産業連携・地域支援部会(第9期)地域科学技術イノベーション推進委員会(第6回) 議事録

1.日時

平成30年9月12日(水曜日)13時00分から15時30分

2.場所

文部科学省 3階 1特別会議室(東京都千代田区霞が関3-2-2)

3.議題

  1. 関係機関からのヒアリング
  2. 中間とりまとめ(案)について
  3. 平成31年度概算要求の概要(地域科学技術イノベーション関連施策)
  4. その他

4.議事録

【須藤主査】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会産業連携・地域支援部会第9期地域科学技術イノベーション推進委員会を開催いたします。お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日は、前回の委員会と同様に、最初に議題1としまして、関係機関からのヒアリングを行います。その後、議題2としまして、事務局にて取りまとめました中間とりまとめ(案)につきまして、委員の皆様の御意見を頂戴するとともに、議論していただきます。最後に、科学技術イノベーション関連施策の平成31年度概算要求の概要につきまして、事務局より説明いただきます。
 それでは、まず配布資料の確認を事務局からお願いいたします。
【植原専門官】  本委員会はペーパーレス会議となっておりますことから、配布資料は、皆様のお手元にございますタブレットのデスクトップに全てダウンロードされております。資料は、お手元の議事次第に記載のとおり、資料1-1から資料4、及び参考資料1から参考資料2です。議事次第と照らし合わせながら資料の御確認をお願いいたします。
 なお、本日、資料1-1、株式会社ブルックマンテクノロジ提出資料につきましては、昨日、文部科学省ホームページに掲載している内容と一部違う箇所がございますので、こちらのスクリーンに投影されます資料の方を御確認くださいますようお願いいたします。
 また、資料2-2、資料2-3につきましても、文部科学省のホームページに掲載後、一部事務局の方で修正をしております。資料2-2、2-3につきましては、後日、修正したものを本委員会が終わった後にまた掲載させていただきますので、そちらの御確認をお願いいたします。御不明な点等ございましたら事務局までお知らせください。
【須藤主査】  よろしいでしょうか。
 続きまして、文部科学省事務局の方に異動があったということですので、御紹介をお願いします。
【植原専門官】  事務局に人事異動がありましたので、紹介いたします。
 7月27日付けで、科学技術・学術政策局長として、松尾が着任いたしました。
【松尾局長】  審議官でお世話になっておりましたけれども、このたびこちらの方に参りましたので、またどうぞよろしくお願いいたします。
【植原専門官】  同じく7月27日付けで、科学技術・学術政策局政策課長として、角田が着任いたしました。
【角田課長】  角田でございます。御指導どうぞよろしくお願いいたします。
【植原専門官】  以上でございます。
【須藤主査】  それでは、議題に入ります。
 最初に、議題1でございます。関係機関からのヒアリングです。
 本委員会運営規則第3条第2項に基づきまして、本日は、株式会社ブルックマンテクノロジより、代表取締役会長川人様、それから、セーレン株式会社より、事務管理部長代行野形様の2名に御出席いただいております。
 それでは、まず議題1の進め方につきまして、事務局より説明をお願いします。
【植原専門官】  議題1の関係機関からのヒアリングにつきましては、前回委員会と同様の進め方で実施いたします。
 まず、株式会社ブルックマンテクノロジ及びセーレン株式会社から、それぞれ科学技術イノベーション活動の具体的取組や成果等について御発表いただきます。そして、資料1-3、事務局による論点整理に沿って、Ⅰ、「地の科学技術イノベーション活動の基本的方向性」の「地域の捉え方」、「地域を構成する主体やそれらに期待される役割の具体事例」、「地域が科学技術イノベーション活動を行う意義・目的」、そして、「地方創生の流れにおける地域科学技術イノベーションの位置づけ」について、関係機関それぞれのお考えについて御発表いただきます。さらに、関係機関が科学技術イノベーション活動に取り組む際に感じる障壁や課題、また、それらを乗り越えるために期待する国の役割やサポート、具体的な支援などについても御発表いただきます。
 最初に、株式会社ブルックマンテクノロジの川人代表取締役会長から、次に、セーレン株式会社の野形事業管理部長代行から、それぞれ20分程度で御発表いただきます。発表時間残り5分前にベルを一度、残り2分前にベルをもう一度鳴らしますので、まとめに入っていただきますようお願い申し上げます。
 それぞれの御発表の後で、10分程度質疑応答の時間を設けますので、委員の皆様からの御質問、御意見を頂戴いたしたいと思います。以上です。
【須藤主査】  それでは、株式会社ブルックマンテクノロジの川人様から御発表をお願いいたします。
【ブルックマンテクノロジ(川人)】  ただいま御紹介いただきました、ブルックマンテクノロジの代表取締役会長を務めております川人と申します。私、実は静岡大学の教授も務めていまして、どちらかというと、そちらの方が主務ではあるんですけれども、本日は、大学発ベンチャーの代表としてのお話ということで、こういう肩書きで、ベンチャー会社に関係したお話をさせていただきます。
 本日の内容は、どういう内容で話をしてほしいということで指示を頂きましたので、それに沿ってお話をさせていただきます。まず最初、当社ブルックマンテクノロジ、BT社と呼ぶことにしますけれども、その中で具体的な科学技術イノベーション活動のお話をさせていただいて、その後、個々の問われている項目に対して、我々の会社が考える考え方を披露させていただきたいと思っております。
 早速ですが、一番最初の科学技術イノベーション活動というところでありますけれども、当社は、この後で出てきますが、2006年に設立しまして、事業内容としては、CMOSイメージセンサの開発・販売及び受託開発を行っております。特に最近、ここにありますような8Kのイメージセンサとかで、ほかのところでは出せない性能を実現して、これはかなり最近の事業の柱になっておりますし、それ以前にも、超高感度・広ダイナミックレンジイメージセンサ、高速度・低雑音イメージセンサということで、製品化に成功して販売をしております。
 それに加えて、カスタムセンサ開発事業ということで、いろんな企業さんのニーズに対応して、カスタムをデザインをして、開発して納めるという事業も、かなり大きな事業として進めております。
 それで、設立は12年前、2006年2月に設立しましたけれども、私、会長ではありますが、現在の社長は青山聡といいまして、この方はもともと日立に勤められていて、私のところに、博士課程で会社をやめて入ってこられ、それでイメージセンサの勉強をされて、ちょうど会社をつくるときに卒業のタイミングだったものですから、本人を誘って会社をつくったといういきさつで、7年前から社長をやっていただいて、実質、会社の運営は、この青山社長を中心に運営しているという状況です。現在、従業員30名程度でありまして、浜松市に所在しております。
 会社の設立の経緯なんですけれども、浜松という地は、髙柳先生が、もう90年ぐらい前ですが、世界で初めて「イ」の字を出して、テレビジョンの父と呼ばれております。そういうことで、浜松というのは、テレビジョンの技術といいますか、映像の技術で日本の中では重要な役割を果たしている場所なんですけれども、その場所で、国の事業として、第1期の浜松地域知的クラスター創成事業という文部科学省の事業が、2002年から5年間と、その後更に5年間、10年間実施されまして、その第1期の成果を活用して起業化したということで、知的クラスター創成事業の開始4年後、2006年につくったといういきさつであります。
 その後の当社の発展の経過なんですけれども、まず第2ステージというところでは、デザインハウスとして、設計受託を中心に事業を進めてまいりました。それは、最初からイメージセンサの開発・販売をしたかったんですが、なかなかそういうところに直接行くのは難しいという判断もありまして、最初デザインハウスで始めて、5年間ぐらいそれを実施して、5年目から自社製品開発を開始して、最近はむしろそちらの方を中心に、ものづくりの会社、半導体開発ベンチャーとして事業をどんどん展開しているという状況です。2016年の時点で創立10周年ですけれども、売上5億円達成ということで、徐々に成長していきているという状況であります。
 それで、今日のお話にもすごく関係ありますけれども、当社は静岡大学発のベンチャーでありますけれども、起業のきっかけだけではなくて、起業後も大学と密接に連携して、共同研究開発をさせていただいています。こういう事例は、聞くと、ほかの大学でなかなかできていないと聞いていますけど、静岡大学は、自分のところでつくったベンチャー会社とどんどん共同研究をして、開発を進めていいということでありますので、ここにありますように、特許も非常にたくさんの知財を出願して、権利化しておりまして、それを包括的にライセンシングを受けて、ブロックマンテクノロジの事業をしています。
 特にサブライセンス事業ということで、静岡大学の特許をほかの企業さんにライセンスするというのも、1つの大きな事業の柱になっていて、最近すごく大きな取引も始まろうとしている状況です。もちろんこの特許を活用して製品開発をする。あるいは、先ほどのカスタム製品開発と、この3つを事業の柱として進めております。
 研究としても、包括的に共同研究契約をして、大学で生まれた技術を、この会社を通じて事業化するということを進めております。
 それ以外にも、我々の技術に興味を持つ会社さんはたくさんあるんですけれども、どちらかというと、できたセンサの技術を活用して何かものを作りたい企業さんが多いものですから、そういうところとの共同研究をやりながら、それに必要なセンサの開発をブルックマンテクノロジにやらせて、そういう企業さんも含めて、ものの開発をしていくということも行っております。
 それで、時間も限られておりますので、詳しいことは御紹介できないですけれども、例を挙げて少しお話しします。大学発ベンチャーということで、ほかの会社にない特徴的な性能を持ったものを作って、それを世に出して、市場を勝ち取るということで進めていまして、例えば、超高速・低ノイズというところでは、非常にローノイズでありながら、18ビットという非常にダイナミックレンジが広くて、リニアに出せるというものは、当社のこのセンサしかないということであります。それから、8Kのイメージセンサも、最近ほかでも少し出始めてはいますけれども、フルスペックという、8Kで120コマの画像が出せるセンサというのは、今のところ、まだ当社だけであります。この8Kのセンサは、今、当社の中で非常に売上が伸びておりまして、非常に中心的なデバイスになっております。
 それから、高感度のセンサがこちらですね。高感度で、なおかつ18ビットを出している。こちらの方は、非常にローノイズのグローバルシャッタと高速のA/Dコンバータを組み合わせて、高速かつローノイズという性能を出すというのは、このセンサだけだという、他にない特徴をうまく利用して、事業を行っているということであります。
 8Kのセンサに関して、もう少しお話しさせていただきますと、これはNHKの放送技術研究所が主導して開発をしていたもので、その中で、先ほど言いました120コマという性能を出すためには、どうしても当社の持っているA/Dコンバータの技術が必要だということで、開発が2009年ぐらいから始まりまして、2011年に、世界で初めて120コマのセンサができたということで、それを機に、より性能の高いものを目指して、何機も開発を繰り返しまして、ちょうど2014年のときにできたセンサが非常に完成度が高くて、これはもともとNHKが主導で、開発費を出して開発しているものですけれども、そういうことで、権利はNHKが持っているんですけど、その権利を当社が買い取る形で、販売権を獲得しまして、製品化したということであります。これが今、特に医療用のところで非常に伸びております。
 その8Kの意味というのは、いろんなことがあるんですけれども、1つ、例えば、監視カメラにも非常に大きなニーズがありまして、その場合、どういう意味があるかというのを御紹介したいと思うんですが、監視カメラで非常に大きな広場を撮っていて、その中に特定の人を見つけたいなというのは、監視カメラのニーズとしてあるんですけれども、8Kの解像度がありますと、非常に広い場所を見ながら、その中を選び出して、こういうふうに拡大をしても、例えば、これはバスのどこへ行くかの文字が見えたり、あるいは、トラックに書いてある文字が非常に鮮明に見える。こういうことで、解像度の高いセンサというのは、これからこういう分野でどんどん伸びてくるだろうというところでありまして、そういうところに関して、他社に先駆けて製品を出すことができたということであります。
 それから、8Kセンサ、医療用、特に手術のときに使う内視鏡に非常に有用だということで、カイロス、これはかなり話題になっているので、御承知の方もたくさんおられると思いますけれども、カイロスという会社が世界最初の8K内視鏡カメラを作ったということで、そのカメラに採用されているのが当社の8Kセンサであります。BT3300Nというセンサです。
 それから、シャープの方でも医療用に力を入れてということで、8Kセンサをカメラにしておりますけれども、それも当社のセンサを採用させていただいているということであります。
 手術に使うとどういう意味があるかということで、これはお医者さんによりますと、内視鏡というのは、できるだけ遠ざけて、手術の邪魔にならないようにして使いたいと。そのときに、解像度が足らないと、見ている部分の詳細が分からないんですけれども、8Kセンサですと、離しても十分な解像度があるので、手術が効率よくできるということで、それを使いたいというお医者さんは非常に増えていて、最近かなり数が出るようになってまいりました。
 それを含めて、8Kセンサというのは、放送用はもちろんですけど、メディカル、ビデオ会議、セキュリティ、こういった分野でこれからどんどん伸びてくるだろうということで、そのところに展開しようとしているところであります。
 それから、今後の恐らく当社の事業の柱になるであろうと思われるものを1つ御紹介しますと、Time-of-flightという、光の飛行時間を使った3Dのデプスセンサです。これは、例えば、車のLiDARですね。今、自動運転でそういう距離を測るセンサって非常に求められておりますけれども、そういうところに使えたらいい、あるいは、ジェスチャー認識、あるいは、バーチャルリアリティ、AR、そういったところにも非常にニーズがあるデバイスで、原理的には随分前からあって、我々の静岡大学の方でも16年ぐらい前から開発をしてきたんですけれども、市場的に最近すごく盛り上がっておりまして、その機をうまく使って、当社も今期製品化に成功しております。こういうモジュールも作って、プロモーションをしているというような状況です。
 それで、このセンサに関しても、他社にない非常に特徴的な性能を持っておりまして、それはピクセルの中に工夫をし、動いているものに対して非常に強いという特徴を持たすことができました。例えば、これは3Dの画像、板をモーターに付けてぐるぐる速い速度で回すと。そのときの板の形で正確に格好まで撮れるかどうかというのを見たものですが、我々のセンサは板の形で長方形の形を保って撮れるんですけど、他社をいろいろ評価しましたけれども、形がひずむか、あるいは、その形の周辺で非常に誤差が出てしまって測れない、そういったことになりまして、これは原理的に明らかなんですけれども、そういった動きに強いという特徴をうまく捉えて、今、この分野は非常に競合が激しくなってはいるんですけれども、そういったところで、ある市場で当社のセンサを採用していただけるように今頑張っているという状況です。
 それで、イメージセンサ全体としましては、当然、ソニーさんをはじめ、非常に大手のメーカーさんも活発に開発しているんですけれども、市場的に見ますと、コンシューマ向けの、特にスマートフォンに代表される億単位の数が出るセンサから、非常に特殊なものまでたくさんありまして、どちらかというと、我々はニッチな方のところの市場を狙っておりますけれども、その中でも、各市場でトップになれれば、それぞれの市場は10億、100億という需要がありますので、そういうのを一個一個取っていけば、それで十分影響力のある規模の会社になっていけるだろうと。それで、その後はもっと大手のところにも迫っていくということでありまして、今、こういった製品を展開できておりますし、これからデプスセンサという3Dのセンサを事業の柱にして、どんどん進めていきたいという状況であります。
 それで、あと残りの時間は、質問にお答えする形で、我々の考えを披露させていただきたいと思います。
 まず2番目の問いとして、我々のベンチャー会社として、その役割、あるいは、他の主体との連携関係をどういうふうに考えるかということですけれども、大学発ベンチャーは、地方、浜松にあるわけで、それは地方創生、発展させるための、企業ですから、1つの核になるだろうと。当社はまだ小さいわけですけれども、それが成長していけば、そういう地方にも影響力を与えるようなことができて、新産業創出とか、雇用創出、人口増といったところで貢献できるだろうと。直接的ですけれども、そういうことになると思います。
 それから、そこにある大学あるいは研究機関というのは、こういう大学発ベンチャーをつくったときに、後でも何度も出てきますけれども、やはり起業から成長の過程までしっかり面倒を見てあげるというのが、日本の大学発ベンチャーの場合は必要でありまして、特に新規事業をするためのシーズ開発のところでどんどん大学が貢献するべきだと思っておりますし、それは国は、そういう意味での技術シーズのところ、つまり、大学とかそういう研究機関のところに関しての研究開発活動を財政に生かされるという意味で、非常に重要な役割を果たすと思っております。
 自治体に関しては、以前の知的クラスター創成事業のときもそうでしたけれども、国の事業を受け入れて、支援体制を作る。ですから、具体的には、人的リソースを提供するというようなことがあると思いますし、あるいは、我々も活用させていただいていますけれども、製品化に伴って、いろんな関連の開発をしなければいけませんので、それを補助金によって支援していただくというのは非常に大きなことだと思います。
 時間が大分押しておりますので、少し急いで進めたいと思います。
 実際これまでも、当社設立以来、これだけの市からの補助金、それから、国からの支援も、それに参加させていただく形で支援を頂いておりまして、その結果、会社もでき、これまで成長できたということが実際にございます。
 ただ、こういう半導体ベンチャーのような会社をつくったときに、これを継続して発展して成長させるというのは非常に難しいところがありまして、今のところ、徐々にではありますけれども、成長の過程をたどっているわけですけれども、ただ、ここにありますように、ちょっと生々しいことではありますけれども、周期的に非常に大きな額の赤字を発生させて、それで、それを踏まえながら成長している。この赤字というのはどういう意味かと言いますと、これは補助金を活用してセンサの開発なんかもするんですけど、それでも自社からの持ち出し分は相当な額になります。そのために、例えば、億の単位で赤字になったりすることもあるんですけれども、その結果新しい製品が生まれると、また利益が出て回復して、また次の新しい製品のために大きな赤字を抱える。それを繰り返しながら、徐々に成長するということでこれまできております。その過程を踏まえて、本当にデザイン・インといいますか、大きな成功を生み出すことができると、こういう問題を抱えないで、もう立派な会社としてやっていけるんだろうと思うんですけれども、それ以前のところに関しては、いろんな方のサポートを頂かないと難しいということであります。
 これは当社の売上と利益そのままのデータなんですけれども、先ほども言いましたように、周期的にこういう赤字を抱えながら、ただ、会社の規模としては、最初設計受託のときには、利益は大きくないんですけれども、順調な成長だけだったんですけれども、ここから製品開発が始まりまして、その結果、非常に大きな赤字を周期的に抱えながら成長させるということを続けてきました。ただ、今期、特に8Kセンサの売上が非常に好調だったということもあって、売上も増えましたし、今期は、約1億円に近い利益を今期上げることができました。それでも、まだ十分余裕を持って今後事業ができるという状況ではないということであります。
 あと、ほかの論点についてお話ししていきますけれども、地域の単位をどう考えるかということですけれども、我々の会社にとっては、浜松という都市の一単位というのは非常に大きな意味があって、都市という単位、サイズですね。コミュニケーションの容易さとか、経済性とかいう意味で大きな意味があります。ただ、最近よくいろんな地域での連携ということを言われるんですけど、なかなか連携も、無理矢理連携をするということではうまくいかなくて、ちょうど事業的にマッチするところとの連携であればいいんですけれども、そういうことをうまく考えていただければ連携もあり得るのかなと思います。今のところは、都市という単位で有望なところを選んでシーズ投資をするということでいくという考えを持っております。
 それから、地域が科学技術イノベーション活動を行う意義・目的ということで、これは読み替えますと、なぜブルックマンテクノロジという会社が、東京・大阪ではなくて浜松にあるのかということだと思うんですけれども、これはもう間違いなく、BT社の新規事業を支える、新製品を支えるシーズ研究で世界的な先端をいく静岡大学が浜松にあって、そこと密接に連携して開発が進められるからだということがあります。その結果、BT社が大学のシーズの研究の社会実装を担って、静岡大学は、そのシーズ研究が社会実装されるということで、大学の価値が高まるということでの共栄が成り立っていると思っております。なので、浜松にあるというのは、当社の場合、非常に意味があります。浜松という場所は、たくさんのいろんなパートナーとなる優良な企業があるとかありますけれども、一番大きいのはここだと思います。
 それから、当社は、地域のためにある会社ではないんですけれども、我々の会社の活動と成長の結果として、地域の人が豊かになったり、幸せになったり、あるいは、希望を与えられるということで貢献するということで、本当に当たり前の話ではあるんですけど、結局、当たり前のことを当たり前にやっていくというのが当社の役割ではないかなと思っております。
 それで、共栄ということで、データとして、私、大学発ベンチャーを2006年に始めましたけれども、大学の業績も、ベンチャー会社を始めてからの方が上がっています。我々の研究分野ですと、ISSCCという、国際固体素子回路会議というのがありまして、ここにどれだけのものを出せるかというのが、その会社の力のアピールだとか研究のアピールという意味ですごく重要なんですけれども、そこに毎年狙って出しておりまして、ついに最近になりまして、イメージセンサの分野に関して世界第1位になりました。第2位の研究者の2倍の論文数を採択していただいているということで、こういうベンチャー会社の活動をすることによって、研究分野での静岡大学といいますか、日本のこういう研究機関が世界に躍り出るということが実際にできているということでございます。
 それから、地方創生という意味でどういう貢献ができるかという問いだと思うんですけれども、これも本当に直接的なことではあるんですけれども、やはりベンチャー会社が成長して、その地域に影響力を持てる企業に成長することでこういう地方創生のこういったことに貢献できるだろうと思っています。現在のところ、例えば、雇用で言うと30人、その家族がいて、その人が浜松に定着したという意味で100人と。規模としては全く無視できるぐらいの量なのかもしれませんけれど、これが10年後成長して、何十倍、何百倍となれば、本当に当社がその地域に対して非常に大きな影響力を持てる、地域創生に貢献できるということになるだろうと思います。
 それで、実際のところ、今、国の補助とかを頂いて、どういうことができているのかというのをちょっと御紹介いたしますと、大学でやっていることはイメージセンサの基礎研究ですけれども、それに当たって、先ほど言いましたように、知的クラスターの第1期、第2期、あるいは、JSTの補助金等々で、かなり巨額の補助を実際に頂いています。やっぱりそれを頂いた結果として、地域とか経済効果ということで、社会に還元しなければいけないだろうということで、どれほどのことができているかということですけれども、大学発ベンチャーをつくって、実際、経済効果としては、11年間の売上が33億円です。次のスライドに出てきますけれども、センサができますと、当然カメラが販売されるわけで、そうすると、そういうものの事業規模というのは、その10倍、あるいは、もっと上になります。ということで、間接的なものも含めると、恐らく300億とか、そういった規模の貢献はしているだろうと思います。
 ここに書いたのを消したんですけど、この知的クラスターとJSTで、15億円ぐらい補助金を頂いています。その結果、大体直接で2倍ぐらいお返しできているということで、それぐらいでお許しいただければと思っておりますけど、そういう状況であります。目標は、10年後、それをもっと大きい影響力のあるような桁に上げていくということであります。
 これは当社のセンサが直接使われているもの、あるいは、当社のセンサの技術を使って他社が製品化して、それが実際に世の中に出回っているものです。例えば、高級一眼レフのカメラ、あるいは、コピー機、あるいは、防犯用のカメラ、セキュリティカメラ、工業用カメラ、放送用カメラ、それから、先ほど言いました内視鏡などの医療用カメラ、こういったところで、かなりの数のものがもう世の中に出回っているという状況でありますので、こういう間接的経済効果というのは十分達成できているだろうと思っております。
 それで、あと数枚でありますけれども、障壁や課題ということでありますけれども、ここに挙げた3つは本当に大事なことで、実際の課題だと思っています。1つは、やはり人材、特に技術系職員の確保です。これまで、30人規模というところまでは、何とかうちの社長も頑張ってくれて、いろんな優秀な人を集めてくれて成り立っているんですけど、これが更に成長するということで、もう少し大きな規模の技術者を確保しようとしたときにはどうすればいいのかということで、本当に大きな課題になっています。
 それから、資金調達ですね。半導体製品ですので、1つの製品開発をするのにすごく大きな投資が必要だということで、その研究開発費というのは、常に頭を悩ませるものであります。
 それを事業を進めるときに、知的財産権はもちろん重要ですし、その侵害・被侵害の調査とか、特に周辺まで含めた特許網の構築というのもしなければいけないんですが、こういったところは、まだこれからいろいろ課題があるところであります。
 それで、成功に不可欠と考える要素ということで、同じようなことの繰り返しになりますけれども、やはり競合他社に対する差別化できる技術群を開発して、それの知的財産を確保するということ、それを維持管理するということですね。
 それから、特に持続的新製品開発サイクルということで、基礎研究からというところで、やはりこういう開発型のベンチャー会社ですから、他社の持っていない新しい技術を研究機関のようなところで基礎開発して、それで特徴を持ったものを作るということで、やはりこういう大学とかの機関を巻き込んだ、あるいは、会社として、そういう基礎研究をするような機能も持って進めるということをしないと、なかなか打ち勝てる製品が作れない。そういうサイクルをどんどんやらなければいけないということです。それには非常に資金もかかるので、その資金をどうするか、それが重要ですけど、そういう活動を常に続けながら進めております。あと、マーケティングとプロモーション活動、それから、人材確保、こういったことも当然重要であります。
 現状、ここに書いてありますように、これをまだ当社単独でするというのが非常に難しい状況ですので、やはり大学とか、いろんな国の支援をできるだけ頂きながら、今のところは、もう少し規模の大きな会社に成長して、イグジットを迎えてというところを達成したいという状況であります。
 これは資料をお手元に配っていないんですけれども、なぜ日本の大学でこういうことをするのかということで、ちょっと対比で御紹介をしたいと思うんですけど、これ、私がちょうど会社をつくるときに、ある機会に恵まれて、同じような業種のベンチャー会社を訪問する機会がありました。スタンフォード大学発のベンチャーなんですけれども、PIXIMという会社で、1999年につくられたんですけれども、同じように、スタンフォード大のピクセルADCという、イメージセンサの技術で、ダイナミックヘッジの広いセンサを事業化するということでつくったようなんですけれども、そのときに聞いたことによりますと、資本金、正確には覚えていないんですけど、30億以上であるのは間違いないです。それをまず集めて、創立1年目で訪問したんですが、社員が50人いました。アメリカのベンチャーというのは、こういう半導体でファブレスでやるとしたならば、これぐらいの規模でやらないと基本始められないんだなというのを、その当時実感して。これでもって、まずデザインハウスから始めようということでスタートしたんですね。だから、やり方として全然違います。もうこの資金と集めた人材を頼りに、一気に成功に向かって走るということはできると思うんですけど、日本の大学のような形でベンチャー会社をつくりますと、それはほかから十分な支援を頂きながら進めないと、なかなかイグジットのところまで行くというのは難しいということでありますので、そういうことで御理解を頂ければと思っております。
 これが一番最後のスライドになりますけれども、実際何を期待するかということで、今言ったことの繰り返しになりますけれども、やはり起業だけではなくて、イグジットするまでの成長の過程のところまで、会社に直接ではなくて、そのシーズの研究を行っている研究機関に対して、財政的に是非支援いただきたいなと思います。
 それから、非常に重要なのが、特許出願支援です。今JSTに申請して、認められれば、外国特許出願の支援をしていただいていて、これは本当に助かっております。噂によると、これは間もなく終了するのではないかというお話を聞いておるんですが、是非やめないで、今後も何らかの形で継続をお願いしたいと思っております。
 あと、よくファンドの場合ですと満期がありまして、それで非常に苦しまれるので、これは贅沢なことでありますけど、短期的な成果を求めない投資、国も投資を最近いろいろ考えられているようですので、そういうふうなことが望まれていると思います。
 もう一つ、最後に、これも非常に大事なところですけど、大学の卒業生や修了生が、大都市の企業でなくて、地元の浜松とかに定着する仕組みを何か考えていただけないかなと。私のところも、割と人気のある研究室なんですけど、優秀な学生は、全部関東のソニーとか、そういう会社に入っていきます。ベンチャー会社をやらないかと誘っても、特に大企業に入れるとなると、もう相手にもしてくれないという状況にありまして、そこを地元のベンチャー会社に残ってやるというモチベーションを大学にどうやって作ったらいいのかと非常に悩んでおりますので、何かいいお知恵がありましたらと思っております。
 すみません、駆け足で雑駁な話でありましたが、以上とさせていただきます。ありがとうございました。
【須藤主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、ここで少し質問時間を取りたいと思います。何かございますか。
【德増委員】  ありがとうございます。
 いくつか質問したいんですけど、まず基本的なところを教えていただければと思っております。CMOSセンサをやられているということなんですけれども、我々が持っているカメラの中のCMOSセンサと今の8Kの、これはどのくらいの差があるかというのは、これは本当に基本的な話で申し訳ないんですけど、これが1点、ちょっと教えていただければなと思っています。技術的なところなので、我々、素人でよく分からないというところがあります。
 それから、あと、コア技術、このCMOSセンサというのは、もともと先生がお持ちになっていた今までの技術なのか、それを発展させて今のベンチャーをつくられていったのかという、もともとの経緯を少し教えていただきたいなということ。
 それから、あと銀行の役割という点で、先ほど投資をという話をされましたけれども、浜松ですと、静銀さん、浜信さん、いろいろあって、投資を積極的にやられているということもあって、どんな形のメニューがあって、それをうまく補助金と活用しながら会社を設立していったのか、この辺のことも教えていただきたいなと。
 それから、もう1点、先ほど地元定着という話をされておりますけど、このCMOSセンサの生産なり開発なりをしていくときに、地元の企業といいましょうか、その関連といいましょうかね。浜ホトですと、もちろん工学部の第一テレビから始まって、浜松ホトニクスということで発展をしていく間に、地元の関係とか、いろんなものが入り込んでいる。経営的には、トヨタが入ってきたというケースもありますので、発展するための地域との関連といいましょうか、そこを少し教えていただければと思っております。
 すみません、たくさんで申し訳ない。
【ブルックマンテクノロジ(川人)】  順番は逆になるかもしれませんが、覚えている順番に。
 地元という意味では、現時点で、たまたま地元の企業と何かということはまだできてはいないんですけど、ただ、浜松というのは本当に恵まれた場所で、例えば、浜松ホトニクスに関して言いますと、システム事業部という部署がありまして、システム事業部は、カメラというか、そういう最新品は出すんですけど、そのデバイスというのは、ほかから調達してくるということで事業をやられているんですね。だから、そういう意味で、あまり具体的なことは申し上げられませんが、何度も交渉的なこともしたこともありますし、何かのチャンスで、そういうことは実現するだろうと思っています。
 それから、それ以外の企業でも、先ほどのLiDARなんて車用のセンサとかありますので、そういうことの関連事業をしている大きな会社はありますし、音関係の連携とか、ヤマハさんとか、そういうのも十分ありますので、それを一個一個実現するというのは、これからやっていこうと思っています。そういう意味では、非常に恵まれている場所だと思います。
 あと、銀行系のVCのおかげで、当社は設立できたんですけれども、銀行の役割といいますか、大学の支援をするという意味では、静大発ファンドというファンドができたこともありまして、御支援はもちろん頂いています。
 ただ、どうしてもやはり投資だけで回せないところがあると、金融に頼るようなところがありますけれども、そのときに、今、どうしても個人保証を求められることがあります。そうすると、その保証人という意味での社長とかにすごく負担がかかるので、そういう保証を求めない融資というので、それなりの金額を頂けると非常にありがたいんですけど、それはできる場合もありますけれども、それが難しい場合もありますので、できるだけそういう協力をしていただけると非常に助かるかなということであります。
 金額の大きなファンドは、やはり地元ではなくて、大きな銀行系のVCとかになるんですけれども、そこに関して言うと、やはり満期を迎えたときの条件といいますか、その期限も含めて、あんまり融通の効かないといいますか、満期を迎えたときには非常に苦しい思いをするので、そこら辺がうまく、もうちょっとこちら側のことを考えていただけるようなVCとかがあれば非常に助かるのかというのは、正直な気持ちとしてございます。
 それから、最初の2つの質問をちょっと忘れてしまったので。
【德増委員】  コア技術というのは先生がお持ちになって、もともとのこのCMOSセンサを始めたのかという、そこのところですね。
【ブルックマンテクノロジ(川人)】  もちろん、イメージセンサ、あるいは、CMOSイメージセンサの技術そのものは、特にCMOSイメージセンサに関して言うと、1900年代半ばぐらいから、徐々にCCDからCMOSに替わってきて、CMOSに本格的になってきたのが、2000年になってからです。なので、そういう元の技術というのは、もちろん我々がオリジナルではないんですけれども、そのときに、CMOSのセンサの価値を高めるための技術ポイントがいくつかあります。
 それは、1つはA/Dコンバータです。撮像部の隣に、非常に高性能のA/D変換器を1次元のアレイで並べるんですね。それの性能によってセンサの性能が支配されるという状況で、それに関しての、ほかでは持っていないサイクリック型という、非常に高速で多ビットも変換できる技術が知的クラスター創成事業の中で生まれて、それを技術のベースにして我々の会社を始めたところもありますので、そういうことが、例えば、1つのベースになっています。
 それ以外にも、センサはピクセルが重要で、例えば、グローバルシャッタというのが最近出てきていますけれども、当社、グローバルシャッタの技術で、非常にローノイズなものを、ソニーさんとかキャノンさんが最近出していますけど、それに先駆けて出しています。性能的には、もちろん、今のソニーさんとかが本気になると高くなっちゃうんですけど、ただ、先行できたという意味では、それを活用して、非常にローノイズの高速センサというのに成功しまして。だから、そういうCMOSのセンサに関するコアの技術を、新しいものをどんどん開発して、それを事業化しているということではあると思います。
 一番最初のご質問をもう一度よろしいですか。
【德増委員】  一番最初、これはもう本当に素人の話で、我々が持っているカメラのCOMOSのセンサと今の8Kのセンサって、どれだけの差があるのかなという、これは本当の基本的な話で申し訳ない。
【ブルックマンテクノロジ(川人)】  8Kって33メガなので、例えば、最近携帯電話なんかでも、20メガとか平気で載っていますから、20メガと33メガと比較をしたときに、そんな大きな違いというふうに、多分、そこだけ見ると思われないと思うんですけど、大きな違いは、120コマというところです。
【德増委員】  なるほど。
【ブルックマンテクノロジ(川人)】  120コマで33メガを出そうとしたときに、センサから出てくるデータレートというのが、4ギガピクセル/秒ということで、ビット単位で出すと、50ギガビット/秒ぐらいになります。それを仮に携帯電話に載せたとしても、もう消費電力的に合わないので、今の技術は、そのままでは載らないです。よっぽどのローパワー化するような技術が生まれない限り、センサは載らないというところです。それが普通の放送用カメラとか、そういうものでしたら、消費電力的にも、今、我々のところはかなりローパワーで2.5ワットぐらいかかるんですけど、そういうものは許されるという状況ですので、違いという意味では、そこが違うところです。動画として出せるかどうかということです。
【德増委員】  なるほど、分かりました。ありがとうございます。
【須藤主査】  どうもありがとうございました。時間の関係もありますので、次に進めたいと思います。
 それでは、続きまして、セーレン株式会社の野形様、御発表をお願いします。
【セーレン(野形)】  セーレン株式会社研究開発センター事業管理部長代行の野形と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ではございますけれども、当社、地方の民間企業の声ということで、一言申し上げたいと思います。
 まず、頂いたお時間半分以上を使うかもしれませんけれども、当社は一体何者かということを、御説明させていただきます。当社、創業明治22年、西暦で言いますと、1889年ということで、129年目の歴史がある会社でございます。資本金は175億ということで、中小の分類ではございませんけれども、まだまだ地方の小さな会社でございます。事業内容は、繊維製品の企画製造販売とございますけれども、主要な業種は、やっぱり製造業ということでございます。今現在、下に書いてあります数字、連結ベース、グループ会社トータルでございますけれども、6,000名の従業員、それから、売上高では、連結で1,000億の規模でございます。
 おかげさまで、世の中の景気の具合と連動いたしまして、このような数字になってございますけれども、事業内容は、売上の半分以上が車輌資材でございます。これは、自動車の座席のシート、それの表の皮の材料、表皮材と言いますけれども、皆様が一番最初に触れられる一番外側の素材、これを多く作ってございます。残り4分の1がハイファッション、これは御想像のとおり、いわゆる身に付けるものでございます。これが当初は多かったんですが、今は4分の1程度になってございます。そのほか、いろいろなエレクトロニクス、メディカルなどの新しい分野が少々あるというような構成でございます。
 当社は、ここ北陸の福井県、ここが創業の地でございます。そのほか、東京、名古屋、大阪をはじめ、支店や支社、営業所などございますけれども、これは日本中のお客様に対応するために、それぞれ拠点はございますが、ここにお示ししましたとおり、製造関係の工場、あるいは研究開発の拠点、こういったものは今、全て福井県に集中してございます。これがいいのか悪いのか分かりませんけれども、今現在は、このような体制でございます。なおかつ、今、ここ、坂井市三国町といいます。東尋坊で有名なところでございますけれども、そちらに約12年前、2006年、新たに研究開発の拠点、投資して建ててございます。
 簡単な歴史でございますが、皆様御承知のとおり、繊維産業、かつては日本を支えておりましたけれども、80年代後半、ほかの会社さんと同様に、非常に苦しい時代を迎えてございました。そこを脱するために、我々としましては、「変える」とか「直す」とかではなく、もう革命というような意識づけで事業活動を進めてまいりました。
 その一つに、ほかの産業では当たり前だったかもしれませんけれども、特に我々が携わっていた繊維産業、結構おかしなといいますか、商慣習なども含めまして、今振り返れば、いろいろ不具合がございました。そういったものを変えていくために、当社、このような5つの経営戦略の下に、事業展開を進めてまいりました。この中のいくつかを申し上げたいと思います。
 まず、ビジネスモデルの転換ということでございます。特に我々が関係していた繊維産業の中でも、いわゆる川上から川下というような製造業の流れの中の“川中”の部分、その中は、いわゆる下請加工、賃加工と申しまして、お客様から大切な原材料をお預かりいたします。それに我々が加工して、またお客様にお返しすると。その加工した分のお駄賃を頂くというような、そういう表現がされるんですけれども、そういったことでございまして、リスクは少ない分、言われたことだけやっていればいいというようなことでしたが、世の中の流れにすぐ翻弄されてしまうというようなことでございました。
 それに対しまして、やはりものづくり、メーカーである以上、何を作るかというような企画の部分でございますね。それから、最終の販売の部分、そういったところも自分たちの手でやるべきではないか、やった方がいろいろ利益が稼げるのではないかというような考え方もございまして、新しいビジネスの体制を構築してまいりました。そのほか、世の中は当然IT化であるとか、日本だけではなく世界へというような動きも、当然同じように行っております。
 そのビジネスモデルの転換の一つの事例でございますが、これはアルファベットで書いてあるのは、Viscotecsといいまして、我々が作った造語でございますけれども、IoT・AI・ロボットで常識を変えていこうというような、ものづくりのシステムのことでございます。
 まず申し上げます。最初あります創業、例えば、繊維の加工の中で、ある工程の中の一工程だけを専門にやっているような会社さんというのが、特に繊維産業の場合、非常に多うございます。そういった中で、我々も昔はこの部分、藍染めなどあるような、いわゆる染める、染色、そういったことを中心にやってございました。それから、事業を、その前後工程、織物や編み物を作る、そういう工程、それから、最終のミシンで縫製するような、こういう工程も含めて、グループの中で築き上げ、2005年、旧カネボウさんの繊維関係の事業もグループの中へ取り込みまして、糸作りから最終の製品まで一貫して製造、生産できるような体制になりました。なおかつ、このものづくりの面だけではなく、自分たちで企画して、お客様へ提案して、そして、ものを作って自分たちで販売していくというところまで対応するようにしてまいりました。
 それが、例えばですけれども、このような、実際これは、ようやく3年ぐらい前に自前のショップを作ったんですけれども、お客様に御来店いただきまして、タブレット上でお客様のお好みのデザイン、色柄などをお選びいただきます。そして、お客様のお気に入りが見つかりましたら、そこから御発注いただきまして、当社で染色、最終の縫製まで仕上げまして、今現在ですと、御注文から3週間ぐらいで御自宅にワンピースが届くというような、こういった新しいシステムを開発いたしました。
 今、ファッションの事例で申し上げましたけれども、そのほか、先ほど申し上げましたような様々な事業分野に今の考え方を展開いたしまして、我々、考えているのは、お客様が欲しいものを、欲しいときに、欲しいだけ御提供するというようなものづくりを目指していこうというふうに進んでおります。
 今、ここのViscotecsのことを申し上げましたけれども、この円の外側、いわゆる事業セグメント別でございますね。ファッション、自動車関係ございます。この円の中心には、お手元の資料でも見えないと思いますが、いわゆるコアコンピタンス、繊維関係の技術のことが書いてあります。そこから派生する加工技術であったり、製造技術というものが広がっていき、最終製品につながっていますよと、こういったものを模式的に表した図でございます。ここで申し上げたいのは、いろいろな事業展開してまいりましたけれども、コアの技術、繊維に関わるような高分子だけではなく、染色技術であるとか、色を見分けて、ちゃんと決まったとおりの色に染め上がったかどうかを判定するような、そういう色彩関係の技術など、いろいろございますけれども、そういったものに軸足を置いてものづくりをしているということを表現しようとしている図でございます。
 あと、事業内容をもう少しだけ御紹介いたしますと、車輌資材と申しますが、このようなシートの表皮材、ファブリック調、モケットとかベロアみたいなものも御想像いただけると思いますけれども、それ以外にも、合成皮革、天然皮革、そういったいろいろな素材を扱ってございます。それから、ここに膨らんでありますエアバッグ、あれも布、繊維でできておりまして、これも一部当社で製造してございます。
 それから、ファッションですね。これは御覧のとおり、様々なものがございます。いろいろなアパレルブランドさんとか、スポーツブランドさんへテキスタイル販売というような形でもございますし、先ほど御説明したような、自分たちで小売店も運営して、直接消費者の方に御提供するというようなことも進んでまいりました。
 それから、こちらはエレクトロニクスということで、繊維とエレクトロニクス、どういう技術がキーになっているかと言いますと、繊維と金属の複合ということで、合成繊維、ポリエステルとか、ナイロンとか、そういうものに金属メッキをいたします。そういう加工技術が確立できましたので、それを使いまして、金属メッキを行った繊維で、このような導電メッシュとか、ガスケット用の導電材というような、通電材料とか、電磁波シールド材とか、そういった用途で御採用いただいてございます。
 そのほかの事業分野、スケールは小さいんですけれども、環境・生活ということで、このような住宅関係の資材、あるいは、土木関係の資材、インテリア関係の資材、よく見れば、繊維でできているかなというものがちらほらあると思いますけれども、そういったものにいろいろ御採用いただいてございます。
 それから、メディカル。繊維関係の会社がメディカルです。これは、1つの切り口が、当社、もともとシルク、絹織物を扱っておりました。この絹糸ですが、実は、外側のタンパク質というのは、ふだん皆様がお召しになられるような洋服の素材になるときには、取り除かれてしまっているんですね。洗い流されております。ところが、今まで一所懸命洗い流していたシルクのタンパク質が、中にいる蚕さんを守る機能があるということで、言い換えれば、保湿作用があったり抗酸化機能があるというようなことがいろいろ分かってまいりました。これは後ほど説明いたしますけれども、当社の力だけではなく、大学の先生方、あるいは、周りの研究の皆様のおかげで、そういった機能が分かりまして、それを配合した化粧品というようなものを、自分たちで自社ブランドとして立ち上げて製造販売するようになりました。あと、このような医療関係への試薬関係にも発展してまいりました。
 ここからは、ようやくですけれども、地域科学イノベーションの事例ということで、まず1つ、我々の事業の1つ、エレクトロニクス関係で申し上げますと、こちらは文科省さんの都市エリアの連携促進事業の発展型ということで、福井まんなかエリアということで、これがちょっと古いですけれども、約10年以上前のものでございますが、こちらは我々の福井県の福井県工業技術センターさん、若狭湾エネルギー研究センターさん、それから、原子力機構さん、こういった皆様のほか、福井大学さん、このような公的機関のほか、地元の企業が中心となった連携の中で、いろいろな材料を開発させていただいた事例でございます。これで、我々としましては、先ほどの金属メッキの加工技術、この辺についていろいろ御教示いただいて、いろいろ御支援いただきました。
 それから、メディカル関係で申し上げますと、これはJSTさんの地域イノベーション創出、重点地域研究開発推進プログラム、こちらの育成研究のところで、こちらもちょっと古いですけれども、このような事例がございます。こちらは、イノベーションサテライト滋賀、それから、福井大学さんと当社というような構成でございまして、図は小さいですけれども、先ほどあったような研究で使うような細胞の培地の実用化まで成功させていただきました。非常に御支援ありがとうございました。
 こういったことで、我々、数は少ないながらも、いろいろ地域の皆様と連携してイノベーションを進めてまいりました。今ここに3つのこの委員会の論点のことについて、簡単ではございますが、申し上げたいと思います。
 まず1つ目、「地域」の捉え方ということでございますけれども、おっしゃられるとおり、やはり行政区画のような「境界」、例えば、福井県とか、福井市とか、そのような区画に縛られる必要は、当然ながらないだろうということは感じてございます。今申し上げた2つの事例、福井大学さんはじめ、地元の公的機関のお名前が挙がっておりましたけれども、例えば、シルクタンパク質の研究で申し上げますと、具体的には、差し支えない範囲内で申し上げますけれども、例えば、広島大学の先生、あるいは、九州地方の大学の先生とも、いろいろ共同研究をさせていただいてございます。そういった意味で、どうしても何か県内でやるとかいうようなことは、我々は考えてはございません。
 それから、もう一つ、地域が行う意義ということでございますけれども、特に我々、製造業という立場でございます。地域科学イノベーションによりまして、当然、ポテンシャルを引き上げていただいて、国際競争力を高める。やはりどうしても日本市場が縮小してまいりますので、作り上げる商品、製品、どうしても世界をターゲットにしたものというのが当社の考えでございます。それに合致するように、国際競争力も含めた製品作りということは、是非ともこれからも進めていきたいなと考えてございます。
 それから、3番目、地方創生における位置づけということでございますけれども、これは大学の先生などのシーズ、あるいは、私どもや、その先のお客様などのニーズ、その両方の作用、どちらか一方がということではなく、両方あって、そういうイノベーションがあり、地方創生は推進されると。これは私どもも、先ほどの日本地図にありましたとおり、全国各地、いろいろなお客様がございます。そういったところからニーズを吸い上げて、確かにものづくりは福井県で行うかもしれませんが、また出ていく商品が日本各地へ行く、そういう見方をしておりまして、その観点から言えば、そういった流れの一つで地方創生ということも進んでいけるのではないかと考えてございます。
 あと、僭越ではございますけれども、いろいろ周りの皆様に期待することということで、ちょっとだけ申し上げたいと思います。
 自治体関係、特に福井県、あるいは、県の中にある公設試、そういったところで、特に福井県の場合、人口規模も小さい、少ないということで、非常に小ぢんまりとしたところでございます。ある程度関係企業も数が少ないということもございまして、非常に連携が取りやすいところではございます。その中でも、より自治体の方のところで、いろいろリーダーシップを取っていただいて、産業、企業関係をまとめていただくというようなこともある程度やっていただければなと思いますし、福井県で言いますと、工業技術センターのような公設試、そこにいろいろな評価装置とか試験装置というものがございます。そういったものを、いろいろな企業関係、今もいろいろオープンに開放していただいていますけれども、それは是非とも継続していただきたいなと思ってございます。
 あと、大学の関係の皆様でございますけれども、当然ながら、日頃いろいろな研究をしていただいてございます。そういったものの情報を、我々民間企業に是非ともいろいろ幅広く頂きたいなと。
 それから、ちょっと観点が違うかもしれませんけれども、人材、若い研究者の方を育てていただきたい。ただし、これは誤解を生じるかもしれませんけれども、一定の専門分野を極めていただくのはいいんですけれども、企業としましては、いろいろな方面で活躍していただきたいというような思いもございますので、幅広い基礎的なところも十分身に付けていただいた方というのが、より将来を担っていただける人材になるのかなというような思いがございます。
 あと、最後でございますね。国に期待することということで、今まで御支援いただいたような事業というのは、当然ながら、継続してお願いしていただきたいと思います。
 また、これはなかなか言いにくいかもしれませんけれども、いろいろ資金的な部分、ある程度自由裁量といいますか、いろいろ予算の関係もあることは承知してございますけれども、背景などがある程度一つの目的に合致していれば、細かい流用なんかも認めていただけると、非常に利用しやすいなというような感想がございます。
 いろいろ申し上げましたけれども、私からの発表は以上でございます。御清聴ありがとうございました。
【須藤主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの発表につきまして、何か御質問ございますか。
【林委員】  林と申します。よろしくお願いします。
 セーレンさんは、繊維産業というと斜陽だと言われた時代から、かなりユニークな形で活躍されて、今のセーレンがあるんだと思います。いくつかスライドで拝見していて、例えば、連携先、特に福井にこだわることはない、必要であればほかの地域でもいいじゃないかという、企業としての事業をやっていく際の当然の判断もされていると思いますが、一方で、創業の地、あるいは、生産地として集中していらっしゃると思うんですが、福井県という地元とどういうふうにやっていくか、こういった活動について、何か特別の活動をされているんでしょうか。また、それをやるときには、社内的には、直接すぐに利益が出るのかとか、そういったことに対してそれなりのチャレンジがあったりするのではないかと思いますが、ここら辺のことをどういう判断で経営とされているのかなというのをお伺いしたいんですけれども。
【セーレン(野形)】  まずは、福井県の地域に集中しているようなところは、先ほど、私、申し上げましたけれども、一方で、当社の経営トップは、これはこの場で申し上げてもいいかどうか、福井県の県民性と申し上げますか、結構そこにも価値を見出しているといいますか、ばかにしているわけではなくて、忍耐強いとか我慢強いというような、そういったこともあるのか、割と地元の福井に対して中心的にやっていこうというスタイルは一つございます。
 ただ、とはいえ、その中で閉じこもっていては、本当に井の中の蛙ではございませんけれども、何も分からない。やはり外へいろいろ出ていって、いろいろな情報は頂いて、うまく応用して展開しようというような考えではございます。
 あと、いわゆる経営判断と申しますけれども、新しい、先ほどの事業セグメントの非常に売上の小さい、まだまだ成長過程のところは、やはりあれは執念というところも一つございます。当然、会社の事業でございます。やるからには、いつ、どのぐらいのリターン、成果が出るか、これはある程度根拠のある何らかの数字を出した上で承認いただくんですけれども、基本的には、やり出したからにはとことんやれというような、そういう指示もある意味ございます。
【林委員】  ありがとうございました。
 地域のイノベーションのエコシステムをあちこち見ているんですけれども、やはり自治体の参画、大学の技術、と同時に、地元企業さんの地元へのコミットメントというのが、非常に成功要因として大事だと思うんですね。おっしゃっていただいたように、そういう形で、ある程度経営トップから思いを入れて、かつ、やるんだったら引かないという覚悟を持っていらっしゃる。なかなかすばらしいモデルだと思います。ありがとうございました。
【須藤主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、時間が過ぎていますので、この辺で御発表を終わりたいと思います。川人様、それから、野形様、御発表ありがとうございました。
 それから、続きまして、議題2に入ります。議題2ですけれども、この第9期地域科学技術イノベーション推進委員会におきまして、毎月一回のペースで議論を行って、約半年が経ってきています。これまでの本委員会での議論、あるいは、ヒアリングの内容につきましては、前から出ていますけれども、資料2-1として、事務局で整理して取りまとめていただいております。
 今回、新たに資料2-2、2-3に、中間とりまとめ(案)が作成されています。そこで、まずこの資料につきまして事務局から説明してもらって、その後、議論したいと思います。お願いします。
【生田室長】  それでは、まず資料2-1を御覧ください。こちらにつきましては、前回同様、毎度委員会で皆様方からいろいろな御意見いただいておりますので、それを備忘録的に取りまとめをさせていただいているものでございます。
 特に前回、第5回の委員会は、神戸市さんと金沢工業大学さんの方からヒアリングをさせていただきました。ページをめくっていただいて、大体4ページ目、5ページ目のところなんですけれども、主なトピックスというか、当日の議論として出てまいりましたのは、持続性のところでございまして、産学連携をする際に、産業界の方には当然製品という形で残ってはいくんですけれども、大学側に組織としてその成果を何で残していくのか、そんなようなことが御議論されていたかと思います。
 さらに、6ページ目のところでございますが、いろいろ地域で技術開発が行われていくんですけれども、特に神戸市さんの方からお話があったように、あそこは医療産業都市ということで、ライフサイエンス分野にかなり特化しておりました。そういった形で、国際的に国際競争力を高めるためには、総花的に終わらせないためにも、戦略的なメリハリを付けていく。メリハリを付ける際には、厳しい評価というのもやっていくことが必要なのではないか、そのような御議論がなされていたかと思います。
 あと、おもしろい話としましては、金沢工業大学さんの教職共同。大学が組織全体として統制が取れている要因の一つとして、私立大学ならではの様々なマネジメントもあるかと思うんですけれども、それに加えて、これは6ページ目の四角囲みの下のところに金沢工業大学と書いてございますけれども、「教職員が、教員も職員も両方が建学の精神を共有して、教職共同が成り立っている」、そのようなお話もあったかと思います。
 さらに、飛んでいただいて、8ページ目のところでございます。ここも金沢工業大学さんのヒアリングの中であったのは、全寮制の国際高専、これは今年の4月から開設したというお話がございまして、そこでまさに大学院まで一貫したグローバルイノベーターの育成をされていると。これによって、地域のニーズ把握を学生さんと地元が一緒になってやっていくというような取組がなされているというお話がありました。
 今説明申し上げました資料2-1というのが、まさにこれまで1回目から5回目、委員の方々から頂いたコメントをある程度整理させていただいたものでございまして、本日は、これをベースとした資料2-2、資料2-3として、中間とりまとめ(案)を提示させて頂いております。
 先に、資料2-3、これが本体の方なんですけれども、次のページ、目次を見ていただきますと、ここで「はじめに」と「終わりに」の間に、1から4の章立てで分けさせていただいております。この章立ては、先ほど説明いたしました資料2-1の論点の整理の仕方と同じような形で章立てをさせていただいております。
 第1章のところは、先ほど来出ておりますように、地域の捉え方ですとか、地域自身が科学技術イノベーション活動を行う意義・目的、そして、地方創生の中での科学技術イノベーションの位置づけといったものを、第1章で記載しております。
 そして、第2章のところは、事例からの教訓という形で章立てをしておりますが、(1)は、これまでの歴史を振り返って、(2)では、ある意味大きなポイントとなるような事項、キーワード的なもの、エコシステムの形成の在り方ですとか、中央政府と地方政府の関係ですとか、そのようなことをここで取り上げさせていただきました。
 第3章は、このタイトルのとおり、現状及び課題を4つの分類で分けて書いておりまして、続けての第4章は、そういった課題の解決に向けて、今後期待されること、このような形で内容を書かせていただいております。
 なお、本体を説明しようとすると結構分量がありますので、今日は便宜的に、資料2-2ということで、ざっくり抜粋をした形で概要を作らせていただきました。こちらでもまだ5ページあるんですけれども、こちらをベースに少し説明をさせていただきたいと思います。
 まず資料2-2の1ページ目でございますが、こちらの方は、先ほど来申し上げましたように、基本的な方向性、そもそも論のところを記載しております。書かれている内容は、特段新しいことはございません。要は、地域を捉えるときには、従来のような行政区画ではなくて、ある意味主体をベースとして捉えるべきではないかという形で書いております。
 なお、ここでちょっと新しい用語なんですけれども、ABCという形で、その捉え方の呼び名として、これは一案なんですけれども、Actors-Based-Community、要は、主体がベースとなるコミュニティ、そのような形で命名させていただきました。もちろん、これについても御議論があれば、御意見いただければと思っております。
 次に、(2)のところは、意義・目的。これは地域が科学技術イノベーションを取り組む意義・目的について、いわゆる豊かさであるとか、幸せである、そういったものを感じながら、持続的発展をもたらす、そのために必要だということで記載しております。
 (3)のところの地方創生の流れにおける位置づけでございますが、これは従来からも、当然、地方を創生していく中においては、STIというのは重要ですけれども、昨今、これだけの将来予測が不可能な、変化が激しい局面下だからこそ、余計に科学技術イノベーションを必要不可欠な「起爆剤」として操っていくことが必要ではないか。そして、それだけ重要なSTIだからこそ、関係府省が、文科省だけと言わずに、連携した上で、多様なアプローチをしていく必要があるのではないか。このように書かせていただきました。
 続いて、第2章、2ポツのところでございますが、こちらは事例からの教訓でございます。
 (1)のところは、要は、歴史の振り返りでございまして、ここは少し説明を割愛させていただきますが、平成7年の第1期の基本計画の時代から、次の2ページ目にわたっていただきまして、現時点の第5期の科学技術基本計画で、主にどのような事業をどのような背景で立ち上げてきたか、そのようなことを、概略をここで記載させていただきました。
 そして、(2)、このような事業を様々展開してきました中で、そして、本委員会で皆様方から頂いた意見をベースとしまして、(2)のところに、主な教訓ということで、3つのカテゴリーで書かせていただきました。
 1つ目は、エコシステム構築の在り方でございます。ここに記載がございますように、要は、エコシステムを作るに当たっては、多くの人がそこに集まる動機づけ、インセンティブをどのように与えることができるか、これがキーファクターではないかという御議論があったかと思います。例えばですけれども、企業の集約に当たっては、当然、そこにお金の匂いがすることですとか、もしくは、基本的にはシーズの供給源である大学側、これを単なるコストセンターではなくてプロフィットセンター化していく、そのようなことで、産学連携の成果を大学側にもきちっと残していく、そういう視点も必要ではないかとか、もしくは、どこかのタイミングで資本性の資金導入も必要ではないか等々の御議論があったかと思います。
 2つ目のポイントとしましては、戦略的不平等を起こし、要するに、地域内だけに留まらなくて、いろいろな最適な要素を外から積極的に取り入れていくという考えですとか、もしくは、一地域の中で総花的にならないよう、メリハリをつけて特化させていく、こういったことも必要ではないかということを、ここで記載させていただきました。
 2つ目のポイントとしては、エコシステムの種となる出発点としてなんですけれども、これはシーズプッシュ、ニーズドリブン、いろいろやり方はあるかと思いますが、スタートアップというやり方と、それだけではなくて、地域の地元の企業をイノベーションで新生させる第二創業型方式、そのような形もあり得るのではないかということを、ここに書かせていただいております。
 3点目のポイントとしては、中央と地方との力バランス、これは言うまでもございませんけれども、国がどこまでやっていくのかということは、世界の事例も見てみますと、地方が結構頑張っているところもございますが、そういう世界の事例も見ながら、成功事例のどこを取り入れて、どこを日本のオリジナルとしていくのか、今後戦略的に進めていくことが必要とまとめさせていただいております。
 そして、次からが、第3章の置かれている現状、課題を記載しております。ここも4つの分類に分けております。
 (1)のエコシステムの形成のところでございますが、1点目のところは、要は、科学技術イノベーション活動というと、地域で当然シーズ志向というものが先行しがちであります。であるがゆえに、地域の住民にとっては、科学技術活動なんて多分すごく遠い存在ではないか、これが課題ではないかと思っております。そういった観点に対して、共通の目標を設定した上で、イノベーションサイクルを回して、成功事例を積み上げる、そういうことが重要ではないか。
 さらに、イノベーション活動というのは、成果が出るまでに時間がかかるものでございますので、自治体の限られたリソースだけではなくて、国や民間企業の一定投資が必要なのではないかと記載させていただいております。
 さらに、持続性という意味では、昔から行われております工場誘致のような工業社会型の地域振興だけではなくて、知識社会型のクリエイティブな地域振興、こういったことも今後期待されるのではないかと書かせていただいております。
 また、先ほどございましたように、産学連携の経験を大学の組織としてどう残すかといった意味合いにおいて、やはり大学の使命でございます教育という観点からも、ビジネスの視点というものを若手の学生にどう継承していくか、こういった観点があるのではないかと記載しております。
 広域連携、これもいろいろ御議論あったかと思います。そもそも地域間の広域連携による成功事例は余り多くはないのではないかと考えておりまして、これに対して、国内外の連携によるイノベーションモデルの在り方については、今後検討していくことが必要ではないかと思っております。
 (2)のところ、これはマネジメントの観点に関する現状や課題を書かせていただいております。
 1つ目のところは、地域の大学は、社会実装の出口イメージが描けないということ、もしくは、地域の企業、特に地方になればなるほど、中小・零細の企業が多いですので、日々の生産活動に追われてしまい、新しいシーズ探索の研究活動までは当然手を伸ばす余裕がない。そのような中では、逆に、自然発生的に科学技術イノベーションということを地域で求めるということよりは、やはりうまくそれをマッチングさせていくようなマネジメント、もしくは、そのリーダー、そういったものが必要ではないかという形で、ここは書いております。
 (3)のマネタイズのところでございます。これはもう言うまでもなく、「金の切れ目が縁の切れ目」と言われておりますので、どのような形で活動をストップさせずに自立化をさせてくかというのが、今後の検討課題ではないかということでまとめさせていただきました。
 続いて、4ページ目、これは人材の部分でございます。これも言うまでもなく、様々、本委員会でも議論ございましたが、やはり地域においては、コーディネーターも当然少ないですし、人材輩出が喫緊の課題ではないかと。
 今後の時代の中では、やはり「ことづくり」ができる人材、そして、イノベーション創出を担うことができる人材、このような人材をどう育てていくか。そして、さらに、人口減少に対応していくためには、地元の定着率の向上も重要ですし、ただし、それだけではなくて、地域の外からいかに人材を流入させてくるか、そういった取組も同時に必要ではないかということで書いております。
 そして、役割分担のところにつきましては、基本的に、先ほどの発表の中にも、自治体さん、大学さん、企業さん、様々な役割分担を書いていただいております。それについては、当然ながら、重複する部分もあるかと思っておりまして、そこをどのように地域全体としてマネージし、共有化していくか。
 そういった意味合いにおいては、未来ビジョンを、地域の将来を担う若者中心のマルチステークホルダーで定めていく、そういったことも期待されるのではないかという形でまとめております。
 そして、最後の第4章のところでございます。今度は、課題解決に向けて、国及び地域に期待されるところでございまして、(1)のエコシステムの形成については、まず「変わっていくこと」への受容性が重要ではないか。それから、地域のやりたいこと、地域のできること、地域に求められることの3点をいかに調和していくか、それも重要ではないか。
 そして、国がどこまで支援していくべきか、国の関わり方、これについては慎重に検討することが必要であるとまとめております。
 そして、広域連携については、やはりなかなか地域、自治体自身でやってくださいと言っても限界があるのではないかと考えられるため、それを訴求する際には、国が一定程度サポートというのは必要なのではないか。
 また、地域が保持する既存の強みをいかに高めていくかという観点におきまして、世界に発信・展開する、これも当然あるかと思いますが、逆に、その強みを目立たせて、国内外から中に取り込んでいく、そういったアプローチも期待されるのではないかと書いてございます。
 (2)、これはマネジメントのところでございますが、「社会実装」の成功に当たりましては、チームメイキングの側面、それと、やはり意識改革の側面、その2つが欠かせないのではないか。
 そして、成功に向けては、何かしらの分かりやすい共通言語をベースとして、一体的にプロジェクトを進めていくということもあるのではないか。
 そして、その成功の可否を定める指標に関しては、必ずしもお金の経済的価値観だけではなくて、社会的価値観も含めて総合的に評価していくことが必要ではないかと書かせていただいております。
 (3)のマネタイズ、ここについては、言うまでもない話ですけれども、ある程度息が長い、そして、中長期的な取組が必要であって、地域の企業をエンジンとして、うまく富の循環を引き起こす施策を打っていくことが必要であるとまとめさせていただいております。
 そして、最後の(4)人材の確保のところでございますが、ここは特に地域の大学における教育と研究をいかに一体化させてイノベーションを生み出す仕組みを作れるか、これが重要ではないか。さらに、地元定着率の効果を図っていくためには、大学生だけではなくて、地域の高校生も積極的に巻き込んでいく、そのようなことも期待されるのではないか。
 そして、イノベーションを起こしていくためには、リーダーの存在が当然必要不可欠でございますが、それだけではなくて、やはり地域全体、コミュニティ全体の意識を変えていく。そのために、全体としてのイノベーション人材力の底上げを図っていくということも求められるのではないか、このようにまとめさせていただいております。
 以上、長くなりましたが、説明は終わらせていただきます。
【須藤主査】  どうもありがとうございました。
 今説明してもらった中間とりまとめ(案)でございますけれども、来月末に開催予定の、この委員会の上位部会に当たります産業連携・地域支援部会にて、中間まとめとして報告する予定です。ですので、その辺を少し頭に置いて、本日議論していただきたいと思います。
 議論する時間が残り45分ぐらいですので、まとめてやりたいと思いますけれども、今説明してもらった資料2-2が中心になると思います。これが概要版です。第1章は基本的な方向性、第2章が事例からのいろんな教訓、第3章が現状及び課題、第4章が課題の解決に向けた国・地域に期待することというふうになっていますので、やはり一番議論したいのは3章と4章になると思いますけれども、どこでも結構ですので、御発言願いたいと思います。もちろん、先ほどのお二方の発表についての御意見でも構いません。
 じゃ、西村先生、お願いします。
【西村委員】  ちょっとリアルに、このことに関係するかどうか自信はないんですけれども、先ほどの静岡の事例、先生の事例を見ながら、アメリカと比べて、資金力がばっと少ない中で、孤軍奮闘みたいにして、大学もそんなに関わっていないだろうなと見ながら、先生の研究所で引っ張ってきたのかなとちょっと見ちゃったので。そうなると、どうしてもゼロから何かを作っていくということに、イノベーション的なことを地域にあんまり求めるのもちょっと酷かなと思ったので、当然、ゼロから作っていく大学発ベンチャーも重要なんですけれども、ここにもありましたけれども、第二創業的なところにいかに地域の大学を巻き込みながらやっていくかというのは結構重要かなと思っていて、あくまでもイノベーションを起こすとなると、申し訳ないですけれども、ごっこではだめで、最終的にその地域が社会構造も含めて変わっていくぐらいのインパクトがなければいけないとしたら、地域にあるリソースを最大活用していくことが、磨き上げることが重要だと思うんですね。
 そうすると、当然、大学から出てくる技術をどう活用するかという、1つのやり方の中に地域のリソース、2つあると私は思っていて、1つは、地場の産業があるということは、その企業を土台とした再生みたいなことというか、最大活用的なことですよね。もう1点は、経営者層の教育が結構重要かなと思っていて、私たちはずっとやっているんですけれども、100人ぐらいの経営者を私の方でずっと教えて、彼らがいろんなことに気づき始めて新しい取組をするという、地域経営者のリカレント教育というのは割と効いてくるのかな。それが最終的に第二創業につながるところの爆発力が、今までの経営の延長上ではない、新しい融和のような、新しいビジネスが出てくるんですよね。だから、そういう雰囲気を作っていって、地域のリソース、何で企業をベースにするかというと、リアルな闘いをしている人たちに、世界に向けてなのか、次の時代に向けてのリアルなビジネスを考えさせるというところで、結果が全て客観評価になるのでいいのかなと思っています。
 すみません、うまく話がまとまったかどうか分からないんですけれども、ここにあったような第二創業的な地域のリソースを使うときに、経営者のリカレント教育的なこともできないのかなとちょっと思ったというのが1つになります。
【須藤主査】  ありがとうございました。お願いします。
【加藤委員】  私は、ゼロからいろいろイノベーションというか、新しい事業を起こしているので、その過程で、ここにすっかり抜けているなというポイントが1個あって、是非追加していただきたいなと思っています。
 うちの会社、何か起こすのに、私のアイデアないし社員等のアイデアで生まれた事業を、大体大企業さんに資本投下してもらって続けることはできているんですけど、そのときに、人材とお金という意味で、ラッキーだった点と、意識した、半々だったと思うんですけど、大体毎週どこかの新聞に当社の名前が出ているというのは、結構始めて2年目ぐらいから、振り返ると、ずっとそうかなという気はしています。それぐらい、しつこいぐらいいつも出ていると、人もお金も勝手に寄ってくるという結果につながるので、せっかくすごくいいことがあったり、いいシーズがあっても、もちろん、私、静岡なので、御社のことは存じ上げていますけれども、なかなか広報がうまく伝えられないと、人が広域から集まってこないというのがあると思います。
 それは大企業であっても同じで、浜松のS自動車なんかも、今、人材が確保できないなんて困ったりしていますけれども、そういう大企業さんであっても、わくわくすることとか、何かチャレンジしている感じを出していかないと、優秀な人が来ないというところは中小だけではなくなってきているので、そういう意味では、伝えるというところにもきちっとお金をかけないと、なかなかうまくヒト・モノ・カネは回っていかないのではないかなというのがあるので、この辺、何か文言を加えていただけるといいかなと思います。
【須藤主査】  今のは、どの辺、何章あたりなんですかね。
【加藤委員】  ちょっと分からないですね。持続可能性のところとか、人が入ってこないとか、定着とか、流入とかは、見せ方にかなり依存しますね。
【須藤主査】  そうですね。広報の活動ですね。
【加藤委員】  そうですね。
【須藤主査】  ありがとうございました。
 西村先生の最初の話は、どの辺をイメージされて。余りそれは関係ないですか。
【西村委員】  リーダーとか、あと、マネタイズにも関わってくる。
【林委員】  高校生育成とかも書いてあったけど。
【須藤主査】  一番最後の方ですかね。
【林委員】  それプラス、そういう経営レベル。
【西村委員】  リカレント教育というのは、ちょっと中途半端な言い方をしたんですけど、私たち、大学院を作って、博士課程を作って、地域の社長たちに博士を取ってもらおうということを結構進めていて。要は、地域の経営者自身の考えるグローバリズムというのかな、発想力を上げてあげるだけで大分変わってくるということと、あと、地域内の経営者同士があんまり知り合いじゃないんですよね。普通の商工会のようなものとか、商工会議所のようなところであるようなロータリークラブの集まりなんかでは、あんまりそんなこと話しないんですよね。だから、青臭く自分たちの会社のことを理解しながら夢語ろうやという場が実はあんまりないんで、大学というのは、そういう、この地域を支えていく若手経営者たちが切磋琢磨して議論するような場にもなり得るかなと思って、そういう意味のリカレント教育ということが私は重要なのかなと思っています。
【須藤主査】  ありがとうございました。金子さん、お願いします。
【金子委員】  この資料の中にも入っている点だとは思いますが、成果に関して教育として視点をもう少し書き込んでもよいような気がしました。例えば、出口戦略を非常に意識した研究者であったり、大学にいるときに何かを起こせなかったかもしれないけれども、その後企業に入りイノベーションの意識を持ち事業を起こす、さらには、マネジメントになったときに、そういうものを大事にするということも、1つの大きな成果ではないかと思います。おそらく、川人先生のゼミの学生さんの意識というのは、やはりほかのゼミの方と違ったりするのではないかと思いますが、いかがでしょうか。少し長期的な視点にはなってしまいますが、大学が果たせる役割として、文科省が果たす役割として、教育という観点を含めた指標も、もう少し丁寧に書いてもいいのかなという感じはいたしました。
 そして、もう一つは、セーレンさんのお話を伺っていたときに思いましたのは、地元の企業における優秀な人材の確保、特に、新しいものを起こそうという人材の確保というときに、大学と連携していくということがプラスに働いているのであれば、やはりそういう点も1つの大きな目標というか、成果にもなり得るのではないかと感じもました。意見と感想が混じってしまいましたが、少し盛り込んでいただけると良いと思います。
【須藤主査】  ありがとうございます。
【林委員】  よろしいですか。
【須藤主査】  どうぞ。
【林委員】  2点あるんですけど、1つ、これは科学技術イノベーションなんですけれども、出てくる多くの問題、課題は、実は、科学技術のところよりも、ほかのところにあるように感じます。ですから、この全体のスコープとして、文科省さんとして、それでよろしいんですよねということ。イノベーションの本質のところを探っていくと、やはり科学技術以外のところの課題を何とかしなければいけない。特に、人材育成になると、文科省さんのテリトリーですけれども、例えば、住みやすい、要するに、人材を集めやすい環境を作らなければいけないとかいうあたりになってくると、ちょっと変わってきますよね。というのが1つ。
 だから、ここで科学技術はどういう位置づけで、ここの中に書き込んでいくか。ある程度見ていくと、関係あるなと思うのは、どの地域が何を担えるのかという、コンピテンシーがどこにあるのかなということですよね。広域連携というような形で、強いところをつなげばいいんじゃないかとか、ここら辺が科学技術のところに関係してくるかなと思うんですけれども。先ほど御発表にもあったように、結局、なぜそこは強いんだろうというところをうまく理解した上で、じゃ、2か所に本当に投資するのか、あるいは、1か所に集中投資していくのか、ここら辺が結構微妙というか、玉虫色で書けば、いくらでも広域連携とか書けるんですけれども、もしもちゃんとやろうとしたら、もうどっちかを切る、どっちかに集中する、そんなことも必要になってくるのではないかなとちょっと感じています。
【須藤主査】  よろしいですか。
【林委員】  ですから、書き込むとしたら、そういったちょっと生々しいところを書いた方がいいかなと。広域連携と言うと、何となく玉虫色で終わっているような気もします。
【須藤主査】  はい。どうなんですかね。科学技術以外のところ、これ、最終的には、科学技術基本計画の中にうまく落とし込みたいんだと思いますので、そこにきちんと言わなければいけないと思うんですよね。だから、避けて通れないのではないかなと思いますけれども。
【生田室長】  地域の科学技術の政策を考えるに当たっては、最初の方でちょっと出てきましたけど、科学技術イノベーションを純粋に考えると、文科省だけではなくて、最近、地方創生という意味で、内閣府さんも事業をやっていますので、そことうまく連携、マッチングさせることで、多分、地域のまちづくりと、我々が持っているツールである科学技術イノベーションを組み合わせていくとか、そういうこともあり得るのではないかなと考えてございますので、ある程度そういうものも当然踏まえた上で、我々のSTI活動というのは乗っかってくるみたいな、そういうような報告書に仕上げていければなと思っております。
【須藤主査】  いかがですか。
【林委員】  ですから、どのくらい生々しい話が盛り込まれるのかなというのがちょっとね。例えば、本当にイノベーションのエコシステムが地方で、この分野はこの地方だよねというのは、大体分かってきているような気はするんです。そうすると、そこはなぜそれが強いかといったら、大学のコア技術が強いと同時に、強い会社さんが何社かあって、何かもう動いているよねというのがある。ですから、そういうところにちゃんと集中していくということをやらないと、ばらまきになってしまうような気がするんですよね。
 前期のエコシステム形成プログラムの場合は、どちらかと言えば、それを重視してがーっといったという背景がある。今回は、それをもう少し社会的な課題というふうになっていますが、それゆえに、そこはぼけてしまうと、よくないんじゃないかなと思うんですが。ちょっときつすぎるコメントですかね。
【生田室長】  ありがとうございます。まさに、最後の方に予算の説明で出てくる、今、そのことをちょっと匂わせたコメントを頂いたかと思うんですけれども。今までシーズをプッシュするというところから、ニーズをどうプルしていくかというところを考えるについては、やっぱり地域コミュニティを我々としてどう作っていくのかということも多分避けて通れないと思っていますし、そこの主な役割として、今まで我々は、どっちかというと、やっぱり大学を中心に考えてはいたんですけれども、大学さんだけではなくて、例えば、企業さんはもちろんですけれども、もっと金融系ですね。地銀さんですとか、そういったところともどう役割分担をしていくかというのを、まさに今回テーマとして取り上げようとも思っておりますので、書けるものは書いていきたいなと今の時点では思っております。
【須藤主査】  さっきの金子委員の話は、大学についての記述が少し足りないんですかね。ところどころに「大学は」というのは入っているんですけれども。
【金子委員】  印象としては、大学におけるここの意義といいますか、イノベーションを起こす、地域と連携したり、あるいは、企業と連携することの効果なりということを、もう少し大学における成果というか、大学でそういういろいろなことをやることによって、わくわく感でみんなが集まるということだったり、そういう人たちが育っていくということだったりということも、もう少し丁寧に書いてもいいのかなというような印象を受けたということです。
【須藤主査】  そうですね。ありがとうございました。
 じゃ、斉藤委員、お願いします。
【斉藤委員】 目的の少し下の箇所、社会課題や経済価値と書かれている文章について、色々な箇所につながるので、もう少し厳密に書いた方が良いと考えています。
 一般に、科学技術のブレークスルーという表現がされます。ただ、ブレークスルーといっても、過去からの変化が大きいと言っているだけで、世の中に対する価値の大きさはわからない。この議論を進めるために、学術的な価値(≒論文としての価値)という観点をいったん横においておけば、科学技術ブレークスルーの中で、社会課題を解決するような成果こそが、世の中に対しての価値が高いというのは直感的に理解できる。
次に、科学技術のブレークスルーを、社会課題の解決に現実に結び付けないと世の中に対しての価値は生まれない。その実現をより効率的かつ効果的にするために、資本主義の仕組みを使った方が良く、その資本主義の仕組みを最大限使えると、社会課題の大きさに応じての産業的価値が生じる。この大きな社会ニーズに裏付けされ、技術ブレークスルーと言う競争優位に下支えされた産業的な価値は、大きく持続的な価値を産み出す可能性がある。更に、社会ニーズに紐づく科学技術成果と産業的価値への転換を一過性でなく、持続的にやっていくためには、その価値の源泉を産み出す主体者である、例えば、大学、企業あるいは、地方公共団体が、そのプロセスにおいて、経済価値を獲得し、得た経済価値を次のイノベーション投資に振り向けなければならない。そうすることで、富の循環といわれる、イノベーションのサイクルが廻るようになる。これは、ひとつの考え方ですが、社会的価値と産業的価値と経済的価値がクリアに定義されていると、様々な議論が比較的うまく整理されてくるのではないか、と考えています。
 マネタイズの箇所について話をします。金沢工業大学さんの建学の精神で、教職共同とのお話をされていましたが、経済価値が大学にもしっかり生まれ、中長期的な研究活動が下支えされるためには、大学自身が、教育と研究という活動以外に、しっかりとお金を産み出すチカラ(企業で言うと稼ぐ力)がないといけない。現在、大学の主たる活動は、教育と研究といわれていますが、「財務(資金を捻出・獲得し、将来のために投資や再配分を行う)」という活動を明示的にマネジメントの対象にすべきではないか、と考えています。長期の時間軸で、大学が、社会課題を解決するような研究テーマから成果を出し、産業界の力を使って社会実装し、かつ、経済価値を大学が得て、将来の研究のための富の循環を果たす、というサイクルが、大きな財務活動だとすれば、それを経営の柱に明示的に据えることが必要なのではないかと考えているわけです。少なくともアメリカの私立大学、たとえば、スタンフォード大学などは財務活動をかなり重用していると感じています。
 国としては、「市場の失敗が起きているような領域にてこ入れしていく」というのはもちろんです。ただ、市場の失敗以外に、経済用語でいう「政府の失敗」が起きていることを認識しないといけない。いわゆる自由資本主義経済だけでは日本の国力を持続的に強化し続けることはできない。世界の主要国は、自由資本主義の活動に加えて、国家の力、すなわち、国家資本主義といわれるような活動を行っている。中国、シンガポール、アメリカであれ、国富をどう作っていくかという観点で動いている。その国家間競争で考えたときに、日本としてどの領域にフォーカスするのかという政策が必要。また、先ほどの大学自体もいわゆる公的機関の一部だとすれば、市場の失敗(市場原理としての機能不全が起きている)と同時に政府の失敗(国家間の競争に勝つという観点で比較した時に機能脆弱や機能欠落が起きている)が起きているはず。それをクリアに評価し、何をすべきかを設定し、打ち手を講じる必要がある。ある市場の失敗に対してはどういうふうに手当てをするのか、ある政府の失敗に対してはどう手当てをするのかということが組み立てられていると、政策的にも、より説明がしやすくなるはずだと感じます。
 ここで言及している「どこまで国が支援すべきなのか見極める」と漠然と主張するよりも、市場の失敗、政府の失敗が何を原因にどのように起きているのかをクリアにしたうえで、国が比較優位がある(民間では手を出しにくい)ので、この領域は支援すべきという論理展開と方針だしが力強くできるようになると良いと考えています。
【須藤主査】  ありがとうございました。
 最後の3つ目は、なかなか難しいですね。
【斉藤委員】  そうですね。国家リスクはともかく。
【須藤主査】  何か書けそうですか。かなり勉強しないと難しいんじゃないかなと思うんですけど。
【生田室長】  そうですね。でも、おっしゃったことは確かだと思っていますので、ちょっと工夫してみます。また相談させてください。
【斉藤委員】  じゃ、後で。
【須藤主査】  後で個別にお聞きするなり。
 それから、その前の大学に対する財務的な話というのは、これ、どこか本文には書いてなかったんでしたっけ。もう当たり前のこととして書かなかったのかな。
【生田室長】  民間には書いてあるんですが。
【須藤主査】  もういろんなところで既に動いていますよね。そうしなければいけないということで。ただ、実際、まだ動いていないのも事実なので、やっぱりここでも少し書くことは書いた方がいいと思うんですね。
【生田室長】  一言で、大学をコストセンターではなくて、プロフィットセンターに変えていくことが必要みたいな言葉では書いてあるんですけど、多分、さっきおっしゃったような全体のストーリーとしてつながっていなかったので。
【須藤主査】  大学改革の方でもいろいろ議論しているじゃないですか。ああいうやつとうまく連動させて書いた方がいいと思うんですけど。
 どっちが先でしたっけ。じゃ、どうぞ。
【串岡委員】  今回は科学技術イノベーションということですけれども、内閣府の地方大学・地域産業創生交付金というのがありますが、内閣府のテーマというのは、どちらかというと、地方自治体をある程度念頭に置いて、今まで大学発のいろんなイノベーション活動を考えていたものに対して、地域を主体的に進めるというか、首長のリーダーシップを考えながら、その地域のイノベーションというのを考えましょうと。大学と地域産業とをどうしていくかということを議論する枠組になっています。
 また、当然、これは文科省の話ですから、どちらかというと、論点としては大学がベースになって、今まではどちらかというと、知クラにしても、あるいは、イノベーション・エコシステムにしても、大学のシーズをいかにプッシュして地域産業をつくっていくか、特に大学発ベンチャーに代表されるようなものが中心だったテーマだと思うんです。今回は、先ほどちょっとお話がありましたけれども、スタートアップ方式に加えて、地場企業のいわゆる第二創業というか、そうした第二創業という論点も両方あり得るということでお書きになっています。
 まず、地場企業で言うと、大学の知見を使ったプロセスイノベーションというか、そういうものも結構使いたいし、例えば、我々で言うと、地元の自動車メーカーは、そんなに地元の大学にコミットしていなかったけれども、実際に人を入れてみると、いろんな研究をやられていて、そこが更に派生的に自分たちに役立つということがあり、それが他の会社でも結構いくつか出ていますから、もちろん、シーズプッシュの話は重要だと思うんですけれども、ニーズドリブンと書いてあるので、それが一遍に社会課題と言わなくても、地域企業がもっと大学といろんなメリットがある連携ができるような書きぶりも、今回は特にSDGsというのが念頭にあるんで、多分そういうふうに振られていますけれども、まさに地場企業と大学が協働できるような見方とか言いぶりも工夫していただいたらいいというのが1点。
 もう一つは、どちらかというと、今回、社会課題ということで、高校生もというふうなことも出ていますけれども、地域で高校生がこういった活動に参画するとなると、文科省ですから、当然高校生もあるんでしょうけれども、先ほどの内閣府の論点のように、やはり首長とか、その自治体のいろんな、やっぱり議会も含めて理解を進めていかないと、地域のステークホルダーがかなり広がってくる観点もありますから、そういった目線というか、そういう書きぶりも要るのかなと思いました。
【須藤主査】  ありがとうございました。
 先ほど言われた内閣府のやつは、一番見ているのは、やっぱり首長の取組ですよね。首長がどれぐらい覚悟があるかというのはかなり見ていると思うんですけれども。
【串岡委員】  そういう審査になっていると聞いていますけれど。
【須藤主査】  先ほどから話題になっていて、私も気になっていたのは、本当は、知事とか市長さんとかの役割って、単に自治体の一言で済ませていいのかなというのがあって、いろんなところにリーダーがいるわけですよね。その人と、組織としての自治体と、もう少し区別して書くところもあるのかなという気がするんですけれども。
【生田室長】  そうですね。もともと表現が、自治体と住民ということで主体を分けていたんですけど、途中で住民というのを取ってしまったので。多分、住民だけではなくて、自治体の中の構成員を、もう少し中を見ていかないとということです。
【須藤主査】  そうですね。
【生田室長】  分かりました。
【須藤主査】  それでは、德増さん、お願いします。
【德増委員】  今、ちょっと串岡さんと似ているところなんですけれども。私も、エコシステムの種となる出発点、シーズプッシュとニーズドリブンのところはあるんですけれども、特に第二創業については、やはり地域中核企業が地域を牽引するというのが、今、経済産業省の中でもかなりそこは注目されているところであって、もう少し、ぼんやりするのではなくて、やはりそういう地域の中核企業をある程度育てて引っ張っていくんだ、これも大学も含みながら引っ張っていくんだというような、ある程度そういう表現を入れてもらうと、何か分かりやすくなるのかなと思います。
 それと、やはり出口戦略のところが、フォローアップも含めて、金融面、いろんな面のところがもう少し具体的というか、イメージ的に少し分かるようなものがあるといいのかなと思っています。
 それから、あと、マネタイズの関係で、そこはもちろん出口戦略のところなんですけれども、やはりセーレンさんは大企業であるので、これは自立というか、第二創業というか、その中の社内ベンチャー的なというか、そういう考えでやっておられるんで、資金的な問題があれば、それは相当力はあるんで、それはかなりできてくる。だから、引っ張っていく企業としては、地域として重要な企業であるし、それと、囲い込むというか、そういうやり方をやっていかないと、多分、大学だけでは……。
 浜松は、そういう面では、大学というのは、静大工学部という強い大学があるし、経験もあるし、それから、地域性の中では、いろんな工業がたくさん集積しているという面ではあるんですけれども、それが一般的な他の地域になると、やっぱり相当苦労するんだろうなという意識があるので、やはり何か中核的な産業に、それをいかに大学とくっつけさせるかという、その仕組みづくりをやっていった方がいいのかな。徳島大学さんが、ずっとそんな連携も含めながらやるというような話もしていたんですけどね。いずれにしても、そういうことを今後この中にちりばめながら盛り込んでもらえるとありがたいなと。
 それから、もう1点、広域連携がありまして、これは先ほど言いましたように、国がリーダーシップを取らないと絶対だめだと思います。自治体がやれと言ったって絶対できるわけではないし、それはやはり大学同士の連携から入っていった方がいいかもしれない。そこは。自治体がやれというのはできない。やはり大学が広域連携を持っていくということが、1つの引っ張る大きい要因になっていくかなと思っています。以上です。
【須藤主査】  ありがとうございました。
 中核企業って、定義が難しいような気がする。何を中核というか。
【德増委員】  中核企業というのは非常に難しくて、ある一定の規模であるし、中小企業ではだめなので、ある一定の規模を持って。これは経済産業省が定義づけを今作っておりまして、地域にとって相当な影響力があるという、その定義は私もちょっと覚えていないんですけれども、そういう企業を相当な数、200社、300社を抽出して、それは地域の方から推薦を受けられて、そこに対して積極的に国なり自治体が応援していくというような、そういうやり方をやっている。
 ですから、今までは、この中に書いてありますけれども、企業誘致から、そういう地域がある程度内発的な展開を応援するというような、そういう仕組みを今とってきております。
【須藤主査】  その場合の中核という定義をすると、例えば、地方によっては、ない地方も出てきますよね。そういうところは?
【德増委員】  そういうところは、広域的でも構わないし。
【須藤主査】  広域的でやる。
【德増委員】  ええ。ただ、行政区画で考えるとできないんで、ある程度、それは県内で広域的に考えながら、いくつかのことを出していくということなんですね。何々村に中核的企業があるかというと、ないわけで、そこは県内で広域的に選びながらやっていく。そこに大学がくっつくとおもしろいなという印象は残っています。
【須藤主査】  そこに大学をね。そうですね。ありがとうございました。
 ほかにありますか。どうぞ。
【加藤委員】  今、先生方のお話も聞いていて、「1を100にするところに大学を」みたいな議論が偏りつつあるかなと思って。例えば、ブルックマンさんとか、ゼロを1にしてやられてきて、1になったからいろんな支援が受けられるというんだと、1が生まれないので、それはイノベーションじゃないじゃんと。日本は全体的にイノベーションをあきらめた方がいいかもしれないんですけど、でも、あきらめないのであれば、やっぱり0→1のところの議論を厚くしないと、1→100は世界中からカネを集めることはできるので、そういう意味では楽ですよ。安パイです。1を100にするのは、安心感があって、成果も出やすいので、はずれも少なくなっているし、皆さんが3年間、5年間で成果を出したいと思えば本当によく分かるんですけど、やっぱり0→1のタマの数をしっかり増やすことを国として力を入れるのが、私はこの委員会の議論の主だと思っていたので、経産省が中核企業を盛り立てたいというのは、そういう意味で合っていると思うんですけど、文科省でイノベーションを議論しているところが、企業と大学がくっついた方が早く成果が出るよねというのは、そっちに偏っちゃうと残念かなと思います。
【須藤主査】  バランスですね、確かに。
【加藤委員】  そうですね。
【西村委員】  それなら、すみません。このイノベーションの定義って、どこか最初にやったんでしたっけね。
【須藤主査】  両方イノベーションというんでしょうね。
【西村委員】  だから、結局、イノベーションという言葉の定義と、そのイノベーションが起爆剤となって到達する場所のところが、何となくいつもいくつかのものがぼんやりと混在しているように見えるんですよ。ですから、パターン分けするのはいいのかどうかは別ですけれども、当然、0→1も必要でしょうけれども、別に1から100の間にも、その中からも0→1が出てきますから、私たちも地域企業とやっている中で、別に中核企業じゃなくてもいいので、そこに存在する人たちが物事の考え方を変えていくだけで、新しいことは生まれてくる。だから、最終的に地域科学技術で地域にイノベーションを起こすというのは、どこまでを言うのか。地域を変えていくというのは、できなくないと思っていて、特に、行政区画で言うと、小さければ小さい行政区画のところの地域を変えようとしたら、私たちは実際に総合計画を作るところから入っています。政策連動型で、そこの地域に入り込んでいって、科学技術はそこまで使うことはないかもしれないけれども、産業構造を変えるようなことも介入しながら、大学として手伝うということもあります。
 だから、最後の出口をどこに持っていくのかというのは、当然、僕は、昔のように、江戸時代に300の藩があって、それが独立国家のようになって、ゆるやかな連合国家をつくるように日本がなっていくと強いのかなと思っていくときに、地域がある程度そこで独立的に何かができるような集団にしていくというのであれば、そこを引っ張っていくのが科学技術を使ったイノベーションであるというのだったら、そういう定義でもいいと思うんですね。何かそこがクリアじゃないんで、出口のところが、一つには書けないかもしれないけれども、いくつかのパターンでも書いてみる。そのときには、0→1を作るところもあるし、1から100を作るところ、混在型もあってもいいよね、大学の介入の仕方も変わるよねということではないのかなと思ったんです。
【須藤主査】  おっしゃるとおりだと思います。最初のところから、そういったことをちゃんと書いた方がいいですね、確かに。それに合わせて、以下、その後議論を進めていかないとまずいかもしれないですね。
【林委員】  あまり0→1にするか、1を100にする、1000にするという、区別にこだわらないほうがいいと思うんですけど。0→1だというと、途端に基礎研究でこういうことをやるんだというふうになっちゃうと、また違うんじゃないかなと。
【加藤委員】  体験している側からすると、もう役割は全然違います。1を100にするのは、やっぱりCEOが別にいて引っ張っていかないと100にはならないので、0→1のメンバーと1→100のメンバーは多分全然違います。そういう意味では、チーム構成も違うし、大企業の中で、そういう小さいチームを作って、0→1をするチームは、もちろん皆さんやっていらっしゃるので、その中から0→1もあるんでしょうけど。
 そういう意味で、ごっちゃにするのは、それこそまた日本から新しい会社ができなくて、0→1はもう海外でやって、逆輸入で1→100にする1つの国として日本がありますみたいな、今の若いというか、ベンチャースピリットあふれる人たちがみんなが海外へ行っちゃうという流れを止められないのではないかなと。きちっと分類というか、サポートかもしれないし、科学技術との関わりかもしれないんですけど、変えていかないと、多分難しいのではないかなと。
【須藤主査】  メンバーが違うというのは、大学だけじゃない、企業側も違うということですよね。
【加藤委員】  そうです。
【須藤主査】  その辺をちゃんと書けばいいかもしれないですね。
【林委員】  方法論もメンバーも違うんだと思いますよ。それをスコープとして、これは両方取り入れるのかどうかということじゃないですかね。
【生田室長】  そういう意味では、地域を社会変革するというのが目標だと思うんですよね。ですので、もちろん、私の中のイメージとしては、0→1もありだし、1→100も当然あるという認識です。ただ、どっちかに偏るということではない。どっちであっても、その地域が社会変革が起こればいいのかなという。アプローチの仕方としては2つあるのではないかというふうに。
【西村委員】  ものすごく賛成で、私、もともと0→1の社長をやっていたので、0→1の考え方から、そこから今特にやっているのは、1→100をやっているんですね。これ、全部混在しないと、地域なんか変わらないですよ。
 あと、1→100をやって、100で稼げるという人たちがいなかったら、0→1のクオリティが分からないんですよ。0→1はいくらでも出てくるんですよ。いっぱい出ましたよね。でも、0→1の1の評価が明確じゃないから、玉石混交の0→1の集団ができてくるから、いつもぼけてしまう。だから、1→100ができて、100を作るための1は何だということが分かった人たちが0→1を見ていく社会をつくらないとだめだと思う。という意味で、混在が重要だと私は思うし、目標性の設定は非常に重要だと思っています。
【須藤主査】  いかがですか。
【加藤委員】  混在が悪いわけではなくて、きちっとサポートとか科学技術との関わりとか、国との関わり、地方自治体との関わり方が違うので、何かサポートする場合、そのメニューが大分違いますねということです。
【須藤主査】  なるほどね。どうぞ。
【斉藤委員】  先ほど、社会的価値、産業的価値、経済的価値という話をしましたが、その枠組みで、今の議論は整理できると考えています。
 まず、イノベーションの定義はいろいろあり、また、特定のイノベーションの定義から出発するのも一長一短がある気がします。ただ、「優れたイノベーションは何か」という問いかけをしたときには、社会的価値がすばらしく、産業的価値を生み出され、経済的な価値がつくられる、という観点がすべて満たされていると、それは「優れている」と誰もが考えるのではないか、と私は思っています。もしその考え方に違和感がないならば、それは書いた方がいいのではないか、と個人的には思っています。
0→1論についてですが、少なくとも、テクノロジーのブレークスルーについて、やはり、社会的に意義があった方が、ないよりも価値があると感じる。研究者に100人ぐらいと年間に面談をしていた時期がありますが、産業的価値が生まれるかどうか、まだそれはよく分からないが、「こちらの方が社会的価値、、、」という会話になった瞬間に、研究者の目がきらきらし始める。研究者の方々は、論文上の学術的な評価だけではなくて、社会実装をものすごく意識されている。将来、この成果が経済的価値、金もうけにつながるのかどうか分からないけれども、社会的な何かの意義がある、価値があるということが見えてくると、「この研究をより深めたい」とおっしゃるわけです。少なくとも、社会的価値、産業的価値、経済的価値、という概念を提示してあれば、研究テーマの選択の際にも各研究者も意識されるのではないかと思います。
【須藤主査】  はい。
【西村委員】  それ、社会的価値をしっかり意識した研究をするとか、そういう研究を通して、私たちは0→1を作れる人を教育しているんですよね。そうすると、その教育のレベルも上がっていくんですよ。そのことが反映されることで、結果的に地域を見る学生たちを創り上げる。
 だから、ちょっと言い方は悪いけど、最後の出口の質の高さみたいなものを、それが社会的価値を生み出すんだということで、1つのくくり取りをして、そこに全てが背骨のようにありながら、研究にも、教育にも、0→1とか、1→100にしても、全部そうやって入れていくような、何かそういうものが一本通っているといいのかな。
 教育にはものすごく効果があるんです。中途半端な教育で地域の中に入れていっても、何とかごっこをさせても、すぐ学生たちは飽きて、もう見切るんですよ。でも、本物を見せて、背中を見せたときの輝き方は全然違うんですね。それは何かというと、やっぱり社会貢献しているような形の新しい漁師とか新しい農家を見るだけで変わるんですよね。だから、そこら辺が、地域のイノベーションを起こすときの人の質ということはないですけど、やっていることの質みたいなものが、さっき言った社会的価値ということで、うまくきれいに取れると、これは非常に意味があるのかなと思います。
【須藤主査】  いや、なかなかいい議論だと思いますし、最初の方向性とか、この辺のところに、もう少し書ける内容がいっぱいあると思いますので、ちょっと考えてみてください。
 関係することでも、別のことでも構いませんので。どうぞ。
【斉藤委員】  先ほど政府の失敗の話をしましたが、今の話題に関連して補足させてください。
 0→1を作るというのと、1から100を作るという議論がありましたが、100の後というのは、世界のある領域で、「オンリーワンを作れる」可能性の議論をすべきではないかと思っています。要するに、科学技術成果が、その価値創造の源泉であり、将来、産業化した時の競争優位の源泉になっているのであれば、世界でトップの状況とは、その結果として、大きな産業的価値切り拓ける可能性があり、大きな経済的な価値を享受できる、ということになります。
 国家間の競争において、国の持続的な豊かさを確保していく、そのための打ち手を講じていくのが国家資本主義的な世界の話になるわけですが、その際には、「0→1」論、「1→100」論だけなく、「100からオンリーワン」論が鍵になります。これも、イノベーションですので、何から言及していただけたらと思います。
【須藤主査】  100より上があったか。
 川人先生、いかがですか。せっかく来られたので。
【ブルックマンテクノロジ(川人)】  じゃ、一言だけ。
 さっき、大学での教育ということでの例を挙げましたけど、今、学生は、意識としては、うちに来る学生は、もうひたすら大手の、研究室でやったことを生かせる企業に就職するということを常に目指すんです。
 よく言われることで、私も聞いた話だけなので、本当かどうかも分からないで言っている話ではあるんですけど、例えば、アメリカの学生というのは、一番優秀なのはベンチャー会社をつくる、二番手はベンチャー会社に入る、一番成績の悪いのが大手企業に入ると。日本は逆といいますかね。だから、そういうマインドを変えるということをしたいんですが、どういうふうに教育という意味でしていけば、そういうふうになるのかというのは、私、全然知恵はないんですけど、そういうことを考えていただけると、結果、例えば、浜松にある我々の会社に入ってくる学生なんかもどんどん増えてくると思うので、どうすればいいのか分からないんですけど、非常に重要なことではないかなと思って、それは是非期待したいと思います。
【須藤主査】  ありがとうございます。
 野形さん、いかがですか。勝手なことを言っているようですけれども。
【セーレン(野形)】  先ほどの0→1のお話と関係しないかもしれませんけれども、何か新しい商品なり開発をしようというときに、経営者の勘なのかどうなのか、これはいけるぞとか、それはいくらやってもだめだろうというような言われ方もたまにございますね。それが何だか、技術屋の方が「これはちょっと無理じゃないかな」というようなことを、上の方が「おもしろそうだからやれ」というような、そういう、ある意味、普通の開発のテーマを並べている中からでは絶対出てこないような、先ほどのお客様お好みのものを作るというようなやつが典型的な例なんですけれども、正直、最初は思いつきかどうか知りませんけれども、そういったところからスタートして、執念だけでやっていった例と、ある程度もう十分できそうなものがあった上で、積み上げていくものというのと、やっぱり会社の中でもやり方は変わっているな。
 それを支える人材というのも、大学の先生方、シーズ、そのまま頂くということだけではなくて、そういう教育を受けた人が我々の会社に入っていただいて、そこで成長して形にしていく、そういう二通りのもののでき上がり方があるなというのは多少実感はしているところでございます。
【須藤主査】  ありがとうございました。
 時間がそろそろ来ているんですが、何か。どうぞ。
【德増委員】  0→1というのをまた議論しちゃうんですけれども、失敗というのが、どうそういう人材を救うかというところが、科学技術なんか、まさしくトライ・アンド・エラーをやりつつ、できたできないであるわけですね。今のセーレンさんの話なんかもまさしくそうで。そこら辺のところのフォローの仕方というか、そこら辺、もう少し何か入れ込むというのもできないのかなと。これは金融の話になるのか、人材の話になるのか、よく分かりませんけれども、そういうのが一部こういうところであるとおもしろいのかなと思っています。
 それから、浜松の話を聞いていると、どうも文化じゃないかなと。0→1の世界は、やる気のある人間が走りながら考えつつ、じっと考えていなくて、走りながら、これはうまくいくなと言って、拾いながらいって、放るところは放っていっちゃうという、こんな感じがちょっとしておりますのでね。そして、やはり失敗はたくさんしているんだろうなという印象は持ちました。以上です。すみません、感想で。
【須藤主査】  ありがとうございました。
 一応予定の時間になりましたので、この辺で今日の議論を終わりたいと思います。先ほども申し上げてましたように、上の会議、産業連携・地域支援部会にて報告することになっていますので、この中間とりまとめについては、今日もいろいろ出ましたけれども、是非、コメント・意見をメールで事務局の方に出していただきたいと思います。多分、このままだと、事務局も非常に書きづらいと思いますので、少し文章にして出していただくと書きやすいのではないかなと思いますので、その辺、よろしくお願いします。
 それを取りまとめて報告内容としますけれども、これ、いつ頃まとまります?
【生田室長】  皆様方から今月中にコメントを頂いて。
【須藤主査】  上の部会はいつあるんでしたっけ。
【生田室長】  産地部会が10月24日ですので、今月中に御意見いただいて、1週間ないし10日後ぐらいに、一度メールで流させていただきます。
【須藤主査】  一度委員の先生方に流せていただいて、それでもう一回もらってから、その結果を受けて、申し訳ありません、その後は、まだ中間ですので、主査一任ということで、よろしくお願いします。もう一度見ていただきますので、お願いいたします。
【德増委員】  資料はダウンロードすればいいんですかね。
【生田室長】  改めてメールで、ワード文の方で送らせていただきます。
【德増委員】  ありがとうございます。
【須藤主査】  それでは、残りの時間で、議題3があります。先月公表されました平成31年度概算要求につきまして、特に地域科学技術イノベーション関連の施策の予算内容について説明していただきます。お願いします。
【生田室長】  それでは、資料3を開けていただけますでしょうか。
 最初のページ、1ページ目に、目次的に全体像を示しております。こちらにございますように、一番右のところが、現状予算要求の大きな3つの施策が書かれてございまして、一番上の地域イノベーション・エコシステム形成プログラム、これが、どちらかというと地域の拠点形成を支援するプログラムで、シーズプッシュ型になってございます。
 真ん中のものが個人支援でございまして、大学の研究者が持つシーズと、特に地域の地元の企業とのマッチング、そういったものを支援する施策となっております。
 一番下のものが、どちらかというと、地域のまち、もしくは地域のブロック単位、まちづくりに呼応する形で科学技術イノベーション活動をしている、そういった取組を支援する施策となっております。
 なお、今年の予算要求では、これらの3つに加えて、もう一つ、新しい新規施策というものも要求をさせていただいているところでございます。
 それでは、次のページに行っていただけますでしょうか。こちらは、1つ目の地域イノベーション・エコシステム形成プログラムでございまして、予算要求額としては、44.3億円。こちらは平成28年度から実施している事業でございまして、今年度の要求内容には、新規の7拠点の分と、加えまして、現時点で既に採択をされている19の地域がございますが、こちらに限定した形で、ポンチ絵の下半分、右側にございますように、出口戦略に着目した新規補助メニューというのを、新たに今年の概算要求では加えております。
 そもそもこのエコシステム形成プログラムというのは、地域のコア技術、大学さん等が持つコア技術をベースとして、シーズプッシュ型で、社会的インパクトが大きく、地域の成長とともに国富の増大に資する事業化を目指したプログラムとなってございます。ですので、これは5年間のプロジェクトで、大体初年度1.2億、通年になりますと1.7億で、5年間の支援をさせていただいているものなんですが、5年後には、出口目標として、戦略パートナーへの技術移転ですとか、地元の中小に対する技術移転・事業化、もしくは、新しく大学発ベンチャー企業、そういったものを見据えているところでございます。
 そういった意味で、この事業は平成28年度から始まって、3年度目を迎えますので、そろそろ出口戦略に近づいてきている頃ではないかということで、右側2つのメニューに分かれておりまして、地域発ベンチャー支援、こちらは、このエコシステムの成果として出てきましたベンチャーに対して、ある意味、官製エンジェル的な形で、小額ではございます、そして、単年度に限定されたものではございますけれども、ギャップファンド的に支援をさせていただきたいという内容でございます。ある意味、国がこういった形で支援をさせていただくことで、そのベンチャーに対する信用も与えまして、民間VCの誘引も図れるのではないかと。
 それから、特に地方になりますと、VCさんの情報ですとか、お金とか人、そういったものがやはりアクセスが厳しいというのがございますので、一番最初の立ち上げのところ、よちよち歩きのところに特に支援をしたいというのが、ベンチャー支援でございます。
 右側の自治体のイノベーション基盤形成支援、こちらの方は、このイノベーション・エコシステム形成プログラムの目的としては、地域にイノベーションのエコシステムを作るというものでございますので、その際に、特に自治体さん、プログラムの中では、やはり事業化のR&Dに集中してしまいますので、自治体さんのイノベーション基盤のために必要なお金に支援を特化してさせていただきたいなと。具体的には、例えば、自治体さんの方でインキュベーション施設を造る場合に、最初の初期投資の設備備品を購入するですとか、もしくは、広報活動やブランド化に関する費用、そういったものに特化して支援をしていきたいという内容として要求させていただいております。
 続きまして、次のページに行っていただきますと、こちらは、研究成果最適展開支援プログラム、A-STEPと通称呼ばれておりますプログラムでございます。JSTさんのプログラムなんですけれども、全体としては、広く産業界と大学とのマッチングを支援する形になってございまして、右側の下のところにフェーズが書いてございます。特に地域の施策といたしましては、一番初期段階、機能検証のフェーズが、特に地域施策として我々が強調して支援をさせていただいているものでございます。
 と申しますのは、地域を全国5つのブロックに分けておりまして、22名のマッチングプランナーという、いわゆるコーディネーターの方が結構足しげく地元の企業さんを回ったりとか、地方の大学さんを回ったりして、マッチングのネタを探していただいております。そういったものがベースになりながら、これも小粒の年間300万、もしくは、年間1,000万の規模感でございますけれども、1年限りグラントという形で支援をさせていただいている内容でございます。
 特に、ここの部分について、今年は若手枠、特に40歳未満の方々に支援をしていきたいということで、その部分の増額を要求させていただいている内容でございます。
 続いて、3ページ目が、世界に誇る地域発研究開発・実証拠点、いわゆるリサーチコンプレックスの推進プログラムというものでございます。これは既に来年度が最終年度となってございまして、平成27年度から5年間支援をさせていただいている内容でございます。一言で言ってしまいますと、フランスのグルノーブルのように、ある意味域内の施設とか資源を集積させて、リサーチコンプレックスを作ろうという発想から出てきておりまして、イノベーションによるまちづくりのようなものを目指しているものでございます。既に採択地域としては、神戸、川崎の殿町、そして、けいはんな地区、この3地域を支援している内容でございまして、年間約4億円程度の支援、5年間、そして、来年度が最終年度を迎えるという形になってございます。
 最後のページが5ページ目でございますけれども、こちらが、先ほどの目次のところにはなかった、新たな新規事業でございます。科学技術イノベーションによる地域社会課題解決、INSPIREと通称呼んでおります。英語名は、下に書いてあるとおりでございまして、要は、ソーシャルプロブレムをイノベーションで何とか解決しようという内容になっております。
 こちらも、どちらかというと、地域の拠点に対する支援でございまして、最初のエコシステムがシーズプッシュ型に対して、INSPIREはニーズプルということで、あくまでもニーズありきにしております。これも、ニーズといっても、技術課題ではなくて、社会課題をベースとして、大学、研究機関、企業、金融、様々なマルチステークホルダーの方が連携をしていただいて、そして、地域が気づいていない強み・ポテンシャルを最大限引き出すことを目指した、まずビジョンを作っていただこうと。そのビジョンの実現に向けて、STI、科学技術イノベーションを活用していただきたい。これによって、地域の困り事を解決できるのではないか、そういったことを目指している施策でございます。
 これ、ポンチ絵の下のところに、小さくSDGsを書いているんですけれども、こちらについては、要は、SDGsということを一つの共通言語にすることで、普段だったら会話もしないようなマルチステークホルダー、そういった方々が一堂に会して、例えば、人文・社会科学の方も最初の段階から入っていただくですとか、もしくは、本当に地元の高校生、若者、もしくは、NPO、ベンチャー、いろんな方々が入って、自分たちの住んでいるまちをどうしていきたいのか、そのためには何を解決しなければならないのか、そのためにどういうSTIを使えるのか、そういった観点から、地域のコミュニティにもっとSTI、科学技術イノベーションのポテンシャル、効果を知っていただく、そういった体験を持ってもらいたい。そういう発想で立ち上げたいと思っている内容でございます。
 事業スキームのところにございますように、基本的に対象としては、大学・研究開発機関法人及び自治体とさせていただいておりまして、その地域のコミュニティに対して、我々としては支援をしていくということを考えてございます。規模感としては、年間1地域当たり1億円程度と書かせていただいておりますが、これは状況によって、大小様々なものが出てくるのではないかと考えてございます。
 また、その地域の捉え方としまして、従来、拠点形成ものですと、我々、どちらかというと、県単位とか政令指定都市の単位で支援をさせていただいておりましたが、こちらについては、特段そういう縛りを設けずに、大きいものもあれば、場合によっては、基礎自治体の小さな都市レベルのもの、そういった提案もあるのではないかと想定しております。
 事業期間といたしましても5年間、そして、ステージゲート評価を経た上で、最長5年間、つまり、10年間ぐらいの支援というのもできればしていきたい。つまり、長期的な視点で、こういった活動を支援できればいいなと考えている内容でございます。
 説明は、以上でございます。
【須藤主査】  ありがとうございました。ただいまの説明、何か御質問等ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、最後に、事務局から、今後の予定の説明をお願いします。
【植原専門官】  それでは、資料4を御覧ください。
 次回の委員会の日程ですけれども、10月29日月曜日13時から15時を予定しております。場所は、文部科学省15階にあります特別会議室となっております。
 なお、こちらの資料4にございますように、今後、第8回、第9回、第10回、第11回と、2月まで既に予定をフィックスしておりますので、こちらの方の御確認もお願いいたします。
 次回の委員会も、引き続き、関係機関に対するヒアリングを実施する予定です。次回は、金融機関からのヒアリングを予定しており、対象機関としましては、阿波銀行、QBキャピタルの2機関を予定しております。以上です。
【須藤主査】  それでは、よろしいでしょうか。これにて第6回目の推進委員会を閉会としたいと思います。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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