水平連携の両方について手を打っていただきたい。その中で、具体的に考えていくと、西島さんがおっしゃるように、複数の施設を使うという課題の考え方もいいのですけれども、それも大変だから、もうちょっと柔らかく、SPring-8に出す申請書に、自分はJ-PARCも使ってみたいとか、SACLAも使ってみたいというような希望や観点が書いてあれば、コーディネーターを用意して、そちらのほうの利用も促進するというのが水平プラットフォームの1つのもう少し実務的なやり方だと思います。
 それから、垂直プラットフォームは、例えば、理研さんが考えるとペタに関係していますよね。放射光、SPring-8もやっています。研究所の中で垂直連携ができているかということを私はずっとここ数年見てきたのですけれども、最近、ボリューム型のプログラムが終わって、その後、ものづくりのプログラムに作り変えていてそこの中に中性子のグループも、私が個人的に支援しているグループも、まだ小さいのですけれども、入ってきて、そうすると、理研さんとして、研究所の中で縦の連携で、中性子、J-PARCもSPring-8もペタコンも使えるようなところ、しかもものづくりの基礎ですから、一番下の試料や機械を設計する企業さんの応援団、利用者懇談会など、そういうものを持っているのです。ですから、そういう個別の力量のある研究所の垂直連携を幾つか拠点として国が施策で整備して、そして垂直連携で産業利用の推進を図るというのも狙っていただくといいと思う。
 物材にもナノネットで幹事研究所でやっていますけれども、あそこは実は中性子のグループも作って活動しています。ですから、物材でも、そういう意味で、以前は放射光にもビームラインをお持ちだったし、やはり大型の上の水平連携の大型施設まで手の届く基幹研究所、機構に、そういう垂直連携の意図的な政策的な後押しをやってもらうとうまくいくのではないかと期待しています。

【野田委員】  物材が出たので、施設側から課題を抽出するというよりは、先ほど、プロジェクトを優先的に使わせるという話が結構あったのです。ですから、研究プロジェクトを提案するときに、J-PARCなり、SPring-8なり、こういった施設を使うと、そういうものがプロジェクトの中に入っていれば、ある程度そういった仕組みができるのではないかという気もするのです。それぞれの個々の狭い研究室の中でやるような研究もあるかもしれませんけれども、利用を促進するために研究サイドのほうからこういう提案をさせていく仕組みが必要だと思います。

【宇川委員】  別の視点でよろしいですか。今までは、割と、あるものをいかに効果的に使って成果を出していくかという論点からの議論が多かったと思うのですけれども、私は計算機関係なのですけれども、設備自身、ライフサイクルが非常に短いというものがあります。スパコンはもう数年で賞味期限が終わってしまう。そのときに更新をしていかなければいけないのですけれども、それは、実は最先端の技術開発を伴う更新です。そうすると、もはや研究者だけでできるわけではなくて、産官学、それこそ産も交えて、設備そのものの更新をしていかなければならない。その視点がないと、今あるものを使うというだけでは中長期的には成果を出し続けられないのではないか、それが1点です。
 もう1つは、トップマシンはもちろん非常に重要で、それが引っ張っていくわけですけれども、やはり、それを支えるときに、セカンドレイヤーのマシンも非常に重要だと思うのです。そこも計算機の場合は、やはり5年サイクルでライフサイクルが来てしまう。そのときに、日本全体を見たときに、どういう観点で、どういうふうに個々の場所に計算機設備を入れていくかということも、バラバラにやっていったのでは、もはやだめだと。しかも、そのときに、大学関係のスパコン、独法関係のスパコン、色々なスパコンがあるわけです。今まではそれぞれの設置目的に従ってバラバラに設備されているのですけれども、そこはもう少し日本全体の観点から考え方を整理して設備していくようにしていかないと、トップマシンの底支えもできない。その2点です。施設整備そのものに産官学の協力が必要だという視点と、トップレイヤーだけでなくセカンドレイヤーの整備においても日本全体的な観点が必要ではないか、その2点を申し上げたいと思います。

【二瓶主査】  どうぞ。

【西島委員】  今の点も大変重要だと思いますが、もしそういうことならば、例えば、コンピューター内の、例えばJ-PARCの今後の中長期計画や、SPring-8も、10年ですけれども、当然、SPring-8の中にも、おそらくその次の5年、10年も入っていますよね。だから、そういう5年、10年のような時間軸に対する大きな施設の更新や、XFELであれば本数を増やしていくタイムなど、その辺のところも資料としては、5年、10年、持っていたほうがいいかもしれませんね。

【二瓶主査】  どうぞ。

【福嶋委員】  それに関連しまして、今、コンピューターの例があって産官学とありましたけれども、J-PARCも含めて、新しいものをつくるときの議論の中に、吉澤先生もおっしゃった、使う側の視点がどこまで入る余地があったかということなのです。例えば、今、燃料電池ないし二次電池で大きなスペクトロメータを作ろうとしていますけれども、それは、装置開発者側からすれば少し手遅れというか、既存のものを作ってしまうということがあったりして、そういう新しい技術があるのだったら、開発者側からは、こういう観点を入れてほしいというような議論とか、逆に、将来そういう重要なプロジェクトがあるのであれば、施設者側としては、こういうスペクトロメータの設計に観点を入れるというような、まさに時間的なずれが随分あって、うまくいっていないところをどう入れていくかというシステムをぜひ考えていただきたいと思います。我々が考えなければいけないのかもしれませんけれども。

【吉澤委員】  今の観点は、重層的なということで、計算機にも適用しますけれども、中性子の分光器や放射光の分光器も、最先端の設備というのは10年に一遍何億円で作るわけですよね。でも、毎年新しい技術は出てくるわけで、それをどんどんテストできるようなフットワークのいいビームラインや小型の施設がないと、最先端の施設の技術を支えて10年に一遍、リノベーションすることができないという、それは計算機だけではなくて、必ず大型施設の宿命で、その中で今、一番問題なのは、概算要求で施設がきちんとそういう高度化の予算がとれないという、私ども物性研も概算要求するのに大変苦労しておりますけれども、そういう国の予算を政策として適切なところに落とすという、それが論点整理に書いてあって、その具体的な施策を議論して決めようということをこの委員会に提案していただいているので、そこがポイントだと思っております。

【二瓶主査】  私が最初に申し上げたスキームと全くずれて話が進んでおりますので、割り込ませていただきますが、まず、西島先生がおっしゃった論点、極めて重要で全体像をもう少し確認したいのですけれども、特別予算というのは、色々な考え方があるかと思いますが、このプラットフォーム議論に特化して言えば、まず、共用の枠組みという前提で物を考えれば、そう大きな話ではないのですよね。すぐにでもできると言うとあれですけれども、そういう誘導政策、プロジェクト中心に横のつながりを重視したプランは優先的に扱う、予算、共用の設備を使うための予算ですが、それをつけるということ、これはこのプラットフォームの形ができていけばすぐにでもできる。そこのソフト的な部分を充実強化するという話かと思って承ったのですが、何か補足をしていただけますか。

【西島委員】  いえ。

【二瓶主査】  よろしいですか、ありがとうございます。それから、その水平連携と垂直連携の話ですが、これは大変重要なのですけれども、その連携強化が実はプラットフォーム議論の核心なのです。これをきちっと作っていきますと、施設側もユーザー側も、まさに色々な立場の方がプラットフォームに参加されますから、そこで今、水平強化しようというのは、今までとにかく欠けていたからやろうという話で、最初に話が進んでおりますが、垂直というので今までも色々あったわけです。垂直の部分を水平化するという話は、当然必要なことで、ある施設のために資料づくりをしているなんていう人はあまりいないわけですから、それを全体に広げれば垂直と水平と両方の連携が広まるわけです。これもソフトとしては、プラットフォーム構築と、それの運営というレベルで十分に配慮できる話ではないかという気がして承りました。
 そのくらいにして、先に進ませていただきますが、いかがでしょうか。もちろん戻っても一向に構わないのですが、マル1、重要課題達成につながる最先端の研究開発成果を生み出すための仕組み、これについてご意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。

【緑川委員】  アンケートのところでも指摘があったのですが、国際比較と関連しまして、SPring-8その他、こういう最先端の装置では国際的な利用が当たり前になっているのですが、それに対して、アンケートにはそういうことがあまり含まれていませんでしたので、その辺を少し見直していただきたいと思います。
 それで、「XFEL」、「京」、これらは国家基幹技術という定義ですが、最先端のものができれば、競争で世界中の科学者がすぐにアクセスしてきます。それで、私のところにも、私は特にこれに関わっているわけではございませんが、「XFELを使うにはどうするのか?」「スペックはどうなのか?」と。それから、「京」に関しては、「日本の研究者と共同研究すればすぐに使わせてもらえるのか」など、そういう問い合わせがすごく来ておりまして、今の議論は割と国内の利用に特化されているようなのですが、これらは国際的なプレゼンスを日本の科学技術に出す意味でも非常に重要な施設でございますので、国際的な競争の中で、あるいは人材循環の中でどういうふうに使っていくかということもご議論いただければと思います。

【二瓶主査】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

【野田委員】  私はナノネットのほうで色々お手伝いをさせていただいたのですけれども、特にコーディネート機能が非常に大事だろうと。先ほど資料2-1でしたか、アンケートの中身も、特に産業界にとってはバリアが高いということと、地域性など、色々ございまして、NIMSの場合、考えてみますと、SPring-8に施設があるのですが、XPSと構造解析を特にやっているのですけれども、そこに持っていかなくても、まず、実験室レベルのラボXPSや、普通のX線構造解析でやって、やはりそれでは十分に機械の強度が足りない、やはり角度分解が必要だとか、色々な波長でやる必要があるとか、そういった課題が出て次の段階に行くということなので、ラボ施設から大型施設に行くまでの手当というのですか、その辺、やはり現場をよく知っている研究者がケアしないとなかなか難しいなというのがあります。
 ニュートロンディフランクションにしましても、J-PARCと、我々のところでは特にJRR-3のほうを使わせていただいているのですけれども、なぜJ-PARCかと、そういう議論も、研究者のほうから、こういうことをやりたいとか、そういう提案が出てくるので、実験室レベルから大型施設に行く流れをきちんとコーディネートできる人材というのは非常に大事です。ですから、おっしゃるとおり、産業界からもそういった要望がございますので、その辺をどうやって充実していくかというのは、ナノネットで非常に大きな課題になっています。うまくいくかどうかというのはこれからのことだと思います。

【二瓶主査】  NIMSは、もちろんナノネットの実績をお持ちで、有力な研究組織では、既に優れたコーディネーター機能を持つ人材がいらっしゃると思うのですね。そういう人材を、まさに水平展開といいますか、あちらこちらで作っていかなければいけないわけですけれども、そのときのアイデアも、ご指摘は、プロジェクトに近い方のほうが適任ではないかということになりましょうか。

【野田委員】  そうかもしれないですね。少し難しい面がありまして、そういうことに非常に詳しい方は、意外と自分の実験だけやりたいという人がいます。サービスはしたくない人も多いので、結構、人によりけりなのですが、色々な人材がいますので、そこをうまく展開を、特に、シニアの方にそういうことをやっていただくといいかという気もしています。若い方は、どうしても自分の専門性を高めるということに集中する方向で仕方ないかという感じがします。

【福嶋委員】  確かに、コーディネーターが重要なのはわかって、ただ、そんなによい人材が本当にいるかという話が一番問題です。ただし、今おっしゃったように、各所に色々なコーディネーターがおられて、かなりその部分では機能していて、水平という意味では、このコーディネーター同士、例えば、SPring-8のコーディネーターがどこまでJ-PARCのことを知っているか、J-PARCのコーディネーターがどれだけ「京」のことを知っているかということです。それから、もっと具体的なことを言えば、企業が相談に行くのが一番近いところで県の工業試験場です。そういう方がそういうことをどこまで知っているかということで、今、それぞれのところであるコーディネーターの方がよそを知るというシステムをできるだけ早く作っていただいて、どこかに相談に行ったときに、そのコーディネーターはすべてのことを知っているのが理想なのですけれども、できるだけそういう形にする動きが一番先にやっていただきたい水平連携の仕組みの動きと私は考えております。

【二瓶主査】  ありがとうございます。どうぞ。

【若槻委員】  今のコーディネーターが共用促進法の施設で言えば、J-PARC、SPring-8、SACLA、「京」、それぞれの専門性はあるのでしょうけれども、横につながるのは重要だと思います。研究をするときに、実際にどこが使えるとかだけではなくて、本来、問題を解決するときに幾つもの手法が必要なはずなのです。それを複合的な解析というか、相関をとるとか、同じ対象に対して幾つかの手法を同じサンプルについてできればやると、リアルタイムで違う手法を組み合わせることはできないにしても、同じタイムスケールできちっとやっていくとか、そういうアプローチを、せっかくこういう研究プラットフォームをつくるのであれば、単に目利きというのだけではなくて、実際にこういうサイエンスを複合的に組み合わせることができるということを出していく必要があるのではないかと思います。そういう取組は、研究プラットフォームに入れる価値がすごく高いのではないかという気がします。
 それは、もう少し広げてみますと、この4ページ目にある図の、このピンクのところをもちろん最重要として見ているわけですけれども、今の観点で言うと、同じくらい、もしくは、一番重要なのが、この右側にあるサブプラットフォームというのが、どういうものが並んで、例えば、ライフサイエンスの中で、今申し上げたようなJ-PARC、SPring-8、SACLA、放射光全般、計算機も、トップレベル、セカンドレイヤーと幾つも話がありますけれども、そういうものを使うことで、それぞれの分野で、相関をとるということからどういう新しいものが出てくるかということを研究者が、まずやると。それをコーディネーターの方々も見ていただいて、実際に産業界からの利用者、もしくは、これまで全く使ったことがない人たちがこういうものを使いに来るときのエントリーを補助するという仕組みを作るといいのではないかと思います。

【二瓶主査】  ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。
 それでは、次に、資料3の3ページのマル2と3についてご意見をいただきたいと思います。これも特に第2回のときにマル2についてはかなり議論いたしました。マル3についてはあまり議論していないかもしれませんが、何かご意見がございましたらどうぞ。

【吉澤委員】  口火を切らせていただきます。マル2のところで、産業界の人の利用を促進するということで、それだけがメインではないのですけれども、トライアルユースのことで、先ほど、資料の2-2で施設側のアンケートをしたときに、トライアルユースを62%の機関がやっていると、これは私にとって非常に驚きの数字なのです。なぜ驚きかというと、ほかのほうで論点整理していただいたときに、「利用者が固定している」とか「限定されたグループに使われている」ということを問題点にしてきて、これは明らかに矛盾しているわけです。そうすると考えられることは、トライアルユースというのが形骸化していて、ワークしていないのではないかという心配があるのです。
 なぜ私がそういうことを踏み込んで申し上げるかというと、J-PARCについて、国の委託事業で3号炉の原子炉を使ったトライアルユースの責任者を4年間やってきたのですが、80インディペンデントなグループが新規に利用にきました。そのうちの20グループはリピーターになって、平均リピート回数4回です。そのうちの更に半分のグループは、会社になってほかの部局、ほかの課室や会社としての予算や評価が得られたり、つけられたりしたという非常に信じられないポジティブな回答をしています。
 そうすると、明らかに4年間、国が手配してマシンタイムを確保してくださったマシンタイムを使ってやっただけで、それだけの新規利用者が開拓できるということが事実として出てきたのです。そうすると、トライアルユースというのは、きちんとワークすれば、本当は新規利用を広げられるはずではなかろうかという実感を、この数年に持たせていただいたのです。ですから、これはやはりうまく制度設計してやって、「京」にしてもSPring-8にしても、更にJ-PARCにしても、利用を拡大していくのがいいのではないかと思います。

【二瓶主査】  調査の観点から今のご質問、どうですか。トライアルユース60数パーセントというのは、そういう仕組みを持っているという意味ですよね

【竹上補佐】  その通りで、トライアルユースという仕組みを設けているところが6割ということです。

【二瓶主査】  一方、固定化というのはどういう観点から出てきた話ですか。

【竹上補佐】  課題のところについては、これは委員の皆様からこれまでご意見があったところを抽出して、記述させていただいております。

【西島委員】  多分、トライアルユースも大変重要だなと私も思って、産業界はよくそういうのを使わせてもらうのですけれども、多分、トライアルユースというのは、トライアルですから当然最初の1、2回ですから、そういう意味では、たくさんチャンスはあるけれども、全体の時間の中を見れば少ないですから、どうとるかによっては、やはり大口が使っているという形になるのかもしれません。ただ、トライアルユースは大変必要だというふうには思います。
 トライアルユースも1回使ってだめというのではなくて、多少、感触をつかんでリピーターになるくらいの、そういう意味では、先ほどの吉澤先生のトライアルユースというのはうまく構築されているのだと思いますが、とりあえず1回使ってみて「だめだ」ではなくて、その辺の問題解決をしながらうまく誘導する。やはり、それは、さっき言ったコーディネーターとか何か、「コーディネーター確保」という言葉を使っているけど、コーディネーターは確保するほどいませんので、いかに育てていくかということが重要で、そういう意味での確保ですよね。何か「確保」というと、何かどこかから持ってくるみたいですが、残念ながら、そのようなものはおりませんし、むしろそういうところで人材という形をうまく、もちろんそこでモチベーションを高めるような人をそこにとどめて育成する、それが人材育成になってくるとは思っています。

【竹上補佐】  1点補足ですが、データでトライアルユース実施機関が6割とありますが、この調査の対象は、先端研究施設共用促進事業で支援している施設が半分以上で、あとはナノテクノロジーネットワークの支援対象設備です。先端共用事業はトライアルユースをそもそも仕組みとして設けておりますので、6割という数字は、そこを前提において見る必要があると思います。もちろん、先端共用事業やナノネットの対象施設以外にも、様々な大学、独法等の施設がありますので、総合的に見ると、まだまだ固定化されているのではないかというご指摘をいただいているものと理解しております。

【福嶋委員】  よろしいですか。

【二瓶主査】  どうぞ。

【福嶋委員】  トライアルユースの制度というのは、前にもありましたけれども、初めに行くときの敷居をいかに低くするかというところのシステムで、その点に関しては、大学共同利用についても、大学に相談に行けばそれなりのトライアルユース的なところがきっと内緒でやってくださるのだと思いますし、そういうのはそれぞれあるのですが、やはり、我々産業界から見ると、トライアルユースとしてはっきりあればそこに行きますし、ないときには行っていいのかどうか躊躇するところがあります。例えば、大学共同利用ですと、あの先生はつき合いにくそうだったら行かないというふうになってしまうものですから、全体を含めてそういう敷居の低い入り口をどう作っていただくか。トライアルユース制度は1つとしてあって、SPring-8を含めて大変成功していると思いますが、その他色々な、ナノネットも組めて敷居を低くすることを外から見える仕組みが必要かと思います。

【野田委員】  それに関してなのですけれども、やはり、利用説明会を結構、頻繁にやったほうがいいのではないかという感じがします。NIMSの中でも実はSPring-8を使う人が少なくて、少ないという言い方は失礼なのですが、四半期ごとに説明会をやって、そこで実際に今、何が問題になっているかと、研究者は色々な材料を扱っていますので、その中から、ひょっとしたら普通のX線じゃなくてSPring-8に持っていかなくてはいけないかといったことが出てきますので、頻繁に利用者説明会をやったほうがいいという感じがします。

【二瓶主査】  どうぞ。

【若槻委員】  若干違う観点なのですけれども、マル2のエの利用システムに関する考え方の明確化の中で、先ほど福嶋委員がおっしゃった、トライアルユースを大学の先生を通してするようなことがあるときに、大学共同利用で普通に課題申請をされてきたものを見ていると、時々こういうものがあります。いかにも大学の先生に企業から直接、研究費が行っている。原則、成果公開なのですけれども、先ほど申しました、成果専有なのか、非専有なのかというところになると、これはなかなか難しいのです。申請書にはとにかく書いていないのです。出てきた結果を、例えば、化粧品会社が製品にするというのを前提に大学の先生と共同研究をするとか、若干作り上げた例ではあるのですけれども、例えば、そのような例があったときに、これがこういう利用システムの中でどう位置づけられるかというのは、施設ごとに違う可能性もありますし、施設の中できちんとした考え方が固まっていないところもあるかと思うので、できれば、こういう議論をどこかで、この中では入れていただいて明確化していただけるとありがたいと思います。なかなか扱いが難しいです。「産業利用を促進すべし」と言うのですけれども、それを課金すべきなのか、しないのかというのは正直悩ましいところです。

【西島委員】  私もその辺は重要だと思っています。若槻先生がおっしゃるのは成果専有と非専有、成果専有の場合は、場合によっては、使っていることの企業名すらも出さないし、レポートも書かない。そこを国庫にお金を入れるということで担保するということで、言ってみれば非常にわかりやすいのですが、意外と研究費が嵩みますので、これができる業界はあまりないのではないかと思っています。こう発言している我が業界は、必ずそこはお金でクリアできたという自負がございますので、迷ったら金を払うと、そういう形です。逆に言うと、成果が非常に見づらいです。使う側はそうですが、自分が例えば委員会に出てくると、製薬企業が絡んでいると成果が見えづらい、使って役立ったことはわかっているのだけれども、あるタンパクを使った、ある化合物なんていうのは評価のしようがないと言われるのですけれども、それが先ほど言った成果専有。
 ただ、これは、考え方によるのですけれども、成果専有しているということは、要するに、産業界が予算化して、対価としてお金を払っていくので、本当に役に立たない成果のときはさすがにお金を払わない。ということは、成果専有でお金を継続して払っているところは、いかにその施設がいいのかということを実証しているものだというふうに思っていただくといいと思います。むしろ、論文にもならないような簡易な使用報告書で使ったような形にして非常にグレーにとどめていくという産業界の姿勢を戒めるよりも、企業は良い成果を非公開・独占するとはっきりしたほうがいいと私は思います。極端ですが。

【福嶋委員】  産業界からすると、機密の問題をどうしっかりしてくださるかというのが、高い敷居の1つになるわけです。機密を担保してくださるかという話です。ただし、今、CROSSのところで相談があったので答えに窮しているのは、機密の保持と成果非公開、公開がどういうレベルのものか、スケジュールとしてどういうレベルのものかということがはっきりしていないものですから、例えば、東大中央研究所の例で行きますと、10社から出資していただいて機密保持で実験はするのですけれども、この国の施設も同じだと思いますが、50%は共通で頂きますので、最終的に成果は出資会社に公開してくださいというのが前提になっています。それはいつ公開するか。最初は全く伏せてあっても、2年おきに調査をして、公開していい時期になったら公開してくださいと。ある時期以上、非公開ならば、更にお金をいただきますというようなシステムで、お金を払っていると言いましても、先ほどの例でありますように、100%払っているわけではなく、かなりの国庫予算を使った実験結果であるわけですから、それはどこかで還元してもらわなければいけないのは事実だと思います。その辺の機密と公開のプロセスがはっきりしていないものですから、面倒ならお金を払ってしまえという、それは企業内では1つの敷居が高くなることになるわけです。ですから、その辺は、ある程度、原則的にはこうですというようなことは示していただいて、各コーディネーターが、こういうものですということをきちんと言えるようにしておかないといけないと思います。

【二瓶主査】  今の2年おきに調査して、いつ、どのくらいの期間、非公開でいたならば更にお金を追加、追徴するというのは、どのくらいの時間なのですか。

【福嶋委員】  具体的な例では申し上げられないかもしれませんけれども、豊田中研では3種類の受託研究の種類があります。初めからすべて皆さんに公開していいですと、これは成果公開型とします。2番目は、やっていることは皆さんに紹介してもいいけれども、成果はしばらく専有させてくださいというものもあります。一番厳しいのが、やっていることすら公開しないでくださいと。それはすべて2年限度で、具体的には毎年調査します。もうそろそろ次の段階に行っていいですかというような調査をして、できるだけ成果はグループ内で共有できるようにする。これは、大きなレベルの国の範囲でも同じことだと思います。特に、豊田中研などで、コンサルとして非常に困るのは、やって失敗するのはわかっているのに前の会社からの依頼で実験結果があって、そのようなものをやっても意味ないとわかっているのに機密のために言えないというのは大変むだな仕事になるわけです。そういうものがいつ使えるようになるかというのは、この国の大きな施設としても非常に重要なところで、その辺のプロセスをはっきりするべきだと思います。

【二瓶主査】  なるほど。製薬業界で今のような話が出た場合は、どんなふうにお考えになりますか。

【西島委員】  どこまでも公開しない姿勢を貫くというのが製薬業界ですけどね。だから2年ごとにお金を払うということがもしあれば、2年ごとにお金を払っていくのだと思います。特に、検査などのプログラムが入ったときはそういう形で出すというふうになっております。途中でもちろん公開しますが。これは極論かもしれませんけれども、よく冗談に言うのですが、製薬会社などが学会で発表すると、「頑張っていたけど、途中でだめだったから学会で発表することが許可された。すなわち、そのテーマは中断」というようなことを言われるぐらいに。

【福嶋委員】  それはどこも同じです。

【西島委員】  それを勘違いされて、これがうまくいっているからと思って言う人もいる。その辺のところは十分知っておく必要はあるでしょうね。ただ、おっしゃるように、国の施設を使っているわけですから、初めから公開できるというものについては、早い段階で公開していく。それから、トライアルユースの場合には、それを使った成果がほかの企業にも活きるようにというのが基本合意です。ですから、企業としていい結果が出ても、公開するという姿勢のときは最後まで公開するということを、早い段階で、同意をとってからやっていますので、そこは貢献できていると思います。一番怖いのは、トライアルユースして、うまくいかなかったら情報が流れてこないで、実は、同じトライアルユースで失敗した人があったというのを後から聞くのは残念ですよね。それは避けたいですね。

【二瓶主査】  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

【緑川委員】  その機密と公開、あるいは産業界に利用する場合なのですが、日本の大型施設の特徴は、割と研究者が装置を支援している場合が多いのですね。そういう場合に、完全に非公開となりますと、支援する研究者のモチベーションに関わってきます。本来はどういう立場がいいのかわかりせんが、ビームラインを提供する方は技術者という形で、そこに張りついて、それをオペレートするという立場なのでしょうが、そこが研究者になっている場合が往々にしてあるので、その場合に、非公開というのは、研究者にとっては非常にフラストレーションがたまるというところが若干問題になっているのではないかと思います。

【二瓶主査】  緑川先生がおっしゃったことに関連するのですけれども、支援者のキャリアパスの問題とも絡みますが、その成果がどういう協力者、支援者、あるいはコーディネーターも含めて、どなたの協力を得て初めてうまくいったかということを明確に示す仕組みをつくらないと、これは人の評価に絡むのです。モチベーションも当然絡みます。これがどうも今まで、いささか十分ではなかったのではないかという感じを私は持っております。ですから、それは、例えば、施設側で報告書を取るわけですけれども、その報告書には必ず支援者の名前を入れて、それをきちっと公表すると、それは最低限だと思うのですが、そうしませんと全体の仕組みはうまくいかないと思いますけれども、いかがでしょうか。どうぞ。

【西島委員】  具体的な話をすると、大学の共同研究の場合、大学の先生とやったときには、成果は非公開ではなくて、少し時間を、例えば、1年以内という形にして、必ず1年後には公開されることを覚悟して、我々は知的財産を確保しているということで、知的財産を確保した後にやる。知的財産が確保できなかったら一緒にやっている共同研究の企業側にも責任があるので、そのタイミングで先生が学会発表や論文化したいときはもう止めることはできないと思います。というのは、若い担当者の学位論文などにかかってきます。そのように初めから覚悟してやっている場合が多いと思います。
 一方、例えば、業界のほうで、ある緊急支援者を頼んだときは、20%くらいはその施設の維持管理という名目で、その人のテーマのものをやってもらって、それについては公開することを前提として、その機器のメンテナンスと、新しい装置を使ったことをやって、それはその人の名前で発表させてあげる。あとの8割については、もう割り切ってもらって知的財産で、それが発表されるのがいつということについてはむしろ言及できない、あまり期待しないでくれというくらいの形でやっていくというのが1つあると思います。

【緑川委員】  その辺、色々なやり方が今まであったと思うのですが、この議論を機会に、ある程度の方向性というか、ルールみたいなものが少し形成されればよろしいかと思っています。

【二瓶主査】  ありがとうございました。施設側でご意見をいただけますか。

【若槻委員】  この問題はとても重要な問題で、施設ごとに対応が違うのです。1つ言えることは、とにかく、広い意味でのサイエンティストが担当している場合には、今、ありましたように、論文という形でのクレジットをちゃんと出していくということなのですけれども、実はもう1つ重要なことがありまして、このマル2のアに書いてある、施設等所有者へのインセンティブ、この所有者といいますと、施設の所有者というよりは、実は、実際にそういうサービスをする研究者がインセンティブを持てるかどうかというのが結構重要なところです。これは、サイエンティストだけではなくて、特に技術者、技術者は特に自分で新しい技術をつくっていくことが命なわけですから、そのための何らかのインセンティブになるような仕組みがある必要があると思います。国庫にそのまま全部入って、変な言い方ですけれども、分散される部分も必要なのですけれども、実際にやっている人にも、ちゃんとある部分は行くというようなことを例えば作り込むことをするか、しないかというのは随分大きな違いになると思います。これをしているところ、していないところは本当に千差万別だと思います。
 このアに関して、もう1つ、マル1から2へのトランジッションのところで、これは、尖ったものを出すだけではなくて横の広がりもということだったと思うのですが、1ページ目の下から4つ目の5のところにあると、本来目的による使用を終了した後の有効利用を一層図っていくというところは、私はすごく大事だと思います。この後、マル3にももう1回出てくるので、そこで議論すべきだとは思うのですけれども、実際には、ここのマル2のアにも非常に重要に関連していまして、施設側からしますと、例えばERATOのようなそれなりの大きなプロジェクトで、例えばビームラインが作られた。それが5年で終わる。そのERATOの人は、普通そこで切れるわけです。切れると、もう、仮に施設に移管したとしても、いい施設であればあるほど、そういうものがたくさん来るのです。そうするとどういうことが起こるかといいますと、例えば10憶かけて作ったものを、メンテはやはり年に5,000万円とか1億円かかるわけです。それを10本抱えると、もうそれだけで必要経費が出てくるということを、施設側からしますと、例えば、ERATOのようなもので出していますけれども、こういうものが来ることは施設側にも非常にいいのです。ですけれども、実は後でつけが回ってくるということが多分ここに書かれているのだと思うので、それを、とても先を考えて、このスキームにうまく入れていくことで、質的量的拡大というのが、初期投資をせずに済むというところがあるので、そこをうまく取り込む形を、ぜひ取り入れていただきたいという気がします。

【福嶋委員】  それに関連して、そういう施設を共用法が引き継いで運営していくというのが、全部が全部ではないかもしれませんけれども、ある程度の流れができてくると非常に見えやすくというか、検討しやすくなるのではないかと思いますけれども。

【西島委員】  今おっしゃることは大変重要で、そういう施設となったとしても、いざ使おうと思ったときには、当然、買ったばかりの新品ではないわけですよね。そうすると、企業では、こういうアタッチメントをして、こういう形をやってもらうとなお使いやすいというのだけれども、そのお金をつけることはとてもできないというわけですから、例えば、こういう本来使用したものを有効活用するときには、新しい形、そういうものを、単なる維持という形のお金ではなくて、予算がなかなか難しいのですけれども、形を全部変える必要はないのですけれども、新しい、例えば、分注器をつけるとか、そういうこともできると一番、蘇らせるという意味ですかね。今の枠組みでは多分そこまで行かないと思うのです。本来機能が失われたものについては補うのだけれども、新しい機能を付加するという形の予算を取ってくるというのは結構厳しいのではないかと思うのです。そういうことも考えていただきたいと思います。

【緑川委員】  それは装置ばかりではなく人の問題もありますよね。

【西島委員】  そうです、そっちが重要です。

【若槻委員】  そっちのほうが効果としては劇的に。

【吉澤委員】  皆さんが言ったことの繰り返しになるのですけれども、実際に分光器をやって、トライアルユースのお世話をする人は本当に研究者なのです。そうすると論文でしか評価されないとだめなので、私としては、責任者として所属している機構なり何なりの上層部の方に、研究キャリアの評価に、トライアルユースなりの評価に入れてほしいということを切にお願いしたのですけれども、これは国の政策として、業務の中にそれも入れるべきではありませんか、とやっていただくほうがスムーズだと思います。
 それから、もう1つ、若槻先生が言ったように、成果非公開で、自分がメンテして最善のレベルを維持している装置が使われるわけですから、それの利用料金の一部が還流するというのが非常にわかりやすいインセンティブなのです。だから、はっきりしたそういうルートを、それを全部上の組織が召し上げてしまうのでは、やはり、現場の人は働かない。人間ですから、やはり、人間が働くように。それで、サイエンティストがやって、気持ちよく支援できるシステムをプラットフォームの中に貯め込んでいただくというのが非常に大事ではないかと思います。

【福嶋委員】  評価としてそういうのが入るのはいいのですけれども、やはり、色々な方がおられるので、論文を書くというのは非常に重要で、それを書けるようにどうするかということなのですけれども、色々、企業として施設側とおつき合いをしたときに、施設側の方はとても控え目で、ものすごく支援してくださるのですけれども、逆提案で、「これだったら自分自身の研究として論文にできる、こういうテーマをやりたいから少し協力してよ」というような提案は意外に少なくて、それは、契約上、そういうお金をもらっているので、「機密ですよ」ということで上からしっかり言われているせいかどうか知りませんけれども、むしろ、企業と一緒にやった中からおもしろいテーマが見つかって、それは共同研究でいいから、少し企業側も協力して論文を作るというような、そのほうが面白いテーマが結構たくさんあると思うので、そういうお互いのやりとり、メリットを理解した上でやることができやすいように今なっているかというと、施設側からは、「これは成果非公開だから絶対に漏らすな」としっかり言われている。担当者はとても言い出しにくくなっている。そういうのを少し打破しなければいけないと思います。

【二瓶主査】  ありがとうございます。それでは、最後にマル3、投資を実現するためのシステムということで、これは色々ご意見がおありではないかと思うんですが、施設をご担当されている委員の皆様から何かご発言がありましたらお願いしたいと思います。どうぞ。

【宇川委員】  この議論を通じて必ず「共用」という言葉で共用を議論されてきているわけです。でも、全国共同利用というのもあって、両者は、例えば、共用促進法に基づくほうは補助金ですし、全国共同利用は運営費交付金とお金の種類も違うので、どういうふうに使えるかというのは全く違っているわけです。だが、一方で、共用促進事業などを通じて、全国共同利用でも産業界に公開して使っていくということも随分と促進されているわけです。
 これが最初のほうの委員会で整理されたのでしたら申しわけないのですけれども、その共用という考え方と、全国共同利用というところの整理をしておかないと、ここで議論されている研究開発プラットフォームで、どの範囲の施設の、どういった使われ方のものを範囲にするのかというところが非常に曖昧になってしまうのではないか。全国共同利用もそれなりの歴史があって、比較的学術研究に主眼がある話だと思うのですけれども、これからのことを考えたときに、今までのような体制で本当にいいのかというところも本当は議論する必要があるのだろうというふうに思います。
 例えば、全国共同利用の施設ですと、普通、使えるものとして、「国公私立大学等々の研究に携わるもの」ということが割と書かれてあって、じゃあ、産業界の人はどうやって使えるかというと、「センター長が認めるもの」というまた別のカテゴリーがあって、その枠で産業界の方は使える。最近はもう少し、もっと産業界の方も使えるようになっているとは思いますけれども、そういう、ある種、過去の歴史を引きずったような制度が比較的残っている面もあると思うのですけれども、そこのところも直していかないと、ここのマル3のところの、戦略的、効果的な投資を実現するというところの、ある種、基盤のところが曖昧なものになるのかというふうに思います。

【野田委員】  前にナノネットの利用状況の説明をしたときに、私、説明が十分でなかったのは、今おっしゃったように、色々な制度の中で施設が動いているわけです。ですから、共用法で動いているのは、おそらく100%に近い、80%の共用がもともとベースにあるわけです。ナノネットの場合はそれぞれ、研究機関側がつくり上げた施設を公開するということなので、どうしてもやはり、外部利用というのは非常に少なくて、大部分、内部利用が多かったわけです。ただ、ここにも「競争的資金等々」と書いてありますけれども、施設・設備というのはほとんどがもともと基本的に国のお金で作っているようなものなのです。それは競争的資金にしろ、企業から資金提供で作ったものもあるかもしれませんけれども、ほとんどが国の資金で作ったものなので、基本的には、皆さんに使っていただくというのは、あるミッションが終わったら当然、そういう方向に行くというのが大事なので、ナノネットのほうも、外部利用をもっと、なるべく大型施設でやっているような公開レベルに近づけたいという考えを持っています。
 ただ、どうしても研究者がかなりそこに関与しておりますので、内部利用、外部利用という議論は相変わらず続いているのですけれども、最適な解を見つけていきたいと思います。これだけ有効利用しなければならないという中では、皆さんに使っていただくという方向に行かざるを得ないなというふうに思います。

【福嶋委員】  繰り返しになりますけれども、先ほどの共用法と全国共同利用というのは、一番初めに私がお願いしましたけれども、産業界から見ると大変ややこしくて、まさにその一番複雑になっているのがJ-PARCの施設で、すべてが混在していますので、そこは運用で同じようにしていただいているのは、中に入れば何となくわかりますけれども、ぜひそこはクリアにお願いしたいと思います。

【野田委員】  おそらく3つか4つぐらい、私も自分なりに整理して、要するに、共用法、促進法とやっているものと、それから大学共同利用施設は、調べたら大体50%くらいかなという感じはしたのですが、それで、おそらく、それぞれ外部利用の割合がかなり違うのではないかと思います。でも、なるべく国のお金で作ったものに関してはやはりみんなが使うような方向に持っていかざるを得ないのではないかというふうに思いますけれども。

【柿田基盤研究課長】  資料の2ページの上半分に研究開発プラットフォームというシステムをどういう考え方で構築していくのか整理を試みているわけですが、重要課題達成という意味で、明確な目的指向型の施策展開に対応する基盤のシステムを形成していくことが求められると考えます。
 そうしますと、出口指向の研究開発プロジェクトを進めていく上で必要となる様々な施設を、研究開発プラットフォームの構成要素として入れていくことになりますので、大きなものとしては、共用促進法に基づき整備、運用するものをはじめ、ナノテク、ライフなどの分野別で基盤のネットワークを構築しているものがまず入ってくるものと考えます。その上で、大学における学術研究目的の最先端施設についても、それぞれの本来目的に配慮しつつ、産業利用等に対して共用することが可能なものについては研究開発プラットフォームの対象として含めていくことが、我が国全体の科学技術イノベーションの推進において有益であると考えます。実際、先端研究施設共用促進事業において、大学等においてそれぞれの目的で整備された施設について、施設の空き時間を活用した外部共用を促進するための財政的支援を行っておりますが、産業界をはじめとしたイノベーション指向の利用が進められており、これらの対象施設を研究開発プラットフォームに組み込んで、我が国が有する優れた基盤の全体的な効果を上げていくための取り組みを横断的に進めていくことが望ましいと考えます。これまでの議論を整理すると、そういうことかと思います。

【宇川委員】  お考えはよくわかりました。そうすると、そういうことをはっきりと書いておかないと、そこの議論が極めてあやふやになって議論が蒸し返されるということになるのではないかと思います。

【二瓶主査】  どうぞ。

【瀧澤委員】  先生方が既にご指摘のことなのですけれども、ある意味、施設それぞれが、民間で言えばサービス業的なきめ細やかな対応が多分必要なのではないかと思うのです。それを一々、国がこうしましょうという大方向は示すことができても、細かいことをすべて指示することはできないですし、これから新たな、今おっしゃった学術分野、今までやっていたところが産業利用にうまく乗せていくような方向性が、なかなか上からの指示でうまくいくとも思えないので、先生方に今までおっしゃっていただいたように、インセンティブというか、その施設を運用する方の誇りというか、盛り上げていこうと盛り立てられるような仕組みが何か必要なのだろうと感じております。

【二瓶主査】  ありがとうございます。プラットフォームの議論、本日含めて4回やってまいりましたが、今日の議論は相当、全体像をまとめた上での更に、システムとして組み上げていくときに何が大事かということを随分色々指摘していただいたと思うのです。このような議論を基に、プラットフォーム概念そのものが共有されないとシステムができ上がりませんので、そういう意味での議論を随分していただけたと思います。いよいよ来年になりますと、この議論をまとめ上げて実際の形にしていくという段階になります。そのような意味で、本日は随分、色々な観点からのご議論を、話題として出していただくということを主体にして議論してまいりました。そろそろ時間なのですが、これだけは再度言いたいということをおっしゃっていただければ、どうぞ。

【吉澤委員】  最後に出た話題のことで、私は敢えて自分の立場のほうを言わないでいたのですけれども、実は、今回議論に上っている施設というのには、宇川先生が指摘されたように、全国共同利用が入っているものと共用法でやっているものと、こうなっているのです。Spring-8は100%共用法で、J-PARCはKEKさんが入っている、原子力機構の研究炉は私ども物性研究所が入っているので、2分の1全国共同利用、2分の1共用法なのです。それで、若槻先生が言うPFのところは100%大学共同利用。ですから、実は、大きく我が国には2つのアカデミックな全国共同利用と、それから、産業界も視野に入れた、国の施設を有効活用しようという共用利用、その間に、先ほどから話題に出ている共用促進事業という非常に間のところで重層化する事業があるので、それを押さえた上でのこの委員会の取りまとめというふうに皆さんも、振興局の方々も議論を進めていただけたらありがたいと思っています。

【二瓶主査】  どうぞ。

【若槻委員】  今のご発言の重要性は私もぜひ申し上げたいと思いますが、先ほどの2ページ目の3のところで出た、柿田課長がおっしゃった、空き時間を充てることなどを想定というのは、実は、もっと積極的に言ってもいいのではないかと思っています。自分の例を挙げるのは恐縮ではあるのですけれども、私ども大学共同利用機関ではありますが、ある製薬会社と共同でビームラインを1本作ったのです。大学共同利用のシステムの中で作ったことで、実は大学共同利用のファンクションが高まったというか、増えた、拡大できたのです。一部、比較的優先的に使われますけれども、それ以外のところは全く新しい資源として大学共同利用に完全に使えるというようなこともありますので、空き時間という考え方よりも、もう少し進めて、大学共同利用、それから大学共同利用研究拠点ですか、その中でもできる施策としてこの中に入ってくるという書き方にしていただけると、多分、全国の附置研の方々ももっと力が入るかという気がいたします。

【二瓶主査】  ありがとうございます。私立大学が持っている設備などの考え方は何かといいますと、まさに空き時間の議論から議論を始めたのですけれども、何となく国からの予算で、ある研究テーマのもとに導入した設備は、そのミッションのために100%使わねばならないという議論から、そう思っている人が大勢いまして、それを突破するために空き時間ということで議論を始めたのですが、本来は、よく考えてみると、もう冒頭に、その考え方は出ているのですが、結局、国のお金を使ってやっている事業で、あるミッションのために使う、これは当然なのですけど、それが100%でなければならないかという発想、もう既にこれはどこかでクリアになっているのではないかと私は思っているのですが、もしなっていなければ、それをクリアにしていただきたい。
 例えば、科研費などは、その当たりがよくわからないのですが、そういう部分を埋めていっていただきたいのです。いずれにしても、今、議論をしている私立大学の議論は、そのミッションだけで使うということは現実としてできていない。当然、時間は空いている。それを大学として、これはオフの場合、私立大学は企業と一緒で、部屋も特別にグループに貸し与えているわけですから、大学の中の共同利用に供するということをまず引き出しまして、その次に、先ほどご指摘になりました、社会へ貢献するために学外に公開するという概念を入れました。それは、単に義務としての議論ではなくて、インセンティブなのです。要するに、世の中で、この道具をどういう見方で使えば効果が出るということが、もう皆さん、課題を持っているわけです。それに公開することによって、その課題を学内に導入することができ、大学の人間ですから、世の中の研究動向も知り、それから、そういう課題に興味を持つ学生たちが積極的に協力して人材を育成することもできるということで、確実にポジティブな効果があるという認識に至っております。
 ですから、おそらく、色々な立場の違う研究機関、設備等も似たような整理をすれば、必ず共通のルールといいますか、基盤にジョイントする仕方というのが整理できるというように僕は思っているのですけれども、そんなことで、なお検討の上、議論をまとめていくのが大切かなと思っております。
 さて、いよいよ時間になりました。今日はこのくらいでよろしいでしょうか。

【柿田基盤研究課長】  ありがとうございます。

【二瓶主査】  ありがとうございました。貴重な時間をいただきまして議論をいただきました。せっかく局長がお見えですから、一言、年末でもありますし、いかがでしょうか。

【倉持研究振興局長】  4回のご議論を経て、論点をおまとめいただきまして大変ありがとうございます。それぞれの施策がそれぞれの意図で発展してきていますけれども、やはり、今、もう一度俯瞰して、その間をつなぎながら整理し直さなければいけないという問題意識を持っております。
 先ほど幾つか具体的なご提案もいただきましたけれども、本当に既存のプログラムを活用するとか、アイデアをまた出し合いまして、先生方に叩いていただいて施策をしていきたいと思っておりますので、引き続きご指導をよろしくお願いいたします。
 いずれにしましても、本当に、4回で少し方向性を出していただいたということでありがとうございます。

【二瓶主査】  ありがとうございます。事務的なまとめをお願いします。

○ 竹上基盤研究課課長補佐より、今後の予定について説明があった。

【二瓶主査】  ありがとうございました。それでは、本日は大変ありがとうございました。年末でございますので、ほんの一言私からも申し上げたいのですが、来年はいよいよ科学技術イノベーションプラットフォーム元年というつもりで、ぜひ、委員の皆様にはご協力いただきまして、確実に国のため、あるいは社会のために役に立つ仕組みを作りたいと願っておりますので、ぜひとも、今後ともご助力、ご協力をいただきたいと思います。本日は大変ありがとうございました。

―― 了 ――

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