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産業連携・地域支援部会(第22回) 議事録

1.日時

令和元年7月31日(水曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省15階15F特別会議室

3.議題

  1. 産学官連携の最近の動向及び今後の論点について
  2. 北海道大学におけるIR(Institutional Research)活動について
  3. その他

4.議事録

【須藤部会長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会産業連携・地域支援部会を開催いたします。本日は、お忙しい中、御出席頂きまして、まことにありがとうございます。私は、部会長の須藤でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、定数17名のうち13名御出席と書いてあって数えていないのですが、多分、13だと思います。御出席になっていますので、定数9名ということで満たしていることを確認いたします。それから、渡部委員が後ほど遅れてお見えになる予定と聞いております。
それでは、まず事務局からお願いいたします。
【神部課長補佐】 須藤部会長、ありがとうございます。本日は、お忙しい中、お集まり頂きまして、ありがとうございます。会議に先立ちまして、まず人事異動がございましたので、新しく着任しました事務局の御紹介を申し上げます。
科学技術・学術政策局長の菱山豊でございます。
【菱山局長】 菱山でございます。よろしくお願いいたします。
【神部課長補佐】 続きまして、文部科学戦略官の真先正人でございます。
【真先戦略官】 真先でございます。よろしくお願いいたします。
【神部課長補佐】 産業連携・地域支援課長の斉藤卓也でございます。
【斉藤課長】 斉藤です。よろしくお願いします。
【神部課長補佐】 同課大学技術移転推進室室長の北野允でございます。
【北野室長】 北野でございます。よろしくお願いいたします。
【神部課長補佐】 同課地域支援室長の萩原貞洋でございます。
【萩原室長】 萩原です。よろしくお願いいたします。
【神部課長補佐】 また、前回の出席者に加え、大臣官房審議官の森と高等教育局視学官の生田が出席しております。
続きまして、配付資料を確認させていただきたいと思います。皆様のお手元にございますタブレットに資料は収納させていただいておりますが、今回、資料としましては、資料1-1、1-2、資料2の3点、資料がございます。そのほか、参考資料としまして参考資料1から7までが格納されております。もし欠落等がございましたら、事務局まで御連絡頂ければと思います。そのほか、本日、机上にございますが、配付資料としましてこれまでの部会での主な御指摘をまとめたものを机上配付させていただいておりますので、議論の中で御参考頂ければと思います。
以上でございます。
【須藤部会長】 ありがとうございました。
それでは、本日の議事でございますけれども、最初に議題の1ですけれども、産学官連携の最近の動向、それから、今後の論点ということで議題の1を進めたいと思います。それから、議題の2としましては、北海道大学におけるIR活動について、それから、議題3としましては、その他というのが予定しております。
それでは、まず議題の1ですけれども、第6期科学技術基本計画の策定を見据えまして、産学官連携の最近の動向及び今後の論点について御議論頂きたいと思います。この議論、実は本部会での議論が最後となる予定にしておりますので、是非積極的な御意見を頂けますとありがたいです。是非よろしくお願いいたします。
それでは、事務局から資料1-1及び1-2に基づきまして説明をお願いします。
【斉藤課長】 説明させていただきます。資料1-1と1-2がございますが、1-2の方からまずごらん頂ければと思います。1-2の方が全体像でございまして、1-1がポイントなので、全体の方からまず説明させていただきます。1-2の資料ですが、これは前回、6月21日の部会のときに概略、概要を説明させていただいて御意見を頂いたものに頂いた意見などを踏まえて修正したものという位置付けになっております。前回からそれほど大きく変わっているわけではございませんが、変わっているところを中心に、前回欠席されている委員の方もいらっしゃいますので、全体をざっと説明させていただきたいと思います。
まず、1.でございます。現状認識ということで、今回、第6期の科学技術基本計画に向けた議論ということで、第5期の技術基本計画の策定時から約5年たっておりますが、それを踏まえた、その間の進展や変化がどんなものがあったかというものをまとめたものでございます。このあたりは前回の記述と変わっておりませんけれども、概要を申しますと、一つはデジタル革命が加速度的に進展していて、知識集約型の変革が加速している。イノベーションサイクルの加速と、それによる将来の不確実性が増大しているのではないかという御指摘、加えてSDGsの企業戦略を含めた取り込みが進んでおりますし、一方で少子高齢化の進展ですとか都市部の一極集中、労働力の不足等が引き続き加速しているのではないか。そんな中で地方創生への取組の高まりがこの5年間、特に起こっているのではないかということです。更に新規事業創造の意味合いとして、スタートアップに対する産業界からの期待が高まっておりますし、更に企業さん側の状況として採用とか処遇の在り方が変わりつつある、雇用形態が変わりつつあるということがこの5年間であるのではないかという整理でございます。
それらの状況を踏まえて産学官連携や地域科学技術に構造的な変化が起こりつつあるということで、ここから先まとめております。1から4までございますが、項目としては上にある1から5の丸の数字に対応しているという状況です。1につきましては、価値の創造に対する産業界から大学や国立研究開発法人への期待が高まっている。社会的な課題解決などを目的とした大型の共同研究が増加しておりますし、破壊的イノベーションに向けた基礎研究の強化も期待されているというのがございます。2番といたしましては、オープンイノベーションの進展が必要であるということで様々変化が起こっているという点。3番目は、地方創生なども含めまして市民やユーザーも巻き込んだ社会的課題の解決などの方向性が、変化が起こっているということでございますし、4番目、スタートアップ関係につきましては、企業側の教育や人材育成を起点としましたスタートアップ全体のエコシステムみたいなものを作っていく必要があるだろうということで、様々な対応が始まっている。そのための推進体制の構築が始まっているという現状かと思います。
次のページに行っていただきまして2.でございますが、それらの状況の変化などを踏まえまして、次期の科学技術基本計画に向けて特に議論が必要な部分としては以下のような点があるのではないかということでまとめております。これも大きくは変わっておりませんが、御説明申し上げますと、一つ目は超スマート社会のモデルとなるSociety5.0を提唱していくので、それに向けて科学技術イノベーションが先導的に動いていく必要があるのではないかという点。具体的、引き続き強力に推進する必要があるという点。更には知識集約型社会に向けて人口規模や金融資本蓄積量に大きく依存していた地域の力が急速なデジタル技術の進展により知識融合の鍵になっていくのではないかということで、地域のその固有資源を生かして日本全体としての知識基盤の多様性の維持、確保ということを進めていくことが国家としてのレジリエンスを高めていくことにもなるのではないかという御指摘もございました。
加えて、社会課題の解決や価値創造に向けましてビジョンの明確化やスピード感のスピードのアップが求められているということで、それに適したスタートアップを含めてイノベーションのエコシステムを作っていく必要があるという点。社会課題の解決や社会実装に当たっては、市民やユーザーを積極的に巻き込んでいく必要があるということが指摘されております。それらの大きい柱を踏まえまして、幾つか項目ごとにまとめたのがその下でございます。知識集約型社会を見据えた産学官共創の推進という点ですと、四角の中にございますとおり、民間企業や大学等、地方大学を含む大学等について多様な主体や活動の様態に応じてスピード感を持ってSociety5.0に向けて動いていく必要があるということで、具体的方策ということで幾つか例示がなされております。このあたりは前回と変わっておりません。
次のページに行っていただきまして、このあたりも具体的事例ということで前回の説明のとおりですが、TLOの活性化ですとか、出資法人、出資制度みたいなものですとか、産学官連携の成功事例の展開みたいなものも書いてございます。次の大きな柱としまして地域コミュニティが中心になって社会課題を解決する好循環サイクルを実現する仕組みの整備ということで、地方公共団体との関係を一層強化しまして、地域の強みの最大化や諸課題の克服、地方創生、我が国の持続的成長に向けて科学技術が進んでいく必要があるという項目でございます。具体的方策のところは、またそれぞれ細かく説明しております。変わっていないところも幾つかございますが、特に前回以降、御意見を受けて追加したところを申し上げますと、二つ目の丸あたり、SDGsの貢献につながるような国境を越えたような連携も必要ではないか。地域において中立性を持つ地方大学を中心とした連携が必要ではないかという御指摘がございました。
一つ飛んでその下の丸ですが、都市部に比較して豊富な実証フィールドが近くにある地方大学の強みを最大限活用する必要があるし、市民やユーザーを巻き込む必要があるということの御意見も頂いております。その次ですが、リカレント教育のプログラムやその実行を通じた人材確保の促進が重要であるということもございますし、大学発ベンチャーだけではなく、地方大学が持つネットワークなども活用する必要があるということが言われております。
次のページに行っていただきまして、もう一つの柱でございますスタートアップ・エコシステムの関係でございます。大学等を中核としたスタートアップのためのエコシステムを作っていく必要があると書いてございまして、社会課題の解決や新産業創出が持続的に起こるような社会をスタートアップ・エコシステムを活用し、実現するというものが柱でございます。こちらの具体的方策もあまり変わっておりませんけれども、特に追加したのは2個目の丸あたりです。企業と大学等の連携による大学等発ベンチャーの創業前の支援も必要ではないかというような御指摘を受けまして加えております。
次の柱は、人材、マネジメント人材も含めた人材の流動化、人材交流の場、キャリアパスなどについてですが、大学や企業、研究機関等から見まして産学官連携というのは、様々な人材交流の結節点になるということで、人材の流動化の促進の場としても活用していく必要があるという方向性を頂いています。中身はURAの制度の活用ですとか、インターンシップの活用ですとか、博士学生に対して給与を支給する方向に進むべきであるという御指摘も頂いていますし、学協会等の多様な場の活用も必要ではないかという御指摘も頂いております。
最後は参考ですので変わっておりません。以上が1-2でございますが、今の資料を踏まえまして、資料1-1の方に移っていただきたいと思います。本日、御議論頂くに当たって、1-2の方が比較的総花的に問題点が全て列挙されている資料になっておりますので、その中でも特にポイントとなるのではないかということで、特に御議論頂いたところについて抜き書きして1枚にまとめたものが資料1-1という位置付けになってございます。資料1-1の方は大きく3本の柱になっております。一つ目の柱は地方創生やSDGsへの対応ということで、組織対組織の本格的な産学官連携活動が求められておりまして、様々対応しておりますが、それらの成功事例などをほかの地域やほかの大学等に横展開していって、地方大学を含めた全体の底上げをやっていく必要があるのではないかという点です。更に地域社会の現状やニーズを踏まえるために、地方公共団体との関係を一層強化して、地方創生ですとか、我が国の持続的な成長につなげようというのが一つ目の方針です。
二つ目は、スタートアップ・エコシステムの関係でして、先ほども出てまいりました大学等を中核としてスタートアップが次々と起こるような生態系、エコシステムを作っていこうということで、オープンイノベーションを促進して社会課題の解決や新産業の創出が持続的に起こる社会をスタートアップ・エコシステムを使って作っていこうというのが2番目でございます。3番目が、これは旧来から言われていることですけれども、知識集約型社会を見据えて産学官共創していく必要があるということで、大学や企業さんをはじめ、多様な主体や活動の様態がございますので、それらが政策課題であったり、地域の特色に基づいた価値を創出するなどのために産学官の共創をどんどん進めていって、その際、スピード感を持って、柔軟性を持って進める必要があって、最終的にはSociety5.0の社会を実現していく必要があるのではないかということが3本目の柱でございます。
御説明は以上でございます。
【須藤部会長】 ありがとうございました。
それでは、ここからは議論に入りたいと思います。ただいまの説明に関しまして質問も受け付けますが、できたら御意見の方、よろしくお願いいたします。この場が一応、取りまとめの最終ですので、心置きなくいろいろな意見を言っていただきたいと思います。いかがでしょうか。お願いします。
【佐藤委員】 ベンチャーキャピタルをやっております佐藤と申します。よろしくお願いいたします。大学発ベンチャーの創出というところでいきますと、私、幾つか大学を回ったりとかして登壇とかもしているのですけれども、やはり先生方の問題というのは結構大きいかなと思っています。学生の中では、スタートアップをやりたいなと思ったときに、教員側の方で実業が全く分からない。資本政策のリアルが全く分からないといったところで、なかなか学生からすると、先生に相談するメリットが特にないよということを正直、あるかと思います。その点、先日、奈良先端の方に行かせていただいたら、起業部とかをやっている先生の中には、会社を興して失敗もしたことがあってというような実業をやったことのある先生というのがいらっしゃって、そういう先生はすごくリアルに基づいたアドバイスができるというところでは、すごく御活躍されていらっしゃると伺っています。
ほかにも宮崎大学の土屋先生という先生にお話を伺ったところ、彼は元々IT業界のベンチャーを渡り歩いて上場まで経験していますので、そういったところで、ああ、こういうふうな実業を経験した先生というのがどんどん国立の大学にも入ってくるといいなと思ったところ、本当に国立の大学の教諭になるためには、ものすごい大変な試験というか、プロセスを経て、論文とかも何本も出して、審査があって大変なんだよというようなお話を伺いました。私学の方は最近、実業をやっている起業家とかが登壇する機会、非常に増えてきていますけれども、やはり国公立といったところの先生方がもう少し実業をやるような人たちが入りやすい環境になると非常にいいのではないかなと思っている次第でございます。
以上でございます。
【須藤部会長】 ありがとうございました。
今の佐藤委員の御意見で何か追加といいますか、まあ、反論はないと思いますけれども、何かありませんか。
【佐々木委員】 少しコメントさせていただきますと、現役の教員の一人として……。
【佐藤委員】 済みません。
【佐々木委員】 お答えさせていただきますと、おっしゃるとおりで、例えば教授になろうとしたときに、最後はきっちりしたトップジャーナルにどれだけ論文を書いているかというのは、最後の最後のやっぱりディシジョンのところでかなり効いてくるんですよね。ですから、何かベンチャーを作りましたとかいうのが、逆に何か余計なことをしているみたいな、そういう評価を現場はしているケースが結構多くて、それを変える必要がありますし、でも、学術的なところでやっぱりトップジャーナルに書くというところが最後の最後はやっぱり大事になってくるというのもありますので、そのバランスは大変だということで現場も苦労しているというところかなと思っています。
【須藤部会長】 菅先生、いかがですか。
【菅委員】 今のモデルが、私、はっきり分からないですけれども、二つモデルがあると思うんですね。大学の先生が、例えば私の場合だと、大学の先生が外に出ていって、外で経営の人を見つけてきて一緒に組んで経営をしてもらうというパターンと、先ほどおっしゃっていたのは、多分、学生が自ら起業したくて、その人が社長になりたい。それを教えてくれる人が大学内にいないという、そういう話ですかね。
【佐藤委員】 多分、大学には論文とかをやって上がっていかれる研究中心の先生ももちろんいらっしゃいますけれども、新しいビジネスを創出するというふうな観点で見たときに、やはり研究とは違うリアルな現場みたいなところの社会経験がある先生がもっと入ってきやすくなった方がいいですし、起業経験のある先生とか、多様性があるともっとイノベーションというのが起こるのではないかなと、そういう意見でございます。
【菅委員】 それはあるかもしれませんが、大学の中になかなかそういう、やっぱり大学のミッションというのがそういうふうには向いていないと思うので、なかなか厳しいかなと思うんです。やっぱり一番理想的なスタートアップ、大学からのスピンオフというのは、やっぱりスピンオフで出ていくので、結局、大学の内部で何かしようというよりは、むしろ、外に出ていく。つまり、学生がもし自分が社長になってやりたいのだったら、ベンチャーキャピタルの人たちと話をして、そのプロフェッショナルの人を紹介してもらって、そこで勉強する。あるいはもうビジネススクールに行くかだと思うんですね。
日本の一番まずいところは、ビジネススクールがないというのが一番日本の大学のミッシングなところで、どこの大学に行っても、アメリカであればビジネススクールがちゃんとあって、理系の人がビジネススクールに行くこともあれば、文系の人がまたビジネススクールに入り直すこともあったりして、そういうところが確かに欠けているところだとは思いますけれども、ビジネススクールといったって、実質的にはすごく理論みたいなことを教えている場合が多くて、やっぱり学問なんですよね。なので、やっぱり実務的なところというと、どうしても大学外でやるのが、私は、いいのであって、一番重要なポイントは、その学生なり大学の先生なりが外の人たちとコミュニケーションをとって、そこで新しく起業するような経営者を見つけてこれるかどうかというネットワーク環境作りがあるのが一番理想的かなと私は感じています。
【須藤部会長】 松尾先生、お願いします。
【松尾委員】 私も菅先生と同じような意見で、大学の中で完結してやるのは、まず不可能と思います。私が見ていて学生がどんどんスタートアップを起こしてやっているところの学生って、先生自身がベンチャーの社長をやっていたり、そういったところが多いんですね。それから、そうではないところは全くそういうことを知らないというので、大学の中ではどういうことをやっているかというと、今、菅先生がおっしゃったような学内外のスタートアップ、学生がやりたいと思ったときに、あるいは教員自身がやりたいと思ったときに、どこに相談をして何をやったらいいかという、そういう情報を教員自身がある程度持っておいて、自分で指導できなくても、そういう流れを作る。それをしっかりサポートするのは、例えば産連本部の起業支援の部隊のところに投げるとか、そういう流れを作るといいのかなと。
大学の外にもやはりそういう支援するシステムがあるので、これを上手につなげていくということで、これ全体を教員も基礎研究をワーッとやっている人もいて、その中に学生がいい発見をして、これを起業してみようかと思う人たちもいるわけですから、これは教員自身の問題もありますし、それから、大学が組織的にそういった流れを作っていくということが非常に重要かなと思います。問題は、この今の問題を、非常に重要だと思うのですけれども、政策と言うと大げさですけれども、どういうシステムに落としてやっていくのかというのを、これは多分、東京大学でも、あるいは九州大学でも、いろいろな大学で好事例があると思うので、それを集めてシステム化していくということが重要かなと思っています。
【菱山局長】 済みません、いいですか。
【須藤部会長】 はい。どうぞ。
【菱山局長】 今、佐藤先生の御指摘、非常に重要だと思うのですが、恐らくもう菅先生、松尾先生がおっしゃったように大学のミッションだというのが、やっぱり学問をしていただかないと、そこで価値を、知識社会としての価値を生み出していただくのが大事だと思うんです。ただし、大学発ベンチャーというのも、それはとても大事なので、一つはオープンイノベーション機構とか、そういった形で今、産学連携の組織をしっかりしてもらうといって、ベンチャー、学生でもベンチャーをやりたいと言ったら、そこにやってもらう。プラス、あと、御存じかもしれません、これは多分、前の期に御説明していると思うのですけれども、EDGE-NEXTってやって、学生にもどんどん、もしかしたら佐藤先生、それで登壇されているのかもしれませんけれども、そういったところで……。
【佐藤委員】 推進員をやらせていただいています。
【菱山局長】 是非そういったところを強化していって、できれば、それをもっと拡大して、今ある大学だけではなくていろいろなほかの大学の、その恩恵をまだ受けていないような学生にも及ぼして、ベンチャースピリットを身に付けていただきたいなと思っています。そういうので是非、そういった方向で拡大したいと思っていますので、よろしくお願いします。
【佐藤委員】 はい。分かりました。
【須藤部会長】 林先生、お願いします。どうぞ。
【林(隆)委員】 私、この委員会には巴川製紙所の取締役という肩書ですが、実は芝浦工業大学で教えていますので、ある意味、実業経験者が大学で教員として、専任の教員として教えているという例だと思うんですね。そのときに大学のミッションというのは何かといったときに、学問をきわめればいいという、こういうミッションを帯びている大学もあれば、産業をきちんと支えるようなミッションを持っている大学もあると思うんですね。ここが曖昧になって学問をやればいいのだという考えでは駄目だと思うんです。やっぱり大学の役割は、それぞれに違うと思うんですね。芝浦工業大学というのは、どちらかというと産業を支えるような、そういう大学ではないかなと思いますし、応用技術をきちんときわめるという役割があると思います。
その中で、教育の現場で私がやっている経験は、やはり大学の3年生であるとか、大学院の2年生になってくると、学生自身がそういう実業の経験者の話に飢えているというところがあります。先生の話、私の話はかなり実業向きなので、本当に泥臭い話からしますけれども、そういう話を聞きたい。ほかの先生の話は、それは学問はいいのだけれども、社会に出ていくときにそれだけでは足りないと思うという、そういうコメントがたくさん聞かれます。ということは、教育のカリキュラムの中に専門になっていった学生に対して、きちんとした教養の一部ですよね。経営学とか経済学、こういうことを理系大学でも教えるということは必要だと思うんですね。ですから、ここはカリキュラムの組み方だし、そこの工夫は特に理系の大学であれば、きちんとやっていった方がいいのではないかなと。総合大学はできるのかもしれませんけれども、特に工業大学というところは、難しいところはあるように感じますね。
【須藤部会長】 江戸川さん、お願いします。
【江戸川委員】 今の議論、整理するために、大学発ベンチャーの支援に関して、これは随分前からずっと言われている話ではあるのですが、少し整理をするためにコメントさせていただくと、学生が、例えば学生のアイディアに基づいて起業するパターン、これも大学発ベンチャーと言ったりする大学もあるので、大学発ベンチャーと、大学で出た研究成果を基に、それを世に出していくため、事業化するために作る大学発ベンチャーというのはやっぱり議論を分けた方がいいと思っていまして、学生がアカデミアになる道をサポートするということは大学としてやっている。就職のサポートもやっている。それと同じように起業のサポートをやるということを学生向けのサービスとしてやってもいいのではないかということを考える大学も中にはあります。
そう考えたときに、本気で起業しようと思っている学生に対するサポート、支援というのが不十分ではないかというところはおっしゃるとおりだと思っていまして、そういう機能を強化するかどうかって、それぞれの大学の判断として強化する大学があってもいいと思うのですけれども、割と政策的に議論されているのは、大学の技術をどう世に出していくか、事業化をうまく持っていくかという話で、そちら側というのは特にビジネスプランコンテストのような形で、どんどん発表していって解決するというよりは、ステルスで動いていくようなものが多いし、プロの経営者をちゃんと引っ張ってこないとうまくいかないというケースもあって、そちら側の体制をどう作っていくか、このエコシステムの話というのは、中心はこちらなのだと思うのですけれども、両方の多分、スタートアップ・エコシステム、イノベーション・エコシステムといったときに、両方の観点を持って、どちら側に貢献、寄与する施策なのかというところをある程度、例外はもちろんあるのですけれども、ある程度切り分けて打ち手を考えていった方がうまくハマるのではないかなとは思っていますので、そのあたり少し整理をしていただいた方がいいのかなと思います。
【須藤部会長】 この話題で何かございますか。佐藤委員の御発言で意外と話が盛り上がった。
【佐藤委員】 済みません。
【須藤部会長】 まさにこの論点のポイント、用意したポイントの2番目のところの議論だと思いますけれども。
【菅委員】 1点だけいいですか。
【須藤部会長】 はい。
【菅委員】 言葉が出てこないって、いつも思うんですけれども、リサーチパークみたいな発想がなかなかないんですよね、日本の大学に。リサーチパーク的なところを、例えばMITとかでも持っていますし、この間言ったMRCとか、ケンブリッジの大学のヘッドとかも持っていますし、要は自分の大学の施設とは別のところにそういう場所があって、一つまとまったところがあって、そこにみんな、建物があって、そこに新しいベンチャーはみんな入っていく。それが東大などでもあるんですけれども、パークみたいになっていないんですよね。
みんながそこへ集うと何かみんながベンチャーをやっている感じがするというのではなくて、何となくそこは何か小さいラボの代わりみたいなのがいっぱいあるよみたいな感じにしか見えないような、そういうリサーチパーク的な言葉がそもそもここで出てこないので、何かそういうのがあってもいいのかなと最近はよく思って、この間、本当にMRCのときに僕、感動しちゃって、その新しい、きれいな建物ができていて、それは全部特許でできたというので300億円とか何か、400億円か、そんな感じだったらしいですけれども、そんなのを見るとやはり、ちゃんとそういう活動で、そこにリサーチパークって、その予算はまさしくリサーチパークから生まれたものだということらしいので、そういうのは日本の大学は大分遅れているなという感じがします。名古屋大とか持っているのかもしれないですけれども。
【須藤部会長】 どうぞ。
【菱山局長】 たしか幾つかの、パークまで行っていないかもしれませんが、阪大とか、東大も一部そういう設備になっているかもしれませんけれども、阪大とか京大にはそういうベンチャーが入ったりして、それで、例えばバイオ系だったら動物実験施設を使って……。
【菅委員】 京都はありますね、そういうのが。
【菱山局長】 ええ。2年ぐらい前に作ったりしていますが、ただ、あれは多分、まだ、先生がおっしゃるように特許収入で建てたわけではないんですけれども、そういう試みが少しずつ出てきてはいるのですが、まだパークという感じまではいきませんけれども、少しずつ出てきているかなと思っています。
【菅委員】 京都はリサーチパーク、ありますよね。京都は、あれは自治体のですよね。
【菱山局長】 駅の近くに。
【菅委員】 そうですね。自治体のリサーチパーク的な扱いだと思うのですけれども、大学がもっと中心になってやるというのもあってもいいのかなとは思います。
【須藤部会長】 林先生、お願いします。
【林(い)委員】 ありがとうございます。すごく出発点のところで申し上げればよかったのですけれども、今日の議論で最後ということでいきますと、私たちは今、この資料1-2の方の方向性について(案)というものの後半に書いてある視点1から5に挙げている項目の肉付けをする議論をしているんでしょうか。ちなみに、1-1のファイルのタイトルと中身のタイトルが、1-1と1-2で逆転しているので、ポイントというのは1-1の方ですよね。
【須藤部会長】 そうです。ポイントが1-1です。
【林(い)委員】 済みません、ここに出ているのが逆転しているんですけれども、1-2の方が方向性についての案ということで、より少し詳しい方だと思うのですが、結構、各論に入るそれぞれのポイントについて、今、具体的方策として挙がっているところは、項目自体、例えばこれ、何ページでしょうね。2ページの知識集約型の社会を見据えた産学官共創の推進1、2、3の視点というところでいきますと、具体的方策のところに1行ずつ書いてある項目、これ自体はもうある意味、十年一日のごとく言っている項目に近いので、次に向けて議論するとしたら、これをどうやってという視点ではないかと思うんですね。それをランダムに議論していて、今日、最後でよろしいのでしょうか。何か順番にここの中で、これについての肉付け議論とかしていかなくていいのでしょうか。済みません。
【須藤部会長】 おっしゃるとおりなので、今、実は私、スタートアップ施策の一体化推進という、この1行をとりあえず片付けようかなと思って、ここに絞った議論を今しているのですけれども、おっしゃるように、これは実は全部、できたら議論をして、この「案」を取りたいのですけれども、今日。松尾先生、お願いします。
【松尾委員】 これは参考になるかどうか分からないのですけれども、私どものURAが先日、スタンフォードにStanford Research Institute、SRIという有名な、これはいわば今の言葉で言うと出島化した、そういう企業があって、それが阪大に来たときにディスカッションした中で、深圳のことが話題になって、何で深圳、成功しているのかというと、そのSRIの人たちの見方は、ここに三つのことが集積している。一つは、短期間に高品質な製品を量産できる物作り企業が集積しているというのが一つ。それから、二つ目は、短期間にソフトウェアを開発できるソフトウェア企業が集積している。それから、三つ目に世界のニーズや次にヒットしそうなプロダクトの情報を入手し、即座に製品デザイン、ビジネスモデルを構築できる、主にスタートアップ、これが集積している。
だから、スタートアップだけあっても難しくて、そこにソフトウェアを組み込んだり、実際に物を1個1個短期間に作って売り出してしまうみたいな、何かそういう三つの組み合わせがないと、スタートアップだけやっても孤立してしまうというようなことを、SRIはそういうふうに分析していたということで、もう少し広い意味でスタートアップを育てるときには見た方がいいのではないか。参考にしていただければ。
【須藤部会長】 ありがとうございました。スタートアップだけではなくて、やはり製造、作るところとソフトウェア、全部セットで考えた方がいいだろうということですね。
高木さん、お願いします。
【高木委員】 このスタートアップの議論というのは、経済全体から見ても大きな話だろうと思っています。もう20年以上前になりますが、ハーバードのクレイトン・クリステンセンが『イノベーションのジレンマ』という本を書いています。この本は、基本的にはアメリカのことを書いてますが、実は日本語版が出版されたときに、日本語版に寄せて文書を書いています。そこにクリステンセンが日本の状態を分析した記述があるんです。
それは、アメリカでは、大企業が持続的イノベーションをやっていくと、上位市場のところで行き詰まる。そうすると、その大企業の人間が、ベンチャーを作って下位の市場に移る。ベンチャーキャピタルもそこにお金を出す。こうして、アメリカ経済は力強さを保っている。人の移動とお金の話ですが、当時の日本には、その両方ともない。したがって、もう日本の将来は暗いということを20年前に書いています。今の日本を見ると、比較的ベンチャーキャピタルも整備され、CVCもある。人の移動についてはまだ十分ではないと思いますけれど、今の議論で、大学発ベンチャーができるということで、これはクリステンセンの予測に反して日本が非常にいい方向に向かっているのだろうと思っています。そういう意味でも、このベンチャーは非常に大事な話だと思います。これが1点。
それから、2点目ですが、少しミクロな話になりますが、先ほど、EDGE-NEXT、オープンイノベーション機構のお話があったと思います。今、文科省がいろいろな施策を進めておられ、オープンイノベーション機構のほかにOPERAもあります。私自身、OPERA、オープンイノベーション機構に少し関与させていただいていて、EDGE-NEXTについても受託側の大学の諮問委員をやらせてもらっていました。EDGE-NEXTというのは、どちらかと言えばボトムアップの話で、地固めになる。一方、OPERA、オープンイノベーション機構はどちらかと言えばトップダウンですね。
OPERAやオープンイノベーション機構は必ずしもベンチャーだけではなく、産学連携が軸足だと思いますが、いろいろお話を聞くとベンチャーへの取り組みの話も当然出てくるわけです。今、文科省は採択だけではなく、その後のフォローアップをされるということもおっしゃっているので、これらのボトムアップとトップダウンの施策、政策ツールについて、少し連携もできないかということも少し考えていただければいいと思います。
以上です。
【須藤部会長】 ありがとうございました。
そろそろこの話題から離れようかなと思っているのですけれども、今の議論をどうやって、これをこの報告書の中に入れ込むか、非常に難しいのですが、事務局で恐らくうまくまとめてくれると思います。一旦この辺でこの話題を打ち切りたいと思います。ポイントのところにありましたもう一つの地方創生とかSDGsへの対応、これについて先ほどの1-2といいますか、細かい方の資料で何か書き足した方がいいのではないかとか、別の考えがあるのではないかというような御意見を少し伺いたいと思います。いかがでしょうか。佐々木先生。
【佐々木委員】 地方にいる人間から見ますと、多分、ここに書かれていること、この方向性は、もうこれずっと言われ続けてきたことで、これを特に変える必要はないのかなと思いますし、さっきも少し話が出てきたんですけれども、実際にこれをどうやるかという、そこのHowのところをきっちりかなり考えるというのが大事なところかなと思います。お題目的にはおっしゃるとおりなんですね。いいんですけれども、これを本当にやり切れていないというのが日本の今の現状ですので、実際にやろうとするとかなり今まで以上に頑張らないと駄目かなという感じを地方では感じます。
以上です。
【須藤部会長】 例えばこの委員会の下で議論した内容を少し入れてもらっています。3ページ目といいますか、これ、ページ、合っているのかな。地域コミュニティが中心となって地域の社会課題を解決し続ける好循環サイクルを実現する社会の仕組みの整備というところに具体的方策として書いてあります。地域を構成する多様なアクターが、そのセクターを越境して結集する、こういったことも大事ではないかと、この下の委員会で議論したことをこの中に入れてもらっています。この辺はいかがでしょうか。まだ抽象的と言ってしまえば抽象的なのですけれども。
では、梶原さん。
【梶原委員】 そのとおりだと思いますが、やはり最初に動き出せるアクターが重要だと思います。誰がその地域の課題を価値あるものとして変えていけるのか、先ほど、どのようにというご発言がありましたが、誰がというところを探すのが一番難しく、逆にそこが明確になれば、うまく回り出すのではないかと思います。具体的ではなく申し訳ないのですが、一番強く思いを持つWhoを探してくるために、どこから見つけるのか、インセンティブをどう持たせるのかというポイントが一番重要だと思います。
【佐々木委員】 おっしゃるとおり、やっぱりアクターをいかに地方で確保するかという、そこの一番根っこのところが動いていないので、その先は全然なかなか動かないというところなので、そこの一番初めの人を確保するところというのを是非中心に据えていただきたいなと思います。
【須藤部会長】 どうぞ。
【松尾委員】 地方創生、地方は悪いから地域創生にしろということはあるのですが、この地方や地域というのをどういう広がりでとるかというのは非常に難しくて、ステークホルダーで言うと、産学官と言われるとおり、自治体とアカデミアと産業界、自治体は県ごとに、こんな狭い全国で47都道府県もあって、自分のところの県の予算で出したのは、ほかには出さないみたいな、非常に狭いあれがある。大学もあったのですが、我々がやっているから言うのではないのですけれども、これも県境を越えて一法人複数大学でやっていこうという動きがあるんですね。ただ、経済界だけは非常に大きな、もう少し地域で考えて、例えば九州だったら九州全体で九経連は考えておられると思うし、中部経済連合会だと、それこそ長野とか北陸とか全部入れた地域でサプライチェーンがそうなっているので考えていますよね。
産学官連携をやりますというのと、この地域創生をやりますというのは、そこで非常に、まださっきの教員のマインドセットじゃないですけれども、ステークホルダーごとに非常に意識の差があるのではないかということで、私、最近、国立大学道州制とか言っていて、これは岐阜県の知事さんもそういう話をしたときに、これは道州制の先取りですねみたいなことを知事さんがいみじくも言われたのですけれども、だから、もう少しそれぞれのところが予算の配分は難しいかもしれませんけれども、広い目で見て地域全体を活性化していくみたいな、それがないとなかなかいかないのではないかという気がしますので、政策としても、国の政策としても是非そういう方向でやってもらわないと、恐らく地域創生ってすごく自治体の壁があって難しいような気もしますので、よろしくお願いします。
【須藤部会長】 最初に手を挙げたのは、どちらでしたっけ。
【林(い)委員】 今の点、すごく大事だと思っていまして、やはり地域というときに、都道府県単位で総務省の地方の自治的な割り方ではなくて、広域で考えるべきだという、広域で捉えて動くべきだというのをどこかに、やはりこの中には盛り込むべきではないかと思うんですね。それが一つと、それから、地方交付税、ある政策についての地方交付税が必ずしも例えば教育ICT整備に使われていない問題とかあって、これが結局は、そこまでグリップが効かないところがあるのですが、こちらの政策観点で付けている予算がちゃんとその目的に使われるように、そこもちゃんと盛り込めないかなと思います。
以上です。
【須藤部会長】 今の最初の御意見の方は、実はかなり考えていまして、2番目の丸のところに地域の行政単位を超えた広域連携、更にはSDGsへの貢献にもつながる国境を越えた連携による特色のある多様な地域科学技術イノベーションの実現のため、ここから先また議論があるんですけれども、中立性を持つ大学を中心とした戦略的な連携が必要ではないかというのを下の委員会の方で議論して、ここに入れてもらっています。今の林さんの御意見、これでは不十分、もっと書けということでしょうか?
【林(い)委員】 都道府県の区分にとらわれないというような趣旨が、もう少しクリアに入るといいなと思います。
【須藤部会長】 はい。
【栗原部会長代理】 そもそも今の議論しているのは、資料1-2のこの二つ目の地域コミュニティが中心となって云々という、ここですよね。
【須藤部会長】 そうです。
【栗原部会長代理】 これとそもそものポイントのところの関係なのですけれども、これは(1)なのだろうかと思うと、(2)とか(3)も入っているような気がするので、何か対応関係がよく分からないなとは思うのですけれども、別にそこ自体にこだわっているわけではないのですが、この議論、この3ページのところのここのところの議論について言うと、ここではやっぱり、私は一つ、大学というものと産業、それから、自治体、あるいは市民というものがどう連携するか、その中に大学という強み、リソースというのがどう核になるかということを期待感を持って盛り込んでいただきたいなと思うわけですね。
そういう観点からすると、とてもいいなと思ったのは四つ目の白丸なのですけれども、地域で実証フィールドがあるというのは地域の強みだし、その実証フィールドなり、産業のイノベーションのときに、大学がハブになるというか、イノベーションのコアになるということを是非期待したいと思いますので、こういったリビングラボが地域でできるということ、それは地方の企業にとっても、それから、大学にとっても強みだと思うので、是非この辺を推進していただきたいなと。そういう観点でここが入っているということであれば、大変評価をしたいなと思います。
それでもう一つは、ポイントで言うと実はエコシステム、大学を中核としたエコシステムの形成ということなのですけれども、大学がある地域の産業とかイノベーションの是非メッカになってほしいなと思うと、そこで大学発のものがどうスタートアップしていくかという観点も重要ではあるのですけれども、地域の人材をどう大学で教育してもらうかということも重要で、そうすると、その下の白丸なのですけれども、これはリカレント教育云々を通じたとあるのですけれども、何となくリカレント教育の印象が、これは私だけの偏見かもしれないのですけれども、あまり、生涯教育みたいなふうにも捉えられてしまうとすると、もう少し地域の産業もいろいろと構造転換とか自分の技術革新をしたいと思ったときに、自分の企業だけではできないというときに、やっぱり頼るのは地域ですと、より大学のリソースではないかと思うので、是非、大学と企業が連携して技術転換を図るとか、あるいはその集積している産業、例えば宇宙の産業が集積しているような地域もありますけれども、そういうような地域で人材も育てながら、大学も含めて、その地場産、強みのある地場産業、全部の地域ではないですけれども、を強くしていただくというようなことを人材育成も含めて是非盛り込んでいただければなと思いますので、言葉の修正程度にとどまるとは思うのですが、期待値を込めて、その辺を入れていただきたいなと思います。
【須藤部会長】 ありがとうございます。
ポイントの資料は、実は議論が発散しないために、こういうところを議論したいなと思って出しただけなので、あまり気にしないと言うと変なのですけれども、あくまでもこの細かい方の資料をメーンとして議論していただければと思います。
では、林先生、お願いします。
【林(隆)委員】 少し論点が変わるかもしれませんけれども、私、地域イノベーション・エコシステム形成プログラムの幾つかの地域のお手伝いをして、そうしますと、それぞれの地域の地方自治体の人といろいろ話をする機会がありまして、結構なギャップがあるんだなと感じた点が二つぐらいあるか。一つは、産業創生をしなければいけないという議論を言葉で、そうですよねという話をしたときに、その地域の方のそういう県の方とかですと、まず、工場誘致という発想が最初に来るんですね。これは今までのモデルじゃないですか。
工場誘致ではなくて、イノベーションなんですよといったときに、そうすると何か工場ですと、1,000人の人が雇われるとか、ビッグネームが来てこれだけのものを作っているという、そこで訴えられることが多いと思うのですけれども、イノベーションって小さいところからワッと行くので、最初は小さいわけです。ここは訴えない。ここのところで、地方を何か活性化するのにイノベーションですよというところが、どうも言葉がうまく合わないようなギャップを感じるんですね。ということを認識していただいた上で、ここで書いてあるいろいろな地域を活性化するとか創生するというときに、イノベーションという言葉がどれほど地域のために役に立つのかというところを少し丁寧に、例えば書き込むか、あるいはその地域の方々にもそういうふうに啓蒙していただくところというのはまず一つ大事かなと思ってございます。
もう一つ、とてもギャップだなと思ったのは、地域それぞれに得意分野がありますね。産業でもいろいろな産業、あるいは地域によっては農業が非常に重要だとか、漁業だというところがあるのですけれども、地域というのは地方自治体、それから、地方の政治家の方がいらっしゃって、その影響力はものすごく強いですね。そうすると既得権益の利益代表者の意見がとにかく強い。ここでそれとは違うイノベーションという新しいものを作っていくというところで、やはりなかなか納得感が得られにくいのだなというのは感じることがあります。だから、中央としてどうすればいいということ、なかなか難しいと思うのですが、その現状認識を基にした何らかの書き込みというのが必要かもしれないなと思いました。
【須藤部会長】 ありがとうございました。
どうぞ。
【長谷山委員】 話を戻してしまうようで大変申し訳ないのですが、先ほどの栗原委員のおっしゃったことについて、私も同じように感じています。文面を読みますと、リビングラボのように、問題解決のための連携先が身近に存在する地方の大学の強みの主張が弱いように思います。学び直しの役割を果たすことは、既に行われているもので、今後も継続して行われるものと思います。どちらかというと、地元の大学に問題解決の方策が見えないものを持ち込むことで、新しい技術に関する知識や連携の体制が提供される、それが共同研究の新しい在り方になってきているのではないかと思います。どのような領域の知識が有効かを探す意味でも、先ほどの菅先生がおっしゃったようなリサーチパークなどが、新たな気づきとエコシステム形成の場となるのだろうと思っています。集まって繋がることで新しいものが生まれる期待感がそこにあると感じています。資料は、大変に分かりやすく仕上げて頂いているのですが、これからのSociety5.0や超スマート社会を考えたときに、連携で次が生まれることが理解されやすい記載にして頂くのが良いと思います。そうすることで、今までの連携から発展した新しい社会を生み出す連携の意味が明確になるように思います。
以上です。
【須藤部会長】 ありがとうございました。
どうぞ。
【宝野委員】 地方大学を中核として大学のリソースを活用して、地方の産業を活性化しようというアイディア自体は非常にいいと思うのですけれども、私たち、いつも新しい研究を始めようとするとき、一番難しいのが人材の確保なんですね。今、少子高齢化、それから、人口が都市部に集中している。特に若い人たちが都市部に集中している中で、地方のニーズに合ったような研究を行える人材がその場にいるか、非常に難しい問題だと思いますね。ですから、今日、キーワードにもありましたように一法人複数大学制とか、それだけではなくて日本全国を見回して、人材のネットワークを活用して、その地方大学がハブとなってつなぐような仕組みではないと、まず機能しないのではないかなという気がいたします。ですから、研究を行うときに最も重要なのは人材であるということで、どこかそういった人材をどういうふうに確保していくかということも書かなければ実効性がないのではないかなという気がいたします。
【須藤部会長】 ありがとうございました。
まさにそのとおりだと思います。人材の話に移ろうかなと思ったところだったのですけれども、4ページ目のところですね。もう一つの大きな柱で、半分から下の方ですけれども、人材、今言われたようなことまでは書き込んでいないので少し追加が必要かなと思いますけれども、この辺について何か御意見ありませんか。どうぞ。
【林(い)委員】 この間も申し上げたかもしれないのですが、このクロスアポイントメント制度の一層の普及促進のためには、現状でなぜ進んでいないかの問題点の検討も踏まえて、人材交流が促進されるためには、クロスアポイントメントという形がいいのか、又はそこで課題になっていることを解決して別のもっと正面からの兼業みたいなものを進めていくのがいいのか、要はお金の点ですよね。待遇の保証の点をどうするのかといったようなところを解決していかなければいけないという視点が、ここの1行にプラスアルファして、そういうことをして促進していくのだというふうになれば。
【須藤部会長】 もう少し踏み込んで書いた方がいい。
【林(い)委員】 はい。いいかなと思います。
【須藤部会長】 これは踏み込めるのでしょうか。少し検討してもらいます。
どうぞ。
【高木委員】 人の流動化については、第5期の基本計画で言われていて、5月のこの部会でも現在と10年前の状況について文科省から資料でご説明頂きましたが、残念ながらあまり改善していません。それで、クロスアポイントメントということを始められて、それも今お話があったように十分活用されていない。たしか300人程度で、その中で特に民間企業の導入は1割くらいだったと思います。そうすると、クロスアポイントメントは非常に大事な制度ですけれど、これ以外の人材流動化、これに変わる施策も新たに考えていただくことも必要なのではないか。
例えば産と学が集まる場というのはどういうところかというと、一つは、ここに書かれていますが学協会などもあるかもしれません。政策を深堀することに加えて、水平に広く考えていただくことも必要と思います。5期の産学官の3セクターの移動に関して言えば、実はもう文科省の所掌を超えていて、幾つかハードルがあると思っています。日本の今の制度は、一つの組織に長くいた方が有利になっています。これはすぐに解決できる話ではないと思いますが、省庁で連携していただいて、少しでも改善していただければいいと思います。
以上です。
【須藤部会長】 クロスアポイントメントに代わるような何かを考えるべきだということでよろしいのでしょうか。
【高木委員】 クロスアポイントメントは、それで進めていただければいいと思いますが、新たなものも必要と思います。
【須藤部会長】 もちろん。
【高木委員】 さらに、なぜ人材の流動化が必要なのかという原点に遡って、新たな施策も併せて考えていただければいいと思います。
【須藤部会長】 特に産と学の交流って、すごい少ないですよね。
【高木委員】 そうなんです。学協会ということを書かれていますけれども、従来は共同研究の産学官連携の場としての学協会という位置付けだったと思います。これは大事なのですが、人材交流の場という位置付けで、例えば学協会を使うというのも一つでしょうし、少し原点に戻っていろいろな施策を考えていただければいいと思います。
【須藤部会長】 はい。ほかにございますか。どうぞ。
【佐々木委員】 今の点で、私もクロスアポイントメント制度については少し抵抗がありまして、これは国の施策で、もうそうやって打ち上げてしまっているところがあって、しようがないのかなというのもあるのですけれども、我々研究者サイドから見ると、兼業の方がはるかに楽で、要は兼業すればするほど収入は増える。実入りも増えるので、そっちの方がハッピーですけれども、クロスアポイントメントで例えば10%、ここで仕事するというと、手続も煩雑ですし、結局、仕事は増えるんですけれども、別に収入が増えるわけでもないというケースが多いので、クロスアポイントメントの例えば人数の中に是非兼業も含めてしていただいたら、もっとフレキシブルにどんどん兼業が進んで、それが将来的なクロスアポイントメントにもつながるのではないかなと個人的には思います。
これはちょうど大学トップマネジメント研修でサンディエゴに行ったときに、むしろ、大学の方が兼業をどんどんやってくださいよということを言っていて、そうすると大学の先生が結構、兼業をやっているうちに、そこの企業さんと一緒になって、じゃあ、こんなビジネスを始めようとか、共同研究を始めようとか、先生の技術はいいから、これでスピンオフを作りましょうとか、そういうものにつながっているんですよね。ですから、クロスアポイントメントって、初めからハードルが高過ぎて、それも今、たしか360時間ぐらいは兼業できるので、そういうのはむしろどんどんエンカレッジした先にクロスアポイントメントがあって、人材の実質的な流動化が始まるのではないかなと個人的には思います。少しコメントさせていただきます。
【須藤部会長】 トップマネジメント教育のときに、そういう提案は出ていないんですか、終わった後。
【佐々木委員】 それは研修で、サンディエゴに行ったときに。
【須藤部会長】 この研修は、文科省なんですよね、たしか。
【佐々木委員】 産地課さんの御支援を頂いておりまして。
【須藤部会長】 そうですよね。そのときは出なかったんですか。
【佐々木委員】 そういうものを今、大学支援フォーラムの方で議論しようということになっています。私が産学連携のワーキンググループの主査をやるので、そういうものは当然、ワーキンググループで議論させていただこうかなと思っています。
【須藤部会長】 どうぞ。
【松尾委員】 理想的にといいますか、クロスアポイントメントで例えば教員が企業に行きます、産に行きますといったときに、日本の大学の教員の給料はめちゃくちゃ安いので、大体、企業に行くと差額が出ますよね。出た分は教員に戻してあげる。それから、3割分の給料は大学は出さなくていいわけだから、それを例えばその教員の教育負担に関わるようなところのものを、例えば部局に返してあげるとか、そういうふうなこと。それからもう一つは、クロスアポイントメントがいいのは、相手の組織、正規のポジションが得られるという権限を大学が持てる。これはケース・バイ・ケースですけれども、そういういいところはあるんですけれども、全く生かされていない。例えば3割いっても学内のデューティは全く一緒とか、それから、差額が出た分は大学にピンハネされるとか、だから、結構、運用でうまくいっていないところが随分あるので、もっといいところを生かした方がいいのではないかというのはある。
それからもう一つ、これは部会長もよく御存じなんですけれども、産学連携って、結構、叫ばれ出してからフルタイムで来ていただく人も含めて、産業界から大学へ来る人もすごい増えたわけですよね。だけど、大学から企業に行く人は圧倒的に少ない。むしろ、ベンチャーの方が積極的にやっぱりクロアポでも何でもやってくれるわけですよね。だから、会社の名前は言いませんけれども、100億以上、市場からお金を調達できるようなベンチャー、結構、大学にもそういう形で学生のベンチャーにも支援するし、それから、大学の教員を積極的に、これは狙いがあるわけですね。
何でかというと、これは大学のシーズをもっともっと安い投資で引っ張り上げたいという、そういう方針でやっていて、そっちの方が結構ある。アメリカでもベンチャーが大学に寄附講座を出していたりという例が山ほどあるんですよね。だから、むしろ、大企業の方がなかなか窓際とは言いませんけれども、要らなくなった人を大学に出しているんだけれども、大学からはなかなか採らないという、そういう状況もあるのかなと思ったりします。だけど、うまく活用すればいいですし、それから、大企業だけではなくて、私はもっとベンチャーを育てて、そこともやるのがいいのかなという気がします。
【須藤部会長】 確かにベンチャー企業と大学という目で見たら結構やっているんですよね。
【菅委員】 クロスアポイントはやっていないと思います。
【須藤部会長】 とは言わないのか。
【菅委員】 ええ。それは言わないです。例えば私が新しいベンチャーをやっていますけれども、それはただです。私は無償で働いていますから。それはやっぱり、そういうことになりますよね。大きくなってしまえば、それはもらえるかもしれないけれども、兼業の費用として。ただ、それを退任してしまえば、またゼロスタートで、また無償でスタートということになるので、なかなか難しいと思いますけれども、クロアポがちゃんとみんなに正しく運用されていないというのは確かだと思うので、大学で。それはもう少し踏み込んだコメントをここに書いた方が、一層の普及と言われたって、今の状態のものを普及したって何の意味もないので、こういう形のものを普及しないといけないというのは確かにおっしゃったとおりのことだと思います。
【須藤部会長】 江戸川さん、お願いします。
【江戸川委員】 クロアポの話が長くなっているかもしれないですけれども、またクロアポの話で、私は大学の利益相反マネジメントに結構、幾つかの大学に関与していまして、実は兼業、特に大学発ベンチャーの役員とか、技術アドバイザーなどを兼業するようなケースというのは責務相反の問題が生じるということで、マネジメントの重要なポイントではあるんですけれども、大学によっては年間とか月で何時間までは兼業していいというものがきちんとルールがある大学もあるけれども、ない大学もあるんですね。その実績を取っている大学もあるし、取っていない大学もあるということなのですけれども、責務相反の問題がかなり大学発ベンチャーとの関係では起きやすいです。
というのは、特に立ち上げた直後にあまり役員も、従業員もまだ雇っていないという状況で会社のその事業が非常に重要な局面を迎える。例えばファイナンスをしなければいけないとか、どこかとアライアンスを組めそうだとか、そういうときというのは先生の時間が一時的にものすごく取られる可能性があるわけなんですね。そういうのをどうマネージするかということがポイントであると考えると、どこかである時期、クロアポに切り替えていかないと兼業の範囲で収まっているとは言いがたいような状況になるということはあるわけなんですけれども、残念ながら、ほとんどの大学でクロアポにしたいといっても、先生が希望してもいろいろな理由でそれが却下されてしまうんですね。休職するならいいですという話になるんです。
そこまではやっぱりなかなか難しいということで、割と責務相反の問題を引き起こしているのではないかというリスクマネジメントの観点からもクロアポの普及というのを望んではいるんですけれども、このあたりがどうも制度の問題というよりは、関連する例えば予算であるとか、あとは企業に大学がお金を払うことに抵抗があるとか、何か少し別の事情でストップがかかっているような嫌いがあるので、そのあたりをクリアにして、その別の根本原因のところを解消していくような施策をしっかり打っていただいた方がリスクマネジメントの観点からもいいのではないかと思います。
【須藤部会長】 どうぞ。
【宝野委員】 ベンチャーへのクロアポの件なのですけれども、今、物質・材料研究機構は、これはまだ実現していないのですけれども、科学技術イノベーション活性化法が成立しまして、国立研究開発法人や大学がベンチャーに直接投資ができるようになりました。それに併せてベンチャーを興した人、クロアポを認めて、それで50%ベンチャーに使っていても100%の給料をその支援の一環として行うということを今検討しているところです。実現しますと、今議論されていたようなクロアポをやっても全くメリットがないというようなことはなくなってくると思っていますが、現在、検討しているところです。御参考までに。
【須藤部会長】 時間がそろそろ押しているのですが。
【菅委員】 一つだけいいですか。
【須藤部会長】 はい。
【菅委員】 ここにも出てきているんですけれども、その前の地域のところにもありますが、国立大学の一法人複数大学制というのは、もうできているんですね。もう一つの大学等連携推進法人(仮称)というのは、これは今後できるということなんですか。これはどういう意味でここに記載されているのか分からないのですけれども、初めて聞いたので、もし何か情報があれば。
【北野室長】 大学連携推進法人制度につきましては、中教審の大学分科会の方で提言がされておりまして、国公私立大学の連携を進める上で、いわゆる一般社団法人的なものを作りまして、例えば講座の共有を図ったりとか様々、あと事務的な面で言えば共同調達とか、既に行っている大学もありますが、そういった効率化を図るという仕組みを今年度中に検討するという形になっております。
【菅委員】 それは大学分科会で検討されていて。
【北野室長】 もう提言はされておりますので、高等局の方で今検討が進められています。
【菅委員】 そうですか。なるほど、分かりました。じゃあ、そのうち出てくるということですね。
【須藤部会長】 最後になりますが、渡部先生、何かせっかくだから。
【渡部委員】 ほとんどコンテクストがまだ見えていないので難しい。今、資料をつらつら見ていて、大学を中心とするエコシステムという言葉がこれだけしっかり書かれたものというのは、もしかすると初めてかなと思いまして、これは実は意義があるなと思っていますのは、大学の業務として例えばベンチャー支援をするだとか、共同研究だとか、1本1本は附帯業務として認められてきたと解釈していますが、エコシステムという形で附帯事業が広がるということを多分、意義としては、政策的には意義があるのではないかなと思っておりますので、その点は非常に期待をできるのではないかなと思います。
それから、ジョイントベンチャーの話をたしかこの間もしたと思うのですけれども、そのエコシステムの構成に関しては、人と知識と資金の循環ということが一つ非常に中核的な概念になっていると思うのですが、その中でジョイントベンチャーを企業とできるようにするというのはかなりやっぱり意味があると思っていまして、この間、技組の制度運用の改善でできるのではないかという話をさせていただいて、結果的に法人転換すると株を保有することになりますが、その点も繰り返しですけれども、少し付け加えさせていただきたいと思います。
それからあと、最後、これも前回言ったのかな。人というところがやっぱり重要だと思っていまして、特に地域、地方に行きますと人材、人の不足ということがすごく問題になってくる。大体、大学は卒業生のネットワークは、卒業生室だとかいろいろな形で持っていますけれども、その情報というのは、個人情報の取得の目的は卒業生に対する活動ということに限られているのが通常ですとか、その人が何か地域に戻ってきて活動、企業のスタートアップに関与するとか、そういうことの紹介というのは恐らくできないはずですね。その許諾の条件が違うので。そうするとやっぱり、そこは人材紹介とか、そういうような業をできるような形を大学のそばに置いておく必要があって、それは今の出資要件だと多分できないので、そういうことも課題なのではないかということを、これも前回申し上げたかどうか覚えていないのであれなのですが、付け加えさせていただきます。
【須藤部会長】 ありがとうございました。
斉藤さん、これっていつまでにまとめるのですか?
【斉藤課長】 内閣府の方の科学技術基本計画の議論がこの後どんどん進んでいきますので、それに向けて文科省として打ち込むためにまず今回の段階で1回取りまとめさせていただいて、今までの議論をなるべくそちらに入れるということをやりたいと思っています。ただ、基本計画の議論もこの後どんどん進んでいきますし、今日お話に出ています肉付けの部分に関しましては、基本計画に入れないまでも次の文科省の制度なり、事業なりにつなげていくという道ももちろんございますので、こういう議論は引き続きずっとやっていただきたいということだと思っておりますが、とりあえず大きい方向性なり何なりは、今日の時点である程度取りまとめていただきたいというイメージでございます。
【須藤部会長】 ということで、原稿に「部会長一任とさせていただきたいと思いますが」と書いてあるのですが、とても一任されても困る。今日の議論ですと、1回、今日の議論を整理して文章に直してもらえませんか。
【斉藤課長】 はい。で、お配りさせていただくとか。
【須藤部会長】 全員に配っていただいて、1週間ぐらいの間にもう1回意見を伺って、その後、申し訳ないですけれども、事務局と私の方と栗原先生の方に一任させていただきたいと思いますので、では、もう1回まとめて全員に配っていただきたいと思います。
【斉藤課長】 はい。
【須藤部会長】 よろしくお願いします。
それでは、次の話題に行きたいと思います。産学連携の推進と、それから、大学の経営という両方が大事だということは、いろいろな意見が出ていますので、今日は北海道大学のIR活動について長谷山委員から発表していただきたいと思います。よろしくお願いします。【長谷山委員】 本日は、本学のIRの取り組みについてご紹介させて頂く時間を頂き、ありがとうございます。私ですが、総合IR室で副室長を務めております。本日はこの立場でご紹介させて頂きます。なお、本学IR室の室長は総長となっております。
本日の構成を配布資料1ページに示しました。最初に、本学IR室の設立の経緯と、業務についてご紹介いたします。次に、IRデータに基づき、総長のリーダーシップの下に学内の研究教育経費を部局へ配分しています。その取組を具体的にご紹介いたします。さらに、このような取り組みのために、IR戦略プラットフォーム構想を推進しています。この構想についてもご紹介します。最後に、この構想を通して、本学で開発した北大版Business Intelligence、BIをネット経由で、実際に操作してご覧頂きます。同行のIR室特任准教授が操作致します。
まず、設立の経緯と業務について説明いたします。配布資料3ページが規程です。教育、研究、そして産学連携も含めた大学の諸活動に対して情報を収集、分析し、経営戦略の策定を支援することを目的としています。設立の経緯を配布資料4ページに示しました。平成21年、2009年に教学IRからスタートし、2014年に管理運営IR活動を本格始動しました。更に、2015年に両者を統合し、互いのシナジー効果で大学経営に貢献するIR体制とし、総長のリーダーシップをサポートするために、室長を総長が務める体制に変更しました。
配布資料5ページに、IR室で行う主業務をまとめて記載いたしました。教学IR部門では、教育の質を保証する視点から、学生のアンケート調査を実施しています。卒業生アンケート調査も実施しています。また、経営戦略については、ファクトブックを作成し公開しています。更に、研究力の見える化やデータに基づく学内部局の資源配分、教育の質保証については、成績データの分析に着手しています。本日は、データの性質から、お見せできる項目を選んで、IRデータによる部局評価配分事業と、IR戦略プラットフォーム構想について紹介致します。
それでは、配布資料8ページをご覧ください。部局への資源配分は、ここに示す3つの視点の評価に基づき行われています。一つ目は、指定国立の要件から、北大のビジョンに係る4項目に注目した評価軸で、総額の40%を配分しています。二つ目は、本学第3期中期目標から4項目を選び定義した評価軸で、こちらも総額の40%を配分しています。残る20%は、各部局の強みと特徴の評価軸です。この部局評価事業は、平成30年度から実施しております。本日は、三つ目の評価軸について詳細を御説明致します。
配布資料9ページをご覧ください。IR室が様々な指標で部局を分析し、総長のリーダーシップの下、ここに示す4つの項目を抽出致しました。教育の視点から博士課程の入学定員充足率を、研究の視点から高被引用論文の割合を、国際協働の視点から外国人留学生受入と日本人派遣学生の状況を、社会との連携の視点から受託・共同研究獲得状況を、各々指標としています。表の最右カラムに示すように、具体的な評価値の算出方法が定義されています。
配布資料10ページをご覧ください。左側に、上から、教育、研究、国際共同、社会との連携の順に、各部局を評価値の高い順に並べたグラフが記載されています。部局名はふせております。各評価値は、重みを付けて合算され、部局に配分する額が決まります。特に、平成30年度と31年度は、総長のリーダーシップの下に、研究の評価を他に比して50%増しで重みを付けました。部局長は、自身の部局がどの指標でどれだけの評価値であったかを他部局との順位の比較も含めて理解することになります。以上が、IRデータに基づき、各部局に対して総長裁量経費を配分した例です。このような部局への資源配分ですが、突然に行ったわけではありません。学内の部局に動揺を与えないよう、平成30年度の初めに、先ほどご説明した指標以外も含め、部局ごとの評価値を部局長等意見交換会で提示しました。
配布資料11ページをご覧ください。これが、意見交換会で提示したグラフです。配布した資料では部局名をふせましたが、部局長にはこのプロットした各丸印の横に部局名が書いているものを開示しています。このグラフの開示により、他部局との研究力を比較することができます。グラフの縦軸はTop10%論文比率、横軸は論文数の学内シェアです。大学院学生の育成の観点から、Top10%論文比率だけでなく、総論文数も可視化できるよう、2軸のグラフで表すことに致しました。グラフの原点は、各値の全学平均としております。第1および第2象限にある部局はTop10%論文比率が高く、第1および第4象限の部局は論文数が多いと言うことになります。研究と人材育成の両方の視点から、部局をエンカレッジする目的があり、このような分析と表示を採用しました。
次に、資料12ページをご覧ください。こちらは、外部資金の獲得額の比較のグラフです。全学平均で正規化した各部局の科研費獲得額を横軸に、同様に正規化した共同・受託研究費の額を縦軸として各部局の評価値を表したものです。他にも様々な分析と可視化を行っています。ところで、このような分析結果の開示が効果を上げるためには、データや採用された手法に透明性と信頼性がなければなりません。そこで、IR戦略プラットフォーム構想を打ち出しました。
配布資料14ページをご覧ください。IR戦略プラットフォーム構想とその具体的取組についてご紹介いたします。まず、システム構成と業務フローです。本学IR室はデータを各部局より収集し、それを蓄積、分析し、可視化することにより経営戦略策定を支援致します。ここに、その業務のフローを示しています。各データの収集においては信頼性を保ち、プロセスを明示することが重要で、全てそのままに保管致します。分析のために行われるフィルタリングは、その履歴を残し、データの分析においては分析手法の妥当性を議論し記録を残すことで、透明性を担保致します。また、IR室と総長室を有線ネットワークでつなぐ総長ホットラインを設置し、執行部が常に確認できる状態になっています。
これらを支えるのがIR戦略プラットフォームです。具体的には、データ収集を簡便に行うデータ収集システム、更に、分析とその結果の可視化に本学開発の北大版BIを使用致します。プラットフォームの設計には、大学の現状に合わせた改良を見据えて、簡便な改良ができることと、他のシステムを容易に追加できることを心掛けました。
それでは、データ収集システムと北大版BIについて説明します。配布資料17ページをご覧ください。私が二年前にIR副室長となった際に、業務を分析したところ、データ収集とグラフ化に大きな労力が割かれていることが分かりました。実際に、データを収集する際には、事務局の担当課からデータが提供され、総合IR室で取りまとめ、ファクトブックを作製し、執行部に報告していました。この作業に大きな労力がかかっていました。この労力を削減し、本来のデータ分析と可視化に注力できるよう改善する必要がありました。
配布資料19ページ、20ページをご覧ください。データ収集システムについて簡単な構成を説明します。19ページ上部が、データ収集システムのデータ提供依頼の流れになります。IR室では、20ページに示される画面から、データ提供部局の担当者のメールアドレスと依頼スケジュールを登録すれば、システムから自動でデータ登録依頼のメールが送信されます。
メールを受け取った事務担当者は、メール内のURLをクリックし、システムにログインすると、配布資料21ページの画面が現れ、ボタンをクリックしてデータをアップロードします。アップロードしたデータは、IR室のストレージに保管されます。データの誤送信を避け、担当者が異動となった際の情報の共有の負担を削減するために、システムによって半自動化し、簡便で確実なデータ収集を可能にしました。
配布資料23ページをご覧ください。IR室では、このように収集したデータをファクトブック等で学内外に公開しておりますが、公開だけでは経営戦略の策定を支援することになりません。IR室が本来の役割を果たすために、データを分析し、適した分析手法を選択し、更には分析結果を効果的に可視化して、執行部にいち早く提示するシステムが必要です。そこで、経営戦略の策定を支援する大学経営のためのBIを設計しました。それが北大版BIです。
本日は、このBIを使って実際にデータ分析の様子をご覧いただきます。配布資料24ページをご覧ください。左側の画像が本学BIのトップページです。BIは、本学クラウド上に構築しておりますので、ここから先は、直接にネットワークに接続してお見せします。ログインしますとトップページが開きます。例えば、本学執行部が大学全体の研究力を見たい場合、総論文数を確認するボタンをクリックします。
(以降、北大版BIのデモ)
こちらに示しますように、全学の論文数が部局ごとに示され、文系、理系の別などフィルタが準備されています。BIとなっておりますので、クリックすることで、絞り込みや全体の俯瞰など自由に表示を変更することができます。左上のグラフは発行年度別の総論文数を示しており、グラフ内の赤色部分はTop10%論文の数に該当します。左下のグラフは各部局別の論文数を示しています。
次に示すのは外部資金の分析です。外部資金がどの部局でどの程度増加し、その内訳として、科研費、共同研究、受託研究等の別を見ることができます。左の下は年齢スライダーです。スライダーを動かすと、各部局の若手教員の獲得金額を見ることができ、活躍の様子を確認することができます。
トップページに戻ります。本日は、教員個人の業績データとなっておりますので、グレーの網掛けとなっております。本学執行部は全部局の教員個人の業績の閲覧が可能で、さらに本年の秋には、部局長が自部局の教員個人の業績を閲覧可能となります。
さらに、北大版BIを用いて、本学の論文データだけでなく、全国の大学の論文データも分析しております。その例をご紹介いたします。配布資料27ページの左上のグラフは、我が国における大学の論文について、総論文数を横軸、Top10%論文比率を縦軸に表したものです。菱形で表されているのは各研究分野です。上方に位置する研究分野は、Top10%論文が多い分野です。また、各研究分野を示す菱形の面積は、産業界所属の研究者が連名となっている論文の割合に比例しています。つまり、菱形の面積が大きければ、産業界の研究者が連名になっている論文が多いことを表しています。左下のグラフは企業の論文について、総論文数を横軸、Top10%論文比率を縦軸とし研究分野別に表したものです。Top10%論文比率が高い分野は、宇宙科学、免疫学、分子生物学・遺伝学、臨床医学の四つであることが分かります。次に右上のグラフは大学に所属の研究者の論文について、総論文数を横軸、Top10%論文比率を縦軸とし、大学ごとに表したものです。ただし、大学の規模で正規化したものではございません。先ほどと同様に菱形の面積は産学連携の論文の率を示しています。
以上のデータをBIの機能により地方単位に集約したデータをお見せします。このグラフから、総論文数とTop10%論文比率に正の相関があることがわかります。さらに、横軸が対数表示になっている点にご注意いただきたいと思います。Top10%論文を多く生み出すには、極めて多くの論文を書く必要がある現状が見えることになります。
本学では、このデータを22の研究分野に分けて詳細分析を行っています。この分析を通して、論文を多く生み出す研究分野の抽出が可能となり、本学の教員の年齢データと合わせて分析することで、若手研究者が活躍する研究領域の可視化も可能となります。若手研究者が活躍する研究領域を見出し、外部資金獲得のポテンシャルを見出すことを支援します。
ここで、右上のグラフに戻ります。地方単位に集約したデータで、東海地方と東北地方が、およそ同じ位置にプロットされていることが分かります。両者の差異について詳細に分析し、各地域の特徴を確認しますと、右下のグラフになります。右下のグラフは、企業の論文について、総論文数を横軸、Top10%論文比率を縦軸として表したものです。先程同様、菱形の面積は、大学所属の研究者が連名になっている論文の割合を表しています。右上のグラフで東北地方、東海地方をそれぞれクリックしますと、東北地方の大学とどのような企業が連携しているかが分かります。また、東海地方の大学とどのような企業が連携しているかが分かります。両者の連携する産業領域に差異があることが確認できます。
最後にまとめとさせていただきます。本学総合IR室の取り組みについて、紹介させて頂きました。IRデータに基づく部局資源配分とIR戦略プラットフォーム構想について説明し、本学が独自に設計したBIを用いて、分析結果を可視化し、経営戦略策定にむけた支援の試行についてご紹介いたしました。ありがとうございました。
【須藤部会長】 どうもありがとうございました。
時間があまりありませんけれども、何か御質問等ございますか。どうぞ。
【菅委員】 素晴らしいと思います。本当に感心いたしました。これは逆に言うと教員の個人的な評価にも随分つながっていくと思うのですけれども、それを何か反映させていますか。
【長谷山委員】 総合IR室の分析では、教員個人の評価も可能です。一方で、それを何に反映させるかは、大学経営の判断となると思います。
【菅委員】 済みません、あともう一つ、今度は新任のハイアリングをするときに例えば部局が今までだったら、その部局なり選考なりが勝手に選ぶと言うと言葉が悪いんですけれども、一応、選考するわけですよね。ですけれども、それが必ずしも正しいかどうか分からないですね。その領域が本当にこれから伸びていく領域なのか、そういうところもこれはサジェスチョンしていくわけですか。
【長谷山委員】 おっしゃる通りです。例えば、本学で、融合領域研究の拠点を作ることを目指し、若手の研究者を雇用するときに、データを根拠にして、どの領域で教員公募を行うかを提案し、大学本部が持つ教員雇用ポイントを再配分する仕組みが始まります。御質問に対してはイエスとお答えできると思います。
【須藤部会長】 松尾先生。
【松尾委員】 手短に。ついこの間、長谷山先生に来ていただいて講演していただいて、その後、おでん屋でいろいろディスカッションさせていただいたのですけれども、そのときに出た話は、これはあくまでデータなので、これを分析してどう使うかというのは、そこが執行部の目利きというか、戦略であるということで、今の菅先生の質問にも関わるのですけれども、どういうふうにやっていくのか、これは執行部の責任でやる。ただし、正しいデータをしっかり集めて、そこからどういうイマジネーションができるのかというのが執行部の責任。
それから、二つ目、今日はTop10%論文、それから、論文数、出たのですが、Web of Scienceですか、これで出たのですけれども、日本で問題は、人社系は一体どういうふうに評価するのだという、こういう大きな問題があって、これは理工系と人社系では業績は単純には比較できないので、この配分を、人社系は恐らく工夫してデータを集められていると思うのですけれども、これを学内でどういう比率で配分するかというのは、これもまた執行部の責任なので、私の総長としての感想は、こういうのが出てくると執行部の責任が極めて重い、こういう結論であります。
【須藤部会長】 ありがとうございました。
時間になりましたので、この辺で終わりにしたいと思います。長谷山先生、どうもありがとうございました。
【長谷山委員】 ありがとうございました。
【須藤部会長】 それでは、最後に事務局からお願いします。
【神部課長補佐】 本日の御議論、ありがとうございました。次回の開催につきましては、10月29日を予定しております。現在、既に議題として今考えているところとしては、本部会の下に産学官連携推進委員会を設置して、今、産学連携、今後の進め方について議論をしているところでございますが、その内容につきまして本部会でも御報告させていただきたいと考えております。
また、本日の議事録につきましては、事務局から委員の皆様にメールにて確認を頂いた後、文部科学省のホームページで公開をしたいと考えております。よろしくお願いいたします。
以上です。
【須藤部会長】 ありがとうございました。
それでは、本日の部会は、これで閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

―― 了 ――


 

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